JP5967068B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は,トナーを用いて画像を形成する画像形成装置の定着部分に関する。さらに詳細には,熱容量低減の要求に応えつつ,例えば厚紙使用時のような必要熱量が多い状況にも対応できるようにした定着装置,およびそれを搭載した画像形成装置に関するものである。
トナーを用いて画像を形成する画像形成装置では,トナー像の転写を受けた記録用紙を加熱することにより,トナー像を記録用紙に定着させることが行われる。このため,画像形成装置の定着装置は,2つの回転体を突き合わせたニップ部を有している。回転体を加熱した状態でこのニップ部に記録用紙を通すことで定着が行われる。この定着装置において近年の製品開発では,回転体等の熱容量を下げていく傾向にある。省エネルギーや,立ち上がり時間の短縮のためである。このため,回転体のうち一方として,ベルトが用いられることがある。ベルトは薄いので,ローラよりも熱容量が一般的に小さいからである。
しかしながら,回転体の熱容量が小さいことは,必ずしも良いことばかりではない。記録用紙による定着装置からの奪熱の影響が,熱容量が小さい分顕著に出てしまうからである。そのため,例えば厚紙使用時のように奪熱量が大きい状況では,定着温度の低下による定着不足が発生することがある。こうした問題に対する従来の対策として,例えば,特許文献1に記載された技術がある。同文献の技術では,定着ベルトに対して接触状態と離間状態との切り替えが可能な蓄熱部材を有している。そして,定着ベルトが過熱する状況では蓄熱部材を接触状態にして,蓄熱部材に熱エネルギーを蓄えるようにしている。そして,待機時等に蓄熱部材をヒータに接触させて,熱エネルギーの回収を図るようにしている。
特開2012−058646号公報
しかしながら前記した特許文献1の技術では,装置の耐久性に難があった。前述の蓄熱部材のように,定着ベルトに対して接触,離間の切り替えがなされる部材を備えているからである。接触,離間の切り替えのため,定着ベルトや蓄熱部材の劣化が早期に進行してしまうのである。
必要熱量が多い状況に対応するというだけなら,単に定着温度を上げればよいように思われるかも知れない。しかしそれでは,省エネルギーの要請に反することはもちろん,別の問題が発生する。定着後の記録用紙のカール(湾曲変形)が激しくなることや,タッキング(排紙トレイ上で記録用紙同士が密着してしまうこと)の発生等である。また,印刷の途中で図1に示されるように定着温度が変化する。すなわち,図1中に一点鎖線の楕円で囲んで示している通紙実行中の辺りでは,通紙開始時よりも温度が下がっている。したがって,このことによる画像品質の不均一もあった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,熱容量が小さく,記録用紙を過熱させることなく,また定着ベルトに対する部材の接触,離間の切り替えを行うことなく,かつ必要熱量が多い状況に問題なく対応できるようにした定着装置,およびそれを搭載した画像形成装置を提供することにある。
本発明の一態様における定着装置は,フープ状の定着ベルトと,定着ベルトの外周面に接触してニップを形成する加圧部材と,定着ベルトの内部に定着ベルトに対して非接触で配置され赤外線により熱を供給する非接触熱源とを有し,さらに,定着ベルトの内面の周方向における一部に接触するとともに非接触熱源に対して非接触で設けられた蓄熱部材と,非接触熱源と蓄熱部材との間に設けられ,非接触熱源から蓄熱部材への供給熱量が多い熱供給状態と少ない遮熱状態とをとる熱供給調整部材とを有し,定着ベルトの内面の周方向における少なくとも一部が,熱供給調整部材により遮られることなく非接触熱源と対面しているものであり,熱供給調整部材は,熱供給状態では,非接触熱源から蓄熱部材への赤外線の透過率が高く反射率は低い透明状態となり,遮熱状態では,非接触熱源から蓄熱部材への赤外線の透過率が低く反射率は高い反射状態となる調光部材である。
上記態様における定着装置では,非接触熱源から供給される熱により定着ベルトが加熱され,さらに加圧部材も加熱される。その状態で,定着ベルトと加圧部材とのニップに記録用紙を通すことで定着が行われる。ここにおいて,熱供給調整部材の状態により,非接触熱源からの熱の供給状態が異なる。熱供給調整部材の状態には,遮熱状態と熱供給状態とがある。遮熱状態では,非接触熱源から蓄熱部材への供給熱量が少ない。このため,非接触熱源からの供給熱の大半は,直接に定着ベルトを加熱することになる。したがって,定着に適した温度までの昇温に要する時間が短い。一方,熱供給状態では,非接触熱源からの供給熱のうちある程度の量が,蓄熱部材へ直接供給される。このため,蓄熱部材に熱が蓄積された状態になる。したがって,記録用紙による熱の持ち去りが多い状況でもその影響をあまり受けない。これら2つの状態を使い分けることで,記録用紙を過熱することなく,適切に定着を行うことができる。また,熱供給調整部材は,定着ベルトに対して接触したり離間したりするものではないので,定着ベルトの劣化が少ない。
また,熱供給調整部材を,前述のものとする替わりに,蓄熱部材の一部を覆って固定して配置された基部と,基部に対して揺動移動する揺動部とを有するものとすることができる。この場合に揺動部は,熱供給状態では,基部上に重なり,蓄熱部材のうち基部に覆われない残部を覆わず,第1面を非接触熱源に向けて配置され,遮熱状態では,基部上に重ならず,蓄熱部材のうち残部を覆い,第1面の裏面の第2面を非接触熱源に向けて配置されるものである。そして,基部の表面および揺動部の第2面が,揺動部の第1面および蓄熱部材のうち残部の表面よりも,非接触熱源からの熱の反射率が高い面とされるものである。
このようにすると,非接触熱源から蓄熱部材の方角を見たときに対面しているものが,熱供給調整部材の状態により異なることとなる。熱供給状態では,揺動部の第1面と,蓄熱部材のうち基部に覆われない残部とが非接触熱源に対面する。これらは,熱の反射率が低い,すなわち吸収率が高い面である。このためこれらの面により熱が吸収され,熱伝導により蓄熱部材に熱が供給される。一方,遮熱状態では,基部の表面と,揺動部の第2面とが非接触熱源に対面する。これらは,熱の反射率が高い面である。このためこれらの面により熱が反射されるので,蓄熱部材に熱があまり供給されない。
また,基部と揺動部とを有する熱供給調整部材の場合の揺動部は,逆に,遮熱状態で基部上に重なり,蓄熱部材のうち基部に覆われない残部を覆わず,第1面を非接触熱源に向けて配置され,熱供給状態で基部上に重ならず,蓄熱部材のうち残部を覆い,第2面を非接触熱源に向けて配置されるものとしてもよい。その場合には,基部の表面および揺動部の第2面が,揺動部の第1面および蓄熱部材のうち残部の表面よりも,非接触熱源からの熱の吸収率が高い面とされる。
このようにしても,非接触熱源から蓄熱部材の方角を見て,熱供給状態では熱の吸収率が高い面が対面し,遮熱状態では熱の反射率が高い面が対面することとなる。これにより,前記と同様の効果が得られる。
あるいは,熱供給調整部材を,前述の移動するものや揺動部を有するものとする替わりに,熱供給調整部材に電気信号を印加する電気信号印加部を有することにより,印加される電気信号の変化により,非接触熱源から蓄熱部材へ供給される熱の透過率が変化するものとすることができる。この透過率の変化により,熱供給状態と遮熱状態とを実現できるからである。
より具体的には,熱供給調整部材を,熱供給状態では,非接触熱源から蓄熱部材へ供給される熱の透過率が高く反射率が低く,遮熱状態では,非接触熱源から蓄熱部材へ供給される熱の透過率が低く反射率が高いものとする。そして,蓄熱部材の非接触熱源側の面を,遮熱状態での熱供給調整部材の非接触熱源側の面と比較して,非接触熱源から供給される熱の吸収率が高い面とする。
このようにすると,熱供給状態では,非接触熱源からの熱は,熱供給調整部材を透過して蓄熱へ到達し,そこで蓄熱部材に吸収されることとなる。こうして蓄熱部材に熱が供給される。一方,遮熱状態では,熱供給調整部材により反射されてしまい,蓄熱部材に到達しない。このため,蓄熱部材に熱があまり供給されない。
