JP5388950B2 - タックペーバの乳剤加熱装置及びタックペーバの乳剤加熱方法 - Google Patents

タックペーバの乳剤加熱装置及びタックペーバの乳剤加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は、タックペーバの乳剤加熱装置及びタックペーバの乳剤加熱方法に関するものであり、詳しくは、乳剤散布装置を搭載したアスファルトフィニッシャであるタックペーバの乳剤加熱装置及びタックペーバの乳剤加熱方法に関するものである。
一般的に、アスファルトフィニッシャによって道路舗装を行う場合、アスファルト乳剤が乳剤散布装置によって散布されている。このようにアスファルト乳剤を施工面上に散布することにより、アスファルト合材と施工面との間に接着力を持たせている。特には防水層を形成したりする等の効果を呈することもできる。
このような乳剤散布装置がアスファルトフィニッシャに搭載された、いわゆるタックペーバ(乳剤散布装置一体型アスファルトフィニッシャ)が道路舗装に広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
タックペーバを用いた工法では、機体後方に設けられた乳剤散布装置によりアスファルト乳剤を施工面上に散布し、その上にアスファルト合材が供給され、スクリードで敷き均されて一挙に舗装される。
ところで、アスファルト乳剤は、流動性を良好にしたり劣化を防止するために、適切な温度で加熱する必要がある。図8は、従来の乳剤散布装置に用いられている乳剤加熱方式を示す説明図である。即ち、同図に示すように、電気ヒータ31によって乳剤タンク32の周りの油槽筒33内の作動油33aを加熱して熱油にし、該熱油の熱交換エネルギーによって乳剤タンク32内のアスファルト乳剤32aを所望の温度に加熱している。この場合、油槽筒33内の作動油33aを加熱して熱油にするための電気ヒータ31は、発電機35の発生電力を電源としている。即ち、発電機駆動用の油圧モータ34によって発電機35を駆動し、さらに、発電機35で発生した電圧・電流が制御盤36によって制御された後に、電線37を通して所望の電力が電気ヒータ31へ供給される。
また、別の乳剤加熱方式としては、図8に示すような作動油33aの熱油を使わず、油槽筒33を削除して、電気ヒータ31のみによって、直接、乳剤タンク32内のアスファルト乳剤32aを加熱する方式も知られている。しかし、このようにして、電気ヒータ31によって乳剤タンク32内のアスファルト乳剤32aを直接加熱すると、電気ヒータ31の加熱温度が200℃程度と高いために、該電気ヒータ31に近い部分のアスファルト乳剤32aに球状の固まりが生じてしまい、この固まりが乳剤散布装置の散布ノズル(図示せず)を詰まらせて、アスファルト乳剤32aの散布不良を起こす原因となる。
そこで、このような不具合を解消するために、アスファルトフィニッシャに用いられる乳剤タンクを作動油によって間接的に加熱する間接加熱方式の技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術によれば、乳剤散布装置一体型アスファルトフィニッシャの乳剤タンクにおいて、該乳剤タンクの外側に密着して熱油ジャケットを設け、この熱油ジャケットが加熱手段(電気ヒータ)で加熱されることにより、乳剤タンク内のアスファルト乳剤が熱油ジャケット内の熱油によって間接的に加熱・保温されるように構成されている。従って、乳剤タンク内のアスファルト乳剤が異常な高温で加熱されて劣化したり球状の固まりになることを防止することができる。
特開平10−147908号公報 特開2004−100145号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に記載の技術を含めた従来技術では、乳剤タンク内のアスファルト乳剤を加熱するための熱源は電気ヒータであるため、電気ヒータに加えて、該電気ヒータの電源を確保するために発電機駆動用の油圧モータや発電機や制御盤などが必要となる。そのため、乳剤散布装置一体型アスファルトフィニッシャ(タックペーバ)の部品点数が増加して大型化してしまうと共に装置全体がコスト高になってしまう。特に、発電機や発電機駆動用の油圧モータなどは高価であるために、タックペーバの乳剤加熱装置を一段とコストアップさせてしまう要因となる。
そこで、電気ヒータや該電気ヒータに電力を供給するための電源手段を含めた電気的な加熱装置を用いることなくアスファルト乳剤を加熱することができるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、アスファルトフィニッシャに乳剤散布手段を搭載したタックペーバの乳剤加熱装置であって、
前記アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータと、該アクチュエータを通過する作動油の油圧エネルギーを熱エネルギーに変換させるリリーフ弁と、アスファルト乳剤を貯蔵する乳剤タンクの側面及び(又は)底面を覆うように該乳剤タンクに近接して配置された油槽筒とを備え、前記リリーフ弁から前記油槽筒へ供給された作動油が保有する前記熱エネルギーを前記乳剤タンクに貯蔵されたアスファルト乳剤に熱交換させ、該アスファルト乳剤を加熱させるように構成したタックペーバの乳剤加熱装置を提供する。
この構成によれば、アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータを駆動することにより作動油の油圧が上昇する。このアクチュエータの駆動において、アクチュエータに高負荷がかかったとき、作動油の油圧は急上昇する。このため、作動油をリリーフ弁にバイパスさせることによってアクチュエータを通過させず作動油の油圧が所定の圧力以上になるのを防止している。このとき、リリーフ弁を通過する高圧の作動油の油圧エネルギーによって該作動油の温度が急上昇する。この高温となった作動油の熱エネルギーを利用し、油槽筒を介して乳剤タンクに貯蔵されたアスファルト乳剤に熱交換することで、電気的な加熱装置を用いることなく、該アスファルト乳剤を散布に適した所望の温度に加熱することが可能となる。
