JP5966520B2 - マイクロチップローディング装置、マイクロチップ型フローサイトメータ及びマイクロチップローディング方法 - Google Patents

マイクロチップローディング装置、マイクロチップ型フローサイトメータ及びマイクロチップローディング方法 Download PDF

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Description

本技術は、マイクロチップローディング装置、マイクロチップ型フローサイトメータ及びマイクロチップローディング方法に関する。より詳しくは、フローサイトメータなどの分析装置に簡便な操作でマイクロチップを搭載可能なマイクロチップローディング装置等に関する。
細胞などの微小粒子の特性を光学的に測定する微小粒子分析装置(例えばフローサイトメータ)が知られている。微小粒子分析装置では、所定の特性を有すると判定された微小粒子のみを分別して回収することも行われている。
例えば、フローサイトメータにおける細胞測定では、フローセル又はマイクロチップに形成された流路に細胞を含むサンプル液を送液し、流路を通流する細胞にレーザを照射して細胞から発生する蛍光及び散乱光を検出し、細胞の光学特性を測定している。さらに、細胞の分別を行う場合には、サンプル液をフローセル又はマイクロチップに形成されたオリフィスから流体ストリーム(サンプル液とシース液の層流)として射出し、オリフィスに振動を印加することによって液滴化する。そして、オリフィスから吐出される細胞を含む液滴に電荷を付与し、その移動方向を電気的に制御して、所望の特性を有する目的細胞を含む液滴とそれ以外の非目的細胞を含む液滴とを別々の回収容器に回収する。
例えば、特許文献1には、マイクロチップ型のフローサイトメータとして、「微小粒子を含む液体が通流される流路と、この流路を通流する液体をチップ外の空間に排出するオリフィスと、が配設されたマイクロチップと、オリフィスにおいて液体を液滴化して吐出するための振動素子と、吐出される液滴に電荷を付与するための荷電手段と、流路を通流する微小粒子の光学特性を検出する光学検出手段と、チップ外の空間に吐出された液滴の移動方向に沿って、移動する液滴を挟んで対向して配設された対電極と、対電極間を通過した液滴を回収する二以上の容器と、を備える微小粒子分取装置」が開示されている。
特開2010−190680号公報
微小粒子分析装置において高精度な分析を行うためには、レーザの光軸及び焦点位置に対してフローセル又はマイクロチップの位置を精緻に位置決めして、レーザが流路を通流する微小粒子に正確に照射されるようにする必要がある。
この位置決め操作は、従来、ユーザがレーザの位置を目視で確認しながらフローセル又はマイクロチップの位置を手動で調整することにより行われており、操作に習熟が必要で信頼性や安定性に問題があった。また、特に、フローセルに比して頻繁に部材の交換が行われるマイクロチップを搭載した微小粒子分析装置では、マイクロチップの交換の都度あるいは測定の都度に位置合わせを行う必要があり、非常に煩雑であった。
そこで、本技術は、マイクロチップを簡便な操作で搭載でき、自動で光学位置を調整可能なマイクロチップローディング装置を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本技術は、マイクロチップの第一の面に接触して該マイクロチップを押圧する押圧部と、前記マイクロチップの第二の面への接触面と、を有し、前記押圧部の前記マイクロチップの前記第一の面への接触面に、該第一の面に形成された流体の出入口の位置に対応して、前記流体の通流路が開口されており、対向して配置された前記押圧部と、前記マイクロチップの第二の面への接触面と、の間に前記マイクロチップを前記通流路と前記出入口とが接続された状態で挟み込んで保持するマイクロチップローディング装置を提供する。マイクロチップの保持機構である前記押圧部に、流体通流路を前記マイクロチップの流体出入口に接続するチャッキング機能を持たせることにより、装置の部品点数を減らして装置全体を小型化できる。
このマイクロチップローディング装置は、振動素子と、前記マイクロチップの前記第二の面への前記接触面を構成し、前記振動素子から印加される振動を前記マイクロチップに伝播する伝振部材と、を含んでなる加振部を有する。また、このマイクロチップローディング装置は、前記マイクロチップを前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送する搬送部を有している。マイクロチップの保持機構である前記加振部に液滴化のための振動素子を配することにより、振動素子をマイクロチップ側に作り込む場合に比して、マイクロチップの搬送機構である前記搬送部の構成を簡略化して、装置全体を小型化できる。
このマイクロチップローディング装置は、前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部を一体に位置変更する位置調整部を有している。上述のように、このマイクロチップローディング装置では、前記搬送部、前記押圧部及び前記振部を含む装置全体が小型化されているため、前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部の位置を一体に位置変更でき、僅かな位置調整のみで前記マイクロチップの光学位置を最適化できる。
本技術に係るマイクロチップローディング装置において、前記押圧部は、前記伝振部材との対向方向に移動可能に構成されることが好ましい。
また、このマイクロチップローディング装置は、弾性を有する材料により形成され、前記通流路の開口に一部が該流通路外に露出した状態で挿入された管状部材を備え、前記押圧部は、前記伝振部材との間に挟み込んで保持した前記マイクロチップの前記第一の面に対して、前記管状部材を介して間接的に接触するよう構成されることが好ましい。
このマイクロチップローディング装置において、前記搬送部は、前記マイクロチップの前記表面に押し付けられて回転する第一のローラと、前記裏面に押し付けられて回転する第二のローラと、前記第二のローラを前記押圧部と前記伝振部材との対向方向に付勢するバネと、を含んでなることが好ましい。さらに、前記搬送部において、前記第一のローラと前記第二のローラは、前記マイクロチップの搬送方向に離間して複数対配置され、少なくとも一対の前記第一のローラと前記第二のローラが、前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送された前記マイクロチップを挟持し得る位置に配置されることが好適となる。
