JP5968216B2 - 道路舗装機械における発電機制御装置及びその発電機制御方法 - Google Patents

道路舗装機械における発電機制御装置及びその発電機制御方法 Download PDF

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Description

本発明は道路舗装機械における発電機制御装置及びその発電機制御方法に関するものであり、特に、車両用エンジンにより駆動される油圧ポンプの駆動力で発電機とアクチュエータを駆動する道路舗装機械における発電機制御装置及びその発電機制御方法に関するものである。
従来、アスファルトフィニッシャ等の道路舗装機械では、路面に敷いたアスファルト合材に、加熱したスクリードプレートを押し付けて敷き均すスクリード装置が備えられている。そのスクリードプレートを加熱する手段としては、スクリードプレートをプロパンガスや軽油等を燃料とするバーナによって合材が付着しない最適な温度に加熱する方法、あるいはスクリードプレートの上面にニクロム線等の抵抗線を配設固定し、その端末を電源に接続して発熱させ、スクリードプレートを加熱する電気加熱方法がとられている。
その電気加熱方法では、車両用エンジンにより駆動される油圧ポンプの駆動力で発電機とアクチュエータを駆動する方法が採られている。また、一般に、このような道路舗装機械に搭載される発電装置は、道路舗装機械に搭載されたエンジンの動力取り出し口、すなわちPTO(Power takeoff)からVベルトなどを介して発電機を直接駆動し、エンジンの
回転時に発電機を常時回転させておく方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−252012号公報。
しかしながら、特許文献1に記載の電気加熱方法は、エンジンの回転数に依存しているため、エンジンの回転数が変化し、低速の例えばアイドリング状態のときには、十分な電力を出力できないという問題点があった。
また、スクリードプレートの加熱回路を左右2つに分割し、2つの加熱回路に通電する時間を一定時間毎に切り換えて消費電力を低減させるようにした制御方式も知られている。しかしながら、この制御方式では、スクリードプレート全体を加熱することができないため、施工中にスクリードプレート全体の温度が低下した場合に、左側または右側のスクリードプレートで十分な温度が確保できず、施工面(路面)の仕上がりが均一にならない。このため、舗装品質が低下するという問題点があった。
そこで、車両用エンジンにより駆動される油圧ポンプで生成された作動油を、エンジンの運転状態に応じて発電機を駆動するモータ側に配分して発電を行うことにより、低負荷運転時であっても十分な発電が得られてスクリードプレートを効率良く加熱することができるとともに、高負荷運転時にはエンジンの過負荷を防止することができるようにした道路舗装機械における発電機制御装置及びその発電機制御方法を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、路面に敷いたアスファルト合材に、電気ヒータで加熱したスクリードプレートを押し付けて敷き均すスクリード装置と、車両用エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される作動油で駆動される発電機用可変容量油圧モータ及び各種のアクチュエータと、該発電機用可変容量油圧モータの駆動力で回転し発電する発電機とを備え、前記発電機で発電された電力を前記電気ヒータに供給する道路舗装機械における発電機制御装置において、前記油圧ポンプから吐出された前記作動油の圧力を検知するポンプ圧力センサと、前記油圧ポンプから前記発電機用可変容量油圧モータ側に供給される前記作動油の流量を調整可能な調整弁と、前記発電機と前記電気ヒータとの間に設けられて前記発電機の前記電気ヒータに対する電力を調整する半導体スイッチング素子と、前記スクリードプレートの温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出値に基づいて、予め設定された温度になるように前記半導体スイッチング素子を制御して前記電気ヒータを温度制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記ポンプ圧力センサで検出された前記前記油圧ポンプの圧力に基づいて前記エンジン出力の状態を判定し、前記エンジンが過負荷と判定されると、前記調整弁及び/または前記スイッチング素子を制御し、前記温度制御から前記エンジンの過負荷を抑制するように前記電気ヒータへの電流供給を低減する制御へ変更する道路舗装機械における発電機制御装置を提供する。