請求項記載の発明は、前記乳剤タンクに貯蔵されたアスファルト乳剤の温度を検出する第1の温度センサと、該第1の温度センサから受信した温度情報に基づいて各種制御を行うコントローラと、該コントローラからの指令に基づいて前記作動油を流す油圧回路の流路を切り替える第1の三方切替弁とを備え、該第1の三方切替弁は
前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路を前記油槽筒側へ切り替え、前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路を前記油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ切り替える請求項1記載のタックペーバの乳剤加熱装置を提供する。
この構成によれば、乳剤タンク内にはアスファルト乳剤の温度を検出する第1の温度センサが設けられている。そして、コントローラが、第1の温度センサの検出したアスファルト乳剤の温度情報に基づいて第1の三方切替弁の流路を切り替えている。これにより、第1の温度センサが検出したアスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは、コントローラからの指令に基づいて第1の三方切替弁が油圧回路の流路を油槽筒側へ切り替え、作動油の熱エネルギーをアスファルト乳剤に熱交換して、該アスファルト乳剤を加熱することができる。また、第1の温度センサが検出したアスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときは、コントローラからの指令に基づいて油圧回路の流路を、油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ切り替えている。これにより、作動油の熱エネルギーはアスファルト乳剤に熱交換されなくなるので、アスファルト乳剤の温度は目標温度より上昇するおそれはなくなる。
請求項記載の発明は、前記第1の三方切替弁に代えて第1の開閉弁と第2の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を備え、前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは前記コントローラからの指令を基に前記第1の開閉弁を開いて前記第2の開閉弁を閉じることにより前記油圧回路の流路を前記油槽筒側へ切り替え、前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときは前記コントローラからの指令を基に前記第1の開閉弁を閉じて前記第2の開閉弁を開くことにより前記油圧回路の流路を前記油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ切り替える請求項2記載のタックペーバの乳剤加熱装置を提供する。
この構成によれば、第1の三方切替弁に代えて第1の開閉弁と第2の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を備え、アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときはコントローラからの指令を基に第1の開閉弁を開いて第2の開閉弁を閉じることで油圧回路の流路を油槽筒側へ切り替え、作動油の熱エネルギーをアスファルト乳剤に熱交換して該アスファルト乳剤を加熱することができる。また、アスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときはコントローラからの指令を基に第1の開閉弁を閉じて第2の開閉弁を開くことで油圧回路の流路を油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ切り替えることができる。これにより、アスファルト乳剤の温度は目標温度より上昇するおそれはなくなる。
請求項4記載の発明は、前記油圧回路の途中に配置された作動油タンクに貯蔵された前記作動油の温度を検出する第2の温度センサと、該第2の温度センサから受信した温度情報に基づく前記コントローラからの指令に基づいて前記作動油を流す油圧回路の流路を切り替える第2の三方切替弁とを備え、該第2の三方切替弁は前記第2の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より高いときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路をオイルクーラ側へ切り替え、
前記第の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より低いときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路を前記オイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替える請求項2記載のタックペーバの乳剤加熱装置を提供する。
この構成によれば、作動油タンク内には作動油の温度を検出する第2の温度センサが設けられている。そして、コントローラが第2の温度センサの検出した作動油の温度情報に基づいて第2の三方切替弁の流路を切り替えている。これにより、第2の温度センサが検出した作動油の温度が所定値より高いときは、コントローラからの指令に基づいて第2の三方切替弁が油圧回路の流路をオイルクーラ側へ切り替え、作動油を冷却してから作動油タンクへ戻している。これにより、アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータで発生した熱エネルギーによって作動油の温度が異常上昇するおそれはなくなる。また、第2の温度センサが検出した作動油の温度が所定値より低いときは、コントローラからの指令に基づいて油圧回路の流路をオイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替えている。これにより、作動油は冷却されなくなるので該作動油の熱エネルギーを効果的に熱交換してアスファルト乳剤を加熱することができる。
