JP5961528B2 - 成形焼き菓子の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、成形焼き菓子の製造方法に関し、詳しくは金型内で原料を誘電加熱して発泡・焼成する成形焼き菓子の製造方法に関する。
アイスクリームやソフトクリームのコーンカップのような成形焼き菓子の製造方法として、例えば、特許文献1には、主に小麦粉、澱粉、塩、砂糖、膨化剤および水等からなる原料を予め所定の温度に予熱された金型に供給し、供給された原料に高周波発振回路から高周波を印加して誘電加熱(RF加熱)し、金型内で発泡・焼成する方法が開示されている。この高周波誘電加熱は、外部加熱よりも成形時間を短縮化できるメリットがある。
特許文献1では、主として、誘電加熱による成形焼き菓子の製造方法において、成形中に、原料中に含まれる水分が蒸発して多量の蒸気が発生し、この蒸気が凝縮して結露すると、誘電加熱がうまく行われないという課題について検討されている。
この課題に対して、具体的には、金型内で原料を誘電加熱して発泡・焼成するにあたり、原料中の水分残量が少ない加熱後期における交流電源の出力が、原料中の水分残量が多い加熱初期における交流電源の出力よりも低くなるように切り替えるようにしている。
特開2006−81551号公報
成形焼き菓子は、焼きたてのクリスピー性(パリパリ・サクサク感)を求められるが、クリスピー性を追求すると輸送・配送途上の割れ、欠けが発生しやすくなる二律背反の要素を持つ。この二律背反する要素を、クリスピー感を維持しながらも、割れや欠けを防止する為の対衝撃耐性(強度)アップが望まれている。
特許文献1では、上述のように、成形時の結露による誘電加熱の不具合を解消する手法が検討されているが、成形焼き菓子の強度アップについては検討されていない。
本発明者は、誘電加熱による成形焼き菓子の強度アップについて鋭意研究を重ねた結果、成形焼き菓子の原料に必須であると考えられていた一成分を省くことにより、意外にも強度アップした成形焼き菓子が得られることを見出し、本発明をするに至った。
かくして、本発明によれば、ヒータを内蔵した嵌合可能な一対の雄型と雌型からなる発泡成形用の金型を用い、前記ヒータにより予め所定温度に予熱した雄型と雌型の間に膨化剤としての重曹および塩を含まない原料を介在させて雄型と雌型を嵌合させ、金型内で原料を加熱して発泡・焼成することにより焼き菓子を成形する成形工程を備え、
前記成形工程は、雄型と雌型を介して負荷としての原料に高周波を印加して誘電加熱する工程を含む成形焼き菓子の製造方法が提供される。
本発明の成形焼き菓子の製造方法によれば、クリスピー性(パリパリ・サクサク感)を維持しながらも、成形焼き菓子の衝撃に対する耐性強化(強度アップ)をした成形焼き菓子を得ることができる。この結果、成形焼き菓子と共に梱包される緩衝材の量を低減することができ、省資源に貢献することもできる。
本発明の実施形態に係る成形焼き菓子の製造方法で製造された成形焼き菓子の正面図である。 図1に示される成形焼き菓子の平面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 本発明の実施形態に係る成形焼き菓子の製造方法を説明する第1の工程図である。 図4(A)から引き続く第2の工程図である。 図4(B)から引き続く第3の工程図である。 図5(A)から引き続く第4の工程図である。 本発明の実施形態に係る成形焼き菓子の製造方法に用いられる高周波誘電加熱装置の概略構成を説明する回路図である。 図6に示される高周波誘電加熱装置の動作を示すフローチャートである。 本発明における高周波誘電加熱時の各部の時間的変化を示す特性図である。 成形焼き菓子のリップ耐圧の測定方法を説明する図である。 成形焼き菓子の側面耐圧の測定方法を説明する図である。
本発明の成形焼き菓子の製造方法は、ヒータを内蔵した嵌合可能な一対の雄型と雌型からなる発泡成形用の金型を用い、前記ヒータにより予め所定温度に予熱した雄型と雌型の間に膨化剤としての重曹を含まない原料を介在させて雄型と雌型を嵌合させ、金型内で原料を加熱して発泡・焼成することにより焼き菓子を成形する成形工程を備える。
前記成形工程は、雄型と雌型を介して負荷としての原料に高周波を印加して誘電加熱する工程を含む。
