JP5974524B2 - コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、包装用や工業用等に好適なコンデンサ用二軸配向ポリプロピレンフィルムに関するものであり、さらに詳しくはコンデンサ用誘電体として常温から高温にかけて安定した耐電圧特性を有するコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関するものである。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性等に優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途等の様々な用途に用いられている。
この中でもコンデンサ用途は、その優れた耐電圧特性、低損失特性から直流用途、交流用途に限らずコンデンサ用に好ましく用いられてきた。
最近では、ハイブリッドカー、電気自動車、風力発電や太陽光発電に代表される環境・グリーンエネルギー関連での用途、特にインバータ用途において、ますます需要が高まっている。
これらの用途は、電力の大容量化、高電圧化が進み、また従来利用されてきた一般家電に比べて使用年数が長いもの、環境変化が大きいものが主である。そのため、特に使用環境や使用耐年数といった長期間における特性変動の少ない、信頼性の高いといった要求が強まり、設計段階からコンデンサの電気特性の変動を極力低減した設計となりつつある。
また、特に自動車用途においては、燃費向上や車内空間の確保や部材のレイアウトの自由度を上げるためにコンデンサの軽量化・小型化・耐熱化が強く要求されてきている。特に電気自動車では、バッテリー電圧に依存したモーター電圧が低くなるため、多くの電流を流しモーターの高出力化を図っている。そのため、使用するコンデンサには大電流が流れ、これまで以上の耐熱要求が求められてきている。また、エンジンのない電気自動車ではコンデンサとしての使用環境が益々低温化し、使用温度範囲がこれまで以上に広くなり温度に依存しないコンデンサの電気特性が強く求められつつある。
これらの要求に対して、特にフィルムの高耐熱化に関しては、従来様々なアプローチがなされてきている(参考文献1〜6)。
例えば、特許文献1では、フィルム中の酸化防止剤量を適量とすることで電子のキャリアを抑制し、高温耐電圧を上げる方法が記載されている。特許文献2では、高溶融張力ポリプロピレンを添加することによって、結晶性を高めることで、高温耐電圧を上げる方法が記載されている。
これらの方法は、いずれも常温、高温ともに耐電圧を引き上げることによって、市場要求を満たそうとするものであった。しかし、常温での耐電圧特性については、市場要求に対して過分に高性能であることが多く、また、インバータ設計段階において使用時におけるフィルム性能の変動を極力抑えたいとの要求に関しては不十分なものであった。
また、特許文献3〜6では、メタロセン原料などの狭分子量分布の原料を使用することによって、絶縁欠陥となる低分子成分を低減せしめ、耐電圧性を改善する方法が提案されている。
これらはいずれも油浸コンデンサを対象としており、低分子成分量を抑制することによって油中溶出成分を抑制し、コンデンサとしての耐電圧特性を改善しようとするものであった。これらの方法は、油浸コンデンサにおいては、効果が見られるものの、フィルム自体の高温での耐電圧特性を高めることについては実現できておらず、現在のフィルム自体の耐電圧特性を高くしたいという市場の要求に関しては不十分なものであった。
特開2009−231705号公報 特開2007−084813号公報 特開2006−063186号公報 特開2000−243655号公報 特開平11−268145号公報 特許平08−156118号公報
本発明は、常温と高温における耐電圧特性差を低減したコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下の特徴を有する。
(1)25℃における絶縁破壊電圧をV25℃とし、100℃における絶縁破壊電圧をV100℃としたとき、V100℃が350〜450V/μmであり、かつ絶縁破壊電圧勾配(V100℃−V25℃)/75の値が−2.0〜−0.5であり、ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率が0.90〜0.98であり、ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が2〜5であるコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
)ポリプロピレン樹脂が、ポリマー担体にメタロセン化合物を担持した触媒を用いて重合して得たアイソタクチックポリプロピレンである、上記(1)に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
)少なくとも片面の中心線表面粗さ(SRa)も10nm以上50nm以下である、上記(1)または(2)に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
)上記(1)〜()のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
)上記()に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
本発明は、常温における耐電圧特性と高温における耐電圧との乖離を低減したポリプロピレンフィルムを提供することにより、低温から高温まで安定した特性を有するコンデンサを作成でき高い長期信頼性を得ることができる。
DSCで観測されるポリプロピレンの融解曲線を示す概略図である。 WTmを説明するための、融解曲線の微分曲線を示す概略図である。
