JP5969344B2 - 油剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン内部の洗浄に使用する際にエンジン洗浄用組成物と混合して使用する油剤組成物に関する。
エンジン内部にスラッジ等の堆積物が形成すると、エンジン機能が低下することが知られている。そのため、種々の添加剤を燃料や潤滑油に添加することにより、堆積物の形成を抑制することが行われている。
例えば、特許文献1は、水を含有する硫酸カルシウムを油中分散する機能を有するオキシカルボン酸類からなるディーゼルエンジン用潤滑油添加剤について開示している。前記添加剤は、スラッジの成分である硫酸カルシウムを潤滑油へ分散させる機能を有し、スラッジの堆積を軽減することができる。また、エンジンの燃焼室を清掃するための装置や組成物も知られている(例えば、特許文献2及び3)。
特開平9−13065号公報 特開平1−301923号公報 特開2003−214268号公報
特許文献1に記載の添加剤は、堆積物の成分である硫酸カルシウムを潤滑油中に分散させることにより、堆積物の形成を抑制するものであって、既に形成されている堆積物を除去する機能を有するものではない。特に、形成された堆積物が固体形状のものである場合、その堆積物を除去することは困難である。
そのため、本発明は、エンジン内部に形成された堆積物を除去するために使用するエンジン洗浄用組成物と相溶性が高く、エンジンの磨耗を防止することができるフラッシングオイルを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、フラッシングオイルの粘度指数を調節することにより、エンジン洗浄用組成物との相溶性が向上し、また、フラッシングオイルにおけるリンの含有量を増加させることにより、エンジンの磨耗を防止することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]
カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
キレート剤;
グリコール系溶媒;及び
ナフテンオイル;
を含むエンジン洗浄用組成物と相溶性であり、
無灰分散剤;
金属清浄剤;
ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
消泡剤;及び
ベースオイル;
を含み、
粘度指数が150以下であり、
リンの含有量が0.09重量%以上である、フラッシングオイル。
[2]
カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
キレート剤;
グリコール系溶媒;及び
ナフテンオイル;
を含むエンジン洗浄用組成物と、[1]に記載のフラッシングオイルとの混合物を含む、エンジン洗浄用配合剤。
[3]
カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
キレート剤;
グリコール系溶媒;及び
ナフテンオイル;
を含むエンジン洗浄用組成物と、[1]に記載のフラッシングオイルとを備える、エンジン洗浄用キット。
[4]
[2]に記載のエンジン洗浄用配合剤をエンジンに注入し、エンジンを運転することを含む、エンジンの洗浄方法。
[5]
カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
キレート剤;
グリコール系溶媒;及び
ナフテンオイル;
を含むエンジン洗浄用組成物を燃焼室に噴霧することを更に含む、[4]に記載のエンジンの洗浄方法。
本発明によれば、エンジン内部に形成された堆積物を効果的に除去することができる。
<分散剤>
本発明に使用する分散剤は、カルボン酸とアミンとを含む。
本明細書において「洗浄」とは、既に形成されている堆積物を除去することを意味する。なお、特許文献1では、堆積物の形成を抑制する効果(すなわち、予防的効果)として「清浄」との用語が使用されているが、本明細書において「洗浄」と「清浄」とは明確に区別される。洗浄剤と清浄剤とは使用する状況、目的、効果等が異なるため、用途において明確に区別することができる。
上記分散剤を含むエンジン洗浄用組成物とフラッシングオイルとを組み合わせて使用することにより、エンジン内部の堆積物を除去することができる。除去する堆積物の種類は特に限定されるものではなく、半固体形状(粘性形状)、固体形状等の堆積物を除去することができる。特に、熱によって固化した有機性の汚れである固体形状の堆積物は従来の方法で除去することが困難であるため、上記分散剤はそのような固体形状の堆積物を除去する用途において好適に使用される。
堆積物の成分についても、硫酸カルシウムを含有するものに限定されるわけではなく、エンジン内部に形成される堆積物であれば広く本発明を適用することができる。