この発明による成形焼き菓子の製造方法において、ヒータを内蔵した嵌合可能な一対の雄型と雌型からなる発泡成形用の金型とは、嵌合時に成形すべき焼き菓子の形状に対応したキャビティを形成し、該キャビティ内で原料を加熱し発泡させた際に生じるガスや水蒸気を外部へ適宜放出させることができるように構成された金型を意味する。ヒータは金型を所望の温度に管理するために雄型と雌型の両方に設けられていることが好ましい。
本発明において、成形焼き菓子の原料は、膨化剤としての重曹を含まず、金型で成形できるように水分で調製されたものを意味する。なお、本発明においては、重曹以外の膨化剤、例えば、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム等。また、これらの化合物を含有する組成物である、ベーキングパウダー、イスパタ(イーストパウダー)等は含まれても含まれなくてもどちらでもよい。
よって、本発明における成形焼き菓子の原料としては、膨化剤を除く一般的な小麦粉、澱粉、塩、砂糖、着色剤、油脂、乳化剤、香料等を用いることができる。
原料に占める水の比率(原料の水分値)は、特に限定されるものではないが、例えば45〜65重量%程度とすることができる。
原料が上記のような量の水分を含有することにより、原料を発泡させるのに十分な量の水蒸気を発生させつつ、比較的短時間のうちに良好な組織の発泡層からなる成形焼き菓子を焼成することが可能となる。
すなわち、原料の水分値が約65重量%を超えると原料に占める固形分の比率が相対的に低下し、焼成時に成形物から水蒸気を抜くのに多くの時間を要するばかりでなく、発泡層の組織が疎になり適切なクリスピー感のある食感が得られなくなる。
一方、原料の水分値が約45重量%を下回ると原料に占める固形分の比率が相対的に高くなって発泡し難くなり、発泡層の組織が密になり適切なクリスピー感のある食感が得られなくなる。
このため、この発明において原料の水分値は45〜65重量%程度が好適である。
なお、この発明においては原料の水分値が約2.0重量%以下になったことをもって焼成が完了した状態とする。
本発明の成形焼き菓子の原料は、塩を含まないこれにより強度アップした成形焼き菓子を得ることができる
膨化剤を含まない原料を成形する前記成形工程において、金型温度、高周波出力、誘電加熱時間といった成形条件は、特定の範囲に限定されるものではないが、例えば、金型温度を200±2℃とした場合、高周波出力を2.0〜7.0kW/型、誘電加熱時間を 14.0〜25.0秒とすることができる。なお、高周波出力の単位kW/型は、金型1個当たりに印加される高周波出力を意味する。
本発明において、誘電加熱工程が、高周波発振回路と、インピーダンス整合回路とを用い、高周波発振回路と負荷とのインピーダンスを整合させながら、高周波発振回路の出力を、高周波印加開始から所定時間だけ一定値に維持した後、段階的に低下させてもよい。このようにすれば、原料に高周波を印加して誘電加熱する誘電加熱工程において、高周波発振回路の出力を、高周波印加開始から所定時間だけ一定値に維持した後、段階的に低下させるので、原料の水分値に見合った出力で高周波を効率よく安定して印加でき、塩を含む原料であっても焦げを発生させることなく短時間で良好に発泡・焼成できる。
また、誘電加熱工程は、雄型と雌型を嵌合させた後、所定時間後に開始されてもよい。このようにすれば、原料が金型のキャビティに満注するか或いはそれに近い状態で高周波の印加を開始できるので、高周波がより一層安定して印加されるようになる。
また、高周波発振回路の出力の低下は、高周波発振回路への入力電圧を低下させることによって行われることが好ましい。このようにすれば、高周波発振回路の出力の調整を容易に行うことができる。
また、本発明における成形工程で用いる金型は、個別の金型であってもよく、複数の金型を組み合わせた一体金型であってもよい。
また、金型への高周波の印加回数は1回でも複数回でもよく、金型に直接または間接に高周波を印加することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施形態に係る成形焼き菓子およびその製造方法について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る製造方法で製造された成形焼き菓子の正面図、図2は図1に示される成形焼き菓子の平面図、図3は図1のA−A矢視断面図である。
