横型製袋充填包装機は、包装フィルムが横方向に送られる間に、被包装物である製品を筒状の包装フィルムに包んで包装する機械であり、例えば図15に示すように構成されている。図15の(a)は横型製袋充填包装機の一例を示す側面図であり、同(b)は(a)の上面図である。図15に示す横型製袋充填包装機(以下、「包装機」と略す。)100は、包装物供給装置としての供給コンベア2によって供給されてくる物品Pを包装フィルムに包装する機械であり、帯状フィルムFwをロール状に巻き取った原反ロールFrからフィルム搬送装置3により連続して供給される帯状フィルムFwを製筒器22によって略筒状に湾曲成形し、供給コンベア2からの物品Pを水平に移送される当該湾曲フィルム中に所定間隔毎に順次受渡して送り込み、湾曲フィルムをその長手方向端縁部の重合面にセンタシール装置4によってセンタシールを施すことで筒状フィルムFtに形成し、更に当該筒状フィルムFtの物品Pを挟む前後に、それぞれエンドシール装置5によってエンドシールを施すことにより、ピロー包装体Bpを連続して製造する。
供給コンベア2は、サーボモータSM1によって駆動される駆動スプロケット11と、駆動スプロケット11と平行な従動スプロケット12と、両スプロケット11,12間に掛け回されたチェーン13と、チェーン13に所定の間隔で設けられたフィンガ14とを備えており、チェーン13が駆動されてフィンガ14が走行するときに、フィンガ14が物品Pを押しながら製筒器22に向けて供給する。フィルム搬送装置3は、製筒器22の上流側に配設されており且つサーボモータSM2Aによって駆動される紙送りローラ21と、製筒器22の下流側に配設されており且つサーボモータSM2Bによって駆動される紙引きローラ23,23とを備えている。センタシール装置4は、紙引きローラ23の下流に配置されており且つサーボモータSM2Cによって駆動されるセンタシールローラ24,24を備えている。エンドシール装置5は、センタシール装置3の下流に配置されており且つサーボモータSM3によって駆動されるエンドシーラ25,25を備えている。エンドシーラ25,25は、サーボモータSM3の出力によって、上下動、回転動或いは任意の閉じた経路を駆動される。エンドシール装置5にカッタ装置を組み込むことで、個別のピロー包装体Bpに切り離して製造することが行われている。
原反ロールFrは包装機フレームに保持されたロールホルダ軸33に回転自在に支持されており、帯状フィルムFwはフィルム搬送装置3によって繰り出されて製筒器22に供給される。原反ロールFrに巻き取られている帯状フィルムFwがすべて繰り出された場合(「フィルム終了」と称する)には、フィルム搬送装置3を始めとして包装機100が停止する。包装機100の運転を再開するには、帯状フィルムFwを供給する原反ロールFrを新しい原反ロールに交換し、再度、フィルムをセットする必要がある。
このような、フィルム終了時に、機械を停止させることなく、運転を継続するための装置として、オートスプライサーと称される自動紙継ぎ装置がある。オートスプライサーは、使用中の原反ロールとは別の原反ロールを予め用意しておき、使用している原反ロールがフィルム終了した場合に、そのフィルムに別の原反ロールのフィルムを自動的に紙継ぎを行うことにより、連続したフィルム送りを可能にして包装物供給装置や包装機を停止させることなく包装動作を継続させることを可能にする装置である。
図16は、横型製袋充填包装機に備わる従来のオートスプライサーの一例を示す概略図である。図16に示すオートスプライサー106は、複数(通常は2本)系統の原反ロールFrA,FrBをそれぞれロールホルダ軸33A,33Bに回転自在に支持しておき、一方の原反ロールFrAからの帯状フィルムFwAの終端部FEAに、他方の原反ロールFrBの帯状フィルムFwBの先端部FSBを自動的に接続する機能を有する。オートスプライサー106により、帯状フィルムFwBは帯状フィルムFwAの終端部FEAに続いて連続して包装機本体側に供給される。この帯状フィルムFwA,FwBの接続は、ヒートシールによって行う方式(特許文献1)と、テープにより行う方式とがある。テープによって貼り合わせを行う方式には、片面テープによるもの(特許文献2)と両面粘着テープによるもの(特許文献3)がある。横型製袋充填包装機の場合、両面粘着テープにより行うことが多い。
図16に示すオートスプライサー106は、両面粘着テープにより紙継ぎを行う方式を採用している。オートスプライサー106は、主に、帯状フィルムFwA,FwBが紙管PpA,PpBにそれぞれ巻き取られて成る原反ロールFrA,FrBが装填されるロールホルダ軸33A,33B、原反ロールFrA,FrBから繰り出された帯状フィルムFwA,FwBの経路に配置されたガイドローラ34aA,34bA;34aB,34bB、ガイドローラ34bA,34bBから水平に延びるテーブル35A,35B、及び両帯状フィルムFwA,FwBの貼合わせを行う圧着ローラ部32を備えている。オートスプライサー106は更に、テーブル35A,35Bに関して、上流より順に、帯状フィルムFwA,FwBをテーブル35A,35B上に押さえつけるフィルム押え部材38A,38Bと、テーブル35A,35Bの下流寄りに配置されたカッタ部31A,31Bとを備えている。カッタ部31A,31Bは、テーブル35A,35B内に置かれたカッタ固定刃36A,36Bと、テーブル35A,35Bの上方に回転可能に配置されているカッタ回転刃37A,37Bとを備えている。圧着ローラ部32は、テーブル35A,35Bの下流側に配置されている圧着ローラ39A,39Bと、圧着ローラ39A,39Bの周面に帯状フィルムFwA,FwBを押える押えブラシ40A,40Bとを備えている。
ロールホルダ軸33A,33B、ガイドローラ34aA,34bA;34aB,34bB、テーブル35A,35B、フィルム押え部材38A,38B及びカッタ部31A,31Bは、圧着ローラ部32を基準として左右に1組ずつ対称に配設される。カッタ部31A,31Bにおいては、カッタ回転刃37A,37Bはそれぞれカッタ固定刃36A,36Bと協働して帯状フィルムFwA,FwBを切断可能である。圧着ローラ部32の一対の圧着ローラ39A,39Bは、使用中の帯状フィルムFwAの搬送路上に当該帯状フィルムFwAと、待機中の帯状フィルムFwBの始端部FSBとを挟むように配設されており、当該一対の圧着ローラ39A,39Bが閉じて2つの帯状フィルムFwA,FwBを挟んで圧着させることにより、両帯状フィルムFwA,FwBの貼り合わせを行う。
