JP5971526B2 - 車両用ドアトリムの係止構造 - Google Patents

車両用ドアトリムの係止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5971526B2
JP5971526B2 JP2013082982A JP2013082982A JP5971526B2 JP 5971526 B2 JP5971526 B2 JP 5971526B2 JP 2013082982 A JP2013082982 A JP 2013082982A JP 2013082982 A JP2013082982 A JP 2013082982A JP 5971526 B2 JP5971526 B2 JP 5971526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
board
trim
vehicle
locking
vehicle door
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013082982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014205390A (ja
Inventor
誠 檜尾
誠 檜尾
俸基 金
俸基 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2013082982A priority Critical patent/JP5971526B2/ja
Priority to CN201420173601.8U priority patent/CN203753041U/zh
Publication of JP2014205390A publication Critical patent/JP2014205390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5971526B2 publication Critical patent/JP5971526B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両用ドアトリムの係止構造に関する。
従来、車両用ドアパネルに対する車両用ドアトリムの係止構造として、下記特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1に記載のものでは、バックドアトリムの裏面にクリップ座を形成し、このクリップ座に取り付けられたクリップを介してバックドアトリムをドアパネルに係止させる構成となっている。
特開2006−021718号公報
また、一般的に車両用ドアトリムを構成するトリムボードは、その上部が上方に向かうにつれて車室外側に向かう形状をなしており、トリムボードの上端部(車室外側の端部)がドアパネルの上端部を上方から覆う形で配されている。
このような構成では、トリムボードの上端部がドアパネルの上端部に対して接近して配される。このため、例えば、図7に示すように、トリムボード1の上端部における裏面に係止爪2に形成し、この係止爪2をドアパネルの上端部に対して車室外側から係止させる構成が知られている。また、図7に示すように、係止爪2の下方に、クリップ座3を設け、クリップ座3に取り付けたクリップをドアパネルに係止させる構成も知られている。
このような2つの係止部(係止爪2及びクリップ座3)を設けることで、トリムボード1をドアパネルに対してより確実に固定することができる。具体的には、クリップ座3(ひいてはクリップ)によって、トリムボードの車幅方向の変位を効果的に抑制し、係止爪2によってトリムボード上端部の撓みを効果的に抑制することができる。なお、このような係止爪2は、例えば、スライド型を用いた射出成形によってトリムボード1と一体的に成形される。図7においては、係止爪2を成形するためのスライド型6を2点鎖線で示してある。
ところで、トリムボード1には、これを覆う形で表皮材4が配される。このような表皮材4の端末部は、トリムボード1の上端部において表面側から裏面側に巻き込まれた巻き込み部5とされる。これにより、表皮材4の端末を乗員から隠すことができ、意匠性を高くすることができる。
上述した係止爪2は、トリムボード1の上端に対してより近い位置に形成される。これにより、トリムボード1の上端に近い部分をドアパネルに対して確実に固定することができ、トリムボード1上端部の撓みを効果的に抑えることができる。このため、表皮材4の巻き込み部5を長くすると係止爪2と干渉する虞があり、巻き込み部5の長さを長くすることは難しい。
図7に示す例では、巻き込み部5は、係止爪2の形成箇所(特に基端部2A)よりも車室内側に延ばすことができない。このように、トリムボード1の上端部に係止爪2が形成された構成では、係止爪2によって、表皮材4の巻き込み部5(巻き込み代、図7の符号L1)が制限され、巻き込み部5の長さを十分に確保することが難しい。
