JP5971474B2 - 化学強化ガラスの割断方法 - Google Patents

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本発明は、板状の化学強化ガラス、及び板状の化学強化ガラスに形成されたスクライブラインに沿って折割りを行うことで、当該化学強化ガラスを割断する方法に関する。
周知のように、化学強化ガラスは、イオン交換法(化学強化処理)によって表層部が強化されており、その板厚方向における表面側、及び裏面側には、圧縮応力(表面応力)が印加された圧縮応力層が形成される。これにより、通常のガラスと比較して表層部に作用する引張応力に対する破壊強度が大幅に高められている。このような化学強化ガラスは、例えば、近年急速に普及しているスマートフォンや、タブレットPC等におけるディスプレイのカバーガラスとして採用されるに至っている。
ところで、化学強化ガラスは、その表層部に形成された圧縮応力層の存在によって、通常のガラス(非強化ガラス)とは異なり、割断を行うことが非常に困難である。詳述すると、通常のガラスを割断する際には、ホイールカッター等でガラスの表面を押圧してスクライブラインを形成した後、当該スクライブラインの周辺に引張応力を作用させることにより、スクライブラインに沿って割断を行う手法が広く用いられている。しかしながら、この手法を化学強化ガラスの割断に適用した場合には、特許文献1,2に開示されるように、割断の起点となるスクライブライン(メディアンクラック)を、圧縮応力層を突き破った状態に形成する必要が生じる。
WO 2011/116165 A1 WO 2012/009253 A1
このことに起因して、化学強化ガラスを割断する場合には、以下のような問題を生じることがある。すなわち、化学強化ガラスの板厚方向における表面側、及び裏面側に形成される圧縮応力層の間には、圧縮応力(表面応力)の反作用としての引張応力が印加された引張応力層が形成されている。そのため、図6に示すように、化学強化ガラスGの圧縮応力層Aを突き破った状態にスクライブラインSを形成した場合には、スクライブラインSの先端が引張応力層B内に位置することになる。
加えて、スクライブラインSの形成を実行する際、化学強化ガラスGには、スクライブラインSを形成するための荷重が負荷されることから、特に形成の初期段階においては、その形成状態が極めて不安定となる。このため、図7に示すように、引張応力層Bに印加された引張応力によって、スクライブラインS(メディアンクラック)から発生したクラックCが、板厚方向を表面Ga側(スクライブ面側)から裏面Gb側へと横断するように自走したり、図8に示すように、化学強化ガラスGの面方向に沿って自走したりする等して、化学強化ガラスに割れが発生してしまうという問題があった。
上記事情に鑑みなされた本発明は、化学強化ガラスを割断するにあたって、当該化学強化ガラスに割れを生じることなく、スクライブラインの安定した形成を可能とすること、及び、この目的に適した化学強化ガラスを提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、板状の化学強化ガラスに形成されたスクライブラインに沿って折割りを行うことで、該化学強化ガラスを割断する化学強化ガラスの割断方法であって、前記化学強化ガラスに、化学強化された有効部と、該有効部に隣接し、且つその表裏面のうち、少なくとも一方の面における表面応力の大きさが、該有効部における表面応力と比較して小さい非有効部とを設け、前記スクライブラインを、前記非有効部の前記一方の面上に位置する始端から形成し始めると共に、該非有効部から前記有効部へと進入させて形成することに特徴付けられる。
このような方法によれば、スクライブラインを、有効部と比較して表面応力の大きさが小さい非有効部の一方の面上を始端として形成し始めるため、スクライブラインの形成の初期段階(非有効部内での形成段階)において、その形成状態を安定したものとすることができる。そして、この安定した状態の下で、スクライブラインの形成を非有効部から有効部へと連続的に進行させていくことにより、有効部においても、非有効部と同様に安定したスクライブラインの形成が可能となる。すなわち、有効部を始端としてスクライブラインを形成するのではなく、非有効部を始端として有効部に向かってスクライブラインを形成していくものであるため、非有効部から有効部へのスクライブライン形成の乗り移りが円滑に行われることになる。その結果、スクライブラインの形成に不当な力が作用しなくなり、スクライブライン(メディアンクラック)から発生したクラックが化学強化ガラスの板厚方向や、面方向に自走するような事態が可及的に回避され、当該強化ガラスに割れが生じることを防止できる。
