JP5974664B2 - 接着性樹脂組成物、接着剤及びその構成物 - Google Patents

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Description

本発明は、接着性樹脂組成物に関するものであり、より詳細にはエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む接着性樹脂組成物及びそれよりなる硝子用接着剤、蓋材シーラント用接着剤及び易剥離性フィルムに関するものである。
液状又は粘性がある食品や粉状の食品を硝子製の容器に密封包装するには、特定の感熱型接着剤をシーラントにした蓋材と硝子容器の口部をヒートシールにより接着する方法が行なわれている。硝子は親水性が非常に高いため、接着の界面に水が浸入すると強度が低下する問題があり、特に液状又は粘性がある食品の包装や密封硝子容器の多湿環境下での長期保管においては、耐水性の確保が課題となっている。
これまでに、蓋材を構成する金属箔の片面に感熱接着剤層として、ブチラール樹脂、エチレン−アクリレート共重合体樹脂、アイオノマー樹脂などに耐水性向上のためのロジン類と脂肪酸を配合した接着剤が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
また、硝子の表面を樹脂フィルムで被覆し、その被覆したフィルムと特定の感熱型接着剤をシーラントにした蓋材とをヒートシールすることにより密封し、耐水性を高めた方法等も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開平5−50555号公報(例えば特許請求の範囲参照) 特開平5−215566号公報(例えば特許請求の範囲参照) 特開2004−331199公報(例えば特許請求の範囲参照)
しかしながら、特許文献1又は2で提案されている接着剤のロジン類と脂肪酸の配合では、水に浸漬するより過酷な条件下では耐水接着性が不十分であり、経時で接着剤層の表面に脂肪酸のブルームが生じ(粉吹きによる白化)、食品に接触する接着剤層の表面汚染や食品へ移行する可能性もあり、衛生上好ましくない。
また特許文献3で提案されている方法では、硝子容器をポリオレフィン系樹脂フィルム(例えばポリプロピレン樹脂など)で被覆し、一方の蓋材の接着剤層には該ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン樹脂)と他の共重合体(ポリエチレン樹脂など)からなる混合物を用いてヒートシールするものである。接着面はポリオレフィン系樹脂同士であるため、硝子との接着よりも高い接着強度を得ることが可能であるものの、蓋材を開封した時に容器の口部に蓋材の接着剤層樹脂の一部が残り(いわゆる糊残り)外観が損なわれるばかりでなく、硝子容器に被覆処理が必要なため、生産性やコスト高の問題がある。
そこで、本発明では上記課題を解決し、硝子とのヒートシール性が良好で耐水接着性に優れ、接着剤層の表面汚染を低減し衛生性にも問題がなく、かつ、硝子容器表面の特別な処理も必要のない接着性樹脂組成物及びそれよりなる構成物を提供しようとするものである。
そこで、本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討した結果、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体に特定の酸価を有するロジン系粘着付与剤とシリコンオイルを含む接着性樹脂組成物が、硝子との耐水接着性に優れ、接着剤の経時による表面汚染もなく安全衛生性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、エチレン残基単位58〜90重量%、酢酸ビニル残基単位10〜42重量%からなり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが5〜50g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、酸価が4以上のロジン系粘着付与樹脂(B)10〜55重量部、シリコンオイル(C)0.5〜2.5重量部を含むことを特徴とする接着性樹脂組成物、硝子用接着剤、容器に適したシーラント用接着剤、易剥離性フィルム及び易剥離性フィルムからなる蓋材に関するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の接着性樹脂組成物は、エチレン残基単位58〜90重量%、酢酸ビニル残基単位10〜42重量%からなり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが5〜50g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、酸価が4以上のロジン系粘着付与樹脂(B)10〜55重量部、シリコンオイル(C)0.5〜2.5重量部を含むものである。
本発明を構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、公知の製造方法により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)であって、硝子に対するヒートシール性、ヒートシール強度に優れたものとなることから、エチレン残基単位58〜90重量%、好ましくは68〜90重量%、酢酸ビニル残基単位10〜42重量%、好ましくは、10〜32重量%からなるものである。ここで、酢酸ビニル残基単位が10重量%未満の場合、得られる接着性樹脂組成物は、硝子に対するヒートシール強度が低く、ヒートシール性に劣るものとなる。一方、酢酸ビニル残基単位が42重量%を超える場合は、粘着性が強くなるため、得られる接着性樹脂組成物及びそのフィルムは耐ブロッキング性に劣るものとなり、ハンドリング面に問題が生じる。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル残基単位の量は、JIS K 6924−1に準拠し測定した方法により測定することができる。
