JP5972343B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

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Description

本発明は、印画濃度、にじみやムラの抑制、インク乾燥性に優れた、溶剤インク用のインクジェット記録シートに関するものである。
インクジェット記録方式は、業務用、家庭用を問わず幅広く用いられている。業務用としては、オフィスユースに止まらず、工業的な用途や、屋内外の広告等のサイン・ディスプレーの分野でも利用されている。
用途の広がりに伴い、多様なインクが開発されてきた。水性インク、溶剤インク、光硬化インク、ソリッドインク等が用いられている。このうち、溶剤インクは、プラスチックフィルムなどの水が浸透しにくい素材にも印画が可能であるなどの利点を有し、特にサイン・ディスプレーなどの分野で需要が増大してきている。
それに伴い、溶剤インクでの印画に適するインクジェット記録シートも開発されてきた。インクの乾燥性と発色を両立させる目的で、多孔質のインク受理層の上にウレタン樹脂を含有する表面層を設けたインクジェット記録シートが提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この技術は、二層を要する為コストが増大する点、及び画像のにじみやムラを抑制する性能が不十分である点が、課題であった。
一方、にじみを抑制する性能に優れた溶剤インク用のインクジェット記録シートも提案された(特許文献2参照。)。これは、1個のカルボキシル基を有するビニル単量体と、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含有するビニル単量体混合物を重合して得られるビニル重合体を、インク受理層に含有させるものである。しかしながら、この技術は、印画濃度、画像のムラを抑制する性能、インク乾燥性は不十分であった。
特開2010−194788号公報 特開2012−86543号公報
本発明が解決しようとする課題は、溶剤インクを用いて印刷した場合に印画濃度、にじみやムラの抑制、インク乾燥性に優れたインクジェット記録シートを提供することである。
本発明は、基材の少なくとも片面にインク受理層を有する溶剤インク用のインクジェット記録シートであって、前記インク受理層は、(A)ガラス転移点が−70℃〜−50℃のウレタン樹脂と、(B)ガラス転移点が25℃〜30℃のアクリル系樹脂と、をバインダーとして含有し、 前記(A)ウレタン樹脂の質量と前記(B)アクリル系樹脂の質量の合計に対する前記(B)アクリル系樹脂の固形分質量比は25%〜70%であり、前記インク受理層の質量は、15g/m 〜40g/m である溶剤インク用のインクジェット記録シートを提供する。
溶剤インク用のインクジェット記録シートは、インク受理層にフィラーを含むこと、インク受理層に対するインク受理層中のフィラーの固形分質量比が15%〜70%であること、フィラーが有機フィラーを含むこと、及びフィラーがアクリル系のフィラーを含むことがそれぞれ好ましい。基材プラスチックフィルムであることが好ましい。
本発明のインクジェット記録シートによれば、溶剤インクで印画した際、印画濃度が良くにじみやムラが少ない非常に優れた画像を得ることができる。そのため、ポスター、広告、サイン、ディスプレー等の分野で好印象を与えることが可能である。また、印画する際のインクの乾燥性にも優れているため、作業性が良好であり、乾燥する前に擦れて汚れるなどのトラブルも防止できる。また、樹脂のガラス転移点が印画適性とともに乾燥性にも寄与しているので、インク受理層をあまり厚くする必要が無く、コストの面で有利である点も、利点である。
以下、本発明に係るインクジェット記録シートの実施形態を説明する。本発明のインクジェット記録シートは、基材の少なくとも片面にインク受理層を設けてなり、該インク受理層がバインダーとしてウレタン樹脂(A)及びバインダーとしてアクリル系樹脂(B)を含有し、(A)のガラス転移点が40℃以下で、(B)のガラス転移点が30℃以下であり、インク受理層の質量が15g/m以上であるものである。
本発明のインクジェット記録シートは、溶剤インク用の記録シートである。インクジェット記録方式のインクは大きく2種類に分類することができる。1つは、印画後に溶媒が蒸発したりシートに浸透したりして、最終的に色材のみが表面に残るタイプである。もう1つは、インク全体が固形化するタイプで、ソリッドインクや、光硬化インク(UV硬化型インクなど)である。この、1つめのタイプのうち、溶媒として水を主成分とするものが、水性インクと称されている。水以外の成分を主成分とするものが、本発明の溶剤インクである。尚、溶剤インクには、様々な呼称が用いられており、また溶剤インクという呼称が違う意味で用いられる場合が有るが、本発明でいう溶剤インクは前記のとおりである。