本技術に係るマイクロチップローディング装置はマイクロチップ型フローサイトメータを構成するものとでき、本技術はこのマイクロチップローディング装置を備えたマイクロチップ型フローサイトメータをも提供する。この場合において、マイクロチップローディング装置の前記位置調整部は、前記マイクロチップに照射される光の光軸方向に、前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部の位置を変更する焦点位置調節機構を含むことが好ましい。さらに、前記位置調整部は、前記光の光軸に対する、前記伝振部材の前記マイクロチップへの接触面の角度を変更する角度調節機構を含むことが好適である。
また、本技術は、マイクロチップの第一の面に接触し、接触面に前記第一の面に形成された流体の出入口の位置に対応して前記流体の通流路が開口された押圧部と、前記マイクロチップの第二の面への接触面と、の間に前記マイクロチップを搬送する手順と、対向して配置された前記押圧部と、前記マイクロチップの前記第二の面への前記接触面と、の間に前記マイクロチップを前記通流路と前記出入口とが接続された状態で挟み込んで保持する手順と、を含むマイクロチップローディング方法も提供する。
本技術において、「微小粒子」には、細胞や微生物、リポソームなどの生体関連微小粒子、あるいはラテックス粒子やゲル粒子、工業用粒子などの合成粒子などが広く含まれるものとする。
生体関連微小粒子には、各種細胞を構成する染色体、リポソーム、ミトコンドリア、オルガネラ(細胞小器官)などが含まれる。細胞には、動物細胞(血球系細胞など)および植物細胞が含まれる。微生物には、大腸菌などの細菌類、タバコモザイクウイルスなどのウイルス類、イースト菌などの菌類などが含まれる。さらに、生体関連微小粒子には、核酸やタンパク質、これらの複合体などの生体関連高分子も包含され得るものとする。また、工業用粒子は、例えば有機もしくは無機高分子材料、金属などであってもよい。有機高分子材料には、ポリスチレン、スチレン・ジビニルベンゼン、ポリメチルメタクリレートなどが含まれる。無機高分子材料には、ガラス、シリカ、磁性体材料などが含まれる。金属には、金コロイド、アルミなどが含まれる。これら微小粒子の形状は、一般には球形であるのが普通であるが、非球形であってもよく、また大きさや質量なども特に限定されない。
本技術により、マイクロチップを簡便な操作で搭載でき、自動で光学位置を調整可能なマイクロチップローディング装置が提供される。
本技術に係るマイクロチップローディング装置1の構成を説明する斜視図である。(A)はマイクロチップが挿入位置(ローディング前)にある状態、(B)はマイクロチップが保持位置(ローディング後)にある状態を示す。 マイクロチップローディング装置1の構成を説明する断面図である。 マイクロチップローディング装置1に搭載可能なマイクロチップの一例の構成を説明する図である。 マイクロチップローディング装置1に搭載可能なマイクロチップの一例のオリフィスの構成を説明する図である。 マイクロチップローディング装置1の位置調整機構の構成を説明する図である。 マイクロチップローディング装置1のマイクロチップ搭載時の制御ステップを説明するフローチャートである。 マイクロチップ2の搬送時のマイクロチップローディング装置1の構成を説明する断面図である。 マイクロチップ2を保持した状態のマイクロチップローディング装置1の構成を説明する断面図である。 送液コネクタ部4の接触面40及びマイクロチップ2に設けられた位置決め手段の構成を説明する正面図である。 送液コネクタ部4の接触面40及びマイクロチップ2に設けられた位置決め手段の構成を説明する断面図である。 サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424に挿入された管状部材(ゴムチューブ)8を説明する断面図である。 マイクロチップローディング装置1のマイクロチップ排出時の制御ステップを説明するフローチャートである。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。説明は以下の順序で行う。

1.マイクロチップローディング装置の構成
(1−1)ローディング部
(1−2)マイクロチップ
(1−3)送液コネクタ部
(1−4)チップ加振部
(1−5)位置調整機構
(1−6)制御部
2.マイクロチップローディング装置の制御
(2−1)マイクロチップ搭載時の制御
(2−1−1)チップ挿入検出ステップS11
(2−1−2)コネクタ部開放ステップS12
(2−1−3)チップ搬入ステップS13
(2−1−4)コネクタ部閉鎖ステップS14
(2−1−5)チップ位置原点復帰ステップS15
(2−1−6)チップ光学位置調整ステップS16
(2−2)マイクロチップ排出時の制御
(2−2−1)コネクタ部開放ステップS21
(2−2−2)チップ搬出ステップS22
(2−2−3)チップ排出検出ステップS23
1.マイクロチップローディング装置の構成
(1−1)ローディング部
図1及び図2は、本技術に係るマイクロチップローディング装置の構成を示す模式図である。図1(A)はマイクロチップが挿入位置(ローディング前)にある状態、図1(B)はマイクロチップが保持位置(ローディング後)にある状態を示す。以下では、本技術に係るマイクロチップローディング装置が、微小粒子の光学特性分析に供されるマイクロチップを、マイクロチップ型の微小粒子分析装置に搭載するための装置であるものとして説明する。
マイクロチップローディング装置1は、チップ挿入口31から内部に挿入されるマイクロチップ2を挿入位置(図1(A)参照)から保持位置(図1(B)参照)へ搬送するローディング部3を有する。マイクロチップ2は、保持位置において、微小粒子分析装置が備える光学系及び分取系に対して位置決めされる。挿入位置から保持位置へのマイクロチップ2の搬送方向をY軸正方向によって示す。
