JP2011147819A - 遊技機 - Google Patents

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将来 山口
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光顕 外山
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Abstract

【課題】記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン10では、前面扉12の略中央左部に設けられたスタートレバー71が操作されると、表示窓31L,31M,31Rを介して視認可能なリール42L,42M,42Rが回転を開始する。そして、ストップスイッチ72〜74が操作されると、各スイッチ72〜74に対応したリール42L,42M,42Rが停止するように構成されている。また、通常ゲームではベットされたメダル数に応じて組合せラインが有効ラインとして設定される一方、BBゲームではメダルが1枚ベットされれば5本の組合せライン全てが有効ラインとして設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして、遊技者がメダルを投入することにより3枚を上限として投入されたメダル数に応じた有効ラインが設定される。例えば、メダルが1枚投入されると中段の組合せラインが有効ラインとして設定され、さらにメダルが1枚投入されると上段及び下段の組合せラインが有効ラインとして設定され、さらにメダルが1枚投入されると右上がり及び右下がりの組合せラインが有効ラインとして設定される。かかる構成の場合、メダルが1枚投入されると有効ラインが1ライン設定され、2枚投入されると有効ラインが3ライン設定され、3枚投入されると有効ラインが5ライン設定されることとなる。その後、遊技者がスタートレバーを操作することでスロットマシンの内部にてボーナス役や小役等の各役の抽選が行われると共に各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップスイッチを操作したり所定時間が経過したりすることで各リールが順次停止して1回のゲームが終了する。そして、全てのリールが回転を停止した際に有効ライン上に当選となった図柄の組合せが停止すると入賞となり、例えば小役入賞が成立した場合には所定枚数のメダルが払い出される特典が遊技者に付与され、ボーナス役入賞が成立した場合には遊技状態がビッグボーナスゲーム(以下、「BBゲーム」とも言う)やレギュラーボーナスゲーム(以下、「RBゲーム」とも言う)等の遊技者に有利なボーナスゲーム(特別遊技状態)に移行する特典が遊技者に付与される。
従来のスロットマシンの場合、BBゲームは、例えば30ゲームが終了するまで又はその前にRBゲームが例えば3回終了するまでのいずれかの条件を満たすまで継続される。RBゲームは、メダルの投入が1枚のみ許容されると共に中段の組合せラインのみが有効ラインとして設定されるゲームであり、例えば12回のJACゲームが終了するまで又はその前にJAC図柄の組合せが揃うJAC入賞が例えば8回成立するまでのいずれかの条件を満たすまで継続される。そして、JAC入賞が成立すると最大枚数(例えば15枚)のメダルが払い出される。つまり、遊技状態がRBゲームに移行すると、メダル投入の許容数が最小限に抑えられつつ最大枚数のメダルが払い出される。したがって、遊技状態がBBゲームやRBゲームに移行した場合、遊技者はこれらボーナスゲームが終了するまでの間に多くのメダルを獲得することができる(例えば特許文献1参照)。
ところで、スロットマシンには、ストップスイッチが操作されたときに有効ライン上に到達している図柄と、実際に前記有効ライン上に停止させる図柄との関係を導出し得る停止テーブルを当選役毎に予め複数記憶し、この停止テーブルに基づいて各リールの停止制御を行うスロットマシンがある。かかるスロットマシンにおいて上述したボーナスゲームを行う場合、JAC入賞を成立させるための停止テーブル、すなわちJAC図柄が中段に停止するように設定された停止テーブルを予め記憶させておく必要がある。したがって、本発明者らは、予め記憶させておく停止テーブルのデータ量が増加し、スロットマシンの記憶容量が増大化することを懸念するに至った。
かかる一方、通常ゲームにおいて入賞成立となる図柄の組合せをJAC図柄の組合せとして代用する構成とすれば、停止テーブルを流用することができるため、記憶容量が増大化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、所定の図柄の組合せが通常ゲーム中に中段の組合せライン上で成立するように停止テーブルを用意した上で、この所定の図柄の組合せをJAC図柄の組合せとして代用する必要がある。また、役の抽選に当選したにも関わらず入賞成立とならない所謂取りこぼしの発生を回避しつつ通常ゲーム中に中段の組合せライン上で入賞を成立させるためには、1つのリール単独で入賞が成立する図柄(例えばチェリー図柄)を、JAC図柄として代用する図柄の上下に配置しないといった工夫を施す必要が生じる。故に、本発明者らは、スロットマシンを設計するにあたっての設計自由度が低下するという新たな問題を懸念するに至った。
特開2005−304885号公報
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の発明は、周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄が付された複数の周回体と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓と、
遊技媒体を受け入れる受入手段と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段と、
該賭数設定手段の設定した賭数が多いほど前記表示窓から視認できる視認範囲に多くの有効位置を設定する有効位置設定手段と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段と、
前記始動操作手段の有効な操作に基づき、前記賭数設定手段の設定した賭数に基づいた当選確率で所定絵柄役及び特定絵柄役等の役の抽選を行う抽選手段と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段と、
前記停止操作手段の操作タイミングと前記視認範囲に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群を予め複数記憶する停止情報群記憶手段と、
前記複数の停止情報群から役の抽選結果に基づいた停止情報群を選択する停止情報群選択手段と、
該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるように、且つ、前記停止操作手段の操作と前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて、対応する周回体の周回を停止させるように前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
前記役の抽選結果が所定絵柄役当選であって前記有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する特典付与手段と、
前記役の抽選結果が特定絵柄役当選であって前記有効位置に特定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合、所定の終了条件が成立するまで遊技状態を通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段と
を備えた遊技機において、
遊技状態が前記特別遊技状態である場合に、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記規定数より少ない第2規定数に変更することを決定する賭数上限決定手段と、
該賭数上限決定手段が賭数の上限を前記第2規定数と決定した場合、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記第2規定数に変更する賭数上限変更手段と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更し、前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、賭数が前記規定数の場合に前記有効位置設定手段が設定する有効位置と同じ位置に有効位置を設定する第2有効位置設定手段と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率を、通常遊技状態下における前記所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更する当選確率変更手段と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図。 前面扉の背面図。 筐体の正面図。 左リールの組立斜視図。 各リールを構成する帯状ベルトの展開図。 入賞態様とメダル払出枚数との関係を示す説明図。 スロットマシンのブロック回路図。 NMI割込み処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 停電時処理を示すフローチャート。 メイン処理を示すフローチャート。 当選確率設定処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 抽選処理を示すフローチャート。 抽選テーブルの一例を示す図。 スベリテーブルの一例を示す図。 スベリテーブル設定処理を示すフローチャート。 リール制御処理を示すフローチャート。 回転開始処理を示すフローチャート。 スベリテーブル第1変更処理を示すフローチャート。 再遊技入賞確定用スベリテーブルを示す図。 ベル入賞確定用スベリテーブルを示す図。 スベリテーブル第2変更処理を示すフローチャート。 第2当選番号時処理を示すフローチャート。 払出判定処理を示すフローチャート。 メダル払出処理を示すフローチャート。 ボーナスゲーム処理を示すフローチャート。 抽選テーブルの一例を示す図。 メダル投入処理を示すフローチャート。 第2の実施形態において各リールを構成する帯状ベルトの展開図。 第2の実施形態におけるベル入賞確定用スベリテーブルを示す図。
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部(3個)の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技媒体(メダル,仮想メダル)を受け入れる受入手段(主制御装置131の投入メダル検出センサ75a及びクレジット投入検出センサ77a〜79a確認処理機能S207)と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数(3枚)を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置131のメダル投入処理機能)と、
該賭数設定手段の設定した賭数が多いほど前記表示窓から視認できる視認範囲に多くの有効位置(有効ライン)を設定する有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1706,S1711)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の有効な操作に基づき、前記賭数設定手段の設定した賭数に基づいた当選確率で所定絵柄役(小役)及び特定絵柄役(BB役)等の役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記停止操作手段の操作タイミングと前記視認範囲に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群(スベリテーブル)を予め複数記憶する停止情報群記憶手段(主制御装置131のROM152)と、
前記複数の停止情報群から役の抽選結果に基づいた停止情報群を選択する停止情報群選択手段(主制御装置131のスベリテーブル設定処理機能S708及びスベリテーブル変更処理機能S904,S913)と、
該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段(主制御装置131のスベリテーブル格納エリア153b)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるように、且つ、前記停止操作手段の操作と前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて、対応する周回体の周回を停止させるように前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記役の抽選結果が所定絵柄役当選であって前記有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)と、
前記役の抽選結果が特定絵柄役当選であって前記有効位置に特定絵柄(BB図柄)が所定の組合せを形成して停止した場合、所定の終了条件が成立するまで遊技状態を通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理機能)と
を備えた遊技機において、
遊技状態が前記特別遊技状態である場合に、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記規定数より少ない第2規定数(1枚)に変更することを決定する賭数上限決定手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1605,S1616)と、
該賭数上限決定手段が賭数の上限を前記第2規定数と決定した場合、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記第2規定数に変更する賭数上限変更手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1607)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更し、前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、賭数が前記規定数の場合に前記有効位置設定手段が設定する有効位置と同じ位置に有効位置を設定する第2有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1707,S1713)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率を、通常遊技状態下における前記所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更する当選確率変更手段(主制御装置131の抽選テーブル選択処理機能S703)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、遊技状態が特別遊技状態である場合、賭数の上限が規定数から該規定数より少ない第2規定数に変更されることがある。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから所定の終了条件が成立するまでの間、遊技者が所有する遊技媒体の減少を抑制させつつ多くの特典を付与することが可能となる。また、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数である場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置が設定され、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率が、通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更される。通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように所定絵柄役の当選確率を変更することにより、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役を設定せずとも高確率で遊技者に特典を付与することが可能となる。加えて、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役と対応する絵柄を各周回体に付す必要が生じないため、各周回体の絵柄配列を多様化させることが可能となり、絵柄配列に関する設計自由度を高めることが可能となる。さらに、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置を設定する構成とすることにより、所定絵柄を停止させる有効位置を停止操作手段の操作タイミングに応じて変化させることができる。故に、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。さらにまた、かかる構成とした場合、通常遊技状態下で所定絵柄役に当選した場合に選択される停止情報群を賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも用いることが可能となる。故に、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に用いるための停止情報群を別途記憶させておくことや、賭数の上限が第2規定数に変更された場合を想定して停止情報群を設定することが不要となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機を設計する場合の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
なお、ここに言う「遊技媒体の受入」とは、現実の遊技媒体を直接受入させることの他、遊技者が現実の遊技媒体として所有すべき遊技媒体を仮想的に貯留する仮想遊技媒体貯留手段(主制御装置131のクレジット機能)を備える構成においては、当該仮想遊技媒体を受入させることも含む。「遊技媒体の払い出し」についても、現実の遊技媒体を直接払い出す他、前記仮想遊技媒体貯留手段が仮想遊技媒体として貯留することも含む。以下も同じである。
手段2.上記手段1において、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役として第1所定絵柄役と第2所定絵柄役を有し、前記停止情報群選択手段は、前記第1所定絵柄役に当選した場合、前記各停止操作手段の操作タイミングに関わらず第1所定絵柄が前記有効位置に所定の組合せを形成するよう停止情報群を選択し、前記第2所定絵柄役に当選した場合、前記各停止操作手段が所定の操作タイミングで操作された場合に第2所定絵柄が前記有効位置に所定の組合せを形成するよう停止情報群を選択し、前記当選確率変更手段は、前記第1所定絵柄役の当選確率を変更することを特徴とする遊技機。
手段2によれば、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役が複数設定されており、賭数の上限が第2規定数に変更された場合、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に所定の組合せを形成する第1所定絵柄役の当選確率が高確率となるように変更される。かかる構成とすることにより、特別遊技状態下で役の抽選に折角当選しているにも関わらず有効位置に所定の組合せが形成されない機会を低減させることが可能となる。この結果、特別遊技状態が終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、第1所定絵柄役に当選していれば各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に所定の組合せが形成される場合、遊技者が所定の図柄が有効位置に停止するよう狙って停止操作手段を操作する必要がないため、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技の単調化が懸念される。ところが、賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも賭数が規定数である場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置が設定されるため、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。故に、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
手段3.上記手段2において、前記各停止情報群に、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記停止操作手段の操作タイミングで前記視認範囲に到達している到達絵柄をそのまま停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に予め定めた絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる停止態様と、のうち複数の停止態様を設定し、
前記有効位置に先に到達する第1所定絵柄と、前記有効位置に次に到達する同種の第1絵柄の間隔が、前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数(4図柄)以下となるように、前記第1所定絵柄を前記各周回体に付したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、各周回体には、有効位置に先に到達する第1所定絵柄と、有効位置に次に到達する同種の第1所定絵柄の間隔が、到達絵柄の移動できる最大絵柄数以下となるように第1所定絵柄が付されている。かかる構成とすることにより、第1所定絵柄役に当選した場合には、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に第1所定絵柄を停止させることができ、所定の組合せを有効ライン上に形成させることができる。故に、特別遊技状態下で第1所定絵柄役に折角当選しているにも関わらず有効位置に所定の組合せが形成されない不具合を回避することが可能となり、特別遊技状態が終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記役の抽選結果が規定絵柄役当選であって、前記複数の周回体のうち予め定めた1の周回体(左リール42L)に付された規定絵柄(「チェリー」図柄)が前記有効位置に停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する第2特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)を備えることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、所定絵柄が有効位置に所定の組合せを形成して停止した場合に加えて、予め定めた1の周回体に付された規定絵柄が有効位置に停止した場合にも遊技媒体を払い出す特典が付与される。賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、通常遊技状態下で所定絵柄役に当選した場合に選択される停止情報群を共用するためには、第2規定数が賭数として設定された場合の有効位置で所定絵柄の組合せが形成されるように停止情報群を記憶させる必要が生じる。また、規定数が賭数として設定された場合の有効位置において、ある有効位置に所定絵柄の組合せが形成されると共に他の有効位置に規定絵柄が停止することのないよう、周回体に付される絵柄配列に工夫を施す必要が生じる。しかしながら、賭数の上限が第2規定数に変更された場合であっても賭数の上限が規定数の場合と同じ有効位置が設定される構成においては、上述した各懸念点を解消することが可能となる。故に、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