請求項5記載の発明は、前記第2の三方切替弁に代えて第3の開閉弁と第4の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を備え、前記第2の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より高いときは前記コントローラからの指令を基に前記第3の開閉弁を開いて前記第4の開閉弁を閉じることにより前記油圧回路の流路を前記オイルクーラ側へ切り替え、前記第2の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より低いときは前記コントローラからの指令を基に前記第3の開閉弁を閉じて前記第4の開閉弁を開くことにより前記油圧回路の流路を前記オイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替える請求項4記載のタックペーバの乳剤加熱装置を提供する。
この構成によれば、第2の三方切替弁に代えて第3の開閉弁と第4の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を備え、作動油の温度が所定値より高いときはコントローラからの指令を基に第3の開閉弁を開いて第4の開閉弁を閉じることで油圧回路の流路をオイルクーラ側へ切り替え、作動油を冷却してから作動油タンクへ戻している。また、作動油の温度が所定値より低いときは、コントローラからの指令を基に第3の開閉弁を閉じて第4の開閉弁を開くことで油圧回路の流路をオイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替えることができる。
請求項記載の発明によれば、高負荷時のアクチュエータの駆動で油圧が急上昇した作動油をリリーフ弁でリリーフさせた際に該作動油の油圧エネルギーが熱エネルギーに変換されて作動油の温度が急上昇する。この高温となった作動油の熱エネルギーを有効に利用し、油槽筒を介して乳剤タンクに貯蔵されたアスファルト乳剤に熱交換することで、電気ヒータや電気ヒータに電力を供給するための電源手段を含めた電気的な加熱装置を用いることなく、アスファルト乳剤を加熱することができるという利点がある。
請求項記載の発明によれば、第1の温度センサによってアスファルト乳剤の温度を検出し、コントローラからの指令によって第1の三方切替弁の切替制御を行っている。従って、請求項記載の発明の効果に加えてさらに、アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは、第1の三方切替弁の流路を切り替えて作動油の熱エネルギーをアスファルト乳剤に熱交換し、アスファルト乳剤を加熱することができる。また、アスファルト乳剤の温度が目標温度が目標温度に達したときは、油圧回路の流路をバイパス油路側へ切り替えて作動油の熱エネルギーがアスファルト乳剤に熱交換されなくなるようにしているので、
アスファルト乳剤の温度は目標温度より上昇するおそれはなくなるという利点がある。
請求項記載の発明は、第1の三方切替弁に代えて第1の開閉弁と第2の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を用いても、アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは油圧回路の流路を前記油槽筒側へ確実に切り替えることができる。また、アスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときは油圧回路の流路を油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ確実に切り替えるという利点がある。
請求項記載の発明によれば、第2の温度センサによって作動油の温度を常時検出し、コントローラからの指令によって第2の三方切替弁の切替制御を行っている。従って、請求項記載の発明の効果に加えてさらに、作動油の温度が所定値より高いときは、第2の三方切替弁が油圧回路の流路をオイルクーラ側へ切り替え、作動油を冷却してから作動油タンクへ戻している。これにより、アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータで発生した熱エネルギーによって作動油の温度が異常上昇するおそれはなくなる。また、第2の温度センサが検出した作動油の温度が所定値より低いときは、油圧回路の流路をオイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替えている。これにより、作動油は冷却されなくなるので該作動油の熱エネルギーを効果的にアスファルト乳剤に熱交換して該アスファルト乳剤を加熱することができるという利点がある。
請求項記載の発明によれば、第2の三方切替弁に代えて第3の開閉弁と第4の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を用いても、作動油の温度が所定値より高いときは油圧回路の流路をオイルクーラ側へ確実に切り替えて作動油を冷却してから作動油タンクへもどすことができる。また、作動油の温度が所定値より低いときは油圧回路の流路をオイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ確実に切り替えることができるという利点がある。
