以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るシステム1000の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る、電気自動車等の車両を駆動するためのシステム1000を示す模式図である。なお、ここでは電気自動車を例示するが、本実施形態に係るシステム1000は、ハイブリッド自動車など他の車両にも広く適用することができる。図1に示すように、システム1000は、ステレオカメラ100、ステレオカメラ用の制御装置(画像処理−ECU(画像分析処理部))200、操舵角センサ250、ウィンカースイッチ(SW)260、車速センサ270、インヒビタースイッチ(SW)280、アクセルペダル300、モータの制御装置(モータ−ECU)400、高電圧バッテリ500、昇圧コンバータ(昇圧部)600、インバータ700、駆動モータ800を有して構成される。なお、図1では、ステレオカメラ用の制御装置200とモータの制御装置400を別体に構成した例を示すが、両者は一体の制御装置から構成されていても良い。
ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両を駆動するシステムは、駆動輪を駆動するための駆動モータを備えている。図1に示す構成において、駆動モータ800は、直流電圧を交流に変換するインバータ700の電圧が高いほど大出力を発生することができる。このため、昇圧コンバータ600により高電圧バッテリ500の電圧を昇圧してインバータ700に印加している。一方、昇圧コンバータ600では、バッテリ電圧500を昇圧すると、昇圧が大きいほど損失が発生する。昇圧コンバータ600の昇圧比が高いほど損失が大きくなるため、大出力を出そうとすると、昇圧コンバータ600における損失の増加につながる。更に、高電圧バッテリ500の電圧からインバータ700の最大電圧まで昇圧するために、目標電圧に対して実際の昇圧が行われるまでに200ms程度の遅延時間が発生する。このため、先行車両の追い越し時に昇圧を行ったとしても、実際の昇圧は追い越し開始時よりも遅延して行われるため、加速のもたつき感やドライバビリティの悪化が生じる。
駆動モータ800が大出力を発生させる状況としては、例えば車両発進時、高速道路等における先行車両の追い越し時等が挙げられる。本実施形態のシステム1000では、高速道路等における先行車両の追い越し時に着目し、ステレオカメラ100による画像情報によって、例えば走行レーンから逸脱して追い越し車線に移ったことを検知し、昇圧コンバータ600による昇圧比を高くする制御を行う。
図1に示す構成において、ステレオカメラ100は、CCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子を有する左右1対のカメラ100a,100bを有して構成され、車両外の外部環境を撮像し、撮像した画像情報を制御装置200へ送る。本実施形態に係るステレオカメラ100は、一例として色情報を取得可能なカラーカメラから構成される。ステレオカメラ100は、自車両の前方を走行する先行車両、自車両が走行するレーンの白線等を画像情報として認識することができる。ステレオカメラ100は、自車両の前方を走行する先行車両として、自車両が走行するレーンを走行する先行車両の他、自車両が走行する走行レーン以外のレーンを走行する先行車両を画像情報として認識することができる。また、ステレオカメラ100は、色情報を取得できるため、例えば、自車両の前方を走行する先行車両のブレーキランプ点灯の有無や交通信号機の信号の色、道路標識等を画像情報として認識することもできる。ステレオカメラ100は、認識した画像情報を制御装置200へ出力する。
制御装置200は、ステレオカメラ100の左右1組のカメラ100a,100bによって自車両進行方向を撮像した左右1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から三角測量の原理によって対象物までの距離情報を生成して取得することができる。また、制御装置200は、三角測量の原理によって生成した距離情報に対して、周知のグルーピング処理を行い、グルーピング処理した距離情報を予め設定しておいた三次元的な立体物データ等と比較することにより、立体物データや白線データ等を検出する。これにより、制御装置200は、先行車両や走行レーンを示す白線の他、一時停止の標識、停止線、ETCゲートなどを認識することもできる。
また、制御装置200は、三角測量の原理によって生成した先行車との距離情報(車間距離L)を用いて、車間距離Lの変化量、先行車との相対速度Vを算出することができる。車間距離Lの変化量は、単位時間ごとに検知されるフレーム画像間の車間距離Lを積算することにより求めることができる。また、相対速度Vは、単位時間ごとに検知される車間距離を当該単位時間で割ることにより求めることができる。なお、これらの演算は制御装置400が行うこともできる。
