JP2023002260A - 接着性樹脂組成物、該組成物を用いたシート、蓋材及び密封容器用部材セット - Google Patents

接着性樹脂組成物、該組成物を用いたシート、蓋材及び密封容器用部材セット Download PDF

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Tomonori Yamada
太亮 赤木
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Abstract

【課題】成膜性に優れるだけでなく、成膜する際に透明性を保持し、金属製容器に対して易開封性に優れ、さらにノッキング剥離及びブロッキングが抑制され、良好な剥離感を有する、金属製容器用蓋材に最適な接着性樹脂組成物、並びにそれを用いたシート及び蓋材の提供。【解決手段】上記課題は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%中、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)が65~90質量%、粘着付与樹脂(B)が10~35質量%含まれ、さらに、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%に対して、シリコーンオイル(C)0.05~0.3質量%を含有し、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニル含有率が10~40質量%且つ、荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが1~30g/10分であることを特徴とする、接着性樹脂組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、成膜性及び易開封性に優れ、さらに良好な剥離感を有する接着性樹脂組成物、該組成物を用いたシート、蓋材、密封容器用部材セット及び容器に関するものである。
従来、金属製容器の蓋材においては、密封性と易開封性が求められており、それらに優れる蓋材用の接着性樹脂組成物として、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体やビニル芳香族炭化水素―オレフィン共重合体と粘着付与樹脂とを含む接着性樹脂組成物が知られている。近年では、金属製容器に内容物を充填後、レトルト殺菌処理等を施す際に、容器の外から熱を加えるため、スチールやブリキ、アルミといった金属が使用された容器の利用が増大している。
例えば、特許文献1では、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性されたエチレン-酢酸ビニル共重合体と、粘着付与樹脂を配合した金属用接着剤が提案されている。
また、特許文献2では、エチレン-酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とシリコーンオイルを配合した接着剤が提案されている。
特開2008-069295号 特開2014-005349号
しかしながら、特許文献1で提案されている接着剤は、金属製容器に適用した際、開封時に抵抗感を伴うノッキング剥離するという課題がある。また、特許文献2で提案されている接着剤は、金属製容器に適用した際にブロッキングする上、成膜した際、接着剤層の表面が白化し、透明性が失われるという課題がある。
よって本発明の課題は、成膜性に優れるだけでなく、成膜する際に透明性を保持し、金属製容器に対して易開封性に優れ、さらにノッキング剥離及びブロッキングが抑制され、良好な剥離感を有する、金属製容器用蓋材に最適な接着性樹脂組成物、並びにそれを用いたシート及び蓋材を提供することにある。
本発明は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%中、
エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)が65~90質量%、
粘着付与樹脂(B)が10~35質量%含まれ、
さらに、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%に対して、シリコーンオイル(C)0.05~0.3質量%を含有し、
エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニル含有率が10~40質量%且つ、荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが1~30g/10分であることを特徴とする、接着性樹脂組成物に関する。
また本発明は、荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが20~60g/10分である、上記に記載の接着性樹脂組成物に関する。
また本発明は、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)の示差走査型熱量計により測定した融点が、60~90℃である、上記に記載の接着性樹脂組成物に関する。
また本発明は、前記粘着付与樹脂(B)が、脂環式炭化水素樹脂及びテルペン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、上記に記載の接着性樹脂組成物に関する。