本明細書においてカルボン酸とは、1分子中に1個以上のカルボキシル基を有する化合物を意味する。特に限定するものではないが、脂肪族カルボン酸であることが好ましく、炭素数18〜36の脂肪族カルボン酸であることが特に好ましい。また、1分子中に2個以上(例えば2〜6個)のカルボキシル基を有するポリカルボン酸であることが好ましく、1分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸であることが特に好ましい。これらのカルボン酸は飽和カルボン酸でもよいし、不飽和カルボン酸でもよい。なお、分子中にヒドロキシル基を有していないカルボン酸を使用することもできる。
具体的なカルボン酸としては、ダイマー酸、リシノール酸、クエン酸、メリト酸、グルコン酸、アジピン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、エイコサ二酸、酒石酸、リンゴ酸、フタル酸、マレイン酸、テレフタル酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、サリチル酸等を挙げることができる。カルボン酸は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、アミンは脂肪族アミンであることが好ましい。特に、一般式:NR[式中、RはC〜C18アルキルであり、R及びRはそれぞれ独立して水素又C〜Cアルキルである]で表される脂肪族アミンを使用することが好ましい。RがC〜C18アルキルであり、R及びRが共に水素である脂肪族アミンは洗浄性能において特に優れている。
具体的なアミンとしては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、及びオクタデシルアミン(ステアリルアミン)、並びにこれらの化合物における窒素原子に結合した水素の一方又は両方がメチルで置換されたアミン等を挙げることができる。アミンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記分散剤は溶媒を更に含んでいてもよい。溶媒の種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。特に、有機溶媒を使用することが好ましく、例えば、アロマオイル、キシレン、ミネラルスピリット、イソパラフィン、ヘキサン、ブチルセロソルブ等を挙げることができる。溶媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記分散剤において、アミン価及び酸価を一定の範囲内に調節することにより、洗浄性能を更に向上させることができる。
具体的には、分散剤のアミン価が20〜130mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることがより好ましく、80〜110mgKOH/gであることが特に好ましい。また、酸価は5〜80mgKOH/gであることが好ましく、10〜60mgKOH/gであることがより好ましく、15〜40mgKOH/gであることが特に好ましい。分散剤のアミン価及び酸価は、カルボン酸及びアミン以外の任意成分の存在によって変化し得る。
一方、分散剤に含まれるカルボン酸とアミンとの混合物のアミン価は40〜260mgKOH/gであることが好ましく、100〜240mgKOH/gであることがより好ましく、160〜220mgKOH/gであることが特に好ましい。また、酸価は10〜160mgKOH/gであることが好ましく、20〜120mgKOH/gであることがより好ましく、30〜80mgKOH/gであることが特に好ましい。
アミン価はJIS K7237で規定された方法に従って測定することができる。酸価はJIS K0070で規定された方法に従って測定することができる。
カルボン酸とアミンとの重量比は、1:0.5〜1:4であることが好ましく、1:1〜1:3であることが特に好ましい。
カルボン酸及びアミンは合計して、分散剤中に20〜80重量%含まれていることが好ましく、30〜70重量%含まれていることがより好ましく、40〜60重量%含まれていることが特に好ましい。
<エンジン洗浄用組成物>
本発明に使用するエンジン洗浄用組成物は、分散剤に加えて、キレート剤、グリコール系溶媒、及びナフテンオイルを含む。これらの成分を併用することにより、洗浄性能を発揮することができる。なお、本発明の効果に悪影響を与えない限度において、他の成分を含んでいてもよい。
キレート剤の種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、キレート剤として、アミノカルボン酸塩を使用することができる。アミノカルボン酸塩としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩等を挙げることができる。キレート剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キレート剤は、エンジン洗浄用組成物中に3〜30重量%含まれていることが好ましく、4〜20重量%含まれていることがより好ましく、5〜10重量%含まれていることが特に好ましい。
