JP5955090B2 - 高周波発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、逆相または同相で発振動作を行う高周波発振器に関し、特にその低位相雑音化に関するものである。
従来、逆相で発振動作を行う高周波発振器としてプッシュプッシュ発振器がある。このようなプッシュプッシュ発振器は、同一の特性を持つ2つの能動回路と基本波で1/2波長の伝送線路を備え、この伝送線路の両端に2つの能動回路が接続されている。2つの能動回路は1/2波長離れた点に接続されているため、逆相で動作する。そのため、伝送線路の中点は仮想短絡点とみなすことができ、2つの能動回路はそれぞれ先端短絡の1/4波長伝送線路が接続された構成と等価となる。
1つの能動回路と先端短絡1/4波長伝送線路で構成される発振器は、発振条件を満足することで、能動回路による高周波雑音の増幅と、能動回路の周波数特性と先端短絡1/4波長伝送線路の共振特性による周波数選択を繰り返し、発振動作を行う。能動回路と共振器との接続点から共振器をみた反射位相は共振周波数で0°であるので、能動回路側をみた反射位相が前記共振周波数で0°であるとき、発振周波数は共振周波数と概略等しくなる。
以上から、上述した2つの能動回路は逆相で発振動作を行う。また、2つの能動回路の出力を接続することで、その中点では基本波は短絡点となり、2倍波は開放点となることから、基本波および奇数次高調波を抑圧し、偶数次高調波を出力することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−323931号公報
従来のプッシュプッシュ発振器などの逆相で発振動作を行う発振器においては、所望の発振周波数で1/2波長となる伝送線路(共振器)の両端に能動回路を接続していたため、共振器の外部Qが低く、位相雑音が高いという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、共振器の外部Qを高くし、位相雑音を低減することができる逆相または同相で発振動作を行う高周波発振器を提供することを目的とする。
この発明に係る高周波発振器は、同一の構成である第1および第2の能動回路と、発振周波数で1/4波長の整数倍となる伝送線路共振器とを備え、第1の能動回路の第1の端子は伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、第2の能動回路の第1の端子は伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、第1の接続点と第2の接続点は逆相または同相となる点であるようにするとともに、発振周波数における短絡点のうち直流における短絡点を除く少なくとも1つの短絡点にバイアス回路を接続したものである。
この発明の高周波発振器は、同一の構成である第1および第2の能動回路と、発振周波数で1/4波長の整数倍となる伝送線路共振器を備え、第1の能動回路の第1の端子は伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、第2の能動回路の第1の端子は伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、第1の接続点と第2の接続点は逆相または同相となる点であるようにするとともに、発振周波数における短絡点のうち直流における短絡点を除く少なくとも1つの短絡点にバイアス回路を接続したので、共振器の外部Qを高くし、位相雑音を低減することができる逆相または同相で発振動作を行う高周波発振器を得ることができる。
この発明の実施の形態1による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態2による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態2による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態2による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態2による他の高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態3による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態4による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態4による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態4による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態5による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態5による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態5による他の伝送線路共振器の動作を示す図である。 この発明の実施の形態1から5による能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態1から5による他の能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態1から5による他の能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態1から5による他の能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態1から5による他の能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態1から5による他の能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による他の高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による他の高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態6から7による能動回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態8による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態8による他の高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態9による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態9による伝送線路共振器と可変容量素子の他の接続を示す構成図である。 この発明の実施の形態9による伝送線路共振器と可変容量素子の他の接続を示す構成図である。 この発明の実施の形態9による伝送線路共振器と可変容量素子の他の接続を示す構成図である。 この発明の実施の形態9による伝送線路共振器と可変容量素子の他の接続を示す構成図である。 この発明の実施の形態10による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態11による高周波発振器を示す構成図である。 この発明の実施の形態12による高周波発振器を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による高周波発振器を示す構成図である。