この方式のオートスプライサー106について詳述すると、帯状フィルムFwA,FwBが紙管紙管PpA,PpBに巻き付けられた原反ロールFrA,FrBは、ロールホルダ軸33A,33Bに装着される。原反ロールFrA,FrBから引き出された帯状フィルムFwA,FwBは、複数のガイドローラ34aA,34bA;34aB,34bBに案内され、テーブル35A,35B上を水平に走行し圧着ローラ部32へと至る。フィルム押え部材38A,38Bは、帯状フィルムFwA,FwBを上部からテーブル35A,35Bに押え付ける役割を持つ。これは、帯状フィルムFwA,FwBを安定して走行させるためのものである。特に、フィルム終了となりロールホルダ軸33A(33B)から離れた状態で搬送される帯状フィルムFwA(FwB)は、この種の押え部材が存在しないと蛇行が発生し正常な走行が不可能となる。押え部材の形態としては、板状の形態をとる物(特許文献3の第2頁左欄第29行目〜第35行目及び図2を参照)と、ローラによるもの(特許文献4の段落13及び図1を参照)がある。
カッタ部31A,31Bは、終了した帯状フィルムFwA,FwBの紙継ぎ部より上流の残余部分を切断するための装置である。カッタの動作方式は、一般に、刃を固定しておいてフィルムを押し付けて切断する固定式(特許文献2の第1頁右欄第1行目〜19行目及び図1参照)と、刃をフィルムに対して真っ直ぐに進退させてフィルムを切断する直動式(特許文献3の第1頁右欄37行目〜第2頁左欄15行目及び図5参照)と、刃を回転させ、回転する動作の中で刃がフィルムに接近してフィルムを切断する回転式とがある。紙送り中の帯状フィルムを切断するので、回転式のカッタが用いられることが多い。これは、固定式や直動式のカッタの場合、走行中の帯状フィルムを押さえる或いは押し出して切断の際に帯状フィルムの走行を停止させる必要があるが、帯状フィルムを走行させる中で包装動作を行う包装機においては、一時的であれ、フィルムの走行を阻害することは好ましいことではないからである。
回転式のカッタの場合、テーブル上の帯状フィルムの走行経路の上方に切断刃を装着した回転可能な軸を設け、帯状フィルムの走行経路の下方に位置するテーブル内に固定の受け刃を設け、当該軸の回転方向を、切断刃が受け刃に近づいているときの移動方向が帯状フィルムの走行方向と順な方向となるようにすることで、切断刃が受け刃に押し付けられて帯状フィルムを切断する。この方式は、走行中の帯状フィルムを切断するのに好適である。また、切断刃は、特許文献5の段落9から段落10及び図6に示されているような形状の工夫、即ち、切断刃を長手方向に傾斜させた、ネジ刃と称される形状にされている。このような形状とすることで、切断刃と受け刃に挟み込まれた帯状フィルムは、常に切断刃のある一点で点接触するため小さな力で大きな切断力を発揮することができる。特許文献5は一対の回転軸による自動包装機のエンドシール装置についての技術であるが、オートスプライサーの回転式カッタのように、受け刃が固定であっても、切断動作の際、受け刃と切断刃が常にある一点で点接触するという切断技術の原理には変わりがない。
押えブラシ40A,40Bは、帯状フィルムを圧着ローラに押接させる部材であり、待機中の帯状フィルムの始端部を圧着ローラに押し付ける役割を持つ(特許文献3の第2頁左欄35行目から42行目及び図2)。待機中の帯状フィルムの始端部には両面粘着テープTaが貼られているので、当該帯状フィルムの始端部FSBが前方に舞い上がって使用中の帯状フィルムFwAに接触すると、意図しないタイミングと態様で使用中の帯状フィルムFwAと待機中の帯状フィルムFwBとが接着する。押えブラシ40A,40Bは、当該始端部FSBの舞い上がりを抑えて、かかる誤接着動作を防止するために設けられている。
図17には、図16に示すオートスプライサー106の動作が(a)〜(d)に順を追って示されている。オートスプライサー106の動作は、以下のように、待機させてある別の原反ロールFrBから引き出した帯状フィルムFwBの先端部FSBに両面粘着テープTaの一方面を貼り付けておき、当該両面粘着テープTaの貼付け状態にある先端部FSBを開いた状態の一対の圧着ローラ39Bの一方に沿う形で待機させておく(図17(a))。他方の圧着ローラ39Aに沿って搬送されている包装に使用中の原反ロールFrAの帯状フィルムFwAのフィルム終了が検出されると、その後に所定のタイミングで一対の圧着ローラ39A,39Bが閉じられる(図17(b))。この一対の圧着ローラ39A,39Bの動作により、帯状フィルムFwBの先端部FSBに貼り付けられた両面粘着テープTaの他方面が原反ロールFrAの帯状フィルムFwAに接触押圧されることで帯状フィルムFwA,FwBが紙継ぎされる。紙継がされた後に、終了した帯状フィルムFwAの紙継ぎ部より上流の残余部分Fsをカッタ部31Aが切断する(図17(c))。切断された上流の残余部分Fsを残して(後で処分される)、帯状フィルムFwBが帯状フィルムFwAに接続されて引き出されていく(図17(d))。
一対の圧着ローラを閉じる際の所定のタイミングとは、帯状フィルムFwAと帯状フィルムFwBの印刷模様をあわせるタイミングを指す。図18に示すように、包装に用いられるフィルムには、通常、包材の正確な搬送に必要なレジマークMrや商品名やイラストなどの絵柄Paのような印刷模様が施されている。帯状フィルムFwAと帯状フィルムFwBを接続したときに、この印刷模様が一致するように接続することが肝要である(正常に接続された帯状フィルムの様子が図19(a)に示されている)。印刷模様がずれたまま接続されると、包材の正確な搬送に支障をきたすこととなり、包装不良品の発生が増える(接続がNGな帯状フィルムの様子が図19(b)に示されている)。ずれが発生する主たる要因としては、図17で言えば、圧着ローラ部32における圧着ローラ39A,39Bの動作タイミングのズレに起因するものと、圧着ローラ39A,39Bが帯状フィルムFwA,FwBを押すことによりフィルムの引っ張りに起因するものとがある。
以上のような従来の両面粘着テープで貼りつける方式の横型製袋充填機のオートスプライサーでは、次に挙げるような不都合な点がある(ここでは、2系統A,Bの区別はしないこととする)。
第一の点は、紙管Ppから剥離した帯状フィルムFwの蛇行を防ぐためにテンションを与えるフィルム押え部材38、終了した帯状フィルムFwの余剰部分Fsを切断するカッタ部31、運転中の誤接続を防ぐための押えブラシ40などがテーブル35について互いに近接して配設されているため、帯状フィルムFwのセッティング作業が行いづらい、ということである。フィルム押え部材38、カッタ部31(カッタ回転刃37)、押えブラシ40は、いずれも帯状フィルムFwの搬送路の直上に設けられているので、帯状フィルムFwのセッティング作業の際には、帯状フィルムFwをこれらの部材の下にくぐらせるようにしなければならず、煩雑な作業となる。押えブラシ40の場合、両面粘着テープTaの貼り位置を始端部より上流に置けば、配設しなくてもよい。このように押えブラシ40の配設を省略した場合の、オートスプライサーの作動の様子が図20に示されている。この場合、接合部より前方に余剰フィルム(始端部)Fsが存在することになり(図20(a))、この部分が付いたまま下流へ搬送され(図20(b)〜(d))、その搬送途中で包装機のローラや製筒器22等に引っ掛かると、両面粘着テープTaによる接合部が剥がれてしまう危険性が出るので、好ましい配置ではない。