また、上述のような係止爪を備えつつ、表皮材の巻き込み代を確保する構成として、例えば、係止爪2の基端部をトリムボード1の上端部から、より遠い位置(図7に示す基端部2Aの位置よりもクリップ座3に近い位置)に形成し(このような基端部を符号2Bで示す)、その基端部2Bからドアパネルの上端まで係止爪を延長する構成が考えられる。基端部2Bをトリムボード1の上端部から、より遠い位置(車室内側)に設定すれば、その分だけ、巻き込み部5を車室内側まで延ばすことができ、巻き込み代を確保することが可能となる。
しかしながら、図7に示すように、係止爪2の下方にクリップ座3が形成されている場合においては、係止爪2の下方にスライド型(係止爪2を成形するための型)を型抜きするためのスペースが必要となる。このため、係止爪2の基端部をクリップ座3側に近づけて形成すると型抜きに必要なスペースが確保できない。このような事情から、係止爪2の基端部2Aをクリップ座3側に近づけて、表皮材の巻き込み代を確保することは難しい。
このように、2つの係止部(例えば、上述した係止爪2及びクリップ座3)を用いてトリムボードをドアパネルに係止させる構成においては、表皮材の巻き込み部の長さを確保することが難しく、その点において改善の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、2つの係止部を備える車両用ドアトリムにおいて、表皮材の巻き込み部の長さを確保することが可能な車両用ドアトリムの係止構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、表皮材を備える車両用ドアトリムを車両用ドアパネルに対して係止させる車両用ドアトリムの係止構造であって、前記車両用ドアトリムを構成するとともに、上部が上方に向かうにつれて車室外側に向かう形状をなすトリムボードと、前記トリムボードの裏面に取り付けられるブラケットと、を備え、前記トリムボードの上端部は、前記車両用ドアパネルの上端部を上方から覆う構成とされ、前記表皮材の端末部は、前記トリムボードの前記上端部の表面側から裏面側に巻き込まれた巻き込み部とされ、前記ブラケットは、前記トリムボードの前記裏面から前記巻き込み部の下方まで延び、前記車両用ドアパネルの前記上端部に対して車室外側から係止する第1係止部と、前記第1係止部よりも下側に配されるとともに前記車両用ドアパネルに向かって突出され、前記車両用ドアパネルに形成された被係止部に対して車室外側から係止する第2係止部と、を備えていることに特徴を有する。
本発明では、巻き込み部の下方まで延び、車両用ドアパネルの上端部に対して車室外側から係止する第1係止部を備えている。これにより、車両用ドアトリムの上端部付近を車両用ドアパネルに対して係止させることができる。
そして、本発明では、2つの係止部(第1係止部及び第2係止部)を備えるブラケットが、トリムボードに取り付けられる構成(トリムボードと別体)となっている。このため、表皮材の端末部(巻き込み部)をトリムボードの裏面側に巻き込んだ後、ブラケットを取り付けることができる。言い換えると、表皮材の端末部を巻き込む段階では、第1係止部はトリムボードに設けられていない。これにより、表皮材の巻き込み部と巻き込み部の下方に配される第1係止部とが干渉する事態が起こらないから、巻き込み部の長さを長くする(確保する)ことができる。
さらに、第1係止部及び第2係止部は、トリムボードと別体で構成されている。このため、第1係止部及び第2係止部をトリムボードと一体的に形成する構成と比べて、成形上の制約(例えば、第1係止部又は第2係止部を成形するためのスライド型の型抜きに必要なスペースを確保することや、スライド型をスライドさせる際にトリムボードとスライド型とが干渉しないような構成にすることなど)が少なく、第1係止部及び第2係止部を成形し易い。これにより、例えば、第1係止部と第2係止部をより近付けて配置することも可能となる。
上記構成において、前記ブラケットは、前記トリムボードの裏面に取り付けられるとともに前記第2係止部が設けられるブラケット本体部を備え、前記第1係止部は、前記ブラケット本体部の上端から前記車両用ドアパネルの前記上端部と前記巻き込み部との間まで延びる延長部と、前記延長部の先端から下方に延び、前記車両用ドアパネルの前記上端部に対して車室外側から係止する下側延設片部と、を備えており、前記延長部の先端には、上方に延び、前記トリムボードの前記上端部を車室外側から覆う上側延設片部が設けられているものとすることができる。
本発明によれば、下側延設片部をドアパネルに係止させることでトリムボードが車室内側に変位する事態を抑制できる。また、トリムボードの上端部を車室外側から覆う上側延設片部を備えている。このため、上側延設片部によってトリムボードの上端部を車室外側から受けることができ、トリムボードの上端部が車室外側に変位する事態を抑制できる。