図1に示す高周波発振器は、第1の能動回路11、第2の能動回路12、伝送線路共振器2を備えている。第1の能動回路11と第2の能動回路12とは同一の構成である。伝送線路共振器2は発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器であり、その短絡点3からそれぞれΔL(所定の距離)だけ離れた接続点21と接続点22に、第1の能動回路11の第1の端子41と第2の能動回路12の第1の端子42がそれぞれ接続されている。接続点21と接続点22とは伝送線路共振器2において異なる点である。なお、51、52は、それぞれ第1の能動回路11および第2の能動回路12の第2の端子(出力側端子)である。
次に、実施の形態1の動作について説明する。
図2に示すように、1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2には実線で示される定在波が立つ。破線は定在波の逆相を示している。伝送線路共振器2の短絡点3からそれぞれ逆方向に同じ距離ΔLだけ離れた点(○と□)は、○と●が逆相、●と□が同相であることから、共振周波数において逆相の関係にあることが分かる。したがって第1の能動回路11および第2の能動回路12との接続点が1/2波長伝送線路の両端でなくとも、第1の能動回路11による発振動作と第2の能動回路12による発振動作は逆相の関係となる。
このとき、第1の能動回路11には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点21からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端a側が容量性、短絡点3側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21が短絡点3に近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
同様に、第2の能動回路12には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端b側が容量性、短絡点3側が誘導性となり並列共振特性を示す。接続点22が短絡点3に近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態1によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができる。
なお、図1の構成においては、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2としたが、概略1/4波長の偶数倍(4,6,8,・・・)となる両端開放または両端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
また、伝送線路共振器2は図3から図5のようであっても、同様に効果が得られる。第1、第2の能動回路11、12との接続点21、22は、短絡点からΔL離れた点(○と□)である。即ち、図3の構成は、発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aからの距離がΔLとなるそれぞれ異なる点を接続点21と接続点22とにしたものである。また、図4の構成は、発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aから開放端a側にΔLだけ離れた点を接続点21とし、第2の短絡点3bから開放端a側にΔLだけ離れた点を接続点22にしたものである。さらに、図5の構成は、発振周波数で1波長となる両端短絡の伝送線路共振器2の第1の短絡点(短絡端a)3aから短絡端b側にΔLだけ離れた点を接続点21とし、第2の短絡点3bから短絡端b側にΔLだけ離れた点を接続点22にしたものである。
また、伝送線路共振器2は図6のように概略1波長またはその整数倍(1/4波長の4倍,8倍,12倍,・・・)の波長のリング共振器であっても、同様に効果が得られる。なお、図6中、下側の図は短絡点3bで切断して展開した状態を示している。第1、第2の能動回路11、12との接続点21、22は任意であり、接続点21、22の中間が短絡点となる。したがって、接続点21、22は短絡点からそれぞれΔLだけ離れた点であるため、発振条件を満足する範囲で接続点21、22が近いほど位相雑音が低減する。
また、図7に示すように、伝送線路151、152を介して第1の能動回路11と第2の能動回路12のそれぞれの第2の端子51と52を接続し、その中点から偶数次の高調波を取り出しても良い。なお、図7において、伝送線路151は第1の能動回路の第2の端子51側の伝送線路、伝送線路152は第2の能動回路の第2の端子52側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による高周波発振器を示す構成図である。
図において、第1の能動回路11と第2の能動回路12は同一の構成である。第1の能動回路11は発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aからΔLだけ離れた接続点21に接続され、第2の能動回路12は第2の短絡点3bからΔL離れた接続点22に接続されている。その他の構成については、図1と同様であるので重複する説明を省略する。
次に、実施の形態2の動作について説明する。
図9に示すように、1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aから開放端a側にΔL離れた接続点21と第2の短絡点3bから開放端b側にΔL離れた接続点22は、共振周波数において同相の関係にあることが分かる。したがって第1の能動回路11による発振動作と第2の能動回路12による発振動作は同相の関係となる。
このとき、第1の能動回路11には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと同様となる。接続点21からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端a側が容量性、第1の短絡点3a側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21が第1の短絡点3aに近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
