JP2007321440A - 衛生洗浄装置及びトイレ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接近する使用者をできるだけ早く検知し使用者の退出も迅速に検知して付加機能部を効果的に動作させる衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供する。
【解決手段】吐水ノズルを用いた洗浄機能を実行可能な洗浄機能部と、前記洗浄機能とは異なる付加機能を実行可能な付加機能部と、便器に接近する使用者を検知可能な接近検知センサと、前記便器の手前に立つ使用者を検知可能な人体検知センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記付加機能部を第1の状態から第2の状態となるように制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記付加機能部を前記第2の状態から前記第1の状態となるように制御することを特徴とする衛生洗浄装置を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】吐水ノズルを用いた洗浄機能を実行可能な洗浄機能部と、前記洗浄機能とは異なる付加機能を実行可能な付加機能部と、便器に接近する使用者を検知可能な接近検知センサと、前記便器の手前に立つ使用者を検知可能な人体検知センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記付加機能部を第1の状態から第2の状態となるように制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記付加機能部を前記第2の状態から前記第1の状態となるように制御することを特徴とする衛生洗浄装置を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、衛生洗浄装置及びトイレ装置に関し、より具体的には、吐水ノズルを用いた洗浄機能に加えて、例えば便蓋自動開閉機能や便座暖房機能などの付加機能を有する衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置に関する。
衛生洗浄装置は、その内部に洗浄水を噴射する吐水ノズルを進退自在に収容し、腰掛便器の上に設置して使用者の「おしり」などを水で洗浄する洗浄機能部を有する。そして、洗浄機能部の他にも、各種の付加機能部を設けることにより、衛生洗浄装置をさらに便利で快適なものとすることができる。例えば、使用者を検知して便蓋や便座が自動的に開く便蓋(便座)自動開閉機能部を有する衛生洗浄装置が実現されている(特許文献1)。また、例えば、使用者を検知して便座やトイレ空間を急速に暖房したりライトを自動的に点灯すると、省エネルギーにつながり使い勝手もよい。またさらに、使用者を検知して音楽や効果音などを流すと癒し効果が得られリラックスでき快適である。
これらの付加機能部を設ける場合、衛生洗浄装置に接近する使用者をできるだけ早く検知して付加機能部の動作を早期に開始させることが望ましい。このために用いるセンサとして、例えば、焦電センサを挙げることができる。しかし、焦電センサは、その特性上、使用者がトイレを退出したか否かを迅速かつ確実に検出することができない。
一方、焦電センサと測距センサとを設け、これら2つのセンサが同時に人体を検知した場合に、使用者が存在すると判断する便器電装品が開示されている(特許文献2)。しかしこの装置の場合、2つのセンサによる同時検知が条件とされるため、接近する使用者を早く検知することが容易ではない。
特開2004−285729号公報
特開2003−156572号公報
本発明は、接近する使用者をできるだけ早く検知し使用者の退出も迅速に検知して付加機能部を効果的に動作させる衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供する。
本発明の一態様によれば、吐水ノズルを用いた洗浄機能を実行可能な洗浄機能部と、前記洗浄機能とは異なる付加機能を実行可能な付加機能部と、便器に接近する使用者を検知可能な接近検知センサと、前記便器の手前に立つ使用者を検知可能な人体検知センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記付加機能部を第1の状態から第2の状態となるように制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記付加機能部を前記第2の状態から前記第1の状態となるように制御することを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、吐水ノズルを用いた洗浄機能を実行可能な洗浄機能部と、便蓋と、前記便蓋を開閉する便蓋開閉ユニットと、便器に接近する使用者を検知可能な接近検知センサと、前記便器の手前に立つ使用者を検知可能な人体検知センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記便蓋が開くように前記便蓋開閉ユニットを制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記便蓋が閉じるように前記便蓋開閉ユニットを制御することを特徴とする衛生洗浄装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、便器と、上記の衛生洗浄装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
本発明によれば、接近する使用者をできるだけ早く検知し使用者の退出も迅速に検知して付加機能部を効果的に動作させる衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置の要部構成を例示するブロック図である。
本実施形態の衛生洗浄装置100は、便座に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する吐水ノズル615を有する洗浄機能部610の他に、付加機能部としての便蓋開閉ユニット720、便座開閉ユニット780、便座暖房ユニット210、室内暖房ユニット740、便器洗浄ユニット730、照明ユニット790などを有する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置の要部構成を例示するブロック図である。
