JP2014066815A - ねじれネマティック型液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡潔で、急峻性が良好なねじれネマティック型液晶表示素子を提供する。
【解決手段】ねじれネマティック型液晶表示素子において、パッシブ駆動方式で表示動作を行う。液晶層のリタデーションは、0.5μm以上0.6μm以下であり、液晶層のツイスト角の角度は、140°以上160°以下であり、F吸収軸41が沿う方向から、R吸収軸51が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、90°以上105°以下であり、F液晶分子31の長軸方向から、F吸収軸41が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、5°以上40°以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ねじれネマティック型液晶表示素子に関する。
ねじれネマティック(TN(Twisted Nematic))型液晶表示素子として、一対の基板間に位置する液晶層のうち、一方の基板側端部の液晶分子の向きと他方の基板側端部の液晶分子の向きとのなす角(以下、ツイスト角という)を90°に設定したTN液晶が知られている。また、ツイスト角を180°〜240°程度に設定したSTN(Super Twisted Nematic)液晶が知られている。
なお、STN液晶は、ツイスト角を90°よりも大きく設定したものを指す場合もあるが、本書では、使用実状に即し、ツイスト角を180°〜240°程度に設定したものを「従来STN液晶」と呼ぶことにする。また、ツイスト角を90°に設定したものを「従来TN液晶」と呼ぶことにする。
また、特許文献1には、オフセグメント見えを無くすために、従来TN液晶と従来STN液晶とも異なるツイスト角120°〜140°に設定したTN液晶が開示されている。
特開2004−191572号公報
従来STN液晶は、従来TN液晶よりもツイスト角を大幅に増加させることで、印加電圧に対する液晶部分の急峻性を、従来TN液晶よりも向上したものであるが、その反面、例えばON電圧印加時に文字等の意匠を黒く表示させるポジ表示では、背景が黄色に着色してしまう。このような背景着色は、表示品位の低下に繋がるため好ましくない。そのため、従来STN液晶では、位相差板を用いて背景着色を防止したFSTN(Film compensated STN)の構成が広く採用されているが、これでは、構成が複雑になり、コスト増加に繋がりやすいという問題があった。
一方、従来TN液晶は、従来STN液晶よりもコスト低減が可能であるものの、従来STNよりも急峻性が劣ることで、液晶パネル正面から斜めに見たときに色変化が生じる等の問題があった。これらの問題は、特許文献1に係るTN液晶程度にツイスト角を設定しても解決が困難であった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、構成が簡潔で、急峻性が良好なねじれネマティック型液晶表示素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るねじれネマティック型液晶表示素子は、
互いに対向する第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
前記第1基板と前記第2基板の各々の前記液晶層側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極と、
前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に位置する第1偏光板と、
前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に位置して前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、を備え、前記透明電極から前記液晶層に電圧が印加されることで前記所定の形状に対応した表示要素を表示する、パッシブ駆動方式のねじれネマティック型液晶表示素子であって、
前記液晶層のリタデーションは、0.5μm以上0.6μm以下であり、
前記第1基板及び前記第1偏光板は、前記液晶層よりも、前記表示要素を視認する観察者側に位置し、
前記第1基板及び前記第2基板の対向面の法線方向から見て、
前記液晶層が含む液晶分子のうち前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向と前記第2基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向とのねじれ角の角度は、140°以上160°以下であり、
