<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ(図示略)に連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサ(図示略)が各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。加えて、入賞とは異なるものの、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
第6再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態は移行しない。但し、第7再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、特定役入賞として後述する報知抽選処理を行う。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
図1〜図5の説明に戻り、遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップボタン42〜44が設けられている。各ストップボタン42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップボタン42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップボタン43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップボタン44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップボタン42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップボタン42〜44には、ストップランプ42b,43b,44bがそれぞれ内蔵されている。これらストップランプ42b,43b,44bは、対応するストップボタン42,43,44の停止操作が有効である場合に点灯表示され、有効な停止操作がなされた場合に消灯表示されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却ボタン55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却ボタン55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入ボタン56が設けられている。また、第1クレジット投入ボタン56の左方には、第2クレジット投入ボタン57と、第3クレジット投入ボタン58とが設けられている。第2クレジット投入ボタン57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入ボタン58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入ボタン56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入ボタン56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算ボタン59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算ボタン59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットボタン72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットボタン72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットボタン72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ32l,32m,32r、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入ボタン56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算ボタン59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットボタン72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRWM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RWM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RWM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
主制御装置101の出力側には、ストップボタン42〜44に内蔵されたストップランプ42b〜44b、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ42c〜44c、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
次に、表示制御装置81の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
表示制御装置81には、演算処理手段であるCPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU82には、このCPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、このROM83内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM84などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部60〜62を表示制御装置81が制御する構成としてもよい。
かかる構成において、表示制御装置81のROM83には、押順報知用動画データ群85aと、特別報知用動画データ群85bとからなるRT状態用動画データ群85が記憶されている。押順報知又は特別報知用動画データ群が補助表示部65に対してセットされることにより、当該補助表示部65においてRT状態中に押順報知又は特別報知が行われる。押順報知及び特別報知については後述する。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図11は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRWM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRWM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRWM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRWM106のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRWMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RWM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ42c〜44cを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RWM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算ボタン59が操作されたか否かを判定し、精算ボタン59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のRT状態処理、ステップS213のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS209の抽選処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRWM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,BB状態の7種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図14は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」と言う。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」と言う。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが3〜20であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図14に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IV=3の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=4の際に当選となる確率は約262分の1、IV=5の際に当選となる確率は約256分の1、IV=6の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=7の際に当選となる確率は約65500分の1である。IV=8〜11の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=12〜19の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=20の際に当選となる確率は約7.30分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果対応処理を実行する。かかる処理は、遊技結果によって表示制御装置81に対して所定の演出を実行させるための処理であり、本抽選結果対応処理については後に詳述する。ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。
次に、ステップS210のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、所定の条件のもとステッピングモータ42c〜44cを駆動制御させる処理を実行し、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる。また、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間(所定時間)が経過したか否かを判定し、各リール32L,32M,32Rの停止制御用の処理を行うことが可能な状態であるか否かを判定する。所定期間を経過した場合には、各リール32L,32M,32Rを停止させることが可能となったことを遊技者に認識可能とすべく、ストップボタン42〜44に内蔵されたストップランプ42b〜44bを点灯表示させたうえで、ステップS402以降の処理に進む。
ここで当該回転開始処理における上記の所定期間は、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから定速回転に至るまでに要する期間よりも長く設定されている。したがって、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至るまでの期間、すなわち各リール32L,32M,32Rの加速期間中にステップS402に進むことはない。
また、本実施形態では、所定のゲームでは当該回転開始処理にて、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから所定期間が経過するまでの期間にいずれかのストップボタン42〜44が操作された場合には、特別な処理が行われる。かかる処理の詳細については後述するとし、ここではまず各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となり、回転を開始してから所定期間が経過した後の処理について説明する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち対応するストップ検出センサからの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令対応処理を実行する。かかる処理では、所定条件のもと、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合に対応する処理を実行する。本停止指令対応処理については後に詳述する。続くステップS405では、対応するストップランプを消灯表示させ、続くステップS406〜412にて、回転中のリールを停止させるべく停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ32l,32m,32rの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RWM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=8〜19の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図14参照)に、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図16は、IV=8〜19の際にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=12と対応する当選フラグ「12」がセットされている場合には、左ストップボタン42が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップボタン43が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップボタン44が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップボタン42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップボタン42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップボタン43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作する必要がある。
IV=12の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップボタン42が操作された場合には、図17(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップボタン43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合、図17(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、図17(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップボタン44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図8参照)が停止する。
IV=12の際に当選となった場合に限られず、IV=12〜19の際に当選となった場合であって左ストップボタン42が最初に操作された場合、すなわち第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合に、それぞれの特殊ベルを成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目が停止する。
次に、IV=8の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップボタン43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップボタン44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合には、IV=8〜19のいずれで当選となった場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
IV=8〜19の際に当選となった場合には、6通りのストップボタン42〜44の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。
IV=8〜19の際に当選となった場合であって第5特殊ベル〜第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。この場合、メダルの払い出しを行わず、且つ遊技状態も移行させない。
移行出目は、IV=12〜19の際に当選となった場合であって、左ストップボタン42が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞を成立させることができない場合に、有効ライン上に停止する。この場合、メダルの払い出しを行わない一方で、遊技状態が第1RT状態に移行する。
また、これらストップボタン42〜44の操作順序は、図16に示す通り、最初に操作されるストップボタンによって成立する役が異なるように設定されている。つまり、ストップボタン42〜44のうち、左ストップボタン42が最初に操作されるか、中ストップボタン43が最初に操作されるか、右ストップボタン44が最初に操作されるか、により、成立する役が異なるように設定されており、2番目、3番目に操作されるストップボタンがそれぞれ逆の順序になったとしても、入賞する役は変化しない。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップボタン43と右ストップボタン44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=7の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRWM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS414にて今回のゲームにおける入賞成立役に応じた遊技の進行を実行するべく入賞結果対応処理を実行し、リール制御処理を終了する。入賞結果対応処理については、後に詳述する。
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS212のRT状態処理を図18のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS502にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグ〜第5RT設定フラグのいずれかがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS504にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図19は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜26には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=21〜26の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ここで、図14に示すように、通常遊技状態では、IV=20の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=20の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=23の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=24の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=25の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=26の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=20〜26のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図20は、第1RT状態下でIV=20〜26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、少なくとも第1再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞又は第1再遊技入賞が成立するように設定されている。左リール32Lには、「BAR」図柄、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されており、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合に限って成立する。当該所定のタイミング以外のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、第1再遊技入賞が成立する。より詳細には、第1再遊技入賞又は第10再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「BAR」図柄を停止させ、「BAR」図柄を停止させることができない場合には「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32M及び右リール32Rに「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第11再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤ベル」図柄を停止させ、「赤ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「白ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「白ベル」図柄を停止させ、「白ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。
当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS505に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS506にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS507に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS508にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図21は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図22は、第2RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS510にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図23は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図24は、第3RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS511に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS512にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第4RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図26は、第4RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS514にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