本発明によれば、2つの係止部を備える車両用ドアトリムにおいて、表皮材の巻き込み部の長さを確保することが可能な車両用ドアトリムの係止構造を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるドアトリムを示す正面図 図1のアッパーボードを示す裏面図 アッパーボード及びブラケットを示す分解斜視図 アッパーボードにブラケットが取り付けられた状態を示す斜視図 アッパーボード及びブラケットを示す断面図(図2のA−A線で切断した図に対応) アッパーボードを示す断面図(図2のB−B線で切断した図に対応) 従来例を示す図
本発明の一実施形態を図1ないし図7によって説明する。図1は、本実施形態のドアトリム10(車両用ドアトリム)を示す正面図である。
ドアトリム10は、トリムボード11を備えている。トリムボード11は、例えば、合成樹脂材料、あるいは合成樹脂材料と天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等を板状に成形することで構成されている。
トリムボード11は、図5に示すようにドアインナパネル15(車両用ドアパネル)と対向配置されている。本実施形態では、トリムボード11は、図1に示すように、例えば、アッパーボード20、ミドルボード13、ロアボード14から分割構成されている。
アッパーボード20は、トリムボード11の上部を構成するものとされる。アッパーボード20には、インサイドハンドル(図示せず)を取り付けるためのインサイドハンドル収容部17が設けられている。また、ロアボード14には、スピーカグリル16が設けられている。
また、本実施形態のドアトリム10は、例えば、車両のリアドアを構成するものである。リアドアを構成するトリムボード11は、トリムボード11の車両後方に配されるホイールハウス(図示せず)を避ける形状とする必要がある。このため、トリムボード11は、図1に示すように、その下端部が車両後方に向かうにつれて上昇する形状をなしている。言い換えると、上下方向におけるトリムボード11の長さは、車両後方に向かうにつれて小さくなっている。
トリムボード11の上部を構成するアッパーボード20は、図5に示すように、上方に向かうにつれて車室外側に向かう形状で湾曲されている。そして、アッパーボード20の上端部21(車室外側の端部)は、ドアインナパネル15の上端部15Dを上方から覆う構成とされる。
なお、本実施形態のドアインナパネル15は、3枚のパネル部材15A,15B,15Cによって構成されている。各パネル部材15A,15B,15Cの上端部は、それぞれ重ね合わされており、互いに接合されることで上端部15Dを構成している。また、ドアインナパネル15を構成するパネル部材の枚数は3枚に限定されず適宜変更可能である。
アッパーボード20は、車両前後方向に長い形状をなしている。アッパーボード20の上端部21は、図1に示すように、車両前後方向に沿って延びる車両前側部分22と、車両後方に向かうにつれて上昇傾斜するように延びる車両後側部分23から構成されている。
また、アッパーボード20の表面には、図5に示すように、表皮材25が貼り付けられている。表皮材25の端末部は、アッパーボード20の上端部21の表面21B側(意匠面側)から裏面21A側に巻き込まれた(折り返された)巻き込み部26(折り返し部)とされる。
また、ドアトリム10の上方には、車両用ドアを構成するディビジョンバー18が配されている。ディビジョンバー18は、車両前側部分22と車両後側部分23の境界部分から上方に延びる形で設けられている。ディビジョンバー18によって車両のウインドウが車両前後方向に区画される構成となっている。
ディビジョンバー18によって区画されるウインドウのうち、車両前側のウインドウを構成するウインドウガラス12A(図6参照)は、ウインドウレギュレータ(不図示)によって上下方向に昇降可能な構成とされる。
これに対して、ディビジョンバー18によって区画されるウインドウのうち、車両後側のウインドウを構成するウインドウガラス12B(図5参照)は、可動しない固定ガラスとされる。
ドアインナパネル15においてウインドウガラス12Aに対応する部分(ディビジョンバー18よりも車両前側の領域)には、図6に示すように、ウェザーストリップ41Aが取り付けられている。
ウェザーストリップ41Aは、アッパーボード20の車両前側部分22に沿って車両前後方向に延びている。ウェザーストリップ41Aは、下方に開口する断面視U字状をなすウェザーストリップ本体部42Aと、ウェザーストリップ本体部42Aに設けられた複数のリップ部43A,45Aを備えている。
ウェザーストリップ本体部42Aは、ドアインナパネル15の上端部に取り付けられている。具体的には、ウェザーストリップ本体部42Aの開口部42Bに、ドアインナパネル15の上端部が嵌合されている。
各リップ部43A,45Aは、ウインドウガラス12A及びアッパーボード20にそれぞれ密着する構成となっている。これにより、ウェザーストリップ41Aによって、ウィンドウガラス12Aとドアインナパネル15の間、及びアッパーボード20とドアインナパネル15の間がシールされる構成となっている。
