図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能となっている。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としてのシートの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占める本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと中間転写ベルト11との間に向けて搬送されるシートを積載した給紙テーブルとしてのシート給送装置23とを有している。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである被転写体たる中間転写体としての中間転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
中間転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する中間転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、シートに一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は中間転写方式言い換えると間接転写方式を採用している。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャたる第1の転写手段としての1次転写装置である1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの真下の位置すなわち転写位置にて行われる。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによって構成される画像形成部としての作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、中間転写ベルト11を備えた中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に当接し、中間転写ベルト11への当接位置において中間転写ベルト11と同方向に回転して中間転写ベルト11上のトナー像をシートに転写する第2の転写手段としての2次転写装置である2次転写ローラ17と、2次転写ローラ17によって中間転写ベルト11上のトナー像を転写されたシートを搬送する搬送装置76と、中間転写ベルト11に対向して配設されトナー像がシートに転写された後の中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置14とを有している。
画像形成装置100はまた、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての書込みユニットである露光装置たる光走査装置8と、シート給送装置23から搬送されてきたシートを、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、中間転写ベルト11と2次転写ローラ17との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対13と、シートの先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、搬送装置76によって搬送されてきたシートが進入し、シートにトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着器である定着装置6と、定着済みのシートを本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ対13に向けて搬送する反転経路とを備えシートを何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成されたシートを反転経路に搬送した場合に、そのシートをスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ対13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みのシートを積載する排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、後述するように画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられる現像装置50Y、50M、50C、50BKから排出された現像剤等を収納する排出現像剤収容部としての排出現像剤収容タンク61とを有している。
画像形成装置100はまた、現像装置50Y、50M、50C、50BKのそれぞれに供給される各色の新規トナーを収納した図示しないトナーボトルと、画像形成装置100の使用環境具体的は温湿度を検知するために本体101内に配設された図示しない温室度検知手段としての温湿度検知センサと、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する制御手段70とを有している。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11の他に、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、中間転写ベルト11を巻き掛けられた、駆動ローラ72、転写入口ローラ73およびテンションローラ74とを有している。
搬送装置76は、シートを搬送する無端状の搬送ベルト5と、搬送ベルト5を巻き掛けた駆動ローラ15及び従動ローラ16とを有している。
2次転写ローラ17は、転写入口ローラ73に対向し、転写入り口ローラ73との間で中間転写ベルト11に圧接している。2次転写ローラ17は非接触のチャージャを採用した構成であっても良いし、搬送装置76の従動ローラ16と共通の部材として用いられシートを定着装置6に向けて搬送する転写搬送ユニットを構成するものであっても良い。
光走査装置8は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしての図示しないレーザー光を発する図示しない発光源と、発光源によって発せられたレーザー光をその回転により走査する図示しないポリゴンミラーと、ポリゴンミラーを回転駆動する図示しないポリゴンモータと、ポリゴンミラーによって走査されたレーザー光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20B上に結像させ走査する図示しない多数の光学素子とを有している。
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64を圧接する加圧ローラ63と、定着ベルト64と加圧ローラ63との圧接部である定着部39の温度を検知し測定する定着温度検知手段としての温度測定手段であるサーモスタット71とを有しており、トナー像を担持したシートを定着部39に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をシートの表面に定着するようになっている。
サーモスタット71によって測定された定着部39の温度は制御手段70に入力される。熱源の駆動は制御手段70によって行われる。画像形成時において、サーモスタット71によって測定される温度が150℃に維持されるように、制御手段70により、加熱ローラ62が加熱されるフィードバック制御が行われ、定着温度制御が行われる。
排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みのシートを、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みのシートを搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成されたシートを一旦積載するトレイ92と、トレイ92上のシートをスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされたシートをレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
シート給送装置23は、多数枚のシートを積載した複数の給紙カセット25を有するペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載されたシートのうち最上位のシートの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出されたシートを1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出されたシートをレジストローラ対13に向けて搬送する搬送ローラ28と、搬送ローラ28によって搬送されるシートが通過する給紙路29とを有している。
給紙路29はシート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位のシートを給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ対13に向けて給送し、搬送されたシートがレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
手差し給紙装置33は、シートを積載する手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載されたシートのうち最上位のシートの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出されたシートを1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上にシートが載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位のシートを本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ対13に向けて給送し、搬送されたシートがレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有し、読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。画像形成装置100を用いて複写を行うときには、原稿を自動原稿給送装置22の原稿台22aにセットするか、自動原稿給送装置22を上方に向けて回動して手動でコンタクトガラス21a上に原稿を載置してから自動原稿給送装置22を閉じて原稿をコンタクトガラス21aに押圧する。