図27は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、29個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜29には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=21の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=22の際に当選となる確率は約655分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=24〜29の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第5RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜29の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図28は、第5RT状態下でIV=20〜29の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、少なくとも第6再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立するように設定されている。各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップボタン42〜44が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。但し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立可能なタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞ではなく、それぞれ第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞を成立させることができないタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞が成立する。
より詳細には、第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32L及び中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合は右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞、第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立するように設定された場合には、まず、左リール32L及び中リール32Mについては第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合と同様である。右リール32Rは、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であっても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止していない場合は、右ストップボタン44の操作タイミングによらず「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させる。この場合、右リール32Rの下段には「リプレイ」図柄が停止しており(図6参照)、第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞のいずれもが成立可能な余地を残す。一方、左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であっても、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄を停止させる。この場合、有効ライン上に「BAR」図柄は停止しない(図6参照)。また、左リール32Lに「赤7」図柄が停止していない場合には右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは、左リール32Lに「赤7」図柄が停止し右リール32Rの上段に「BAR」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止している場合、又は右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄が停止している場合には中ストップボタン43の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「50」〜当選フラグ「55」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
ここで、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図29を用いて説明する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=12〜19の際に当選となり、左ストップボタン42を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=12〜19のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップボタン43及び右ストップボタン44を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、通常遊技状態において、再遊技当選となる確率は約7.3分の1である。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=21〜26のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=20の際に当選となった場合には、ストップボタン42〜44の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第1RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第2再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約7.3分の1であり、通常遊技状態と同じ確率である。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第2RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第3再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約4.00分の1であり、通常遊技状態及び第1RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第3RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第4再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり、第2RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。また、第4RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第5再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり第3RT状態と同じ確率である。
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=24〜29の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=24〜29のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。また、第5RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、第9再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約1.47分の1であり、第3RT状態及び第4RT状態と同じ確率である。
このように、遊技状態を通常遊技状態から第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態〜第4RT状態の4つのRT状態を経由する必要がある。また、第2RT状態〜第4RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく通常遊技状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第1RT状態に移行する。このため、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況で通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率は、約50000分の1である。
一方で、第5RT状態に移行させる場合(本実施形態においては、ストップボタン42〜44の操作順序が報知される状況)においては、速やかに移行させることが望ましい。例えば、通常遊技状態から第5RT状態に直接移行する構成とすると、第5RT状態への移行契機となる役(本実施形態では第5再遊技)の当選確率は必然的に低く設定することになり当該移行役に当選するまでのゲームが単調となってしまう。また、その単調さを解消すべく当該移行役の当選確率を高めたうえでストップボタン42〜44の操作順序によって当該移行役が成立する構成とすると、操作順序を報知するか否かによって第5RT状態へ移行する確率が変化することになり上記の単調さは解消する一方で、操作順序を報知する状況となっても移行役に当選するまでの間のゲームが間延びしてしまう。そこで、本スロットマシン10のように、通常遊技状態から第5RT状態に移行する際に第5RT状態と異なる複数のRT状態を経由させ、それぞれの移行役(本実施形態においては、第2再遊技〜第4再遊技)の当選確率を上げることで、操作順序を報知する状況となった場合のゲームの間延びを解消している。
次に、ステップS213のBB状態処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602〜ステップS605に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS604にてRWM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。またこのとき、RWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。ステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
遊技状態がBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態とする処理を行う。
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、いずれのBB入賞も成立していない場合(ステップS603がNOの場合)と、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合と、ステップS606にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS607に進み、ゲーム数管理処理を実行する。かかる処理については後に詳述するが、各ゲームにおける役の抽選結果とは異なり、各ゲームの進行に関わる処理である。
ステップS607の処理を実行した後、ステップS608〜ステップS614では、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、先ずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、ステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS610にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態と第5RT状態のいずれでもない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、ステップS611にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合と、第5RT状態に移行した場合と、に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に加えて、第5RT状態に移行した場合にも大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。かかる構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、第5RT状態に移行した回数と、を別個に表示することが可能となる。
ステップS608にて大当たり信号を出力していると判定した場合には、ステップS612に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS613にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態がBB状態とRT状態のいずれでもない場合には、BB状態又は第5RT状態が終了したことを意味するため、ステップS614にて大当たり信号の出力を停止する出力停止処理を行い、本処理を終了する。
本スロットマシン10では、表示制御装置81がストップボタン42〜44の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しやすい状況となったり、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しにくい状況となったりする。つまり、本スロットマシン10では、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されるか否かにより、通常遊技状態から第5RT状態に移行する移行確率が変化する。そこで以下では、主制御装置101が表示制御装置81にストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わせるための処理について説明する。
まず、ステップS607のゲーム数管理処理を図31のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS701では、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS702に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、ROM105に設けられたゲーム数抽選カウンタから、1〜1280のいずれかの値を取得する。ステップS703では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、主制御装置101のRWM106に設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS701にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS704に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS708〜ステップS711に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則ゲーム数減算処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理について説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS708にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS709にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS710では、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS711にてストップボタン42〜44の操作順序を報知するための報知フラグをセットし、本処理を終了する。
このように、BB状態が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、1回のゲームが終了する毎に待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。
次に、抽選結果対応処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS801では、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの役に当選している場合には、ステップS802にて罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS803に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。
報知フラグがセットされている場合には、ステップS804及びステップS805にてベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選しているか否かを判定する。ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS806に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合すなわち第1RT状態〜第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS807に進み、報知コマンドを表示制御装置81への送信対象としてセットする。報知コマンドは、自身が報知コマンドであること、及びベル又は転落再遊技のいずれに当選しているかを把握できるように複数ビットで構成されている。報知コマンドを受信した表示制御装置81は、今回のゲームにてストップボタン42〜44の操作順序を報知すべく、ROM83のRT状態用動画データ群85のうち押順報知用動画データ群85aを補助表示部65にセットする。このとき、ベルに当選している場合には、ベルを入賞させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知し、転落再遊技に当選している場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知する。一方、ステップS806にて、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、報知コマンドをセットすることなくそのまま本処理を終了する。これは以下の理由による。すなわち、通常遊技状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上に移行出目が停止するようストップボタン42〜44が操作される必要がある。移行出目は特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップボタン42〜44の操作順序を報知した場合には、通常遊技状態から第1RT状態に移行させることができないからである。また、ストップボタン42〜44の操作順序によらずベルが成立する場合(IV=7の際に当選した場合)は、ストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わない。
ここで、表示制御装置81によるストップボタン42〜44の操作順序の報知では、ステップS804にてベルに当選していると判定した場合には、最初に操作すべきストップボタンのみの操作順序の報知が行われる一方で、ステップS805にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、全てのストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる。これは、既に説明したとおり、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンがストップボタン42〜44のうちいずれであるかによって、ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されており(図16参照)、転落再遊技に当選している場合には、6通りの操作順序のうち1通りのみが転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序として設定されている(図20、図22、図24、図26、図28参照)ことによるものである。したがって、報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ベルに当選している場合と転落再遊技に当選している場合とで、押順報知用動画データ群85aから異なるデータを選択する。
ここで、補助表示部65におけるストップボタン42〜44の操作順序の報知(押順報知演出)の内容について、図33及び図34を参照して説明する。図33(a)及び図33(b)は押順報知演出の様子を説明するための説明図であり、図33(a)はベルに当選している場合の押順報知演出の様子を示し、図33(b−1)〜図33(b−3)は転落再遊技に当選している場合の押順報知演出の様子を示している。なお、図33(a)においては、中ストップボタン43を最初に操作した場合にベル入賞が成立する場合を一例として示し、図33(b)においては、中ストップボタン43→右ストップボタン44→左ストップボタン42の順で操作した場合に転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかが成立する場合を一例として示している。また、図34は、補助表示部65において押順報知演出が実行されるタイミングを説明するためのタイミングチャートであり、図34(a)はスタートレバー41が操作される様子を示し、図34(b)は各リール32L,32M,32Rの回転速度を示し、図34(c)は押順報知演出が実行される様子を示している。
ベルに当選している場合の押順報知演出では、図33(a)に示すとおり、補助表示部65にて、ストップボタン42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく且つベルに対応させて黄色(図では斜線)に表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにてベルに当選していること、及び最初に操作すべきストップボタンが中ストップボタン43であることを認識することができる。
転落再遊技に当選している場合の押順報知演出では、図33(b−1)に示すとおり、補助表示部65にて、再遊技に対応させて水色(図ではドット)の3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では右ストップボタン44に対応する右側のボタン表示)に数字の2が付され、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では左ストップボタン42に対応する左側のボタン表示)に数字の3が付され、これら2番目と3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示は最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示よりも小さく表示される。遊技者が中ストップボタン43を操作して対応する中リール32Mが最終停止すると、図33(b−2)に示すように、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示され、遊技者が右ストップボタン44を操作して対応する右リール32Rが最終停止すると、図33(b−3)に示すように、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて転落再遊技に当選していること及び、各ストップボタン42〜44の操作順序を認識することができる。