あるいは,熱供給調整部材を,熱供給状態では,非接触熱源から蓄熱部材へ供給される熱の透過率が低く吸収率が高く,遮熱状態では,非接触熱源から蓄熱部材へ供給される熱の透過率が高く吸収率が低いものとしてもよい。この場合には,蓄熱部材の非接触熱源側の面を,熱供給状態での熱供給調整部材の非接触熱源側の面と比較して,非接触熱源から供給される熱の反射率が高い面とするのである。
このようにすると,熱供給状態では,非接触熱源からの熱は,熱供給調整部材で吸収され,熱伝導により蓄熱部材に拡散していくこととなる。こうして蓄熱部材に熱が供給される。一方,遮熱状態では,非接触熱源からの熱が熱供給調整部材を透過して蓄熱部材に到達することとなる。しかし蓄熱部材はその熱を反射してしまい,吸収しない。このため,蓄熱部材に熱があまり供給されない。
ここで,蓄熱部材は,定着ベルトの内面を加圧部材に向けて押し付けるニップ形成部材を兼ねているものであってもよい。一般的に,定着ベルトを用いる定着装置では,定着ベルト内にニップ形成部材が設けられることが多い。このニップ形成部材が蓄熱部材を兼ねることで,構造の複雑化や部品点数の増加を抑えることができる。
あるいは,ニップ形成部材を,蓄熱部材とは別に有することとしてもよい。その場合には,ニップ形成部材の熱履歴負担はあまり重くないので,ニップ形成部材の熱履歴による劣化が抑制される。
その場合のニップ形成部材の非接触熱源側の面は,熱供給調整部材が熱供給状態にあるときの蓄熱部材の非接触熱源側の面と比較して,非接触熱源から供給される熱の実質的な反射率が高い面であることが望ましい。これにより,ニップ形成部材は,熱供給調整部材が熱供給状態にあるとき,非接触熱源からの熱の大部分を反射することになる。このため,ニップ形成部材自身はあまり加熱されない。
ニップ形成部材を蓄熱部材とは別に有する構成において,熱供給調整部材を,定着ベルトの内部で移動して,非接触熱源から蓄熱部材への熱の供給を遮蔽する程度を変更することにより,熱供給状態と遮熱状態とをとるものとすることができる。すなわち,非接触熱源から見て,蓄熱部材が熱供給調整部材により大きく隠される配置を,遮熱状態とすることができる。一方,非接触熱源から見て,蓄熱部材が熱供給調整部材によりあまり隠されない配置を,熱供給状態とすることができる。
この場合に,熱供給調整部材の非接触熱源側の面は,蓄熱部材の非接触熱源側の面と比較して,非接触熱源から供給される熱の反射率が高い面であることが望ましい。これにより,特に遮熱状態にて,蓄熱部材への直接の熱の供給を,効果的に防止することができる。
本発明の別の一態様である画像形成装置は,トナー画像を形成する画像形成部と,画像形成部で形成されたトナー像を記録用紙に転写する転写部と,転写部を通過した記録用紙上のトナー像をその記録用紙に定着させる,前述のいずれかの定着装置と,熱供給調整部材の状態を制御する熱供給制御部とを有するものである。
この場合の熱供給制御部は,印刷ジョブの枚数があらかじめ定めた基準枚数以上である場合に熱供給調整部材を熱供給状態とし,熱供給調整部材を熱供給状態としない場合には熱供給調整部材を遮熱状態とすることが望ましい。連続印刷の枚数が少ない場合には通常通り遮熱状態でよいが,多枚数の連続印刷の場合には,記録用紙による定着ベルトからの熱の持ち去りの影響が無視できなくなる。このため,そのような場合には熱供給状態に切り替えることが望ましいのである。
熱供給制御部はあるいは,ニップに通される記録用紙の坪量があらかじめ定めた基準坪量以上である場合に熱供給調整部材を熱供給状態とし,熱供給調整部材を熱供給状態としない場合に熱供給調整部材を遮熱状態とするものとしてもよい。記録用紙が薄手の紙である場合には通常通り遮熱状態でよいが,厚紙使用時には,厚紙の記録用紙による定着ベルトからの熱の持ち去りの影響が無視できなくなる。このため,そのような場合には熱供給状態に切り替えることが望ましいのである。
熱供給制御部はさらには,通紙速度,環境要因の少なくとも一方が,あらかじめ定めた,単位時間当たりの定着ベルトから記録用紙への奪熱が多い条件に当てはまる場合に熱供給調整部材を熱供給状態とし,熱供給調整部材を熱供給状態としない場合に熱供給調整部材を遮熱状態とするものであってもよい。通紙速度が速い場合や環境要因が特殊な状況にある場合にも,記録用紙による定着ベルトからの熱の持ち去りの影響が無視できないからである。
本構成によれば,熱容量が小さく,記録用紙を過熱させることなく,また定着ベルトに対する部材の接触,離間の切り替えを行うことなく,かつ必要熱量が多い状況に問題なく対応できるようにした定着装置,およびそれを搭載した画像形成装置が提供されている。
定着装置における定着温度の経時変化の例を示すグラフである。 実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。 実施の形態に係る画像形成装置の定着装置の断面図である。 押圧パッドの断面図である。 熱供給調整部材への電圧印加の回路図である。 定着ベルト内の各要素の配置状況を示す透視斜視図である。 支持部材(第1の形態)を示す部分斜視図である。 調光部材(第1の形態)を示す部分斜視図である。 支持部材に透明状態の調光部材(第1の形態)を重ねた状態を示す斜視図である。 支持部材に反射状態の調光部材を重ねた状態を示す斜視図である。 定着ベルト内での熱の供給状況(遮熱状態)を説明する断面図である。 定着ベルト内での熱の供給状況(熱供給状態)を説明する断面図である。 実施の形態に係る画像形成装置における定着装置の制御を説明するフローチャート(その1)である。 実施の形態に係る画像形成装置における定着装置の制御を説明するフローチャート(その2)である。 実施の形態に係る画像形成装置における定着装置の制御を説明するフローチャート(その3)である。 実施の形態に係る画像形成装置における定着装置の制御を説明するフローチャート(その4)である。 支持部材(第2の形態)を示す部分斜視図である。 調光部材(第2の形態)を示す部分斜視図である。 支持部材に黒色状態の調光部材を重ねた状態を示す斜視図である。 支持部材に透明状態の調光部材(第2の形態)を重ねた状態を示す斜視図である。 機械的可動部を有する熱供給調整部材を示す斜視図である。 支持部材に閉じ状態の熱供給調整部材(第3の形態)を重ねた状態を示す斜視図である。 支持部材に開き状態の熱供給調整部材(第3の形態)を重ねた状態を示す斜視図である。 支持部材に開き状態の熱供給調整部材(第4の形態)を重ねた状態を示す斜視図である。 支持部材に閉じ状態の熱供給調整部材(第4の形態)を重ねた状態を示す斜視図である。 第5の形態に係る定着装置(遮熱状態)の断面図である。 第5の形態に係る定着装置(熱供給状態)の断面図である。 第6の形態に係る定着装置(遮熱状態)の断面図である。 第6の形態に係る定着装置(熱供給状態)の断面図である。
[第1の形態]
以下,本発明を実施のために具体化した形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の第1の形態は,図2に示す画像形成装置1に本発明を適用したものである。図2の画像形成装置1は概略,画像形成部2でトナー像を印刷用紙に転写するとともに,そのトナー像の転写を受けた印刷用紙を定着装置3で定着して排紙トレイ4上に排出するように構成されている。印刷用紙は,画像形成装置1内の下部に配置された給紙部5から画像形成部2へ供給されるようになっている。画像形成装置1にはまた,全体の制御を行う制御部6が設けられている。