前記第1偏光板の吸収軸が沿う方向から、前記第2偏光板の吸収軸が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、90°以上105°以下であり、
前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向から、前記第1偏光板の吸収軸が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、5°以上40°以下である、
ことを特徴とする。
本発明によれば、構成が簡潔で、急峻性が良好なねじれネマティック型液晶表示素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るねじれネマティック型液晶表示素子の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る液晶表示素子が表示する表示要素の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る液晶表示素子におけるF吸収軸とR吸収軸とFラビング軸とRラビング軸との関係を示す模式図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子と従来TN液晶との電圧−反射率特性を示すグラフの図である。(b)は、図4(a)に示すグラフの元となるデータの表を示す図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子のクロストークを示す図である。(b)は、従来TN液晶のクロストークを示す図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子のコントラストを示す図である。(b)は、従来TN液晶のコントラストを示す図である。 (a)は、F吸収軸及びR吸収軸の角度の各々を所定の範囲で変化させた場合における背景反射率を示す表の図である。(b)は、F吸収軸及びR吸収軸の角度の各々を所定の範囲で変化させた場合におけるON反射率を示す表の図である。 (a)は、F吸収軸とR吸収軸との角度差を示す表の図である。(b)は、F吸収軸とFラビング軸との差を示す表の図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態に係るねじれネマティック型液晶表示素子100(以下、単に液晶表示素子100ともいう)は、所定の表示要素を表示するねじれネマティック(TN(Twisted Nematic))型、且つ、ポジ表示型(ノーマリホワイトモード)の液晶表示素子として構成されている。
液晶表示素子100は、図1に示すように、第1基板10と、第2基板20と、液晶層30と、第1偏光板40と、第2偏光板50と、反射層60と、を備える。
第1基板10及び第2基板20は、互いに対向する一対の透明基板であり、例えば、ガラス、プラスチック等から構成されている。第1基板10と第2基板20とは、液晶層30を挟んで対向するように、且つ、互いの主面(対向面)が平行となるように配置されている。第1基板10は、液晶層30よりも、表示要素を視認する観察者1側に位置する。第1基板10と第2基板20の板厚は、共に、例えば、1.1mm程度に設定されている。
第1基板10の液晶層30側には、透明電極11と絶縁膜12と配向膜13とが設けられている。これら各々は、第1基板10から液晶層30に向かって、透明電極11、絶縁膜12、配向膜13の順で積層されている。
第2基板20の液晶層30側には、透明電極21と絶縁膜22と配向膜23とが設けられている。これら各々は、第2基板20から液晶層30に向かって、透明電極21、絶縁膜22、配向膜23の順で積層されている。
透明電極11,21は、第1基板10と第2基板20の各々の液晶層30側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされている。透明電極11,21は、酸化インジウムを主成分とするITO(Indium Tin Oxide)膜等から構成されている。透明電極11は、第1基板10の液晶層30側の面上に、透明電極21は、第2基板20の液晶層30側の面上に、公知の方法(スパッタ、蒸着、エッチング等)により形成されている。なお、透明電極11,21は、ポリチオフェン等のπ共役系導電性高分子を含む材料により形成されていてもよい。
透明電極11はコモン電極として、透明電極21はセグメント電極として構成されている。両電極には、パッシブ駆動方式で電圧が印加される。つまり、液晶表示素子100は、セグメント表示型であってパッシブ駆動方式の液晶表示素子として構成されている。なお、透明電極21がセグメント電極、透明電極11がコモン電極として構成されてもよい。