押順報知演出の実行タイミングについて説明すると、図34(a)に示すように、t0のタイミングでスタートレバー41が操作されると、図34(b)に示すように各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。各リール32L,32M,32Rは、加速期間を経てt1のタイミングでその回転速度が定速回転に至る。上述の如く、リール制御処理(図15)では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから回転速度が定速回転に至ってから(所定期間が経過してから)、ストップボタン42〜44の操作が有効となる構成としているところ、t1のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転に至る前はストップボタン42〜44の操作は無効である。一方、押順報知演出は、図34(c)に示すように、スタートレバー41が操作されたt0のタイミングと同時又は略同時に補助表示部65にて実行される。つまり、ステップS807でセットされた報知コマンドは、タイマ割込み処理(図11)におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81に送信され、表示制御装置81は当該報知コマンドを受信した場合には、各リール32L,32M,32Rの回転速度等に関わらず、直ちに押順報知演出を実行する構成としている。ここで、押順報知演出を実行する構成として、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至った後に押順報知演出を実行する構成、つまりストップボタン42〜44の操作が有効となってから押順報知演出を実行する構成も考えられるが、このような構成とすると、遊技者は押順報知演出が実行されてから操作順序を認識して、ストップボタン42〜44を操作することとなり、円滑に遊技を進行させるという観点からすると好ましくない。これに対して本実施形態のように、ストップボタン42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押順報知演出を実行する構成とすることで、ストップボタン42〜44の操作順序を認識したうえで、ストップボタン42〜44の操作が有効となればその後迅速に操作をすることが可能となり、テンポ良く遊技を進行することが可能となっている。
抽選結果対応処理(図32)の説明に戻り、ステップS803にて報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS805にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS808に進み、当選フラグを確認して特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選しているか否かを判定する。特定役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合には、ステップS809にて報知抽選処理を行う。
また既に説明したとおり、当選フラグ「47」〜当選フラグ「49」の場合であって第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選している場合であっても、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立せずに第6再遊技入賞が成立する。この様な場合であっても、ステップS808では、特定役に当選していると判定する。
報知抽選処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が第5RT状態でない場合には、ステップS902に進み、RWM106から取得する乱数に基づいて報知抽選を行う。ステップS903では報知抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、報知抽選に当選した場合には、ステップS904にて待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに、ステップS905にて報知フラグをセットし、本処理を終了する。ステップS902の報知抽選では、特定役の種類に応じて報知抽選に当選となる確率が異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技の場合に報知抽選に当選となる確率が最も高い100パーセントであり、第1スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が最も低い10パーセントであり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で報知抽選に当選となる確率が低くなるように設定されている。
また、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であると判定した場合には、ステップS906にてRWM106に設けられた蓄積カウンタの値に所定の数値を加算し、本処理を終了する。当該所定の数値は、特定役の種類に応じて異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技である場合には最も大きい「5」であり、第1スイカの場合には最も小さい「1」であり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で蓄積カウンタの値に加算する数値が小さくなるように設定されている。
なお、上記報知抽選に当選する確率や、蓄積カウンタに加算する所定の数値は任意である。
次に、入賞結果対応処理を、図36のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1001では、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1002にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1003にて報知フラグをセットした後にステップS1004に進み、報知フラグがセットされている場合には、そのままステップS1004に進む。ステップS1004では、RWM106から取得する乱数に基づいて、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する報知回数を決定するための報知回数抽選処理を行う。ステップS1005では、報知回数抽選処理にて決定した報知回数を、RWM106に設けられた報知回数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。ちなみに、本スロットマシン10では、上記報知回数抽選処理を行うことにより、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値がセットされる。
ステップS1001にて第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1006に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされている場合には、ステップS1007にて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定するとともに、ステップS1008にて移行出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1009にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS1010にて上述した待機ゲーム数抽選処理を行う。ステップS1011では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
一方、報知フラグがセットされている状況で転落再遊技入賞が成立せず、且つ有効ライン上に移行出目が停止しなかった場合には、ステップS1012にて報知中処理を行った後に本処理を終了する。
報知中処理では、図37のフローチャートに示すように、ステップS1101にて報知回数カウンタの値が0でないか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、0でない場合には、ステップS1102にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、小役入賞が成立した場合には、ステップS1103にて9枚のメダル払出が行われる9枚小役入賞、すなわちベル入賞又は第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。9枚小役入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、9枚小役入賞が成立した場合には、ステップS1104にて報知回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS1105では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS1106にて報知フラグをクリアする。続くステップS1107では、蓄積カウンタの値が0でないか否かを判定し、0である場合にはそのまま本処理を終了する。一方、蓄積カウンタの値が0でない場合には、ステップS1108にて蓄積カウンタの値を1減算するとともに、ステップS1109にて上述した報知回数抽選処理を行う。その後、ステップS1110にて報知回数抽選処理にて決定した値を報知回数カウンタにセットし、続くステップS1111にて再び報知フラグをセットして、本処理を終了する。
したがって、蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知回数カウンタの値が0となった場合であっても、再び所定のゲームではストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる構成としている。蓄積カウンタは、既に説明したとおり、報知抽選処理(図35)にて、報知抽選に当選となる確率や当選となった場合の蓄積カウンタに加算する数値が特定役の種類によって異なるように設定されている。したがって、遊技者は、特定役の種類によって報知抽選処理が行われるか否か、そして、当選となった場合の蓄積カウンタに加算される数値を予測しながら、すなわち、報知フラグがセットされている状態がいつまで継続するかを予測しながら遊技を行うことができる。
次に、停止指令対応処理を、図38のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1201では、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1202〜ステップS1206に示す罰則判定処理を行う。
罰則判定処理では、ステップS1202にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1203にて第1停止指令として左ストップボタン42が操作されたか否かを判定する。左ストップボタン42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1204に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1205にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1206にてRWM106に設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
罰則フラグがセットされている場合、ゲーム数管理処理(図31参照)では、ステップS704にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS705にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS706にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS707にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果対応処理(図32参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて肯定判定をしてそのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われない。
つまり、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、当該ゲームの終了後に待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。また、次回のゲームにおいては、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われないことに加えて、待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。したがって、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
次に、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1、第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
BB状態が終了した場合、主制御装置101は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき主制御装置101は、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。ストップボタン42〜44の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、待機ゲーム数が0となった場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数が0でない場合には、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は低く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが非常に困難となっている。
このため、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、罰則フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42を最初に操作して遊技を行った場合に1減算される。また、罰則フラグがセットされていない状況で特定役に当選するとともに報知抽選に当選した場合には、待機ゲーム数が0とされる。罰則フラグは、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数を0とするためには、毎回のゲームにおいて左ストップボタン42を最初に操作する必要がある。
待機ゲーム数が0となった場合、報知フラグをセットする。そして、第1RT状態〜第4RT状態においてベル又は転落再遊技に当選となった場合には、表示制御装置81は、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する。遊技者は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作することにより、図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作せずともベル入賞や第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞(以下、「昇格再遊技入賞」とも言う。)を成立させることができる。また、ベル入賞や昇格再遊技入賞を成立させることにより、転落再遊技入賞が成立することや有効ライン上に移行出目が停止することを回避でき、比較的速やかに遊技状態を第5RT状態に移行させることが可能となる。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知される場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は高く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが、操作順序が報知されない場合と比較して容易となる。
遊技状態が第5RT状態に移行した場合、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値をセットする。そして、ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に報知フラグがクリアされる。つまり、第5RT状態では、ベル入賞を成立させるためのストップボタン42〜44の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。
第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作した場合、約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。ちなみに、報知回数として16回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約100枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として33回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約200枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として50回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約300枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として75回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約450枚のメダルの増加が期待できる。
第5RT状態下で報知回数カウンタの値が0となった場合、蓄積カウンタの値が0であるか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知フラグを再度セットするとともに、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値を再度セットする。蓄積カウンタの値は、第5RT状態下で特定役に当選した場合の報知抽選に当選すると、特定役の種類によって所定の数値が加算される。かかる観点からも第5RT状態は通常遊技状態と比して遊技者に有利であると言える。
蓄積カウンタの値が0である場合、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。この結果、待機ゲーム数が0となるまでの間、再びストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、約3.07枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約0.07枚増加することを期待できる。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない状況であっても、第5RT状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利である。但し、かかる状況では、約5.20分の1の確率で移行出目が有効ライン上に停止して第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で転落再遊技入賞が成立して通常遊技状態に移行する。このため、待機ゲーム数が0となる前に移行出目が有効ライン上に停止したり転落再遊技入賞が成立したりした場合には、遊技者に有利な状況が終了することとなる。
上述の如く、ストップボタン42〜44の操作順序が報知される場合は遊技者にとって有利な状況となるが、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されている場合であっても、遊技者にとって不利な状況が発生し得る。具体的には、報知された操作順序と異なる順序でストップボタン42〜44を操作すると、ベルに当選したゲームの場合、ストップボタン42〜44の操作順序及び操作タイミングによってはベルではなく特殊ベル又は移行出目が有効ライン上に停止し、転落再遊技に当選したゲームの場合、ストップボタン42〜44の操作順序によっては第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞ではなく転落再遊技入賞が成立する。既に説明したとおり、移行出目が停止すると遊技状態が第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立すると遊技状態が通常遊技状態に移行する。すなわち滞在していた遊技状態がそれよりも不利な遊技状態に移行してしまい、遊技者にとって不利な状況となる。
特に、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序が報知され、それに従って遊技者が操作した場合であっても、各リール32L,32M,32Rがそれぞれ停止しない場合がある。これは、各リール32L,32M,32Rの回転中にストップボタン42〜44が操作された場合であっても、その操作が有効となる期間と無効となる期間とが設定されていることによるものである。ここで、これら各期間の関係について図39を参照して説明する。図39は、各リール32L,32M,32Rの回転速度とストップボタン42〜44の有効及び無効期間との関係を説明するための図である。
図39に示すとおり、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから加速期間中に回転速度が上昇する。t1のタイミングで回転速度が所定の速度に至った後は、各リール32L,32M,32Rはその後もその速度を保って回転する。ここで、t1のタイミングよりも後に設定されたt2のタイミングでストップボタン42〜44の操作が有効となる。すなわち、t2のタイミングまではストップボタン42〜44の操作は無効であり、t0からt2のタイミングまではストップボタン42〜44の操作無効期間として設定されている。なお、本スロットマシン10において各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間は基本的に1secに設定されている。また、既に説明したとおり、ストップボタン42〜44の操作順序の報知を行う場合には、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転を開始するのと同時又はウェイト期間中であればそれ以前に補助表示部65にて押順報知演出が実行されている。
t2のタイミング以前はストップボタン42〜44の操作が無効であるため、t2のタイミング以前にストップボタン42〜44を操作しても対応するリールは停止せず、t2のタイミングよりも後にストップボタン42〜44を操作すると対応するリールは停止する。また、既に説明したとおり、停止に際しては、スベリ制御が設定された場合にはスベリを伴いリールが停止制御される。このリールのスベリ制御中も、ストップボタン42〜44の操作は無効となっている。したがって、t3のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作され、対応するリールがスベリを伴ってt4のタイミングで最終停止するまでの期間も、ストップボタン42〜44の操作は無効といえる。なお、本スロットマシン10においては、最大で設定されるスベリ図柄数である4図柄スベリ制御が行われる場合には、ストップボタン42〜44が操作されてから対応するリールが最終停止するまでの期間(最大数スベリ制御が行われた場合のt3のタイミングからt4のタイミングまでの期間)が0.1secとなるように設定されている。さらに、t0のタイミングよりも以前、すなわちリールの回転を開始するよりも以前はストップボタン42〜44の操作は無効であり、また、t4のタイミングよりも後、すなわちリールが最終停止した後は、当該最終停止したリールに対応するストップボタンの操作は無効である。
これらストップボタン42〜44の無効期間と有効期間とが存在することにより、報知された操作順序に従って遊技者がストップボタン42〜44を操作したにもかかわらず、これらの無効期間と有効期間に亘って複数のストップボタン42〜44を操作してしまうと、一方のリールは停止せずに他方のリールは停止するという事象が発生する。したがって、意図しない停止順序でリールが停止してしまうという、所謂誤操作となる。これにより、上述の如く遊技者にとって不利な状況が発生してしまう。