上記の方法において、前記非有効部の前記一方の面における表面応力の大きさが、0〜300MPaであることが好ましい。
このようにすれば、実質的に強化されていない状態の非有効部の一方の面上を始端として、スクライブラインを形成し始めることが可能となる。このため、スクライブラインの形成の初期段階において、その形成状態は、通常の板ガラス(非強化ガラス)に対してスクライブラインを形成する場合と略同様となる。その結果、スクライブライン(メディアンクラック)から発生したクラックの自走をより効果的に回避することができ、さらに安定したスクライブラインの形成が可能となる。
上記の方法において、前記有効部における表面応力の大きさと、前記非有効部の前記一方の面における表面応力の大きさとの差が、30MPa以上であることが好ましい。
有効部における表面応力の大きさと、前記非有効部の一方の面における表面応力の大きさとの差が、30MPa以上あれば、上述の作用効果を得るにあたって、より有利となる。
上記の方法において、前記非有効部の前記一方の面は、該非有効部と前記有効部との境界から1mm以上の幅を有していることが好ましい。
化学強化ガラスに対し、ホイールカッター等により、そのエッジ部からスクライブラインを形成し始めると、エッジ部を起点にクラックが進展し、化学強化ガラスが割れてしまう場合がある。そのため、エッジ部から離れた位置をスクライブラインの始端とすることが望ましい。そこで、非有効部における一方の面が、有効部と非有効部との境界から1mm以上の幅を有するようにすれば、エッジ部から離れた位置をスクライブラインの始端とすることが可能となり、化学強化ガラスのエッジ部を起点とした割れを効果的に防止することができる。
上記の方法において、前記非有効部の前記一方の面における表面応力の大きさが、該一方の面へのマスキング、アニール、又はエッチングの実施により調整されていることが好ましい。
非有効部の一方の面に対し、マスキング、アニール、又はエッチングを実施することにより、当該一方の面における表面応力を、有効部における表面応力よりも小さくすることができ、上述のように安定したスクライブラインの形成が可能となる。
上記の方法において、前記化学強化ガラスの板厚が、0.3〜1.8mmであることが好ましい。
化学強化ガラスの板厚が、0.3〜1.8mmの範囲内にあれば、上述の作用効果を得るにあたって、さらに有利となる。
上記の方法において、前記有効部が、矩形形状を有すると共に、前記非有効部の前記一方の面が、前記有効部の外周端となる四辺のうち、連続的に連なった少なくとも二辺に沿って設けられていることが好ましい。
このようにすれば、非有効部の一方の面上を始端として、有効部に対し、当該有効部の外周端(輪郭)となる四辺のうち、縦方向に延びる二辺と平行な一又は複数のスクライブラインと、縦方向と直交する横方向に延びる二辺と平行な一又は複数のスクライブラインとを形成することができる。そのため、これらスクライブラインを形成した化学強化ガラスを割断した場合には、割断後の有効部から、矩形形状を有する複数の化学強化ガラスを得ることが可能となる。
なお、上記のいずれかの方法によって化学強化ガラスを割断した場合、スクライブラインの形成時に、当該スクライブライン(メディアンクラック)から発生したクラックが、化学強化ガラスの板厚方向や、面方向へと自走することを回避できるため、割れのない高品質な化学強化ガラスを得ることが可能となる。
また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る化学強化ガラスは、板状の化学強化ガラスであって、化学強化された有効部と、該有効部に隣接し、且つその表裏面のうち、少なくとも一方の面における表面応力の大きさが、該有効部における表面応力と比較して小さい非有効部とを有することに特徴付けられる。
このような構成とし、非有効部の一方の面上を始端として、スクライブラインを形成し始めると共に、当該スクライブラインを非有効部から有効部へと進入させて形成すれば、上記の化学強化ガラスの切断方法について、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。そのため、この化学強化ガラスを、安定したスクライブラインの形成が可能な化学強化ガラスとすることができる。
以上のように、本発明によれば、化学強化ガラスにスクライブラインを形成する際に、当該スクライブライン(メディアンクラック)から発生したクラックが、板厚方向や面方向に自走するような事態を可及的に回避できるため、安定したスクライブラインの形成が可能となる。また、この目的の達成に適した化学強化ガラスを提供できる。
