第1の発明に係るトイレ用人体検知装置は、便器上に設置される衛生洗浄便座装置に用いられるトイレ用人体検知装置であって、トイレを使用する使用者を検知して人体検知信号を出力する人体検知部と、前記使用者がトイレを使用していることを示すトイレ使用情報に基づいて、前記人体検知部の検知感度を一時的に低下させるよう制御する感度制御部と、を備える。
この構成によれば、人体検知部の検知感度が低下した分のエネルギの消費が低減される。また、使用者がトイレを使用しているときはトイレを使用する使用者を検知する必要がないため、人体検知部の検知感度が低下することによる不具合がない。さらに、一時的に低下していた検知感度が戻されるため、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第2の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第1の発明において、前記便器上に設けられている前記衛生洗浄便座装置の本体と別に設けられているトイレ用人体検知装置であって、前記本体に設けられている受信部に信号を送信する送信部をさらに備え、前記送信部は、前記感度制御部によって検知感度が制御される前記人体検知信号を前記受信部へ送信するように構成されていてもよい。
この構成によれば、トイレ用人体検知装置が本体と別に設けられているため、使用者を検知しやすい位置にトイレ用人体検知装置を配置することができる。
第3の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第1または2の発明において、前記トイレ使用情報は、前記人体検知部が前記使用者を検知して出力したままの前記感度制御部によって制御されない人体検知信号であってもよい。
この構成によれば、人体検知部が使用者を検知すると、使用者がトイレを使用しているとして、人体検知部の検知感度が一時的に低下する。これにより、消費エネルギを低減し、かつ、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第4の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第1または2の発明において、衛生洗浄便座装置は、前記便器上に配置された便座に前記使用者が着座したことを検知する着座検知部をさらに備え、前記トイレ使用情報は、前記使用者が着座したことを前記着座検知部が検知して出力する着座検知信号であってもよい。
この構成によれば、使用者が着座すると、使用者がトイレを使用しているとして、人体検知部の検知感度が一時的に低下する。これにより、消費エネルギを低減し、かつ、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第5の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第1または2の発明において、前記トイレ用人体検知装置または前記衛生洗浄便座装置は、前記衛生洗浄便座装置の本体を作動させて作動を停止させる操作部をさらに備え、前記トイレ使用情報は、前記操作部の前記本体を作動させる作動操作信号であっていてもよい。
この構成によれば、使用者が操作部を操作すると、使用者がトイレを使用しているとして、人体検知部の検知感度が一時的に低下する。これにより、消費エネルギを低減し、かつ、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第6の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第3の発明において、前記感度制御部は、前記人体検知信号を受け取ると前記人体検知部の検知感度を低下させ、前記人体検知部の検知感度を低下させてからの経過時間が所定時間に達した場合、低下している前記人体検知部の検知感度を上げるように構成されていてもよい。
この構成によれば、人体検知部の検知感度が下げられてから所定時間が経過すると、低下している人体検知部の検知感度が上げられる。このため、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第7の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第4の発明において、前記感度制御部は、前記着座検知部が前記着座検知信号を出力すると前記人体検知部の検知感度を低下させ、その後、前記着座検知部が前記着座検知信号を出力しなくなった場合、低下している前記人体検知部の検知感度を上げるように構成されていてもよい。
この構成によれば、着座していた使用者が退座すると、低下している人体検知部の検知感度が上げられる。このため、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第8の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第5の発明において、前記感度制御部は、前記操作部が前記作動操作信号を出力すると前記人体検知部の検知感度を低下させ、その後、前記操作部が前記本体の作動を停止する停止操作信号を出力すると、低下している前記人体検知部の検知感度を上げるように構成されていてもよい。
この構成によれば、本体の作動を停止する操作部を使用者が操作すると、本体の使用が終了したとして、低下している人体検知部の検知感度が上げられる。このため、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第9の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第5の発明において、前記感度制御部は、前記操作部が前記作動操作信号を出力すると前記人体検知部の検知感度を低下させ、その後、前記操作部が前記本体の作動を停止する停止操作信号を出力せずに所定時間が経過すると、低下している前記人体検知部の検知感度を上げるように構成されていてもよい。
この構成によれば、本体の作動を停止する操作部を使用者が操作せずにトイレを退室しても、所定時間が経過すると、本体の使用が終了したとして、低下している人体検知部の検知感度が上げられる。このため、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
第10の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第1〜9のいずれかの発明において、前記人体検知部は、焦電型の赤外線センサを有し、前記赤外線センサの人体検知信号を増幅する増幅部をさらに備え、前記増幅部への通電が停止されることによって前記人体検知部の感度が低下させられていてもよい。