排出現像剤収容タンク61は、本体101に対して着脱自在となっている。内部に収容した、現像装置50Y、50M、50C、50BKから排出された現像剤等を排出現像剤収容タンク61外に廃棄する作業あるいは排出現像剤収容タンク61を新規なものに交換する作業を容易にするためである。
操作パネルは、複写等を開始するためのスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー、フルカラー画像形成を行うか黒色の単色画像形成を行うか等の画像形成モードを選択するモード選択キー等を備えている。
制御手段70は、図示を省略するが、CPU、記憶手段としてのメモリ等を備えている。
以下、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKについて説明するが、画像形成装置100において、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKは互いに略同様の構成となっているため、適宜、符号の末尾のY、C、M、BKは省略する。また、以下の説明において、画像ステーション60Y、60C、60M、60BKに限らず、Y、C、M、BKの区別をとくに行う必要がない場合も同様に、符号の末尾のY、C、M、BKを省略する。なお、符号の末尾にY、C、M、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
図2は、主走査方向、すなわち、図1及び図2の紙面に垂直な方向である感光体ドラム20の幅方向に直交する平面による画像ステーション60の断面図であって、同図(a)は、主走査方向における中央部分での断面を示しており、同図(b)は、同図(a)よりもフロント側の端部での断面を示している。同図(a)と同図(b)とでは、主に、後述する飛散トナー吸引装置44の見え方が異なっている。
同図に示すように、画像ステーション60は、感光体ドラム20の周囲に、図中反時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12と、クリーニング手段としてのクリーニング装置40と、潤滑性物質供給手段としての潤滑剤塗布装置である潤滑性物質供給装置66と、図示しない除電手段としての除電装置と、帯電手段である帯電ユニットとしての帯電装置30と、現像手段としての現像ユニットである現像装置50と、感光体ドラム20上のトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段としての図示しない光学センサとを有している。
感光体ドラム20と、クリーニング装置40と、潤滑性物質供給装置66と、帯電装置30と、除電装置と、現像装置50とは一体化されており、プロセスカートリッジ95を構成している。プロセスカートリッジ95は本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置されている。
プロセスカートリッジ95は、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、部品交換時のサービスマンあるいはユーザの作業を軽減することが可能となってメンテナンス性が著しく向上し、サービス性及びユーザビリティが向上して大変好ましい。なお、プロセスカートリッジ95を本体101に押し込んで位置決めした状態で、感光体ドラム20は、その幅方向言い換えると軸方向が水平となるようになっている。
プロセスカートリッジ95は、感光体ドラム20と、クリーニング装置40と、帯電装置30と、除電装置と、現像装置50とのうち、少なくとも感光体ドラム20と現像装置50とが一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。
帯電装置30は、感光体ドラム20の表面に当接して従動回転する帯電ローラ31と、帯電ローラ31に当接し従動回転するクリーニングローラ32とを有している。帯電ローラ31には、直流に交流成分のバイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20と対向する帯電領域において、感光体ドラム20の表面を除電すると同時に、所定の極性に帯電するようになっている。
クリーニングローラ32は帯電ローラ31に従動回転することで帯電ローラ31をクリーニングするようになっている。
このように、本形態では、接触ローラを用いた帯電システムを採用しているが、帯電システムは、近接ローラを用いたものであっても良いし、スコロトロン方式等の非接触型を採用したものであっても良い。
1次転写ローラ12は、本体101に回転自在に支持され1次転写ローラ12の回転中心となる軸37を有している。1次転写ローラ12には、図示しない電源を備えたバイアス印加手段とバイアス制御手段とによって1次転写に適した所定の電圧が印加されるようになっている。
図1に示した光走査装置8は、図2に示すように、感光体ドラム20における帯電領域と現像領域との間の領域に、画像情報に応じて光変調されたレーザー光Lを照射して帯電ローラ31により帯電された後の感光体ドラム20の表面を露光し、現像装置50によってトナー像として可視像化される静電潜像を形成するようになっている。
クリーニング装置40は、感光体ドラム20に対向する部分に開口部を有するクリーニングケース43と、感光体ドラム20に当接し感光体ドラム20上の残留トナー、キャリア、紙粉等の不要物を掻き取ってクリーニングするブレードとしてのクリーニングブレード41とを有している。
クリーニング装置40はまた、クリーニングケース43に回転自在に支持され、クリーニングブレード41によって掻き取られ、また除去されることによって生じた廃トナー等の不要物を排出現像剤収容タンク61に向けて搬送するための図示しない廃トナー経路の一部を構成する排出スクリュ42を有している。
潤滑性物質供給装置66は、感光体ドラム20の表面に対向する側のみ開口したケース91と、ケース91内に収容されバー状に成形された固形潤滑剤である潤滑剤としての潤滑性物質85と、潤滑性物質85及び感光体ドラム20の両方に接触して潤滑性物質85を感光体ドラム20に塗布して供給するための塗布部材としてのファーブラシであるブラシローラ86とを有している。
このような構成の潤滑性物質供給装置66は、ブラシローラ86をその軸を中心に回転させて潤滑性物質85を掻き削って一旦汲み上げ、掻き削った粉末状の潤滑性物質85を感光体ドラム20表面との当接位置まで担持搬送して感光体ドラム20に塗布して供給するようになっている。
潤滑性物質85によって感光体ドラム20表面に形成される皮膜は、近接放電による感光体ドラム20表面の劣化を防止する機能を有しており、潤滑性物質供給装置66は放電劣化防止手段として機能するものである。ここでいう劣化とは、放電による感光体ドラム20の磨耗及びこの磨耗の加速、ならびに感光体ドラム20表面の活性化の両方を指している。
また、かかる皮膜は、感光体ドラム20とクリーニングブレード41とが互いに摩擦しあうことによって生じる磨耗等の劣化も防止し、潤滑性物質供給装置66は摩擦劣化防止手段として機能するものである。
このように、潤滑性物質供給装置66は、潤滑性物質85を感光体ドラム20表面に塗布することにより、これら劣化のすべてを解消している。
かかる機能を良好に果たすために、潤滑性物質82としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられるが、特に感光体ドラム20の摩擦係数を低減する効果の大きいステアリン酸金属塩、さらにはステアリン酸亜鉛が一層好ましい。
現像装置50は、感光体ドラム20に対向する部分に開口部を有する現像ケース55と、かかる開口部から感光体ドラム20に臨むよう感光体ドラム20に近接対向して配設され、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、現像剤という)を担持する現像剤担持機構である現像剤担持体としての現像ローラ51と、現像ローラ51上の現像剤を一定の高さに規制するとともに帯電させる機能を有する層厚規制部材である規制部材としてのドクタである現像ブレード52とを有している。
現像装置50はまた、現像剤を撹拌してトナーを帯電させるとともに現像ローラ51に供給させる機能を有する現像剤撹拌機構として現像剤搬送手段を3本有している。すなわち現像ローラ51に対向して配置され、現像剤を紙面奥側から手前側に攪拌しまた搬送しながら現像ローラ51に供給する現像剤搬送手段である現像剤供給手段たる搬送供給部材としての第1の現像剤搬送部材である第1搬送スクリュ53と、第1搬送スクリュ53より下方に位置し現像剤を紙面手前側から奥側に攪拌しながら搬送し、搬送した現像剤が第1搬送スクリュ53によって搬送される現像剤搬送手段である現像剤攪拌搬送手段たる攪拌搬送部材としての第2の現像剤搬送部材である第2搬送スクリュ54と、第1搬送スクリュ53より下方に位置するとともに第2搬送スクリュ54の水平位置に位置し現像ローラ51に担持された状態で現像ローラ51と感光体ドラム20との間すなわち現像ローラ51と感光体ドラム20との対向領域である現像ニップ部である現像位置としての現像領域を通過した現像剤を現像ローラ51から回収し紙面奥側から手前側に攪拌しながら搬送し搬送した現像剤が第2搬送スクリュ54によって搬送される現像剤搬送手段である現像剤回収手段たる回収搬送部材としての第3の現像剤搬送部材としての第3搬送スクリュ18とを有している。
現像装置50はまた、第1搬送スクリュ53を収容し第1搬送スクリュ53が現像剤を搬送する現像剤収容器である第1の領域としての第1収容室58と、第2搬送スクリュ54を収容し第2搬送スクリュ54が現像剤を搬送する現像剤収容器である第2の領域としての第2収容室59と、第3搬送スクリュ18を収容し第3搬送スクリュ18が現像剤を搬送する現像剤収容器である第3の領域としての第3収容室19とを有している。