第二の点は、圧着ローラ39が動作するときに、圧着ローラ39が帯状フィルムFwを押すことによって帯状フィルムFwが引っ張られ、こうした張力の変化に起因して印刷模様がずれたままの接続を引き起こし易いことが挙げられる。帯状フィルムFwが引っ張られる様子が図21に示されている。図21に示すように、開き位置にある圧着ローラ39A,39Bとそのときの帯状フィルムFwA,FwBが実線で示されており、紙継ぎ時である閉じ位置にある圧着ローラ39A,39Bとそのときの帯状フィルムFwA,FwBが破線で示されている。開き位置にある圧着ローラ39A,39Bに接していた帯状フィルムFwA,FwBは、紙継ぎ時に、圧着ローラ39A,39Bがそれぞれ帯状フィルムFwA,FwBを押しながら互いに接近する方向に移動させることで互いに圧着されるので、帯状フィルムFwA,FwBが引っ張られて、その張力に変化が生じる。帯状フィルムFwA,FwBにこうした張力変化が生じると、両フィルムFwA,FwBの接続に際して印刷模様がずれ易くなる。
第三の点は、走行中の帯状フィルムを切断するのに好適な回転式のカッタは前記のようにネジ刃という特殊な刃を用いるため、その調達コストが高く、更に受け刃と切断刃との当たり調整が必要で組み付けに手間がかかるということである。図22には、かかるネジ刃を備えたカッタ装置の一例が示されている(特許文献5参照)。また、切断刃と受け刃とがそれぞれ取り出されて示されている。ネジ刃の受け刃は、細長い平らな刃面を有する通常の刃であるが、切断刃は、ネジを展開したように、斜めに延びる刃部とその両側にそぎ落とされた傾斜面を備えており、回転軸の回りに回転するときに、斜めに延びる刃部が位置的にも時間的にも順次ずれながら連続的にフィルムを切断していく。
第四の点は、一方の帯状フィルムFwAが走行中で他方の帯状フィルムFwBが待機中の状態、即ちFwAの残量があり且つ包装機が通常の運転を行っている状態において、誤接続の危険性がある点である。押えブラシ40により帯状フィルムFwBの始端部付近を押えることによって、当該始端部の舞い上がりを防止しているとはいえ、両面粘着テープTaの貼り位置を始端部付近にした場合、その貼り位置は押えブラシ40より下流となるため、舞い上がりやフィルムのカールなどにより、使用中の帯状フィルムFwAに接触し、意図しないタイミングで2つの帯状フィルムが接続されてしまうという誤動作の危険性は依然として残っている。これを避けるためには、第一の点において述べたように、両面粘着テープTaの貼り位置を始端部FSBより上流にするか、一対の圧着ローラ39A,39Bの離間距離を広くする必要がある。しかしながら、前者の場合、接合部より前方に余剰フィルムFsが存在することになり、この部分が下流への搬送途中でローラや製袋器22等に引っ掛かると接合部がはがれてしまう危険性がある。後者の場合、一対の圧着ローラ39A,39Bの動作レスポンスが遅くなることによる接続時の模様ずれが発生する危険性がある。
そこで、横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、包装材として使用している帯状フィルムのフィルム終端部や、紙継ぎの待機中の帯状フィルムの始端部が、テーブル部と圧着ローラ部から舞い上がるように離れて走行することがないように、テーブル部と圧着ローラ部とに沿わせて走行させることで、帯状フィルムの走行を安定させて、帯状フィルムの紙継ぎを確実にする点で解決すべき課題がある。また、従来、紙継ぎに必要としていた、帯状フィルムの上方に押え部材や押えブラシを配設することを不要にして、帯状フィルムのテーブル部と圧着ローラ部へのセッティングを容易に行う点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、帯状フィルムのセットが容易に行えて、フィルム終了の際に紙管から剥離した帯状フィルムの蛇行を防ぐ機能を損なうことなく、また圧着ローラ部における圧着ローラの動作に起因する印刷模様がずれた接続を防止でき、低コストで組み付けが容易な上、帯状フィルムの走行を阻害することなく切断動作が可能なカッタ装置を備え、更に帯状フィルムの始端部の舞い上がりやカールによる誤接続の危険性のない横型製袋充填包装機のオートスプライサーを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による横型製袋充填包装機のオートスプライサーは、包装用の帯状フィルムを蓄積した二つの帯状フィルム供給源と、当該両帯状フィルム供給源からそれぞれ繰り出された前記帯状フィルムが沿わせて走行される二つのテーブル部と、前記各テーブル部に沿って走行されたそれぞれの前記帯状フィルムを互いに接続するために前記両帯状フィルムを重ねた状態で挟んで互いに圧着される圧着ローラ部と、を備えており、前記各テーブル部と前記各圧着ローラ部は、それぞれ前記各帯状フィルムを吸い寄せる吸着機能を備えており、前記圧着ローラ部は、一対の互いに逆方向に回動可能な回動軸と、当該回動軸に取り付けられたブラケットと、当該ブラケットに前記回動軸を挟んで且つ前記回動軸と平行にそれぞれ回転自在に支持されており、互いに遠い側に配置されているガイドローラ及び互いに近い側に対向して配置されている圧着ローラと、を備えており、前記各圧着ローラ部の前記ブラケットには、当該圧着ローラ部における前記帯状フィルムの走行経路に沿う態様で、前記帯状フィルムを吸着する多数の吸着孔が開いた吸着プレートが取り付けられていることを特徴としている。
前記吸着機能は、帯状フィルムに張力を付与するテンション付与機構として機能する。帯状フィルムは、テーブル部及び圧着ローラ部を走行する際に、吸着機能によって裏面からテーブル部及び圧着ローラ部に吸い寄せられる。したがって、帯状フィルムはテーブル部及び圧着ローラ部に吸い寄せられた状態で走行するので、張力が付与された状態になり、走行がばたつくことなく安定する。吸着機能は、テーブル部と圧着ローラ部とにおいて、板状のフィルム走行面に多数の吸着孔を開口させておき、適宜の吸引装置が当該多数の吸着孔を通じてエアを吸引することによって発揮される。圧着ローラ部における帯状フィルムを吸い寄せる吸着機能は、多数の吸着孔が開いた吸着プレートにて実現することができる。圧着ローラ部においては、一対の互いに逆方向に回動する回動軸の回動運動がブラケットを介して両圧着ローラ及び両ガイドローラにおいて略前進後退運動に変換され、両圧着ローラが互いに圧着される方向に移動するとき、間に挟んだ帯状フィルムを紙継ぎする。両圧着ローラ及び両ガイドローラの前進後退運動は互いに逆向きであるので、紙継ぎ動作(貼付け動作)時に圧着ローラとガイドローラとによる帯状フィルムの緊張と弛みが相殺され、貼合わせ位置のずれが生じるのを防止することができる。
この横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、前記テーブル上を経て前記圧着ローラ部に至る前記帯状フィルムのセッティングの際の作業性を向上するため、前記テーブル部の上方を開放して、テーブル部の上方にはセッティングを邪魔する部材を設けずに、作業者がテーブル部の上面に自由にアクセスすることができる。