画像形成部2は,中間転写ベルト21と,4つの画像形成ユニット22Y,22M,22C,22Kと,2次転写ローラー23と,露光器24とを有している。これにより,画像形成ユニット22Y,22M,22C,22Kにより中間転写ベルト21上にトナー像を形成し,そのトナー像を2次転写ローラー23で印刷用紙に転写するようになっている。画像形成ユニット22Yは,感光体220と,帯電器221と,現像器222と,1次転写ローラー223と,クリーナー224とを有している。画像形成ユニット22M,22C,22Kも,画像形成ユニット22Yと同様の構成とされている。露光器24は,各感光体220における,帯電器221と現像器222との間の描画位置に,画像データに基づくレーザー光を照射するようになっている。これにより,画像形成ユニット22Y,22M,22C,22Kでそれぞれの色のトナー像を形成し,中間転写ベルト21上に転写するようになっている。
画像形成装置1における本発明としての特徴点は,定着装置3の部分およびその制御内容にある。このため定着装置3の詳細構成について,以下に説明する。画像形成装置1の定着装置3は,図3の断面図に示されるように構成されている。図3に示される定着装置3は,加圧ローラー31と,定着ベルト32とを有している。定着装置3における通紙幅(図3の紙面に垂直な方向の幅)は,320mm程度ある。加圧ローラー31は,芯金310とその周囲の弾性層311とを有する弾性ローラーである。定着ベルト32は,フィルム状の部材により形成された周回方向に無端のフープ状の部材である。定着ベルト32の内面には,つや消し黒色塗装が施されている。
加圧ローラー31および定着ベルト32の具体的な構成の一例を挙げる。
加圧ローラー31の芯金310:アルミ製φ18mmの丸棒
加圧ローラー31の弾性層311:厚さ3.5mmのシリコンゴム層+厚さ30μmのPFA(フッ素樹脂の一種)チューブの表面離型層
定着ベルト32:厚さ35μmの電鋳ニッケル層+その外面側の厚さ200μmのシリコンゴム層+厚さ20μmのPFAチューブの表面離型層
さらに,定着ベルト32の内部には,押圧パッド320,支持部材321,ヒーター322が配置されている。これらはいずれも,定着ベルト32の回転とともに回転するものではなく,固定して配置されている構成要素である。
押圧パッド320は,加圧ローラー31とともに定着ベルト32を挟み付け,加圧ローラー31と定着ベルト32とが接触するニップ部33を形成する部材である。押圧パッド320と加圧ローラー31とは,互いに押し付け合う状態とされている。このため,押圧
パッド320は実質的に,定着ベルト32を加圧ローラー31に押し付けていると言える。押し付け荷重は50〜500Nであり,ニップ部のニップ幅は約8mmである。押圧パッド320の表面には,摺動層323が設けられている(図4参照)。かかる押圧パッド320は,支持部材321に支持されている。支持部材321は,押圧パッド320を支持する部材であり,ヒーター322と押圧パッド320との間に位置している。支持部材321は,断面がほぼ「W」字状をなすように屈曲成型された平板状部材である。
押圧パッド320,摺動層323,および支持部材321の具体的な構成の一例を挙げる。
押圧パッド320:LCP(液晶ポリマー)
摺動層323:フッ素樹脂繊維
支持部材321:厚さ2mmの鋼板
支持部材321におけるヒーター322側の面は,全面,調光部材324で覆われている。調光部材324には,図5に示すように,電圧印加部325が接続されている。電圧印加部325は,制御部6による制御を受けるようになっている。これにより,調光部材324への電圧印加のオンオフ切り替えができるようになっている。調光部材324の詳細については後述する。
ヒーター322は,定着ベルト32の内部に設けられたハロゲンヒータである。ヒーター322は,定着ベルト32,支持部材321,調光部材324のいずれからも非接触な位置に設けられている。もちろん,押圧パッド320およびその表面の摺動層323からも非接触である。なおヒーター322の位置は,必ずしも定着ベルト32の中心と一致している必要はない。ヒーター322には,3本のハロゲンランプ326,327,328が設けられている。図6に示すようにハロゲンランプ326,327,328は,長さが異なっており,複数水準の用紙サイズに対応できるようになっている。ただし,ハロゲンランプ326,327,328の使い分けは,本願発明としての特徴点ではないので,以下の説明では基本的に無視することとする。
図3に戻って,ヒーター322の周囲は全方位にわたって定着ベルト32に囲まれている。無端状の定着ベルト32の内部にヒーター322が配置されているのだから当然である。ただし,図3中右側の加圧ローラー31がある側においては,ヒーター322と定着ベルト32の内面との間に支持部材321が存在している。この,支持部材321が占めている範囲内では,ヒーター322の赤外線が直接に定着ベルト32の内面に照射されることはない。しかしそれ以外の範囲では,定着ベルト32の内面が,支持部材321に遮られることなくヒーター322と対面している。このため,支持部材321が存在する範囲以外の範囲においては,ヒーター322の赤外線が直接に定着ベルト32の内面に照射されることとなる。
また,定着ベルト32の外部には,サーモパイル34が設けられている。サーモパイル34は,定着ベルト32の幅方向の中央付近に配置されており,温度に応じた電圧を出力するものである。図5に示したように,サーモパイル34の出力信号は制御部6に入力されるようになっている。これにより,サーモパイル34の検知温度に応じた定着装置3の制御がなされるようになっている。
支持部材321および調光部材324についてさらに説明する。単独での支持部材321を図7に示す。平板状部材を屈曲成型してなる支持部材321は,中央部70,端部71,72,接続部73,74を有している。中央部70と接続部73,74とで,図7中の裏面側(ヒーター322から見て裏側)に凹状をなしており,この凹状部に前述の押圧パッド320が保持される。一方,端部71と接続部73とで,図7中のおもて面側(ヒーター322側)に凹状をなしている。端部72と接続部74とでも同様である。また,支持部材321におけるヒーター322側の面には,全面,つや消し黒色塗装が施されている。この面を以下,支持部材321の内面という。
単独での調光部材324を図8に示す。調光部材324も平板状の部材を屈曲させた部材であり,中央部80と,端部81,82とを有している。中央部80と,端部81と,端部82との全体で,図8中のおもて面側(ヒーター322側)にやや凹状をなしている。中央部80は,支持部材321の中央部70の上に重ね合わせられる部分である。端部81は,支持部材321の端部71および接続部73の上に,やや間隔を置いて重ね合わせられる部分である。端部82は,支持部材321の端部72および接続部74の上に,やや間隔を置いて重ね合わせられる部分である。つまり,実際の支持部材321におけるヒーター322側の面は前述のように,全面,調光部材324で覆われることとなる。
調光部材324は,次の2通りの状態を切り替えることができる部材である。
透明状態:光(ヒーター322からの赤外線を含むものとする,以下同じ)を透過させる状態。光の透過率は高く反射率は低い。
反射状態:光を反射する状態。光の透過率は低く反射率は高い。
このような部材としては,独立行政法人産業技術総合研究所が開発した「調光ミラーシート」が挙げられる(「産総研 調光ミラー」でウェブ検索されたい)。この部材を用いた調光部材324は,電圧印加部325からの電圧印加のオンオフにより,透明状態と反射状態とを切り替えることができる。電圧印加オン時とオフ時とのいずれを透明状態としいずれを反射状態とするかは,周辺回路の組み方で適宜選択できる。なお,反射状態での反射面は,ヒーター322側の面である。
支持部材321と調光部材324とを重ね合わせた状態の斜視図を図9,図10に示す。図9は,調光部材324が透明状態にある場合を示している。一方図10は,調光部材324が反射状態にある場合を示している。まず図9について説明する。図9では,支持部材321と調光部材324とを,長手方向(定着ベルト32の軸方向に相当)に部分的にずらして重ね合わせた状態を示している。すなわち図9では,支持部材321が範囲Aおよび範囲Bにわたって存在しており,調光部材324が範囲Bおよび範囲Cにわたって存在している。これは理解の容易のために描いたものであり,実際の定着装置3では,支持部材321と調光部材324とは完全に重ね合わせられている。