本実施形態の衛生洗浄装置100は、便座に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する吐水ノズル615を有する洗浄機能部610の他に、付加機能部としての便蓋開閉ユニット720、便座開閉ユニット780、便座暖房ユニット210、室内暖房ユニット740、便器洗浄ユニット730、照明ユニット790などを有する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
便蓋開閉ユニット720は、衛生洗浄装置に設けられた便蓋を自動的に開閉する付加機能部である。便座開閉ユニット780は、衛生洗浄装置に設けられた便座を自動的に開閉する付加機能部である。便座暖房ユニット210は、便座を暖める付加機能部である。室内暖房ユニット740は、衛生洗浄装置が設置されているトイレ空間を暖房する付加機能部である。便器洗浄ユニット730は、衛生洗浄装置が設けられたトイレ装置の便器ボウルに洗浄水を自動的に流す付加機能部である。照明ユニット790は、衛生洗浄装置またはトイレ装置の一部あるいは全体を照明する付加機能部である。
これらの付加機能部の動作は、制御部640により制御される。制御部640には、操作部(リモコン)900からの指令が入力され、使用者の操作によりそれぞれの付加機能部の動作を制御することができる。
なお、本発明の衛生洗浄装置100は、これら付加機能のすべてを備える必要は必ずしもなく、これらのうちのいずれかひとつあるいは複数のみを備えたものも本発明の範囲に包含される。また、便器洗浄ユニット730は、衛生洗浄装置100と一体的に設けてもよいが、衛生洗浄装置100とは別体とし、例えば水洗トイレのロータンクに取り付けてもよい。この場合にも、衛生洗浄装置100と便器洗浄ユニット730とを接続することにより、制御部640から出力される制御信号によってロータンクに取り付けられた便器洗浄ユニット730の動作を制御することができる。
制御部640には、さらに接近検知センサ500、人体検知センサ420、着座センサ422からの信号が入力される。
図2は、接近検知センサ500と人体検知センサ420の検出範囲を例示する模式図である。すなわち、図2(a)及び(b)は、接近検知センサ500と人体検知センサ420を衛生洗浄装置100の本体部400に設けた具体例を表す。
接近検知センサ500は、図2(a)に矢印Aで表したように、衛生洗浄装置100あるいはこれを搭載したトイレ装置に接近する使用者10を検知する。一方、人体検知センサ420は、図2(b)に矢印Bで表したように、衛生洗浄装置100あるいはこれを搭載したトイレ装置の前に立つ使用者10を検知する。すなわち、典型的には、接近検知センサ500は相対的に遠方の使用者を検知可能であり、人体検知センサ420は相対的に近くにいる使用者を検知する。このようにすると、使用者が衛生洗浄装置100に接近してきた場合に、接近検知センサ500のほうが先にこれを検出できる。
図2は、接近検知センサ500と人体検知センサ420の検出範囲を例示する模式図である。すなわち、図2(a)及び(b)は、接近検知センサ500と人体検知センサ420を衛生洗浄装置100の本体部400に設けた具体例を表す。
接近検知センサ500は、図2(a)に矢印Aで表したように、衛生洗浄装置100あるいはこれを搭載したトイレ装置に接近する使用者10を検知する。一方、人体検知センサ420は、図2(b)に矢印Bで表したように、衛生洗浄装置100あるいはこれを搭載したトイレ装置の前に立つ使用者10を検知する。すなわち、典型的には、接近検知センサ500は相対的に遠方の使用者を検知可能であり、人体検知センサ420は相対的に近くにいる使用者を検知する。このようにすると、使用者が衛生洗浄装置100に接近してきた場合に、接近検知センサ500のほうが先にこれを検出できる。
一方、使用者が衛生洗浄装置100から離れた場合には、人体検知センサ420は、接近検知センサ500よりも早く非検知となる。つまり、使用者が衛生洗浄装置100から離れる時には、接近検知センサ500よりも先に人体検知センサ420がこれを検出する。
図2(a)に表した態様における接近検知センサ500としては、例えば、焦電センサやマイクロ波を用いたドップラーセンサなどを用いることができる。これらのセンサは、その特性上、接近する人体を検知することが得意であり、比較的遠方から接近する人体を早く検知することができる。
一方、人体検知センサ420としては、例えば、赤外線投光式の測距センサなどを用いることができる。これは、LED(light emitting diode)などの発光素子とPD(photodiode)などの受光素子とを内蔵し、発光素子から赤外線を所定の方向に投光して、その反射光を受光素子で検出することにより人体を検知可能としたものである。測距センサは、その特性上、衛生洗浄装置100の前の所定の範囲に立つ使用者を高い確度で検知することができ、使用者がこの範囲から離れると、高い確度で非検知となる。従って、使用者が衛生洗浄装置100の前から離れる時に、より早くこれを検出することができる。
一方、人体検知センサ420としては、例えば、赤外線投光式の測距センサなどを用いることができる。これは、LED(light emitting diode)などの発光素子とPD(photodiode)などの受光素子とを内蔵し、発光素子から赤外線を所定の方向に投光して、その反射光を受光素子で検出することにより人体を検知可能としたものである。測距センサは、その特性上、衛生洗浄装置100の前の所定の範囲に立つ使用者を高い確度で検知することができ、使用者がこの範囲から離れると、高い確度で非検知となる。従って、使用者が衛生洗浄装置100の前から離れる時に、より早くこれを検出することができる。
ここで、接近検知センサ500は、必ずしも衛生洗浄装置100の本体部400に設ける必要はない。
図3及び図4は、接近検知センサ500の他の具体例を表す模式図である。
図3に表した具体例においては、接近検知センサ500は、衛生洗浄装置100のリモコン900に内蔵されている。使用者10がリモコン900を操作すると、これに対応した指令Txが衛生洗浄装置100に送信される。一方、リモコン900に内蔵された接近検知センサ500が使用者10の接近を検知すると、検知信号Tyが本体部400に送信される。
図3及び図4は、接近検知センサ500の他の具体例を表す模式図である。
図3に表した具体例においては、接近検知センサ500は、衛生洗浄装置100のリモコン900に内蔵されている。使用者10がリモコン900を操作すると、これに対応した指令Txが衛生洗浄装置100に送信される。一方、リモコン900に内蔵された接近検知センサ500が使用者10の接近を検知すると、検知信号Tyが本体部400に送信される。