図2に示すように、アッパーボード20の裏面21Aにおいて、車両前側部分22(言い換えると、ウェザーストリップ41A)に対応する領域(ディビジョンバー18に対して車両前側の領域)には、車室外側に突出するクリップ取付部30が形成されている。なお、クリップ取付部30は、車両前後方向に沿って複数個配列されている。
図6に示すように、クリップ取付部30は略箱状をなし、車室外側の壁部には、車室内外方向に貫通された貫通孔31が形成されている。一方、ウェザーストリップ本体部42Aにおいて貫通孔31と対向する箇所には、車室内側に突出する形状をなす板状クリップ46が取り付けられている。
板状クリップ46は、例えば金属製の弾性部材とされる。板状クリップ46の突出端は、貫通孔31に挿通された後、貫通孔31の孔縁部に対して、車室内側から係止する構成となっている。これにより、板状クリップ46及びウェザーストリップ41Aを介して、アッパーボード20がドアインナパネル15に取り付けられている。
ドアインナパネル15においてウインドウガラス12Bに対応する部分(ディビジョンバー18よりも車両後側の領域)には、図5に示すように、上述したウェザーストリップ41Aとは別部品のウェザーストリップ47Bが取り付けられている。
ウェザーストリップ47Bは、図5に示すように、ドアインナパネル15のうち車室外側のパネル部材15Cに形成された段差部19Cに載置されている。また、ウェザーストリップ47Bは、上方に開口された嵌合凹部49Bを有するウェザーストリップ本体部48Bを備えている。嵌合凹部49Bには、ウインドウガラス12Bの下端部が嵌合されている。
ウェザーストリップ本体部48Bには、複数のリップ部49Dが設けられている。各リップ部49Dは、アッパーボード20及びパネル部材15Cにそれぞれ密着する構成となっている。
なお、上述したウェザーストリップ41Aは、図6に示すように、アッパーボード20の上端部21に対して下方に配されている。これに対して、ウェザーストリップ47Bは、アッパーボード20の上端部21に対して車室外側に配されている。
アッパーボード20の裏面21Aにおいて、車両後端部(ディビジョンバー18よりも車両後側の部分)には、ブラケット60が取り付けられている。アッパーボード20は、ブラケット60を介してドアインナパネル15に対して係止されている。
このように、本実施形態のアッパーボード20は、ディビジョンバー18よりも車両前側の部分では、上述したクリップ取付部30及び板状クリップ46によってドアインナパネル15に係止されており、車両後端部においては、ブラケット60を介してドアインナパネル15に係止されている。つまり、ドアインナパネル15に対するドアトリム10の係止構造は、ディビジョンバー18よりも車両前側の部分と車両後側の部分とでそれぞれ異なる構成となっている。
次に、ブラケット60の構成及びブラケット60を用いたドアトリム10(アッパーボード20)の係止構造50について説明する。ブラケット60は、例えば、合成樹脂製の略板状部材とされる。ブラケット60は、図5に示すように、パネル部材15Aと対向配置されるブラケット本体部61と、アッパーボード20の裏面21Aから巻き込み部26の下方まで延びる係止爪70(第1係止部)を備えている。
ブラケット本体部61には、図3及び図5に示すように、車室内側に突出された形状をなすクリップ座62が形成されている。これに対応して、ドアインナパネル15における車室内側のパネル部材15Aには、車室内側に膨出された膨出部19が形成されている。
クリップ座62の座面部63は、膨出部19と対向配置されている。座面部63には、図5に示すように、クリップ80を保持可能な保持孔63Aが形成されている。
クリップ80は、弾性変形可能な材質で形成されている。クリップ80は、図5に示すように、保持孔63Aに装着される略円筒状をなす軸部81と、膨出部19に貫通形成されたクリップ取付孔19Aに対して挿入される挿入部82と、を有している。
軸部81は、保持孔63Aに挿通可能な構成とされる。軸部81の両端には、座面部63を表裏両側(車室内外方向)から挟む一対の保持片81A,81Bが形成されている。
保持片81A,81Bは、例えば略環状をなし、軸部81が保持孔63Aに挿通された状態では、各保持片81A,81Bが、座面部63における保持孔63Aの孔縁部の表裏各面にそれぞれ係止する構成となっている。これにより、クリップ80は車室内外方向において位置決めされる。
挿入部82は、座面部63からパネル部材15A側(車室外側)に向かって突出されている。挿入部82は、車室外側に向かうにつれて先細りする形状をなしており、クリップ取付孔19Aに対して、縮径変形しつつ車室内側(図5の左側)から挿入可能な構成となっている。クリップ取付孔19Aに対して車室内側から挿入された挿入部82は、クリップ取付孔19Aに貫通された状態で弾性復帰することで、クリップ取付孔19Aの孔縁部19A1(被係止部)に対して車室外側(図5の右側)から係止する構成となっている。なお、クリップ座62及びクリップ80は本発明の「第2係止部」の一例である。
