JP3747611B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車両との車間距離を保ちつつ先行車両に追従する速度制御するようにした車両用走行制御装置に関し、特に低摩擦係数路の走行状態に応じて追従走行制御を継続するか否かを正確に判断するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用走行制御装置としては、例えば特開平6−8747号公報に記載されたものがある。
【0003】
この従来例には、目標車速を設定する共に、前車と自車との実際の車間距離を検出し、さらに、車速から目標車間距離を算出することにより、算出した目標車間距離が実際の車間距離より大きいときには前車に近づきすぎていると判断して減速制御し、目標車間距離が実際の車間距離より小さいときには安全な状態にあるものと判断して目標車速に到達させるために目標車速と実際の車速との差に応じた加速度の加速制御を行い、さらに、ウィンカースイッチの出力信号からウィンカーが右に方向指示され且つ操舵角が所定値以上であるときに追い越しのための車線変更であると認識し、その時の車速に基づいて目標車間距離を算出し、この目標車間距離がレーダ装置で検出した実際の車間距離より大きいときには、前車に近づき過ぎているものと判断して減速制御を行い、目標車間距離が実際の車間距離より小さいときには安全な距離であると判断して目標車速を増加補正して加速制御を行うようにした車両の速度制御装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両の速度制御装置にあっては、目標車間距離が車間距離より大きくなると自動的に制動動作が行われて、減速制御が行われるものであるが、この減速制御が行われたときに、車両が雪路、凍結路、降雨路等の低摩擦係数路面を走行している場合には、車輪がロック傾向に向かうことから操縦安定性を確保するためには、低摩擦係数路面走行時には追従走行制御を中止することが好ましい。
【0005】
ところが、最近の車両には、アンチロックブレーキ装置が搭載されているので、低摩擦係数路面での車輪ロックを未然に防止して、操縦安定性が向上するものであるが、低摩擦係数路面を走行している状態で追従走行制御を継続すると、運転者の意思とは無関係にアンチロックブレーキ装置が作動されることから運転者に違和感を与えるという未解決の課題がある。
【0006】
そこで、特開平9−142203号公報に記載されているように、アンチロックブレーキ装置が作動状態であることを運転者に警告することが考えられるが、システム全体を考慮した場合、低摩擦係数路面では追従走行制御を中止する必要がある。
【0007】
ところが、低摩擦係数路面の走行状態であるか否かをアンチロックブレーキ装置が作動しているか否かによって判断する場合には、例えば橋の継ぎ目や、マンホールの蓋等は金属材料で構成されており、コンクリート舗装路やアスファルト舗装路に比較して摩擦係数が低く、これら橋の継ぎ目やマンホールの蓋等の一過性の低摩擦係数路面を走行したときに、車間距離を短くしようとする制動動作が行われると、アンチロックブレーキ装置が作動状態となることがあり、一瞬の内に高摩擦係数路面に復帰するにもかかわらず低摩擦係数路面と判断して追従走行制御を中止してしまい、不用意な中止が多くなって、商品価値が低下するという未解決の課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、一過性の低摩擦係数路面では追従走行制御を中止することなく、低摩擦係数路面が継続して初めて追従走行制御を中止することにより、不用意な中止を抑制して商品価値を向上させることができる車両用走行制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る車両用走行制御装置は、先行車両との車間距離を所定値に保ちつつ先行車両に追従する速度制御を行うようにした車両用走行制御装置において、先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、車両に制動力を作用させる制動制御手段と、車両を加速させる加速制御手段と、前記車間距離検出手段で検出した車間距離を維持するように前記制動制御手段及び加速制御手段を制御して追従走行制御を行う走行制御手段と、該走行制御手段によって前記制動制御手段が作動されたときに、その制動動作を監視して低摩擦係数路面の走行状態が一過性であるか否かを判定する低摩擦係数路面走行判定手段と、該低摩擦係数路面走行判定手段の判定結果が、一過性低摩擦係数路面であるときに前記走行制御手段による追従走行制御を継続させ、低摩擦係数路面が継続するときに前記走行制御手段による追従走行制御を中止させる制御中止手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
この請求項1に係る発明においては、低摩擦係数路面走行判定手段で低摩擦係数路面を走行したときに、これがマンホールや橋の継ぎ目のように一過性の低摩擦係数路面であるか否かを判定することができ、一過性の低摩擦係数路面であると判断したときには追従走行制御を継続し、低摩擦係数路面が継続する場合に初めて追従走行制御を中止する。
【0011】
また、請求項2に係る車両用走行制御装置は、請求項1に係る発明において、前記低摩擦係数路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、同時に3輪以上の車輪でアンチロックブレーキ制御手段が作動したときに低摩擦係数路面が継続する状態であると判断するように構成されていることを特徴としている。
