JP5962699B2 - エネルギービームの位置合わせ装置および位置合わせ方法 - Google Patents
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Description
このような方法を採用するEUV光源装置は、高温プラズマの生成方式により、LPP(LaserProduced Plasma:レーザ生成プラズマ)方式EUV光源装置とDPP(DischargeProduced Plasma:放電生成プラズマ)方式EUV光源装置とに大きく分けられる。
以下、DPP方式に基づくEUV放射のメカニズムを簡単に説明する。
DPP方式では、例えば内部に電極が配置された放電容器内をガス状の高温プラズマ原料雰囲気とし、当該雰囲気中の電極間において放電を発生させて初期プラズマを生成する。
ここで、放電により電極間を流れる直流電流の自己磁場の作用により、上記した初期プラズマは収縮される。これにより初期プラズマの密度は高くなり、プラズマ温度が急激に上昇する。このような作用を、以下ピンチ効果と称する。ピンチ効果による加熱によって高温となったプラズマからEUV光が放射される。
EUV光源装置は、放電容器であるチャンバ1を有する。チャンバ1内には、一対の円板状の放電電極2a,2bなどが収容される放電部1aと、ホイルトラップ5や集光光学手段であるEUV集光鏡9などが収容されるEUV集光部1bとを備えている。
1cは、放電部1a、EUV集光部1bを排気して、チャンバ1内を真空状態にするためのガス排気ユニットである。
2a,2bは円盤状の電極である。電極2a,2bは所定間隔だけ互いに離間しており、それぞれ回転モータ16a,16bが回転することにより、16c,16dを回転軸として回転する。
14は、波長13.5nmのEUV光を放射する高温プラズマ用原料である。高温プラズマ原料14は、加熱された溶融金属(melted metal)例えば液体状のすず(Sn)であり、コンテナ15に収容される。溶解金属の温度は、例えば、コンテナ内に設けられた不図示の温度調整手段により調整される。
上記放電空間に輸送された高温プラズマ原料14に対してレーザ源(エネルギービーム照射手段)12よりレーザビーム(エネルギービーム)17が照射される。レーザビーム17が照射された高温プラズマ原料14は気化する。
高温プラズマ原料14がレーザビーム17の照射により気化された状態で、電極2a,2bに、電力供給手段3からパルス電力が印加されることにより、両電極2a,2b間にパルス放電が開始し、高温プラズマ原料14によるプラズマPが形成される。なお、電力の電極2a,2bへの印加は、例えば、レーザビーム17が上記高温プラズマ原料14への照射が行われる前になされる。
放電時に流れる大電流によりプラズマが加熱励起され高温化すると、この高温プラズマPからEUV光が放射される。
なお、上記したように放電電極2a,2b間にはパルス電力が印加されるので放電はパルス放電となり、放射されるEUV光はパルス状に放射されるパルス光となる。
高温プラズマPから放射したEUV光は、EUV集光鏡9により集光鏡9の集光点(中間集光点ともいう)fに集められ、EUV光取出部8から出射し、EUV光源装置に接続された点線で示した露光機40に入射する。
また、特許文献1に記載されたEUV光源装置においては、放電電極を回転させているので、次のような利点がある。
(i)常に新しいEUV発生種の高温プラズマ原料である固体または液体状の高温プラズマ原料を放電領域に供給することができる。
(ii)放電電極表面における、レーザビームが照射される位置、高温プラズマが発生する位置(放電部の位置)が常に変化するので、放電電極の熱負荷が低減し消耗を防ぐことができる。
したがって、原料ガスが放電電流の増加とともに磁気圧によって圧縮加熱される時、ピンチの効率が高まり、到達イオン密度や電子温度が、高い変換効率のEUV光放射が得られる値となる。
また、第2のレーザビーム17bの照射のタイミングを適宜設定することにより、放電領域に供給するプラズマ原料のガスの密度を、EUV放射に好適なものに制御することが可能となる。
図11は、LPP方式のEUV光源装置を簡易的に説明するための図である。
LPP方式のEUV光源装置は、光源チャンバ1を有する。光源チャンバ1には、EUV放射種である原料(高温プラズマ原料)を供給するための原料供給ユニット10および原料供給ノズル20が設けられている。原料供給ノズル20からは、原料として、例えば液滴状のすず(Sn)が放出される。
光源チャンバ1の内部は、真空ポンプ等で構成されたガス排気ユニット1cにより真空状態に維持されている。
また、高温プラズマ生成用のレーザ光22は、迷光としてEUV光取出部8に到達することもある。よって、EUV光取出部8の前方(高温プラズマ側)にEUV光を透過して、レーザ光22を透過させない不図示のスペクトル純度フィルタを配置することもある。
プリパルスにより原料の密度を低減させることで、この原料へのメインレーザパルスであるCO2レーザの吸収が改善され、EUV放射強度が増加する。