図9においては,範囲Aにて,支持部材321の内面が,調光部材324に覆われることなく露出して見えている。この内面は前述の通りつや消し黒塗り面である。範囲Bでの支持部材321は,調光部材324に覆われているが,ヒーター322の位置から見れば実質的には同じくつや消し黒塗り面である。調光部材324が透明状態にあるからである。実際の定着装置3では前述のように,支持部材321の内面全体が,図9において範囲Bとして示される状態にある。
図10においても,範囲A,B,Cの意味は図9の場合と同じである。図10における範囲Bでは,支持部材321の内面そのものはむろんつや消し黒塗り面であるが,ヒーター322の位置からはそのようには見えない。反射状態にある調光部材324が支持部材321を覆っているからである。この状態での支持部材321は,ヒーター322の位置からはあたかも全面が鏡面であるかのように見えるのである。
よって,図9と図10とで範囲B同士を比較すると,次のようなことが言える。
(1)ヒーター322から見て,支持部材321による熱の実質的な吸収率は,図9の場合の方が図10の場合より高い。
(2)逆に,支持部材321による熱の実質的な反射率は,図10の場合の方が図9の場合より高い。
また,図10の範囲Bと定着ベルト32の内面とを比較すると,次のようなことが言える。定着ベルト32の内面も支持部材321の内面と同じく,つや消し黒塗り面だからである。
(3)ヒーター322から見て,定着ベルト32の内面による熱の吸収率は,図10の範囲Bの実質的な吸収率より高い。
(4)逆に,図10の範囲Bによる熱の実質的な反射率は,定着ベルト32の内面による反射率より高い。
上記のように構成された本形態の定着装置3は,画像形成装置1での画像形成の際には,図3中の加圧ローラー31が図中時計回りに回転し,この回転に従動して定着ベルト32が図中反時計回りに回転する。また,ヒーター322に通電され,定着ベルト32が加熱される。さらに,定着ベルト32を介して加圧ローラー31も間接的に加熱される。その状態で,画像形成部2でトナー像の転写を受けた印刷用紙が,図3中下側からニップ部33に進入する。これにより定着がなされる。定着済みの印刷用紙は排紙トレイ4上に排出される。
ここで,前述の調光部材324の状態により,定着ベルト32内での熱の供給経路に違いがある。この違いについて,図11と図12とにより説明する。図11の状態を遮熱状態といい,図12の状態を熱供給状態という。後の説明から分かるようにこの言い方は,ヒーター322から支持部材321および押圧パッド320への直接の熱供給が,行われるか遮断されているかに着目した言い方である。
調光部材324が反射状態にあるとき(図10)には,図11に示すように,ヒーター322から図中右向きに照射された熱は,調光部材324で反射されてしまう。このため,ヒーター322から直接に加熱を受けるのは,調光部材324がない範囲内における定着ベルト32の内面だけである。支持部材321や押圧パッド320は,定着ベルト32を介して間接的に加熱されるだけである。このため図11の状態では,直接的に加熱される対象物が少ない分,定着ベルト32の温度上昇が素早い。したがって,画像形成装置1の電源が投入されてから画像形成出力が可能になるまでの所要時間(いわゆるファーストコピー時間)が短い。よって,定着装置3における図11の状態を,通常用いる状態とする。
一方,調光部材324が透明状態にあるとき(図9)には,図12に示すように,定着ベルト32の内面ばかりでなく支持部材321も,ヒーター322から直接に熱の供給を受けることとなる。このため,支持部材321およびそこに保持されている押圧パッド320が,定着ベルト32を介さず直接に加熱される。よって,支持部材321および押圧パッド320に相当量の熱が蓄えられることとなる。このため図12の状態では,支持部材321および押圧パッド320(特に押圧パッド320)に蓄熱されている分,印刷用紙による熱の持ち去りによる影響を受けにくい。よって図12の状態は,厚紙印刷時や多数枚数印刷時などに適した状態である。つまり本形態では,支持部材321および押圧パッド320(特に押圧パッド320)が蓄熱部材として機能している。なお,反射状態と透明状態とのいずれの場合でも,ヒーター322から定着ベルト32の裏面への直接の照射が,調光部材324により遮られることはない。
画像形成装置1では,通常,図11(図10)の状態を用いつつ,画像形成の状況に応じて調光部材324の状態を切り替えて図12(図9)の状態を用いる。つまり調光部材324は,熱供給を調整する部材である。その制御フローを説明する。制御フローには,印刷ジョブの枚数による場合のもの,使用する印刷用紙の種類による場合のもの等,いくつかの種類があるが,いずれも大筋は同様である。
図13は,印刷ジョブの枚数により切り替えを行う場合のフローチャートである。印刷ジョブによる印刷開始信号があると,図13のフローが開始される。図13のフローではまず,印刷ジョブの内容を確認し,印刷枚数が30枚以上であるか否かを判別する(S1)。30枚以上でなかった場合には(S1:No),そのまま当フローを終了して印刷を開始する。すなわちこの場合には,定着装置3を,通常用いる状態である図11の状態のままにして印刷がなされる。
S1の判別で印刷枚数が30枚以上であった場合には(S1:Yes),S2へ進む。すなわち,電圧印加部325により調光部材324の状態を切り替える(S2)。つまり,調光部材324を図12の状態とする。これにより,ヒーター322から見た支持部材321および調光部材324が,図10の範囲Bの鏡面状態から図9の範囲Bの黒色状態に変化する。その状態で当フローを終了して印刷を開始する。すなわちこの場合には,定着装置3を,通常用いる状態ではない図12の状態にして印刷がなされる。多数枚数印刷であると判別されたからである。むろん,判別の閾値は,「30枚以上」に限定される訳ではない。
図14は,印刷用紙の坪量(面密度)により切り替えを行う場合のフローチャートである。図14のフローではまず,使用する印刷用紙の種類を確認し,その坪量が200g/m2未満であるか否かを判別する(S11)。200g/m2未満であった場合には(S11:Yes),そのまま当フローを終了して印刷を開始する。すなわちこの場合には,通常通り図11の状態での印刷がなされる。S11の判別で坪量が閾値未満でなかった場合には(S11:No),S12へ進む。すなわち,調光部材324の状態を切り替えて,図12の黒色化状態とする(S12)。その状態で当フローを終了して印刷を開始する。したがってこの場合には,通常と異なる図12の状態で印刷がなされる。厚紙に相当する紙種の印刷用紙が使用されると判別されたからである。むろん,判別の閾値は上記の値に限定されない。
ここで上記S11の判別においては,使用する印刷用紙の坪量をユーザーに入力させて,その入力された値により判別すればよい。坪量がユーザーにも不明な場合もあるが,その場合にYes,Noどちらとして取り扱うかについては,あらかじめ定めておけばよい。また,給紙経路途上に坪量センサを設けてその検出値により自動判別することとしてもよい。
図15は,使用する印刷用紙の紙種,すなわち厚紙であるかそうでない普通紙であるかにより切り替えを行う場合のフローチャートである。図15のフローではまず,使用する印刷用紙の種類を確認し,厚紙か普通紙かを判別する(S21)。普通紙であると判別された場合には,そのまま当フローを終了して印刷を開始する。すなわちこの場合には,通常通り図11の状態での印刷がなされる。S21の判別結果が厚紙であった場合には,S22へ進む。すなわち,調光部材324の状態を切り替えて,図12の黒色化状態とする(S22)。その状態で当フローを終了して印刷を開始する。したがってこの場合には,通常と異なる図12の状態で印刷がなされる。厚紙が印刷用紙として使用されると判別されたからである。