ローディング部3の内部には、搬送機構として、マイクロチップ2の一面(表面201)に押し付けられて回転する抑えローラ(第一のローラ)と反対面(裏面202)に押し付けられて回転する送りローラとが構成されている(図2参照)。抑えローラと送りローラは、マイクロチップ2を挟んで対向して配置されている(対向方向をZ軸方向で示す)。また、抑えローラと送りローラは、マイクロチップ2の搬送方向(Y軸方向)に離間して二対(抑えローラ331と送りローラ341、抑えローラ332と送りローラ342)配置されている。なお、本技術に係るマイクロチップローディング装置において、抑えローラと送りローラは、3対以上を配置してもよい。
送りローラ341,342は、バネ35によって抑えローラ331,332との対向方向(Z軸正方向)に付勢されている。また、送りローラ341,342は、不図示のギア及びモータによって回転駆動される(図2中矢印はチップ搭載時の各ローラの回転方向を示す)。抑えローラ331と送りローラ341及び抑えローラ332と送りローラ342は、チップ挿入口31から挿入されるマイクロチップ2を挟み込んで回転することによってマイクロチップ2を搬送する。
本技術に係るマイクロチップローディング装置において、ローディング部3内部の搬送機構は、上述のローラによるものに限定されず、例えばベルトコンベア、ラック・アンド・ピニオンなどであってもよいものとする。また、上記のバネ35は、送りローラ341,342をZ軸方向に付勢できればよく、コイルバネ、板バネ、弾性樹脂、マグネット、小型のエアシリンダ又はダイヤフラムシリンダなどであってよい。
(1−2)マイクロチップ
図3及び図4に、マイクロチップローディング装置1に搭載可能なマイクロチップ2の一例を示す。図3(A)は上面模式図、(B)は(A)中P−P断面に対応する断面模式図を示す。また、図4は、マイクロチップ2のオリフィス21の構成を模式的に説明する図であり、(A)は上面図、(B)は断面図、(C)は正面図を示す。図4(B)は、図3(A)中P−P断面に対応する。なお、これらの図では後述する基準穴26は図示を省略した。
マイクロチップ2は、サンプル流路22が形成された基板層2a、2bが貼り合わされてなる。基板層2a、2bへのサンプル流路22の形成は、金型を用いた熱可塑性樹脂の射出成形により行うことができる。熱可塑性樹脂には、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリジメチルシロキサン(PDMS)などの従来マイクロチップの材料として公知のプラスチックを採用できる。
微小粒子を含むサンプル液は、次に説明する送液コネクタ部4からサンプルインレット23に導入され、送液コネクタ部4からシースインレット24に導入されるシース液と合流して、サンプル流路22を送液される。シースインレット24から導入されたシース液は、2方向に分かれて送液された後、サンプルインレット23から導入されたサンプル液との合流部において、サンプル液を2方向から挟み込むようにしてサンプル液に合流する。これにより、合流部において、シース液層流の中央にサンプル液層流が位置された3次元層流が形成される。
符号25は、サンプル流路22に詰まりや気泡が生じた際に、サンプル流路22内に負圧を加えて流れを一時的に逆流させて詰まりや気泡を解消するための吸引流路を示す。吸引流路25の一端には、送液コネクタ部4を介して真空ポンプ等の負圧源に接続される吸引アウトレット251が形成されている。また、吸引流路25の他端は、連通口252においてサンプル流路22に接続している。
3次元層流は、送液方向に対する垂直断面の面積が送液方向上流から下流へ次第にあるいは段階的に小さくなるように形成された絞込部261(図3参照),262(図4参照)において層流幅を絞り込まれる。その後、3次元層流は、流路の一端に設けられたオリフィス21から流体ストリームとなって排出される。
サンプル流路22の絞込部261と絞込部262との間では、微小粒子分析装置が備える光学系によって微小粒子の特性検出が行われる。具体的には、サンプル流路22中を3次元層流の中心に一列に配列して送流される微小粒子に対してレーザが照射され、微小粒子から発生する散乱光や蛍光が検出器によって検出される。
サンプル流路22のオリフィス21への接続部は、直線状に形成されたストレート部27とされている。ストレート部27は、オリフィス21から流体ストリームをY軸正方向に真っ直ぐ射出するために機能する。
オリフィス21から射出される流体ストリームは、後述するチップ加振部によりオリフィス21に印加される振動によって液滴化される。オリフィス21は基板層2a、2bの端面方向に開口しており、その開口位置と基板層端面との間には切欠部211が設けられている。切欠部211は、オリフィス21の開口位置と基板端面との間の基板層2a、2bを、切欠部211の径Lがオリフィス21の開口径lよりも大きくなるように切り欠くことによって形成されている(図4(C)参照)。切欠部211の径Lは、オリフィス21から吐出される液滴の移動を阻害しないように、オリフィス21の開口径lよりも2倍以上大きく形成することが望ましい。
(1−3)送液コネクタ部
図1及び図2を再度参照して、マイクロチップローディング装置1のローディング部3以外の構成を説明する
図中符号4は、マイクロチップ2のサンプルインレット23にサンプル液を、シースインレット24にシース液を供給し、かつ吸引アウトレット251を負圧源に接続する送液コネクタ部を示す。送液コネクタ部4には、サンプルライン41が接続可能とされている。また、送液コネクタ部4には、シース液タンクからシースライン421が、真空ポンプ等の負圧源から吸引ライン422が接続されている(図2参照)。なお、図1では、シースライン421及び吸引ライン422は一本の配管内に収容されたシース・吸引ライン42として図示している。なお、本技術に係るマイクロチップローディング装置において、吸引ライン422は必須の構成となるものではない。
送液コネクタ部4は、ローディング部3によって保持位置(図1(B)参照)に搬送されたマイクロチップ2の表面201に接触して、マイクロチップ2を押圧して保持する(後述図8参照)。送液コネクタ部4のマイクロチップ2に対する接触面40には、サンプルライン41、シースライン421及び吸引ライン422の開口がサンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424として設けられている。サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424は、保持位置にあるマイクロチップ2のサンプルインレット23、シースインレット24及び吸引アウトレット251に対応する位置に開口されている。送液コネクタ部4は、樹脂製であっても金属製であってもよい。