一般に、リモコン900は、衛生洗浄装置100が搭載されたトイレ装置の脇のやや前方に設置される場合が多い。従って、ここに接近検知センサ500を設けると、衛生洗浄装置100に接近する使用者10をより早く検知することが容易となる。この場合、接近検知センサ500は、焦電センサやドップラーセンサでもよく、また測距センサなども用いることが可能である。
一方、図4に表した具体例においては、接近検知センサ500は、衛生洗浄装置100の本体部400ともリモコン900とも別体のユニットとして構成されている。接近検知センサ500は、トイレの壁や天井、床、あるいはドアなどに設置され、使用者10の接近を検知すると、検知信号Tyを本体部400に送信する。本具体例によれば、接近検知センサ500をトイレ装置の前方の任意の場所に設置することができるので、接近する使用者10をより早く検知することが可能となる。この場合、接近検知センサ500は、焦電センサやドップラーセンサでもよく、また測距センサなどを用いることも可能である。またさらに、接近検知センサ500としては、トイレのドアの開閉を検知するセンサであってもよい。つまり、トイレのドアが開くと接近検知センサ500が検知信号Tyを本体部400に送信するようにしてもよい。
再び図1に戻って説明を続けると、着座センサ422は、便座に座った使用者を検知する。
図5は、着座センサの検出範囲を例示する模式図である。
本具体例においては、着座センサ422は衛生洗浄装置100の本体部400に設けられ、矢印Cで表したように、便座200に座った使用者10を検知する。着座センサ422としては、赤外線投光式の測距センサなどを用いることができ、その投光方向を便座200の直上とすればよい。なお、本体部400から便座200の側方に延在する袖部を設け、この袖部に着座センサ422を設けてもよい。この場合も、袖部から便座に座った使用者10を検知することが可能である。
図5は、着座センサの検出範囲を例示する模式図である。
本具体例においては、着座センサ422は衛生洗浄装置100の本体部400に設けられ、矢印Cで表したように、便座200に座った使用者10を検知する。着座センサ422としては、赤外線投光式の測距センサなどを用いることができ、その投光方向を便座200の直上とすればよい。なお、本体部400から便座200の側方に延在する袖部を設け、この袖部に着座センサ422を設けてもよい。この場合も、袖部から便座に座った使用者10を検知することが可能である。
図6は、本実施形態の衛生洗浄装置100において実行される制御を例示するフローチャートである。
待機状態においては、付加機能部は第1の状態とされている(ステップS102)。「第1の状態」とは、具体的には、例えば便蓋開閉ユニット720の場合は、便蓋300を閉じた状態である。また、便座開閉ユニット780の場合は、便座200を閉じた状態である。便座暖房ユニット210の場合は、便座200の暖房を低レベルに維持しているかあるいは停止している状態である。室内暖房ユニット740の場合は、トイレ空間の暖房を低レベルに維持しているかあるいは停止している状態である。照明ユニット790の場合は、照明を低レベルとしているかあるいは消灯している状態である。
待機状態においては、付加機能部は第1の状態とされている(ステップS102)。「第1の状態」とは、具体的には、例えば便蓋開閉ユニット720の場合は、便蓋300を閉じた状態である。また、便座開閉ユニット780の場合は、便座200を閉じた状態である。便座暖房ユニット210の場合は、便座200の暖房を低レベルに維持しているかあるいは停止している状態である。室内暖房ユニット740の場合は、トイレ空間の暖房を低レベルに維持しているかあるいは停止している状態である。照明ユニット790の場合は、照明を低レベルとしているかあるいは消灯している状態である。
そして、使用者が衛生洗浄装置100に接近し、接近検知センサ500がこれを検知すると(ステップS104)、制御部640は、付加機能部を第2の状態にする(ステップS106)。図2〜図4に関して前述したように、接近検知センサ500は人体検知センサ420よりも早く使用者の接近を検知できるので、より迅速に付加機能部を第2の状態にすることができる。
ここで、「第2の状態」とは、具体的には、例えば便蓋開閉ユニット720の場合は、便蓋300を開いた状態である。また、便座開閉ユニット780の場合は、便座200を開いた状態である。便座暖房ユニット210の場合は、便座200の暖房を開始し、あるいは高レベルにする状態である。室内暖房ユニット740の場合は、トイレ空間の暖房を開始し、あるいは低レベルにする状態である。照明ユニット790の場合は、照明を点灯するか、あるいは高レベルにする状態である。
そして、制御部640は、人体検知センサ420による検知の状態を適宜観測する(ステップS102)。使用者が衛生洗浄装置100あるいはトイレの使用などを終了し、衛生洗浄装置100から離れると、人体検知センサ420が非検知となる(ステップS110)。すると、制御部640は、付加機能部を第1の状態にする(ステップS112)。すなわち、便蓋開閉ユニット720の場合は、便蓋300を閉じた状態にする。その他の付加機能部についても、ステップS112に関して前述したような第1の状態に戻すことができる。なおこの時、仮に接近検知センサ500が使用者を検知していても、人体検知センサ420が例えば所定時間非検知であれば、付加機能部を第1の状態にすることができる。
このようにして付加機能部を第1の状態にした後は、接近検知センサ500によりモニタし、使用者の接近を検知した時には、ステップS104以降の制御を実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者が衛生洗浄装置100に接近してきた場合には、接近検知センサ500が人体検知センサ420よりも早くこれを検知して、便蓋開閉ユニット720などの付加機能部を第2の状態に遷移させることができる。一方、使用者が衛生洗浄装置100から離れる場合には、人体検知センサ420が接近検知センサ500よりも早く非検知となることによりこれを検出し、便蓋開閉ユニット720などの付加機能部を第1の状態に遷移させることができる。
その結果として、例えば、使用者が急いで衛生洗浄装置100に接近したような場合でも、便蓋300を速やかに開くことにより応ずることができる。また、例えば、使用者の接近をより早く検知して便座やトイレの暖房を開始することにより、より暖かな状態で使用することが可能となる。