同様に、第2の能動回路12には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと同様となる。接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端b側が容量性、第2の短絡点3b側が誘導性となり並列共振特性を示す。接続点22が第2の短絡点3bに近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態2によれば、第1の能動回路11が発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aから開放端a側にΔLだけ離れた接続点21に接続され、第1の能動回路11と同一の構成である第2の能動回路12が第2の短絡点3bから開放端b側にΔLだけ離れた接続点22に接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を同相で得ることができる。
なお、図8の構成においては、発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2としたが、概略1/4波長の偶数倍(6,8,10,・・・)となる両端開放および1/4波長の偶数倍(2,4,6,・・・)となる両端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
また、伝送線路共振器2は図10から図12のようであっても、同様に効果が得られる。即ち、図10の構成は、発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aから第2の短絡点3b側にΔLだけ離れた点を接続点21とし、第2の短絡点3bから第1の短絡点3a側にΔLだけ離れた点を接続点22としたものである。また、図11の構成は、発振周波数で1/2波長となる両端短絡の伝送線路共振器2における短絡端a,bである第1の短絡点3aおよび第2の短絡点3bからそれぞれΔLだけ離れた点をそれぞれ接続点21と接続点22にしたものである。さらに、図12の構成は、発振周波数で1波長となる両端短絡の伝送線路共振器2における短絡端aである第1の短絡点3aからΔLだけ離れた点を接続点21とし、中心に位置する第2の短絡点3bから第1の短絡点3a側にΔLだけ離れた点を接続点22にしたものである。
また、実施の形態2においても、図13に示すように、伝送線路151、152を介して第1、第2の能動回路11、12のそれぞれの第2の端子51、52を接続し、その中点から基本波または高調波を取り出しても良い。なお、図13において、伝送線路151は第1の能動回路の第2の端子51側の伝送線路、伝送線路152は第2の能動回路の第2の端子52側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態3.
図14はこの発明の実施の形態3による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で3/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2の第1の短絡点(開放端側の短絡点)3aからΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は異なる点である。なお、第2の短絡点3bは短絡端である。
次に、実施の形態3の動作について説明する。
図15に示すように、3/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2には実線で示される定在波が立つ。破線は定在波の逆相を示している。伝送線路共振器2の短絡点3aからそれぞれ逆方向に同じ距離ΔLだけ離れた点(○と□)は、○と●が逆相、●と□が同相であることから、共振周波数において逆相の関係にあることが分かる。したがって第1の能動回路11による発振動作と第2の能動回路12による発振動作は逆相の関係となる。
このとき、第1の能動回路11には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点21からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端側が容量性、第1の短絡点3a側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21が第1の短絡点3aに近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
同様に、第2の能動回路12には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと同様となる。接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放点側が容量性、第1の短絡点3a側が誘導性となり並列共振特性を示す。接続点22が第1の短絡点3aに近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態3によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で3/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2の第1の短絡点3aからΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができる。
なお、図14の構成においては、発振周波数で3/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2としたが、概略1/4波長の奇数倍(3,5,7,・・・)となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
また、伝送線路共振器2は図16のようであっても、同様に効果が得られる。第1の能動回路11との接続点21は第1の短絡点3aから開放端側へΔL離れた点(○)であり、第2の能動回路12は第2の短絡点3b(短絡端)からΔL離れた点(□)である。
さらに、図7の構成と同様に、伝送線路151、152を介して第1の能動回路11と第2の能動回路12におけるそれぞれの第2の端子51、52を接続し、その中点から偶数次の高調波を取り出しても良い。なお、伝送線路151は第1の能動回路の第2の端子51側の伝送線路、伝送線路152は第2の能動回路の第2の端子52側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態4.