この構成によれば、焦電型の赤外線センサは赤外線を発光しないため、この消費電力が削減される。さらに、人体検知部の感度が低下している間、増幅部への通電が停止しているため、この消費電力も削減される。これにより、さらに、消費エネルギの低減化が図られる。
第11の発明に係るトイレ用人体検知装置は、第1〜9のいずれかの発明において、前記人体検知部は、発光素子および受光素子を含む反射型の赤外線センサを有し、前記発光素子の単位時間当たりの発行回数が減少することによって前記人体検知部の感度が低下させられていてもよい。
この構成によれば、人体検知部の感度が低下している間、赤外線センサの発光素子から発行される回数が減少しているため、この消費電力も削減される。
第12の発明に係る衛生洗浄便座装置は、第1〜11のいずれかの発明のトイレ用人体検知装置と、前記便器上に設置される本体と、を備え、前記本体は、便座と、前記便座を覆う便蓋と、前記便座に着座した使用者の局部を洗浄する洗浄装置と、前記本体の動作を制御する本体制御部と、を備え、前記本体制御部は、前記トイレ用人体検知装置の人体検知部からの人体検知信号を受信したことに基づいて前記本体を使用可能状態にし、前記人体検知部からの人体検知信号を受信しなくなったことに基づいて前記本体の使用可能状態を終了するよう構成されていてもよい。
この構成によれば、第1〜11の発明と同様の作用および効果を奏する。また、使用者がトイレを使用しなくなると、本体の使用可能状態が終了する。そして、一時的に低下していた検知感度が戻され、トイレを次に使用する使用者が検知されると、本体が迅速に使用可能状態になる。このため、使用者はスムーズに便器を使用することができる。
第13の発明に係る衛生洗浄便座装置は、第12の発明において、前記本体は、前記便蓋を開閉する便蓋回動機構をさらに備え、前記本体制御部は、前記トイレ用人体検知装置の人体検知部からの人体検知信号を受信したことに基づいて前記便蓋を開くように前記便蓋回動機構を制御して前記本体を使用可能状態にし、前記人体検知部からの人体検知信号を受信しなくなったことに基づいて前記便蓋を閉じるように前記便蓋回動機構を制御して前記本体の使用可能状態を終了するよう構成されていてもよい。
この構成によれば、トイレを使用する使用者が検知されて、人体検知信号が本体制御部に受信されると、便蓋が開くため、使用者は便器をスムーズに使用することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図9は、実施の形態1に係る衛生洗浄便座装置101の構成を示す機能ブロック図である衛生洗浄便座装置101は、トイレ用人体検知装置300および本体200を備える。
トイレ用人体検知装置300は、便器110(図1参照)上に設置される衛生洗浄便座装置101に用いられ、トイレの使用者を検知するための装置である。トイレ用人体検知装置300は、人体検知部301および感度制御部320を備える。人体検知部301は、トイレを使用する使用者を検知して人体検知信号を出力する。また、感度制御部320は、使用者がトイレを使用していることを示すトイレ使用情報に基づいて、人体検知部301の検知感度を一時的に低下させる。
本体200は、便器110上に設置され、便座220と、便座220を覆う便蓋210と、便座220に着座した使用者の局部を洗浄する洗浄装置230と、本体200の動作を制御する本体制御部240と、を備える。本体制御部240は、トイレ用人体検知装置300の人体検知部301からの人体検知信号を受信したことに基づいて本体200を使用可能状態にする。また、本体制御部240は、人体検知部301からの人体検知信号を受信しなくなったことに基づいて本体200の使用可能状態を終了する。
上記実施の形態1に係るトイレ用人体検知装置300によれば、使用者がトイレを使用しているときは、人体検知部301の検知感度が低下する。この検知感度の低下は、たとえば、人体検知部301から出力された人体検知信号を増幅するための増幅部の増幅度を減らしたり、人体検知部301から信号が放出される回数やその信号の強度を減らしたりすることにより実現される。これにより、増幅部や人体検知部301などの消費エネルギが低減されます。しかも、これらを有するトイレ用人体検知装置300から本体制御部へ必要以上に信号発信される回数が削減され、トイレ用人体検知装置300の消費エネルギが低減される。また、一時的に低下していた人体検知部301の検知感度は元の感度に戻されるため、トイレを次に使用する使用者を迅速かつ確実に検知することができる。
また、使用者がトイレを使用していない場合、検知感度が高い状態で人体検知部301が使用者を検知するため、使用者が確実かつ迅速に検知される。そして、この人体検知信号を本体制御部240が受信すると、本体200は使用可能な状態になる。よって、使用者は、手間なくかつ速やかに便器110を使用することができる。また、使用者がトイレを使用しなくなり、たとえば、人体検知部301からの人体検知信号を本体制御部240が使用しなくなると、本体200の使用可能状態が終了する。
(実施の形態2)
[衛生洗浄便座装置の構成]
実施の形態2は、実施の形態1の衛生洗浄便座装置101を、リモートコントローラ(remote controller:以下、「リモコン」と称す。)401などを備える衛生洗浄便座装置101に適用した例を示す。
図1は、第1の実施の形態に係る衛生洗浄便座装置101を模式的に示す斜視図である。図2は、衛生洗浄便座装置101の構成を示す機能ブロック図である。図3は、衛生洗浄便座装置101のリモコン401を示す平面図である。なお、図1に示すように、便器110に対して本体200側を後方とし、前方に向かって右側を右側、前方に向かって左側を左側として説明する。
衛生洗浄便座装置101は、図1に示すように、便器110を含むトイレの内部に設けられている。衛生洗浄便座装置101は、本体200およびトイレ用人体検知装置300を含むリモコン401を備える。
本体200は、便器110上に設けられている。本体200は、便蓋210、便座220、便座便蓋回動機構215、着座検知センサ250、本体操作部261、本体受信部262および本体制御部240を有する。本体200は、洗浄機構(洗浄装置)230および乾燥装置(図示せず)などを内蔵していてもよい。本体200は本体部201および袖部260を含み、これらは一体的に形成されている。
便蓋210および便座220は、便座便蓋回動機構215を介して開閉可能に本体部201に取り付けられている。便蓋210が開放された状態では、便蓋210は本体200の最後部に位置するように起立する。便蓋210が閉塞された状態では、便蓋210は便座220の上面を隠蔽する。便座220は便座ヒータ221を内蔵しており、便座ヒータ221は便座220の着座面が快適な温度になるように加熱する。
便座便蓋回動機構215は、便座220を開閉する便座回動機構と、便蓋210を開閉する便蓋回動機構とを含む。便座便蓋回動機構215は、たとえば、直流モータおよび複数の減速ギアで構成されており、便蓋210と便座220を個別または同時に開閉することができる。