(a)〜(c)は、本発明の第一実施形態に係る化学強化ガラスの作製方法を示す斜視図である。 (a)は、本発明の第一実施形態に係る化学強化ガラスの割断方法の作用を示す平面図であり、(b)は、縦断側面図である。 (a)は、本発明の第一実施形態に係る化学強化ガラスの割断方法の作用を示す平面図であり、(b)は、縦断側面図である。 (a),(b)は、本発明の第二実施形態に係る化学強化ガラスの作製方法を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る化学強化ガラスの割断方法の作用を示す平面図である。 従来における化学強化ガラスの割断方法を示す側面図である。 従来における化学強化ガラスの割断方法を示す側面図である。 従来における化学強化ガラスの割断方法を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、下記の各実施形態では、板ガラスを硝酸カリウム溶融塩に浸漬することにより、化学強化ガラスを作製した後、当該化学強化ガラスを割断する場合を例に挙げて説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の第一実施形態に係る化学強化ガラスの作製方法を示す斜視図である。この作製方法においては、まず、図1(a)に示すように、化学強化の対象となる一枚の板ガラスG1(日本電気硝子製:CX−01)と、板ガラスG1の表裏面にマスキングを施すための二枚のマスク用ガラスG2(日本電気硝子製:CX−01)とを準備する。なお、これら化学強化の対象となる板ガラスG1と、マスク用ガラスG2との寸法としては、例えば、強化対象の板ガラスG1:200mm×100mm×0.7mm、マスク用ガラスG2:100mm×100mm×0.7mmのものを用いることができる。
次に、図1(b)に示すように、二枚のマスク用ガラスG2で、強化対象の板ガラスG1の長手方向における一端から中央までの部位を挟み込むと共に、当該方向における他端から中央までの強化対象となる部位G1aを露出させた状態として、これらを貼り合わせる。そして、貼り合わせた強化対象の板ガラスG1とマスク用ガラスG2とを、強化液としての400℃の硝酸カリウム溶融塩内に8時間浸漬させる。これにより、化学強化の対象となる部位G1の表裏面に、その厚みが23μmで、且つ600MPaの表面応力が印加された圧縮応力層を形成することができる。
最後に、図1(c)に示すように、二枚のマスク用ガラスG2を板ガラスG1から剥がして取り除く。これにより、板ガラスG1には、化学強化された有効部R(クロスハッチングを施した部位)と、マスク用ガラスG2に覆われていた部位である非有効部Nとが形成される。本実施形態では、板ガラスG1における表裏面の各々において、半分の面積が有効部Rとなり、残りの半分の面積が非有効部Nとなる。すなわち、板ガラスG1の長手方向において、有効部Rと非有効部Nとが、それぞれ100mmずつの幅を有している。なお、この場合、非有効部Nは、化学強化が全く施されていない状態、つまり、その表裏面に化学強化によって印加された表面応力が略0MPaの状態となっている。以上の工程により、化学強化ガラスG1が作製される。このように作製された化学強化ガラスG1に対しては、後述のように、安定したスクライブラインの形成が可能となる。
ここで、上記の作製方法は、化学強化ガラスを作製するための一例に過ぎず、他の方法を採用することもできる。例えば、強化対象となる板ガラスG1へのマスキングには、ガラスの他に、例えば、ステンレス鋼繊維、ステンレス板等の金属、シリコンウエハー等のように、硝酸カリウム溶融塩に反応しないか、或いは、反応しにくいものをマスクとして用いることができる。加えて、化学強化を行うための強化液としては、硝酸カリウム溶融塩の他に、硝酸ナトリウム溶融塩、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとの混合塩等を用いることができる。なお、強化の対象となる板ガラスG1の厚みは、0.3〜1.8mmであることが好ましい。
また、化学強化の対象となる部位G1aの形状は、板ガラスG1へのマスキングを実施する位置を変更することにより、自由に形成することが可能である。ただし、どのような形状に形成する場合であっても、非有効部Nは、有効部Rと非有効部Nとの境界から1mm以上の幅を有していることが好ましい。
さらに、上記の作製方法においては、強化対象の板ガラスG1の表裏面の双方を強化する態様となっているが、表裏面のうち、片面のみを化学強化するようにしてもよい。しかしながら、この場合、片面のみに表面応力が印加されることになり、この表面応力に起因して、板ガラスG1に反りが生じる恐れがある。