図17はこの発明の実施の形態4による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12とは、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されている。また、接続点21と接続点22は同じ点である。
次に、実施の形態4の動作について説明する。
図18に示すように、1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2には実線で示される定在波が立つ。伝送線路共振器2の短絡点3から距離ΔLだけ離れた同じ点(○)に第1の能動回路11と第2の能動回路12が接続されるため、第1の能動回路11による発振動作と第2の能動回路12による発振動作は同相の関係となる。
このとき、第1の能動回路11および第2の能動回路12には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと同様となる。接続点21および接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端a側が容量性、短絡点3側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21および接続点22が短絡点3に近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態4によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた同じ接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を同相で得ることができる。
なお、図17の構成においては、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2としたが、概略1/4波長の偶数倍(2,4,6,・・・)となる両端開放または両端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
また、伝送線路共振器2は図19や図20に示すものであっても、同様な効果が得られることが明らかである。即ち、図19の構成は、発振周波数で1波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からの距離がΔLとなる同一の点を接続点21と接続点22とにしたものである。また、図20の構成は、1/2波長となる両端短絡の伝送線路共振器2の短絡点(短絡端3からの距離がΔLとなる同一の点を接続点21と接続点22とにしたもの)である。
さらに、図13の構成と同様に、伝送線路151、152を介して第1の能動回路11と第2の能動回路12における第2の端子51、52を接続し、その中点から基本波または高調波を取り出しても良い。なお、伝送線路151は第1の能動回路の第2の端子51側の伝送線路、伝送線路152は第2の能動回路の第2の端子52側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態5.
図21はこの発明の実施の形態5による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で1/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は同じ点である。
次に、実施の形態5の動作について説明する。
図22に示すように、1/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2には実線で示される定在波が立つ。伝送線路共振器2の短絡点3から距離ΔLだけ離れた同じ点(○)に第1の能動回路11と第2の能動回路12が接続されるため、第1の能動回路11による発振動作と第2の能動回路12による発振動作は同相の関係となる。
このとき、第1の能動回路11および第2の能動回路12には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点21および接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端側が容量性、短絡点3側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21および接続点22が短絡点3に近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態5によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた同じ接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を同相で得ることができる。
なお、図21の構成においては、発振周波数で1/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2としたが、概略1/4波長の奇数倍(3,5,7,・・・)となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
また、伝送線路共振器2は図23や図24のようであっても、同様な効果であることは明らかである。これらの構成は、発振周波数で3/4波長となる片側開放片側短絡の伝送線路共振器2の例であり、図23の構成は短絡点3から開放端側にΔLだけ離れた点を接続点21および接続点22とし、図24の構成は短絡点3から短絡端側にΔLだけ離れた点を接続点21および接続点22としたものである。
さらに、図13の場合と同様に、伝送線路151、152を介して第1の能動回路11と第2の能動回路12における第2の端子51、52を接続し、その中点から基本波または高調波を取り出しても良い。なお、伝送線路151は第1の能動回路の第2の端子51側の伝送線路、伝送線路152は第2の能動回路の第2の端子52側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態1から実施の形態5において、第1の能動回路11および第2の能動回路12としては、例えば、図25および図26のような直列帰還形発振器に用いる能動回路の構成、図27のような並列帰還形(コルピッツ、ハートレー形など)発振器に用いる能動回路の構成が挙げられる。また、逆相動作の場合は図28のように短絡端同士を接続しても良く、同相動作の場合は図29のように開放端同士を接続しても良い。また、トランジスタ(第1の能動素子61、第2の能動素子62)は、図25のように電界効果トランジスタ(MES−FETやMOS−FETなど)でも良く、図30のようにバイポーラトランジスタでも良い。なお、図25〜図30において、71,72,81,82,91,92はリアクタンス素子または回路を示している。
能動回路は、共振器とともに所望の発振周波数でループ利得が0dB以上、ループ位相が0度となるように設計される。
実施の形態6.