また、プラズマが比較的低密度となりEUV放射の再吸収が低減するため、EUV発生効率の向上やデブリ発生の低減を図ることができる。
まず、第1のレーザ源12a、第2のレーザ源12bから放出される第1および第2のレーザビーム17a,17bの照射方向が所定の方向となるように調整される。ここで、所定の方向とは、設計上定められた方向であり、第1および第2のレーザビーム17a,17bが電極2a,2b上の所定の位置を照射するように設計された方向である。この調整により、第1および第2のレーザビーム17a,17bが電極2a,2b上の所定の位置に照射されるように、両レーザビームの位置合わせがされる。
この放射されるEUV出力をモニタし、当該EUV出力が最大となるように、第2レーザビーム17bの照射位置を微調整することにより、第1のエネルギービームに対する第2のエネルギービームの照射位置を位置合わせが行われる。
また、位置合わせのためにEUV放射を発生させるので、その分、EUV光源装置への投入電力コストが増大する。
図12において、仮に第1のレーザビーム17aの照射位置がずれると、液滴状の原料14にレーザビームが照射されず弱いプラズマが形成されない。よって、第2のレーザビーム17bが原料14に照射されたとしても、デブリが増加し、効率も低下する。また仮に第2のレーザビーム17bの照射位置がずれると、EUV放射そのものが起こらない。
よって、DPP方式のEUV光源装置と同様、LPP方式のEUV光源装置においても、第1のレーザビームに対する第2のレーザビームの照射位置の位置合わせや、第1のレーザビーム17aが液滴状の原料を照射するように位置合わせすることも重要となる。
よって、EUV出力をモニタしながら、まず第1のレーザビーム17aの照射位置を調整し、引き続き、第2のレーザビーム17bの照射位置を調整することになる。この場合も位置合わせは手探り状態であり、また、余分な投入電力コストがかかる。
また第1のレーザビームの照射により生成される弱いプラズマからEUV放射が発生しない場合は、別途、プラズマモニタが必要となり、装置が複雑化する。
上記ビーム検出手段には、上記分岐手段を介して第1および第2のエネルギービームが入射するが、この検出手段によりモニタ(検出)されるビーム入射位置は、上記分岐手段を介して極端紫外光放射用原料上の照射位置に照射される第1、第2のエネルギービームの照射位置と対応している。そこで、上記ビーム検出手段により上記第1と第2のエネルギービームの入射位置をモニタ(検出)しながら、上記可動ミラーの角度を制御して上記第2のエネルギービームの上記光学手段への入射位置を調整することにより、上記第1のエネルギービームと上記第2のエネルギービームの相対的な位置合わせを行うことができる。また、上記分岐手段の角度を制御することにより第1および第2のエネルギービームの照射位置が調整されるので、これにより、第1および第2のエネルギービームが極端紫外光放射用原料上に照射されるように調整することができる。
また、上記光学手段として偏光ビームスプリッタを用い、該偏光ビームスプリッタに偏光光である第1エネルギービームを入射させるとともに、偏光方向を上記第1のエネルギービームの偏光方向と直交する方向に偏光させた第2のエネルギービームを入射させ、第1のエネルギービームを通過させ、第2のエネルギービームを反射させるように構成してもよい。このような構成とすることにより、上記光学手段におけるエネルギービームの減衰量を小さくすることができる。
さらに、上記において、上記光学手段と分岐手段の間に、第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整するための光軸方向に駆動可能な可動レンズを設けてもよい。このように構成することで、第1および第2のエネルギービームの照射位置におけるスポット径を容易に調整することができる。
またさらに、上記画像検出手段から構成されるビーム検出手段の入射側に、中央に上記エネルギービームを透過させる開口を有する拡散板と波長変換素子の積層体を、該拡散板が画像検出手段側になるように配置し、上記開口の径を、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームが所望の位置関係にあるとき両方のエネルギー光を透過させる大きさとし、上記積層体の近くに積層体から出射する拡散光の有無を検出する光検出手段を設けることにより、第1および第2のエネルギービームの照射位置が所望の位置関係でなくなったことを検出することができる。
