JP5972197B2 - 配管部材、およびそれを用いた配管システム - Google Patents
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Description
以上のことが、横枝管の詰まりおよび異臭の発生原因となっていた。
一局面に従う配管部材は、上下方向に配設された排水縦管に接続されるものである。本発明の配管部材は、上下方向に延在する管本体部と、管本体部の対向する内壁面それぞれに開口する一対の排水導入口と、一対の排水導入口の一方に連通する一方の継手管部及び他方に連通する他方の継手管部からなる一対の継手管部と、一方の継手管部の開口端に設けられた一方の横枝管接続部及び他方の継手管部の開口端に設けられた他方の横枝管接続部とを含む。さらに、管本体部の中心軸の方向から見た平面視において、一対の排水導入口の開口中心同士を結ぶ直線が、一方の継手管部の開口端における径方向に垂直な直線と他方の継手管部の開口端における径方向に垂直な直線とのいずれにも交差するように、一対の排水導入口及び一対の継手管部が設けられている。
「横枝管接続部」は、継手管部に横枝管を接続する機能を有するものであり、継手管部の一部をなし且つ継手管部の開口端を含む構造である。
なお、給排水に係る建築業界においては、洗面系統又は風呂系統等の排水を「雑排水」と呼称し、便器系統を「汚水」と呼称する場合がある。本発明において、「排水」は、上記「雑排水」及び「汚水」の両方を含む。それらに加え、排水は「雨水」も含む。
一対の排水導入口は、平面視において、管本体部の中心軸に対し互いに点対称となるように位置していてよく、且つ、一対の継手管部それぞれの開口端の径方向に垂直な直線の方向は互いに平行であってよい。
このように、従来的に一方の横枝管から他方の横枝管に最も流入しやすい一対の排水導入口の位置関係が許容される。
一方の継手管部の開口端中心及び他方の継手管部の開口端中心を結ぶ直線と、開口端の径方向に垂直な直線とが、平面視において一直線となるように、一対の継手管部が配置されてよい。
これによって、一方及び他方の横枝管接続部に接続されるそれぞれの横枝管の中心軸が平面視において一致するため、一方の横枝管と他方の横枝管とが平面視において一直線となるように配置することができる。
また、一対の継手管部それぞれの内壁は、継手管部の開口端をその径方向に垂直な方向へ投影した場合に開口端の投影を遮るように設けられた傾斜面を有してよい。この場合、一対の傾斜面は、平面視において、管本体部の中心軸に対して互いに点対称となるように位置する。
なお、本明細書において「衝突」とは、排水の流れが変わる程度の力で、排水が面に突き当ることをいう。
管本体部の内壁面に、一方の排水導入口から他方の排水導入口に向かう排水流を規制するための制流リブを突設してもよい。制流リブは、一方の排水導入口から他方の排水導入口に向かう排水流を規制する制流面、及び管本体部内部へ張出する張出し面の少なくとも一方を有する。
制流リブの形状は、断面矩形状であってよい。矩形状リブにおいては、制流面と張出し面とが平面視において対向する。矩形状リブの制流面は、平面視において、継手管部の開口端の径方向に対して任意の角度をとり得る。たとえば、制流面は、継手管部の開口端の径方向に垂直な方向に対して0度以上90度以下となるように設けられてよい。
制流リブの形状は、断面山形状であってよい。山形状リブは、制流面と張出し面とが平面視において非平行であるため、両面の交差稜は一定の角度をなす。山形状リブは、平面視において、制流面が、継手管部の開口端の径方向に垂直な方向に対し直角になるように設けられてよい。
制流リブが突設される位置は、平面視において、排水導入口の端縁及び管本体部中心軸を結ぶ直線と、張出し面の管本体内壁側の基端及び管本体部中心軸を結ぶ直線とのなす角度が、60度以下となる位置であってよい。
制流リブの張出しの程度は、平面視において、張出し面の管本体部内壁側の基端及び管本体部中心軸を結ぶ直線と、制流面の管本体部内壁側の基端及び管本体部中心軸を結ぶ直線とのなす角度が、10度以上90度以下となる程度であってよい。
さらに、制流リブの有無に関係なく、一方の排水導入口を一方の継手管部開口端の径方向に垂直な方向に投影した場合に、一方の排水導入口の投影が他方の排水導入口に重ならないように、一対の排水導入口が配置されてよい。
制流リブを設ける態様においては、一方の排水導入口を一方の継手管部の開口端の径方向に垂直な方向に投影した場合に、一方の排水導入口の投影が他方の排水導入口に一部重なるように、一対の排水導入口を形成してもよい。