送液コネクタ部4は、マイクロチップ2との対向方向(Z軸方向)に移動可能に構成されており、エアースライダ43によって駆動されてマイクロチップ2への接触位置と非接触位置との間を移動する(詳しくは後述する)。
図中符号44は、マイクロチップ2の誤挿入を防止するためのシャッタを示す。シャッタ44は、送液コネクタ部4からマイクロチップ2の侵入方向に延設され、一部がローディング部3の外側から2つのローラ対の間に差し込まれている。シャッタ44は、送液コネクタ部4とともにZ軸方向に移動されて挿入位置から保持位置へのマイクロチップ2の移動を制限あるいは解除する。
マイクロチップローディング装置1では、送液コネクタ部4に、サンプルライン41等をマイクロチップ2のサンプルインレット23等に接続するチャッキング機能と、マイクロチップ2を押圧して保持する機能の2つの機能を併せて付与している。このため、マイクロチップローディング装置1では、部品点数を減らして装置全体を小型化できる。
(1−4)チップ加振部
送液コネクタ部4によって押圧されたマイクロチップ2は、チップ加振部5の基準面521上に押し付けられて保持される。チップ加振部5は、ピエゾ素子等の振動素子51を含んでおり、基準面521と送液コネクタ部4の接触面40との間に挟み込まれて保持されたマイクロチップ2に対して、伝振部材52を介して振動素子51からの振動を印加する。
伝振部材52は、硬質材料によって形成される。伝振部材52を硬質材料によって形成することで、振動素子51からの振動を減衰させることなく効果的にマイクロチップ2に伝播できる。伝振部材52の材料は、振動素子51からの振動を、マイクロチップ2の裏面202に接触する基準面521からマイクロチップ2のオリフィス21に伝播可能である限り特に限定されず、アルミや鉄等の金属、又はガラスなどであってよい。
マイクロチップローディング装置1では、装置側に設けたチップ加振部5によってマイクロチップ2のオリフィス21に振動を印加して、オリフィス21から出射される流体ストリームの液滴化を行うことができる。このため、マイクロチップローディング装置1では、マイクロチップ側に作り込んだ振動素子によって液滴化を行う従来技術に比して、搬送機構であるローディング部3の構成を簡略化でき、装置全体を小型化できる。また、上記従来技術に比して、マイクロチップ2の構成も簡略化して製造コストを下げることができる。
(1−5)位置調整機構
図1及び図2に加えて、図5を参照して、マイクロチップローディング装置1が備える位置調整機構について説明する。
マイクロチップローディング装置1に保持されたマイクロチップ2のサンプル流路22に対して、微小粒子分析装置が備える光源(不図示)から微小粒子の特性検出のためレーザが照射される。マイクロチップ2に対するレーザの照射方向はZ軸正方向で示される。
X軸ステッピングモータ6は、レーザ光軸(Z軸方向)及びマイクロチップ2のサンプル流路22(Y軸方向)に直交する方向(X軸方向)に、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更する。これにより、X軸ステッピングモータ6は、レーザの照射位置がサンプル流路22に一致するように、レーザに対するマイクロチップ2の光学位置を調整する。マイクロチップ2とレーザの光学位置調整は、好ましくは微小粒子が通流されるサンプル流路22の中心、より好ましくは微小粒子の通流位置、にレーザが照射されるように行われる。
Z軸ステッピングモータ7は、レーザの光軸方向(Z軸方向)において、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更する。これにより、Z軸ステッピングモータ7は、レーザの焦点位置がサンプル流路22に一致するように、レーザに対するマイクロチップ2の光学位置を調整する。マイクロチップ2とレーザの光学位置調整は、好ましくは、微小粒子が通流されるサンプル流路22の中心にレーザがフォーカスされるように行われる。
η軸調整機構9及びθ軸調整機構10は、マイクロチップ2を保持する送液コネクタ部4とチップ加振部5の傾きを変更し、チップ加振部5の基準面521(図2参照)のレーザ光軸に対する角度を変更し、レーザが発生する光学収差(コマ収差)を補正するために機能する。η軸調整機構9及びθ軸調整機構10は、送液コネクタ部4とチップ加振部5に加えてローディング部3の角度をも変更する構成であってもよい。
上述のように、マイクロチップローディング装置1では、送液コネクタ部4をチャッキングとチップ保持の双方に機能させ、振動素子51を装置側に配したことにより、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5を含む装置全体が小型化されている。このため、マイクロチップローディング装置1では、X軸ステッピングモータ6等の位置調整機構によってローディング部3等を僅かに位置調整するのみでマイクロチップ2の光学位置を最適化できる。また、マイクロチップローディング装置1では、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更してマイクロチップの光学位置調整を行えるため、送液コネクタ部4からのサンプル液及びシース液の送液を停止することなく維持したまま光学位置の最適化が可能である。
(1−6)制御部等
マイクロチップローディング装置1は、上述の各部を制御するための制御部を備える。制御部は、CPU、メモリ及びハードディスクなどを備える汎用のコンピュータによって構成でき、ハードディスク内にはOSと次に説明する制御ステップを実行するプログラムなどが格納される。また、マイクロチップローディング装置1はユーザインターフェースとしてキーボードなどの入力デバイスと、ディスプレイやスピーカなどの出力デバイスを備えていてもよい。
2.マイクロチップローディング装置の制御
(2−1)マイクロチップ搭載時の制御
(2−1−1)チップ挿入検出ステップS11
図6は、マイクロチップローディング装置1のマイクロチップ搭載時の制御ステップを説明するフローチャートである。マイクロチップローディング装置1では、上述のように、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5が小型化され、これらを一体にかつ僅かに位置調整するのみでマイクロチップ2の光学位置を調整することが可能とされている。このため、マイクロチップローディング装置1では、以下に説明する簡略な制御ステップによって自動的な光学位置の最適化が実現でき、従来ユーザが行っていた位置決め操作を不要とできる。以下、順に各ステップについて説明する。