また本発明は、前記シリコーンオイル(C)の25℃における動粘度が、1~1,500mm/sである、上記に記載の接着性樹脂組成物に関する。
また本発明は、基材上に、上記に記載の接着性樹脂組成物より形成された層が積層されたシートに関する。
また本発明は、上記に記載のシートを有する蓋材に関する。
また本発明は、金属製の容器本体又は内面が金属で覆われた容器本体と、上記に記載の蓋材とからなる、開封可能な密封容器用部材セットに関する。
本発明により、成膜性に優れるだけでなく、成膜する際に透明性を保持し、金属製容器に対して易開封性に優れ、さらにノッキング剥離やブロッキングが抑制され、良好な剥離感を有する、金属製容器用蓋材に最適な接着性樹脂組成物、並びにそれを用いたシート及び蓋材を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、酢酸ビニル含有率が10~40質量%且つ荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが1~30g/10分のエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)を含有する。以下に、本発明について、詳細に説明する。
本明細書において、特に記載がない限り、「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
<エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)>
本発明におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニル含有率が10~40質量%且つ、荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが1~30g/10分であり、これを満たすものであれば特に制限なく用いることができる。このようなエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)を用いることで、成膜性に優れ、金属製容器に対して易開封性に優れるものとなる。
このようなエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)の含有量は、(A)及び(B)の合計100質量%中、65~90質量%である。エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)が65質量%以上であると、開封強度を損なうことなく、金属製容器に十分に接着する。また、90質量%以下であると、塗加工適性と接着性とのバランスに優れる。エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)の含有量は、成膜性の観点から、好ましくは70~85質量%であり、易開封性、剥離感の観点から、より好ましくは75~85質量%である。
エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)の融点は、60~90℃が好ましい。成膜性、易開封性、剥離感の観点から、より好ましくは80℃~90℃である。上記の範囲内であると、塗加工適性が向上するだけでなく、開封強度を損なうことなく十分に接着できる点で好ましい。なお、本発明において融点とは、示差走査熱量計(DSC)測定で、10℃/分で上昇した際のピーク温度である。詳細は実施例の欄に記載する。
<粘着付与樹脂(B)>
本発明における粘着付与樹脂(B)は特に制限されず、シーラント樹脂分野において公知の粘着付与樹脂から適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン類が挙げられ、ポリテルペン樹脂としては、α-ピネン、β-ピネンなどの単独重合又は共重合体、及びそれらを水添した水添テルペン樹脂を使用することができる。
中でも、粘着付与樹脂(B)は、金属製容器に対する良好なヒートシール性を付与できることから、脂環族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂及びテルペン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、より好ましくは脂環族炭化水素樹脂及びテルペン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである。
粘着付与樹脂(B)の含有量は、(A)及び(B)の合計100質量%中、10~35質量%の範囲であり、好ましくは15~25質量%の範囲である。粘着付与樹脂(B)が10質量%以上であると、開封強度を損なうことなく、金属製容器に十分に接着することができる。また、30質量%以下であると、成膜性が良好となる。粘着付与樹脂(B)の含有量は、成膜性、易開封性、剥離感の観点から、より好ましくは15~20質量%である。
粘着付与樹脂(B)は、ヒートシール時の接着性、即ち易開封性の観点から、軟化点が125℃以下であることが好ましい。なお、本明細書における軟化点とは、JIS.K 6863に準拠して求めた値である。詳細は実施例の欄に記載する。
