以下、本発明の遊技機を手段として区分して示し、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.周方向に周回するとともに、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体の周回を停止させるよう前記各周回体を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置101のスベリテーブル設定処理機能及びリール制御処理機能)と、
前記各周回体が周回を停止し、前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に停止した場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101の払出判定処理機能S612,メダル払出処理機能S213,RT状態処理機能S214,BB状態処理機能S215)と
を備えた遊技機において、
役の抽選結果を示唆する補助演出を行うことが可能な補助演出手段(上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65)と、
前記開始操作手段と前記各停止操作手段とのうち特定操作手段(第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58、スタートレバー41)について操作順序を予め複数記憶する操作順序記憶手段(表示制御装置81のROM87)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく又は対応する周回体の周回を停止させるべく前記特定操作手段を操作されてから前記操作順序記憶手段に記憶された操作順序で前記特定操作手段を操作された場合、特定操作がなされたと判定する特定操作判定手段(表示制御装置81の操作コマンド処理機能)と、
前記特定操作判定手段が前記特定操作をなされたと判定した場合、前記特定操作手段の操作順序に応じた補助演出を前記補助演出手段に行わせると決定する実行決定手段(表示制御装置81の補助演出設定処理機能S2105)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、開始操作手段と各停止操作手段のうち特定操作手段について操作順序が予め記憶されている。そして、各周回体の周回を開始させるべく又は対応する周回体の周回を停止させるべく特定操作手段を操作されてから、記憶された操作順序で前記特定操作手段を操作された場合に、特定操作がなされたと判定され、補助演出手段にて補助演出が行われる。つまり、遊技の開始又は進行に関する役割を有するとともにその役割を終えた特定操作手段に特定操作が行われた場合に、補助演出手段にて役の抽選結果を示唆する補助演出が行われる。かかる構成においては、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考えるのであれば、その遊技回にて遊技者が特定操作を行えば良く、さらには、遊技者が役の抽選結果を把握したいと考えるタイミングで特定操作を行えば良い。故に、遊技者の意向に基づいて補助演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技意欲を減退させることなく補助演出を行うことが可能となる。
また、操作順序記憶手段には特定操作手段の操作順序が複数記憶されており、特定操作がなされたと判定した場合には、特定操作手段の操作順序に応じた補助演出が行われる。かかる構成とすることにより、特定操作手段の操作順序を通じて遊技者が補助演出を選択することが可能となり、遊技の進行のみならず補助演出に関しても遊技者を積極関与させることが可能となる。
さらに、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段の特定操作を補助演出の実行契機とすることにより、遊技の進行に関わる操作手段と別個に補助演出を行わせるための操作手段を設ける必要が無くなり、遊技機の部品点数増加を抑制することが可能となる。
手段2.上記手段1において、前記各周回体の周回を開始させるべく又は対応する周回体の周回を停止させるべく前記特定操作手段を操作されてから前記特定操作手段になされた操作を記憶する操作結果記憶手段(表示制御装置81のベット順序記憶エリア)を備え、前記特定操作判定手段は、前記操作結果記憶手段に所定回数(3回)の操作が記憶された後に前記操作結果記憶手段の記憶結果と前記操作順序記憶手段の記憶する操作順序とが一致するか否かを判定し、一致した場合に特定操作がなされたと判定することを特徴とする遊技機。
手段2によれば、特定操作がなされたか否かの判定は、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段に対して所定回数の操作がなされた後に行われる。特定操作手段が所定の順序で操作された場合に特定操作がなされたと判定して補助演出を行う構成においては、補助演出の実行タイミングが遊技者に依存することとなる。また、特定操作がなされたと判定される前段階で遊技者が特定操作手段に対する操作を終了してしまう可能性も考えられる。そこで、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段に対して所定回数の操作がなされた後に特定操作がなされたか否かの判定を行う構成とすることにより、補助演出に関わる処理負荷を低減させることが可能となる。
手段3.上記手段2において、前記操作結果記憶手段は、1遊技回において少なくとも前記特定操作判定手段が前記特定操作をなされたか否かを判定するまで前記特定操作手段になされた操作を記憶することを特徴とする遊技機。
手段3によれば、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段になされた操作は、1遊技回において少なくとも特定操作がなされたか否かが判定されるまで記憶される。かかる構成とすることにより、特定操作がなされたと判定されるためには遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段を所定の操作順序で操作する必要のある構成、すなわち遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段を複数回操作する必要のある構成とした場合であっても、特定操作の煩雑化を抑制することが可能となり、補助演出の開始契機について遊技者を積極参加させることが可能となる。例えば周回体が停止する毎に操作結果記憶手段の記憶結果が初期化される構成とした場合、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段の操作回数が前記複数回に到達する前に遊技を進行させてしまうと、改めて前記特定操作手段の操作をやり直す必要が生じてしまうからである。
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記操作順序記憶手段の記憶する操作順序と、補助演出の演出内容との対応関係を定めた演出内容情報群(ベット順序テーブル)を設け、前記実行決定手段を、前記演出内容情報群に基づいて行うべき補助演出の演出内容を決定する構成としたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、操作順序記憶手段の記憶する操作順序と、補助演出の演出内容との対応関係が定められた演出内容情報群が設けられており、特定操作がなされたと判定した場合には、演出内容情報群に基づいて行うべき補助演出の演出内容が決定される。かかる構成とすることにより、特定操作がなされたと判定した後に速やかに行うべき補助演出の演出内容を決定することが可能となり、補助演出に関わる処理負荷を低減させることが可能となる。
手段5.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記役の抽選結果に基づいて前記補助演出手段に前記補助演出を行わせるか否かを決定する第2実行決定手段(表示制御装置81の補助演出抽選機能S1903〜S1905)と、前記第2実行決定手段の決定結果が前記補助演出を行わせない結果であっても、前記特定操作判定手段が前記特定操作をなされたと判定したことに基づいて前記補助演出手段に前記補助演出を行わせる補助演出実行手段(表示制御装置81の補助演出設定処理機能)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、役の抽選結果に基づいて補助演出を行わせないと決定されている場合であっても、特定操作がなされたことに基づいて補助演出が行われる。かかる構成とすることにより、補助演出を行う予定がない遊技回であっても特定操作を行えば役の抽選結果を把握できるようになり、遊技者の意向に即した補助演出を行うことができる。
手段6.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記役の抽選結果に基づいて前記補助演出手段に前記補助演出を行わせるか否かを決定する第2実行決定手段(表示制御装置81の補助演出抽選機能S1903〜S1905)を備え、前記補助演出手段は、前記第2実行決定手段の決定結果が前記補助演出を行わせない結果であっても、前記実行決定手段の決定結果が前記補助演出を行わせる結果であれば前記補助演出を行うことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、役の抽選結果に基づいて補助演出を行わせないと決定されている場合であっても、特定操作がなされた場合には補助演出が行われる。かかる構成とすることにより、補助演出を行う予定がない遊技回であっても特定操作を行えば役の抽選結果を把握できるようになり、遊技者の意向に即した補助演出を行うことができる。
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記開始操作手段を複数の操作部材より構成し、前記特定操作手段を前記複数の操作部材としたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、開始操作手段を構成する複数の操作部材を操作順序記憶手段に記憶された操作順序で操作すれば、その操作順序に応じた補助演出が行われる。かかる構成とすることにより、全ての周回体が周回している状況下においても特定操作を行うことが可能となり、遊技者の意図する任意のタイミングで特定操作を行うことが可能となる。この結果、遊技者の意向に基づいて補助演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技意欲を減退させることなく補助演出を行うことが可能となる。
手段8.上記手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記役の抽選結果が第1所定役(第1〜第3RT)当選であって、前記有効位置に第1所定組合せ(第1〜第3RT図柄の組合せ)が停止したことに基づいて、第1所定入賞成立として遊技状態を第1遊技状態(通常状態)より遊技者に有利な第2遊技状態(RT状態)に移行させる特典を付与する第2遊技状態移行手段(主制御装置101のRT開始処理S903)と、
前記役の抽選結果が第2所定役(第1〜第3BT)当選であって、前記有効位置に第2所定組合せ(第1〜第3BT図柄の組合せ)が停止したことに基づいて、第2所定入賞成立として遊技状態を第1遊技状態(通常状態)より遊技者に不利な第3遊技状態(BT状態)に移行させる特典を付与する第3遊技状態移行手段(主制御装置101のBT開始処理S905)と
を備え、
前記第1所定役を複数設定し、
前記各周回体のうち規定周回体(左リール42L)には、前記第1所定組合せを形成する第1所定絵柄(「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄)として前記第1所定役毎に異なる絵柄を配置するとともに、1の第1所定役と対応する第1所定絵柄を規定期間(190msec)に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、他の第1所定役と対応する第1所定絵柄が前記操作タイミングからの前記規定期間に前記有効位置に到達しないよう、前記各第1所定絵柄を離間して配置し、さらに、前記第1所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能であって、所定位置に配置された絵柄が前記有効位置に到達したタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、前記第2所定組合せを形成する第2所定絵柄(「赤チェリー」図柄,「青チェリー」図柄,「白チェリー」図柄)が前記操作タイミングからの前記規定期間に前記有効位置に到達し得るよう、前記各第1所定絵柄と前記第2所定絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、有効位置に第1所定組合せが停止した場合、第1所定入賞成立として遊技状態が第1遊技状態より遊技者に有利な第2遊技状態に移行することがある。また、各周回体のうち規定周回体には、各第1所定役毎に異なる第1所定絵柄が配置されており、1の第1所定役と対応する第1所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、他の第1所定役と対応する第1所定絵柄が前記操作タイミングからの規定期間に有効位置に到達しないよう、これら第1所定絵柄が離間して配置されている。かかる構成においては、いずれかの第1所定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで規定周回体と対応する停止操作手段を操作した場合、この第1所定絵柄を含む第1所定組合せを有効位置に停止させて第1所定入賞を成立させることは可能となるが、他の第1所定絵柄を含む第1所定組合せを有効位置に停止させて他の第1所定入賞を成立させることはできない。故に、いずれの第1所定入賞を成立させるべく規定周回体と対応する停止操作手段を操作するのかを遊技者に選択させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
また、規定周回体には、第1所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能であって、所定位置に配置された絵柄が有効位置に到達したタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、第2所定絵柄が前記操作タイミングからの規定期間に有効位置に到達し得るよう、第1所定絵柄と第2所定絵柄が配置されている。そして、有効位置に第2所定組合せが停止した場合、第2所定入賞成立として遊技状態が第1遊技状態より遊技者に不利な第3遊技状態に移行することがある。したがって、遊技状態が第2遊技状態に移行することを期待する一方で第3遊技状態に移行することを回避させたい遊技者は、いずれかの第1所定入賞を成立させるべく規定周回体と対応する停止操作手段を操作する場合に、対応する第1所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能であって、所定位置に配置された絵柄が有効位置に到達していないタイミングで操作する必要がある。故に、遊技状態が第3遊技状態に移行する可能性を許容するか否かも遊技者に考慮させた上で停止操作手段を操作させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
さらに、かかる構成を上記手段1乃至手段7のいずれかの構成に適用することにより、相乗効果を奏することができる。第1所定入賞が成立した場合と第2所定入賞が成立した場合とではその後の遊技者の有利度合いが異なるため、自己の運を信じて規定周回体と対応する停止操作手段を操作できる場合と、役の抽選結果を把握した上で規定周回体と対応する停止操作手段を操作したいと考える場合とが生じると想定される。そこで、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段を操作順序記憶手段に記憶された操作順序で操作された場合に、その操作順序に応じて補助演出の演出内容を異ならせる構成とすれば、遊技者の意向に好適な形で沿うことが可能となるからである。
なお、「絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミング」とは、前記絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングと、前記絵柄が有効位置に到達しているタイミングとを含む。以下も同様である。
手段9.上記手段8において、前記第2所定役を複数設定し、前記規定周回体には、前記第2所定絵柄として前記第2所定役毎に異なる絵柄を配置するとともに、1の第2所定役と対応する第2所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、他の第2所定役と対応する第2所定絵柄が前記操作タイミングからの前記規定期間に前記有効位置に到達しないよう、前記各第2所定絵柄を離間して配置し、さらに、前記第2所定絵柄を前記規定期間に前記有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、前記第1所定絵柄のうち少なくとも1つが前記操作タイミングからの前記規定期間に前記有効位置に到達し得るよう、前記各第1所定絵柄と前記各第2所定絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、規定周回体には、各第2所定役毎に異なる第2所定絵柄が配置されており、1の第2所定役と対応する第2所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、他の第2所定役と対応する第2所定絵柄が前記操作タイミングからの規定期間に有効位置に到達しないよう、これら第2所定絵柄が離間して配置されている。したがって、遊技状態が第3遊技状態に移行することを回避させたい遊技者は、当選していないと推測した第2所定役と対応する第2所定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで規定周回体と対応する停止操作手段を操作すればよい。故に、遊技者を遊技に積極参加させることにより、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
また、規定周回体には、第2所定絵柄を規定期間に有効位置に到達させることが可能なタイミングで対応する停止操作手段を操作された場合、少なくとも1つの第1所定絵柄が操作タイミングからの規定期間に有効位置に到達し得るよう、各第1所定絵柄と各第2所定絵柄が配置されている。このため、第3遊技状態に移行することを回避させるべく、当選していないと推測した第2所定役と対応する第2所定絵柄を有効位置に到達させることが可能なタイミングで規定周回体と対応する停止操作手段を操作している遊技者が、第1所定役のいずれかに当選している場合に第1所定入賞を成立させ得る機会を失する不具合を回避することが可能となる。
手段10.上記手段8又は手段9において、前記役の抽選が行われる抽選役を、前記役の抽選結果が前記第1所定役のいずれかと前記第2所定役に共に当選となる機会が生じるように設定したことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、1の遊技回で第1所定役のいずれかと第2所定役に共に当選している機会が生じる。かかる構成とすることにより、第2遊技状態と第3遊技状態のいずれにも移行する可能性がある遊技回を生じさせることが可能となり、規定周回体と対応する停止操作手段をどのようなタイミングで操作するかの選択をより強く促すことが可能となる。
手段11.上記手段10において、前記役の抽選が行われる抽選役を、前記役の抽選結果が前記第1所定役当選である場合には前記第2所定役に当選となるように設定したことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、第1所定役に当選している場合には、常に第2所定役にも当選していることとなる。故に、第1所定入賞と第2所定入賞のいずれを成立させるべく停止操作手段を操作するのか、また、いずれの第1所定入賞を成立させるべく規定周回体と対応する停止操作手段を操作するのかを遊技者に選択させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
手段12.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体の周回を停止させるよう前記各周回体を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置101のスベリテーブル設定処理機能及びリール制御処理機能)と、
前記各周回体が周回を停止し、前記役の抽選に当選した当選役と対応する当選絵柄が有効位置に停止した場合、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101の払出判定処理機能S612,メダル払出処理機能S213,RT状態処理機能S214,BB状態処理機能S215)と
を備えた遊技機において、
役の抽選結果を示唆する補助演出を行うことが可能な補助演出手段(上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65)と、
前記抽選手段及び前記駆動制御手段を有し、前記役の抽選結果や前記各周回体の周回状況、各停止操作手段の操作状況等に応じて制御信号(コマンド)を出力するメイン制御基板(主制御装置101)と、
前記制御信号の入力に基づいて前記補助演出手段の駆動制御を行うサブ制御基板(表示制御装置81)と
を備え、
前記サブ制御基板は、
前記開始操作手段と前記各停止操作手段とのうち特定操作手段(第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58、スタートレバー41)について操作順序を予め複数記憶する操作順序記憶手段(表示制御装置81のROM87)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく又は対応する周回体の周回を停止させるべく前記特定操作手段を操作されてから前記操作順序記憶手段に記憶された操作順序で前記特定操作手段を操作された場合、特定操作がなされたと判定する特定操作判定手段(表示制御装置81の操作コマンド処理機能)と、
前記特定操作判定手段が前記特定操作をなされたと判定した場合、前記特定操作手段の操作順序に応じた補助演出を前記補助演出手段に行わせると決定する実行決定手段(表示制御装置81の補助演出設定処理機能S2105)と
を備えることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、役の抽選結果や各周回体の周回状況、各停止操作手段の操作状況等に応じて制御信号を出力するメイン制御基板と、メイン制御基板から出力された制御信号に基づいて補助演出手段の駆動制御を行うサブ制御基板が設けられている。かかる構成とすることにより、メイン制御基板に処理負荷が集中することを抑制することが可能となる。
また、サブ制御基板には、開始操作手段と各停止操作手段のうち特定操作手段について操作順序が予め記憶されている。そして、各周回体の周回を開始させるべく又は対応する周回体の周回を停止させるべく特定操作手段を操作されてから、記憶された操作順序で前記特定操作手段を操作された場合に、特定操作がなされたと判定し、補助演出手段にて補助演出が行われるよう駆動制御を行う。つまり、サブ制御基板は、遊技の開始又は進行に関する役割を有するとともにその役割を終えた特定操作手段に特定操作が行われた場合に、補助演出手段にて役の抽選結果を示唆する補助演出が行われるよう駆動制御を行う。かかる構成においては、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考えるのであれば、その遊技回にて遊技者が特定操作を行えば良く、さらには、遊技者が役の抽選結果を把握したいと考えるタイミングで特定操作を行えば良い。故に、遊技者の意向に基づいて補助演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技意欲を減退させることなく補助演出を行うことが可能となる。
さらに、操作順序記憶手段には特定操作手段の操作順序が複数記憶されており、特定操作がなされたと判定した場合には、特定操作手段の操作順序に応じた補助演出が行われる。かかる構成とすることにより、特定操作手段の操作順序を通じて遊技者が補助演出を選択することが可能となり、遊技の進行のみならず補助演出に関しても遊技者を積極関与させることが可能となる。
加えて、遊技の開始又は進行に関する役割を終えた特定操作手段の特定操作を補助演出の実行契機とすることにより、遊技の進行に関わる操作手段と別個に補助演出を行わせるための操作手段を設ける必要が無くなり、遊技機の部品点数増加を抑制することが可能となる。
手段13.上記手段12において、前記サブ制御基板は、
前記補助演出手段を駆動させるべく駆動信号(駆動データ)を出力する出力処理を行う出力処理手段(駆動データ出力処理S1605)を有し、電源投入に伴って起動するとともに前記出力処理を含む一連の処理を繰り返し行う第1処理実行手段(表示メイン処理)と、