以下、さらに詳しく本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサについて説明する。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、二軸に配向していることが好ましく、二軸方向にそれぞれ延伸されていることが好ましい。延伸は、ステンター逐次二軸延伸法により行われることが好ましい。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、25℃における絶縁破壊電圧をV25℃とし、100℃における絶縁破壊電圧をV100℃としたとき、絶縁破壊電圧勾配(V100℃−V25℃)/75の値が−2.0〜−0.5である。このように、絶縁破壊電圧が制御されたフィルムとすることにより、長期使用における信頼性を確保することができる。すなわち、設計段階において常温での試験を実施することによって、高温下でのコンデンサ特性を良好に推定することができるために、設計段階でより信頼性の高いコンデンサをつくることが可能となる。なお、絶縁破壊電圧勾配を表す(V100℃−V25℃)/75の算出式は、各温度における絶縁破壊電圧をその温度差75℃で除したものであり、温度による絶縁破壊電圧の変化幅を表している。
特に自動車用途においては、中近東などの極めて気温の高い地域から、北米地域などの寒冷地まで多種多様な環境での利用が想定される。また、風力発電や太陽光発電に代表される環境・グリーンエネルギー関連用途においては、一つの製品当たりの寿命が長いために、特に長期信頼性が重要となる。このような用途においては、常温での耐電圧要求が高くない代わりに、温度の変化に対する耐電圧変化が少ないことが望まれる。
このような状況において(V100℃−V25℃)/75の値が−2.0を下回ると、高温下での温度変化が大きいために、コンデンサの信頼性を上げるためには過剰な耐電圧特性を取らざるを得なかった。例えば、(V100℃−V25℃)/75の値が−2.5の場合、雰囲気温度が5℃変化するだけで絶縁破壊電圧が12.5V/μm以上も変化するために、使用環境温度の変化に対する信頼性を上げるためには、常温耐圧から過剰に高く設定しておく必要があった。
本発明の(V100℃−V25℃)/75の値は好ましくは−1.7〜−0.5であり、より好ましくは−1.2〜−0.5、さらに好ましくは−0.8〜−0.5である。(V100℃−V25℃)/75の値は高ければ高いほど好ましいが、実質的には上限は−0.5程度となる。
また、例えば、(V100℃−V25℃)/75の値が−0.5の場合、雰囲気温度が5℃変化しても絶縁破壊電圧の変化は2.5V/μmとなるために、使用環境温度が数度変化しても、コンデンサの特性変化を少なくすることが可能である。
さらに、本発明のフィルムにおいて、85℃における絶縁破壊電圧をV85℃としたとき、絶縁破壊電圧勾配(V85℃−V25℃)/60の値が−1.0〜−0.3であることが好ましい。より好ましくは−0.85〜−0.3である。(V85℃−V25℃)/60の値は高ければ高いほど好ましいが、実質的には上限は−0.3程度となる。なお、絶縁破壊電圧勾配(V85℃−V25℃)/60の算出式は、各温度における絶縁破壊電圧をその温度差60℃で除したものであり、温度による絶縁破壊電圧の変化幅を表している。
さらに、本発明のフィルムにおいて、V100℃は350〜450V/μmであることが好ましい。V100℃が350V/μmよりも低い場合は、その絶対値自体が低すぎるために、たとえ温度による絶縁破壊電圧の変化幅が低いとしても、本発明において想定しているコンデンサ用途に対しては、耐電圧特性が不十分なものとなる。V100℃はより好ましくは380〜450V/μmであり、さらに好ましくは400〜450V/μmである。V100℃の値は高ければ高いほど好ましいが、実質的には上限は450V/μm程度となる。
なお、上記のような絶縁破壊電圧の特性を得るためには、延伸前のキャストシートにおいて、結晶構造を均一に生成せしめることが重要である。これは、高温下において、電子のキャリアとなる分子運動を抑制することが重要となるため、結晶構造を均一に生成せしめることで分子運動を抑制することが可能となるためである。以下に詳細を説明する。
ポリプロピレン樹脂の非晶部分の分子運動が変化する点であるガラス転移点は0℃付近であることが知られており、また結晶部分が緩和する温度についても70℃〜80℃付近であることが知られている。すなわち、本発明において想定しているコンデンサの使用環境である100℃においては、非晶部分・結晶部分ともに分子緩和が起こっている温度であり、非晶部分・結晶部分ともに分子運動が活発な状態である。そのため、高温化にて高い耐電圧保持率を保つためには、結晶部分・非晶部分ともに分子の拘束状態を強めることが好ましい。すなわち、結晶・非晶配向を高めることが好ましい。
ポリプロピレン等の半結晶性高分子は、ポリプロピレンハンドブック(エドワード・P・ムーア・Jr.編著、(株)工業調査会発行、1998年)に記載の通り、非晶と板状結晶の複合体である球晶構造によって高次構造が形成されている。二軸延伸フィルムは、延伸過程において、板状結晶の集合体である球晶構造の破壊、板状結晶の破壊による結晶の細分化を経て、最終的に細分化された結晶部分と非晶部分とによって構成される。
そのため、球晶および板状結晶の結晶構造を均一とすることで、最終的なフィルム中の結晶および非晶の配向状態を均一とすることができる。
すなわち、結晶構造が不均一な場合は、脆弱な部分に応力が集中するために、配向状態についても不均一となる。つまり、部分的に高配向な部分が存在しても、配向が弱い部分も存在するために、弱い部分において、フィルムが絶縁破壊してしまうことがある。結晶構造を均一化することによって、続く縦延伸工程および横延伸工程において、結晶および非晶にかかる延伸応力を均一とすることが可能となる。すなわち、フィルム全体が均一に配向した状態となるために、高温での分子運動を抑制することが可能となり、耐圧保持率が向上し、(V100℃−V25℃)/75の値を−2.0〜−0.5とすることができる。
結晶構造を均一とするための方法としては、原料およびキャスト時の冷却条件を共に適性化することが望ましい。以下、順に好ましい原料組成等を述べつつ、製法について説明する。