さらに、排水導入口をこのような位置関係にすることによって、パイプシャフトに対して配管部品をよりコンパクトに収めることができる。
一対の排水導入口の位置関係を上記(11)のようにしたことに伴い、制流リブの制流面と張出し面との交差稜の角度が鋭角であってよい。
これによって、一方の排水導入口から導入された排水が他方の排水導入口から横枝管に流入するおそれをさらに低減することができる。
さらに、平面視において、交差稜が少なくとも継手管部の開口中心及び中心軸を結ぶ直線まで延出してよい。
これによって、一方の排水導入口から管本体部に流入した排水が、他方の排水導入口から横枝管に侵入することを効果的に回避することができる。
さらに、管本体部の内壁面において、制流リブの上流側に、補助リブがさらに突設されていてよい。補助リブは、一方の排水導入口から他方の排水導入口に向かう排水流を補助的に規制する補助制流面と、管本体部内部へ張出する張出し面との少なくとも一方を有する。
これによって、一方の排水導入口から他方の排水導入口に向かう排水流を、上流側で補助リブによって予め補助的に規制し、その後さらに制流リブで規制するため、一方の排水導入口から管本体部に流入した排水が、他方の排水導入口から横枝管に進入することをより効果的に回避することができる。
補助リブは、平面視において、排水導入口の端縁及び中心軸を結ぶ直線と、補助リブの張出し面の内壁面側の基端及び中心軸を結ぶ直線とのなす角度が、90度以下となるように形成されてよい。
これによって、制流リブと補助リブとをそれぞれ効率よく機能させることができるため、一方の排水導入口から管本体部に流入した排水が、他方の排水導入口から横枝管に進入することをより効果的に回避することができる。
補助リブは、制流面と張出し面とが平面視において対向する断面矩形状であってよい。
これによって、管本体部軸方向上方からの通流との干渉を抑えつつ、制流補助機能を確保することができる。従って、管本体部軸方向上方からの通流との干渉を抑えつつ、一方の排水導入口から管本体部に流入した排水が、他方の排水導入口から横枝管に進入することをより効果的に回避することができる。
他の局面に従う配管システムは、上記一の局面に従う配管部材を含む。
本発明の配管システムにより、横枝管からの排水をまとめて上下方向に配設された排水縦管へ通流させる際に、一方の横枝管から導入された排水が、対向する他方の横枝管へ流入することを防止し、または流入する排水量を大幅に減少させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本実施形態に係る配管部材10を使用する態様について説明を行う。図1は、マンション等の複数の階を有する建築物における配管システムXの一例を示す概念図である。
図1に示すように、配管システムXは、配管部材10、横枝管180、水まわり器具A、及び排水縦管200を含む。
図1の配管システムXは、床スラブ上配管方式の一例であり、マンションの3階分を図示している。例えば、各部屋に、配管部材10、横枝管180、及び水まわり器具Aが配設されている。
従って、水まわり器具Aからの排水は、横枝管180を介して配管部材10に流される。
次に、配管部材10の詳細について説明を行う。図2から図4は、本実施形態に係る配管部材10の一例を示す模式図である。
図2及び図3に示すように、配管部材10は、建築物において排水縦管200(図1参照)に取り付けた状態で上下方向に延在する管状の管本体部120を有する。
また、以下における説明の都合上、中心軸Pの方向に横断面を見ることを平面視と記載する。さらに、配管部材10に排水を流入させる横枝管180が接続される側を上流側、配管部材10内で排水集合の中心となる中心軸Pの側を下流側と記載する。
管本体部120の胴体部121の対向する内壁面には、一対の排水導入口160が開口して設けられている。排水導入口160は、一方の端縁161と他方の端縁162とを有する。一対の排水導入口160は、管本体部120の中心軸Pに対し互いに点対称となるように配設されている。
一対の継手管部140のそれぞれには、排水導入口160とは反対側の端部に、横枝管接続部240が形成される。横枝管接続部240は、図2から図4に示すように、水まわり器具A(図1参照)からの横枝管180が水平方向に接続可能となるように形成される。具体的には、横枝管接続部240は、断面の相違する複数の環状体から主になっており、開口端241及び当接部242,243を有する。当接部242,243は、横枝管180の端部を当接させるように(後述)形成されている。より具体的には、当接部242は継手管部140の内壁141側において、流路300側に向けて突設され、当接部243は傾斜面260側に設けられる。