手段5.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記始動操作手段が操作された場合に当該操作が有効か否かを判定する始動操作判定手段(主制御装置131の開始指令判定機能S606)を備え、該始動操作判定手段は、前記賭数設定手段が賭数の上限と同数の賭数を設定した後の操作を有効と判定することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、賭数の上限と同数の賭数が設定された場合にのみ始動操作手段の操作が有効と判定される。かかる構成とすることにより、賭数の上限の変更有無を問わず、始動操作手段の有効操作時すなわち遊技の開始時には常に同じ有効位置を設定することができる。この結果、設定された有効位置に応じて選択する停止情報群を変更する等の処理が不要となり、比較的簡単な構成で停止情報群選択手段による停止情報群の選択処理を行うことが可能となる。また、常に同じ有効位置が設定されるのであれば、当選した役と対応する絵柄が賭数に応じた有効位置にて所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させずとも、いずれかの有効位置で所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させればよく、予め記憶させる停止情報群の数を低減させることが可能となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
手段6.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記始動操作手段の有効な操作を確認する始動操作確認手段(主制御装置131の開始指令判定機能S606)を備え、該始動操作確認手段は、前記賭数設定手段が賭数の上限と同数の賭数を設定した後に前記始動操作手段の操作がなされたか否かを確認することを特徴とする遊技機。
手段6によれば、賭数の上限と同数の賭数が設定された場合にのみ始動操作手段の操作が有効と判定される。かかる構成とすることにより、賭数の上限の変更有無を問わず、始動操作手段の有効操作時すなわち遊技の開始時には常に同じ有効位置を設定することができる。この結果、設定された有効位置に応じて選択する停止情報群を変更する等の処理が不要となり、比較的簡単な構成で停止情報群選択手段による停止情報群の選択処理を行うことが可能となる。また、常に同じ有効位置が設定されるのであれば、当選した役と対応する絵柄が賭数に応じた有効位置にて所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させずとも、いずれかの有効位置で所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させればよく、予め記憶させる停止情報群の数を低減させることが可能となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記賭数上限決定手段は、前記特別遊技状態移行手段が遊技状態を前記特別遊技状態に移行させた場合、特別遊技状態が終了するまで賭数の上限を変更する決定を行うことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、遊技状態が特別遊技状態に移行した場合、この特別遊技状態が終了するまで賭数の上限が第2規定数に変更される。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。特別遊技状態下では常に規定数より少ない第2規定数の遊技媒体を受け入れさせて遊技を行えばよいからである。さらにいうと、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化する可能性がある。そこで、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段8.上記手段7において、前記特別遊技状態に移行してから前記特典付与手段が払い出した遊技媒体数を記憶する払出数記憶手段(主制御装置131の残獲得数カウンタ)と、該払出数記憶手段の記憶する値が予め定めた所定数(400枚)に達した場合に前記特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(主制御装置131のBB終了処理S1620)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、特別遊技状態は、特別遊技状態に移行してから払い出された遊技媒体数が所定数に達した場合に終了する。かかる構成とすることにより、遊技者の射幸心を過剰に煽ることを抑制しつつ、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、特別遊技状態下で規定数を第2規定数に変更することなく所定絵柄役の当選確率を高確率に変更する構成としても、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、特別遊技状態下における遊技媒体の払出数に上限が設けられている構成においては、特別遊技状態下で遊技者の獲得できる遊技媒体数が減少することに繋がる。そこで、賭数の上限を第2規定数に変更しつつ、設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させつつ、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段9.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記特別遊技状態下で所定の移行条件が成立した場合、特定回数(12回)の遊技が終了するか、又はその間に前記当選確率変更手段により当選確率が変更される所定絵柄役に当選して特典が付与される遊技が第2特定回数(8回)行われるまで、遊技状態を第2特別遊技状態(RBゲーム)に移行させる第2特別遊技状態移行手段(主制御装置131のRB開始処理機能S1605,S1616)を備え、前記賭数上限決定手段は、遊技状態が前記第2特別遊技状態に移行した場合に賭数の上限を前記第2規定数に変更する決定を行うことを特徴とする遊技機。
手段9によれば、特別遊技状態下で所定の移行条件が成立した場合、特定回数の遊技が終了するか、又はその間に当選確率の変更される所定絵柄役に当選して特典が付与される遊技が第2特定回数行われるまで、遊技状態が第2特別遊技状態に移行される。そして、第2特別遊技状態に移行した場合には賭数の上限が第2規定数に変更される。賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、第2特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化する可能性がある。そこで、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、第2特別遊技状態下で遊技者の獲得できる遊技媒体数が減少することを抑制しつつ、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段10.上記手段9において、前記移行条件が成立したか否かを判定する移行条件判定手段を備え、該移行条件判定手段は、遊技状態が前記通常遊技状態から前記特別遊技状態に移行した場合、又は前記第2特別遊技状態が終了した場合に、前記移行条件が成立したと判定することを特徴とする遊技機。
手段10によれば、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に移行した場合と第2特別遊技状態が終了した場合に、遊技状態が第2特別遊技状態に移行する。つまり、特別遊技状態下では常に第2特別遊技状態に移行している。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。特別遊技状態下では常に規定数より少ない第2規定数の遊技媒体を受け入れさせて遊技を行えばよいからである。
手段11.上記手段9又は手段10において、前記特別遊技状態に移行してから前記特典付与手段が払い出した遊技媒体数を記憶する払出数記憶手段(主制御装置131の残獲得数カウンタ)と、該払出数記憶手段の記憶する値が予め定めた所定数(400枚)に達した場合に前記特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(主制御装置131のボーナスゲーム終了処理機能S1614,S1615,S1619,S1620)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、特別遊技状態に移行してから払い出された遊技媒体数が所定数に達した場合、特別遊技状態と第2特別遊技状態が共に終了する。かかる構成とすることにより、遊技者の射幸心を過剰に煽ることを抑制しつつ、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、特別遊技状態下で規定数を第2規定数に変更することなく所定絵柄役の当選確率を高確率に変更する構成としても、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、特別遊技状態下における遊技媒体の払出数に上限が設けられている構成においては、特別遊技状態下で遊技者の獲得できる遊技媒体数が減少することに繋がる。そこで、賭数の上限を第2規定数に変更しつつ、設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させつつ、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段12.上記手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、前記特典付与手段は、少なくとも前記当選確率変更手段により当選確率が変更される所定絵柄役に当選し、前記有効位置に当該所定絵柄が所定の組合せを形成した場合に、1度に払出可能な最大数の遊技媒体を払い出すことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で当選確率が変更された所定絵柄役に当選し、有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成した場合、1度に払出可能な最大数の遊技媒体が払い出される。かかる構成とすることにより、遊技者は所有する遊技媒体の減少を抑制させつつ最大数の遊技媒体払出を受けることが可能となる。故に、規定数の遊技媒体を受け入れさせて遊技を行った場合と比して遊技者はより多くの遊技媒体を獲得することが可能となり、特別遊技状態下でより多くの遊技媒体を獲得したいという遊技者の要求を満足させることが可能となる。
手段13.上記手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記停止情報群選択手段は、前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更すると共に前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、前記賭数設定手段が前記規定数を賭数として設定した場合と同じ停止情報群を選択することを特徴とする遊技機。
手段13によれば、賭数の上限が第2規定数に変更されて第2規定数が賭数として設定された場合と、規定数が賭数として設定された場合とでは、同じ停止情報群が選択される。つまり、規定数が賭数として設定された場合に用いられる停止情報群が、賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも共通使用される。かかる構成とすることにより、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
手段14.上記手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記第2規定数は1であることを特徴とする遊技機。
手段14によれば、賭数の上限が変更された場合、遊技者は1の遊技媒体を受け入れさせて遊技を開始すればよい。つまり、遊技者は遊技媒体の減少を最小限に留めつつ遊技を行うことができる。故に、遊技者は特別遊技状態下で多くの遊技媒体を獲得することが可能となり、より多くの遊技媒体を獲得したいという遊技者の要望を満足させつつ、記憶容量が増大化することを抑制すると共に遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
手段15.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部(3個)の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技媒体(メダル,仮想メダル)を受け入れる受入手段(主制御装置131の投入メダル検出センサ75a及びクレジット投入検出センサ77a〜79a確認処理機能S207)と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数(3枚)を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置131のメダル投入処理機能)と、
該賭数設定手段が複数を賭数として設定した場合に、前記表示窓から視認できる視認範囲に複数の有効位置(有効ライン)を設定する有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1706,S1711)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の有効な操作に基づき、前記賭数設定手段の設定した賭数に基づいた当選確率で所定絵柄役(小役)及び特定絵柄役(BB役)等の役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記停止操作手段の操作タイミングと前記視認範囲に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群(スベリテーブル)を予め複数記憶する停止情報群記憶手段(主制御装置131のROM152)と、
前記複数の停止情報群から役の抽選結果に基づいた停止情報群を選択する停止情報群選択手段(主制御装置131のスベリテーブル設定処理機能S708及びスベリテーブル変更処理機能S904,S913)と、
該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段(主制御装置131のスベリテーブル格納エリア153b)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるように、且つ、前記停止操作手段の操作と前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて、対応する周回体の周回を停止させるように前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記役の抽選結果が所定絵柄役当選であって前記有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)と、
前記役の抽選結果が特定絵柄役当選であって前記有効位置に特定絵柄(BB図柄)が所定の組合せを形成して停止した場合、所定の終了条件が成立するまで遊技状態を通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理機能)と
を備えた遊技機において、
遊技状態が前記特別遊技状態である場合に、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記規定数より少ない第2規定数(1枚)に変更することを決定する賭数上限決定手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1605,S1616)と、
該賭数上限決定手段が賭数の上限を前記第2規定数と決定した場合、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記第2規定数に変更する賭数上限変更手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1607)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更し、前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、賭数が前記規定数の場合に前記有効位置設定手段が設定する有効位置と同じ位置に有効位置を設定する第2有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1707,S1713)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率を、通常遊技状態下における前記所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更する当選確率変更手段(主制御装置131の抽選テーブル選択処理機能S703)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、遊技状態が特別遊技状態である場合、賭数の上限が規定数から該規定数より少ない第2規定数に変更されることがある。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから所定の終了条件が成立するまでの間、遊技者が所有する遊技媒体の減少を抑制させつつ多くの特典を付与することが可能となる。また、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数である場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置が設定され、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率が、通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更される。通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように所定絵柄役の当選確率を変更することにより、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役を設定せずとも高確率で遊技者に特典を付与することが可能となる。加えて、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役と対応する絵柄を各周回体に付す必要が生じないため、各周回体の絵柄配列を多様化させることが可能となり、絵柄配列に関する設計自由度を高めることが可能となる。さらに、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置を設定する構成とすることにより、所定絵柄を停止させる有効位置を停止操作手段の操作タイミングに応じて変化させることができる。故に、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。さらにまた、かかる構成とした場合、通常遊技状態下で所定絵柄役に当選した場合に選択される停止情報群を賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも用いることが可能となる。故に、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に用いるための停止情報群を別途記憶させておくことや、賭数の上限が第2規定数に変更された場合を想定して停止情報群を設定することが不要となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機を設計する場合の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
なお、上記手段2乃至手段14の特徴的構成を手段15に適用することもでき、かかる場合には相乗効果が期待できる。
手段16.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部(3個)の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技媒体(メダル,仮想メダル)を受け入れる受入手段(主制御装置131の投入メダル検出センサ75a及びクレジット投入検出センサ77a〜79a確認処理機能S207)と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数(3枚)を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置131のメダル投入処理機能)と、
該賭数設定手段の設定した賭数が多いほど前記表示窓から視認できる視認範囲に多くの有効位置(有効ライン)を設定する有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1706,S1711)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の有効な操作に基づき、前記賭数設定手段の設定した賭数に基づいた当選確率で所定絵柄役(ベル役等)や規定絵柄役(チェリー役)、特定絵柄役(BB役)等の役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記停止操作手段の操作タイミングと前記視認範囲に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群(スベリテーブル)を予め複数記憶する停止情報群記憶手段(主制御装置131のROM152)と、
前記複数の停止情報群から役の抽選結果に基づいた停止情報群を選択する停止情報群選択手段(主制御装置131のスベリテーブル設定処理機能S708及びスベリテーブル変更処理機能S904,S913)と、
該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段(主制御装置131のスベリテーブル格納エリア153b)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるように、且つ、前記停止操作手段の操作と前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて、対応する周回体の周回を停止させるように前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記役の抽選結果が所定絵柄役当選であって前記有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)と、
前記役の抽選結果が規定絵柄役当選であって、前記複数の周回体のうち予め定めた1の規定周回体(左リール42L)に付された規定絵柄(「チェリー」図柄)が前記有効位置に停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する第2特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)と、
前記役の抽選結果が特定絵柄役当選であって前記有効位置に特定絵柄(BB図柄)が所定の組合せを形成して停止した場合、所定の終了条件が成立するまで遊技状態を通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理機能)と
を備えた遊技機において、
遊技状態が前記特別遊技状態である場合に、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記規定数より少ない第2規定数(1枚)に変更することを決定する賭数上限決定手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1605,S1616)と、
該賭数上限決定手段が賭数の上限を前記第2規定数と決定した場合、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記第2規定数に変更する賭数上限変更手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1607)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更し、前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、賭数が前記規定数の場合に前記有効位置設定手段が設定する有効位置と同じ位置に有効位置を設定する第2有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1707,S1713)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率を、通常遊技状態下における前記所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更する当選確率変更手段(主制御装置131の抽選テーブル選択処理機能S703)と