図1〜3に示されるように、本発明の実施形態に係る製造方法によって製造された成形焼き菓子(コーンカップ)1は、後述する原料6(図4参照)を発泡・焼成して得られた発泡層2によって構成されている。成形焼き菓子1の胴部1dの周囲には縦方向に延びる複数のリブ1cが形成され、これにより厚みの薄い部分と厚い部分が交互に形成されている。また、胴部1dの底1bと反対側の開口部には拡径したリップ部1aが設けられている。なお、リップ部1aは、図9(A)および(B)に示すようにひだ状になっていてもよい。
成形焼き菓子1は、図1に示される高さH1が約83mm、図2に示される直径D1が約76mmである。図3に示される発泡層2は、最も薄い部分の厚みT1が約2.0mm、最も厚い部分の厚みT2が約3.0mmである。また、焼成後の成形焼き菓子1に占める水分の比率は約1.5重量%である。
以下、図1〜3に示される成形焼き菓子1の製造方法について図4および5に基づいて説明する。
図4(A)は本発明の実施形態に係る成形焼き菓子の製造方法を説明する第1の工程図であり、図4(B)は図4(A)から引き続く第2の工程図であり、図5(A)は図4(B)から引き続く第3の工程図であり、図5(B)は図5(A)から引き続く第4の工程図である。
本実施形態では、図4(A)に示されるように、一対の雄型3と雌型4とからなる発泡成形用の金型5が用いられる。雄型3と雌型4は図示しない電熱ヒータを内蔵しており、以下の工程においていずれも約200℃に予熱される。
まず、図4(A)に示されるように、所定量の原料6を雌型4に供給する。原料6は主に小麦粉、澱粉、砂糖および水からなり、若干量の油脂、香料等のその他材料を含む。また、原料6には塩が含まれても含まれなくてもどちらでもよいが、膨化剤としての重曹は含まれない。
次に、図4(B)に示されるように、雄型3と雌型4を嵌合させる。雄型3と雌型4を嵌合させると成形焼き菓子1(図1参照)の形状に対応したキャビティ7が金型5に形成され、原料6がキャビティ7を満たすように流動する。
その後、図5(A)に示されるように、交流電源21に接続された高周波発振回路25からインピーダンス整合回路26と、雄型3および雌型4とを介してキャビティ7内の原料6に高周波の印加を開始する。
高周波の印加が開始されると、キャビティ7内の原料6が誘電加熱され、原料6の発泡と焼成が速やかに進行する。この際、後述するように、本実施形態では原料6の水分値の変化に合わせて高周波発振回路25の出力が高周波印加開始から所定時間だけ一定に維持された後、段階的に低下させられる。
なお、雄型3と雌型4との当接部分にはキャビティ7内で発生した水蒸気を外部へ放散させる蒸気抜き孔(図示せず)が形成されている。
高周波の印加開始から所定時間が経過すると高周波の印加を止め、図5(B)に示されるように雄型3と雌型4の嵌合を解いて金型5を開放すると図1〜3に示される成形焼き菓子1が得られる。
以下、本実施形態で用いられる高周波誘電加熱について説明する。図6は本発明の実施形態に係る成形焼き菓子の製造方法に用いられる高周波誘電加熱装置の概略構成を説明する回路図である。
図6に示すように、高周波誘電加熱装置20は、200Vの交流電源21の電圧を200V以下の任意の交流電圧Viに調整可能なサイリスタ式の電圧調整器22と、電圧調整器22の出力電圧Viを50倍に昇圧する昇圧トランス23と、昇圧トランス23の出力電圧を直流電圧Vpに変換する整流器24と、整流器24の出力電圧Vpと出力電流Ipからなる直流電力Piをうけて高周波電力Poを出力する高周波発振回路25と、電流Ipの大きさを検出する電流検出器32と、高周波発振回路25の高周波出力Poを雄型3と雌型4を介して原料6に供給するインピーダンス整合回路26と、制御部30と、入力部31とを備える。
インピーダンス整合回路26は、高周波発振回路25と負荷(原料6)とのインピーダンスを整合させるための回路である。
インピーダンス整合回路26は、可変インダクタLsと固定コンデンサCsとの直列回路と、発振回路25の出力に並列接続される可変コンデンサCpと、可変インダクタLsのインダクタンスLを変化させる第1モータ27と、可変コンデンサCpのキャパシタンスCを変化させる第2モータ28とを備える。
また、雄型3と雌型4とを介して原料6を加圧するプレス装置(図示しない)は、雄型4と雌型5が嵌合したときに出力するプレスセンサ29を備える。