傾斜面260は、継手管部140の開口端241を直線L2の上流側から下流側の方向へ投影した場合に、当該開口端241の投影を遮るように(図2参照)形成されている。すなわち、傾斜面260は、横枝管180から配管部材10内に流入する排水の方向を変化させるように設けられる。具体的には、図4に示すように、傾斜面260は、上流側が横枝管接続部240に連設され、継手管部140の内壁141の膨出方向と並行に傾斜することにより、下流側端縁が直線L2(横枝管接続部240の中心軸)に達するように延在している。当該下流側端縁には、排水導入口160の一方の端縁161が配設される。さらに、端縁161から、中心軸Pにおいて中心角180度未満となる位置に排水導入口160の他方の端縁162が配設される。端縁162は、排水導入口160が内壁141の膨出方向に沿って形成されるように位置する。これによって、横枝管180から継手管部140に流入した排水は、図4中破線矢印Wで示されるように、傾斜面260に衝突して傾斜方向へ流れの向きが変えられ、さらに継手管部140の内壁141に沿って湾曲した流れを生じつつ、排水導入口160から管本体部120内部へ導入される。
また、図4に示すように、一対の傾斜面260は、平面視において、管本体部120の中心軸Pに対し互いに点対称となる位置に配設されている。
配管部材10の管本体部120の上部接続部130では、排水縦管200(図1参照)の端部が上部支持部131にパッキン等を介する等して当接して支持される。また、排水縦管200の外周と上部接続部130の内周との間にゴムパッキン等を介在させることにより、排水縦管200と上部接続部130とが水密に嵌合されることにより接続される。
配管部材10の管本体部120の横枝管接続部240では、図4に示すように、横枝管180の端部が当接部242,243に当接する。また、横枝管180の外周と横枝管接続部240の内周との間にゴムパッキン等(図示せず)を介在させてフランジ同士をネジ締結することにより横枝管180と横枝管接続部240とが水密に嵌合されることにより接続される。
図5は、第2実施形態に係る配管部材10aの模式的横断面図である。図5は、図4に対応するものであるが、横枝管180及び横枝管接続部240における当接部242,243の記載は省略している。第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点について説明し、同一点については説明を省略する。
図5は、第1実施形態の他の例である配管部材10aの模式的横断面図である。図5に示すように、配管部材10aは、制流リブ280aがさらに設けられたものである。
制流リブ280aは、管本体部120の内壁面において、排水導入口160の端縁161に突設される。また、制流リブ280aは、中心軸Pを中心として上部支持部131(図3参照)の内径よりも外側の領域内に配設される。その結果、当該排水流と、排水縦管200(図1参照)からの排水流との干渉を回避することができる。
制流面281aは、一方の排水導入口160から他方の排水導入口160に向かう排水流を規制するように形成される。より具体的には、制流面281aは、直線L2の近傍において、直線L2に平行となるように設けられる。これにより、制流面281aは、一方の排水導入口160からの排水を衝突させ、中心軸Pの方向へ排水流を切り返すことによって、対向する他方の排水導入口160及びそれに連設された継手管部140を介して横枝管180(図4参照)へ排水が飛び込むことを防止することができる。
図6は、第3実施形態に係る配管部材10bの模式的横断面図である。図6は、図4に対応するものであるが、横枝管180及び横枝管接続部240における当接部242,243の記載は省略している。第3実施形態においては、第2実施形態と異なる点について説明し、同一点については説明を省略する。
以下、図7〜図14を参照し、第2実施形態に係る配管部材10aの他の例について説明する。図7〜図14は、第2実施形態に係る配管部材10aの他の例を示す模式的横断面図である。図7〜図14は、いずれも図4に対応するものであるが、横枝管180及び横枝管接続部240における当接部242,243の記載は省略している。他の例においては、第2実施形態と異なる点について説明し、同一点については説明を省略する。