このように、クリップ80が、クリップ座62及びパネル部材15Aの双方に装着されることで、パネル部材15Aに対してアッパーボード20が取り付けられる。なお、クリップ80には、クリップ取付孔19Aと挿入部82との隙間を塞ぐ目的で塞ぎ片83が設けられている。
また、ブラケット本体部61は、アッパーボード20の裏面21Aに取り付けられている。具体的には、ブラケット本体部61においてクリップ座62の周辺には、図3及び図4に示すように、円形状をなすブラケット取付孔64が3箇所に貫通形成されている。ブラケット取付孔64には、図示しないビスが車室外側から取り付けられる。このビスは、アッパーボード20の裏面21Aから突出する円筒状の取付ボス27に固定される。これにより、アッパーボード20の裏面21Aにブラケット60が取り付けられる構成となっている。
また、3つの取付ボス27は、アッパーボード20の裏面21Aのうち、ドアインナパネル15における車室内側の面と対向する面(車室外側の面)に形成されている。つまり、ブラケット本体部61は、アッパーボード20において、鉛直方向に沿って延びる主壁部24(図5参照)に取り付けられている。
なお、3つのブラケット取付孔64は、図2及び図3に示すように、クリップ座62を囲む形で三角形状に配列されている。また、ブラケット本体部61には、方形状をなす位置決め孔65が2箇所に貫通形成されている。
位置決め孔65には、アッパーボード20の裏面21Aから突出された位置決めリブ28が挿通される構成となっている。位置決めリブ28は、平面視十字状をなしており、位置決め孔65に嵌合可能な形状をなしている。各位置決め孔65に各位置決めリブ28を嵌合させることで、アッパーボード20に対してブラケット60を位置決めすることができる。これにより、アッパーボード20にブラケット60を取り付ける際の作業性が良好なものとなる。
係止爪70は、ブラケット本体部61の上端からアッパーボード20の湾曲形状に倣う形で延びる延長部71と、延長部71の先端(車室外側の端部)から下方に延びる下側延設片部72と、を有している。
延長部71は、ドアインナパネル15の上端部15Dと、表皮材25の巻き込み部26の間まで延びている。つまり、延長部71の先端は、上端部15Dの上方及び巻き込み部26の下方に配されている。
下側延設片部72(係止爪70の先端部)は、ドアインナパネル15の上端部15D(より詳しくは、パネル部材15Cの上端部)に対して車室外側から係止する構成とされる。また、上述したクリップ座62及びクリップ80は、係止爪70よりも下側に配されている。
また、下側延設片部72の車室外側の面は、車室外側に向かうにつれて上昇傾斜する傾斜面72Aとされる。これにより、下側延設片部72を車室内側からドアインナパネル15に取り付ける際には、ドアインナパネル15の上端部15D(詳しくはパネル部材15Aの上端部)に傾斜面72Aが当接することで、延長部71が上方に撓み変位する構成となっている。
下側延設片部72が上方へ変位することで、ドアインナパネル15の上端部15Dを乗り越えて車室外側に変位可能となる。そして、下側延設片部72が上端部15Dを通過すると、延長部71が弾性復帰する。この結果、下側延設片部72が上端部15Dに対して車室外側から係止する構成となっている。
また、延長部71の先端(車室外側の端部)には、上方に延びる上側延設片部73が形成されている。上側延設片部73は、アッパーボード20の上端部21(車両後側部分23)を車室外側から覆う構成とされる。より詳しくは、上側延設片部73は、上端部21における車室外側の端面23Aの下部を車室外側から覆う構成とされる。また、本実施形態では、上側延設片部73は、表皮材25との間に、わずかな隙間を空けて配されている。なお、上側延設片部73が表皮材25に対して当接されていてもよい。
このように本実施形態では、アッパーボード20が、2つの係止部(下側延設片部72及びクリップ80)によってドアインナパネル15にそれぞれ係止される構成となっている。これにより、ドアトリム10の上端部付近を確実にドアインナパネル15に係止させることができる。
また、延長部71の上面には、図5に示すように、補強リブ74が形成されている。なお、補強リブ74は、延長部71の上面から上側延設片部73の車室内側の面に亘って設けられている。
また、延長部71の車両前後方向における各端部には、車室外側に立ち上がる補強リブ75がそれぞれ形成されている。このような補強リブ74,75を備えることによって、延長部71の剛性をより高くすることができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、巻き込み部26の下方まで延び、ドアインナパネル15の上端部15Dに対して車室外側から係止する係止爪70を備えている。これにより、ドアトリム10の上端部をドアインナパネル15に対して、係止させることができる。
