JP5966375B2 - 発泡成形部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡合成樹脂よりなる発泡成形部材と、その製造方法とに係り、特に自動車内装用の衝撃吸収材に好適な発泡成形部材及びその製造方法に関する。
自動車のドアトリムには、側面衝突(側突)時の衝撃エネルギー吸収(Energy Absorption:EA)のために、硬質ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなる衝撃吸収材が取り付けられている。
特許文献1(特開2007−154116号公報)には、発泡合成樹脂よりなる衝撃吸収材の表面に、合成樹脂を塗布して被覆層を形成することにより、この衝撃吸収材の衝撃吸収性能を向上させることが記載されている。特許文献1には、この被覆層の形成方法として、溶融状態の合成樹脂液を衝撃吸収材の表面にスプレーコーティングすること、及び、溶融状態の合成樹脂液中に衝撃吸収材を浸漬することが記載されている。特許文献1の実施の形態では、この合成樹脂液として、無発泡の溶融状態のポリウレタン樹脂が用いられている。
特開2007−154116号公報
特許文献1では、衝撃吸収材の本体部分を成形した後、この本体部分の表面に合成樹脂液を塗布する必要がある。そのため、衝撃吸収材の製造作業が煩雑になると共に、合成樹脂液が硬化するまで次の工程を開始することができず、衝撃吸収材の製造効率が低いものとなる。
また、引用文献1では、衝撃吸収材の本体部分を形成するための発泡合成樹脂原料と、被覆層を形成するための合成樹脂液とをそれぞれ用意する必要があるため、材料コストが高くなる。
本発明は、このような問題点を解決し、衝撃吸収性能を向上させつつ、比較的低コストにて効率よく製造することが可能な発泡成形部材と、その製造方法とを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の発泡成形部材は、発泡合成樹脂の成形体からなり、自動車内装用の衝撃吸収材とされる発泡成形部材において、該発泡成形部材の表面に形成されたスキン層と、該発泡成形部材の内部に部分的に形成された高密度部と、前記スキン層及び高密度部を除く非高密度部とからなり、前記スキン層、高密度部及び非高密度部はいずれも同一配合の発泡合成樹脂により構成されており、前記高密度部は少なくとも上記非高密度部よりも発泡合成樹脂の密度が高く、かつ該非高密度部に挟まれた状態となっており、更に、前記非高密度部は均一な密度を有していることを特徴とするものである。
請求項の発泡成形部材は、請求項1において、前記発泡成形部材は硬質ウレタンフォームよりなることを特徴とするものである。
本発明(請求項)の発泡成形部材の製造方法は、請求項1又は2に記載の発泡成形部材の製造方法であって、該発泡成形部材は、その外表面の少なくとも一部に沿って形成された表面層と、該表面層よりも該発泡成形部材の内部側に形成された、少なくとも1層の内層とを有しており、該発泡成形部材の成形工程において、前記表面層及び内層のうちの前記一方の層を前記他方の層よりも先に成形する第1の層成形工程と、成形済みの該一方の層をインサートして該他方の層を成形し、該表面層と内層とを一体化させる第2の層成形工程とを行い、該一方の層の成形時に該一方の層の表面に形成されたスキン層により前記高密度部を形成すると共に、該第1の層成形工程及び第2の層成形工程において、該表面層と内層とを、同一配合の発泡合成樹脂原料を金型内で発泡させることにより、均一な密度の前記非高密度部を成形することを特徴とするものである。
請求項の発泡成形部材の製造方法は、請求項において、前記表面層の厚さは15〜25mmであることを特徴とするものである。
本発明(請求項1)の発泡成形部材にあっては、その内部に高密度部が設けられており、この高密度部によって該発泡成形部材が補強されるため、内部に高密度部が設けられていない発泡成形部材に比べて、衝撃吸収性能に優れたものとなる。
本発明の発泡成形部材にあっては、高密度部とそれ以外の部分とが同一配合の発泡合成樹脂により構成されている。従って、発泡成形部材の衝撃吸収性能を向上させるために、この発泡成形部材自体とは別の部材や材料を用意する必要がなく、低コストにて発泡成形部材を製造することができる。また、本発明の発泡成形部材にあっては、その内部に高密度部が設けられており、発泡成形工程の後に補強用の被覆層等を設ける必要がないので、製造作業が簡易であると共に、発泡成形工程の後、直ちに次の工程を開始することができるため、製造効率が高いものとなる。
なお、発泡成形部材の成形時に、金型内に多量の発泡合成樹脂原料を供給して発泡させることにより、発泡成形部材全体の樹脂密度を高くし、該発泡成形部材の衝撃吸収性能を向上させることも考えられるが、発泡合成樹脂原料の供給量を過度に多くすると、成形された発泡成形部材にクラックが生じるおそれがある。しかも、発泡成形部材にクラックが生じない範囲内で発泡合成樹脂原料の供給量を多くしても、この発泡成形部材の衝撃吸収性能は、さほど向上しない。