液晶表示素子100は、第1基板10及び第2基板20の対向面の法線方向(以下、単に、基板法線方向ともいう)において透明電極11と21とが重なる領域において、前記所定の形状に対応した表示要素を表示する。ここで、表示要素とは、液晶表示素子100が表示する情報を示すための要素であり、記号(文字、数字を含む)、図形、又はこれらの組み合わせをいう。液晶表示素子100は、透明電極11,21にON電圧が印加された領域で外光を反射させないようにすることによって、略白の背景領域に表示要素を黒く表示する(表示要素を表示状態とする)。つまり、液晶表示素子100は、いわゆる反射型のものとして構成されている。
液晶表示素子100が表示する情報の一例を図2に示す。同図では、液晶表示素子100が7セグメントディスプレイとして構成された例で、液晶表示素子100が数値と単位とを示すことにより、ある車両の総走行距離の情報を示している例である。同図では、7つのセグメント2a(これらがすべて表示された状態で数字の「8」を示す)の組合せと、表示状態で「k」というアルファベットを表示するセグメント2bと、表示状態で「m」というアルファベットを表示するセグメント2cと、の組合せで、液晶表示素子100が現在の車両の総走行距離が「34888km」であるという情報を表示している。セグメント2a〜2cは、表示要素の一例である。
液晶表示素子100では、透明電極11と透明電極21とが重ならない領域、及び、ON電圧が印加されていない領域が略白の背景領域3となる。なお、図2では、背景領域3において形成されている引き回し電極を省略して表している。
絶縁膜12,22は、シリコン系の絶縁膜からなり、透明電極11,21を覆う。透明電極11上には絶縁膜12を介して配向膜13が形成され、透明電極21上には絶縁膜22を介して配向膜23が形成されている。絶縁膜12と22の膜厚は、共に、例えば、500Å程度に設定されている。
配向膜13,23は、各々、液晶層30と接し、液晶層30が含む液晶分子の配向状態を規定するためのものであり、例えばポリイミドからなり、公知の方法(例えば、フレクソ印刷)によって形成される。配向膜13は透明電極11を液晶層30側から覆うように形成されており、配向膜23は透明電極21を液晶層30側から覆うように形成されている。配向膜13と23の膜厚は、共に、例えば、400Å程度に設定されている。
配向膜13、23には、ラビング処理が施されている。ここで、構成の理解を容易にするため、液晶表示素子100において観察者1側を前面側(図1において上側)、その反対側を背面側(図1において下側)とすると、前面側の配向膜13のラビング方向に沿った軸(以下、Fラビング軸13aという)と、背面側の配向膜23のラビング方向に沿った軸(以下、Rラビング軸23aという)とは、図3に示すようになる。具体的には、観察者1が基板法線方向から液晶表示素子100を見た場合の左右方向(図3における左右方向と同じ)に沿った軸線を基準として、同図に示すように、反時計回りに角度が0°から増加するように、角度を定義した場合(つまり、観察者1から見て3:00方向が0°方向)、Fラビング軸13aは、一例として30°方向に沿うように、Rラビング軸23aは、一例として180°方向に沿うように設定されている。これにより、後述するように、ツイスト角θの角度は、150°となる。
このようにラビング処理が施された両配向膜により、液晶層30が含む液晶分子の配向方向が規定される。なお、配向膜13,23に施される配向処理は、ラビング処理に限らず、光配向処理、突起配向処理等の他の公知の処理によってもよく、これらの処理によって、液晶分子の長軸方向が規制されていてもよい。
図1に戻って、液晶層30は、第1基板10及び第2基板20を接合するためのシール材(図示せず)と両基板とによって形成される密閉空間に液晶材が封入されることによって形成される。
ここで、液晶層30における屈折率異方性Δnとセルギャップdとの積であるリタデーションΔn・dの値は、液晶表示素子100の急峻性を良好に高めるため、0.5μm以上0.6μm以下の範囲に設定されている。つまり、「0.5μm≦Δn・d≦0.6μm」という条件(以下、「条件1」という)を満たすように設定されている。なお、参考までに、従来STN液晶では、Δn・dは、0.8〜0.9程度に設定されている。
屈折率異方性Δnは、液晶層30におけるFラビング軸13a方向の屈折率をne、Rラビング軸23a方向の屈折率をnoとすると、Δn=ne−noで表される値である。セルギャップdは、液晶層30の厚みであり、第1基板10と第2基板20との間に設けられたスペーサ(図示せず)によって、適宜の値に保たれている。この実施形態では、一例として、Δn=0.095、d=5.5μmに設定され、Δn・dは、約0.523μmとなっている。