を備え、
前記規定周回体には、前記規定絵柄と、前記当選確率変更手段により当選確率を高確率に変更される所定絵柄役(ベル役)と対応する所定絵柄(「ベル」図柄)と、が隣接する箇所を有するように前記複数種の絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、遊技状態が特別遊技状態である場合、賭数の上限が規定数から該規定数より少ない第2規定数に変更されることがある。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから所定の終了条件が成立するまでの間、遊技者が所有する遊技媒体の減少を抑制させつつ多くの特典を付与することが可能となる。また、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数である場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置が設定され、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率が、通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更される。通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように所定絵柄役の当選確率を変更することにより、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役を設定せずとも高確率で遊技者に特典を付与することが可能となる。加えて、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役と対応する絵柄を各周回体に付す必要が生じないため、各周回体の絵柄配列を多様化させることが可能となり、絵柄配列に関する設計自由度を高めることが可能となる。さらに、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置を設定する構成とすることにより、所定絵柄を停止させる有効位置を停止操作手段の操作タイミングに応じて変化させることができる。故に、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。さらにまた、かかる構成とした場合、通常遊技状態下で所定絵柄役に当選した場合に選択される停止情報群を賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも用いることが可能となる。故に、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に用いるための停止情報群を別途記憶させておくことや、賭数の上限が第2規定数に変更された場合を想定して停止情報群を設定することが不要となる。
さらに、規定周回体には、規定絵柄と、当選確率が高確率に変更される所定絵柄役と対応する所定絵柄と、が隣接する箇所を有するように複数種の絵柄が配置されている。かかる絵柄配列の場合、遊技者の優位性を確保するためには、規定数が賭数として設定された状況下である有効位置に所定絵柄の組合せが形成されると共に他の有効位置に規定周回体の規定絵柄が停止することのないよう、所定絵柄の組合せを形成する有効位置を限定する必要がある。このため、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、このときに設定される有効位置が、規定数が賭数として設定された状況下で遊技者の優位性を確保しつつ所定絵柄の組合せを形成することが可能な有効位置でない場合、特別遊技状態下で用いるための停止情報群を別途記憶させる必要が生じる。これは、記憶容量の増大化が懸念されることとなる。また、規定絵柄と所定絵柄が隣接しないように規定周回体に複数種の絵柄を配置すれば、記憶容量の増大化を抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には規定周回体の絵柄配列に制約が生じることとなり、遊技機の設計自由度の低下が懸念されることとなる。
しかしながら、賭数の上限が第2規定数に変更された場合であっても賭数の上限が規定数の場合と同じ有効位置が設定される構成においては、上述した各懸念点を解消することが可能となる。故に、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
なお、ここに言う「遊技媒体の受入」とは、現実の遊技媒体を直接受入させることの他、遊技者が現実の遊技媒体として所有すべき遊技媒体を仮想的に貯留する仮想遊技媒体貯留手段(主制御装置131のクレジット機能)を備える構成においては、当該仮想遊技媒体を受入させることも含む。「遊技媒体の払い出し」についても、現実の遊技媒体を直接払い出す他、前記仮想遊技媒体貯留手段が仮想遊技媒体として貯留することも含む。以下も同じである。
手段17.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール42L,42M,42R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部(3個)の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技媒体(メダル,仮想メダル)を受け入れる受入手段(主制御装置131の投入メダル検出センサ75a及びクレジット投入検出センサ77a〜79a確認処理機能S207)と、
前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数(3枚)を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置131のメダル投入処理機能)と、
該賭数設定手段が複数を賭数として設定した場合に、前記表示窓から視認できる視認範囲に複数の有効位置(有効ライン)を設定する有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1706,S1711)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記始動操作手段の有効な操作に基づき、前記賭数設定手段の設定した賭数に基づいた当選確率で所定絵柄役(ベル役等)や規定絵柄役(チェリー役)、特定絵柄役(BB役)等の役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記停止操作手段の操作タイミングと前記視認範囲に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群(スベリテーブル)を予め複数記憶する停止情報群記憶手段(主制御装置131のROM152)と、
前記複数の停止情報群から役の抽選結果に基づいた停止情報群を選択する停止情報群選択手段(主制御装置131のスベリテーブル設定処理機能S708及びスベリテーブル変更処理機能S904,S913)と、
該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段(主制御装置131のスベリテーブル格納エリア153b)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるように、且つ、前記停止操作手段の操作と前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて、対応する周回体の周回を停止させるように前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記役の抽選結果が所定絵柄役当選であって前記有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)と、
前記役の抽選結果が規定絵柄役当選であって、前記複数の周回体のうち予め定めた1の規定周回体(左リール42L)に付された規定絵柄(「チェリー」図柄)が前記有効位置に停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する第2特典付与手段(主制御装置131の払出判定処理及びメダル払出処理機能、ホッパ装置91)と、
前記役の抽選結果が特定絵柄役当選であって前記有効位置に特定絵柄(BB図柄)が所定の組合せを形成して停止した場合、所定の終了条件が成立するまで遊技状態を通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態(BBゲーム)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理機能)と
を備えた遊技機において、
遊技状態が前記特別遊技状態である場合に、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記規定数より少ない第2規定数(1枚)に変更することを決定する賭数上限決定手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1605,S1616)と、
該賭数上限決定手段が賭数の上限を前記第2規定数と決定した場合、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記第2規定数に変更する賭数上限変更手段(主制御装置131のボーナスゲーム処理におけるS1607)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更し、前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、賭数が前記規定数の場合に前記有効位置設定手段が設定する有効位置と同じ位置に有効位置を設定する第2有効位置設定手段(主制御装置131の有効ライン設定処理機能S1707,S1713)と、
前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率を、通常遊技状態下における前記所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更する当選確率変更手段(主制御装置131の抽選テーブル選択処理機能S703)と
を備え、
前記規定周回体には、前記規定絵柄と、前記当選確率変更手段により当選確率を高確率に変更される所定絵柄役(ベル役)と対応する所定絵柄(「ベル」図柄)と、が隣接する箇所を有するように前記複数種の絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、遊技状態が特別遊技状態である場合、賭数の上限が規定数から該規定数より少ない第2規定数に変更されることがある。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから所定の終了条件が成立するまでの間、遊技者が所有する遊技媒体の減少を抑制させつつ多くの特典を付与することが可能となる。また、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数である場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置が設定され、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率が、通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更される。通常遊技状態下における所定絵柄役の当選確率より高確率となるように所定絵柄役の当選確率を変更することにより、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役を設定せずとも高確率で遊技者に特典を付与することが可能となる。加えて、特別遊技状態下でのみ当選し得る所定絵柄役と対応する絵柄を各周回体に付す必要が生じないため、各周回体の絵柄配列を多様化させることが可能となり、絵柄配列に関する設計自由度を高めることが可能となる。さらに、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技では、賭数が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置を設定する構成とすることにより、所定絵柄を停止させる有効位置を停止操作手段の操作タイミングに応じて変化させることができる。故に、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。さらにまた、かかる構成とした場合、通常遊技状態下で所定絵柄役に当選した場合に選択される停止情報群を賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも用いることが可能となる。故に、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に用いるための停止情報群を別途記憶させておくことや、賭数の上限が第2規定数に変更された場合を想定して停止情報群を設定することが不要となる。
さらに、規定周回体には、規定絵柄と、当選確率が高確率に変更される所定絵柄役と対応する所定絵柄と、が隣接する箇所を有するように複数種の絵柄が配置されている。かかる絵柄配列の場合、遊技者の優位性を確保するためには、規定数が賭数として設定された状況下である有効位置に所定絵柄の組合せが形成されると共に他の有効位置に規定周回体の規定絵柄が停止することのないよう、所定絵柄の組合せを形成する有効位置を限定する必要がある。このため、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、このときに設定される有効位置が、規定数が賭数として設定された状況下で遊技者の優位性を確保しつつ所定絵柄の組合せを形成することが可能な有効位置でない場合、特別遊技状態下で用いるための停止情報群を別途記憶させる必要が生じる。これは、記憶容量の増大化が懸念されることとなる。また、規定絵柄と所定絵柄が隣接しないように規定周回体に複数種の絵柄を配置すれば、記憶容量の増大化を抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には規定周回体の絵柄配列に制約が生じることとなり、遊技機の設計自由度の低下が懸念されることとなる。
しかしながら、賭数の上限が第2規定数に変更された場合であっても賭数の上限が規定数の場合と同じ有効位置が設定される構成においては、上述した各懸念点を解消することが可能となる。故に、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
手段18.上記手段16又は手段17において、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役として第1所定絵柄役と第2所定絵柄役を有し、前記停止情報群選択手段は、前記第1所定絵柄役に当選した場合、前記各停止操作手段の操作タイミングに関わらず第1所定絵柄が前記有効位置に所定の組合せを形成するよう停止情報群を選択し、前記第2所定絵柄役に当選した場合、前記各停止操作手段が所定の操作タイミングで操作された場合に第2所定絵柄が前記有効位置に所定の組合せを形成するよう停止情報群を選択し、前記当選確率変更手段は、前記第1所定絵柄役の当選確率を変更することを特徴とする遊技機。
手段18によれば、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役が複数設定されており、賭数の上限が第2規定数に変更された場合、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に所定の組合せを形成する第1所定絵柄役の当選確率が高確率となるように変更される。かかる構成とすることにより、特別遊技状態下で役の抽選に折角当選しているにも関わらず有効位置に所定の組合せが形成されない機会を低減させることが可能となる。この結果、特別遊技状態が終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、第1所定絵柄役に当選していれば各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に所定の組合せが形成される場合、遊技者が所定の図柄が有効位置に停止するよう狙って停止操作手段を操作する必要がないため、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技の単調化が懸念される。ところが、賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも賭数が規定数である場合に設定される有効位置と同じ位置に有効位置が設定されるため、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。故に、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
手段19.上記手段18において、前記各停止情報群に、前記周回体の周回を停止させる停止態様として、前記停止操作手段の操作タイミングで前記視認範囲に到達している到達絵柄をそのまま停止させる停止態様と、前記到達絵柄を前記周回体の周回する側に予め定めた絵柄数(1〜4図柄)分だけ移動させた後に停止させる停止態様と、のうち複数の停止態様を設定し、
前記有効位置に先に到達する第1所定絵柄と、前記有効位置に次に到達する同種の第1絵柄の間隔が、前記到達絵柄の移動できる最大絵柄数(4図柄)以下となるように、前記第1所定絵柄を前記各周回体に付したことを特徴とする遊技機。
手段19によれば、各周回体には、有効位置に先に到達する第1所定絵柄と、有効位置に次に到達する同種の第1所定絵柄の間隔が、到達絵柄の移動できる最大絵柄数以下となるように第1所定絵柄が付されている。かかる構成とすることにより、第1所定絵柄役に当選した場合には、各停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に第1所定絵柄を停止させることができ、所定の組合せを有効ライン上に形成させることができる。故に、特別遊技状態下で第1所定絵柄役に折角当選しているにも関わらず有効位置に所定の組合せが形成されない不具合を回避することが可能となり、特別遊技状態が終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。
手段20.上記手段16乃至手段19のいずれかにおいて、前記始動操作手段が操作された場合に当該操作が有効か否かを判定する始動操作判定手段(主制御装置131の開始指令判定機能S606)を備え、該始動操作判定手段は、前記賭数設定手段が賭数の上限と同数の賭数を設定した後の操作を有効と判定することを特徴とする遊技機。
手段20によれば、賭数の上限と同数の賭数が設定された場合にのみ始動操作手段の操作が有効と判定される。かかる構成とすることにより、賭数の上限の変更有無を問わず、始動操作手段の有効操作時すなわち遊技の開始時には常に同じ有効位置を設定することができる。この結果、設定された有効位置に応じて選択する停止情報群を変更する等の処理が不要となり、比較的簡単な構成で停止情報群選択手段による停止情報群の選択処理を行うことが可能となる。また、常に同じ有効位置が設定されるのであれば、当選した役と対応する絵柄が賭数に応じた有効位置にて所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させずとも、いずれかの有効位置で所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させればよく、予め記憶させる停止情報群の数を低減させることが可能となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
手段21.上記手段16乃至手段19のいずれかにおいて、前記始動操作手段の有効な操作を確認する始動操作確認手段(主制御装置131の開始指令判定機能S606)を備え、該始動操作確認手段は、前記賭数設定手段が賭数の上限と同数の賭数を設定した後に前記始動操作手段の操作がなされたか否かを確認することを特徴とする遊技機。
手段21によれば、賭数の上限と同数の賭数が設定された場合にのみ始動操作手段の操作が有効と判定される。かかる構成とすることにより、賭数の上限の変更有無を問わず、始動操作手段の有効操作時すなわち遊技の開始時には常に同じ有効位置を設定することができる。この結果、設定された有効位置に応じて選択する停止情報群を変更する等の処理が不要となり、比較的簡単な構成で停止情報群選択手段による停止情報群の選択処理を行うことが可能となる。また、常に同じ有効位置が設定されるのであれば、当選した役と対応する絵柄が賭数に応じた有効位置にて所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させずとも、いずれかの有効位置で所定の組合せを形成し得るように停止情報群を記憶させればよく、予め記憶させる停止情報群の数を低減させることが可能となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
手段22.上記手段16乃至手段21のいずれかにおいて、前記賭数上限決定手段は、前記特別遊技状態移行手段が遊技状態を前記特別遊技状態に移行させた場合、特別遊技状態が終了するまで賭数の上限を変更する決定を行うことを特徴とする遊技機。
手段22によれば、遊技状態が特別遊技状態に移行した場合、この特別遊技状態が終了するまで賭数の上限が第2規定数に変更される。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。特別遊技状態下では常に規定数より少ない第2規定数の遊技媒体を受け入れさせて遊技を行えばよいからである。さらにいうと、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化する可能性がある。そこで、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段23.上記手段22において、前記特別遊技状態に移行してから前記特典付与手段が払い出した遊技媒体数を記憶する払出数記憶手段(主制御装置131の残獲得数カウンタ)と、該払出数記憶手段の記憶する値が予め定めた所定数(400枚)に達した場合に前記特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(主制御装置131のBB終了処理S1620)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段23によれば、特別遊技状態は、特別遊技状態に移行してから払い出された遊技媒体数が所定数に達した場合に終了する。かかる構成とすることにより、遊技者の射幸心を過剰に煽ることを抑制しつつ、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、特別遊技状態下で規定数を第2規定数に変更することなく所定絵柄役の当選確率を高確率に変更する構成としても、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、特別遊技状態下における遊技媒体の払出数に上限が設けられている構成においては、特別遊技状態下で遊技者の獲得できる遊技媒体数が減少することに繋がる。そこで、賭数の上限を第2規定数に変更しつつ、設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させつつ、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段24.上記手段16乃至手段21のいずれかにおいて、前記特別遊技状態下で所定の移行条件が成立した場合、特定回数(12回)の遊技が終了するか、又はその間に前記当選確率変更手段により当選確率が変更される所定絵柄役に当選して特典が付与される遊技が第2特定回数(8回)行われるまで、遊技状態を第2特別遊技状態(RBゲーム)に移行させる第2特別遊技状態移行手段(主制御装置131のRB開始処理機能S1605,S1616)を備え、前記賭数上限決定手段は、遊技状態が前記第2特別遊技状態に移行した場合に賭数の上限を前記第2規定数に変更する決定を行うことを特徴とする遊技機。