また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、成形加工性に優れた接着性樹脂組成物となることから、JIS K 6924−1に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレイトが5〜50g/10分の範囲にあるものであり、特に8〜30g/10分であることが好ましい。メルトマスフローレイトが5g/10分未満の場合、成形加工時のドローダウン性が劣るものとなる。一方、メルトマスフローレイトが50g/10分を超える場合は、得られる接着性樹脂組成物の溶融粘度が低くなるため溶融膜が安定せず、成形加工安定性に劣るものとなる。
該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)の具体的例示としては、例えば(商品名)ウルトラセン637(東ソー株式会社製)等を挙げることができる。
本発明を構成するロジン系粘着付与剤樹脂(B)は、親水性の硝子に対する接着性を付与させるものであり、ロジンエステル類(アルキルエステル、グリコールエステル、グリセリンエステル、ペンタエリストールエステル)及びそれらの変性物、マレイン酸又は無水マレイン酸変性ロジン、マレイン酸または無水マレイン酸変性ロジンエステル類(アルキルエステル、グリコールエステル、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル)などが挙げられる。これらロジン系樹脂は、単独で、または2種以上混合して使用しても良い。
本発明を構成する粘着付与剤樹脂(B)の酸価は4以上であり、酸価が4未満になると、ヒートシール強度が劣るものとなる。
また粘着付与剤樹脂(B)の配合割合は、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、10〜55重量部であり、特に安定した成形加工性と硝子に対する良好なヒートシール性が得られる接着性樹脂組成物となることから、12〜45重量部であることが好ましい。10重量部未満の場合、得られる接着性樹脂組成物は、ヒートシール強度が低くヒートシール性が劣るものとなる。一方、55重量部を超える場合、接着性樹脂組成物の粘着性が強くなり、成形加工時のロールリリース性が悪く連続成形性が劣り、また得られる成形フィルムのブロッキング性も強く、ハンドリング面に問題が生じるため、耐ブロッキング性も劣るものとなる。
本発明を構成するシリコンオイル(C)は、接着界面に疎水性を持たせ、水の浸入による接着強度の低下を防止し、特にヒートシールを施した密封容器を水に浸漬する過酷な条件においても、接着強度を維持することができる。シリコンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、食品添加用のジメチルシリコンオイルが特に好ましい。また必要に応じ構造や動粘度の異なるものを適宜1種又は2種以上使用しても良い。
本発明に用いられるシリコンオイルの配合割合は、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、0.5〜2.5重量部であり、特に良好なヒートシール性と耐水接着性に優れたものとなることから、0.7〜2.2重量部が好ましい。0.5重量部未満の場合は、得られる接着性樹脂組成物は耐水接着性に劣るものとなる。一方、2.5重量部を超える場合は、シリコンオイルのブルームの影響により成形フィルムの表面にベタツキを生じることがあり、ヒートシール強度も低下するためヒートシール性が劣るものとなる。
本発明の接着性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂やゴム、及び光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、滑剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、無機系中和剤、塩素吸収剤、充填剤、導電剤等を用いても良い。
本発明の接着性樹脂組成物の調製方法としては、接着性樹脂組成物の調製が可能であれば如何なる方法であってもよく、例えば該エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)、該ロジン系粘着付与樹脂(B)、該シリコンオイル(C)を同時にヘンシェルミキサー又はタンブラー等の混合機により予備ブレンドしておき、単軸又は二軸の押出機で溶融混練する方法が挙げられる。また、該シリコンオイル(C)については、予めにポリオレフィン系樹脂高濃度で練り込んでマスターバッチとしておき、そのマスターバッチを押出ラミネーション加工時に添加することも可能である。マスターバッチのベースとなるポリオレフィン系樹脂はエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましく、更には本発明に使用のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)であることが特に好ましい。
本発明の硝子用接着剤は、前記接着性樹脂組成物よりなるものである。
本発明のシーラント用接着剤は、前記硝子用接着剤よりなる。
本発明の易剥離性フィルムは、支持基材層とシーラント用接着剤からなる接着剤層を含む構成からなる。支持基材層を構成する支持基材としては、自己支持性を有するものであれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂で構成されたプラスチックフィルム、和紙、複合紙などの紙、アルミニウムなどの金属で構成された金属箔、これらの単独又は積層体などが挙げられる。支持基材層の厚みは、機械的強度、作業性などが損なわれない範囲で用途に応じて選択できるが、一般的には5〜100μm程度、好ましくは10〜50μmである。
接着剤層の厚みは、接着性、作業性などが損なわれない範囲で用途に応じて選択できるが、一般的には5〜50μm程度、好ましくは10〜30μmである。
本発明では、前記支持基材層と接着剤層との間に、両層の密着性を高めるため、中間層を設けることもできる。この中間層は、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどで構成することが可能であり、これらの成分は単独又は2種以上混合して使用できる。例えば、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやエチレン共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体など)やその変性物などが挙げられる。中間層には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、導電剤、アンチブロッキング剤、粘着付与剤等を使用しても良い。