チップ挿入検出ステップS11では、ユーザによりローディング部3のチップ挿入口31に挿入されたマイクロチップ2の検出が行われる。チップ挿入口31へのマイクロチップ2の挿入が検知されない場合には、マイクロチップローディング装置1は待機状態となっている。
マイクロチップ2がローディング部3のチップ挿入口31に挿入された状態は図2を参照できる。マイクロチップ2は、抑えローラ331と送りローラ341がマイクロチップ2を挟み込むことができる位置まで挿入される。なお、この状態では、ローディング部3の外側から2つのローラ対の間に差し込まれているシャッタ44によってマイクロチップ2の移動が制限される。このため、マイクロチップ2が誤って保持位置まで挿入されることはない。
チップ挿入口31にはコンタクトスイッチ等のセンサ(不図示)が設置されており、センサが挿入されたマイクロチップ2を検出すると、信号が制御部に出力されて次のコネクタ部開放ステップS12が実行される。
チップ挿入口31には、チップの有無を検出するセンサの他に、チップの挿し込み方向(上下方向)又は裏表を検出するセンサを設置してもよい。マイクロチップ2が挿し込み方向あるいは裏表が間違った状態でチップ挿入口31に挿入された場合には、ディスプレイ上の画像や文字、あるいはスピーカからの音などによってユーザに警告を与えるようにすることが好ましい。
(2−1−2)コネクタ部開放ステップS12
挿入されたマイクロチップ2の検出信号が入力されると制御部は、エアースライダ43に信号を出力して、送液コネクタ部4を閉鎖位置(図2参照)から開放位置(図7参照)へ移動させる。具体的には、エアースライダ43は、送液コネクタ部4を基準面521との対向方向(Z軸正方向)に移動させ、送液コネクタ部4を基準面521から離間する方向へ移動させる。これにより、送液コネクタ部4と伝振部材52との間に、ローディング部3から搬送されてくるマイクロチップ2を挿入可能な空間が形成される。
送液コネクタ部4が開放位置にくると、ローディング部3の2つのローラ対の間に差し込まれていたシャッタ44が引き抜かれる。これにより、シャッタ44によるマイクロチップ2の移動制限が解除され、マイクロチップ2が挿入位置から保持位置へ搬送可能な状態となる。
マイクロチップローディング装置1は、送液コネクタ部4が開放位置あるいは閉鎖位置のいずれの位置にあるかを検出するため、ホール素子等のセンサ(不図示)を備える。チップ挿入検出ステップS11及び待機状態では、送液コネクタ部4が閉鎖位置に維持されていることがセンサによってモニターされている。
(2−1−3)チップ搬入ステップS13
送液コネクタ部4が開放位置に移動したことがセンサによって検出されると、その検出信号を受けた制御部は、ローディング部3のギアを駆動するモータに信号を出力し、ギアを回転させる。これにより、ギアにより駆動されて送りローラ341,342が回転し、マイクロチップ2が送液コネクタ部4と伝振部材52との間の保持位置まで搬送される。図7に、マイクロチップ2がローディング部3により搬送されている状態を示す。
マイクロチップ2は、搬送方向先頭の一端が不図示の制動手段(制動板あるいは制動ピンなど)に突き当たるまで搬送される。保持位置にあるマイクロチップ2は、抑えローラ332と送りローラ342によって挟み込まれている(図8参照)。マイクロチップ2を排出する際に、逆回転する抑えローラ332と送りローラ342とがマイクロチップ2を搬出できるようにするためである。抑えローラと送りローラを3対以上配置する場合には、少なくとも一対が保持位置にあるマイクロチップ2を挟み込めるように配置する。
本ステップでは、送液コネクタ部4は開放位置に維持されており、送液コネクタ4はマイクロチップ2との非接触位置にある。マイクロチップ2は、送液コネクタ部4と伝振部材52との間に形成された空間に搬入されるため、その表面及び裏面に送液コネクタ部4の接触面40及びチップ加振部5の基準面521が接触することがない。従って、送液コネクタ4の接触面40又は該面に開口されたサンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424、あるいはチップ加振部5の基準面521が、マクロチップ2の表面又は裏面に接触して傷を付けることがない。
(2−1−4)コネクタ部閉鎖ステップS14
マイクロチップ2が保持位置に移動したことをコンタクトスイッチ等のセンサが検知すると、信号が制御部に出力されてコネクタ部閉鎖ステップS14が実行される。本ステップでは、制御部から信号により、エアースライダ43が送液コネクタ部4を開放位置から閉鎖位置に移動させる。図8に、送液コネクタ部4が閉鎖位置にある状態を示す。
具体的には、エアースライダ43は、送液コネクタ部4を基準面521との対向方向(Z軸負方向)に移動させ、送液コネクタ部4の接触面40をマイクロチップ2の表面に接触させる。これにより、マイクロチップ2が、チップ加振部5の基準面521上に押し付けられる。このとき、マイクロチップ2を挟み込んでいる送りローラ342も、これを支持するバネ35が縮むことによってZ軸負方向に移動する。
この際、送液コネクタ部4の接触面40に形成された、サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424がそれぞれマイクロチップ2のサンプルインレット23、シースラインレット24及び吸引アウトレット251にチャッキングされる。
これらの手順により、マイクロチップ2は、サンプルライン41等がサンプルインレット23等に接続された状態でチップ加振部5の基準面521上に保持される。
チャッキングが完了し、送液コネクタ部4が閉鎖位置に移動したことをホール素子等のセンサが検知すると、次のチップ位置原点復帰ステップS15が実行される。送液コネクタ部4が閉鎖位置に移動しない場合、チャッキングが失敗であるため、ディスプレイ上の画像や文字、あるいはスピーカからの音などによってユーザにチップを排出してチップの状態を確認後、再試行するように促す。