図7は、第2実施形態の他の例である配管部材10cの模式的横断面図である。図7に示すように、配管部材10cは、制流リブ280cが、排水導入口160の端縁161から張出す位置ではなく、当該端縁161cと点対称にある端縁161cを含む排水導入口160cからの排水流の上流側へ、内壁面に沿って移動させた位置に設けられる。さらに、配管部材10cは、排水導入口160の一方の端縁161から、中心軸Pにおいて中心角180度未満となる位置に他方の端縁162が設けられるのではなく、排水導入口160cの一方の端縁161cから、中心軸Pにおいて中心角約90度となる位置に他方の端縁162cが設けられる。
図8は、第2実施形態の他の例である配管部材10dの模式的横断面図である。図8に示すように、配管部材10dは、制流リブ280dが、排水導入口160の端縁161から張出す位置ではなく、当該端縁161dと点対称にある端縁161dを含む排水導入口160dからの排水流のより上流側へ、内壁面に沿って移動させた位置に設けられる。
図8の例においては、制流リブ280dは、排水導入口160dの端縁161d及び管本体部120の中心軸Pを結ぶ直線と、張出し面282dの管本体内壁側の基端283d及び管本体部120の中心軸Pを結ぶ直線とがなす角度θ1が、60度を超えるように設けられている。
図9は、第2実施形態の他の例である配管部材10eの模式的横断面図である。図9に示すように、配管部材10eは、制流リブ280eが、断面山形状に形成されたものである。
図10は、第2実施形態の他の例である配管部材10fの模式的横断面図である。図10に示すように、配管部材10fは、制流リブ280fの張出し面282fが排水導入口160fの端縁161fから管本体部120の内壁面の周方向に離れた位置に設けられたものである。
図11は、第2実施形態の他の例である配管部材10gの模式的横断面図である。図11に示すように、配管部材10gは、直線L2(横枝管接続部240の中心軸)上に排水導入口160の端縁161が配設されるのではなく、端縁161gと点対称にある端縁161gを含む排水導入口160gからの排水流の上流側へ内壁面に沿って移動させた位置に、端縁161gが配設される。従って、一方の排水導入口160gを直線L2の当該上流側から下流側の方向に投影した場合に、当該一方の排水導入口160gの投影(以下、直線L2方向の投影と記載する。)が他方の排水導入口160gに一部重なる。この結果、配管部材10gは、配管部材10よりも、継手管部140gの膨出量が少なくなるように形成できる。
さらに、継手管部140gの膨出量が少ないため、一方の継手管部140gの最外表面から他方の継手管部140gの最外表面までの距離、すなわち正面視における幅寸法(図2参照)が小さい。従って、パイプシャフト内における配管部材10gの省スペース化が実現される。
図12は、第2実施形態の他の例である配管部材10hの模式的横断面図である。図12が示すように、配管部材10hは、制流リブ280hの、制流面281h及び張出し面282hの交差稜285hがなす角度θ3が直角となるように形成されたものである。
図13は、第2実施形態の他の例である配管部材10iの模式的横断面図である。図13が示すように、配管部材10iは、制流リブ280iの制流面281i及び張出し面282iがなす交差稜285iの部分に、凸部286iがさらに突設されたものである。
図14は、第2実施形態の他の例である配管部材10jの模式的横断面図である。図14が示すように、配管部材10jは、制流リブ280jの制流面281jが湾曲し、さらに、制流リブ280jの先端に鉤状部287jが形成されたものである。
図15は、第2実施形態の他の例である配管部材10kの模式的横断面図である、図15が示すように、配管部材10kは、制流リブ280kと補助リブ290とがさらに形成されたものである。
制流リブ280kは、平面視において、排水導入口160kの端縁161k及び管本体部120の中心軸Pを結ぶ直線と、張出し面282kの管本体内壁側の基端283k及び管本体部120の中心軸Pを結ぶ直線とが、角度θ1をなすように配設されている。図15の例においては、制流リブ280kは、角度θ1が60度以下となるように設けられている。また、張出し面282kの基端283k及び中心軸Pを結ぶ直線と、制流面281kの基端284k及び中心軸Pを結ぶ直線とが、角度θ2をなすように設けられている。図15の例においては、制流リブ280kは、角度θ2が10度以上90度以下となるように設けられている。