この横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、前記テーブル部の前記帯状フィルムの走行方向下流端部には、前記圧着ローラ部による圧着によって他方の前記帯状フィルムと接続された部分から下流側に余された余剰部分を切断するカッタ部を配設することができる。一方の帯状フィルム供給源からの帯状フィルムの供給終了が検出され、他方の帯状フィルムと紙継ぎをした際に、他方の帯状フィルムと接続された部分から下流側に余された余剰部分を切断することで、綺麗な紙継ぎを行うことができる。
カッタ部が配設されているこのオートスプライサーにおいて、前記カッタ部は、カッタ刃を備え且つ前記テーブル部に形成されたスリット内を昇降可能に設けられたと下側部材と、前記テーブル部の上方に前記スリットを覆う態様で配置されたカバーを備える上側部材とを備えており、前記下側部材と前記上側部材の一方は、間に前記帯状フィルムを挟み込む凹凸の一方を構成する凹部材を備え、前記下側部材と前記上側部材の他方は、前記凹凸の他方を構成しており前記凹部材と前記帯状フィルムが通過できる隙間を残して嵌まり合う凸部材を備えるものとすることができる。上側部材に対して帯状フィルムを挟んで下側部材を突き上げることにより、帯状フィルムには、両部材の凹凸間によって形成された屈曲した経路を走行することによって、カッタ部という局所的な範囲で高い張力が付与される。帯状フィルムは、この高い張力付与状態でカッタ刃によって切断されるので、切断の失敗が無い。
下側部材と上側部材を備えるこのオートスプライサーにおいて、前記上側部材は前記テーブル部から遠ざかるように上方に跳ね上げ付勢されており、前記テーブル部へのセッティングにおいては、前記上側部材は前記付勢に対抗して前記テーブル部に係止可能であるとすることができる。上側部材はテーブル部から遠ざかるように上方に跳ね上げ付勢されているので、テーブル部に係止されている状態を解除すると、上側部材は自動的に跳ね上がり上方へ開放される。したがって、上側部材は自ずとテーブル部の上面から離脱され、テーブル部の開放された上面への帯状フィルムのセッティングを極めて容易にすることができる。
カッタ部が配設されているこのオートスプライサーにおいて、前記カッタ部は、前記下側部材を昇降させる駆動部材を備えており、前記カッタ刃は前記駆動部材によって直接に駆動され、前記下側部材に備わる前記凹凸を構成する前記一方又は前記他方を弾性部材を介して前記駆動部材によって駆動することができる。下側部材において、凹凸を構成する凹部材又は凸部材は、駆動部材から弾性部材を介して駆動されるので、下側部材と上側部材との間で凹凸が嵌合した後でも、駆動部材は弾性部材を変形させながらカッタ刃を上昇させることができ、張力状態にある帯状フィルムをたやすく切断することができる。即ち、このオートスプライサーは、帯状フィルムを切断するカッタ部に、切断動作時にのみ帯状フィルムを挟み込む凸部材と凹部材から成るテンション付与機構を備える。凸部材と凹部材が帯状フィルムを挟み込むときに、互いに接近する凸部材と凹部材との間に形成される経路が長くなるので、結果的に、この経路を走行する帯状フィルムには張力が付与される。当該テンション付与機構によって、走行する帯状フィルムには切断時に張力が付与される状態になり、張力付与状態で切断することになるので、その切断が容易になる。また、カッタは、構造簡易で調達安価な直動式構造で済む。
圧着ローラとガイドローラとをブラケットに回動軸を挟んで回転自在に支持し且つ配置する形態として、ブラケットの中央に回動軸を配置し、ブラケットの下流側端部に一方のローラとしての圧着ローラを配置し、更に、ブラケットの上流側端部に他方のローラとしてのガイドローラを配置するのが好ましい。一対の回動軸の回動と共にブラケットが互いに逆方向に回動するとき、圧着ローラとガイドローラとの前進・後退は方向と移動量が互いに逆になる。即ち、回動軸が回動してブラケットが回動する場合、圧着ローラが前進するときにはガイドローラは後退し、圧着ローラが後退するときにはガイドローラは前進する。こうした圧着ローラとガイドローラとの前進・後退が互いに逆になる動作により、帯状フィルムには、回動軸が回動してブラケットが旋回するときを通じて、張力の過大な変動、即ちストレスが殆どかからず、貼り付け動作に起因する貼合わせ位置のずれが生じない。
ブラケットにガイドローラと圧着ローラとを配置した横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、前記一対の回動軸を、回動方向が逆で且つ回動量が同じになる態様とするため、ギアを介して互いに噛み合い連結することができる。一対の回動軸をギア連結することにより、一対の回動軸は同期して逆の回動方向に同じ回動量だけ回動して、圧着ローラ及びガイドローラは同じタイミングで動作することが確実となり、これらローラのタイミングのずれに起因した印刷模様のずれ、延いては包装体の不良品の発生を無くすことができる。
吸着機能を備えた横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、前記帯状フィルム供給源からの前記帯状フィルムの供給終了を検出する終了検出部と、前記終了検出部からの前記帯状フィルムの供給終了信号を受信することに応じて前記圧着ローラ部を駆動する制御部とを備えることができる。終了検出部による帯状フィルム供給源からの帯状フィルムの供給終了の検出として、例えば、帯状フィルム供給源からの帯状フィルムの引き出しに連動してパルス発生部材が動作することを利用し、パルス発生部材からのパルスの発生が終了判断期間を通じて途絶えたことに応じて、帯状フィルムの供給終了とすることができる。制御部は、この帯状フィルムの供給終了信号を受信することに応じて圧着ローラ部を駆動して、紙継ぎ動作を開始することができる。
この制御部を備えた横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、前記制御部は、前記供給終了信号を受信してから、接続される前記帯状フィルムの模様合わせを図るための模様合わせ期間を経過した後、前記圧着ローラ部を駆動することができる。模様合わせ期間を設けることにより、供給終了信号を受信してもその期間の経過を待って圧着ローラ部を駆動するので、紙継ぎをした帯状フィルムにおいて模様合わせが確実になる。
制御部に模様合わせ期間を設けた横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、前記テーブル部の前記帯状フィルムの走行方向下流端部には、前記圧着ローラ部による圧着によって他方の前記帯状フィルムと接続された部分から下流側に余された余剰部分を切断するカッタ部が配設されており、前記制御部は、前記圧着ローラ部を駆動する圧着ローラ動作信号が出力されてから貼り合わせ待ち時間が経過した後、前記カッタ部を駆動することができる。圧着ローラ部を駆動する圧着ローラ動作信号が出力されても、貼り合わせ待ち時間の経過を待ってカッタ部を駆動するので、接着テープによる貼り合わせが確実になってからカッタ部を作動させて、帯状フィルムの余剰部分を切断することができる。