【0012】
この請求項2に係る発明においては、一過性の低摩擦係数路面ではせいぜい前2輪か後2輪が作動状態となることが限度であることから、同時に3輪以上の車輪でアンチロックブレーキ制御手段が作動したときには、低摩擦係数路面が継続する状態であると判定する。
【0013】
さらに、請求項3に係る車両用走行制御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記低摩擦係数路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、1輪のみが作動状態であるときには一過性の低摩擦係数路面であると判断するように構成されていることを特徴としている。
【0014】
この請求項3に係る発明においては、1輪のみでアンチロックブレーキ制御手段が作動状態となったときには、マンホールの蓋等を通過した一過性の低摩擦係数路面であると判断する。
【0015】
さらにまた、請求項4に係る車両用走行制御装置は、請求項1乃至3の何れかに係る発明において、前記低摩擦路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、前2輪のみが作動した後、後輪の通過予想時間に後輪側が作動状態となったときに一過性の低摩擦係数路面であるとき判断するように構成されていることを特徴としている。
【0016】
この請求項4に係る発明においては、橋の継ぎ目のように道幅方向に延長している場合には、前輪が通過するときと、後輪が通過するときにアンチロックブレーキ制御手段が作動することになるため、この両方を検出することにより、一過性の低摩擦係数路面であると判断することができる。
【0017】
なおさらに、請求項5に係る車両用走行制御装置は、請求項1乃至4の何れかに係る発明において、前記低摩擦路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、後2輪のみが作動した後、その作動中に前2輪が非作動状態を継続するときに一過性の低摩擦係数路面であるとき判断するように構成されていることを特徴としている。
【0018】
この請求項5に係る発明においても、例えば前輪駆動車である場合には、前輪には駆動力が伝達されているので、非駆動輪となる後輪に対してロックしにくいので、橋の継ぎ目のように道幅方向延長している場合には、後輪側のみでアンチロックブレーキ制御手段が作動することが考えられ、この場合にも一過性の低摩擦係数路面であると判断する。
【0019】
また、請求項6に係る車両用走行制御装置は、請求項1乃至5の何れかに係る発明において、前記低摩擦路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、前後2輪のみが作動したときに、低摩擦係数路面が継続する状態であると判断するように構成されていることを特徴としている。
【0020】
この請求項6に係る発明においては、前後2輪が作動したときには、左右の一方の側だ低摩擦係数路面で他方が高摩擦係数路面である所謂スプリット摩擦係数路面であると判断する。
【0021】
さらに、請求項7に係る車両用走行制御装置は、請求項1に係る発明において、前記低摩擦路面走行判定手段は、各車輪のスリップ率を監視し、当該スリップ率が所定値以上となった車輪数に応じて一過性の低摩擦係数路面であるか否かを判断するように構成されていることを特徴としている。
【0022】
この請求項7に係る発明においても、各車輪のスリップ率を監視することにより、車輪のロック傾向を検出することができ、前述アンチロックブレーキ制御装置の作動状態を監視する場合と同様の作用を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、低摩擦係数路面走行判定手段で低摩擦係数路面を走行したときに、これがマンホールや橋の継ぎ目のように一過性の低摩擦係数路面であるか否かを判定することができ、一過性の低摩擦係数路面であると判断したときには追従走行制御を継続し、低摩擦係数路面が継続する場合に初めて追従走行制御を中止するので、不必要に追従走行制御が中止されることを抑制することができ、運転者に与える違和感を減少させて、商品価値を向上させることができるという効果が得られる。
【0024】
また、請求項2に係る発明によれば、一過性の低摩擦係数路面ではせいぜい前2輪か後2輪が作動状態となることが限度であることから、同時に3輪以上の車輪でアンチロックブレーキ制御手段が作動したときには、低摩擦係数路面が継続する状態であると判定することができ、低摩擦係数路面が継続していることを確実に検出することができるという効果が得られる。
【0025】
さらに、請求項3に係る発明によれば、1輪のみでアンチロックブレーキ制御手段が作動状態となったときには、マンホールの蓋等を通過した一過性の低摩擦係数路面であると判断するので、一過性の低摩擦係数路面であることをかくじつに検出することができるという効果が得られる。
【0026】
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、前2輪のみが作動した後、後輪の通過予想時間に後輪側が作動状態となったときに一過性の低摩擦係数路面であるとき判断するように構成されているので、橋の継ぎ目のように道幅方向に延長している一過性の低摩擦係数路面を確実に検出することができるという効果が得られる。
【0027】