本発明の実施例に適用される乳剤散布装置を備えたアスファルトフィニッシャ(即ち、タックペーバ)の側面図。 図1のタックペーバを上から見た平面図。 本発明の実施例1に係るタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路の構成を示す説明図。 図3に示すタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路のアスファルト乳剤加熱時における動作を示す説明図。 図3に示すタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路におけるアスファルト乳剤の適正温度時の動作を示す説明図。 図3に示すタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路においてアスファルト乳剤が冷えた時の動作を示す説明図。 本発明の実施例2に係るタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路の構成を示す説明図。 従来の乳剤散布装置に用いられている乳剤加熱方式を示す説明図。
本発明は、電気ヒータや該電気ヒータに電力を供給するための電源手段を含めた電気的な加熱装置を用いることなくアスファルト乳剤を加熱することができるようにするという目的を達成するために、アスファルトフィニッシャに乳剤散布手段を搭載したタックペーバの乳剤加熱装置であって、前記アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータの作動油に発生した熱エネルギーの熱交換作用により、前記乳剤散布手段が散布するアスファルト乳剤を加熱するように構成したことによって実現した。
以下、本発明の好適な実施例1を図1乃至図6に従って詳細に説明する。なお、実施例中の各図面において同一の構成要素は同一の符号を付し、且つ重複する説明は省略するものとする。
《タックペーバ》
先ず、本発明の実施例に適用されるタックペーバ(乳剤散布装置一体型アスファルトフィニッシャ)の全体構成について概略的に説明する。図1は、本発明の実施例に適用される乳剤散布装置を備えたアスファルトフィニッシャ(即ち、タックペーバ)の側面図である。また、図2は、図1のタックペーバを上から見た平面図である。
図1及び図2を参照して、乳剤散布装置を備えたアスファルトフィニッシャであるタックペーバ10の構成について説明する。タックペーバ10は、自走式の走行車両1に、アスファルト合材を収容するホッパ2と、該ホッパ2内のアスファルト合材を施工面上に送り出すための送出し装置3と、該送出し装置3におけるスプレッディングスクリュー3bの前側に設けられた一対のアスファルト乳剤散布用のスプレーバー4A,4Bと、前記スプレッディングスクリュー3bの後側に設けられた一対のスクリード5A,5Bと、アスファルト乳剤を貯蔵する乳剤タンク6とを備えている。
このような構成により、前記スプレーバー4A,4Bによって、乳剤タンク6内に貯留されたアスファルト乳剤を施工面7上に散布しながら、前記送出し装置3によって、前記ホッパ2からのアスファルト合材を施工面7に散布したアスファルト乳剤の上へ送り出す。その後、各スクリード5A,5Bによって前記アスファルト合材の敷き均しを行い、アスファルト合材を敷きつめた舗装を構築する。
また、前記送出し装置3は、ホッパ2内のアスファルト合材を走行車両1の後方へ送るためのバーフィーダ3aと、該バーフィーダ3aによって後方に送り出されて施工面7上に落下されたアスファルト合材を走行車両1の幅方向(図1で紙面に垂直な方向、図2で上下方向)に広げるスプレッディングスクリュー3bとからなる。前記スプレーバー4A,4Bとスクリード5A,5Bとは、それぞれ左右の一対が、走行車両1の進行方向の前後に平行に位置をずらして該走行車両1に支持され、走行車両1の幅方向(左右方向)に伸縮自在に設けられており、アスファルト乳剤の散布幅とアスファルト合材の敷き均し幅とを調節することができるように構成されている。なお、前記走行車両1は車輪で走行するものが図示されているが、クローラで走行するものであってもよい。また、前記の構成は、従来の乳剤散布装置を備えたアスファルトフィニッシャの構成と基本的には同様の構成となっている。
《乳剤加熱装置》
次に、本発明の実施例1に係るタックペーバの乳剤加熱装置について説明する。該乳剤加熱装置は、電気ヒータ並びに電源装置を用いることなく、アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させる各種アクチュエータの駆動によって作動油に発生した熱エネルギーを有効に利用して乳剤タンク内のアスファルト乳剤を加熱することを特徴としている。さらに詳しく述べると、アスファルトフィニッシャの各種アクチュエータを循環する作動油に生じた熱エネルギーを乳剤タンク内のアスファルト乳剤に熱交換することによって、該アスファルト乳剤を加熱させることを特徴としている。
図3は、本発明の実施例1に係るタックペーバの乳剤加熱装置の構成を示す説明図である。同図に示すように、作動油タンク11に蓄えられた作動油11aは、エンジン12によって駆動する油圧ポンプ13によって所定の流量(例えば、37.5l/min)で所定の油圧(例えば、140kg/cm2)に上昇され、油圧回路14を通過して、アスファルトフィニッシャの各種の機構部品(図示せず)を駆動させるためのアクチュエータ15に供給される。
このとき、アクチュエータ15の駆動エネルギーによって作動油11aの温度が上昇する。この作動油11aの温度は、アクチュエータ15の負荷の程度や、季節による外気温度によって異なり、低温〜高温までの幅になる。一方、意図的に操作して、アクチュエータ15に高負荷をかけると(例えば、アクチュエータが「油圧シリンダ」であれば、ストロークエンド迄押し付けて操作すると)該作動油11aの油圧が急上昇するので、該作動油11aをリリーフ弁(安全弁)16にバイパスさせることによってアクチュエータ15を通過させず作動油11aの油圧が所定の圧力以上になるのを防止している。