洗浄機構230は、人体の局部を洗浄するシステムであって、洗浄水供給機構(図示せず)、熱交換器(図示せず)、洗浄ノズル(図示せず)などで構成されている。洗浄水供給機構および熱交換器が洗浄ノズルに接続されている。洗浄水供給機構は、水道配管から洗浄ノズルへ洗浄水を供給する機構であって、洗浄ノズルへ供給する洗浄水の量を調節する流量調節駆動機構(図示せず)を備えている。熱交換器は、洗浄ノズルへ供給される洗浄水を加熱する機器である。洗浄ノズルは、供給および加熱された洗浄水を便器110内へ噴出する装置であって、本体200の下部中央に配されている。洗浄ノズルから噴出される洗浄水の強度は、流量調節駆動機構(図示せず)により変化する。洗浄ノズルは、お尻を洗浄するお尻洗浄ノズル部と、女性の局部を洗浄するビデノズル部とを有する。また、洗浄ノズルはノズル駆動機構を備え、ノズル駆動機構は、本体200内に収容した収納位置と、本体200から便器110内へ突出して洗浄動作を行う洗浄位置との間で、洗浄ノズルを移動させる。乾燥装置は、エアーを吹き出し、洗浄後の局部を乾燥するための装置である。
着座検知センサ250は、便座220に人体が着座したことを検知する第2検知部である。着座検知センサ250は、本体200の前面コーナ部に設置されている。着座検知センサ250は、たとえば反射型の赤外線センサであって、発光素子および受光素子を含む。発光素子が赤外線を発光し、その赤外線が使用者により反射された赤外線を受光素子が受光することによって、着座検知センサ250は、便座220上に使用者が存在する(着座している)ことを検知する。
本体操作部261は、本体200の袖部260の上面に配置されている。本体操作部261には、本体200の重要な機能である電源スイッチ261aと、洗浄機能の中で使用頻度の高いお尻洗浄機能を操作するお尻洗浄スイッチ261bが配置されている。
本体受信部262は、袖部260の上面に配置されている。本体受信部262は、リモコン401から送信される赤外線などの信号を受信する受信素子である。
本体制御部240は、着座検知センサ250、本体受信部262および本体操作部261などから入力された信号に応じた機能を実行するように本体200の各部を制御する。
たとえば、本体制御部240は、人体検知部301からの人体検知信号を受信したことに基づいて便蓋210を開くように便座便蓋回動機構215を制御して本体200を使用可能状態にする。さらに、本体制御部240は、便座ヒータ221に通電するように便座ヒータ221を制御する。便座ヒータ221には、たとえば800Wの非常に高出力のヒータが用いられる。これにより、使用者がトイレ室に入室してから便座220に着座するまでの間、たとえば、6秒〜15秒の間に、便座220の着座面が約40℃の設定温度に昇温する。便座220が設定温度に達した後、便座ヒータ221に供給される電力を、たとえば、50Wに下げるように本体制御部240が制御することにより、着座面の温度が設定温度に保たれる。
本体制御部240は、人体検知部301からの人体検知信号を受信しなくなったことに基づいて便蓋210を閉じるように便座便蓋回動機構215を制御して本体200の使用可能状態を終了する。たとえば、本体制御部240が人体検知信号を受信しなくなってからの経過時間が所定時間に達すると、便蓋210を閉じるように便座便蓋回動機構215を制御する。さらに、本体制御部240は、便座ヒータ221への通電を停止する、あるいは、便座220を、たとえば、15℃〜18℃程度の待機温度で保温するように便座ヒータ221を制御して本体200の使用可能状態を終了する。この結果、トイレ室に使用者がいないときの電力は、大幅に削減される。
リモコン401は、本体200とは別体で構成された遠隔操作装置である。リモコン401は、人体検知センサ310がトイレを使用する使用者を検知し易く、かつ、便座220上に着座した使用者が操作スイッチ411などを操作し易いトイレ室の壁面等に取り付けられている。リモコン401は、人体検知部301および人体検知認識部(感度制御部)320を備える。リモコン401は、リモコン制御部501、操作スイッチ411、設定スイッチ420、リモコン表示部430、リモコン信号送信部439および電池450をさらに備えていてもよい。電池から供給される電力により、リモコン401の各部が駆動する。
操作スイッチ411は、本体200の各部を作動し各機能を実行するための操作部である。操作スイッチ411として、たとえば、図3に示すように、おしり洗浄スイッチ321、ビデ洗浄スイッチ332、乾燥スイッチ323、洗浄ノズルの洗浄スイッチ(図示せず)、停止スイッチ324がリモコン401に配置されている。おしり洗浄スイッチ321は、便座220に着座した使用者のおしりを洗浄するために、洗浄ノズルから洗浄水を噴出させるスイッチである。停止スイッチ324は、作動している機能を停止させるためのスイッチである。
設定スイッチ420は、本体200の各機能の条件などを設定するための設定部である。設定スイッチ420として、たとえば、強スイッチ325、弱スイッチ326、前スイッチ328および後スイッチ329がリモコン401に配置されている。強スイッチ325および弱スイッチ326は、洗浄ノズルから洗浄水が噴出する強さを調整するためのスイッチである。前スイッチ328および後スイッチ329は、洗浄ノズルから洗浄水を噴出する位置を調整するためのスイッチである。
リモコン表示部430は、本体200の各機能に関する情報などが表示されている表示部である。リモコン表示部430として、たとえば、強さレベル表示灯327および位置表示灯330がリモコン401に配置されている。強さレベル表示灯327は、洗浄ノズルから洗浄水が噴出する強さのレベルを表示する。位置表示灯330は、洗浄水を噴出する洗浄ノズルの位置を表示する。
人体検知部301は、便器110の使用者を検知する部分であって、人体検知センサ310を含む。人体検知センサ310は、たとえば、所定時間間隔で受光する赤外線を検知する焦電型の赤外線センサなどのパッシブセンサで構成されている。人体が接近すると、人体検知センサ310が検知する赤外線の量が増加し、人体検知信号が発生する。人体検知部301は、人体検知信号を人体検知認識部320へ出力する。
人体検知認識部320は、使用者がトイレを使用していることを示すトイレ使用情報に基づいて、人体検知部301の検知感度を一時的に低下させる感度制御部である。人体検知認識部320は、人体検知感度切替部331を含み、人体検知部301の検知感度を調整する。たとえば、本体を作動させる操作スイッチ411が操作された時、使用者がトイレを使用しているとして、人体検知部の検知感度を低下させるように人体検知認識部320は人体検知感度切替部331を制御する。また、本体の作動を停止する操作スイッチ411が操作された場合、低下している人体検知部の検知感度を上げるように人体検知認識部320は人体検知感度切替部331を制御する。