この発明による横型製袋充填包装機のオートスプライサーは、上記のように構成されているので、テーブル部と圧着ローラ部は、包装材である帯状フィルムを吸着して走行を安定させる吸着機能を奏する。テーブル部の吸着機能は、帯状フィルムをその裏面からテーブル部に吸着してテンションを付与することにより紙管から剥離した帯状フィルムの蛇行のような走行不安定を防ぐことができる。また、圧着ローラ部における帯状フィルムを吸い寄せる吸着機能は、多数の吸着孔が開いた吸着プレートにて実現することができ、待機中の帯状フィルムの始端部をその裏面から吸着することにより、帯状フィルムの始端部の舞い上がりやカールを防止できる。これにより、帯状フィルムの上方に押え部材や押えブラシを配設することが不要となり、帯状フィルムのテーブル部と圧着ローラ部へのセッティングを容易に行うことができる。
また、この横型製袋充填包装機のオートスプライサーの圧着ローラ部においては、一対の逆方向に回動可能な回動軸と、当該回動軸に取り付けられたブラケットと、当該ブラケットに前記回動軸を挟んで且つ前記回動軸と平行にそれぞれ回転自在に支持されており、互いに遠い側に配置されているガイドローラ及び互いに近い側に対向して配置されている圧着ローラと、を備えているので、フィルム接続時に一対の回動軸が互いに逆方向に回動して両圧着ローラが前進した場合、その上流部に位置する両ガイドローラが後退する構造とすることができるので、両ローラによる帯状フィルムの緊張と弛みが相殺され、帯状フィルムにストレスをかけることがない。したがって、帯状フィルムの接着テープによる貼付け動作に起因した貼合わせ位置のずれの発生を防止することができる。
また、この横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、接続後のカッタによる余剰部分の切断は、カッタ刃の近傍に凸部材と凹部材から成るテンション付与機構を備えているので、切断時に帯状フィルムを押さえ付けて走行を阻害することがなく、簡易な構造による直動式のカッタによってフィルムの切断を良好に行うことができる。また、カッタ装置の上側部材は上方への開放が可能に構成されているので、フィルムのセッティング時に邪魔にならない。
また、この横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおいて、カッタ動作時には、カッタと一体となって動作する凹部材がカッタより先に凸部材と接触し帯状フィルムが通過できる隙間を保つことで、フィルムの走行に抵抗を付けてテンションを保った状態で、カッタが接触し、切断することができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による横型製袋充填包装機のオートスプライサーの実施例を説明する。図1はこの発明によるオートスプライサーが適用された横型製袋充填包装機の概略図、図2は図1に示す横型製袋充填包装機のオートスプライサーの一実施例を示す正面図、図3は図2に示した横型製袋充填包装機のオートスプライサーの斜視図である。
図1に示すように、横型製袋充填包装機1においては、帯状フィルムFwA(又はFwB)が、ロール状に巻き取られた原反ロールFrA(又はFrB)から、紙送りローラ21、紙引きローラ23,23、センタシーラ24,24から構成されるフィルム搬送装置3により連続して供給される。帯状フィルムFwAは製袋器22により略筒状に湾曲成形されて水平に移送され、略筒状の湾曲フィルム中に、供給コンベア(図15の供給コンベア2参照)により物品Pが所定間隔毎に順次受渡し供給される。物品Pが供給された湾曲フィルムは、長手方向端縁部の重合面にセンタシール装置4のセンタシーラ24,24によりセンタシールが施されて筒状フィルムFtに形成される。更に、センタシール装置4の下流には回転、ボックスモーション又は上下往復動を行うエンドシーラ25,25から成るエンドシール装置5が配設されており、筒状フィルムFtが物品Pを挟む前後の位置おいてそれぞれエンドシール装置5によってエンドシール(組み込んだカッタによる切断も可能)が施されることにより、ピロー包装体Bpを製造する。横型製袋充填包装機の動作は従来周知のことであるので、これ以上の詳細な説明については省略する。
オートスプライサー6は、二つのフィルム供給源としての原反ロールFrA,FrBの一方から引き出されていた帯状フィルムがフィルム終わりに達したときに、その終端部を自動的に他方の原反ロールの帯状フィルムの始端部に接続(「紙継ぎ」という)して、帯状フィルムを途切れることなく連続してフィルム搬送装置3に引き出すための装置である。図1においては、オートスプライサー6は、フィルム終端部を切断するカッタ部41A,41Bと、その下流側において互いに対向して配置された圧着ローラ部42A,42Bとを備えている。オートスプライサー6においては、フィルム供給源である原反ロールFrA,FrB、カッタ部41A,41B、及び圧着ローラ部42A,42Bが左右対称に配設されている。また、図1に示す例では、新しい側の原反ロールFrBからの帯状フィルムFwBの始端部には両面粘着テープTaが付着されており、オートスプライサー6は、圧着ローラ部42A,42Bを作動させることで、フィルム終わりに達した原反ロールFrAからの帯状フィルムFwAの終端部を当該両面粘着テープTaに付着させて、両面粘着テープTaによる両帯状フィルムFwA,FrBの紙継ぎを行う。以下、オートスプライサー6における構成要素について左右を区別しない総称で表すときには、符号においてA,Bを用いないこととする。
図1〜図3に示すように、オートスプライサー6は、カッタ部41A,41B及び圧着ローラ部42A,42Bの他に、原反ロールFrA,FrBが装填されるロールホルダ軸43A,43Bと、原反ロールFrA,FrBからそれぞれ引き出された帯状フィルムFwA,FwBの走行を案内する複数のガイドローラ44aA,44bA;44aB,44bBから成る案内部44A,44Bと、帯状フィルムFwA,FwBを上面に沿って走行させるテーブル45A,45Bとを備えている。また、テーブル45A,45Bと圧着ローラ部42A,42Bには、走行案内とテンション付与のためのサクションボックス46A,46B及び47A,47Bが内蔵されており、サクションボックス46A,46B及び47A,47Bの表側プレート(テーブル45の場合にはテーブル表板、圧着ロール部42A,42Bの場合には後述する吸着プレート54A,54B)には吸着孔48A,48B及び49A,49Bが形成されている。