また、発泡成形部材を構成する発泡合成樹脂の配合自体を変えて、発泡成形部材の衝撃吸収性能を向上させることが考えられるが、この場合、それまで発泡成形部材の製造に用いていた発泡合成樹脂原料を新たなものに交換する必要があり、コストが掛かる。また、発泡合成樹脂の配合を変えると、例えば発泡成形部材に荷重がかかり始めた初期の段階における荷重に対する発泡成形部材の変形特性が、配合変更前の発泡成形部材から変わってしまうおそれがある。
請求項の態様では、発泡成形部材は、該発泡成形部材の外表面に沿って形成された表面層と、それよりも内部側の少なくとも1層の内層とからなる複層構造となっている。この表面層及び内層は、それぞれ、同一配合の発泡合成樹脂原料が金型内で発泡されることにより成形されたものである。発泡成形部材を製造するに当っては、この表面層及び内層のうちの一方の層を他方の層よりも先に金型で成形し、その後、この成形済みの該一方の層をインサートして該他方の層を成形する。先に金型で成形された該一方の層の表面全体には、該一方の層を構成した発泡合成樹脂が金型の内面に接触することにより、樹脂密度が高いスキン層が形成されているので、該一方の層をインサートして該他方の層を成形することにより、該一方の層と他方の層との境界部、即ち発泡成形部材の内部に、この樹脂密度が高いスキン層が配置されることとなる。このスキン層により高密度部が構成されることにより、発泡成形部材の内部に容易に且つ低コストにて高密度部を設けることができる。
請求項の通り、表面層の厚さは15〜25mmであることが好ましい。このように構成することにより、発泡成形部材の衝撃吸収性能を十分に向上させることができる。
請求項の通り、本発明の発泡成形部材は、自動車のドアトリム等に取り付けられる、自動車内装用の衝撃吸収材に好適である。
本発明は、請求項の通り、成形体がウレタンフォームである発泡成形部材に好適である。このように、ウレタンフォームにより構成することにより、この発泡成形部材からなる衝撃吸収材は、より高い衝撃吸収性を有したものとなる。
本発明(請求項)の発泡成形部材の製造方法によれば、発泡成形部材の成形工程において、該発泡成形部材の内部に高密度部を設けると共に、非高密度部を均一な密度とし、かつ該発泡成形部材の全体を同一配合の発泡合成樹脂により構成する。従って、発泡成形部材の衝撃吸収性能を向上させるために、この発泡成形部材自体とは別の部材や材料を用意する必要がなく、低コストにて発泡成形部材を製造することができる。また、本発明の発泡成形部材の製造方法では、発泡成形部材の内部に高密度部を設けており、発泡成形工程の後に該発泡成形部材に補強用の被覆層等を設ける必要がないので、製造作業が簡易であると共に、発泡成形工程の後、直ちに次の工程を開始することができるため、製造効率が高い。
更に、本発明(請求項3)の発泡成形部材の製造方法では、発泡成形部材を、該発泡成形部材の外表面に沿って形成された表面層と、それよりも内部側の少なくとも1層の内層とからなる複層構造とし、この表面層及び内層を、それぞれ、同一配合の発泡合成樹脂原料を金型内で発泡させることにより成形している。発泡成形部材を製造するに当っては、この表面層及び内層のうちの一方の層を他方の層よりも先に金型で成形し、その後、この成形済みの該一方の層をインサートして該他方の層を成形する。先に金型で成形された該一方の層の表面全体には、該一方の層を構成した発泡合成樹脂が金型の内面に接触することにより、樹脂密度が高いスキン層が形成されているので、該一方の層をインサートして該他方の層を成形することにより、該一方の層と他方の層との境界部、即ち発泡成形部材の内部に、この樹脂密度が高いスキン層が配置されることとなる。このスキン層により高密度部が構成されることにより、発泡成形部材の内部に容易に且つ低コストにて高密度部を設けることができる。
第1の実施の形態に係る発泡成形部材の斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1の発泡成形部材の製造方法を示す金型の断面図である。 図1の発泡成形部材の別の製造方法を示す金型の断面図である。 第2の実施の形態に係る発泡成形部材の断面図である。 第3の実施の形態に係る発泡成形部材の断面図である。 比較例に係る発泡成形部材の製造方法を示す金型の断面図である。 図7の製造方法により製造された、比較例に係る発泡成形部材の断面図である。 実施例及び比較例に係る発泡成形部材の動的性能評価の方法を示す断面図である。 図10の動的性能評価の結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態では、発泡成形部材として、自動車のドアトリムに取り付けられる衝撃吸収材(以下、EA材と略すことがある。)を例示しているが、本発明は、これ以外の発泡成形部材及びその製造方法にも適用可能である。
[第1の実施の形態]
第1図は、第1の実施の形態に係る発泡成形部材としてのEA材1の斜視図であり、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図であり、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図である。第4図(a)〜(f)は、このEA材1の製造方法を示す金型の断面図である。
<EA材1の構成について>