また、人体検知認識部320は、人体検知部301からの人体検知信号の入力に基づいて、人体検知の有無を判定する判定部である。人体検知認識部320は、人体検知ありと判定し人体を認識すると、人体検知信号をリモコン制御部501へ出力する。
リモコン制御部501は、操作スイッチ、設定スイッチおよび人体検知認識部から入力される信号に基づいてリモコンの各部を制御する。たとえば、使用者が操作スイッチ411を操作すると、操作スイッチ411からリモコン制御部501へ操作信号が入力される。リモコン制御部501は、操作信号をリモコン信号送信部へ出力するとともに、人体検知認識部へ出力する。これにより、リモコン信号送信部からの操作信号に応じた機能が本体において実行され、また、人体検知認識部320において人体検知部の検知感度が切り替えられる。
リモコン信号送信部439は、本体200に設けられている本体受信部262に信号を送信する送信部であって、本体200との通信インタフェースである。たとえば、リモコン信号送信部439は、検知感度が低下している人体検知部301が使用者を検知して出力した人体検知信号を本体受信部262へ送信するように、リモコン制御部501により制御される。
[検知感度の切り替え]
図7は、人体検知部301、人体検知感度切替部331および人体検知認識部320を概略的に示す回路図である。図8Aは、人体検知部301の検知感度が低感度に設定された状態における人体検知センサから出力された人体検知信号および人体検知感度切替部331の第1増幅回路によって増幅された増幅検知信号を概略的に示すグラフである。図8Bは、人体検知部301の検知感度が高感度に設定された状態における人体検知センサから出力された人体検知信号および人体検知感度切替部331の第1および第2増幅回路によって増幅された増幅検知信号を概略的に示すグラフである。
図7に示すように、人体検知感度切替部331は、複数の増幅回路、この実施の形態では2つの第1および第2増幅回路338、333を含む。第1増幅回路338では、入力端が人体検知部301に接続されるとともに出力端が第2増幅回路333に接続されている。また、第1増幅回路338の給電端が第1駆動スイッチ334に接続され、第1駆動スイッチ334は電池450に繋がる第1端子335に接続されている。第1駆動スイッチ334の開閉は人体検知認識部320から出力される制御信号により制御される。さらに、第1増幅回路338の出力端は人体検知認識部320に接続されている。第1駆動スイッチ334が閉じられて第2駆動スイッチ336が開かれているとき、第1増幅回路338により増幅された第1増幅人体検知信号が人体検知認識部320へ入力される。
第2増幅回路333では、入力端が第1増幅回路338に接続されるとともに出力端が人体検知認識部320に接続されている。また、第2増幅回路333の給電端が第2駆動スイッチ336に接続され、第2駆動スイッチ336は電池450に繋がる第2端子337に接続されている。第2駆動スイッチ336の開閉は人体検知認識部320から出力される制御信号により制御される。第1駆動スイッチ334および第2駆動スイッチ336が閉じられているとき、第1および第2増幅回路338、333により増幅された第2増幅人体検知信号が人体検知認識部320へ入力される。
人体検知感度切替部331において人体検知センサ310の検知感度が低感度に設定されている場合、人体検知認識部320は第1駆動スイッチ334を閉じて第2駆動スイッチ336を開くように各スイッチを制御する。これにより、第1増幅回路338は人体検知認識部320につなげられるが、第2増幅回路333は人体検知認識部320から断ち切られる。このため、図8Aに示すように、人体検知センサ310の人体検知信号が第1増幅回路338のみによって増幅され、この第1増幅人体検知信号が人体検知認識部320へ入力される。これにより、人体検知センサ310の検知感度が低下する。よって、人体検知信号の振幅が小さい場合、1つの第1増幅回路322により増幅された第1増幅人体検知信号の振幅は、電圧値V1と電圧値V2との間の閾値Thより小さくなる。この結果、人体検知認識部320は、人体検知なしと判定する。ただし、人体検知信号の振幅が大きい場合、第1増幅回路338にしか人体検知信号が増幅されていなくても、第1増幅人体検知信号の振幅が閾値Thより大きくなる場合がある。この場合には、人体検知認識部320は、人体検知ありと判定し、人体を認識する。
人体検知感度切替部331において人体検知センサ310の検知感度が高感度に設定されている場合、人体検知認識部320は第1駆動スイッチ334および第2駆動スイッチ336を閉じるように各駆動スイッチ334、336を制御する。これにより、人体検知認識部320は、第1増幅回路338および第2増幅回路333と直列につなげられる。このため、図8Bに示すように、人体検知センサ310の人体検知信号が第1増幅回路338および第2増幅回路333によって増幅されて、第2増幅人体検知信号が人体検知認識部320へ入力される。このように、人体検知信号は第1増幅回路338により増幅された上、第2増幅回路333により増幅される。これにより、人体検知センサ310の検知感度が上がる。よって、この第2増幅人体検知信号は閾値Thより大きいと、人体検知認識部320は、人体検知ありと判定し、人体を認識する。ただし、元々の人体検知信号の振幅が小さい場合には、たとえ2つの増幅回路で人体検知信号を増幅しても、第2増幅人体検知信号の振幅は閾値Thより小さくなる。この場合、人体検知認識部320は、人体検知なしと判定する。
[衛生洗浄便座装置の動作および作用]
図4は、衛生洗浄便座装置101における動作を示すフローチャートである。図5は、衛生洗浄便座装置101における動作を示すタイミングチャートである。図5のタイミングチャートは、リモコン401のおしり洗浄スイッチ321が操作された場合の例を示している。図5において上から1段目は、リモコン401の操作に応じたおしり洗浄の状態を示す。2段目は、人体検知センサ310の人体検知信号を示す。3段目は、人体検知部301の検知感度を示す。4段目は、リモコン401から本体200へ送信される信号を示す。5段目は、リモコン401の操作スイッチ411の操作を示す。また、リモコン401のおしり洗浄スイッチ321,ビデ洗浄スイッチ332,乾燥スイッチ323の操作は、図4および図5では、おしりSW操作,ビデSW操作,乾燥SW操作とそれぞれ表されている。