図31はこの発明の実施の形態6による高周波発振器を示す構成図である。
図において、能動回路101はクロスカップル型の能動回路である。能動回路101の一方の第1の端子111と他方の第1の端子112は発振周波数で3/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2の短絡点(第1の短絡点)3aからΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されている。その他の構成については、図1と同様であるので重複する説明を省略する。また、実施の形態6においても、概略1/4波長の奇数倍(3,5,7,・・・)となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
次に、実施の形態6の動作について説明する。
図15に示すように、1/2波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2には実線で示される定在波が立つ。破線は定在波の逆相を示している。伝送線路共振器2の第1の短絡点3aからそれぞれ逆方向に同じ距離ΔLだけ離れた点(○と□)は、共振周波数において逆相の関係にあることが分かる。
このとき、能動回路101の一方の第1の端子111には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点21からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端側が容量性、短絡点3a側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21が短絡点3aに近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
同様に、能動回路101の他方の第1の端子112には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放点側が容量性、短絡点3a側が誘導性となり並列共振特性を示す。接続点22が短絡点3aに近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態6によれば、クロスカップル型の能動回路101が、発振周波数で3/4波長となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器2の短絡点3aからΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができる。
また、伝送線路共振器2は図16のようであっても、同様に効果が得られる。能動回路101との接続点は、短絡点からΔL離れた点(○と□)である。
さらに、図32に示すように、伝送線路151、152を介して能動回路101の一方の第2の端子(第1の出力端子)121と他方の第2の端子(第2の出力端子)122を接続し、その中点から偶数次の高調波を取り出しても良い。なお、伝送線路151は第1の出力端子121側の伝送線路、伝送線路152は第2の出力端子122側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態7.
図33はこの発明の実施の形態7による高周波発振器を示す構成図である。
図において、能動回路101はクロスカップル型の能動回路である。能動回路101の一方の第1の端子111と他方の第1の端子112は発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されている。その他の構成については、図1および図31と同様であるので重複する説明を省略する。また、実施の形態7においても、概略1/4波長の偶数倍(2,4,6,・・・)となる両端開放または両端短絡の伝送線路共振器2に対して同様に適用可能である。
次に、実施の形態7の動作について説明する。
図2に示すように、1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2には実線で示される定在波が立つ。破線は定在波の逆相を示している。伝送線路共振器2の短絡点3からそれぞれ逆方向に同じ距離ΔLだけ離れた点(○と□)は、共振周波数において逆相の関係にあることが分かる。
このとき、能動回路101の一方の第1の端子111には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点21からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端a側が容量性、短絡点3側が誘導性となり並列共振特性を示す。並列共振では、容量性が大きく、誘導性が小さいほうが、外部Qは高いため、接続点21が短絡点3に近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
同様に、能動回路101の他方の第1の端子112には、片端開放片端短絡の1/4波長伝送線路共振器が伝送線路の途中で接続(タップ結合)されていることと等価となる。接続点22からみて、1/4波長伝送線路共振器の開放端b側が容量性、短絡点3側が誘導性となり並列共振特性を示す。接続点22が短絡点3に近いほど外部Qが高く、位相雑音が低減する。
以上のように、実施の形態7によれば、クロスカップル型の能動回路101が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができる。
また、伝送線路共振器2は図3から図5のようであっても、同様に効果が得られる。能動回路1との接続点は、短絡点からΔL離れた点(○と□)である。
また、伝送線路共振器2は図6のように概略1波長またはその整数倍(1/4波長の4倍,8倍,12倍,・・・)の波長のリング共振器であっても、同様に効果が得られる。第1、第2の能動回路11、12との接続点21、22は任意であり、接続点21、22の中間が短絡点となる。したがって、接続点21、22は短絡点からそれぞれΔLだけ離れた点である。
さらに、図34に示すように、伝送線路151、152を介して能動回路101の一方の第2の端子(第1の出力端子)121と他方の第2の端子(第2の出力端子)122を接続して、その中点から偶数次の高調波を取り出しても良い。なお、伝送線路151は第1の出力端子121側の伝送線路、伝送線路152は第2の出力端子122側の伝送線路であり、電気長は等しい。
実施の形態6と実施の形態7において、能動回路101としては、例えば図35(a)のようなクロスカップル形の能動回路の構成が挙げられる。また、トランジスタ(第1の能動素子61、第2の能動素子62)は図35(a)のようにバイポーラトランジスタでも良く、図35(b)のように電界効果トランジスタ(MES−FETやMOS−FETなど)でも良い。なお、図中、111、112は能動回路101の一方の第1の端子、他方の第1の端子、121,122は能動回路101の一方の第2の端子(第1の出力端子),他方の第2の端子(第2の出力端子)、131は電流源、141,142はキャパシタを示している。
能動回路101は、共振器と共に所望の発振周波数でループ利得が0dB以上、ループ位相が0度となるように設計される。
実施の形態8.