手段24によれば、特別遊技状態下で所定の移行条件が成立した場合、特定回数の遊技が終了するか、又はその間に当選確率の変更される所定絵柄役に当選して特典が付与される遊技が第2特定回数行われるまで、遊技状態が第2特別遊技状態に移行される。そして、第2特別遊技状態に移行した場合には賭数の上限が第2規定数に変更される。賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で規定数より少ない有効位置を設定する従来構成の場合、第2特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化する可能性がある。そこで、賭数の上限が第2規定数に変更された場合に設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、第2特別遊技状態下で遊技者の獲得できる遊技媒体数が減少することを抑制しつつ、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段25.上記手段24において、前記移行条件が成立したか否かを判定する移行条件判定手段を備え、該移行条件判定手段は、遊技状態が前記通常遊技状態から前記特別遊技状態に移行した場合、又は前記第2特別遊技状態が終了した場合に、前記移行条件が成立したと判定することを特徴とする遊技機。
手段25によれば、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に移行した場合と第2特別遊技状態が終了した場合に、遊技状態が第2特別遊技状態に移行する。つまり、特別遊技状態下では常に第2特別遊技状態に移行している。かかる構成とすることにより、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。特別遊技状態下では常に規定数より少ない第2規定数の遊技媒体を受け入れさせて遊技を行えばよいからである。
手段26.上記手段24又は手段25において、前記特別遊技状態に移行してから前記特典付与手段が払い出した遊技媒体数を記憶する払出数記憶手段(主制御装置131の残獲得数カウンタ)と、該払出数記憶手段の記憶する値が予め定めた所定数(400枚)に達した場合に前記特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態を終了させる特別遊技状態終了手段(主制御装置131のボーナスゲーム終了処理機能S1614,S1615,S1619,S1620)とを備えたことを特徴とする遊技機。
手段26によれば、特別遊技状態に移行してから払い出された遊技媒体数が所定数に達した場合、特別遊技状態と第2特別遊技状態が共に終了する。かかる構成とすることにより、遊技者の射幸心を過剰に煽ることを抑制しつつ、特別遊技状態に移行してから終了するまでの間に遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、特別遊技状態下で規定数を第2規定数に変更することなく所定絵柄役の当選確率を高確率に変更する構成としても、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、特別遊技状態に移行した場合に表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、特別遊技状態下における遊技媒体の払出数に上限が設けられている構成においては、特別遊技状態下で遊技者の獲得できる遊技媒体数が減少することに繋がる。そこで、賭数の上限を第2規定数に変更しつつ、設定される有効位置を賭数の上限が規定数の場合に設定される有効位置と同じ位置とすることにより、遊技者の所有する遊技媒体をより多く増加させつつ、表示窓から視認可能な範囲に停止する絵柄配列が単調化することを抑制することが可能となる。
手段27.上記手段16乃至手段26のいずれかにおいて、前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、前記特典付与手段は、少なくとも前記当選確率変更手段により当選確率が変更される所定絵柄役に当選し、前記有効位置に当該所定絵柄が所定の組合せを形成した場合に、1度に払出可能な最大数の遊技媒体を払い出すことを特徴とする遊技機。
手段27によれば、賭数の上限が第2規定数に変更された状況下で当選確率が変更された所定絵柄役に当選し、有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成した場合、1度に払出可能な最大数の遊技媒体が払い出される。かかる構成とすることにより、遊技者は所有する遊技媒体の減少を抑制させつつ最大数の遊技媒体払出を受けることが可能となる。故に、規定数の遊技媒体を受け入れさせて遊技を行った場合と比して遊技者はより多くの遊技媒体を獲得することが可能となり、特別遊技状態下でより多くの遊技媒体を獲得したいという遊技者の要求を満足させることが可能となる。
手段28.上記手段16乃至手段27のいずれかにおいて、前記停止情報群選択手段は、前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更すると共に前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、前記賭数設定手段が前記規定数を賭数として設定した場合と同じ停止情報群を選択することを特徴とする遊技機。
手段28によれば、賭数の上限が第2規定数に変更されて第2規定数が賭数として設定された場合と、規定数が賭数として設定された場合とでは、同じ停止情報群が選択される。つまり、規定数が賭数として設定された場合に用いられる停止情報群が、賭数の上限が第2規定数に変更された場合にも共通使用される。かかる構成とすることにより、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
手段29.上記手段16乃至手段28のいずれかにおいて、前記第2規定数は1であることを特徴とする遊技機。
手段29によれば、賭数の上限が変更された場合、遊技者は1の遊技媒体を受け入れさせて遊技を開始すればよい。つまり、遊技者は遊技媒体の減少を最小限に留めつつ遊技を行うことができる。故に、遊技者は特別遊技状態下で多くの遊技媒体を獲得することが可能となり、より多くの遊技媒体を獲得したいという遊技者の要望を満足させつつ、記憶容量が増大化することを抑制すると共に遊技機の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
なお、以上の各手段を適用し得る遊技機として、「複数の絵柄からなる絵柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に絵柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより絵柄の変動が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与するようにし、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」といったスロットマシンとパチンコ機とが融合したタイプの遊技機なども挙げられる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト9番目)、「リーチ」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。遊技状態が通常ゲームである場合、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lと右リール42Rの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄及び「リーチ」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが所定数投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。詳細は後述するが、主制御装置131は、現在の遊技状態やゲームの進行状況等を把握させるための各種コマンドを表示制御装置111に対して送信する。表示制御装置111は、主制御装置131から受信したコマンドに基づいて、現在の遊技状態やゲームの進行状況等に即した表示演出を行うべく、独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、当選確率の設定を行う際に使用される設定情報格納エリア153a、BBゲーム等の遊技状態やBBゲーム時に用いる各種データを記憶するためのBB情報格納エリア153b、毎回のゲームで使用する各種データを記憶するための遊技情報格納エリア153c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図31のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された投入メダル検出センサ75aや払出検出センサ91a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、後述する開始コマンドや状態コマンド等の各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等に上部ランプ13等を用いてエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS602では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、打ち止め及び自動精算の設定状態をRAM153に格納し、表示制御装置111等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置111等の初期化が終了した場合、ステップS603〜ステップS612に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS603では、RAM153の遊技情報格納エリア153cに格納されたデータ(例えば前回のゲームで用いた乱数値等)をクリアし、続くステップS604では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回のゲームで再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行うと共に、投入完了コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入完了コマンドとは、自動投入の完了を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、自動投入処理では、クレジット表示部35に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回のゲームで再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回のゲームを行うことができる。再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS207にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合には上述した動作禁止処理S414〜S416を行ってエラーの発生を報知する。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ80が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ80が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行うと共に精算コマンドをセットする。ここで、精算コマンドとは、クレジットされた仮想メダルの返却を行っていることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ80が操作されていない場合には、メダルの投入又はクレジット投入スイッチ77〜79の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行うと共に、投入コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入コマンドとは、ベット行為がなされたことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
開始待ち処理の終了後、ステップS605ではメダルのベット数が最大数に達しているか否かを判定し、最大数に達している場合にはさらにステップS606にてスタートレバー71が操作されて開始指令が発生したか否かを判定する。ベット数が最大数に達していない場合又は開始指令が発生していない場合には、ステップS604の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
開始指令が発生した場合にはステップS607に進み、メダル通路切替ソレノイド83を非励磁状態に切り替えてベットの受付を禁止し、続くステップS608にて開始コマンドをセットする。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。その後、ステップS609の抽選処理、ステップS610のリール制御処理、ステップS611のメダル払出処理、ステップS612のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS603に戻る。
なお、通常処理では、投入完了コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであり、表示制御装置111に対してコマンドを送信しない。表示制御装置111へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210にて行われる。
次に、ステップS609の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS701では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を作成する。具体的には、スタートレバー71が操作されると、ハードがその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする。CPU151は、スタートレバー71の操作を確認した後、ハードがラッチした値をRAM153の遊技情報格納エリア153cに格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー71が操作されたタイミングで乱数を作成することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本実施形態のハードは、スタートレバー71が操作される毎にその時点のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
ステップS702では、スロットマシン10の現在の設定状態や遊技状態等に基づき、当否判定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定1」の通常状態下で選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常状態下では、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の入賞が発生し得る(図8参照)ため、1〜5の5つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBB役と対応するポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS703ではインデックス値IVを1とし、続くステップS704では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS701にて作成した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS705ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS706にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了後(S603)にリセットされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
ステップS705にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS707にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS708ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS704に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS704では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS705では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルが選択された場合、BB当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、小役当選確率は約6.3分の1である。小役当選確率についてより詳しくは、ベル当選確率は約7.0分の1、チェリー及びスイカ当選確率は128分の1である。
ステップS706にて当選フラグをセットした後、又はステップS708にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS709及びステップS710にて設定値コマンドと抽選結果コマンドをセットする。ここで、設定値コマンドとは、現在の設定値を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
その後、ステップS711にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、1つのスベリテーブルに必要なデータ量を低減させることが可能となる。この結果、記憶容量に制限のあるスロットマシンにおいて、種々のスベリテーブルを記憶させておくことが可能となり、停止出目を多様化させることが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
図18は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは滑り数が0の図柄が下ライン上に到達するまで滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数2、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図19に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号を、遊技情報格納エリア153cに設けられた当選番号格納エリアにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルを、遊技情報格納エリア153cに設けられたスベリテーブル格納エリアにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図18に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って8番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの4番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って7番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、8番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、8番の「リプレイ」図柄又は9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番の「スイカ」図柄から9番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番の「スイカ」図柄から5番の「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。本スロットマシン10では、かかる「スイカ」図柄の他、「7」図柄及び「チェリー」図柄についても5図柄分以上離れた区間を設定している。つまり、スイカ入賞、BB入賞、チェリー入賞については、ストップスイッチの押されたタイミングによって取りこぼしが発生し得る。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付された図柄の配列順序を、図7の左リール42Lを参照しながら説明する。
小役入賞となる図柄の組合せを形成する「ベル」図柄と、再遊技入賞となる図柄の組合せを形成する「リプレイ」図柄は、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。例えば、7番の「ベル」図柄と10番の「ベル」図柄との間は2図柄離れるようにして、2番の「ベル」図柄と7番の「ベル」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。同様に、8番の「リプレイ」図柄と11番の「リプレイ」図柄との間は2図柄離れるようにして、3番の「リプレイ」図柄と8番の「リプレイ」図柄との間は4図柄離れるようにして配置されている。このように、「ベル」図柄と「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。左リール42Lは、左ストップスイッチ72の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又はリプレイ当選フラグがセットされていれば「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させることができる。具体的には、ベル当選フラグがセットされている状況下で11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達するタイミング、すなわち「ベル」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合であっても、左リール42Lを4図柄分滑らせることにより、15番の「ベル」図柄を下ライン上に停止させることができる。
一方、小役入賞となる図柄の組合せを形成する「スイカ」図柄は、9番の位置に1つだけ配置されている。従って、「スイカ」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、同一の「スイカ」図柄すなわち9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「スイカ」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、10番の「ベル」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって8番の「リプレイ」図柄までの間に、「スイカ」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。なお、下ライン上に「スイカ」図柄を停止させるためには、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されなければならないが、表示窓32Lから3個の図柄が視認可能であって、各位置について有効ラインが設定される構成においては、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作されたとしても、9番の「スイカ」図柄を上ライン上に停止させることができる。