グリコール系溶媒の種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、グリコール系溶媒として、エチレンオキシド(E.O.)系グリコールエーテル、プロピレンオキシド(P.O.)系グリコールエーテル、ジアルキルグリコールエーテル等を挙げることができる。
E.O.系グリコールエーテルとしては、メチルグリコール(MG)、メチルジグリコール(MDG)、メチルトリグリコール(MTG)、メチルポリグリコール(MPG)、イソプロピルグリコール(iPG)、イソプロピルジグリコール(iPDG)、ブチルグリコール(BG)、ブチルジグリコール(BDG)、ブチルトリグリコール(BTG)、イソブチルグリコール(iBG)、イソブチルジグリコール(iBDG)、ヘキシルグリコール(HeG)、ヘキシルジグリコール(HeDG)、2−エチルヘキシルグリコール(EHG)、2−エチルヘキシルジグリコール(EHDG)、アリルグリコール(AG)、アリルグリコール−H(AG−H)、フェニルグリコール(PhG)、フェニルジグリコール(PhDG)、フェニルグリコール−H(PhG−H)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)等を挙げることができる。
P.O.系グリコールエーテルとしては、メチルプロピレングリコール(MFG)、メチルプロピレンジグリコール(MFDG)、メチルプロピレントリグリコール(MFTG)、プロピルプロピレングリコール(PFG)、プロピルプロピレンジグリコール(PFDG)、ブチルプロピレングリコール(BFG)、ブチルプロピレンジグリコール(BFDG)、ブチルプロピレントリグリコール(BFTG)、フェニルプロピレングリコール(PhFG)、メチルプロピレングリコールアセテート(MFG−AC)等を挙げることができる。
ジアルキルグリコールエーテルとしては、ジメチルグリコール(DMG)、ジメチルジグリコール(DMDG)、ジメチルトリグリコール(DMTG)、メチルエチルジグリコール(MEDG)、ジエチルジグリコール(DEDG)、ジブチルジグリコール(DBDG)、ジメチルプロピレンジグリコール(DMFDG)等を挙げることができる。
また、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)等を挙げることができる。
特に、エンジン洗浄用組成物に配合した際、相溶するグリコール系溶媒を使用することが好ましい。このようなグリコール系溶媒を使用することにより、エンジン洗浄用組成物の洗浄効果を十分に発揮させることができる。
また、沸点が220℃以上、好ましくは250℃以上、特に好ましくは270℃以上のグリコール系溶媒を使用することが好ましい。沸点の上限としては、例えば、400℃、370℃、340℃等を挙げることができる。このようなグリコール系溶媒は高温条件においても蒸発しないため、分散剤及びキレート剤のゲル化を防止することができる。これにより、エンジン洗浄用組成物の洗浄効果を維持することができる。
グリコール系溶媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
グリコール系溶媒は、エンジン洗浄用組成物中に30〜80重量%含まれていることが好ましく、35〜70重量%含まれていることがより好ましく、40〜60重量%含まれていることが特に好ましい。
ナフテンオイルの種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、40℃での動粘度が5〜50mm/s、好ましくは5〜30mm/s、特に好ましくは5〜15mm/sであるナフテンオイルを使用することができる。ナフテンオイルは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ナフテンオイルは、エンジン洗浄用組成物中に10〜50重量%含まれていることが好ましく、15〜40重量%含まれていることがより好ましく、20〜30重量%含まれていることが特に好ましい。
分散剤に含まれるカルボン酸及びアミンは合計して、エンジン洗浄用組成物中に3〜30重量%含まれていることが好ましく、4〜20重量%含まれていることがより好ましく、5〜10重量%含まれていることが特に好ましい。
本発明に使用するエンジン洗浄用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において更なる成分を含んでいてもよい。
<フラッシングオイル>