この溶剤インクの中で代表的なものが、ソルベントインクとオイル系インクである。ソルベントインクは、溶媒の揮発性が高く瞬時に揮発するので、印画後に溶媒が記録シートに浸透するのではなく、シートの表面ですみやかに揮発することで色材が定着する。これに対し、オイル系インクでは、溶媒が記録シートに浸透する。ソルベントインクの溶媒は、代表的なものとして、MEK、エタノール、アセトンなどが挙げられる。本発明は、オイル系インクにも使用可能であるが、特に、ソルベントインクに対して優れた性能を発揮する。
基材としては、インク受理層を設けることができるものであれば特に限定されず、例えば、プラスチックフィルム、合成紙、紙、布、不織布等の公知の種々のものを使用できる。これらの中で、プラスチックフィルムと合成紙は、耐水性に優れている。溶剤インクは、屋外などの耐水性が求められる場所に設置されるポスターなどを制作する際に用いられることが多いため、基材としてプラスチックフィルムや合成紙を用いることは、好ましい態様の一つである。プラスチックフィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が挙げられる。合成紙は、成分としてプラスチックを含み、紙とプラスチックの性質を合わせ持つシートである。その中には、一定の量以上のプラスチック繊維とパルプを混抄する方法により製造したものも含まれる。より一般的なのは、プラスチックフィルムに添加物や加工条件によってボイドを発生させることや、塗工を施すことによって、紙と類似した特性を持たせたものであり、これは合成紙であり且つプラスチックフィルムの一種でもある。合成紙は、前記したとおり耐水性を有する上、紙と同様な使用方法を想定して製造されているのでプリンター内での搬送性が調整されているなどの利点を持つため、本発明に適した基材である。
インク受理層は、基材の片面のみに設けても、両面に設けてもよい。また、用途に応じて、インク受理層と基材の間に下引き層を設けることも可能である。
インク乾燥性を向上させる点から、本発明のウレタン樹脂(A)のガラス転移点は、40℃以下であり、よりインク乾燥性が向上する点から、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下、更に好ましくは−10℃以下、最も好ましくは−40℃以下である。また、ウレタン樹脂(A)のガラス転移点は、低過ぎるとブロッキングが生じる懸念があるため、ブロッキング防止の点から、好ましくは−70℃以上である。
ガラス転移点が40℃以下のウレタン樹脂は、2種類以上のものを混合して用いてもよい。ウレタン樹脂としては、ガラス転移点が40℃以下のもののみを用いることが好ましいが、目的に応じて40℃を超えるものを、本発明の効果を損なわない範囲で微量混合することも可能である。また、バインダー以外に、例えば助剤等の目的で、ガラス転移点が40℃を超えるウレタン樹脂を用いることは可能である。
ウレタン樹脂の種類などは特に限定されないが、塗液の安定性や塗工層の均一性の点から、水性ウレタン樹脂が好ましい。水性ウレタン樹脂としては、水可溶性のポリウレタン樹脂、あるいは水分散型ポリウレタンエマルジョン(水性ウレタン樹脂エマルジョン)があるが、耐水性の点から水分散型ポリウレタンエマルジョンが好ましい。
ウレタン樹脂としては、ポリマーの構成単位としてウレタン結合以外にポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリル、ポリエーテルを持った共重合体でもよい。印画濃度、にじみ防止性能、ムラ防止性能、インク乾燥性の向上の総合的な効果を大きくするために、本発明のウレタン樹脂中のウレタン樹脂成分は、全体の樹脂エマルジョンの固形分100%質量部に対してウレタンが50%以上であることが好ましい。
印画濃度を向上させる点から、アクリル系樹脂(B)のガラス転移点は、30℃以下であり、より印画濃度の向上の点から、好ましくは28℃以下、より好ましくは20℃以下、最も好ましくは5℃以下である。また、アクリル系樹脂(B)のガラス転移点は、低過ぎるとブロッキングが生じるという懸念があるため、ブロッキング防止の点から、好ましくは−10℃以上である。
バインダーとして用いるガラス転移点が30℃以下のアクリル系樹脂は、2種類以上のものを混合して用いてもよい。バインダーとして用いるアクリル系樹脂としては、ガラス転移点が30℃以下のもののみを用いることが好ましいが、目的に応じて30℃を超えるものを、本発明の効果を損なわない範囲で微量混合することも可能である。また、バインダー以外に、例えば助剤等の目的で、ガラス転移点が30℃を超えるアクリル系樹脂を用いることは可能である。
アクリル系樹脂の種類などは特に限定されないが、塗液の安定性や塗工層の均一性の点から、水性のアクリル系樹脂が好ましい。水性のアクリル系樹脂としては、水可溶性のアクリル系樹脂、あるいは水分散型アクリル系エマルジョン(水性アクリル系樹脂エマルジョン)があるが、耐水性の点から水分散型アクリル系エマルジョンが好ましい。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸などが挙げられる。
また、アクリル系のモノマー以外に、他の化合物、例えばエチレン系不飽和二重結合を有する不飽和化合物(エチレンやスチレンなど)が共重合されていてもよい。この場合、印画濃度、にじみ防止性能、ムラ防止性能、インク乾燥性の向上の総合的な効果を大きくするために、アクリル系のモノマーが、樹脂全体に対する固形分質量比で40%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上である。
また、バインダーとしてのウレタン樹脂(A)及びバインダーとしてのアクリル系樹脂(B)の合計に対する該(B)の固形分質量比(B/(A+B))が、25%以上であることが好ましい。これにより、印画濃度が高いという効果が得られる。この固形分質量比(B/(A+B))は、より印画濃度の向上の点から、より好ましくは35%以上、更に好ましくは55%以上である。この比率が大きすぎると塗工層強度が低下する懸念があるため、塗工層強度の向上の点から、好ましくは70%以下である。
インク受理層には、フィラーを含有させてもよい。フィラーとしては、有機または無機微粒子のいずれも使用することができる。例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリマー微粒子や、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の無機微粒子を用いることができる。
インク受理層は塗工によって設けることが一般的であるが、塗工して巻き取った際に、インク受理層の表面が、ブロッキングを生じさせることが有る。対策として、インク受理層にフィラーを含有させることにより、ブロッキングを防止することができる。ブロッキング防止効果の点から、含有量は、インク受理層に対するインク受理層中のフィラーの固形分質量比で15%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上である。この比率が大きすぎると塗工層強度が低下する懸念があるため、塗工層強度の向上の点から、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下である。
本発明においては、フィラーとして、有機フィラーを用いると、印画濃度の点で好ましい。有機フィラーはプラスチックピグメントとも称され、広く市販されている。特に、アクリル系のフィラーが、インク受理層の強度を向上させる点で好ましい。
また、フィラーを含有させることにより、用途に応じて外観を変化させることができる。特に、合成シリカを用いることにより、光沢が抑制されたマット調のインクジェット記録シートを得ることができる。この場合、合成シリカは有機フィラーと混合させた方が好ましく、インク受理層に対する固形分質量比で合成シリカ単体では0〜10%含有させることが好ましい。シリカの含有率が高い方が光沢を抑制する度合いが大きくなるが、10%を超えると印画濃度の低下が顕著になる場合がある。好ましい光沢は用途や目的に応じて異なるので、10%以下の範囲内で、適宜調整することが好ましい。
また、インク受理層には、目的に応じて、界面活性剤、増粘剤、蛍光増白剤等を含有させてもよい。
本発明において、インク受理層を設ける方法は特に限定されず、インク受理層を構成する成分を含む塗工液を基材に塗工して乾燥させる方法、別途形成したインク受理層を基材に転写する方法等、公知の各種の方法を用いることができる。好ましい方法は、塗工による方法である。塗工方式としては、例えば、ロールコーティング方式、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロッドバーコーティング方式等が挙げられる。
インク受理層の質量は、15g/m以上であることが必要である。本発明においては、バインダーのガラス転移点の作用によってインクの乾燥性、画像のムラを抑制する性能を向上させているが、それでもインク受理層の質量が15g/m未満であると、乾燥性と画像のムラを抑制する性能が不十分になる。乾燥性と画像のムラを抑制する性能の点から、好ましくは18g/m以上、より好ましくは25g/m以上、更に好ましくは30g/m以上である。一方、質量が大きすぎると、コストの増大、塗工層強度の低下という欠点が生じる懸念がある。コスト抑制と塗工層強度の向上の点から、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下である。本発明により、35g/m以下でもインク乾燥性に優れる点は、本発明の利点の一つである。
以下、本発明のインクジェット記録シートを実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明のインクジェット記録シートは、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において数量の説明で「部」とあるのは、特に断らない限り「質量部」である。また、原材料(プラスチックフィルム、樹脂、プラスチックピグメント等)は、すべて市販のものを用いた。
