JP5968687B2 - 車体フレームの配管配線構造 - Google Patents
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Description
図2、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る車体フレームFの配管配線盤1を説明する。本実施形態に係る配管配線盤1は、トラックや大型バス等の車体フレームFのサイドメンバSに取り付けられる基盤2と、基盤2に配置された複数の流体配管3及び電気配線4から成る配管配線群5と、配管配線群5の流体配管3及び電気配線4を纏めて覆って基盤2に固定する固定被覆剤6とを備えたものであり、車体フレームFとは別個の独立した構造物である。配管配線群5の流体配管3及び電気配線4は、端部3a、4aを除き、固定被覆剤6内に埋設されている。先ず、車体フレームFについて説明する。
図2に示すように、車体フレームFは、車長方向に延出されたサイドメンバSを有する。サイドメンバSは、鉛直に配置されたウェブSWと、ウェブSWの上下から水平方向に延設されたフランジSFとから断面コ字状に成形されており、コ字が向き合うようにして車幅方向に間隔を隔てて配置されている。これらサイドメンバSの間には、クロスメンバCが架け渡されている。クロスメンバCは、鉛直に配置されたウェブCWと、ウェブCWの上下から水平方向に延設されたフランジCFとから断面コ字状に成形されている。ウェブCWの車幅方向端部には、配管配線盤1との干渉を避けるための切欠部CXが形成されており、ウェブCWの中程には軽量化のための孔CYが形成されている。車体フレームFは、主としてサイドメンバS及びクロスメンバCによって構成される。サイドメンバSには、本実施形態に係る配管配線盤1が取り付けられる。配管配線盤1の各構成要素を説明する。
図2、図3に示すように、本実施形態に係る配管配線盤1は、サイドメンバSのウェブSWに装着される基盤2を有する。基盤2は、車体フレームFとは別個の独立したものであり、サイドメンバSの長手方向に沿って形成された長方形状の板体から成る。板体の長辺には、長手方向に間隔を隔てて取付フランジ21が形成され、取付フランジ21には、取付孔22が貫通形成されている。貫通孔22には、ボルト、リベット等の締結具が挿通され、それらがサイドメンバSのウェブSWに貫通形成された取付孔(図示せず)に挿通されて共締めされることで、基盤2がウェブSWに装着される。基盤2の材質には、鋼等の金属の他、ゴム、樹脂等、様々な素材が用いられる。
図2、図3に示すように、基盤2には、複数の流体配管3及び電気配線4から成る配管配線群5が配設されている。流体配管3及び電気配線4は、基盤2の長手方向に沿って並設されている。流体配管3は、金属、ゴム、樹脂等から成り、燃料、ブレーキフルード、エア等の各種流体が流される。一方、電気配線4は、ブレーキランプ用の電流、燃料タンクの残量センサの電流等の各種電流が流される。本実施形態では、流体配管3が二本、電気配線4が四本であるが、夫々、二本以上であれば何本でも構わない。また、本実施形態では、配管配線群5は、流体配管3及び電気配線4から構成されているが、流体配管3のみ又は電気配線4のみから構成されていてもよい。
図2、図3に示すように、流体配管3及び電気配線4は、固定被覆剤6によって端部3a、4aを除いて覆われ、纏めて基盤2に固定されている。固定被覆剤6は、加熱時に溶融するゴム又は樹脂等の弾性剤からなり、加熱されて溶融した状態で、基盤2上に配置された流体配管3、電気配線4の周りに供給され、常温まで冷却されることで固まる。これにより、流体配管3及び電気配線4は、端部3a、4aを除き、固定被覆剤6内に埋設される。流体配管3及び電気配線4は、互いに離間され、基盤2から離間された状態で、固定被覆剤6内に埋設されている。固定被覆剤6の材質は、四季や昼夜の温度変化による配管3、配線4の伸び縮み吸収できる弾力性を有する素材(ゴムや樹脂等)が好ましい。
図2、図3に示すように、流体配管3の端部3a、電気配線4の端部4aには、他の流体配管、電気配線を接続するためのコネクタ3b、4bが設けられている。コネクタ3b、4bは、図2(a)に示すように、配管3、配線4の端部3a、4aに、固定被覆剤6から完全に露出して取り付けられるものに限られず、図3(a)に示すように、配管3、配線4の端部3a、4aに、固定被覆剤6に一部が覆われるように取り付けられてもよい。すなわち、流体配管3、電気配線4の端部3a、4aは、他の流体配管、電気配線を接続するためのコネクタ3b、4bを有し、コネクタ3b、4bは、接続を確保するため少なくとも一部が固定被覆剤6から露出している。