特に、本スロットマシン10においては、既に説明したとおり、ベルに当選した場合には最初に操作するストップボタンによって、ベル入賞となるか特殊ベル入賞となるかが異なるように設定され、転落再遊技に当選した場合には各ストップボタン42〜44の操作順序によって、転落再遊技入賞となるか他の再遊技入賞となるかが異なるように設定される。つまり、押順報知演出は各リール32L,32M,32Rの回転開始と同時又はそれ以前に実行される構成としているところ、ベル入賞、又は転落再遊技以外の再遊技入賞となる操作順序が報知されている場合であっても、図39で示す、t0からt2のタイミングで最初に操作すべきストップボタンを操作し、続けてt2のタイミングよりも後に2番目以降に操作すべきストップボタンを操作してしまうと、転落再遊技入賞や移行出目が停止し得る。したがって、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間(t0のタイミングからt2のタイミングまでの期間)にストップボタン42〜44が操作された場合には、誤操作となる可能性が高いといえる。
一方、ストップボタン42〜44の操作に基づいてリールのスベリ制御が行われている期間は0.1secであり、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間よりも短く設定されている。特に、このスベリ制御中の期間は、遊技者が一のストップボタンを操作してから他のストップボタンを操作するまでに必要と想定される期間(約0.2sec)よりも短く、当該スベリ制御中に他のリールに対応するストップボタンが操作されることによる誤操作の発生の可能性は、上記のリールの回転を開始してからストップボタンの操作が有効となるまでの期間と比較して相対的に低いといえる。また、遊技者によってはリールを確実に停止させるべく、同一のストップボタンを連続で複数回操作する場合がある。この場合、操作が有効な期間にストップボタンが操作された場合であっても、その後のスベリ制御中に、さらに意図的に同一のストップボタンが操作される可能性は高い。
そこで、本スロットマシン10においては、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからストップボタン42〜44の操作が有効となるまでの期間においてストップボタン42〜44が操作された場合には、誤操作が発生する可能性が高いことから、当該誤操作を抑制すべく、主制御装置101が行うリール制御処理(図15)における回転開始処理(ステップS401)では、特徴ある処理が設定されている。当該回転開始処理について図40のフローチャートに基づき説明する。
まず、ステップS1301にて前回のゲームでリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1sec)を経過したか否かを確認し、ウェイト時間を経過するまで待機する。ウェイト時間を経過した場合には、ステップS1302にて次回のゲームのためのウェイト時間を再設定する。その後、ステップS1303では、メダルのベット数をセットする。セットされたベット数は、タイマ割込み処理のカウンタ処理(ステップS109)にて外部集中端子板121へ出力される。続くステップS1304では、RWM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータ42c〜44cの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。したがって、上記のウェイト時間が設定されることにより、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。
続くステップS1305では、RWM106に設けられた無効カウンタMCに操作無効期間に相当する数値(例えば、約1secに相当する「671」)を入力する処理を実行する。当該無効カウンタMCは、タイマ割込み処理(図11)が1処理回実行されるごとに、タイマ減算処理(ステップS108)にて1減算されるカウンタであり、操作無効期間であることをCPU102が特定するためのカウンタである。
ステップS1306では、上記無効カウンタMCが「0」であるか否かを判定することで、操作無効期間が経過したか否かを判定する。操作無効期間が経過していない場合には、続くステップS1307にてストップボタン42〜44が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合には再びステップS1306に戻る。
一方で、操作無効期間が経過するまでにストップボタン42〜44が操作された場合には、ステップS1307にて肯定判定し、ステップS1308にて操作対応処理を実行し、再びステップS1306に戻る。つまり、ストップボタン42〜44の操作の有無に関わらず、操作無効期間が経過するまでは、リール制御処理(図15)におけるステップS402〜ステップS412のリール停止制御処理に進まず、ストップボタン42〜44を操作しても対応するリール32L,32M,32Rは停止しない。ここで操作対応処理について、図41のフローチャートに基づき説明する。
操作対応処理では、まずステップS1401にて通常遊技状態であるか否かを判定し、通常遊技状態である場合にはそのまま本操作対応処理を終了する。ステップS1402では報知フラグがセットされているか否かを判定し、続くステップS1403では、当選フラグを確認することでベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選したか否かを判定する。ステップS1402又はステップS1403にて否定判定した場合にはそのまま本操作対応処理を終了する。すなわち、操作無効期間が経過するまでにストップボタン42〜44が操作された場合であっても、通常遊技状態以外の遊技状態(第1RT状態〜第5RT状態)に滞在している場合であって、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序を報知するゲームのみ、ステップS1404以降の処理が行われる。
ステップS1404では、RWM106に設けられた延長回数カウンタECが「2」であるか否かを判定し、当該延長回数カウンタECが「2」である場合にはそのまま本操作対応処理を終了する。延長回数カウンタECは、ストップボタン42〜44の操作順序を報知するゲームにおいて、操作無効期間が経過するまでにストップボタン42〜44が操作された回数をCPU102が特定するためのカウンタである。
続くステップS1405では当該延長回数カウンタECの値を「1」加算し、続くステップS1406にて無効カウンタMCを「671」加算する処理を実行する。これにより、操作無効期間の延長がなされる。詳細には、ステップS1406では操作無効期間を約1sec延長する処理を実行することになる。
なお、ステップS1406にて無効カウンタMCに加算する数値は「671」に限定されず、これよりも小さくてもよく、大きくてもよい。さらに、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから定速回転に至るまでの期間よりも長くなるように加算する数値を設定してもよく、短くなるように設定してもよい。但し、各リールの停止操作を連続して行った場合に、意図しない停止順序でリールを停止させてしまう誤操作の発生を抑制する、という観点からすると、少なくとも遊技者が連続的に各リールの停止操作を行うスピードに対応すべく、遊技者が一のストップボタンと他の一のストップボタンとを連続操作する間隔よりも長い期間となるように無効カウンタMCの加算処理を実行することが望ましい。
続くステップS1407では、延長情報コマンドを表示制御装置81に対する送信対象としてセットし、本操作対応処理を終了する。延長情報コマンドを受信した表示制御装置81の処理については後述する。
回転開始処理(図40)の説明に戻り、ステップS1306にて無効カウンタMCが「0」であると判定した場合には、続くステップS1309にて延長回数カウンタECに「0」をセットし、続くステップS1310にてストップランプ42b〜44bを点灯表示させたうえで、本回転開始処理を終了する。
したがって、本スロットマシン10では、所定のゲームにおいて、操作無効期間が経過するまでの期間にストップボタン42〜44が操作された場合には、2回を上限に1回操作される度に約1secずつ当該操作無効期間が延長される構成としている。これにより、遊技者が停止操作したリールが停止していないにもかかわらず、次のリールの停止操作を行ってしまい、移行出目や転落再遊技入賞が停止してしまうことを防止することが可能となっている。
なお、操作無効期間の延長回数は2回に限定されず、1回でもよく、3回以上であってもよい。この場合であっても、上記の誤操作の発生を抑制することは可能である。
また、操作対応処理(図41)におけるステップS1406では、無効カウンタMCに所定数値を加算する処理を実行する構成としたが、これに限定されず、所定数値に更新する構成としてもよい。具体的には、例えば、更新前の操作無効期間の長さに相当する「671」に再度更新する構成とすることで、少なくとも回転開始からストップボタン42〜44が操作されるまでの期間分が操作無効期間に追加されたこととになる。この場合、無効カウンタMCに所定数値を加算する処理と比較して、延長された後の操作無効期間の長さは短くなり、円滑に遊技を進行させつつ誤操作の発生を抑制することができる。
次に、上記の延長情報コマンドを受信した表示制御装置81の処理について図42を用いて説明する。図42(a)は延長情報コマンド処理を示すフローチャートであり、図42(b)及び図42(c)は補助表示部65における演出を説明するための説明図である。
図42(a)に示すとおり、まずステップS1501にて、今回受信した延長情報コマンドが今回のゲームにおいて1回目に受信したものであるか否かを判定し、1回目である場合にはステップS1502にて第1特別報知を設定し、1回目でない場合はステップS1503にて第2特別報知を設定する。ステップS1502及びステップS1503では、表示制御装置81のROM83に記憶されたRT状態用動画データ群85のうち、特別報知用動画データ群85bを補助表示部65に対してセットすることで対応する特別報知を設定する。
具体的には、第1特別報知が設定されると、図42(b−1)に示すように、「待て」という言葉の表示がされるとともに、スピーカ64から効果音が発せられ、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作されたことを教示する演出が実行される。また、背景として、竹筒に水を引き入れ、たまる水の重みで反転した竹筒が石に当って快い音を立てるようにした装置、所謂、添水(又は鹿脅し)の動画演出が表示される。当該添水の動画演出では、徐々に竹筒に水がたまり、延長された操作無効期間に相当する1secの経過とともに、図42(b−2)に示すように竹筒が傾いて水がこぼれ、竹筒が石に当って音を立てるように設定されており、延長された分の操作無効期間の経過が教示される。さらに、添水という情緒ある風景動画を表示することで、遊技者の逸る気持ちを落ち着かせる効果が期待できる。
また、第2特別報知が設定されると、図42(c−1)に示すように、「待て待て!」という言葉の表示がされるとともに、スピーカ64から効果音が発せられ、更に操作無効期間が延長されたことが教示される。また、背景として、富士山での日の出の動画演出が表示される。富士山での日の出の動画演出では、徐々に空が明るくなり、延長された操作無効期間に相当する1secの経過とともに、図42(c−2)に示すように太陽が富士山の頂から姿を現すように設定されており、延長された操作無効期間の経過が教示される。さらに、富士山での日の出という情緒ある風景動画を表示することで、遊技者の逸る気持ちを落ち着かせる効果が期待できる。また、日の出とともに各リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となることから、遊技者は新たな気持ちで遊技を再開することが可能となる。
ここで、図42(b)及び図42(c)に示すようにストップボタン42〜44の操作順序を報知する押順報知演出(図では、中リール32M→右リール32R→左リール32Lの順で停止させるべきことを報知している)は、当該各特別報知が設定されても視認可能な態様で表示されている。具体的には、各特別報知が設定される場合よりは小さく表示されるものの、各特別報知における背景動画演出よりも前面に表示されており、遊技者は操作無効期間中もストップボタン42〜44の操作順序を認識することが可能となっている。したがって、操作無効期間が経過した後に直ちに遊技を再開することができる。本説明では、転落再遊技に当選した場合の押順報知演出を例に説明したが、ベル当選の場合の押順報知演出であっても同様である。なお、各特別報知における表示内容や動画はこれに限定されないのは言うまでもない。
本スロットマシン10では、上記のように、操作無効期間の延長とともに補助表示部65及びスピーカ64により、操作無効期間が延長されたことを報知する構成としている。これにより、遊技者は、操作無効期間中にストップボタン42〜44を操作してしまったことを認識し、今回のゲーム及び以後のゲームにおいてストップボタン42〜44の操作を注意深く行うことが期待できる。したがって、遊技者にとって不利な状況が発生することを抑制することが可能となる。
次に、操作無効期間の延長の様子を、図43に基づき説明する。
図43(a)〜図43(d)は、ストップボタン42〜44の操作に基づいたストップボタン42〜44の有効及び無効期間の変化の様子を示すタイミングチャートであり、図43(a−1),(b−1),(c−1),(d−1)はストップボタン42〜44の操作の有効及び無効期間を示し、図43(a−2),(b−2),(c−2),(d−2)はストップボタン42〜44の操作の状況を示している。
図43(a)に示すとおり、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t1のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が定速回転に至った後のt2のタイミングで、Taの期間(本実施形態では、1sec)の操作無効期間が経過すると、ストップボタン42〜44の操作が有効となる。また、有効期間中であるt3のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されると、対応するリールはスベリを伴いt4のタイミングで停止する。既に説明したとおり、このストップボタンを操作してからリールがスベリを伴い回転している期間(t3からt4までの期間)も、操作無効期間となっている。さらに、t0のタイミングよりも以前は全てのストップボタン42〜44の操作は無効であり、また、t4のタイミングよりも後は、最終停止したリールに対応するストップボタンの操作は無効である。
操作順序の報知を行うゲームにおいて、図43(b)に示すとおり、操作無効期間中であるt5のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されると、操作無効期間はTbの期間(本実施形態では、1sec)の延長が行われる。その結果、操作無効期間はTa+Tbの期間となる。また、補助表示部65及びスピーカ64にて第1特別報知が実行される。t6のタイミングで当該延長された操作無効期間が経過すると、ストップボタンの操作が有効となり、操作に基づいて対応するリールを停止させることが可能となる。
図43(c)に示すとおり、t5のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかの操作が行われた状況において、操作無効期間中であるt7のタイミングで、さらにストップボタン42〜44のいずれかの操作が行われると、上記延長された操作無効期間はさらにTcの期間(本実施形態では、1sec)の延長が行われる。その結果、操作無効期間はTa+Tb+Tcの期間となる。また、補助表示部65及びスピーカ64にて第2特別報知が実行される。t8のタイミングで当該延長された操作無効期間が経過すると、ストップボタン42〜44の操作が有効となり、操作に基づいて対応するリールを停止させることが可能となる。
一方、操作無効期間の延長は2回までとしているところ、図43(d)に示すとおり、操作無効期間中であるt9のタイミングで3回目のストップボタン42〜44のいずれかの操作が行われたとしても、操作無効期間は延長されず、図43(c)と同様に、t8のタイミングで、ストップボタン42〜44の操作が有効となり、操作に基づいて対応するリールを停止させることが可能となる。
本スロットマシン10では、報知された操作順序どおりに操作されない状況の発生を抑制しつつも、操作無効期間の経過後は、ストップボタン42〜44を自由な操作順序で操作可能としている。つまり、操作無効期間が延長された場合であっても、操作無効期間の経過後は報知された操作順序とは異なる操作順序でストップボタン42〜44を操作することが可能である。
報知された操作順序以外の操作順序でストップボタン42〜44が操作されることを抑制する構成としては、報知された操作順序によってのみストップボタン42〜44の操作を可能とする構成も考えられる。しかし、本構成のように報知された操作順序以外の操作順序でもストップボタン42〜44を操作可能としているのは以下の理由によるものである。すなわち、遊技者がスタートレバー41を操作して遊技を開始し、遊技者がストップボタン42〜44を操作して遊技を終了するというスロットマシン10においては、遊技者が自らの操作により遊技の開始と終了を行う点に意義があり、これら遊技の開始と終了の操作方法は遊技者の好きなように行うことを可能としておくべきであるからである。つまり、遊技の終了に際して最高の利益を得られる操作順序が報知されていたとしても、その報知に従わないことは遊技者の自由であり、例えば、遊技者が意図的に第5RT状態を他の遊技状態に移行させたい場合に、報知に従わない操作を行う余地を残しておくべきと考えられるからである。この点、報知された操作順序によってのみ遊技の終了操作を行うことを可能とする構成の場合、意図的に報知と異なる操作を行うことができないだけでなく、遊技の進行を遊技者の操作によって行うというスロットマシン10の醍醐味を抹殺してしまうことにつながり、この様な構成を用いることは、上記意義からすると適当ではないと考えられる。
また、前回のゲームを開始してからウエイト時間(4.1sec)が経過していない場合は、ステップS1301にて待機する構成としている。詳細には、前回のゲームにて各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから、ウェイト時間内に今回のゲームにてクレジット投入ボタン56〜58及びスタートレバー41が操作された場合に、ステップS1301で待機する。遊技者が各ゲームを高速消化したい場合には、毎ゲームにおいてステップS1301にて待機する状況が発生するように所謂フルウェイトで各ゲームが連続して消化されることが想定される。
上記のとおり、本スロットマシン10においては、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には操作無効期間を延長する構成としているところ、本スロットマシン10においては操作無効期間の延長はこのようなフルウェイト消化の妨げとならないように設定されている。具体的には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してからの操作無効期間は最大限延長されたとしても3secである。また、その後の各リール32L,32M,32Rの停止制御及びメダルの払い出しに要する期間が合計で1sec以内になるように設定されている。したがって、遊技者がストップボタン42〜44、次のゲームにおけるクレジット投入ボタン56〜58及びスタートレバー41の各操作を迅速に実行することで、操作無効期間が最大限延長されたとしてもウェイト時間である4.1sec内に収まり、上述のフルウェイト消化を実行可能としている。特に、ストップボタン42〜44の誤操作は、例えば遊技ホールの閉店時間が迫っている等の理由により遊技者が各ゲームを高速消化させようとする状況において発生しやすい。つまり、操作無効期間が延長された場合にフルウェイト消化の実行を不可とする構成とすると、誤操作の発生を抑制するための構成が遊技の円滑な消化を妨げる構成となりかねない。これに対して、本スロットマシン10においては、上述の如く、誤操作の発生を抑制しつつ、且つ、円滑な遊技の進行を妨げないようになっている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技者がスタートレバー41を操作することに基づいて、各リール32L,32M,32Rの回転を開始して、操作無効期間が経過した後のタイミングで遊技者がストップボタン42〜44を操作することに基づいて各リール32L,32M,32Rの回転が停止するスロットマシン10において、操作無効期間の経過前にストップボタン42〜44が操作された場合には、操作対応処理として当該操作無効期間を延長する構成とした。これにより、遊技者が、操作無効期間の経過の前後に亘って複数回ストップボタン42〜44を操作してしまい、意図しない停止順序やタイミングで各リール32L,32M,32Rが停止する誤操作の発生を抑制可能としている。
操作無効期間の延長とともに、補助表示部65及びスピーカ64にて当該操作無効期間が延長されたことを報知する構成とした。これにより、遊技者は操作無効期間中にストップボタン42〜44を操作してしまったことを認識し、今回のゲーム及びその後のゲームにおいて注意深く操作順序を確認して操作を行うことが期待できる。
操作無効期間の延長は2回を上限とした。これにより、操作無効期間中にストップボタン42〜44が連続して操作された場合に、無制限に操作無効期間が延長されてしまうことを防止することが可能となっている。
当選役として同じ当選役でもストップボタン42〜44の操作順序によって異なる遊技結果となる構成とした。具体的には、ベルに当選した場合、その操作順序によってはベル入賞が成立したり、有効ライン上に移行出目が停止したりする。ベル入賞が成立すると9枚のメダルの払い出しが行われる一方で、移行出目が停止すると遊技状態が移行し得る。また、転落再遊技入賞に当選した場合、その操作順序によっては転落再遊技が成立したり、他の再遊技が成立したりする。転落再遊技入賞が成立すると遊技状態が移行する一方で、他の再遊技が成立すると遊技状態は移行しない。上記の誤操作の発生を抑制する構成を、このようなストップボタン42〜44の操作順序によって遊技結果が異なり得る遊技機に適用することで、当該遊技機の遊技をより良好なものとすることができる。
上記の異なる遊技結果として、一方は遊技者にとって有利な状況が発生し、他方は遊技者にとって不利な状況が発生し得る構成とした。具体的には、遊技者にとっての有利度が異なる遊技状態を、複数設定したうえで、上記異なる遊技結果として、ベルに当選した場合では、ベル入賞が成立すると9枚のメダルを得ることができる一方で、移行出目が有効ライン上に停止すると遊技状態が現在滞在している遊技状態よりも不利な遊技状態である第1RT状態に移行する(第1RT状態に滞在している場合には移行しない)構成とした。また、転落再遊技入賞に当選した場合では、転落再遊技が成立すると次のゲームは無償で遊技を行うことが可能となるという特典が得られるものの遊技状態は現在滞在している遊技状態よりも不利な遊技状態である通常遊技状態に移行し、他の再遊技が成立すると同様に次のゲームは無償で遊技を行うことが可能となる特典が得られるとともに遊技状態は移行しない構成とした。上記の誤操作の発生を抑制する構成を、このようなストップボタン42〜44の操作順序によって有利な状況と不利な状況とのいずれかが発生する遊技機に適用することで、当該遊技機の遊技をより良好なものとすることができる。
操作対応処理は、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから所定期間が経過するまでの間にストップボタン42〜44が操作された場合に行う構成とした。具体的には、上記所定期間の経過後において、ストップボタン42〜44が操作されたことに基づくスベリ制御中もストップボタンは操作が無効(以下、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間が経過するまでの操作無効期間と区別するため、スベリ期間ともいう)となるが、このスベリ期間においてはストップボタンが操作されても上述のように操作無効期間を延長しない構成とした。これは、以下の理由によるものである。すなわち、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間が経過するまでの期間は1secであるのに対して、スベリ期間は0.1secと短く、当該スベリ制御中に他のリールに対応するストップボタンが操作されることによる誤操作の発生の可能性は、上記のリールの回転を開始してからストップボタンの操作が有効となるまでの期間と比較して相対的に低い。また、遊技者によってはリールを確実に停止させるべく、同一のストップボタンを連続で複数回操作する場合がある。この場合、操作が有効な期間にストップボタンが操作された場合であっても、その後のスベリ制御中に、さらに意図的に同一のストップボタンが操作される可能性は高い。つまり、スベリ期間において操作対応処理を実行しない構成としたのは、その期間が短く誤操作が発生する可能性が低いという観点と、意図的にストップボタンが操作される可能性が高いという観点と、の両面から当該スベリ期間中においては操作対応処理を実行すべきではないからである。