この構成によれば、油圧ポンプから吐出された作動油の圧力をポンプ圧力センサで検出し、このポンプ圧力センサからの信号に基づいてエンジン出力の状態をコントローラが判定する。コントローラは、その判定結果に基づき、調整弁を制御して油圧ポンプから発電機用可変容量油圧モータ側に供給される前記作動油の流量及び発電機用可変容量油圧モータの容積を調整する、及び/またはスイッチング素子を制御して電気ヒータへの電力供給を制御することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、上記コントローラは、上記アクチュエータの駆動が休止している準備期間中は上記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を上記発電機用可変容量油圧モータ側に振り分け、前記アクチュエータが駆動され、かつ該アクチュエータの負荷が小さい期間は前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側と前記アクチュエータ側とに振り分け、前記アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ側に振り分けるように制御する、道路舗装機械における発電機制御装置を提供する。
この構成によれば、エンジンの出力限界内において、(1)アクチュエータが休止している施工準備の期間中は油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を発電機用可変容量油圧モータ側に振り分けて発電機をフルに駆動させ、ここで作られた電力を電気ヒータに供給して急速に加熱させる。(2)アクチュエータが駆動され、かつアクチュエータの負荷が小さい期間は油圧ポンプから吐出される作動油を発電機用可変容量油圧モータ側とアクチュエータ側にそれぞれ振り分け、アクチュエータの駆動と電気ヒータの加熱を並行して行う。(3)アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ側に振り分け、アクチュエータだけを駆動させてエンジンが過負荷になるのを防止できる、の3つのモードに自動的に切り換えて運転することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、上記スクリード装置は、上記スクリードプレートの温度を検出する温度センサを有し、上記コントローラは、前記温度センサで検出された前記スクリードプレートの温度が予め決められた設定温度を超えると上記調整弁を介して上記発電機用可変容量油圧モータの駆動を停止するように制御する、道路舗装機械における発電機制御装置を提供する。
この構成によれば、温度センサで検出されたスクリードプレートの温度が予め決められた設定温度を超えたら、設定温度を超えている間は、電気ヒータへの給電の必要も無くなる。したがって、発電機を駆動する必要もないので、発電機用可変容量油圧モータの駆動を停止して無駄なエネルギーの消費を防ぐことができる。
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の構成において、上記半導体スイッチング素子は、ソリッドステートリレーである、道路舗装機械における発電機制御装置を提供する。
この構成によれば、発電機の出力を、ソリッドステートリレーで細かくオン・オフ制御することができる。
請求項5記載の発明は、車両用エンジンで駆動される油圧ポンプから吐出される作動油により発電機用可変容量油圧モータとコンベアを含む各種のアクチュエータを駆動するとともに、該発電機用可変容量油圧モータの駆動力で発電機を回転させ、該発電機で発電された電力によりスクリード装置の電気ヒータを加熱する道路舗装機械における発電機制御方法であって、上記アクチュエータが休止している準備期間中は前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側に振り分け、前記アクチュエータが駆動され、かつ前記アクチュエータの負荷が小さい期間は前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側と前記アクチュエータ用モータ側とに振り分け、前記アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ用モータ側に振り分けるように制御する、道路舗装機械における発電機制御方法を提供する。
この方法によれば、エンジンの出力限界内において、(1)アクチュエータが休止している準備期間中は油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を発電機用可変容量油圧モータ側に振り分けて発電機をフルに駆動させ、ここで作られた電力を電気ヒータに供給してスクリードプレートを急速に加熱させる。(2)アクチュエータが駆動され、かつアクチュエータの負荷が小さい期間は油圧ポンプから吐出される作動油を発電機用可変容量油圧モータ側とアクチュエータ用モータ側に振り分け、アクチュエータの駆動と電気ヒータの加熱を並行して行う。(3)アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ用モータ側に振り分け、アクチュエータだけを安定的に駆動させて、エンジンが過負荷になるのを防止できる、の3つのモードに自動的に切り換えて運転することができる。