液晶層30の液晶分子の配向方向は、配向膜13及び配向膜23により、図3に示すように規制される。具体的には、第1基板10に近接した位置の液晶分子であるF液晶分子31の長軸方向は、Fラビング軸13a方向に規制され(Fラビング軸13a方向と一致し)、第2基板20に近接した位置の液晶分子であるR液晶分子32の長軸方向は、Rラビング軸13a方向に規制される(Rラビング軸13a方向と一致する)。ここで、F液晶分子31の長軸方向とR液晶分子32の長軸方向とのなす角をツイスト角θとすれば(図3参照)、液晶層30の液晶分子は、その長軸の向きが液晶層30の第1基板10側の端部と第2基板20側の端部とでツイスト角θの角度でねじれるとともに、一方の基板側から他方の基板側にいくにつれて少しずつ回転(旋回)するように配向する(カイラル構造)。このようにして、電圧無印加時における液晶層30は、カイラリティを有する。
本実施形態では、ツイスト角θは、140°以上160°以下、つまり、「140°≦θ≦160°」という条件(以下、「条件2」という)を満たすように設定されている。
このように、液晶表示素子100では、従来STN液晶よりもツイスト角を小さく設定することで背景着色を低減し、且つ、従来TN液晶よりもツイスト角を大きく設定することで従来TN液晶よりも良好な急峻性を実現している。
ここでは、一例として、前述のように、Fラビング軸13aとRラビング軸23aとを設定したため、ツイスト角θの角度は、150°となる。
第1偏光板40、第2偏光板50は、その表又は裏面側から入射する光を吸収軸に直交する透過軸に沿った直線偏光として出射するものである。両偏光板は、例えば、ヨウ素系の偏光板(偏光フィルタ)からなる。第1偏光板40と第2偏光板50とは、互いに対向し、第1偏光板40は、第1基板10の液晶層30側とは反対側に位置し、第2偏光板50は、第2基板20の液晶層30側とは反対側に位置する。つまり、第1偏光板40は、液晶層30よりも、表示要素を視認する観察者1側に位置する。
液晶表示素子100を基板法線方向から見ると、第1偏光板40の吸収軸41(以下、F吸収軸41という)と第2偏光板50の吸収軸51(以下、R吸収軸51)との関係は、図3に示すようになる。
具体的には、第1偏光板40のF吸収軸41が沿う方向から、第2偏光板50のR吸収軸51が沿う方向への反時計回りのずれ角を第1の関係角αとおくと(図3参照)、第1の関係角αは、90°以上105°以下、つまり、「90°≦α≦105°」という条件(以下、「条件3」という)を満たすように設定されている。条件3をこのように定めた理由は、後述する。
ここでは、一例として、F吸収軸41は、60°方向に沿うように、R吸収軸51は、160°方向に沿うように設定され、第1の関係角αの角度は、100°となっている。
また、Fラビング軸13a方向(つまり、第1基板10に近接した位置のF液晶分子31の長軸方向)から、第1偏光板40のF吸収軸41が沿う方向への反時計回りのずれ角を第2の関係角βとおくと(図3参照)、第2の関係角βは、5°以上40°以下、つまり、「5°≦β≦40°」という条件(以下、「条件4」という)を満たすように設定されている。条件4をこのように定めた理由は、後述する。
ここでは、前述のように、一例として、F吸収軸41を60°方向、Fラビング軸13aを30°方向に設定したため、第2の関係角βの角度は、30°となっている。
反射層60は、表側から入射した光を反射するものである。反射層60は、第2偏光板50の裏面に直接形成されていることで第2偏光板50と一体のものであってもよい。
以上の構成からなる液晶表示素子100は、次のように表示を行う。
(背景表示)
液晶表示素子100では、液晶分子が挙動し始める閾値電圧よりも低い値にOFF電圧が設定されている。すると、OFF電圧を印加しても液晶分子が実質的に基板面と平行なままである。つまり、OFF電圧が印加されている領域においては、液晶層30はカイラリティを有したままである。したがって、この領域においては、液晶表示素子100の表側から入射し、第1偏光板40を通過することによって直線偏光となった外光は、液晶層30を通過すると液晶層30のカイラリティにより、概ね、ツイスト角θ(140°≦θ≦160°)の角度だけ、偏光方向が傾く。これにより、液晶層30を通過した光の大部分は、第1偏光板40と光軸が、第1の関係角α(90°≦α≦105°)だけずれた第2偏光板50を通過し、反射層60で反射する。同様の理由により、反射層60で反射した光は、液晶表示素子100の裏側から、第2偏光板60、液晶層30、第1偏光板40の順で通過することができる。この反射光が視認者の目に入ることにより背景を略白く表示する。