まず、原料であるポリプロピレン樹脂としては、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が2〜5であることが好ましく、更に好ましくは2〜4.5であることが好ましい。Mw/Mnはポリプロピレン樹脂の分子量分布を示すパラメータで、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって得られる。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が小さいことを意味するが、Mw/Mnが小さいと、溶融ポリマーをシート状に成形する際のシート厚みの均一性が低下したり、2軸延伸性が低下することがある。しかしながら、Mw/Mnが小さいと、ポリプロピレン樹脂の分子量が揃っているために、製膜において、結晶サイズを均一化することが可能であるため好ましい。Mw/Mnが5を超えた場合は結晶サイズが不均一となるおそれがある。Mw/Mnの下限としては理論上その値は1となるが、これは単一分子量の樹脂を意味し、現在の触媒技術では工業的に得ることが困難であり、実用上はMw/Mnは2以上である。
Mw/Mnが2〜5の樹脂を得る方法としては、触媒構成を最適化することにより可能であり、公知のチーグラーナッタ系触媒、ポリマー担体にメタロセン化合物を担持した触媒(メタロセン系触媒)などの触媒構成を最適化することで実現可能である。別な方法としては、ある程度高分子量のポリプロピレン樹脂を重合しておき、ペレタイズ時にパーオキサイド等で熱減量することで得る方法、一旦得られた樹脂パウダーをnヘプタン、キシレン等の溶媒、あるいはプロピレンモノマーで洗浄する方法、などにより所定のMw/Mnとすることができる。
ここで、メタロセン化合物と助触媒とからなるメタロセン系触媒の具体例として、例えばメタロセン化合物としては、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジt−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
また助触媒としてはアルミノキサンの他に、例えばジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト等が挙げられ、またその他にトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トや、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネ−ト、塩化マグネシウム、アルミナ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンを使用することができる。
なお、Mw/Mnが5を超える樹脂を使用する場合には、結晶核剤を添加することによって、数多くの核からほぼ同時に結晶化が始まり、結晶成長の拡がりが全体的に抑制されるために、結晶サイズを均一化することができる。核剤の種類としては、α晶核剤(ジベンジリデンソルビトール類、安息香酸ナトリウム等)を添加することが好ましい。但し、これらの結晶核剤を添加すると結晶化度が上がりやすくなるために、常温における耐電圧性が高くなりやすく、本願にて目的としている25℃と100℃における耐電圧の差を少なくすることが難しくなる場合があるため、極力使用しないことが好ましい。
また、ポリプロピレン樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有せしめることができる。
これらの中で、酸化防止剤の種類および含有量の選定は長期耐熱性を向上せしめる場合重要となる場合がある。すなわち、かかる酸化防止剤としては立体障害性を有するフェノール系のもので、そのうち少なくとも1種は分子量500以上の高分子量型のものが好ましい。その具体例としては種々のものが挙げられるが、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT:分子量220.4)とともに1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えばチバガイギー社製Irganox(登録商標)1330:分子量775.2)またはテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えばチバガイギー社製Irganox1010:分子量1,177.7)等を併用することが好ましい。
これら酸化防止剤の総含有量はポリプロピレン全量に対して0.03〜1質量%の範囲が好ましい。酸化防止剤が少なすぎると長期耐熱性に劣る場合がある。酸化防止剤が多すぎるとこれら酸化防止剤のブリードアウトによる高温下でのブロッキングにより、コンデンサ素子に悪影響を及ぼす場合がある。より好ましい含有量は0.1〜0.9質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.8質量%である。
さらに、ポリプロピレン樹脂の冷キシレン可溶部(以下CXS)は4質量%以下であることが好ましい。ここで冷キシレン可溶部(CXS)とは、試料をキシレンで完全溶解した後、室温で析出させた後にキシレン中に溶解しているポリプロピレン成分であり、立体規則性の低い、分子量が低い等の理由で結晶化し難い成分に該当していると考えられる。このような成分が多く樹脂中に含まれているとフィルムの熱寸法安定性に劣ったり、高温での絶縁破壊電圧が低下したりする等の問題を生じることがある。従って、CXSは4質量%以下であることが好ましいが、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。上記範囲は、使用するポリプロピレン樹脂について満足していることが好ましいが、同樹脂を構成成分とするフィルム全体が満足していることも好ましい。なお、CXSは少なければ少ないほど好ましいが、実質的な下限値は1質量%程度である。
上記のようなCXSを有する樹脂やポリプロピレンフィルムとするには、ポリマーを得る際の触媒活性を高める方法、得られたポリマーを溶媒あるいはプロピレンモノマー自身で洗浄する方法等を使用できる。
ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率は0.90〜0.98であることが好ましく、更に好ましくは0.92〜0.96である。メソペンタッド分率は核磁気共鳴法(NMR法)で測定されるポリプロピレンの結晶相の立体規則性を示す指標であり、該数値が高いものほど結晶化度が高く、融点が高くなり、高温での絶縁破壊電圧が高くなるので好ましい。一方で、メソペンタッド分率が高すぎると、結晶化度が高く成りすぎるために、本発明の製法にて製造した際に結晶間隙に空隙が発生することがある。
さらにポリプロピレン樹脂としては、より好ましくは溶融流動指数(MFR)が1〜10g/10分(230℃、21.18N荷重)、特に好ましくは2〜5g/10分(230℃、21.18N荷重)の範囲のものが、製膜性の点から好ましい。
次に、本発明のポリプロピレンキャストシートを成形する方法としては、原料ポリマーを濾過フィルターに通した後、220〜280℃の温度でスリット状口金(フラットダイ)から押出し、冷却ドラム上で固化させる方法がある。ここで、結晶サイズを均一にするためには、まず板状結晶の複合体である球晶を均一化することが重要となる。そのためには、できるだけ短時間で球晶を成長させた後に球晶成長を止めることが好ましい。具体的には、樹脂温度115〜125℃において、1秒〜2秒程度保持した後に、直ちに40〜50℃に冷却することが好ましい。保持時間が短すぎると球晶が十分に生成しない場合がある。また、保持時間が長すぎるとポリプロピレン樹脂中の分子量が異なる成分の結晶化速度の違いによって、球晶サイズの不均一性が顕著となる可能性がある。上記温度での保持・冷却を実現するためには、少なくとも2つの冷却ドラムを使用することが好ましい。すなわち、1つ目のドラムにおいて、球晶を発生させた後に、2つ目のドラムにおいて、球晶の成長を停止させることが可能となる。
これらの条件を実現するためには樹脂温度や押出量、引き取り速度等に応じて適宜プロセスを決定すればよいが、生産性の観点からは、冷却ドラムの径が保持時間に大きく影響するために、1つ目のドラムの直径は少なくとも1m以上であることが好ましい。
更に、本発明のフィルムを得るためには、これらの保持時間に合わせて冷却ドラム温度を選定することが重要である。選定すべき冷却ドラム温度としては上述のように他の要素が影響するためにある程度の任意性を含むものの、1つ目のドラム温度は50〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは60〜80℃、特に好ましくは60〜70℃の範囲である。冷却ドラム温度が高すぎると上述の通り、球晶のサイズが不均一となるおそれがある。2つ目のドラム温度としては、0〜50℃であることが好ましく、さらに好ましくは5〜40℃、特に好ましくは10〜30℃である。温度が高すぎると、球晶成長が停止しないために、球晶サイズが不均一となるおそれがある。
1つ目の冷却ドラム(キャスティングドラム)への密着方法としては静電印加法、水の表面張力を利用した密着方法、エアーナイフ法、プレスロール法、水中キャスト法などのうちいずれの手法を用いてもよいが、平面性が良好でかつ表面粗さの制御が可能なエアーナイフ法が好ましい。
次に、得られたキャストシートを120〜150℃に保たれた複数の予熱ロールに通して予熱する。この際にロール上にシートが10〜40秒接していることが好ましく、より好ましくは15〜35秒、特に好ましくは20〜30秒である。
予熱ロールに適切な時間接していることによって、キャストシートにて生成させた球晶内部における板状結晶の厚みを成長させることができ、これによって全体の結晶化度を高めることができる。この際、初期の冷却工程において、一度球晶成長を停止させているために、予熱ロール上で再度加熱しても球晶サイズは均一に保たれ、全体の結晶サイズは均一となる。
本発明において得られたキャストシートの結晶サイズの均一化を評価する方法としては、DSCによる融解曲線を評価する方法がある。融解曲線は、ポリプロピレンハンドブック(エドワード・P・ムーア・Jr.編著、(株)工業調査会発行、1998年)に記載の通り、結晶の厚みによって決定されることが知られている。すなわち、融解曲線のピーク幅が狭いほど均一な結晶厚みをもつこととなる。
ここで、ポリプロピレンの結晶にはα型結晶(単斜晶系、融点:160〜172℃)とβ型結晶(六法晶系、融点:140〜155℃)とが混在する場合があり、この2種の結晶が共に存在する場合は、融解曲線において2つのピークが存在するために(図1)、融解ピークの幅を定義するには工夫を要する。
そこで、本発明においては結晶の均一化を評価するために、DSCによって得られた融解曲線を微分し、元の曲線において変曲点に当たる部分(A)から高温側のピーク幅を結晶均一化の指標とした(図2)。微分値をとることで、ベースラインを効率的に除去することができる。具体的には、図2において示されるAから高温側におけるピーク幅[2]と微分値の高さが半分となる点におけるピーク幅[1]との比[1]/[2](以下WTm)によって、均一化を評価した。
本発明では、キャストシートにおいてWTmが0.3〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上である。WTmが大きいほど結晶サイズが均一化されていることとなるため、高ければ高いほど好ましいが、実質上の上限としては、0.50程度である。
次に、周速差を設けたロール間にこのキャストシートを通して長手方向に2〜6倍に延伸し、室温に冷却する。ここで重要となるのは、延伸時の温度である。延伸時のロール温度は、100〜130℃であることが好ましく、より好ましくは100〜120℃、特に好ましくは100〜115℃である。これらの温度領域は通常よりも低温であることを意味し、低温にて延伸することによって高い配向性を付与することが可能となる。
従来、Mw/Mnが小さいと延伸性が悪化するということが知られていたが、本発明ではキャストシート内部の結晶サイズを均一化することで、延伸時の応力を均一にし、フィルムの延伸性を大幅に改善することができ、厚みムラ良好なフィルムを得ることができる。そのため、従来では延伸が困難であったり、延伸後のフィルムにおいて、不均一な結晶間を延伸することで空隙が発生していた低温条件においても延伸せしめることが可能となる。
また、低温にて延伸を行うことによって、結晶部分と非晶部分の延伸性の差が大きくなるために、非晶部分が優先的に延伸され、表面を適度に粗面化することが可能となる。