このように、制御装置200は、ステレオ画像認識部100から得られる車両外の画像情報を取得して分析する画像分析処理部として機能し、画像情報を分析して得られる車両外の環境情報を制御装置400へ送信する。制御装置200は、ステレオ画像認識部100から送られた画像情報を分析処理し、自車両の前方を走行する先行車両までの距離、走行レーンを示す道路上の白線等を車両外の環境情報として認識し、制御装置400へ送る。また、制御装置200は、自車両の前方の交通信号機の色、先行車のブレーキランプの点灯状態、道路標識、停止線、または先行車との車間距離L等を車両外の環境情報として認識し、制御装置400へ送る。より具体的には、制御装置200は、自車両が走行するレーンの先行車との車間距離、自車両が走行するレーンの隣レーン(右レーン/左レーン)を走行する先行車との車間距離、自車両が走行するレーンを逸脱したか否かを示す情報(右側逸脱/左側逸脱/逸脱なし)を環境情報として制御装置400へ送ることができる。
操舵角センサ250は、ドライバーのステアリング操作による前輪の操舵角を検出する。操舵角センサ250が検出した操舵角は、制御装置400へ送られる。ウィンカースイッチ260は、ドライバーによるウィンカーの操作状態を検出する。検出されたウィンカーの操作状態は、制御装置400へ送られる。
アクセルペダル300は、ドライバーのアクセル操作を検出するセンサを含んでいる。ドライバーのアクセル操作は、ドライバーの要求駆動力としてモータの制御装置400に送られる。制御装置400は、制御装置200から受信した、自車両の前方を走行する先行車両までの距離、走行レーンを示す白線等の車両外の環境情報に基づいて、自車両がレーン内で走行しているか否か、自車両と同じレーン内を走行する先行車両を追い越すため、レーンを逸脱したか否かを判定する。そして、制御装置400は、判定に基づいて昇圧コンバータ600の昇圧電圧を決定し、決定した昇圧電圧により昇圧指令を昇圧コンバータ600に送信する。なお、上述したように、制御装置200と制御装置400は一体でも良く、画像分析する機能と昇圧コンバータ600を昇圧する機能を有していれば、制御装置200と制御装置400の構成は特に限定されるものではない。
昇圧コンバータ600は、高電圧バッテリ500とインバータ700との間に設けられ、高電圧バッテリ500の電圧を昇圧して、昇圧した電圧をインバータ700に加える。ここで、高電圧バッテリ500の電圧に対する昇圧した電圧の比を昇圧比と称する。
ここで、図2は、駆動モータ800の回転数とモータトルクとの関係が、昇圧コンバータ600における昇圧によって変化する様子を示す特性図(モータ出力マップ)である。図2の横軸はモータ回転数を、縦軸はモータトルクを示している。縦軸のモータトルクにおいて、正の値は駆動モータ800が駆動輪を駆動する際のトルクを、負の値は回生時に駆動輪が駆動モータ800を駆動する際のトルク(駆動モータ800による制動力)を示している。
図2に示すように、モータトルクが正の値の場合、昇圧コンバータ600による昇圧が大きいほど同じモータ回転数に対するモータトルクが増加する。従って、昇圧コンバータ600による昇圧を大きくしてインバータ700に印加する電圧を高くすることで、より大きなモータトルクで駆動モータ800を駆動することが可能となる。
また、図2に示すように、モータトルクが負の値の場合は、昇圧コンバータ600による昇圧が大きいほど、駆動輪が駆動モータ800を回転させる際のモータトルクが増加する。
このように、駆動モータ800は電機子巻線に電流を流すことで駆動トルクを発生させているため、印加する電圧を大きくすることでより大きな電流を流すことが可能となり、その結果、出力を増大させることができる。
また、図3は、昇圧コンバータ600の変換効率を示す模式図である。図3に示すように、高電圧バッテリ500の電圧は200[V]であり、昇圧コンバータ600は昇圧比を1〜3.250の範囲で変化させ、高電圧バッテリ500の電圧を200[V]から650[V]の範囲まで昇圧してインバータ700に印加する。また、図3に示す一次側電力[kW]は、正の値はモータ駆動時に高電圧バッテリ500から取り出される電力を示しており、負の値は回生時に高電圧バッテリ500に充電される電力を示している。図3では、一次側電力の各値毎に昇圧コンバータ600の変換効率(%)を示している。昇圧コンバータ600は、昇圧するためにリアクトルに通電する必要があるが、より高い昇圧電圧を得るためには、通電時間を長くして電流を多く流す必要があるため、図3に示すように、昇圧コンバータ600の昇圧比が増加するほど、昇圧コンバータ600の変換効率は低下する。すなわち、昇圧コンバータ600の昇圧電圧が高くなるほど変換効率は低下する。従って、必要な時以外は、昇圧コンバータ600の昇圧比を低下させておくことが望ましい。なお、効率の低下分は、昇圧コンバータ600が発生する熱として発散される。