ここで上記S21の判別においては,使用する印刷用紙の種類をユーザーに入力させて,その入力結果により判別すればよい。あるいは,給紙部5に複数の用紙カセットが備えられている場合には,ユーザーによりどの用紙カセットが指定されたかによって判別することができる。すなわち,指定された用紙カセットが,厚紙専用のカセットとしてあらかじめ登録されているものである否か,により判別するのである。さらには,印刷ジョブの内容中に使用すべき紙種の指定がある場合には,その指定の内容により判別することもできる。
図16は,印刷時の用紙スピードにより切り替えを行う場合のフローチャートである。図16のフローではまず,印刷ジョブの内容を確認し,指定されている用紙スピードが全速であるか低速であるかを判別する(S31)。全速とは,通常の画像形成に用いられる,生産性優先の比較的速い用紙スピードである。低速とは,高精細画像などの場合に用いられる,全速よりも遅い用紙スピードである。全速が指定されている場合には,そのまま当フローを終了して印刷を開始する。すなわちこの場合には,通常通り図11の状態での印刷がなされる。S31の判別結果が低速であった場合には,S32へ進む。すなわち,調光部材324の状態を切り替えて,図12の黒色化状態とする(S32)。その状態で当フローを終了して印刷を開始する。したがってこの場合には,通常と異なる図12の状態で印刷がなされる。低速では,印刷用紙1枚当たりの定着装置3での滞在時間が長く,そのため印刷用紙による熱の持ち去り量が多いからである。
以上のようにして,本形態の画像形成装置1では,通常時は基本的に図11の遮熱状態で画像形成を行いつつ,必要に応じて図12の熱供給状態を用いる。このため,ヒーター322の出力パワー自体は上げることなく,厚紙時等の熱負荷が大きい状況においても定着不良を起こさないようにしている。また,ヒーター322の出力パワー自体は上げていないことから,定着済みの印刷用紙における過大なカールやタッキングとも無縁である。
なお,図13〜図16のフローについては,いずれか1つだけを選択して実行しなければならない,ということではない。2つ以上のフローを併用してもよい。その場合,いずれか1つのフローにて黒色化すべしとの判別があった場合には黒色化をすべきである。言い替えると,黒色化しないで画像形成を行うのは,実行したすべてのフローにて黒色化不要との判別がなされた場合だけ,とすればよい。
また,図13〜図16のフローチャート判別では黒色化不要であった場合であっても,サーモパイル34で温度低下の兆しが検知された場合には黒色化を行うこととしてもよい。環境要因等によっては,思いがけず印刷用紙による熱の持ち去りが大きいこともあるからである。例えば,気温が低くて湿度が高い場合などである。あるいは,環境センサを機内に備えるとともに,その検出値に基づき黒色化の判別をするフローチャートを実行することとしてもよい。その場合には,上記に該当する環境要因をあらかじめ定めておき,環境センサの検出値が,当該環境要因に合致するか否かを判別すればよい。以上が第1の形態の説明である。
[第2の形態]
次に,本発明の第2の形態について説明する。第2の形態は,その大部分を前述の第1の形態と共有するものである。このため,第1の形態と共通する部分については説明を省略し,相違点に絞り込んで説明することとする。第2の形態における,第1の形態との相違点は,支持部材および調光部材にある。
第2の形態における支持部材351を,図17に示す。図17に示す支持部材351は,図7に示した第1の形態の支持部材321と,形状としては同じものである。支持部材351の支持部材321に対する相違点は,ヒーター322側の面の表面仕上げにある。すなわち,第1の形態の支持部材321の当該面がつや消し黒色塗装面であったのに対し,本形態の支持部材351の当該面は,鏡面仕上げされた面である。
第2の形態における調光部材354を,図18に示す。図18に示す調光部材354は,図8に示した第1の形態の調光部材324と,形状としては同じものである。調光部材354の調光部材324に対する相違点は,使用している材質にある。すなわち,第1の形態の調光部材324が,透明状態と反射状態とを切り替える調光ミラーシートを用いたものであったのに対し,本形態の調光部材354は,「調光ガラス」を用いたものである。
調光ガラスは,次の2通りの状態を切り替えることができる部材である。
透明状態:光を透過させる状態。光の透過率は高く吸収率は低い。
不透明状態:光を吸収する状態。光の透過率は低く吸収率は高い。
このような部材としては例えば,日本板硝子株式会社が提供する「ウム」(登録商標)が挙げられる。むろん,他社による相当品でもよい。発色原理についても,液晶を用いたもの,三酸化タングステンを用いたものなど何でもよい。
調光部材354における上記両状態の切り替えも,第1の形態の場合と同じく,電圧印加部325からの電圧印加のオンオフによりなされる。電圧印加オン時とオフ時とのいずれを透明状態としいずれを不透明状態とするかは,周辺回路の組み方で適宜選択できる。以下の説明では,上記の不透明状態を「黒色状態」という。図18に示した調光部材354は,黒色状態でのものである。
支持部材351と調光部材354とを重ね合わせた状態の斜視図を図19,図20に示す。図19は,調光部材354が黒色状態にある場合を示している。一方図20は,調光部材354が透明状態にある場合を示している。図19,図20における範囲A,B,Cの意味は,図9,図10の場合と同じである。
図19においては,範囲Aにて,支持部材351の内面が,調光部材354に覆われることなく露出して見えている。この内面は前述の通り鏡面である。範囲Bでは,支持部材351の内面そのものはむろん鏡面であるが,ヒーター322の位置からはそのようには見えない。黒色状態にある調光部材354が支持部材351を覆っているからである。この状態での支持部材351は,ヒーター322の位置からはあたかも全面が黒色面であるかのように見えるのである。図20における範囲Bでの支持部材351は,調光部材354に覆われているが,ヒーター322の位置から見れば実質的には,範囲Aと同じく鏡面である。調光部材354が透明状態にあるからである。よってこの状態での支持部材351は,ヒーター322の位置からはあたかも全面が鏡面であるかのように見えるのである。
よって,図19と図20とで範囲B同士を比較すると,次のようなことが言える。
(5)ヒーター322から見て,支持部材351による熱の実質的な吸収率は,図19の場合の方が図20の場合より高い。
(6)逆に,支持部材351による熱の実質的な反射率は,図20の場合の方が図19の場合より高い。
また,図20の範囲Bと定着ベルト32の内面とを比較すると,次のようなことが言える。定着ベルト32の内面も黒色状態の調光部材354の表面と同じく,黒色の面だからである。
(7)ヒーター322から見て,定着ベルト32の内面による熱の吸収率は,図20の範囲Bの実質的な吸収率より高い。
(8)逆に,図20の範囲Bによる熱の実質的な反射率は,定着ベルト32の内面による反射率より高い。
したがって,図20に示す透明状態にて,第1の形態の図11で説明した遮熱状態の熱供給経路が実現する。ヒーター322からの熱が支持部材351の鏡面により反射されるからである。一方,図19に示す黒色状態で,第1の形態の図12で説明した熱供給状態の熱供給経路が実現する。ヒーター322からの熱が,黒色状態の調光部材354により一旦吸収され,そして熱伝導により支持部材351および押圧パッド320に供給されるからである。このため本形態の画像形成装置では,通常,図20の状態を用いつつ,画像形成の状況に応じて調光部材354の状態を切り替えて図19の状態を用いる。その制御フローは,第1の形態の図13〜図16等に示したものと同じでよい。こうして本形態の画像形成装置も,第1の形態の場合と同様の効果を奏する。以上が第2の形態の説明である。
[第3の形態]
続いて,本発明の第3の形態について説明する。第3の形態も,その大部分を前述の第1の形態と共有するものである。このため,第1の形態と共通する部分については説明を省略し,相違点に絞り込んで説明することとする。第3の形態における,第1の形態との相違点は,熱供給調整部材にある。すなわち本形態では,第1の形態や第2の形態の場合のような電気化学作用により状態が遷移する調光部材の替わりに,機械的可動部分を有しその可動部分の位置により2通りの状態をとる熱供給調整部材を用いる。
