JP5973110B1 - 導光板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、特許文献1及び2は、使用樹脂を例示するが、本願のポリカーボネート導光板程度の厚さに、厚さを薄くすると、例えば、アクリル樹脂は、柔らかくて破損しやすいので、実質的に現実に使用することができない。アクリル樹脂を使用して厚さの薄い導光板を製造すると、実際に使用するためには、強度の問題から、他の基材と組み合わせることを要する。従って、実際に実施例にて、具体的な樹脂を使用した製造方法は開示されておらず、特許文献1及び2は、それらが例示した材料を用いて、実際に使用可能な厚さの薄い導光板の製造方法の発明を開示するとはいえない。
更にまた、近年、具体的には600μm以下の厚さの薄い導光板を安定してより低価格で製造することが要求される。上述したようにアクリル樹脂等を使用すると、厚さが薄くなると(より具体的には600μm以下になると)、強度が不足するとの問題もある。
ポリカーボネートを加熱溶融し、ダイから押し出して、シート状ポリカーボネートを得ること;
可撓性サポートを支持する第1ロールと、表面に予め形成されたパターンを有する第2ロールが、平行に配置され、
可撓性サポートは、第1ロールと第2ロールとの間を通り、第2ロールの円周方向の少なくとも一部に巻き付けられるように配置され、
第1ロールと第2ロールは、可撓性サポートと第2ロールの間に、シート状ポリカーボネートを挟みながら、シート状ポリカーボネートに可撓性サポートを伴走させながら、加圧するように回転して、シート状ポリカーボネートを、第2ロールに押しつけること;
第2ロールに押しつけられたシート状ポリカーボネートは、可撓性サポートによって、第2ロールの表面に支持されて(保圧されて)、第2ロールの回転方向に走行し、シート状ポリカーボネートと、可撓性サポートは、第1ロールと第2ロールの表面が最も接近する箇所を基準として、第2ロールの回転角度が、45〜150°である箇所で離れること;及び
第3ロールは、第2ロールと平行で、第1ロールの反対側に配置され、
シート状ポリカーボネートは、第2ロールと第3ロールの間を通り、第3ロールの円周方向の少なくとも一部で支持され、第3ロールは、シート状ポリカーボネートを引き取るように回転すること、
を含む、ポリカーボネート導光板の製造方法を提供する。
第1ロールの表面は、弾性を有する、導光板の製造方法を提供する。
(i)シート状ポリカーボネートに接する可撓性シートの表面は、鏡面であり(鏡面処理されており)、シート状ポリカーボネートの片面にパターンが形成される、又は
(ii)シート状ポリカーボネートに接する可撓性シートの表面に、予めパターン形状が形成され、シート状ポリカーボネートの両面にパターンが形成される、導光板の製造方法を提供する。
本明細書において、「導光板」とは、側方から入れた光を拡散させて、表面から光を出射する、一般的に導光板として理解されるものをいう。
導光板は、通常、例えば、スマートフォン、携帯電話、モバイル端末、携帯情報端末(PDA)、タブレット型パーソナルコンピューター(PC)、ノート型PC、車載用インストルメントパネル、PC用表示モニター等の液晶表示パネルのバックライト、及び例えば、スマートフォン、携帯電話、モバイル端末、携帯情報端末(PDA)、タブレット型パーソナルコンピューター(PC)、ノート型PC等のキーボードのバックライト等の照明装置内部で使用される。
本発明の形態の「ポリカーボネート導光板」は、透明で、自立性を有するポリカーボネート(カーボネート系樹脂)を、熱可塑性樹脂として使用して製造される。ポリカーボネートは、通常、ポリカーボネートとして使用され、本発明が目的とするポリカーボネート導光板を得ることができる限り特に制限されることはなく、適宜、添加剤等を含むことができる。
ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置で測定して得た値を、単分散分子量ポリスチレンで換算して得た。より具体的には、日本ウォーターズ社製Alliance HPLC SystemをGPC装置として用いて、UV検出器を用いてクロマトグラムを測定した。GPCカラムとして、アジレント・テクノロジー社製のPLgel 5μm Mixed−Cを用いた。試料をテトラヒドロフランに溶解して、1ml/minの流速で、40℃のカラム温度にて流した。測定値を、単分散分子量ポリスチレンによる検量線で換算して、Mwを得た。
まず始めに、ポリカーボネートを加熱溶融し、ダイから押し出して、溶融状態のシート状ポリカーボネートを得る。
ダイから押し出されるポリカーボネートの温度は、230〜290℃であることが好ましく、240〜280℃であることがより好ましく、250〜270℃であることが特に好ましい。ダイから押し出されるポリカーボネートの温度が、230〜290℃である場合、流動性が高くて、転写率がより向上するので好ましい。
ダイは、本発明が目的とする導光板を製造することができる限り、特に制限されることはないが、Tダイを例示することができる。
第1ロールと第2ロールは、可撓性サポートと第2ロールの間に、溶融状態のシート状ポリカーボネートを挟みながら、シート状ポリカーボネートに可撓性サポートを伴走させながら回転して、溶融状態のシート状ポリカーボネートを、第2ロールに押しつける。
シート状ポリカーボネートと接する面にパターンが形成された可撓性サポートを用いると、更に、可撓性サポートの表面に形成された形状が転写されて、溶融状態のシート状ポリカーボネートの両面にパターンが形成される。パターンの形状は、両面とも同じでも、異なっていてもよい。
(ii)シート状ポリカーボネートに接する可撓性シートの表面に、予めパターン形状が形成され、シート状ポリカーボネートの両面にパターンが形成される、導光板の製造方法も提供される。
第1ロールと第2ロールの表面が最も接近する箇所を基準として、固化したシート状ポリカーボネートと、可撓性サポートが離れる箇所の、第2ロールの回転角度は、45〜150°であることが、形状のより正確な転写をもたらし、転写性をより向上させること、可撓性シートとシート状ポリカーボネートの剥離をより容易に行うことから、好ましい。
第2ロールの温度は、110〜180℃であることが好ましく、120〜170℃であることがより好ましく、130〜160℃であることが特に好ましい。
第1ロールの温度は、5〜40℃であり、第2ロールの温度は、110〜180℃である場合、形状のより正確な転写をもたらし、転写性をより向上させること、可撓性シートとシート状ポリカーボネートの剥離をより容易に行うことから、好ましい。
そして、形状が形成されたシート状ポリカーボネートは、第2ロールと第3ロールの間を通り、第3ロールの円周方向の少なくとも一部で支持され、第3ロールは、シート状ポリカーボネートを引き取るように回転する。
第3ロールと第2ロールの間で、シート状ポリカーボネートを加圧する(ニップする)必要はなく、第3ロールと第2ロールの間隔は、開いていることが好ましい。その間隔は、第3ロールが、その少なくとも一部でシート状ポリカーボネートを支持することができ、引き取ることができれば、特に制限されることはない。
可撓性サポートは、樹脂フィルムが好ましく、ポリエステル系樹脂フィルムがより好ましく用いられる。
一面に予め形状を形成した可撓性サポートとして、光硬化性樹脂を使用して形状を形成した樹脂フィルムが好ましく、ポリエステル系樹脂フィルムの表面にアクリル系光硬化樹脂を使用して形状を形成した樹脂フィルムがより好ましい。
更に、第1ロール〜第3ロールは、いずれも金属でできており、表面も金属であっても、他の材料であっても良い。第1ロールの表面は、一般的に鏡面であること(又は鏡面処理されていること)が好ましい。第2ロールの表面は、形状が形成されている。第3ロールの表面は、一般的に鏡面であることが好ましい。