長手方向への延伸に引き続き該延伸フィルムをステンターに導いて130〜150℃の温度で幅方向に5〜15倍に延伸し、次いで幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ120〜150℃の温度で熱固定した後、蒸着を施す面に蒸着金属の接着性を良くするため、空気中、窒素中、炭酸ガス中あるいはこれらの混合気体中でコロナ放電処理を行い、フィルムを得る。コロナ放電処理の例として、10〜20kW程度の出力で放電処理を行う。また、幅方向の延伸についても、縦延伸と同様にできるだけ低温にて延伸することが好ましい。
このようにして得られたフィルムは、キャストシートにおいて結晶が均一であるために、縦延伸および横延伸において、全ての結晶に均一に延伸応力がかかっており、最終的な横延伸方向への配向性が強くなる。そのために、高温下において、結晶の運動性を抑制することが可能となり、高温と常温の耐電圧性の乖離を抑制することができる。
例えば、メタロセン触媒などを用いて重合したメソペンタッド分率が0.99でMw/Mnが4.8のポリプロピレン樹脂を275℃で溶融してTダイよりシート状に押出し、1つ目の冷却ドラムとして93℃、2つ目の冷却ドラムとして60℃を設定して冷却固化した場合、冷却ドラム上のシートの110〜135℃の保持時間は2秒を上回る。この場合、Mw/Mnは低いが初期の球晶成長時間が長く、またメソペンタッド分率が高すぎるために、結晶が不均一となり、WTmが0.3を下回る可能性が高い。結果として高温と常温との耐電圧性の乖離が大きいものとなることが推定される。
本発明のフィルム表面の光沢度は、110〜150%の範囲であることが好ましく、より好ましくは120〜130%である。すなわち、光沢度を低下せしめることはフィルム表面での光散乱の密度をアップすること、すなわちフィルム表面が粗面であることを意味する。光沢度を110%未満まで低下せしめると、フィルムのハンドリング性は良好となるが、本発明の製膜条件から、実質上の下限は110%となる。一方、光沢度が150%を超えると表面が平滑となるためにフィルム層間が滑りにくく扁平状のコンデンサ素子に成形することが困難になる。
さらに、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面の中心線表面粗さ(SRa)は10nm以上50nm以下であることが好ましく、より好ましくは20〜40nmである。Raが高いほどフィルムのハンドリング性は良好となるが、本発明の製膜条件から、実質上の上限は50nm程度となる。一方、Raが10nmを下回るとフィルム層間が滑りにくく扁平状のコンデンサ素子に成形することが困難になる。
また、本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの灰分は50ppm以下(質量基準、以下同じ)であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下であり、特に好ましくは20ppm以下である。かかる灰分が50ppmを超えると、フィルムの耐絶縁破壊特性が低下し、コンデンサとした場合に絶縁破壊強度が低下する場合がある。灰分をこの範囲とするためには、触媒残渣の少ない原料を用いることが重要であるが、製膜時の押出系からの汚染も極力低減するなどの方法、例えばブリード時間(製膜前に原料を押出系に通し配管内を洗浄する時間)を1時間以上かけるなどの方法を採用することができる。なお、灰分は少なければ少ない程好ましいが、実質的な下限値は、10ppm程度である。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ素子サイズと製膜安定性の点から、マイクロメータ法によるフィルム厚みが1.0〜5.0μmであることが好ましい。マイクロメータ法によるフィルム厚みは、より好ましくは1.2〜4.0μmであり、特に好ましくは1.5〜3.0μmである。フィルムの厚みが薄すぎると、機械的強度や絶縁破壊強度に劣る場合がある。また、フィルムの厚みが厚すぎると冷却時のキャストシート内部における温度ムラが大きくなるために、キャストシートにおいて均一な球晶を発生させることが困難となる場合がある。
本発明のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、コンデンサ用誘電体フィルムとして好ましく用いられるものであるが、コンデンサのタイプに限定されるものではない。具体的には電極構成の観点では箔巻きコンデンサ、金属蒸着膜コンデンサのいずれであってもよいし、絶縁油を含浸させた油浸タイプのコンデンサや絶縁油を全く使用しない乾式コンデンサにも好ましく用いられる。また、形状の観点では、捲巻式であっても積層式であっても構わない。しかしながら本発明のフィルムの特性から特に金属蒸着膜コンデンサとして好ましく使用される。
なお、ポリプロピレンフィルムは通常、表面エネルギー低く、金属蒸着を安定的に施すことが困難であるために、金属付着力を良好とする目的で、事前に表面処理を行うことが好ましい。表面処理とは具体的にコロナ放電処理、プラズマ処理、グロー処理、火炎処理等が例示される。通常ポリプロピレンフィルムの表面濡れ張力は30mN/m程度であるが、これらの表面処理によって、濡れ張力を37〜50mN/m、好ましくは39〜48mN/m程度とすることが、金属膜との接着性に優れ、保安性も良好となるので好ましい。
本発明においては、上記したコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム表面に金属膜を設けて金属化フィルムとすることが好ましい。その方法は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、アルミニウムを蒸着してフィルムコンデンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好ましく用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロムおよび亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。