また一方、使用者が離れる際には、人体検知センサ420によってこれをより早く検知し、付加機能部をより早く第1の状態に戻すことができる。仮に、焦電センサのみを用いて使用者を検知する場合、焦電センサの特性上、使用者がいなくなったか否かを確定するのに3分〜5分の時間がかかり、使用者が離れたことを確定するには時間がかかりすぎる。これに対して、本実施形態によれば、接近検知センサ500とは別に設けられた人体検知センサ420により使用者が離れたことをより早く且つ確実に検出し、便蓋開閉ユニット720などの付加機能部を第1の状態に遷移させることができる。
また、本実施形態によれば、待機状態においては、人体検知センサ420はオフとし、接近検知センサ500のみによりモニタすることができる。接近検知センサ500として用いることができる焦電センサはパッシブ型であり、消費電力が小さくて感度の経年変化も小さいという利点がある。一方で、例えば、人体検知センサ420として用いることができる測距センサはアクティブ型であり、発光素子から赤外線を投光するために消費電力が大きくまた、長期間に亘り発光素子を駆動すると経年変化により光量が低下して感度が低下することもあり得る。これに対して、本実施形態によれば、待機状態においては、測距センサをオフにしておけるので、内蔵される発光素子の劣化を防ぎ、長期間に亘って安定した動作が可能となる。
図7は、便蓋のオート開閉に本実施形態を適用した場合の動作を例示する模式図である。 また、図8は、本具体例における動作のタイミングチャートである。
本具体例においては、接近検知センサ500、人体検知センサ420、着座センサ422は、いずれも衛生洗浄装置100の本体部400に設けられている。また、接近検知センサ500として焦電センサ、人体検知センサ420として測距センサがそれぞれ用いられている。
図7(a)に表したように、待機状態においては、便蓋開閉ユニットは便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にしている。そして、使用者10が接近すると、まず接近検知センサ500が使用者10を検知する。すると、便蓋開閉ユニットは便蓋を開けた状態(第2の状態)にする(オート開動作)。また、この時、図8に表したように、接近検知センサ(焦電センサ)500よる検知出力を無効にして、人体検知センサ(測距センサ)420による検知出力を有効にする。
図7(b)に表したように使用者10が便座200に座ると、着座センサ422がこれを検知する。またこの時、人体検知センサ420も使用者を検知しているようにしてもよい。
図7(b)に表したように使用者10が便座200に座ると、着座センサ422がこれを検知する。またこの時、人体検知センサ420も使用者を検知しているようにしてもよい。
次に、図7(c)に表したように使用者10が立ち上がると着座センサ422が非検知となる。そして、使用者10が便器800から例えば30センチメートルほど離れると、人体検知センサ420も非検知となる。すると、図7(d)に表したように、便蓋開閉ユニットは便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にする(オート閉動作)。そして、図8に表したように、人体検知センサ420による検知出力を無効にし、その後、接近検知センサ500による検知出力を有効にする。
なお、図8に表したタイミングチャートにおいて、便蓋300が閉じた後、所定時間Tの経過前は接近検知センサ(焦電センサ)500の検知出力を有効としていないのは、便蓋300の残像の影響を排除するためである。すなわち、焦電センサは、物体の移動に伴う熱的な変化を受光素子により検知するが、その際に、熱的な変化の残像の影響がある。この残像による影響は概ね1秒以内である。そこで、例えば、所定時間Tとして2秒間程度が経過してから、接近検知センサ500の検知出力を有効とすることにより、残像の影響を排除できる。
また、図7(c)に表したように人体検知センサ420が非検知となってから直ぐではなく、所定時間(例えば、90秒)の経過後に図7(d)に表したように便蓋300を閉じるようにしてもよい。
便蓋300を閉じた後は、再び図7(a)に表したように、接近検知センサ500により使用者の接近をモニタしながら待機する。
便蓋300を閉じた後は、再び図7(a)に表したように、接近検知センサ500により使用者の接近をモニタしながら待機する。
また、本具体例の変型例として、図7(b)に表したように使用者10が着座したことを着座センサ422が検知したときに、着座センサ422による検知が所定時間(例えば、6秒)以上継続した場合にのみ、図7(c)及び(d)に表したオート閉動作を実行するようにしてもよい。これは例えば、使用者10が便座200に座った直後に立ち上がり、再び便座200に座るような場合に、便座200が自動的に閉まらないようにするためである。なお、この場合、図7(b)に表した状態で着座センサ422による検知が所定時間よりも短い場合でも、その後、着座センサ422と人体検知センサ420がいずれも所定時間(例えば、5分)、非検知の状態にある時には、便蓋300を閉じるようにするとよい。
また、図7に表した具体例において、便蓋300のみでなく、便座200も同時にオート開動作及びオート閉動作するように制御してもよい。
図9は、男性の立位での小用に際する便蓋のオート開閉に本実施形態を適用した場合の動作を例示する模式図である。本具体例においても、接近検知センサ500、人体検知センサ420、着座センサ422は、いずれも衛生洗浄装置100の本体部400に設けられている。
本具体例においても、図9(a)に表したように、待機状態においては、便蓋開閉ユニットは便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にしている。そして、使用者10が接近すると、まず接近検知センサ500が使用者10を検知する。すると、便蓋開閉ユニットは便蓋を開けた状態(第2の状態)にする(オート開動作)。
そして、図9(b)に表したように使用者10がトイレの前に立った状態で、手動またはリモコン操作により便座200を上げる。この時、図9(c)に表したように、人体検知センサ420が使用者10を検知している。
その後、図9(d)に表したように使用者10が便器800から例えば30センチメートルほど離れると、人体検知センサ420が非検知となる。すると、図9(e)に表したように、便座200と便蓋300が閉じた状態(第1の状態)になる(オート閉動作)。なお、本具体例においても、図9(d)に表したように人体検知センサ420が非検知となってから直ぐではなく、所定時間(例えば、90秒)の経過後に便座200と便蓋300をオート閉動作させるようにしてもよい。
便蓋300を閉じた後は、再び図9(a)に表したように、接近検知センサ500により使用者の接近をモニタしながら待機する。
便蓋300を閉じた後は、再び図9(a)に表したように、接近検知センサ500により使用者の接近をモニタしながら待機する。