(1)極端紫外光放射用原料に第1のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料の第1のエネルギービームが照射される位置もしくはその近傍に第2のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料を励起してプラズマを生成し当該プラズマから放出される極端紫外光を取り出す光源装置に使用され、上記第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの上記極端紫外光放射用原料上の照射位置の位置合わせを行う装置であって、第1のエネルギービーム照射手段から放出される第1のエネルギービームを通過させ、第2のエネルギービームを反射して、第1のエネルギービームの進行方向と同方向に導光する光学手段と、第2のエネルギービーム照射手段から放出される第2のエネルギービームを反射して、上記光学手段方向に導光する可動ミラーと、入射するエネルギービームの入射位置を検出するビーム検出手段と、上記光学手段を透過した第1のエネルギービームと、上記光学手段で反射した第2のエネルギービームが入射し、入射するエネルギービームの一部を分岐して、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置方向に導光するとともに、他の一部を透過させて上記ビーム検出手段の方向に導光する可動な分岐手段とを設ける。
上記ビーム検出手段は、入射するエネルギービームを受像して入射位置を検出する画像検出手段を有し、上記画像検出手段の入射側に、中央に上記エネルギービームを透過させる開口を有する拡散板と波長変換素子の積層体が、該拡散板が画像検出手段側になるように配置され、上記開口の径は、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームが所望の位置関係にあるとき両方のエネルギー光を透過させる大きさであり、上記積層体の近くには、積層体から出射する拡散光の有無を検出することにより、第1、および第2のエネルギービームの照射位置が所望の位置関係でなくなったことを検出する光検出手段が配置され、上記可動ミラーは、その角度を制御することにより上記第2のエネルギービームの上記光学手段への入射位置を調整することができ、上記分岐手段は、その角度を調整することにより、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置方向に進行する第1および第2のエネルギービームの照射位置を調整することができる。
(2)上記(1)において、光学手段として偏光ビームスプリッタを用い、該偏光ビームスプリッタに入射する第1、第2のエネルギービームを偏光光とし、該偏光ビームスプリッタの前段に、第2のエネルギービームの偏光方向を上記第1のエネルギービームの偏光方向と直交する方向に偏光させる偏光手段を設ける。上記偏光ビームスプリッタは、該偏光ビームスプリッタに入射する第1のエネルギービームを通過させ、第2のエネルギービームを反射する。
(3)上記(1)(2)において、上記光学手段と分岐手段の間に、第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整するための光軸方向に駆動可能な可動レンズを設ける。
(4)極端紫外光放射用原料に第1のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料の第1のエネルギービームが照射される位置の近傍に第2のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料を励起してプラズマを生成し当該プラズマから放出される極端紫外光を取り出すにあたり、上記第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの上記極端紫外光放射用原料上の照射位置を位置合わせする方法であって、上記第1のエネルギービームを透過させ、第2のエネルギービームを反射する光学手段を設け、第1のエネルギービームを上記光学手段に入射し、該光学手段を透過した第1のエネルギービームを可動の分岐手段に入射して反射させ、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置に向かって導光するとともに、上記分岐手段により、第1のエネルギービームの一部を分岐してこの分岐した第1のエネルギービームをビーム検出手段で検出し、上記第2のエネルギービームを、可動ミラーで反射して上記光学手段に入射し、該光学手段で反射したエネルギービームを上記第1のエネルギービームの進行方向とほぼ同じ方向に進行させ、上記分岐手段に入射して反射させ、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置に向かって導光するとともに、上記分岐手段により、光学手段で反射した第2のエネルギービームの一部を分岐してこの分岐した第2のエネルギービームをビーム検出手段で検出し、上記ビーム検出手段は、入射するエネルギービームを受像して入射位置を検出する画像検出手段を有し、上記画像検出手段の入射側に、中央に上記エネルギービームを透過させる開口を有する拡散板と波長変換素子の積層体が、該拡散板が画像検出手段側になるように配置され、上記開口の径は、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームが所望の位置関係にあるとき両方のエネルギー光を透過させる大きさであり、上記積層体の近くには、積層体から出射する拡散光の有無を検出することにより、第1、および第2のエネルギービームの照射位置が所望の位置関係でなくなったことを検出する光検出手段が配置され、上記ビーム検出手段による検出結果に基づき、上記第1のエネルギービームと上記第2のエネルギービームの極端紫外光放射用原料上のビーム照射位置が所望の位置関係となるように、上記可動ミラー及び分岐手段を駆動する。