現像装置50はまた、第1搬送スクリュ53と第2搬送スクリュ54との間及び第1搬送スクリュ53と第3搬送スクリュ18との間に設けられ、第1収容室58と第2収容室59とを区画するとともに第1収容室58と第3収容室19とを区画する第1の区画部材としての仕切り壁57と、第2搬送スクリュ54と第3搬送スクリュ18との間に設けられ第2収容室59と第3収容室19とを区画する第2の区画部材としての仕切り壁99とを有している。
現像装置50はまた、トナーボトル内の新規トナーを供給される現像剤供給部80と、現像剤供給部80内の新規トナー言い換えると補給トナーを現像剤供給部80に備えられた図示しない補給トナー口から第2収容室59内に補給し供給する供給スクリュ87と、第2収容室59の底部に備えられ現像剤中のトナー濃度を測定するトナー濃度検知手段たるトナー濃度測定センサとしてのTセンサであるトナー濃度検知装置たるトナー濃度検知センサ56とを有している。
現像装置50はまた、直流成分の現像バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段と、現像ローラ51を駆動する図示しない現像駆動手段と、第1搬送スクリュ53を現像ローラ51と互いに逆方向に回転駆動し、第2搬送スクリュ54を第1搬送スクリュ53と互いに逆方向に回転駆動し、第3搬送スクリュ18を第1搬送スクリュ54とを互いに逆方向に回転駆動し、排出スクリュ68を第1搬送スクリュ54と互いに逆方向に回転駆動する図示しない駆動機構としての搬送駆動手段等を有している。
現像装置50はまた、現像装置50外にトナーが飛散することを防止するために、現像ローラ51の下方に配設され、現像ローラ51上から飛散したトナーすなわち飛散トナーを吸引する飛散トナー吸引機構である飛散トナー吸引手段としての飛散トナー吸引装置44を有している。
現像ケース55は、現像ローラ51が感光体ドラム20に臨む開口部の上方に位置し、現像動作中等におけるトナー飛散をある程度抑制するために感光体ドラム20に向けて突出する態様で現像ローラ51の上部を覆った被覆部55aを有している。
現像ローラ51は、感光体ドラム20と平行すなわち水平に配設されており、その幅方向言い換えると軸方向が感光体ドラム20の幅方向言い換えると軸方向に一致している。これにより、現像ローラ51と感光体ドラム20との距離がかかる方向において一定となり、担持した現像剤を感光体ドラム20に軸方向に均一に供給することで現像が良好に行われる。現像ローラ51は、固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ81と、マグネットローラ81を覆い現像駆動手段により図中時計方向であるC1方向に駆動される非磁性の現像スリーブ82とを有している。
マグネットローラ81は、図示を省略するが、現像ケース55に固定されたプラスチックローラと、プラスチックローラ84に埋め込まれ複数の磁極を形成する複数の磁石であるマグネットブロックとを有している。複数の磁極は、汲み上げ極と、現像極である主極と、剤切り極とを含んでいる。
汲み上げ極は、後述するように第1収容室53から現像剤を汲み上げて現像スリーブ82に担持させるために設けられている。主極は、現像領域において現像スリーブ82上に現像剤による穂を形成しこの穂を構成する現像剤中のトナーを感光体ドラム20に書き込まれた潜像に供給することで現像を行わせるために設けられている。剤切り極は、現像領域を経た現像剤を後述するように現像スリーブ82上から第3収容室19内に開放し落下させるために設けられている。
現像スリーブ82は、φ25mmのアルミ素管からなり、表面に、軸方向に沿ったV溝が並設されている。現像スリーブ82は、現像ケース55及びマグネットローラ81に回転自在に支持されている。現像スリーブ82は、バイアス印加手段により感光体ドラム20との間に適当な大きさの現像バイアスを印加される。現像領域における現像スリーブ82と感光体ドラム20とのギャップすなわち現像ギャップは、0.3±0.05mmとなるように設定されている。現像スリーブ82の表面には、V溝の形成に代えて、サンドブラスト処理を施しても良い。
現像ブレード52は、SUS材料で形成されている。現像スリーブ82と現像ブレード52とのギャップすなわちドクターギャップは、0.3±0.04mmとなるように設定されており、現像スリーブ82上の現像剤を薄層化する。
現像剤中のトナー濃度は、トナー濃度検知センサ56による検知に基づき、制御手段70による次の制御によって、約4〜11重量%の所定の範囲内となるように制御され、キャリアに対するトナーの混合比率が常に適正値に保たれ、高品質の画像を得るのに寄与する。現像によるトナーの消費に伴ってトナー濃度が低下する態様で変動し、トナー濃度検知センサ56が、トナー濃度が上述の所定の範囲の下限値を下回ったことを検知したときに、現像剤収容器80から供給スクリュ87により第2収容室59に現像剤が補給されるものである。そのため、現像剤収容器80内の新規の現像剤は、そのトナー濃度が、かかる下限値好ましくはかかる所定の範囲を上回るものとなっている。
トナー濃度検知センサ56は、現像ケース55内具体的には第2収容室59内においてその周辺すなわち底部にある現像剤の透磁率によりトナー濃度を測定する透磁率測定手段としての透磁率センサであり、その出力は電圧Vtとして取り出され、制御手段70に入力されて、電圧Vtの大きさにより、トナー濃度が推測され判別される。トナー濃度は重量%を単位としている。
絶縁体であるトナーと、磁性体によって形成された磁性キャリアであるキャリアとを含む2成分現像剤において、トナー濃度が低いとキャリアの比率具体的には体積比率が増加するため透磁率が高くなり、トナー濃度が高いとキャリアの比率具体的には体積比率が低下するため透磁率が低くなることから、トナー濃度TCの低下と電圧Vtの上昇とはほぼ正比例の関係にある。
そこで、トナー濃度検知センサ56からの出力電圧Vtに基づいて制御手段70がトナー濃度の低下を認識すると、制御手段70は、出力電圧Vtが所定の大きさに回復するまで、供給スクリュ87を駆動し、現像剤収容器80から、現像剤を第2収容室59に供給するフィードバック制御を行うようになっている。このように、出力電圧Vtによって推測されたトナー濃度に基づくフィードバック制御によりトナー補給制御が行われる。
第1搬送スクリュ53、第2搬送スクリュ54、第3搬送スクリュ18は、現像ローラ51の幅方向言い換えると現像ローラ51の長手方向に延在するように配設されている。第1搬送スクリュ53、第2搬送スクリュ54、第3搬送スクリュ18は、図示を省略するが、何れもそれぞれ、回転中心をなす回転軸である軸部と、軸部と一体に設けられ軸部とともに回転することで現像剤を搬送するための現像剤搬送部としてのスパイラル状の羽根部である樹脂製のスクリュとを有している。羽根部の形成方向は、第1搬送スクリュ53と第2搬送スクリュ54とは互いに同方向であり、これらと第3搬送スクリュ18とでは互いに逆方向である。
第1搬送スクリュ53、第3搬送スクリュ18は、上述した回転方向及びスクリュの形成方向の設定により、図2における奥側に位置するその一端部側から同図における手前側に位置するその他端部側に向けた第1の方向に現像剤を搬送する。第2搬送スクリュ54は、上述した回転方向及びスクリュの形成方向の設定により、同図における手前側に位置するその一端部側から同図における奥側に位置するその他端部側に向けた、第1の方向と逆の第2の方向に現像剤を搬送する。
仕切り壁57は、第1搬送スクリュ53と第2搬送スクリュ54との間において、第1収容室58における第1搬送スクリュ53の他端部側すなわち同図における手前側と、第2収容室59における第2搬送スクリュ54の一端部側すなわち同図における手前側とを連通し、現像剤を第1収容室58から第2収容室59に落下の態様で受け渡すための連通部としての第1の連通部たる第1の開孔である図示しない第1の開口部を有している。
仕切り壁57はまた、第1搬送スクリュ53と第2搬送スクリュ54との間において、第1収容室58における第1搬送スクリュ53の一端部側すなわち同図における奥側と、第2収容室59における第2搬送スクリュ54の他端部側すなわち同図における奥側とを連通し、現像剤を第2収容室59から第1収容室58に押し上げの態様で受け渡すための第2の連通部としての第2の開孔である図示しない第2の開口部を有している。
第1の開口部により第1搬送スクリュ53の他端部側からその下方に位置する第2搬送スクリュ54の一端部側に現像剤が移送され、第2の開口部により、第2搬送スクリュ54の他端部側からその上方に位置する第1搬送スクリュ53の一端部側に現像剤が移送されることで、第1収容室58と第2収容室59とにおいて現像剤が循環搬送される循環経路が形成される。
第1の開口部、第2の開口部は何れも、感光体ドラム20の軸方向における画像形成領域に対応する領域内に配設されている。これにより、現像装置50の小型化がなされている。
第1収容室58内において、第1搬送スクリュ53は、搬送駆動手段によって回転駆動されることで、第1収容室58内の現像剤を同図における手前側から奥側へと搬送しながら現像ローラ51に供給する。第1搬送スクリュ53によって第1収容室58内の端部付近まで搬送された現像剤は、第1の開口部を通って第2収容室59内に落下して進入し、第2搬送スクリュ54によって移送される。
第2収容室59内において、第2搬送スクリュ54は、搬送駆動手段によって回転駆動されることで、第2収容室59内の現像剤を同図における手前側から奥側へと搬送する。このとき、現像剤収容器80から現像剤が補給された場合には、補給された新規の現像剤を既存の現像剤中に攪拌混合し拡散させながら搬送を行う。第2搬送スクリュ54によって第2収容室59の端部付近まで搬送された現像剤は、第2の開口部を通って下から上に持ち上げられ、第1収容室58内に戻る。
このようにして、供給されたトナーは、第1搬送スクリュ53及び第2搬送スクリュ54によって、現像剤と攪拌搬送されながら攪拌混合され、摩擦帯電され、第1収容室58から現像ローラ51に供給され担持される。