オートスプライサー6の作動は次のようなものである。即ち、それぞれのロールホルダ軸43A,43Bには、原反ロールFrA,FrBがセットされる。原反ロールFrA,FrBから引き出された帯状フィルムFwA,FwBは、複数のガイドローラ44aA,44bA;44aB,44bBから成る案内部44A,44Bを経由してテーブル45A,45B上を水平に移動し、テーブル45A,45Bの端部に位置するカッタ部41A,41Bを経て、圧着ローラ部42A,42Bに至る。ここで、先に使用する帯状フィルム(FwAとする)は下流へと引き回し、後で使用する帯状フィルム(FwBとする)は、その端部に両面粘着テープTaを貼り付けて待機させる(両面粘着テープTaの貼付け時期は紙継ぎを行う間近であってもよい)。帯状フィルムFwA,FwBが走行するテーブル45A,45Bの表側プレートには複数の吸着孔48A,48Bが形成されており、テーブル内部に設けられたサクションボックス46A,46Bが吸着孔48A,48Bを通じてエアを吸引することにより、帯状フィルムFwA,FwBがテーブル45A,45Bに吸着される。圧着ローラ部42A,42Bに備わる吸着プレート54A,54Bにも同様の複数の吸着孔49A,49Bが設けられており、帯状フィルムFwA,FwBが吸引される。吸着孔48A,49Aを通じてのエアの吸引による帯状フィルムFwAのプレート(テーブル45Aの表側プレート及び吸着プレート54A)への吸着は、帯状フィルムFwAの走行にとって抵抗として作用し、下流へ引き回される帯状フィルムFwAには適宜のテンションが付与される。
図4は、図2、図3に示すオートスプライサーに用いられる圧着ローラ部の構造を示す概略図であり、(a)は圧着ローラ部の上面図、(b)はその正面図である。図5は図4に示す圧着ローラ部の駆動部を図4に記したX方向から見た図である。そして、図6は図5に示す圧着ローラ部の駆動部の動作説明図であり、(a)は圧着ローラが開き状態にあるときを、また(b)は圧着ローラが閉じ状態にあるときを示す図である。なお、図4〜図7において、「圧着ローラ部42」は、圧着ローラ部42A,42Bの全体を指すものとする。
図4〜図6に示すように、圧着ローラ部42A,42Bは、オートスプライサー6の機械フレーム50にベアリング51A,51Bを介してそれぞれ回転自在に支持された回動軸52A,52Bを備えている。回動軸52Aには、それぞれ機械フレーム50の近傍の基端部と機械フレーム50から遠い先端部とにそれぞれブラケット53A,53Aが互いに平行になる態様で回動軸52Aに固定して設けられており、回動軸52Bについても同様に、それぞれ機械フレーム50の近傍の基端部と遠い側の先端部とにそれぞれブラケット53B,53Bが互いに平行になる態様で回動軸52Bに固定して設けられている。ブラケット53A,53A及びブラケット53B,53Bにはそれぞれ、帯状フィルムFwA,FwBが通過する上側にのみにおいて、ブラケット間に掛け渡される態様で吸着プレート54A,54Bが取り付けられている。吸着プレート54A,54Bには、それぞれ先述した吸着孔49A,49Bが形成されている。
ブラケット53A,53A;53B,53Bには、互いに接近・対向する側の端部間に圧着ローラ55A,55Bが回転自在に且つ互いに平行に支持されており、互いに遠い側の端部間にガイドローラ56A,56Bがそれぞれ回転自在に且つ圧着ローラ55A,55Bと平行に支持されている。圧着ローラ55A,55B及びガイドローラ56A,56Bは、帯状フィルムFwA,FwBを幅方向に充分ガイドするに足る長さを有しており、吸着プレート54A,54Bの吸着孔49A,49Bは帯状フィルムFwA,FwBを吸着できるように、フィルム幅内の領域に形成されている。したがって、帯状フィルムFwA,FwBは、ガイドローラ56A,56Bに案内され、吸着プレート54A,54Bに沿って延び、圧着ローラ55A,55Bの周りに案内される。
回転軸52A,52Bには、機械フレーム50の反端側に突き出た端部において、それぞれセクタギア57A,57Bが固定されている。セクタギア57A,57Bは互いに噛み合って配設されている。一方のセクタギア57Aには、駆動用エアシリンダ58の出力棒59の端部59aが連結部材60を介して連結されている。したがって、駆動用エアシリンダ58が作動すると、出力棒59及び連結部材60を介して一方のセクタギア57Aが回転軸52Aの軸線回りに回転軸52Aと共に回動し、セクタギア57Aに噛み合っている他方のセクタギア57Bは、セクタギア57Aの回動量と同じ回動量で回転軸52Bの軸線回りに回転軸52Bと共に反対方向に回転する。
図6に示すように、(a)の状態では圧着ローラ55A,55Bは互いに対して開いており非接触状態にある。帯状フィルムFwA,FwBのうち一方の帯状フィルムFwAが包装に使用中であるとしているので、帯状フィルムFwAは、ガイドローラ56Aを回転させながら案内され、吸着プレート54Aではエアが吸着孔49Aを通じて吸引されることで吸着プレート54Aに吸着されながらプレート表面に沿って走行し、圧着ローラ55Aの周りに案内されてフィルム搬送装置3に引き出される。待機中の帯状フィルムFwBは、ガイドローラ56Bに掛かり、吸着プレート54Bにおいてはエアが吸着孔49Bを通じて吸引されることでプレート表面に吸着されながら保持され、先端部が圧着ローラ55Bに掛かった状態にある。
使用中の帯状フィルムFwAがフィルム終わりに達すると、駆動用エアシリンダ58が作動する。回動軸52A,52Bがそれぞれ図6において時計回り、反時計回りに回動して、圧着ローラ部42A,42Bは(b)に示す状態になる。即ち、ブラケット53A,53A;ブラケット53B,53Bも同じ方向に回動し、圧着ローラ55A,55Bが互いに接触するような位置に前進し、待機中の帯状フィルムFwBの先端部に貼り付けてある両面粘着テープTaが使用中の帯状フィルムFwAに押し付けられて、帯状フィルムFwAに帯状フィルムFwBが紙継ぎされる。同時に、ガイドローラ56A,56Bは、圧着ローラ55A,55Bの前進とは逆に、互いに遠ざかる方向に後退するので、回動軸52A,52Bの回動の前後の間で、圧着ローラ部42A,42Bにそれぞれ掛けられている帯状フィルムFwA,FwBには伸縮が生ぜず、張力にも実質的な変動が生じない。したがって、紙継ぎの際に、帯状フィルムFwA,FwBにストレスが殆どかからず、貼り付け動作に起因する貼合わせ位置のずれが生じない。
図7〜図10は、図2、図3に示すオートスプライサーに用いられるカッタ部を示す図である。図7は当該カッタ部の概略構造を示す斜視図であり、図8は図7に示すカッタ部の断面図であり、図9は図8に示すカッタ部の動作を説明する図であり、図10は図7に示すカッタ部のカバーの開閉を説明する図である。図7ではAとBの系統を区別して記載するが、図8〜図10においては、A,Bの系統を区別せず総称する符号を用いて説明をする。A及びBの各系統で、動作する時期は別であるが、同様の構造を備えており、同じ内容で動作をすることは明らかである。
図7に示すように、圧着ローラ部42A,42Bのそれぞれ左右方向外側には、テーブル45A,45Bが水平に延びる態様で配設されており、テーブル45A,45Bの帯状フィルムFwA,FwBが走行する上面には吸着孔48A,48Bが開いている。カッタ部41A,41Bは、テーブル45A,45B上の圧着ローラ部42A,42B寄りで且つ吸着孔48A,48Bが開いていない部分に、テーブル45A,45Bを横切る方向、即ち圧着ローラ部42A,42Bの軸線方向と平行に配設されている。カッタ部41A,41Bに対応して、それぞれテーブル45A,45Bには、スリット61A,61Bが上下に貫通し且つテーブル45A,45Bを横切る方向に延びる態様で形成されている。