また、本具体例においてもその変型例として、図9(c)に表したように使用者10が便器の前に立っていることを人体検知センサ420が検知したときに、人体検知センサ420による検知が所定時間(例えば、6秒)以上継続した場合にのみ、図9(d)及び(e)に表したオート閉動作を実行するようにしてもよい。これは例えば、使用者10が便器800の前から一旦離れ、再び便器800の前に戻って小用を開始したような場合に、便座200が勝手に閉まらないようにするためである。なお、この場合も、図9(c)に表した状態で人体検知センサ420による検知が所定時間よりも短い場合でも、その後、着座センサ422と人体検知センサ420がいずれも所定時間(例えば、5分)、非検知の状態にある時には、便蓋300を閉じるようにするとよい。
また、図9(a)及び(b)に表した状態において、便蓋300のみでなく、便座200も同時にオート開動作するように制御してもよい。
次に、本実施形態の変型例について説明する。
図10は、本変型例の制御を例示するフローチャートである。
本変型例におけるステップS202〜S210、S214は、それぞれ図6に関して前述したステップS102〜S112と実質的に同様である。例えば、本変型例における「第1の付加機能部」として、便蓋開閉ユニット720を制御する場合には、待機状態においては、便蓋開閉ユニット720は便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にある(ステップS202)。
図10は、本変型例の制御を例示するフローチャートである。
本変型例におけるステップS202〜S210、S214は、それぞれ図6に関して前述したステップS102〜S112と実質的に同様である。例えば、本変型例における「第1の付加機能部」として、便蓋開閉ユニット720を制御する場合には、待機状態においては、便蓋開閉ユニット720は便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にある(ステップS202)。
そして、使用者が衛生洗浄装置100に接近し、接近検知センサ500がこれを検知すると(ステップS204)、制御部640は、第1の付加機能部を第2の状態にする(ステップS206)。
そして、制御部640は、人体検知センサ420による検知の状態を適宜観測する(ステップS202)。使用者が衛生洗浄装置100から離れると、人体検知センサ420が非検知となる(ステップS210)。すると、制御部640は、第2の付加機能部を動作させる(ステップS212)。第2の付加機能部としては、例えば、便器洗浄ユニット730(図1)を挙げることができる。つまり、使用者が衛生洗浄装置100から離れると、便器洗浄ユニット730が動作して、便器に洗浄水を自動的に流す(オート洗浄)。なお、第2の付加機能部は、必ずしも衛生洗浄装置100に設けられている必要はなく、例えば、衛生洗浄装置100が付設されているトイレ装置が「水道直圧式」の水洗トイレの場合には、この開閉弁を駆動するユニットであってもよく、また、ロータンク式の水洗トイレの場合には、ロータンクに取り付けられた便器洗浄ユニットであってもよい。
その後、第1の付加機能部を第1の状態にする(ステップS214)。例えば、便蓋開閉ユニット720の便蓋300を閉じた状態にする。なお、ステップS212とステップS214の順番は逆でもよい。すなわち、第1の付加機能部を第1の状態にした後に、第2の付加機能部を動作させてもよい。
付加機能部を第1の状態にした後は、接近検知センサ500によりモニタし、使用者の接近を検知した時には、ステップS204以降の制御を実行する。
以上説明したように、本変型例によれば、接近検知センサ500と人体検知センサ420からの出力を適宜選択して第1の付加機能部を的確に制御するとともに、人体検知センサ420による検知出力を利用して第2の付加機能部も制御する。このようにすると、より多様な機能を好適なタイミングで実行させることができる。
図11は、便蓋のオート開閉に本変型例を適用した場合の動作を例示する模式図である。
本具体例においても、接近検知センサ500、人体検知センサ420、着座センサ422は、いずれも衛生洗浄装置100の本体部400に設けられている。
図11(a)に表したように、待機状態においては、便蓋開閉ユニット(第1の付加機能部)は便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にしている。そして、使用者10が接近すると、まず接近検知センサ500が使用者10を検知する。すると、便蓋開閉ユニットは便蓋を開けた状態(第2の状態)にする(オート開動作)。また、この時も、図8に関して前述したように、接近検知センサ(焦電センサ)500よる検知出力を無効にして、人体検知センサ(測距センサ)420による検知出力を有効にする。
図11(b)に表したように使用者10が便座200に座ると、着座センサ422がこれを検知する。またこの時、人体検知センサ420も使用者を検知しているようにしてもよい。
図11(b)に表したように使用者10が便座200に座ると、着座センサ422がこれを検知する。またこの時、人体検知センサ420も使用者を検知しているようにしてもよい。
次に、図11(c)に表したように使用者10が立ち上がると着座センサ422が非検知となる。そして、使用者10が便器800から例えば30センチメートルほど離れると、人体検知センサ420も非検知となる。すると、図11(d)に表したように、便器洗浄ユニット(第2の付加機能部)が動作して便器800に洗浄水を流す(オート洗浄)。
なおここでも、図11(c)に表したように人体検知センサ420が非検知となってから直ぐではなく、所定時間(例えば、5秒)の経過後に図11(d)に表したように洗浄水を流すようにしてもよい。また、本具体例において、流す洗浄水の水量を着座時間に応じて変えることもできる。例えば、制御部640(図1)は、図11(b)に関して前述した着座センサ422の検知状態が30秒以上である場合には、「大」であり、30秒未満である場合には、「小」であると判断し、「大」の場合には6リッター、「小」の場合には5リッターとなるように便器洗浄ユニット(第2の付加機能部)730を制御して洗浄水を流すようにすることができる。こうすると、小用の場合の洗浄水の水量を必要且つ十分な範囲で節約でき、省資源化に資することができる。
このようにして便器洗浄ユニット(第2の付加機能部)730を動作させた後に、図11(e)に表したように、便蓋開閉ユニット(第1の付加機能部)は便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にする(オート閉)。そして、図8に関して前述したように、人体検知センサ420による検知出力を無効にし、その後、接近検知センサ500による検知出力を有効にする。