補助リブ290は、管本体部120の内壁面において、制流リブ280kの上流に突設される。また、補助リブ290は、一方の排水導入口160kから他方の排水導入口160kに向かう排水流を補助的に規制するような形状で設けられる。図15に示すように、補助リブ290は、補助制流面291及び張出し面292を有し、それら補助制流面291及び張出し面292が平面視において対向する断面矩形状である。
より具体的には、補助制流面291は、直線L2に直角になるように設けられる。これにより、補助制流面291は、一方の排水導入口160kからの排水の少なくとも一部を衝突させ、中心軸Pの方向へ切り返し、又は制流リブ280kの制流面281kへ衝突する排水流を弱め、対向する他方の排水導入口160k及びそれに連設された継手管部140kを介して横枝管180(図4参照)へ排水が飛び込むことを防止することができる。
なお、図15の例において、補助リブ290の補助制流面291は、平面視で直線L2に直角になるように設けられているが、この状態からさらに、排水導入口160kの一方側または他方側に45度以下の角度をなして傾くように設けられてもよい。
また、配管部材10,10a,〜,10kでは、2本の横枝管180が接続されるようになっている。しかしながら、本発明の配管部材においては、横枝管180の接続本数はこれに限られず、継手管部140,140bの数を3本、4本、その他任意の数と増加させて、3本、4本、その他任意の数の横枝管180を接続させてもよい。
さらに、配管部材10bでは、傾斜面260bおよび制流リブ280bの両方が設けられている。しかしながら、本発明の配管部材は、傾斜面260bおよび制流リブ280bのいずれか一方のみが設けられていてもよい。
以下、本発明に係る配管部材及び比較例となる配管部材を用いて実験を実施した。図16(a)〜図16(c)は、実験で用いた配管システムを示す模式図である。
実施例1においては、実施の形態において説明した配管部材10(縦管の呼び径100、横枝管の呼び径100)を用い、図16(a)〜図16(c)それぞれの配管システムa〜cに供した。
なお、配管部材10に流入する排水流の強さは、図16(a)の配管システムa及び図16(b)の配管システムbにおいては同等である。一方、図16(c)の配管システムcにおいては、配管部材10への排水の導入直前に、高さH2の高さだけ排水が落下するため、配管部材10に流入する排水流の強さは図16(a)の配管システムa及び図16(b)の配管システムbに比べて強い。
実施例2においては、配管部材10の代わりに実施の形態において説明した配管部材10f(縦管の呼び径100、横枝管の呼び径100)を用いた。その他の条件については実施例1と同様である。
実施例3においては、配管部材10の代わりに実施の形態において説明した配管部材10a(縦管の呼び径100、横枝管の呼び径75)を用いた。その他の条件については実施例1と同様である。
比較例においては、図17に模式的横断面図としてされる配管部材900を用いた。図17が示すように、配管部材900は、一対の排水導入口960それぞれの開口中心、中心軸P及び一対の開口端941それぞれの中心が、一直線L4上に位置するように配設されている。つまり、一対の排水導入口960の対向方向が、横枝管180R及び横枝管180Lそれぞれの接続方向(図16参照)と平面視において平行に設定されている。
その他の条件については、実施例1と同様である。
本発明に係る配管部材10,10a,〜,10kによって、以下の効果が奏される。
ここで、制流リブ280a,〜,280kが設けられていない場合は、対向する横枝管180付近に回り込んだ排水が跳ね上がるとともに、跳ね上がった排水が後方から継続して流れてくる排水によって当該横枝管180内へ押し込まれる。これによって、横枝管180内への排水の飛び込みが発生する。
また、補助リブ290は、平面視において、排水導入口160kの端縁161k及び中心軸Pを結ぶ直線と、補助リブ290の張出し面292の内壁面側の基端293及び中心軸Pを結ぶ直線とのなす角度が、90度以下となるように形成されているため、制流リブ280kと補助リブ290とそれぞれを効率よく機能させることができ、一方の排水導入口160kから管本体部120に流入した排水が、他方の排水導入口160kから横枝管180に進入することをより効果的に回避することができる。
さらに、補助リブ290は、制流面291と張出し面292とが平面視において対向する断面矩形状であるため、管本体部軸方向上方からの通流との干渉を抑えつつ、一方の排水導入口160kから管本体部120に流入した排水が、他方の排水導入口160kから横枝管180に進入することをより効果的に回避することができる。