カッタ部41A,41Bは、帯状フィルムFwA,FwBの下側に配置された下側部材として、凸部材66A,66B及びカッタ刃63A,63Bを備えている。また、カッタ部41A,41Bは、帯状フィルムFwA,FwBの上側に配置された上側部材として、凹部材62A,62B、カバー64A,64B及びベース部材65A,65Bを備えている。下側に配置された凸部材66A,66B及びカッタ刃63A,63Bはスリット61A,61B内に上下動可能である。上側部材の要素として配置されたカバー64A,64Bは、スリット61A,61Bを覆うように開閉可能である。ベース部材65A,65Bは当該カバー64A,64B内に取り付けられており、また、凹部材62A,62Bは、当該ベース部材65A,65Bを介してカバー64A,64Bに取り付けられている。凹部材62A,62Bは、下に向かって凹となっていて、帯状フィルムFwA,FwBが走行できる隙間を残して、下側部材の凸部材66A,66Bと凹凸嵌合可能となっている。カバー64A,64Bは、テーブル45A,45Bに対して、止め金具67A,67Bによって取り外し可能に掛け止めされている。
図8、図9に示すように、カッタ部41においては、テーブル45のスリット61の下方にカッタ駆動エアシリンダ68が配設されている。カッタ刃63はカッタ駆動エアシリンダ68の出力部材69に対して直接に取り付けられているが、凸部材66は当該出力部材69に対して弾性部材としてのスプリング70を介して取り付けられている。カッタ刃63は、スリット61内で、凸部材66に対してフィルム搬送方向下流側で且つ凸部材66と平行に配置されており、且つ上側の凹部材62に対しても、フィルム搬送方向下流側にあって凸部材66との凹凸嵌合時に互いに干渉しないように構成されている。
図8に断面図として示すカッタ部41は、カッタ駆動エアシリンダ68がアクティブになっていない状態にあり、帯状フィルムFwは、走行中も待機中も、吸着孔48を通じての吸引によりテーブル45上に吸着されている状態にある。凸部材66は帯状フィルムFwの直下に位置しており、カッタ刃63の刃先は帯状フィルムFwから僅かに下方に位置している。カバー64及び凹部材62は、帯状フィルムFwの直上に位置している。
図9は、図8に示すカッタ部41において、カッタ駆動エアシリンダ68がアクティブとされた状態を示している。カッタ駆動エアシリンダ68の出力によって、凸部材66がスプリング70を圧縮させながら、帯状フィルムFwを凹部材62に向かって押し上げている。帯状フィルムFwは、凹部材62と凸部材66との嵌合の際に間に残される凹凸の隙間Gに押し込まれて凹凸変形するように形状は拘束されるが、凹凸隙間G内におけるフィルムFwの走行については拘束することなく、移動可能である。即ち、帯状フィルムFwは圧着ローラ部42A,42Bにおいて吸着保持されており、その状態で凸部材66と凹部材62とが帯状フィルムFwを挟み込みながら互いに接近するときに、凸部材66と凹部材62との間に形成される経路が長くなる。したがって、帯状フィルムFwの凹凸変形は引っ張り変形となり、結果的に、凸部材66と凹部材62とはこの経路を走行する帯状フィルムFwに張力を付与するテンション付与機構の機能を有する。当該経路を走行する帯状フィルムFwには張力が付与される状態になり、カッタ刃63は張力付与状態で帯状フィルムFwを切断することになるので、その切断が容易になる。また、カッタ部41は、構造簡易な直動式構造でよいので、調達コストも安価で済む。
帯状フィルムFwには、カッタ部41とその近傍(カッタ部41と圧着ローラ部42A,42Bとの間)において局所的に張力が発生する。即ち、凹部材62の下端内縁部分62aと圧着ローラ部42A,42Bとの間に延びるフィルム部分には、張力が発生している状態となる。このフィルム部分は凹部材62の下端で押えられているのでテーブル45の上面から浮き上がることもない。カッタ刃63は、この局所的に張力が発生したフィルム部分に対して下方から押し当てられて、帯状フィルムFwを切断する。帯状フィルムFwは、張力で引っ張られ且つ上方から凹部材62で押えられた状態にあるので、カッタ刃63によるフィルムの切断に失敗が無い。切断のためのカッタ刃63の上昇動作中においては、凹部材62が凸部材66との間に残される隙間Gに帯状フィルムFwを既に押し込んでいるので、カッタ刃63と凹部材62との相対変位はスプリング70の更なる圧縮で吸収される。
図10には、カッタ部41において、カバー64をスリット61に対して開閉するための開閉機構71が示されている。図10(a)は開閉機構71が閉じている状態を示す図であり、同(b)は開閉機構71が開いた状態を示す図である。開閉機構71は、カバー64の長手方向の一端部側に配置されている機械フレーム50に関して設けられている。即ち、カバー64は機械フレーム50の一側に配設されており、ベース部材65は機械フレーム50に設けられた貫通孔50aを貫いて、機械フレーム50の反対側にまで延びている。ベース部材65は、機械フレーム50に取り付けられたホルダ72に対して旋回軸72aによって旋回可能に支持されている。機械フレーム50にはまた、保持部材73が取り付けられており、保持部材73の端部73aとベース部材65の旋回軸72aを越えて延びた端部65aとの間に、ダンパ74が回動自在に取り付けられている。ダンパ74は自身の長さが伸びるように付勢されており、カバー64をテーブル45に止め掛けている止め金具67を取り外すと、ダンパ74の伸長作用によってベース部材65はカバー64及び凸部材66とともに図10(b)に示すように跳ね上げられる。
図10(b)に示す状態では、テーブル45よりも上方に位置していたカバー64、ベース部材65及び凸部材66は跳ね上げられている。その開き状態では、テーブル45上に邪魔な部材が居なくなるので、帯状フィルムFwをテーブル45上にセットしやすくなり、また逆に、テーブル45上に残る帯状フィルムFwを取り除くことが容易になる。帯状フィルムFwをテーブル45上にセットした後、ダンパ74の伸長力に抗して、カバー64、ベース部材65及び凸部材66を押し下げ、カバー64に止め金具67を係止させることにより、カッタ部41の上側構造についてテーブル45へのセットが完了する。
図11〜図13には、本横型製袋充填包装機のオートスプライサーにおける帯状フィルムのフィルム終了の検出とそれに基づく帯状フィルムの自動紙継ぎ動作が示されている。図11は原反ロール保持部におけるフィルム終了の検出の一例を説明する斜視図であり、図12はフィルム終了の検出から帯状フィルムの自動紙継ぎまでを制御する制御装置の一例を示すブロック図であり、図13は図12に示す帯状フィルムの自動紙継ぎの制御動作の一例を示す動作チャート図である。図11、図12においては、A,Bを区別せず総称する符号を用いて説明をする。A側及びB側で、動作する時は異なるが、同様の構造・動作内容を有することは明らかである。