図21に,本形態における熱供給調整部材364の概要を示す。図21の熱供給調整部材364は,基部83と,揺動部84,85とを有している。基部83は,本形態で使用する支持部材321(第1の形態で用いたものと同じもの)の中央部70の上に固定的に重ね合わせられる部分である。揺動部84,85は,基部83の両側辺に対して揺動可能に設けられた可動部分であり,実線で示す閉じ状態と,二点鎖線で示す開き状態との2通りの状態をとる。ここで揺動とは,揺動部84,85の一箇所(図示のものでは一辺)が基部83に対して回転可能に固定されており,その回転軸を中心にヒンジ状に動くことをいう。揺動部84,85の揺動動作自体は,モーターやソレノイド,リターンスプリングなどの適切な公知技術によりなされればよい。揺動部84,85は,揃って閉じ状態となり,また揃って開き状態となるように,制御部6の制御に基づき操作される。
熱供給調整部材364について,図22,図23によりさらに説明する。図22,図23における範囲A,B,Cの意味は,図9等の場合と同じである。閉じ状態での揺動部84,85は,基部83の上に重ね合わせられて,基部83の全面を覆う。このとき図22に示すように,支持部材321の端部71,72,接続部73,74の内面は,ヒーター322に対して露出する。また,揺動部84,85における閉じ状態でヒーター322に対面している面(図22で見えている面)は,支持部材321の内面と同じく,全面,つや消し黒色塗装面である。
一方,揺動部84,85が開き状態にあるときには,図23に示すように,基部83の全面がヒーター322に対して露出する。また,揺動部84が支持部材321の端部71および接続部73の上に,揺動部85が端部72および接続部74の上に,それぞれやや間隔を置いて重ね合わせられる。これにより開き状態では,支持部材321の端部71,72,接続部73,74は揺動部84,85により覆われる。つまり開き状態では,支持部材321は全面,熱供給調整部材364により覆われる。
熱供給調整部材364における開き状態でヒーター322に対面している面(図23で見えている面)は,鏡面仕上げ面である。具体的には,鏡面となっているのは,基部83の表面,および,揺動部84,85におけるつや消し黒塗り面の裏側の面である。なお,基部83の裏面については,何色でもかまわない。また,支持部材321の内面のうち中央部70の部分(より正確に言えば基部83により隠れる部分)は,本形態においては必ずしも黒色面である必要はない。
よって本形態では,図22の閉じ状態が,第1の形態における図9の透明状態と同様の状態である。このためこの状態で,図12の熱供給状態の熱供給経路が実現する。ヒーター322からの熱が,つや消し黒塗り面である揺動部84,85,支持部材321の端部71,72,接続部73,74に吸収され,熱伝導により,定着ベルト32を介さず直接に,支持部材321および押圧パッド320に供給されるからである。一方,図23の開き状態が,図10の反射状態と同様の状態である。この状態で,図11の遮熱状態の熱供給経路が実現する。ヒーター322からの熱が,熱供給調整部材364の鏡面により反射されるからである。
このため本形態の画像形成装置では,通常,図23の開き状態を用いつつ,画像形成の状況に応じて熱供給調整部材364を閉じ状態に切り替えて図22の状態を用いる。その制御フローは,第1の形態の図13〜図16等に示したものと同じでよい。こうして本形態の画像形成装置も,第1の形態や第2の形態の場合と同様の効果を奏する。以上が第3の形態の説明である。
[第4の形態]
次に,本発明の第4の形態について説明する。第4の形態も,その大部分を前述の第1の形態と共有するものである。このため,第1の形態と共通する部分については説明を省略し,相違点に絞り込んで説明することとする。第4の形態では,支持部材として,第2の形態で使用した支持部材351と同じものを使用する。また,熱供給調整部材として,第3の形態で使用した熱供給調整部材364と同じく揺動部を有するものを使用する。
本形態で使用する熱供給調整部材374は,第3の形態で使用した熱供給調整部材364に対して,つや消し黒塗り面と鏡面とを入れ替えたものである。すなわち,図24に開き状態で示すように,開き状態でヒーター322に対面している面(基部86および揺動部87,88)は,つや消し黒塗り面である。一方,閉じ状態を図25に示すように,揺動部87,88の裏面は,支持部材351の内面と同じく鏡面仕上げ面である。なお,支持部材351の内面のうち,基部86により隠れる部分は,本形態では必ずしも鏡面でなくてもよい。また,熱供給調整部材374の基部86の裏面は,何色でもよい。また,図24,図25におけるにおける範囲A,B,Cの意味は,図9等の場合と同じである。
これにより本形態では,図24の開き状態が,第3の形態における図22の閉じ状態に相当する。このため図24の開き状態にて,図12の熱供給状態の熱供給経路が実現する。ヒーター322からの熱が,熱供給調整部材374の黒色面に吸収され,熱伝導により,定着ベルト32を介さず直接に,支持部材351および押圧パッド320に供給されるからである。一方,図25の閉じ状態が,第3の形態における図23の開き状態に相当する。このため図25の開き状態にて,図11の遮熱状態の熱供給経路が実現する。ヒーター322からの熱が,鏡面である支持部材351の内面および揺動部87,88の裏面により反射されるからである。
このため本形態の画像形成装置では,通常,図25の閉じ状態を用いつつ,画像形成の状況に応じて熱供給調整部材374を開き状態に切り替えて図24の状態を用いる。その制御フローは,第1の形態の図13〜図16等に示したものと同じでよい。こうして本形態の画像形成装置も,第1の形態〜第3の形態の場合と同様の効果を奏する。以上が第4の形態の説明である。
[第5の形態]
次に,本発明の第5の形態について説明する。第5の形態も,その大部分を前述の第1〜第4の形態と共有するものである。このため,前述の各形態と共通する部分については説明を省略し,相違点に絞り込んで説明する。第5の形態は,前述の各形態の中でも第3の形態に最も近い。
第5の形態における定着装置3の構成を図26,図27に示す。本形態は,第3の形態に対して,熱供給調整部材364を熱供給調整部材384で置き換えたものである。第3の形態の熱供給調整部材364が前述のように折り畳み変形するものであったのに対し,本形態の熱供給調整部材384は,変形せず,替わりに全体的に移動するものである。熱供給調整部材384は,断面形状が円弧状をなすように成形された長尺の板状部材である。熱供給調整部材384の内面(ヒーター322側の面)は,鏡面仕上げされた面である。
図26では熱供給調整部材384が,ヒーター322から支持部材321を隠す位置に配置されている。一方図27では熱供給調整部材384が,図26中における位置から待避して,ヒーター322に対して支持部材321を露出させる位置に配置されている。つまり図26と図27とでは,ヒーター322から支持部材321への熱の供給が,熱供給調整部材384により遮蔽される程度が異なるのである。本形態においては図26の状態が,第3の形態での図23の開き状態に相当する遮熱状態である。一方,図27の状態が,第3の形態での図22の閉じ状態に相当する熱供給状態である。このため本形態の画像形成装置では,通常,図26の状態を用いつつ,画像形成の状況に応じて熱供給調整部材384を移動させて図27の状態を用いる。その制御フローは,第1の形態で説明した図13〜図16等と同じでよい。こうして本形態の画像形成装置も,第1〜第4の形態の場合と同様の効果を奏する。以上が第5の形態の説明である。
[第6の形態]
最後に,本発明の第6の形態について説明する。第6の形態も,その大部分を前述の第1〜第5の形態と共有するものである。このため,前述の各形態と共通する部分については説明を省略し,相違点に絞り込んで説明する。第6の形態は,前述の各形態の中でも第5の形態に最も近い。