また、粘着付与樹脂(B)の融点は、安定した成形加工性が得られることから、好ましくは50~95℃であり、特に安定した成形加工性と金属製容器に対する良好なヒートシール性が得られる接着性樹脂組成物となることから、より好ましくは50~70℃である。
<シリコーンオイル(C)>
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、食品添加用のジメチルシリコーンオイルが特に好ましい。また、シリコーンオイルは1種を単独で用いてもよく、必要に応じ、動粘度や構造の異なるものを2種以併用してもよい。
シリコーンオイル(C)の25℃における動粘度は、金属製容器に対してノッキング剥離やブロッキングが抑制することができることから、好ましくは1mm/s~1,500mm/sである。また、成膜時の透明性が良好となることから、より好ましくは100mm/s~1,000mm/sである。
シリコーンオイルの含有量は、(A)及び(B)の合計100質量%に対して、0.05~0.3質量%の範囲であり、好ましくは0.05~0.25質量%の範囲である。シリコーンオイルの添加量が0.05質量%以上であると、金属製容器に対してノッキング剥離やブロッキングが抑制することができる。また、0.3質量%以下であると、成膜時に接着剤層の透明性が良好となる。シリコーンオイル(C)の含有量は、成膜時の透明性、剥離感の観点から、より好ましくは0.2~0.25質量%である。
シリコーンオイル(C)を添加することで、接着剤層の摩擦係数を減少させ、スリップ性をもたらし、金属製容器に対して、ノッキング剥離やブロッキングを防止する効果が得られる。
<接着性樹脂組成物>
本発明の接着性樹脂組成物は、前述のエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)を公知の方法で混合し、製造することができる。
このような製造法としては例えば、各成分をヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの混合装置に投入し、ブレンド時間5~20分間で混合した後、押出機に入れ、加熱混練した後、押し出す方法が挙げられる。押出工程は、通常150~200℃で行われる。押出物は通常ペレット形状とされ、後の工程で利用される。押出機としては、二軸押出機が好適に用いられるが、これに限られるものではない。
本発明の接着性樹脂組成物における、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)の合計量は、接着性樹脂組成物を基準として、好ましくは95質量%以上であり、より好ましくは98質量%以上である。
接着性樹脂組成物は、荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが、20~60g/10分の範囲であることが好ましく、より好ましくは30~50g/10分の範囲である。上記範囲であると、金属製容器に対して接着性に優れる点で好ましい。
本発明の接着性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)以外のその他の樹脂や添加剤を配合してもよい。
その他の樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂及びその酸化物やマレイン酸変性物;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体のようなエチレン-不飽和モノカルボン酸共重合体及びその金属塩;高密度ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、酸化ワックス、マレイン酸変性ワックスのようなワックス類;が挙げられる。このような樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、例えば、熱劣化、熱分解、ブロッキング等を防止する目的、及び、フィルム加工、押出ラミネート加工等の加工適正を確保する目的で用いることができる。このような添加剤としては、例えば、エルカ酸アミド等の有機滑剤、炭酸カルシウム等の無機滑剤、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤、その他ブロッキング防止剤、帯電防止剤、充填剤、防曇剤、非晶質アルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素が挙げられる。
これらのその他の樹脂及び添加剤は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)を混合する際に配合してもよいし、予めエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)のいずれかに配合してもよい。
<シート>
次に、基材上に、本発明の接着性樹脂組成物の被膜(以下、接着剤層ともいう)が積層されたシートについて説明する。接着性樹脂組成物の基材への積層方法としては、特に制限されず、例えば、前述のようにペレット化された接着性樹脂組成物をインフレーション法又はキャスト法などによりフィルム化し、得られたフィルムと基材と積層する方法、又は、混練された接着性樹脂組成物を直接基材に被覆する方法が挙げられる。フィルムと基材との積層は、別の接着剤層を介して積層されていてもよい。