操作対応処理により操作無効期間を延長する対象を全てのストップボタン42〜44とする構成とした。これにより、各ストップボタン42〜44の操作無効期間を個別に延長する構成と比較して、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特に、操作無効期間中に操作されたストップボタンの操作無効期間のみを延長する構成とすると、当該操作無効期間が延長されたストップボタンよりも先に他のストップボタンの操作無効期間が経過することになり、操作無効期間の経過前後に亘って複数のストップボタンが操作されることによる誤操作の発生を抑制するという観点からすると本構成は有効ではない。他方、操作無効期間中に操作されたストップボタン以外の操作無効期間を延長する構成とすると、上記の誤操作の発生は抑制できる一方で、各ストップボタン42〜44の操作の有効及び無効の管理を個別に監視することによる処理負荷の増加が懸念される。そこで、本実施形態のように全てのストップボタン42〜44の操作無効期間を延長する構成とすることで、処理負荷の軽減を図りつつ誤操作の発生を抑制することができる。
上記の停止順序によって異なる遊技結果となる役に当選したゲームにおいて、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する構成とし、上述の操作無効期間が延長され得るゲームを限定した。上記の役に当選したゲーム以外のゲームにおいては、操作無効期間が延長されることなく、遊技の進行を円滑に行うことが可能となるとともに、上記の役に当選したゲームにおいては遊技者に注意を勧告する意義を高めることが可能となる。
上述の如く、遊技者の誤操作を抑制しつつも、ストップボタン42〜44の操作順序は遊技者の意図したとおり操作可能な構成とした。具体的には、上記操作無効期間が延長されない場合はもちろんのこと、上記操作無効期間が延長された場合でもその期間の経過後は遊技者の自由な順序で各リール32L,32M,32Rを停止可能としている。したがって、遊技者が報知された操作順序と異なる操作順序で意図的に各リール32L,32M,32Rの停止操作を行うことを可能とし、遊技者自らの操作によって遊技を進行するというスロットマシン10の醍醐味を損なうことを防止している。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態においては、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には、操作対応処理として操作無効期間を延長する構成としたが、本実施形態では、操作対応処理として、操作無効期間の経過後における所定回数の操作を無効とするための処理を実行する構成としている。
以下、上記第1の実施形態と異なる構成について説明する。なお、当該異なる構成以外については上記第1の実施形態と同様である。図44は本実施形態におけるリール制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態におけるリール制御処理では、上記第1の実施形態と同様に、まずステップS1601にて回転開始処理を実行する。但し、本実施形態における回転開始処理は上記第1の実施形態と処理構成が異なっている。以下、異なる構成について図45に基づき説明する。図45は本実施形態における回転開始処理を示すフローチャートである。
本実施形態における回転開始処理では、上記第1の実施形態におけるステップS1301〜ステップS1305の処理と同様に、ステップS1701〜ステップS1705の処理を実行する。ステップS1706では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間(操作無効期間)が経過したか否かを、第1の実施形態と同様に無効カウンタMCの値が「0」であるか否かによって判定する。ステップS1706にて所定期間を経過していない場合はステップS1707にてストップボタン42〜44の操作が行われたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS1706にもどり、いずれかのストップボタン42〜44の操作が行われた場合はステップS1708にて操作対応処理を実行する。操作対応処理を実行した後は、上記第1の実施形態と同様にステップS1706に戻る。ステップS1706にて無効カウンタMCが「0」である場合には、本回転開始処理を終了する。
ここで、本実施形態における操作対応処理について図46のフローチャートに基づき説明する。
本実施形態における操作対応処理では、上記第1の実施形態におけるステップS1401〜ステップS1403の処理と同様に、ステップS1801〜ステップS1803の処理を実行する。ステップS1804では、RWM106に設けられた停止制限カウンタSCが「0」であるか否かを判定する。当該停止制限カウンタSCは、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されるゲームにおいて操作無効期間中にストップボタン42〜44のいずれかが操作された場合に、操作無効期間の経過後のストップボタン42〜44の操作回数をCPU102が特定するためのカウンタである。ステップS1804にて停止制限カウンタSCが「0」である場合には、ステップS1805に進み、停止制限カウンタSCに「2」を入力する。一方、ステップS1804にて停止制限カウンタSCが「0」でない場合、すなわち、今回のゲームにて既にステップS1805の処理が実行されている場合には、そのまま本操作対応処理を終了する。
ステップS1805の処理を実行した後は、ステップS1806にて停止制限コマンドを表示制御装置81への送信対象としてセットし、本操作対応処理を終了する。停止制限コマンドを受信した表示制御装置81は、補助表示部65及びスピーカ64にて、ストップボタン42〜44の操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作されたことと、上記停止制限カウンタSCの値とを教示する報知が行われる。この場合、補助表示部65では、上記第1の実施形態における第1特別報知演出及び第2特別報知演出と同様に、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する押順報知演出も同時に認識可能な態様で報知される。
リール制御処理(図44)の説明に戻り、ステップS1601にて回転開始処理を実行した後は、ステップS1602にていずれかのクレジット投入ボタン56〜58が操作されたか否かを判定する。いずれのクレジット投入ボタン56〜58も操作されていない場合には、上記第1の実施形態におけるステップS402及びステップS403の処理と同様に、ステップS1603及びステップS1604にてストップボタン42〜44の操作が行われ停止指令が発せられたか否かを判定する。続くステップS1605では、停止制限カウンタSCが「0」であるか否かを判定する。ステップS1602にて肯定判定した場合、又はステップS1605にて否定判定した場合、ステップS1606に進む。ステップS1606では停止制限カウンタSCから「1」減算する処理を実行し、続くステップS1607にてSC減算コマンドを表示制御装置81への送信対象としてセットし、その後ステップS1602に戻る。SC減算コマンドを受信した表示制御装置81は、上記の通り補助表示部65において表示している停止制限カウンタSCの値を「1」減算した値に変更する処理を実行する。これにより、遊技者は停止制限カウンタSCの値が減算されたことを認識することができる。
一方、ステップS1605にて停止制限カウンタSCが「0」であると判定した場合には、ステップS1608に進み、ストップランプ42b〜44bを点灯表示させ、続くステップS1609にて、上記第1の実施形態と同様に停止指令対応処理を実行し、ステップS1610〜ステップS1619におけるリール停止にかかる処理及び役の入賞に基づく処理を実行し、本リール制御処理を終了する。
すなわち、本実施形態においては操作順序の報知を行うゲームにて、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には、停止制限カウンタSCに「2」が入力され、操作無効期間の経過後にストップボタン42〜44が操作された場合であっても2回の操作までは対応するリールを停止させず、3回目にストップボタン42〜44が操作された場合に対応するリールを停止させる処理を実行する構成としている。
また、停止制限カウンタSCの減算は、操作無効期間の経過後におけるストップボタン42〜44の操作以外にも、いずれかのクレジット投入ボタン56〜58の操作によっても行う構成としている。
ここで、操作対応処理が実行されることによるストップボタン42〜44の操作と各リール32L,32M,32Rの停止制御の様子について、図47に基づき説明する。
図47(a)〜図47(c)は、ストップボタン42〜44の操作に基づいた各リール32L,32M,32Rの動作の状況を示すタイミングチャートであり、図47(a−1),(b−1),(c−1)は各リール32L,32M,32Rの回転及び停止の状況を示し、図47(a−2),(b−2),(c−2)はストップボタン42〜44の操作の状況を示している。
図47(a)に示すとおり、t0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、t1のタイミングで定速回転に至った後のタイミングであるt2のタイミングで操作無効期間が経過すると、ストップボタン42〜44の操作が有効となる。有効期間中であるt3のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されると、対応するリールはスベリを伴いt4のタイミングで停止する。
操作順序の報知を行うゲームにおいて、図47(b)に示すとおり、操作無効期間中であるt5のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されると、操作対応処理では停止制限カウンタSCに「2」を入力する。またスピーカ64及び補助表示部65にて特別報知を実行するとともに、補助表示部65では停止制限カウンタSCの値が表示される。その後、有効期間中であるt6のタイミング及びt7のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されても、当該停止制限カウンタSCの値を「1」ずつ減算するのみで、対応するリールを停止しない。但し、補助表示部65における停止制限カウンタSCの値の表示は「1」ずつ減算される。t6及びt7のタイミングにおけるストップボタン42〜44の操作により、停止制限カウンタSCが「0」となった状況で、t3のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されると図47(a)と同様に、対応するリールはスベリを伴いt4のタイミングで停止する。
また、図47(c)に示すとおり、操作無効期間中であるt5及びt8のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが複数回操作された場合であっても、操作対応処理では停止制限カウンタSCに対して再度所定数値(本実施形態では「2」)を入力することはない。したがって、図47(b)と同様に有効期間となってから3回目の操作であるt3のタイミングでストップボタン42〜44のいずれかが操作されると、対応するリールはスベリを伴いt4のタイミングで停止する。
さらに図示はしないが、上述の如く操作無効期間の前後に亘ってストップボタン42〜44が操作されることによる誤操作を抑制しつつも、停止制限カウンタSCの減算処理はいずれかのクレジット投入ボタン56〜58の操作によっても行う構成としている。つまり、遊技者が自らの上記誤操作を認識したうえで遊技を再開すべく行う操作としては、停止制限カウンタSCの値を「0」とする必要がある。この場合、停止制限カウンタSCが既に「0」に至ったにもかかわらず、更にストップボタン42〜44を操作してしまい、意図しないタイミングでリールが停止してしまう所謂二次的な誤操作の発生が懸念されるところ、本構成は当該二次的な誤操作の発生を抑制するための工夫である。すなわち、遊技者は、操作無効期間の経過後においてストップボタン42〜44の操作が無効となった場合には、いずれかのクレジット投入ボタン56〜58を操作することで遊技を再開することが可能な構成となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから操作無効期間が経過するまでにストップボタン42〜44が操作された場合には、操作無効期間の経過後にストップボタン42〜44が操作されても、所定回数(本実施形態では、2回)まで当該ストップボタン42〜44の操作を無効とし、対応するリールの停止制御を行わない構成とした。これにより、操作無効期間の経過の前後に亘ってストップボタン42〜44を複数回操作してしまうことによる誤操作の発生を抑制することが可能となる。
操作無効期間の経過後にストップボタン42〜44が操作されても当該操作を無効とする回数を、所定回数(2回)を上限とした。これは、本スロットマシン10に設けられたストップボタン42〜44の数に対応させて設定されている。つまり、最初に停止させようと意図したリール以外に対応するストップボタンの数は2つであるところ、これらが連続して操作された場合であっても、それぞれ停止制御を行わず、それぞれのリールに対して誤操作の発生を抑制可能としている。
但し、操作無効期間の前後に亘って2つのストップボタンが操作された場合に、操作無効期間の経過前に操作した側のリールが停止せずに操作無効期間の経過後に操作した側のリールが停止してしまうという誤操作を抑制するという観点からすると、上記の操作無効期間の経過後に操作を無効とする回数は1回であってもよい。更に、操作無効期間の経過後のストップボタン42〜44の操作を確実に無効とする観点からすると、上記の操作無効期間の経過後に操作を無効とする回数は3回以上であってもよい。
また、操作無効期間の経過後にストップボタン42〜44が操作された場合に停止制限カウンタSCを「1」ずつ減算する構成に加えて、他のスイッチ(本実施形態では、クレジット投入ボタン56〜57)を操作した場合にも停止制限カウンタSCを減算する構成とした。これにより、停止制限カウンタSCを減算させるためにのみするストップボタン42〜44の操作による、意図しないタイミングや順序でリールが停止してしまう誤操作を抑制することが可能となっている。すなわち、停止制限カウンタSCに「2」が入力された場合、遊技者がそれを認識した後の操作としては、停止制限カウンタSCを減算させる必要がある。本構成を備えていない場合、停止制限カウンタSCの値が「0」となったことに気付かずに、最初に停止させようと意図しないリールに対応するストップボタンを操作してしまったり、停止させようと意図するタイミング以外でストップボタンを操作してしまう可能性がある。一方、本構成のように、リール停止のための操作部(ストップボタン42〜44)とは別の操作部(クレジット投入ボタン56〜58)を操作することでも、停止制限カウンタSCの値が減算される構成とすることで、この様な二次的な誤操作の発生を抑制することが可能となっている。
<第3の実施形態>
上記第1,第2の実施形態では、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合に操作対応処理を実行する構成としたが、本実施形態では、各リール32L,32M,32Rの操作無効期間の経過タイミングが異なるように各リール32L,32M,32Rを制御する構成としている。
以下、上記第1,第2の実施形態と異なる構成について説明する。なお、当該異なる構成以外については上記第1,第2の実施形態と同様である。図48は本実施形態における通常処理を示すフローチャートである。
本実施形態における通常処理では、上記第1、第2の実施形態におけるステップS201〜ステップS209と同様にステップS1901〜ステップS1909の処理を実行する。ステップS1910では、通常遊技状態であるか否かを判定し、通常遊技状態でない場合、すなわち第1RT状態〜第5RT状態である場合にはステップS1911に進む。ステップS1911では、報知フラグがセットされているかを判定し、続くステップS1912にてベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選したかを判定する。ステップS1911及びステップS1912にていずれも肯定判定した場合は、ステップS1913に進み、特別リール制御処理を実行する。
ここで、ステップS1913の特別リール制御処理について図49のフローチャートに基づき説明する。
特別リール制御処理では、上記第1、第2の実施形態における回転開始処理と同様に、ステップS2001にてウェイト時間の経過の判定を行い、ステップS2002にてウェイト時間の再設定を行い、ステップS2003にてベット数の設定を行う。続くステップS2004では、各リール32L,32M,32Rの回転開始順序を決定する。ここで、ステップS2004における回転開始順序決定処理について、図50のフローチャートに基づき説明する。
回転開始順序決定処理では、まずステップS2101にてベルに当選したゲームであるか否かを判定する。ベルに当選したゲームである場合には、ステップS2102にて、当選フラグが「8」〜「11」であるかを確認する。既に説明したとおり、当選フラグが「8」〜「11」の場合には、図16に示すとおり、左リール32Lを最初に停止させた場合に、特殊ベルではなくベル(「赤ベル」又は「白ベル」の組み合わせ)が有効ライン上に停止するように設定されている。そこで、ステップS2102にて肯定判定した場合には、ステップS2103にて、左リール32Lを最初に回転開始させるべく第1リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2102にて否定判定した場合、ステップS2104にて、当選フラグが「12」〜「15」であるかを確認する。当選フラグが「12」〜「15」の場合には、図16に示すとおり、中リール32Mを最初に停止させた場合に、特殊ベルではなくベル(「赤ベル」又は「白ベル」の組み合わせ)が有効ライン上に停止するように設定されている。そこで、ステップS2104にて肯定判定した場合には、ステップS2105にて、中リール32Mを最初に回転開始させるべく第1リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2104で否定判定した場合、当選フラグが「16」〜「19」であることを意味する。当選フラグが「16」〜「19」の場合には、図16に示すとおり、右リール32Rを最初に停止させた場合に、特殊ベルではなくベル(「赤ベル」又は「白ベル」の組み合わせ)が有効ライン上に停止するように設定されている。そこで、ステップS2104にて否定判定した場合には、ステップS2106にて、右リール32Rを最初に回転開始させるべく第1リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2101にて否定判定した場合、すなわち、いずれかの転落再遊技に当選しているゲームである場合は、ステップS2107にて、当選フラグが「22」、「28」、「34」、「40」及び「50」のうちいずれかであるか否かを確認する。当選フラグが「22」、「28」、「34」、「40」及び「50」のうちいずれかであるゲームでは、図20、図22、図24、図26及び図28に示すとおり、右リール32R→中リール32M→左リール32Lの順で停止させた場合に、転落再遊技(第1再遊技)でなく昇格再遊技(第2再遊技〜第5再遊技)又は遊技状態の移行しない再遊技(第6再遊技)が成立するように設定されている。そこで、ステップS2107にて肯定判定した場合、ステップS2108にて、最初に回転を開始するリールとして第1リール、次に回転を開始するリールを第2リール、最後に回転を開始するリールを第3リールとし、右リール32Rを第1リール、中リール32Mを第2リール、左リール32Lを第3リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2107にて否定判定した場合、ステップS2109にて、当選フラグが「23」、「29」、「35」、「41」及び「51」のうちいずれかであるか否かを確認する。当選フラグが「23」、「29」、「35」、「41」及び「51」のうちいずれかであるゲームでは、図20、図22、図24、図26及び図28に示すとおり、右リール32R→左リール32L→中リール32Mの順で停止させた場合に、転落再遊技(第1再遊技又は第10再遊技)でなく昇格再遊技(第2再遊技〜第5再遊技)又は遊技状態の移行しない再遊技(第6再遊技)が成立するように設定されている。そこで、ステップS2109にて肯定判定した場合、ステップS2110にて、右リール32Rを第1リール、左リール32Lを第2リール、中リール32Mを第3リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2109にて否定判定した場合、ステップS2111にて、当選フラグが「24」、「30」、「36」、「42」及び「52」のうちいずれかであるか否かを確認する。当選フラグが「24」、「30」、「36」、「42」及び「52」のうちいずれかであるゲームでは、図20、図22、図24、図26及び図28に示すとおり、中リール32M→右リール32R→左リール32Lの順で停止させた場合に、転落再遊技(第1再遊技又は第11再遊技)でなく昇格再遊技(第2再遊技〜第5再遊技)又は遊技状態の移行しない再遊技(第6再遊技)が成立するように設定されている。そこで、ステップS2111にて肯定判定した場合、ステップS2112にて、中リール32Mを第1リール、右リール32Rを第2リール、左リール32Lを第3リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2111にて否定判定した場合、ステップS2113にて、当選フラグが「25」、「31」、「37」、「43」及び「53」のうちいずれかであるか否かを確認する。当選フラグが「25」、「31」、「37」、「43」及び「53」のうちいずれかであるゲームでは、図20、図22、図24、図26及び図28に示すとおり、中リール32M→左リール32L→右リール32Rの順で停止させた場合に、転落再遊技(第1再遊技又は第12再遊技)でなく昇格再遊技(第2再遊技〜第5再遊技)又は遊技状態の移行しない再遊技(第6再遊技)が成立するように設定されている。そこで、ステップS2113にて肯定判定した場合、ステップS2114にて、中リール32Mを第1リール、左リール32Lを第2リール、右リール32Rを第3リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2113にて否定判定した場合、ステップS2115にて、当選フラグが「26」、「32」、「38」、「44」及び「54」のうちいずれかであるか否かを確認する。当選フラグが「26」、「32」、「38」、「44」及び「54」のうちいずれかであるゲームでは、図20、図22、図24、図26及び図28に示すとおり、左リール32L→右リール32R→中リール32Mの順で停止させた場合に、転落再遊技(第1再遊技、第10再遊技又は第11再遊技)でなく昇格再遊技(第2再遊技〜第5再遊技)又は遊技状態の移行しない再遊技(第6再遊技)が成立するように設定されている。そこで、ステップS2115にて肯定判定した場合、ステップS2116にて、左リール32Lを第1リール、右リール32Rを第2リール、中リール32Mを第3リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
ステップS2115にて否定判定した場合、当選フラグが「27」、「33」、「39」、「45」及び「55」のうちいずれかであることを意味する。当選フラグが「27」、「33」、「39」、「45」及び「55」のうちいずれかであるゲームでは、図20、図22、図24、図26及び図28に示すとおり、左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順で停止させた場合に、転落再遊技(第1再遊技、第10再遊技又は第12再遊技)でなく昇格再遊技(第2再遊技〜第5再遊技)又は遊技状態の移行しない再遊技(第6再遊技)が成立するように設定されている。そこで、ステップS2115にて否定判定した場合、ステップS2117にて、左リール32Lを第1リール、中リール32Mを第2リール、右リール32Rを第3リールとして設定し、本回転開始順序決定処理を終了する。