中間層の厚みは、作業性などが損なわれない範囲で用途に応じて選択できるが、一般的には5〜20μm程度である。
本発明では、前記支持基材層とシーラントとなる接着剤層との間、又は前記支持基材層と中間層との間に、両層の密着性を高めるためアンカーコート層を設けることもできる。
該易剥離性フィルムの製造方法としては、特に限定はしないが、接着剤となる樹脂組成物を押出ラミネートする方法、予め接着剤を少なくとも1層含む多層フィルムを成形し、支持基材フィルムと積層する方法などが挙げられる。例えば、(1)支持基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、その上に接着剤層を溶融押出する押出ラミネート方法、(2)支持基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、その上に中間層を溶融押出した後、更にその上に接着剤層を溶融押出する押出ラミネート方法、(3)支持基材フィルムに、支持基材との接着性に優れた中間層を溶融押出した後、その上に接着剤層を溶融押出する押出ラミネート方法、(4)支持基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、その上に中間層と接着剤層を同時に溶融押出する共押出ラミネート方法、(5)予めインフレーション成形法やキャスト成形法によりシーラント接着剤を少なくとも1層含む多層フィルムを成形し、アンカーコート剤を塗布した支持基材フィルムと該多層フィルムを貼り合わせるドライラミネート方法、(6)アンカーコート剤を塗布した支持基材フィルムと接着剤を少なくとも1層含む多層フィルムを押出ラミネートを用いて中間層を溶融押出することにより積層する押出サンドラミネート方法などが挙げられる。
易剥離性フィルムとしては、例えば3層構成の場合、支持基材層としてポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂、中間層として低密度ポリエチレン樹脂、接着剤層として本発明の接着性樹脂組成物の他、支持基材層としてアルミなどの金属箔、中間層として低密度ポリエチレン樹脂、接着剤層として本発明の接着性樹脂組成物などが挙げられる。4層構成以上の場合は、蓋材への要求性能に応じて支持基材層の片側に、更に金属箔や紙などを積層することも可能である。特に支持基材層にはポリエチレンテレフタレート樹脂が耐熱性や強度に優れるために好ましく、支持基材層厚みは15〜25μm程度、シーラント接着剤層厚みは10〜25μm程度が好ましい。
本発明の蓋材は、易剥離性フルムからなるものである。
本発明の易剥離性フィルムは、主な材質が硝子である容器、例えば、珪素化合物(例えばSiO)、マグネシウム化合物(例えばMgO)、ナトリウム化合物(例えばNaO)、アルミニウム化合物(例えばAl)、カルシウム化合物(例えばCaO)、バリウム化合物(例えばBaO)、カリウム化合物(例えばKO)等により構成される硝子や酸化鉄や酸化チタンを加えた遮光硝子、ホットコーティング法により硝子容器表面に酸化錫又は酸化チタンを蒸着させた強化硝子などの硝子製容器の蓋材として好適である。
本発明のは接着性樹脂組成物は、硝子容器に適したイージーオープン性を有する蓋材用の接着剤であり、硝子の特殊な表面処理や熱可塑性樹脂による塗膜や被膜を必要とせず、水中に長時間浸漬しても硝子と蓋材の接着性が低下することなく、優れた耐水接着性を維持しながら、更には接着剤の経時による表面汚染がなくブルーム成分の食品への移行が防げることから、安全衛生性にも優れた硝子用接着剤、シーラント用接着剤及び易剥離性フィルムとして有用である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔メルトマスフローレイト(MFR)〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のMFRは、JIS K6924−1に準拠して測定した。
〔接着性樹脂組成物の調製〕
接着性樹脂組成物の調製方法は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)、ロジン系粘着付与樹脂(B)、シリコンオイル(C)を同時にヘンシェルミキサー又はタンブラー等の混合機により予備ブレンドしておき、単軸又は二軸の押出機で溶融混練することにより本接着性樹脂組成物のペレットを得た。混練温度は、溶融樹脂温度で180℃とした。本接着性樹脂組成物には、混練時あるいは成形加工時の熱安定性を考慮して、フェノール系酸化防止剤(BASF(株)社製、商品名イルガノックス1010)を接着性樹脂組成物100重量部に対し0.01重量部添加した。
〔構成物の作成〕
本接着性樹脂組成物ペレットを用いた構成物は、以下の方法により作成した。
予め二軸延伸されたポリエステルフィルム(25μm厚み)にウレタン系のアンカーコート剤を塗工し、樹脂温度310℃にて低密度ポリエチレンを15μmの厚みに押出してラミネーション加工を行ない基材を作成した。次に、その基材の低密度ポリエチレン側に樹脂温度230℃にて本接着性樹脂組成物を25μm厚みに押出してラミネーション加工を行ない易剥離性フィルムを得た。
実施例を基に得られた接着性樹脂組成物は、以下に示す耐水接着試験により硝子との接着性を、ブリード試験により接着剤の表面汚染性を評価した。
〔耐水接着試験〕
3mmの板硝子(100mm×100mm)の片面に、押出ラミネーション加工により得られた易剥離性フィルムを接着性樹脂組成物が硝子側になるように置き、ヒートシール機(テスター産業社製TP−701、片面加熱)を用いて、温度180℃、時間3秒、圧力0.4MPaの条件にてヒートシールを行なった。次に、硝子にヒートシールした試料を水道水(温度25℃)に浸漬し、所定時間経過後にフィルムと硝子の接着状態を観察し、フィルムが硝子から剥離するまでの時間を評価した。尚、浸漬時間は最大で150hとし、150hに満たないものは耐水接着性に劣ると判断した。
接着性樹脂組成物の接着強度は、オートグラフ(ORIENTEC社製RTE−1210)を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度180度、試料巾15mmの条件にて測定した。尚、水浸漬後の接着強度の測定は、浸漬時間が150hに達した試料とし、浸漬後の試料は、強度の測定前にギアオーブン(ヤマト社製DN63H)を用いて、40℃×6h乾燥後に行なった。