チャッキングのため、サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424は、保持位置にあるマイクロチップ2のサンプルインレット23、シースインレット24及び吸引アウトレット251に対応する位置に開口されている。これに加えて、チャッキングをより確実に行うため、送液コネクタ部4の接触面40とマイクロチップ2とに位置決め手段を設けることが好ましい。
図9及び図10に、位置決め手段として送液コネクタ部4の接触面40及びマイクロチップ2にそれぞれに設けられた基準ピン45と基準穴26を示す。図9は、マイクロチップローディング装置1及びマイクロチップ2の正面模式図である。図10は、マイクロチップ2が保持位置にあり、かつ送液コネクタ部4が開放位置にある場合の装置断面を示す断面模式図である(見易さのため符号は一部のみを示した)。図10は、図9中P−P断面に対応している。なお、図2は、図9中Q−Q断面に対応している。
基準穴26の径は、基準ピン45の径に対して同一あるいは僅かに大きく形成されており、送液コネクタ部4がマイクロチップ2に接触すると、接触面40に突設された基準ピン45がマイクロチップ2に穿設された基準穴26に嵌合する。これにより、マイクロチップ2が接触面40に対して位置決めされ、マイクロチップ2のサンプルインレット23等の位置が接触面40のサンプルライン口411等の位置が高精度に一致される。
送液コネクタ部4の接触面40とチップ加振部5の基準面521との間に保持されたマイクロチップ2は、伝振部材52を介した振動素子51からの振動の伝播によって振動可能な状態で保持される。保持されたマイクロチップ2の振動を容易にするため、サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424には、弾性を有する材料により形成された管状部材を挿入し、送液コネクタ部4の接触面40がこの管状部材を介して間接的にマイクロチップ2の表面に接触するようにすることが好ましい。
図11は、サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424に挿入された管状部材を説明する図である。図11は、マイクロチップ2を保持した状態のマイクロチップローディング装置1の構成を示す図8の部分拡大図である。サンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424は、それぞれゴムチューブ8が挿入されており、ゴムチューブ8の一端は接触面40から一部突出されて外部に露出している。送液コネクタ部4の接触面40とチップ加振部5の基準面521との間に保持されたマイクロチップ2のサンプルインレット23、シースインレット24及び吸引アウトレット251にはそれぞれサンプルライン口411、シースライン口423及び吸引ライン口424から突出したゴムチューブ8がチャッキングされることにより、流体通流路としての液密性及び気密性が確保される。このチャッキング状態では、コネクタ部4の接触面40は、ゴムチューブ8を介して間接的にマイクロチップ2に接触している。このため、マイクロチップ2は、ゴムチューブ8の弾性変形によって微動可能な状態で保持されるため、接触面40が直接マイクロチップ2に接触する場合に比べて、伝振部材52を介し伝播される振動によってより振動し易くされている。なお、管状部材の材料は、フッ素ゴムなどが好ましいが、ゴムに限定されるものではない。
(2−1−5)チップ位置原点復帰ステップS15
サンプルライン41等のサンプルライン口411等へのチャッキングが完了し、送液コネクタ部4が閉鎖位置に移動したことが検知されると、X軸ステッピングモータ6及びZ軸ステッピングモータ7が駆動し、マイクロチップ2を初期位置(原点)に復帰させる。X軸ステッピングモータ6及びZ軸ステッピングモータ7は、初期位置を検出するための原点センサとしてホール素子を備える。
X軸ステッピングモータ6は、図5X軸方向に、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更し、同方向におけるマイクロチップ2の位置を初期化する。また、Z軸ステッピングモータ7は、図5Z軸方向に、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更し、同方向におけるマイクロチップ2の位置を初期化する。
(2−1−6)チップ光学位置調整ステップS16
本ステップでは、微小粒子の光学特性検出のためのレーザに対するマイクロチップ2の光学位置の調整が行われる。マイクロチップ2の光学位置の調整は、微小粒子分析装置が備える光源から照射されるレーザに対して、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更することによって行われる。
具体的には、X軸ステッピングモータ6が、図5X軸方向に、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更し、レーザの照射位置をサンプル流路22に一致させる。また、Z軸ステッピングモータ7が、図5Z軸方向に、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更し、レーザの焦点位置をサンプル流路22に一致させる。マイクロチップ2とレーザの光学位置調整は、微小粒子から発生する蛍光又は散乱光の検出強度が最大化するように行われ、これにより、微小粒子が通流されるサンプル流路22の中心にレーザが照射されフォーカスされる。
微小粒子の特性検出は、サンプル流路22中を3次元層流の中心に一列に配列して送流される微小粒子に対してレーザを照射し、微小粒子から発生する散乱光や蛍光を検出器によって検出することによって行われる。X軸ステッピングモータ6及びZ軸ステッピングモータ7が、送液コネクタ部4とチップ加振部5との間に保持されたマイクロチップ2の光学位置を最適化することで、微小粒子の特性検出を高精度に行うことが可能となる。
マイクロチップローディング装置1では、送液コネクタ部4をチャッキングとチップ保持の双方に機能させ、振動素子51を装置側に配したことにより、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5を含む装置全体が小型化されている。このため、本ステップでは、ローディング部3、送液コネクタ部4とチップ加振部5の位置を一体に変更する場合にも、最小限の動作による僅かな位置調整のみでマイクロチップ2の光学位置を最適化できる。