第6の形態における定着装置3の構成を図28,図29に示す。本形態は,第5の形態に対して,次の2点を変更したものである。
(a)押圧パッド320とは別に,蓄熱パッド90を設けたこと。
(b)支持部材321に替えて支持部材351を用いていること。
まず(a)の相違点について説明する。蓄熱パッド90は,定着ベルト32の内面側に固定的に設けられているものであるという点では,押圧パッド320と共通する。ただし,押圧パッド320が加圧ローラー31との対向位置に配置されているのに対し,蓄熱パッド90は,それとは異なる別の位置に配置されている点で異なる。蓄熱パッド90は,耐熱樹脂で形成されており,その周囲には,フッ素樹脂フィルムまたはフッ素樹脂繊維による摺動層91が設けられている。摺動層91におけるヒーター322側の面は,黒塗りされている。
次に(b)の相違点について説明する。支持部材351とは,第2の形態,第4の形態で用いた,内面が鏡面仕上げされている支持部材のことである。これにより,押圧パッド320のヒーター322側の面(つまり支持部材351の内面)は,蓄熱パッド90の表面よりも熱の反射率が高い面となっている。
図28では熱供給調整部材384が,ヒーター322から蓄熱パッド90を隠す位置に配置されている。一方図29では熱供給調整部材384が,図28中における位置から待避して,ヒーター322に対して蓄熱パッド90を露出させる位置に配置されている。なお,図29においては熱供給調整部材384が,ヒーター322と支持部材351との間の位置に配置されているが,そのこと自体はさほど大きな意味を持たない。前述のように支持部材351自体が鏡面であるため,図28,図29のいずれの配置でも,押圧パッド320があまり加熱されないことに変わりはないからである。ただし,図29の配置では,定着ベルト32の内面へのヒーター322からの照射が,熱供給調整部材384により遮られていないという点では意味がある。
本形態においては図28の状態が,第5の形態での図26の状態に相当する遮熱状態である。一方,図29の状態が,第5の形態での図27の状態に相当する熱供給状態である。このため本形態の画像形成装置では,通常,図28の状態を用いつつ,画像形成の状況に応じて熱供給調整部材384を移動させて図29の状態を用いる。その制御フローは,第1の形態の図13〜図16等に示したものと同じでよい。こうして本形態の画像形成装置も,第1〜第5の形態の場合と同様の効果を奏する。さらに本形態では,押圧パッド320とは別に蓄熱パッド90を設けることで,押圧パッド320の熱履歴負担を軽減している。これにより,押圧パッドの熱による劣化が抑制されている。以上が第6の形態の説明である。
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば,電気化学式調光部材または折り畳み変形式熱供給調整部材または移動式熱供給調整部材を,定着ベルト32内に設けている。これにより,ヒーター322による熱で主として定着ベルトのみが加熱され蓄熱部材が加熱されない遮熱状態と,蓄熱部材もヒーター322により加熱される熱供給状態との2通りの状態をとるようになっている。そして,通常時は遮熱状態を用いつつ,熱的負荷が大きい状況では熱供給状態を用いることとしている。これにより,ヒーター322のパワー自体は上げることなく定着不良の発生を防止し,かつ,過熱による弊害も防いでいる。また,定着ベルト32に対して接触・離間を反復する部材は特になく,定着ベルト32の劣化が抑制されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,第3の形態および第4の形態において,熱供給調整部材364,374は,両開き形式のものに限らず,片開き形式のものとすることもできる。また,第5の形態および第6の形態において,熱供給調整部材384の移動の様式は,回転移動でも直進移動でもよい。また,全形態において,各部材の具体的な形状や材質は,図示あるいは説明したとおりでなくてもよい。例えば,押圧パッド320の素材として,LCPの他にPI(ポリイミド)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などが挙げられる。
1 画像形成装置
2 画像形成部
23 2次転写ローラー
3 定着装置
31 加圧ローラー
32 定着ベルト
320 押圧パッド
321 支持部材
322 ヒーター
324 調光部材
325 電圧印加部
351 支持部材
354 調光部材
364 熱供給調整部材
374 熱供給調整部材
384 熱供給調整部材
6 制御部
83 基部
84 揺動部
85 揺動部
86 基部
87 揺動部
88 揺動部
90 蓄熱パッド

Claims (15)

  1. フープ状の定着ベルトと,
    前記定着ベルトの外周面に接触してニップを形成する加圧部材と,
    前記定着ベルトの内部に前記定着ベルトに対して非接触で配置され赤外線により熱を供給する非接触熱源とを有する定着装置において,
    前記定着ベルトの内面の周方向における一部に接触するとともに前記非接触熱源に対して非接触で設けられた蓄熱部材と,
    前記非接触熱源と前記蓄熱部材との間に設けられ,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への供給熱量が多い熱供給状態と少ない遮熱状態とをとる熱供給調整部材とを有し,
    前記定着ベルトの内面の周方向における少なくとも一部が,前記熱供給調整部材により遮られることなく前記非接触熱源と対面しているものであり,
    前記熱供給調整部材は,
    前記熱供給状態では,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への赤外線の透過率が高く反射率は低い透明状態となり,
    前記遮熱状態では,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への赤外線の透過率が低く反射率は高い反射状態となる調光部材であることを特徴とする定着装置。
  2. フープ状の定着ベルトと,
    前記定着ベルトの外周面に接触してニップを形成する加圧部材と,
    前記定着ベルトの内部に前記定着ベルトに対して非接触で配置された非接触熱源とを有する定着装置において,
    前記定着ベルトの内面の周方向における一部に接触するとともに前記非接触熱源に対して非接触で設けられた蓄熱部材と,
    前記非接触熱源と前記蓄熱部材との間に設けられ,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への供給熱量が多い熱供給状態と少ない遮熱状態とをとる熱供給調整部材とを有し,
    前記定着ベルトの内面の周方向における少なくとも一部が,前記熱供給調整部材により遮られることなく前記非接触熱源と対面しており,
    前記熱供給調整部材は,
    前記蓄熱部材の一部を覆って固定して配置された基部と,
    前記基部に対して揺動移動する揺動部とを有し,
    前記揺動部は,
    前記熱供給状態では,前記基部上に重なり,前記蓄熱部材のうち前記基部に覆われない残部を覆わず,第1面を前記非接触熱源に向けて配置され,
    前記遮熱状態では,前記基部上に重ならず,前記蓄熱部材のうち前記残部を覆い,第1面の裏面の第2面を前記非接触熱源に向けて配置されるものであり,
    前記基部の表面および前記揺動部の第2面が,前記揺動部の第1面および前記蓄熱部材のうち前記残部の表面よりも,前記非接触熱源からの熱の反射率が高い面であることを特徴とする定着装置。
  3. フープ状の定着ベルトと,
    前記定着ベルトの外周面に接触してニップを形成する加圧部材と,
    前記定着ベルトの内部に前記定着ベルトに対して非接触で配置された非接触熱源とを有する定着装置において,