このとき、リリーフ弁(安全弁)16を通過する高圧(リリーフ圧)の該作動油11aの油圧エネルギーによって作動油11aの温度が急上昇する。この作動油11aの高油温化は、特に舗装作業開始前に、乳剤タンク内のアスファルト乳剤を暖めておくために利用可能とするものである。また、舗装作業中には、上記の通り、舗装作業中のアクチュエータ15の駆動エネルギーによって作動油11aの温度が上昇するので、この油温を有効利用可能(省エネ)とするものである。前記の通り、この油温が低温であれば、必要の都度前記の通りリリーフさせて高温化すればよい。
そして、作動油11aの油圧回路14を下記のように制御することにより、アスファルト乳剤19aを所望の一定温度に維持させることができるようにしたことを特徴とするのが本発明である。
さらに、アクチュエータ15又はリリーフ弁(安全弁)16を通過した作動油11aは、コントローラ17の制御によって第1の三方切替弁18で油路が切り替えられ、アスファルト乳剤19aが貯蔵された乳剤タンク19の側面及び(又は)底面を覆う油槽筒20又はバイパス油路21へ導かれる。そして、油槽筒20又はバイパス油路21を通過した作動油11aは、コントローラ17の制御によって第2の三方切替弁22で油路が切り替えられ、バイパス油路24を経由して作動油タンク11へ直接戻されるか、又はエンジン12によって回転するファン12aで冷却されるオイルクーラ23を通過して所定の油温に冷却されて作動油タンク11へ戻される。
なお、乳剤タンク19内には、アスファルト乳剤19aの温度を計測して該アスファルト乳剤19aの温度情報をコントローラ17へ送信するための第1の温度センサ25が設けられている。また、作動油タンク11内には、作動油11aの温度を計測して該作動油
11aの温度情報をコントローラ17へ送信するための第2の温度センサ26が設けられている。
ここで、図3においては、第1の温度センサ25からのアスファルト乳剤19aの温度情報に基づいて作動油11aの流路を切り替える第1の三方切替弁18に切替指令を行うコントローラと、第2の温度センサ26からの作動油11aの温度情報に基づいて作動油11aの流路を切り替える第2の三方切替弁22に切替指令を行うコントローラは、同一のコントローラ17として図示されているが、両者を別々のコントローラとしてもよい。
図3に示す主要な構成要素の機能についてさらに詳しく説明する。第1の三方切替弁18は、コントローラ17の制御によって、アクチュエータ15又はリリーフ弁16を通過した作動油11aを乳剤タンク19側の油槽筒20に通過させるか/通過させないかの切り替えを行う機能を有している。例えば、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを加熱させたいときは作動油11aを油槽筒20に通過させ、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを加熱させないときは作動油11aを油槽筒20に通過させないでバイパス油路21へバイパスさせる。
第2の三方切替弁22は、コントローラ17の制御によって、乳剤タンク19側の油槽筒20又はバイパス油路21を通過した作動油11aをオイルクーラ23に通過させるか/通過させないかの切り替えを行う機能を有している。例えば、油槽筒20又はバイパス油路21を通過した作動油11aの温度が所定値より高いときは、該作動油11aをオイルクーラ23に通過させて冷却してから作動油タンク11へ戻す。また、油槽筒20又はバイパス油路21を通過した作動油11aの温度が所定値より低いときは、オイルクーラ23をバイパスしてバイパス油路24から作動油タンク11へ戻す。
第1の温度センサ25は、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aの温度を計測してその温度情報をコントローラ17へ送信する。従って、コントローラ17は、第1の温度センサ25が計測したアスファルト乳剤19aの温度が所定値より高いときは、第1の三方切替弁18をバイパス油路21側へ切り替えて、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを加熱しないように制御する。また、コントローラ17は、第1の温度センサ25が計測したアスファルト乳剤19aの温度が所定値より低いときは、第1の三方切替弁18を乳剤タンク19の油槽筒20側へ切り替え、作動油11aによって乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを加熱するように制御する。
第2の温度センサ26は、作動油タンク11内の作動油11aの温度を計測してその温度情報をコントローラ17へ送信する。従って、コントローラ17は、第2の温度センサ26が計測した作動油11aの温度が所定値より低いときは、第2の三方切替弁22をバイパス油路24側へ切り替えて、該作動油11aを作動油タンク11へ直接戻すように制御する。また、コントローラ17は、第2の温度センサ26が計測した作動油11aの温度が所定値より高いときは、第2の三方切替弁22をオイルクーラ23側へ切り替えて、作動油11aをオイルクーラ23で冷却してから作動油タンク11へ戻すように制御する。
次に、図3に示す油圧回路によって実現される乳剤加熱の方法について説明する。図4は、図3に示すタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路のアスファルト乳剤加熱時における動作を示す説明図である。即ち、アスファルト乳剤19aを常温から目標温度に加熱する場合は、図4に示すように、アクチュエータ15を駆動する作動油11aをリリーフ弁16によってリリーフさせて、これにより高温となった作動油11aをリリーフ弁16側から第1の三方切替弁18へ送出する(矢印a参照)。