図11は、フィルム終了を原反ロールの保持部において検出する構成例を示す斜視図である。原反ロールFrを支持するロールホルダ軸(巻取り軸)43は、機械フレーム50に回転自在に支持されており、機械フレーム50を貫通して原反ロールFrの支持側とは反対側に延びる端部81を有している。フィルム終了検出部80は、ロールホルダ軸43の端部81に設けられている。フィルム終了検出部80は、端部81の端面に設けられており周囲に複数の突起が並んだパルス発生円板82と、パルス発生円板82に近接して配置されていて突起の通過に応じてパルスを発生させるセンサ83と、端部81に巻き掛けられてロールホルダ軸43にブレーキを掛けるブレーキバンドとしての皮ベルト84とを備えている。
図12には、図11に示すフィルム終了検出部によるフィルム終了の検出から帯状フィルムの自動紙継ぎまでを制御する制御装置の一例のブロック図が示されている。皮ベルト84によるブレーキによって、常時、負荷が掛けられているロールホルダ軸43が回転するとき、センサ83は回転するパルス発生円板82の突起の通過を検出してホルダ軸パルス信号Spを出力する。帯状フィルムFwが原反ロールFrからその終端に達した時にセンサ83が検出する終了検出信号Seは制御部90に入力される。制御部90は、圧着ローラ部42(42A,42B)を駆動するためのエアシリンダ58への圧着ローラ作動信号Srと、フィルム終了した帯状フィルムを切断するカッタ駆動エアシリンダ68へのカッタ作動信号Scと、サクションボックス46A,46B;47A,47Bに関して設けられている吸着ブロワ(図示せず)を運転する吸着動作用ブロアの吸着作動信号Sbとを出力する。
図13は、図12に示す制御ブロックにおける主要部分の信号状態を示す信号動作チャートである。吸着ブロワ(図示せず)を運転する吸着ブロワについては、図13(f)に吸着ブロワ動作信号Sbに示されているように、包装機運転中は、原則、動作ONとされている。したがって、帯状フィルムFwA,FwBは、使用中のもの及び待機中のもののどちらも、テーブル45A,45Bにおいては吸着孔48A,48Bを通じて、また圧着ローラ部42A,42Bにおいては吸着孔49A,49Bを通じてエアが吸引されることによってプレート表面に吸着されるので、テーブル45A,45Bや圧着ローラ部42A,42Bからの浮き上がり、ばたつき等の不安定な挙動をすることがない。
図13(a)に示すように、原反ロールFrの帯状フィルムFwがその終端にまで達していないときには、帯状フィルムFwはブレーキ等の負荷によって常に抵抗が付与された状態で引き出されるので、ロールホルダ軸43は回転し、センサ83は回転するパルス発生円板82の突起の通過を検出しホルダ軸パルス信号Spを出力する。帯状フィルムFwが原反ロールFrからその終端に達した場合には、帯状フィルムFwの引き出しによるロールホルダ軸43を回転させる力が無くなるので、ブレーキ(皮ベルト84)による負荷によってロールホルダ軸43の回転が停止し、センサ83からはパルス信号が出力されなくなる。したがって、センサ83からのパルス信号が途絶えて終了判断区間Td以上の時間に亙って出力されないときには、図13(b)に示すように、制御部90は、帯状フィルムFwの引出しが終了したとして終了検出信号Seを生成する。これに代えて、センサ83にそのような判断と終了検出信号Seの出力機能を持たせて、終了検出信号Seを制御部90に送ることもできる。
図13(c)に示すように、包装に使用中であって等速で走行される帯状フィルムFwについては、そのレジマークを検出するセンサ(図示せず)が、一定時間間隔でレジマーク信号Smを出力し続けている。制御部90は、図13(d)に示すように、終了検出信号Seが出力(ON)されてから、レジマーク信号Smとのタイミングを考慮して定められる模様合わせ区間Tmの経過に符合させて、圧着ローラ動作信号Srを所定期間に亙ってONとする。したがって、その所定期間、圧着ローラ部42は、図6に基づいて説明したような圧着動作を行って帯状フィルムの自動紙継ぎ動作を実行する。制御部90は、更に、図13(e)に示すように、圧着ローラ動作信号がONとなってから貼り合わせ待ち時間Twの経過後に、カッタ部41A,41Bにおいてカッタ駆動エアシリンダ68を駆動するカッタ動作信号Scを出力(ON)とし、フィルム終了となった帯状フィルムの余剰なフィルム部分をカットする。
図14は、本発明による横型製袋充填包装機のオートスプライサーの実施例について、その一連の動作を説明する図である。圧着ローラ部については、圧着ローラ55A,55Bとガイドローラ56A,56Bのみを模式的に示す。図14(a)は、帯状フィルムFwAを包装に使用していて、その終端部FEAが圧着ローラ部に接近した状態を示している。新しい帯状フィルムFwBは、その始端部FSBにおいて両面粘着テープTaの一方の接着面が接着された状態で、圧着ローラ55Bに掛かった状態で保持されている。図14(b)に示すように、圧着ローラ部が作動し、両圧着ローラ55A,55Bが互いに接近して、両面粘着テープTaの他方の接着面が帯状フィルムFwAに付着される。次に、図14(c)に示すように、圧着ローラ55A,55Bが接近した状態のまま帯状フィルムFwA,FwBが紙継ぎされたところでカッタ41Aが作動し、帯状フィルムFwAが圧着ローラ55Aの上流位置において切断される。そして、図14(d)に示すように、帯状フィルムFwAの残余部Fsが残された状態で、両面粘着テープTaで紙継ぎされた新しい帯状フィルムFwBが帯状フィルムFwAに連続して送り出される。
以上のように、横型製袋充填包装機のオートスプライサーの実施例とその作動について説明したが、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない限り、実施例における種々の構成及び動作について、変更や追加を図ることができるのは言うまでもない。例えば、互いに噛み合うセクタギア57を用いているが、これに代えて、回動の向きは逆であるが回動量が同じになるようなリンク機構を用いてもよいことは明らかであるし、駆動源としてエアシリンダ58,68を使用したが、これらに代えて、モータや電磁アクチュエータを用いてもよいことは明らかである。また、ブラケット53については細長い板とし、圧着ローラとガイドローラとを180度、互いに反対側に配置したが、両ローラを回動軸に対して必ずしも180度反対側でなくても良い。更に、開閉機構71についても、図示した例にとらわれることはなく、跳ね上がるように付勢された構造を備えれば良い。カッタ部41においても、上側に凹部材62を、下側に凸部材66を配置したが、テーブル45の上面から浮き上がることなく隙間を通る経路を長くし帯状フィルムに張力を生じればよいので、凹凸の各部材について、適宜変更してもよい。更に、フィルム終了を検出する方法については、本実施例に限らずいかなる方法で検出してもよい。