図5における概要は、T1では、人体検知部301の検知感度が高感度に設定された状態で、人体検知センサ310により人体が検知されると、人体検知信号が発生する。T2において、人体検知信号により人体検知ありと確定されると、人体検知信号がリモコン401から送信される。その後、T3でおしり洗浄SWが操作されると、T4でリモコン401から本体200へおしり洗浄信号(作動操作信号)が送信される。これと同時に、人体検知部301の検知感度が低感度に切替えられる。おしり洗浄状態のT5において人体検知信号が発生することがあるが、人体検知認識部320により人体検知有りと判定されなければ、人体検知信号はリモコン401から送信されない。その後、T6で停止SWが操作されると、T7で停止信号(作動を停止する停止操作信号)がリモコン401から本体200へ送信される。これと同時に、人体検知部301の検知感度が高感度へ切替えられる。
具体的には、図4に示すように、たとえば、電池450がリモコン401に入れられると、リモコン制御部501は、リモコン停止状態と設定する(ステップS1)。ここで、リモコン停止状態とは、リモコン動作状態以外の状態を言う。リモコン動作状態は、本体200の機能を動作するためのリモコン401の操作スイッチ411(おしり洗浄スイッチ321、ビデ洗浄スイッチ332、乾燥スイッチ323など)が操作されてから、本体200における機能の動作を停止するためのリモコン401の操作スイッチ411(停止スイッチ324)が操作されるまでの状態を示す。このため、リモコン停止状態は、たとえば、本体200の機能を動作するためのリモコン401の操作スイッチ411(おしり洗浄スイッチ321、ビデ洗浄スイッチ332、乾燥スイッチ323など)が操作されるまで、および、本体200における機能の動作を停止するためのリモコン401の操作スイッチ411(停止スイッチ324)が操作されてからの状態を示す。
リモコン制御部501は、リモコン停止状態であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、リモコン停止状態である場合(ステップS2:YES)、リモコン制御部501は、人体検知感度切替部331を制御して、人体検知部301の検知感度を高感度に設定する(ステップS3)。この状態で、使用者がトイレ室に入室すると、使用者から放出される赤外線によって人体検知センサ310が検知する赤外線量の変化を人体検知部301は反応する。これにより、図5に示すT1において、人体検知部301は人体検知信号を人体検知認識部320へ出力する(ステップS4:YES)。
人体検知入力カウントが更新される(ステップS5)。つまり、所定時間人体検知部301からの入力をカウントしている間に、人体検知部301からの入力が特定時間継続した場合、人体検知認識部320は人体検知信号であると判定する。これにより、人体検知認識部300に入力された人体検知信号がノイズなどの信号と誤判定されることが防止される。
人体検知認識部320では、人体検知信号が第1増幅回路338および第2増幅回路333により増幅される。この第2増幅人体検知信号が閾値Thより大きいか否かを人体検知認識部320が判定する。増幅人体検知信号が閾値Thより大きいと、人体検知認識部320は、人体検知有りと判定し、図5に示すT2において、人体検知が確定する(ステップS6:YES)。これにより、人体検知認識部320は、人体検知信号をリモコン制御部501へ出力する。
リモコン制御部501は、人体検知認識部320からの人体検知信号を受けて、図5に示すT2において人体検知信号をリモコン信号送信部439から送信する(ステップS7)。この人体検知信号送信後に人体検知部301からの入力のカウントがクリアされることによって(ステップS8)、人体検知部301からの次回の入力がはじめから判定される。
本体200の本体受信部262は、リモコン信号送信部439からの人体検知信号を受信し、人体検知信号を本体制御部240へ出力する。本体制御部240は、便座便蓋回動機構215を駆動して便蓋210を開放する。これとともに、本体制御部240は、便座220の便座ヒータ221への通電を開始して、便座220の着座面が着座に適した40℃程度になるように、15秒以内に昇温させる。ここでは、便座220に着座する使用者と人体検知センサ310とが離れているため、人体検知センサ310が使用者から放射される赤外線を検出しても、その赤外線量が非常に少ない。よって、人体検知信号が人体検知部301から出力されずに(ステップS2:YES、S3、S4:NO)、人体検知部301からの次回の入力に備えて人体検知入力カウントがクリアされる(ステップS9)。これにより、使用者が便座220に着座すると、着座検知センサ250は、着座を検知し、着座検知信号を本体制御部240へ出力する。本体制御部240は、着座検知信号を受けて、本体200のお尻洗浄スイッチ261bおよびリモコン401の洗浄機能などリモコン401の操作スイッチ411が操作可能にする。図5に示すT3において操作スイッチ411が操作され(ステップS10:YES)、この操作スイッチ411がお尻洗浄スイッチ261bであれば(ステップS11:YES)、リモコン制御部501は、図5に示すT4においておしり信号(作動操作信号)をリモコン信号送信部439から送信する(ステップS12)。これにより、本体制御部240は、本体受信部262を介しておしり信号を受け、洗浄機構230およびお尻洗浄ノズル部を作動する。また、リモコン制御部501は、リモコン動作状態と設定する(ステップS13)。
これにより、リモコン制御部501は、図5のT4において人体検知感度切替部331を制御して、人体検知部301の検知感度を低感度に設定する(ステップS2:NO、S21)。このため、図5のT5で人体検知センサ310が人体を検知しても(ステップS22:YES)、その人体検知信号が増幅された第1増幅人体検知信号が閾値Thより小さいと、人体検知認識部320は人体検知無しと判定する(ステップS24:NO)。これにより、人体検知信号はリモコン信号送信部439から送信されない。一方、ステップS24において、第1増幅人体検知信号が閾値Thより大きいと、人体検知が確定され(ステップS24:YES)、人体検知信号がリモコン信号送信部439から送信され(ステップS25)、人体検知入力カウントがクリアされる(ステップS26)。
また、図5のT6において使用者が停止スイッチ324を操作すると(ステップSS2:NO、S21、S22:NO、S27、S28:YES、S29:YES)、リモコン制御部501は、図5に示すT7において停止信号(停止操作信号)をリモコン信号送信部439から送信する(ステップS30)。これにより、本体制御部240は、停止信号を本体受信部262を介して受け、洗浄機構230の作動を停止し、お尻洗浄ノズル部を元の位置に戻す。また、リモコン制御部501は、リモコン停止状態と設定する(ステップS31)。これにより、図5のT7においてリモコン制御部501は、人体検知感度切替部331を制御して、人体検知センサ310の検知感度を高感度に設定する(ステップS2:YES、S3)。