第1ロール〜第3ロールの配置は、特に限定されることはないが、水平配置、垂直配置などがあり、水平配置が好ましい。
第1ロールの弾性は、JIS K6253に規定するデュロメータ硬さが、タイプAデュロメータの測定値で、40〜85であることが好ましく、50〜85であることがより好ましく、60〜80であることが特に好ましい。
第1ロールの表面が弾性を有する場合、形状のより正確な転写をもたらし、転写性をより向上させること、更に、製造条件の変動を受けにくくなり、製造条件の変動を吸収し、より安定に製造することができることから、好ましい。
ポリカーボネート導光板の厚さが、100〜600μmである場合、より薄く、より軽量でありながら、その強度を維持することができ、実際の使用が可能で有り好ましい。
尚、ポリカーボネート導光板の厚さは、パターン形成部分の厚さを含まない部分をいう。
例えば、図2に、導光板に形成されるドットパターンを模式的に示す。
更に、図3に、三角柱がその側面を導光板の平面と接するように配置される、導光板に形成されるライン状又は溝状のパターンを模式的に示す。
パターンが形成されていない導光板の部分と接するパターンの面について、その面から垂直方向の最も高い部分の寸法を、そのパターンの「高さ(h)」という。
パターンの形状は、最も大きな寸法が、一般的には100μm以下であり、好ましくは50μm以下であり、他の寸法は、その10%以上である。
例えば、ドット形状であれば、およそ半球状であろうから底面の幅とは、円形状の底面の中で最大の径をいい、高さとは実質的に最も高い部分の高さをいう。
例えば、ロールの表面と平行方向に、三角柱がその側面を接するように配置されるライン状又は溝状のパターンであれば、三角柱の側面は極めて細長い長方形なので、その幅とは、三角柱の側面の短い辺の長さをいい、高さとは三角柱の底面の三角形の一辺から対向する頂点までの高さをいう。
ドット形状の円形の底面の径の転写率が、90〜100%であり、ドット形状の高さの転写率が、80〜100%である場合、より高輝度の導光板を製造することができ好ましい。
三角柱の側面の短い辺の長さの転写率が、90〜100%であり、三角柱の底面の三角形の一辺から対向する頂点の高さの転写率が、70〜100%である場合、より高輝度の導光板を製造することができ好ましい。
図1は、本発明の形態の導光板の製造方法を模式的に示す。
第1ロール10、第2ロール20及び第3ロール30の3本のロールが、その順番に、それらの中心軸について平行に配置されている。
可撓性サポート40は、巻きだしロール50から巻き出され、第1ロール10に支持され、第1ロール10と第2ロール20の間を通り、第2ロールに支持された後、第2ロールから離れて、ロール52及びロール54に導かれ、巻き込みロール56で、巻かれる。 第1ロール10の表面は、鏡面である(又は鏡面処理されている)。第1ロールの表面は弾性を有していてもよい。
第2ロール20は、その表面に形状が形成されている。
第3ロール30の表面は、鏡面である(又は鏡面処理されている)。
更に、本発明は、上述の製造方法で製造されたポリカーボネート導光板を有する表示デバイスを提供する。
本発明は、上述のポリカーボネート導光板を有する表示デバイスを提供する。
尚、実施例の記載において、特に記載がない限り、溶媒を考慮しない部分を、重量部及び重量%の基準としている。
スクリューの外径が40mmφであるノーベント単軸押出機を使用した。リップの有効幅が、450mmのTダイをダイとして使用した。幅が500mm、外径が300mmφで表面がシリコンゴムで覆われた弾性ロール(第1ロール)、外径が50μm、深さが5μmのドット形状をロールの表面にランダムに形成して配置した、幅が500mm、外径300mmφの金属ロール(第2ロール)、表面が鏡面で幅が500mm、外径300mmφの金属ロール(第3ロール)の3本のロールを水平に、各々の中心軸の方向が平行になるように配置して冷却ロールユニットとして使用した。