〔ブリード試験〕
易剥離性フィルムを100mm×100mmに裁断し、接着性樹脂組成物層が上側になるようにギアオーブン(ヤマト社製DN63H)中に静置させて、温度40℃の加熱処理を行なった。1週間経過後に該フィルムを取り出し、接着性樹脂組成物の表面状態を観察した。表面が白化又はベタツキが認められる試料を不良と判断した。
○:接着剤層表面に白化もしくはベタツキが認められない。
×:接着剤層表面に白化もしくはベタツキが認められる。
実施例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、エチレン残基単位80重量%、酢酸ビニル残基単位20%、メルトマスフローレイトが8g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A1)(東ソー株式会社製、商品名ウルトラセン637)100重量部に、ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)(荒川化学製、商品名スーパーエステルA125、酸価13)12重量部、ジメチルシリコンオイル(C)として、動粘度100cstのジメチルシリコンオイル(C1)(信越化学社製、商品名KF96ADF100)0.7重量部をタンブラー混合機にて予備ブレンドした。次に、2軸押出機(東洋精機社製ラボプラストミル)を用いて、樹脂温度180℃にて溶融混練し、接着性樹脂組成物のペレットを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
次に、あらかじめ押出ラミネーション加工で作成した二軸延伸のポリエステルフィルム(25μm厚み)と低密度ポリエチレン(15μm厚み、東ソー株式会社製、商品名ペトロセン203)からなる貼り合わせ基材の低密度ポリエチレン側に、押出ラミネーター(プラコー(株)社製、スクリュー径25mmΦ)を用いて、本接着性樹脂組成物を加工温度230℃、25μmの厚みになるように押出ラミネーション加工を行ない易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムは、前記の耐水接着試験及びブリード試験を行ない、硝子との接着性と接着剤層表面の汚染性を評価した。その結果を表3に示す。
実施例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A1)共重合体樹脂(A1)100重量部に対して、ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)18重量部、ジメチルシリコンオイル(C)として、動粘度100cstのシリコンオイル(C1)1.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
実施例3
ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)の代わりにマレイン化ロジン(B2)(荒川化学社製マルキードNo.2、酸価35)12重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
実施例4
ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)の代わりにロジンエステル(B3)(荒川化学社製スーパーエステルS100、酸価4)12重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
実施例5
ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)の代わりにロジンエステル(B4)(荒川化学社製エステルガムAAG、酸価4.6)12重量部、ジメチルシリコンオイル(C)として、動粘度100cstのシリコンオイル(C1)1.7重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
実施例6
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A1)の代わりに、エチレン残基単位80重量%、酢酸ビニル残基単位20%、メルトマスフローレイトが20g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A2)(東ソー株式会社製、商品名ウルトラセン633)100重量部に対して、ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)の代わりに、ロジンエステル(B4)43重量部、ジメチルシリコンオイル(C)として、動粘度100cstのシリコンオイル(C1)の代わりに、動粘度1000cstのジメチルシリコンオイル(C2)(信越化学社製、商品名KF96ADF1000)0.9重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
実施例7
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A1)の代わりに、エチレン残基単位90重量%、酢酸ビニル残基単位10%、メルトマスフローレイトが9g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A3)(東ソー株式会社製、商品名ウルトラセン541)100重量部に対して、ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)の代わりに、ロジンエステル(B2)43重量部、ジメチルシリコンオイル(C)として、動粘度100cstのシリコンオイル(C1)0.9重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
実施例8
