JP5958091B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子に関する。
液晶表示素子として、セグメント表示型で背景色が黒色であるネガ表示型(ノーマリブラックモード)の液晶表示素子が知られている。このような液晶表示素子では、液晶層を挟持する一対の基板の各々に、所定の形状にパターニングされたITO導電膜等からなる透明電極が形成されているが、透明電極が有るところと無いところでは、外光による反射強度が異なるため、図6に示すように、背景領域において透明電極のパターンが視認されてしまい、表示品位が低下する場合があった(以下、このように透明電極が視認されてしまうことを「電極見え」と表現する)。
このような電極見えを低減するため、特許文献1には、基板の液晶層側に凹凸を形成することで、透明電極を覆う絶縁膜や配向膜の膜厚分布を調整した液晶表示素子が開示されている。
特開2003−202552号公報
特許文献1に係る液晶表示素子は、凹凸が形成された基板が必要になるため、構造が複雑であった。構造が複雑になると、工程数、製造コストの増加に繋がるため好ましくない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、簡潔な構造で電極見えを低減することができる液晶表示素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る液晶表示素子は、
互いに対向する第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板の各々の前記液晶層側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極と、
少なくとも前記第1基板側の前記透明電極と前記液晶層との間に前記透明電極を覆うように設けられる絶縁膜と、
前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に位置する第1偏光板と、
前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に位置して前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、を備え、前記透明電極から前記液晶層に電圧が印加されることで、前記所定の形状に対応した表示要素を表示するねじれネマティック型、且つ、ネガ表示型の液晶表示素子であって、
前記第1基板及び前記第1偏光板は、前記液晶層よりも、前記表示要素を視認する観察者側に位置し、
前記透明電極の屈折率と、前記絶縁膜の屈折率との差は、略0.2であり、
前記第1基板及び前記第2基板の対向面の法線方向から見て、前記液晶層が含む液晶分子のうち前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向と前記第1偏光板の吸収軸方向とは実質的に一致し、
前記液晶層における前記長軸方向の屈折率と、前記長軸方向と直交する方向の屈折率との差の絶対値は、0.15以上0.25以下である、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る液晶表示素子は、
互いに対向する第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板の各々の前記液晶層側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極と、
少なくとも前記第1基板側の前記透明電極と前記液晶層との間に前記透明電極を覆うように設けられる絶縁膜と、
前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に位置する第1偏光板と、
前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に位置して前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、を備え、前記透明電極から前記液晶層に電圧が印加されることで、前記所定の形状に対応した表示要素を表示するねじれネマティック型、且つ、ネガ表示型の液晶表示素子であって、
前記第1基板及び前記第1偏光板は、前記液晶層よりも、前記表示要素を視認する観察者側に位置し、
前記透明電極の屈折率と、前記絶縁膜の屈折率との差は、略0.2であり、
前記第1基板及び前記第2基板の対向面の法線方向から見て、前記液晶層が含む液晶分子のうち前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向と前記第1偏光板の吸収軸方向とのなす角の角度の絶対値は、10度以下であり、