(5)上記(4)において、上記光学手段と、上記分岐手段との間に光軸方向に駆動可能な可動レンズを設け、上記ビーム検出手段で検出される上記第1のエネルギービームのスポット径ならびに上記第2のエネルギービームのスポット径が予め定められたスポット径に一致するように上記可動レンズを駆動する。
(1)エネルギービーム位置合わせ装置を、第2のエネルギービームを反射する可動ミラーと、第1のエネルギービームを通過させ、第2のエネルギービームを反射して第1のエネルギービームの進行方向と同方向に導光する光学手段と、入射するエネルギービームの入射位置を検出するビーム検出手段と、上記光学手段を透過した第1のエネルギービームと上記光学手段で反射した第2のエネルギービームが入射し入射するエネルギービームの一部を分岐して上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置方向に導光するとともに、他の一部を透過させて上記ビーム検出手段の方向に導光する可動な分岐手段とから構成し、上記ビーム検出手段により上記第1と第2のエネルギービームの入射位置をモニタしながら、上記可動ミラーの角度を制御して上記第2のエネルギービームの上記光学手段への入射位置を調整するとともに上記分岐手段の角度を制御し、第1および第2のエネルギービームの照射位置を位置決めするようにしたので、EUV放射を発生させることなく、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの照射位置の位置合わせを容易に行うことが可能となる。特に、上記位置合わせのためにEUV放射を発生させる必要がないので、従来よりEUV光源装置への投入電力コストを削減することができる。
(2)光学手段として偏光ビームスプリッタを用い、該偏光ビームスプリッタに入射する第1、第2のエネルギービームを偏光光とし、該偏光ビームスプリッタの前段に、第2のエネルギービームの偏光方向を上記第1のエネルギービームの偏光方向と直交する方向に偏光させる偏光手段を設けることにより、光学手段におけるエネルギービームの減衰量を少なくすることができ効率を向上させることができる。
(3)上記光学手段と分岐手段の間に、第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整するための光軸方向に駆動可能な可動レンズを設けることにより、容易に照射位置における第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整することが可能となる。
(4)ビームを検出する手段として画像検出手段を設け、第1のエネルギービームの照射位置と第2のエネルギービームの照射位置をビーム検出手段により検出することにより、モニタ上に第1及び第2のエネルギービームの位置情報を表示することができる。このため、EUV放射を発生させることなく正しい位置調整方向を把握することが可能となり、従来と比較して短時間で第1および第2のエネルギービームの照射位置の位置合わせを行うことが可能となる。
(5)上記画像検出手段の入射側に、中央に上記エネルギービームを透過させる開口を有する拡散板と波長変換素子の積層体を、該拡散板が画像検出手段側になるように配置し、上記開口の径を、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームが所望の位置関係にあるとき両方のエネルギー光を透過させる大きさとし、上記積層体の近くに、上記積層体から出射する拡散光の有無を検出する光検出手段を配置することにより、第1及び/または第2のエネルギービームの照射位置が予め設定した位置からずれたことを検出することが可能となる。
すなわち、第1及び/または第2のエネルギービームの照射位置が上記開口の位置からずれて拡散板と波長変換素子の積層体上に照射されると、上記積層体から拡散光が出射し、この拡散光が上記光検出手段で検出され、第1及び/または第2のエネルギービームの照射位置が所望の位置からずれたことを検出することができる。
また、上記積層体の開口の径を、予め設定された両エネルギービームの集光径程度の大きさとすれば、第1及び/または第2エネルギービームのスポット径が上記集光径以内となっているかを検出することができる。すなわち、第1及び/または第2エネルギービームのスポット径が上記集光径程度以上になると上記積層体から拡散光が出射し、この拡散光が上記光検出手段より検出されるので、第1及び/または第2エネルギービームのスポット径が上記集光径以上となったことを検出することができる。