(実施例1)
〈基材〉
基材として、厚さ80μmのポリプロピレン系合成紙を用いた。
〈塗工液〉
バインダーとしてウレタン樹脂(固形分35%、ガラス転移点−50℃、アニオン性)を35.14部、バインダーとしてアクリル系樹脂(固形分46%、ガラス転移点26℃、アクリル樹脂、ノニオン性)を35.14部、フィラーとしてアクリル系のプラスチックピグメント(固形分34%、アニオン性)を28.11部用いて、インク受理層用塗工液を作成した。
〈塗工〉
インク受理層用塗工液を、アプリケーターを用いて、基材の一方の表面に、塗工量が固形分で33g/mになるように塗工して、100℃で5分乾燥させてインク受理層を形成し、インクジェット記録シートを得た。
(実施例2)
実施例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのアクリル系樹脂を、アクリル系樹脂(固形分50%、ガラス転移点25℃、アクリルスチレン樹脂、アニオン性)32.33部に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
参考例1
実施例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのウレタン樹脂を、ウレタン樹脂(固形分35%、ガラス転移点−15℃、アニオン性)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
参考例2
実施例2において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのウレタン樹脂を、ウレタン樹脂(固形分35%、ガラス転移点−15℃、アニオン性)に替えた。それ以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
参考例3
実施例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのウレタン樹脂を、ウレタン樹脂(固形分43%、ガラス転移点25℃、アニオン性)28.6部に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例6)
実施例1において、インク受理層用塗工液の塗工量を固形分で23g/mに替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例7)
実施例1において、インク受理層用塗工液の塗工量を固形分で15g/mに替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(実施例8)
実施例1において、バインダーとしてウレタン樹脂を48.79部、バインダーとしてアクリル系樹脂を24.75部に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例1)
実施例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのアクリル系樹脂を、アクリル系樹脂(固形分46%、ガラス転移点41℃、アクリル樹脂、ノニオン性)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例2)
参考例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのアクリル系樹脂を、
アクリル系樹脂(固形分47%、ガラス転移点35℃、アクリルスチレン樹脂、アニオン
性)に替えた。それ以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例3)
実施例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのアクリル系樹脂を、ポリエステル樹脂(固形分25%、ガラス転移点20℃、アニオン性)に替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例4)
実施例1において、インク受理層用塗工液の、バインダーとしてのウレタン樹脂を、ウレタン樹脂(固形分35%、ガラス転移点50℃、アニオン性)に替え、インク受理層用塗工液の塗工量を固形分で23g/mに替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(比較例5)
実施例1において、インク受理層用塗工液の塗工量を固形分で13g/mに替えた。それ以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
これら実施例1〜2、参考例1〜3、実施例6〜8、及び比較例1〜5のインクジェット記録シートについて、下記の方法によりそれぞれ印画濃度、にじみ及びムラ、インク乾燥性の試験を行ない、その結果を表1及び表2に示した。
