JP5975718B2 - 食品成型用プレス処理装置 - Google Patents
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Description
このような成型容器5を用いる場合、成型容器5を一つずつ処理する場合には、単に所定の押圧力をかけるのみであるため格別問題が生じることはないが、例えば小容量の成型容器5が用いられ、複数の成型容器5を一度に押圧するような処理を試みたときには、カードCの収容量のバラつきによる問題が生じることとなる。
すなわちチーズバッドにおいて原料乳から生成されたカードCを成型容器5に移すにあたっては、その都度、重量または体積を計測しながら小分けすることにより、成型容器5毎の収容量のバラつきを抑えることができる。
このため小分けされるカードの量は、必ずしも一定とはならず、この結果、複数の成型容器5を同時に押圧する場合、単に成型容器5を上方から押圧しただけでは押圧力が不均等となってしまうため、収容量のバラツキに応じてこれを許容しながら全てバランスよく押圧を行うことが求められる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また押圧シフタによる押圧力をバランサアームに設けられる押圧板及び押圧キャップを通じて、収容カップ内の被処理物に均等に作用させることができる。
更にまたカードから余剰なホエイを搾り出すと同時に、カードの成型を行うことができる。
なお本発明の食品成型用プレス装置Dは、チーズFの中間製品であるカードCの成型を行う装置として機能するとともに、チーズFの細断を行う装置としても機能するものであり、始めにプレスユニット3を具えてカードCの脱水を行うように構成される装置の説明を行った後、続いてカッタユニット7を具えてチーズFの細断を行うように構成される装置の説明を行う。
また以下の説明においてはチーズFの製造加工にあたり、その中間製品等の成型及び最終製品等の細断を行う実施例を説明するが、例えば練り製品の成型や、野菜類の細断等に本発明の装置を適用することも可能である。
始めにカードCの成型を行うための装置としての食品成型用プレス装置Dについて説明する。
まず前記テーブル基台1は、鋼材を適宜枠状に組むとともに天板10が設けられて構成されたものであり、このテーブル基台1上に立設された機枠11に対して前記作動本体2が組み付けられる。なお押圧シフタ20として、この実施の形態では一例として押圧ロッド21が伸縮するエアシリンダを採用したが、リンク機構等を適用することもできる。
このため前記プレスユニット3は、バランサアーム31と押圧板32との間に中継ロッド33が具えられることにより遊持機構が構成されるものである。そして前記バランサアーム31がその中央で前記押圧シフタ20の押圧ロッド21に回動自在に接続されている。また前記中継ロッド33は、バランサアーム31の両端部にそれぞれ吊持状態且つ回動自在に接続され、更にこの中継ロッド33の下端に押圧板32が接続されている。
なおこの実施の形態では、前記押圧板32を中継ロッド33に対して固定状態としたが、回動自在に取り付けるようにしてもよい。
また前記中継ロッド33には、バランサアーム31との接続用の孔33aが複数個所に形成されており、接続部から押圧板32までの距離が変更可能に構成されている。
そして図1〜3に示す実施例では、前記バランサアーム31の長さを一例と440mmとし、また前記押圧板32を直径300mmの円盤としたが、これらの寸法及び形状は、押圧対象となる成型容器5の寸法等に応じて適宜変更し得るものである。
更に押圧キャップ52の内側には、前記透液孔53よりも目の細かいネット55が貼付されており、一方、収容カップ51の内側には、フレーム54に保持されたネット56が、フレーム54を開口部57に内嵌めすることにより、密接した状態で位置することとなる。
そして前記収容カップ51における開口部57付近は、その下方部分よりも大径とされているため段差部58が形成されており、この結果、前記押圧キャップ52は、収容カップ51の上縁部と、段差部58との間の範囲で上下動することが可能となっている。