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A1)の代わりに、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A3)100重量部に対して、ロジン系粘着付与樹脂として、ロジンエステル(B1)の代わりに、マレイン化ロジン(B2)44重量部、ジメチルシリコンオイル(C)として、動粘度100cstのシリコンオイル(C1)の代わりに、動粘度1000cstのジメチルシリコンオイル(C2)2.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表1に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
比較例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ロジンエステル(B1)12重量部、ジメチルシリコンオイル(C1)を無添加とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後0.5hで硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。
比較例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ジメチルシリコンオイル(C1)を0.4重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後70hで硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。
比較例3
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ジメチルシリコンオイル(C1)を2.6重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは、水浸漬後24hで硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。また接着剤側の表面にベタツキを生じた。
比較例4
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)の代わりに、エチレン残基単位94重量%、酢酸ビニル残基単位6%、メルトマスフローレイトが28g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(A4)(東ソー株式会社製、商品名ウルトラセン539)100重量部に対して、ロジンエステル(B1)の代わりにロジンエステル(B3)12重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後直ぐに硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。
比較例5
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ロジンエステル(B1)の代わりにロジンエステル(B5)(荒川化学社製スーパーエステルA100、酸価3)12重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後直ぐに硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。
比較例6
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ジメチルシリコンオイル(C1)の代わりに、ステアリン酸(D1)(日本油脂社製)1.1重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後1.5hで硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。また接着剤側の表面に白化を生じ、耐汚染性に劣るものであった。
比較例7
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ジメチルシリコンオイル(C1)の代わりに、ステアリン酸アミド(D2)(日本化成社製)2.3重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後1.0hで硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。また接着剤側の表面にベタツキを生じ、耐汚染性に劣るものであった。
比較例8
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)100重量部に対して、ロジンエステル(B1)18重量部、ジメチルシリコンオイル(C1)の代わりに、エルカ酸アミド(D3)(ライオンアクゾ社製)1.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして接着性樹脂組成物及び易剥離性フィルムを得た。接着性樹脂組成物の配合を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた易剥離性フィルムは水浸漬後2.0hで硝子と剥離し、耐水接着性に劣るものであった。また接着剤側の表面に白化を生じ、耐汚染性に劣るものであった。
Figure 0005974664
Figure 0005974664
Figure 0005974664
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Claims (5)

  1. エチレン残基単位58〜90重量%、酢酸ビニル残基単位10〜42重量%からなり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが5〜50g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部、酸価が4以上のロジン系粘着付与樹脂(B)10〜55重量部及びシリコンオイル(C)0.5〜2.5重量部を含むことを特徴とする接着性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の接着性樹脂組成物を含むことを特徴とする硝子用接着剤。
  3. 請求項2に記載の硝子用接着剤からなるシーラント用接着剤。
  4. 請求項3に記載のシーラント用接着剤からなる接着剤層及び支持基材層を含むことを特徴とする易剥離性フィルム。
  5. 請求項4に記載の易剥離性フィルムからなることを特徴とする蓋材
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