前記液晶層における前記長軸方向の屈折率と、前記長軸方向と直交する方向の屈折率との差の絶対値は、0.15以上0.25以下である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、簡潔な構造で電極見えを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の概略断面図である。 液晶表示素子が表示する表示要素の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液晶表示素子におけるF吸収軸とR吸収軸とFラビング軸とRラビング軸との関係を示す模式図である。 (a)は、各種条件を変更した複数の液晶表示素子における電極見えの発生状況を説明するための表の図である。(b)は、図4(a)に示す複数の液晶表示素子において共通する条件を説明するための表の図である。 (a)は、液晶表示素子の表示品位を確認するためのシミュレーション結果を示す表の図である。(b)は、図5(a)に示すシミュレーション結果におけるF吸収軸と背景透過率とコントラストとの関係のグラフの図である。 電極見えが発生した従来の液晶表示素子の写真を示した図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態に係る液晶表示素子100は、所定の表示要素を表示するねじれネマティック(TN(Twisted Nematic))型、且つ、ネガ表示型(ノーマリブラックモード)の液晶表示素子として構成されている。
液晶表示素子100は、図1に示すように、第1基板10と、第2基板20と、液晶層30と、第1偏光板40と、第2偏光板50と、を備える。
第1基板10及び第2基板20は、互いに対向する一対の透明基板であり、例えば、ガラス、プラスチック等から構成されている。第1基板10と第2基板20とは、液晶層30を挟んで対向するように、且つ、互いの主面(対向面)が平行となるように配置されている。第1基板10は、液晶層30よりも、表示要素を視認する観察者1側に位置する。第1基板10と第2基板20の板厚は、共に、例えば、1.1mm程度に設定されている。
第1基板10の液晶層30側には、透明電極11と絶縁膜12と配向膜13とが設けられている。これら各々は、第1基板10から液晶層30に向かって、透明電極11、絶縁膜12、配向膜13の順で積層されている。
第2基板20の液晶層30側には、透明電極21と絶縁膜22と配向膜23とが設けられている。これら各々は、第2基板20から液晶層30に向かって、透明電極21、絶縁膜22、配向膜23の順で積層されている。
透明電極11,21は、第1基板10と第2基板20の各々の液晶層30側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされている。透明電極11,21は、酸化インジウムを主成分とするITO(Indium Tin Oxide)膜等から構成されている。透明電極11は、第1基板10の液晶層30側の面上に、透明電極21は、第2基板20の液晶層30側の面上に、公知の方法(スパッタ、蒸着、エッチング等)により形成されている。なお、透明電極11,21は、ポリチオフェン等のπ共役系導電性高分子を含む材料により形成されていてもよい。
透明電極11はコモン電極として、透明電極21はセグメント電極として構成されている。両電極には、パッシブ駆動方式で電圧が印加される。つまり、液晶表示素子100は、セグメント表示型であってパッシブ駆動方式の液晶表示素子として構成されている。なお、透明電極21がセグメント電極、透明電極11がコモン電極として構成されてもよい。
液晶表示素子100は、第1基板10及び第2基板20の対向面の法線方向(以下、単に、基板法線方向ともいう)において透明電極11と21とが重なる領域において、前記所定の形状に対応した表示要素を表示する。ここで、表示要素とは、液晶表示素子100が表示する情報を示すための要素であり、記号(文字、数字を含む)、図形、又はこれらの組み合わせをいう。液晶表示素子100は、透明電極11,21にON電圧が印加された領域にバックライト60の光を導かせることによって、黒の背景領域に表示要素を白く点灯させる。
液晶表示素子100が表示する情報の一例を図2に示す。同図では、液晶表示素子100が7セグメントディスプレイとして構成された例で、液晶表示素子100が数値と単位とを示すことにより、ある車両の総走行距離の情報を示している例である。同図では、7つのセグメント2a(これらがすべて点灯した状態で数字の「8」を表示する)の組合せと、点灯状態で「k」というアルファベットを表示するセグメント2bと、点灯状態で「m」というアルファベットを表示するセグメント2cと、の組合せで、液晶表示素子100が現在の車両の総走行距離が「34888km」であるという情報を表示している。セグメント2a〜2cは、表示要素の一例である。