また、図4は、ドライバーの要求駆動力(アクセル開度)と昇圧コンバータの応答特性を示す特性図である。図4では、出力(要求駆動力×車速)の増加に伴って昇圧コンバータ600による昇圧の目標電圧(目標昇圧電圧)を増加させ、目標電圧に従ってインバータ700に印加される実際の昇圧電圧(実昇圧電圧)が上昇する様子を示している。図4の左の縦軸はアクセル開度[%]及び車速[km/h]を示しており、右の縦軸は電圧[V]を示している。また、図4の横軸は時間を示している。
図4に示すように、出力の増加に伴って、時刻t00で昇圧コンバータ600の目標昇圧電圧がステップ的に増加する。また、出力の更なる増加に伴って、時刻t01においても昇圧コンバータ600の目標昇圧電圧がステップ的に増加する。一方、インバータ700に印加される実昇圧電圧は、目標昇圧電圧に対して時間遅れが発生している。従って、追い越し加速を行う場合は、実昇圧電圧の時間遅れによる加速のもたつきを回避してドライバビリティを向上させる必要がある。
制御装置400は、制御装置200から得られた環境情報を用いて、自車両が先行車両の追い越しをすることを予見する。そして、制御装置400は、ドライバーが要求する要求駆動力に加えて、予見した追い越し操作に基づいて昇圧コンバータ600の電圧や駆動を制御する。これにより、自車両が先行車両を追い越しすることが予見されない場合は、昇圧コンバータ600の昇圧比を下げることで、昇圧コンバータ600における損失を最小限に抑えることができる。また、自車両が先行車両を追い越しすることが予見される場合は、ドライバーによりアクセルが踏み込まれる前に昇圧比を高めることができる。これにより、追い越しの前に昇圧比を高めることができるため、追い越しの際のアクセル踏込後に昇圧比を高めた場合に発生する加速のもたつきを確実に抑止できる。
ステレオカメラ100の画像情報で追い越しを検出することで、ドライバーによるアクセル操作中において、追い越し操作を確実に検出することができ、所望の駆動力を出力することができる。また、ステレオカメラ100の画像情報で追い越しを検出することで、ウィンカーの操作が無い場合においても追い越し操作を確実に検出することができる。更に、ステレオカメラ100の画像情報で追い越しを検出することで、カーブを走行中にレーンチェンジした場合においても、追い越し操作を確実に検出することができる。
更に、本実施形態では、ステレオカメラ100の画像情報に基づいて、自車両が走行するレーンの逸脱と、隣レーンへのレーンチェンジの完了を検出するため、ウィンカーを誤操作した場合、道路のカーブによって操舵角が変化した場合等に追い越し動作を誤認識してしまうことを確実に抑止でき、誤認識による昇圧コンバータ600の昇圧制御を確実に抑止することができる。また、ステレオカメラ100の画像情報によれば、自車両が走行するレーンの先行車両の有無に加えて、隣レーンを走行する先行車両の有無を検出することができるため、隣レーンに先行車両が存在する場合は、ドライバーに追い越しする意図が無いと判断することができ、無用に昇圧が行われてしまうことを確実に抑止できる。
以上のような制御を実現するため、制御装置400は、環境情報取得部400a、運転状態予測部400b、電圧制御部400cを有して構成されている。環境情報取得部400aは、制御装置200から車両外の環境情報を取得する。運転状態予測部400bは、車両外の環境情報に基づいて、レーンチェンジによる追い越し加速が行われるか否かを予測する。電圧制御部400cは、追い越し加速が行われることが予測される場合に、昇圧コンバータ600による昇圧を制御する。電圧制御部400cは、車速又はドライバーの要求駆動力に応じた電圧マージンに基づいて、昇圧コンバータ600による昇圧を制御することができる。また、環境情報取得部400aは、ウィンカーSW260、インヒビターSW280が取得した情報も環境情報として取得することができる。環境情報取得部400aは、車車間通信やITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)を通じて先行車の走行に関する情報や交通信号機等のインフラの情報を環境情報として取得しても良い。
昇圧コンバータ600は、制御装置400からの昇圧指令に基づいて高電圧バッテリ500の電圧を昇圧し、昇圧した電圧をインバータ700に印加する。インバータ700は、昇圧コンバータ600によって昇圧された電圧を利用し、直流電圧を交流に変換して駆動モータ800に印加することで、駆動モータ800のモータ巻線に電流を流す。駆動モータ800は、インバータ700によってモータ巻線に流された電流が発生させる電磁力と、駆動モータ800内部に設置されたマグネットの磁力によって、車両を動かすための駆動力を発生させる。