以上説明したように、本具体例によれば、オート開閉とオート洗浄とをそれぞれ最適なタイミングで実行させることができる。
図12は、男性の立位での小用に際する便蓋のオート開閉に本変型例を適用した場合の動作を例示する模式図である。本具体例においても、接近検知センサ500、人体検知センサ420、着座センサ422は、いずれも衛生洗浄装置100の本体部400に設けられている。
本具体例においても、図12(a)に表したように、待機状態においては、便蓋開閉ユニット(第1の付加機能部)は便蓋300を閉じた状態(第1の状態)にしている。そして、使用者10が接近すると、まず接近検知センサ500が使用者10を検知する。すると、便蓋開閉ユニットは便蓋を開けた状態(第2の状態)にする(オート開動作)。
そして、図12(b)に表したように使用者10がトイレの前に立った状態で、手動またはリモコン操作により便座200を上げる。この時、図12(c)に表したように、人体検知センサ420が使用者10を検知している。
その後、図12(d)に表したように使用者10が便器800から例えば30センチメートルほど離れると、人体検知センサ420が非検知となる。すると、図12(e)に表したように、便器洗浄ユニット(第2の付加機能部)が動作して便器800に洗浄水を流す(オート洗浄)。
なおここでも、図12(d)に表したように人体検知センサ420が非検知となってから直ぐではなく、所定時間(例えば、3秒)の経過後に図12(e)に表したように洗浄水を流すようにしてもよい。また、本具体例においても、流す洗浄水の水量を最適にできる。すなわち、本具体例においては、着座センサ422が検知状態にならず、人体検知センサ420のみが検知状態となるので、このような場合には、例えば、制御部640(図1)は、男性の小用であると判断し、流量が4.5リッターとなるように便器洗浄ユニット(第2の付加機能部)730を制御して洗浄水を流すようにすることができる。なお、図11(d)に関して前述した「小」の場合の5リッターよりも流量が少ないのは、図11(d)の場合には着座状態での小用であるのでトイレットペーパーが使用される可能性が高いが、図12(e)の場合には、男性の立位での小用であるので通常はトイレットペーパーが使用されていないからである。こうすると、男性の立位での小用の場合の洗浄水の水量を必要且つ十分な範囲で節約でき、省資源化にさらに資することができる。
その後、便座200と便蓋300が閉じた状態(第1の状態)になる(オート閉)。なお、本具体例においても、図12(d)に表したように人体検知センサ420が非検知となってから直ぐではなく、所定時間(例えば、90秒)の経過後に便座200と便蓋300をオート閉動作させるようにしてもよい。
便蓋300を閉じた後は、再び図12(a)に表したように、接近検知センサ500により使用者の接近をモニタしながら待機する。
便蓋300を閉じた後は、再び図12(a)に表したように、接近検知センサ500により使用者の接近をモニタしながら待機する。
以上説明したように、本具体例においても、オート開閉とオート洗浄とをそれぞれ最適なタイミングで実行させることができる。
以上、本実施形態の衛生洗浄装置100の構成及びその動作について説明した。
次に、本実施形態の衛生洗浄装置100及びこれを搭載したトイレ装置について、具体例を参照しつつさらに詳細に説明する。
次に、本実施形態の衛生洗浄装置100及びこれを搭載したトイレ装置について、具体例を参照しつつさらに詳細に説明する。
図13及び図14は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を搭載したトイレ装置の模式斜視図である。
また、図15は、本具体例の衛生洗浄装置を正面から眺めた斜視図である。
また、図15は、本具体例の衛生洗浄装置を正面から眺めた斜視図である。
すなわち、洋式腰掛便器800の上に、衛生洗浄装置100が設置されている。衛生洗浄装置100は、本体部400と、この本体部400に対して開閉自在に軸支された便座200及び便蓋300と、を備える。本体部400は、図1に関して前述したような洗浄機能部610の他に、各種の付加機能部を内蔵する。
便座200は本体部400において相対的に前方に軸支され、一方、便蓋300は本体部400において相対的に後方に軸支されている。つまり、便座200の回転軸と便蓋300の回転軸は、前後方向に離間して設けられている。図13び図15に表したように便蓋300が開いた状態においては、本体部400と便座200はほぼ完全に露出し、使用者は便蓋300に干渉することなく便座200に座ることができる。また、便蓋300を本体部400の後部で軸支することにより、便座200に座る使用者から便蓋300を遠ざけることができる。その結果として、便座200に座る使用者に開放感を与え、快適な使用感が得られる。
一方、図14に表したように便蓋300が閉じると、便座200だけでなく本体部400もほぼ完全に便蓋300に覆われた状態となる。このように便蓋300で衛生洗浄装置のほぼ全体を覆うようにすると、非常にスマート且つシンプルで見栄えがすっきりとする。また、衛生洗浄装置100の全体を便蓋300で覆うことにより、使用されていない状態において便座200のみならず本体部400の上にも埃やチリなどが積もることはない。さらに、便蓋300を閉じた状態において、衛生洗浄装置100の上面に「隙間」や「凹凸」などがなくなるため、濡らした雑巾などで拭き掃除をする際にも、便蓋300の上面全体を滑らかにサッと拭くことができ、清掃性が良好になる。
また、本具体例の場合、本体部400の側面に段部405(図17も参照のこと)が形成されている。この段部405は、便蓋300が閉じた状態において、便蓋300の後部下端305と当接または近接した状態で整合し、本体部400の側面と便蓋300の側面とはほぼ連続した同一面を形成する。その結果として、便蓋300が閉じた状態において、衛生洗浄装置100の側面にも便蓋300から本体部400に至る連続平面が形成され、さらに見栄えがすっきりとするとともにホコリや汚れが堆積することも防止できる。また、便蓋300を閉じた状態で衛生洗浄装置100の側面を拭き掃除した場合にも、雑巾がひっかかることなく滑らかにサッと拭くことができる。
そして、本実施形態の衛生洗浄装置の本体部400は、便座200の軸支部と便蓋300の軸支部の間に、閉じた状態の便蓋300とほぼ並行な面となる上面を有しており、その上面に接近検知センサ500が設けられている。そして、便蓋300の後部には透過窓310が設けられている。