なおさらに、請求項5に係る発明によれば、後2輪のみが作動した後、その作動中に前2輪が非作動状態を継続するときに一過性の低摩擦係数路面であるとき判断するように構成されているので、前輪が駆動輪である場合に、後輪のみが道幅方向に延長する橋の継ぎ目等を通過した際にアンチロックブレーキ制御手段が作動するので、これを確実に検出することができるという効果が得られる。
【0028】
また、請求項6に係る発明によれば、前後2輪のみが作動したときに、低摩擦係数路面が継続する状態であると判断するように構成されているので、左右輪で異なる摩擦係数となるスプリット摩擦係数路面を走行する際に低摩擦係数路面が継続しているものと確実に検出することができるという効果が得られる。
【0029】
さらに、請求項7に係る発明によれば、低摩擦路面走行判定手段は、各車輪のスリップ率を監視し、当該スリップ率が所定値以上となった車輪数に応じて一過性の低摩擦係数路面であるか否かを判断するように構成されているので、アンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視する場合と同様の効果を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を前輪駆動車に適用した場合の一実施形態を示す概略構成図であり、図中、1FL,1FRは駆動輪としての前輪、1RL,1RRは従動輪としての後輪であって、前輪1FL,1FRは、エンジン2の駆動力がトランスアクスル3及び車軸4を介して伝達されて回転駆動される。
【0031】
前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、夫々車輪速度を検出する車輪速センサ5FL,5FR及び5RL,5RRが取付けられていると共に、制動力を発生するディスクブレーキ装置7が設けられ、これらディスクブレーキ装置7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。
【0032】
ここで、制動制御装置8は、図示しないブレーキペダルの踏込みに応じて制動油圧を発生すると共に、走行制御用コントローラ20からの減圧指令値に応じて減圧することにより制動油圧を発生するように構成されている。また、両制動油圧が例えば従動輪としての後輪の車輪速度VwRL,VwRRの平均値として算出される車体速度VC (=(VwRL+VwRR)/2)、各車輪速センサ5FL〜5RRで検出される車輪速度VwFL〜VwRR、これら車輪速度の微分値でなる車輪加減速度に基づいて車輪ロックを抑制して所定の車輪スリップ率を維持しながら制動圧制御するアンチロックブレーキ制御装置8aによって制御されて、各車輪1FL〜1RRのディスクブレーキ装置7に供給される。
【0033】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9は、エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転数を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する方法とが考えられるが、本実施形態では、アイドルコントロールバルブの開度を調整する方法が採用されている。
【0034】
一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段としてのレーダ装置で構成される車間距離センサ12が設けられている。
【0035】
そして、車輪速センサ5FL,5FR及び車間距離センサ12の各出力信号と、アンチロックブレーキ制御装置8aでの各車輪に対するアンチロック制御状態を表すアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRが走行制御用コントローラ20に入力され、この走行制御用コントローラ20によって、車間距離センサ12で検出した車間距離L、車輪速度センサ5FL,5FRで検出した車輪速度VwFL,VwFRに基づいて、制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御することにより、先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら追従走行する追従走行制御を行うと共に、追従走行制御中に、アンチロックブレーキ制御状態を監視して、一過性の低摩擦係数路面であるか低摩擦係数が継続する路面であるかを判断して、低摩擦係数路面が継続する場合に追従走行制御を中止する。
【0036】
次に、上記実施形態の動作を走行制御用コントローラ20で実行する図2に示す追従走行制御処理を伴って説明する。
この追従走行制御処理は、例えば所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で、車輪速センサ5FL,5FRで検出した車輪速度VwFL, VwFRの平均値を求めることにより、自車速V(n) (=(VwFL+VwFR)/2)を算出する。
【0037】
次いで、ステップS2移行して、車間距離センサ12で検出した車間距離L(n) を読込み、次いでステップS3に移行して、車間距離L(n) と自車速V(n) とから下記(1)式に従って自車両が現在の先行車両の後方L0 [m]の位置に到達するまでの時間T0 (車間時間)が一定となるように目標車速V* (n) を算出する。
【0038】
* (n) =(L(n) −L0 )/T0 …………(1)
この車間時間という概念を取り入れることにより、車速が速くなるほど、車間距離が大きくなるように設定される。
【0039】