加えて、上記の作製方法においては、非有効部Nは、化学強化が殆ど施されていない状態となっているが、有効部Rに印加された表面応力の値に対して、30MPa小さい表面応力の値を上限値(例えば、上記の作製方法の場合においては、有効部Rにおける表面応力の値である600MPaに対して、570MPaが非有効部Nにおける表面応力の上限値となる)として、非有効部Nに化学強化を施してもよい。この場合、一端、強化の対象である板ガラスG1の全面を化学強化した後、その一部にアニールや、エッチングを施すことにより、非有効部Nを形成すると共に、非有効部Nにおける表面応力の値を調整することができる。しかしながら、非有効部Nについては、実質的に化学強化が施されていない状態とすることが好ましいため、非有効部Nにおける表面応力の値は、0〜300MPaの範囲内とすることが適切である。加えて、非有効部Nと有効部Rの表面応力の差は、100MPa以上であることが好ましく、200、300、400MPa以上であることが、さらに好ましい。
以下、化学強化ガラスの割断方法について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記の作製方法で得られた化学強化ガラスG1を、その長手方向と平行に割断する場合を例に挙げて説明する。
図2(a)に示すように、化学強化ガラスG1を割断するための起点となるスクライブラインSを形成するため、化学強化ガラスG1を、その長手方向に延びる切断予定線Xに沿って、非有効部N上の位置Yから有効部R上の位置Zまで、スクライブ形成刃のホイールカッターWで押圧する。なお、位置Yと位置Zとの双方は、化学強化ガラスG1のエッジ部G1eから離間して位置している。そのため、エッジ部G1eからスクライブラインSを形成する場合のように、エッジ部G1eを起点にクラックが進展し、化学強化ガラスG1が割れてしまうような事態を可及的に回避できる。
そして、この化学強化ガラスの割断方法によれば、以下のような作用効果が得られる。すなわち、化学強化ガラスG1に形成されるスクライブラインSの始端Yが、化学強化が施されていない(化学強化によって印加された表面応力の値が、略0MPaである)非有効部N上に位置していることから、スクライブラインSの形成の初期段階(非有効部N内での形成段階)において、その形成状態は、通常の板ガラス(非強化ガラス)に対してスクライブラインを形成する場合と略同様となる。このため、この段階におけるスクライブラインSの形成を安定したものとすることができる。
また、図3(a)に示すように、この安定した状態の下で、スクライブラインSの形成が、非有効部Nから有効部Rへと連続的に進行していく。なお、このとき、化学強化ガラスG1に順次形成されるスクライブラインSは、図3(b)に示すように、表面応力が印加された圧縮応力層Aを突き破った状態で形成される。換言すれば、形成されたスクライブラインSにおいて、化学強化ガラスG1の板厚方向における先端は、引張応力が印加された引張応力層B内に位置している。
そのため、スクライブラインS(メディアンクラック)から発生したクラックが、化学強化ガラスG1の板厚方向や、面方向に自走する恐れが生じる。しかしながら、スクライブラインSの形成が、安定した状態を維持したまま、有効部Rへと連続的に進行していくことにより、この有効部Rにおいても、非有効部Nと同様に安定したスクライブラインSの形成が可能となる。
すなわち、有効部Rを始端YとしてスクライブラインSを形成するのではなく、非有効部Nを始端Yとすると共に、非有効部Nから有効部Rに向かってスクライブラインSを形成していくため、非有効部Nから有効部Rへのスクライブライン形成の乗り移りが円滑に行われる。その結果、スクライブラインSの形成に不当な力が作用しなくなり、上述のような恐れを可及的に排除することができる。
そして、このようにしてスクライブラインSが形成された化学強化ガラスG1を、当該スクライブラインSに沿って折割ることによって割断すれば、上述の作用効果によって、割れのない高品質な化学強化ガラスを得ることが可能となる。
以下、本発明の第二実施形態に係る化学強化ガラスの作製方法、及び、作製された化学強化ガラスを割断する方法について説明する。
図4(a)は、本発明の第二実施形態に係る化学強化ガラスの作製方法を示す斜視図である。この作製方法は、上記の第一実施形態に係る化学強化ガラスの作製方法において、板ガラスG1に対し、マスキングを実施する位置(マスク用ガラスG2を板ガラスG1に貼り付ける位置)を変更したものである。詳述すると、板ガラスG1の矩形形状を形成する四辺のうち、連続的に連なった二辺に沿って、板ガラスG1の外周部に対してマスキングを実施することにより、図4(b)に示すような、矩形形状を有する有効部Rと、有効部Rの外周端となる四辺のうち、連続的に連なった二辺に沿った非有効部Nとを形成することができる。