(印画濃度)
ローランド ディー.ジー.株式会社製のインクジェットプリンター(商品名「VersaCAMM SP−540V」)で、ソルベントインク(商品名「ECO−SOL MAX」)を用いて、4色(C、M、Y、K)のそれぞれの100%のベタ画像を印画し、マクベス濃度計にて印画濃度を測定した。4色の平均値を算出し、下記の基準で評価した。
○ 1.65以上
△ 1.55以上1.65未満
× 1.55未満
尚、実用上、1.55以上であると良好であり、1.65以上であると非常に良好である。
(にじみ)
前記のプリンターとインクを用いて、K100%を背景とするMS明朝体6ポイントの白抜き文字を印画し、目視にて判定した。背景と文字の境界のにじみが僅かで鮮明に見えるものを良好とした。
○ 非常に良好。
△ 良好。
× 良好ではない。
(ムラ)
前記のプリンターとインクを用いて、R200%とB200%のそれぞれのベタ画像を印画し、目視にて判定した。いずれの画像もムラが僅かであるものを良好とした。
総合評価:
○ 非常に良好。
△ 良好。
× 良好ではない。
(インク乾燥性)
前記のプリンターとインクを用いて、B200%のベタ画像を印画し、印画の10分後及び20分後に印画面をPPC用紙に押し当て、2kgの加圧ローラーを3往復させ、PPC用紙にインクが転写するか確認した。この結果により、下記の基準で判定した。
○ 10分後に転写しなくなった。
△ 20分後に転写しなくなった。
× 20分後にも転写した。
尚、実用上、上記の基準で△であると良好であり、○であると非常に良好である。
以上の結果を、表1及び表2にまとめた。
Figure 0005972343
Figure 0005972343
表1、2の結果から明らかなとおり、実施例1〜2、参考例1〜3、実施例6〜8、は、いずれも印画濃度、にじみ、ムラ、インク乾燥性のすべての項目において、非常に良好または良好であった。
比較例1、2はアクリル系樹脂のガラス転移点が30℃を上回るものであり、また比較例3はアクリル系樹脂の代わりにポリエステル樹脂を用いたものであるが、これらはいずれも印画濃度が良好ではなかった。
比較例4は、ウレタン樹脂のガラス転移点が40℃を上回るものであり、インク乾燥性が良好ではなかった。比較例4は、実施例6と比較すると、アクリル系樹脂のガラス転移点及び塗工量は同一であり、本発明においてウレタン樹脂のガラス転移点がインクの乾燥性に貢献していることが示された。
また、比較例5によって、ウレタン樹脂のガラス転移点が40℃を下回り、かつアクリル系樹脂のガラス転移点が30℃を下回っていても、インク受理層の固形分塗工量が15g/m2を下回ると、ムラの抑制とインク乾燥性が良好ではなくなる事が示された。
また、実施例8は、実施例1において、インク受理層のバインダーとしてのウレタン樹脂(A)及びバインダーとしてのアクリル系樹脂(B)の合計に対する該アクリル系樹脂(B)の固形分質量比を、40%にしたものであり、印画濃度の評価は△である。一方、実施例1は、前記のアクリル系樹脂(B)の固形分質量比が56.79%であって、印画濃度の評価は○である。このことから、前記のアクリル系樹脂(B)の固形分質量比が高い方が好ましい事が示された。

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも片面にインク受理層を有する溶剤インク用のインクジェット記録シートであって、
    前記インク受理層は、
    (A)ガラス転移点が−70℃〜−50℃のウレタン樹脂と、
    (B)ガラス転移点が25℃〜30℃のアクリル系樹脂と、
    をバインダーとして含有し、
    前記(A)ウレタン樹脂の質量と前記(B)アクリル系樹脂の質量の合計に対する前記(B)アクリル系樹脂の固形分質量比は25%〜70%であり、
    前記インク受理層の質量は、
    15g/m 〜40g/m である溶剤インク用のインクジェット記録シート。
  2. 前記インク受理層は、
    フィラーを含む請求項1に記載のインクジェット記録シート。
  3. 前記フィラーは、
    前記インク受理層の質量に対する質量の割合が15%〜70%である請求項に記載のインクジェット記録シート。
  4. 前記フィラーは、
    有機フィラーを含む請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録シート。
  5. 前記フィラーは、
    アクリル系のフィラーを含む請求項〜請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録シート。
  6. 前記基材は、
    プラスチックフィルムである請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録シート。
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