次いで、ステップS4に移行して、目標車速V* (n) と実車速V(n) との速度偏差ΔV(=V* (n) −V(n) )を算出し、次いで、ステップS5に移行して、目標車速V* (n) をもとに図4に示すエンジン出力値算出マップを参照して、目標車速V* (n) に対応するエンジン出力値fE を算出する。
【0040】
次いで、ステップS6に移行して、速度偏差ΔV(n) 及びエンジン出力値fE をもとに、下記(2)式の演算を行うことにより、エンジン出力制御装置9に対するエンジン出力指令値αを算出する。
【0041】
α=KpEΔV(n) +KiE∫ΔV(n) +KdEΔV′(n) +fE ……(2)
ここで、KpEは比例ゲイン、KiEは積分ゲイン、KdEは微分ゲイン、ΔV′は速度偏差ΔV(n) の微分値である。
【0042】
次いで、ステップS7に移行して、算出したエンジン出力指令値αが正であるか否かを判定し、α>0であるときには、ステップS8に移行して、制動液圧を“0”とする減圧指令値P(n) を制動制御装置8に出力すると共に、後述する制動制御フラグBFを“0”にリセットし、次いでステップ9に移行して、エンジン出力制御装置9に対してエンジン出力指令値αを出力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0043】
一方、ステップS7の判定結果が、α≦0であるときには、ステップS10に移行して、エンジン出力制御装置9に対してエンジン出力を“0”とするエンジン出力指令値αを出力してからステップS11に移行する。
【0044】
このステップS11では、速度偏差ΔV(n) をもとに下記(3)式の演算を行うことにより、目標制動液圧P(n) を算出する。
P(n) =−(KpBΔV(n) +KiB∫ΔV(n) +KdBΔV′(n) )…(3)
ここで、KpBは比例ゲイン、KiBは積分ゲイン、KdBは微分ゲイン、ΔV′は速度偏差ΔV(n) の微分値である。
【0045】
次いで、ステップS12に移行して、算出した目標制動液圧P(n) を制動制御装置9に出力し、次いでステップS13に移行して、制動制御フラグBFを制動動作中を表す“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了して、所定のメインプログラムに復帰する。
【0046】
一方、走行制御用コントローラ20は、アンチロックブレーキ制御装置8aの制御動作を監視する図3に示す路面判断処理を実行する。
この路面判断処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ずステップS21で、図2の追従走行制御処理において制動制御フラグBFが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには、ステップS22に移行して、後述する後輪監視用フラグRFを“0”にリセットしてからそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、“1”にセットされているときにはステップS23に移行する。
【0047】
このステップS23では、後輪監視用フラグRFが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには、ステップS24に移行して、アンチロックブレーキ制御装置8aから入力される各車輪1FL〜1RRに対するアンチロックブレーキ制御処理の実行状態を表すアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRを読込み、これらのうらの少なくとも1つが“1”にセットされているか否かを判定し、何れのアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRも“0”にリセットされているときには、高摩擦係数路面を走行しているものと判断してそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、少なくとも1つが“1”にセットされているときにはアンチロックブレーキ制御中であると判断してステップS25に移行する。
【0048】
このステップS25では、3つ以上のアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRがアンチロックブレーキ制御中を表す“1”にセットされているか否かを判定し、3つ以上のアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRが“1”にセットされているときには、雪路、凍結路、降雨路等の低摩擦係数路面を走行しているものと判断してステップS26に移行し、図2に示す追従走行制御を中止させてから処理を終了し、そうでないときにはステップS27に移行する。
【0049】
このステップS27では、アンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRのうち2つが“1”にセットされているか否かを判定し、そうでないときには、マンホールの蓋等の一過性の低摩擦係数路面を通過することにより、何れか1つのアンチロックブレーキ制御フラグが“1”にセットされているものと判断して、そのままタイマ割込処理を終了し、アンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRのうち2つが“1”にセットされているときには、ステップS28に移行する。
【0050】