以上のように構成された本実施形態にシステム1000によれば、制御装置400は、制御装置200から受信した環境情報に基づいて、自車両が先行車両を追い越すか否かを判定し、判定結果に基づいて、昇圧コンバータ600の昇圧電圧を決定する。
従って、先行車両の追い越しが予見される場合は、追い越しのために加速が行われる前に昇圧コンバータ600の昇圧比を高めることで、加速のもたつきが生じることが無く、ドライバビリティを向上させることができる。
また、追い越しを行わないことが予見される場合は、昇圧コンバータ600による昇圧比を1倍とし、昇圧を行わないようにすることで、昇圧コンバータ600における損失を確実に抑えることが可能となる。
次に、図1のシステムで行われる処理の流れの一例について説明する。図5は、本実施形態の処理を示すフローチャートである。図5の処理は、主として制御装置400において、所定の制御周期(例えば、1ms〜10ms程度)毎に行われる。先ず、ステップS10では、ステレオカメラ100との協調制御により、制御装置200から得られた環境情報に基づいて、追越開始の判定処理を行う。ここでは、以下のC1,C2,C3の条件が成立するか否かを判定し、C1,C2,C3の全ての条件が成立した場合、ドライバーがレーンチェンジにより追い越し加速をすると判断し、以下のF1を実行する。それ以外の場合は、以下のF2を実行する。
C1)制御装置200が自車両のレーン逸脱を検出した。なお、自車両がレーンを逸脱したか否かは、画像分析結果から得られる環境情報に基づいて、自車両が走行するレーンの白線を跨いだこと、又は自車両とレーンの白線との距離が所定値以下となったこと、により検出することができる。
なお、自車両がレーンを逸脱したか否かは、画像情報を用いることなく、ウィンカーSW280がオン(ON)であり、且つ、ステアリング舵角>±α[deg]となったことにより検出することもできる。但し、αは所定値とする。
C2)逸脱先の隣レーンに先行車両が存在しない、又は逸脱先の隣レーンの先行車両が所定距離以上離れている。
C3)自車両が走行するレーンを先行する先行車両との車間距離が所定値未満となった。
F1)追越開始要求フラグ=あり
F2)追越開始要求フラグ=なし
上記C1,C2,C3の全ての条件が成立する場合、上記F1が実行され、追越開始要求フラグが立てられる。
次のステップS12では、ステレオカメラ100との協調制御により、制御装置200から得られた環境情報、自車両の車速等に基づいて、追越完了の判定処理を行う。ここでは、以下のC4〜C8の条件が成立するか否かを判定する。そして、C4の条件が成立し、且つC5〜C8のいずれか1つの条件が成立した場合、ドライバーが追い越し加速を完了したとみなし、F3を実行する。それ以外の場合はF4を実行する。
C4)制御装置200が自車両のレーン内走行を検出した(自車両が走行するレーンを逸脱していないことを検出した)。
C5)先行車両との車間距離が所定値以上となった。
C6)車速が所定値未満に低下した。
C7)インヒビターSW(オートマチックトランスミッションのシフトポジションを検知するスイッチ)がDレンジ以外のポジション(例えば、P(パーキング)レンジ、N(ニュートラル)レンジ等)になった。
C8)要求駆動力の増加がなく、且つ、追越完了フラグが立っていない状態が所定時間継続した。
F3)追越完了フラグ=完了
F4)追越完了フラグ=未完了
次のステップS14では、追越開始要求フラグ=あり、又は追越完了フラグ=未完了、であるか否かを判定する。そして、追越開始要求フラグ=あり、又は追越完了フラグ=未完了、のいずれかの条件が成立する場合は、ステップS16へ進む。ステップS16では、電圧マージンを算出する処理を行う。
一方、ステップS14において、追越開始要求フラグ=あり、又は追越完了フラグ=未完了、のいずれかの条件が成立しない場合は、ステップS18へ進む。ステップS18では、電圧マージンを0[V]に設定する。
ステップS16,S18の後はステップS20へ進む。ステップS20では、ステップS16,S18で算出又は設定された電圧マージンに基づいて、昇圧コンバータ600を制御する。
以上のように、図5の処理によれば、追越開始要求フラグ=あり、又は追越完了フラグ=未完了、のいずれかの条件が場合は、先行車両の追い越しを行うこと、又は先行車両の追い越しが完了していないことが予見されるため、電圧マージンが算出され、電圧マージンに応じて昇圧コンバータ600が制御される。従って、追い越しの加速前に昇圧コンバータ600による昇圧を行うことができ、追い越し時に加速のもたつきが発生することを確実に抑止できる。また、追越開始要求フラグ=あり、又は追越完了フラグ=未完了、のいずれかの条件が成立しない場合は、先行車両の追い越しは行わないこと、又は先行車両の追い越しが完了していることが予見されるため、電圧マージンが0[V]に設定される。従って、昇圧コンバータ600における損失を確実に抑止することが可能となる。