使用者が便座220から立ち上がってトイレ室から退出すると、人体検知センサ310は人体を検知する。使用者が入室した場合と同様に人体検知信号が判定されて、人体検知信号がリモコン信号送信部439から本体受信部262を介して本体制御部240へ出力される。しかし、本体制御部240は、人体検知センサ310から人体検知信号を受信した時、または着座検知センサ250から着座検知信号を入力されなくなった時からの経過時間をカウントしている。この経過時間が所定時間、たとえば、本実施の形態では3分に達する前に、本体制御部240が人体検知信号や着座検知信号などを受信した場合、経過時間のカウントがクリアされてから再び開始される。よって、経過時間が3分に達しない限り本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動しない。
そして、入室からの経過時間が所定時間を過ぎると、本体制御部240は、便蓋210が閉塞するように便座便蓋回動機構215を駆動させるとともに、便座ヒータ221への通電を停止し、その後待機温度まで降下したら待機温度を維持するように制御する。
なお、ステップS10において操作された操作スイッチ411がビデ洗浄スイッチ332であれば(ステップS11:NO、S14:YES)、リモコン制御部501は、ビデ信号(作動操作信号)をリモコン信号送信部439から送信するとともに(ステップS15)、リモコン動作状態と設定する(ステップS16)。これにより、本体制御部240は、ビデ信号を本体受信部262を介して受け、洗浄機構230およびビデノズル部を作動する。
また、ステップS10において操作された操作スイッチ411が乾燥スイッチ323であれば(ステップS14:NO、S17:YES)、リモコン制御部501は、乾燥信号(作動操作信号)をリモコン信号送信部439から送信するとともに(ステップS18)、メモリにリモコン動作状態と設定する(ステップS19)。これにより、本体制御部240は、乾燥信号を本体受信部262を介して受け、乾燥装置を作動する。
さらに、ステップS10における操作スイッチ411が他の操作スイッチ411であれば、(ステップS17:NO、S20)、ステップS2に戻る。
また、ステップS28において操作された操作スイッチ411がその他の操作スイッチ411、ここでは、おしりスイッチ、ビデスイッチまたは乾燥スイッチ323が操作されると(ステップS29:NO、S32)、リモコン制御部501は、リモコン動作状態に設定したままで(ステップS33)、ステップS2に戻る。これにより、停止スイッチ以外の操作スイッチ411が操作され続けている間、人体検知部301の検知感度が低感度に維持される。また、操作された操作スイッチ411に応じた信号をリモコン制御部501はリモコン信号送信部439から送信すると、この信号に対応する動作を本体制御部240は実行する。
なお、男性使用者が便蓋210および便座220を上げて便器110を使用する場合、トイレ室に入室した使用者を人体検知部301が検知する(ステップS1〜S4:YES)。この人体検知信号に基づき人体検知認識部320が人体検知有りと認識すると(ステップS5〜S8)、本体制御部240は便蓋210を開放するように便座便蓋回動機構215を駆動するとともに便座ヒータ221に通電する。そして、使用者がリモコン401の便座220スイッチ(図示せず)の「開」操作を行うと(S2〜S4:NO、S9〜S20)、これにより、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動させて便座220を解放する。また、本体制御部240は、便座ヒータ221への通電を停止し、便座ヒータ221が待機温度まで降下したら、待機温度を維持するように便座ヒータ221を制御する。
そして、使用者がトイレ室から退出し、人体検知部301が使用者を検知する(ステップS1〜S4:YES)。この人体検知信号に基づき人体検知認識部320は、人体検知有りと認識して(ステップS5〜S8)、人体検知信号が本体制御部240に入力される。この人体検知信号の入力から所定時間が経過後(本実施の形態においては3分後)、本体制御部240は便座便蓋回動機構215を駆動させて便蓋210と便座220を閉塞させる。
[作用、効果]
上記構成の衛生洗浄便座装置101によれば、リモコン401の操作スイッチ411が操作されてから停止スイッチ324が操作されるまで、つまり、使用者がリモコン401を操作している間、人体検知部301の検知感度は低感度に設定される。このため、人体検知感度切替部331において2つの増幅回路338、333のうち1つの増幅回路333に電力が供給されない。これにより、人体検知感度切替部331、延いては、衛生洗浄便座装置101の消費電力が抑えられる。
さらに、人体検知部301の検知感度が低感度に設定されている状態では、人体検知認識部320が人体検知ありと判定することが少なくなる。これに伴い、リモコン信号送信部439から人体検知信号が送信される頻度も減るため、リモコン信号送信部439を発光するための電力が低減され、消費電力の低減がさらに図られる。
また、おしり洗浄スイッチ321,ビデ洗浄スイッチ332,乾燥スイッチ323など、使用者が便座220に着座して使用する操作スイッチ411が操作されている場合、人体検知認識部320の人体検知部301の検知感度が低下する。このため、人体検知部301の検知感度が低下していても、不具合はない。
さらに、人体検知認識部320が人体検知有りと判定した場合のみ、リモコン信号送信部439から本体受信部262へ人体検知信号が送信された。したがって、人体検知認識部320が人体検知無しと判定された場合、リモコン信号送信部439から本体受信部262に「人体検知信号無し」信号を送信することはない。このため、信号を送信するための消費電力が低減される。
また、操作スイッチ411が操作されたとき、人体検知感度切替部331が人体検知部301の検知感度を低感度に切り替えた。これにより、リモコン信号送信部439から本体受信部262へ人体検知信号が送信される頻度は減少するが、人体検知信号の送信が禁止されることはない。リモコン401の使用者の存在が的確に検知され伝達されて、トイレに使用者がいるにも関わらず不在であると誤認識され、便蓋210が自動的に停止するような不具合は低減される。
また、操作スイッチ411が操作された後に停止スイッチ324が操作されると、人体検知部301の検知感度が低感度から高感度に戻る。このため、次にトイレに入室する使用者を早く検知できる。この検知に基づいて、便蓋210が迅速に開くことにより、使い勝手がよく、ストレスのない自動開閉が可能になる。また、便座220が急速に暖房されたり、洗浄水が急速に加熱されたりするため、便座220および洗浄水を加熱した状態に待機させておく必要がなく、待機状態の消費電力を低減できる。