この実施の形態では、EA材1は、自動車のドアトリム(図示略)に取り付けられるものである。この実施の形態では、第2図におけるEA材1の下面が、このEA材1をドアトリムに取り付けたときに該ドアトリムに対向する。以下、便宜上、このEA材1のドアトリム側(第2図における下側)を後端側といい、該ドアトリムと反対側(第2図における上側)を先端側という。このEA材1の該後端側の端面(以下、後端面という。)と先端側の端面(以下、先端面という。)との周縁部同士を繋ぐ面をEA材1の側周面という。なお、EA材1の配置はこれに限定されない。
このEA材1は、全体が硬質ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなる。この実施の形態では、EA材1は、その先端面及び後端面が互いに略平行な平坦面となっており、該先端側又は後端側から見た形状が略方形であり、且つ該先端側ほど側周面の周長が小さくなる略切頭角錐形状となっているが、EA材1の形状はこれに限定されない。
このEA材1は、発泡合成樹脂原料を金型に注入して発泡成形することにより製造されている。このEA材1の内部には、部分的に発泡合成樹脂の密度が他の部分よりも高くなっている高密度部Hが設けられている。このEA材1の該高密度部Hとそれ以外の部分とは、同一配合の発泡合成樹脂により構成されている。即ち、EA材1は、全体が単一の発泡合成樹脂原料から製造されている。EA材1のうち、高密度部Hの密度は0.03〜0.15g/cm特に0.05〜0.13g/cmであり、この高密度部Hと後述のEA材1の表面のスキン層2a,3aとを除いた他の部分(以下、非高密度部ということがある。)の密度は0.02〜0.14g/cm特に0.04〜0.12g/cmであり、この高密度部Hと非高密度部との密度の差は0.01〜0.13g/cm特に0.01〜0.09g/cmであることが好ましい。
この実施の形態では、EA材1は、その外表面の少なくとも一部に沿って形成された表面層2と、この表面層2よりも該EA材1の内部側に形成された内層3とを有している。表面層2及び内層3は、それぞれ、同一配合の発泡合成樹脂原料が金型内で発泡されることにより成形されたものである。この実施の形態では、表面層2が内層3よりも先に成形され、内層3の成形時に、この成形済みの表面層2がインサートされることにより、表面層2と内層3とが一体化されている。なお、このEA材1の製造方法の詳細については後述する。
一般的に、発泡合成樹脂原料を金型内で発泡させて発泡成形体を作製した場合、この金型の内面に接触した発泡成形体の表面には、該発泡成形体の内部よりも発泡合成樹脂の密度が高く、硬質なスキン層2aが形成される。この実施の形態では、表面層2が単体で金型により成形されているので、該表面層2の表面全体にスキン層2aが形成されている。そのため、内層3の成形時に、この成形済みの表面層2をインサートすることにより、表面層2と内層3との境界部(即ちEA材1の内部)の該表面層2側には、樹脂密度が高いスキン層2aが存在することとなる。
この実施の形態では、この表面層2と内層3との境界部に存在した該表面層2のスキン層2aがEA材1の内部の高密度部Hを構成している。
なお、内層3の表面のうち、その成形時に金型の内面と直に接触した部分では、第2図の通り、スキン層3aが形成されるが、金型の内面との間に表面層2が介在した部分では、この表面層2が断熱材となるので、スキン層3aがほとんど形成されない。即ち、表面層2と内層3との境界部の該内層3側には、スキン層3aはほとんど存在しない。ただし、本発明においては、内層3を被覆層2よりも先に成形し、この成形済みの内層3をインサートして表面層2を成形するようにしてもよい。この場合、内層3の表面全体にスキン層3aが形成され、この内層3のスキン層3aが表面層2と内層3との境界部に配置される。そして、この内層3のスキン層3aにより、EA材1の内部の高密度部Hが構成される。
この実施の形態では、第2図の通り、表面層2は、EA材1の先端面及び側周面に沿って形成されている。この実施の形態では、表面層2は、EA材1の先端面から側周面にかけて連続して形成されており、且つ、表面層2は、EA材1の先端面及び側周面の全体にわたって形成されている。表面層2のうちEA材1の側周面に沿って形成された部分の後端部は、全周にわたって、該EA材1の後端面に臨んでいる。即ち、EA材1の後端面においては、その周縁部が表面層2により形成されており、それよりも該後端面の中央側には、内層3が露呈している。
なお、表面層2の配置はこれに限定されない。例えば、EA材1の後端面にも、その全体にわたって表面層2が形成されてもよい。表面層2は、EA材1の外面のうち補強が必要な部分にのみ設けられていてもよく、EA材1の後端面以外にも、表面層2が存在しない部分(内層3がEA材1の外面に露呈した部分)が存在してもよい。EA材1の外面に露呈した内層3の表面と、これに隣接する表面層2の表面とは、第2図のように面一状に配置されてもよく、非面一状に配置されてもよい。表面層2は、EA材1の先端面、側周面及び後端面の2以上の面に跨って形成されてもよく、各面にそれぞれ独立して(複数の面に跨らないように)形成されてもよい。