液晶表示素子100では、透明電極11,21が重ならない領域及びON電圧が印加されていない領域が黒の背景領域3となるが、何の対策も講じないと、この背景領域3において、透明電極11,21(特に観察者1側の透明電極11)が形成された領域4で、前述した電極見えが発生しやすかった。本実施形態に係る液晶表示素子100は、このような領域4で発生しやすかった電極見えを効果的に低減する。どのように電極見えを低減するかは後に詳述する。なお、図2では、背景領域3において形成されている引き回し電極を省略して表している。
絶縁膜12,22は、シリコン系の絶縁膜からなり、透明電極11,21を覆う。透明電極11上には絶縁膜12を介して配向膜13が形成され、透明電極21上には絶縁膜22を介して配向膜23が形成されている。絶縁膜12と22の膜厚は、共に、例えば、500Å程度に設定されている。
配向膜13,23は、各々、液晶層30と接し、液晶層30が含む液晶分子の配向状態を規定するためのものであり、例えばポリイミドから、公知の方法(例えば、フレクソ印刷)によって形成される。配向膜13は透明電極11を液晶層30側から覆うように形成されており、配向膜23は透明電極21を液晶層30側から覆うように形成されている。配向膜13と23の膜厚は、共に、例えば、400Å程度に設定されている。
配向膜13、23には、ラビング処理が施されている。ここで、構成の理解を容易にするため、液晶表示素子100において観察者1側を前面側、バックライト60側を背面側とすると、前面側の配向膜13のラビング方向に沿った軸(以下、Fラビング軸13aという)と、背面側の配向膜23のラビング方向に沿った軸(以下、Rラビング軸23aという)とは、図3に示すように、基板法線方向から見て略直交(丁度、直交も含む)する。このようにラビング処理が施された両配向膜により、液晶層30が含む液晶分子の配向方向が規定される。
液晶層30は、第1基板10及び第2基板20を接合するためのシール材(図示せず)と両基板とによって形成される密閉空間に液晶材が封入されることによって形成される。封入される液晶材は、例えば、屈折率異方性Δnが0.15以上0.25以下のTN用のネマティック液晶である。ここで、液晶層30におけるFラビング軸13a(図3参照)方向の屈折率をne、Rラビング軸23a(図3参照)方向の屈折率をnoとすると、屈折率異方性Δnは、Δn=ne−noで表される値である。Δnをこのように設定した理由は後述する。
液晶層30の液晶分子は、配向膜13及び配向膜23の配向規制力により、その長軸の向きが液晶層30の第1基板10側の端部と第2基板20側の端部とで90°ねじれるとともに、一方の基板側から他方の基板側にいくにつれて少しずつ回転(旋回)するように配向する(カイラル構造)。このようにして、電圧無印加時における液晶層30は、カイラリティを有する。
これにより、液晶層30が含む液晶分子31のうち、第1基板10に近接した位置の液晶分子(図3に模式的に示す液晶分子31)の長軸方向は、Fラビング軸13a方向に規制され(Fラビング軸13a方向と一致し)、第2基板20に近接した位置の液晶分子の長軸方向は、Rラビング軸23a方向に規制される(Rラビング軸23a方向と一致する)。
なお、配向膜13,23に施される配向処理は、ラビング処理に限らず、光配向処理、突起配向処理等の他の公知の処理によってもよく、これらの処理によって、液晶分子の長軸方向が規制されていてもよい。
液晶層30の厚み(セルギャップ)は、第1基板10と第2基板20との間に設けられたスペーサ(図示せず)によって、所定の厚み(例えば、6μm〜10μmの範囲内)に保たれている。
第1偏光板40、第2偏光板50は、その表又は裏面側から入射する光を吸収軸に直交する透過軸に沿った直線偏光として出射するものである。両偏光板は、例えば、ヨウ素系の偏光板(偏光フィルタ)からなる。第1偏光板40と第2偏光板50とは、互いに対向し、第1偏光板40は、第1基板10の液晶層30側とは反対側に位置し、第2偏光板50は、第2基板20の液晶層30側とは反対側に位置する。つまり、第1偏光板40は、液晶層30よりも、表示要素を視認する観察者1側に位置する。