金属膜の厚さは、フィルムコンデンサの電気特性とセルフヒール性の点から20〜100nmの範囲であることが好ましい。また、同様の理由により、金属膜の表面電気抵抗値が1〜20Ω/□の範囲であることが好ましい。表面電気抵抗値は、使用する金属種と膜厚で制御可能である。ここで、表面電気抵抗値の測定は次の通りである。金属化フィルムを長さ方向に10mm幅方向に全幅(50mm)の長方形にカットして試料とする。得られた試料について、4端子法により、幅方向30mm間の金属膜の抵抗を測定し、得られた測定値に測定幅(10mm)を乗じて電極間距離(30mm)を除して、10mm×10mm当たりの膜抵抗を算出する。
本発明では、必要により、金属膜を形成後、金属化フィルムを特定の温度でエージング処理を行なったり、熱処理を行なったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属化フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサイドなどのコーティングを施すこともできる。
このようして得られた金属化フィルムは、種々の方法で積層もしくは巻回してフィルムコンデンサを得ることができる。巻回型フィルムコンデンサの好ましい製造方法を例示すると、次のとおりである。
ポリプロピレンフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着する。その際、フィルム長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作成する。左もしくは右にマージンを有するテープ状の巻取リールを左マージンおよび右マージンのもの各1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型フィルムコンデンサを得ることができる。
以下、本発明において用いる各種測定法等について説明する。
(1)フィルム厚み(μm)
JIS C−2330(2001)の7.4.1.1によりマイクロメータ法厚みを測定した。
(2)グロス(光沢度)
JIS K−7105(1981)に準じ、スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°受光角60°の条件で測定した5点のデータの平均値を光沢度とした。
(3)溶融流動指数(MFR)
JIS−K7210(1999)に準じて、測定温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(4)WTm
セイコー社製RDC220示差走査熱量計を用いて、下記以下の条件で測定を行った。
<試料の調製:>
検体5mgを測定用のアルミパンに封入する。
<測定>
30℃〜280℃まで昇温速度20℃/分にてフィルムを溶融させた。得られた融解曲線をWaveMetrics 社製のデータ解析ソフトIGOR Pro 6を用いて得られた微分曲線において、WTmを求めた。データの微分処理については、一般的に知られている手法であるため、同様の機能を有するソフトであればIGOR Pro 6以外を利用してもよい。
(5)メソペンタッド分率(mmmm)
試料を溶媒に溶解し、13C−NMRを用いて、以下の条件にてメソペンタッド分率(mmmm)を求めた(参考文献:新版 高分子分析ハンドブック 社団法人日本分析化学会・高分子分析研究懇談会 編 1995年 P609〜611)。
A.測定条件
装置:Bruker社製、DRX−500
測定核:13C核(共鳴周波数:125.8MHz)
測定濃度:10wt%
溶媒:ベンゼン/重オルトジクロロベンゼン=質量比1:3混合溶液
測定温度:130℃
NMR試料管:5mm管
パルス幅:45°(4.5μs)
パルス繰り返し時間:10秒
換算回数:10,000回
測定モード:complete decoupling
B.解析条件
LB(ラインブロードニングファクター)を1.0としてフーリエ変換を行い、mmmmピークを21.86ppmとした。WINFITソフト(Bruker社製)を用いて、ピーク分割を行う。その際に、高磁場側のピークから以下のようにピーク分割を行い、更にソフトの自動フィッテイングを行い、ピーク分割の最適化を行った上で、mmmmとss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)のピーク分率の合計をメソペンタッド分率(mmmm)とする。
尚、測定は5回行い、その平均値を求める。
ピーク
(a)mrrm
(b)(c)rrrm(2つのピークとして分割)
(d)rrrr
(e)mrmm+rmrr
(f)mmrr
(g)mmmr
(h)ss(mmmmのスピニングサイドバンドピーク)
(i)mmmm
(j)rmmr
(6)冷キシレン可溶部(CXS)
ポリプロピレンフィルム試料0.5gを沸騰キシレン100mlに溶解して放冷後、20℃の恒温水槽で1時間再結晶化させた後にろ過液に溶解しているポリプロピレン系成分を液体クロマトグラフ法にて定量する(X(g))。試料0.5gの精量値(X0(g))を用いて以下の式で求める。
CXS(質量%)=(X/X0)×100
(7)数平均分子量と重量平均分子量の比(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて単分散ポリスチレン基準により求めた。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)はぞれぞれ、分子量校正曲線を介して得られたGPC曲線の各溶出位置の分子量(Mi)の分子数(Ni)により次式で定義される。
数平均分子量:Mn=Σ(Ni・Mi)/ΣNi
重量平均分子量:Mw=Σ(Ni・Mi2)/Σ(Ni・Mi)
分子量分布:Mw/Mn
なお、測定条件は次の様にした(括弧内はメーカーを示す)
装置:ゲル浸透クロマトグラフ GPC−150C (Waters)
検出器:示差屈折率検出器 RI 感度 32×、20% (Waters)
カラム:Shodex HT−806M(2)(昭和電工)
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン(BHT 0.1w/v%添加)(Ardrich)