前記メイン制御基板から出力された制御信号を入力した場合、前記第1処理実行手段による処理に割り込んで前記制御信号を読み込む読み込み処理を行う第2処理実行手段(コマンド割込み処理)と、
定期的に前記第1処理実行手段による処理に割り込み、所定値(表示タイマ割込み処理回数)を記憶する記憶手段(割込みタイマカウンタ)の値を更新する更新処理を行う第3処理実行手段(表示タイマ割込み処理)と
を備え、
前記第1処理実行手段は、前記記憶手段の値に基づいて前記出力処理を行うことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、サブ制御基板は、電源投入に伴って起動するとともに補助演出手段を駆動させるべく駆動信号を出力する出力処理を含む一連の処理を繰り返し行う第1処理と、制御信号を入力した場合に第1処理に割り込んで制御信号を読み込む読み込み処理を行う第2処理と、第1処理に定期的に割り込んで所定値を記憶する記憶手段の値を更新する更新処理を行う第3処理と、を行っている。制御信号を入力した場合に第1処理に割り込んで第2処理を行う構成とすることにより、駆動信号を出力する処理より優先して制御信号を読み込む処理を行うことが可能となり、遊技の進行と補助演出とにずれが生じることを抑制することが可能となる。また、第1処理に定期的に割り込んで行われる第3処理では記憶手段の更新処理を行う構成とすることにより、定期的に第3処理を第1処理に割り込ませたとしても速やかに第3処理を終了して第1処理に復帰させることができる。故に、複数回にわたって第3処理が連続して行われ、制御信号を読み込むタイミングが遅れることを抑制することが可能となる。加えて、定期的に更新される記憶手段の値に基づいて駆動信号の出力処理を行う構成とすることにより、例えば駆動信号の出力タイミングを計ったり所定のタイミングで補助演出を変更したりすること等が可能となる。故に、メイン制御基板からこれらのタイミングに関する制御信号を出力せずともサブ制御基板側にて遊技の進行に即した駆動制御を行うことが可能となり、メイン制御基板の処理負荷を好適に分散することが可能となる。以上の結果、サブ制御基板にて制御信号を読み込む処理と駆動信号を出力する処理とを並列的に行うことが可能となり、メイン制御基板とサブ制御基板の協働の下で遊技の進行に即した補助演出を行うことが可能となる。
なお、ここにいう「駆動信号」とは、電気的なON信号やOFF信号に限らず、所定ビットからなるコマンド等の駆動情報も含む。
手段14.上記手段13において、前記第1処理実行手段は、前記特定操作判定手段及び前記実行決定手段を含むとともに前記第2処理実行手段の読み込んだ制御信号に基づいて行うべき補助演出を決定する決定処理を行う補助演出決定手段(受信コマンドチェック処理S1607)を有し、前記出力処理手段は、前記補助演出決定手段の決定した補助演出を行わせるべく駆動信号を出力することを特徴とする遊技機。
手段14によれば、行うべき補助演出の決定は、第2処理の下ではなく第1処理の下で行われ、当該決定結果に基づいて駆動信号が出力される。かかる構成とすることにより、第2処理を比較的短時間で終了させつつ第1処理に復帰させることが可能となる。故に、第1処理に割り込んで第2処理を行っている最中に第3処理を行うタイミングが来る機会を低減させることが可能となり、記憶手段の値を更新するタイミングが遅れることを抑制することが可能となる。故に、各処理を好適な形で並列的に行うことが可能となり、メイン制御基板とサブ制御基板の協働の下で遊技の進行に即した補助演出を行うことが可能となる。
手段15.上記手段13又は手段14において、前記第1処理実行手段は、前記記憶手段の値が予め定めた所定条件(0でないこと)を満たしたか否かを判定する更新判定手段(割込みタイマカウンタ値確認処理S1604)を有し、前記出力処理手段は、前記更新判定手段が前記所定条件を満たしたと判定した場合に、前記出力処理を行うことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、駆動信号の出力は、記憶手段の値が予め定めた所定条件を満たした場合に行われる。更新処理は定期的に行われるため、かかる構成とすることにより、制御信号を入力した場合には第2処理を優先させつつ、駆動信号の出力を定期的に行うことが可能となる。
手段16.上記手段13乃至手段15のいずれかにおいて、前記第2処理実行手段は、前記第2処理として前記読み込み処理のみを行うことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、制御信号を読み込む読み込み処理のみが第2処理として行われる。かかる構成とすることにより、第2処理を速やかに終了させることが可能となる。この結果、サブ制御基板では、メイン制御基板からの制御信号の入力を待ちつつその間に補助演出手段を駆動させるべく駆動信号を出力することが可能となり、メイン制御基板とサブ制御基板の協働の下で遊技の進行に即した補助演出を行うことが可能となる。なお、ここに言う「読み込み処理のみを行う」とは、制御信号の読み込みに加えて、例えば読み込んだ制御信号が正常か否かを判定する等の正常な制御信号の読み込みに関わる処理をも含む。
手段17.上記手段13乃至手段16のいずれかにおいて、前記第3処理実行手段は、前記第3処理として前記更新処理のみを行うことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、記憶手段の値を更新する処理のみが第3処理として行われる。かかる構成とすることにより、第3処理を速やかに終了させることが可能となる。この結果、サブ制御基板では、メイン制御基板からの制御信号の入力を待ちつつその間に補助演出手段を駆動させるべく駆動信号を出力することが可能となり、メイン制御基板とサブ制御基板の協働の下で遊技の進行に即した補助演出を行うことが可能となる。
なお、上記手段13乃至手段17のいずれかの構成に手段2乃至手段11の構成を適用しても良く、かかる場合には相乗効果が期待できる。特に、補助演出に関わる各処理を第1処理にて行う構成とすれば、各処理を好適な形で並列的に行うことが可能となり、メイン制御基板とサブ制御基板の協働の下で遊技の進行に即した補助演出を行うことが可能となる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの13番目)、「赤チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の9種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、これら9個の図柄が視認可能となる各位置を結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、横方向の組合せラインとして、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、が設定されている。また、斜め方向の組合せラインとして、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出のみが行われる入賞としては、ベル入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、ベル入賞として4枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,第3BB入賞の3種類のBB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの同色の「7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態がビッグボーナス状態(以下、「BB状態」と言う。)に移行する。例えば、有効ライン上に左から「赤7」図柄,「赤7」図柄,「赤7」図柄と並んで停止した場合には、第1BB入賞成立となる。
メダル払出と遊技状態の移行が共に行われる入賞としては、第1RT入賞,第2RT入賞,第3RT入賞の3種類のRT入賞と、第1BT入賞,第2BT入賞,第3BT入賞の3種類のBT入賞がある。左リール32Lのいずれかの「7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、RT入賞として10枚のメダル払出が行われると共にリプレイタイム状態(以下、「RT状態」と言う。)に移行する。例えば、有効ライン上に左から「青7」図柄,「ベル」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合には、第2RT入賞成立となる。
また、左リール32Lのいずれかの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、BT入賞として15枚のメダル払出が行われると共にバッドタイム状態(以下、「BT状態」と言う。)に移行する。例えば、左リール32Lの「白チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3BT入賞成立となる。すなわち、BT入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、左リール32Lのいずれかの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合、BT入賞が成立するとも言える。したがって、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段と下段)にいずれかの「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてBT入賞が成立することとなる。但し、本スロットマシン10では、1回のゲームにおけるメダル払出の上限を15枚と設定しているため、左リール32Lのいずれかの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止したとしても、30枚のメダル払出ではなく15枚のメダル払出が行われる。
なお、詳細は後述するが、RT入賞又はBT入賞が成立した場合には、メダル払出は必ず行われるものの、遊技状態は移行されない場合がある。
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール42L,42M,42Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の入賞として、遊技状態がBB状態である場合に限って入賞となるRB入賞がある。BB状態下で有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「ベル」図柄,「リプレイ」図柄と並んで停止した場合、RB入賞として、メダル払出は行われないものの遊技状態がレギュラーボーナス状態(以下、「RB状態」と言う。)に移行する。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第1RT図柄の組合せとは、第1RT入賞となる図柄の組合せ、すなわち「赤7」図柄,「ベル」図柄,「ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第1RT図柄とは、左リール32Lにおいては「赤7」図柄であり、中リール32M及び右リール32Rにおいては「ベル」図柄である。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルのベット数と、有効化される組合せラインとの関係を、図7を用いて説明する。遊技の開始時にメダル投入口45からメダルが投入されるとベットとなる。
1枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は1となり、中ラインL2が有効化される。2枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は2となり、中ラインL2に加えて上ラインL1と下ラインL3を含む合計3本の組合せラインが有効化される。3枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は3となり、組合せラインL1〜L5の全てが有効化される。
なお、4枚以上のメダルがメダル投入口45に投入された場合、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、3枚を超える余剰メダルはスロットマシン10内部に貯留され、クレジット表示部60の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ46により貯留用通路47から排出用通路48への切替がなされ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと余剰メダルが返却される。
また、仮想メダルが貯留記憶されており、遊技の開始時に第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合にも、仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合については、投入された仮想メダルの枚数分だけクレジット表示部60に表示されている仮想メダル数が減算されることを除き、メダル投入口45からメダルを投入した場合と同じため、説明を省略する。
ちなみに、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合に投入されるべき仮想メダルが貯留記憶されていない場合、例えばクレジット表示部60の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合等には、クレジット表示部60の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いるスベリテーブルを記憶するためのスベリテーブル格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図10〜図24のフローチャートを参照しながら説明する。
図10は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電時処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する開始コマンドや停止操作コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図11のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行うと共に、投入完了コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入完了コマンドとは、自動投入の完了を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技で再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行うと共に精算コマンドをセットする。ここで、精算コマンドとは、クレジットされた仮想メダルの返却を行っていることを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行うと共に、投入コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入コマンドとは、メダルのベットがなされたことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205では継続処理を行う。継続処理とは、前回の遊技が終了してから今回の遊技が開始されるまでに行われる処理である。
継続処理では、図12のフローチャートに示すように、ステップS301にてメダルのベット数が規定数(本実施の形態では3)に達しているか否かを判定し、規定数に達している場合にはそのまま本処理を終了する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS302に進み、クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作されたか否か、より具体的には、クレジット投入検出センサ56a〜58aのいずれかからON信号を受信したか否かを判定する。クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合には、ステップS303に進み、クレジットカウンタの値が0か否かを判定する。クレジットカウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、クレジットカウンタの値が0である場合には、ステップS304にて対応するベット操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、ベット操作コマンドとは、仮想メダルを投入することが不可能な状況下でベット操作がなされたことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、例えば第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、第1ベット操作コマンドがセットされる。さらにいうと、クレジットカウンタの値が0とは仮想メダルが貯留記憶されていないことを意味し、かかる状況下でクレジット投入スイッチ56〜58が操作されたとしてもメダルをベットすることはできないという点に着目すれば、ベット操作コマンドとは、遊技の進行に関与しないベット操作がなされた場合に表示制御装置81に対して送信されるコマンドであると言える。
ステップS302にてクレジット投入スイッチ56〜58のいずれも操作されていないと判定した場合には、ステップS305にてスタートレバー41が操作されたか否か、より具体的には、スタート検出センサ41aからON信号を受信したか否かを判定する。スタートレバー41が操作された場合には、ステップS306にて開始操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、開始操作コマンドとは、例えばメダルがベットされていない等の遊技を開始できない状況下で開始操作がなされたことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
また、ステップS305にてスタートレバー41が操作されていないと判定した場合には、ステップS307にてストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否か、より具体的には、ストップ検出センサ42a〜44aのいずれかからON信号を受信したか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合にはそのまま本処理を終了し、いずれかのストップスイッチ42〜44が操作された場合には、ステップS308にて対応する停止操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、停止操作コマンドとは、停止しているリールに対して停止操作がなされたことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、例えば左ストップスイッチ42が操作された場合には、左停止操作コマンドがセットされる。さらにいうと、停止しているリールと対応するストップスイッチが操作されたとしても遊技は進行しないという点に着目すれば、停止操作コマンドとは、遊技の進行に関与しない停止操作、或いは遊技の進行に関する役割を終えたストップスイッチへの操作がなされた場合に表示制御装置81に対して送信されるコマンドであると言える。
継続処理の終了後、ステップS206では、メダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS207にてベット後処理を行う。ベット後処理とは、規定数のメダルがベットされてからスタートレバー41が操作されるまでに行われる処理である。
ベット後処理では、図13のフローチャートに示すように、ステップS401にてクレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作されたか否かを判定する。クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合には、ステップS402にて対応するベット操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。
ステップS401にてクレジット投入スイッチ56〜58のいずれも操作されていないと判定した場合には、ステップS403に進み、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合にはそのまま本処理を終了し、いずれかのストップスイッチ42〜44が操作された場合には、ステップS404にて対応する停止操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。
ベット後処理の後、ステップS208では、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合にはステップS209に進み、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止し、続くステップS210にて開始コマンドをセットする。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
なお、通常処理では、開始コマンドやベット操作コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであり、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
次に、ステップS211の抽選処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
ステップS501では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS502〜S506では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。具体的には、先ずステップS502において、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS503にて現在の遊技状態がRT状態か否かを判定する。そして、現在の遊技状態がBB状態とRT状態のいずれでもない場合には、ステップS504にて通常状態用抽選テーブルを選択する。また、現在の遊技状態がRT状態である場合には、ステップS505に進み、RT状態用抽選テーブルを選択する。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS504,S505では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図15は、「設定1」の通常状態で選択される通常状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、判定すべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。すなわち、本スロットマシン10における通常状態では、再遊技、ベル、第1RT+第1BT、第2RT+第2BT、第3RT+第3BT、第1BB、第2BB、第3BBの8種類の役について判定が行われる。ここで、再遊技、ベル、第1BB、第2BB、第3BBの5種類の役は、1回の判定で1つの役に当選となる単独当選役である。一方、第1RT+第1BT、第2RT+第2BT、第3RT+第3BTの3種類の役は、1回の判定で複数の役(具体的にはRTとBT)に当選となる複数当選役である。以下では、第1RT+第1BTを第1複数当選役、第2RT+第2BTを第2複数当選役、第3RT+第3BTを第3複数当選役とも言う。
