JP5966313B2 - 金属帯の蛇行矯正装置 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1には、隣接するロール間に磁石を配置し、その磁力により金属帯をロール側に強く引き付けることにより、ロールのスキュー角度による蛇行矯正能力を向上させ得るとする技術が提案されている。また、特許文献2には、スイングロールをシリンダによってステアリングさせてスキュー角度を変化させることにより、蛇行矯正能力を向上させ得るとする技術が提案されている。
また、特許文献2に示されるような、スイングロールをシリンダによりステアリングしてスキュー角度を変化させる技術は、ステアリング用のシリンダ、スイングロールおよびロール架台をスイングシリンダで動かす必要があり、既設設備を改造する場合、ステアリング用のシリンダの増設、スイングロールおよびロール架台の増設に加え、スイングシリンダの容量を増加する改造など、改造する範囲が大きくなるという問題がある。
そして、このような構成であれば、カント角度を可変させることができるので、蛇行が検出されないときには、例えばカント角度を零とすることもできるし、必要十分な最小限の角度にすることができる。そのため、例えば特許文献1に示されるような、磁石による金属帯への押し付け力を増すような構成とは蛇行抑制の作用機序が異なるため、例えば金属帯表面の形状が悪い圧延材を通す酸洗ラインにおいても、ロールの摩耗量の増大を抑制できる。
この例は、連続処理ライン(例えば酸洗ライン(不図示))に付設された横型ルーパー設備であり、図1に示すように、横型ルーパー設備1の入側から出側に向けて金属帯Kが同図左右につづら折り状に折り返されながら連続的に搬送される構成である。そして、ループカー3がループセクション2内を走行することにより、ループセクション2内の金属帯容量を増減させるものである。なお、この例は、同図の上下に二台のループカー3が走行する仕様である。
なお、キャリアロール4とスイングロール5の構成は、スイングロール5が退避位置5bへの移動機構を有し(図3に示す)、キャリアロール4がこれを有しない点以外は同様なので、以下、主にスイングロール5について詳細に説明し、キャリアロール4についてはその図示および機構説明を適宜省略する。
詳しくは、図4に示すように、各スイングロール5(および各キャリアロール4)は、ロール5の両端に支軸6を有し、この支軸6が軸受7によって回転自在に枢支されるものであるが、金属帯Kの中央寄りの支軸7(同図の右側)は、軸線が搬送方向を向く上下揺動軸17を介してロール架台11先端上面に枢支されている。また、金属帯Kの端部寄りの支軸7(同図の左側)は、上下揺動用ジャッキ16を介してロール架台11基端上面に固定されている。この上下揺動用ジャッキ16は、ラック&ピニオン機構が内蔵されたジャッキ装置であって、上下を向くラックの上端部が支軸7下部に連結される一方、ピニオン側の入力軸が上下揺動用モータ15の出力軸に連結されている。この上下揺動用モータ15としてサーボモータが用いられ、上記制御部20の制御信号に応じ、所定量の正逆転および停止位置の保持が可能になっている。本実施形態では、カント角度を0°〜3°の範囲で可変する設定とされている。なお、上記アクチュエータとしてはこれら上下揺動用ジャッキ16および上下揺動用モータ15を含む機構が対応する。
この横型ルーパー設備1は、制御部20が、上記蛇行検出センサ22からの検出情報に基づき(ステップS1)、金属帯Kが「蛇行」しているとの判定をすると(ステップS2のYes)、各スイングロール5(および各キャリアロール4)それぞれの上下揺動用モータ15を駆動し、その駆動方向と駆動量に応じて上下揺動用ジャッキ16のラックを所定量上下させ、金属帯Kの端部寄りの支軸7が上下して、カント角βが可変される(ステップS3)。このときの制御は、例えば、検出された「蛇行」が小さければ、図6(a)に示すように、小さなカント角β1とされ、検出された「蛇行」が大きければ、図6(b)に示すように、大きなカント角β2とされることで、各スイングロール5(および各キャリアロール4)のカント角βが、「蛇行」を抑制するように設定されたカント角となる。これにより、設定されたカント角β1、β2に応じて、搬送される金属帯Kには、同図の符号F1およびF2にそれぞれ示すように、金属帯Kの幅方向中央側に向けて金属帯Kを押し出そうとする力がはたらくため、金属帯Kの蛇行を抑制することができる。
なお、本発明に係る金属帯の蛇行矯正装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、キャリアロール4を主に説明しつつ、キャリアロール4およびスイングロール5それぞれに「カント角度」を変えられる機構を備える例を説明したが、これに限らず、「カント角度」を変えられる機構は、キャリアロール4およびスイングロール5の少なくとも一方に装備されていれば、金属帯Kの蛇行を抑制することができる。
2 ループセクション
3 ループカー
4 キャリアロール
5 スイングロール
6 支軸
7 軸受
8 移動端支持ローラ
9 固定端支持ローラ
11 ロール架台
12 水平揺動用シリンダ
13 水平揺動用アーム
14 水平揺動軸
15 上下揺動用モータ
16 上下揺動用ジャッキ
17 上下揺動軸
20 制御部
22 蛇行検出センサ
H 搬送方向
K 金属帯
α スキュー角度
β カント角度
Claims (2)
- 金属帯の連続処理ラインに用いられ、ループセクションの入側または出側とループカー間の金属帯がスイングロールおよびキャリアロールによって支持されるとともに、ループカーがループセクション内を走行することにより、ループセクション内の金属帯容量を増減させる横型ルーパー設備に装備され、搬送中の金属帯の蛇行を矯正する金属帯の蛇行矯正装置であって、
前記スイングロールおよび前記キャリアロールは、金属帯の幅方向の左右に一対をなして配置されており、
前記一対のスイングロールは、金属帯の搬送位置でのスキュー角度を所定に設定するスキュー角度設定手段と、金属帯の搬送位置でのカント角度を設定するカント角度設定手段とを備え、
前記カント角度設定手段は、前記一対のスイングロールの出側での金属帯の蛇行方向と蛇行量を検出する蛇行検出センサと、前記一対のスイングロールを金属帯表面との対向方向にカント角度を付けるように揺動させるアクチュエータと、前記蛇行検出センサの検出情報を取得するとともに前記アクチュエータを制御可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記蛇行検出センサの検出情報に基づいて、前記アクチュエータを制御して前記カント角度を金属帯の蛇行を抑止するように可変とし、
前記スキュー角度設定手段は、各スイングロールが金属帯の搬送位置と退避位置とに位置するように各スイングロールを水平方向に揺動可能に構成され、前記搬送位置において、各スイングロールに所定のスキュー角度が与えられるように停止位置が設定されていることを特徴とする金属帯の蛇行矯正装置。 - 前記一対のスイングロールは、各スイングロールの軸線を中心に各スイングロールを回転自在に枢支するロール架台上に設けられ、
前記スキュー角度設定手段は、前記ロール架台が水平方向に揺動可能に構成されることで構成され、
前記カント角設定手段は、前記アクチュエータが、前記ロール架台と一体で回動されるように前記ロール架台の上に搭載されている請求項1に記載の金属帯の蛇行矯正装置。
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