本発明において配管部材10,10a,〜,10kが「配管部材」に相当し、管本体部120が「管本体部」に相当し、継手管部140,140b,〜140kが「継手管部」に相当し、排水導入口160,160b,〜,160kが「排水導入口」に相当し、端縁161,161b,〜,161k,162,162b,〜,162kが「排水導入口の端縁」に相当し、横枝管180が「横枝管」に相当し、排水縦管200が「排水縦管」に相当し、横枝管接続部240が「横枝管接続部」に相当し、開口端241,241bが「継手管部の開口端」に相当し、傾斜面260,260bが「傾斜面」に相当し、制流リブ280a,〜,280kが「制流リブ」に相当し、制流面281a,〜,281kが「制流面」に相当し、張出し面282a,〜,282kが「張出し面」に相当し、基端283c,〜,283kが「張出し面の前記内壁側の基端」に相当し、基端284e,〜,284kが「制流面の内壁側の基端」に相当し、交差稜285e,〜,285h,285kが「交差稜」に相当し、補助リブ290が「補助リブ」に相当し、補助制流面291が「補助制流面」に相当し、張出し面292が「張出し面」に相当し、基端293が「張出し面の前記内壁面側の基端」に相当し、直線L1が「一対の排水導入口の開口中心同士を結ぶ直線」に相当し、直線L2が「継手管部の開口端の径方向に垂直な直線」に相当し、中心軸Pが「管本体部の中心軸」に相当し、配管システムXが「配管システム」に相当する。
120 管本体部
140,140b,〜140k 継手管部
160,160b,〜,160k 排水導入口
161,161b,〜,161k,162,162b,〜,162k 排水導入口端縁
180,180L,180R 横枝管
200 排水縦管
220 旋回羽根
240,240L,240R 横枝管接続部
241,241b 開口端
260,260b 傾斜面
280a,〜,280k 制流リブ
281a,〜,281k 制流面
282a,〜,282k 張出し面
283b,〜,283k 面基端
284e,〜,284k 制流面基端
285e,〜,285h,285k 交差稜
290 補助リブ
291 補助制流面
292 張出し面
293 基端
300 流路
A 水まわり器具
P 管本体部中心軸
W 排水
X 配管システム
Claims (16)
- 上下方向に配設された排水縦管に接続される配管部材であって、
前記上下方向に延在する管本体部と、
前記管本体部の対向する内壁面それぞれに開口する一対の排水導入口と、
前記一対の排水導入口の一方に連通する一方の継手管部及び他方に連通する他方の継手管部からなる一対の継手管部と、
前記一方の継手管部の開口端に設けられた一方の横枝管接続部及び前記他方の継手管部の開口端に設けられた他方の横枝管接続部と、
前記管本体部の内壁面に突設され、かつ前記一方の排水導入口から前記他方の排水導入口に向かう排水流を規制する制流面及び前記管本体部内部へ張出する張出し面の少なくとも一方を有する制流リブと、を含み、
前記一方の継手管部の開口端と前記他方の継手管部の開口端とを通る水平断面上に、前記一方の継手管部の水平方向全体と前記他方の継手管部の水平方向全体との両方が存在し、
前記管本体部の中心軸の方向から見た平面視において、
前記一対の排水導入口は、前記中心軸に対し互いに点対称となるように位置し、
前記一対の継手管部それぞれの開口端の径方向に垂直な直線の方向は互いに平行であり、前記一方の継手管部の開口端中心及び前記他方の継手管部の開口端中心を結ぶ直線と、前記開口端の径方向に垂直な直線とが、前記平面視において一直線となるように、前記一対の継手管部が配置され、
前記一対の排水導入口の開口中心同士を結ぶ直線が、前記一方の継手管部の開口端の径方向に垂直な直線と前記他方の継手管部の開口端の径方向に垂直な直線とのいずれにも交差するように、前記一対の排水導入口及び前記一対の継手管部が設けられ、かつ、
前記制流リブが、少なくとも前記継手管部の前記開口端中心及び前記中心軸を結ぶ直線まで延出している、配管部材。 - 上下方向に配設された排水縦管に接続される配管部材であって、
前記上下方向に延在する管本体部と、
前記管本体部の対向する内壁面それぞれに開口する一対の排水導入口と、
前記一対の排水導入口の一方に連通する一方の継手管部及び他方に連通する他方の継手管部からなる一対の継手管部と、
前記一方の継手管部の開口端に設けられた一方の横枝管接続部及び前記他方の継手管部の開口端に設けられた他方の横枝管接続部と、
前記管本体部の内壁面に突設され、かつ前記一方の排水導入口から前記他方の排水導入口に向かう排水流を規制する制流面及び前記管本体部内部へ張出する張出し面の少なくとも一方を有する制流リブと、