現像ローラ51は、現像ブレード52によって担持した現像剤の量を規制され、層厚を規制されたその回転及びバイアス印加手段による現像バイアスにより、現像ローラ51と感光体ドラム20との間の現像領域に、現像ブレード52によって量を適量とされた現像剤を運び、現像剤中のトナーが感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像に静電的に移行して、静電潜像をトナー像として可視像化するようになっている。
このように、第1収容室58において第1搬送スクリュ53によって搬送される現像剤は、搬送の過程で現像ローラ51に担持されるため、第1収容室58内の現像剤量は、第1搬送スクリュ53による現像剤搬送方向下流側に向けて漸減する。
仕切り壁99は、第2搬送スクリュ54と第3搬送スクリュ18との間において、第2収容室59における第2搬送スクリュ54の一端側すなわち同図における手前側と、第3収容室19における第3搬送スクリュ18の他端部側すなわち同図における手前側とを連通し、現像剤を第3収容室19から第2収容室59に溢出の態様で受け渡すための第3の連通部としての第3の開孔である図示しない第3の開口部を有している。
そして、第3搬送スクリュ18によって搬送された、現像ローラ51から回収された現像剤は、第3搬送スクリュ18による現像剤の搬送方向下流側端部から、第2搬送スクリュ54による現像剤の搬送方向上流側端部に、第3の開口部を経て、第3収容室19から第2収容室59に進入する。
第3の開口部は、現像ローラ51の軸方向における現像ローラ51の配設領域に対応する領域内であって、感光体ドラム20の軸方向における画像形成領域に対応する領域の外すなわち非画像形成領域に対応する領域に配設されている。これにより、第3収容室19において、画像形成領域内における、第3搬送スクリュ18による現像剤搬送方向下流側端部付近や、同方向における画像形成領域より下流側に対応する領域で、現像剤が過度に充満しようとすると、第3の開口部によって形成されたバイパスにより現像剤が第3収容室19から第2収容室59に移送されるので、現像ローラ51から回収された、トナー濃度の低くなった現像剤が、かかる領域に過度に充満することはなく、かかる現像剤が直接、現像ローラ51に再度汲み上げられることが防止ないし抑制され、濃度ムラの防止ないし抑制された現像が行われる。
この機能をより良好に発揮するべく、第3の開口部は、現像ローラ51の配設領域の外に対応する領域に配設しても良い。この場合、現像ローラ51の長さは、画像形成領域を含む範囲で最小の長さとすることができる。
いずれの場合も、第3の開口部を画像形成領域に対応する領域内に配設しても良く、この場合は、かかる機能が最小限度確保されつつ現像装置50が小型化される。
第3収容室19内において、第3搬送スクリュ18は、搬送駆動手段によって回転駆動されることで、剤切り極によって現像ローラ51から解放された、第3収容室19内の現像剤を、同図における奥側から手前側へと搬送する。第3収容室19において第3搬送スクリュ18によって搬送される現像剤は、現像ローラ51から解放され回収されたものであるため、第3収容室19内の現像剤量は、図示を省略するが、第3搬送スクリュ18による現像剤搬送方向下流側に向けて漸増する。第3搬送スクリュ18によって第3収容室19内の端部付近まで搬送された現像剤は、第3の開口部を通って第2収容室59に進入し、第2搬送スクリュ54によって移送される。
なお、本形態では、バイアス印加手段により直流成分の現像バイアスを印加しているが、現像バイアスは、交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
このように、2成分現像装置である現像装置50においては、第1搬送スクリュ53、第2搬送スクリュ54、第3搬送スクリュ18によって攪拌搬送された現像剤は、第1収容室53からマグネットローラ81の汲み上げ極の磁力により汲み上げられて現像スリーブ82に担持され、感光体ドラム20と対向する現像領域まで搬送され、主極の作用により感光体ドラム20上の潜像にトナーが供給されて現像が行われる。現像後のトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ82の回転に伴ってその表面から第3収容室19内に回収され、第3搬送スクリュ18により第2収容室59に搬送され、また第2収容室59には第1収容室58内を搬送されたが現像スリーブ82に担持されなかった現像剤が第1搬送スクリュ53により搬送されてきて、第2搬送スクリュ54により適時新規の現像剤と攪拌されながら第1収容室58に搬送され、再び現像スリーブ82表面に汲み上げられるというサイクルを繰り返す。マグネットブロックはこのようなサイクルを繰り返すように配設されている。
現像駆動手段、搬送駆動手段の作動は、画像形成時言い換えると現像動作時に行われる。具体的には、スタートボタンの押下等による、画像形成開始指示信号の入力時から、指定枚数の画像形成終了時すなわちジョブエンド時まで、制御手段70の制御によって維持される。
図2または図3に示すように、飛散トナー吸引装置44は、現像領域の下方位置において現像ケース55に設けられ、現像ローラ51具体的には現像スリーブ82上から飛散した飛散トナーを吸い込むための吸引口55bと、吸引口55bから飛散トナーを現像ケース55内に吸い込むための気流を形成する、現像ケース55内に配設された気流発生機構である気流形成手段としての吸引手段たる図示しないファンとを有している。
飛散トナー吸引装置44はまた、吸引口55bに付着したトナーを清掃すなわちクリーニングするための清掃部である吸引口清掃部材としてのクリーニング部材45と、クリーニング部材45を吸引口55b内で移動させることで吸引口55bのクリーニングを行わせる吸引口清掃部材動作機構としてのクリーニング駆動手段46と、クリーニング部材45に付着したトナーを除去するためにクリーニング部材45を回転駆動の態様で駆動する清掃部材駆動手段としてのモータ47とを有している。
図3において、矢印は、主走査方向を示している。同図に示されているように、吸引口55bは、主走査方向に沿って形成されている。クリーニング部材45は、吸引口55b内に嵌るように配設されている。図4に示すように、クリーニング部材45は、円筒状をなしており、上下の各端面がそれぞれ、吸引口55bの上側の内縁、下側の内縁に当接するようになっている。
図3に示すように、クリーニング駆動手段46は、モータ47を主走査方向に沿って往復動させることにより、モータ47と一体のクリーニング部材45を吸引口55bの内縁に沿って主走査方向に往復動させ、クリーニング部材45によって吸引口55bに付着しているトナーを掻き取るようにして除去する。そのため、クリーニング駆動手段46は、モータ47を固定したワイヤ46aと、ワイヤ46aを主走査方向に沿って移動させるための駆動源としての一対のモータ46bとを有している。
各モータ46bはそれぞれ、ワイヤ46aの各端部に対応して配設されており、その一方が駆動されるとワイヤ46aを巻き取るとともに他方はこの巻き取りに合わせてワイヤ46aを繰り出すようになっている。このようなモータ46bの駆動及びファンの駆動は、制御手段70によって制御される。この点、制御手段70は、クリーニング制御手段として機能する。
図3又は図4に示すように、モータ47は、クリーニング部材45の回転中心をなす軸心を構成する軸47aを有している。軸47aとクリーニング部材45とは、クリーニング部材45が軸47aを覆うように接着されることによって一体化されている。
クリーニング部材45は、図4(a)に示されているように、軸47aの一方側の部分、具体的には図3(b)の紙面に垂直な方向における奥側の部分が、吸引口55bの内部に位置するようになっている。
よって、クリーニング部材45は、主走査方向に沿って移動することで吸引口55bを清掃する。また、軸47aが回転するとクリーニング部材45が回転し、吸引口55bの清掃の際にクリーニング部材45の表面に付着したトナーを遠心力で振り払い、除去するようになっている。このようなモータ47の駆動は、制御手段70によって制御される。この点、制御手段70は、清掃部材駆動制御手段としてのクリーニング部材駆動制御手段として機能する。
以上のような構成の飛散トナー吸引装置44において、クリーニング制御手段として機能する制御手段70は、画像形成時である作像時すなわち現像装置50においては現像動作時である現像ローラ51の駆動時に、常に、ファンを駆動し、飛散トナーを吸引口55bから現像ケース55内に吸引し回収することで、飛散トナーを除去するようになっている。飛散トナーには、上述した、現像ローラ51上から飛散したトナーのほか、感光体ドラム20上からトナーが飛散した場合にはこのトナーも含む。
クリーニング制御手段として機能する制御手段70はまた、かかる現像動作の終了時いわゆるジョブエンド時に、クリーニング部材45を主走査方向に沿って往復動させ、吸引口55bに付着したトナーを吸引口55bから除去する。吸引口55bに付着したトナーには、吸引口55bに固着したトナーも含まれる。ファンの駆動はクリーニング部材45の往復動作中も継続され、吸引口55bから除去されたトナーは、ファンの駆動により、現像ケース55内に吸引される。これにより、吸引口55bの目詰まりの防止が図られている。
クリーニング制御手段として機能する制御手段70は、クリーニング部材45のホームポジションを、主走査方向における吸引口55bの端部位置としており、かかる往復動作時以外は、クリーニング部材45をホームポジションに位置決めする。これにより、かかる現像動作時における飛散トナーの吸引効率が高くなっている。ただし、かかる往復動作は、かかる現像動作時に、常に行うようにしても良い。この場合には、飛散トナーが吸引口55bに付着しにくくなるという利点がある。
クリーニング部材駆動制御手段として機能する制御手段70など、現像装置50のその余の点については後述する。
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、上述のように自動原稿給紙装置22に原稿をセットするか、コンタクトガラス21a上に原稿を載置した状態で、操作パネルのスタートボタンを押下する。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
複写を行う場合であって、原稿を自動原稿給紙装置22にセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像データが生成される。