請求項1記載の発明は、油圧ポンプから吐出された作動油の吐出圧をポンプ圧力センサで検出し、このポンプ圧力センサからの信号に基づいてコントローラがエンジン出力の状態を判定し、その判定結果に基づき、調整弁を制御して油圧ポンプから発電機用可変容量油圧モータ側に供給される前記作動油の吐出量を調整可能にする、及び/またはスイッチング素子を制御して電気ヒータへの電力供給を制御するので、エンジンの出力限界内において、作動油を自動的にアクチュエータ用モータ側と発電機用可変容量油圧モータ側に効率良く振り分けることができる。また、低負荷運転時には十分な発電を行ってスクリードプレートを効率良く加熱し、高負荷運転時にはエンジンが過負荷状態にならないようにして発電を行うことができるので、無駄なエネルギーの消費を抑え、また騒音を低減できる等の効果が期待できる。
請求項2記載の発明は、アクチュエータが休止している準備期間と、アクチュエータが駆動され、かつアクチュエータの負荷が小さい施工中の期間と、アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えたときの施工中の期間とに分けて、油圧ポンプから吐出される作動油をそれぞれのモータに振り分け、エンジンの出力限界内で油圧ポンプを駆動させて運転するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらにエンジンが過負荷になるのを防止できる効果が期待できる。
請求項3記載の発明は、温度センサで検出されたスクリードプレートの温度が予め決められた設定温度を超えたら、発電機用可変容量油圧モータの駆動を停止するので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、さらに無駄なエネルギーの消費を防ぐことができる効果が期待できる。
請求項4記載の発明は、発電機の電気ヒータに対する電力供給を、ソリッドステートリレーで細かくオン・オフ制御し、エンジンの出力限界内で可能な発電機出力を取り出すことができる。エンジンが過負荷になるのを防止できる効果が期待できる。
請求項5記載の発明は、アクチュエータが休止している施工準備の期間と、アクチュエータが駆動され、かつアクチュエータの負荷が小さい施工中の期間と、アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えたときの施工中の期間とに分けて、油圧ポンプから吐出される作動油をそれぞれに振り分け、エンジンの出力限界内で油圧ポンプを駆動させて運転するので、低負荷運転時には十分な発電を行ってスクリードプレートを効率良く加熱し、高負荷運転時にはエンジンが過負荷状態にならないようにして発電を行うことができる。これにより、無駄なエネルギーの消費を抑え、また騒音を低減できる等の効果が期待できる。
本発明を適用したアスファルトフィニッシャの平面図。 同上アスファルトフィニッシャの側面図。 同上アスファルトフィニッシャに搭載しているパワー系統の回路図。 同上パワー系統の動作説明図。
本発明は、車両用エンジンにより駆動される油圧ポンプで生成された作動油を、エンジンの運転状態に応じて発電機を駆動するモータ側に配分して発電を行うことにより、低負荷運転時であっても十分な発電が得られてスクリードプレートを効率良く加熱することができるとともに、高負荷運転時にはエンジンの過負荷を防止することができるようにした道路舗装機械における発電機制御装置及びその発電機制御方法を提供するという目的を達成するために、車両用エンジンで駆動される油圧ポンプから吐出される作動油により発電機用可変容量油圧モータとコンベアを含む各種のアクチュエータを駆動するとともに、該発電機用可変容量油圧モータの駆動力で発電機を回転させ、該発電機で発電された電力によりスクリード装置の電気ヒータを加熱する道路舗装機械における発電機制御方法であって、上記アクチュエータが休止している準備期間中は前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側に振り分け、前記アクチュエータが駆動され、かつ前記アクチュエータの負荷が小さい期間は前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側と前記アクチュエータ用モータ側とに振り分け、前記アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ用モータ側に振り分けるように制御することにより実現した。
以下、本発明の道路舗装機械における発電制御装置について、好適な実施例をあげて詳細に説明する。
図1及び図2は本発明を適用したアスファルトフィニッシャの一実施例を示し、図1はその平面図、図2はその側面図である。