ここでは、例として、DPP方式のEUV光源装置において、エネルギービームとしてレーザビームを採用する場合について説明する。
第1のエネルギービーム照射手段である第1のレーザ源12aは、第1のエネルギービームである第1のレーザビーム17aを放出するものであり、例えば、Nd:YVO4レーザ装置から構成される。また、第2のエネルギービーム照射手段である第2のレーザ源12bは、第2のエネルギービームである第2のレーザビーム17bを放出するものであり、例えば、Nd:YVO4レーザ装置から構成される。
またアライメントチャンバ11は、可動レンズ11b、可動ミラーM3、NDフィルタ11d、ビーム検出手段として機能する画像検出手段であるCCD31を収容する。
これらの光学素子は、後で述べるように、第1のレーザビーム17aと第2のレーザビーム17bとの位置調整のモニタリング、電極2a,2bに照射される両レーザビームのスポット系の調整、両レーザビームの電極2a,2b上の照射位置を調整するために使用される。また、NDフィルタ11dの光入射側に図1に示すように、NDフィルタ11dからレーザビームを遮光する遮光用シャッター11cを設けてもよい。
第1のレーザビーム17aは、アライメントチャンバ11の窓部18aを通過し、ビームスプリッタM2に到達する。ビームスプリッタM2は偏光ビームスプリッタであり、例えば、S偏光成分を通過させ、P偏光成分を反射するように構成される。第1のレーザビーム17aの偏光はS偏光であるので、当該第1のレーザビーム17aは、ビームスプリッタM2を通過し可動レンズ11bへ導光される。
偏光ビームスプリッタとしては、例えば、合成石英基板の表面に誘電体多層偏光膜を施したものが使用される。
1/2波長板11aを通過しP偏光となった第2のレーザビーム17bは、可動ミラーM1により反射され、ビームスプリッタM2に到達する。上記したように、第2のレーザビーム17bの偏光はP偏光であるので、当該第2のレーザビーム17bは、ビームスプリッタM2により反射され、可動レンズ11bへ導光される。可動ミラーM1は図1の矢印方向に回動可能に構成されており、後で述べるように、第2のレーザビーム17bのビームスプリッタM2上での照射位置を調整するために使用される。
CCD31はその入射面に入射した第1のレーザビーム17a、第2のレーザビーム17bの位置情報を図示を省略したモニタに出力する。
また、NDフィルタ11dの光入射側に設けられた遮光用シャッター11cは、アライメント終了後にNDフィルタ11dからレーザビームを遮光する。これにより、EUV放射動作時にはNDフィルタ11d、CCD31にはレーザビームが到達しないので、両者の劣化を抑制することが可能となる。
レーザビームの波長は1064nmとし、可動ミラーM3は、合成石英からなり厚みt=5mmとした。可動ミラーM3の屈折率n=1.449であり、波長1064nmに対する透過率は、94%(t=5mmの場合)である。
可動ミラーM3におけるレーザビームの入射位置から一対の電極2a,2bのレーザビーム照射位置までの光路長L1と、可動ミラーM3におけるレーザビームの入射位置からCCD31入射面までの光路長L2は、それぞれ100mmとした。
図2(a)に示すように、可動ミラーM3に入射角45度で入射し、当該可動ミラーM3を通過するレーザビームは、2回屈折して照射面(CCD31)に到達する。到達地点と照射面(CCD31)の原点との偏差は3mmであった。
以上のように、電極2a,2b上のレーザビームの照射位置とCCD31のモニタ上のレーザビームの位置とは、1:1に対応づけることが可能となる。
図3に示すモニタ上の第1のレーザビーム17aの位置と電極2a,2b(カソード)上の第1のレーザビーム17aの照射位置との対応関係は予め設定されている。
アライメントチャンバ11の可動ミラーM1を動かすことにより、第2のレーザビーム17bのビームスプリッタM2、可動ミラーM3、NDフィルタ11dへの入射位置が動き、CCD31入射面への入射位置が動く。また、可動ミラーM3に反射されて電極2a,2b(カソード)に入射する第2のレーザビーム17bの入射位置も動く。
よって、第1および第2のレーザビーム17a,17bが図3(a)に示す状態であるとき、モニタに表示される第2のレーザビーム17bの位置を第1のレーザビーム17aの位置となるように可動ミラーM1を調整することにより、図3(b)に示すように第1および第2のレーザビーム17a,17bが重なり、電極2a,2b上の第1のレーザビーム17aの照射位置と第2のレーザビーム17bの照射位置とが同じなるように調整される。すなわち、第1のエネルギービームを照射した領域にある放電電極2a,2b上の原料14に対して第2のエネルギービームが照射されるように、第2のエネルギービームの照射位置が調整される。