原稿の読み取りに際しては、第1走行体21b、第2走行体21cが走行し、光源からの光が原稿に向けて照射され、原稿面からの反射光が第1の反射体により第2走行体21cの方向に反射され、これが第2の反射体によって180度方向を変えて結像レンズ21dを通って読み取りセンサ21eに入射し、読み取りセンサ21eによって原稿の内容が読み取られる。
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60BKが作動する。
画像ステーション60Yにおいては、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電ローラ31Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザー光Lの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置50Yによりイエロー色のトナーにより現像され、現像により得られたイエロー色のトナー像を1次転写ローラ12YによりA1方向に移動する中間転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置40Yにより除去されて除電装置、帯電ローラ31Yによる次の除電、帯電に供される。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する中間転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写され、フルカラーの合成カラー画像が形成される。中間転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像は、中間転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ17との対向位置である2次転写ニップまで移動し、シートに2次転写される。
中間転写ベルト11と2次転写ローラ17との間に搬送されてきたシートは、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、中間転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ローラ17に対向するタイミングで送り出されたものである。
シートは、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、搬送装置76に搬送されて定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部39を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、シート上にカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みのシートは、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。一方、2次転写を終えた中間転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。
この間、クリーニング制御手段として機能する制御手段70は、ファンを駆動し、飛散トナーを吸引口55bから現像ケース55内に吸引することで、飛散トナーを除去するようになっている。これにより、飛散トナーに起因する、地肌汚れ、カブリ等の異常画像の発生、トナー落ち、現像剤担持体や像担持体のコバ面すなわち端面の汚れ等の機内汚れ等の発生などの不具合の回避が図られている。
ユーザ指定の画像形成が終了すると、クリーニング制御手段として機能する制御手段70は、クリーニング部材45を主走査方向に沿って往復動させ、吸引口55bに付着したトナーを吸引口55bから除去するとともに、現像ケース55内に吸引させる。これにより、経時的に飛散トナーが吸引口55bに付着することによる飛散トナー吸引装置44の機能低下の回避が図られている。
ただし、このクリーニング動作により、経時的に、飛散トナーがクリーニング部材45に付着していくと、飛散トナー吸引装置44の機能低下が生じ得る。
これを回避するには、常時あるいは頻繁に、モータ47を駆動し、クリーニング部材45のクリーニングを行うことが考えられる。しかし、このようにクリーニングを行うと、クリーニング部材45がさほど飛散トナーで汚れていない場合にも、クリーニング部材45の回転駆動が行われるため、クリーニング部材45のクリーニング効率が低い割に消費電力が増加する。また、後述するように、クリーニング部材45の劣化が進行し得る。また、クリーニング部材45のクリーニングを行ってから吸引口55bのクリーニングを行う場合には、吸引口55bのクリーニング開始までに時間がかかってしまう場合や、吸引口55bのクリーニング時間の確保が不十分となる場合が生じ得る。
そこで、クリーニング部材駆動制御手段として機能する制御手段70は、次に述べる所定のタイミングで、モータ47を駆動し、クリーニング部材45のクリーニングを行う吸引口清掃部材トナー除去モードに移行することで、クリーニング部材45のクリーニングを効率的に行うようになっている。クリーニング部材45のクリーニングは、クリーニング部材45がホームポジションにある状態で行う。
かかる所定のタイミングとは、現像ローラ51上から飛散するトナーの量が所定量に増加する飛散トナー量増加条件が満たされた場合である。そのため、クリーニング部材駆動制御手段として機能する制御手段70は、飛散トナー量増加条件が満たされたか否かを判断する飛散トナー量増加条件判断手段として機能し、この条件が満たされたと判断したことを条件として、吸引口清掃部材トナー除去モードに移行する。
図5に、吸引口清掃部材トナー除去モード及びその前後の動作の流れの概略を示す。
作像がスタートしてからジョブエンドまで(S101)、上述のようにファンを駆動し、飛散トナーを吸引口55bから現像ケース55内に吸引し回収し、ジョブエンドになると、吸引口清掃部材トナー除去モードに移行して(S102)、クリーニング部材45を回転させてクリーニング部材45に付着しているトナーをクリーニングする動作を行い、これが終了してから、吸引口清掃動作、すなわちクリーニング部材45を主走査方向に沿って往復動させ、吸引口55bに付着したトナーを吸引口55bから除去する動作を行う(S103)。
ここで、飛散トナーの量が増加する原因については、主に次のものが挙げられる。
1.トナーの帯電量が低いことで、作像時すなわち現像時における現像スリーブ82の回転の遠心力により、トナーがキャリアから離れ、飛散すること
2.現像装置50内における循環が長期となり劣化した劣化トナーと、新規の補給トナーとの間での電荷授受が発生し、劣化トナーの電荷が補給トナーに奪われ、劣化トナーの帯電が弱帯電あるいは逆帯電となることで、劣化トナーが飛散すること
3.トナーの帯電量が高い場合でも、キャリアに対してトナーが100%近い被覆率で被覆していること、すなわち静電スペントが生じることで、補給トナーがキャリアを被覆することなく、飛散すること
これらのうち、飛散トナーの量を増加させる主な原因は「1.」である。また、「2.」も、トナーの帯電量が低くなっていることが飛散トナーの要因となっている。そのため、本形態では、現像装置50内のトナーの帯電量が所定量に低下した帯電量低下条件が満たされたことを条件として、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70が、飛散トナー量増加条件が満たされたと判断するようになっている。
そこで、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70は、帯電量低下条件が満たされたか否かを判断する帯電量低下条件判断手段として機能し、この条件が満たされたと判断したことを条件として、飛散トナー量増加条件が満たされたと判断する。
ここで、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70は、帯電量低下条件と異なる条件を用いて、飛散トナー量増加条件が満たされたと判断するようにしても良い。
たとえば、上記「3.」も飛散トナーの量を増加させる原因であるため、静電スペントを検出する静電スペント検出手段を用い、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70は、静電スペント検出手段によって静電スペントが検知されたことを条件として、飛散トナー量増加条件が満たされたと判断するようにしても良い。静電スペント検出手段としては、トナー濃度検知センサ56を用いることが可能である。
また、画像面積率が高い場合には、感光体ドラム20から飛散するトナー量が増加し得るため、画像面積率を検出する画像面積率検出手段を用い、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70は、画像面積率検出手段によって画像面積率が飛散トナーを生じるほど高いことが検知されたことを条件として、飛散トナー量増加条件が満たされたと判断するようにしても良い。画像面積率検出手段としては、制御手段70を用いることが可能であることが周知である。
そして、帯電量低下条件が満たされた場合及び/又は静電スペントが検知された場合及び/又は画像面積率が高いことが検知された場合に、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70は、帯電量低下条件が満たされたと判断するようにすることが可能である。ただし、本形態では、静電スペントの検知、画像面積率の検知を用いず、帯電量低下条件が満たされれば、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70が帯電量低下条件が満たされたと判断するようになっている。
なお、クリーニング部材駆動制御手段として機能する制御手段70は、飛散トナー量増加条件と異なる条件が満たされたことを条件として吸引口清掃部材トナー除去モードに移行するようにしても良いが、本形態では、飛散トナー量増加条件判断手段として機能する制御手段70が、飛散トナー量増加条件が満たされたと判断すれば、吸引口清掃部材トナー除去モードに移行するようになっている。
