JP5973244B2 - 無端金属リングの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用無段変速機の動力伝達に用いられる無端金属リングの製造方法及びその製造方法により製造した無端金属リングに関する。
例えば、車両に搭載される無段変速機には、ドライブ軸プーリC1とドリブン軸プーリC2との間で、複数個のエレメント8が係合された無端金属リング9が周回動作するベルト式の無段変速機10が用いられている(図12、図13参照)。上記無段変速機10の無端金属リング9は、高強度合金鋼であるマルエージング鋼板を用い、その端部同士を突き合わせ溶接して形成した筒状体を、所定幅のリング体に切断し、該リング体を圧延後に周長調整してから、時効処理、窒化処理して製造されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の技術は、無端金属リングの疲労強度と耐摩耗性を向上させるため、周長調整後、窒化処理に先立って時効処理を行い、Al、Ti等の時効強化元素をNi(Al、Ti)のような金属間化合物として析出させて固定することにより、後続の窒化処理において窒素が金属組織内部に十分に拡散でき、優れた表面硬さを得ることを特徴とする。
特開2002−60848号公報
しかしながら、特許文献1の技術には、無端金属リングの耐摩耗性に大きく影響する溶接部のくびれ量について、十分考慮されていなかった。
すなわち、無端金属リング9の素材となるマルエージング鋼板は、時効強化元素としてモリブデンを所定量(一般に5.0質量%程度;特許文献1の実施形態では、4.7〜5.2質量%)含有している。ところが、モリブデンは、他の合金元素に比べて融点が著しく高いので、筒状体の溶接部には、モリブデンが優先的に凝固して偏析されている。一方、モリブデンはオーステナイト安定化元素でもあるため、モリブデンが偏析する溶接部では、オーステナイト組織が母材部に比べて増加する。
そのため、無端金属リングの高強度化を促進するためにモリブデンの含有量を増加すると、オーステナイト組織が増加した溶接部の硬度が低下してしまう。例えば、図14に示すように、マルエージング鋼板におけるモリブデンの含有量が5.0質量%のときには、溶接部と母材部との内部硬度にあまり差異がみられなかったが、モリブデンの含有量を6.5質量%に増加すると、溶接部の内部硬度は母材部の内部硬度よりもビッカース硬度で約10〜15%程度、低下してしまうことが判明した。
その結果、図15に示すように、周長調整工程後の無端金属リングにおける幅方向端面の形状を母材部を含む溶接部近傍にて測定すると、モリブデンの含有量を5.0質量%から6.5質量%に増加した場合、周長調整工程において硬度の低い溶接部が局部的に伸びて、溶接部のくびれ量がA1からA2へ増大することを発見した。ここで、溶接部のくびれ量とは、周長調整工程後の無端金属リングにおける母材部の幅方向端面から溶接部の幅方向端面までの幅方向の凹み量をいい、図17に示すA寸法が相当する。
そして、図13に示すように、無端金属リング9は、無段変速機の変速部を通過するとき進行方向Qが僅かに変化するので、溶接部のくびれ量が約0.05mm以上の大きさになると、図16、図17に示すように、溶接部91のくびれ部92にエレメント8の首部81が入り込み、無端金属リング9とエレメント8との間で摩擦力が上昇する。摩擦力の上昇は、無端金属リング9の溶接部91における摩耗量の増加となり、耐摩耗性を著しく低下させることになる。本発明者らは、上記溶接部のくびれ量による耐摩耗性低下の問題を新たに発見したのである。
本発明は、上記新たな問題を解決するためになされたものであり、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を向上させる無端金属リングの製造方法及び無端金属リングを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る無端金属リングの製造方法及び無端金属リングは、次のような構成を有している。
(1)マルエージング鋼板を切断して筒状体を形成する形成工程と、前記筒状体の端部同士を溶接する溶接工程と、溶接した前記筒状体を焼鈍する焼鈍工程と、焼鈍した前記筒状体を所定幅のリング体に切断する切断工程と、切断した前記リング体を圧延する圧延工程と、圧延した前記リング体を溶体化処理する溶体化工程と、溶体化処理した前記リング体を所定周長に調整する周長調整工程と、周長調整した前記リング体を時効処理及び窒化処理する時効・窒化工程とを備える無端金属リングの製造方法であって、