本発明は、上記エンジン洗浄用組成物と相溶性であるフラッシングオイルに関する。エンジン洗浄用組成物を用いてエンジンを洗浄する場合、エンジンを分解してから洗浄を行う必要がある。しかし、エンジン洗浄用組成物をフラッシングオイルと混合して使用する場合には、混合物をエンジンオイルの代わりにエンジン内部に注入し、一定時間運転することにより、エンジン内部に形成された堆積物を除去することができる。この方法ではエンジンを分解する必要がないため、簡便に堆積物を除去することが可能となる。
フラッシングオイルは、無灰分散剤、金属清浄剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、消泡剤、及びベースオイルを含む。なお、本発明の効果に悪影響を与えない限度において、他の成分を含んでいてもよい。
無灰分散剤の種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、無灰分散剤として、コハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン、コハク酸アミド、共重合系ポリマー等を挙げることができる。無灰分散剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属清浄剤の種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、金属清浄剤として、有機酸のアルカリ土類金属塩等、より具体的には中性又は過塩基性金属(Ba、Ca、Mg)スルホネート、過塩基性金属(Ba、Ca、Mg)フェネート、過塩基性金属(Ca、Mg)サリシレート、ホスホネート等を挙げることができる。金属清浄剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
消泡剤の種類は特に限定されるものではなく、一般的に使用されているものを使用することができる。例えば、消泡剤として、シリコーンオイル、オイルアルコール、セチルアルコール、トリブチルホスフェート、高級アルコール、アルキルエステル、ポリメタクリレート等を挙げることができる。消泡剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ベースオイルの種類は、上記エンジン洗浄用組成物と相溶性であれば特に限定されない。例えば、ベースオイルとして、天然鉱物油、合成油等、より具体的にはパラフィン系炭化水素、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、シクロアルカン類、ジエステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、ポリグリコール、フェニルエーテル、ポリシロキサン、シリケートエステル、ハロカーボン等を挙げることができる。ベースオイルは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のフラッシングオイルは粘度指数が150以下であることが好ましい。より具体的には、0〜150、30〜140、60〜130、90〜120等を挙げることができる。粘度指数はJIS K2283で規定された方法に従って測定することができる。上記の粘度指数を有するフラッシングオイルを使用することによって、エンジン洗浄用組成物との相溶性を更に向上させることができる。
本発明のフラッシングオイルはリンの含有量が0.09重量%以上であることが好ましい。より具体的には、0.09〜1重量%、0.1〜0.5重量%、0.11〜0.2重量%等を挙げることができる。リンの含有量を増やすことにより、エンジンの磨耗を防止することができる。
上記エンジン洗浄用組成物は、上記フラッシングオイルと組み合わせて使用することができる。エンジン洗浄用組成物及びフラッシングオイルは、それぞれが混合された状態にあるエンジン洗浄用配合剤として提供することができる。配合剤の場合、エンジン洗浄用組成物とフラッシングオイルとの体積比は、例えば、5:1〜1:1であることが好ましく、4:1〜2:1であることが特に好ましい。エンジン洗浄用配合剤におけるリンの含有量は、例えば、0.025重量%以上、より具体的には0.025〜0.3重量%、0.03〜0.1重量%等であることが好ましい。
また、エンジン洗浄用組成物及びフラッシングオイルは、それぞれが分離した状態にあるエンジン洗浄用キットとして提供することもできる。消費者は使用直前にキットに備えられたエンジン洗浄用組成物とフラッシングオイルとを適宜混合して使用することができる。キットの場合、エンジン洗浄用組成物とフラッシングオイルとを混合することにより得られるエンジン洗浄用配合剤におけるリンの含有量が、例えば、0.025重量%以上、より具体的には0.025〜0.3重量%、0.03〜0.1重量%等となるように、エンジン洗浄用組成物及びフラッシングオイルが備えられていることが好ましい。
<エンジンの洗浄方法>