また、本実施形態では、2つの係止部(係止爪70、及びクリップ80を備えるクリップ座62)を有するブラケット60が、アッパーボード20に取り付けられる構成(アッパーボード20と別体の構成)となっている。このため、表皮材25の端末部(巻き込み部26)をアッパーボード20の裏面21A側に巻き込んだ後、ブラケット60を取り付けることができる。言い換えると、表皮材25の端末部を巻き込む段階では、係止爪70はアッパーボード20に設けられていない。これにより、表皮材25の巻き込み部26と、巻き込み部26の下方に配される係止爪70と、が干渉する事態が起こらない。この結果、係止爪70の配置箇所によって巻き込み部26の長さが制限されることがなく、巻き込み部26の長さを長くする(確保する)ことができる。
さらに、係止爪70及びクリップ座62は、アッパーボード20と別体で構成されている。このため、係止爪70及びクリップ座62をアッパーボード20と一体的に形成する構成と比べて、成形上の制約(成形型の型抜きに必要なスペースの確保など)が少なく、係止爪70及びクリップ座62を成形し易い。
また、本実施形態では、ディビジョンバー18を境界として、2種類のウインドウガラス12A,12Bが設けられている。このため、ディビジョンバー18を境界として形状の異なる2種類のウェザーストリップ41A,47Bが用いられている。
アッパーボード20において、ウェザーストリップ41Aに対向する部分では、ウェザーストリップ41A(ウェザーストリップ本体部42A)に板状クリップ46を取り付けることができる。このため、アッパーボード20にクリップ取付部30を形成し、板状クリップ46とクリップ取付部30とを係止させることで、アッパーボード20をドアインナパネル15に係止させる構成となっている。
しかしながら、アッパーボード20において、ディビジョンバー18よりも車両後側の部分に配されているウェザーストリップ47Bは、板状クリップ46を取り付けることができない。このため、アッパーボード20の車両後端部(ウェザーストリップ47Bと対向する部分)は、ブラケット60を介して、ドアインナパネル15に係止させる構成となっている。
また、本実施形態では、トリムボード11は、図1に示すように、その下端部が車両後方に向かうにつれて上昇する形状をなしており、上下方向におけるトリムボード11の長さは、車両後方に向かうにつれて小さくなっている。
このような構成では、トリムボード11の車両後端部では、上下方向の長さが小さくなる。このため、図7に示すようなクリップ座3と係止爪2をトリムボード11に一体的に成形する構成を採用することは難しい。なぜなら、クリップ座3と係止爪2をトリムボードに一体的に成形する場合には、係止爪2を成形するためのスライド型6の型抜きスペースが必要となり、クリップ座3と係止爪2を接近させて配置することができないためである。つまり、クリップ座3と係止爪2とを上下方向に配列するためには、クリップ座3と係止爪2との距離を大きくする必要があり、そのためには、トリムボード11の上下方向の長さを確保する必要がある。
本実施形態のトリムボード11の車両後端部では、上下方向の長さが小さくなっているから、クリップ座と係止爪を上下方向に接近させて配置する必要がある。このため、スライド型を型抜きするためのスペースを確保することが困難となる。
本実施形態のように、トリムボード11とは別体のブラケット60にクリップ座62(図7のクリップ座3に対応)と、係止爪70(図7の係止爪2に対応)を設ける構成とすれば、アンダーカット部が生じないから、上述したスライド型の型抜きに係るスペースを設ける必要がない。つまり、クリップ座62と係止爪70とをより近付けて配置することができ、上下方向の長さが小さいトリムボード11の車両後端部においても、クリップ座62と係止爪70とを容易に設けることができる。
また、仮に、クリップ座62や係止爪70をトリムボード11と一体的に形成する場合、クリップ座62や係止爪70はアンダーカット部となり、スライド型を用いる必要がある。このため、トリムボード11の裏面の形状によっては、スライド型(クリップ座62又は係止爪70におけるアンダーカット部を成形するための型)をスライドさせた際にトリムボード11と干渉し、スライド型の型抜きが困難となる場合も考えられる。本実施形態では、クリップ座62や係止爪70をトリムボード11とは別体で設けてあるから、アンダーカット部が生じる事態を回避することができ、スライド型を用いる必要がなく好適である。
また、ブラケット60は、アッパーボード20の裏面に取り付けられるとともにクリップ座62及びクリップ80が設けられるブラケット本体部61を備え、さらに、ブラケット本体部61の上端からドアインナパネル15の上端部15Dと巻き込み部26の間まで延びる延長部71と、延長部71の先端から下方に延びる下側延設片部72と、を備えており、延長部71の先端には、上方に延び、アッパーボード20の上端部21を車室外側から覆う上側延設片部73が設けられている。