前記マルエージング鋼板は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有すること、
前記焼鈍工程における焼鈍温度は、875〜900℃であることを特徴とする。
(2)(1)に記載された無端金属リングの製造方法において、
前記溶体化工程における溶体化温度は、820〜860℃であることを特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載された無端金属リングの製造方法において、
前記マルエージング鋼板は、コバルトを12.0〜17.0質量%含有することを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された無端金属リングの製造方法において、
前記マルエージング鋼板は、コバルトを12.0〜13.0質量%含有することを特徴とする。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された無端金属リングの製造方法により製造した車両用無段変速機に使用する無端金属リング。
次に、本発明に係る無端金属リングの製造方法及び無端金属リングの作用及び効果について説明する。
(1)マルエージング鋼板を切断して筒状体を形成する形成工程と、筒状体の端部同士を溶接する溶接工程と、溶接した筒状体を焼鈍する焼鈍工程と、焼鈍した筒状体を所定幅のリング体に切断する切断工程と、切断したリング体を圧延する圧延工程と、圧延したリング体を溶体化処理する溶体化工程と、溶体化処理したリング体を所定周長に調整する周長調整工程と、周長調整したリング体を時効処理及び窒化処理する強化工程とを備える無端金属リングの製造方法であって、マルエージング鋼板は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有すること、焼鈍工程における焼鈍温度は、875〜900℃であることを特徴とするので、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を向上させることができる。
すなわち、マルエージング鋼板は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有するので、時効処理によってNiMo、FeMo等の金属間化合物を析出させて無端金属リング全体の高強度化を図り、特に高サイクル域(10〜10回)における疲労寿命の向上に寄与できる。例えば、本発明者らの実験結果によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合には、モリブデンの含有量が5.0質量%の場合に比較して、上記高サイクル域における疲労寿命が7〜8倍程度向上した。
一方、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有することによって、溶接部にモリブデンが偏析しやすくなるが、焼鈍工程における焼鈍温度を875℃以上としたので、モリブデンの固溶化が促進されて組織の均一化が図られる。そのため、溶接部と母材部とでモリブデンを均一化して硬度差を減らすことによって、溶接部のくびれ量を低減させることができる。例えば、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、焼鈍温度を875℃とした場合には、焼鈍温度を840℃とした場合に比較して、溶接部のくびれ量を約25〜30%低減することができた。
ただし、焼鈍温度を900℃以上に上昇させると、結晶粒径が増大して、疲労強度を低下させるおそれがあり好ましくない。
よって、マルエージング鋼板におけるモリブデンの含有量を5.75〜6.05質量%とし、溶接後の焼鈍工程における焼鈍温度を875〜900℃とすることによって、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を向上させることができる。
(2)(1)に記載された無端金属リングの製造方法において、溶体化工程における溶体化温度は、820〜860℃であることを特徴とするので、溶接部と母材部とでモリブデンを均一化して硬度差を更に減らすことによって、溶接部のくびれ量を一層低減させることができる。例えば、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、溶体化温度を820℃とした場合には、溶体化温度を780℃とした場合に比較して、溶接部のくびれ量を約25%低減することができた。
ただし、溶体化温度を860℃以上に上昇させると、結晶粒径が増大して、疲労強度を低下させるおそれがある。