同図において、アスファルトフィニッシャ1は、前輪2aと後輪2bに支持された車体3と、該車体3のパワーユニット4内に搭載されているエンジン5の動力で走行する自走式の車両(走行車両)6と、該車両6の前部に設けられたアスファルト合材を収容するためのホッパ装置7と、前記車両6の後部に車体3の幅方向(図1で上下方向、図2で紙面に
垂直な方向)に向けて支持されているスクリュ(送出装置)8と、前記ホ
ッパ装置7の底部とスクリュ8との間において前記車体3にその前後方向(図1、図2で左右方向)に沿って設けられているフィーダ装置(コンベア)9と、前端を車両6の前後方向における中央の両側部に回動自在に支持され、後端部をシリンダ10で車体3に上下動可能に支持されているレベリングアーム11と、該レベリングアーム11の後端に支持され、かつ、シリンダ(図示せず)で上下に回動可能となっている車両6の幅方向に伸縮自在のスクリード装置12と、操縦装置14を有する運転席15とを備えている。なお、このアスファルトフィニッシャ1の構成は、従来のアスファルトフィニッシャの構成と基本的に同一になっている。
図3は図1及び図2に示したアスファルトフィニッシャ1に搭載された発電機制御装置を構成しているパワー系統の回路図である。同図において、前記エンジン5の出力軸には、可変容量形の油圧ポンプ16が取り付けられている。
前記油圧ポンプ16は、該エンジン5の動力で駆動される構成になっている。該油圧ポンプ16は、アクチュエータ用モータ17を通ってタンクTに接続された油圧経路50aと、比例形電磁制御弁18と発電機用可変容量油圧モータ19を通ってタンクTに接続された油圧経路50bとを有する油圧管50内に配設されている。
前記アクチュエータ用モータ17は、前記後輪2bと前記スクリュ8と前記フィーダ装置9、及び前記スクリード装置12等のアクチュエータを各々駆動するためのモータ17である。
前記比例形電磁制御弁18は、前記油圧ポンプ16と前記発電機用可変容量油圧モータ19との連通を制御する調整弁であり、前記油圧ポンプ16と前記発電機用可変容量油圧モータ19との連通を遮断するポジション(イ)と、前記油圧ポンプ16と前記発電機用可変容量油圧モータ19とが連通した油系路を形成するポジション(ロ)との間で切り換え可能に形成されている。
前記ソレノイド18aには、発電制御装置を構成しているパワー系統全体を制御するコントローラ20が接続されている。そして、比例形電磁制御弁18は、該ソレノイド18aに通電が行われていないにときは、バネ18bの付勢によりポジション(イ)に保持され、該コントローラ20からの指令信号によりソレノイド18aに電流が流されると、その電流値に基づいてポジション(ロ)側へソレノイド18aと共に切り換えられ、その切り換えにより発電機用可変容量油圧モータ19に供給される圧油(作動油)の流量を変化させて発電機用可変容量油圧モータ19の回転速度を自在に可変制御する。さらに、発電機用可変容量油圧モータ19に供給される圧油(作動油)の流量と容量を制御することで、回転数を所望の設定の回転数に保持することが可能である。
発電機用可変容量油圧モータ19は、前記スクリードプレート12aを加熱する電気ヒータ21に供給する電力を生成するための発電機22を駆動するモータである。該発電機22は、発電機用可変容量油圧モータ19の出力軸に取り付けられており、発電機用可変容量油圧モータ19と発電機22とが一体に回転することにより、発電機22から電力が生成されるようになっている。そして、発電機22の出力側には、ブレーカ23と半導体スイッチング素子であるソリッドステートリレー24(以下、「SSR24」という)を介して、前記電気ヒータ21が接続されている。
なお、図3中の符号25は、例えばエンジンキー(図示せず)の操作に連動する電源スイッチである。また、符号26は油圧管50内の圧力を検出し、その圧力に基づいた信号を前記コントローラ20に出力するポンプ圧力センサ、符号27はスクリードプレート12aの温度を検出し、その温度に基づいた信号を前記コントローラ20に出力する温度センサである。
図4は、発電機制御装置の一動作例を示す。そこで、図3に示したアスファルトフィニッシャにおける発電機制御装置の動作を、次に図4に示す動作例と共に説明する。
なお、ここでの制御は、エンジン5がストールを起こす直前のエンジン出力限界までエンジン5を使用したときに、前記油圧ポンプ16から吐出される作動油の流量を100とした場合に、その100とした流量を発電機用可変容量油圧モータ19とアクチュエータ用モータ17にそれぞれ振り分け、該発電機用可変容量油圧モータ19と該アクチュエータ用モータ17を如何に効率良く動作させることができるかを考慮して、発電機22の駆動を制御するものである。そして、図4では縦軸に油圧ポンプ16により油圧管50内に吐出される作動油の流量、及びその作動油で発電機22が得られる最大電力(発電機出力)の大きさを示し、横軸に経過時間と油圧管50内の圧力をそれぞれ示している。