ステップS502にて現在の遊技状態がBB状態であると判定した場合には、ステップS506にてテーブル選択処理を行う。詳細は後述するが、テーブル選択処理では、現在の遊技状態の他に、BBに当選した際の遊技状態を参照して抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルを選択した後、ステップS507ではインデックス値IVを1とし、続くステップS508では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS501にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS509ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS510に進み、そのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグを、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=3のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS510では第1RT当選フラグと第1BT当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが再遊技当選フラグ,ベル当選フラグ,第1〜第3RT当選フラグ,第1〜第3BT当選フラグのいずれかである場合、この当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1〜第3BB当選フラグのいずれかである場合、これらBB当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1〜第3BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、いずれかのBB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS510では、現在のインデックス値IVが1〜5であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが6〜8であれば対応するBB当選フラグをセットしない。つまり、いずれかのBB当選フラグが持ち越されているゲームでは、再遊技やベル,第1〜第3複数当選役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、いずれのBBに当選した場合であっても新たにBB当選フラグをセットしない。
ステップS509にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS511にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS512ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS508に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS508では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS509では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図15に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、各BBの当選確率はそれぞれ約600分の1、各RTの当選確率はそれぞれ約30分の1、各BTの当選確率はそれぞれ約30分の1、ベルの当選確率は約7.0分の1、再遊技の当選確率は約7.3分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.6分の1である。
ステップS510にて当選フラグをセットした後、又はステップS512にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS513にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
その後、ステップS514にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングからリール32L,32M,32Rをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が押された際に基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄(到達図柄番号)と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄(停止図柄番号)との関係を導出することが可能な停止データ群である。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そして、各リール32L,32M,32Rの図柄番号毎に前記5パターンの停止態様のいずれかを設定されたスベリテーブルが、各役について複数用意されている。
このように、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでの間に各リール32L,32M,32Rが停止するようスベリテーブルを設定することにより、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、停止出目と言う。)があたかも遊技者の操作によって決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
図16は、左リール32Lの「青7」図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下段に実際に停止する図柄である。例えば、左リール32Lの13番の「青7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは滑ることなくそのまま停止し、「青7」図柄が下段に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール32Lの7番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは4図柄分だけ滑り、11番の「リプレイ」図柄が下段に停止すると共に13番の「青7」図柄が上段に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール32L,32M,32Rに付された図柄が下段に到達したタイミングでストップスイッチ42〜44を操作された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。ちなみに、例えば左リール32Lの19番の位置には滑り数として3と0の2つが記載されているが、滑り数0は左リール32Lの下段に停止する図柄を容易に理解できるよう便宜上付したものである。すなわち、左リール32Lの15番の「ベル」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは4図柄分滑って19番の「ベル」図柄が下段に停止する。一方、左リール32Lの19番の「ベル」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lはそのまま停止するのではなく3図柄分滑って1番の「ベル」図柄が下段に停止する。
さて、スベリテーブル設定処理では、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグを確認し、セットされている当選フラグと一義的に対応するスベリテーブルを、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bにセットする。このとき、本スロットマシン10では、左リール32Lの当選役と対応する図柄(以下、「当選図柄」と言う。)が上段又は下段のいずれかに停止するように、中リール32Mと右リール32Rの当選図柄が中段に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
図16に示すスベリテーブルは、BB当選が持ち越されていない状況下で第2複数当選役に当選した場合に最初にセットされるスベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール32Mの3番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mは滑ることなくそのまま停止し、第2RT図柄たる4番の「ベル」図柄が中段に停止する。また、この4番の「ベル」図柄が下段に到達している際、すなわち中段を通過した後で中ストップスイッチ43が操作された場合、中リール32Mは3図柄分だけ滑って7番の「リプレイ」図柄が下段に停止し、8番の「ベル」図柄が中段に停止する。右リール32Rについても同様であり、例えば右リール32Rの8番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に右ストップスイッチ44が操作された場合、右リール32Rは1図柄分だけ滑って9番の「青年」図柄が下段に停止し、第2RT図柄たる10番の「ベル」図柄が中段に停止する。このように、中リール32M及び右リール32Rについては、第2RT図柄たる「ベル」図柄が中段に停止するように設定されている。
但し、左リール32Lについては、上段又は下段のいずれかに第2RT図柄たる「青7」図柄が停止するように設定されている。例えば、11番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作されると13番の「青7」図柄が上段に停止し、12番の「ベル」図柄又は13番の「青7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作されると13番の「青7」図柄が下段に停止する。これは、一般的に左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ42〜44が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
但し、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、左ストップスイッチ42の操作されたタイミングによっては「青7」図柄が上段又は下段に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、左リール32Lには「青7」図柄を13番の位置のみにしか配置していないためである。
そこで、かかるスベリテーブルでは、第2RT図柄たる左リール32Lの「青7」図柄を上段又は下段に停止させることが不可能な場合、第2BT図柄たる左リール32Lの「青チェリー」図柄が上段又は下段のいずれかに停止するように設定されている。例えば、18番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lは3図柄分滑って1番の「ベル」図柄が下段に停止し、3番の「青チェリー」図柄が上段に停止する。また、2番の「青年」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lは1図柄分滑って3番の「青チェリー」図柄が下段に停止する。
但し、「青7」図柄と同様、左リール32Lには「青チェリー」図柄を3番の位置のみにしか配置していないため、左ストップスイッチ42の押されたタイミングによっては「青7」図柄と「青チェリー」図柄のいずれも上記各位置に停止しない場合がある。
ここで、各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。
「リプレイ」図柄は、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が3図柄以下となるように、各リール32L,32M,32Rに配置されている。例えば、左リール32Lの4番の「リプレイ」図柄と7番の「リプレイ」図柄はその間隔が2図柄となるようにして配置されており、中リール32Mの10番の「リプレイ」図柄と14番の「リプレイ」図柄はその間隔が3図柄となるようにして配置されている。このように、「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が3図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。上述した通り、リール32L,32M,32Rはストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。したがって、かかる図柄配列とすることにより、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、再遊技入賞を成立させる際に「リプレイ」図柄を任意の位置に停止させることができる。例えば左リール32Lの7番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lをそのまま停止させればこの「リプレイ」図柄を下段に停止させることができ、左リール32Lを2図柄分滑らせた後に停止させれば11番の「リプレイ」図柄を上段に停止させることができ、左リール32Lを3図柄分滑らせた後に停止させれば11番の「リプレイ」図柄を中段に停止させることができる。
本スロットマシン10では、かかる「リプレイ」図柄の他、「ベル」図柄についても、同種図柄同士の間隔が3図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。このため、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル入賞を成立させる際に「ベル」図柄を任意の位置に停止させることができる。また、RT入賞のいずれかを成立させるべく中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合にも、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらずRT図柄たる「ベル」図柄を任意の位置に停止させることができる。
一方、「赤7」図柄は各リール32L,32M,32Rの20番の位置に1つずつ配置されているのみであり、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されていない。このため、例えば左リール32Lの11番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合、仮に左リール32Lを4図柄分滑らせても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。したがって、第1BBに当選し、「赤7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされた場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングによっては「赤7」図柄が有効ライン上に停止せず、第1BB入賞が成立しない場合がある。また、左リール32Lの「赤7」図柄は第1RT図柄でもあるため、第1RT当選時に所謂取りこぼしが発生することもある。本スロットマシン10では、かかる「赤7」図柄の他、「青7」図柄、「白7」図柄についても5図柄以上離れた区間が形成されるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。また、左リール32Lにおいては、「赤チェリー」図柄、「青チェリー」図柄、「白チェリー」図柄も5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、各BB、各RT、各BTのいずれかに当選した場合には、当選図柄が有効ライン上に停止するよう狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、BB当選フラグと他の当選フラグがセットされている場合には、以下に示すスベリテーブルをセットする。
BB当選フラグと再遊技当選フラグがセットされている場合、再遊技入賞を優先して成立させるための再遊技入賞用スベリテーブルをセットする。再遊技入賞用スベリテーブルでは、左リール32Lの「リプレイ」図柄が上段又は下段に優先して停止するように、中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が中段に優先して停止するように設定されている。
BB当選フラグとベル当選フラグがセットされている場合、BB入賞を優先して成立させるためのBB優先入賞用スベリテーブルをセットする。但し、BB当選フラグと対応する「7」図柄は各リール32L,32M,32Rに1つずつしか配置されていないため、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては当選BB図柄を有効ライン上に停止させることができない場合がある。そこで、BB優先入賞用スベリテーブルでは、左リール32Lの当選BB図柄を上段又は下段のいずれかに停止させることが可能であれば優先して停止させるように、中リール32M及び右リール32Rの当選BB図柄を中段に停止させることが可能であれば優先して停止させるように設定されると共に、当選BB図柄を上記各位置に停止させることが不可能であって「ベル」図柄を上記各位置に停止させることが可能であれば当該「ベル」図柄を上記各位置に停止させるように設定されている。
BB当選フラグとRT当選フラグ、BT当選フラグがセットされている場合についても、BB入賞を優先して成立させるためのBB優先入賞用スベリテーブルをセットする。このときにセットされるBB優先入賞用スベリテーブルは、左リール32Lについて、当選BB図柄を上段又は下段のいずれかに停止させることが可能であれば優先して停止させるように、当選BB図柄を上記各位置に停止させることが不可能であって当選RT図柄又は当選BT図柄のいずれかを上記各位置に停止させることが可能であれば前記当選RT図柄又は当選BT図柄のいずれかを上記各位置に停止させるように設定されている。また、中リール32M及び右リール32Rについて、当選BB図柄を中段に停止させることが可能であれば優先して停止させるように、当選BB図柄を中段に停止させることが不可能であって当選RT図柄たる「ベル」図柄を中段に停止させることが可能であれば当該「ベル」図柄を中段に停止させるように設定されている。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS601において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、各リール32L,32M,32Rが定速回転となった場合には、定速回転コマンドをセットして本処理を終了する。ここで、定速回転コマンドとは、各リール32L,32M,32Rの回転速度が一定となったことを表示制御装置81に把握させるべく送信されるコマンドである。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS602では停止前処理を行う。
停止前処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて開始後処理を行う。
開始後処理では、図19のフローチャートに示すように、ステップS801にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作された場合には、ステップS802にて開始操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。つまり、開始操作コマンドは、遊技を開始できない状況下に限らず、遊技が開始されている最中にもセットされることがある。換言すれば、開始操作コマンドとは、スタートレバー41の操作が遊技の開始に関与しない状況下で行われた場合に表示制御装置81に対して送信されるコマンドであると言える。
ステップS801にてスタートレバー41が操作されていないと判定した場合には、ステップS803にてクレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作されたか否かを判定する。クレジット投入スイッチ56〜58のいずれも操作されていない場合にはそのまま本処理を終了し、クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合には、ステップS804にて対応するベット操作コマンドをセットした後に本処理を終了する。ここで、各リール32L,32M,32Rが回転を開始した後、すなわち遊技の開始後における各クレジット投入スイッチ56〜58の操作は、ベット受付が禁止されている(通常処理のS209)ため、遊技の進行に関与していない。同様に、規定数のメダルがベットされた後における各クレジット投入スイッチ56〜58の操作も、規定数以上のメダルがベットされることはないため、遊技の進行に関与していない。したがって、ベット操作コマンドとは、クレジット投入スイッチ56〜58の操作が遊技の進行に関与しない状況下で行われた場合に表示制御装置81に対して送信されるコマンドであると言える。
停止前処理の説明に戻り、開始後処理を行った後、ステップS702では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ステップS701に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで開始後処理を行う。
ステップS702にてストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS703に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生した場合には、ステップS704に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令の場合には、ステップS704にて肯定判定を行い、そのまま本処理を終了する。一方、全リール32L,32M,32Rが回転しているときに発生する第1停止指令、又は2つのリールが回転しているときに発生する第2停止指令の場合には、ステップS704にて否定判定を行うとともにステップS705にてスベリテーブル第1変更処理を行い、本処理を終了する。
ここで、スベリテーブル第1変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、停止指令と対応するリールを停止させる前に変更する処理である。スベリテーブル第1変更処理では、例えば左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44が操作されて第1停止指令が発生した場合等といった、スベリテーブル格納エリア106bにスベリテーブルをセットする際に想定したストップスイッチ42〜44の操作順序と異なる操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合に、スベリテーブルを変更する。かかる処理を行うことにより、停止出目の多様化を図ったり、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させたりすることができる。
一方、ステップS703にて停止指令が発生していないと判定した場合には、既に停止したリールと対応するストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS706に進み、操作されたストップスイッチと対応する停止操作コマンドをセットした後、ステップS701に戻る。
このように、停止前処理では、遊技の進行に関与しない開始操作,ベット操作,停止操作が停止指令の発生前に行われたか否かを把握し、いずれかの操作がなされた場合には対応する操作コマンドをセットする処理を行う。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS602にて停止前処理が終了した場合、遊技を進行させるべく回転中のリールと対応するストップスイッチが操作され、停止指令が発生したことを意味する。かかる場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS603〜ステップS611に示す停止制御処理を行う。
すなわち、ステップS603では、ストップスイッチの操作されたタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS604では、スベリテーブル格納エリア106bにセットされたスベリテーブルのうち到達図柄と対応する図柄番号のデータから今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。その後、ステップS605では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS606では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS607にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS608では、現在の各リール32L,32M,32Rの回転状況を表示制御装置81に把握させるべく回転情報コマンドをセットし、ステップS609では、停止図柄コマンドをセットする。ここで、停止図柄コマンドとは、表示窓から視認可能な範囲(上段、中段、下段)に停止した図柄を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。そして、ステップS610では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS611にてスベリテーブル第2変更処理を行い、ステップS602の停止前処理に戻る。