このステップS28では、前輪側の2輪に対応するアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされているか否かを判定し、これら前輪側のアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされているときには、ステップS29に移行して、後輪のアンチロックブレーキ制御状態を監視するための後輪監視用フラグRFを“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0051】
一方、ステップS28の判定結果が、前輪側のアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが共に“0”にリセットされているときには、ステップS30に移行して、左側の前後輪に対するアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASRLが共に“1”にセットされているか否かを判定し、これらが共に“1”にセットされいるときには、左側輪に相当する路面が低摩擦係数路面で右側輪に相当する路面が高摩擦係数路面である所謂スプリット路面であると判断して、前記ステップS26に移行し、これらが共に“0”にリセットされているときには、ステップS31に移行して、右側の前後輪に対するアンチロックブレーキ制御フラグASFR及びASRRが共に“1”にセットされているか否かを判定し、これらが共に“1”にセットされいるときには、右側輪に相当する路面が低摩擦係数路面で左側輪に相当する路面が高摩擦係数路面である所謂スプリット路面であると判断して、前記ステップS26に移行し、これらが共に“0”にリセットされているときには、ステップS32に移行する。
【0052】
このステップS32では、後輪側の2輪に対応するアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが“1”にセットされているか否かを判定し、これら後輪側のアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが“1”にセットされているときには、比較的緩制動状態であって、従動輪となる後輪のみが橋の継ぎ目等の道幅方向に延長する一過性の低摩擦路面を通過したものと判断してそのままタイマ割込処理を終了して、所定のメインプログラムに復帰し、制御フラグASRL及びASRRが共に“0”にリセットされているときには、対角輪がアンチロックブレーキ制御中であり、斑なスプリット路面を走行しているものと判断して前記ステップS26に移行する。
【0053】
また、前記ステップS23の判定結果が後輪監視用フラグRFが“1”にセットされているときには、ステップS33に移行して、ホイールベース通過時間算出フラグWFが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには、ステップS34に移行して、図2の追従走行制御処理で算出された車速V(n) を読込み、次いでステップS35に移行して、下記(4)式の演算を行うことにより、ホイールベースLwを通過するまでのタイマ割込処理回数Nwを算出する。
【0054】
Nw=3600(Lw/V(n) )/T0 …………(4)
ここで、T0 は図3の路面判断処理におけるタイマ割込周期(msec)である。
【0055】
次いで、ステップS36に移行して、ホイールベース通過時間算出フラグWFを“1”にセットしてからステップS37に移行する。
このステップS37では、割込処理回数Nを“1”だけインクリメントし、次いでステップS38に移行して、割込処理回数Nがホイールベース通過割込処理回数Nw以上となったか否かを判定し、N<Nwであるときには、ホイールベース分を通過していないものと判断して、ステップS39に移行して、後輪側の2輪に対応するアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが共に“1”にセットされているか否かを判定し、これかが共に“0”にリセットされているときにはそのままタイマ割込処理を終了し、共に“1”にセットされているときには、低摩擦係数路面が斑に残っている滑り易い路面を走行しているものと判断してステップS40に移行して、前記ステップS26と同様に図2の追従走行制御処理を中止させてからタイマ割込処理を終了する。
【0056】
一方、ステップS38の判定結果が、N≧Nwであるときには、ホイールベース分の距離を走行したものと判断して、ステップS41に移行し、後輪監視用フラグRF及びホイールベース通過時間算出フラグWFを共に“0”にリセットすると共に、割込処理回数Nを“0”にクリアし、次いでステップS42に移行して、再度前輪側の2輪に対応するアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされているか否かを判定し、これらが“1”にセットされているときには、低摩擦係数路面が継続しているものと判断して前記ステップS40に移行し、“0”にリセットされているときには、ステップS43に移行する。
【0057】
このステップS43では、後輪側の2輪に対応するアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされているか否かを判定し、これらが“1”にセットされているときには、橋の継ぎ目等の道幅方向に延長する一過性の低摩擦係数路面を通過したものと判断して、そのままタイマ割込処理を終了し、“0”にリセットされているときには、前輪1FL及び1FRが共にマンホールの蓋でなる一過性の低摩擦係数路面を通過した後ホイールベースをに相当する距離を通過する前にステアリングホイールを操舵することにより、後輪1RL及び1RRがマンホールの蓋を避けて通過したものと判断して、そのままタイマ割込処理を終了する。