このような化学強化ガラスG1に対しては、図5に示すように、非有効部Nを始端Yとして、有効部Rに対し、有効部Rの外周端(輪郭)となる四辺のうち、縦方向に延びる二辺と平行なスクライブラインSと、縦方向と直交する横方向に延びる二辺と平行なスクライブラインSとを形成することができる。そのため、これらスクライブラインSを形成した化学強化ガラスG1を割断した場合には、割断後の有効部Rから、矩形形状を有する複数の化学強化ガラスを得ることが可能となる。なお、この場合においても、スクライブラインSの始端Yと終端Zとの双方は、エッジ部G1eから離間して位置させることが好ましい。
ここで、本発明に係る化学強化ガラスの割断方法は、上記の各実施形態で説明した態様に限定されるものではない。例えば、上記の各実施形態において、化学強化が施された有効部は、いずれも矩形形状を有しているが、強化の対象となる板ガラスに対してマスクキングを施す位置、又は、マスクの形状を変更することで、他の形状に形成してもよい。
また、上記の各実施形態においては、有効部内にスクライブラインの終端が位置しているが、非有効部に位置させてもよい。この場合、例えば、上記の第二実施形態に係る化学強化ガラスにおいて、非有効部は、有効部の外周端となる四辺のうち、連続した二辺に沿って設けられているが、四辺全てに沿って非有効部を設ければ、スクライブラインの始端と終端との双方を、非有効部内に位置させることができる。
さらに、スクライブラインは、化学強化ガラスのエッジ部を始端、及び終端として形成してもよい。しかしながら、エッジ部を起点としてクラックが進展し、化学強化ガラスに割れが生じるような事態の発生を防止するため、エッジ部から離間した位置を始端、及び終端とすることが望ましい。加えて、マスク用ガラスとして、強化対象の板ガラスと同一の板ガラスを使用したが、異なった種類の板ガラスを使用してもよい。
G1 化学強化ガラス(強化の対象となる板ガラス)
G1a 強化対象となる部位
G1e エッジ部
R 有効部
N 非有効部
X 切断予定線
S スクライブライン
Y スクライブラインの始端
Z スクライブラインの終端
A 圧縮応力層
B 引張応力層
W ホイールカッター
G2 マスク用ガラス

Claims (6)

  1. 板状の化学強化ガラスに形成されたスクライブラインに沿って折割りを行うことで、該化学強化ガラスを割断する化学強化ガラスの割断方法であって、
    前記化学強化ガラスに、化学強化された有効部と、
    該有効部に隣接し、且つその表裏面のうち、少なくとも一方の面における表面応力の大きさが、該有効部における表面応力と比較して小さい非有効部とを設け、
    前記スクライブラインを、前記非有効部の前記一方の面上に位置する始端から形成し始めると共に、該非有効部から前記有効部へと進入させて形成し、
    前記非有効部の前記一方の面における表面応力の大きさが、該一方の面へのマスキング、アニール、又はエッチングの実施により調整されていることを特徴とする化学強化ガラスの割断方法。
  2. 前記非有効部の前記一方の面における表面応力の大きさが、0〜300MPaであることを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラスの割断方法。
  3. 前記有効部における表面応力の大きさと、前記非有効部の前記一方の面における表面応力の大きさとの差が、30MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化学強化ガラスの割断方法。
  4. 前記非有効部の前記一方の面は、該非有効部と前記有効部との境界から1mm以上の幅を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化学強化ガラスの割断方法。
  5. 前記化学強化ガラスの板厚が、0.3〜1.8mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化学強化ガラスの割断方法。
  6. 前記有効部が、矩形形状を有すると共に、
    前記非有効部の前記一方の面が、前記有効部の外周端となる四辺のうち、連続的に連なった少なくとも二辺に沿って設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化学強化ガラスの割断方法。
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