したがって回転開始順序決定処理では、ベルに当選している場合には特殊ベルではなくベル入賞となる操作順序に従って、最初に停止すべきリールを第1リールとして設定し、転落再遊技に当選している場合には転落再遊技ではなく昇格再遊技入賞(第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞)又は第6再遊技入賞となる操作順序に従って、各リール32L,32M,32Rの回転開始順序を第1リール、第2リール、第3リールとして設定する。
特別リール制御処理(図49)の説明に戻り、ステップS2004にて回転開始順序決定処理を実行した後は、ステップS2005に進み、特別回転開始処理を実行する。ここで、特別回転開始処理について、図51のフローチャートに基づき説明する。
まずステップS2201では、上記回転開始順序決定処理にて決定した回転開始順序において、最初に回転を開始すべきリール(第1リール)の回転開始の処理を実行する。詳細には、RWM106に設けられたモータ制御格納エリアに当該第1リールに対応するステッピングモータ(ステッピングモータ42c〜44cのうちいずれか)の回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にて第1リールに対応するステッピングモータの加速処理が開始され、第1リールが回転を開始する。続くステップS2202ではRWM106に設けられた第1無効カウンタMC1に「671」を入力する処理を実行する。第1無効カウンタMC1は、当該第1リールの停止制御が行えない操作無効期間であることをCPU102が特定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1処理回実行されるごとにタイマ減算処理(ステップS108)にて「1」減算されるカウンタである。また、ステップS2202にて当該第1無効カウンタMC1に入力する値が「0」となるまでの期間は、上記第1、第2の実施形態と同様に当該第1リールが回転を開始してから定速回転に至るまでに要する期間よりも長い期間(本実施形態では1sec)となるように設定されている。
続くステップS2203では、RWM106に設けられた第1遅延カウンタTC1に「168」を入力する処理を実行する。当該第1遅延カウンタTC1は、上記回転開始順序決定処理(図50)にて決定した第2リール(ベルの場合には第1リール以外のリール)の回転を開始するタイミングであることをCPU102が特定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1処理回実行されるごとにタイマ減算処理(ステップS108)にて「1」減算されるカウンタである。
ステップS2203の処理を実行した後は、ステップS2204にて上記第1遅延カウンタTC1が「0」であるかを判定し、「0」となるまで待機する。すなわち、タイマ割込み処理は1.49msecごとに1処理回実行される構成としているところ、ステップS2203にて第1遅延カウンタTC1に「168」を入力してから、ステップS2204にて肯定判定するまでに約0.25secかかる構成としている。
ステップS2204にて肯定判定した後は、続くステップS2205にてベルに当選しているゲームか否かを判定する。ステップS2205にて肯定判定した場合、すなわちベルに当選しているゲームであり、回転開始順序決定処理(図50)にて第1リールのみ決定したゲームである場合は、続くステップS2206にて残りのリールの回転開始の処理を実行する。詳細には、ステップS2201にて回転を開始したリール以外に対応するステッピングモータの回転開始情報を、モータ制御格納エリアに格納することで、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にて、第1リール以外のリールに対応するステッピングモータの加速処理が開始され、対応するリールが回転を開始する。
続くステップS2207では、RWM106に設けられた第2無効カウンタMC2に「671」を入力する処理を実行する。第2無効カウンタMC2は、第1リール以外のリールの停止制御が行えない操作無効期間であることをCPU102が特定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1処理回実行されるごとにタイマ減算処理(ステップS108)にて「1」減算されるカウンタである。また第1無効カウンタMC1と同様に、ステップS2207にて第2無効カウンタMC2に入力する値が「0」となるまでの期間は、第1リール以外のリールの回転を開始してからそれらのリールが定速回転に至るまでに要する期間よりも長い期間(本実施形態では第1リールと同様に1sec)となるように設定されている。ステップS2207の処理を実行した後は、本特別回転開始処理を終了する。
一方、ステップS2205にて否定判定した場合、すなわち転落再遊技に当選しているゲームであり、回転開始順序決定処理(図50)にて各リール32L,32M,32Rの回転開始順序をそれぞれ決定したゲームである場合には、ステップS2208に進む。ステップS2208では、回転開始順序決定処理で決定した第2リールの回転開始の処理を実行する。詳細には、RWM106に設けられたモータ制御格納エリアに当該第2リールに対応するステッピングモータ(ステッピングモータ42c〜44cのうちいずれか)の回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にて第2リールに対応するステッピングモータの加速処理が開始され、第2リールが回転を開始する。続くステップS2209ではRWM106に設けられた第2無効カウンタMC2に「671」を入力する処理を実行する。
続くステップS2210ではRWM106に設けられた第2遅延カウンタTC2に「168」を入力する処理を実行する。当該第2遅延カウンタTC2は、上記回転開始順序決定処理(図50)にて決定した第3リールの回転を開始するタイミングであることをCPU102が特定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1処理回実行されるごとにタイマ減算処理(ステップS108)にて「1」減算されるカウンタである。
ステップS2210の処理を実行した後は、ステップS2211にて上記第2遅延カウンタTC2が「0」であるかを判定し、「0」となるまで待機する。すなわち、タイマ割込み処理は1.49msecごとに1処理回実行される構成としているところ、ステップS2210にて第2遅延カウンタTC2に「168」を入力してから、ステップS2211にて肯定判定するまでに約0.25secかかる構成としている。
続くステップS2212では、第3リールの回転開始の処理を実行する。詳細には、第3リールに対応するステッピングモータの回転開始情報を、モータ制御格納エリアに格納することで、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にて、第3リールに対応するステッピングモータの加速処理が開始され、第3リールが回転を開始する。
続くステップS2213では、RWM106に設けられた第3無効カウンタMC3に「671」を入力する処理を実行する。第3無効カウンタMC3は、第3リールの停止制御が行えない操作無効期間であることをCPU102が特定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1処理回実行されるごとにタイマ減算処理(ステップS108)にて「1」減算されるカウンタである。また第1無効カウンタMC1及び第2無効カウンタMC2と同様に、ステップS2213にて第3無効カウンタMC3に入力する値が「0」となるまでの期間は、第3リールの回転を開始してから定速回転に至るまでに要する期間よりも長い期間(本実施形態では第1リール、第2リールと同様に1sec)となるように設定されている。ステップS2213の処理を実行した後は、本特別回転開始処理を終了する。
したがって、ベル当選の場合には第1リールとその他のリールの回転開始の時間差を約0.25sec、転落再遊技当選の場合には第1リールと第2リール及び第2リールと第3リールの回転開始の時間差をそれぞれ約0.25secとしているところ、遊技者は各リール32L,32M,32Rの回転が別々に開始されたことを識別することが可能となり、今回のゲームにおいてストップボタン42〜44の操作順序が報知されることを、リールの回転態様により認識することが可能となる。さらに、当該操作順序を各リール32L,32M,32Rの回転順序からも認識することが可能となる。
特別リール制御処理(図49)の説明に戻り、ステップS2005にて特別回転開始処理を実行した後は、ステップS2006にて、特別停止有効化処理を実行する。ここで、特別停止有効化処理について、図52のフローチャートに基づき説明する。
まずステップS2301にて、上記第1リールが回転中であるか否かを判定する。回転中である場合にはステップS2302に進み、第1無効カウンタMC1が「0」であるかを判定し、第1無効カウンタMC1が「0」でない場合にはそのまま本特別停止有効化処理を終了する。第1無効カウンタMC1が「0」の場合には、続くステップS2303にて、RWM106に設けられたリール停止有効フラグ格納エリアに第1リール停止有効フラグをセットする。これにより、第1リールに対応するストップボタンの操作が有効となる。続くステップS2304では、対応するストップランプを点灯表示させる処理を実行する。これにより、遊技者は第1リールに対応するストップボタンの操作が有効となったことを認識することができる。ステップS2304の処理を実行した後は、本特別停止有効化処理を終了する。
ステップS2301にて第1リールが回転中でないと判定した場合、ステップS2305に進む。ステップS2305では、ベルに当選しているゲームか否かを判定する。ステップS2305にて肯定判定した場合、ステップS2306にて第1リール以外の残りのリールが回転中であるか否かを判定する。残りのリールが回転中でない場合、そのまま本特別停止有効化処理を終了する。残りのリールが回転中である場合、ステップS2307に進み、第2無効カウンタMC2が「0」であるかを判定し、第2無効カウンタMC2が「0」でない場合にはそのまま本特別停止有効化処理を終了する。第2無効カウンタMC2が「0」の場合には、続くステップS2308にて、リール停止有効フラグ格納エリアに残りのリールに対応する停止有効フラグをセットする。これにより、第1リール以外の残りのリールに対応するストップボタンの操作が有効となる。続くステップS2309では、対応するストップランプを点灯表示させる処理を実行する。これにより、遊技者は残りのリールに対応するストップボタンの操作が有効となったことを認識することができる。ステップS2309の処理を実行した後は、本特別停止有効化処理を終了する。
ステップS2305にて否定判定した場合、すなわち転落再遊技に当選しているゲームである場合、ステップS2310に進む。ステップS2310では、第2リールが回転中であるか否かを判定する。第2リールが回転中である場合、ステップS2311に進み、第2無効カウンタMC2が「0」であるかを判定し、第2無効カウンタMC2が「0」でない場合にはそのまま本特別停止有効化処理を終了する。第2無効カウンタMC2が「0」の場合には、続くステップS2312にて、リール停止有効フラグ格納エリアに第2リール停止有効フラグをセットする。これにより、第2リールに対応するストップボタンの操作が有効となる。続くステップS2313では、対応するストップランプを点灯表示させる処理を実行する。これにより、遊技者は第2リールに対応するストップボタンの操作が有効となったことを認識することができる。ステップS2313の処理を実行した後は、本特別停止有効化処理を終了する。
ステップS2310にて第2リールが回転中でないと判定した場合、ステップS2314に進む。ステップS2314では、第3リールが回転中であるか否かを判定し、回転中でない場合にはそのまま本特別停止有効化処理を終了する。第3リールが回転中である場合、ステップS2315に進み、第3無効カウンタMC3が「0」であるかを判定し、第3無効カウンタMC3が「0」でない場合にはそのまま本特別停止有効化処理を終了する。第3無効カウンタMC3が「0」の場合には、続くステップS2316にて、リール停止有効フラグ格納エリアに第3リール停止有効フラグをセットする。これにより、第3リールに対応するストップボタンの操作が有効となる。続くステップS2317では、対応するストップランプを点灯表示させる処理を実行する。これにより、遊技者は第3リールに対応するストップボタンの操作が有効となったことを認識することができる。ステップS2317の処理を実行した後は、本特別停止有効化処理を終了する。
特別リール制御処理(図49)の説明に戻り、ステップS2006にて特別停止有効化処理を行った後は、ステップS2007に進む。
ステップS2007では、いずれかのストップボタン42〜44が操作されたか否かを判定し、操作された場合には、続くステップS2008にて今回操作されたストップボタンに対応する上記各リール停止有効フラグがセットされているか否かを判定する。
具体的には、ベルに当選しているゲームについて説明すると、第1リールが左リール32Lである場合は、ステップS2007にて左ストップボタン42が操作されたと判定し且つステップS2008にて第1リール停止有効フラグがセットされている場合、又は、ステップS2007にて中ストップボタン43又は右ストップボタン44が操作されたと判定し且つステップS2008にて残りのリールの停止有効フラグがセットされている場合に、ステップS2009に進む。また、第1リールが中リール32Mである場合は、ステップS2007にて中ストップボタン43が操作されたと判定し且つステップS2008にて第1リール停止有効フラグがセットされている場合、又は、ステップS2007にて左ストップボタン42又は右ストップボタン44が操作されたと判定し且つステップS2008にて残りのリールの停止有効フラグがセットされている場合に、ステップS2009に進む。また、第1リールが右リール32Rである場合は、ステップS2007にて右ストップボタン44が操作されたと判定し且つステップS2008にて第1リール停止有効フラグがセットされている場合、又は、ステップS2007にて左ストップボタン42又は中ストップボタン43が操作されたと判定し且つステップS2008にて残りのリールの停止有効フラグがセットされている場合に、ステップS2009に進む。
転落再遊技に当選しているゲームについて説明すると、まず、第1リールに設定されたリールと、ストップボタンと、第1リール停止有効フラグとの関係は、上記ベルに当選しているゲームと同様である。また、第2リールが左リール32Lである場合は、ステップS2007にて左ストップボタン42が操作されたと判定し且つステップS2008にて第2リール停止有効フラグがセットされている場合にステップS2009に進み、第2リールが中リール32Mである場合は、ステップS2007にて中ストップボタン43が操作されたと判定し且つステップS2208にて第2リール停止有効フラグがセットされている場合にステップS2009に進み、第2リールが右リール32Rである場合は、ステップS2007にて右ストップボタン44が操作されたと判定し且つステップS2008にて第2リール停止有効フラグがセットされている場合にステップS2009に進む。また、第3リールが左リール32Lである場合は、ステップS2007にて左ストップボタン42が操作されたと判定し且つステップS2008にて第3リール停止有効フラグがセットされている場合にステップS2009に進み、第3リールが中リール32Mである場合は、ステップS2007にて中ストップボタン43が操作されたと判定し且つステップS2008にて第3リール停止有効フラグがセットされている場合にステップS2009に進み、第3リールが右リール32Rである場合は、ステップS2007にて右ストップボタン44が操作されたと判定し且つステップS2008にて第3リール停止有効フラグがセットされている場合にステップS2009に進む。
ステップS2007又はステップS2008にて否定判定した場合は、ステップS2006に戻る。
ステップS2009〜ステップS2019までの処理は、上記第1の実施形態におけるステップS404〜ステップS414の処理と同様である。但し、ステップS2016にて全リール32L,32M,32Rが停止していないと判定した場合は、ステップS2017にて停止情報第2設定処理を実行した後、ステップS2006に戻る。
通常処理(図48)の説明に戻り、ステップS1910にて肯定判定した場合、ステップS1911又はステップS1912で否定判定した場合にはステップS1914に進みリール制御処理を実行する。
本実施形態におけるリール制御処理は、上記第1の実施形態と概ね同様であるが、回転開始処理(図40)の処理構成が異なっている。すなわち、上述の如く、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されるゲームにおいて、特別リール制御処理を行う構成としたことにより、本実施形態における回転開始処理では、ステップS1306にて全リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間が経過したか否か(無効カウンタMCが「0」であるか否か)を判定し、所定期間が経過していない場合にはそのまま待機し、所定期間が経過した場合には、ストップランプ42b〜44bを点灯表示させたうえで回転開始処理を終了する構成としている。さらに、表示制御装置81においても延長情報コマンド処理(図42)を行わない構成としている。
ステップS1913にて特別リール制御処理を実行した後、又はステップS1914にてリール制御処理を実行した後は、上記第1の実施形態におけるステップS211〜ステップS213の処理と同様に、ステップS1915〜ステップS1917の処理を実行し、ステップS1903に戻る。
なお、第1リール〜第3リールの操作無効期間は上記のものに限定されず、それぞれ上記の長さよりも長くてもよく、短くてもよい。具体的には、第1無効カウンタMC1、第2無効カウンタMC2、第3無効カウンタMC3に入力する値は任意である。但し、各リール32L,32M,32Rの停止制御を安定的に行うという観点からすると、各リール32L,32M,32Rの回転が定速回転に至った後に操作無効期間が経過するよう各無効カウンタMC1,MC2,MC3に入力する値を設定するとよい。また、第1リール〜第3リールにおいて、同一の長さの操作無効期間としたが、それぞれ異なる長さの操作無効期間となるように、各無効カウンタMC1,MC2,MC3に異なる数値を入力する構成としてもよい。また、一のリールの操作無効期間が他のリールの操作無効期間と異なるように各無効カウンタMC1,MC2,MC3に入力する数値を変更してもよい。
また、ベル当選における第1リールと他のリールとの回転開始の待機期間(第1遅延カウンタTC1)や、転落再遊技当選における第1リールと第2リール及び第2リールと第3リールとの回転開始の待機時間(第1遅延カウンタTC1及び第2遅延カウンタTC2)は上記のものに限定されず、それぞれ上記の長さよりも長くてもよく、短くてもよい。具体的には、第1遅延カウンタTC1、第2遅延カウンタTC2に入力する値は任意である。また、各遅延カウンタTC1,TC2についても同一の長さの待機期間としたが、それぞれ異なる長さの待機期間となるように、各遅延カウンタTC1,TC2に異なる数値を入力する構成としてもよい。
これら、各無効カウンタMC1,MC2,MC3及び各遅延カウンタTC1,TC2に入力する値を異ならせることにより、一のリールの回転を開始してから対応するストップボタンが有効となるまでに、他のリールの回転が開始されない構成とすることも可能である。例えば、第1無効カウンタMC1に入力する値を各遅延カウンタTC1,TC2に入力する値よりも小さくすることで、第1リールに対応するストップボタンが有効となるタイミングで、未だ第2リール及び第3リールの回転を開始しない構成とすることができる。
ここで、本実施形態における各リール32L,32M,32Rの回転とストップボタン42〜44の有効及び無効期間との関係について、図53を用いて説明する。図53(a)は回転開始順序決定処理にて第1リールと設定されたリールの回転と対応するストップボタンの有効及び無効期間との関係を示す説明図であり、図53(b)は回転開始順序決定処理にて第2リールと設定されたリールの回転と対応するストップボタンの有効及び無効期間との関係を示す説明図であり、図53(c)は回転開始順序決定処理にて第3リールと設定されたリールの回転と対応するストップボタンの有効及び無効期間との関係を示す説明図である。なお、本説明では転落再遊技に当選したゲーム、すなわち全てのリールの回転開始順序が異なるように設定されるゲームについて説明するが、ベルに当選したゲームでは図53(b)に示す状況下で、第1リール以外のリールの回転と対応するストップボタンの有効化の制御が行われることになる。
図53(a)に示す通り、taのタイミングで第1リールとして設定されたリールの回転が開始される。その後当該第1リールは加速期間を経て、定速回転に至った後のタイミングであるtdのタイミングで第1リール停止有効化フラグが格納され、第1リールに対応するストップボタンの操作が無効から有効に切り換わる。
一方第2リールは、図53(b)に示す通り、上記第1リールに対応するストップボタンの操作が無効であるtbのタイミングで回転を開始し、第1リールと同様に加速期間を経て、定速回転に至った後のタイミングであるteのタイミングで第2リール停止有効化フラグが格納され、第2リールに対応するストップボタンの操作が無効から有効に切り換わる。
また第3リールは、図53(c)に示す通り、上記第1リール及び第2リールに対応するストップボタンの操作が無効であるtcのタイミングで回転を開始し、第1リール及び第2リールと同様に加速期間を経て、定速回転に至った後のタイミングであるtfのタイミングで第3リール停止有効化フラグが格納され、第3リールに対応するストップボタンの操作が無効から有効に切り換わる。
特別回転開始処理(図51)にて設定する各カウンタとの関係を説明すると、taのタイミングからtdのタイミングまでの期間が第1無効カウンタMC1に対応する期間に相当し、tbのタイミングからteのタイミングまでの期間が第2無効カウンタMC2に対応する期間に相当し、tcのタイミングからtfのタイミングまでの期間が第3無効カウンタMC3に対応する期間に相当する。また、taのタイミングからtbのタイミングまでの期間が第1遅延カウンタTC1に対応する期間に相当し、tbのタイミングからtcのタイミングまでの期間が第2遅延カウンタTC2に対応する期間に相当する。
したがって、第1リールに対応するストップボタンの操作がtdのタイミングで有効となっても、teのタイミングで第2リールに対応するストップボタンの操作が有効となるまでは、第2リールに対応するストップボタンを操作しても当該リールは停止しない。またこの期間(tdからteのタイミングまでの期間)は、当然にして第3リールに対応するストップボタンを操作しても当該リールは停止しない。さらに、第2リールに対応するストップボタンがteのタイミングで有効となっても、tfのタイミングで第3リールに対応するストップボタンの操作が有効となるまでは、第3リールに対応するストップボタンを操作しても当該リールは停止しない。
tfのタイミングで第3リールに対応するストップボタンの操作が有効となった後は、第1リール〜第3リールのいずれに対応するストップボタンも操作が有効となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
停止順序によって異なる遊技結果となる役(ベル又は転落再遊技)に当選したゲームにおいては、所定の条件のもと、各リール32L,32M,32Rの回転を異なるタイミングで別々に行う構成とした。これにより、各リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となるタイミングを異ならせることが可能となる。したがって、遊技者がこれら各リール32L,32M,32Rの停止操作を行うにあたり、一のリールと他のリールとの停止操作を連続して行った場合であっても、一方は停止操作が有効となるが他方は停止操作が有効とならない事象が生じ、この場合、有効とならなかった側のリールの停止操作は当該リールの停止操作が有効となることを待って再度行うことになる。すなわち、各リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となる順序に従ってそれぞれのリールを停止させることになり、意図しない順序でリールを停止させてしまう誤操作を抑制することが可能となっている。