チップ光学位置調整ステップS16の完了後、マイクロチップローディング装置1は、マイクロチップ2の排出信号が入力されるまで待機状態となる。なお、この待機状態では、微小粒子分析装置がサンプルライン41及びシースライン421へのサンプル液とシース液の送液と、マイクロチップ2のオリフィス21からの流体ストリームの射出を開始し、微小粒子の分析及び分取が実行される。
(2−2)マイクロチップ排出時の制御
(2−2−1)コネクタ部開放ステップS21
図12は、マイクロチップローディング装置1のマイクロチップ排出時の制御ステップを説明するフローチャートである。以下、順に各ステップについて説明する。
微小粒子分析装置による分析及び分取終了後、マイクロチップ2の排出信号が入力されると、制御部は、エアースライダ43に信号を出力して、送液コネクタ部4を閉鎖位置(図8参照)から開放位置(図7参照)へ移動させる。排出信号は、ユーザにより、又は微小粒子分析装置により、制御部に入力される。
具体的には、エアースライダ43は、送液コネクタ部4を基準面521との対向方向(Z軸正方向)に移動させ、送液コネクタ部4をマイクロチップ2から離間させる。これにより、送液コネクタ部4によるマイクロチップ2の押圧が解除される。また、バネ35によって付勢された送りローラ342がZ軸正方向に移動し、これに伴ってマイクロチップ2が基準面521から離間する。
送液コネクタ部4が開放位置にくると、ローディング部3の2つのローラ対の間に差し込まれていたシャッタ44が引き抜かれる。これにより、シャッタ44によるマイクロチップ2の移動制限が解除され、マイクロチップ2が保持位置から搬出可能な状態となる。
(2−2−2)チップ搬出ステップS22
送液コネクタ部4が開放位置に移動したことがセンサによって検出されると、その検出信号を受けた制御部は、ローディング部3のギアを駆動するモータに信号を出力し、ギアを回転させる。これにより、ギアにより駆動されて送りローラ341,342が回転する。本ステップにおけるギア、送りローラ341,342の回転は、チップ搬入ステップS13における回転と逆方向である。
保持位置にあるマイクロチップ2は、抑えローラ332と送りローラ342によって挟み込まれている(図8参照)。従って、送りローラ342が回転すると、マイクロチップ2が送液コネクタ部4と伝振部材52との間の保持位置から引き出されるようにして、チップ挿入口31へ搬出される。
(2−2−3)チップ排出検出ステップS23
チップ排出検出ステップS23では、チップ挿入口31に設置されたセンサによって搬出されたマイクロチップ2が検出される。チップ挿入口31へのマイクロチップ2の搬出が検知されない場合、マイクロチップローディング装置1は、ディスプレイ上の画像や文字、あるいはスピーカからの音などによってユーザに警告を与え、手動によるチップ排出を促す。
マイクロチップ2がチップ挿入口31に搬出されたことをセンサが検知すると、信号が制御部に出力される。そして、制御部から信号により、エアースライダ43が送液コネクタ部4を開放位置から閉鎖位置に移動させる。
具体的には、エアースライダ43は、送液コネクタ部4と伝振部材52との間にマイクロチップ2の挿入空間がなくなるように、送液コネクタ部4を基準面521との対向方向(Z軸負方向)に移動させる。送液コネクタ部4の閉鎖位置は、図2を参照できる。
送液コネクタ部4が閉鎖位置にくると、ローディング部3の2つのローラ対の間にシャッタ44が差し込まれることによってマイクロチップ2の移動が制限され、マイクロチップ2の保持位置へ逆戻りが阻止される。
送液コネクタ部4が閉鎖位置に移動したことをセンサが検知すると、マイクロチップローディング装置1は、マイクロチップの排出動作が完了したものとして、ディスプレイ上の画像や文字、あるいはスピーカからの音などによってユーザにチップの取り出し又は交換を促す。
本技術に係るマイクロチップローディング装置は以下のような構成をとることもできる。
(1)マイクロチップの第一の面に接触して該マイクロチップを押圧する押圧部と、前記マイクロチップの第二の面への接触面と、を有し、前記押圧部の前記マイクロチップの前記第一の面への接触面に、該第一の面に形成された流体の出入口の位置に対応して、前記流体の通流路が開口されており、対向して配置された前記押圧部と、前記マイクロチップの第二の面への接触面と、の間に前記マイクロチップを前記通流路と前記出入口とが接続された状態で挟み込んで保持するマイクロチップローディング装置。
(2)振動素子と、前記マイクロチップの前記第二の面への前記接触面を構成し、前記振動素子から印加される振動を前記マイクロチップに伝播する伝振部材と、
を含んでなる加振部を有する上記(1)記載のマイクロチップローディング装置。
(3)前記マイクロチップを前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送する搬送部を有する上記(1)又は(2)記載のマイクロチップローディング装置。
(4)前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部を一体に位置変更する位置調整部を有する上記(3)記載のマイクロチップローディング装置。
(5)前記押圧部が、前記伝振部材との対向方向に移動可能に構成された上記(1)〜(4)のいずれかに記載のマイクロチップローディング装置。
(6)弾性を有する材料により形成され、前記通流路の開口に一部が該流通路外に露出した状態で挿入された管状部材を備え、前記押圧部は、前記伝振部材との間に挟み込んで保持した前記マイクロチップの前記第一の面に対して、前記管状部材を介して間接的に接触する上記(1)〜(5)のいずれかに記載のマイクロチップローディング装置。
(7)前記搬送部が、前記マイクロチップの前記表面に押し付けられて回転する第一のローラと、前記裏面に押し付けられて回転する第二のローラと、前記第二のローラを前記押圧部と前記伝振部材との対向方向に付勢するバネと、を含んでなる上記(3)〜(6)のいずれかに記載のマイクロチップローディング装置。
(8)前記搬送部において、前記第一のローラと前記第二のローラは、前記マイクロチップの搬送方向に離間して複数対配置され、少なくとも一対の前記第一のローラと前記第二のローラが、前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送された前記マイクロチップを挟持し得る位置に配置された上記(7)記載のマイクロチップローディング装置。