(表示状態)
一方、ON電圧が印加されている領域においては、液晶層30の液晶分子は、電圧の印加方向(基板法線方向)に沿うように配向し、そのカイラリティが失われるため、第1偏光板40を通過した直線偏光の偏光方向は、液晶層30を通過することによってもほぼ変化しない。従って、液晶層30を通過した光は、第1偏光板40と光軸が交差する第2偏光板50を通過できない。このため、ONで電圧が印加された領域の表示要素は、黒く視認される(つまり、表示要素を黒く表示する)。
次に、図4(a)、(b)、図5、及び、図6を参照して、液晶表示素子100と従来TN液晶との比較を行う。
ここでの比較では、液晶表示素子100の諸条件を、一例として、前述したように液晶層30のリタデーションΔn・dを約0.523μm(Δn=0.095、d=5.5μm)に設定し、且つ、図3に示すように、ツイスト角θを150°に、F吸収軸41を60°方向に、R吸収軸51を160°方向に、Fラビング軸13aを30°方向に設定した。
一方、従来TNの諸条件は、液晶表示素子100と同様の機能を有する構成について、同一の名称及び符号を用いて説明すれば、液晶層30のリタデーションΔn・dを0.589μmに設定し(Δn=0.095、d=6.2μm)、且つ、ツイスト角θを90°に、F吸収軸41を45°方向に、R吸収軸51を135°方向に、Fラビング軸13aを45°方向に設定した。
図4(a)は、以上のように設定した液晶表示素子100及び従来TN液晶の印加電圧に対する反射率の関係(電圧−反射率特性)を示すグラフである。なお、ここでの反射率は、液晶表示素子100を正面から視認した場合における正面反射率である。また、参考として、図4(b)に、図4(a)のグラフの元となるデータを示した。
図4(a)を参照するとわかるように、液晶表示素子100は、従来TN液晶よりも急峻性が良好であることがわかる。つまり、同じ電圧であれば、液晶表示素子100は、従来TNよりも、より急峻に表示状態に達することができる。
図5(a)及び(b)は、液晶表示素子100及び従来TN液晶のクロストークの視角特性を示す図である。
ここで、クロストークとは、OFF電圧(ここでは、1.67V)印加時の反射率(OFF反射率)を電圧無印加時の反射率(背景反射率)で除した値であり、この値が「1」に近ければ近いほど、背景表示での色味の変化が少ないことを表す。なお、図5(a)及び図5(b)の円形のチャートは、視角に対応するものである。つまり、円の中心が、液晶表示素子100及び従来TN液晶を正面から見た場合(基板法線方向から見た場合)であり、同図における上方向が観察者1が基板法線方向から12:00方向に傾けて見た場合、右方向が3:00方向に傾けて見た場合、下方向が6:00方向に傾けて見た場合、左方向が9:00方向に傾けて見た場合に相当する(後述する図6(a)、(b)も同様)。
図5(a)を参照すると、液晶表示素子100は、どのような視角方向から見ても、平均的に、クロストークの値が「1」に近く、クロストークの視角特性が非常に良好であることがわかる。
一方、図5(b)を参照すると、従来TN液晶は、概ね上方向の視角では、クロストークの値が「1」に近いものの、視角が基板法線方向から下方向に傾けば、傾くほど、クロストークの値が、0.5に近づいていっていることがわかる。つまり、従来TN液晶では、視角を正面から下方向に傾けて見た場合、背景表示での色味の変化が著しく、表示品位が良好でないことがわかる。
図6(a)及び(b)は、液晶表示素子100及び従来TN液晶のコントラストの視角特性を示す図である。ここで、コントラストとは、OFF電圧(ここでは、1.67V)印加時の透過率をON電圧(ここでは、2.89V)印加時の透過率で除した値であり、この値が大きいほど表示が見やすいものとなる。なお、ここでは、コントラストの上限値を5としている。
図6(a)を参照すると、液晶表示素子100は、円形チャートの中心を含み、左側に向けて、コントラストが5に近い領域が広がっており、コントラストの対称性には、若干欠けるものの、表示品位としては、良好であることがわかる。
一方、図6(b)を参照すると、従来TN液晶は、円形チャートの中心を含み左右対称にコントラストが5に近い領域が広がっており、コントラストは良好である。但し、図示するように、左右各々の下方向に、コントラストが0に近い領域が散見される。この点、液晶表示素子100については、ある特定の視角で、コントラストが極端に低い領域がなく、良好である。
ここからは、どのようにして、本願発明者が上記条件3及び条件4を導いたかを、図7(a)、(b)及び図8(a)、(b)を参照して説明する。
以上に説明した比較により、液晶表示素子100が、急峻性及びクロストークの視角特性が非常に良好であり、コントラストの視角特性も良好であることがわかった(図4(a)、(b)、図5、及び、図6参照)。