前記管本体部の内壁面の前記制流リブの上流側に突設され、かつ前記一方の排水導入口から前記他方の排水導入口に向かう排水流を補助的に規制する補助制流面及び前記管本体部内部へ張出する張出し面の少なくとも一方を有する補助リブと、を含み、
前記管本体部の中心軸の方向から見た平面視において、前記一対の排水導入口の開口中心同士を結ぶ直線が、前記一方の継手管部の開口端の径方向に垂直な直線と前記他方の継手管部の開口端の径方向に垂直な直線とのいずれにも交差するように、前記一対の排水導入口及び前記一対の継手管部が設けられている、配管部材。 - 前記一対の排水導入口は、前記平面視において、前記中心軸に対し互いに点対称となるように位置しており、
前記一対の継手管部それぞれの開口端の径方向に垂直な直線の方向は互いに平行である、請求項2に記載の配管部材。 - 前記一方の継手管部の開口端中心及び前記他方の継手管部の開口端中心を結ぶ直線と、前記開口端の径方向に垂直な直線とが、前記平面視において一直線となるように、前記一対の継手管部が配置されている、請求項3に記載の配管部材。
- 前記一対の継手管部それぞれの内壁は、前記継手管部の開口端を前記開口端の径方向に垂直な方向へ投影した場合に前記開口端の投影を遮るように設けられた傾斜面を有し、
前記一対の傾斜面は、前記平面視において、前記管本体部の中心軸に対して互いに点対称となるように位置している、請求項1、3および4のいずれか1項に記載の配管部材。 - 前記制流リブは、前記制流面と前記張出し面とが前記平面視において対向する断面矩形状である、請求項1から5のいずれか1項に記載の配管部材。
- 前記制流リブは、前記制流面と前記張出し面とが前記平面視において非平行の断面山形状である、請求項1から5のいずれか1項に記載の配管部材。
- 前記平面視において、前記排水導入口の端縁及び前記中心軸を結ぶ直線と、前記張出し面の前記内壁側の基端及び前記中心軸を結ぶ直線とのなす角度が、60度以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載の配管部材。
- 前記平面視において、前記張出し面の前記内壁側の基端及び前記中心軸を結ぶ直線と、前記制流面の前記内壁側の基端及び前記中心軸を結ぶ直線とのなす角度が、10度以上90度以下である、請求項7又は8に記載の配管部材。
- 前記一方の排水導入口を前記一方の継手管部の開口端の径方向に垂直な方向に投影した場合、前記一方の排水導入口の投影が前記他方の排水導入口に重ならないように、前記一対の排水導入口が配置されている、請求項1から9のいずれか1項に記載の配管部材。
- 前記一方の排水導入口を前記一方の継手管部の開口端の径方向に垂直な方向に投影した場合、前記一方の排水導入口の投影が前記他方の排水導入口に一部重なるように、前記一対の排水導入口が形成されている、請求項7から9のいずれか1項に記載の配管部材。
- 前記制流リブの前記制流面と前記張出し面とが前記平面視において非平行の断面山形状である場合、
前記制流リブの前記制流面と前記張出し面との交差稜の角度が鋭角である、請求項11に記載の配管部材。 - 前記平面視において、前記交差稜が、少なくとも、前記継手管部の前記開口端中心及び前記中心軸を結ぶ直線まで延出している、請求項12に記載の配管部材。
- 前記管本体部の内壁面の前記制流リブの上流側に突設され、かつ前記一方の排水導入口から前記他方の排水導入口に向かう排水流を補助的に規制する補助制流面及び前記管本体部内部へ張出する張出し面の少なくとも一方を有する補助リブを含む場合、
前記平面視において、前記排水導入口の端縁及び前記中心軸を結ぶ直線と、前記補助リブの前記張出し面の前記内壁面側の基端及び前記中心軸を結ぶ直線とのなす角度が、90度以下である、請求項2から13のいずれか1項に記載の配管部材。 - 前記管本体部の内壁面の前記制流リブの上流側に突設され、かつ前記一方の排水導入口から前記他方の排水導入口に向かう排水流を補助的に規制する補助制流面及び前記管本体部内部へ張出する張出し面の少なくとも一方を有する補助リブを含む場合、
前記補助リブは、前記制流面と前記張出し面とが前記平面視において対向する断面矩形状である、請求項2から14のいずれか1項に記載の配管部材。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の配管部材を含む、建築物の配管システム。
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