次にコントローラ17の制御によって、第1の三方切替弁18を油槽筒20の油路側へ切り替えて、高温の作動油11aを油槽筒20へ送出する(矢印b参照)。これによって、油槽筒20内の高温の作動油11aの熱エネルギーが乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aに熱交換され、該アスファルト乳剤19aを加熱する。
そして、熱交換されて若干温度が下がった作動油11aは、第2の三方切替弁22へ送出される。このとき、コントローラ17の制御によって、第2の三方切替弁22はバイパス油路24側に切り替えられているので、作動油11aはオイルクーラ23を通過することなく、作動油タンク11へ戻させる(矢印c参照)。 このようにして、作動油11aは、作動油タンク11→リリーフ弁16→第1の三方切替弁18→油槽筒20→第2の三方切替弁22→バイパス油路24→作動油タンク11の油路を循環する過程において、オイルクーラ23による冷却作用が行われないため、アクチュエータ15の駆動回路のリリーフ弁によって油温が逐次上昇して行く。そして、高温の作動油11aは、油槽筒20内における熱交換作用によって、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを徐々に加熱させて行く。このようにして、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aはやがて目標温度まで上昇して行く。
次に、アスファルト乳剤19aが目標温度に達したときの動作について説明する。図5は、図3に示すタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路におけるアスファルト乳剤19aの適正温度時の動作を示す説明図である。即ち、前述の図4に示したように、作動油11aによる熱交換作用によって乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aが目標温度に達したときは、油圧回路は図5に示すような動作を行う。
図5に示すように、乳剤タンク19内の第1の温度センサ25は、アスファルト乳剤19aの温度を常時監視してその温度情報をコントローラ17に送信している。従って、アスファルト乳剤19aの温度が目標温度に達したら、第1の温度センサ25からの温度情報に基づいて、コントローラ17は第1の三方切替弁18をバイパス油路21側へ切り替える。これによって、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aは作動油11aによって加熱されることがないので、アスファルト乳剤19aは目標温度以上に上昇することはない。
図5に従ってさらに詳しく説明すると、アクチュエータ15の駆動によって油圧が上昇した作動油11aをリリーフ弁16によってリリーフさせ、これにより高温となった作動油11aをリリーフ弁16側から第1の三方切替弁18へ送出する(矢印a参照)。このとき、第1の温度センサ25が検出した作動油11aの油温は目標温度に到達しているので、コントローラ17からの指令に基づいて、第1の三方切替弁18は油路をバイパス油路21側へ切り替える(矢印d参照)。これにより、高温の作動油11aはバイパス油路21を通過するため、油槽筒20内での熱交換作用は行われない。従って、アスファルト乳剤19aはさらに加熱されることはないので目標温度を維持した状態となる。
以上を要約すると、アスファルト乳剤19aが目標温度に達したら、図5に示すように、コントローラ17の指令によって第1の三方切替弁18を切り替えて作動油11aを油槽筒20へ通過させないようにする。一方、アスファルト乳剤19aが目標温度に達していないときは、図4に示すように、コントローラ17の指令によって第1の三方切替弁18を切り替えて作動油11aを油槽筒20へ通過させてアスファルト乳剤19aを加熱するようにする。
ここで、作動油11aは、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを加熱する/加熱しないの如何に関わらず、アクチュエータ15の通常作業による駆動エネルギーによって逐次油温が上昇する。従って、必要に応じて、コントローラ17からの指令によって第
2の三方切替弁22を切り替え、作動油11aをオイルクーラ23に通過させて冷却したり、オイルクーラ23をバイパスしたりする。 即ち、図5で述べたように、アスファルト乳剤19aが目標温度に達したら、第1の三方切替弁18を切り替えて作動油11aをバイパス油路21に切り替えるが、このとき、作動油11aはアスファルト乳剤19aと熱交換作用を行わない。従って、作動油11aは、アスファルト乳剤19aで熱が奪われないために、高温状態を維持しながら、アクチュエータ15の通常作業による駆動エネルギーによって、さらに油温を上昇させて行く。
そのため、作動油タンク11内の第2の温度センサ26は、該作動油タンク11内の作動油11aの温度を常時監視して、その温度情報をコントローラ17へ送信している。従って、作動油タンク11内の作動油11aの油温が所定の温度以上になったら、第2の温度センサ26の温度情報に基づくコントローラ17からの指令により、第2の三方切替弁22をオイルクーラ23側へ切り替える。これによって、作動油11aはオイルクーラ23を通過して冷却され、作動油タンク11へ戻される(矢印e参照)。なお、図5では、オイルクーラ23は、エンジン12の回転によって駆動するファン12aによって強制風冷されているが、これに限ることなく、例えば、オイルクーラ23にダクトを配管して水冷を行ってもよい。
次に、作業時において乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aが冷えたときの動作について説明する。図6は、図3に示すタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路においてアスファルト乳剤19aが冷えた時の動作を示す説明図である。即ち、乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aが冷えたときには、図6に示すように、舗装作業中のアクチュエータ15の駆動エネルギーによって温度が上昇して一定温度になった作動油11a、又はリリーフ弁16によってリリーフさせて高温にした作動油11aを第1の三方切替弁18へ送出する(矢印a参照)。