次に、制御部30は、CCD31から出力される第1のレーザビーム17aの位置情報を記憶する(ステップS4)。この記憶した位置情報が電極2a,2b上の第1のレーザビーム17aの照射位置に相当する。
ここで、電極2a,2bと本発明のアライメント機構との位置関係が変わらない限り、この第1のレーザビーム17aの位置情報も変わらない。第1のレーザビーム17aの照射位置を再調整する場合、EUV放射を発生させずともこの記憶した第1のレーザビーム17aの位置に第1のレーザビーム17aの位置が一致するように可動ミラーM3の位置を調整することで、電極2a,2b上の第1のレーザビーム17aの照射位置をより精度よく調整することが可能となる。
そして、制御部30は、遮光用シャッター11cを駆動し閉状態にする(ステップS10)。
第1のエネルギービームの照射位置と第2のエネルギービームの照射位置は、モニタ上に位置情報が表示されるので、最初から正しい位置調整方向を把握することが可能となり、従来と比較して短時間で第2のエネルギービームの照射位置の位置合わせを行うことが可能となる。また、上記位置合わせのためにEUV放射を発生させる必要がないので、その分、従来よりEUV光源装置への投入電力コストを削減することができる。
また、本発明のアライメント機構を用いることにより、容易に第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整することが可能となる。
図5に本発明のアライメント機構をLPP方式のEUV光源装置に適用させた例を示す。基本的なアライメント機構の構成・動作は、図1に示すものと同じであるので詳細な説明は省略する。ここに示す例では、原料供給ユニット10から供給される液滴状の原料14に対する第1のレーザビーム17aと第2のレーザビーム17bの位置合わせを行うものである。
制御部30は、第1のレーザ源12aを駆動し、第1のエネルギービームとして第1のレーザビーム17aを放出させる(ステップS103)。そして制御部30は、設計上定められた方向と第1のレーザビーム17aの照射方向とが一致するように可動ミラーM3の位置を調整する(ステップS104)。ここで、液滴状の原料14に対する第1のレーザビーム17aの照射位置をより精度よく調整する場合は、従来通り、別途設けたプラズマモニタにより弱いプラズマの発生の有無をモニタし、弱いプラズマが発生するように、可動ミラーM3の位置を調整させてもよい。
ここで、液滴状の原料14と本発明のアライメント機構との位置関係が変わらない限り、この第1のレーザビーム17aの位置情報も変わらない。第1のレーザビーム17aの照射位置を再調整する場合、プラズマモニタを用いずともこの記憶した第1のレーザビーム17aの位置に第1のレーザビーム17aの位置が一致するように可動ミラーM3の位置を調整することで、液滴状の原料14に対する第1のレーザビーム17aの照射位置をより精度よく調整することが可能となる。
また、液滴状の原料14を照射する位置と、弱いプラズマが存在する位置とにある程度の偏差が発生する場合は、上記した両レーザビームの位置関係はこの偏差を反映した所定の関係となる。
制御部30がこの位置関係に対応するように可動ミラーM1の位置を調整すると、液滴状の原料14に第1のレーザビーム17aを照射した際に発生する弱いプラズマの位置に、第2のレーザビーム17bが照射されることになる。
そして、制御部30は、原料供給ユニット10を駆動して液滴状の原料14の供給を停止する(ステップS111)。次いで、制御部30は、遮光用シャッター11cを駆動し閉状態にする(ステップS112)。
第1のエネルギービームの照射位置と第2のエネルギービームの照射位置は、モニタ上に位置情報が表示されるので、最初から正しい位置調整方向を把握することが可能となり、従来と比較して短時間で第2のエネルギービームの照射位置の位置合わせを行うことが可能となる。そのため従来よりEUV光源装置への投入電力コストを削減することができる。
また、本発明のアライメント機構を用いることにより、容易に第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整することが可能となる。
図7に上記実施例の変形例を示す。
上記した実施例においては、ビーム検出手段として機能するCCD31を用いて第1のエネルギービーム、第2のエネルギービームの位置情報を入手し、第1のエネルギービームの位置と第2のエネルギービームの位置とが一致するように位置合わせを行っていた。
図7に示す例においては、第1のエネルギービーム、第2のエネルギービームをそれぞれレーザビームとし、CCD31の前面に第1のレーザビーム17aの集光径程度、第2のレーザビーム17bの集光径程度の開口(貫通孔)Hを有する拡散板32aを設置し、さらに拡散板32aの前面に、両レーザビームの集光径程度の開口(貫通孔)Hを有し、両レーザビームの波長を変換する波長変換素子32b(非線形光学結晶)を配置する。すなわち、上記画像検出手段であるCCD31の光入射側に、上記開口(貫通孔)Hを有する拡散板32aと波長変換素子32bからなる積層体32を配置する。