図36はこの発明の実施の形態8による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は異なる点である。第1の能動回路11と第2の能動回路12はそれぞれ可変容量素子171、172を備えている。
次に、実施の形態8の動作について説明する。
基本となる動作は、実施の形態1と同様である。実施の形態1の動作に加えて、第1の能動回路11と第2の能動回路12が備える可変容量素子171,172を電圧により制御することで可変容量素子171,172の容量値が変化し、発振条件を満足する発振周波数が変化する。
以上のように、実施の形態8によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができ、かつ可変容量素子171、172の制御により発振周波数を可変できる。
また、図37のように、リアクタンス回路81,82に可変容量素子181、182を接続しても良く、第1、第2の能動回路11、12の第1の端子41、42からみた能動回路側の反射位相が可変容量素子により制御される構成であれば発振周波数を可変できる。
また、実施の形態2から実施の形態7においても、同様に能動回路に可変容量素子を備えることで、発振周波数を可変でき、低位相雑音の出力を逆相または同相で得ることができる。
また、図25から図30または図35に示した能動回路に可変容量素子を備えた構成でも良い。
実施の形態9.
図38はこの発明の実施の形態9による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は異なる点である。また、伝送線路共振器2には伝送線路201、202を介して可変容量素子191、192が接続されている。
次に、実施の形態9の動作について説明する。
基本となる動作は、実施の形態1と同じである。実施の形態1の動作に加えて、可変容量素子191、192は伝送線路201、202によりインピーダンスが変換され高インピーダンスとなる。より分かりやすい例としては、可変容量素子とインダクタで構成される直列共振器を1/4波長伝送線路により短絡から開放にインピーダンスを変換することである。電圧により可変容量素子191、192を制御することで可変容量素子191、192の容量値が変化し、発振条件を満足する発振周波数が変化する。発振周波数の変化幅は伝送線路201,202が伝送線路共振器2に接続される位置に依存し、短絡点3に近いほど変化幅は小さくなる。
以上のように、実施の形態9によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができ、かつ可変容量素子191、192の制御により発振周波数を可変できる。
また、伝送線路共振器2と可変容量素子191、192の接続は図39から図42のようであっても良く、第1、第2の能動回路11、12の第1の端子41、42からみた伝送線路共振器2側の反射位相が可変容量素子により制御される構成であれば発振周波数を可変できる。即ち、図39の構成は可変容量素子191、192を、それぞれ接続点21、22に接続したものであり、この構成では、矢印Aに示すように、1/4波長伝送線路共振器が可変容量分短くなる。また、図40の構成は、矢印Bに示すように結合線路による接続であり、図41の構成は、伝送線路共振器2の両端に可変容量素子191、192を接続したものである。さらに、図42の構成は、伝送線路共振器2の両端にインダクタ211、212を介して可変容量素子191、192を接続したものである。インダクタ211、212と可変容量素子191、192それぞれで直列共振器を構成すれば、伝送線路共振器2は両端短絡のλ伝送線路共振器と等価となる。
また、実施の形態2から実施の形態8においても、同様に伝送線路共振器に可変容量素子を備えることで、発振周波数を可変でき、低位相雑音の出力を逆相または同相で得ることができる。
実施の形態10.