本実施形態によれば、下側延設片部72をドアインナパネル15に係止させることでアッパーボード20が車室内側に変位する事態を抑制できる。また、アッパーボード20の上端部21を車室外側から覆う上側延設片部73を備えている。このため、上側延設片部73によってアッパーボード20の上端部21を車室外側から受けることができ、アッパーボード20の上端部21が車室外側に変位する事態を抑制できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第1係止部として係止爪70を例示し、第2係止部としてクリップ80及びクリップ座62を例示したが、これに限定されない。第1係止部及び第2係止部は、ドアパネルに係止可能なものであればよい。例えば、第2係止部としてブラケット本体部61から車室外側に突出された係止爪などを例示することができる。
(2)上記実施形態では、トリムボード11が複数のボード材(アッパーボード20、ミドルボード13、ロアボード14)から分割構成されているものを例示したが、これに限定されない。例えば、トリムボード11が一枚のボード材によって構成されていてもよい。
(3)ブラケット60の形状は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。また、ブラケット60をアッパーボード20に取り付けるための取付構造は、取付ボス27及びビスを用いたものに限定されない。例えば、熱カシメや係止爪などを用いた取付構造としてもよい。
10…ドアトリム(車両用ドアトリム)、11…トリムボード、15…ドアインナパネル(車両用ドアパネル)、15D…ドアインナパネルの上端部(車両用ドアパネルの上端部)、19A1…クリップ取付孔の孔縁部(被係止部)、21…トリムボードの上端部、21A…トリムボードの裏面、25…表皮材、26…巻き込み部、50…ドアトリムの係止構造(車両用ドアトリムの係止構造)、60…ブラケット、61…ブラケット本体部、62…クリップ座(第2係止部を構成)、70…係止爪(第1係止部)、71…延長部、72…下側延設片部、73…上側延設片部、80…クリップ(第2係止部を構成)

Claims (2)

  1. 表皮材を備える車両用ドアトリムを車両用ドアパネルに対して係止させる車両用ドアトリムの係止構造であって、
    前記車両用ドアトリムを構成するとともに、上部が上方に向かうにつれて車室外側に向かう形状をなすトリムボードと、
    前記トリムボードの裏面に取り付けられるブラケットと、を備え、
    前記トリムボードの上端部は、前記車両用ドアパネルの上端部を上方から覆う構成とされ、
    前記表皮材の端末部は、前記トリムボードの前記上端部の表面側から裏面側に巻き込まれた巻き込み部とされ、
    前記ブラケットは、
    前記トリムボードの前記裏面から前記巻き込み部の下方まで延び、前記車両用ドアパネルの前記上端部に対して車室外側から係止する第1係止部と、
    前記第1係止部よりも下側に配されるとともに前記車両用ドアパネルに向かって突出され、前記車両用ドアパネルに形成された被係止部に対して車室外側から係止する第2係止部と、を備えている車両用ドアトリムの係止構造。
  2. 前記ブラケットは、
    前記トリムボードの裏面に取り付けられるとともに前記第2係止部が設けられるブラケット本体部を備え、
    前記第1係止部は、
    前記ブラケット本体部の上端から前記車両用ドアパネルの前記上端部と前記巻き込み部との間まで延びる延長部と、
    前記延長部の先端から下方に延び、前記車両用ドアパネルの前記上端部に対して車室外側から係止する下側延設片部と、を備えており、
    前記延長部の先端には、上方に延び、前記トリムボードの前記上端部を車室外側から覆う上側延設片部が設けられている請求項1に記載の車両用ドアトリムの係止構造。
JP2013082982A 2013-04-11 2013-04-11 車両用ドアトリムの係止構造 Active JP5971526B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013082982A JP5971526B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 車両用ドアトリムの係止構造
CN201420173601.8U CN203753041U (zh) 2013-04-11 2014-04-10 车辆用车门内饰件的卡定构造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013082982A JP5971526B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 車両用ドアトリムの係止構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014205390A JP2014205390A (ja) 2014-10-30