なお、上記では、ステレオカメラ100から得られた画像情報を分析して得られる環境情報に基づいて追い越し加速が行われるか否かを予測しているが、上述のように、車車間通信やITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)を通じて先行車の走行に関する情報や交通信号機等のインフラの情報を取得し、取得した情報に基づいて追い越し加速が行われるか否かを予測することもできる。
次に、図6に基づいて、図5のステップS20で昇圧コンバータ600を制御する処理について説明する。先ず、ステップS30では、目標昇圧電圧を算出する処理を行う。なお、「目標昇圧電圧」とは、昇圧コンバータ600がバッテリ500の電圧を昇圧する際の目標値を意味する。一例として、図3に示したように、目標昇圧電圧は200V〜650V程度とされる。「必要昇圧電圧」とは、ドライバーの要求駆動力を出力するために最低限必要な昇圧電圧を示し、「実昇圧電圧」とは、昇圧コンバータ600が実際に出力している電圧を意味する。また、「最大昇圧電圧」とは、昇圧コンバータ600が昇圧可能な最大の電圧を意味し、図3の例では最大昇圧電圧は650[V]である。本実施形態において、目標昇圧電圧は、必要昇圧電圧に電圧マージンを加えた値とされ、以下の式から算出される。
目標昇圧電圧=必要昇圧電圧+電圧マージン
電圧マージンは、通常は“0”とされるが、追い越し加速が行われる場合は、後述する電圧マージンマップに基づいて設定される。目標昇圧電圧は、最大昇圧電圧よりも大きな値に設定されることはない。
実昇圧電圧が必要昇圧電圧を下回ると、目標駆動力を出力することができない。また、実昇圧電圧は目標昇圧電圧とほぼ同一の値になるように制御されるが、必要昇圧電圧が確保されていない場合、実昇圧電圧は目標昇圧電圧に対して応答遅れが生じる場合がある。
本実施形態では、ドライバーの要求駆動力を出力するために最低限必要な必要昇圧電圧に対して、電圧マージンを加算して目標昇圧電圧を設定することで、レーンチェンジを行って追い越し加速をした際に加速性能を最大限に発揮できるようにする。なお、電圧マージンの算出方法については、後で詳細に説明する。
次のステップS32では、ステップS30で算出した目標昇圧電圧が最大昇圧電圧を超えているか否かを判定する。そして、目標昇圧電圧が最大昇圧電圧を超えている場合は、ステップS34へ進む。ステップS34では、目標昇圧電圧を最大昇圧電圧とする。ステップS34の後はステップS36へ進む。一方、ステップS32で目標昇圧電圧が最大昇圧電圧を超えていない場合は、ステップS32からステップS36へ進む。
ステップS36では、目標昇圧電圧が高電圧バッテリ500の電圧を超えているか否かを判定する。そして、目標昇圧電圧が高電圧バッテリ500の電圧を超えている場合は、ステップS38へ進む。ステップS38では、高電圧バッテリ500の電圧を昇圧するため、昇圧コンバータ600の駆動を開始する。これにより、昇圧コンバータ600の実昇圧電圧が目標昇圧電圧となるように制御される。
一方、ステップS36で目標昇圧電圧が高電圧バッテリ500の電圧を超えていない場合は、ステップS40へ進む。ステップS40では、昇圧コンバータ600の駆動を停止する。これにより、昇圧コンバータ600による昇圧は行われず(昇圧比=1)、高電圧バッテリ500の電圧がインバータ700へ印加される。
以上のように、本実施形態では、ドライバーの要求駆動力を出力するために最低限必要な必要昇圧電圧に対して、電圧マージンを加算して目標昇圧電圧を設定する。そして、昇圧コンバータ600の実昇圧電圧を目標昇圧電圧に制御することで、レーンチェンジを行って追い越し加速をした際に加速性能を最大限に発揮することが可能となる。
図7は、図6のステップS30で使用する電圧マージンを算出する処理を示すフローチャートである。本実施形態では、運転モードに応じて電圧マージンが異なるように制御する。ここでは、運転モードとして、スポーツモードとエコモードを例示する。スポーツモードは、加速性能を重視したモードであり、ドライバーがアクセルペダル300を踏み込んだ際の要求駆動力の変化率に制約が少ないモードである。一方、エコモードは燃費性能を重視したモードであり、ドライバーがアクセルペダル300を踏み込んだ際の要求駆動力の変化率を所定値以下にすることで、加速性能を抑え、燃費性能を向上するようにしたモードである。
先ず、ステップS50では、スポーツモードに設定されているか否かを判定する。スポーツモードに設定されている場合は、ステップS52へ進む。ステップS52では、スポーツモードの電圧マージンマップを参照し、電圧マージンを設定する。