停止順序によって異なる遊技結果となる役に当選した場合であっても、通常遊技状態である場合又は報知フラグがセットされてない場合は、上記のようにリール停止操作が有効となるタイミングを異ならせる制御は行わない構成とした。これは、上記のリール制御を行うと、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序を報知しないゲームであっても、リールの回転順序により、有利な遊技結果となる操作順序が識別可能となってしまい、払出率が極端に上昇してしまうからである。一方で、本構成のように当該リール制御を限定的なものとすることにより、払出率の上昇を抑えるとともに上述の効果を奏することが可能となる。
但し、各リール32L,32M,32Rの停止操作が有効となるタイミングを異ならせ、遊技者がストップボタン42〜44を意図しない順序で操作してしまうことを抑制するという観点からすると、上記のリール制御はストップボタン42〜44の操作順序を補助表示部65にて報知するゲームにおいてのみ実行するものに限定されず、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序を報知する各ゲームの一部又は全部を補助表示部65にて報知しない構成として、当該ゲームでは各リール32L,32M,32Rの回転開始順序によってストップボタン42〜44の操作順序を報知する構成としてもよい。この場合であっても、当該ゲームにおける誤操作の発生を抑制することが可能である。
更に、上述の如く本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない場合に左リール32L以外のリール(中リール32M又は右リール32R)を最初に停止させると罰則フラグが格納される構成としているところ、この様な状況においては、左リール32Lを第1リールとして最初に回転を開始させる構成としてもよい。この場合、少なくともストップボタン42の操作無効期間の経過タイミングとストップボタン43及びストップボタン44の操作無効期間の経過タイミングとにずれが生じるため、意図せずに左リール32L以外のリールを最初に停止させてしまう誤操作の発生を抑制することが可能となる。
<第4の実施形態>
上記第3の実施形態では、各リール32L,32M,32Rの回転開始タイミングを異ならせることで操作無効期間の経過タイミングを異ならせる構成としたが、本実施形態では、操作無効期間の長さを各リール32L,32M,32Rごとに異ならせることで操作無効期間の経過タイミングを異ならせる構成としている。
以下、上記第3の実施形態と異なる構成について説明する。なお、当該異なる構成以外については上記第3の実施形態と同様である。図54は、本実施形態における特別回転開始処理を示すフローチャートである。
本実施形態における特別回転開始処理では、ステップS2401にて、全てのリール32L,32M,32Rの回転開始の処理を実行する。詳細には、全てのステッピングモータ42c〜44cの回転開始情報を、モータ制御格納エリアに格納する。これにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にて、全てのリールに対応するステッピングモータ42c〜44cの加速処理が開始され、全てのリール32L,32M,32Rが回転を開始する。すなわち、上述の第1、第2の実施形態と同様にいずれのリールも同時に回転を開始する構成としている。
続くステップS2402では、第1無効カウンタMC1に「671」を入力する処理を実行し、続くステップS2403にて第2無効カウンタMC2に「839」を入力する処理を実行する。その後、ステップS2404にて、ベルに当選したゲームであるか否かを判定し、ベルに当選したゲームである場合にはそのまま本特別回転開始処理を終了する。ベルに当選したゲームでない場合、すなわち転落再遊技に当選したゲームである場合は、ステップS2405にて第3無効カウンタMC3に「1007」を入力する処理を実行し、本特別回転開始処理を終了する。
すなわち、本実施形態において、各リール32L,32M,32Rの回転制御を別々に実行する構成ではなく、各リール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の操作無効期間の長さのみを異ならせることで、第3の実施形態と同様に、操作無効期間の経過タイミングにずれを生じさせる構成としている。したがって、本実施形態における回転開始順序決定処理(図50)は、各リール32L,32M,32Rの操作無効期間が経過するタイミングの順序を決定する処理といえる。
より具体的には、第1リールの操作無効期間は約1secに対して、第2リールの操作無効期間は約1.25secに設定されている。すなわち、上記第3の実施形態において、第1リールと第2リールの回転開始タイミングのずれとして設けた約0.25sec分が、本実施形態においては第1リールと第2リールとに対応するストップボタンの操作無効期間の経過タイミングのずれとして設定されている。また、第2リールの操作無効期間は約1.25secであるのに対して、第3リールの操作無効期間は約1.5secに設定されている。すなわち、上記第3の実施形態において、第2リールと第3リールの回転開始タイミングのずれとして設けた約0.25sec分が、本実施形態においては第2リールと第3リールに対応するストップボタンの操作無効期間の経過タイミングのずれとして設定されている。
なお、本構成においても、第1無効カウンタMC1、第2無効カウンタMC2及び第3無効カウンタMC3に入力する数値は上記のものに限定されないことは、言うまでもない。
図55は、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから、ストップボタン42〜44の操作が無効から有効へと切り換わる状況を示す説明図である。なお、本説明では転落再遊技に当選したゲーム、すなわち、第1リール〜第3リールにおいて対応するストップボタンの操作無効期間の経過タイミングが異なるように設定されるゲームについて説明するが、ベルに当選したゲームでは第2リールに対応するストップボタンの操作無効期間の経過タイミングに第1リール以外のリールに対応する各ストップボタンの操作無効期間が経過することになる。
図55に示す通り、taのタイミングで全リール32L,32M,32Rの回転が開始され、加速期間を経てtdのタイミングで第1リールに対応するストップボタンの操作が無効から有効に切り換わる。その後、teのタイミングで第2リールに対応するストップボタンの操作が無効から有効に切り換わり、更にその後、tfのタイミングで第3リールに対応するストップボタンの操作が無効から有効に切り換わる。
特別回転開始処理(図54)にて設定する各無効カウンタMC1,MC2,MC3との関係を説明すると、taのタイミングからtdのタイミングまでの期間が第1無効カウンタMC1に対応する期間に相当し、taのタイミングからteのタイミングまでの期間が第2無効カウンタMC2に対応する期間に相当し、taのタイミングからtfのタイミングまでの期間が第3無効カウンタMC3に対応する期間に相当する。
したがって、上記第3の実施形態と同様に、第1リールに対応するストップボタンの操作がtdのタイミングで有効となっても、teのタイミングで第2リールに対応するストップボタンの操作が有効となるまでは、第2リールに対応するストップボタンを操作しても当該リールは停止しない。またこの期間(tdからteのタイミングまでの期間)は、当然にして第3リールに対応するストップボタンを操作しても当該リールは停止しない。さらに、第2リールに対応するストップボタンがteのタイミングで有効となっても、tfのタイミングで第3リールに対応するストップボタンの操作が有効となるまでは、第3リールに対応するストップボタンを操作しても当該リールは停止しない。
tfのタイミングで第3リールに対応するストップボタンの操作が有効となった後は、第1リール〜第3リールのいずれに対応するストップボタンも操作が有効となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
特別回転開始処理(図54)において、各リール32L,32M,32Rの回転制御を同時に実行する構成としたうえで、各リール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングを異ならせる構成とした。これにより、回転制御にかかる処理を複雑化することなく、上記第3の実施形態にて述べた効果を奏することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)操作対応処理として、第1の実施形態では操作無効期間を延長し、第2の実施形態では停止制限カウンタSCに所定数値をセットする構成としたが、誤操作の発生を抑制するという観点からすると、これらの構成に限定されず、少なくとも、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作されたことに対応して所定の処理を実行する構成であればよい。例えば、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には、遊技者が続けて他のストップボタン42〜44を操作しないように、スピーカ64においてけたたましい警告音が発せられる構成や、各リール32L,32M,32Rのバックライトを消灯(又は点灯、点滅等)する構成や、ストップボタン42〜44の往復動作を通常の動作よりも硬化させる構成や、ストップボタン42〜44を振動させる構成や、補助表示部65にて警告表示が実行される構成などが考えられる。更に、遊技者が最初に停止させようと意図したリール、すなわち操作無効期間中に操作したストップボタンに対応するリール以外の他のリールの停止操作を行えないようにするという観点からすると、当該他のリールに対応するストップボタンの往操作が不可となるように硬化する構成としてもよい。いずれの場合であっても、遊技者は通常、各リールの停止操作を連続的に行っているところ、操作無効期間中にリールの停止操作が行われた場合に次のリールの停止操作に移行しないように、反射的に当該連続的な停止操作を止めるような報知を行う構成か、連続的に停止操作を行ってしまった場合であってもそれを救済可能とする構成であればよい。これらの構成においても、少なくとも遊技者が意図しない誤操作を抑制することが可能である。
(2)操作対応処理として、第1の実施形態では操作無効期間を延長する処理を行い、第2の実施形態では停止制限カウンタSCに所定数値をセットする処理を行う構成としたが、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合に所定の処理を実行するという観点からすると、少なくともストップボタン42〜44の操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作されたことを特定する手段を備えておればよく、上記の各処理を実行する構成に限定されない。例えば、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には、補助表示部65にて特別な演出を実行する構成としてもよい。特に、各ゲームの抽選結果が所定の特別役当選である場合、その当選した特別役を教示するべく操作無効期間を延長する演出(所謂フリーズ演出)を備える遊技機において、当該操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には、補助表示部65にて他のゲームでは実行されない又は実行されにくい特別な演出を実行する構成とすると、当該特別役の希少価値をより際立たせることができる。
また、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された場合には、そのゲームにおける当選役を教示する演出を補助表示部65等で実行する構成としてもよい。この場合、各ゲームにおける当選役を教示する演出構成を多様なものとすることができる。
さらに、操作無効期間中にストップボタン42〜44が操作された回数やストップボタン42〜44を押圧操作している期間によって、操作無効期間中の又は当該ゲームにおけるその後の演出内容が異なる構成としてもよい。例えば、補助表示部65において操作無効期間の長さを示すゲージを表示し、当該操作無効期間中のストップボタン42〜44の操作回数や押圧操作期間により、上記ゲージが徐々に溜まっていく構成や、当該ゲージの溜まり度合いにより、その後の補助表示部65における演出内容が変化する構成が考えられる。これらの場合、操作無効期間中であってもその操作に基づき演出内容が変化するため、遊技への積極参加が期待できる。
したがって、上記各処理を実行することで、操作無効期間中の注目度を好適に高めることが可能となる。
(3)上記各実施形態において、ストップボタン42〜44の操作順序を報知するゲームにて、操作対応処理を行う構成又は特別リール制御処理を行う構成としたが、これらの処理を行うゲームは上記のものに限定されない。例えば、所定の開始ゲームから予め定められた又は抽選により決定されたゲーム数を実行した後のゲームにてベル又は転落再遊技に当選した場合に上記処理を実行する構成としてもよく、毎ゲーム実行する構成としてもよい。
特に、操作順序が報知されないゲームであっても、左ストップボタン42を最初に操作したつもりでも、当該左ストップボタン42は操作無効期間中で左リール32Lが停止せず、それに気付かずに中ストップボタン43又は右ストップボタン44を操作してしまうと、対応する中リール32M又は右リール32Rが停止してしまい、罰則フラグがセットされてしまい、遊技者にとって不利な状況が発生する。
さらに、特定役(スイカ、チェリー)等を停止させようと意図したタイミングで、遊技者がストップボタン42〜44を操作した場合であっても、最初に操作したストップボタンが操作無効期間中で次に操作したストップボタンが操作無効期間の経過後であった場合には、その意図通りにはリールが停止せず、特定役を停止させることができない状況が生じ得る。これらの誤操作を抑制するという観点からすると、いずれのゲームにおいても実行する構成としても効果を奏する。
また、操作対応処理又は特別リール制御処理を、所定の遊技状態に滞在している場合にのみ実行する構成としてもよい。例えば、第5RT状態に滞在している場合であってストップボタン42〜44の操作順序を報知するゲームにて実行する構成としてもよい。特に、誤操作の発生を抑制するという観点からすると、遊技状態を第5RT状態まで移行させる段階の場合よりも、一旦第5RT状態に移行してセットされた報知回数を消化すべく遊技を行っている場合のほうが遊技者の集中力は途切れがちであるところ、ストップボタン42〜44の誤操作が発生しやすい。したがって、上記処理を実行するゲームを第5RT状態に限定することで、その他のゲームの処理負荷を軽減するとともにより的確に誤操作の発生を抑制することができる。
(4)上記第1、第2の実施形態において、各リール32L,32M,32Rの回転開始及び操作無効期間の経過後の停止操作の有効化を、いずれも全リールまとめて行う構成としたが、第3の実施形態のように別々に回転開始及び停止操作の有効化を行う構成としてもよい。
(5)上記第1、第2の実施形態において、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから所定期間が経過するまでにストップボタン42〜44が操作された場合に操作対応処理を実行する構成としたが、ストップボタン42〜44の操作が無効である期間中に操作が行われた場合に操作対応処理を実行する構成であればよく、上記のものに限定されない。すなわち、図39に示す通り、ストップボタン42〜44を操作してから対応するリールがスベリを伴い最終停止するまでの期間(t3のタイミングからt4のタイミングまでの期間)も他のリールに対応するストップボタン42〜44の操作は無効であり、当該期間において他のリールに対応するストップボタン42〜44が操作された場合にも操作対応処理を実行する構成としてもよい。この場合、遊技者が意図した停止順序を第1停止リール→第2停止リール→第3停止リールとすると、例えば、第1停止リールにおいてスベリを伴う停止制御が行われている間に第2停止リールの停止操作を行い、且つ続けて第1停止リールが最終停止後に第3停止リールの停止操作を行った場合に発生する、第3停止リールが第2停止リールよりも先に停止してしまう、という誤操作を抑制することが可能となる。
また、ストップボタン42〜44のいずれかが往動作されて対応するリールが最終停止した後も、当該ストップボタンが復動作されるまでは他のストップボタン42〜44の操作を無効とする構成や、スタートレバー41等の他の操作部が操作されている場合にもストップボタン42〜44の操作を無効とする構成が一般的なところ、これらのストップボタン42〜44の操作が無効である期間においても上述の操作対応処理を実行する構成としてもよい。
(6)上記第2の実施形態において、停止制限カウンタSCの減算処理をストップボタン42〜44の操作以外にクレジット投入ボタン56〜58の操作によっても行う構成としたが、本構成を上記第1の実施形態に適用しても良い。すなわち、操作対応処理により延長された操作無効期間をいずれかのクレジット投入ボタン56〜58が操作されたことにより解除する(無効カウンタMCを「0」とする)構成としてもよい。
(7)上記第1の実施形態において、操作対応処理として操作無効期間の延長に加えて、上記第2の実施形態における停止制限カウンタSCをセットする構成としてもよい。この場合、延長された操作無効期間の経過後も停止制限カウンタSCが「0」となるまではストップボタン42〜44の操作が無効となり、より確実に誤操作を抑制することができる。また、この構成においては、ストップボタン42〜44やクレジット投入ボタン56〜58の操作に基づいて停止制限カウンタSCが「0」となった場合に無効カウンタMCも「0」とする処理を加えることにより、遊技者は操作無効期間が延長された場合であってもそれをキャンセルすることができ、遊技の円滑化を図ることが可能となる。
(8)上記各実施形態において、所定のゲームにおいて操作対応処理又は特別リール制御処理を実行するか否かを、遊技者が選択可能とする構成としてもよい。例えば、遊技者又は遊技ホールの管理者が操作可能な操作部を操作することにより、上記操作対応処理又は特別リール制御処理を実行するか否かを決定できる構成としてもよい。
(9)上記各実施形態において、遊技状態を通常遊技状態と第1RT状態〜第5RT状態とを設定し、移行出目、昇格再遊技及び転落再遊技により各遊技状態が移行する構成としたが、遊技状態の種類と数及びそれらの移行態様は上記のものに限定されず任意であることは言うまでもない。
特に、遊技者の意図しないリール停止の誤操作を抑制するという観点からすると、当該誤操作により遊技者にとって不利な状況が発生し得る構成、例えば、停止タイミングによって成立した役を取りこぼすリールの図柄配列である構成や、リールの停止順序によって上記各実施形態における罰則フラグがセットされる構成等であれば、遊技状態は1種類であってもよい。
(10)上記各実施形態において、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、ストップボタン42〜44の操作順序を遊技者が認識可能に示唆する構成であればよい。例えば、スピーカ64から音声を出力して操作順序を報知する構成としてもよく、次に操作するストップボタンのランプを他のストップボタンと異なる発光色等で点灯表示することで操作順序を示唆する構成としてもよく、各リール32L,32M,32Rのバックライトの点灯又は消灯により次に停止操作すべきリールを示唆する構成としてもよく、他の表示装置や役物装置を設け当該装置により操作順序を報知する構成としてもよい。
(11)上記第1,第2の実施形態において、補助表示部65にて各特別報知及び停止制限カウンタSCの数値に対応する表示を行う構成としたが、これに限定されず、例えば、各リール32L,32M,32Rを視認可能としつつも表示窓26L,26M、26R全体を覆うように設けられた表示部にて各特別報知に対応する表示を行う構成としてもよい。遊技者は、遊技中は各リール32L,32M,32Rに集中していることが想定されるところ、各リール32L,32M,32Rに集中していても直接的に視野に入る表示部にて特別報知に対応する表示を行うことで、遊技者に対して特別報知の内容を認識させる効果は更に向上するものと考えられる。
(12)上記各実施形態において、少なくとも主制御装置101が操作対応処理又は特別リール制御処理を実行すべきゲームであることを特定可能であれば、主制御装置101が実行する各処理を表示制御装置81が実行する構成としても良い。この場合、上記の操作対応処理又は特別リール制御処理を実行すべきゲームであることを主制御装置101が特定可能とするためには、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する状況であること、すなわち報知フラグがセットされていることを主制御装置101が特定可能であればよい。具体的には、少なくとも、報知抽選処理(図35)、入賞結果対応処理(図36)におけるステップS1001〜ステップS1003の処理、及び報知中処理(図37)の処理を主制御装置101にて実行する構成とし、当該主制御装置101の各処理の結果を表示制御装置81にコマンドとして逐次送信する構成とすればよい。
(13)上記各実施形態では、BB状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、RB状態やSB状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。
(14)上記各実施形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。
(15)上記各実施形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(16)上記各実施形態では、リール及びそれに対応するストップボタンを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップボタンを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップボタンは少なくとも2つあればよい。
(17)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.周方向に周回すると共に、当該周方向に複数種の絵柄が配列された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓部(表示窓26L,26M,26R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記各周回体に設けられ、当該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ42c〜44c)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置101のCPU102における回転開始処理を実行する機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
前記各停止操作手段が操作されたこと基づいて、当該操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(第1の実施形態では、主制御装置101のCPU102におけるステップS402〜ステップS412の処理を実行する機能であり、第2の実施形態では、主制御装置101のCPU102におけるステップS1603〜ステップS1617の処理を実行する機能)と、
前記周回体の周回中であって、当該周回体に対応する前記停止操作手段の操作が無効化される所定の無効期間中に、当該停止操作手段が操作されたことを特定する特定手段(第1の実施形態では、主制御装置101のCPU102におけるステップS1307の処理を実行する機能であり、第2の実施形態ではステップS1707の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、周回体の周回中であって所定の無効期間中に停止操作手段が操作されたことを、特定手段により特定可能となる。これにより、無効期間中に停止操作手段が操作された場合であっても、それに基づいて他の処理を実行することが可能となる。
他の処理としては、無効期間中に停止操作手段が操作されたことに基づいて、遊技機に設けられた報知手段等で特別な演出を実行する処理や、対応する周回体の停止制御が行われないことに基づく誤操作の発生を抑制するための処理が考えられる。特定手段を備えることで、これらの処理を実行することが可能となる。