なお、EA材1の側周面に表面層2を形成する場合には、第3図の通り、該側周面の全周にわたって無端周回状に表面層2を形成するのが好ましい。表面層2をこのように形成することにより、EA材1の先端面又は後端面に荷重が加えられたときに、該EA材1の割れや飛散を効果的に防止することができる。
表面層2の厚さT(第2図)は15〜25mm特に15〜20mmであることが好ましい。
<EA材1の製造方法について(第1の例)>
EA材1を製造するに当たっては、その内部に、部分的に発泡合成樹脂の密度が高くなった高密度部Hを設ける。その際、EA材1の高密度部Hとそれ以外の部分とを同一配合の発泡合成樹脂により構成する。
この実施の形態では、第4図(a)〜(f)の通り、EA材1のうち表面層2を内層3よりも先に表面層成形用金型10を用いて成形し(第1の層成形工程)、その後、内層成形用金型20を用い、この成形済みの表面層2をインサートして内層3を成形する(第2の層成形工程)。その際、表面層2及び内層3を、それぞれ、同一配合の発泡合成樹脂原料Uを金型10,20内で発泡させることにより成形する。
第4図(a)〜(c)の通り、表面層成形用金型10は、下型11及び上型12を有している。なお、金型10は、必要に応じ、中子等を有していてもよい。下型11には、EA材1の外形に合致した形状の凹穴よりなるキャビティ11aが設けられている。この実施の形態では、キャビティ11a内において、EA材1は、その先端側を下向きにして成形される。即ち、この下型11のキャビティ11aの底面によりEA材1の先端面が成形され、キャビティ11aの周壁面によりEA材1の側周面が成形される。
この表面層成形用金型10の上型12のキャビティ天井面の中央部からは、内層3の外形に合致した形状の凸部12aが突設されている。下型11と上型12とを型締めした状態において、キャビティ11aの内面と凸部12aの外面との間には、表面層2を成形するためのキャビティ空間が存在する。この凸部12aの外面により、表面層2の内層3との境界面(以下、表面層2の裏面ということがある。)が成形され、上型12のキャビティ天井面のうち、該凸部12aの基端とキャビティ11aの周壁面の上縁との間の部分により、表面層2の後端面(EA材1の後端面の周縁部)が成形される。脱型後、この表面層2の裏面側には、凸部12aにより形成された凹所2b(第4図(c))が存在する。
第4図(d)〜(f)の通り、内層成形用金型20も、下型21及び上型22を有している。なお、この金型20も、必要に応じ、中子等を有していてもよい。下型21には、成形済みの表面層2が嵌め込まれる凹穴21aが設けられている。この凹穴21aの内部形状は、実質的に、表面層成形用金型10における下型11のキャビティ11aの内部形状と同一である。即ち、成形済みの表面層2は、EA材1の先端側を下向きにしてこの凹穴21aに嵌め込まれる。
この内層成形用金型20の上型22のキャビティ天井面は、EA材1の完成時の後端面と合致する形状となっている。これにより、下型21の凹穴21a内に成形済みの表面層2を配置した状態で下型21と上型22とを型締めした場合には、この上型22のキャビティ天井面と表面層2の裏面側の凹所2bの内面との間に、内層3を成形するためのキャビティ空間が存在することとなる。この上型22のキャビティ天井面により、内層3の後端面(EA材1の後端面のうち、表面層2により形成された周縁部よりも中央側の部分)が成形される。
EA材1を製造する場合、まず、第4図(a)の通り、表面層成形用金型10の下型11のキャビティ11a内に、表面層2を成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入する。次いで、第4図(b)の通り、この表面層成形用金型10の下型11と上型12とを型締めし、発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。この原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂がキャビティ11aの内面と、上型12のキャビティ天井面及び凸部12aの外面との間のキャビティ空間に充満することにより、表面層2が成形される。その際、この発泡合成樹脂がキャビティ11aの内面、上型12のキャビティ天井面及び凸部12aの外面に接触することにより、表面層2の表面全体に、発泡合成樹脂の密度が高いスキン層2aが形成される。この発泡合成樹脂が硬化した後、第4図(c)の通り、下型11と上型12とを型開きして表面層2を脱型する(以上、第1の層成形工程)。
次に、第4図(d)の通り、この成形済みの表面層2を内層成形用金型20の下型21の凹穴21aにセットし、その裏面側の凹所2b内に、内層3を成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入する。このとき注入された発泡合成樹脂原料Uは、第1の層成形工程において表面層2を成形するのに用いられたものと同一配合のものである。次いで、第4図(e)の通り、この内層成形用金型20の下型21と上型22とを型締めし、発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。この原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂が表面層2の凹所2bの内面と上型22のキャビティ天井面との間のキャビティ空間に充満することにより、内層3が成形されると共に、表面層2と内層3とが一体化され、EA材1の全体の成形が完了する。この発泡合成樹脂が硬化した後、第4図(f)の通り、下型21と上型22とを型開きしてEA材1を脱型する(以上、第2の層成形工程)。