「チェリー」図柄は、5番と13番の2カ所に配置されている。従って、5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが8図柄分回転する必要がある。同様に、13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達してから次に5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが13図柄分回転する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「チェリー」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。換言すれば、所定のタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合に限って「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができるよう、6番の「リーチ」図柄から12番の「チャンス」図柄までの間と、14番の「青年」図柄から左リール42Lの回転する側に向かって4番の「チャンス」図柄までの間に、「チェリー」図柄が配置されない非配置区間を形成したとも言える。ちなみに、「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させるためには、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。
さらに、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、3図柄分離れるようにして配置されている。すなわち、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄は、5図柄の範囲内に配置されている。これは、リールの停止態様として5パターンを有するスロットマシン10において、小役入賞及び再遊技入賞の全てに対応できる位置を設定するための工夫であり、左ストップスイッチ72の操作タイミングをより限定するための工夫である。換言すれば、5番の「チェリー」図柄から9番の「スイカ」図柄までの間と、9番の「スイカ」図柄から13番の「チェリー」図柄までの間に、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄を有効ライン上に停止させることができる区間を形成したとも言える。また、かかる構成においては、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄のいずれか一方の図柄が有効ライン上に停止した場合、他方の図柄は有効ライン上に停止しない。従って、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄と「チェリー」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。「スイカ」図柄と「チェリー」図柄が共に有効ライン上に停止する図柄配列とした場合、最初に左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合に、役の複合が発生しないよう例えば停止位置を限定する等の制御が必要となり、複数のスベリテーブルを予め用意する必要が生じるからである。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リール42Lの「チェリー」図柄が下ライン上に停止する場合のように、複数の入賞が同時に発生する場合をいう。
加えて、「チェリー」図柄の上下には、入賞と関与しない無特典図柄としての「チャンス」図柄、「リーチ」図柄、「青年」図柄が配置されている。これは、「ベル」図柄等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄とで役の複合が発生することを抑制するための工夫であり、かかる構成とすることにより、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を低減させることが可能となる。全リール42L,42M,42Rが回転している状況下で左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合、役の複合を回避させるべく例えば「ベル」図柄等の組合せ図柄の停止する有効ラインを限定する必要が生じるが、「チェリー」図柄と少なくとも1図柄分離れて配置されているため、停止させる位置に制約を受けることを抑制することが可能となり、予め用意するスベリテーブル数の増加を抑制することが可能となるからである。この他、「7」図柄の上流側には「青年」図柄が配置されており、20番の「リプレイ」図柄と2番の「ベル」図柄との間には無特典図柄としての「ラッキー」図柄が配置されている。これら無特典図柄は、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。仮に特典と関与する図柄のみからなる図柄配列とした場合、本実施形態では5種類の図柄しか各リール42L,42M,42Rに配置することができず、停止出目が単調化する可能性があるからである。ちなみに、9種類の図柄全てを特典と関与する図柄とした場合、各リール42L,42M,42Rの滑り数が予め決められている中で、取りこぼしの発生する頻度が高まることが懸念される。
以上の通り、「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄は、左ストップスイッチ72が如何なるタイミングで操作された場合であっても有効ライン上に停止させることができる。「スイカ」図柄は、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。「チェリー」図柄は、20番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから13番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72が操作されれば、有効ライン上に停止させることができる。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから5番の「チェリー」図柄が下ライン上に到達するまでの間、又は7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達してから9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。換言すれば、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72が操作されれば、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させることができるとも言える。
状態移行図柄としての「7」図柄は、17番の位置に1つだけ配置されている。従って、例えば「7」図柄が下ライン上に到達してから次に下ライン上に到達するまでには、左リール42Lが20図柄分回転する必要がある。つまり、左リール42Lの場合、「7」図柄が下ライン上に到達するためには、同一の「7」図柄すなわち17番図柄たる「7」図柄が下ライン上に到達する必要がある。但し、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、「7」図柄が下ライン上を通過した後のタイミングでストップスイッチ72が操作された場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。「7」図柄を有効ライン上に停止させるためには、11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達してから17番の「7」図柄が下ライン上に到達するまでの間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。一方、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるためには、5番の「チェリー」図柄又は9番の「スイカ」図柄が有効ライン上に到達している間に左ストップスイッチ72を操作する必要がある。つまり、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべく左ストップスイッチ72を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない。「7」図柄は、5番の「チェリー」図柄に対して左リール42Lの回転する上流側に11図柄分離れると共に下流側に8図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄に対して上流側に7図柄分離れると共に下流側に12図柄分離れているからである。
また、「7」図柄は、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄の非配置区間に配置されているとも言える。具体的に説明すると、「7」図柄は、13番の「チェリー」図柄から3図柄分離れており、9番の「スイカ」図柄から7図柄分離れており、5番の「チェリー」図柄から11図柄分離れている。また、5番の「チェリー」図柄は、「7」図柄から8図柄分離れている。従って、「7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しない。かかる構成とすることにより、所定のタイミングで左ストップスイッチ72を操作しなければ有効ライン上に停止しない「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄と「7」図柄で役の複合が発生することを回避でき、予め用意するスベリテーブル数を削減することが可能となると共に、主制御装置131の記憶容量を軽減させることが可能となる。
なお、中リール42M及び右リール42Rについても、小役入賞及び再遊技入賞となる各図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には「7」図柄が有効ライン上に停止せず、「7」図柄を有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ73,74を操作した場合には、小役入賞及び再遊技入賞となる図柄のいずれかが有効ライン上に停止しない図柄配列となっている。但し、中リール42M及び右リール42Rについては、「チェリー」図柄が入賞と関与しない無特典図柄であるため、有効ライン上に停止させるべく所定のタイミングでストップスイッチ73,74を操作する必要のある図柄は、「スイカ」図柄と「7」図柄である。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号を遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルを遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。さらに、他の当選フラグが小役当選フラグたるベル当選フラグである場合には、上述した設定に加えて、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能であれば「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS610のリール制御処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図7の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、図21のフローチャートに示すように、ステップS1001にて前回のゲームでリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認する。経過していない場合にはステップS1002にてウエイト待ちコマンドをセットすると共に、ウエイト時間が経過するまで待機する。ここで、ウエイト待ちコマンドとは、ウエイト時間を経過していないことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ウエイト時間が経過した場合には、ステップS1003にて次回のゲームのためのウエイト時間を再設定する。その後、ステップS1004ではウエイト終了コマンドをセットし、続くステップS1005では、タイマ割込み処理のカウンタ処理S209にて外部集中端子板171へ出力するメダルのベット数をセットする。ここで、ウエイト終了コマンドとは、ウエイト時間が経過したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ステップS1006では、遊技情報格納エリア153cに設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S206にてステッピングモータ61L〜61Rの加速処理が開始され、各リール42L,42M,42Rが回転を開始する。このため、遊技者が最大数のメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。
ステップS1007では、回転情報コマンドをセットする。ここで、回転情報コマンドとは、各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく送信されるコマンドである。ステップS1008では、各リール42L,42M,42Rが所定の回転速度で定速回転しているか否かを判定し、定速回転していない場合には各リール42L,42M,42Rが定速回転するまで待機する。その後、各リール42L,42M,42Rが定速回転となった場合にはステップS1009に進み、定速回転コマンドをセットして本処理を終了する。ここで、定速回転コマンドとは、各リール42L,42M,42Rの回転速度が一定となったことを表示制御装置111に把握させるべく送信されるコマンドである。また、CPU151は、各リール42L,42M,42Rが定速回転となった場合、各ストップスイッチ72〜74の図示しないランプを点灯表示することにより、停止操作が可能となったことを遊技者等に報知する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
スベリテーブル第1変更処理では、図22のフローチャートに示すように、ステップS1101にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第1停止指令であるため、ステップS1102〜ステップS1108に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1102にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1103では、操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ72か否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作されていた場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルをセットしているためである。さらにいうと、かかるスベリテーブルに基づいて左リール42Lの停止制御を行った場合、当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ライン上に停止する。したがって、左ストップスイッチ72が最初に操作された場合には、上ライン、下ライン、右上がりライン、右下がりラインのいずれかで入賞が成立することとなり、中ライン上では入賞が成立しない。
一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序(すなわち左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73→右ストップスイッチ74の順序)と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1104に進み、遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1105では、確認した当選番号から再遊技に当選しているか否かを把握する。具体的には、確認した当選番号が、再遊技当選を意味する第1当選番号又は再遊技当選とBB当選を意味する第2当選番号か否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1106に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、再遊技入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。ここで、入賞確定用スベリテーブルとは、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生を回避するためのスベリテーブルである。
図23は、再遊技当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止し、中リール42Mの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止し、右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止するように設定されている。すなわち、再遊技当選時の入賞確定用スベリテーブルは、再遊技入賞が右下がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつ再遊技入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、再遊技入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「リプレイ」図柄が下ライン上に停止している状況下で左リール42Lの3番図柄たる「リプレイ」図柄を下ライン上に停止させた場合、上ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、再遊技入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理において再遊技とチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には右下がりライン上に再遊技入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつ再遊技入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1105にて再遊技当選していないと判定した場合、ステップS1107にてベル当選のみしているか否か、具体的にはステップS1104にて確認した当選番号がベル当選を意味する第1当選番号と一致するか否かを確認する。そして、ベルにのみ当選していた場合、上述したステップS1106に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ベル入賞を成立させるための入賞確定用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
図24は、ベル当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、左リール42Lの「ベル」図柄が下ライン上に停止し、中リール42Mの「ベル」図柄が中ライン上に停止し、右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止するように設定されている。すなわち、ベル当選時の入賞確定用スベリテーブルは、ベル入賞が右上がりライン上に成立するように設定されている。これは、役の複合が発生することを回避させつつベル入賞を成立させるための工夫である。左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、ベル入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が上ライン上に停止している状況下で左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄を上ライン上に停止させた場合、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。そこで、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には右上がりライン上にベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルをセットすることにより、役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることが可能となる。
ステップS1107にて否定判定をした場合、すなわちBB等の再遊技とベル以外の役に当選した場合又はいずれの役にも当選していない場合には、ステップS1108に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと一義的に対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lに複数設定されたスベリテーブルから、操作されたストップスイッチと対応するリールに複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、取りこぼしの発生頻度を低減させるための工夫である。図18に示すスベリテーブルを例に説明すると、例えば中リール42Mの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作された場合、かかるスベリテーブルでは12番の「青年」図柄が下ライン上に停止し、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて中リール42Mを停止させた場合、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、スイカ入賞を取りこぼしてしまうこととなる。そこで、かかる不具合の発生を抑制すべく、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合には、変則押し用スベリテーブルに変更することとしている。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS910では、現在の各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく回転情報コマンドをセットし、ステップS911では停止図柄コマンドをセットする。ここで、停止図柄コマンドとは、表示窓から視認可能な範囲(上段、中段、下段)に停止した図柄を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。そして、ステップS912では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第1停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS911の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中である。かかる場合にはステップS912にて否定判定を行い、続くステップS913にてスベリテーブル第2変更処理を行う。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図25のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1201にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1202に進み、遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1203では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1204にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1205では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致している場合にはステップS1206に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。本スロットマシン10では、スベリテーブル設定処理にてセットされるスベリテーブルと同様、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置を複数設定されたスベリテーブルが、中リール42M及び右リール42Rについてもそれぞれ用意されている。そして、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が回転中の他のリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。これは、停止出目が単調化することを抑制するための工夫である。