制御部30は、CPU、ROM、RAMからなるマイクロコンピュータを備え、種々の加熱条件を入力設定する入力部31とプレスセンサ29と電流検出器32からの出力を受けて、電圧調整器22およびインピーダンス整合回路26の第1および第2モータ27、28などを制御する。
次に、この高周波誘電加熱装置の動作を、図6〜図8を用いて説明する。図7は図6に示される高周波誘電加熱装置の動作を示すフローチャートである。また、図8は、高周波誘電加熱時のプレスセンサ29の出力信号Sと、電圧調整器22の出力設定信号Vと、可変インダクタLsのインダクタンスLと、可変コンデンサCpのキャパシタンスCと、発振回路25の入力電流Ipの時間tに対する変化を示す特性図である。
まず、ステップS0において初期設定が行われる。
つまり、入力部31より、予めインダクタンスLとキャパシタンスCの初期値に設定されると共に、電圧調整器22の出力設定信号V、プレスを嵌合させてから高周波発振回路25を出力させるまでの初期遅延時間t1、およびプレスを嵌合させてから高周波発振回路25の出力を停止させるまでの処理時間t2が設定される。
次に、プレスを下降させ(ステップS1)、雄型3と雌型4の嵌合が完了してプレスセンサ29の出力信号SがONになる(ステップS2)。
初期遅延時間t1が経過すると(ステップS3)、高周波発振回路25の出力がONになって(ステップS4)、時間t2が経過するまで誘電加熱処理が実行される。
処理時間t2が経過すると(ステップS5)、高周波発振回路25の出力がOFFになり(ステップS6)、プレスが開放され、成形された原料6が取り出される(ステップS7)。
なお、本実施形態において初期遅延時間t1は必ずしも必要でなく、初期遅延時間t1を設けることなく一連の工程を実施することも可能である。初期遅延時間t1を設けない場合、初期遅延時間t1は零秒に設定される。
図4〜図8で説明した製造方法に準じて、図9で示した形状の成形焼き菓子1Xを次のようにして製造した。
(実施例1)
実施例1では、まず、小麦粉39.8重量%、澱粉10.4重量%、離型油1.9重量%、グラニュー糖1.4重量%、香料0.3重量%、水45.8重量%、その他材料0.4重量%を混練してバッター(水生地)状の原料6を調製した。小麦粉や澱粉にも水分が含まれているため、調製された原料6の水分値は52.5%であった。
図4〜図6で説明した高周波誘電加熱装置の雌型4内に前記原料6を投入し、表1に記した条件で成形焼き菓子1Xを成形した。この成形焼き菓子1Xの水分値は2.0%以下であり重量は6.7gであった。なお、表1において「デポ量」とは、雌型4内に投入された原料6の重量を意味する。
成形後、実施例1の成形焼き菓子1Xの強度を測定した。図9(A)は成形焼き菓子のリップ耐圧の測定方法を説明する図であり、図9(B)は成形焼き菓子の側面耐圧の測定方法を説明する図である。
リップ耐圧の測定方法は、図9(A)に示すように、レオテック社製のFUDOH RHEO METER (NRM-2010J-CW)を用い、テーブル101上に成形焼き菓子1Xを寝かせ、テーブル101と治具102にて成形焼き菓子1Xのリップ部1aを挟み込み、上昇速度5.0cm/minでテーブル101を上昇させ、成形焼き菓子1Xが割れる直前の最大押圧値をリップ耐圧とした。15個の成形焼き菓子1Xについてリップ耐圧を測定し、それらの平均値を算出して表1に示した。
側面耐圧の測定方法は、図9(B)に示すように、前記FUDOH RHEO METERのテーブル101上に台としての治具103を介して成形焼き菓子1Xを寝かせると共に、成形焼き菓子1Xのリップ部1a側に壁としての治具104を固定し、テーブル101と治具102にて成形焼き菓子1Xの胴部1dを挟み込み、上昇速度5.0cm/minでテーブル101を上昇させ、成形焼き菓子1Xが割れる直前の最大押圧値を側面耐圧とした。15個の成形焼き菓子1Xについて側面耐圧を測定し、それらの平均値を算出して表1に示した。
(実施例2:参考例
実施例2では、まず、小麦粉39.5重量%、澱粉10.4重量%、離型油1.9重量%、グラニュー糖1.4重量%、香料0.3重量%、塩0.3重量%、水45.8重量%、その他材料0.4重量%を混練してバッター(水生地)状の原料6を調製した。この原料6の水分値は52.7%であった。
次に、実施例2の原料6を用い、実施例1と同じ成形条件で、実施例2の成形焼き菓子1Xを成形した。この成形焼き菓子1Xの水分値は2.0%以下であり重量は7.3gであった。