その後、必要に応じ、EA材1の表面仕上げを行うことにより、EA材1が完成する。
なお、表面層2を予め量産しておき、実際のEA材製造ラインでは第2の層成形工程のみを行うようにしてもよく、1回のEA材製造サイクルにおいて逐次、第1の層成形工程と第2の層成形工程とを行うようにしてもよい。
上記の製造方法では、第1の層成形工程と第2の層成形工程とで別々の金型を用いているが、例えば下型11を、これらの工程を通して共通とし、上型12,22のみを、第1の層成形工程と第2の層成形工程とで交換するようにしてもよい。
<EA材1及びその製造方法により奏される作用効果>
このEA材1にあっては、その内部に高密度部Hが設けられており、この高密度部Hによって該EA材1が補強されるため、内部に高密度部が設けられていないEA材に比べて、衝撃吸収性能に優れたものとなる。
このEA材1にあっては、高密度部Hとそれ以外の部分とが同一配合の発泡合成樹脂により構成されている。従って、EA材1の衝撃吸収性能を向上させるために、このEA材1自体とは別の部材や材料を用意する必要がなく、低コストにてEA材1を製造することができる。また、このEA材1にあっては、その発泡成形工程において内部に高密度部Hが設けられており、発泡成形工程の後に補強用の被覆層等を設ける必要がないので、製造作業が簡易であると共に、発泡成形工程の後、直ちに次の工程を開始することができるため、製造効率が高いものとなる。
この実施の形態では、EA材1は、表面層2と、それよりも内部側の内層3とからなる複層構造となっている。この表面層2及び内層3は、それぞれ、同一配合の発泡合成樹脂原料が金型10,20内で発泡されることにより成形されたものである。この実施の形態では、EA材1を製造するに当っては、この表面層2を内層3よりも先に金型10で成形し、その後、金型20により、この成形済みの表面層2をインサートして内層3を成形する。先に金型10で成形された表面層2の表面全体には、該表面層2を構成した発泡合成樹脂が金型10の内面に接触することにより、樹脂密度が高いスキン層2aが形成されているので、この表面層2をインサートして内層3を成形することにより、この表面層2と内層3との境界部、即ちEA材1の内部に、この樹脂密度が高いスキン層2aが配置されることとなる。この実施の形態では、このスキン層2aにより高密度部Hが構成されている。このようにすることにより、EA材1の内部に容易に且つ低コストにて高密度部Hを設けることができる。
この実施の形態では、表面層2の厚さTは15〜25mmであるため、EA材1の衝撃吸収性能を十分に向上させることができる。なお、表面層2の厚さTが10mm以下であると、表面層2の内外スキン層2aが必要な厚みとならず十分な補強効果が期待できない場合があり、表面層2の厚さTが30mm以上であると、表面層2の内外のスキン層2aの距離が離れすぎてしまうため十分な補強効果が期待できない場合がある。
<EA材1の製造方法について(第2の例)>
第5図(a)〜(f)は、EA材1の別の製造方法を示す金型の断面図である。
この実施の形態では、金型30は、下型31と、上型32と、第1の層成形工程において該上型32のキャビティ内面に取り付けられる中子33とを有している。なお、この金型30は、必要に応じ、さらに別の中子等を有していてもよい。下型31には、EA材1の外形に合致した形状の凹穴よりなるキャビティ31aが設けられている。この実施の形態でも、キャビティ31a内において、EA材1は、その先端側を下向きにして成形される。即ち、この下型31のキャビティ31aの底面によりEA材1の先端面が成形され、キャビティ31aの周壁面によりEA材1の側周面が成形される。
上型32のキャビティ天井面は、EA材1の完成時の後端面と合致する形状となっている。中子33は、この上型32のキャビティ天井面の中央部に着脱可能となっている。中子33は、内層3の外形に合致した形状となっている。この中子33を上型32のキャビティ天井面に取り付けた状態で下型31と上型32とを型締めしたときには、キャビティ31aの内面と中子33の外面との間に、表面層2を成形するためのキャビティ空間が存在する。
この金型30を用いてEA材1を製造する方法について、以下に説明する。
まず、第5図(a)の通り、金型30の下型31のキャビティ31a内に、表面層2を成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入する。また、金型30の型締め前に、上型32のキャビティ天井面に中子33を取り付けておく。次いで、第5図(b)の通り、下型31と上型32とを型締めし、発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。この原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂がキャビティ31aの内面と、上型32のキャビティ天井面及び中子33の外面との間のキャビティ空間に充満することにより、表面層2が成形される。その際、この発泡合成樹脂がキャビティ31aの内面、上型32のキャビティ天井面及び中子33の外面に接触することにより、表面層2の表面全体に、発泡合成樹脂の密度が高いスキン層2aが形成される。