まず原料乳から製造されたカードCを成型容器5に充填するものであり、あらかじめチーズバッド内においてホエイWの除去が大まかに行われたカードCを、レードル等を用いて小分けして、収容カップ51に充填する。
この際、前記カードCの性状は固体成分と液体成分が不均等に入り混じったものであり、更には気泡が混ざる部位もあるため、個々の収容カップ51毎に充填されるカードCの量がばらついてしまうことは避けられない。
なおここでは成型容器5として、直径28.5cm(容量7500〜7600ミリリットル)のものを用いる。
次いで図2に示すように、押圧シフタ20の押圧ロッド21を収縮させて、プレスユニット3が一例として上死点にある状態で、テーブル基台1に載置された受バッド4内に収容カップ51を設置するとともに、開口部57に押圧キャップ52を内嵌めする。
なおここでは一例として、図3中、左側に位置する成型容器5と、右側に位置する成型容器5とを区別するものであり、左側に位置する成型容器5内に位置するカードCの量が、右側に位置する成型容器5内に位置するカードCの量よりも多く、結果として左側に位置する成型容器5における押圧キャップ521が、右側に位置する成型容器5における押圧キャップ522よりも高所に位置しているものとする。
また同様に図3中、左側に位置する押圧板32、中継ロッド33を押圧板321、中継ロッド331とし、右側に位置する押圧板32、中継ロッド33を押圧板322、中継ロッド332として区別する。
この状態で押圧シフタ20を起動するものであり、押圧ロッド21は伸長して、やがて図3(a)に示すように押圧板321が押圧キャップ521に当接する。
そしてこの状態から更に押圧ロッド21が伸長すると、バランサアーム31が回動し、押圧キャップ521に当接した押圧板321はほとんど下降することなく、押圧板322が下降して、やがて図3(b)に示すように押圧板322が押圧キャップ522に当接する。
この状態から更に押圧ロッド21が伸長すると、その力は中継ロッド331、332、押圧板321、322を通じて押圧キャップ521、522に作用して、収容カップ511、512内のカードCがプレスされてホエイWが滲出し、透液孔53から外部に流出することとなる。
このように本発明によれば、バランサアーム31の両端に支持される押圧板321及び押圧板322に対して、押圧ロッド21による押下力が均等に作用して、収容カップ511、512内のカードCを同じ力でプレスすることができ、ホエイWの滲出度合いを同様のものとすることができる。
やがてホエイWの滲出が十分に行われた時点で押圧ロッド21を収縮させてプレスユニット3を上昇させ、収容カップ51からカードCを取り出すものであり、離型されたカードCは余分なホエイWが除去されるとともに、収容カップ51の内側形状に成型されたものとなる。
なお成型されたカードCは、適宜熟成処理が成されて最終製品であるチーズFと成るものである。
次に成型容器5として、直径9cm(容量約300ミリリットル)のものを用いる場合の、作業形態について説明する。この場合、図5に示すように、テーブル基台1に載置された受バッド4内に、複数の成型容器5を設置するとともに、これら成型容器5における押圧キャップ52上に圧力分散板6を載置し、この圧力分散板6を押圧板32によって押下するような作業形態が採られるものである。
なお図5には、成型容器5を、圧力分散板6を介在させて二段重ねにした作業形態を示したが、成型容器5のサイズによっては、三段あるいはそれ以上、重ねることも可能である。
次いでチーズFの細断を行うための装置としての食品成型用プレス装置Dについて説明する。なおこの場合、押圧作用ユニットとして、前記プレスユニット3に替えてカッタユニット7を作動本体2に接続するものであり、このため上述したカードCの脱水を行う装置としての食品成型用プレス装置Dと共通する構成についても説明は、ここでは省略する。
また前記スライダ73には、下面側に押圧要素74aが形成された押圧ブロック74が取り付けられるものであり、押圧ブロック74の上面側に具えられた固定ピン74bが、前記スライダ73に形成された固定孔73bに挿入され、係止バネ73cによって固定されるように構成されている。