よって、溶体化工程における溶体化温度を820〜860℃とすることにより、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を更に向上させることができる。
(3)(1)又は(2)に記載された無端金属リングの製造方法において、マルエージング鋼板は、コバルトを12.0〜17.0質量%含有することを特徴とするので、モリブデンの固溶化と結晶粒微細化とを一層促進させることによって、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を更に一層向上させることができる。例えば、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、コバルトの含有量を9.0質量%とした場合に比較して、コバルトの含有量を12.0質量%とした場合には、溶接部のくびれ量を約20%低減することができ、結晶粒径を約10%低減することができた。さらに、同条件でコバルトの含有量を17.0質量%とした場合には、溶接部のくびれ量を約40%低減することができ、結晶粒径を約15%低減することができた。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された無端金属リングの製造方法において、マルエージング鋼板は、コバルトを12.0〜13.0質量%含有することを特徴とするので、コスト上昇を最小限に抑制しながら、モリブデンの固溶化と結晶粒微細化とを促進させることによって、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を向上させることができる。コバルトは、レアメタルで市場単価が高いので、必要最小限の含有量に抑えることで、実用的価値を高めることができる。なお、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、コバルトの含有量を9.0質量%とした場合に比較して、コバルトの含有量を13.0質量%とした場合には、溶接部のくびれ量を約24%低減することができ、結晶粒径を約11%低減することができた。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された無端金属リングの製造方法により製造した車両用無段変速機に使用する無端金属リングであるので、疲労強度と耐摩耗性(特に、溶接部の耐摩耗性)を同時に向上させることができる。そのため、無段変速機における変速比を拡大する場合にも、容易に対応可能となる。また、無端金属リングとエレメントとの摩擦損失を低減して、更なる燃費向上に貢献することもできる。また、高トルクを必要とする比較的大型の車両に採用していたショットピーニング工程を省略する等のコスト低減効果を奏することもできる。
なお、本発明で用いることができるマルエージング鋼は、前述のモリブデンとコバルト以外の元素は、以下の範囲とするのが好ましい。
1)ニッケル:17.0〜20.0質量%
ニッケルは、マルエージング鋼の基地組織である低Cマルテンサイト組織を安定して形成させる作用と、アルミニウムやチタンと金属間化合物を形成して強度向上に寄与する。そのため、ニッケルの含有量は、17.0〜20.0質量%の範囲が好ましい。
2)チタン:0.4〜0.5質量%
チタンは、ニッケルと結びついて内部硬さを得るために必要な金属間化合物のNiTiやNi(Al、Ti)を形成する一方で、窒化物形成元素であることから、窒化処理時には微細なTiNを形成して表面硬さを得ることができる元素である。そのため、チタンの含有量は、0.4〜0.5質量%の範囲が好ましい。
3)アルミニウム:0を超えて0.15質量%以下
アルミニウムは、ニッケルと結びついて内部硬さを得るために必要な金属間化合物のNiAlやNiAlを形成する一方で、窒化物形成元素であることから、窒化処理時には微細なAlNを形成して表面硬さを得ることができる元素である。一方、アルミニウムを過度に添加すると疲労強度を低下させる酸化物系の介在物が形成されることから、アルミニウムの添加は、0を超えて0.15質量%以下とするのが好ましい。
4)残部
上述したモリブデン、コバルト、ニッケル、チタン、アルミニウム以外の残部は、鉄及び不純物とすればよい。