本形態において、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、
A.前回の作像動作、言い換えると現像動作の終了時から、今回の作像動作、言い換えると現像動作の開始時までの経過時間が所定時間に至ったこと
B.サーモスタット71によって測定された定着部39の温度が所定温度に低下したこと
C.トナー濃度検知センサ56によって測定された透磁率が所定量低下したこと
の何れか1つの条件が満たされれば、帯電量低下条件が満たされたものと判断する。
ただし、「A.」、「B.」、「C.」の他にも、高温高湿環境下で帯電量が低下することを考慮して、温湿度検知センサによって検知された温湿度を条件として、帯電量低下条件が満たされたと判断するようにしても良い。また、これらの複数の条件を組み合わせ、その複数の条件が満たされたときに帯電量低下条件が満たされたと判断するようにしても良く、この場合には吸引口清掃部材トナー除去モードの実行条件の精度がより向上し、消費電力の低減率は更に上昇する。
吸引口清掃部材トナー除去モードの実行により、クリーニング部材45が経時的に吸引口55bのクリーニングに適した状態に保たれ、経時的に吸引口55bの目詰まりの防止ないし抑制が行われ、吸引口55bが飛散トナーの吸引に適した状態に安定して保たれるように、吸引口55bからの経時的な飛散トナーの吸引性能が向上するとともに、吸引口清掃部材トナー除去モードの実行条件の精度が向上し、消費電力の低減率が上昇する。
また、飛散トナー量が多い状態でクリーニング部材45を回転駆動するため、クリーニング部材45からの飛散トナーの除去のみならず、クリーニング部材45への飛散トナーの付着も防止ないし抑制される。
そして、クリーニングされた状態のクリーニング部材45で吸引口55bのクリーニングを行うため、飛散トナーが多い状態でも、吸引口55bのクリーニングが良好に行われる。
なお、吸引口55bのクリーニングを行ってから、クリーニング部材45のクリーニングを行ってもよい。飛散トナーが多い状態で吸引口55bのクリーニングを行い飛散トナーが付着したクリーニング部材45のクリーニングを行うことで、クリーニング部材45のクリーニングが良好に行われるとともに、吸引口55bのクリーニング開始までに時間がかかることも、吸引口55bのクリーニング時間の確保が不十分となることもないためである。また、クリーニング部材45のクリーニングは、クリーニング部材45の往復動作中に行うようにしても良い。このようにすれば、クリーニング部材45が回転しながら吸引口55bのクリーニングを行うことで、クリーニング部材45への飛散トナーの付着を防止ないし抑制しながら吸引口55bのクリーニングが良好に行われるとともに、吸引口55bのクリーニング開始までに時間がかかることも、吸引口55bのクリーニング時間の確保が不十分となることもないためである。
まず、トナー帯電量であるQ/Mと、飛散トナーの量すなわちトナー飛散量との関係について説明する。
図6は、現像装置50の現像剤中のQ/M[−μC/g]と、ダストモニタにて計測したトナー飛散量[mg/cm3]との関係を示している。
同図から分かるように、Q/M≧20[−μC/g]の場合は、トナー飛散量は少ない。よって、クリーニング部材45が飛散トナーに接触する頻度は少なく、クリーニング部材45への飛散トナーの付着は少なく、クリーニング部材45のクリーニングは不要と考えられる。
これに対し、Q/M<20[−μC/g]の場合は、トナー飛散量が急激に増加している。このため、クリーニング部材45が飛散トナーに接触する頻度が多くなり、クリーニング部材45への飛散トナーの付着は生じ易く、クリーニング部材45による吸引口55bの清掃能力の低下が起き易く、クリーニング部材45のクリーニングを要すると考えられる。
つまり、Q/M<20[−μC/g]であるとき、飛散トナーの量が急増するため、吸引口清掃部材トナー除去モードを実施することは有効であるが、Q/M≧20[−μC/g]であるときは、そもそもトナー飛散量が少ない為、吸引口清掃部材トナー除去モードの実施は必要無い。Q/M≧20[−μC/g]のときに吸引口清掃部材トナー除去モードを実施すると、かえって無駄な消費電力の増加となる。
次に、Q/M<20[−μC/g]であるときに吸引口清掃部材トナー除去モードが有効であることを踏まえて、「A.」、「B.」、「C.」の各条件について説明する。
「A.」、「B.」は、概略的に、現像剤を放置してからの経過時間が長くなるに連れてトナーの帯電量Q/Mが低下していくことに着目したものであり、「C.」は、概略的に、トナーの帯電量Q/Mが低下するとトナー相互間の反発力が低下することにより、現像剤の嵩密度に左右される透磁率が変化することに着目したものである。
・「A.」について
図7に、現像装置50を用いた場合の、ジョブ終了後からの、すなわちジョブエンド後の、Q/Mの推移を示す。ジョブすなわち画像形成は、転写紙SをA4サイズとし,画像面積率は市場の使われ方に鑑みて、0〜100%迄ランダムに振って行った。ジョブ終了すなわちジョブエンドまでのTotal通紙枚数は、5000枚である。
同図から、ジョブエンドから40000[sec]〜50000[sec]の間で、Q/M<20[−μC/g]となり、トナー飛散量が急激に増加する条件になることが分かる。
従って、前回のジョブエンドの時間(t1)と今回のジョブスタートの時間(t2)との差分(t2−t1)、つまりマシンすなわち画像形成装置100、現像装置50の待機時間言い換えると放置時間が400000[sec]以上の場合に吸引口清掃部材トナー除去モードを実施するのが、消費電力の面を考慮しても効率的となる。
よって、現像装置50において条件「A.」を用いる場合、図8に示すフローのように、図5に示してすでに説明したステップS101と、ステップS102との間に、ステップS111を行う。
すなわち、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、ステップS101のジョブエンド後、マシンの待機時間(t2−t1)が40000[sec]以上となり、現像剤中のトナー帯電量が20[−μC/g]未満となったと推定される場合に、帯電量低下条件が満たされたと判断(S111)し、吸引口清掃部材トナー除去モードを実施する(S102)。また、吸引口清掃部材トナー除去モードに次いでステップS103を行ってから、今回のジョブをスタートする。
そのため、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、前回の動作終了時(t1)から今回の動作開始時(t2)までの経過時間(t2−t1)を測定する経過時間測定手段としての図示しないタイマを内蔵しており、このタイマによって測定されたかかる経過時間が所定時間である40000[sec]以上に至ったことを条件として、帯電量低下条件が満たされたと判断するようになっている。
なお、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、かかるタイマの代わりに、前回の動作開示時(t1)の時間情報と今回の動作開示時(t2)の時間情報とを検知する検知機能、これら時間情報を保存するメモリないしカウンタの機能、これらの差分である経過時間(t2−t1)を算出する算出機能を有していても良い。
また、本形態では40000[sec]であるt2−t1の閾値は、マシンスペックや使用環境によって適正値が異なる為、サービスマンやユーザによって変更可能にしてある。また、温湿度センサによって検知された温湿度に応じて帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70によって自動補正されるようにしても良い。
・「B.」について
図9は、画像形成装置100にて通常環境である23℃50%RHの環境下で作像を実施した後、放置したときのサーモスタット71の出力温度の時間推移の平均値を示している。
同図から、かかる通常環境において、放置時間40000[sec]に至る定着温度、すなわち、現像剤中のトナー帯電量が20[−μC/g]未満となったと推定される温度は、約40℃以下であることが分かった。
従って、サーモスタット71の出力温度が40℃以下の場合に吸引口清掃部材トナー除去モードを実施するのが、消費電力の面を考慮しても効率的となる。
よって、現像装置50において条件「B.」を用いる場合、図10に示すフローのように、図5に示してすでに説明したステップS101と、ステップS102との間に、ステップS121、ステップS122を行う。
すなわち、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、ステップS101のジョブエンド後、定着装置6における加熱がオフとなっているとき、すなわち熱源による加熱ローラ62の加熱がオフとなっている電源OFF時またはスリープモード時に(S121)、サーモスタット71による測定温度aが40℃以下となり、現像剤中のトナー帯電量が20[−μC/g]未満となったと推定される場合に、帯電量低下条件が満たされたと判断(S122)し、吸引口清掃部材トナー除去モードを実施する(S102)。また、吸引口清掃部材トナー除去モードに次いでステップS103を行ってから、今回のジョブをスタートする。
このように、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、作像の放置時間からトナー帯電量の低下度合いを推測する手法を用い、サーモスタット71によって測定された定着部39の温度が所定温度である40℃に低下したことを条件として、帯電量低下条件が満たされたと判断するようになっている。
現像装置50において条件「B.」を用いる場合には、上述した条件「A.」を用いる場合と比べて、既存の定着制御部品であるサーモスタット71を作像後放置時間の実質的な検知手段とすることで、タイマ等の部品の増加やカウンタなどの機能を追加することによるコスト増加や構成の複雑化を生じることなく、帯電量低下条件が満たされたか否かが判断されるという利点がある。