さらに、人体検知部301および人体検知認識部320が、本体200を操作するリモコン401と一体的に形成されている。これにより、見栄えがすっきりし、衛生洗浄便座装置101は意匠性に優れる。また、人体検知部301などとリモコン401とが電池450電源450やリモコン信号送信部439などを共用でき、低コスト化が図られる。また、リモコン401が操作された時に人体検知感度切替部331へのフィードバックを確実かつ容易に実行することができる。
また、超音波を発信し、その反射した超音波を受信することにより人体を検知する超音波センサなど、いわゆるアクティブ型のセンサに比較して、焦電型の赤外線センサの消費電力が少ない。このような焦電型の赤外線センサで人体検知センサ310が構成されたことにより、駆動電源としての電池450を長持ちさせることができる。
さらに、衛生洗浄便座装置101は、本体200と分離して人体検知部301および人体検知認識部320が設けられている。このため、使用者をより迅速かつ確実に検知できる位置に人体検知部301を配置することができ、便蓋210の自動開閉などの自動動作を迅速に行うことができる。
(実施の形態3)
実施の形態2に係る衛生洗浄便座装置101では、信号を送信のみするリモコン信号送信部439と、信号を受信のみする本体受信部262とが設けられていた。これに対し、実施の形態3に係る衛生洗浄便座装置101では、リモコン信号送信部439に代えてリモコン送受信部1439が設けられ、本体受信部262に代えて本体送受信部1262が設けられる。
図10は、実施の形態3に係る衛生洗浄便座装置101の構成を示す機能ブロック図である。
リモコン送受信部1439は、本体送受信部1262へ信号を送信する送信部と、本体送受信部1262から信号を受信する受信部とを有する。本体送受信部1262は、リモコン送受信部1439へ信号を送信する送信部と、かつリモコン送受信部1439から信号を受信する受信部とを有する。これにより、リモコン401と本体200とは、双方向通信が可能になる。
このような衛生洗浄便座装置101では、使用者が便座220に着座したことを着座検知センサ250が検知すると、本体制御部240は着座検知信号を本体送受信部1262から送信する。この着座検知信号をリモコン信号送受信部1439が受信すると、リモコン制御部501は、使用者がトイレを使用しているとして、着座検知信号を人体検知認識部320へ出力する。人体検知認識部320は、このトイレ使用情報に基づいて人体検知部301の検知感度を一時的に低下させるように人体検知感度切替部331を制御する。これにより、人体検知感度切替部331では、図9に示す第1駆動スイッチ334が閉じられ、第2駆動スイッチ336が開かれる。
そして、使用者が便座220から退座すると、着座センサは着座している使用者を検知しなくなり、本体制御部240は着座検知信号を本体送受信部1262へ送信しなくなる。これにより、リモコン制御部501は、着座していた使用者が退座したとして、低下している検知感度を元の高感度に戻すように人体検知感度切替部331を制御する。これにより、人体検知感度切替部331では、図9に示す第1駆動スイッチ334および第2駆動スイッチ336が閉じられる。
上記実施の形態3に係る衛生洗浄便座装置101では、使用者の着座が検知されると、検知感度が低下されることにより、人体検知感度切替部331およびリモコン信号送受信部1439の消費電力が低減される。また、このような着座する使用者がトイレ室内に存在することが明らかなときに、検知感度が低く設定されるため、使用者を検知し損なう不具合が低減される。さらに、使用者の退座が検知されると、検知感度が上げられることにより、使用者の存在を的確に検知できる。これにより、便座220を迅速に開いたり、便座220および洗浄水を急速に加熱したりすることができる。
(実施の形態4)
実施の形態2および3に係る衛生洗浄便座装置101では、本体200およびリモコン401が別々に設けられていた。これに対し、実施の形態3に係る衛生洗浄便座装置101は、本体200およびリモコン401が一体的に設けられている。
図11は、実施の形態4に係る衛生洗浄便座装置101の構成を示す機能ブロック図である。
リモコン制御部501と本体制御部240が組み合わされた制御部1240が設けられている。このため、リモコン制御部501と本体制御部240との間で信号を送信および受信するためのリモコン信号送信部439(実施の形態3では、リモコン信号送受信部1439)および本体受信部262(実施の形態3では、本体送受信部1262)が設けられていない。また、リモコン401を駆動する電池450が設けられていない。
このような衛生洗浄便座装置101では、部品点数が削減されるため、低コスト化が図られる。また、人体検知信号は人体検知認識部320から制御部へ確実かつ迅速に出力されるため、便座220を迅速に開いたり、便座220および洗浄水を急速に加熱したりすることができる。
この場合、操作スイッチ411が操作されることによって、および/または、使用者の着座を着座検知センサ250が検知したことによって、使用者がトイレを使用していると判定される。この使用情報に基づいて、人体検知認識部320は人体検知部301の検知感度を一時的に低下させる。
また、停止スイッチ324が操作されたことによって、および/または、使用者の退座を着座検知センサ250が検知したことによって、低下している人体検知部301の検知感度を人体検知認識部320は上げてもとに戻す。
[変形例1]
上記実施の形態2では、人体検知信号の増幅に基づいて、人体検知認識部320は人体の有無を判定したが、これに限らない。たとえば、人体検知センサ310が出力する人体検知信号の時間、回数、電圧に基づいて人体検知認識部320が人体の有無を判定してもよい。
具体的には、図6は、衛生洗浄便座装置101における動作を示すタイミングチャートである。この図6のタイミングチャートは、図5のタイミングチャートとほぼ同様である。ただし、図6のタイミングチャートでは、人体検知センサ310は人体を検知し易い場合の例を示す。具体的には、トイレ室と脱衣所が兼用されている場合がある。この場合、使用者の動作が大きかったり、使用者の素肌露出面積の変化が大きくなったりする。このため、焦電型の赤外線センサからなる人体検知センサ310が検知する赤外線量の変化が大きくなり、人体検知センサ310は人体を検知し易くなる。
人体検知センサ310が検知しやすい場合、図6ではおしり洗浄中のT5において、人体検知センサ310から入力された人体検知信号の出力時間が長くなっている。なお、制御回路の設計によっては、人体検知信号の出力回数が多くなったり、人体検知信号の出力電圧が高くなったりすることもある。
このように、検知感度が低感度に設定されていても、操作スイッチ411を操作している人体を検知してしまい、図6のT6で人体検知信号が誤って送信されてしまう。このため、制御回路の設計に応じた人体検知センサ310からの信号入力方法、たとえば「出力時間」、「出力回数」、「出力電圧」などに基づいて、人体検知認識部320は人体の有無を判定する。これに合わせて、人体検知感度切替部331は、検知感度の切り替え方法を変えられる。