流速:1.0ml/min
温度:135℃
試料:溶解条件 165±5℃×10分(攪拌)
濃度:0.20w/v%
濾過:メンブレンフィルター孔径0.45μm(昭和電工)
注入量:200μl
分子量校正:単分散ポリスチレン(東ソー)を検体と同一条件で測定して得られた分子量と保持時間との関係を用い、ポリプロピレンの分子量とした。ポリスチレン基準の相対値である。
データ処理:(株)東レリサーチセンター製GPCデータ処理システムによった。
(8)中心線平均粗さ(Ra)
JIS−B−0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「非接触三次元微細形状測定器(ET-30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA−11)」を用いて測定した。測定は長手方向に10回繰り返し、その平均値として中心線平均粗さ(Ra)を求めた。
(9)絶縁破壊電圧(V25℃、V85℃、V100℃
絶縁破壊電圧は、JIS C2330(2001)7.4.11.2のB法(平板電極法)に準じて測定した。ただし、下部電極については、JIS C2330(2001)7.4.11.2のB法記載の金属版の上に、同一寸法の株式会社十川ゴム製「導電ゴム E−100<65>」を載せたものを電極として使用した。
測定により得られた平均値を、測定したサンプルのフィルム厚み(μm)で除し、V/μmで表記した。
測定温度は25℃、85℃および100℃とし、それぞれV25℃、V85℃、V100℃と表記した。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。
(実施例1)
メタロセン化合物として、ジメチルシリレンビス−(2−メチル−4−イソプロピル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、助触媒としてメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ社製)を用いて重合したポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.95で、Mw/Mnが3であるポリプロピレン樹脂を用いて、温度260℃の押出機に供給し、樹脂温度255℃でT型スリットダイよりシート状に溶融押出し、該溶融シートを2つの冷却ドラムを用いて冷却固化させた。この際の1つ目の冷却ドラムを冷却ドラム1、2つ目の冷却ドラムを冷却ドラム2とする。具体的には、60℃に保持された冷却ドラム1に接触させた後に30℃に保持された冷却ドラム2に接触させて冷却固化させた。この際、110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果1.5秒であった。
次いで該シートを130℃保たれたロール上で30秒保持し、その後115℃に保たれた周速差を設けたロール間に通して長手方向に4.7倍に延伸した。引き続き該フィルムをテンターに導き、150℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方向に6%の弛緩を与えながら140℃で熱処理を行ない、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。さらに該フィルムの冷却ドラム1と接する面に20W・min/mの処理強度で大気中でコロナ放電処理を行った。こうして得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの特性は表1に示す通りであった。
(実施例2)
冷却ドラム1の温度を50℃とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。冷却ドラム上のシートの110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果1.0秒であった。
(実施例3)
冷却ドラム1の温度を100℃とし、さらに冷却ドラム2の温度を10℃とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。冷却ドラム上のシートの110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果2.0秒であった。
(実施例4)
チーグラーナッタ触媒を用いて重合したポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.95で、Mw/Mnが5であるポリプロピレン樹脂(The Polyolefin Company (singapore) Pte 社 “COSMOPLENE”)を用いた以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
参考例5)
チーグラーナッタ触媒を用いて重合したポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.95で、Mw/Mnが8であるポリプロピレン樹脂(大韓油脂化社製 5014L)を用いて、さらに樹脂中に結晶核剤として分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(Basell社製高溶融張力ポリプロピレン Profax PF−814)を0.5質量%ブレンドした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
参考例6)
チーグラーナッタ触媒を用いて重合したポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.95で、Mw/Mnが8であるポリプロピレン樹脂(大韓油脂化社製 5014L)を用いて、さらに樹脂中に結晶核剤として分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(Basell社製高溶融張力ポリプロピレン Profax PF−814)を2.0質量%ブレンドした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが3.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