一方、便蓋300が開いた状態においては、便座200の後方に人体検知センサ420及び着座センサ422が内蔵されたセンサ窓が露出する。
一方、便蓋300が開いた状態においては、便座200の後方に人体検知センサ420及び着座センサ422が内蔵されたセンサ窓が露出する。
図16乃至図18は、接近検知センサ500の取り付け部を表す拡大斜視図であり、図16は便蓋300が閉じた状態、図17及び図18は便蓋300が開いた状態をそれぞれ表す。
また、図19は、便蓋300が開いた状態においてその軸支部を正面から眺めた拡大斜視図である。
また、図19は、便蓋300が開いた状態においてその軸支部を正面から眺めた拡大斜視図である。
本体部400の上面に凹設部410が形成され、接近検知センサ500は、その一部が凹設部410に埋め込まれるように設けられている。後に詳述するように、接近検知センサ500として例えば焦電センサを用いると、使用者の接近を素早く高い確度で検知できる。焦電センサの場合、その前方の所定の検知範囲内における発熱体の移動を検知可能とされている。
図16に表したように便蓋300が閉じた状態においては、接近検知センサ500は、透過窓310を介して衛生洗浄装置に接近する使用者の存在を検知する。すなわち、透過窓310は、接近検知センサ500が検知する赤外線を透過する。接近検知センサ500として例えば焦電センサを用いた場合、波長約10マイクロメータ程度の遠赤外線を検知する。従って、透過窓310は、この波長帯の赤外線に対してある程度の透過率を有する材料からなる。透過窓310の材料として例えばポリエチレンを用いることにより、便蓋300が閉じた状態においても、使用者の接近や存在を透過窓310を介して高い感度で検知できる。
一方、透過窓310を支持する便蓋300は、赤外線に対して透過窓310よりも低い透過率を有する材料により形成できる。便蓋300を透過窓310よりも硬くて丈夫な材料により形成すれば、たわみや変形が少なく、またキズも付きにくくなる。また、便蓋300の色も自由に選択でき、便器800や本体部400の色に合わせることも容易となる。これらの要求を満たす便蓋300の材料としては、例えば、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
便蓋300が閉じた状態で接近検知センサ500が使用者を検知すると、前述したように、本体部400に内蔵された便蓋開閉ユニットを動作させて便蓋300を自動的に開くことができる。また、例えば、便座200を急速暖房したり、本体部400に設けられた室内暖房ユニットを動作させてトイレを暖めたり、便器800に予め少量の洗浄水を流してボウルを濡らすことにより汚れの付着を抑制する処理などを実行することが可能となる。
そして、図13、図15及び図19などに表したように便蓋300が開くと、便座200の後方にセンサ窓が露出し、内蔵されている人体検知センサ420と着座センサ422が検知可能な状態とされる。人体検知センサ420及び着座センサ422は、それぞれ赤外線投光式の測距センサである。そして、人体検知センサ420は、衛生洗浄装置100の前方に向けて赤外線を投光し、便器800の正面に立つ使用者を検知する。また、着座センサ422は、便座200の直上に向けて赤外線を投光し、便座200に座る使用者を検知する。
図20は、接近検知センサ500の構造を例示する模式図である。すなわち、図20は、接近検知センサ500として焦電センサを用いた場合の構造を表す。
焦電センサは、基板530に実装された焦電素子510と、その受光面に対向配置されたレンズ520と、を有する。焦電素子510は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)系、LiTaO3(タンタル酸リチウム)系、PbTaO3(タンタル酸鉛)系などの焦電物質を用い、複数の検知領域に分割されている。また、レンズ520も、複数のレンズ部520Lに分割されている。人体などの発熱源が移動すると、これらレンズ体520による赤外線の集光パターンも焦電素子510の受光面を移動するので、その変化を検知することができる。
焦電センサは、基板530に実装された焦電素子510と、その受光面に対向配置されたレンズ520と、を有する。焦電素子510は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)系、LiTaO3(タンタル酸リチウム)系、PbTaO3(タンタル酸鉛)系などの焦電物質を用い、複数の検知領域に分割されている。また、レンズ520も、複数のレンズ部520Lに分割されている。人体などの発熱源が移動すると、これらレンズ体520による赤外線の集光パターンも焦電素子510の受光面を移動するので、その変化を検知することができる。
図21は、接近検知センサ500を埋め込んだ本体部400の一部拡大縦断面図である。
本具体例においては、図21に表したように、接近検知センサ500を、本体部400の上面のケースカバー430の後部すなわち便蓋300の軸支部に近接させて、本体部400の上面にやや突出させて設ける。こうすることにより、透過窓310と接近検知センサ500との距離を小さくできる。その結果として、透過窓310のサイズを小さくしつつ幅広い範囲を検知することが可能となる。つまり、接近検知センサ500からみた時に、小さな透過窓310を介して広角の範囲を検知できる。
前述したように、透過窓310は、便蓋300よりも赤外線に対する透過率の高い材料で形成する必要があり、このために便蓋300とは色や質感が異なる場合もあり、硬度が低く、変形したりキズなどがつきやすい場合がある。このような場合でも、本実施形態によれば、透過窓310を小さくでき、また便蓋300の後端付近に設けることができるので、目立たず、また人手に触れにくくなるため変形やキズ付きも抑制できるという効果が得られる。
また、図21に表したように、本体部400に凹設部410を設け、接近検知センサ500の一部分をこの凹設部410を埋め込むことにより、接近検知センサ500を本体部のケースカバー430の上面から大きく突出させることなく、幅広い角度を検知することが可能となる。つまり、ケースカバー430の上面の清掃性を維持しつつ、確実な人体検知が可能となる。
図22及び図23は、本具体例の衛生洗浄装置100において接近検知センサ500により人体を検知可能な範囲を例示する模式図である。すなわち、図22は水平方向、図23は垂直方向の検知可能範囲を表す。
図22から分かるように、接近検知センサ500により水平方向に40度の範囲内で人体10の検知が可能である。また、図23から分かるように、垂直方向には33度の範囲内で衛生洗浄装置の前方上方の人体10の検知が可能である。これは、通常の広さのトイレにおいて、衛生洗浄装置100に接近する使用者を早期に検知するのに十分な範囲である。また、図23に表したように、通常の背丈の大人10が便器800の後端から2.5メータの距離に接近すると早くも検知可能となる。