一方、ステップS50でスポーツモードに設定されていないことが判定された場合は、ステップS54へ進む。ステップS54では、エコモードであるか否かを判定し、エコモードの場合はステップS56へ進む。ステップS56では、エコモードの電圧マージンマップを参照し、電圧マージンを設定する。ステップS52,S56の後は処理を終了する。なお、ステップS54でエコモードでないと判定された場合は、ステップS50へ戻る。
図8は、電圧マージンマップの概要を示す模式図である。図8に示すように、電圧マージンVmは、車速Vspdが大きいほど小さい値に設定される。また、電圧マージンVmは、要求駆動力Fの絶対値が大きいほど小さい値に設定される。図8に示す電圧マージンマップは、スポーツモード、エコモードなどの運転モード毎に設定されている。なお、図8のマップにおいて、要求駆動力が負の値の場合は回生時のマップに対応する。
図9及び図10は、図8の電圧マージンマップをより詳細に示す模式図である。図9及び図10では、図8の電圧マージンマップを、車速Vspdに応じたマップと要求駆動力Fに応じたマップとに分割している。また、図9及び図10では、スポーツモード、エコモードに応じたマップを示している。
図9は、車速Vspdに応じた電圧マージンVmのマップを示す模式図である。車速Vspdが低いほど、加速後の速度と加速前の速度との差分が大きくなることが見込まれるため、加速時の速度の増加量が大きくなることが想定される。従って、図9に示すように、車速Vspdが低いほど、最大加速を見込んで、電圧マージンは大きくなるように設定される。また、エコモードの場合は、エネルギー消費を抑えるため、加速性能に制限が設けられるが、スポーツモードでは加速性能の制限は最小限に抑えられる。このため、図9に示すように、スポーツモードの場合はエコモードに比べて電圧マージンVmがより大きく設定される。このように、レーンチェンジによって追い越し加速が発生することが予測される場合、要求駆動力の最大変化レートを考慮した電圧が設定される。
図10は、要求駆動力Fに応じた電圧マージンVmのマップを示す模式図である。加速前の要求駆動力Fが小さいほど、加速前の要求駆動力Fと加速後の要求駆動力Fとの差分が大きくなることが見込まれるため、加速の際の要求駆動力の変化量は大きくなることが想定される。従って、図10に示すように、より大きな要求駆動力の変化に備えるため、加速前の要求駆動力Fが小さいほど、電圧マージンは大きくなるように設定される。また、エコモードの場合は、エネルギー消費を抑えるため、加速の際の要求駆動力Fの変化率に制限が設けられるが、スポーツモードでは加速の際の要求駆動力の変化率の制限は最小限に抑えられる。このため、図10に示すように、スポーツモードの場合はエコモードに比べて電圧マージンVmがより大きく設定される。
以上のようにして、上述した図7のステップS52,S56では、図8(図9及び図10)の電圧マージンマップを参照して、電圧マージンVmを設定する。
次に、図11〜図13に基づいて、本実施形態に係るレーンチェンジ時の昇圧制御について時系列的に説明する。なお、「目標駆動力」は、ドライバーによる要求駆動力に対応する値であり、要求駆動力はドライバーのアクセル操作によって要求される駆動力を示し、アクセルペダル300の操作量によって定められる。「目標駆動力」は、クルーズコントロール制御が行われる場合は、クルーズコントロール制御により指定される値であっても良い。「実駆動力」とは駆動モータ800が実際に発生している駆動力を示す。「実駆動力」は、必要昇圧電圧が確保されていれば、応答遅れを生じることなく出力される。
先ず、図11は、本実施形態に係るレーンチェンジの際の昇圧制御を行わない場合の制御を比較のために示す模式図である。図11において、上段の特性は駆動力(要求駆動力、実駆動力)の変化を、下段の特性は昇圧電圧(目標昇圧電圧、必要昇圧電圧、実昇圧電圧)の変化を、それぞれ示している。なお、図11では、電圧マージンを設けていないため、目標昇圧電圧と必要昇圧電圧は一致している。
図11に示すように、時刻t0でドライバーがアクセルペダルを踏み込み、レーンチェンジを行うための加速が開始され、要求駆動力(破線)が大きくなる。必要昇圧電圧(破線)は要求駆動力に応じた値であるため、時刻t0以降の要求駆動力の増加に応じて必要昇圧電圧も増加する。しかし、時刻t0以降に必要昇圧電圧が昇圧しても、実昇圧電圧(実線)は必要昇圧電圧に対して遅れて上昇する。このため、実昇圧電圧が必要昇圧電圧よりも小さくなり、実昇圧電圧に対応する実駆動力(実線)は、要求駆動力よりも小さくなる。従って、要求駆動力に応じた実駆動力を出力することができなくなる。時刻t1以降では、実昇圧電圧が必要昇圧伝電圧に到達し、要求駆動力に対応した実駆動力を出力することが可能になるが、時刻t0〜t1の間は要求駆動力に対して実駆動力が低下するため、ドライバーが要求する要求駆動力を発揮することができず、加速にもたつきが生じてしまう。