上記エンジン洗浄用組成物を使用することにより、エンジン内部の堆積物を除去することができる。また、堆積物は半固体形状の堆積物に限らず、除去が困難な固体形状の堆積物であってもよい。
エンジンの洗浄は、分解して取り出したエンジンにエンジン洗浄用組成物を適用することにより行うことができる。洗浄の方法は特に限定されず、エンジンとエンジン洗浄用組成物とが接触するように行えばよい。例えば、エンジン洗浄用組成物を入れた容器にエンジンを浸漬することにより洗浄することができる。また、高温条件下において洗浄することにより、洗浄効率を高めることができる。例えば、50〜200℃、70〜150℃、90〜120℃で洗浄することが好ましい。
エンジン洗浄用組成物とフラッシングオイルとを混合したエンジン洗浄用配合剤は、エンジンオイルに代えて、エンジン内部に直接注入することができる。そして、一定時間運転することにより、エンジン内部に形成された堆積物を除去することができる。この実施形態では、エンジンを分解して取り出す必要がないため、洗浄操作を著しく簡易化にすることができる。また、エンジンの分解を必要としないため、エンジンの損傷を防止することもできる。更に、洗浄操作が簡便なため、専門的技能を有する者に頼ることなく、一般の消費者が独自に実施することが可能となる。
洗浄のためにエンジンを運転する時間は、堆積物の状態及び量によって異なるが、例えば、1〜10時間、1.5〜7時間、2〜4時間とすることができる。
また、エンジン洗浄用組成物を燃焼室に直接噴霧することにより、燃焼室内に形成された堆積物を除去することもできる。エンジン洗浄用組成物の燃焼室への噴霧を、エンジン洗浄用配合剤のエンジンへの注入と組み合わせて行うことにより、クランクケース及び燃焼室の堆積物を同時に除去することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない
<分散剤の調製>
(1)ラウリルアミン(20重量部)、ダイマー酸(29重量部)、及びアロマオイル(51重量部)を60℃で3時間攪拌して混合した。得られた分散剤(o)のアミン価は56mgKOH/gであり、酸価は59mgKOH/gであった。
(2)上記同様に、分散剤(p)〜(x)を調製した。各分散剤の組成、アミン価、及び酸価は表1に示すとおりである。なお、分散剤(n)は共栄社化学株式会社製のフローレンG−600である。また、ダイマー酸は共役リノール酸の二量体である。
Figure 0005969344
<洗浄試験1>
上記で調製した各分散剤を表2に示す割合で、ナフテンオイル、グリコール系溶媒(HeG)、及びキレート剤と混合し、洗浄用組成物を調製した。なお、キレート剤(b)は中部キレスト株式会社製のMZ−2であり、溶媒の含有量は35重量%である。
Figure 0005969344
堆積物が付着したガソリンエンジンのピストンのオイルリングを洗浄用組成物に浸漬し、100℃で放置した。堆積物が完全に除去されるのに要する時間を測定した。結果を表1において洗浄性能として示す。
また、分散剤の効果を上記の方法により検討した。表3に示すように、分散剤(n)を使用しないと、11時間以上経過してもオイルリングの堆積物は除去されなかった。なお、キレート剤(a)は中部キレスト株式会社製のMZ−8であり、溶媒の含有量は50重量%である。
Figure 0005969344
<洗浄試験2>
堆積物が付着したガソリンエンジンのピストンのオイルリングを洗浄用組成物に浸漬し、100℃で1〜9時間放置した。堆積物の除去を目視で観察した。結果を表4及び5に示す(◎:100%除去;○:50%以上除去;△:50%未満除去;×:全く除去できない)。なお、キレート剤(c)はエチレンジアミン四酢酸、ジブチルアミン、及び溶媒(エチレングリコール)の混合物であり、溶媒の含有量は59重量%である。
分散剤とキレート剤を併用した実施例1〜8は、9時間以内に堆積物の除去能が見られた。一方、分散剤とキレート剤を併用しない比較例1〜2は、9時間経過しても堆積物は除去されなかった。
Figure 0005969344
Figure 0005969344
<洗浄試験3−1>
表6に示す組成を有するフラッシングオイルを調製した。なお、ベースオイル(1)及び(2)はそれぞれ、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のスーパーオイルN22及びスーパーオイルN100である。
Figure 0005969344
実施例1及び6における洗浄用組成物とフラッシングオイルとを3:1の体積比で混合し、洗浄用配合剤を調製した。洗浄用配合剤をエンジンオイルの代わりにエンジンに直接注入し、運転した。エンジン停止後、オイルリングを取り外し、堆積物の除去を目視で確認した。結果を表7に示す(◎:100%除去;○:50%以上除去)。表7に示すように、実施例1及び6では、エンジン運転によって堆積物の除去効果が見られた。
Figure 0005969344