基材としては、長尺及びカットされた短尺のフィルム、シートを包含し、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸又は未延伸フィルムといった単層フィルムのほか、樹脂ラミネートされたような複数の層を有する積層物であってもよい。
例えば、ポリエチレン系樹脂を予めラミネートされている基材を用いる場合、接着性樹脂組成物をダイレクトに押出しラミネートしてシートを製造することができる。また、接着性樹脂組成物を、ポリエチレンやポリプロピレン等との共押出しで多層フィルムとし、ドライラミネーション又はサンドラミネーションにより、基材フィルムと積層することでシートを得ることができる。
基材と接着性樹脂組成物の被膜との接着性を向上させるために、基材表面が、火炎処理、オゾン処理、コロナ放電処理又はアンカーコート剤のような処理を行われていてもよい。
また、本発明の接着性樹脂組成物の被膜の厚みは、安定した成形加工性を得られることから好ましくは5μm以上、特に安定した成形加工性と金属製容器に対する良好なヒートシール性が得られる接着性樹脂組成物となることから、より好ましくは10μm以上である。
本発明の接着性樹脂組成物の被膜が積層されたシートは、後述の蓋材として用いることができるだけでなく、シーラントフィルムとして接着性樹脂組成物の被膜を内面としてシールする製袋品にも好適に使用できる。
<蓋材>
基材上に本発明の接着性樹脂組成物の被膜が積層されたシートは、密封対象である容器本体の開口形状に合わせて裁断され蓋材として好適に用いられる。
上記シートを蓋材として用いる場合、基材としては種々の基材を用いることができる。使用される基材としては、例えば、紙、アルミニウム、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アルミ蒸着ポリエステル、アルミ蒸着ポリプロピレン又はシリカ蒸着ポリエステルが挙げられる。このような基材は、単層である必要はなく、二層以上の積層物であっても良い。
また、上記シートにより蓋材を形成する場合、例えば5~20μmのPETと5~30μmのポリエチレンとの積層物である基材のポリエチレン面に、本発明の接着性樹脂組成物から形成される厚さ5~40μmの被膜を積層したものが好ましい。本発明の蓋材を使用する場合、シールする相手材料としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を用いた容器やシートが挙げられる。中でも、耐寒性、透明性、耐水性、保香性等に優れる点から、好ましくはポリエステルであり、本発明の接着性樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂に対して、優れた接着強度(易開封性)及び剥離感を発揮するため、好適に用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、各々「質量部」及び「質量%」を表す。
MFR、融点、軟化点、動粘度は、次の方法で測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
MFRは、JIS.K7210に準拠し、メルトインデクサーL244(宝工業株式会社製)の内径9.55mm、長さ162mmのシリンダにサンプルを充填し、190℃で溶融した後、重さ2160g、直径9.48mmのプランジャーを使用して均等に荷重をかけ、シリンダの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより単位時間あたりに押出される樹脂量(g/10分)から求めた。
[融点]
インジウム標準にて較正した島津製作所社製示差走査型熱量計(DSC―60A plus)を用いて、DSC測定を行い、融点(Tm)を求めた。
試料10mgになるようにアルミニウム製DSCパン上に上記測定サンプルを秤量し、蓋をパンにクリンプして密閉雰囲気下とし、サンプルパンを得た。次にサンプルパンをDSCセルに配置し、リファレンスとして空のアルミニウムパンを配置した。DSCを用いて、30mL/分の窒素気流下で室温から10℃/分で200℃まで昇温した後、10℃/分で-80℃まで冷却、再び150℃まで10℃/分で昇温してDSC曲線を測定した。二度目の昇温工程で観測される吸熱曲線の最大ピーク温度を融点とした。
[軟化点]
軟化点は、ASP-MG4(メイテック社製)を用いて、JIS K-2207(1996)に従って、環球法で測定した。
[動粘度]
動粘度は、B型粘度計(測定条件は、150℃、ローターNo.3、12rpm、30秒間)を使用して測定した粘度の値を同一条件下(温度、圧力)における密度で除した値から求めた。
<接着性樹脂組成物の製造>
[実施例1]
表1に示した材料と配合量で、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、及びシリコーンオイル(C)及び添加剤を、ヘンシェルミキサーで5分間プリブレンドした。ホッパーにプリブレンド物を投入し、スクリューフィーダーを用いて下記押出機に供給し、実施例1のペレット状の接着性樹脂組成物を得た。
≪押出機条件≫
押出機:アイ・ケー・ジー社製同方向回転二軸押出機PMT32-40.5
バレル温度:160℃(供給口150℃)
スクリュー回転速度:200rpm
供給速度:10kg/hr
[実施例2~14及び比較例1~7]
表1、2の組成にしたがって、実施例1と同様の方法で実施例2~14、比較例1~7のペレット状の接着性樹脂組成物を得た。