なお、拡散板32aおよび波長変換素子32b(非線形光学結晶)の開口Hの位置は、貫通孔を形成するように略一致している。また、上記した貫通孔を形成する開口HのCCD31上の位置は、電極2a,2b(カソード)上の第1のレーザビーム17aの照射位置と対応するように設定されている。また、上記拡散板32aと波長変換素子32bからなる積層体32は、必ずしも拡散板32aと波長変換素子32bを密着させて一体構造としたものである必要はなく、拡散板32aと波長変換素子32bからなる板状体を重ね合わせたり、距離をおいて配置したものであってもよい。
図8(a)に示すように、第1のレーザビーム17aの位置が所定の位置(電極2a,2b上の所定の位置に第1のレーザビーム17aが照射される位置)に位置合わせされていて、更に第2のレーザビーム17bの位置が第1のレーザビーム17aの位置と一致している場合、両レーザビームは、拡散板32aおよび波長変換素子32bの開口Hを通過し、CCD31上に到達する。
このレーザビームは、波長変換素子32bを通過して波長変換され、拡散板32aに到達する。拡散板32aに到達したレーザビームは再び波長変換素子32bを通過して拡散光となり、拡散光の到達位置に配置された光検出手段33に入射する。
上記光検出手段33は、第1のレーザビーム17a、第2のレーザビーム17bの波長をカットし波長変換された光を通過させる基本波カットフィルタ33aと、第2のCCD33bから構成されており、上記拡散光が上記基本波カットフィルタ33aを介して上記第2のCCD33bに入射し、第2のCCD33bにより拡散光となった波長変換光を検出する。
したがって、上記光検出手段33により、波長変換光が検出されたか否かを監視することにより、第1のレーザビーム17aの位置および/または第2のレーザビーム17bの位置がずれているか否かを監視することができる。
なお、第1のレーザビーム17a、第2のレーザビーム17bの波長が1064nmである場合、基本波カットフィルタ33aは波長1064nmの光をカットするIRカットフィルタとなる。
1a 放電部
1b EUV集光部
1c ガス排気ユニット
2a,2b 電極
3 電力供給手段
5 ホイルトラップ
8 EUV光取出部
9 EUV集光鏡
10 原料供給ユニット
11 アライメントチャンバ
11a 1/2波長板
11b 可動レンズ
11c 遮光用シャッター
11d NDフィルタ
12a 第1のレーザ源
12b 第2のレーザ源
14 高温プラズマ原料
15 コンテナ
16a,16b 回転モータ
16c,16d 回転軸
17 レーザ光
17a 第1のレーザビーム
17b 第2のレーザビーム
20 原料供給ノズル
21 励起用レーザ光発生装置
23 レーザ光入射窓部
24 レーザ光集光手段
30 制御部
31 CCD
32 積層体
32a 拡散板
32b 波長変換素子
33 光検出手段
33a 基本波カットフィルタ
33b 第2のCCD
40 露光機
H 開口
Claims (5)
- 極端紫外光放射用原料に第1のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料の第1のエネルギービームが照射される位置もしくはその近傍に第2のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料を励起してプラズマを生成し当該プラズマから放出される極端紫外光を取り出す光源装置に使用され、上記第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの上記極端紫外光放射用原料上の照射位置の位置合わせを行う装置であって、
第1のエネルギービーム照射手段から放出される第1のエネルギービームを通過させ、第2のエネルギービーム照射手段から放出される第2のエネルギービームを反射して、第1のエネルギービームの進行方向と同方向に導光する光学手段と、
上記第2のエネルギービームを反射して、上記光学手段方向に導光する可動ミラーと、
入射するエネルギービームの入射位置を検出するビーム検出手段と、
上記光学手段を透過した第1のエネルギービームと、上記光学手段で反射した第2のエネルギービームが入射し、入射するエネルギービームの一部を分岐して、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置方向に導光するとともに、他の一部を透過させて上記ビーム検出手段の方向に導光する、可動な分岐手段とを備え、
上記ビーム検出手段は、入射するエネルギービームを受像して入射位置を検出する画像検出手段を有し、
上記画像検出手段の入射側に、中央に上記エネルギービームを透過させる開口を有する拡散板と波長変換素子の積層体が、該拡散板が画像検出手段側になるように配置され、上記開口の径は、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームが所望の位置関係にあるとき両方のエネルギー光を透過させる大きさであり、