例えば図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、左リール42Lの「スイカ」図柄は上ライン又は下ライン上に停止する一方、中リール42Mの「スイカ」図柄は中ライン上にしか停止しない。ところが、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく上ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。同様に、左リール42Lの「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ラインではなく下ライン上に停止してもスイカ入賞の成立する余地が残る。つまり、図18に示すスベリテーブルに基づいて左リール42Lと中リール42Mを停止させる構成とした場合、中リール42Mの停止出目が過剰に制約を受けることとなる。そこで本スロットマシン10では、停止したリールの停止図柄を確認し、確認結果に応じたライン変更用スベリテーブルに変更することとしている。具体的には、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止した場合、上ライン又は中ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。また、左リール42Lの9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止した場合、中ライン又は下ライン上に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するよう設定されたスベリテーブルに変更する。
ちなみに、本スロットマシン10では、停止図柄と変更図柄が一致した場合、以下に示すようなスベリテーブルに変更する。左リール42Lが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が中リール42Mについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、中リール42Mが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が右リール42Rについて複数設定されたスベリテーブルに変更し、右リール42Rが停止している場合、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が左リール42Lについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1203にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1207では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1204〜ステップS1206の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1208にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1301にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1302に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に停止しているか否かを判定する。例えば、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、17番図柄たる「7」図柄が上ライン上に停止することとなる。従って、第1停止指令に基づいて左リール42Lが停止した段階では、BB入賞、ベル入賞共に成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1303に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄及び「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが可能に設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更し、第1停止指令に基づいて中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止した場合、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。なお、これら同時成立用スベリテーブルは、「7」図柄と「ベル」図柄を共に有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「7」図柄を有効ライン上に停止させるように、さらに「7」図柄を有効ライン上に停止させることが不可能な場合、「ベル」図柄を有効ライン上に停止させるように設定されている。
ステップS1302において否定判定をした場合、続くステップS1304ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1305に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1304にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1306に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「ベル」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1301にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカ又はチェリーであることを意味する。かかる場合にはステップS1307に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が停止している場合にはステップS1308に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1307にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1309に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、BB以外の当選役と対応する図柄(「スイカ」図柄又は「チェリー」図柄)が有効ライン上に停止するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
以上のように、第1停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチのいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。いずれか1つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第2停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて否定判定を行い、ステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
スベリテーブル第1変更処理では、図22のフローチャートに示すように、ステップS1101にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定する。今回の停止指令は第2停止指令であるため、ステップS1109〜ステップS1114に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、ステップS1109にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1110に進み、第1停止指令及び第2停止指令がいずれのストップスイッチ72〜74に対してどのような順序でなされたかを確認する。続くステップS1111では、確認結果が左ストップスイッチ72→中ストップスイッチ73の順に操作される順押し操作であったか否かを判定し、順押し操作であった場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル第2変更処理において、左ストップスイッチ72が最初に操作された場合は次に中ストップスイッチ73が操作されることを想定したスベリテーブルに変更しているためであり、スベリテーブル第2変更処理においてスベリテーブルを変更していない場合であっても、先のスベリテーブル設定処理において中リール42Mの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するスベリテーブルをセットしているためである。
ステップS1111において順押し操作でないと判定した場合にはステップS1112に進み、第1停止指令に基づいて停止したリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1113では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定し、一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。停止図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1114に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。具体的には、第1停止指令に基づいて停止させたリールの停止図柄に応じて、当選フラグと対応する図柄の停止可能な位置が第2停止指令に基づいて停止させるリールについて複数設定されたスベリテーブルに変更する。例えば、スイカ当選フラグがセットされ、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上に停止している状況下で右ストップスイッチ74が第2停止指令として操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには右リール42Rの「スイカ」図柄を上ライン又は下ライン上に停止させればよい。そこで、左ストップスイッチ72→右ストップスイッチ74の順にストップスイッチが操作された場合には、右リール42Rの「スイカ」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。
スベリテーブル第1変更処理が終了した後、ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS910では、現在の各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく回転情報コマンドをセットし、ステップS911では、今回のリール停止処理により表示窓から視認可能な範囲に停止した図柄を把握させるべく停止図柄コマンドをセットする。そして、ステップS912では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第2停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS911の処理を行った場合、未だに1つのリールが回転中である。かかる場合にはステップS912にて否定判定を行い、続くステップS913にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図25のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1201にて現在セットされているスベリテーブルが入賞確定用スベリテーブルか否かを判定し、入賞確定用スベリテーブルである場合にはそのまま本処理を終了する。入賞確定用スベリテーブルでない場合にはステップS1202に進み、遊技情報格納エリア153cの当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1203では確認した当選番号が第2当選番号か否かを判定し、第2当選番号でないと判定した場合にはステップS1204にて現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1205では、各停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号とそれぞれ一致しているか否かを判定し、少なくとも一方が一致していない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。各停止図柄の図柄番号と各変更図柄の図柄番号が共に一致した場合にはステップS1206に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。例えば、スイカ当選フラグがセットされている状況下で左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン上、中リール42Mの「スイカ」図柄が中ライン上に停止した場合、右リール42Rの「スイカ」図柄が下ライン上に停止するスベリテーブルに変更する。
一方、ステップS1203にて肯定判定をした場合、すなわち確認した当選番号が第2当選番号であった場合、ステップS1207では、BB以外の当選が再遊技か否かを判定し、再遊技であった場合には上述したステップS1204〜ステップS1206の処理を行い、本処理を終了する。また、BB以外の当選が小役当選である場合には、ステップS1208にて第2当選番号時処理を行い、本処理を終了する。
第2当選番号時処理では、図26のフローチャートに示すように、ステップS1301にてBB以外の当選がベル当選か否かを判定する。ベル当選であった場合にはステップS1302に進み、BB入賞及びベル入賞が共に成立する可能性があるか否かを判定する。具体的には、現在停止している2つのリールの下ライン上に停止した各停止図柄の図柄番号を確認し、有効ライン上に「7」図柄と「ベル」図柄が共に並んで停止しているか否かを判定する。本実施形態では、左リール42Lの15番図柄たる「ベル」図柄、中リール42Mの14番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に停止しているか否かを判定している。これら各図柄が下ライン上に停止している場合、下ライン上に「ベル」図柄が並んで停止し、上ライン上に「7」図柄が並んで停止していることとなり、右リール42Rの停止結果によってBB入賞及びベル入賞のいずれも成立する可能性がある。かかる場合にはステップS1303に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、「7」図柄を上ライン上に停止させることが可能な場合には「7」図柄を上ライン上に停止させるように、且つ停止させることが不可能な場合には「ベル」図柄を下ライン上に停止させるように設定された同時成立用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1302において否定判定をした場合、続くステップS1304ではBB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1305に進み、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1304にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1306に進み、ベル入賞が成立するように設定されたベル入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
ステップS1301にてBB当選以外の当選役がベルでなかった場合には、当該当選役がスイカ又はチェリーであることを意味する。かかる場合にはステップS1307に進み、BB入賞の成立する可能性があるか否か、すなわち有効ライン上に「7」図柄が並んで停止しているか否かを判定する。有効ライン上に「7」図柄が並んで停止している場合にはステップS1308に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、BB入賞が成立するように設定されたBB入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、ステップS1307にてBB入賞の成立する可能性がないと判定した場合には、ステップS1309に進み、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、BB以外の当選役と対応する入賞が成立するように設定された小役入賞用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。
以上のように、第2停止指令に基づいて対応するリールを停止させると共にスベリテーブル第2変更処理を行うと、ステップS902に戻り、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて次の停止指令が発生するまで待機する。
ステップS902にて回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否かを判定する。2つのリールが停止しているときにストップスイッチが操作された場合、今回の停止指令は第3停止指令であることを意味する。かかる場合にはステップS903にて肯定判定を行い、スベリテーブル第1変更処理を行うことなくステップS905に進む。
ステップS905では、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS906では、遊技情報格納エリア153cのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。そして、ステップS912では、全てのリールが停止したか否かを判定する。第3停止指令に基づいて上述したステップS903〜ステップS911の処理を行った場合には、全てのリールが回転を停止している。かかる場合にはステップS912にて肯定判定を行い、ステップS914にて払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、図27のフローチャートに示すように、ステップS1401にて各リール42L,42M,42Rの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号から所定有効ライン上の図柄の組合せを導出し、ステップS1402にて入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合にはステップS1403に進み、入賞成立役が抽選処理にてセットされた当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、ステップS1404にて動作禁止処理を行い、エラーの発生を報知する。入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、ステップS1405にて入賞成立役をセットすると共に、ステップS1406にて遊技情報格納エリア153cの払出予定数格納エリアに入賞成立役と対応する払出数をセットする。その後、ステップS1407では全ての有効ラインについて払出判定が終了したか否かを判別し、終了していない場合にはステップS1401に戻る。つまり、本実施形態では、5ライン設定された各有効ラインについて入賞が成立しているか否かを順次判定する。
例えば、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合、上ラインに関するステップS1401〜ステップS1406の処理にて払出予定数として2がセットされ、右下がりラインに関するステップS1401〜ステップS1406の処理にて払出予定数として再度2がセットされる。この結果、左リール42Lの「チェリー」図柄が上ライン上に停止した場合には、払出予定数として4がセットされることとなり、後述するメダル払出処理にて4枚のメダル払出が行われる。
全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、ステップS1408にて入賞コマンドをセットすると共にステップS1409にて入賞ラインコマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、入賞コマンドとは、いずれの入賞が成立したかを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドであり、入賞ラインコマンドとは、入賞がいずれの有効ラインで成立したかを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
次に、ステップS611のメダル払出処理について、図28のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1501にて払出予定数格納エリアに格納された払出予定数が0か否かを判定する。払出予定数が0の場合、先の払出判定処理S914にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合にはステップS1502に進み、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、再遊技入賞が成立している場合には、ステップS1503にて遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行うと共に、ステップS1504にて再遊技コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、再遊技コマンドとは、次回のゲームが再遊技であることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、先に説明した開始待ち処理S604では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
ステップS1501にて払出予定数が0でない場合、ステップS1505では払出開始コマンドをセットする。ここで、払出開始コマンドとは、メダル払出を開始したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ステップS1506では、払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1507にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1508,S1510にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1511では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1507にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1509にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1510ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1511にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。
ステップS1511にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1506に戻る。ステップS1506で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1512にて払出終了コマンドをセットする。ここで、払出終了コマンドとは、メダル払出が終了したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。ステップS1513では、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1514にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行い、本処理を終了する。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1511の表示部変更処理にて行ってもよい。