液晶表示素子100を基板法線方向から見ると、図3に示すように、第1偏光板40の吸収軸41(以下、F吸収軸41という)と第2偏光板50の吸収軸51(以下、R吸収軸51)とが互いに略平行(丁度、平行も含む)となるように、両偏光板は配置されている(平行ニコル配置)。また、Fラビング軸13a方向とF吸収軸41方向とが実質的に一致するように第1偏光板40は配設されている。ここで、「実質的に」とは、基板や偏光板の組み付けにおいて生じる誤差も含むという意味合いである。
液晶表示素子100の背面側(つまり、観察者1とは反対側)には、バックライト60が配設される。バックライト60は、所定の光を面状に出射して液晶表示素子100を背面側から照らすものであり、例えば、発光ダイオードと導光部材との組合せによって構成される。バックライト60は、液晶表示素子100が透過表示を行う際に、使用されるものである。つまり、本実施形態に係る液晶表示素子100は、透過型のものとして構成されている。
以上の構成からなるTN型、且つ、ネガ表示型(ノーマリブラックモード)の液晶表示素子100は、次のように表示を行う。
(背景表示)
液晶表示素子100では、液晶分子が挙動し始める閾値電圧よりも低い値にOFF電圧が設定されている。すると、OFF電圧を印加しても液晶分子が実質的に基板面と平行なままである。つまり、OFF電圧が印加されている領域においては、液晶層30はカイラリティを有したままである。したがって、この領域においては、バックライト60が出射し、第2偏光板50を通過することによって直線偏光となった光は、液晶層30を通過すると液晶層30のカイラリティにより約90°偏光方向が傾く。すると、液晶層30を通過した光は、第2偏光板50と光軸(吸収軸又は透過軸)が略平行である第1偏光板40を通過できない。このようにして、液晶表示素子100の背景領域は黒色に視認される。
(白表示)
一方、ON電圧が印加されている領域においては、液晶層30の液晶分子は、電圧の印加方向(基板法線方向)に沿うように配向し、そのカイラリティが失われる。したがって、この領域においては、バックライト60が出射し、第2偏光板50を通過することによって直線偏光となった光は、液晶層30を通過してもその偏光方向がほぼ変化しない。すると、液晶層30を通過した光は、第2偏光板50と光軸が略平行である第1偏光板40を通過する。このようにして液晶表示素子100では、背面側から通過した光により、所定の表示要素が白く点灯する。
ここからは、電極見えを低減できる液晶表示素子100の諸条件をどのようにして設定したかを説明する。
電極見えは、前述したように、透明電極が有るところと無いところにおける、外光による反射強度が異なることにより発生する。より具体的には、観察者1側から外光が液晶層30に入ってきた場合、その光は第1偏光板40から侵入するが、透明電極が有るところと無いところでは第1偏光板40から液晶層30に渡る層間における屈折率に差が生じ、各々の界面での光の反射の仕方が異なる。このような反射光が干渉し合うことにより電極見えが発生する。
ところで、従来のTN型液晶表示素子では、Fラビング軸13aとF吸収軸41とを直交させていた。これは、偏光板の供給メーカーの仕様に合わせて、液晶表示素子を構成することが慣習化していたことに主に起因する。
しかし、本願発明者らは、電極見えを低減するには、あえて、このような慣習に反し、「Fラビング軸13aとR吸収軸51とを実質的に一致させる」(以下、この条件を「条件1」という)、ようにすればよいことに想い到った。
一般的に、液晶層30の軸13a方向の屈折率neは、1.6程度、Rラビング軸23a方向の屈折率noは、1.5程度に設定されているが、条件1を満たすように液晶表示素子100を構成すれば、屈折率が低いno側で、光が第1偏光板40を透過することになる(つまり、F吸収軸41と直交する透過軸方向で光が透過する)。すると、液晶層30の実効的な屈折率(つまり、実際に観察者1に届く光を踏まえた屈折率)を小さくすることができ、電極見えを低減できるのではないか、と本願発明者らは想い到ったのである。
本願発明者らは、上記のアイデアの実効性を確かめると共に、電極見えを低減するために適した条件を見出すために、諸条件が互いに異なる複数の液晶表示素子(サンプル1〜5、従来例1及び2)を実際に作成した。これら複数の液晶表示素子に関する表を図4(a)、(b)に示す。
作成した複数の液晶表示素子を、上記に説明した液晶表示素子100の構成を用いて説明すれば、本願発明者らは、液晶層30のΔnを0.1、セルギャップを6μmに設定したものをサンプル1として作成し、Δnを0.15、セルギャップを10μmに設定したものをサンプル2として作成し、液晶層30のΔnを0.2、セルギャップを10μmに設定したものをサンプル3として作成し、液晶層30のΔnを0.25、セルギャップを10μmに設定したものをサンプル4として作成し、液晶層30のΔnを0.2、セルギャップを6μmに設定したものをサンプル5として作成した。