<接着性樹脂組成物の評価>
得られた接着性樹脂組成物について、以下の成膜性を評価した。また、下記に従って積層されたシート(蓋材)を作製し、該シートを用いて、以下の接着強度(易開封性)、成膜時の透明性、ブロッキングの有無、ノッキング剥離の有無を評価した。結果を表1に示す。
[成膜性]
接着性樹脂組成物の成膜性は、下記加工条件において、接着剤層の厚みが20μmとなるように、樹脂温度を200~250℃のいずれかに調整した場合における塗工の可否と、得られた塗工物から膜厚計を用いて無作為に選択した10カ所の被膜厚みから、下記基準で評価した。
A:塗工可能、かつ、接着剤層の厚みが17~23μm:良好
B:塗工可能、かつ、接着剤層の厚みが14μm以上17μm未満または23μmを超えて26μm以下:使用可能
C:膜割れ若しくは膜切れのいずれかが発生し塗工不可、又は、塗工可能だが接着剤層の厚みが14μm未満または26μmを超える:不良
≪加工条件≫
押出しラミネーター:ムサシノキカイ製400M/MテストEXTラミネーターダイ直下樹脂温度:200~250℃
加工速度:30m/分
Tダイ幅:400mm
冷却ロール表面温度:20℃
基材:PET12μm/ポリエチレン(PE)25μm基材のPE面に塗工
[成膜時の透明性]
得られた積層シート(蓋材)を目視で判断し、透明性を下記基準で評価した。
○:透明:良好
×:白色:不良
[シート(蓋材)の作製方法]
得られた接着性樹脂組成物を、押出しラミネーターを用いて、PET12μm/PE25μmの基材のPE面に積層してシートを作製した。接着剤層の厚みは20μmであった。以下に加工条件を示す。
押出しラミネーター:ムサシノキカイ製400M/MテストEXTラミネーターダイ直下樹脂温度:200℃~250℃(接着性樹脂組成物のMFR等により適宜調整した)。
加工速度:30m/分
Tダイ幅:400mm
冷却ロール表面温度:20℃
[易開封性]
得られた積層シート(蓋材)を150mm×150mmのサイズに断裁後、ゲージ圧0.5MPa、160℃、1分にて130Φのアルミ製容器、ブリキ製容器に、接着性樹脂組成物の被膜面を熱接着し、密封を行なった。温度23℃湿度65%の恒温恒湿室に24時間放置し、同恒温恒湿室にて90°角剥離、引張速度200mm/分の条件で剥離強度の測定を行った。剥離強度の最大値を開封強度とし、易開封性を下記基準で評価した。
◎:剥離強度の最大値が、10N以上 15N未満:良好
○:剥離強度の最大値が、5N以上 10N未満:使用可能
×:剥離強度の最大値が、5N未満:不良
―:成膜(塗工)不可のため、測定不可
[ブロッキングの有無]
得られた積層シート(蓋材)を150mm×150mmのサイズに断裁後、ゲージ圧0.5MPa、160℃、1分にて130Φ金属製容器に、接着性樹脂組成物の被膜面を熱接着し、密封を行なった。温度40℃のオーブンに24時間放置し、23℃湿度65%の恒温恒湿室にて90°角剥離、引張速度200mm/分の条件で剥離強度の測定を行った。剥離強度の最大値を開封強度とし、易開封性を下記基準で評価した。
A:剥離強度の最大値が、0.1N未満:良好
B:剥離強度の最大値が、0.1N以上0.3N未満:使用可能
C:剥離強度の最大値が、0.3N以上:不良
―:成膜(塗工)不可のため、測定不可
[ノッキング剥離の有無]
上記剥離強度の測定における剥離音について、以下の基準で官能評価した。
無:ノッキングなし
有:ノッキングあり
―:成膜(塗工)不可のため、測定不可
Figure 2023002260000001
Figure 2023002260000002

表1、2の略称を以下に示す。
A1:ウルトラセン626(東ソー社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率15%)、融点88℃、MFR3.0g/10分)
A2:1157(Hanwha社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率18%)、融点85℃、MFR16g/10分)
A3:ウルトラセン633(東ソー社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率20%)、融点81℃、MFR20g/10分)
A4:1533(Hanwha社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率33%)、融点64℃、MFR25g/10分)
A5:ウルトラセン625(東ソー社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率15%)、融点87℃、MFR14g/10分)
A6:ウルトラセン515(東ソー社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率6%)、融点99℃、MFR2.5g/10分)
A7:1540(Hanwha社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率40%)、融点57℃、MFR60g/10分)
A8:OREVACG18216(アルケマ社製、無水マレイン酸グラフトEVA(酢酸ビニル含有率26%)、融点75℃、MFR3.5g/10分)