次に、ステップS612のボーナスゲーム処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、1枚ベットのみが許容されるゲームであり、ベル図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりベル入賞成立の確率が非常に高いゲームである。つまり、本実施形態では、JACゲーム中の判定役としてJACを設定しておらず、JACゲーム中にのみ入賞成立となるJAC専用入賞を設定していない。
図30は、RBゲーム下で選択される抽選テーブルである。RBゲーム下で選択される抽選テーブルには、判定役として再遊技とBBが設定されておらず、RBゲームでは、通常ゲームと異なりBBと再遊技についての当否判定が行われない。また、チェリーとスイカのポイント値PVは通常ゲームと同じ値(すなわち512)が設定されているものの、ベルのポイント値PVは、通常ゲームの設定値が9362であるのに対してRBゲームでは64500と非常に高く設定されている。したがって、RBゲームに移行するとベルに当選する確率が非常に高くなり、ベル入賞はストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらず成立する入賞であるため、ベル入賞の成立する確率が非常に高くなる。ちなみに、図30に示す抽選テーブルが選択された場合、チェリー及びスイカには128分の1の確率で当選し、ベルには約1.02分の1の確率で当選する。また、いずれの役にも当選しない確率は約5460分の1である。したがって、RBゲームに移行すると、ほぼベル入賞が成立する。
このように、RBゲーム下では通常ゲームと異なる抽選テーブルを選択する一方、スベリテーブル設定処理及び各スベリテーブル変更処理では、通常ゲーム下と同様のスベリテーブルの設定及び変更を行う。つまり、RBゲーム下でベルに当選した場合、通常ゲーム下と同じスベリテーブルを設定する。
また、遊技状態がBBゲーム又はRBゲームに移行すると、図8に示すように、スイカ入賞、ベル入賞、チェリー入賞のいずれが成立した場合であっても最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。つまり、遊技状態が通常ゲームからボーナスゲームに移行した場合、いずれの入賞が成立した場合であっても最大枚数のメダルが払い出されるよう入賞成立時の払出枚数が変更される。
そして、ベル入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS1601にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS1602〜ステップS1606に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS1602にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1603に進み、払出判定処理S914にてセットした入賞成立役に基づいて、BB入賞が成立したか否かを判定する。BB入賞が成立したときには、ステップS1604においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをBB情報格納エリア153bにセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400をセットすると共に、残獲得枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS1605ではRB開始処理を行う。RB開始処理では、成立可能なベル入賞回数をカウントするための残ベル入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。なお、残獲得数カウンタや残ベル入賞カウンタ等の各カウンタは、BB情報格納エリア153bに設けられている。RB開始処理を行った後、ステップS1606では、RBゲームが開始されることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるRBコマンドをセットする。続くステップS1607では、ベット許容数に1をセットする。この結果、次回以降のゲームでは1枚ベットのみが許容される。
ステップS1608では、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、現在の遊技状態を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。すなわち、ステップS1602においてBB当選フラグがセットされていないと判定した場合には通常ゲームであることを意味する状態コマンドをセットし、ステップS1603においてBB入賞が成立していないと判定した場合にはBB持越しゲームであることを意味する状態コマンドをセットし、ステップS1606においてRBコマンドをセットした場合にはBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットする。続くステップS1609では、ゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。ゲーム数表示処理では、現在の遊技状態がBBゲーム(RBゲーム)でない場合、残獲得枚数表示部36や獲得枚数表示部37等の表示をクリアする処理等を行う。
ステップS1601で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS1610に進み、払出判定処理S914にてセットした入賞成立役に基づいて、ベル入賞が成立したか否かを判定する。ベル入賞が成立したときには、ステップS1611にて残ベル入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1610にてベル入賞が成立しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1612にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1613では残ベル入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりベル入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1614にて残ベル入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS1615では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1616にて先述したRB開始処理を行い、ステップS1617にてRBコマンドをセットする。その後、ステップS1608にてBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットすると共にステップS1609にてゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。
また、ステップS1613において残ベル入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりベル入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1618に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1608にてBBゲームであることを意味する状態コマンドをセットすると共にステップS1609にてゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1619〜ステップS1621に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS1619において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1620にてBB情報格納エリア153bのデータをクリアするBB終了処理を行う。続くステップS1621では、ベット許容数に3をセットする。また、前記ステップS1615にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1620にてBB終了処理を行うと共に、続くステップS1621にてベット許容数に3をセットする。従って、BBゲームが終了した以降の通常ゲームでは3枚ベットが許容される。ベット許容数に3をセットした後は、ステップS1608にて通常ゲームであることを意味する状態コマンドをセットすると共にステップS1609にてゲーム数表示処理を行い、本処理を終了する。
上述した通り、本実施形態では、遊技状態がBBゲーム(より詳しくはRBゲーム)に移行すると1枚ベットのみが許容される。そして、BBゲーム中に限り、メダルが1枚ベットされると有効ラインが5ライン設定される。そこで、開始待ち処理S604にて行われるメダル投入処理について図31のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS1701では、ベット数が最大か否かを判別する。すなわち、BB設定フラグのセット有無に基づいて現在の遊技状態を判別し、遊技状態が通常ゲームである場合にはベット数が3か否かを判別し、BBゲーム(RBゲーム)である場合にはベット数が1か否かを判別する。ベット数が最大の場合にはステップS1702にてメダルが投入されたか否かを判別し、投入されていない場合にはそのまま本処理を終了する。また、メダルが投入された場合にはステップS1703に進み、投入されたメダルを貯留記憶するクレジット処理を行って本処理を終了する。
ステップS1701においてベット数が最大でない場合には、ステップS1704にてメダルが1枚投入されたか否かを判別する。1枚投入された場合にはステップS1705に進み、現在の遊技状態がボーナスゲーム(BBゲーム)か否かを判別する。ボーナスゲームでない場合にはステップS1706に進み、ベット数に応じて有効ラインを設定し、本処理を終了する。すなわち、1枚のメダルもベットされていなければ中ラインを有効ラインとすべく第1有効ライン表示部32を点灯させ、1枚のメダルがベットされていれば上ライン及び下ラインを有効ラインとすべく第2有効ライン表示部33を点灯させ、2枚のメダルがベットされていれば右上がりライン及び右下がりラインを有効ラインとすべく第3有効ライン表示部34を点灯させる。一方、ボーナスゲームの場合には、ステップS1707にて5本全ての組合せラインを有効ラインとすべく各有効ライン表示部32〜34を点灯させ、本処理を終了する。
なお、メダルが複数枚連続して投入された場合には、上述したステップS1701〜ステップS1707の処理を投入された枚数分だけ繰り返し行う。
ステップS1704においてメダルが投入されていない場合には、ステップS1708にてベット操作がなされたか否か、すなわち第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押下操作されたか否かを判別する。ベット操作がなされていない場合にはそのまま本処理を終了する。ベット操作がなされた場合にはステップS1709に進み、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判別する。ボーナスゲームでない場合にはステップS1710に進み、クレジット表示部35に表示されている数値から押下操作されたクレジット投入スイッチと対応する数値を減算する。すなわち、第1クレジット投入スイッチ77が押下操作された場合にはクレジット表示部35に表示されている数値を1減算し、第2クレジット投入スイッチ78が押下操作された場合にはクレジット表示部35に表示されている数値を2減算し、第3クレジット投入スイッチ79が押下操作された場合にはクレジット表示部35に表示されている数値を3減算する。その後、ステップS1710では、クレジット表示部35から減算した数値に応じて有効ラインを設定し、本処理を終了する。すなわち、1減算した場合には中ラインを有効ラインとすべく第1有効ライン表示部32を点灯させ、2減算した場合には上ライン,中ライン,下ラインを有効ラインとすべく第1有効ライン表示部32と第2有効ライン表示部33を点灯させ、3減算した場合には5本の組合せライン全てを有効ラインとすべく各有効ライン表示部32〜34を点灯させる。一方、ステップS1709においてボーナスゲームと判別した場合には、ステップS1712にてクレジット表示部35に表示されている数値を1減算し、ステップS1713にて5本全ての組合せラインを有効ラインとすべく各有効ライン表示部32〜34を点灯させ、本処理を終了する。
なお、ステップS1708において第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押下操作されている場合であっても、仮想メダルが貯留記憶されていなければベット操作はなされていないと判別してそのまま本処理を終了する。また、ステップS1710において押下操作されたクレジット投入スイッチと対応する数の仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、投入可能な仮想メダル分だけ有効ラインの設定が行われる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
BBゲームに移行した場合とRBゲームが終了した場合にRB開始処理を行う構成とすることにより、BBゲームに移行した場合にはこのBBゲームが終了するまでRBゲームに移行させることが可能となる。この結果、BBゲームに移行した場合にベット許容数を3から1に変更することが可能となる。したがって、遊技者は、1枚のメダルをベットしてゲームを開始すればよく、BBゲーム下で自己の所有するメダルの減少を最小限に留めつつゲームを行うことができる。故に、遊技者はBBゲームで多くのメダルを獲得することが可能となり、より多くのメダルを獲得したいという遊技者の要望を満足させることが可能となる。
BBゲームでは、ベット許容数が1にも関わらず有効ラインが5ライン設定され、ベル当選確率が通常ゲーム下のベル当選確率より高確率に変更される構成とすることにより、従来必要とされたRBゲーム下でのみ当選し得るJAC役等の専用役を設定せずとも、高確率でベル入賞に基づくメダル払出を行うことが可能となる。また、JAC役と対応する図柄を各リール42L,42M,42Rに付す必要が生じないため、各リール42L,42M,42Rの図柄配列を多様化させることが可能となり、図柄配列に関する設計自由度を高めることが可能となる。加えて、ベット許容数が1にも関わらず有効ラインが5ライン設定される構成とすることにより、「ベル」図柄を停止させる有効ラインをストップスイッチ72〜74の操作タイミングに応じて変化させることができる。故に、従来のRBゲームのように入賞が常に中ライン上で成立する構成と比して停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。さらに、かかる構成においては、通常ゲーム下でベルに当選した場合に用いられるスベリテーブルをRBゲーム中にも使用することができる。故に、中ライン上でベル入賞を成立させるためのスベリテーブルを別途記憶させておくことや、スベリテーブル設定処理において通常ゲーム下とRBゲーム下で異なるスベリテーブルをセットする処理等を行うことが不要となる。本実施の形態の場合、左ストップスイッチ72を最初に操作されると中ライン以外の有効ライン上でベル入賞が成立し、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が最初に操作されると右上がりライン上でベル入賞が成立する。つまり、ベル入賞が中ライン上で成立しないため、RBゲームに移行すると中ラインが有効ラインとして設定される従来構成を適用した場合、ベル入賞を中ライン上で成立させるためのスベリテーブルを別途用意する必要が生じ、記憶容量の増大化に繋がり得る。以上の結果、ベット許容数が1にも関わらず有効ラインが5ライン設定される構成とすることにより、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、スロットマシンを設計する場合の設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
BBゲームに移行した場合、ベット許容数が3から1に変更される一方、有効ラインは通常ゲームにおける3枚ベット時と同じく5ライン設定される構成とすることにより、記憶容量を増大化させることなく停止出目の多様化を図ることが可能となる。スベリテーブル設定処理や各スベリテーブル変更処理等のリール停止制御に関わるプログラムを共通化することができるため、BBゲーム(RBゲーム)用の停止制御プログラムを特別に設ける等の工夫が不要となるからである。
RBゲームに移行した場合、ベル当選確率が通常ゲーム下のベル当選確率と比して高確率となるように当選確率を変更することにより、RBゲーム下で折角小役に当選しているにも関わらず入賞の成立しない機会が発生することを回避させることが可能となる。「ベル」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるように各リール42L,42M,42Rに配置されているため、各ストップスイッチ72〜74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベルに当選していれば役の複合を回避させつつベル入賞を成立させることができるからである。この結果、BBゲームが終了するまでの間に遊技者の所有するメダルをより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、このようにRBゲーム下では高確率でベル当選となる場合、遊技者は所定の図柄が有効ライン上に停止するよう狙ってストップスイッチ72〜74を操作する必要がないため、RBゲーム下における遊技の単調化が懸念される。ところが、RBゲームに移行した場合にも有効ラインが5ライン設定されるため、停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。故に、RBゲーム下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄が有効ライン上に所定の組合せで停止した場合に加えて、左リール42Lに付された「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合にも入賞が成立する構成とした。RBゲームに移行した場合に中ラインのみを有効ラインとして設定する従来構成を上記構成に適用した場合、通常ゲーム下でベル当選となった場合に用いるスベリテーブルをRBゲーム下でも用いるためには、中ライン上でベル入賞が成立するように設定されたスベリテーブルを予め記憶させておく必要が生じる。また、複数の有効ラインが設定された場合に役の複合が発生しないよう例えば「ベル」図柄の上下に「チェリー」図柄を配置しない等の工夫を各リール42L,42M,42Rの図柄配列を設計する際に施す必要が生じる。しかしながら、RBゲームに移行した場合であっても通常ゲーム下と同じ有効ラインが設定される本スロットマシン10においては、上述した各懸念点を解消することが可能となる。故に、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、スロットマシンの設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
通常ゲーム下では3枚のメダルがベットされた場合にのみゲームが開始される構成とすることにより、ベット許容数に関わらず常に5本の組合せラインを有効ラインとして設定した後にゲームを開始させることができる。この結果、設定された有効ラインに応じて選択するスベリテーブルを変更する等の処理が不要となり、スベリテーブル設定処理の処理構成を比較的簡単なものとすることが可能となる。また、常に同じ有効ラインが設定されるのであれば、ベット数に応じた有効ライン上で入賞が成立し得るようなスベリテーブルを記憶させずとも、いずれかの有効ライン上で入賞が成立し得るようなスベリテーブルを記憶させればよく、予め記憶させるスベリテーブルの数を低減させることが可能となる。以上の結果、記憶容量が増大化することを好適に抑制することが可能となる。
BBゲームに移行してから払い出されたメダル数が400枚に達した場合、BBゲームとRBゲームが共に終了する。かかる構成とすることにより、遊技者の射幸心を過剰に煽ることを抑制しつつ、BBゲームに移行してから終了するまでの間に遊技者の所有するメダルをより多く増加させることが可能となる。さらにいうと、RBゲームでベット許容数を1に変更することなくベルの当選確率を高確率に変更する構成としても、記憶容量が増大化することを抑制しつつ、RBゲームに移行した場合の図柄配列が単調化することを抑制することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、BBゲームにおけるメダルの払出数に上限が設けられている構成においては、BBゲームで遊技者の獲得できるメダル数が減少することに繋がる。そこで、ベット許容数を1に変更しつつ5本の組合せライン全てを有効位置に設定することにより、遊技者の所有するメダルをより多く増加させつつ、停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
BBゲームに移行するといずれの入賞が成立した場合であっても最大枚数のメダル払出が行われる構成とすることにより、遊技者は所有するメダルの減少を抑制させつつ最大枚数のメダル払出を受けることが可能となる。故に、遊技者は、BBゲームに移行した場合に、3枚のメダルをベットして行われる通常ゲームと比してより多くのメダルを獲得することができる。したがって、より多くのメダルを獲得したいという遊技者の要求を満足させることが可能となる。
次に、左リール42Lの図柄配列が異なる第2の実施形態について説明する。なお、基本構成は上記実施形態と同様のため、第2の実施形態の特徴箇所について詳細を説明する。
上記実施形態では、左リール42Lの図柄配列を、入賞と関与しない「チャンス」図柄等の無特典図柄が「チェリー」図柄の上下に位置する図柄配列としたが、第2の実施形態ではかかる構成を変更する。
第2の実施形態では、図32に示すように、左リール42Lの5番の位置に「チェリー」図柄が配置されると共に6番の位置に「ベル」図柄が配置されている。つまり、本実施形態では、上記実施形態と異なり、ベル入賞となる図柄の組合せを構成する「ベル」図柄と「チェリー」図柄が隣接して配置された箇所が存在する。
かかる図柄配列を有するスロットマシン10においてベルに当選した場合、スベリテーブル設定処理では、上記実施形態と同様、左リール42Lの「ベル」図柄が上ライン又は下ライン上に停止するように、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。そして、第1停止指令として左ストップスイッチ72が操作された場合には、かかるスベリテーブルに基づいて左リール42Lを停止させ、各スベリテーブル変更処理にて左リール42Lの停止結果に応じたスベリテーブルに変更する。この結果、ベル当選時に左ストップスイッチ72が最初に操作された場合、上ライン、右下がりライン、右上がりライン、下ラインのいずれかの有効ライン上でベル入賞が成立する。
一方、ベルに当選し、第1停止指令として左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が操作された場合には、スベリテーブル設定処理にてセットしたスベリテーブルから入賞確定用スベリテーブルに変更し、この入賞確定用スベリテーブルに基づいて全リール42L,42M,42Rを停止させる。図33は、ベルに当選している場合にセットされる入賞確定用スベリテーブルである。かかるスベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rの「ベル」図柄が下ライン上に停止するように設定されている。したがって、ベル当選時に左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が最初に操作された場合には、下ライン上でベル入賞が成立する。これは、役の複合回避に基づく取りこぼしの発生を防止し、遊技者の優位性を保つための工夫である。