ここで、スベリテーブル第2変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、リールの停止後に変更する処理である。スベリテーブル第2変更処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいてスベリテーブルを変更する。例えば、第1RT当選フラグと第1BT当選フラグがセットされ、左リール32Lの第1BT図柄たる「赤7」図柄が上段に停止した場合、中リール32Mの第1RT図柄たる「ベル」図柄が上段又は中段に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。かかる処理を行うことにより、リールの停止結果に応じてその後に停止させるリールの停止出目の多様化を図ることができるとともに、取りこぼしの発生頻度を低減させることができる。
一方、ステップS610にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS612にて払出判定処理を行い、本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、入賞コマンドと入賞ラインコマンドをセットし、払出判定処理を終了する。ここで、入賞コマンドとは、いずれの入賞が成立したかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、入賞ラインコマンドとは、入賞がいずれの有効ラインで成立したかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にてメダルの払い出される入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行うとともに、再遊技コマンドをセットし、メダル払出処理を終了する。ここで、再遊技コマンドとは、次回のゲームが再遊技であることを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を、図20のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS901では、現在の遊技状態が通常状態か否かを判定する。通常状態である場合にはステップS902に進み、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1RT入賞〜第3RT入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。そして、いずれかのRT入賞が成立した場合には、遊技状態をRT状態に移行させるべくステップS903にてRT開始処理を行い、本処理を終了する。
RT開始処理では、RAM106の状態情報格納エリア106cにRT設定フラグをセットして遊技状態をRT状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられるとともに、RT状態の残りゲーム数をカウントするための残ゲーム数カウンタに30をセットする。つまり、RT開始処理ではいずれのRT入賞が成立したかに関わらず同じ処理を行い、その結果として同じRT状態に移行する。ちなみに、例えば抽選処理におけるステップS503等では、RT設定フラグの有無によってRT状態か否かを判定している。
RT状態について簡単に説明すると、RT状態とは、上述した抽選処理にてRT状態専用に設定されたRT状態用抽選テーブルが選択され、この抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われるゲームである(ステップS505参照)。そして、RT状態は、所定回数(本実施形態では30回)のゲームが行われるか、第1BB入賞〜第3BB入賞のいずれかが成立したことを以って終了する。
RT状態用抽選テーブルには、通常状態用抽選テーブルと同じ役が当否判定を行うべき役として設定されている。つまり、再遊技、ベル、第1RT+第1BT、第2RT+第2BT、第3RT+第3BT、第1BB、第2BB、第3BBの8種類の役が当否判定を行うべき役として設定されている。また、再遊技以外の役のポイント値PVは通常状態用抽選テーブルと同じ値が設定されているものの、再遊技のポイント値PVは通常状態用抽選テーブルの設定値に対して非常に高く設定されている。例えば「設定1」のRT状態で選択される抽選テーブルでは、通常状態用抽選テーブルの再遊技のポイント値PVが8980である(図15参照)のに対し、49291と非常に高く設定されている。このため、RT状態に移行すると、再遊技以外の役には通常状態下と同じ確率で当選するとともに、再遊技には通常状態下より高確率(本実施の形態では約1.3分の1)で当選し、65536分の1の確率でいずれの役にも当選しない。ここで、再遊技入賞はストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず成立する入賞であるため、RT状態とは、いずれの入賞も成立しないゲームが通常状態と比してほぼ発生せず、高確率で再遊技入賞の成立するゲームであると言える。故に、RT状態に移行すると、遊技者は自己の所有するメダルをほぼ減少させることなく所定回数のゲームを行うことができる。ちなみに、RT状態下では再遊技以外の役の当否判定を通常状態と同じ当選確率で行うため、遊技者は、RT状態に移行してからRT状態が終了するまでの間に、約40枚のメダルの増加を期待することができる。
ステップS902にていずれのRT入賞も成立していないと判定した場合、ステップS904では、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BT入賞〜第3BT入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれのBT入賞も成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかのBT入賞が成立した場合には、遊技状態をBT状態に移行させるべくステップS905にてBT開始処理を行い、本処理を終了する。
BT開始処理では、RAM106の状態情報格納エリア106cにBT設定フラグをセットして遊技状態をBT状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられるとともに、BT状態の残りゲーム数をカウントするための残ゲーム数カウンタに100をセットする。つまり、BT開始処理ではいずれのBT入賞が成立したかに関わらず同じ処理を行い、その結果として同じBT状態に移行する。
BT状態について簡単に説明すると、BT状態とは、通常状態とほぼ同じ遊技状態であり、抽選処理でも通常状態用抽選テーブルに基づいて各役の当否判定が行われる。そして、BT状態は、所定回数(本実施形態では100回)のゲームが行われるか、第1BB〜第3BBのいずれかに当選したことを以って終了する。
ステップS901にて現在の遊技状態が通常状態でないと判定した場合には、現在の遊技状態がRT状態、BT状態、BB状態のいずれかであることを意味する。かかる場合には、ステップS906に進み、RT状態又はBT状態において終了条件が成立したか否かを判定する終了判定処理を行い、本処理を終了する。なお、上記ステップS901等では、RT設定フラグ,BT設定フラグ及び後述するBB設定フラグがいずれもセットされていない場合に、通常状態であると判定している。
以上の通り、RT開始処理及びBT開始処理は、通常状態下に限って行われ、その他の遊技状態、すなわちRT状態,BT状態,BB状態では行われない。つまり、これら通常状態以外の遊技状態では、RT入賞やBT入賞が成立した場合に、対応するメダル払出のみが行われる。
次に、ステップS906の終了判定処理を、図21のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS1001では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定し、BB状態である場合には、そのまま本処理を終了する。BB状態でないと判定した場合には、さらにステップS1002にて現在の遊技状態がRT状態か否かを判定する。現在の遊技状態がRT状態である場合には、ステップS1003に進み、第1BB当選フラグ〜第3BB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定し、いずれかのBB当選フラグがセットされている場合にはそのまま本処理を終了する。
現在の遊技状態がBT状態である場合(ステップS1002がNOの場合)、又はRT状態下でBB当選フラグがセットされていない場合(ステップS1003がNOの場合)には、これら遊技状態下で1ゲーム消化したことを意味するため、ステップS1004にて残ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS1005では、残ゲーム数カウンタの値が0になったか否かを判定する。残ゲーム数カウンタの値が0の場合には、RT状態,BT状態共に終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1006にて対応する設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、遊技状態が通常状態に復帰することとなる。
ステップS1005にて残ゲーム数カウンタの値が0でないと判定した場合には、ステップS1007にて第1BB当選フラグ〜第3BB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合には、BT状態の終了条件が成立していないため、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、BT状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1008にて残ゲーム数カウンタの値を0にクリアするとともに、ステップS1006にてBT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、遊技状態が通常状態に復帰することとなる。ちなみに、現在の遊技状態がRT状態の場合には、先のステップS1003にていずれのBB当選フラグもセットされていないと判定しているため、ステップS1007でも必ず否定判定を行い、そのまま本処理を終了する。
ここで、通常状態、RT状態、BT状態における遊技者の有利度合いを比較する。
RT状態では、再遊技当選確率が通常状態と比して高くなると共に外れの確率が通常状態と比して低くなる。このため、遊技者は、自己の所有するメダルをほぼ減少させることなく所定回数のゲームを行うことができる。したがって、RT状態は通常状態より遊技者の有利度合いが大きいと言える。
BT状態では、通常状態と同じ当選確率で各役の抽選が行われる。このため、遊技者は、通常状態と同様に自己の所有するメダルを減少させつつ所定回数のゲームを行う必要がある。また、通常状態ではRT入賞が成立するとRT状態に移行する一方、BT状態ではRT入賞が成立してもRT状態に移行しない。したがって、BT状態は通常状態より遊技者の有利度合いが小さい、さらにいうと通常状態より不利であると言える。
次に、ステップS215のBB状態処理を、図22のフローチャートに基づいて説明する。
BB状態処理の説明に先立ち、BB状態について説明する。BB状態は、RB移行待ち状態とRB状態とより構成されている。RB移行待ち状態とは、通常状態で成立させることが可能な入賞態様のうち第1BB〜第3BBを除く各入賞に加えて、RB入賞を成立させることが可能な遊技状態である。そして、RB移行待ち状態で有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合、RB入賞成立として、メダル払出は行われないものの遊技状態がRB移行待ち状態からRB状態に移行する。RB状態は、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、メダル払出の特典が付与される入賞(本実施の形態では第1BT)の成立する確率が通常状態と比して非常に高いゲームである。そして、JACゲーム中に入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態が終了し、RB移行待ち状態に復帰する。つまり、BB状態では、RB移行待ち状態とRB状態との間で遊技状態が繰り返し移行される。そして、BB状態は、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。また、RB状態の途中でメダル払出数が所定数に達した場合には、BB状態のみならずRB状態も終了する。これは、BB状態中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。
さて、BB状態処理では、先ずステップS1101にて現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS1102〜ステップS1104に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS1102にて第1〜第3BB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1〜第3BB当選フラグのいずれかがセットされている場合には、ステップS1103に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて対応するBB入賞が成立したか否かを判定する。そして、BB入賞が成立した場合には、ステップS1104にて遊技状態をBB状態に移行させるべくBB開始処理を実行する。具体的には、BB当選フラグをクリアするとともにBB設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をBB状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられるとともに、BB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに400をセットする。そして、RT状態やBT状態の残りゲーム数をカウントするための残ゲーム数カウンタの値を0にクリアする。
BB判定処理が終了すると、ステップS1105にて状態コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、状態コマンドとは、現在の遊技状態を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。ステップS1105では、第1〜第3BB当選フラグのいずれもセットされていないと判定した場合(ステップS1102がNOの場合)、RT設定フラグ又はBT設定フラグがセットされているか否かを判定する。いずれの設定フラグもセットされていない場合には通常状態であることを意味する状態コマンドをセットし、RT設定フラグがセットされている場合にはRT状態であることを意味する状態コマンドをセットし、BT設定フラグがセットされている場合にはBT状態であることを意味する状態コマンドをセットする。また、第1〜第3BB当選フラグのいずれかがセットされているもののBB入賞が成立していないと判定した場合(ステップS1103がNOの場合)には、現在の遊技状態を示すと共にBB持越しゲームであることを意味する状態コマンドをセットする。さらに、ステップS1104にてBB開始処理を行った場合には、BB状態であることを意味する状態コマンドをセットする。
ステップS1101にて現在の遊技状態がBB状態であると判定した場合には、さらにステップS1106にてRB状態か否かを判定する。RB状態でないと判定した場合には、RB移行待ち状態であることを意味するため、ステップS1107〜ステップS1111に示すRB移行待ち状態処理を行う。
RB移行待ち状態処理では、ステップS1107において、RB入賞が成立したか否かを先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて判定する。そして、RB入賞が成立した場合には、ステップS1108にて遊技状態をRB状態に移行させるべくRB開始処理を実行する。具体的には、RB設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をRB状態とする。ちなみに、先のステップS1106におけるRB状態か否かの判定は、RB設定フラグの有無により判定している。また、RB状態下で成立した入賞回数をカウントするための残払出入賞カウンタに8をセットするとともに、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。なお、残払出入賞カウンタと残JAC入賞カウンタは、状態情報格納エリア106cに設けられている。RB開始処理を行った後、ステップS1105ではRB状態であることを意味する状態コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS1007にてRB入賞が成立していないと判定した場合には、RB移行待ち状態下でRB入賞以外の入賞が成立した、又はいずれの入賞も成立しなかったことを意味する。そこで、ステップS1109では、残払出数カウンタの値が0か否かを判定する。0でない場合には、BB状態中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1105にてRB移行待ち状態であることを意味する状態コマンドをセットし、本処理を終了する。一方、残払出数カウンタの値が0である場合には、BB状態の終了条件が成立したことを意味する。かかる場合には、BB終了処理として、ステップS1110及びステップS1111にてBB設定フラグとRT設定フラグをクリアする。その後、ステップS1105にて通常状態であることを意味する状態コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS1106にて現在の遊技状態がRB状態であると判定した場合には、ステップS1112にてRB状態処理を行う。ここで、RB状態処理について、図23のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS1201では、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立した場合には、ステップS1202にて残払出入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1201にて入賞が成立していないと判定した場合には、JACゲームを1ゲーム消化したことになるため、ステップS1203にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。
ステップS1204では、残払出入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていた場合、すなわち入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化された場合には、RB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1205にてRB状態を終了させるべくRB終了処理を実行する。具体的には、RB設定フラグをクリアするとともに、残払出入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットする。RB終了処理を行った後、又はステップS1204にてRB状態の終了条件が成立していないと判定した場合には、ステップS1206に進み、残払出数カウンタの値が0か否かを判定する。残払出数カウンタの値が0でない場合には、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残払出数カウンタの値が0である場合には、BB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1207にて上述したRB終了処理を行うと共に、ステップS1207及びステップS1208にてBB設定フラグとRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。
図22のフローチャートに戻り、ステップS1112にてRB状態処理を行った場合には、ステップS1105にて状態コマンドをセットした後に本処理を終了する。RB状態処理後のステップS1105では、BB設定フラグの有無とRB設定フラグの有無を確認する。BB設定フラグとRB設定フラグが共にセットされている場合には、RB状態であることを意味する状態コマンドをセットし、BB設定フラグのみがセットされている場合には、RB移行待ち状態であることを意味する状態コマンドをセットし、いずれの設定フラグもセットされていない場合には、通常状態であることを意味する状態コマンドをセットする。
ここで、本実施の形態では、第1〜第3BBのいずれかに当選した際の遊技状態によって、RB移行待ち状態における遊技者の有利度合いが変化する構成となっている。そこで以下では、前記有利度合いを変化させるべくBB状態下の抽選処理にて行われるテーブル選択処理を、図24のフローチャートを用いて説明する。
テーブル選択処理では、先ずステップS1301にてRB設定フラグがセットされているか否か、すなわち現在の遊技状態がRB状態か否かを判定する。RB設定フラグがセットされていない場合、すなわち現在の遊技状態がRB移行待ち状態である場合には、ステップS1302に進み、RT設定フラグがセットされているか否かを判定する。RT設定フラグがセットされていない場合には、通常状態又はBT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選したことを意味する。かかる場合には、ステップS1303にて第1抽選テーブルを選択し、本処理を終了する。ここで、第1抽選テーブルには、図25(a)に示すように、判定すべき役として、通常状態用抽選テーブルと同じ再遊技、ベル、第1RT+第1BT、第2RT+第2BT、第3RT+第3BTの5つの役に加えてRBが設定されている。また、再遊技、ベル、第1RT+第1BT、第2RT+第2BT、第3RT+第3BTの5つの役については、通常状態用抽選テーブルと同じポイント値PVがそれぞれ設定されている。したがって、通常状態又はBT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、RB移行待ち状態下において前記5つの役に通常状態下と同じ確率で当選すると共に、約6.0分の1の確率でRBに当選し、約2.2分の1の確率で外れとなる。
ステップS1302にてRT設定フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1304に進み、第2抽選テーブルを選択して本処理を終了する。ここで、第2抽選テーブルには、図25(b)に示すように、判定すべき役として第1抽選テーブルと同じ6つの役が設定されている。また、ベル、第1RT+第1BT、第2RT+第2BT、第3RT+第3BT、RBの5つの役については、第1抽選テーブルと同じポイント値PVがそれぞれ設定されている。一方、再遊技のポイント値PVについては、第1抽選テーブルのポイント値PVが8980であるのに対し、40638と非常に高く設定されている。このため、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、RB移行待ち状態下において再遊技以外の役には第1抽選テーブルが選択された場合と同じ確率で当選するとともに、再遊技には第1抽選テーブルが選択された場合より高確率(本実施の形態では約1.6分の1)で当選し、65536分の1の確率で外れとなる。故に、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選してRB移行待ち状態に移行すると、遊技者は自己の所有するメダルをほぼ減少させることなくRB状態への移行を期待することができる。
ステップS1301にてRB設定フラグがセットされていると判定した場合には、現在の遊技状態がRB状態であることを意味する。かかる場合には、ステップS1305にてRT設定フラグの有無に関わらず同じJACゲーム用抽選テーブルを選択し、本処理を終了する。JAC用抽選テーブルには、判定すべき役として第1BTのみが設定されるとともに、当該第1BTと対応するポイント値PVとして65535が設定されている。このため、RB状態に移行すると、非常に高確率で第1BT入賞が成立して多くのメダルを獲得することができる。
このように、RB移行待ち状態では、第1BB〜第3BBのいずれかに当選した際の遊技状態によって異なる抽選テーブルが選択される。そして、RT状態以外の遊技状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合と、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合とを比較した場合、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合の方がRB移行待ち状態下で再遊技当選確率が高く外れ確率の低い抽選テーブルが選択される。また、BB状態下で再遊技入賞が成立した場合におけるメダル払出処理では、再遊技設定処理を行った後に当該メダル払出処理を終了するため、残払出数カウンタの値から払出数が減算されない。したがって、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、RT状態以外の遊技状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合と比して、BB状態下でより多くのメダルを獲得することができる。