この発泡合成樹脂が硬化した後、第5図(c)の通り、下型31と上型32とを型開きし、中子33を上型32のキャビティ天井面から取り外す。この際、成形済みの表面層2をキャビティ31a内に残置しておく(以上、第1の層成形工程)。
次に、第5図(d)の通り、この成形済みの表面層2の裏面側の凹所2b内に、内層3を成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入する。このとき注入された発泡合成樹脂原料Uは、第1の層成形工程において表面層2を成形するのに用いられたものと同一配合のものである。次いで、第5図(e)の通り、再度、下型31と上型32とを型締めし、発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。この原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂が表面層2の凹所2bの内面と上型32のキャビティ天井面との間のキャビティ空間に充満することにより、内層3が成形されると共に、表面層2と内層3とが一体化され、EA材1の全体の成形が完了する。この発泡合成樹脂が硬化した後、第5図(f)の通り、下型31と上型32とを型開きしてEA材1を脱型する(以上、第2の層成形工程)。
その後、必要に応じ、EA材1の表面仕上げを行うことにより、EA材1が完成する。
この金型30にあっては、第1の層成形工程と第2の層成形工程とで下型31及び上型32が共通であるため、金型コストの低減を図ることが可能となる。
[第2の実施の形態]
第6図は、第2の実施の形態に係る発泡成形部材としてのEA材1Aの断面図である。なお、第6図は、第2図と同様部分の断面を示している。
この実施の形態におけるEA材1Aは、その外表面(この実施の形態ではEA材1Aの先端面及び側周面)に沿って形成された表面層2と、この表面層2よりも該EA材1の内部側に形成された複数層の内層3A,3B,3Cとを有している。この実施の形態では、表面層2に隣接して第1の内層3Aが形成され、それよりもEA材1Aの内部側に第2の内層3Bが形成され、さらにそれよりもEA材1Aの内部側に第3の内層3Cが形成されている。このEA材1Aにおける表面層2の形状や配置は、前述の第1の実施の形態と同様である。
第1の内層3Aは、表面層2と略相似形状であり、該表面層2の裏面側の凹所2bの内面全体に沿って形成されている。即ち、第1の内層3Aを単独で見た場合には、この第1の内層3Aは、表面層2と同様に、その裏面(第2の内層3Bとの境界面)側に凹所(符号略)を有した形状となっている。第2の内層3Bは、該表面層2及び第1の内層3Aと略相似形状であり、この第1の内層3Aの裏面側の凹所の内面全体に沿って形成されている。即ち、第2の内層3Bを単独で見た場合には、この第2の内層3Bも、表面層2及び第1の内層3Aと同様に、その裏面(第3の内層3Cとの境界面)側に凹所(符号略)を有した形状となっている。これらの内層3A,3Bの厚さの好適範囲は、前述の表面層2の厚さTの好適範囲と同様である。第3の内層3Cは、第2の内層3Bの裏面側の凹所を充填したものとなっている。なお、内層3A〜3Cの形状及び配置はこれに限定されない。内層は、2層又は4層以上形成されてもよい。
このEA材1Aにあっては、表面層2と第1の内層3Aとの境界部だけでなく、第1の内層3Aと第2の内層3Bとの境界部、及び、第2の内層3Bと第3の内層3Cとの境界部にも、高密度部Hが設けられている。
このEA材1Aの製造方法の一例として、前述の第5図の金型30を用いた方法を説明する。
金型30を用いてEA材1Aを製造する場合には、表面層2を形成するための表面層形成用中子33の他に、第1の内層3Aを形成するための第1の内層形成用中子(図示略)と、第2の内層3Bを形成するための第2の内層形成用中子(図示略)とを用意する。第1の内層形成用中子は、第1の内層3Aの裏面側の凹所の内面形状と合致する形状となっており、第2の内層形成用中子は、第2の内層3Bの裏面側の凹所の内面形状と合致する形状となっている。
EA材1を製造するに当たっては、まず、第5図(a)〜(c)と同様に、上型32に表面層形成用中子33を取り付けた状態で、金型30により表面層2を成形する(表面層成形工程)。
表面層2の成形後、型開きし、上型32に、表面層形成用中子33の代わりに第1の内層形成用中子を取り付ける。そして、成形済みの表面層2の裏面側の凹所2bに、第1の内層3Aを成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入し、型締めして該発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。これにより、表面層2の裏面側に第1の内層3Aが成形されると共に、表面層2と第1の内層3Aとが一体化される(第1の内層成形工程)。