    前記定着ベルトの内面の周方向における一部に接触するとともに前記非接触熱源に対して非接触で設けられた蓄熱部材と,
    前記非接触熱源と前記蓄熱部材との間に設けられ,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への供給熱量が多い熱供給状態と少ない遮熱状態とをとる熱供給調整部材とを有し,
    前記定着ベルトの内面の周方向における少なくとも一部が,前記熱供給調整部材により遮られることなく前記非接触熱源と対面しており,
    前記熱供給調整部材は,
    前記蓄熱部材の一部を覆って固定して配置された基部と,
    前記基部に対して揺動移動する揺動部とを有し,
    前記揺動部は,
    前記遮熱状態では,前記基部上に重なり,前記蓄熱部材のうち前記基部に覆われない残部を覆わず,第1面を前記非接触熱源に向けて配置され,
    前記熱供給状態では,前記基部上に重ならず,前記蓄熱部材のうち前記残部を覆い,第1面の裏面の第2面を前記非接触熱源に向けて配置されるものであり,
    前記基部の表面および前記揺動部の第2面が,前記揺動部の第1面および前記蓄熱部材のうち前記残部の表面よりも,前記非接触熱源からの熱の吸収率が高い面であることを特徴とする定着装置。
  4. フープ状の定着ベルトと,
    前記定着ベルトの外周面に接触してニップを形成する加圧部材と,
    前記定着ベルトの内部に前記定着ベルトに対して非接触で配置された非接触熱源とを有する定着装置において,
    前記定着ベルトの内面の周方向における一部に接触するとともに前記非接触熱源に対して非接触で設けられた蓄熱部材と,
    前記非接触熱源と前記蓄熱部材との間に設けられ,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への供給熱量が多い熱供給状態と少ない遮熱状態とをとる熱供給調整部材とを有し,
    前記定着ベルトの内面の周方向における少なくとも一部が,前記熱供給調整部材により遮られることなく前記非接触熱源と対面しており,
    前記熱供給調整部材に電気信号を印加する電気信号印加部を有し,
    前記熱供給調整部材は,印加される電気信号の変化により,前記非接触熱源から前記蓄熱部材へ供給される熱の透過率が変化することにより,前記熱供給状態と前記遮熱状態とをとるものであることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項に記載の定着装置において,
    前記熱供給調整部材は,
    前記熱供給状態では,前記非接触熱源から前記蓄熱部材へ供給される熱の透過率が高く反射率が低く,
    前記遮熱状態では,前記非接触熱源から前記蓄熱部材へ供給される熱の透過率が低く反射率が高いものであり,
    前記蓄熱部材の前記非接触熱源側の面は,前記遮熱状態での前記熱供給調整部材の前記非接触熱源側の面と比較して,前記非接触熱源から供給される熱の吸収率が高い面であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項に記載の定着装置において,
    前記熱供給調整部材は,
    前記熱供給状態では,前記非接触熱源から前記蓄熱部材へ供給される熱の透過率が低く吸収率が高く,
    前記遮熱状態では,前記非接触熱源から前記蓄熱部材へ供給される熱の透過率が高く吸収率が低いものであり,
    前記蓄熱部材の前記非接触熱源側の面は,前記熱供給状態での前記熱供給調整部材の前記非接触熱源側の面と比較して,前記非接触熱源から供給される熱の反射率が高い面であることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか1つに記載の定着装置において,前記蓄熱部材は,
    前記定着ベルトの内面を前記加圧部材に向けて押し付けるニップ形成部材を兼ねていることを特徴とする定着装置。
  8. フープ状の定着ベルトと,
    前記定着ベルトの外周面に接触してニップを形成する加圧部材と,
    前記定着ベルトの内部に前記定着ベルトに対して非接触で配置された非接触熱源とを有する定着装置において,
    前記定着ベルトの内面の周方向における一部に接触するとともに前記非接触熱源に対して非接触で設けられた蓄熱部材と,
    前記非接触熱源と前記蓄熱部材との間に設けられ,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への供給熱量が多い熱供給状態と少ない遮熱状態とをとる熱供給調整部材と,
    前記定着ベルトの内面に接触するとともに前記非接触熱源に対して非接触で設けられ,前記定着ベルトの内面の周方向における一部を前記加圧部材に向けて押し付ける,前記蓄熱部材とは別の部材であるニップ形成部材とを有し,
    前記定着ベルトの内面の周方向における少なくとも一部が,前記熱供給調整部材により遮られることなく前記非接触熱源と対面していることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項に記載の定着装置において,
    前記ニップ形成部材の前記非接触熱源側の面は,前記熱供給調整部材が前記熱供給状態にあるときの前記蓄熱部材の前記非接触熱源側の面と比較して,前記非接触熱源から供給される熱の実質的な反射率が高い面であることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の定着装置において,前記熱供給調整部材は,
    前記定着ベルトの内部で移動して,前記非接触熱源から前記蓄熱部材への熱の供給を遮蔽する程度を変更することにより,前記熱供給状態と前記遮熱状態とをとるものであることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項10に記載の定着装置において,
    前記熱供給調整部材の前記非接触熱源側の面は,前記蓄熱部材の前記非接触熱源側の面と比較して,前記非接触熱源から供給される熱の反射率が高い面であることを特徴とする定着装置。
  12. トナー画像を形成する画像形成部と,
    前記画像形成部で形成されたトナー像を記録用紙に転写する転写部と,
    前記転写部を通過した記録用紙上のトナー像をその記録用紙に定着させる,請求項1から請求項11までのいずれか1つに記載の定着装置と,
    前記熱供給調整部材の状態を制御する熱供給制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置において,前記熱供給制御部は,
    印刷ジョブの枚数があらかじめ定めた基準枚数以上である場合に前記熱供給調整部材を前記熱供給状態とし,
    前記熱供給調整部材を前記熱供給状態としない場合に前記熱供給調整部材を前記遮熱状態とするものであることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の画像形成装置において,前記熱供給制御部は,
    前記ニップに通される記録用紙の坪量があらかじめ定めた基準坪量以上である場合に前記熱供給調整部材を前記熱供給状態とし,
    前記熱供給調整部材を前記熱供給状態としない場合に前記熱供給調整部材を前記遮熱状態とするものであることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項12から請求項14までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,前記熱供給制御部は,
    通紙速度,環境要因の少なくとも一方が,あらかじめ定めた,単位時間当たりの前記定着ベルトから記録用紙への奪熱が多い条件に当てはまる場合に前記熱供給調整部材を前記熱供給状態とし,
    前記熱供給調整部材を前記熱供給状態としない場合に前記熱供給調整部材を前記遮熱状態とするものであることを特徴とする画像形成装置。
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