ちなみに、RT状態以外の遊技状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、BB状態に移行してからRB状態に移行するまで、及びRB状態が終了してから次にRB状態に移行するまでの各RB移行待ち状態において、獲得できるメダルの期待値は約−5枚である。すなわち、RT状態以外の遊技状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、各RB移行待ち状態において遊技者の所有するメダルが約5枚ずつ減少する。一方、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、上記各RB移行待ち状態において、獲得できるメダルの期待値は約4枚である。すなわち、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、各RB移行待ち状態において遊技者の所有するメダルが約4枚ずつ増加する。
次に、表示制御装置81により実行される各制御処理を説明するに先立ち、表示制御装置81の電気的構成について図26のブロック図に基づき説明する。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、演算処理手段であるCPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。
CPU82の入力側には、主制御装置101から送信されるコマンド等の制御信号をラッチする信号ラッチ回路83と、クロック回路84から1msec毎に発生されるクロック信号をラッチするラッチ回路85とが接続されている。また、CPU82には、入力ポート86を介して電源装置91が接続されており、駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下した場合に停電信号が入力されるように構成されている。
CPU82には、このCPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM87と、このROM87に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM88の他に、各種処理回路や各種カウンタが内蔵されている。RAM88には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための抽選結果格納エリア88a、各リール32L,32M,32Rの回転状況を記憶するための回転情報格納エリア88b、各リール32L,32M,32Rの停止順序を記憶するための停止順序格納エリア88c等が設けられている。
CPU82の出力側には、上部ランプ63と、スピーカ64と、補助表示部65とが接続されている。そして、CPU82は、主制御装置101から送信される各種コマンド等の制御信号に基づいて各種の制御処理を行い、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65の駆動制御を実行する。以下では、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を総称して補助演出部とも言う。
続いて、表示制御装置81のCPU82により実行される各制御処理を図27〜図36のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される表示メイン処理と、定期的に(本実施の形態では1msec周期で)起動される表示タイマ割込み処理と、主制御装置101からの制御信号の入力に基づいて起動されるコマンド割込み処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめに表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを説明し、その後、表示メイン処理を説明する。
図27は、表示制御装置81で定期的に実行される表示タイマ割込み処理のフローチャートである。表示制御装置81のCPU82は、クロック回路84から発生されるクロック信号に基づき、例えば1msecごとに表示タイマ割込み処理を実行する。
表示タイマ割込み処理では、先ずステップS1401にて次回のコマンド割込みを禁止し、ステップS1402にて割込みフラグを読み込む。ステップS1403では、読み込んだ割込みフラグが有効か否かを判定し、有効でない場合にはそのまま本処理を終了する。割込みフラグが有効な場合には、ステップS1404にて割込みタイマカウンタに1を加算するとともに、ステップS1405にて割込みフラグをクリアする。ここで、割込みタイマカウンタとは、表示タイマ割込み処理を行った回数を記憶しておくためのカウンタであり、タイマ割込みは1msecごとに発生するため、かかるカウンタ値により例えば所定の処理を行ってからの経過時間を把握することができる。割込みフラグが有効でない場合、又は割込みタイマカウンタの値を更新した後には、ステップS1406にて次回のコマンド割込みを許可し、本処理を終了する。
図28は、コマンド割込み処理を示すフローチャートである。上述した通り、主制御装置101は、現在の遊技状態や遊技の進行状況等に応じて各種コマンドを表示制御装置81に対して送信する。表示制御装置81は、主制御装置101から送信されたコマンドの受信に基づいて、より具体的には信号ラッチ回路83からの信号入力に基づいて、直ちにコマンド割込み処理を実行する。
コマンド割込み処理では、ステップS1501にて次回のタイマ割り込みを禁止し、ステップS1502にてストローブ信号が正常か否かを判定する。ストローブ信号は主制御装置101からコマンドと共に送信される信号であり、CPU82は、このストローブ信号の受信に基づいてコマンド割り込み処理を開始する。ストローブ信号が正常の場合には、ステップS1503にてコマンドデータを取得するとともに、ステップS1504にて取得したコマンドデータが正常か否かを判定する。コマンドデータが正常な場合には、ステップS1505にていずれのコマンドを受信したかを把握するコマンド受信処理を行い、ステップS1506にてリトライカウンタに最大数をセットする。また、コマンドデータが正常でない場合には、ステップS1507にてリトライカウンタの値を1加算する。一方、ステップS1502においてストローブ信号が正常でない場合には、何らかの誤動作であると判断し、ステップS1508にてリトライカウンタに最大数をセットする。
ステップS1509では、リトライカウンタの値が最大値か否かを判定する。リトライカウンタの値が最大値の場合、主制御装置101からのコマンドを正常に受信した、又は、主制御装置101からのコマンドに何らかの異常があり、許容されるリトライ回数分のコマンド割込み処理を行ったにも関わらずコマンドを正常に受信できなかったことを意味する。かかる場合にはステップS1510に進み、割込みフラグを読み込む。その後、ステップS1511にてリトライカウンタの値をクリアするとともに、ステップS1512にて割込みフラグをクリアする。
ステップS1509にてリトライカウンタの値が最大値でなかった場合、又はステップS1512にて割込みフラグをクリアした場合には、ステップS1513にて次回のタイマ割込みを許可し、本処理を終了する。
なお、表示タイマ割込み処理の最中に主制御装置101からコマンドを受信した場合、このコマンドは信号ラッチ回路83にてラッチされ、表示タイマ割込み処理が終了した後に直ちにコマンド割込み処理が実行される。同様に、コマンド割込み処理の最中に表示タイマ割込み処理の実行タイミングとなった場合には、クロック信号がラッチ回路85にてラッチされ、コマンド割込み処理が終了した後に直ちに表示タイマ割込み処理が実行される。つまり、本スロットマシン10では、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理の間で多重割込みが発生しない構成となっている。
図29は電源投入後に実行されるCPU82の表示メイン処理を示すフローチャートである。表示メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS1601では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU82に設定するとともに、コマンド割込み処理や表示タイマ割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU82のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
初期化処理が終了すると、ステップS1602では、システム状態が電圧低下状態か否か、すなわち駆動電圧が所定電圧(本実施形態では10ボルト未満)まで低下したか否かを判定する。そして、システム状態が電圧低下状態である場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップS1603にて停電処理を行う。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、ステップS1604にて割込みタイマカウンタの値が0か否かを判定する。割込みタイマカウンタの値が0でない場合、上述した表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタ値の更新が行われたことを意味する。かかる場合にはステップS1605に進み、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う。この駆動データ出力処理については詳細を後述する。
割込みタイマカウンタの値が0の場合、又は駆動データ出力処理の終了後には、ステップS1606にて主制御装置101からコマンドを受信しているか否か、より詳しくはコマンド割込み処理にてコマンドを受信しているか否かを確認する。
コマンドを受信している場合には、ステップS1607にて受信コマンドチェック処理を行う。受信コマンドチェック処理では、先のコマンド割込み処理にていずれのコマンドを受信したかを判別し、受信したコマンドの種別に基づいて行うべき補助演出を決定する等の処理を行う。受信コマンドチェック処理にて行われる処理としては、状態コマンドの受信に基づいて行う状態コマンド処理、開始コマンド受信に基づいて行う開始コマンド処理、抽選結果コマンドの受信に基づいて行う抽選結果コマンド処理、回転情報コマンドの受信に基づいて行う回転情報コマンド処理、ベット操作コマンドや開始操作コマンド等の操作コマンドの受信に基づいて行う操作コマンド処理、停止図柄コマンドの受信に基づいて行う停止図柄コマンド処理、入賞コマンドの受信に基づいて行う入賞コマンド処理、入賞ラインコマンドの受信に基づいて行う入賞ラインコマンド処理などがある。詳細は後述するが、受信コマンドチェック処理では、主制御装置101から受信したコマンドデータに基づいて補助演出部の駆動制御内容を決定している。
コマンドを受信していない場合、又は受信コマンドチェック処理の終了後にはステップS1608に進み、抽選結果を報知する補助演出を行うか否か等の判定に用いる乱数値の更新処理を行い、ステップS1602に戻る。
ここで、ステップS1605の駆動データ出力処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。駆動データ出力処理とは、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する処理である。つまり、本スロットマシン10では、コマンド割込み処理にて主制御装置101からのコマンドデータを取得し、受信コマンドチェック処理にて取得したコマンドデータに基づいて補助演出を設定し、駆動データ出力処理にて補助演出部の駆動を行っている。
駆動データ出力処理では、先ずステップS1701にて誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値をリセットする。ステップS1702では、起動時コマンドチェック処理を行う。本スロットマシン10では、停電が解消した場合、主制御装置101から表示制御装置81に対して復電コマンドが送信されるようになっている。そこで、停電解消から所定時間以内(本実施形態では2秒以内)に復電コマンドを受信しなかった場合には、起動時コマンドチェック処理において補助演出部の駆動制御を実行し、エラーの発生を報知する。ステップS1703では、デバイス制御処理を行う。詳細は後述するが、主制御装置101から各種コマンドを受信した場合、受信したコマンドに基づいて補助演出部に行わせるべき補助演出が決定される。デバイス制御処理では、決定した補助演出を行わせるべく対応する駆動データを補助演出部に対して出力する処理を行う。かかる処理を行うことにより、例えば上部ランプ63が所定の色で点灯したり、補助表示部65に所定の識別情報が表示されたりする等の補助演出が行われる。ステップS1704では、システム状態変更処理を行う。システム状態には電圧低下状態、初期化状態、通常状態があり、その都度のシステム状態に応じて補助表示部65の初期化処理を行う。ステップS1705では、電圧低下チェック処理を行う。電圧低下チェック処理では入力ポート86から供給される停電信号を監視し、停電信号がOFF状態からON状態に切り替った場合にシステム状態を通常状態から電圧低下状態に変更する。ステップS1706では、特定時間処理を行う。特定時間処理とは、予め定めた特定時間(本実施形態では10msec)毎に定期的に行われる処理であり、例えば上部ランプ63を駆動するためのLEDデータテーブルによる出力データ用バッファの更新、スピーカ64から出力する楽音のボリューム変更等を行う処理である。
ここで、特定時間処理について、図31のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1801では、10msecタイマカウンタの値を更新する処理を行う。具体的には、10msecタイマカウンタの値に現在の割込みタイマカウンタの値を加算する処理を行う。続くステップS1802では、10msecタイマカウンタの値が10以上か否かを判定し、10より小さい場合にはそのまま本処理を終了する。一方、10msecタイマカウンタの値が10以上の場合、特定時間が経過したことを意味する。かかる場合にはステップS1803にて10msecタイマカウンタの値を10減算し、ステップS1804〜ステップS1808に示す駆動データ変更処理を行って本処理を終了する。
駆動データ変更処理では、ステップS1804において、LEDデータテーブルから出力用データバッファへのデータセットを行うLEDデータ変更処理を行う。ステップS1805では、BB状態中のBGMとLED演出とを同期させるための補助演出同期チェック処理を行う。ステップS1806では、BGM再生中に何もせずに放置された場合、30秒後にBGMの音量を小さくするフェードアウト処理を行う。ステップS1807では、何もせずに放置された場合、60秒後にデモ演出を開始させるデモ開始チェック処理を行う。ステップS1808では、ボリュームつまみの値をチェックし、音声のボリュームを変更させるためのボリュームチェック処理を行う。
駆動データ出力処理の説明に戻り、特定時間処理の終了後、ステップS1707では駆動データ切換処理を行う。駆動データ切換処理とは、主制御装置101からのコマンド受信を契機とする場合以外で、時間経過、遊技状態等により駆動データの切換を行う処理である。駆動データ切換処理では、例えば上部ランプ63を点灯させる色の切換、補助表示部65に表示している表示場面の切換等の処理を行っている。つまり、駆動データ変更処理は、先の特定時間処理とは異なり、補助演出を時間と共に変化させていくための処理である。
駆動データ切換処理の後、ステップS1708では割り込みタイマカウンタの値をクリアし、ステップS1709ではシステム状態が電圧低下状態か否かを再度確認する。システム状態が電圧低下状態の場合には停電処理を行い、電圧低下状態でない場合にはそのまま本処理を終了する。
ここで、受信コマンドチェック処理のうち補助演出を決定する際に行う各種処理について、図32〜図36のフローチャートを用いて詳細に説明する。
先ず、抽選結果コマンド処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1901では、抽選結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。抽選結果コマンドを受信した場合にはステップS1902に進み、抽選結果コマンドの示す情報、すなわち主制御装置101にて行われた役の抽選結果を、RAM88の抽選結果格納エリア88aに格納する。その後、ステップS1903〜ステップS1907に示す補助演出設定処理を行う。
補助演出設定処理として、先ずステップS1903では乱数を取得する。ステップS1904では、現在の遊技状態に基づいて、役の抽選結果を報知する補助演出を行うか否かを判定するための補助演出テーブルを選択する。補助演出テーブルについて簡単に説明すると、補助演出テーブルには、抽選結果を報知する補助演出を行うか否かが表示制御装置81の取得し得る乱数値毎に定められており、表示制御装置81のROM87には、通常状態,RT状態,BT状態の各遊技状態と対応する補助演出テーブルが予め記憶されている。ステップS1905では、選択した補助演出テーブルと取得した乱数とを参照する。参照結果が抽選結果を報知する補助演出を行わない結果である場合にはそのまま本処理を終了し、前記補助演出を行う結果である場合には、ステップS1906に進み、補助演出フラグをセットする。その後、ステップS1907にて報知音出力用駆動データを設定し、本処理を終了する。ここで、報知音出力用駆動データとは、遊技の開始段階、より詳しくはスタートレバー41を操作されてから第1停止指令が発生する前までの間に、スピーカ64から報知音を出力させるための駆動データである。なお、この設定された報知音出力用駆動データのスピーカ64への出力は、表示メイン処理の駆動データ出力処理S1605にて行われる。
次に、回転情報コマンド処理を、図33のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS2001では、回転情報コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。回転情報コマンドを受信した場合には、ステップS2002に進み、回転情報コマンドの示す情報、すなわち各リール32L,32M,32Rの回転状況を、RAM88の回転情報格納エリア88bに格納する。続くステップS2003では、回転情報コマンドの示す情報に基づいて各リール32L,32M,32Rの停止順序を把握し、把握結果をRAM88の停止順序格納エリア88cに格納する。
上述した通り、回転情報コマンドは、いずれかのリールの回転を停止させた場合に主制御装置101から送信される。例えば、第1停止指令の発生に基づいて左リール32Lを停止させた場合、左リール32L停止,中リール32M回転,右リール32R回転を示す回転情報コマンドが主制御装置101から送信される。当該回転情報コマンドを受信した場合、表示制御装置81は、上述した各リール32L,32M,32Rの回転状況を回転情報格納エリア88bに格納するとともに、停止順序格納エリア88cの第1停止情報格納エリアに左リール32Lが停止したことを示す左停止フラグをセットする。また、その後の第2停止指令の発生に基づいて中リール32Mを停止させた場合、左リール32L停止,中リール32M停止,右リール32R回転を示す回転情報コマンドが主制御装置101から送信される。当該回転情報コマンドを受信した場合、表示制御装置81は、上述した各リール32L,32M,32Rの回転状況を回転情報格納エリア88bに格納するとともに、停止順序格納エリア88cの第2停止情報格納エリアに中リール32Mが停止したことを示す中停止フラグをセットする。
順序情報を格納した後、ステップS2004では、停止指令の発生回数をカウントすべくRAM88に設けられた停止指令カウンタの値を1加算する。続くステップS2005では、加算後の停止指令カウンタの値が3か否かを判定し、3でない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、停止指令カウンタの値が3である場合には、ステップS2006に進み、補助演出フラグがセットされているか否かを判定する。補助演出フラグがセットされている場合には、ステップS2007にて役の抽選結果を報知するための抽選結果報知用駆動データを設定するとともに、ステップS2008にて補助演出フラグをクリアする。
ステップS2006にて補助演出フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS2008にて補助演出フラグをクリアした場合には、ステップS2009にて停止指令カウンタの値をクリアし、本処理を終了する。
このように、回転情報コマンド処理では、補助演出フラグがセットされている状況下で停止指令カウンタの値が3となった場合、すなわち全リール32L,32M,32Rが停止した場合、役の抽選結果を報知するための当選役報知用駆動データを設定する。つまり、抽選結果コマンド処理にて補助演出抽選に当選し、補助演出フラグがセットされている場合には、全リール32L,32M,32Rの停止後に役の抽選結果が報知される。
次に、操作コマンド処理を、図34のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS2101では、ベット操作コマンド,開始操作コマンド,停止操作コマンドのいずれかを受信したか否かを判定し、いずれの操作コマンドも受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。
いずれかの操作コマンドを受信した場合には、遊技の進行に関与しない状況下でベット操作,開始操作,停止操作のいずれかがなされたことを意味する。かかる場合には、ステップS2102に進み、受信したコマンドがベット操作コマンドか否かを判定し、ベット操作コマンドである場合にはステップS2103にてベット順序記憶処理を行う。
ベット順序記憶処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS2201にてベット順序記憶エリアを参照する。ベット順序記憶エリアは、クレジット投入スイッチ56〜58に対してなされたベット操作の順序を記憶するための記憶エリアであり、RAM88に設けられた第1記憶エリア,第2記憶エリア,及び第3記憶エリアの3つの記憶エリアにより構成されている。
ステップS2202では、第1記憶エリアにベット操作がなされたことを示すベット操作フラグがセットされているか否かを判定する。第1記憶エリアにベット操作フラグがセットされていない場合には、ステップS2203に進み、受信したベット操作コマンドと対応するベット操作フラグをセットし、本処理を終了する。第1記憶エリアにベット操作フラグがセットされている場合には、ステップS2204に進み、第2記憶エリアにベット操作フラグがセットされているか否かを判定する。第2記憶エリアにベット操作フラグがセットされていない場合には、ステップS2205に進み、受信したベット操作コマンドと対応するベット操作フラグをセットし、本処理を終了する。また、第2記憶エリアにベット操作フラグがセットされている場合には、ステップS2206に進み、第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされているか否かを判定する。第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされていない場合には、ステップS2207に進み、受信したベット操作コマンドと対応するベット操作フラグをセットし、本処理を終了する。
上述した通り、ベット操作コマンドは、遊技の進行に関与しない状況下でクレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合に主制御装置101から送信される。例えば、規定数のメダルがベットされた後に第1クレジット投入スイッチ56→第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58の順でクレジット投入スイッチが操作された場合、主制御装置101からは、第1ベット操作コマンド→第2ベット操作コマンド→第3ベット操作コマンドの順にベット操作コマンドが送信される。かかる場合、表示制御装置81は、ベット順序記憶エリアの第1記憶エリアに第1ベット操作フラグをセットし、第2記憶エリアに第2ベット操作フラグをセットし、第3記憶エリアに第3ベット操作フラグをセットする。
一方、ステップS2206にて第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS2208に進み、ベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアし、本処理を終了する。つまり、規定数のメダルをベットした後にクレジット投入スイッチ56〜58に対してベット操作を4回行った場合、それまでに記憶されたベット操作の順序がクリアされる。