本発明に係る実施形態である無端金属リングの製造工程である。 無端金属リングの疲労寿命とモリブデン含有量との相関図である。 無端金属リングの溶接部くびれ量と焼鈍温度との相関図である。 無端金属リングの結晶粒径と焼鈍温度との相関図である。 無端金属リングにおけるモリブデン含有量と焼鈍温度との相関図である。 無端金属リングの溶接部くびれ量と溶体化温度との相関図である。 無端金属リングの結晶粒径と溶体化温度との相関図である。 無端金属リングの溶接部くびれ量とコバルト含有量との相関図である。 無端金属リングの結晶粒径とコバルト含有量との相関図である。 無端金属リングの結晶構造おけるモリブデン置換の模式図である。 無端金属リングの結晶構造おけるピンニング効果の模式図である。 ベルト式無段変速機の側面図である。 図12に示すベルト式無段変速機の上面図である。 無端金属リングの溶接部と母材部の内部硬度を測定したグラフである。 無端金属リングの溶接部くびれ量を測定したグラフである。 無端金属リングの溶接部とエレメントとの干渉を表す正面模式図である。 無端金属リングの溶接部とエレメントとの干渉を表す上面模式図である。
次に、本発明に係る無端金属リングの製造方法及び無端金属リングの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明に係る実施形態である無端金属リングの製造工程を示す。図2に、無端金属リングの疲労寿命とモリブデン含有量との相関図を示す。
<無端金属リングの製造工程>
図1に示すように、無端金属ベルトの製造工程は、(a)形成工程、(b)溶接工程、(c)焼鈍工程、(d)切断工程、(e)圧延工程、(f)溶体化工程、(g)周長調整工程、(h)時効・窒化工程を備えている。
従来の製造工程との相違点は、(c)焼鈍工程及び(f)溶体化工程である。ここでは、本発明の特徴である(c)焼鈍工程及び(f)溶体化工程を中心に説明し、その他の工程は、必要な範囲に絞って説明する。
本実施形態における第1実施例では、マルエージング鋼板Zの合金成分含有量(質量%)は、ニッケル(Ni)が18%程度、コバルト(Co)が9%程度、モリブデン(Mo)が5.75〜6.05%程度、チタン(Ti)が0.45%程度、アルミニウム(Al)が0.1%程度で、残部は鉄(Fe)と不純物である。図2に示すように、モリブデン(Mo)の含有量を5.75〜6.05質量%程度とすることによって、モリブデンの含有量を5.0質量%程度とした場合に比較して、無端金属リングの疲労寿命を7〜8倍程度増加することができている。
はじめに、(a)形成工程について説明する。
図1に示すように、(a)形成工程は、帯状のマルエージング鋼板Zをコイルから巻き戻して、所定サイズのシート材ZSに切断してから、筒状体1に曲げ成形する工程である。筒状体1への曲げ成形は、ロール又は金型を用いて行う。
なお、マルエージング鋼板の厚さは、0.4〜0.5mm程度である。筒状体1は、シート材ZSの端部同士を突き合わせて円筒状に曲げ成形されている。筒状体1の直径は、約100〜200mm程度である。
次に、(b)溶接工程について説明する。
(b)溶接工程は、溶接装置2を筒状体1の突き合わせ部11に対峙させ、筒状体1又は溶接装置2のトーチを軸方向(矢印Fの方向)に移動させて、突き合わせ溶接する工程である。溶接装置2には、例えば、局部的に溶融させることができるレーザ溶接装置又はプラズマ溶接装置が適している。筒状体1の溶接部12は、筒状体1の全長に亘り、外周面から内周面まで貫通して形成する。溶接部12と母材部13との境界にひけが発生すると、強度低下の原因となるので、ひけが生じない溶接条件(スポット径、焦点距離、溶接速度等)を選定する。
次に、(c)焼鈍工程について説明する。図3に、無端金属リングの溶接部くびれ量と焼鈍温度との相関図を示す。図4に、無端金属リングの結晶粒径と焼鈍温度との相関図を示す。図5に、無端金属リングにおけるモリブデン含有量と焼鈍温度との相関図を示す。
(c)焼鈍工程は、筒状体1に対する溶接工程で部分的に変化した組織を均一化する工程である。焼鈍工程における焼鈍温度は、875〜900℃の範囲である。焼鈍温度での保持時間は、約30〜40分間程度である。
図3に示すように、焼鈍工程における焼鈍温度の上昇に伴い、モリブデンの含有量が5.75質量%、6.05質量%のそれぞれの場合において、溶接部のくびれ量が減少している。その理由は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有することによって、溶接部にモリブデンが偏析しやすくなるが、焼鈍工程における焼鈍温度を875℃以上としたので、モリブデンの固溶化が促進されて組織の均一化が図られたからである。そのため、溶接部と母材部とで、硬度差を減らすことができ、その結果、溶接部のくびれ量を低減させることができたと考えられる。例えば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、焼鈍温度を875℃とした場合には、焼鈍温度を840℃とした場合に比較して、溶接部のくびれ量を約25〜30%低減することができた。