(実施例7)
メタロセン化合物として、ジメチルシリレンビス−(2−メチル−4−イソプロピル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、助触媒としてメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ社製)を用いて重合したポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.98で、Mw/Mnが3であるポリプロピレン樹脂を用いて、さらに冷却ドラム1の温度を100℃とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが2.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。冷却ドラム上のシートの110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果1.8秒であった。
(比較例1)
ポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.95で、Mw/Mnが6.0であるポリプロピレン樹脂(Borealis社製“Borclean”)を用いた以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
(比較例2)
実施例1において、冷却ドラム2の温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、フィルムを製膜したが、縦延伸工程において破れが発生し、フィルムが採取できなかった。
(比較例3)
実施例1において、冷却ドラム2の温度を80℃とし、さらに縦延伸時のロール温度を150℃とした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚みが4.0μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
(比較例4)
ポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.98で、Mw/Mnが6.0であるポリプロピレン樹脂(Borealis社製“Borclean”)に分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(Basell社製高溶融張力ポリプロピレン Profax)を0.5質量%ブレンドし、温度250℃の押出機に供給し、スリット状口金からシート状に溶融押出し、温度90℃に保った冷却ドラム1、温度50℃に保った冷却ドラム2上で冷却固化した。冷却ドラム上のシートの110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果2.4秒であった。
次に温度140℃に保たれたロールで、長さ方向に5倍に延伸した。この間の時間は15秒であった。次いで、温度160℃で幅方向に10倍に延伸し、その後150℃で熱固定し、片面にコロナ放電処理を施して、厚さ3.0μmのフィルムを得た。
(比較例5)
ポリプロピレンのメソペンタッド分率が0.985で、Mw/Mnが6.4であるポリプロピレン樹脂(Borealis社製“Borclean”)に分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(Basell社製高溶融張力ポリプロピレン Profax PF−814)を0.2質量%ブレンドし、250℃で溶融してTダイよりシート状に押出し、85℃の温度の冷却ドラム1、50℃に保った冷却ドラム2上で冷却固化した。冷却ドラム上のシートの110〜135℃の保持時間は放射温度計の測定の結果2.2秒であった。
次に、このシートを143℃の温度で長さ方向に4.7倍に延伸した。この間の時間は15秒であった。次いで両端をクリップで把持して熱風オーブン中に導いて、166℃の雰囲気で予熱後、157℃で横方向に9倍に延伸し、次いで、160℃の温度で熱処理した。その後、フィルムの片面に濡れ張力が42mN/mとなるようにコロナ放電処理を施して、厚み3.0μmのフィルムを得た。
(比較例6)
分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を使用しない以外は比較例4と同様にして、厚さ3.0μmのフィルムを得た。
Figure 0005974524
Figure 0005974524

Claims (5)

  1. 25℃における絶縁破壊電圧をV25℃とし、100℃における絶縁破壊電圧をV100℃としたとき、V100℃が350〜450V/μmであり、かつ絶縁破壊電圧勾配(V100℃−V25℃)/75の値が−2.0〜−0.5であり、ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率が0.90〜0.98であり、ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が2〜5であるコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. ポリプロピレン樹脂が、ポリマー担体にメタロセン化合物を担持した触媒を用いて重合して得たアイソタクチックポリプロピレンである、請求項1に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. いずれの表面の中心線表面粗さ(SRa)も10nm以上50nm以下である、請求項1または2に記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
  5. 請求項に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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