左リール42Lの「チェリー」図柄はその図柄単独で入賞を成立させることが可能な図柄であるため、左ストップスイッチ72が最初に操作されなかった場合、ベル入賞等の図柄の組合せによって入賞が成立するものと、左リール42L単独で入賞が成立するチェリー入賞とで役の複合が発生し得る。具体的には、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が中ライン上に並んで停止している状況下で左リール42Lの6番図柄たる「ベル」図柄を中ライン上に停止させた場合、下ライン上に5番図柄たる「チェリー」図柄が停止するため、ベル入賞とチェリー入賞が同時に成立する役の複合が発生してしまう。しかしながら、先の抽選処理においてベルとチェリーに共に当選することはないため、役の複合が発生する矛盾を回避させる必要がある。
ここで、例えば6番図柄たる「ベル」図柄が中ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、左リール42Lを4図柄分滑らせた後に停止させれば10番図柄たる「ベル」図柄が中ライン上に停止することとなり、役の複合を回避しつつベル入賞を中ライン上で成立させることができる。一方、3番図柄たる「リプレイ」図柄が中ライン上に到達したタイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、役の複合を回避しつつベル入賞を中ライン上で成立させるためには、6番図柄ではなく10番図柄たる「ベル」図柄を中ライン上に停止させる必要があり、左リール42Lを7図柄分滑らせた後に停止させる必要がある。しかしながら、左リール42Lは最大4図柄分までしか滑らせることができないため、上記タイミングで左ストップスイッチ72が操作された場合、中ライン上に「ベル」図柄を停止させることができず、役の複合を回避した結果として取りこぼしが発生する。これは、中リール42Mと右リール42Rの「ベル」図柄が中ライン上に並んで停止した場合に限らず、上ライン上や右下がりライン上に並んで停止した場合も同様である。6番図柄たる「ベル」図柄を上ライン上に停止させると5番図柄たる「チェリー」図柄が中ライン上に停止することとなり、役の複合が発生するからである。
そこで、本実施形態では、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが最初に操作された場合、下ライン上でベル入賞が成立する入賞確定用スベリテーブルに変更することで役の複合回避に基づく取りこぼしの発生を防止し、遊技者が不利益を被る機会を低減している。なお、下ライン上ではなく右上がりライン上でベル入賞が成立するように設定された入賞確定用スベリテーブルに変更する構成としても良い。
以上のように、左リール42L単独で入賞が成立する「チェリー」図柄と、各リール42L,42M,42Rの図柄が所定の組合せを形成した場合に入賞成立となる「ベル」図柄とを左リール42Lに隣接して配置した場合、有効ラインが複数設定されている状況下で中ライン上にベル入賞を成立させることはできない。したがって、RBゲームに移行すると中ラインのみが有効ラインとして設定される従来構成のスロットマシンに上記図柄配列を適用した場合、ベル入賞を中ライン上で成立させるためのRBゲーム専用スベリテーブルを別途用意する必要が生じる。この結果、予め用意するスベリテーブルの数が増加し、主制御装置131の記憶容量の増大化が懸念されることとなる。
一方、RBゲームに移行しても有効ラインが5ライン設定される本スロットマシン10の場合、ベル入賞を中ライン上で成立させずとも通常ゲームと同様にその他の有効ライン上で成立させれば良い。つまり、通常ゲームで用いるスベリテーブルを共用することができ、ベル入賞を中ライン上で成立させるためのスベリテーブルを用意する必要がない。したがって、主制御装置131の記憶容量の増大化を抑制することができる。
さらにいうと、従来構成のスロットマシンの場合、「チェリー」図柄と「ベル」図柄等の組合せ図柄を隣接して配置した場合には主制御装置131の記憶容量の増大化が懸念され、記憶容量の増大化を抑制する場合には「チェリー」図柄と組合せ図柄を隣接して配置しない等の制約が生じていた。一方、本スロットマシン10の場合、「チェリー」図柄と組合せ図柄を隣接して配置しても記憶容量の増大化には繋がらない。つまり、RBゲームに移行しても有効ラインが5ライン設定される構成とすることにより、主制御装置131の記憶容量が増大化することを抑制しつつ、各リール42L,42M,42Rの図柄配列に関する設計自由度を確保することができる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第2の実施形態では、左リール42Lの5番図柄たる「チェリー」図柄の上流側に「ベル」図柄を隣接して配置する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、5番の位置に「ベル」図柄を配置し、この「ベル」図柄の上流側に「チェリー」図柄を隣接して配置する構成としても良いことは言うまでもない。かかる構成においては、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチ73,74が最初に操作された場合、上ライン上又は右下がりライン上でベル入賞が成立するように設定された入賞確定用スベリテーブルに変更する必要がある。
(b)上記第2の実施形態では、「チェリー」図柄と「ベル」図柄を隣接させて左リール42Lに配置する構成としたが、「チェリー」図柄と「スイカ」図柄を隣接させて配置しても良いし、「チェリー」図柄と「リプレイ」図柄を隣接させて配置しても良い。つまり、1つのリール単独で入賞成立となる単独入賞図柄と、各リールの図柄が所定の組合せを形成して入賞成立となる組合せ図柄とを隣接して配置させる構成であれば良い。なお、各リール42L,42M,42Rに配置される図柄の数や種類、位置は任意であることは言うまでもない。
(c)上記各実施の形態では、遊技状態がBBゲームに移行すると、いずれの小役入賞が成立した場合であっても最大枚数のメダルが払い出されるよう払出枚数を変更する構成としたが、次のように変更する。
ベル入賞成立時の払出枚数のみを最大枚数に変更する構成とする。かかる構成としても、BBゲームに移行した場合にはほぼベル入賞が成立するため、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。つまり、BBゲーム下で最も入賞の成立する可能性が高い役の払出枚数を最大枚数に変更する構成としてもよい。
或いは、いずれの払出枚数も変更しない構成とする。かかる構成としても、主制御装置131の記憶容量が増大化することを抑制しつつ、スロットマシンの設計自由度が低下することを抑制することが可能である。但し、BBゲームの間に遊技者の獲得できるメダル数は減少することとなる。具体的に説明すると、BBゲームが400枚のメダル払出を以って終了する場合、ベル入賞成立時の払出枚数が15枚であれば約27ゲームでBBゲームが終了する。つまり、BBゲーム下で約405枚のメダル払出が行われるのに対して約27枚のメダルを投入する必要があるため、遊技者の獲得できるメダル数は約378枚となる。一方、ベル入賞成立時の払出枚数が11枚であれば約37ゲームでBBゲームが終了する。つまり、BBゲーム下で約407枚のメダル払出が行われるのに対して約37枚のメダルを投入する必要があるため、遊技者の獲得できるメダル数は約370枚となる。
(d)上記各実施の形態では、RBゲームに移行した場合の当選役としてJAC役を設定せず、通常ゲーム時に当選し得るベルの当選確率を高確率に変更する構成としたが、通常ゲームにおいて入賞が成立した場合に最大枚数のメダル払出が行われるスイカの当選確率を高確率に変更する構成としてもよい。スイカ入賞はストップスイッチ72〜74の操作タイミングによって取りこぼしが発生するため、かかる構成とすれば、BBゲームの間に遊技者の獲得できるメダル数を遊技者の技量に応じたものとすることが可能となる。また、遊技者に「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ72〜74を操作するよう促すことが可能となり、BBゲーム中の遊技に積極参加させることが可能となる。同様に、RBゲーム時の払出枚数を最大枚数に変更するのであれば、チェリーの当選確率を高確率に変更する構成としてもよい。かかる構成とすれば、上述した効果に加えて、技量に乏しい遊技の初心者等にあってもBBゲーム中の遊技を楽しませることが可能となる。左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するよう、遊技者は左ストップスイッチ72のみを狙って操作すればよいからである。
(e)上記各実施の形態では、BBゲームに移行すると所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行する構成としたが、BBゲーム中の当選役としてRB役を設定し、RB役と対応する入賞が成立したことを以ってRBゲームに移行する構成としてもよい。或いは、BBゲームに移行してから所定回数(例えば5回)のゲームを行った後と、RBゲームが終了してから前記所定回数のゲームを行った後にRBゲームに移行する構成としてもよい。さらに、BBゲームの終了条件を、所定数のメダル払出が行われたことに代えて、所定回数の小役ゲームが行われたこと又はRBゲームに所定回数移行したこととしてもよい。これら構成としても、RBゲームに移行した場合にベット許容数を1に変更すると共に有効ラインを5ライン設定する構成とし、ベルの当選確率を高確率に変更すれば、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(f)上記各実施の形態では、BBゲームに移行するとベット許容数が3から1に変更される構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、通常ゲーム時に許容されるベット数より少ない数に変更される構成であればよい。すなわち、BBゲームに移行するとベット許容数が3から2に変更される構成としてもよい。
(g)上記各実施の形態では、BBゲームを1種類備える構成について説明したが、複数種類備える構成としてもよいことは言うまでもない。例えば、上記構成のBBゲームに加えて、有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「チャンス」図柄と並んで停止した場合、第2BB入賞として第2BBゲームに移行する構成とする。第2BBゲームに移行した場合、ベット許容数が3から2に変更され、ベル入賞が成立した場合に13枚のメダル払出が行われる構成とする。第2BBゲームにおいて2枚のメダル投入が行われた際に5本全ての組合せラインを有効ラインに設定する構成とすれば、上記各実施形態と同様の作用効果に加えて、移行するBBゲームにより遊技者が獲得できるメダル数に変化を生じさせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。ちなみに、上記各実施形態におけるBBゲームでは約378枚のメダルを獲得できることは上述した通りであるが、第2BBゲームに移行した場合には次のようになる。第2BBゲームが400枚のメダル払出を以って終了する場合、ベル入賞成立時の払出枚数が13枚であれば約31ゲームで第2BBゲームが終了する。つまり、第2BBゲーム下で約403枚のメダル払出が行われるのに対して約62枚のメダルを投入する必要があるため、遊技者の獲得できるメダル数は約341枚となる。したがって、BBゲームに移行した場合と第2BBゲームに移行した場合とでは、獲得できるメダル数に約40枚の差が生じることとなる。
(h)上記各実施の形態では、通常ゲームにおいて3枚のメダルがベットされなければゲームが開始されない構成としたが、1枚でもメダルがベットされていればゲームが開始される構成としてもよい。かかる構成においては、1枚のメダルがベットされている状況下でスタートレバー71が操作された場合、中ラインのみが有効ラインとして設定された状況下でゲームが開始されることとなり、2枚のメダルがベットされている状況下でスタートレバー71が操作された場合、上ライン、中ライン、下ラインが有効ラインとして設定された状況下でゲームが開始されることとなる。なお、かかる構成とした場合には、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるように設定された抽選テーブル、例えば3枚ベットされたときの役の当選確率が1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている抽選テーブルを予め記憶させておく必要がある。また、スベリテーブルについても、設定された有効ライン上で入賞が成立し得るように定めたスベリテーブル、例えば1枚ベットで遊技が開始された場合を考慮して中ライン上で入賞が成立するように定めたスベリテーブル等を予め記憶させておく必要がある。したがって、かかる構成とした場合には、停止出目の多様化を図ることは可能であるものの、予め記憶させておくデータ量の増大化に伴って記憶容量が増大化することが懸念される。
(i)上記各実施の形態では、ベット数に応じて有効ラインを設定する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、スタートレバー71を操作された場合にベット数を確認して有効ラインを設定する構成としても良い。例えば、1枚のメダルもベットされていない状況下でメダルが1枚投入された場合、第1有効ライン表示部32を点灯させることにより1枚ベットが完了したことを報知し、2枚目のメダルが投入された場合には第2有効ライン表示部33を点灯させることにより2枚ベットが完了したことを報知し、3枚目のメダルが投入された場合には第3有効ライン表示部34を点灯させることにより3枚ベットが完了したことを報知し、スタートレバー71の操作に伴って点灯させた有効ライン表示部32〜34と対応する組合せラインを有効ラインとして設定する。
(j)上記各実施の形態では、中ライン上でベル入賞が成立しない構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、中ライン上でベル入賞が成立し得る構成としてもよいことは言うまでもない。
(k)上記各実施の形態では、通常ゲームにおいて同一図柄が有効ライン上に並んで停止すると入賞成立となる構成について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、予め定めた図柄が有効ライン上で所定の組合せを形成して停止した場合に入賞成立となる構成であればよい。すなわち、有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「7」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合にスイカ入賞成立となるように設定されていてもよい。かかる構成においては、左リール42Lの「スイカ」図柄、中リール42Mの「7」図柄、右リール42Rの「ベル」図柄がスイカ入賞と対応する当選図柄に相当する。
(l)上記各実施の形態では、通常ゲームにおいて各入賞態様と対応する図柄の組合せが1種類のみであるスロットマシンについて説明したが、入賞態様と対応する図柄の組合せを複数種類有するスロットマシンの場合、各リール42L,42M,42Rの図柄配列を以下のように構成することが望ましい。ここでは、「7」図柄が並んで停止した場合と、「青年」図柄が並んで停止した場合のいずれの場合にも同じBB入賞が成立するスロットマシンを例として説明する。かかる構成において各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作されなければBB入賞が成立しない図柄配列とする場合、同じ識別情報を有する図柄が5図柄以上(予め設定されたリールの停止態様以上)離れて配置された非配置区間を形成する必要がある。すなわち、「7」図柄同士の間隔が5図柄以上離れるように、且つ「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上離れるように「7」図柄と「青年」図柄を配置する。このとき、異種図柄たる「7」図柄と「青年」図柄との間隔は任意でよい。また、「7」図柄及び「青年」図柄を各リール42L,42M,42Rに1つずつ配置する構成とした場合、「7」図柄同士及び「青年」図柄同士の間隔は、同一図柄(すなわち「7」図柄であれば当該「7」図柄)が所定位置に到達してから1回転して再度所定位置に到達するまでの間に当該所定位置を通過する他の図柄数(すなわち20図柄)と等しくなる。故に、かかる構成としても、各ストップスイッチ72〜74が所定のタイミングで操作されなければBB入賞が成立しない図柄配列とすることが可能である。一方、各ストップスイッチ72〜74の操作タイミングに関わらずBB入賞が成立する図柄配列とする場合、同じ識別情報を有する図柄を4図柄以内(予め設定された最大滑り数以内)の間隔で配置する必要がある。すなわち、「7」図柄同士の間隔が4図柄以内となるように、且つ「青年」図柄同士の間隔が4図柄以内となるように「7」図柄と「青年」図柄を配置する。このとき、異種図柄たる「7」図柄と「青年」図柄との間隔は任意でよい。なお、かかる図柄配列は、BB入賞に限らず小役入賞や再遊技入賞と対応する図柄の組合せを複数種類有する場合であっても同様であることは言うまでもない。
(m)上記各実施の形態では、主制御装置131のRAM153に形成されたスベリテーブル格納エリアにスベリテーブルをセットする構成としたが、参照すべきスベリテーブルを導出し得るアドレス情報等を記憶させる構成としても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(n)上記各実施の形態では、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下ライン上に到達している図柄と、下ライン上に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としたが、ストップスイッチ72〜74が操作された際に下ライン上に到達している図柄と、上ライン上に実際に停止させる図柄との関係が定められたスベリテーブルを備える構成としてもよい。かかる構成にあっても、上ライン上に実際に停止する図柄から下ライン上に停止する図柄を一義的に導くことが可能だからである。つまり、スベリテーブルは、ストップスイッチ72〜74が操作された際に基点位置に到達している図柄と、前記基点位置に実際に停止する図柄との関係を定めることが可能な構成であればよい。
(o)上記各実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与又は遊技媒体の払出に相当する。
(p)上記各実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(q)上記各実施の形態では、状態移行図柄としての「7」図柄が有効ライン上に揃った場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
(r)上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(s)上記各実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した各実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(t)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(u)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
10…遊技機としてのスロットマシン、11…遊技機本体の一部を構成する筐体、12…遊技機本体の一部又は遊技機本体の開閉部材を構成する前面扉、14…スピーカ、15…補助表示部、31…表示窓、42…循環表示手段を構成すると共に周回体又は無端状ベルトとしてのリール、61…循環表示手段を構成すると共に駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、111…表示制御装置、131…停止制御手段や抽選手段等を構成する主制御装置、151…メイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU、152,153…記憶手段としてのROM,RAM、161…電源装置。

Claims (1)

  1. 周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄が付された複数の周回体と、
    前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓と、
    遊技媒体を受け入れる受入手段と、
    前記受入手段からの遊技媒体受入を検出し、予め定められた規定数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段と、
    該賭数設定手段の設定した賭数が多いほど前記表示窓から視認できる視認範囲に多くの有効位置を設定する有効位置設定手段と、
    前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段と、
    前記始動操作手段の有効な操作に基づき、前記賭数設定手段の設定した賭数に基づいた当選確率で所定絵柄役及び特定絵柄役等の役の抽選を行う抽選手段と、
    前記各周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段と、
    前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段と、
    前記停止操作手段の操作タイミングと前記視認範囲に停止させる停止絵柄との関係を定め得る停止情報群を予め複数記憶する停止情報群記憶手段と、
    前記複数の停止情報群から役の抽選結果に基づいた停止情報群を選択する停止情報群選択手段と、
    該停止情報群選択手段の選択した停止情報群を格納する停止情報群格納手段と、
    前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるように、且つ、前記停止操作手段の操作と前記停止情報群格納手段に格納された停止情報群に基づいて、対応する周回体の周回を停止させるように前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
    前記役の抽選結果が所定絵柄役当選であって前記有効位置に所定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合に、遊技媒体を払い出す特典を付与する特典付与手段と、
    前記役の抽選結果が特定絵柄役当選であって前記有効位置に特定絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合、所定の終了条件が成立するまで遊技状態を通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段と
    を備えた遊技機において、
    遊技状態が前記特別遊技状態である場合に、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記規定数より少ない第2規定数に変更することを決定する賭数上限決定手段と、
    該賭数上限決定手段が賭数の上限を前記第2規定数と決定した場合、前記賭数設定手段が設定し得る賭数の上限を前記第2規定数に変更する賭数上限変更手段と、
    前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更し、前記賭数設定手段が前記第2規定数を賭数として設定した場合、賭数が前記規定数の場合に前記有効位置設定手段が設定する有効位置と同じ位置に有効位置を設定する第2有効位置設定手段と、
    前記賭数上限変更手段が賭数の上限を前記第2規定数に変更した場合、通常遊技状態下で当選し得る所定絵柄役の当選確率を、通常遊技状態下における前記所定絵柄役の当選確率より高確率となるように変更する当選確率変更手段と
    を備えたことを特徴とする遊技機。
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