なお、図3に示す溶接部のくびれ量は、分かりやすくするため、現実の測定値に所定の定数を乗算して指数に変換している(以下に説明する図6、図8も同様)。また、図3において、本実施形態との比較のために、モリブデンの含有量が、5.0質量%の場合における溶接部のくびれ量も表示している(以下に説明する図6、図8も同様)。
ただし、図4に示すように、焼鈍工程における焼鈍温度を過剰に上昇させると、結晶粒径が大幅に増大して、疲労強度を低下させるおそれがあり好ましくない。この点、焼鈍温度が900℃以下であれば、結晶粒径は6.0μm以下で略安定しているが、焼鈍温度が900℃以上になると、結晶粒径は6.0μmより大幅に増大して、疲労耐久試験における高サイクル域(10〜10回)で破断しやすくなる傾向にある。
したがって、図5に示すように、モリブデンの含有量を5.75〜6.05質量%程度とし、焼鈍工程における焼鈍温度を875〜900℃の範囲とすることによって、溶接部のくびれ精度と疲労寿命の目標強度とを同時に満たす本実施形態における無端金属リング成立範囲を求めることができる。
なお、図4の焼鈍温度と結晶粒径との相関図における変化点である、焼鈍温度が890〜900℃付近は、更に好ましい。モリブデンの固溶化が一層促進されて、組織の均一化が一層進むからである。
次に、(d)切断工程、及び(e)圧延工程について説明する。
(d)切断工程は、筒状体1を複数のリング体3に切断し、切断部をバレル研磨してバリ等を除去する工程である。また、(e)圧延工程は、所定幅に切断したリング体3を、圧延リング体4として必要な所定長、所定厚となるように圧延する工程である。圧延されることで、硬度も上昇する。
次に、(f)溶体化工程について説明する。図6に、無端金属リングの溶接部くびれ量と溶体化温度との相関図を示す。図7に、無端金属リングの結晶粒径と溶体化温度との相関図を示す。
(f)溶体化工程は、圧延リング体4の圧延組織を加熱して合金元素を固溶させ、圧延により変形された金属結晶粒形状を復元する工程である。溶体化工程における溶体化温度は、820〜860℃の範囲である。溶体化温度での保持時間は、約2〜3分間程度である。
図6に示すように、溶体化工程における溶体化温度の上昇に伴い、モリブデンの含有量が5.75質量%、6.05質量%のそれぞれの場合において、溶接部のくびれ量が減少している。その理由は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有することによって、溶接部にモリブデンが偏析しやすくなるが、溶体化工程における溶体化温度を820℃以上としたので、モリブデンの固溶化が促進されて組織の均一化が一層図られたからである。そのため、溶接部と母材部とで、硬度差を減らすことができ、その結果、溶接部のくびれ量を低減させることができたと考えられる。例えば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、溶体化温度を820℃とした場合には、溶体化温度を780℃とした場合に比較して、溶接部のくびれ量を約25%低減することができた。
ただし、図7に示すように、溶体化工程における溶体化温度を過剰に上昇させると、結晶粒径が大幅に増大して、疲労強度を低下させるおそれがあり好ましくない。
そのため、溶体工程における溶体化温度は、結晶粒径が6.0μm以下である820〜860℃の範囲が好ましい。結晶粒径が6.0μm以下であれば、疲労強度への影響が少ないからである。なお、溶体化温度は850〜860℃付近が、更に好ましい。結晶粒径を6.0μm以下に抑えつつ、溶接部のくびれ量を一層低減できるからである。
次に、(g)周長調整工程、及び(h)時効・窒化工程について説明する。
(g)周長調整工程は、圧延したリング体4を複数枚積層するよう伸長して無端金属リング9にする上で、必要な周長補正をする工程である。また、(h)時効・窒化工程は、周長補正後のリング体4を時効処理して析出強化するとともに、窒化処理して表面に均一な窒化層の形成を行う強化処理工程である。
次に、マルエージング鋼板Zにおけるコバルト含有率を増加した第2実施例について説明する。第2実施例におけるマルエージング鋼板Zの合金成分比率(質量%)は、ニッケル(Ni)が18%程度、コバルト(Co)が12.0〜13.0%程度、モリブデン(Mo)が5.75〜6.05%程度、チタン(Ti)が0.45%程度、アルミニウム(Al)が0.1%程度で、残部は鉄(Fe)と不純物である。図8に、無端金属リングの溶接部くびれ量とコバルト含有量との相関図を示す。図9に、無端金属リングの結晶粒径とコバルト含有量との相関図を示す。図10に、無端金属リングのおけるモリブデン置換の模式図を示す。図11に、無端金属リングのおけるピンニング効果の模式図を示す。