【0058】
ここで、図2の処理が走行制御手段に対応し、図3の処理が走行路面判定手段に対応し、このうちステップS26及びステップS40が制御中止手段に対応している。
【0059】
したがって、今、車両が直進走行しており、先行車両がいて、図2の追従走行処理が実行されているものとすると、先行車両に対して所定の車間距離を保つように自車の速度制御が自動的に行われて、先行車両に追従走行する。
【0060】
この追従走行制御状態で、先行車両との車間距離L(n) が開き過ぎるときには、図2の処理におけるステップS6で算出される沿岸出力指令値αが正の値となるので、ステップS8で目標制動液圧P(n) が“0”に設定されると共に、制動制御フラグBFが“0”にリセットされ、次いでステップS9でエンジン出力指令値αがエンジン出力制御装置9に出力されることにより、加速制御が行われて、車間距離を一定に保つ。
【0061】
この加速制御状態では、図3の走行路面判断処理が実行されたときに、ステップS21で制動制御フラグBFが“0”にリセットされていることにより、ステップS22に移行して、後輪監視用フラグRF及びホイールベース通過距離算出フラグWFを共に“0”にリセットすると共に、割込処理回数Nを“0”にクリアしてからタイマ割込処理を終了することにより、図2の追従走行制御処理に対する制御中止指令が出力されることはなく、追従走行制御を継続する。
【0062】
この追従走行状態で、例えば車間距離L(n) が小さくなって先行車両に近づき過ぎる場合には、図2の処理におけるステップS6で算出されるエンジン出力指令値αが負となり、ステップS7からステップS10に移行して、エンジン出力制御装置9に対するエンジン出力指令値αを“0”とすると共に、ステップS11で制動制御装置8に対する目標制動液圧P(n) を算出し、これを制動制御装置8に出力することにより、制動制御装置8の圧力制御弁が制御されて、制動圧がアンチロックブレーキ制御装置8aに供給され、このとき制動制御フラグBFが“1”にセットされる。
【0063】
このとき、初期状態では、アンチロックブレーキ制御装置8aが非作動状態を維持するため、制動圧がそのままディスクブレーキ装置7に供給されるため、ディスクブレーキ装置7で大きな制動力を発生することにより、減速が開始される。
【0064】
ここで、追従走行制御時の制動圧はブレーキペダルを踏込んだ急制動時に比較して緩やかであるので、走行路面が乾燥した舗装路等の高摩擦係数路面であるときには、車輪スリップ率の低下が比較的小さく、アンチロックブレーキ制御装置8aは非作動状態を継続し、そのアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRは“0”にリセットされた状態を維持する。
【0065】
このため、図3の走行路面判断処理が実行されたときに、制動制御フラグBFが“1”にセットされているので、ステップS23に移行し、前述したようにステップS22で後輪監視用フラグRFが“0”にリセットされているので、ステップS24に移行し、アンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRが全て“0”にリセットされているので、追従走行制御を中止させることなくそのまま処理を終了する。
【0066】
ところが、車両が乾燥した舗装路等の高摩擦係数路面を走行している状態から雪路、凍結路等の低摩擦係数路面に徐々に移行する路面を走行する状態となり、且つ図2の追従走行制御処理で制動制御が行われる状態となったときに、アンチロックブレーキ制御装置8aで同時に3つ以上のアンチロックブレーキ制御フラグSFFL〜SFRRが“1”にセットされると、ステップS25からステップS26に移行して、図2の追従走行制御処理を中止させることにより、自動ブレーキの作動による操縦安定性の低下を抑制することができる。
【0067】
また、急に高摩擦係数路面から低摩擦係数路面に変更される場合には、先ず前輪1FL及び1FRが低摩擦係数路面を走行する状態となるので、制動制御装置8の圧力制御弁から出力された制動圧がディスクブレーキ装置7に供給されたときに、車輪速度が低下することにより、車輪スリップ率が設定値以下となると、アンチロックブレーキ制御装置8aが作動状態となって、前輪側に対するアンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされる。
【0068】
このため、図3の走行路面状態判断処理が実行されたときに、ステップS24、S25及びS27を経て、ステップS29に移行して、後輪監視用フラグRFが“1”にセットされるが、この状態では追従制御処理は中止されることはなく継続され、次に図3の処理が行われると、後輪監視用フラグRFが“1”にセットされていることにより、ステップS23からステップS33を経てステップS34〜ステップS36に移行して、ホイールベースLwに相当する距離を通過する際のタイマ割込処理回数Nwを算出し、次いでステップS37に移行して割込処理回数Nを“1”だけインクリメントするが、この処理回数Nがタイマ割込処理回数Nwに達しないので、ステップS39に移行して、後輪側のアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが“1”にセットされているか否かを判定し、これらが“0”にリセットされているので、そのままタイマ割込処理を終了する。