併せて、比較例として、F吸収軸41とFラビング軸13aとを直交させた従来の構成の液晶表示素子において、液晶層30のΔnを0.2、セルギャップを10μmに設定したものを従来例1として作成し、Δnを0.1、セルギャップを6μmに設定したものを従来例2として作成した。
なお、これらのサンプル1〜5と従来例1及び2とに係る液晶表示素子では、これら全てに共通する設定として、図4(b)に示すように、第1基板10と第2基板20共に、板厚1.1mmのソーダ石灰ガラス(屈折率1.500)を使用し、透明電極11,21を、共に、膜厚400Åとし(屈折率1.9536)、絶縁膜12,22を、共に、膜厚500Åとし(屈折率1.7417)、配向膜13,23を、共に、膜厚400Åとした(屈折率1.7168)。
本願発明者らは、このように作成した複数の液晶表示素子を目視により観察した。
この観察では、4段階の評価を行い、図4(a)に示すように、電極見えが顕著に発生した場合を「×」、電極見えが視認でき、液晶表示素子の表示品位を保つ上で好ましくない場合を「△」、電極見えがほとんど視認されず、液晶表示素子の表示品位が良好な場合を「○」、電極見えが確認できず、液晶表示素子の表示品位が「○」よりもさらに良好な場合を「◎」として各液晶表示素子を評価した。
図4(a)の表を参照するとわかるように、従来例1及び2では、電極見えが発生し、表示品位が好ましくない。また、前記条件1を満たすものの、屈折率異方性Δnが0.1と小さいサンプル1は、表示品位が好ましくない。
一方、サンプル2は、電極見えがほとんど視認されず、さらには、サンプル3〜5は、サンプル2よりもさらに電極見え低減効果に優れ、表示品位がより良好であった。
この観察結果により、サンプル2〜5の条件とすれば、電極見え低減効果に優れていることがわかる。
サンプル1がサンプル2〜5に比べ、電極見え低減効果に劣る理由としては、Δnが0.1と小さい、つまりneとnoとの差が小さく、実効的な液晶屈折率が十分に小さくできなかったためと考えられる。一方、サンプル2〜5の観察結果を見るとわかるように、Δnを0.15、より好ましくはΔnを0.15より大きい値にすれば電極見え低減効果に優れることがわかる。
本願発明者らは、これらの観察結果及び考察により、前記の条件1に加え、「液晶層30のΔnを0.15以上0.25以下の範囲」を満たすようにすれば(以下、この範囲を満たす条件を「条件2」という)、電極見えを良好に低減できることを見出した。この条件2を満たすには、例えば、液晶層30におけるneを1.65以上1.75以下、noを1.5程度に調整すればよい。
以上に説明した条件1及び条件2を満たす液晶表示素子100は、互いに対向する第1基板10及び第2基板20と、第1基板10と第2基板20の間に位置する液晶層30と、第1基板10と第2基板20の各々の液晶層30側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極11,12と、第1基板10の液晶層30側とは反対側に位置する第1偏光板40と、第2基板20の液晶層30側とは反対側に位置して第1偏光板40と対向する第2偏光板50と、を備え、透明電極11,12から液晶層30に電圧が印加されることで、前記所定の形状に対応した表示要素を表示するねじれネマティック型、且つ、ネガ表示型の液晶表示素子100であって、第1基板10及び第1偏光板40は、液晶層30よりも、前記表示要素を視認する観察者1側に位置し、第1基板10及び第2基板20の対向面の法線方向から見て、Fラビング軸13a方向(液晶層30が含む液晶分子のうち第1基板10に近接した位置の液晶分子31の長軸方向の一例)と第1偏光板40のF吸収軸41方向とは実質的に一致し、液晶層30の屈折率異方性Δn(つまり、液晶層30におけるFラビング軸13a方向の屈折率neと、Fラビング軸13a方向と直交する方向の屈折率noとの差)の絶対値は、0.15以上0.25以下である。
このようにしたから、前述のように電極見えを良好に低減することができる。また、液晶表示素子100は、Fラビング軸13aとF吸収軸41とが実質的に一致するように構成され、且つ、液晶層30のΔnが条件2を満たすように適宜に調整されただけであるため、その構造が簡潔である。
なお、本発明は上記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。これらに変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。以下に、変形例の一例を説明する。
(変形例)