第1の内層3Aの成形後、型開きし、上型32に、第1の内層形成用中子の代わりに第2の内層形成用中子を取り付ける。そして、成形済みの第1の内層3Aの裏面側の凹所に、第2の内層3Bを成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入し、型締めして該発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。これにより、第1の内層3Aの裏面側に第2の内層3Bが成形されると共に、第1の内層3Aと第2の内層3Bとが一体化される(第2の内層成形工程)。
第2の内層3Bの成形後、型開きし、上型32から第2の内層形成用中子を取り外す。そして、成形済みの第2の内層3Bの裏面側の凹所に、第3の内層3Cを成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入し、型締めして該発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。これにより、第2の内層3Bの裏面側に第3の内層3Cが成形されると共に、第2の内層3Bと第3の内層3Cとが一体化され、EA材1Aの全体の成形が完了する。第3の内層3Cの成形後、型開きしてEA材1Aを脱型する(第3の内層成形工程)。
この表面層成形工程において表面層2の表面全体にスキン層2aが形成され、第1の内層成形工程において第1の内層3Aの裏面側にスキン層3aが形成され、第2の内層成形工程において第2の内層3Bの裏面側にスキン層3aが形成される。これらのスキン層2a,3aがそれぞれ表面層2と第1の内層3Aとの境界部、第1の内層3Aと第2の内層3Bとの境界部、及び第2の内層3Bと第3の内層3Cとの境界部に存在し、高密度部Hを構成している。
なお、上記の方法は一例であり、EA材1Aの製造方法はこれに限定されない。例えば、第4図の製造方法と同様に、表面層成形用金型10、第1の内層成形用金型(図示略)、第2の内層成形用金型(図示略)、及び第3の内層成形用金型(図示略)を用意し、表面層2、第1の内層3A、第2の内層3B及び第3の内層3Cを順に、それぞれ専用の金型を用いて成形するようにしてもよい。下型を共通とし、上型のみを各層を成形するための専用品としてもよい。
このEA材1Aのその他の構成は、第1の実施の形態におけるEA材1と同様であり、第6図において第1〜3図と同一符号は同一部分を示している。
このEA材1Aにあっては、内部に複数の層状の高密度部Hが存在するため、衝撃吸収性能がより高いものとなる。
[第3の実施の形態]
第7図は、第3の実施の形態に係る発泡成形部材としてのEA材1Bの断面図である。なお、第7図は、第2図と同様部分の断面を示している。
上記の各実施の形態では、内層3,3A〜3Cは、EA材1,1Aの先端側又は後端側から見て該EA材1,1Aの中央に配置されているが、内層の配置はこれに限定されない。
第7図のEA材1Bにあっては、内層3は、該EA材1Bの中央から第7図の右側にずれた位置に形成されており、第7図におけるEA材1Bの左半側には、内層3が存在していない。これにより、EA材1Bは、その第7図における右半側が、左半側よりも衝撃吸収性能が向上したものとなっている。
このように、EA材の衝撃吸収性能を部分的に向上させる必要がある場合(あるいは、部分的に衝撃吸収性能を向上させれば足りる場合)には、その部分に内層3を形成すればよい。
[実施例1]
後端面の一辺の長さ120mm、先端面の一辺の長さ105mm、該先端面と後端面との距離70mmの略切頭角錐形状であり、表面層2の厚さTが15mmであり、高密度部Hにおける樹脂密度が約0.05g/cmであり、非高密度部における樹脂密度が約0.04g/cmである第1の実施の形態のEA材1を製造した。
[比較例1]
第8図(a)〜(c)は、比較例に係るEA材110の製造方法を示す金型の断面図であり、第9図は、このEA材110の断面図である。なお、第9図は、第8図(c)のIX−IX線に沿う断面を示している。
第8図(a)〜(c)の金型100を用い、実施例1と同一形状で且つ内部が一様な密度となっている(即ち表面層2と内層3とが形成されていない)EA材110を製造した。この金型100は、下型101と、上型102とを有している。下型101には、EA材110の外形(=EA材1の外形)に合致した形状の凹穴よりなるキャビティ101aが設けられている。キャビティ101a内において、EA材110は、その先端側を下向きにして成形される。即ち、この金型100は、前述の第5図の金型30から中子33を省略した如き構成となっている。
EA材110の製造方法は以下の通りである。
まず、第8図(a)の通り、下型101のキャビティ101a内に、EA材110の全体を成形するための発泡合成樹脂原料UをノズルNから注入する。次いで、第8図(b)の通り、下型101と上型102とを型締めし、発泡合成樹脂原料Uを発泡させる。この原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂がキャビティ101aの内面と、上型102のキャビティ天井面との間のキャビティ空間に充満することにより、EA材110が成形される。その際、この発泡合成樹脂がキャビティ101aの内面及び上型102のキャビティ天井面に接触することにより、EA材110の表面全体に、樹脂密度が高いスキン層110aが形成される。このスキン層110aよりもEA材110の内部側は、実質的に、樹脂密度が一様となっている。この発泡合成樹脂が硬化した後、第8図(c)の通り、下型101と上型102とを型開きしてEA材110を脱型する。