可撓性サポートとして、厚さが0.125mmのポリエステルフィルムにアクリル系光硬化樹脂を用いてピッチ25μm、深さ7μmの三角柱形状を表面に平行に形成したシートを用いた。
表面と平行方向に、三角柱がその側面を接するように配置される溝状又はライン状パターンについて転写率(転写率2)を測定した結果、三角柱の側面の短い辺の長さの転写率が、98〜100%であり、三角柱の底面の三角形の一辺から対向する頂点への高さの転写率が、95〜97%であった。
実施例1と同様の方法を使用して、ポリカーボネート導光板を製造する。
ただし、溶融状態のシート状ポリカーボネートは、可撓性サポートによって、第2ロールの表面に支持されることなく、シート状ポリカーボネートから、可撓性サポートは離れる。即ち、シート状ポリカーボネートが、可撓性サポートに支持されて走行する、回転角度θは、実質的に0°である。
表面がシリコンゴム弾性ロールに沿って戻して巻き取り機で巻き取り、厚さ0.250mmのポリカーボネート導光板を製造した。
表面と平行方向に、三角柱がその側面を接するように配置されるライン状又は溝状のパターンについて、三角柱の側面の短い辺の長さの転写率が、98〜100%であり、三角柱の底面の三角形の一辺から対向する頂点の高さの転写率が、63〜68%であった。
ただし、実施例1と、各々異なる部分があり、その詳細と、結果を、まとめて表1〜2に示す。
尚、比較例3では、ポリカーボネートの代わりに、アクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、VH6(商品名)、MFR=1.7(JISK7210))を使用した。
20:第2ロール
30:第3ロール
40:可撓性サポート
50:可撓性サポート巻だしロール
52及び54:ロール
56:可撓性サポート巻き込みロール
60:Tダイ
70:溶融状態シート状ポリカーボネート
72:固化状態シート状ポリカーボネート
w:幅
h:高さ
Claims (3)
- ポリカーボネートを加熱溶融し、240〜290℃の温度でダイから押し出して、シート状ポリカーボネートを得ること;
可撓性サポートを支持する第1ロールと、表面に予め形成されたパターンを有する第2ロールが、平行に配置され、
可撓性サポートは、第1ロールと第2ロールとの間を通り、第2ロールの円周方向の少なくとも一部に巻き付けられるように配置され、
5〜40℃の温度の第1ロールと110〜160℃の温度の第2ロールは、可撓性サポートと第2ロールの間に、シート状ポリカーボネートを挟みながら、シート状ポリカーボネートに可撓性サポートを伴走させながら、加圧するように回転して、シート状ポリカーボネートを、第2ロールに押しつけること;
第2ロールに押しつけられたシート状ポリカーボネートは、可撓性サポートによって第2ロールの表面に支持されて、第2ロールの回転方向に走行し、第1ロールと第2ロールの表面が最も接近する箇所を基準として、シート状ポリカーボネートと、可撓性サポートは、第2ロールの回転角度が45〜150°である箇所で離れること;及び
第3ロールは、第2ロールと平行で、第1ロールの反対側に配置され、
シート状ポリカーボネートは、第2ロールと第3ロールの間を通り、第3ロールの円周方向の少なくとも一部で支持され、第3ロールは、シート状ポリカーボネートを引き取るように回転すること、
を含む、ポリカーボネート導光板の製造方法。 - 第1ロールの表面は、弾性を有する、請求項1に記載の導光板の製造方法。
- (i)シート状ポリカーボネートに接する可撓性シートの表面は、鏡面であり、シート状ポリカーボネートの片面にパターンが形成される、又は
(ii)シート状ポリカーボネートに接する可撓性シートの表面に、予めパターン形状が形成され、シート状ポリカーボネートの両面にパターンが形成される、請求項1又は2に記載の導光板の製造方法。
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