以上の説明では、液晶表示素子100をF吸収軸41方向とR吸収軸51方向とが実質的に一致、且つ、Fラビング軸13a方向とF吸収軸41方向とが実質的に一致するように構成する例を示したが、これに限られない。これら各々の軸方向を多少ずらすことにより、視角特性や、表示光の色相を変化させる(例えば、背景領域の色を黒よりも薄い色にする)ようにしてもよい。つまり、F吸収軸41とR吸収軸51とを平行状態からずらしてもよく、同様に、Fラビング軸13aとF吸収軸41とを平行状態からずらしてもよい。
例えば、F吸収軸41とR吸収軸51とを完全な平行状態から所定の角度ずらしたとしても、屈折率が低いno側で、光が第1偏光板40を透過することになるため、電極見えの低減効果は得られる。しかし、電極見えの低減効果が得られるからといって、コントラスト等の特性に支障がでて液晶表示素子100の表示品位が低下することは好ましくない。そこで、本願発明者らは、液晶表示素子100の表示品位を保ちつつ、どの程度の角度までF吸収軸41とR吸収軸51とをずらすことができるかを確かめるために、シミュレーションを行った。
このシミュレーションでは、液晶層30の条件として、屈折率異方性Δnを0.21、誘電率異方性Δεを9.7、ツイスト角90°、セルギャップ10μmと設定し、光源としてD65光源を設定した上で、R吸収軸51を基準として、R吸収軸51とF吸収軸41とがなす角の角度が±15°となる範囲で、5°毎に変化させ、透過率及びコントラストを計算した。
なお、図5(a)、(b)に示す角度は液晶表示素子100の表示画像を視認する観察者1から見て左右方向に伸びる軸とF吸収軸41又はR吸収軸51とのなす角の角度である(以下、この角度をαとする)。図5(b)に示すように、基準となるR吸収軸51では、α=45°と固定し、F吸収軸41の角度αを30°〜60°の範囲で変化させている。また、このシミュレーションでは、図5(a)に示すように、OFF電圧1.67V、ON電圧2.89Vと設定した。また、このシミュレーションは、シンテック株式会社製のシミュレーションソフト「LCD MASTER」によるものである。
図5(a)に示すシミュレーション結果を参照し、まず背景透過率(電圧0Vの透過率。つまり、電圧無印加時の透過率)に着目すると、F吸収軸41の角度αが30°、60°では、背景透過率が2.56、2.61と高く、表示品位が良好でない(いわゆる背景抜けが顕著に生じる)。
次に、コントラスト(図5(a)ではCRと表している)に着目すると、F吸収軸41の角度αが30°、60°では、コントラストが約6と低く、やはり表示品位が良好でない。なお、コントラストはON時(ON電圧2.89V印加時)の透過率をOFF時(OFF電圧1.67V印加時)の透過率で割った値であり、この値が大きいと液晶表示素子100の表示が見やすいものとなるため、コントラストは大きいほうがよい。
一方、F吸収軸41の角度αが、35°≦α≦55°の範囲においては、背景透過率が最も高い場合でも1.34(F吸収軸41のαがα=55°のとき)であり、F吸収軸41の角度αが30°、60°のときと比べて十分に小さく、表示品位が良好に保てることがわかる。
また、コントラストに着目しても、35°≦α≦55°の範囲において、一番小さい値でも、11(F吸収軸41のαがα=55°のとき)と、F吸収軸41の角度αが30°、60°のときと比べて十分に大きく、表示品位が良好に保てることがわかる。
なお、参考として、図5(b)に、F吸収軸41の角度αと背景透過率とコントラストとの関係のグラフを示した。このグラフを参照すると、F吸収軸41の角度αが35°≦α≦55°の範囲を超えてしまうと、背景透過率が増大し、且つ、コントラストが小さくなる傾向があることがわかる。
以上のシミュレーション結果及び考察を踏まえると、F吸収軸41のαが35°≦α≦55°の範囲であれば、表示品位を損なうことなく、電極見えも低減できることがわかる。このシミュレーションではR吸収軸51のαをα=45°と固定したため、言い換えれば、R吸収軸51とF吸収軸41とのなす角の角度の絶対値が10°以下であればよい。すなわち、Rラビング軸23a方向とR吸収軸51方向とを実質的に一致させた場合において、Fラビング軸13a方向とF吸収軸41方向とのなす角の角度の絶対値が10度以下であればよい。
このように変形例として、液晶表示素子100は、基板法線方向から見て、Fラビング軸13a方向(液晶層30が含む液晶分子のうち第1基板10に近接した位置の液晶分子31の長軸方向の一例)と第1偏光板40のF吸収軸41方向とのなす角の角度の絶対値は、10度以下であり、液晶層30の屈折率異方性Δn(つまり、液晶層30におけるFラビング軸13a方向の屈折率neと、Fラビング軸13a方向と直交する方向の屈折率noとの差)の絶対値は、0.15以上0.25以下である、ように構成されてもよい。