図2、図3に示すように、本実施形態に係る配管配線盤1によれば、流体配管3及び電気配線4が端部3a、4aを除いてゴムや樹脂等から成る固定被覆剤6内に埋め込まれているので、隣接する配管3、配線4同士の間隔を狭くしても、それらの間に介在する固定被覆剤6によってそれらの接触を回避することができる。よって、隣接する配管3、配線4同士が接触して走行時の振動で擦れることによる配管3、配線4の損傷、断線を防止しつつ、配管3、配線4をサイドメンバSに配設するために必要なスペースの省スペース化を推進できる。従って、サイドメンバSの近傍に配設される他の部品との干渉を考慮するに、他の部品の配置の自由度(設計の自由度)が大きくなる。
図4に示すように、予め複数の種類の配管配線盤1を用意しておき、車種に応じてそれらを適宜組み合わせてサイドメンバSに取り付けるようにしてもよい。これにより、様々な車種の流体配管3、電気配線4を誤組付なく、効率よく短時間でサイドメンバSに配設でき、組立作業効率が向上する。また、各配管配線盤1は、途中から配管3、配線4を分岐し、分岐配管3x、分岐配線4xを有していてもよい。分岐配管3x、分岐配線4xの端部には、コネクタ3b、4bが設けられている。第1変形例の基本的な構成、作用効果は、最初の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図5に示すように、中型小型トラックの車体フレームF1においては、サイドメンバS1が上下方向にキックアップ或いはキックダウンしている場合や車幅方向に拡幅、縮幅している場合があるが、それらの場合には、基盤2をそのサイドメンバS1の形状に合わせて上下方向、車幅方向に屈曲させて成形することで対応する。第2変形例の基本的な構成、作用効果は、最初の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図6に示すように、基盤2がサイドメンバSに取り付けられるレインフォースメントであってもよい。この場合、基盤2には、鋼や高張力鋼等のサイドメンバSよりも高い剛性を有する素材が用いられ、走行時に大きな応力が生じるサイドメンバSの部分(例えば上部フランジSFの近傍)に取り付けられるよう、基盤2がL字断面となっている。なお、図6の基盤2に設けられた孔23は、レインフォースメントを兼ねた基盤2をサイドメンバSに取り付けるためのリベット、ボルト用の孔である。第3変形例の基本的な構成、作用効果は、最初の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
2 基盤
3 流体配管
3a 端部
3b コネクタ
4 電気配線
4a 端部
4b コネクタ
5 配管配線群
6 固定被覆剤
F 車体フレーム
S サイドメンバ
C クロスメンバ
Claims (6)
- 車幅方向に間隔が隔てられた一対のサイドメンバを有する車体フレームに、複数の流体配管及び電気配線の少なくとも一方から成る配管配線群を取り付けた車体フレームの配管配線構造であって、
前記サイドメンバが、鉛直に配置されたウェブと、該ウェブの上下から水平方向に延設されたフランジとから断面コ字状に形成され、コ字を向き合うように車幅方向に間隔を隔てて一対配置され、
前記サイドメンバのウェブに、前記コ字の内面に位置して、前記ウェブの長手方向に沿って形成された基盤が装着され、
該基盤に、前記ウェブの長手方向に沿って前記配管配線群が配置されると共に、該配管配線群を前記基盤に固定する固定被覆剤が設けられ、前記配管配線群が端部を除き前記固定被覆剤内に埋設されており、
前記ウェブから車幅方向に沿った前記固定被覆材の先端までの寸法が、前記ウェブから車幅方向に沿った前記フランジの先端までの寸法よりも小さく、前記固定被覆材が前記断面コ字状のサイドメンバの内方に収容されたことを特徴とする車体フレームの配管配線構造。 - 前記配管配線群の流体配管、電気配線が、互いに離間された状態で、前記固定被覆剤内に埋設された請求項1に記載の車体フレームの配管配線構造。
- 前記配管配線群の流体配管、電気配線が、前記基盤から離間された状態で、前記固定被覆剤内に埋設された請求項1又は2に記載の車体フレームの配管配線構造。
- 前記固定被覆剤が、弾性を有するゴム又は樹脂から成る請求項1から3の何れか1項に記載の車体フレームの配管配線構造。
- 前記配管配線群の流体配管、電気配線の端部に、他の流体配管、電気配線を接続するためのコネクタが設けられた請求項1から4の何れか1項に記載の車体フレームの配管配線構造。
- 前記基盤が、前記サイドメンバよりも高い剛性を有する材質からL字断面に形成されており、前記サイドメンバの上部フランジとウェブとを繋ぐ角部の内面に取り付けられ、前記角部における応力を支持するレインフォースメントを兼ねる請求項1から5の何れか1項に記載の車体フレームの配管配線構造。
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