<洗浄試験3−2>
以下の工程に従って燃焼室及びクランクケースの堆積物を除去する:
(1)エンジンを暖機する;
(2)エンジンを停止し、点火プラグを外す;
(3)5ml/気筒の量の洗浄用組成物を噴霧する;
(4)30回クランキングを行う;
(5)5ml/気筒の量の洗浄用組成物を噴霧する;
(6)30回クランキングを行う;
(7)点火プラグを取り付け、1時間放置する;
(8)エンジンオイルを抜き取り、洗浄用配合剤(洗浄用組成物:フラッシングオイル=3:1)をエンジンオイルの代わりにエンジンに注入する;
(9)以下の運転パターンで運転する
[アイドル30分]+([アイドル10秒]+[3000回転レーシング10秒])×4回;
(10)(2)〜(7)を繰り返す;
(11)以下の運転パターンで運転する
[アイドル30分]+([アイドル10秒]+[3000回転レーシング10秒])×8回;
(12)洗浄用配合剤を抜き取り、エンジンオイルに交換する。
<洗浄試験4>
浸漬試験:堆積物が付着したガソリンエンジンのピストンのオイルリングを洗浄用組成物に浸漬し、100℃で1〜9時間放置した。堆積物の除去を目視で観察した。結果を表8に示す(◎:100%除去)。
エンジン実機試験:実施例9〜12並びに比較例3及び4における洗浄用組成物と、表6に示す組成を有するフラッシングオイルとを3:1の体積比で混合し、洗浄用配合剤を調製した。洗浄用配合剤をエンジンオイルの代わりにエンジンに直接注入し、運転した。結果を表8に示す(◎:100%除去;○:50%以上除去)。HeDG(沸点:259℃)又はEHDG(沸点:272℃)を使用した場合には、ゲルは形成されなかった。一方、HeG(沸点:208℃)を使用した場合には、ゲルが形成された。
Figure 0005969344
<洗浄試験5>
表9に示す組成を有するフラッシングオイルを調製した。なお、SM 0W−20及びSM 5W−30はそれぞれ、トヨタ自動車製のトヨタキヤッスルモーターオイルSM 0W−20及びSM 5W−30である。
Figure 0005969344
実施例9における洗浄用組成物をNo.1、実施例10〜12における洗浄用組成物をNo.33、比較例3及び4における洗浄用組成物をNo.31と表記する。
洗浄用組成物とフラッシングオイルとを以下の体積比で混合し、洗浄用配合剤を調製した。洗浄用配合剤をエンジンオイルの代わりにエンジンに直接注入し、運転した。エンジン停止後、オイルリングを取り外し、堆積物の除去を目視で確認した。結果を表10及び11に示す。No.1を75%配合した実施例13に比べ、No.1を50%配合した比較例5は、洗浄効果が低い。また、実施例13〜15に示すように、No.1、No.31及びNo.33は、フラッシングオイルNo.4と均一に相溶するが、比較例6〜11に示すように、SM 0W−20又はSM 5W−30とは相溶しない。
Figure 0005969344
Figure 0005969344

Claims (4)

  1. カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
    キレート剤;
    グリコール系溶媒;及び
    ナフテンオイル;
    を含むエンジン洗浄用組成物と、
    無灰分散剤;
    金属清浄剤;
    ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
    消泡剤;及び
    ベースオイル;
    を含み、
    粘度指数が150以下であり、
    リンの含有量が0.09重量%以上であり、
    該エンジン洗浄用組成物と相溶性であるフラッシングオイルと
    の混合物を含む、エンジン洗浄用配合剤。
  2. カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
    キレート剤;
    グリコール系溶媒;及び
    ナフテンオイル;
    を含むエンジン洗浄用組成物と、
    無灰分散剤;
    金属清浄剤;
    ジアルキルジチオリン酸亜鉛;
    消泡剤;及び
    ベースオイル;
    を含み、
    粘度指数が150以下であり、
    リンの含有量が0.09重量%以上であり、
    該エンジン洗浄用組成物と相溶性であるフラッシングオイルと
    を備える、エンジン洗浄用キット。
  3. 請求項に記載のエンジン洗浄用配合剤をエンジンに注入し、エンジンを運転することを含む、エンジンの洗浄方法。
  4. カルボン酸とアミンとを含む分散剤;
    キレート剤;
    グリコール系溶媒;及び
    ナフテンオイル;
    を含むエンジン洗浄用組成物を燃焼室に噴霧することを更に含む、請求項に記載のエンジンの洗浄方法。
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