成形後、実施例1と同様に、実施例2の成形焼き菓子1Xのリップ耐圧および側面耐圧を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
比較例1では、まず、小麦粉39.4重量%、澱粉10.4重量%、離型油1.9重量%、グラニュー糖1.4重量%、香料0.3重量%、塩0.3重量%、重曹0.1重量%、水45.8重量%、その他材料0.4重量%を混練してバッター(水生地)状の原料6を調製した。この原料6の水分値は53.1%であった。
次に、比較例1の原料6を用い、実施例1と同じ成形条件で、比較例1の成形焼き菓子1Xを成形した。この成形焼き菓子1Xの水分値は2.0%以下であり重量は5.9gであった。
成形後、実施例1と同様に、比較例1の成形焼き菓子1Xのリップ耐圧および側面耐圧を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例2)
比較例1の原料6を用い、焼成方法を誘電加熱から外部からの加熱(ガス焼成)に変更したこと以外は、実施例1と同じ成形条件で比較例2の成形焼き菓子1Xを成形した。この成形焼き菓子1Xの水分値は2.0%以下であり重量は6.5gであった。
成形後、実施例1と同様に、比較例2の成形焼き菓子1Xのリップ耐圧および側面耐圧を測定し、その結果を表1に示した。
(成型条件について)
実施例1、2および比較例1、2の成型条件である「デポ量」と「焼成時間」は、実施例1、2および比較例1、2の原料が金型5に適切に満注し、焦げつかず、同程度の重量の成形焼き菓子が得られるように設定されている。
なお、リップ耐圧率および側面耐圧率を調べるために、比較例1のリップ耐圧率および側面耐圧率を1としたきの実施例1、2および比較例2のリップ耐圧率および側面耐圧率を算出し、それらの結果を表1に示した。
表1の結果から次のことがわかった。
(1)実施例1の成形焼き菓子におけるリップ部、胴部および底部の断面構造を画像観察すると、外側のクラスト層が薄く、その内側のクラム層の内部組織が緻密かつ均一であることがわかった。そして、実施例2、比較例1および比較例2の順に、クラスト層が徐々に厚くなり、かつクラム層の内部組織が徐々に粗く不均一になっていく傾向にあることがわかった。これは、重曹によって発泡が促進され過ぎてクラム層が粗くなるためであると考えられる。また、ガス加熱(比較例2)と誘電加熱(比較例1)との比較では、ガス加熱では誘電加熱による内部発熱がなく、外部からの熱のみで焼成するため焼成時間が4倍近く長くなる。そのため発泡が不均一になり、熱によるダメージが促進されたと考えられる。
(2)誘電加熱で製造した成形焼き菓子はガス焼成で製造した成形焼き菓子よりも強度(リップ耐圧および側面耐圧)が高くなること、誘電加熱で製造した成形焼き菓子の中でも重曹を含まない実施例1および2が重曹を含む比較例1よりも強度が高いこと、塩を含まない実施例1が塩を含む実施例2よりも重量が軽いにもかかわらず強度が高いことがわかった。実施例1と2の比較では、塩を含む実施例2は実施例1よりも焦げつき易くなるため、高周波出力を低下し、その分焼成時間を長くする必要がある。この結果、実施例2は実施例1よりもクラム層が粗くなる傾向にある。なお、実施例2は塩によって成形焼き菓子の味を調整できるメリットがある。
1 成形焼き菓子
1c リブ
1d 胴部
2 発泡層
3 雄型
4 雌型
5 金型
6 原料
7 キャビティ
21 交流電源
22 電圧調整器
23 昇圧トランス
24 整流器
25 高周波発振回路
26 インピーダンス整合回路
27,28 モータ
29 プレスセンサ
30 制御部
31 入力部
32 電流検出器
Cp 可変コンデンサ
Cs 固定コンデンサ
Ls 可変インダクタ

Claims (1)

  1. ヒータを内蔵した嵌合可能な一対の雄型と雌型からなる発泡成形用の金型を用い、前記ヒータにより予め所定温度に予熱した雄型と雌型の間に膨化剤としての重曹および塩を含まない原料を介在させて雄型と雌型を嵌合させ、金型内で原料を加熱して発泡・焼成することにより焼き菓子を成形する成形工程を備え、
    前記成形工程は、雄型と雌型を介して負荷としての原料に高周波を印加して誘電加熱する工程を含むことを特徴とする成形焼き菓子の製造方法。
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