まず、前記エンジン5が駆動されると、前記コントローラ20の電源スイッチ25がオンされ、コントローラ20による制御が開始される。また、エンジン5の駆動と共に油圧ポンプ16が駆動されると、その油圧ポンプ16から油圧管50内に作動油(圧油)が吐出される。この作動油は、アクチュエータ用モータ17及び発電機用可変容量油圧モータ19をそれぞれ駆動することができる。
そして、コントローラ20は、アクチュエータが駆動される前の施工準備の段階(「工
程A」)では、そのアクチュエータは作動油をさほど必要としないので、比例形電磁制御
弁18のソレノイド18aを制御し、施工準備の期間中はアクチュエータで必要としないほぼ全ての作動油を発電機用可変容量油圧モータ19側に振り分ける。この場合、発電機用可変容量油圧モータ19に作動油を急激に流すと、該発電機用可変容量油圧モータ19がハンチング現象を起こして駆動が不安定になる虞があるので、ソレノイド18aを徐々に制御し、前記比例形制御弁18をポジション(イ)からポジション(ロ)へ徐々に移動させ、駆動開始時に発電機用可変容量油圧モータ19をゆっくりと回転させる。発電機用可変容量油圧モータ19が設定回転数に到達すると、この発電機用可変容量油圧モータ19の駆動により発電機22も一体に回転されて発電を開始し、その電力が電気ヒータ21に供給されて、該電気ヒータ21を加熱する。ここで、発電機22の最大出力を急に電気ヒータ21に供給すると、ハンチングの虞があるため、SSR24にて発電機22の出力供給量を徐々に上げるようにする。これにより、スクリードプレート12aも電気ヒータ21により加熱される。
また、この施工準備の期間中は、アクチュエータで必要としないほぼ全ての作動油が発電機用可変容量油圧モータ19側に振り分けられて該発電機22がフル稼働するので、発電機22で生成される電力も大きく、この大きな電力が電気ヒータ21に供給されて電気ヒータ21を急速に所定の温度まで高めることができる。この電気ヒータ21で温められたスクリードプレート12aの温度は温度センサ26からの信号によりコントローラ20で監視される。
そして、コントローラ20では、スクリードプレート12aの温度が予め設定された温度に到達すると、SSR24を介して電気ヒータ21とソレノイド18aを制御し、発電機22の停止を行い、電気ヒータ21への電力供給を停止する。また、スクリードプレート12aの温度が予め決められた温度よりも下がるとSSR24を介して電気ヒータ21とソレノイド18aを制御し、ヒータ21への電力供給を開始する。この制御はエンジン5が駆動している間行われる。これにより、発電機22を必要な時にだけ駆動させて、スクリードプレート12aの温度を一定温度に保つ。
次に、施工が開始されると、アクチュエータの負荷量は油圧管50内の圧力を検出するポンプ圧力センサ25からの信号によりコントローラ20で監視される。そして、アクチュエータの負荷が小さい期間(「工程B」)は、コントローラ20は、油圧ポンプ16から吐出される作動油を発電機用可変容量油圧モータ19側とアクチュエータ用モータ17側に振り分け、アクチュエータの駆動と電気ヒータ21の加熱を並行して制御する。この場合の作動油の振り分けでは、アクチュエータ用モータ17側への振り分けを優先し、アクチュエータの動作への悪い影響を最小限に留める。一方、発電機22側は、比例形電磁制御弁18のソレノイド18aを制御し、電気ヒータ21の加熱に支障がない程度の作動油を発電機用可変容量油圧モータ19に送り、該発電機22とSSR24の制御を介して電気ヒータ21に電力を供給し、該ヒータ21を加熱して、スクリードプレート12aを温めて予め設定された温度に保つ。
また、施工中、ポンプ圧力センサ25からの信号によりアクチュエータの負荷が高くなり、これがエンジンの出力限界に達したと判定されると、コントローラ20は、油圧ポンプ16から吐出されるほぼ全ての作動油をアクチュエータモータ17側に振り分ける(「
工程C」)。そして、アクチュエータ用モータ17だけを駆動させて、発電機用可変容量油圧モータ19への作動油の供給を停止し、エンジン5が過負荷になるのを防止する。この場合、電気ヒータ21への電流の供給も停止するが、この期間は僅かなものであり、またスクリードプレート12aは既に加熱されているので、この電力停止は路面の敷き均し作業の問題になることはない。また、アクチュエータの負荷が低くなったら、「工程B」に戻って、油圧ポンプ16から吐出される作動油を発電機用可変容量油圧モータ19側とアクチュエータ用モータ17側に振り分けるように制御する。これにより、エンジンが過負荷状態になるのを防止し、無駄なエネルギーの消費を抑え、また騒音を低減することができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
以上説明したように、本発明は道路舗装機械の発電制御以外にも、油圧ショベル等の建設機械の発電機制御装置にも応用できる。
5 エンジン
6 車両(走行車両)