【0069】
そのご、ホイールベースLwに相当する距離を通過すると、割込処理回数Nがタイマ割込処理回数Nw以上となるので、ステップS38からステップS41を経てステップS42に移行し、前輪1FL及び1FRが低摩擦係数路面の走行を継続しているので、アンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされているので、低摩擦係数路面を継続走行しているものと判断してステップS40に移行して、図2の追従走行処理を中止させてからタイマ割込処理を終了する。
【0070】
さらに、車両が左輪側又は右輪側で低摩擦係数路面を反対側で高摩擦係数路面となるスプリット摩擦係数路面を走行している場合には、図3の処理において、ステップS30又はS31からステップS26に移行して、図2の追従走行処理を中止させる。
【0071】
ところで、車両が高摩擦係数路面を走行している状態で、1輪のみがマンホールの蓋等の一過性の低摩擦係数路面を通過する状態となり、このときに制動制御フラグBFが“1”にセットされており、アンチロックブレーキ制御装置8aでアンチロックブレーキ制御が作動状態となって、マンホールの蓋を通過した車輪に対応するアンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRのうち1つが“1”にセットされたときには、図3の処理において、ステップS21〜ステップS25を経てステップS27に移行するが、アンチロックブレーキ制御フラグASFL〜ASRRのうちの1輪のみが“1”にセットされているので、一過性の低摩擦係数路面通過であると判断して、図2の追従走行制御処理を終了することなく、タイマ割込処理を終了する。
【0072】
さらに、車両が高摩擦係数路面を走行している状態で、前輪1FL及び1FRが橋の継ぎ目等の道幅方向に延長する一過性の低摩擦係数路面を通過したときに、制動制御フラグが“1”にセットされて、アンチロックブレーキ制御装置8aが作動状態となり、アンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“1”にセットされるため、後輪監視用フラグRFが“1”にセットされ、以後ホイールベースLwに相当する距離を通過するまでの間、後輪のアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRを監視するが、後輪1RL及び1RRが一過性の低摩擦係数路面を通過するまでの間は、アンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが“0”にリセットされた状態を維持するので、図2の追従走行制御処理を中止することはなく、ホイールベースLwに相当する距離を通過して後輪1RL及び1RRが一過性の低摩擦係数路面を通過する際に、前輪と同様にアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが“1”にセットされると、一過性の低摩擦係数路面を通過したものと判断して、ステップS43から図2の追従走行制御処理を中止することなくそのままタイマ割込処理を終了する。
【0073】
どうように、橋の継ぎ目のように道幅方向に延長する一過性の低摩擦係数路面を通過する際に、駆動輪となる前輪1FL及び1FRではアンチロックブレーキ制御が作動されず、アンチロックブレーキ制御フラグASFL及びASFRが“0”にリセットされた状態を維持するが、後輪1RL及び1RRでは従動輪であるので、一過性の低摩擦係数路面を通過したときにアンチロックブレーキ制御が作動してアンチロックブレーキ制御フラグASRL及びASRRが“1”にセットされた場合には、図3の処理において、ステップS32から図2の追従走行制御処理を中止することなくそのままタイマ割込処理を終了する。
【0074】
このように、上記実施形態においては、マンホールの蓋等を車輪が通過することにより、1輪が一過性の低摩擦係数路面を走行したと判断されるとき、及び橋の継ぎ目等の道幅方向に延長する一過性の低摩擦係数路面を走行したと判断されるときには、追従走行制御処理を中止することなくそのまま継続することができるので、不用意に追従走行制御処理が中止されることを確実に防止することができ、信頼性を向上させて商品価値を向上させることができる。
【0075】
なお、上記実施形態においては、アンチロックブレーキ制御装置8aの作動状態に基づいて一過性の低摩擦係数路面の走行状態を判断する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各車輪1FL〜1RRの車輪スリップ率S(={(VC −Vwi )/VC }×100、iはFL〜RR、VC は車体速度)を監視し、これが予め設定した設定値以下となったことを検出し、その車輪数から上記実施形態と同様に、一過性の低摩擦係数路面を走行したか否かを判断するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、追従走行制御処理において、車間距離L(n) に基づいて自車両が先行車両のL0 (m)後方に到達するまでの時間(車間時間)T0 が一定になるように目標車速V* (n) を決定し、これに基づいてエンジン出力指令値αを算出するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車速に基づいて最適な目標車間距離を設定し、この目標車間距離と実際の車間距離との偏差に基づいて走行速度を制御するようにしてもよい。
【0077】