そこで、以上の比較での諸条件の設定(特に、吸収軸とラビング軸との関係)をどの程度まで変化させても、良好な表示品位を保てるかを確認するために、本願発明者は、液晶表示素子100のF吸収軸41の角度を30°〜80°、R吸収軸51の角度を0°〜180°の範囲で、それぞれ変化させた場合における背景反射率及びON反射率をシミュレーションにより調べた。なお、吸収軸の角度は、前述した図3と同様、観察者1から見て、3:00方向を0°とし、反時計回りに角度が増加するものとした。この場合における液晶表示素子100の正面の背景反射率(%)を図7(a)に、正面のON反射率(%)を図7(b)に示す。ON反射率の測定シミュレーションにおける駆動条件は、電圧5V、1/4Duty、1/3Bias、ON電圧2.89Vである。
背景反射率の観点では、表示品位を加味して、17%以上の値を示すものを許容範囲とした。17%以上の値を示すものは、図7(a)における破線で囲まれた箇所になる。一方、ON反射率の観点では、表示品位を加味して、1%以下の値を示すものを許容範囲とした。1%以下の値を示すものは、図7(b)における破線で囲まれた箇所になる。
そして、背景反射率が17%以上の条件を満たすと共に、ON反射率1%以下の条件を満たすものは、図7(a)及び図7(b)で太枠線に囲まれた箇所である。この両条件を満たすF吸収軸41とR吸収軸51との組合せを、F吸収軸41とR吸収軸51との相対的な位置関係、つまり、第1の関係角αとして表したのが図8(a)における太枠線に囲まれた箇所である。このようにして、「90°≦α≦105°」という条件3を導いた。
また、F吸収軸41とR吸収軸51とが条件3を満たしている場合のF吸収軸41の方向の角度は、図8(a)から35°〜70°の範囲であることがわかる。すると、Fラビング軸13aの方向が30°である場合の、Fラビング軸13a方向から、第1偏光板40のF吸収軸41が沿う方向への反時計回りのずれ角(つまり、F吸収軸41方向の角度からFラビング軸13a方向の角度を減じたもの)は、図8(b)の太枠線に囲まれた箇所に示すように5°〜40°の範囲となる。
ここで、図3では、液晶表示素子100の構成の理解を容易とするため、一例として、Fラビング軸13a方向を30°、F吸収軸41方向を60°、R吸収軸51方向を160°等に設定したが、液晶表示素子100が望まれる視角条件に応じて、図3に示すような軸関係を保ったままであれば、適宜、同図の面直方向周りに回転可能であることは言うまでもない。すると、液晶表示素子100では、前述の記条件1及び2を満たした上で、F吸収軸41とR吸収軸51との相対的な位置関係が条件3を満たし、且つ、図8(b)での考察から、Fラビング軸13a方向から、第1偏光板40のF吸収軸41が沿う方向への反時計回りのずれ角(つまり、第2の関係角β)が、「5°≦β≦40°」という条件4を満たしていればよいことがわかる。
なお、図4(a)(b)〜図7(a)、(b)における結果は、シンテック株式会社製のシミュレーションソフト「LCD MASTER ver8.1」によるものである。
以上に説明した、条件1〜条件4を満たす液晶表示素子100は、互いに対向する第1基板10及び第2基板20と、第1基板10と第2基板20の間に位置する液晶層30と、第1基板10と第2基板20の各々の液晶層30側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極11,21と、第1基板10の液晶層30側とは反対側に位置する第1偏光板40と、第2基板20の液晶層30側とは反対側に位置して第1偏光板40と対向する第2偏光板50と、を備え、透明電極11,21から液晶層30に電圧が印加されることで前記所定の形状に対応した表示要素を表示する、パッシブ駆動方式のねじれネマティック型液晶表示素子であって、液晶層30のリタデーションは、0.5μm以上0.6μm以下であり、第1基板10及び第1偏光板40は、液晶層30よりも、表示要素を視認する観察者1側に位置し、第1基板10及び第2基板20の対向面の法線方向から見て、液晶層30が含む液晶分子のうち第1基板10に近接した位置のF液晶分子31の長軸方向と第2基板20に近接した位置のR液晶分子32の長軸方向とのツイスト角(ねじれ角)θの角度は、140°以上160°以下であり、第1偏光板40のF吸収軸41が沿う方向から、第2偏光板50のR吸収軸51が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、90°以上105°以下であり、第1基板10に近接した位置のF液晶分子31の長軸方向から、第1偏光板40のF吸収軸41が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、5°以上40°以下である。