次に、乳剤タンク19内の第1の温度センサ25が、アスファルト乳剤19aの温度が低温である旨の温度情報をコントローラ17へ送信するので、該コントローラ17は第1の三方切替弁18を油槽筒20の油路側へ切り替えて、高温の作動油11aを油槽筒20へ送出する(矢印b参照)。これによって、油槽筒20内の高温の作動油11aの熱交換作用によって乳剤タンク19内のアスファルト乳剤19aを加熱する。
このとき、油槽筒20内の作動油11aが熱交換作用を行った後に作動油タンク11へ戻した作動油11aの油温が所定の温度より高い場合は、作動油タンク11内に設置された第2の温度センサ26の温度情報によって、コントローラ17は第2の三方切替弁22をオイルクーラ23側の油路へ切り替える。これによって、作動油11aはオイルクーラ23を通過し、冷却されて作動油タンク11へ戻される(矢印e参照)。
即ち、作動油11aは、アクチュエータ15の駆動によって油温が逐次上昇するので、作動油タンク11内の第2の温度センサ26が作動油11aの油温を常時検出して、コントローラ17へ温度情報を送信している。従って、コントローラ17は、第2の温度センサ26からの温度情報に基づいて第2の三方切替弁22を切り替え、作動油11aが所定の温度より高いときはオイルクーラ23を通過させ、低温化された作動油11aを作動油タンク11に戻し、作動油11aが所定の温度より低いときはバイパス油路24を経由して作動油タンク11に戻している。
以上説明したように、本実施例に係る乳剤加熱装置においては、アスファルトフィニッシャにおける機械作業装置の作動油11aで発生した油温の熱エネルギーを用いてアスファルト乳剤19aを加熱している。従って、発電機や電気ヒータなどの電気的な加熱装置は全く不要となるので、タックペーバにおける乳剤加熱装置の構成要素が簡単化されるため、該タックペーバのコストダウンを図ることができる。また、アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータ15の駆動によって、即ち、舗装作業中においてはアクチュエータ15の駆動エネルギーによって温度が上昇して一定温度になった作動油11aの熱エネルギーを利用してアスファルト乳剤19aに熱交換することでこの油温を有効利用可能(省エネ)とするものである。特には作業開始前においてはアクチュエータ15の駆動回路に設けられたリリーフ弁16によるリリーフによって発生した作動油の熱エネルギーを利用してアスファルト乳剤19aに熱交換することで、該アスファルト乳剤19aを加熱することができるので、タックペーバの熱エネルギーロスを有効に利用して全体のエネルギー効率を上げることができると共に、クリーンで環境に優しいタックペーバを実現することができる。
本発明の実施例2に係るタックペーバの乳剤加熱装置を図7を用いて説明する。図7は実施例2に係るタックペーバの乳剤加熱装置に適用される油圧回路の構成を示す説明図である。同図に示すように、本実施例では、前記実施例1における第1の三方切替弁に代えて第1の開閉弁18aと第2の開閉弁18bとを組合わせた組合わせ切替弁が用いられ、また、前記実施例1における第2の三方切替弁に代えて第3の開閉弁22aと第4の開閉弁22bとを組合わせた組合わせ切替弁が用いられている。
第1の開閉弁18aと第2の開閉弁18bとを組合わせた組合わせ切替弁は、前記第1の三方切替弁と同様の切替え機能を有している。即ち第1の温度センサ25が検出したアスファルト乳剤19aの温度が目標温度より低いときはコントローラ17からの指令に基づいて、第1の開閉弁18aを開き第2の開閉弁18bを閉じることによりアクチュエータ15又はリリーフ弁16を通過した作動油11aの流路を油槽筒20側へ切り替えて作動油11aの熱エネルギーをアスファルト乳剤19aに熱交換し、該アスファルト乳剤19aを加熱する。また、第1の温度センサ25が検出したアスファルト乳剤19aの温度が目標温度に達したときはコントローラ17からの指令に基づいて、第1の開閉弁18aを閉じて第2の開閉弁18bを開くことによりアクチュエータ15又はリリーフ弁16を通過した作動油11aの流路を油槽筒20をバイパスするバイパス油路21側へ切り替える。これにより、アスファルト乳剤19aの温度は目標温度より上昇するおそれはなくなる。
前記第3の開閉弁22aと第4の開閉弁22bとを組合わせた組合わせ切替弁は、前記第2の三方切替弁と同様の切替え機能を有している。即ち第2の温度センサ26が検出した作動油11aの温度が所定値より高いときはコントローラ17からの指令に基づいて、第3の開閉弁22aを開いて第4の開閉弁22bを閉じることにより油槽筒20又はバイパス油路21を通過した作動油11aの流路をオイルクーラ23側へ切り替え、作動油11aをオイルクーラ23で冷却してから作動油タンク11へ戻す。また、第2の温度センサ26が検出した作動油11aの温度が所定値より低いときはコントローラ17からの指令に基づいて、第3の開閉弁22aを閉じて第4の開閉弁22bを開くことにより油槽筒20又はバイパス油路21を通過した作動油11aの流路をオイルクーラ23をバイパスするバイパス油路24側へ切り替えて、作動油11aを作動油タンク11へ直接戻す。
上述したように、本実施例に係る乳剤加熱装置においては、第1の三方切替弁に代えて第1の開閉弁18aと第2の開閉弁18bとを組合わせた組合わせ切替弁を用いても、アスファルト乳剤19aの温度が目標温度より低いときは、油圧回路の流路を油槽筒20側へ確実に切り替えることができる。また、アスファルト乳剤19aの温度が目標温度に達したときは油圧回路の流路を油槽筒20をバイパスするバイパス油路21側へ確実に切り替えることができる。