以上の説明では、液晶表示素子100が透過型のものとして構成される例を示したが、これに限られない。液晶表示素子100が、観察者1側から入射した光を反射しバックライト60側からの光を透過するハーフミラー等の半反射層を備え、いわゆる半透過型(半反射型)のものとして構成されてもよい。また、バックライトを設けず、反射型のものとして構成されてもよい。
なお、以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100 …液晶表示素子
10 …第1基板
11 …透明電極
12 …絶縁膜
13 …配向膜
13a…Fラビング軸
20 …第2基板
21 …透明電極
22 …絶縁膜
23 …配向膜
23a…Rラビング軸
30 …液晶層
40 …第1偏光板
41 …F吸収軸
50 …第2偏光板
51 …R吸収軸
60 …バックライト
1 …観察者
2a〜2c…セグメント
3 …背景領域

Claims (2)

  1. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
    前記第1基板と前記第2基板の各々の前記液晶層側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極と、
    少なくとも前記第1基板側の前記透明電極と前記液晶層との間に前記透明電極を覆うように設けられる絶縁膜と、
    前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に位置する第1偏光板と、
    前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に位置して前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、を備え、前記透明電極から前記液晶層に電圧が印加されることで、前記所定の形状に対応した表示要素を表示するねじれネマティック型、且つ、ネガ表示型の液晶表示素子であって、
    前記第1基板及び前記第1偏光板は、前記液晶層よりも、前記表示要素を視認する観察者側に位置し、
    前記透明電極の屈折率と、前記絶縁膜の屈折率との差は、略0.2であり、
    前記第1基板及び前記第2基板の対向面の法線方向から見て、前記液晶層が含む液晶分子のうち前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向と前記第1偏光板の吸収軸方向とは実質的に一致し、
    前記液晶層における前記長軸方向の屈折率と、前記長軸方向と直交する方向の屈折率との差の絶対値は、0.15以上0.25以下である、
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
    前記第1基板と前記第2基板の各々の前記液晶層側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極と、
    少なくとも前記第1基板側の前記透明電極と前記液晶層との間に前記透明電極を覆うように設けられる絶縁膜と、
    前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に位置する第1偏光板と、
    前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に位置して前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、を備え、前記透明電極から前記液晶層に電圧が印加されることで、前記所定の形状に対応した表示要素を表示するねじれネマティック型、且つ、ネガ表示型の液晶表示素子であって、
    前記第1基板及び前記第1偏光板は、前記液晶層よりも、前記表示要素を視認する観察者側に位置し、
    前記透明電極の屈折率と、前記絶縁膜の屈折率との差は、略0.2であり、
    前記第1基板及び前記第2基板の対向面の法線方向から見て、前記液晶層が含む液晶分子のうち前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向と前記第1偏光板の吸収軸方向とのなす角の角度の絶対値は、10度以下であり、
    前記液晶層における前記長軸方向の屈折率と、前記長軸方向と直交する方向の屈折率との差の絶対値は、0.15以上0.25以下である、
    ことを特徴とする液晶表示素子。
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