図12は、本実施形態に係るレーンチェンジの際の昇圧制御を行った場合の制御を示す模式図である。図12は、エコモードなど、要求駆動力の変化率に制限がある場合を示している。図12において、上段の特性は、追越開始要求フラグの状態、追越完了フラグの状態を示している。また、中段の特性は、駆動力(要求駆動力、実駆動力)の変化を、下段の特性は昇圧電圧(目標昇圧電圧、必要昇圧電圧、実昇圧電圧)の変化を、それぞれ示している。上述したように、目標昇圧電圧は、必要昇圧電圧に電圧マージンを加算して得られる値である。
先ず、時刻t10で追い越し開始要求フラグが「なし」から「あり」へ遷移すると、レーンチェンジによる追い越し開始を検出したため、電圧マージンが算出され(図5のステップS16)、昇圧コンバータ600が制御される(図5のステップS20)。これにより、目標昇圧電圧(一点鎖線)に電圧マージンが加算され、目標昇圧電圧がV0からV1に上昇する。時刻t10で目標昇圧電圧がV1に上昇すると、実昇圧電圧(実線)がV0から上昇を始める。ここでV1−V0が電圧マージンとなる。電圧マージンは、図8(図9及び図10)のマップから算出される。図12は要求駆動力の変化率に制限がある場合であるため、エコモードのマップから電圧マージンが算出される。
時刻t11では、実昇圧電圧がV1に到達し、目標昇圧電圧と一致する。次に、時刻t12でドライバーがアクセルペダルを踏み込むと、要求駆動力(破線)が上昇する。この際、要求駆動力の変化率に制限がかけられているため、要求駆動力は時刻t12以降、図12の中段の特性に示す傾きで時間の経過とともに上昇する。
そして、要求駆動力の上昇に伴い、必要昇圧電圧(破線)が上昇する。このとき、時刻t12では、昇圧コンバータ600の実昇圧電圧がV1まで昇圧されており、実昇圧電圧が必要昇圧電圧を上回っているため(実昇圧電圧≧必要昇圧電圧)、要求駆動力に対して遅れを生じさせることなく実駆動力(実線)を出力することができる。従って、図12の中段の特性に示すように、要求駆動力に対して遅れを生じることなく実駆動力が出力され、加速のもたつきが生じることはない。
また、時刻t12で要求駆動力が上昇を始めると、要求駆動力の上昇に伴って目標昇圧電圧が上昇し、目標昇圧電圧は時刻t13で最大昇圧電圧V3(例えば、650[V])に到達する。時刻t12以降に目標昇圧電圧が上昇すると、時刻t12でV1であった実昇圧電圧も上昇を始め、時刻t14で最大昇圧電圧V3に到達する。このように、時刻t12以降の要求駆動力の上昇に伴って必要昇圧電圧も上昇するが、実昇圧電圧が先行して上昇しているため、常に実昇圧電圧は必要昇圧電圧よりも大きくなる。従って、時刻t12以降に要求駆動力が増加しても、要求駆動力に対して遅れを生じさせることなく、要求駆動力に応じた実駆動力を出力することができる。
時刻t14で要求駆動力がF1に到達し、時刻t14以降に要求駆動力がF1に維持されると、必要昇圧電圧も要求駆動力に応じた値であるV4に維持される。
また、追越完了フラグは時刻t15で「完了」から「未完了」へ遷移し、追越開始要求フラグは時刻t16で「あり」から「なし」へ遷移する。そして、追越完了フラグは、時刻t17で「未完了」から「完了」へ遷移する。
時刻t17で追越完了フラグが「未完了」から「完了」へ遷移すると、追い越し完了を検知したため、電圧マージンが“0”に設定される(図5のステップS18)。従って、目標昇圧電圧=必要昇圧電圧となり、目標昇圧電圧は、要求駆動力に応じた値であるV4まで低下する。これにより、実昇圧電圧もV4まで低下する。その後、時刻t18で要求駆動力が低下すると、目標昇圧電圧(必要昇圧電圧)も要求駆動力の低下に応じて低下する。これにより、実昇圧電圧が低下し、昇圧コンバータ600における損失の発生を最小限に抑えることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係るレーンチェンジ昇圧制御を行うことで、レーンチェンジにより要求駆動力が増加する前の時刻t10の時点で目標昇圧電圧を必要昇圧電圧に対して電圧マージン分だけ高めることができる。そして、要求駆動力が増加する前に実昇圧電圧を目標昇圧電圧まで高めることが可能となるため、要求駆動力に応じた実駆動力を出力することが可能となる。従って、レーンチェンジ時に加速のもたつきが生じることを確実に抑止することが可能となる。
また、要求駆動力が増加している最中に、要求駆動力に応じて目標昇圧電圧を高めることで、要求駆動力の増加に応じて増加する必要昇圧電圧に対して、目標昇圧電圧の電圧マージンを確保することができる。これにより、要求駆動力が増加している最中においても、要求駆動力に応じた実駆動力を遅滞なく出力することが可能となる。