図8に示すように、コバルト含有量の増加に伴い、モリブデンの含有量が5.75質量%、6.05質量%のそれぞれの場合において、溶接部のくびれ量が減少している。その理由は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有することによって、溶接部にモリブデンが偏析しやすくなるが、図10に示すように、鉄の結晶構造においてモリブデンを鉄と置換させる溶媒的な機能をコバルトが発揮して、モリブデンの偏析を低減するためと考えられる。つまり、コバルトの含有量を増加することによって、モリブデンは鉄の結晶構造に固溶されやすくなる。
したがって、第2実施例では、コバルト含有量を12.0〜13.0質量%としたので、前述した焼鈍工程及び固溶体化工程でモリブデンの固溶化が一層促進され、溶接部と母材部とで、硬度差を減らすことができ、その結果、溶接部のくびれ量を低減させることができたと考えられる。例えば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、コバルト含有量を12.0質量%とした場合には、コバルト含有量を9.0質量%とした場合に比較して、溶接部のくびれ量を約20%低減することができた。
また、図9に示すように、コバルト含有量の増加に伴い、結晶粒径は一層微細化される。その理由は、図11に示すように、時効処理において鋼中の結晶粒界に微細なNiMo、NiTi等の析出物を分散形成して、鋼の結晶粒径が粗大化するのを抑制する効果(ピンニング効果)を、コバルトが奏すると考えられるからである。
したがって、第2実施例においてコバルト含有量を12.0質量%とした場合には、コバルト含有量を9.0質量%とした場合に比較して、結晶粒径を約10%低減することができた。なお、コバルト含有量を増加し過ぎると、コスト高となるため、コバルト含有量を12.0〜13.0質量%程度とするのが好ましい。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る無端金属リングの製造方法によれば、マルエージング鋼板Zを切断して筒状体1を形成する(a)形成工程と、筒状体1の端部11同士を溶接する(b)溶接工程と、溶接した筒状体1を焼鈍する(c)焼鈍工程と、焼鈍した筒状体1を所定幅のリング体3に切断し、切断部を研磨する(d)切断工程と、切断したリング体3を圧延する(e)圧延工程と、圧延したリング体4を溶体化処理する(f)溶体化工程と、溶体化処理したリング体4を所定周長に調整する(g)周長調整工程と、周長調整したリング体4を時効処理及び窒化処理する(h)時効・窒化工程とを備える無端金属リング9の製造方法であって、マルエージング鋼板Zは、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有すること、焼鈍工程における焼鈍温度は、875〜900℃であることを特徴とするので、疲労強度を高めつつ、溶接部91の耐摩耗性を向上させることができる。
すなわち、マルエージング鋼板Zは、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有するので、時効処理によってNiMo、FeMo等の金属間化合物を析出させて無端金属リング9全体の高強度化を図り、特に高サイクル域(10〜10回)における疲労寿命の向上に寄与できる。例えば、図2に示すように、本発明者らの実験結果によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合には、モリブデンの含有量が5.0質量%の場合に比較して、高サイクル域における疲労寿命が7〜8倍程度向上した。
一方、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有することによって、溶接部12、91にモリブデンが偏析しやすくなるが、焼鈍工程における焼鈍温度を875℃以上としたので、モリブデンの固溶化が促進されて組織の均一化が図られる。そのため、溶接部12、91と母材部13、93とでモリブデンを均一化して硬度差を減らすことによって、溶接部のくびれ量Aを低減させることができる。例えば、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、焼鈍温度を875℃とした場合には、焼鈍温度を840℃とした場合に比較して、溶接部のくびれ量Aを約25〜30%低減することができた。
ただし、焼鈍温度を900℃以上に上昇させると、結晶粒径が増大して、疲労強度を低下させるおそれがあり好ましくない。