一方、便蓋300を開けた状態で検知可能とされる人体検知センサ420の検知範囲は、便器800の前端から例えば30センチメートル以内とすることができる。つまり、使用者が便器800から30センチメートル以上離れると、人体検知センサ420は非検知となる。
このような接近検知センサ500と人体検知センサ420とを組み合わせると、例えば、使用者10がトイレ装置に接近する時には、便器800の後端から2.5メータの距離に接近すると検知可能となり、オート開動作や便座200の急速暖房などを早期に開始できる。一方、使用者10が便器800の前端から30センチメートル以上離れると、これに対応してオート洗浄などを迅速に実行させることができ、使い勝手のよいトイレ装置を実現できる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、図1乃至図23に関して前述した衛生洗浄装置100は、水道直圧式のみならず、ロータンクなどを搭載した便器に搭載した場合にも、同様の作用効果が得られる。
また、図1乃至図23に関して前述した各具体例は、技術的に可能な範囲において適宜組み合わせることができ、これらも本発明の範囲に包含される。
また、衛生洗浄装置やトイレ装置の構造およびその動作の内容についても、図1乃至図22に関して前述したものには限定されず、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
また、衛生洗浄装置やトイレ装置の構造およびその動作の内容についても、図1乃至図22に関して前述したものには限定されず、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
10 使用者、100 衛生洗浄装置、200 便座、210 便座暖房ユニット、300 便蓋、305 後部下端、310 透過窓、400 本体部、405 段部、410 凹設部、420 人体検知センサ、422 着座センサ、430 ケースカバー、500 接近検知センサ、510 焦電素子、520 レンズ、520L レンズ部、530 基板、610 洗浄機能部、640 制御部、720 便蓋開閉ユニット、730 便器洗浄ユニット、740 室内暖房ユニット、780 便座開閉ユニット、790 照明ユニット、800 便器、900 リモコン
Claims (10)
- 吐水ノズルを用いた洗浄機能を実行可能な洗浄機能部と、
前記洗浄機能とは異なる付加機能を実行可能な付加機能部と、
便器に接近する使用者を検知可能な接近検知センサと、
前記便器の手前に立つ使用者を検知可能な人体検知センサと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記付加機能部を第1の状態から第2の状態となるように制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記付加機能部を前記第2の状態から前記第1の状態となるように制御することを特徴とする衛生洗浄装置。 - 吐水ノズルを用いた洗浄機能を実行可能な洗浄機能部と、
便蓋と、
前記便蓋を開閉する便蓋開閉ユニットと、
便器に接近する使用者を検知可能な接近検知センサと、
前記便器の手前に立つ使用者を検知可能な人体検知センサと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記便蓋が開くように前記便蓋開閉ユニットを制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記便蓋が閉じるように前記便蓋開閉ユニットを制御することを特徴とする衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、前記人体検知センサが前記使用者を検知しなくなると、前記接近検知センサが前記使用者を検知していても前記便蓋が閉じるように前記便蓋開閉ユニットを制御することを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄装置。
- 便座と、
前記便座を開閉する便座開閉ユニットと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記接近検知センサが使用者を検知すると、前記便蓋が開くように前記便蓋開閉ユニットを制御するとともに前記便座が開くように前記便座開閉ユニットを制御し、しかる後に、前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記便座が閉じるように前記便座開閉ユニットを制御するとともに前記便蓋が閉じるように前記便蓋開閉ユニットを制御することを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、前記人体検知センサが前記使用者を検知しなくなると、前記接近検知センサが前記使用者を検知していても前記便座が閉じるように前記便座開閉ユニットを制御するとともに前記便蓋が閉じるように前記便蓋開閉ユニットを制御することを特徴とする請求項4記載の衛生洗浄装置。
- 前記制御部は、便器に対して洗浄水を供給するための信号を出力可能とされ、
前記人体検知センサが使用者を検知しなくなると、前記洗浄水を供給するための前記信号を出力することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。 - 前記制御部は、前記便蓋が閉じている状態では前記接近検知センサの検知出力を有効とし且つ前記人体検知センサによる検知出力を無効とし、前記便蓋が開いている状態では前記接近検知センサの検知出力を無効とし且つ前記人体検知センサによる検知出力を有効とすることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
- 前記制御部は、前記便蓋が閉じた後、所定時間が経過するまでは前記接近検知センサの検知出力を無効にし続けることを特徴とする請求項7記載の衛生洗浄装置。
- 前記接近検知センサは、焦電センサであり、
前記人体検知センサは、測距センサであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。 - 便器と、
請求項1〜9のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。
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