これにより、図6タイミングチャートのように、使用者によってリモコン401のおしり洗浄スイッチ321が操作されて(T3)、人体検知部301の検知感度が「高感度」から「低感度」に切り替わっている。この状態で、出力時間の長い人体検知信号が人体検知センサ310から出力され(T5からT6)、人体検知認識部320が「人体有」と判定する。このように、感度を低下させた状態でも、人体検知センサ310からの入力カウントが時間などが、人体検知認識部320が人体検知信号と判定できるほど十分に長いと、リモコン信号送信部439から本体受信部262へ「人体有」の人体検知信号が送信される。ただし、送信の頻度は低下するので結果的には電力消費の削減につながる。このように、信号が送信部439から送信される回数が、感度を低下させない場合と比較して相対的に低減され、消費電力が低減される。
[変形例1]
上記全ての実施の形態において、人体検知部301の検知感度を低下させてからの経過時間が所定時間に達した場合、低下している人体検知部301の検知感度を上げるように、人体検知認識部320が人体検知感度切替部331を制御してもよい。
[その他の変形例]
なお、上記実施の形態2では、おしり洗浄スイッチ321、ビデ洗浄スイッチ332および乾燥スイッチ323が操作された場合、人体検知部301の検知感度が低感度に切り替えられた。これに代えてまたはこれと共に、これ以外で停止スイッチ324以外の操作スイッチ411と、設定スイッチ420とが操作されたとき、人体検知部301の検知感度が低感度に切り替えられてもよい。このような操作スイッチ411および設定スイッチ420が操作されることにより、使用者がトイレ室内に存在して衛生洗浄便座装置101を使用していることが明らかである。このような場合、使用者を検知する検知感度を低下させても、使用者を検知し損なう不具合がない。また、検知感度を低下させることにより、人体検知感度切替部331およびリモコン信号送信部439の消費エネルギが低減される。
また、上記実施の形態3において、操作スイッチ411が操作されることによって使用者がトイレを使用していると判定され、この使用情報に基づいて人体検知認識部320は人体検知部301の検知感度を一時的に低下させてもよい。また、停止スイッチ324が操作したことによって、低下している人体検知部301の検知感度を人体検知認識部320は上げてもとに戻してもよい。さらに、停止スイッチ324が所定時間操作されないとき、低下している人体検知部301の検知感度を人体検知認識部320は上げてもとに戻してもよい。
さらに、上記全ての実施の形態において、人体検知部301の検知感度が高感度の状態で人体検知センサ310が使用者を検知し、この使用者を人体検知認識部320が認識したとき、使用者がトイレを使用しているとし、このトイレ使用情報に基づいて検知感度が低感度に切り替えられてもよい。このように使用者がトイレ室内に存在していることが明らかな場合、使用者を検知し損なう不具合がない。また、検知感度を低下させることにより、人体検知感度切替部331およびリモコン信号送信部439の消費エネルギが低減される。
さらに、上記実施の形態2では、操作スイッチ411が操作された後にリモコン401の停止スイッチ324が操作されると、人体検知部301の検知感度が高感度に切り替えられた。これに代えてまたはこれと共に、操作スイッチ411が操作された後に停止スイッチ324が所定時間、たとえば、5分の間、操作されなかった場合、検知感度が高感度に切り替えられてもよい。なお、操作スイッチ411の操作が複数回行われた場合、最後の操作から所定時間が経過すると、検知感度が高感度に切り替えられてもよい。これにより、操作スイッチ411が操作された後、何らかの都合で前記操作を停止する停止スイッチ324を操作されないことがあった場合でも、操作スイッチ411が操作されてから所定時間(例えば5分)が経過すると、人体検知部301の検知感度は通常の高感度に戻る。このため、次の使用者がトイレを使用する場合、衛生洗浄便座装置101は、使用者を早く検知して、便蓋210を迅速に開いたり、便座220や洗浄水を迅速に加熱したりすることができる。
また、上記全ての実施の形態において、本体制御部240が人体検知信号を受信しなくなってからの経過時間が所定時間に達すると、便蓋210を閉じるように便座便蓋回動機構215を制御した。この経過時間が所定時間に達するまでに、本体制御部240が着座検知信号や操作信号を受信する、経過時間をリセットしてもよい。この場合、使用者がトイレに長時間いても、便蓋210が自動的に閉じられることが防止される。
人体検知センサ310が使用者を検知した後、人体検知認識部320により使用者の存在が認識されてから所定時間が経過した場合、検知感度が高感度に切り替えられてもよい。
さらに、上記全ての実施の形態において、人体検知部301の検知感度を下げてからの経過時間が所定時間を経過した時、低下している人体検知部301の検知感度を人体検知認識部320が上げてもよい。このとき、人体検知部301の検知感度を下げてからの経過時間が所定時間以内に、人体検知センサ310が人体を検知したり、操作スイッチ411が操作されたり、着座検知センサ250が検知したりすることによって経過時間が更新されてもよい。これにより、更新された経過時間が所定時間を経過した時、低下している人体検知部301の検知感度を人体検知認識部320が上げる。
さらに、上記実施の形態2では、人体検知センサ310に焦電型の赤外線センサが用いられたが、人体検知センサ310はこれに限らない。人体検知センサ310に、焦電型の赤外線センサ以外のパッシブ型センサ、またはアクティブ型センサを用いることもできる。アクティブ型センサには、たとえば、赤外線センサ、電波センサおよび超音波センサなどが挙げられる。これらのセンサは、発信素子および受信素子を含む。この場合、焦電型の赤外線センサの場合と同様に、人体検知感度切替部331において駆動する増幅回路の数を変えることにより、検知感度が切り替えられる。また、アクティブ型センサでは、発信素子が発信する頻度や信号の強度を変えることにより、検知感度が切り替えられる。これにより、人体検知センサ310が発信するための消費エネルギが低減される。
また、上記実施の形態2では、人体検知信号が本体制御部240へ入力されると、本体制御部240は、便座220を開いたり、便座220および洗浄水を加熱したりしたが、これに限らない。
さらに、上記実施の形態2では、人体検知信号の増幅率は駆動する増幅回路の数により調整したが、これに限らない。たとえば、人体検知信号の増幅率を調整する回路を人体検知感度切替部331において増幅回路に接続することにより、人体検知信号の増幅率が変えられてもよい。
また、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/又は機能の詳細を実質的に変更できる。