さらに、第2の三方切替弁に代えて第3の開閉弁22aと第4の開閉弁22bとを組合わせた組合わせ切替弁を用いても、作動油11aの温度が所定値より高いときは油圧回路の流路をオイルクーラ23側へ確実に切り替えて作動油を冷却してから作動油タンク11へ戻すことができる。また、作動油11aの温度が所定値より低いときは油圧回路の流路をオイルクーラ23をバイパスするバイパス油路24側へ確実に切り替えることができる。
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
本発明の乳剤加熱方式によれば、アスファルトフィニッシャの各種の機構要素を循環する作動油の油温によって乳剤を加熱することができるが、タックペーバに限らず、乳剤を利用するあらゆる機械装置に応用して利用することが可能である。
1 走行車両
2 ホッパ
3 送出し装置
3a バーフィーダ
3b スプレッディングスクリュー
4A,4B スプレーバー
5A,5B スクリード
6 乳剤タンク
7 施工面
10 タックペーバ
11 作動油タンク
11a 作動油
12 エンジン
12a ファン
13 油圧ポンプ
14 油圧回路
15 アクチュエータ
16 リリーフ弁
17 コントローラ
18 第1の三方切替弁
18a 第1の開閉弁
18b 第2の開閉弁
19 乳剤タンク
19a アスファルト乳剤
20 油槽筒
21 バイパス油路
22 第2の三方切替弁
22a 第3の開閉弁
22b 第4の開閉弁
23 オイルクーラ
24 バイパス油路
25 第1の温度センサ
26 第2の温度センサ
31 電気ヒータ
32 乳剤タンク
32a アスファルト乳剤
33 油槽筒
33a 作動油
34 油圧モータ
35 発電機
36 制御盤
37 電線

Claims (5)

  1. アスファルトフィニッシャに乳剤散布手段を搭載したタックペーバの乳剤加熱装置であって、
    前記アスファルトフィニッシャの機構要素を作動させるアクチュエータと、該アクチュエータを通過する作動油の油圧エネルギーを熱エネルギーに変換させるリリーフ弁と、アスファルト乳剤を貯蔵する乳剤タンクの側面及び(又は)底面を覆うように該乳剤タンクに近接して配置された油槽筒とを備え、前記リリーフ弁から前記油槽筒へ供給された作動油が保有する前記熱エネルギーを前記乳剤タンクに貯蔵されたアスファルト乳剤に熱交換させ、該アスファルト乳剤を加熱させるように構成したことを特徴とするタックペーバの乳剤加熱装置。
  2. 前記乳剤タンクに貯蔵されたアスファルト乳剤の温度を検出する第1の温度センサと、該第1の温度センサから受信した温度情報に基づいて各種制御を行うコントローラと、該コントローラからの指令に基づいて前記作動油を流す油圧回路の流路を切り替える第1の三方切替弁とを備え、該第1の三方切替弁は
    前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路を前記油槽筒側へ切り替え、前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路を前記油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ切り替えることを特徴とする請求項1記載のタックペーバの乳剤加熱装置。
  3. 前記第1の三方切替弁に代えて第1の開閉弁と第2の開閉弁とを組合わせた組合わせ切替弁を備え、前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度より低いときは前記コントローラからの指令を基に前記第1の開閉弁を開いて前記第2の開閉弁を閉じることにより前記油圧回路の流路を前記油槽筒側へ切り替え、前記第1の温度センサが検出した前記アスファルト乳剤の温度が目標温度に達したときは前記コントローラからの指令を基に前記第1の開閉弁を閉じて前記第2の開閉弁を開くことにより前記油圧回路の流路を前記油槽筒をバイパスするバイパス油路側へ切り替えることを特徴とする請求項2記載のタックペーバの乳剤加熱装置。
  4. 前記油圧回路の途中に配置された作動油タンクに貯蔵された前記作動油の温度を検出する第2の温度センサと、該第2の温度センサから受信した温度情報に基づく前記コントローラからの指令に基づいて前記作動油を流す油圧回路の流路を切り替える第2の三方切替弁とを備え、該第2の三方切替弁は前記第2の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より高いときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路をオイルクーラ側へ切り替え、
    前記第の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より低いときは前記コントローラからの指令に基づいて前記油圧回路の流路を前記オイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替えることを特徴とする請求項記載のタックペーバの乳剤加熱装置。
  5. 前記第2の三方切替弁に代えて第3の開閉弁と第4の開閉弁とを組合わせた
    組合わせ切替弁を備え、前記第2の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より高いときは前記コントローラからの指令を基に前記第3の開閉弁を開いて前記第4の開閉弁を閉じることにより前記油圧回路の流路を前記オイルクーラ側へ切り替え、前記第2の温度センサが検出した前記作動油の温度が所定値より低いときは前記コントローラからの指令を基に前記第3の開閉弁を閉じて前記第4の開閉弁を開くことにより前記油圧回路の流路を前記オイルクーラをバイパスするバイパス油路側へ切り替えることを特徴とする請求項記載のタックペーバの乳剤加熱装置。
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