図34のフローチャートの説明に戻り、ステップS2102にて受信したコマンドがベット操作コマンドでないと判定した場合には、ステップS2104に進み、受信したコマンドが開始操作コマンドか否かを判定する。受信したコマンドが開始操作コマンドである場合には、ステップS2105に進み、補助演出設定処理を行う。
補助演出設定処理では、図36のフローチャートに示すように、ステップS2301にてベット順序記憶エリアを参照し、ステップS2302にて前記ベット順序記憶エリアの第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされているか否かを判定する。第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされている場合には、続くステップS2303にてベット順序テーブルを参照する。ここで、ベット順序テーブルとは、図37に示すように、ベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグと、補助演出にて報知する内容との対応関係が定められた情報群、すなわち、クレジット投入スイッチ56〜58に対してなされたベット操作の順序と、行うべき補助演出との対応関係が定められた情報群である。ベット順序テーブルには、ベット操作の順序として5通りの操作順序が規定されており、各操作順序に応じて異なる補助演出が設定されている。そこで、ステップS2304では、ベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグに基づいて、実際にクレジット投入スイッチ56〜58に対してなされたベット操作の順序がベット順序テーブルに規定されている操作順序のいずれかと一致するか否かを判定する。ベット操作の順序がベット順序テーブルに規定された操作順序と一致する場合には、特定操作がなされたと判定し、ステップS2305にて対応する補助演出を行うための駆動データを設定する。
具体的には、開始操作の前に第1クレジット投入スイッチ56→第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58の順でベット操作がなされた場合、何らかの役に当選しているか否かを報知すると共に当選役自体は報知しない補助演出を行うための駆動データを設定する。開始操作の前に第1クレジット投入スイッチ56→第3クレジット投入スイッチ58→第2クレジット投入スイッチ57の順でベット操作がなされた場合には、第1BB〜第3BBのいずれかに当選しているか否かを報知すると共に当選役自体は報知しない補助演出を行うための駆動データを設定する。開始操作の前に第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56→第3クレジット投入スイッチ58の順でベット操作がなされた場合には、第1RT〜第3RTのいずれかに当選しているか否かを報知すると共に当選役自体は報知しない補助演出を行うための駆動データを設定する。開始操作の前に第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58→第1クレジット投入スイッチ56の順でベット操作がなされた場合には、外れも含めた当選役に加えて当選していない役を報知する補助演出を行うための駆動データを設定する。このとき特に、第1複数当選役〜第3複数当選役のいずれかに当選している状況下で開始操作の前に第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58→第1クレジット投入スイッチ56の順でベット操作がなされた場合には、当選している複数当選役と対応するRT及びBTに加えて、当選していない1の複数当選役と対応するRT及びBTを報知する補助演出を行うための駆動データを設定する。また、開始操作の前に第3クレジット投入スイッチ58→第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56の順でベット操作がなされた場合には、外れも含めた当選役のみを報知する補助演出を行うための駆動データを設定する。
駆動データを設定した後、ステップS2306では補助演出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはそのまま本処理を終了する。また、補助演出フラグがセットされている場合には、ステップS2307にて補助演出フラグをクリアした後に本処理を終了する。つまり、抽選結果コマンド処理にて役の抽選結果を報知する補助演出を行うと決定した状況下で特定操作がなされた場合、なされた特定操作と対応する補助演出は行われるものの全リール32L,32M,32Rの停止後に役の抽選結果を報知する補助演出は行われない。換言すれば、表示制御装置81が所定の内容の補助演出を行うと決定した状況下で特定操作がなされた場合には、なされた特定操作と対応する内容の補助演出に変更されると言える。
一方、ベット操作の順序がベット順序テーブルに規定された操作順序と一致しない場合(ステップS2304がNOの場合)には、特定操作がなされなかったと判定し、ステップS2308にてベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグを全てクリアした後に本処理を終了する。また、ベット操作記憶エリアの第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされていない場合(ステップS2302がNOの場合)、すなわちベット操作が3回なされる前に開始操作がなされた場合についても、特定操作がなされなかったと判定し、ステップS2308にてベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグを全てクリアした後に本処理を終了する。
図34のフローチャートの説明に戻り、ステップS2104にて受信したコマンドが開始操作コマンドでないと判定した場合には、受信したコマンドが停止操作コマンドであることを意味する。かかる場合には、特定操作がなされなかったと判定し、ステップS2106にてベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグを全てクリアした後に本処理を終了する。
なお、ベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグは、上述した場合の他に、開始コマンドを受信した場合、すなわち遊技の開始段階においてもクリアされる。
このように、操作コマンド処理では、クレジット投入スイッチ56〜58が所定の順序でベット操作された後に開始操作がなされた場合、特定操作がなされたと判定し、ベット操作の順序と対応する補助演出を行うべく駆動データが設定される。したがって、遊技者は、特定操作を行うか否かによって補助演出の実行有無を選択することができるとともに、どのような順序でベット操作を行うかによって補助演出の演出内容を選択することができる。さらにいうと、ベット順序記憶エリアの各記憶エリアにセットされているベット操作フラグは、特定操作がなされなかったと判定した場合と、開始コマンドを受信した場合とにクリアされる一方、回転情報コマンドを受信した場合にはクリアされない。したがって、例えば第1停止指令を発生させた後に第1クレジット投入スイッチ56→第2クレジット投入スイッチ57の順でベット操作を行い、第2停止指令を発生させた後に第3クレジット投入スイッチ58をベット操作すると共に開始操作を行った場合には、かかるタイミングで特定操作がなされたと判定され、何らかの役に当選しているか否かを報知すると共に当選役自体は報知しない補助演出が行われることとなる。
ここで、本スロットマシン10では、複数当選役のいずれかに当選した状況下で行われる補助演出に顕著な特徴を有するため、第1複数当選役に当選した場合を例に説明する。説明に先立ち、本スロットマシン10では、第1〜第3の各RT図柄及び各BT図柄の配置に特徴を有するため、先ずこれら図柄の配置について、図6の図柄配列を参照しながら説明する。
左リール32Lには、第1RT図柄たる「赤7」図柄が20番の位置に1つだけ配置され、第2RT図柄たる「青7」図柄が13番の位置に1つだけ配置され、第3RT図柄たる「白7」図柄が6番の位置に1つだけ配置されている。つまり、左リール32Lには、1のRT図柄に対して他のRT図柄が6図柄分以上離れるようにして配置されている。例えば、「青7」図柄に対して、「赤7」図柄は左リール32Lの回転する側(すなわち下側)に13図柄分離れると共にその逆側(すなわち上側)に6図柄分離れており、「白7」図柄は左リール32Lの回転する側に6図柄分離れると共にその逆側に13図柄分離れている。
かかる場合、「赤7」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、16番の「青年」図柄が前記所定の有効ラインに到達してから20番の「赤7」図柄が前記所定の有効ラインに到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作する必要がある。「青7」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、9番の「青年」図柄が前記所定の有効ラインに到達してから13番の「青7」図柄が前記所定の有効ラインに到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作する必要がある。「白7」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、2番の「青年」図柄が前記所定の有効ラインに到達してから6番の「白7」図柄が前記所定の有効ラインに到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作する必要がある。つまり、1のRT図柄を所定の有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合には、他のRT図柄を前記所定の有効ライン上に到達させることができない。
また、本スロットマシン10の場合、表示窓26Lから3個の図柄が視認可能であって、上段,中段,下段の各位置に有効ラインが設定される。このため、14番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから20番の「赤7」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、いずれかの有効ライン上に「赤7」図柄を停止させることができる。同様に、7番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから13番の「青7」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、いずれかの有効ライン上に「青7」図柄を停止させることができ、0番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから6番の「白7」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、いずれかの有効ライン上に「白7」図柄を停止させることができる。このように、1のRT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合であっても、他のRT図柄をいずれの有効ライン上にも到達させることができない。換言すれば、左リール32Lには、0番〜20番の各図柄が下段に到達した際の操作タイミングが、いずれかのRT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングとなるよう、各RT図柄が配置されているとも言える。
左リール32Lには、第1BT図柄たる「赤チェリー」図柄が10番の位置に1つだけ配置され、第2BT図柄たる「青チェリー」図柄が3番の位置に1つだけ配置され、第3BT図柄たる「白チェリー」図柄が17番の位置に1つだけ配置されている。つまり、左リール32Lには、1のBT図柄に対して他のBT図柄が6図柄分以上離れるようにして配置されている。例えば、「赤チェリー」図柄に対して、「白チェリー」図柄は左リール32Lの回転する側に13図柄分離れると共にその逆側に6図柄分離れており、「青チェリー」図柄は左リール32Lの回転する側に6図柄分離れると共にその逆側に13図柄分離れている。
かかる場合、「赤チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、6番の「白7」図柄が前記所定の有効ラインに到達してから10番の「赤チェリー」図柄が前記所定の有効ラインに到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作する必要がある。「青チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、20番の「赤7」図柄が前記所定の有効ラインに到達してから3番の「青チェリー」図柄が前記所定の有効ラインに到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作する必要がある。「白チェリー」図柄を所定の有効ライン上に停止させるためには、13番の「青7」図柄が前記所定の有効ラインに到達してから17番の「白チェリー」図柄が前記所定の有効ラインに到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作する必要がある。つまり、1のBT図柄を所定の有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合には、他のBT図柄を前記所定の有効ライン上に到達させることができない。
また、本スロットマシン10の場合、表示窓26Lから3個の図柄が視認可能であって、上段,中段,下段の各位置に有効ラインが設定される。このため、4番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから10番の「赤チェリー」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、いずれかの有効ライン上に「赤チェリー」図柄を停止させることができる。同様に、18番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから3番の「青チェリー」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、いずれかの有効ライン上に「青チェリー」図柄を停止させることができ、11番の「リプレイ」図柄が下段に到達してから17番の「白チェリー」図柄が下段に到達するまでの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、いずれかの有効ライン上に「白チェリー」図柄を停止させることができる。このように、1のBT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合であっても、他のBT図柄をいずれの有効ライン上にも到達させることができない。換言すれば、左リール32Lには、0番〜20番の各図柄が下段に到達した際の操作タイミングが、いずれかのBT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングとなるよう、各BT図柄が配置されているとも言える。
加えて、左リール32Lには、同一ゲームで当選となるRT図柄とBT図柄が、9図柄分以上離れるようにして配置されている。例えば、第2RT図柄たる「青7」図柄と第2BT図柄たる「青チェリー」図柄は、左リール32Lの回転する側に9図柄分離れると共にその逆側に10図柄分離れて配置されている。このため、第2RT図柄を所定の有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合には、第2BT図柄を前記所定の有効ライン上に到達させることができない。同様に、第2BT図柄を所定の有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合には、第2RT図柄を前記所定の有効ライン上に到達させることができない。さらには、第2RT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合であっても、第2BT図柄をいずれの有効ライン上にも到達させることができない。同様に、第2BT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合であっても、第2RT図柄をいずれの有効ライン上にも到達させることができない。説明は省略するが、第1RT図柄と第1BT図柄、第3RT図柄と第3BT図柄の関係も同じである。
かかる一方、左リール32Lには、同一ゲームで当選とならないRT図柄とBT図柄の間隔が3図柄分以下の区間が形成されるようにして、RT図柄とBT図柄が配置されている。例えば、第3RT図柄たる「白7」図柄に対して、第1BT図柄たる「赤チェリー」図柄は左リール32Lの回転する側と逆側に3図柄分離れて配置されており、第2BT図柄たる「青チェリー」図柄は左リール32Lの回転する側に2図柄分離れて配置されている。このため、第3RT図柄を所定の有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合、その操作タイミングによっては、第1BT図柄又は第2BT図柄が前記所定の有効ライン上に到達する可能性が生じる。具体的には、2番の「青年」図柄又は3番の「青チェリー」図柄が所定の有効ライン上に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第2BT図柄たる「青チェリー」図柄と第3RT図柄たる「白7」図柄を共に前記所定の有効ライン上に到達させることが可能となり、6番の「白7」図柄が所定の有効ライン上に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第3RT図柄たる「白7」図柄と第1BT図柄たる「赤チェリー」図柄を共に前記所定の有効ライン上に到達させることが可能となる。また、0番の「リプレイ」図柄〜3番の「青チェリー」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第2BT図柄たる「青チェリー」図柄と第3RT図柄たる「白7」図柄を共にいずれかの有効ライン上に到達させることが可能となり、4番の「リプレイ」図柄〜6番の「白7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第3RT図柄たる「白7」図柄と第1BT図柄たる「赤チェリー」図柄を共にいずれかの有効ライン上に到達させることが可能となる。説明は省略するが、第2RT図柄に対する第1BT図柄と第3BT図柄の関係、第1RT図柄に対する第2BT図柄と第3BT図柄の関係も同じである。
中リール32Mと右リール32Rには、RT図柄たる「ベル」図柄が、同種図柄同士の間隔が3図柄以下となるようにして配置されている。したがって、中リール32Mと右リール32Rについては、中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44の操作タイミングに関わらず、RT図柄を任意の有効ライン上に停止させることができる。中リール32Mと右リール32RのBT図柄は任意の図柄であるため、中ストップスイッチ43と右ストップスイッチ44の操作タイミングに関わらず、BT図柄を任意の有効ライン上に停止させることができる。
したがって、複数当選役のいずれかに当選し、対応するRT入賞又はBT入賞を成立させる場合には、左リール32Lの当選RT図柄又は当選BT図柄を狙って左ストップスイッチ42を操作すれば良い。
さて、複数当選役に当選した場合、遊技状態が通常状態であればRT入賞とBT入賞のいずれが成立するかによって遊技者の有利度合いが大きく異なることとなる。RT入賞を成立させた場合には、遊技状態が遊技者に有利なRT状態に移行する一方、BT入賞を成立させた場合には、遊技状態が遊技者に不利なBT状態に移行してしまうからである。さらにいうと、RT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合には、BT状態下で第1BB〜第3BBのいずれかに当選した場合と比して、BB状態下でより多くのメダルを獲得することができるからである。
第1複数当選役に当選している状況下で遊技者が特定操作を行うことなく遊技を進行させた場合には、少なくとも全リール32L,32M,32Rが停止するまで当選役が報知されることはない。そこで、かかる場合には、複数当選役以外の役と対応する入賞も含めていずれの入賞を成立させるべくストップスイッチ42〜44を操作するのかを遊技者が選択する必要がある。いずれの役に当選しているのかを遊技者が推測する必要があるとも言える。
ここで、遊技者が第1RTに当選していると推測し、左リール32Lの第1RT図柄たる「赤7」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、「赤7」図柄がいずれかの有効ライン上に停止する。その後、「赤7」図柄の停止した有効ライン上に中リール32Mと右リール32Rの「ベル」図柄が停止し、第1RT入賞が成立する。
一方、遊技者が第1RT以外の例えば第2RTに当選していると推測し、左リール32Lの第2RT図柄たる「青7」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、第2RTには当選していないため、第2RT入賞が成立することはない。このとき特に、7番の「リプレイ」図柄〜10番の「赤チェリー」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第1BT図柄たる「赤チェリー」図柄がいずれかの有効ライン上に停止し、全リール32L,32M,32Rの停止後に第1BT入賞が成立することとなる。11番の「リプレイ」図柄〜13番の「青7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第1RT入賞と第1BT入賞のいずれも成立せず、取りこぼしが発生することとなる。
同様に、第3RTに当選していると推測し、左リール32Lの第3RT図柄たる「白7」図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を最初に操作した場合、第1BT入賞が成立するか取りこぼしが発生することとなる。具体的には、4番の「リプレイ」図柄〜6番の「白7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第1BT図柄たる「赤チェリー」図柄がいずれかの有効ライン上に停止し、全リール32L,32M,32Rの停止後に第1BT入賞が成立することとなる。また、0番の「リプレイ」図柄〜3番の「青チェリー」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第1RT入賞と第1BT入賞のいずれも成立せず、取りこぼしが発生することとなる。
なお、中ストップスイッチ43又は右ストップスイッチ44を最初に操作した場合には、いずれかの有効ライン上に「ベル」図柄が停止することとなるため、RT入賞成立となる有効ライン上に左リール32LのRT図柄を停止させるべく左ストップスイッチ42を操作する必要がある。すなわち、左ストップスイッチ42を最初に操作する場合であれば、左リール32LのRT図柄が上段,中段,下段のいずれかに停止するように左ストップスイッチ42を操作すれば良いが、例えば中ストップスイッチ43を最初に操作し、中リール32LのRT図柄たる「ベル」図柄が上段に停止した場合、RT入賞の成立する有効ラインは上ラインに限定されるため、左リール32LのRT図柄を上段に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作する必要がある。
このように、複数当選役のいずれかに当選している状況下で遊技者が当選役と対応していないRT図柄を狙って左ストップスイッチ42を操作すると、RT入賞ではなく当選役と対応するBT入賞が成立する場合がある。なお、遊技者がBT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合についても同様であり、当選役と対応していないBT図柄を狙って左ストップスイッチ42を操作すると、BT入賞ではなく当選役と対応するRT入賞が成立する場合がある。
補助演出の説明に戻り、全リール32L,32M,32Rを停止させる前に当選役を把握したい、或いは当選役に関するヒントを得たいと考える遊技者は、特定操作を行うことにより、当選役を把握することや当選役に関するヒントを得ることが可能となる。
すなわち、遊技者が第1クレジット投入スイッチ56→第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58→スタートレバー41の順で遊技の進行に関与しない操作を行った場合には、かかるタイミングで役の抽選に当選していることが報知される。つまり、遊技者は、前記特定操作を行うことにより、第1複数当選役に当選していること自体は把握できないものの、何らかの役に当選していることを把握することができる。