特徴A2.前記所定の無効期間中に前記停止操作手段が操作されたことが前記特定手段により特定された場合に、周回中の周回体に対応する少なくとも一の停止操作手段について、その操作が不可となるようにするための、又はその後に当該停止操作手段が操作された場合に停止駆動制御が実行されないようにするための特別制御を実行する特別制御手段(主制御装置101のCPU102における操作対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定の無効期間中に停止操作手段を操作した場合には、特別制御により、その後遊技者は停止操作手段の操作を行えない又は操作を行っても周回体は停止しない。したがって、停止操作手段の操作が無効である期間と有効である期間に亘って停止操作手段を操作してしまうことによる誤操作の発生を抑制することが可能となる。
特徴A3.前記特別制御手段は、少なくとも前記所定の無効期間中に操作された停止操作手段に対応する周回体とは異なる前記周回体について前記特別制御を実行するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、停止操作手段の操作が無効である期間と有効である期間に亘って、異なる停止操作手段を操作することによって、意図しないタイミングや停止順序で周回体が停止してしまう誤操作の発生を抑制することが可能となる。
特徴A4.前記特別制御手段は、前記所定の無効期間中に操作された停止操作手段に対応する周回体も含めて、全ての前記各周回体について前記特別制御を実行するものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特徴A3で述べた誤操作の発生を抑制可能としつつ、全ての周回体について特別制御を実行するため、個別に各周回体の特別制御を実行する構成と比較して処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
特徴A5.前記特別制御手段は、前記特別制御として前記所定の無効期間を延長するものであることを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、所定の無効期間後も無効な状態が続き、実質的に、停止操作手段が操作されても停止駆動制御を実行しない無効期間が長くなる。これにより、誤操作の発生を抑制できる。特に本構成では、誤操作抑制のために他の判断要素を付加する構成と比較して、簡素な処理構成で誤操作の発生を抑制可能としている。
特徴A6.前記特別制御手段は、前記特別制御として、前記所定の無効期間の経過後に停止操作手段が操作されても所定回数に亘って前記停止駆動制御を実行しないものであることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定の無効期間中に停止操作手段が操作された場合には、所定の無効期間の経過後に停止操作手段が操作されても周回体の停止駆動制御を所定回数に亘って行わないことで、誤操作の発生を抑制できる。特に本構成では、特定制御が行われている状況であっても、遊技者は所定回数に亘って停止操作手段を操作することで、その後は周回体の停止操作を行うことが可能となる。したがって、誤操作の発生を抑制しつつ、遊技を円滑に進行させることが可能となる。
特徴A7.前記所定の無効期間には、少なくとも前記各周回体の周回を開始してから当該各周回体の周回速度が定速に至るまでの期間が含まれることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、各周回体の周回が開始されてから周回速度が定速に至る前後に亘って、複数の停止操作手段を操作してしまうことにより発生する誤操作を抑制することが可能であり、特に複数ある周回体のうち、最初に停止させようと意図した周回体とは異なる周回体が停止してしまう誤操作の発生を抑制することが可能である。
特徴A8.前記特別制御手段は、前記停止操作手段が操作されてから当該操作された停止操作手段に対応する周回体の前記停止駆動制御を実行し当該周回体の周回が最終停止するまでの期間には、停止操作手段が操作されても前記特別制御を実行しないものであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、特別制御を実行する期間がより限定的なものとなる。特に、停止操作手段が操作されてから周回体が最終停止するまでの期間は、周回体の周回を開始してから定速に至るまでの期間と比較して短く、誤操作の発生の可能性も低く、このような期間に特別制御を実行することは処理負荷の増加につながりかねない。更に、一の停止操作手段が、対応する周回体の停止駆動制御を開始してからも引き続き連続して操作される可能性もあり、このような遊技者の操作は確実に周回体の停止駆動制御を行わせるためのものであるところ、当該操作に基づいて特別制御を実行することは遊技の円滑な進行という観点から好ましくない。したがって、当該期間には特別制御を実行しない構成とすることで、特徴A7の効果を好適に奏することができる。
特徴A9.前記特別制御手段は、前記所定の無効期間中の停止操作手段の操作のうち、予め定められた特定回数の操作を対象として前記特別制御を実行する構成である(第1の実施形態では、操作無効期間の延長は2回までであり、第2の実施形態では停止制限カウンタSCの設定は1回のみである)ことを特徴とする特徴A2乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特別制御を特定回数しか行わないため、特別制御の解除後は、遊技者は停止操作手段を操作することにより対応する周回体を停止させることが可能となる。したがって、無限に停止駆動制御が実行されない状況の発生を抑制し、遊技を円滑に行うことが可能となる。
特徴A10.前記特別制御を解除する特定解除手段(第2の実施形態の、主制御装置101のCPU102におけるステップS1602及びステップS1606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、遊技者が特別制御手段により特別制御が設定されたことを認識した後は、特定解除手段により特別制御を解除して遊技を再開することが可能となる。したがって、誤操作を抑制しつつ遊技を円滑に行うことが可能となる。
特徴A11.前記特定解除手段は、前記停止操作手段とは別途設けられ、遊技者が操作可能なものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、特別制御の解除にあたって、停止操作手段の操作が必要なくなる。これにより、特別制御が既に解除されていることに遊技者が気付かないで、さらに停止操作手段を操作してしまう、という二次的な誤操作の発生を抑制することが可能となる。
特徴A12.報知手段(スピーカ64又は補助表示部65)を備え、
前記所定の無効期間中に前記停止操作手段が操作されたことが前記特定手段により特定された場合に、特別報知を前記報知手段にて実行する特別報知手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、所定の無効期間中に停止操作手段を操作した場合には特別報知が実行される。これにより、停止操作手段の操作が無効である期間中であっても、遊技の注目度の低下を抑制することができる。
特に、遊技者は特別報知により、無効期間中に停止操作手段を操作してしまったことを認識することができるため、続けて停止操作手段を操作してしまう誤操作の発生を抑制することも可能である。
特徴A13.前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102における抽選処理を実行する機能)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が前記表示窓部から視認可能な有効位置に所定の組み合わせを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS211の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止駆動制御手段は、前記役の抽選結果が特定結果(ベル又は転落再遊技)であって前記各停止操作手段に第1特定順序で操作がなされた場合、前記有効位置に第1特定絵柄(ベル入賞又は第6再遊技入賞)を停止させるべく前記各周回体の前記停止駆動制御を実行する一方で、前記役の抽選結果が前記特定結果であって前記各停止操作手段に第2特定順序で操作がなされた場合、前記有効位置に第2特定絵柄(移行出目又は転落再遊技入賞)を停止させるべく前記各周回体の前記停止駆動制御を実行する特別停止駆動制御手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS412の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記第1特定絵柄が前記有効位置に停止したことに基づいて遊技者にとって有利な第1特別特典(9枚のメダルの払出又は次ゲームを無償で遊技可能とする権利)を付与する一方で、前記第2特定絵柄が前記有効位置に停止したことに基づいて前記第1特別特典よりも遊技者にとって不利な第2特別特典(遊技状態が第1RT状態又は通常遊技状態に移行する)を付与する特別特典付与手段(主制御装置101のCPU102におけるRT状態処理を実行する機能)を備え、
前記所定の無効期間中に前記停止操作手段が操作されたことが前記特定手段により特定された場合に、周回中の周回体に対応する少なくとも一の停止操作手段について、その操作が不可となるようにするための、又はその後に当該停止操作手段が操作された場合に停止駆動制御が実行されないようにするための特別制御を実行する特別制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が前記特定結果である場合に、前記第1特定順序を遊技者に認識可能に報知する操作報知手段(表示制御装置81のCPU82における報知コマンドを受信したことに基づいて補助表示部65に押順報知演出を実行させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、特定結果である場合には停止操作手段の操作によって異なる特典が付与される。具体的には、第1特定順序で操作を行った場合には第1特別特典が付与される一方で、第2特定順序で操作を行った場合には第2特別特典が付与される。第2特別特典は第1特別特典よりも遊技者にとって不利な特典であることから、遊技者は特定結果である場合には第1特定順序で操作を行ったほうが有利となる。そして、役の抽選結果が特定結果である場合には、第1特定順序が操作報知手段により報知される。これにより遊技者は報知に基づいて第1特定順序で各停止操作手段の操作を行うところ、特別制御手段により誤操作が抑制されていることからより確実に第1特定順序で操作を実行することが可能となる。
特徴A14.前記有効位置に前記第1特定絵柄が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態(各RT状態)に移行させる又は当該特別遊技状態を維持する特別遊技状態移行手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS507〜ステップS514の処理を実行する機能)と、
前記有効位置に前記第2特定絵柄が停止したことに基づいて、前記特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS501〜ステップS506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、第1特定絵柄が停止する第1特定順序で操作を行うと遊技者にとって特別遊技状態に移行する一方で、第2特定絵柄が停止する第2特定順序で操作を行うと当該特別遊技状態が終了する。したがって、特定結果である場合に、第1特定順序で操作を行うか第2特定順序で操作を行うかによって、その後の遊技状態が相違し、より慎重な停止操作手段の操作が求められるところ、誤操作の発生が抑制されているため、好適に遊技を進行させることができる。
特徴A15.前記特別遊技状態には、少なくとも通常遊技状態よりも遊技者にとって有利であって有利度が異なる複数の移行特別遊技状態(各RT状態)が含まれており、
前記特別遊技状態終了手段は、前記有効位置に前記第2特定絵柄が停止したことに基づいて、前記移行特別遊技状態のうち最も有利度の高い移行特別遊技状態(第5RT状態)に滞在している場合であっても、当該移行特別遊技状態を終了し前記通常遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、最も有利度の高い移行特別遊技状態に滞在している場合であっても、第2特定絵柄が停止すること基づいて通常遊技状態に移行してしまう。これにより特徴A14の効果をより奏することが可能となる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生するなどの特典が付与される。
このスロットマシンにおいて、各リールの回転を開始してから回転速度が定速回転に至るまでにストップボタンが操作されたり、一のリールの停止制御を行っている期間に他のリールに対応するストップボタンが操作されても、リールの停止制御を行わないことが一般的である(例えば特許文献1参照)。これは、リールが定速回転に至るまでの期間や、一のリールの停止制御を行っている期間は各リール又は他のリールの停止制御を安定的に行えないこと等が起因している。
しかしながら、かかる構成においては、例えば、ストップボタンの操作が無効な期間中に操作がされた場合には、対応するリールは停止しないため遊技が進行せず、遊技者の注目度が低下する恐れがある。また、例えば、ストップボタンの操作が無効な期間と有効な期間とに亘って複数のストップボタンを操作した場合、無効な期間に操作した側のリールは停止しない一方で、有効な期間に操作した側のリールは停止する。この場合、遊技者が意図した停止順序又は停止タイミングで各リールの停止操作を行えない所謂誤操作が発生し得る。
なお、以上の問題は、上記例示したようなスロットマシンに限らず、複数種の絵柄を循環表示させ、その後の停止操作手段の操作に基づいて循環表示を終了させる他の遊技機にも該当する問題である。
<特徴B群>
特徴B1.周方向に周回すると共に、当該周方向に複数種の絵柄が配列された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓部(表示窓26L,26M,26R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー41)と、
当該始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101のCPU102における抽選処理を実行する機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、当該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ42c〜44c)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置101のCPU102における回転開始処理を実行する機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
前記各停止操作手段が操作されたこと基づいて、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS1913及びステップS1914の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が前記表示窓部から視認可能な有効位置に所定の組み合わせを形成して停止したことに基づいて、入賞成立として遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS1915の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記停止駆動制御手段は、前記役の抽選結果が特定結果(ベル又は転落再遊技)であって前記各停止操作手段に第1特定順序で操作がなされた場合、前記有効位置に第1特定絵柄(ベル入賞又は第6再遊技入賞)を停止させるべく前記各周回体の前記停止駆動制御を実行する一方で、前記役の抽選結果が前記特定結果であって前記各停止操作手段に第2特定順序で操作がなされた場合、前記有効位置に第2特定絵柄(移行出目又は転落再遊技入賞)を停止させるべく前記各周回体の前記停止駆動制御を実行する特別停止駆動制御手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS2017の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記第1特定絵柄が前記有効位置に停止したことに基づいて遊技者にとって有利な第1特別特典(9枚のメダルの払出又は次ゲームを無償で遊技可能とする権利)を付与する一方で、前記第2特定絵柄が前記有効位置に停止したことに基づいて前記第1特別特典よりも遊技者にとって不利な第2特別特典(遊技状態が第1RT状態又は通常遊技状態に移行する)を付与する特別特典付与手段(主制御装置101のCPU102におけるRT状態処理を実行する機能)を備え、
前記周回体の周回開始後において、それに対応する停止操作手段の操作が無効化される無効期間が設定される構成であり、
当該遊技機は、前記役の抽選結果が前記特定結果であることを少なくとも一の条件として、前記無効期間の経過タイミングが、前記第1特定順序に対応して異なるタイミングとなるように特別制御を実行する特別制御手段(主制御装置101のCPU102における特別リール制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、役の抽選結果が特定結果である場合には、停止操作手段に第1特定順序で操作がなされた場合には第1特別特典が付与される一方で、第2特定順序で操作がなされた場合には第1特別特典よりも遊技者にとって不利な第2特別特典が付与されるところ、特別制御手段により、無効期間が第1特定順序に対応させて経過するように制御される。つまり、第1特定順序以外の順序で各停止操作手段の操作を行うと、そのタイミングでは操作を行なった停止操作手段の無効期間は経過していない事象が生じ、この場合、対応する周回体の停止駆動制御が行われない。したがって、遊技者が第2特定順序で操作を行ってしまう誤操作の発生を抑制することが可能となる。
特徴B2.前記抽選手段の抽選結果が前記特定結果である場合に、前記第1特定順序を遊技者に認識可能に報知する報知手段(表示制御装置81)を備え、
前記特別制御手段は、前記報知手段により前記第1特定順序が報知されることを少なくとも一の条件に、前記特別制御を実行するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技者は報知に従って第1特定順序で各停止操作手段の操作を行うことが可能となり、誤操作は特徴B1に記載の通り抑制されている。さらに本構成によれば、第1特定順序が報知されることが条件に付加されていることから、役の抽選結果が特定結果である場合であっても特別制御手段による特別制御が行われないことも生じうる。これにより、遊技者に対する有利度をむやみに高めることなく、遊技を好適なものとすることが可能となる。
特徴B3.前記特別制御手段は、前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を同じタイミングで開始させるよう前記特別制御を実行することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、各周回体の周回は同じタイミングで開始される一方で、各停止操作手段の無効期間は特別制御手段により第1特定順序に対応させて別々のタイミングで経過する。したがって、各周回体の駆動制御に対して特殊な制御を施すことなく、無効期間の設定を変更することで特徴B1の効果を奏することが可能となり、複雑な処理を必要としない。
特徴B4.前記特別制御手段は、前記始動操作手段の操作に基づいて前記第1特定順序に対応させて前記各周回体の周回を別々のタイミングで開始させるよう前記特別制御を実行することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B4によれば、各周回体の周回は第1特定順序に対応させて開始される。これにより、遊技者は、役の抽選結果が特定結果であること、及び第1特定順序を認識することが可能となり、第1特定順序による各停止操作手段の操作をより確実に行うことができる。
特徴B5.前記特別制御手段は、前記各周回体のうち最初に周回を開始した周回体の前記所定の無効期間が経過するよりも前のタイミングで、全ての前記各周回体の周回を開始させるよう前記特別制御を実行することを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、最初に周回を開始した周回体の無効期間の経過前に全ての周回体の周回が開始される。したがって、最初に周回を開始した周回体の無効期間経過後に未だ周回を開始していない周回体が存在する、という事象が発生しない。より具体的には、最初に周回を開始した周回体の無効期間が経過し、当該周回体に対応する停止操作手段が操作されて当該周回体は停止している一方で、未だ周回を開始していない周回体が存在する、という事象は発生しない。遊技機においては、一の周回体の停止態様によっては役の当選結果や付与される特典が予測し得、これら周回が終了した周回体と周回を開始していない周回体が同じタイミングで混在すると、予測した当選結果や付与される特典によっては、周回を開始していない周回体の注目度が低下しかねない。これに対して本構成によれば、周回が終了した周回体と周回を開始していない周回体とが同じタイミングで混在し得ない為、各周回体の注目度を低下させることなく、特徴B1の効果を奏することができる。
特徴B6.前記有効位置に前記第1特定絵柄が停止したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態(各RT状態)に移行させる又は当該特別遊技状態を維持する特別遊技状態移行手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS507〜ステップS514の処理を実行する機能)と、
前記有効位置に前記第2特定絵柄が停止したことに基づいて、前記特別遊技状態を終了する特別遊技状態終了手段(主制御装置101のCPU102におけるステップS501〜ステップS506の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1特定絵柄が停止する第1特定順序で操作を行うと遊技者にとって特別遊技状態に移行する一方で、第2特定絵柄が停止する第2特定順序で操作を行うと当該特別遊技状態が終了する。したがって、特定結果である場合に、各停止操作手段を第1特定順序で操作するか第2特定順序で操作するかによって、その後の遊技状態が相違し、より慎重な停止操作手段の操作が求められるところ、特徴B1に記載した誤操作の発生が抑制されているため遊技を好適に行うことができる。
特徴B7.前記特別遊技状態には、少なくとも通常遊技状態よりも遊技者にとって有利であって有利度が異なる複数の移行特別遊技状態が含まれており、
前記特別遊技状態終了手段は、前記有効位置に前記第2特定絵柄が停止したことに基づいて、前記移行特別遊技状態のうち最も有利度の高い移行特別遊技状態(第5RT状態)に滞在している場合であっても、当該移行特別遊技状態を終了し前記通常遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、最も有利度の高い移行特別遊技状態に滞在している場合であっても、第2特定絵柄が停止すること基づいて通常遊技状態に移行してしまう。これにより特徴B5の効果をより奏することが可能となる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生するなどの特典が付与される。
このスロットマシンにおいて、各リールの回転を開始してから回転速度が定速回転に至るまでにストップボタンが操作されたり、一のリールの停止制御を行っている期間に他のリールに対応するストップボタンが操作されても、リールの停止制御を行わないことが一般的である(例えば特許文献1参照)。これは、リールが定速回転に至るまでの期間や、一のリールの停止制御を行っている期間は各リール又は他のリールの停止制御を安定的に行えないこと等が起因している。その為、スロットマシンにおいては、各リールの回転を開始してから、ストップボタンの操作が無効な期間と有効な期間とが存在する。
しかしながら、かかる構成においては、ストップボタンの操作が無効な期間と有効な期間とに亘って複数のストップボタンを操作した場合、無効な期間に操作した側のリールは停止しない一方で、有効な期間に操作した側のリールは停止する。この場合、遊技者が意図した停止順序又は停止タイミングで各リールの停止操作を行えない所謂誤操作が発生し得る。
なお、以上の問題は、上記例示したようなスロットマシンに限らず、複数種の絵柄を循環表示させ、その後の停止操作手段の操作に基づいて循環表示を終了させる他の遊技機にも該当する問題である。