図43はこの発明の実施の形態10による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は異なる点である。接続点21と第1の能動回路11の第1の端子41との間、および接続点22と第2の能動回路12の第1の端子42との間にそれぞれ抵抗241、242が接続されている。
次に、実施の形態10の動作について説明する。
基本となる動作は、実施の形態1と同じである。実施の形態1の動作に加えて、第1の能動回路11の第1の端子41および第2の能動回路12の第1の端子42からみた伝送線路共振器2のインピーダンスは発振周波数で並列共振しているため開放(オープンインピーダンス)である。したがって開放点に接続された抵抗241、242は発振周波数では見えておらず、損失を生じない。一方、並列共振とならない周波数では抵抗241、242が見えて、損失を生じる。したがって、所望の発振条件に影響を与えることなく、不要発振を抑制できる。
以上のように、実施の形態10によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができ、かつ接続点21と第1の能動回路11の第1の端子41との間、および接続点22と第2の能動回路12の第1の端子42との間にそれぞれ接続された抵抗241、242により不要発振を抑制することができる。
また、他の開放点に抵抗を接続することで、同様に効果が得られる。
また、実施の形態2から実施の形態9においても、同様に開放点に抵抗を接続することで、同様の効果が得られる。
実施の形態11.
図44はこの発明の実施の形態11による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は異なる点である。伝送線路共振器2の短絡点3には出力端子221が接続されている。
次に、実施の形態11の動作について説明する。
基本となる動作は、実施の形態1と同じである。実施の形態1の動作に加えて、出力端子221は伝送線路共振器2の短絡点3に接続されているため、発振周波数および奇数次の高調波においては接続されていないことと等価である。したがって、基本波および奇数次の高調波の出力を抑制し、偶数次の高調波を出力することができる。
以上のように、実施の形態11によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができ、かつ伝送線路共振器2の短絡点3に出力端子221から偶数次の高調波を得ることができる。
また、直流短絡点(グランド)を除く他の短絡点に出力端子を接続することで、同様の効果が得られることは明らかである。
また、実施の形態2から実施の形態10においても、同様に直流短絡点(グランド)を除く短絡点に出力端子を接続することで、同様の効果が得られることは明らかである。
実施の形態12.
図45は、この発明の実施の形態12による高周波発振器を示す構成図である。
図において、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12は、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた接続点21と接続点22にそれぞれ接続されており、接続点21と接続点22は異なる点である。伝送線路共振器2の短絡点3にバイアス回路231が接続されている。
次に、実施の形態12の動作について説明する。
基本となる動作は、実施の形態1と同じである。実施の形態1の動作に加えて、バイアス回路231は伝送線路共振器2の短絡点3に接続されているので、発振周波数においては接続されていないことと等価である。したがって、バイアス回路231による発振器への影響が抑制される。
以上のように、実施の形態12によれば、同一の構成である第1の能動回路11と第2の能動回路12が、発振周波数で1/2波長となる両端開放の伝送線路共振器2の短絡点3からΔLだけ離れた異なる接続点21と接続点22にそれぞれ接続されるので、発振条件を満足する範囲でΔLを小さくすることで、低位相雑音の出力を逆相で得ることができ、かつ伝送線路共振器2の短絡点3にバイアス回路231が接続されているので、バイアス回路231による発振器への影響が抑制される。
また、直流短絡点(グランド)を除く他の短絡点にバイアス回路を接続することで、同様の効果が得られることは明らかである。
また、実施の形態2から実施の形態11においても、同様に直流短絡点(グランド)を除く短絡点にバイアス回路を接続することで、同様の効果が得られることは明らかである。
さらに、実施の形態1から実施の形態12において、直流と高周波の分離などに関してDCカット用のキャパシタを用いるのは、当業者であれば自明のことである。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
11 第1の能動回路、12 第2の能動回路、2 伝送線路共振器、21 第1の接続点、22 第2の接続点、3 短絡点、41、42 第1の端子、51、52 第2の端子、61 第1の能動素子、62 第2の能動素子、71,72,81,82,91,92 リアクタンス素子または回路、101 能動回路、111 能動回路の一方の第1の端子、112 能動回路の他方の第1の端子、121 能動回路の一方の第2の端子、122 能動回路の他方の第2の端子、131 電流源、141,142 キャパシタ、151,152,201,202 伝送線路、171,172,181,182,191,192 可変容量素子、211,212 インダクタ、221 出力端子、231 バイアス回路、241,242 抵抗。

Claims (15)

  1. 同一の構成である第1および第2の能動回路と、
    発振周波数で概略1/4波長の偶数倍となる両端開放または両端短絡の伝送線路共振器とを備え、
    前記第1の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、