(9)マイクロチップ型フローサイトメータを構成する上記(1)〜(8)のいずれかに記載のマイクロチップローディング装置。
(10)前記位置調整部が、前記マイクロチップに照射される光の光軸方向に、前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部の位置を変更する焦点位置調節機構を含んでなる上記(9)記載のマイクロチップローディング装置。
(11)前記位置調整部が、前記光の光軸に対する、前記伝振部材の前記マイクロチップへの接触面の角度を変更する角度調節機構を含んでなる上記(9)又は(10)記載のマイクロチップローディング装置。
また、本技術に係るマイクロチップ型フローサイトメータは以下のような構成をとることもできる。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のマイクロチップローディング装置を備えるマイクロチップ型フローサイトメータ。
1:マイクロチップローディング装置、2:マイクロチップ、201:表面、202:裏面、21:オリフィス、22:サンプル流路、23:サンプルインレット、24:シースインレット、25:吸引流路、251:吸引アウトレット、26:基準穴、3:ローディング部、31:チップ挿入口、331,332:抑えローラ、341,342:送りローラ、35:バネ、4:送液コネクタ部、40:接触面、41:サンプルライン、411:サンプルライン口、42:シース・吸引ライン、421:シースライン、422:吸引ライン、423:シースライン口、424:吸引ライン口、43:エアースライダ、44:シャッタ、45:基準ピン、5:チップ加振部、51:振動素子、52:伝振部材、521:基準面、6:X軸ステッピングモータ、7:Z軸ステッピングモータ、8:ゴムチューブ、9:η軸調整機構、10:θ軸調整機構

Claims (10)

  1. マイクロチップの第一の面に接触して該マイクロチップを押圧する押圧部と、
    前記マイクロチップの第二の面への接触面と、を有し、
    前記押圧部の前記マイクロチップの前記第一の面への接触面に、該第一の面に形成された流体の出入口の位置に対応して、前記流体の通流路が開口されており、
    対向して配置された前記押圧部と、前記マイクロチップの第二の面への接触面と、の間に前記マイクロチップを前記通流路と前記出入口とが接続された状態で挟み込んで保持するマイクロチップローディング装置において、
    振動素子と、
    前記マイクロチップの前記第二の面への前記接触面を構成し、前記振動素子から印加される振動を前記マイクロチップに伝播する伝振部材と、
    を含んでなる加振部を前記装置側に有し、
    前記マイクロチップを前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送する搬送部を有し、
    前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部を一体に位置変更する位置調整部を有するマイクロチップローディング装置。
  2. 前記押圧部が、前記伝振部材との対向方向に移動可能に構成された請求項1記載のマイクロチップローディング装置。
  3. 弾性を有する材料により形成され、前記通流路の開口に一部が該流通路外に露出した状態で挿入された管状部材を備え、
    前記押圧部は、前記伝振部材との間に挟み込んで保持した前記マイクロチップの前記第一の面に対して、前記管状部材を介して間接的に接触する請求項1又は2に記載のマイクロチップローディング装置。
  4. 前記搬送部が、前記マイクロチップの前記表面に押し付けられて回転する第一のローラと、
    前記裏面に押し付けられて回転する第二のローラと、
    前記第二のローラを前記押圧部と前記伝振部材との対向方向に付勢するバネと、を含んでなる請求項からのいずれか一項に記載のマイクロチップローディング装置。
  5. 前記搬送部において、前記第一のローラと前記第二のローラは、前記マイクロチップの搬送方向に離間して複数対配置され、
    少なくとも一対の前記第一のローラと前記第二のローラが、前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送された前記マイクロチップを挟持し得る位置に配置された請求項記載のマイクロチップローディング装置。
  6. マイクロチップ型フローサイトメータを構成する請求項1からのいずれか一項に記載のマイクロチップローディング装置。
  7. 前記位置調整部が、前記マイクロチップに照射される光の光軸方向に、前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部の位置を変更する焦点位置調節機構を含んでなる請求項記載のマイクロチップローディング装置。
  8. 前記位置調整部が、前記光の光軸に対する、前記伝振部材の前記マイクロチップへの接触面の角度を変更する角度調節機構を含んでなる請求項又はに記載のマイクロチップローディング装置。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載のマイクロチップローディング装置を備えるマイクロチップ型フローサイトメータ。
  10. マイクロチップの第一の面に接触し、接触面に前記第一の面に形成された流体の出入口の位置に対応して前記流体の通流路が開口された押圧部と、
    前記マイクロチップの第二の面への接触面と、の間に前記マイクロチップを搬送する手順と、
    対向して配置された前記押圧部と、前記マイクロチップの前記第二の面への前記接触面と、の間に前記マイクロチップを前記通流路と前記出入口とが接続された状態で挟み込んで保持する手順と、を含み、
    振動素子と、
    前記マイクロチップの前記第二の面への前記接触面を構成し、前記振動素子から印加される振動を前記マイクロチップに伝播する伝振部材と、
    を含んでなる加振部をマイクロチップローディング装置側に設け
    前記マイクロチップを前記押圧部と前記伝振部材との間に搬送する搬送部を有し、
    前記押圧部、前記加振部及び前記搬送部を一体に位置変更する位置調整部を有することを特徴とするマイクロチップローディング方法。
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