また、前記ガイドポスト72の下端側は、ロッド受け70aから突出状態とされるとともに、この突出した分部にねじ山が形成されている。
なおブレード75bによって区画された空間は、前記スライダ73における押圧要素74aが嵌まり込む収め部75dとして機能する
このような構成が採られることにより、種々の細断形状の押圧ブロック74及びブレードユニット75を適宜交換して用いることができる。
なおこの状態で前記ブレードユニット75の下方には、テーブル基台1の天板10との間に、細断後のチーズFが位置するための十分な空間が確保されるものであり、この空間を切出スペースSと呼ぶ。
まず図8(a)に示すように、押圧シフタ20の押圧ロッド21を収縮させて、押圧ブロック74が一例として上死点にある状態で、ブレードユニット75上にブロック状のチーズFを設置する。
この状態で安全ゲージ77を閉じると、リミットスイッチ77aがこれを検出し、制御装置によって押圧シフタ20が起動されるものであり、押圧ロッド21は伸長して、やがて図8(b)に示すように押圧ブロック74がチーズFに当接し、チーズFを押下してこのものをブレード75bに作用させる。なお図8においては、安全ゲージ77及びリミットスイッチ77aの記載は省略している。
そして押圧ブロック74が更に下降すると、チーズFはブレード75bによって細断されるものであり、図8(c)に示す状態を経てやがて図8(d)に示すように細断される。この際、切出スペースSが十分に確保されているため細断後のチーズFの破損や変形を回避することができる。また押圧ブロック74に具えられた押圧要素74aは、ブレード75bによって区画された収め部75dに嵌まり込んだ状態となるため、チーズFを最後(上端)まで確実に細断することができる。
1 テーブル基台
10 天板
11 機枠
2 作動本体
20 押圧シフタ
21 押圧ロッド
3 プレスユニット
31 バランサアーム
32 押圧板
321 押圧板
322 押圧板
33 中継ロッド
33a 孔
331 中継ロッド
332 中継ロッド
4 受バッド
5 成型容器
51 収容カップ
511 収容カップ
512 収容カップ
52 押圧キャップ
521 押圧キャップ
522 押圧キャップ
53 透液孔
53a 液抜溝
54 フレーム
55 ネット
56 ネット
57 開口部
58 段差部
6 圧力分散板
7 カッタユニット
70 フレームユニット
70a ロッド受
71 案内面
71a 取付アーム
71b ボルト孔
72 ガイドポスト
73 スライダ
73a スラスト軸受
73b 固定孔
73c 係止バネ
73d 連結具
74 押圧ブロック
74a 押圧要素
74b 固定ピン
75 ブレードユニット
75a 枠体
75b ブレード
75c ボルト孔
75d 収め部
76 取付板
76a 取付孔
77 安全ゲージ
77a リミットスイッチ
B ボルト
C カード
F チーズ
N ナット
S 切出スペース
W ホエイ
Claims (2)
- テーブル基台と、その上方に配置され、テーブル基台に向かって接離自在の押圧シフタを具えた作動本体と、押圧シフタに着脱自在に取り付けられる押圧作用ユニットとを具え、被処理物に対して押圧作用を与えることができるように構成された食品成型用プレス処理装置において、
前記押圧作用ユニットは、バランサアームの両端部にそれぞれ吊持状態且つ回動自在に中継ロッドが接続され、更にこの中継ロッド下端に押圧板が回動自在に接続されて構成されたプレスユニットであり、
前記バランサアームの中央を前記押圧シフタに回動自在に接続し、
また前記テーブル基台上に受けバットを載置し、
更に収容カップと押圧キャップとを具えた成型容器を複数、前記受けバット内に並べ、
前記押圧板を成型容器における押圧キャップに当接させて、収容カップ内の被処理物をプレスすることができるように構成されていることを特徴とする食品成型用プレス処理装置。
- 前記成型容器は透液性を有するものであり、被処理物はチーズの中間製品としてのカードであることを特徴とする請求項1記載の食品成型用プレス処理装置。
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