このEA材110の製造に用いた発泡合成樹脂原料Uは、実施例1のEA材1の製造に用いたものと同一配合のものである。
比較例1では、EA材110の成形時における発泡合成樹脂原料Uの供給量を、EA材110の内部にクラックを生じさせずに該EA材110を成形することができる最大の量とした。
[比較例2]
EA材110の成形時における金型100への発泡合成樹脂原料Uの供給量を、EA材110の表面に欠肉を生じさせずに該EA材110を成形することができる最小の量としたこと以外は、比較例1と同様にして、EA材110を製造した。
[動的性能評価]
実施例1及び比較例1,2の各EA材1,110を、それぞれ、第10図に示す衝突試験機20にかけた。この試験において、衝突試験機40の支持体41に対し、各EA材1,110を、これらの先端側を該支持体41側として設置し、各EA材1,110の後端側から衝突体42を8m/秒の速度で衝突させ、各EA材1,110に加えられる荷重と、各EA材1,110に生じる歪とを測定した。この荷重と歪との関係を第11図のグラフに示す。
第11図から明らかな通り、比較例1,2及び実施例1の中で、最も密度が低い比較例2のEA材110は、プラトー領域(ある荷重に達した後、荷重がほぼ一定のまま歪が大きくなっていく領域)Pにおける荷重値が最も小さく、比較例1及び実施例1に比べて衝撃吸収性能が低い。この比較例2よりも密度が高い比較例1のEA材110は、プラトー領域Pにおける荷重値が比較例2よりも大きいので、比較例2に比べて衝撃吸収性能が高いことが分かるが、その差はさほど大きくない。また、比較例では、EA材110の成形時における発泡合成樹脂原料Uの供給量は、EA材110の内部にクラックを生じさせずに該EA材110を成形することができる最大の量となっているので、これ以上、EA材110の成形時における発泡合成樹脂原料Uの供給量を多くしても、衝撃吸収性能の向上は期待できない。
実施例1では、EA材1に荷重がかかり始めた初期の段階における荷重に対する該EA材1の歪の変化の仕方は、比較例1,2のEA材110とほぼ同様となっている。そして、実施例1では、プラトー領域Pにおける荷重値が比較例1よりもさらに高くなっている。このことから、本発明によれば、EA材1に荷重がかかり始めた初期の段階における荷重に対する該EA材1の変形特性を殆ど変えることなく、十分に衝撃吸収性能を向上させることが可能であることが分かる。
上記の各実施の形態は、いずれも本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成をもとりうる。
例えば、上記の各実施の形態は、自動車内装用のEA材及びその製造方法への本発明の適用例を示しているが、本発明は、これ以外の発泡成形部材及びその製造方法にも適用可能である。
1,1A,1B,110 EA材
2 表面層
2a スキン層
3,3A,3B,3C 内層
3a スキン層
10,20,100 金型

Claims (4)

  1. 発泡合成樹脂の成形体からなり、自動車内装用の衝撃吸収材とされる発泡成形部材において、
    該発泡成形部材の表面に形成されたスキン層と、
    該発泡成形部材の内部に部分的に形成された高密度部と、
    前記スキン層及び高密度部を除く非高密度部とからなり、
    前記スキン層、高密度部及び非高密度部はいずれも同一配合の発泡合成樹脂により構成されており、
    前記高密度部は少なくとも前記非高密度部よりも発泡合成樹脂の密度が高く、かつ該非高密度部に挟まれた状態となっており、
    更に、前記非高密度部は均一な密度を有していることを特徴とする発泡成形部材。
  2. 請求項において、前記発泡成形部材は硬質ウレタンフォームよりなることを特徴とする発泡成形部材。
  3. 請求項1又は2に記載の発泡成形部材の製造方法であって、該発泡成形部材は、その外表面の少なくとも一部に沿って形成された表面層と、該表面層よりも該発泡成形部材の内部側に形成された、少なくとも1層の内層とを有しており、
    該発泡成形部材の成形工程において、
    前記表面層及び内層のうちの前記一方の層を前記他方の層よりも先に成形する第1の層成形工程と、
    成形済みの該一方の層をインサートして該他方の層を成形し、該表面層と内層とを一体化させる第2の層成形工程とを行い、
    該一方の層の成形時に該一方の層の表面に形成されたスキン層により前記高密度部を形成すると共に
    該第1の層成形工程及び第2の層成形工程において、該表面層内層とを、同一配合の発泡合成樹脂原料を金型内で発泡させることにより、均一な密度の前記非高密度部を成形することを特徴とする発泡成形部材の製造方法。
  4. 請求項において、前記表面層の厚さは15〜25mmであることを特徴とする発泡成形部材の製造方法
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