なお、この条件「B.」を用いる場合にも、上述した条件「A.」を用いる場合と同様に、本形態では40℃であるサーモスタット71の測定温度の閾値は、マシンスペックや使用環境によって適正値が異なる為,サービスマンやユーザによって変更可能にしてある。また、温湿度センサによって検知された温湿度に応じて帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70によって自動補正されるようにしても良い。
・「C.」について
この条件「C.」は、すでに述べた条件「A.」、「B.」、すなわち、現像剤を放置してからの経過時間が長くなるに連れてトナーの帯電量Q/Mが低下していくことに対応した条件と異なり、トナーの帯電量Q/Mが低下するとトナー相互間の反発力が低下することにより、現像剤の嵩密度に左右される透磁率が変化することに対応した条件である。
このような条件とした理由は次のとおりである。
すでに述べたように、現像剤のトナー帯電量は、放置時間が長い程低下していくが、帯電量の時間的低下の割合言い換えるとスピードは、環境条件および剤劣化条件によって大きく変わってくる。
たとえば、環境条件で言えば、低温低湿環境であればトナー帯電量の低下のスピードは遅く、高温高湿環境であればトナー帯電量の低下が早く進む。また、剤劣化条件で言えば,初期剤であればトナー帯電量の低下のスピードは遅く、劣化剤であればトナー帯電量の低下が早く進む。
よって、放置時間のみでは、トナー帯電量の低下の状況を大まかにしか表せない。これを回避するには、現像ケース55内のトナー帯電量を常にモニタすれば良いが、これを行うためのだけに用いる機構を追加すると、部品の増加や構成の複雑化、大幅なコストアップになってしまう。
そこで、条件「C.」では、トナーの帯電量Q/Mが低下するとトナー相互間の反発力が低下することにより、現像剤の嵩密度に左右される透磁率が変化することに着目し、現像装置50においてトナー補給制御に用いられる、既存のトナー濃度検知センサ56を利用して、帯電量低下条件が満たされたか否かを判断する。
すでに述べたように、トナー濃度検知センサ56は、その周辺のキャリアの体積比率を検知して、そのときのトナー濃度に対応したトナーの体積比率を推測し、トナー補給制御にフィードバックする機能を持つが、トナー濃度検知センサ56の検知結果は、トナー濃度が同じであっても、トナー帯電量によって変わってくる。
具体的には、トナー濃度が同じであっても、トナー帯電量が高い場合、トナー同士の静電的反発力が大きくなり、現像剤中の空隙の体積が大きくなるため、現像剤の嵩密度が小さくなり、キャリアの体積比重が小さくなって、その出力値であるVt値が小さくなる。逆に、トナー濃度が同じであっても、トナー帯電量が低い場合、トナー同士の静電的反発力は小さくなり、現像中の空隙の体積が小さくなるため、現像剤の嵩密度が大きくなり、キャリアの体積比重が大きくなって、出力値であるVt値が大きくなる。
そして、作像停止時にトナー濃度が変化し得ないことを考慮すると、前回の作像終了時のVt(β)と今回の作像スタート時のVt(α)との差分Vt(β)−Vt(α)値を検知すれば、作像停止時にトナー帯電量がどの程度低下したかの推測が可能となる。トナー濃度検知センサ56の出力値Vtを転用してトナー帯電量の低下の検知に用いることが可能であることが分かる。
図11は、現像装置50を用いた場合の、トナー濃度検知センサ56の出力値Vtとトナー帯電量Q/Mとの相関を実験的に求めた結果を示している。条件として、トナー濃度7[wt%]、環境が通常環境である23℃50%RHであるときのトナー帯電量Q/Mが40[−μC/g]であることを用いている。
同図から、ジョブエンドからの出力値Vtの上昇量Vt(β)−Vt(α)であるb値が約0.2[V]となると、Q/M<20[−μC/g]となることが分かる。
従って、前回のジョブエンド時の出力値Vt(β)と今回のジョブスタート時の出力値Vt(α)との差分Vt(β)−Vt(α)、つまりマシンすなわち画像形成装置100、現像装置50の放置による出力値低下が0.2[V]以上の場合に吸引口清掃部材トナー除去モードを実施するのが、消費電力の面を考慮しても効率的となる。
よって、現像装置50において条件「C.」を用いる場合、図10に示すフローのように、図5に示してすでに説明したステップS101と、ステップS102との間に、ステップS131〜ステップS134を行う。
すなわち、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、ステップS101の前回の作像終了時にトナー濃度検知センサ56によって検知されたVt(β)をメモリに保存し(S131)、今回の作像開始時(S132)にトナー濃度検知センサ56によってVt(α)を検知して(S133)、Vt(β)−Vt(α)の演算を行って算出したb値が0.2[V]以上となっており、現像剤中のトナー帯電量が20[−μC/g]未満となったと推定される場合に、帯電量低下条件が満たされたと判断(S134)し、吸引口清掃部材トナー除去モードを実施する(S102)。また、吸引口清掃部材トナー除去モードに次いでステップS103を行ってから、今回のジョブをスタートする。
このように、帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70は、トナー濃度検知センサ56によって測定された現像ケース55内の現像剤の透磁率が、前回の動作終了時から今回の動作開始時までの間に所定量低下したこと、すなわち、かかる透磁率の低下量に対応したトナー濃度検知センサ56の出力値の差分が、所定の閾値bである0.2[V]以上となっていることを条件として、帯電量低下条件が満たされたと判断するようになっている。
現像装置50において条件「C.」を用いる場合には、上述した条件「A.」、「B.」と異なり、放置時間でなく、現像剤の透磁率の変化分、すなわちトナー濃度検知センサ56の出力値の変化分という、トナー帯電量低下に直結するパラメータを検知することで、上述した条件「A.」、「B.」よりも、飛散トナー量が急増するタイミングの検知精度が向上して、吸引口清掃部材トナー除去モードの実行条件の精度が向上し、また、上述した条件「A.」よりも、タイマ等の部品の増加やカウンタなどの機能を追加することによるコスト増加や構成の複雑化を生じることなく、帯電量低下条件が満たされたか否かが判断されるという利点がある。
なお、この条件「C.」を用いる場合にも、上述した条件「A.」、「B.」を用いる場合と同様に、本形態では0.2[V]であるトナー濃度検知センサ56の出力値の変化分の閾値は、マシンスペックや使用環境によって適正値が異なる為,サービスマンやユーザによって変更可能にしてある。また、温湿度センサによって検知された温湿度に応じて帯電量低下条件判断手段として機能する制御手段70によって自動補正されるようにしても良い。
すでに述べたように、クリーニング部材45のクリーニングは、クリーニング部材45の往復動作中に行うようにしても良い。この場合、クリーニング部材45の往復動作中にクリーニング部材45をモータ47によって回転駆動することとなるが、このとき、図13(a)に示すように、クリーニング部材45の回転方向が、クリーニング部材45の移動方向に対して順方向である場合、すなわち、クリーニング部材45の、吸引口55b内の部分の、吸引口55bとの相対速度が、大きくなるように、クリーニング部材45が回転する場合と、同図(b)に示すように、クリーニング部材45の回転方向が、クリーニング部材45の移動方向に対して逆方向である場合、すなわち、クリーニング部材45の、吸引口55b内の部分の、吸引口55bとの相対速度が、小さくなるように、クリーニング部材45が回転する場合とについて比較すると、次のとおりとなる。
すなわち、前者の場合の方が、後者の場合よりも、かかる相対速度が大きいため、クリーニング部材45による吸引口55bの清掃効率が高くなると考えられる。したがって、清掃効率を重視すれば、前者の方が有利であると考えられる。
その一方で、前者の場合には、かかる相対速度が大きい故に、吸引口55bを清掃するときの吸引口55bとクリーニング部材45との擦れの程度が大きく、後者の場合よりも、クリーニング部材45の経時劣化が生じやすいと考えられる。
図14(a)に、クリーニング部材45が、往復動作中に、吸引口55bとの摩擦によって連れ回りしないように回転を禁止されている場合(図中黒丸)と、吸引口55bとの摩擦によって連れ回りするように回転自在に支持されている場合(図中白丸)とでの、吸引口55bの清掃効率の経時的な比較を示す。なお、クリーニング部材45は、図4に示した形状であり、材料は、エピクロルヒドリンゴムである。また、清掃効率は、次式によって算出したものである。
吸引口清掃率[%]={(清掃動作前の吸引口付着トナー重量[mg]−清掃動作後の吸引口付着トナー重量[mg])/清掃動作前の吸引口付着トナー重量[mg]}×100・・・式(1)
同図から、ごく初期においては、前者の場合の方が、後者の場合よりも、清掃効率が高いが、それ以降は、後者の場合のほうが、前者の場合よりも、清掃効率が高いことが分かる。これは、吸引口55bとクリーニング部材45との摩擦言い換えると摺擦により、クリーニング部材45が早期に劣化することによると考えられる。
このため、クリーニング部材45の往復動作中にクリーニング部材45をモータ47によって回転駆動する場合には、クリーニング部材45の回転方向は、吸引口55bとクリーニング部材45との擦れを緩和するために、上述した逆方向であることが好ましい。クリーニング部材45が主走査方向の何れに移動する場合にも逆方向に回転するように、モータ47は正逆回転駆動するものであることが望ましい。
逆方向へのクリーニング部材45の回転速度は、吸引口55bとクリーニング部材45との擦れを緩和する観点から、クリーニング部材45の回転による線速と、主走査方向への移動速度とがほぼ一致するように設定することが好ましいが、これではクリーニング部材45が十分にクリーニングされない場合には、クリーニング部材45のクリーニングが確保される範囲で、かかる線速を、かかる移動速度よりも大きくしても良い。
しかし、クリーニング部材45の往復動作中にクリーニング部材45をモータ47によって回転駆動する目的を、クリーニング部材45のクリーニングでなく、吸引口55bとクリーニング部材45との擦れを緩和することとして、この目的のためにクリーニング部材45の往復動作中にクリーニング部材45をモータ47によって回転駆動する場合には、かかる線速がかかる移動速度とほぼ一致するように、モータ47により、クリーニング部材45を回転駆動する。