A9:ウルトラセン541(東ソー社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率10%)、融点93℃、MFR9.0g/10分)
B1:HP-100(Hanwha社製、DCPD(ジシクロペンタジエン)/芳香族共重合系水添石油樹脂、軟化点100℃融点62℃)
B2:アルコンM-115(荒川化学工業社製、部分水添脂環族炭化水素樹脂、軟化点115℃、融点69℃)
B3:アルコンP-125(荒川化学工業社製、完全水添脂環族炭化水素樹脂、軟化点1125℃、融点77℃)
B4:SYLBARES TRM1115(KRATON社製、テルペン樹脂、軟化点124℃、融点85℃)
B5:パインクリスタルKE311(荒川化学社製、ロジンエステル樹脂、軟化点100℃、融点65℃)
C1:KF-96-10CS(信越化学工業株式会社製、シリコーンオイル、動粘度10mm/s)
C2:KF-96-100CS(信越化学工業株式会社製、シリコーンオイル、動粘度100mm/s)
C3:KF-96-1000CS(信越化学工業株式会社製、シリコーンオイル、動粘度1000mm/s)
C4:KF-96-3000CS(信越化学工業株式会社製、シリコーンオイル、動粘度3000mm/s)
ブロッキング防止剤:インクロスリップC(クローダ社製、エルカ酸アミド、DSC融点80℃)
酸化防止剤:IRGANOX 1010(BASF社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
表1の結果により、本発明の接着性樹脂組成物は、優れた成膜性と易開封性、ブロッキング及びノッキングのない良好な剥離感を示した。特に、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%中、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)65~90質量%、粘着付与樹脂(B)10~35質量%且つ、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%に対してシリコーンオイル(C)0.05~0.3%であると成膜性に優れていた。
また、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%中、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)75~85質量%、粘着付与樹脂(B)15~20質量%、且つ、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%に対してシリコーンオイル(C)0.2~0.25%であると、成膜性に優れるだけでなく、成膜する際に透明性を保持し、さらにノッキング剥離やブロッキングが抑制され、かつ金属製容器に対して易開封性と剥離感に優れていた。よって、本願発明の接着性樹脂組成物は、金属からなる容器向け蓋材用として最適である。


Claims (8)

  1. エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%中、
    エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)が65~90質量%、
    粘着付与樹脂(B)が10~35質量%含まれ、
    さらに、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)の合計100質量%に対して、シリコーンオイル(C)0.05~0.3質量%を含有し、
    エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)は、酢酸ビニル含有率が10~40質量%且つ、荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが1~30g/10分であることを特徴とする、接着性樹脂組成物。
  2. 荷重2,160g、温度190℃条件下で測定したメルトフローレートが20~60g/10分である、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
  3. 前記エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)の示差走査型熱量計により測定した融点が、60~90℃である、請求項1または2に記載の接着性樹脂組成物。
  4. 前記粘着付与樹脂(B)が、脂環式炭化水素樹脂及びテルペン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3いずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
  5. 前記シリコーンオイル(C)の25℃における動粘度が、1~1,500mm/s、請求項1~4いずれか1項に記載の接着性樹脂組成物。
  6. 基材上に、請求項1~5いずれか1項に記載の接着性樹脂組成物より形成された層が積層されたシート。
  7. 請求項6に記載のシートを有する蓋材。
  8. 金属製の容器本体又は内面が金属で覆われた容器本体と、請求項7に記載の蓋材とからなる、開封可能な密封容器用部材セット。
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