    前記第2の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点は異なる点であり、
    発振周波数における短絡点のうち直流における短絡点を除く少なくとも1つの短絡点にバイアス回路を接続したことを特徴とする高周波発振器。
  2. 同一の構成である第1および第2の能動回路と、
    発振周波数で概略1/4波長の1を除く奇数倍となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器とを備え、
    前記第1の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、
    前記第2の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点は異なる点であり、
    発振周波数における短絡点のうち直流における短絡点を除く少なくとも1つの短絡点にバイアス回路を接続したことを特徴とする高周波発振器。
  3. 同一の構成である第1および第2の能動回路と、
    発振周波数で概略1/4波長の偶数倍となる両端開放または両端短絡の伝送線路共振器とを備え、
    前記第1の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、
    前記第2の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点は同じ点であることを特徴とする高周波発振器。
  4. 同一の構成である第1および第2の能動回路と、
    発振周波数で概略1/4波長の奇数倍となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器とを備え、
    前記第1の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、
    前記第2の能動回路の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点は同じ点であることを特徴とする高周波発振器。
  5. 同一の構成である第1および第2の能動回路と、
    発振周波数で概略1波長の整数倍となるリング型の伝送線路共振器とを備え、
    前記第1の能動回路の第1の端子と前記第2の能動回路の第1の端子は前記リング型伝送線路共振器の任意の異なる点に接続され
    前記リング型伝送線路共振器の前記異なる接続点の中間となる2つの点をそれぞれ短絡点とし、前記短絡点の中間となる2つの点をそれぞれ開放点とするよう動作することを特徴とする高周波発振器。
  6. 前記第1および第2の能動回路のそれぞれの第2の端子を接続し、その中点から出力を得ることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
  7. クロスカップル型の能動回路と、
    発振周波数で概略1/4波長の1を除く奇数倍となる片端開放片端短絡の伝送線路共振器とを備え、
    前記能動回路の一方の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、
    前記能動回路の他方の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点は逆相となる点であることを特徴とする高周波発振器。
  8. クロスカップル型の能動回路と、
    発振周波数で概略1/4波長の偶数倍となる両端開放または両端短絡の伝送線路共振器とを備え、
    前記能動回路の一方の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第1の接続点に接続され、
    前記能動回路の他方の第1の端子は前記伝送線路共振器の短絡点からΔLだけ離れた第2の接続点に接続され、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点は逆相となる点であることを特徴とする高周波発振器。
  9. 1つのクロスカップル型の能動回路と、
    発振周波数で概略1波長の整数倍となる1つのリング型の伝送線路共振器とを備え、
    前記能動回路の一方の第1の端子と他方の第1の端子は前記リング型伝送線路共振器の1つの伝送線路上の任意の異なる点に接続されたことを特徴とする高周波発振器。
  10. 前記能動回路の一方の第2の端子と他方の第2の端子を接続し、その中点から出力を得ることを特徴とする請求項7から請求項9のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
  11. 前記能動回路に可変容量素子を備えたことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
  12. 前記伝送線路共振器に可変容量素子を接続したことを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
  13. 前記開放点に抵抗を接続したことを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
  14. 発振周波数における短絡点のうち直流における短絡点を除く少なくとも1つの短絡点から偶数次の高調波を出力することを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
  15. 発振周波数における短絡点のうち直流における短絡点を除く少なくとも1つの短絡点にバイアス回路を接続したことを特徴とする請求項から請求項14のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
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