このようにして、吸引口55bとクリーニング部材45との擦れが緩和されることで、吸引口55bのクリーニング時及び/又はクリーニング部材45のクリーニング時におけるクリーニング部材45のストレスが軽減され、クリーニング部材45の経時劣化が抑制されて、クリーニング部材45による吸引口55bの清掃効率が、経時的に維持される。
モータ47によってクリーニング部材45を回転駆動せずとも、吸引口55bとクリーニング部材45との摩擦力によって、クリーニング部材45が、図14(a)において白丸で示したように、往復動作中に、吸引口55bとの摩擦によって連れ回りするように、回転可能に支持されている場合、たとえば、モータ47において、軸47aが、かかる連れ回りを生じる程度の摩擦力で回転可能に支持されている場合には、モータ47の駆動を停止しても良い。このときは、クリーニング駆動手段46と吸引口55bとのうちの少なくともクリーニング駆動手段46が、吸引口55bを清掃するときの吸引口55bとクリーニング部材45との擦れを緩和するためにクリーニング部材45を駆動、具体的には上述の逆方向に回転駆動する清掃部材駆動手段として機能する。
この場合であっても、クリーニング部材45の往復動作の速度が大きい場合には、クリーニング部材45のクリーニングが行われ得る。連れ回りによってクリーニング部材45のクリーニングが行われる程度にクリーニング部材45の往復動作の速度が大きく、クリーニング部材45のクリーニングのためのホームポジションでの回転が不要である場合には、モータ47は省略しても良く、飛散トナー吸引装置44は、モータ47に代えて、図15に示すように、軸47aを備えた支持部材48を備えていても良い。
支持部材48は、軸47aを回転自在に支持したベアリングを内蔵したベアリング部48aを有している。ベアリング部48aは、軸47aを介してクリーニング部材45を回転可能に支持している。これにより、クリーニング駆動手段46がクリーニング部材45を往復動させると、清掃部材駆動手段として機能する、クリーニング駆動手段46と吸引口55bとのうちの少なくともクリーニング駆動手段46は、吸引口55bを清掃するときの吸引口55bとクリーニング部材45との擦れを緩和するために、クリーニング部材45を、吸引口55bとの摩擦によって連れ回りさせる態様で駆動、具体的には上述の逆方向に回転駆動させる作用を生じせしめるとともに、この回転により、クリーニング部材45のクリーニングが行われる。
したがって、吸引口55b及び/又はクリーニング部材45のクリーニング時におけるクリーニング部材45のストレスが軽減され、クリーニング部材45の経時劣化が抑制されて、図14(a)において白丸で示したように、クリーニング部材45による吸引口55bの清掃効率を、経時的に維持するようになっている。
なお、飛散トナー吸引装置44がモータ47を有する場合であって、クリーニング部材45の移動時にクリーニング部材45が連れ回りによってクリーニングされる場合には、ホームポジションにおけるクリーニング部材45のクリーニングのための回転駆動を省略し、このクリーニングのための回転に起因するクリーニング部材45と吸引口55bとの摩擦によってクリーニング部材45が劣化することを防止することが望ましい。
クリーニング部材45による吸引口55bの清掃効率を、経時的により良好に維持するには、本発明者の鋭意研究により、クリーニング部材45の、少なくとも吸引口55bに当接する部分を、ブラシ状とすることが好ましいことがわかった。図14(b)に、同図(a)に示した条件のほかに、黒三角で示すように、クリーニング部材45を、図16に示すようにブラシ状とし、吸引口55bとの摩擦によって連れ回りするように条件を設定した場合の、吸引口55bの清掃効率の経時的な測定結果を示す。
同図(b)から、クリーニング部材45は、吸引口55bに当接する部分が、図4、図15に示したような、滑らかな曲面状である場合よりも、図16に示すようなブラシ状である場合の方が、経時的に高いレベルで清掃効率が維持されることが分かる。これは、ブラシ状の方が、吸引口55bとクリーニング部材45との摩擦によるクリーニング部材45のストレスがより高度に低減されクリーニング部材45が劣化しにくくなるためと考えられる。同図に示したクリーニング部材45は全体がブラシ形状となっているが、クリーニング部材45は、吸引口55bに当接する部分がブラシ状であれば良い。
以上述べたクリーニング部材45において、その材質は、少なくとも吸引口55bに当接する部分が、ヤング率5000Mpa以下の弾性材料であることが好ましいことが、本発明者の鋭意研究によって分かった。クリーニング部材45のヤング率と吸引口55bの清掃効率との相関を調べたところ、図17に示すようになった。清掃効率は、上記式(1)によって算出したものである。クリーニング部材45としては新規の状態のものを用いた。
同図から、ヤング率が5000Mpaを超えた領域では清掃効果がほとんど得られないほど清掃効率が以下していることが分かる。これは、ヤング率が5000Mpaを超えると、クリーニング部材45と吸引口55bとの摩擦力がほとんど得られないためであると考えられる。
ヤング率5000Mpa以下の弾性材料としては、図14(a)に示した測定を行うのに用いたエピクロルヒドリンゴムの他、メラミン樹脂発泡体,天然ゴム,イソプレンゴム,ブタジエンゴム,1、2−ポリブタジエン,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,ブチルゴム,アクリルニトリルブタジエンゴム,エチレン-プロピレンゴム,ネオプロピレンゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,アクリルゴム,多硫化ゴム,シリコンゴム,フッ素ゴム,ウレタンゴムなどのゴム材料や,ポリエチレン系エラストマー,ポリオレフィン系エラストマー,1、2−ポリブタジエン系エラストマー,エチレン-酢酸ビニル系エラストマー,ポリ塩化ビニル系エラストマー,天然ゴム系エラストマー,フッ素ゴム系エラストマー,トランス-ポリイソプレン系エラストマー,塩化ポリエチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー材料,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチレンテレフタラート,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリウレタン,ポリカーボネイト,ポリテトラフルオロチレン,アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂,アクリロトリルブタジエンスチレン樹脂,メタクリル樹脂などの合成樹脂材料などが挙げられるが、中でもメラミン樹脂発泡体が最も好ましい。
図18に、クリーニング部材45を、エピクロルヒドリンゴム、メラミン樹脂発泡体で形成した場合のそれぞれの清掃効率を示して比較した。清掃効率は、上記式(1)によって算出したものである。クリーニング部材45としては新規の状態のものを用いた。
同図から、クリーニング部材45をメラミン樹脂発泡体で形成した場合の清掃効率が、クリーニング部材45をエピクロルヒドリンゴムで形成した場合の清掃効率の1.2倍を超えていることが分かる。クリーニング部材45をメラミン樹脂発泡体で形成した場合の清掃効率が高いのは、メラミン樹脂発泡体は、発泡体に微細な穴が多数開いている構造であるため、かかる穴にトナーが効率よく蓄積されることによる。
メラミン樹脂発泡体等の弾性材料は、クリーニング部材45の、少なくとも吸引口55bに当接する部分に用いられていれば良い。よって、たとえば、クリーニング部材45の表面部分のみをメラミン樹脂発泡体等の弾性材料で形成しても良い。
なお、図16に示したように、クリーニング部材45の、吸引口55bに当接する部分をブラシ状とする場合について補足すると、この部分をメラミン樹脂発泡体で構成すると経時劣化が進行しやすい場合には、かかる部分は他の弾性材料で構成しても良く、また、適宜、上述の材料に限らず、吸引口55bの清掃が確保される材料が選択される。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、吸引口清掃部材に付着した飛散トナーを除去するために清掃部材駆動手段が吸引口清掃部材を駆動する態様は、上述の形態のような回転の態様に限らない。たとえば、吸引口清掃部材を、主走査方向等に沿って直線状に移動することで、吸引口清掃部材を清掃する清掃部材、たとえば粘着性を有する部材、あるいはブラシ状の部材に当接させ、これによって吸引口清掃部材が清掃される構成である。この場合、吸引口清掃部材の移動方向が主走査方向に沿った方向であれば、上述したように連れ回りによって吸引口清掃部材がクリーニングされる場合と同様に、上述の形態におけるクリーニング駆動手段を清掃部材駆動手段としても用いることが可能となる。
なお、この場合も、吸引口清掃部材が回転可能に設けられていることが好ましい。かかる清掃部材に当接するときに、吸引口清掃部材が、移動に伴う連れ回りあるいは駆動により回転し、これによって清掃部材への当接がクリーニングにより適した状態で行われるようにすれば、吸引口清掃部材が回転しない場合よりも、清掃部材による吸引口清掃部材のクリーニング性が向上するためである。
本発明を適用した現像装置は、上述した形態のように、2成分現像剤を用いる二成分現像装置に限らず、1成分現像剤を用いる一成分現像装置であっても良い。言い換えると、現像剤は、トナーを含んでいれば、2成分現像剤に限られない。
本発明は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。
いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像をシート等に直接転写する直接転写方式を採用しても良い。すなわち被転写体はシートであっても良い。この場合、複数の像担持体上のトナー像は、直接、シートに転写される。
中間転写体はベルト状に限らずドラム状であってもよい。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。