遊技者が第1クレジット投入スイッチ56→第3クレジット投入スイッチ58→第2クレジット投入スイッチ57→スタートレバー41の順で遊技の進行に関与しない操作を行った場合には、かかるタイミングで第1BB〜第3BBのいずれにも当選していないことが報知される。つまり、遊技者は、前記特定操作を行うことにより、第1複数当選役に当選していること自体は把握できないものの、当選していると推測する役を第1BB〜第3BB以外の役に絞り込むことができる。
遊技者が第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56→第3クレジット投入スイッチ58→スタートレバー41の順で遊技の進行に関与しない操作を行った場合には、かかるタイミングで第1RT〜第3RTのいずれかに当選していることが報知される。つまり、遊技者は、前記特定操作を行うことにより、第1複数当選役に当選していること自体は把握できないものの、当選していると推測する役を第1複数当選役〜第3複数当選役の3種類に絞り込むことができる。
遊技者が第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58→第1クレジット投入スイッチ56→スタートレバー41の順で遊技の進行に関与しない操作を行った場合には、かかるタイミングで第1RT及び第1BTに加えて当選していない第2複数当選役と対応する第2RT及び第2BTが報知される。つまり、遊技者は、前記特定操作を行うことにより、第1複数当選役に当選していること自体は把握できないものの、当選していると推測する役を第1複数当選役と第2複数当選役の2種類に絞り込むことができる。
遊技者が第3クレジット投入スイッチ58→第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56→スタートレバー41の順で遊技の進行に関与しない操作を行った場合には、かかるタイミングで第1RTと第1BTに当選していることが報知される。つまり、遊技者は、前記特定操作を行うことにより、第1複数当選役に当選していることを把握することができ、第1RT入賞と第1BT入賞のいずれを成立させるのかを選択することができる。なお、11番の「リプレイ」図柄〜13番の「青7」図柄,0番の「リプレイ」図柄〜3番の「青チェリー」図柄のいずれかが下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作した場合、第1RT図柄と第1BT図柄のいずれも有効ライン上に停止せず、取りこぼしが発生することとなる。このため、遊技者が第1RT入賞と第1BT入賞のいずれも成立させない選択を行うことも可能である。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技の進行に関与しない状況下でクレジット投入スイッチ56〜58が所定の順序で操作された後にスタートレバー41が操作された場合、特定操作がなされたと判定し、補助演出部にて補助演出を行わせる構成とした。かかる構成においては、特定操作を行うことなく回転中のリールと対応するストップスイッチを操作して遊技を進行させた場合、補助演出フラグがセットされている場合に限って補助演出が行われることとなり、補助演出フラグがセットされていない遊技回では各リール32L,32M,32Rの停止結果から役の抽選結果を把握する必要が生じる。一方、特定操作を行ってから回転中のリールと対応するストップスイッチを操作して遊技を進行させた場合、役の抽選結果を把握した上で、又は役の抽選結果をある程度推測した上で遊技を進行させることが可能となるため、BB当選を察知することなく遊技を終了してしまう機会や、取りこぼしの発生する機会を低減させることが可能となる。つまり、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考える遊技回において、補助演出が行われることを期待しつつ遊技者が特定操作を行えば良い。故に、遊技者が補助演出を通じて役の抽選結果を把握したいと考える遊技回で、さらには遊技者の望むタイミングで補助演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技意欲を減退させることなく補助演出を行うことが可能となる。
特定操作がなされたことに基づいて補助演出を行う場合、特定操作がなされたと判定した操作順序に応じた内容の補助演出を行う構成とした。かかる構成とすることにより、クレジット投入スイッチ56〜58をどのような操作順序で操作するかを通じて遊技者が補助演出の演出内容を選択することが可能となり、遊技の進行のみならず補助演出に関しても遊技者を積極関与させることが可能となる。例えば、当選役を明確に把握した上で各リール32L,32M,32Rを停止させたい遊技者であれば、第3クレジット投入スイッチ58→第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56の順で操作した後にスタートレバー41を操作すれば良いし、当選役を遊技者自身が推測できる余地を残しつつ当選役に関するヒントを得たい遊技者であれば、例えば第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58→第1クレジット投入スイッチ56の順で操作した後にスタートレバー41を操作すれば良いからである。
ベット順序テーブルには、特定操作がなされたと判定される操作順序を予め5パターン設定するとともに、補助演出にて報知する内容をこれら操作順序とそれぞれ対応付けた。かかる構成とすることにより、特定操作がなされたと判定した後に速やかに行うべき補助演出の演出内容を決定することが可能となり、補助演出に関わる処理負荷を低減させることが可能となる。
さらにいうと、遊技者に有利なRT状態に移行し得るRT入賞と、遊技者に不利なBT状態に移行し得るBT入賞とを備えたスロットマシン10においては、遊技者によって或いは自己の所有するメダル等を考慮した遊技状況によって多様な考えを抱くことが想定される。RT入賞とBT入賞のいずれが成立するかによってその後の遊技者の有利度合いが異なることとなるため、例えば有利度合いの大きな遊技状態でより多く遊技したいと考える遊技者は、複数当選役に当選した場合に必ず当選役が報知されることを望むと想定される。一方、BT状態に移行するリスクも含めた遊技性を楽しみたいと考える遊技者は、当選役自体が報知されることは望まないものの複数当選役に当選していることは報知されることを望むと想定される。したがって、特定操作がなされたと判定される操作順序を予め複数設定するとともに、その操作順序によって補助演出にて報知される内容が変化する構成とすることにより、遊技者が報知してほしいと望む内容を遊技者自身が特定操作を通じて選択することができる。故に、遊技者の意向に即した形で補助演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技意欲を減退させることなく補助演出を行うことが可能となる。
遊技の進行への役割を終えたクレジット投入スイッチ56〜58及びスタートレバー41が所定の順序で操作された場合に、特定操作がなされたと判定する構成とすることにより、遊技の進行に関わるスタートレバー41やストップスイッチ42〜44と別個に補助演出を行わせるためのスイッチ等を設ける必要が無くなり、スロットマシン10の部品点数増加を抑制することが可能となる。
ベット順序記憶処理では、クレジット投入スイッチ56〜58に対してなされた操作がベット順序テーブルに規定された操作順序と一致するか否かを判定することなくベット順序記憶エリアの各記憶エリアにベット操作フラグをセットする構成とした。そして、第3記憶エリアにベット操作フラグがセットされている状況下でスタートレバー41が操作された場合に限ってベット順序テーブルを参照し、規定された操作順序と一致するか否かを判定する構成とした。かかる構成とすることにより、補助演出に関わる処理負荷を低減させることが可能となる。本構成のようにクレジット投入スイッチ56〜58及びスタートレバー41が所定の順序で操作された場合に特定操作がなされたと判定して補助演出を行う構成においては、補助演出の実行タイミングが遊技者に依存することとなる。また、特定操作がなされたと判定されるためには複数の操作を要するため、遊技者が途中でクレジット投入スイッチ56〜58及びスタートレバー41に対する操作を終了してしまう可能性も考えられる。したがって、ベット操作がなされる度に操作順序を確認する構成とした場合には、当該確認処理が無駄なものとなってしまう機会が生じ得るからである。さらに、ベット操作がなされる度に操作順序を確認する構成とした場合には、最初に操作されたクレジット投入スイッチに応じて2回目以降に規定順序で操作されたと判定すべきクレジット投入スイッチを変更する必要が生じるため、処理構成が複雑化する可能性も懸念される。
ベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグは、例えばベット操作が4回なされた場合等の特定操作がなされなかったと判定した場合を除いて、開始コマンドを受信した場合にクリアされる構成とした。つまり、ベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグは、1遊技回において少なくとも特定操作がなされたか否かが判定されるまで記憶される。かかる構成とすることにより、特定操作がなされたと判定されるために複数回の操作を要する構成であっても、特定操作の煩雑化を抑制することが可能となり、補助演出の開始契機について遊技者を積極参加させることが可能となる。
確かに、例えばリールが停止する毎にベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成においては、例えば第1停止指令を発生させた後にクレジット投入スイッチ56〜58を規定の順序で3回操作し、その後にスタートレバー41ではなく誤って回転中のリールと対応するストップスイッチを操作してしまうと、第2停止指令の発生に伴ってベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグがクリアされることとなる。このため、補助演出を行わせたいと考える遊技者は、第2停止指令の発生後に改めてクレジット投入スイッチ56〜58を規定の順序で3回操作する必要が生じ、補助演出を行わせるための操作の煩雑化が懸念されることとなる。また、かかる構成においては、回転中のリールと対応するストップスイッチを誤って操作してしまった時点で遊技者が当選役を把握しようという意欲を減退させてしまう可能性も考えられる。一方、開始コマンドを受信した場合にベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする本スロットマシン10においては、例えば第1停止指令を発生させた後にクレジット投入スイッチ56〜58を規定の順序で3回操作し、その後にスタートレバー41ではなく誤って回転中のリールと対応するストップスイッチを操作してしまったとしても、その後にスタートレバー41を操作すれば、特定操作がなされたと判定されることとなる。故に、上記各懸念を好適に解消することができる。
表示制御装置81が抽選結果コマンド処理にて補助演出を行うと決定した状況下で特定操作がなされたと判定した場合、全リール32L,32M,32Rの停止後に役の抽選結果を報知するのではなく、特定操作のなされたタイミングで操作順序に応じた補助演出を行うよう補助演出の実行タイミングを変更する構成とした。表示制御装置81側で定めたタイミングではなく、特定操作のなされたタイミングで補助演出を行うことにより、遊技者の意向に即した補助演出を行うことが可能となる。故に、補助演出の実行タイミングについて遊技者を積極関与させることが可能となる。また、特定操作とは遊技の進行への関与を終えた操作部材を所定の操作順序で操作することであるため、リールの停止数を増加させることなく役の抽選結果の報知タイミングを早めることが可能となり、取りこぼしの発生する機会を低減させることが可能となる。
抽選結果コマンド処理にて補助演出を行わないと決定した状況下で特定操作がなされたと判定した場合、補助演出を行わないという決定結果にも関わらず、操作順序と対応する補助演出を行うべく駆動データを設定する構成とした。かかる構成とすることにより、補助演出を行う予定がない遊技回であっても、進行への関与を終えた操作部材を所定の操作順序で操作すれば、補助演出を通じて役の抽選結果を把握できるようになる。したがって、例えば遊技者が遊技を終了しようと考えた遊技回で第1BB〜第3BBのいずれかに当選し、当該ゲームで補助演出が行われなかった場合であっても、全リール32L,32M,32Rの停止後に第1クレジット投入スイッチ56→第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58の順で操作した後にスタートレバー41を操作すれば、BBに当選していることを把握することができる。故に、遊技者が不利益を被る機会を好適に低減させることが可能となる。
クレジット投入スイッチ56〜58が所定の順序で操作された後にスタートレバー41が操作された場合、特定操作がなされたと判定する構成とすることにより、遊技が開始されてから終了するまでの間の任意のタイミングで特定操作を行うことが可能となる。例えば、特定操作がなされたと判定する操作の中にストップスイッチ42〜44のいずれかに対する操作を含めた場合、遊技者が特定操作を行うためには少なくとも前記ストップスイッチと対応するリールを停止させる必要が生じ、全リール32L,32M,32Rが回転している状況下で特定操作を行うことができなくなるからである。
有効ライン上にRT図柄の組合せが停止した場合、通常状態であれば遊技状態が遊技者に有利なRT状態に移行する。また、左リール42Lには、各RT毎に異なる図柄が配置されており、1のRT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ42を操作された場合、他のRT図柄がいずれの有効ライン上にも到達しないよう、これらRT図柄が離間して配置されている。かかる構成とすることにより、いずれのRT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ42を操作するかを遊技者に選択させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
また、左リール32Lには、同一ゲームで当選とならないRT図柄とBT図柄の間隔が3図柄分以下の区間が形成されるようにして、RT図柄とBT図柄が配置されている。そして、BT図柄の組合せが有効ライン上に停止した場合、通常状態であれば遊技状態が遊技者に不利なBT状態に移行する。したがって、遊技状態がRT状態に移行することを期待する一方でBT状態に移行することを回避させたい遊技者は、いずれかのRT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ42を操作する場合に、1のRT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能であって、当選しているかもしれないと推測するBT図柄をいずれの有効ライン上にも到達させることが不可能なタイミングで操作する必要がある。他方、遊技状態がBT状態に移行することを許容する遊技者であれば、いずれかのRT入賞を成立させるべく左ストップスイッチ42を操作する場合に、1のRT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで操作すればよい。故に、遊技状態がBT状態に移行する可能性を許容するか否かも遊技者に考慮させた上で左ストップスイッチ42を操作させることが可能となり、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。
以上の結果、遊技者を遊技に積極参加させることにより、遊技の単調化を抑制することができる。
RTとBTに当選となる複数当選役を設定することにより、1の遊技回でRTとBTに共に当選となる機会を生じさせることができる。故に、RT状態とBT状態のいずれにも移行する可能性がある遊技回を生じさせることが可能となり、左ストップスイッチ42をどのようなタイミングで操作するかの選択をより強く促すことが可能となる。RT状態に移行することとBT状態に移行することとでは遊技者にとって有利度合いが大きく異なるため、いずれのRT図柄を狙って左ストップスイッチ42を操作するのか慎重に選択すると考えられるからである。
左リール32Lには、同一ゲームで当選となるRT図柄とBT図柄が、9図柄分以上離れるようにして配置した。かかる構成とすることにより、RT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合には、BT図柄がいずれの有効ライン上にも到達せず、BT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作した場合には、RT図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない構成とすることができる。また、比較的簡単な構成で左リール32Lに関わる停止制御を行いつつ、左リール32Lの停止結果を遊技者の選択結果に即したものとすることが可能となる。
仮に、特定のタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合に、同一ゲームで当選となるRT図柄とBT図柄のいずれも有効ライン上に到達させることが可能となるよう、左リール32Lに上記各図柄を配置した場合、いずれの図柄を優先的に有効ライン上に停止させるのか、いずれの入賞を優先的に成立させるのか等を考慮して左リール32Lの停止制御を行う必要が生じ、左リール32Lに関わる停止制御が複雑化する可能性があるからである。また、RT図柄を優先的に有効ライン上に停止させるためのスベリテーブルと、BT図柄を優先的に有効ライン上に停止させるためのスベリテーブルを別個に用意する必要が生じ、予め記憶させるデータ量の増大化も懸念されることとなる。さらに、一方の図柄を優先的に有効ライン上に停止させる構成とした場合、他方の図柄を有効ライン上に停止させるべく遊技者が左ストップスイッチ42を操作していると、遊技者の選択結果が左リール32Lの停止結果に反映されないこととなる。つまり、RT図柄とBT図柄に優先度合いの差異を設けた場合、いずれの図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42を操作するか遊技者に選択させる意味が希薄化してしまう可能性が懸念されることとなる。
左リール32Lには、各BT毎に異なる図柄が配置されており、1のBT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ42を操作された場合、他のBT図柄がいずれの有効ライン上にも到達しないよう、これらBT図柄が離間して配置されている。かかる構成とすることにより、遊技状態がBT状態に移行することを回避させたい遊技者は、当選していないと推測したBT図柄をいずれかの有効ライン上に到達させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ42を操作すればよい。故に、遊技者を遊技に積極参加させることにより、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
主制御装置101から遊技状態や遊技の進行状況に応じて各種コマンドを出力し、表示制御装置81が受信したコマンドに基づいて補助演出部の駆動制御を行う構成とすることにより、主制御装置101に処理負荷が集中することを抑制することが可能となる。
表示制御装置81において、電源投入に伴い起動される表示メイン処理にて駆動データ出力処理を行い、主制御装置101からのコマンドが入力した場合には表示メイン処理に割り込んでコマンド受信処理を行う構成とすることにより、補助演出部を駆動する処理より優先してコマンド受信処理を行うことが可能となる。故に、補助演出部を駆動する処理を行っていたがためにコマンド受信処理を行うタイミングが遅れ、遊技の進行状況と補助演出とにずれが生じることを抑制することが可能となる。
表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの値を更新する処理のみを行う構成とすることにより、表示タイマ割込み処理を短時間で終了させて表示メイン処理に復帰させることが可能となる。故に、表示タイマ割込み処理が複数回にわたって連続して行われたためにコマンド受信処理に移行するタイミングが遅れる等の不具合の発生を抑制することが可能となる。また、表示メイン処理にて駆動データを出力する構成とした場合、補助演出を時間的に同期させる方法が問題となる。表示タイマ割込み処理にて駆動データ出力処理を行う構成とすればほぼ定期的に駆動データを出力できる一方、表示メイン処理にて駆動データ出力処理を行う構成とした場合、駆動データ出力処理を行ってから次に駆動データ出力処理を行うまでに要する時間が変動し得るからである。そこで、表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタの値を更新する処理を行うと共に、割込みタイマカウンタの値に基づいて駆動データ出力処理を行う構成とすることにより、主制御装置101から補助演出を同期させるためのコマンドを出力せずとも表示制御装置81側にてゲームの進行に即した補助演出部の駆動制御を行うことが可能となり、主制御装置101の処理負荷を好適に分散することが可能となる。さらにいうと、主制御装置101と表示制御装置81の協働の下でゲームの進行に即した補助演出を行う方法として、駆動データ出力処理を表示タイマ割込み処理で行う構成とし、表示タイマ割込み処理の最中にコマンド入力があった場合にはコマンド受信処理に移行する構成、すなわち多重割込みを許可する構成とすることも確かに可能である。しかしながら、かかる構成とした場合にはコマンド受信処理を割り込ませるタイミングを予め想定した上でプログラムを作成する必要があり、プログラムの複雑化に伴うデバック工数の増大化が懸念されることとなる。
表示メイン処理における受信コマンドチェック処理にて行うべき補助演出を決定する構成とすることにより、コマンド割込み処理を比較的短時間で終了させつつ表示メイン処理に復帰させることが可能となる。故に、表示メイン処理に割り込んでコマンド受信処理を行っている最中に表示タイマ割込み処理を行うタイミングが来る機会を低減させることが可能となり、割込みタイマカウンタの更新処理を行うタイミングが遅れることを抑制することが可能となる。この結果、各処理を好適な形で並列的に行うことが可能となり、主制御装置101と表示制御装置81の協働の下でゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
主制御装置101は、タイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて各種コマンドを表示制御装置81に対して送信する。主制御装置101のタイマ割込み処理は1.49msec毎に行われる処理であるため、各種コマンドは表示制御装置81に対して1.49msec間隔で送信されることとなる。したがって、表示制御装置81では、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを1.49msec以内に終了させる構成とすれば、表示メイン処理下でコマンドを受信する機会を高めることが可能となり、コマンドを受信した際に速やかにコマンド割込み処理に移行することが可能となる。そこで、表示タイマ割込み処理では駆動データの出力処理を行うことなく割込みタイマカウンタの更新処理のみを行う構成とすることにより、表示タイマ割込み処理に要する時間を短縮させることができ、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを1.49msec以内に終了させることが可能となる。さらに、コマンド割込み処理においてもいずれのコマンドを受信したかを把握する処理のみを行い、補助演出の具体的な決定は表示メイン処理下で行う構成とすることにより、コマンド割込み処理に要する時間を短縮させることができる。ちなみに、かかる構成における表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理に要する処理時間の総和は約100μsecであり、1.49msecより十分に短い。故に、いずれかの割込み処理を行っていたがためにコマンド受信処理を行うタイミングが遅れ、遊技の進行状況と補助演出とにずれが生じることを好適に抑制することが可能となる。