JP5971526B2 true JP5971526B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=51248344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013082982A Active JP5971526B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 車両用ドアトリムの係止構造

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5971526B2 (ja)
CN (1) CN203753041U (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6578736B2 (ja) * 2015-05-18 2019-09-25 スズキ株式会社 インストルメントパネルの端部の構造
JP6492370B2 (ja) * 2016-03-15 2019-04-03 本田技研工業株式会社 エアバッグ装置
JP6915435B2 (ja) * 2017-08-03 2021-08-04 トヨタ紡織株式会社 乗物用内装材
DE102017216430A1 (de) * 2017-09-15 2019-03-21 Volkswagen Aktiengesellschaft Bauteilsystem zur Fixierung eines Verkleidungsteils und Kraftfahrzeug
WO2019097707A1 (ja) * 2017-11-20 2019-05-23 河西工業株式会社 自動車用内装部品

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59182425U (ja) * 1983-05-25 1984-12-05 河西工業株式会社 合成樹脂製ドア−ガ−ニツシユ
JP2507837Y2 (ja) * 1989-10-02 1996-08-21 河西工業株式会社 自動車用内装部品
KR100314464B1 (ko) * 1999-12-10 2001-11-15 이계안 자동차의 트림 설치용 클립

Also Published As

Publication number Publication date
CN203753041U (zh) 2014-08-06
JP2014205390A (ja) 2014-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5971526B2 (ja) 車両用ドアトリムの係止構造
JP6512966B2 (ja) モールの取付構造
JP2018176951A (ja) 自動車ドア用グラスラン
JP5994646B2 (ja) 車両の内装部材の取付け構造
JP6437712B2 (ja) 車両用ドアのフレームモール
WO2015152071A1 (ja) 車両用モール
JP2012011881A (ja) 車両用内装部材
JP6579429B2 (ja) 内装部材の合わせ部構造
JP2018090135A (ja) 車体構造
JP2017159718A (ja) 自動車ドア用グラスラン
JP6340624B2 (ja) 車両用サンシェード装置
JP2013116688A (ja) 車両用ドアのベルトモール取付部構造
JP6280708B2 (ja) 車両用内装材
EP3254901B1 (en) Door mirror device
JP4462974B2 (ja) ピラーガーニッシュ組付構造
JP5153467B2 (ja) ウェザストリップの型成形部
JP2014218220A (ja) 車両用ドアトリム
JP6597152B2 (ja) 車両のドア開口部構造
JP6081433B2 (ja) 車両用内装構造
JP2015000695A (ja) 線状部材の保持構造
JP6357868B2 (ja) ベルトラインモールの取り付け部材
JP2018167621A (ja) ドアトリムの取付構造
JP2015231784A (ja) パッケージトレイ及びピラーガーニッシュとパッケージトレイの組付構造
JP2012188073A (ja) 車両用ドア
JP6976832B2 (ja) 見切りシール取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160629

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5971526

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250