7 ホッパ装置
8 スクリュ
9 バーフィーダー(コンベア)
10 シリンダ
11 レベリングアーム
12 スクリード装置
12a スクリードプレート
13 アスファルト乳剤散布装置
14 操縦装置
15 運転席
16 油圧ポンプ
17 アクチュエータ用モータ
18 比例形電磁制御弁
18a ソレノイド
18b バネ
19 発電機用可変容量油圧モータ
20 コントローラ
21 電気ヒータ
22 発電機
23 ブレーカ
24 ソリッドステートリレー(半導体スイッチング素子)
25 電源スイッチ
25 ポンプ圧力センサ
26 温度センサ
50 油圧管
50a,50b 油圧経路
T タンク

Claims (5)

  1. 路面に敷いたアスファルト合材に、電気ヒータで加熱したスクリードプレートを押し付けて敷き均すスクリード装置と、車両用エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される作動油で駆動される発電機用可変容量油圧モータ及びコンベアを含む各種のアクチュエータと、該発電機用可変容量油圧モータの駆動力で回転し発電する発電機とを備え、前記発電機で発電された電力を前記電気ヒータに供給する道路舗装機械における発電機制御装置において、
    前記油圧ポンプから吐出された前記作動油の圧力を検知するポンプ圧力センサと、
    前記油圧ポンプから前記発電機用可変容量油圧モータ側に供給される前記作動油の流量を調整可能な調整弁と、
    前記発電機と前記電気ヒータとの間に設けられて前記発電機の前記電気ヒータに対する電力を調整する半導体スイッチング素子と、
    前記スクリードプレートの温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサの検出値に基づいて、予め設定された温度になるように前記半導体スイッチング素子を制御して前記電気ヒータを温度制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、前記ポンプ圧力センサで検出された前記油圧ポンプの圧力に基づいて前記エンジン出力の状態を判定し、前記エンジンが過負荷と判定されると、前記調整弁及び/または前記スイッチング素子を制御し、前記温度制御から前記エンジンの過負荷を抑制するように前記電気ヒータへの電流供給を低減する制御へ変更することを特徴とする道路舗装機械における発電機制御装置。
  2. 上記コントローラは、上記アクチュエータの駆動が休止している準備期間中は上記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を上記発電機用可変容量油圧モータ側に振り分け、前記アクチュエータが駆動され、かつ該アクチュエータの負荷が小さい期間は前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側と前記アクチュエータ側とに振り分け、前記アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ側に振り分けるように制御することを特徴とする請求項1記載の道路舗装機械における発電機制御装置。
  3. 上記スクリード装置は、上記スクリードプレートの温度を検出する温度センサを有し、上記コントローラは、前記温度センサで検出された前記スクリードプレートの温度が予め決められた設定温度を超えると上記調整弁を介して上記発電機用可変容量油圧モータの駆動を停止するように制御することを特徴とする請求項1または2記載の道路舗装機械における発電機制御装置。
  4. 上記半導体スイッチング素子は、ソリッドステートリレーであることを特徴とする請求項1,2または3記載の道路舗装機械における発電機制御装置。
  5. 車両用エンジンで駆動される油圧ポンプから吐出される作動油により発電機用可変容量油圧モータとコンベアを含む各種のアクチュエータを駆動するとともに、該発電機用可変容量油圧モータの駆動力で発電機を回転させ、該発電機で発電された電力によりスクリード装置の電気ヒータを加熱する道路舗装機械における発電機制御方法であって、
    上記アクチュエータが休止している準備期間中は前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側に振り分け、前記アクチュエータが駆動され、かつ前記アクチュエータの負荷が小さい期間は前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記発電機用可変容量油圧モータ側と前記アクチュエータ側とに振り分け、前記アクチュエータの負荷が予め決められた設定負荷を超えると前記油圧ポンプから吐出されるほぼ全ての作動油を前記アクチュエータ側に振り分けるように制御することを特徴とする道路舗装機械における発電機制御方法。
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