図11には、図12との比較のため、図12で実駆動力がF1に到達する時刻t14を図11中に示している。図11に示すように、レーンチェンジ昇圧制御が無い場合に実駆動力がF1に到達する時刻t1は、時刻t14よりも時間Tだけ遅れている。従って、図12に示すレーンチェンジ昇圧制御によれば、レーンチェンジ時の駆動力の立ち上がりを大幅に改善することが可能となる。
次に、図13は、要求駆動力の変化率を制限しない場合(変化率=∞)の制御を示す模式図である。要求駆動力の変化率を制限しない場合は、加速性能を重視するスポーツモードに相当する。図12と同様、図13の上段の特性は、追越開始要求フラグの状態、追越完了フラグの状態を示している。また、中段の特性は、駆動力(要求駆動力、実駆動力)の変化を、下段の特性は昇圧電圧(目標昇圧電圧、必要昇圧電圧、実昇圧電圧)の変化を、それぞれ示している。
先ず、時刻t20で追い越し開始要求フラグが「なし」から「あり」へ遷移すると、レーンチェンジによる追い越し開始が検出されるため、電圧マージンが算出され(図5のステップS16)、昇圧コンバータ600が制御される(図5のステップS20)。これにより、目標昇圧電圧(一点鎖線)に電圧マージンが加算され、目標昇圧電圧がV0から最大昇圧電圧V3まで上昇する。時刻t20で目標昇圧電圧が最大昇圧電圧V3に上昇すると、実昇圧電圧(実線)がV0から上昇を始める。ここでV3−V0が電圧マージンとなる。電圧マージンは、図8(図9及び図10)のマップから算出される。図13は要求駆動力の変化率に制限がない場合であるため、スポーツモードのマップから電圧マージンが算出される。
時刻t21では、実昇圧電圧が最大昇圧電圧V3に到達し、目標昇圧電圧と一致する。次に、時刻t21でドライバーがアクセルペダルを踏み込むと、要求駆動力(破線)が上昇する。この際、要求駆動力の変化率が制限されないため、時刻t21の時点で要求駆動力はステップ的にF3まで上昇する。
そして、要求駆動力の上昇に伴い、必要昇圧電圧(破線)が上昇する。必要昇圧電圧は、要求駆動力のステップ的な上昇に応じて、時刻t21の時点でV0からV4までステップ的に上昇する。このとき、時刻t21では、昇圧コンバータ600の実昇圧電圧が最大昇圧電圧V3まで昇圧されており、実昇圧電圧が必要昇圧電圧を上回っているため(実昇圧電圧≧必要昇圧電圧)、時刻t21で要求駆動力が瞬時にF3まで上昇しても、要求駆動力に対して遅れを生じさせることなく実駆動力(実線)を出力することができる。従って、図13の中段の特性に示すように、要求駆動力に対して遅れを生じることなく実駆動力が出力され、加速のもたつきが生じることはない。
時刻t21で要求駆動力がF3に到達し、時刻t21以降に要求駆動力がF3に維持されると、必要昇圧電圧も要求駆動力に応じた値であるV4に維持される。その後の処理は図12と同様である。
本実施形態において、電圧マージンは要求駆動力の変化率に応じて設定される。スポーツモードに設定されている場合は、加速性能が重視されるため、エコモードよりも要求駆動力の変化率が大きくなる。このため、スポーツモードの場合は、加速性能を発揮させるため、エコモードよりも電圧マージンが大きく設定される。これにより、図13に示したように、スポーツモードに設定されている場合は、電圧マージン(=V3−V0)を最大に確保し、目標昇圧電圧を最大昇圧電圧V3まで高めておくことで、要求駆動力が急峻に立ち上がる場合にであっても、要求駆動力に対して遅れを生じさせることなく実駆動力を出力することができる。従って、加速性能が重視されるスポーツモードにおいて、加速性能が低下してしまうことがなく、所望の加速を実現することが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、追い越し加速が行われることが予測される場合は、車速又は要求駆動力に応じて設定された電圧マージンの分だけ昇圧コンバータ600が昇圧される。従って、追い越し加速が行われる際に、加速のもたつきが発生することを確実に抑止することが可能となる。また、車速又は要求駆動力に応じて設定された電圧マージンの分だけ昇圧を行うことで、必要な電圧マージン分だけ昇圧を行うことができる。これにより、昇圧を最適に制御することが可能となり、昇圧による損失の発生を最小限に抑えることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述の実施形態では、車両外監視部としてステレオ画像認識部100や制御装置(画像処理−ECU)200の構成を説明したがそれらに限定されない。ステレオカメラではなく単眼カメラを用いて走行レーンを逸脱したか否かを判定してもよい。また、画像情報ではなくレーダー等を用いて先行車との車間距離等の情報を取得しても良い。また、カメラとレーダーを組み合わせる構成で先行車との車間距離等の情報を取得しても良い。