さらに、上記実施形態においては、追従走行制御処理において、エンジン出力指令値α及び目標制動液圧P(n) を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、実際の車間距離を目標車間距離に維持するために、目標車間距離が実際の車間距離より大きいときに目標車間距離と実際の車間距離との偏差に基づいて減速度を算出し、逆に小さいときに例えばオートクルーズの目標車速と実際の車速との偏差に基づいて加速度を算出し、これらに基づいて制動制御装置及びエンジン出力制御装置を制御するようにしてもよい。
【0078】
さらにまた、上記実施形態においては、前輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、後輪駆動車や四輪駆動車にも本発明を適用することができ、さらにはエンジン2に代え電動モータを適用した電気自動車や、エンジン2及び電動モータを併用するハイブリッド車両にも本発明を適用し得るものである。この場合にはエンジン出力制御装置に代えて電動モータ制御装置を適用すればよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】走行制御用コントローラの追従走行制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】走行制御用コントローラの低摩擦係数路面状態判断処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】目標車速とエンジン出力値との関係を示すエンジン出力値算出マップの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1FL,1FR 前輪
1RL,1RR 後輪
2 エンジン
3 トランスアクスル
5FL〜5RR 車輪速センサ
7 ディスクブレーキ装置
8 制動制御装置
8a アンチロックブレーキ制御装置
9 エンジン出力制御装置
12 車間距離センサ
20 走行制御用コントローラ

Claims (7)

  1. 先行車両との車間距離を所定値に保ちつつ先行車両に追従する速度制御を行うようにした車両用走行制御装置において、先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、車両に制動力を作用させる制動制御手段と、車両を加速させる加速制御手段と、前記車間距離検出手段で検出した車間距離を維持するように前記制動制御手段及び加速制御手段を制御して追従走行制御を行う走行制御手段と、該走行制御手段によって前記制動制御手段が作動されたときに、その制動動作を監視して低摩擦係数路面の走行状態が一過性であるか否かを判定する低摩擦係数路面走行判定手段と、該低摩擦係数路面走行判定手段の判定結果が、一過性低摩擦係数路面であるときに前記走行制御手段による追従走行制御を継続させ、低摩擦係数路面が継続するときに前記走行制御手段による追従走行制御を中止させる制御中止手段とを備えたことを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 前記低摩擦係数路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、同時に3輪以上の車輪でアンチロックブレーキ制御手段が作動したときに低摩擦係数路面が継続する状態であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
  3. 前記低摩擦係数路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、1輪のみが作動状態であるときには一過性の低摩擦係数路面であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  4. 前記低摩擦路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、前2輪のみが作動した後、後輪の通過予想時間に後輪側が作動状態となったときに一過性の低摩擦係数路面であるとき判断するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両用走行制御装置。
  5. 前記低摩擦路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、後2輪のみが作動した後、その作動中に前2輪が非作動状態を継続するときに一過性の低摩擦係数路面であるとき判断するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車両用走行制御装置。
  6. 前記低摩擦路面走行判定手段は、制動制御手段を構成する各車輪の制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段の作動状態を監視し、前後2輪のみが作動したときに、低摩擦係数路面が継続する状態であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車両用走行制御装置。
  7. 前記低摩擦路面走行判定手段は、各車輪のスリップ率を監視し、当該スリップ率が所定値以上となった車輪数に応じて一過性の低摩擦係数路面であるか否かを判断するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
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