上記積層体の近くには、積層体から出射する拡散光の有無を検出することにより、第1、および第2のエネルギービームの照射位置が所望の位置関係でなくなったことを検出する光検出手段が配置され、
上記可動ミラーは、その角度を制御することにより上記第2のエネルギービームの上記光学手段への入射位置を調整することが可能であり、上記分岐手段は、その角度を調整することにより、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置方向に進行する第1および第2のエネルギービームの照射位置を調整可能である
ことを特徴とするエネルギービームの位置合わせ装置。 - 上記光学手段は偏光ビームスプリッタであり、該偏光ビームスプリッタに入射する第1、第2のエネルギービームは偏光光であって、該偏光ビームスプリッタの前段には、第2のエネルギービームの偏光方向を上記第1のエネルギービームの偏光方向と直交する方向に偏光させる偏光手段が設けられており、上記偏光ビームスプリッタは、該偏光ビームスプリッタに入射する第1のエネルギービームを通過させ、第2のエネルギービームを反射する
ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギービームの位置合わせ装置。 - 上記光学手段と分岐手段の間に、第1および第2のエネルギービームのスポット径を調整するための光軸方向に駆動可能な可動レンズが設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエネルギービームの位置合わせ装置。 - 極端紫外光放射用原料に第1のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料の第1のエネルギービームが照射される位置の近傍に第2のエネルギービームを照射し、上記極端紫外光放射用原料を励起してプラズマを生成し当該プラズマから放出される極端紫外光を取り出すにあたり、上記第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの上記極端紫外光放射用原料上の照射位置を位置合わせする方法であって、
上記第1のエネルギービームを透過させ、第2のエネルギービームを反射する光学手段を設け、
第1のエネルギービームを上記光学手段に入射し、該光学手段を透過した第1のエネルギービームを可動の分岐手段に入射して反射させ、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置に向かって導光するとともに、上記分岐手段により、第1のエネルギービームの一部を分岐してこの分岐した第1のエネルギービームをビーム検出手段で検出し、
上記第2のエネルギービームを、可動ミラーで反射して上記光学手段に入射し、該光学手段で反射したエネルギービームを上記第1のエネルギービームの進行方向とほぼ同じ方向に進行させ、上記分岐手段に入射して反射させ、上記極端紫外光放射用原料のビーム照射位置に向かって導光するとともに、上記分岐手段により、光学手段で反射した第2のエネルギービームの一部を分岐してこの分岐した第2のエネルギービームをビーム検出手段で検出し、
上記ビーム検出手段は、入射するエネルギービームを受像して入射位置を検出する画像検出手段を有し、
上記画像検出手段の入射側に、中央に上記エネルギービームを透過させる開口を有する拡散板と波長変換素子の積層体が、該拡散板が画像検出手段側になるように配置され、上記開口の径は、第1のエネルギービームと第2のエネルギービームが所望の位置関係にあるとき両方のエネルギー光を透過させる大きさであり、
上記積層体の近くには、積層体から出射する拡散光の有無を検出することにより、第1、および第2のエネルギービームの照射位置が所望の位置関係でなくなったことを検出する光検出手段が配置され、
上記ビーム検出手段による検出結果に基づき、上記第1のエネルギービームと上記第2のエネルギービームの極端紫外光放射用原料上のビーム照射位置が所望の位置関係となるように、上記可動ミラー及び分岐手段を駆動する
ことを特徴とする第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの位置合わせ方法。 - 上記光学手段と、上記分岐手段との間に光軸方向に駆動可能な可動レンズを設け、
上記ビーム検出手段で検出される上記第1のエネルギービームのスポット径ならびに上記第2のエネルギービームのスポット径が予め定められたスポット径に一致するように上記可動レンズを駆動する工程を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の第1のエネルギービームと第2のエネルギービームの位置合わせ方法。
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