表示メイン処理が駆動データ出力処理と受信コマンドチェック処理とを行ってループする構成とし、コマンドが入力した場合と1msecが経過した場合に表示メイン処理に割り込んでコマンド割込み処理と表示タイマ割込み処理を行う構成とすることにより、主制御装置101からのコマンド入力に基づいて決定した補助演出の最新駆動データを補助演出部に出力することが可能となる。例えば表示タイマ割込み処理にて駆動データを出力する構成とした場合、コマンド受信処理はタイマ割込み処理の終了後すなわち駆動データ出力処理の終了後に行われることとなる。しかしながら、タイマ割込み処理が1msec以内に終了しなかった場合、タイマ割込み処理が複数回にわたって繰り返し行われることとなり、それに伴ってコマンド受信処理が遅れることとなる。これは、遊技の進行状況に変化が訪れているにも関わらず、それ以前に決定された補助演出を行うための駆動データが繰り返し出力されることに繋がる。一方、本実施形態の場合、駆動データ出力処理を行っている最中であってもコマンド割込み処理に移行することができ、駆動データ出力処理が終了した後には受信したコマンドに基づいて受信コマンドチェック処理を行うことができる。つまり、次回の駆動データ出力処理時には受信コマンドチェック処理にて決定した補助演出を行わせるための最新駆動データを出力できる。故に、遊技の進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
割込みタイマカウンタの値が0でない場合、すなわち表示タイマ割込み処理が行われた場合に駆動データ出力処理を行う構成とすることにより、駆動データの出力を定期的に行うことが可能となる。表示タイマ割込み処理は定期的(1msec毎)に行われる処理だからである。また、割込みタイマカウンタの値が0の場合には駆動データ出力処理を行わないため、速やかに受信コマンドの有無を確認することが可能となる。以上の結果、表示メイン処理のうちループ内で行われる処理(S1602〜S1608)に要する時間を短くすることが可能となり、ゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
駆動データ出力処理において、割込みタイマカウンタの値を10msecタイマカウンタの値に加算する処理を行い、10msecタイマカウンタの値が10以上となった場合に駆動データ変更処理を行う構成とすることにより、駆動データの変更タイミングを計る機能を10msecカウンタに付与することが可能となり、割込みタイマカウンタに駆動データ出力処理を行うタイミングを計る機能と駆動データの変更タイミングを計る機能という機能の集中化が生じることを回避することが可能となる。故に、プログラムの簡素化を図ることが可能となる。仮に割込みタイマカウンタの値に基づいて10msecが経過したか否かを判定する構成とした場合、割込みタイマカウンタが更新された場合に駆動データ出力処理を行う構成とするためには、前回の処理で確認した割込みタイマカウンタの値を記憶しておく必要が生じ、プログラムが複雑化するからである。また、表示メイン処理において駆動データ出力処理を行う構成の場合、割込みタイマカウンタ値を確認してから次回の割込みタイマカウンタ値を確認するまでの間に、駆動データ出力処理又は受信コマンドチェック処理に時間を要し、表示タイマ割り込み処理が複数回行われる可能性がある。故に、10msecタイマカウンタの値が10以上となった場合に駆動データ変更処理を行う構成とすることにより、ほぼ10msecが経過する毎に駆動データ変更処理を行うことが可能となる。さらに、10msecが経過していない状況下では駆動データ変更処理を行うことなく次の処理に移行するため、表示メイン処理における1回のループに要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。さらにいうと、駆動データ変更処理では、遊技者が遊技を進行させずに放置した場合を想定した駆動データの変更処理等を行うため、補助演出を行わせるべく駆動データを出力する駆動データ出力処理と比して、多少の時間的な揺らぎは許容されることが一般的である。そこで、駆動データ変更処理は10msecタイマカウンタの値が10以上となった場合に行う構成とすることにより、定期的に且つ効率よく駆動データ変更処理を行うことが可能となる。
駆動データ出力処理において、駆動データ切換処理を行った後に割込みタイマカウンタの値をクリアする構成とすることにより、駆動データ出力処理を行うか否かを判定する場合に割込みタイマカウンタの値が0か否かを判定すればよく、前回の処理時における割込みタイマカウンタの値を記憶しておく必要がない。故に、プログラムの簡素化を図ることが可能となると共に、定期的な駆動データの出力を行うことが可能となる。また、駆動データ出力処理と受信コマンドチェック処理を行っている最中に割込みタイマカウンタの値が複数回更新された場合であっても、割込みタイマカウンタの更新回数分だけ駆動データ出力処理を行うといった事象が発生しない。故に、タイマ割込み処理が複数回にわたって繰り返し行われたためにコマンド割込み処理への移行が遅れるといった不具合も発生しない。つまり、割込みタイマカウンタの値が複数化更新された場合であっても、次回の駆動データ出力処理時には受信コマンドチェック処理にて決定した補助演出を行わせるための最新駆動データを出力できる。以上の結果、ゲームの進行状況に即した補助演出を行うことが可能となる。
コマンド割込み処理を行っている最中には表示タイマ割込み処理の割り込みを禁止し、表示タイマ割込み処理を行っている最中にはコマンド割り込み処理の割込みを禁止する構成とすることにより、表示メイン処理に割り込んで一方の割込み処理を行っているにも関わらずさらに他方の割込み処理が割り込む多重割込み構成を回避することが可能となり、プログラム構成を比較的簡単なものとすると共にデバック工数の増大化を抑制することが可能となる。さらにいうと、多重割込み構成を回避した場合、上述した通りコマンドデータを読み込むタイミングが遅れる可能性が懸念されることとなる。しかしながら、本実施形態の場合、表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの更新処理を行うのみであるため、前記懸念を最小限に留めることができる。
表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの値を更新する処理のみを行う構成とすることにより、表示制御装置81は、補助演出部に駆動データを出力しつつコマンド入力を待つことが可能となり、コマンド入力があった場合には速やかにコマンド受信処理に移行することが可能となる。したがって、遊技の進行状況と補助演出とにずれが生じることを好適に抑制することが可能となる。
スロットマシンの場合、遊技者によるスタートレバー41やストップスイッチ42〜44の操作に基づいて遊技が進行するため、同じ補助演出を行う場合であってもその変更タイミングや終了タイミングは遊技者の操作に応じて変動することとなる。つまり、主制御装置101からコマンドが送信されるタイミングはその都度変動するため、表示制御装置81がコマンドを適正なタイミングで受信できなかった場合、遊技の進行状況と補助演出とにずれが生じることが多分に生じ得る。したがって、表示メイン処理にて駆動データ出力処理を行うと共に表示タイマ割込み処理では割込みタイマカウンタの更新処理のみを行う構成とすることにより、主制御装置101と表示制御装置81の協働の下でゲームの進行に即した補助演出を好適に行うことが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、クレジット投入スイッチ56〜58が規定の順序で操作された後にスタートレバー41が操作された場合、特定操作がなされたと判定する構成としたが、クレジット投入スイッチ56〜58が規定の順序で操作された場合に特定操作がなされたと判定する構成としても良い。かかる構成においては、クレジット投入スイッチ56〜58が特定操作手段に相当する。或いは、スタートレバー41と回転を停止したリールと対応するストップスイッチとが規定の順序で操作された場合に特定操作がなされたと判定する構成としても良い。かかる構成においては、スタートレバー41とストップスイッチ42〜44が特定操作手段に相当する。
(2)上記実施の形態では、ベット順序テーブルに予め5パターンの操作順序を予め記憶させる構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、予め記憶させておく操作順序のパターン数は複数であれば任意である。
(3)上記実施の形態では、ベット順序テーブルに、ベット操作の順序として5通りの操作順序を規定するとともに、各操作順序に応じて異なる補助演出を設定する構成としたが、各操作順序のうち一部に同じ補助演出を設定する構成としても良い。つまり、操作順序に対して行うべき補助演出が一義的に定められている構成であって、操作順序に応じた補助演出が行われる構成であれば良い。
(4)上記実施の形態では、ベット順序テーブルに、ベット操作の順序に対して行うべき補助演出が一義的に定められている構成としたが、ベット操作の順序に対して行うべき補助演出を複数設定し、特定操作がなされたと判定した場合に設定されている補助演出から実際に行う補助演出を選択する構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には補助演出に関わる処理負荷が増大化する可能性が懸念される。
(5)上記実施の形態では、抽選結果コマンド処理にて補助演出抽選に当選した場合、特定操作がなされたと判定せずとも役の抽選結果を報知する補助演出を行う構成としたが、かかる機能を備えなくても良い。すなわち、特定操作がなされたと判定した場合に限って補助演出を行う構成としても良い。かかる構成とした場合には、補助演出を行う機会が遊技者に完全に依存することとなるため、遊技者の意向に即した補助演出を行うことが可能となる。
(6)上記実施の形態では、抽選結果コマンド処理にて補助演出抽選に当選した場合、全リール32L,32M,32Rの停止後に役の抽選結果を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、報知タイミングは任意である。また、補助演出抽選に当選した場合に、全リール回転中,1リール停止後,2リール停止後,全リール停止後の中から報知タイミングを決定する構成としても良い。
(7)上記実施の形態では、クレジット投入スイッチ56〜58が規定の順序で操作された後にスタートレバー41が操作された場合、クレジット投入スイッチ56〜58の操作順序に応じて報知する内容の異なる補助演出を行う構成としたが、補助演出の演出内容が異なる構成であれば良い。したがって、例えば第3クレジット投入スイッチ58→第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56→スタートレバー41の順で操作された場合には、音声にて役の抽選結果を報知するための駆動データを設定し、第2クレジット投入スイッチ57→第3クレジット投入スイッチ58→第1クレジット投入スイッチ56→スタートレバー41の順で操作された場合には役の抽選結果を画像にて報知するための駆動データを設定し、第2クレジット投入スイッチ57→第1クレジット投入スイッチ56→第3クレジット投入スイッチ58→スタートレバー41の順で操作された場合には役の抽選結果をランプの色で報知するための駆動データを設定する構成としても良い。
(8)上記実施の形態では、特定操作がなされたと判定するクレジット投入スイッチ56〜58の操作順序がリール32L,32M,32Rの回転状況(すなわち遊技の進行状況)に関わらず同じ構成としたが、リール32L,32M,32Rの回転状況に応じて特定操作がなされたと判定するクレジット投入スイッチ56〜58の操作順序を変化させる構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(9)上記実施の形態では、クレジット投入スイッチ56〜58に対してなされた操作がベット順序テーブルに規定された操作順序と一致するか否かを判定することなくベット順序記憶エリアの各記憶エリアにベット操作フラグをセットする構成としたが、ベット操作がなされる度に操作順序を確認し、規定の操作順序である場合に限ってベット順序記憶エリアの各エリアにベット操作フラグをセットする構成としても良い。
(10)上記実施の形態では、開始コマンドを受信した場合と、特定操作がなされたかったと判定した場合に、ベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする構成としたが、これに代えて又は加えて、特定操作がなされたと判定した場合にベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする構成としても良い。
(11)上記実施の形態では、次遊技回を開始させるべくスタートレバー41を操作された場合にベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする構成としたが、次遊技回を開始させるべくメダルがベットされた場合にベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする構成としても良い。
(12)上記実施の形態では、停止前処理において開始後処理を行う構成としたが、これに加えて、回転開始処理においても開始後処理を行う構成としても良い。すなわち、各リール32L,32M,32Rは、開始指令が発生したとしてもウエイト時間を経過していなければ直ちに回転を開始せず、また直ちに回転を開始したとしても定速で回転するまでには所定の時間を要する。そこで、これら期間においても開始後処理を行うことにより、より遊技者の意向に即したタイミングで補助演出を行うことが可能となる。
(13)上記実施の形態では、表示制御装置81がベット操作コマンドを受信した場合に対応するベット操作フラグをベット順序記憶エリアにセットして特定操作がなされたか否かを判定する構成、すなわち、サブ制御基板たる表示制御装置81側で特定操作がなされたか否かを把握する構成としたが、メイン制御基板たる主制御装置101側で特定操作がなされたか否かを把握する構成としても良い。具体的には、主制御装置101にベット順序記憶エリアやベット順序テーブルを設け、特定操作がなされたと判定した場合に表示制御装置81に特定操作コマンドを出力する構成とする。表示制御装置81は、特定操作コマンドを受信した場合に、操作順序と対応する補助演出を行うべく駆動データを設定する等の処理を行う構成とする。
また、表示制御装置81側でスタートレバー41や各ストップスイッチ42〜44、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作状況を把握する構成としても良い。一例としてストップスイッチ42〜44の場合について説明すると、ストップ検出センサ42a〜44aの検出信号が主制御装置101に入力された場合、いずれのストップスイッチ42〜44が操作されたかを示すストップ操作コマンドを主制御装置101が表示制御装置81に出力する構成とする。ストップ操作コマンドが表示制御装置81に入力された場合、表示制御装置81は、回転情報コマンドの示す各リール32L,32M,32Rの回転状況に基づいて、ストップスイッチになされた操作が、遊技の進行に関与する停止指令なのか、遊技の進行に関与しない停止操作なのかを判断する。そして、第1停止指令の際に操作されたストップスイッチになされた停止操作であると判断した場合に、ベット順序記憶エリアにセットされたベット操作フラグをクリアする構成とする。
なお、図32〜図36に示した補助演出に関わる処理を表示制御装置81ではなく主制御装置101が行う構成としても良いことは言うまでもない。
(14)上記実施の形態では、RTとBTに当選となる複数当選役を設定した構成について説明したが、複数当選役を設けることなくRTとBTをそれぞれ単独で当否判定する構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、各RTと各BTのいずれかに当選にした場合に、遊技者にいずれの役に当選しているのかを推測させた上で各ストップスイッチ42〜44の操作を行うよう促すことが可能となり、遊技の単調化を抑制することができる。
(15)上記実施の形態では、RTとBTに当選となる複数当選役を設定するとともに、RTのみに当選となる単独当選役やBTにのみ当選となる単独当選役を設定しない構成について説明したが、複数当選役と単独当選役を共に備える構成としても良いことは言うまでもない。
(16)上記実施の形態では、複数当選役に当選した場合、RT当選フラグとBT当選フラグをそれぞれセットする構成としたが、かかる構成を変更する。すなわち、複数当選役に当選した場合、複数当選フラグをセットする構成とする。そして、複数当選フラグがセットされている場合、RT入賞とBT入賞を成立させることが可能となるようにスベリテーブルを設定,変更する構成とする。かかる構成とした場合、各入賞態様と対応する当選フラグ(RT当選フラグ,BT当選フラグ)はセットしないものの、複数当選フラグがセットされていればRT入賞とBT入賞を成立させることが可能なため、RTとBTに内部当選していることと等しくなる。故に、かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(17)上記実施の形態では、通常状態より遊技者に不利な遊技状態として、第1〜第3RT入賞のいずれが成立した場合であってもRT状態に移行しないBT状態を設けたが、かかる構成を変更する。
例えば、通常状態より再遊技の当選確率が低くなる第2RT状態を設ける構成とする。かかる構成とした場合であっても、再遊技入賞の成立する割合が通常状態よりも低下するため、遊技者に不利な遊技状態となる。他の役の当選確率を低くした場合であっても同様である。
各役の当選確率を変更することなく、メダル払出の特典が付与される入賞が成立した場合に、通常状態よりもメダル払出数を低下させる払出低下状態を設ける構成とする。例えば、通常状態でベル入賞が成立した場合には4枚のメダル払出を行う一方、払出低下状態でベル入賞が成立した場合には1枚のメダル払出を行う構成とする。
通常状態でRT入賞が成立した場合には、最大30ゲーム継続するRT状態に移行させ、不利状態でRT入賞が成立した場合には、RT状態に移行するものの最大5ゲームしか継続しない構成とする。
(18)上記実施の形態では、RT状態に移行すると高確率で再遊技に当選し、再遊技入賞が成立する構成としたが、高確率でベル入賞等のメダル払出が行われる入賞が成立する構成としても良い。
(19)上記実施の形態では、RT入賞又はBT入賞が成立した場合、遊技状態が通常状態であることを条件として遊技状態が移行する構成としたが、かかる構成を変更する。例えば、RT状態下でRT入賞が成立した場合、RT開始処理を再度行って残ゲーム数を増加させる構成とする。同様に、BT状態下でBT入賞が成立した場合、BT開始処理を再度行って残ゲーム数を増加させる構成とする。
(20)上記実施の形態では、RT状態下でBT入賞が成立した場合、BT状態に移行しない構成としたが、BT状態に移行する構成としても良い。このとき、通常状態でBT入賞が成立した場合には、最大100ゲーム継続するBT状態に移行させ、RT状態でBT入賞が成立した場合には、最大50ゲームしか継続しないBT状態に移行させる構成とすれば、遊技者の有利性を確保することができる。
(21)上記実施の形態では、左リール42Lの図柄配列を、各「7」図柄と各「チェリー」図柄がそれぞれ1つずつ配置される図柄配列としたが、いずれかの図柄が複数配置される図柄配列としても良いことは言うまでもない。
(22)上記実施の形態では、左リール42Lにおいて、1のRT図柄に対して他のRT図柄が6図柄分以上離れるようにして配置することにより、1のRT図柄をいずれかの有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ42が操作された場合に、他のRT図柄がいずれの有効ライン上にも到達しない構成とした。これは、予め定めた規定時間にリールを滑らせることのできる最大滑り数が4図柄であって、表示窓26Lから3個の図柄が視認可能となると共にこれら各位置に有効ラインが設定されるスロットマシンの場合の例である。
他の構成を備えたスロットマシンの場合、「(リールを滑らせることのできる最大滑り数)+(左リールにおいて各有効ラインが設定され得る範囲に停止する図柄数、すなわち規定周回体において有効位置設定手段が各有効位置を設定し得る位置に停止する図柄数)−1」図柄以上に各RT図柄を離間させて配置すれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。例えば、ストップスイッチの操作されたタイミングでそのまま停止する(リールが滑らない)構成であって、中段にのみ有効ラインを設定するスロットマシンの場合、1のRT図柄に対して他のRT図柄が0(=0+1−1)図柄以上離れるように配置すればよい。つまり、かかる構成においては1のRT図柄に対して他のRT図柄が隣接していてもよい。各BT図柄の配置や同一ゲームで当選となるRT図柄とBT図柄の配置に関しても同様であることは言うまでもない。
また、所定の有効ライン上に停止させることができない構成のみを考えるのであれば、有効ラインが1ラインのみ設定されるスロットマシンと等しくなるため、「(リールを滑らせることのできる最大滑り数)」図柄以上に各RT図柄を離間させて配置すれば良い。
(23)表示タイマ割込み処理を行う場合にはコマンド割込み処理を禁止し、コマンド割込み処理を行う場合には表示タイマ割込み処理を禁止する構成としたが、各割込み処理を行う場合に他の割込み処理を許可する多重割込み可能な構成としてもよい。但し、かかる場合にはプログラムの複雑化に伴うデバック工数の増大化が懸念されることとなる。
(24)上記実施の形態では、表示タイマ割込み処理を行っている場合にはコマンド割込み処理を禁止する構成としたが、主制御装置101からの制御信号が表示制御装置81のNMI端子に入力されるように構成し、制御信号が入力した場合にはコマンド割込み処理が即座に実行される構成としてもよい。
(25)上記実施の形態では、表示メイン処理において、駆動データ出力処理の終了後に受信コマンドチェック処理を行う構成としたが、受信コマンドチェック処理を行った後に駆動データ出力処理を行う構成としてもよい。表示メイン処理はステップS1602〜S1608の処理がループする構成であるため、かかる構成としても上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(26)上記実施の形態では、補助演出を決定する受信コマンドチェック処理を表示メイン処理の下で行う構成としたが、コマンド割込み処理の下で行う構成としてもよい。但し、かかる構成とした場合にはコマンド割込み処理に要する時間が多大なものとなる可能性が生じるため、表示タイマ割込み処理を定期的に行えない可能性が懸念されることとなる。
(27)上記実施の形態では、駆動データ変更処理の終了後に割込みタイマカウンタの値をクリアする構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、10msecタイマカウンタの更新処理以降であれば、割込みタイマカウンタの値をクリアするタイミングは任意である。
(28)上記実施の形態では、表示制御装置81が上部ランプ63,スピーカ64,補助表示部65を駆動制御する構成としたが、これに加えて各種表示部60〜62や各ストップスイッチ42〜44のランプ等を駆動制御する構成としてもよい。つまり、各リール32L,32M,32Rやホッパ装置51等の遊技者の利益に関わる装置類を主制御装置101が駆動制御する構成とし、上部ランプ63や補助表示部65等の補助演出に関わる装置類を表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
(29)上記実施の形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。但し、かかる構成の場合には、ベット状況に応じた抽選テーブルを予め記憶させておく必要がある。
(30)上記実施の形態では、10msecタイマカウンタの値が10以上である場合に駆動データ変更処理を行う構成としたが、さらに複数のタイマカウンタを設け、これらタイマカウンタの値に基づいて駆動データ変更処理を行う構成としてもよいことは言うまでもない。例えばステップS1806では、BGM再生中に何もせずに放置された場合、30秒後にBGMの音量を小さくするフェードアウト処理を行う。したがって、フェードアウト処理用の30sタイマカウンタを設け、駆動データ変更処理を行う毎に30sタイマカウンタの値を1加算する構成とする。かかる構成とすれば、30sタイマカウンタの値が300となった場合に30秒経過したことを意味するため、30sタイマカウンタの値に基づいてBGMの音量を小さくすることができる。
(31)上記実施の形態では、表示タイマ割込み処理にてコマンド割込みの禁止と許可をプログラムにて行う、すなわちソフトを用いてコマンド割込みの禁止と許可を行う構成としたが、電気回路的に禁止と許可を行う、すなわちハードを用いてコマンド割込みの禁止と許可を行う構成としてもよい。かかる構成とすれば、表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタの更新処理のみを行うことが可能となり、表示タイマ割込み処理に要する処理時間を好適に短縮させることが可能となる。
(32)上記実施の形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(33)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(34)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(35)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。