よって、マルエージング鋼板Zにおけるモリブデンの含有量を5.75〜6.05質量%とし、溶接後の焼鈍工程における焼鈍温度を875〜900℃とすることによって、疲労強度を高めつつ、溶接部91の耐摩耗性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、溶体化工程における溶体化温度は、820〜860℃であることを特徴とするので、溶接部91と母材部93とでモリブデンを均一化して硬度差を更に減らすことによって、溶接部のくびれ量Aを一層低減させることができる。例えば、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、溶体化温度を820℃とした場合には、溶体化温度を780℃とした場合に比較して、溶接部のくびれ量Aを約25%低減することができた。
ただし、溶体化温度を860℃以上に上昇させると、結晶粒径が増大して、疲労強度を低下させるおそれがある。
よって、溶体化工程における溶体化温度を820〜860℃とすることにより、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を更に向上させることができる。
また、本実施形態によれば、マルエージング鋼板Zは、コバルトを12.0〜13.0質量%含有することを特徴とするので、コスト上昇を最小限に抑制しながら、モリブデンの固溶化と結晶粒微細化とを促進させることによって、疲労強度を高めつつ、溶接部の耐摩耗性を向上させることができる。コバルトは、レアメタルで市場単価が高いので、必要最小限の含有量に抑えることで、実用的価値を高めることができる。例えば、本発明者らの実験によれば、モリブデンの含有量が5.75〜6.05質量%の場合において、コバルトの含有量を9.0質量%とした場合に比較して、コバルトの含有量を12.0質量%とした場合には、溶接部のくびれ量Aを約20%低減することができ、結晶粒径を約10%低減することができた。また、同条件でコバルトの含有量を13.0質量%とした場合には、溶接部のくびれ量Aを約24%低減することができ、結晶粒径を約11%低減することができた。
また、他の実施形態によれば、本実施形態の製造方法により製造した車両用無段変速機10に使用する無端金属リング9であるので、疲労強度と耐摩耗性(特に、溶接部の耐摩耗性)を同時に向上させることができる。そのため、無段変速機10における変速比を拡大する場合にも容易に対応可能となる。また、無端金属リング9とエレメント8との摩擦損失を低減して、更なる燃費向上に貢献することもできる。また、高トルクを必要とする比較的大型の車両に採用していたショットピーニング工程を省略する等のコスト低減効果を奏することもできる。
本発明は、車両のドライブ軸プーリとドリブン軸プーリとの間で周回動作する駆動ベルトを構成する無端金属リングの製造方法及び無端金属リングとして利用できる。
1 筒状体
2 溶接装置
3、4 リング体
8 エレメント
9 無端金属リング
10 無段変速機
11 突き合わせ部
12、91 溶接部
13、93 母材部
92 溶接部のくびれ部
A 溶接部のくびれ量

Claims (4)

  1. マルエージング鋼板を切断して筒状体を形成する形成工程と、前記筒状体の端部同士を溶接する溶接工程と、溶接した前記筒状体を焼鈍する焼鈍工程と、焼鈍した前記筒状体を所定幅のリング体に切断する切断工程と、切断した前記リング体を圧延する圧延工程と、圧延した前記リング体を溶体化処理する溶体化工程と、溶体化処理した前記リング体を所定周長に調整する周長調整工程と、周長調整した前記リング体を時効処理及び窒化処理する時効・窒化工程とを備える無端金属リングの製造方法であって、
    前記マルエージング鋼板は、モリブデンを5.75〜6.05質量%含有すること、
    前記焼鈍工程における焼鈍温度は、875〜900℃であることを特徴とする無端金属リングの製造方法。
  2. 請求項1に記載された無端金属リングの製造方法において、
    前記溶体化工程における溶体化温度は、820〜860℃であることを特徴とする無端金属リングの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された無端金属リングの製造方法において、
    前記マルエージング鋼板は、コバルトを12.0〜17.0質量%含有することを特徴とする無端金属リングの製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された無端金属リングの製造方法において、
    前記マルエージング鋼板は、コバルトを12.0〜13.0質量%含有することを特徴とする無端金属リングの製造方法。
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