この構成の液晶表示素子100によれば、前述のように急峻性が良好で、また、クロストーク特性が良好である。液晶表示素子100では、従来STN液晶よりもツイスト角θとリタデーションΔn・dを小さくすることで、背景着色を低減し、且つ、従来TN液晶よりも優れた急峻性を得ている。また、FSTNのように位相差板を設ける必要がないため、構成が簡潔で、製造コストを低減することも可能である。
なお、本発明は上記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。これらに変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。
以上では、液晶表示素子100が反射型のものとして構成される例を示したが、これに限られない。液晶表示素子100は、バックライトの光により透過表示を行う透過型のものであってもよいし、反射層60の代わりに、ハーフミラー等の半反射層を備える半透過型(半反射型)のものであってもよい。
また、液晶表示素子100は、セグメント表示型に限られず、パッシブマトリクス型のものであってもよい。この場合は、画素(ドット)が表示要素の一例である。
なお、以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100 …液晶表示素子
10 …第1基板
11 …透明電極
12 …絶縁膜
13 …配向膜
13a…Fラビング軸
20 …第2基板
21 …透明電極
22 …絶縁膜
23 …配向膜
23a…Rラビング軸
30 …液晶層
31 …F液晶分子
32 …R液晶分子
40 …第1偏光板
41 …F吸収軸
50 …第2偏光板
51 …R吸収軸
60 …反射層
1 …観察者
2a〜2c…セグメント
3 …背景領域

Claims (2)

  1. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、
    前記第1基板と前記第2基板の各々の前記液晶層側の面に設けられ、所定の形状にパターニングされた透明電極と、
    前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に位置する第1偏光板と、
    前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に位置して前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、を備え、前記透明電極から前記液晶層に電圧が印加されることで前記所定の形状に対応した表示要素を表示する、パッシブ駆動方式のねじれネマティック型液晶表示素子であって、
    前記液晶層のリタデーションは、0.5μm以上0.6μm以下であり、
    前記第1基板及び前記第1偏光板は、前記液晶層よりも、前記表示要素を視認する観察者側に位置し、
    前記第1基板及び前記第2基板の対向面の法線方向から見て、
    前記液晶層が含む液晶分子のうち前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向と前記第2基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向とのねじれ角の角度は、140°以上160°以下であり、
    前記第1偏光板の吸収軸が沿う方向から、前記第2偏光板の吸収軸が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、90°以上105°以下であり、
    前記第1基板に近接した位置の液晶分子の長軸方向から、前記第1偏光板の吸収軸が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度は、5°以上40°以下である、
    ことを特徴とするねじれネマティック型液晶表示素子。
  2. 前記第1基板と前記第2基板の各々には、前記液晶層と接する配向膜が設けられており、前記配向膜にラビング処理が施されていることによって、前記ねじれ角の角度は、140°以上160°以下に設定され、
    前記法線方向から見て、前記第1基板に設けられた配向膜に施されたラビング処理の方向から、前記第1偏光板の吸収軸が沿う方向への反時計回りのずれ角の角度が、5°以上40°以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のねじれネマティック型液晶表示素子。
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