JP2007194871A - 伝送線路型共振器を用いた高調波発振器 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は基本波及び奇数次高調波を抑制した高調波発振器を前提とし、偶数次高調波のうちの2倍波を抑制して特に4倍波を主成分とした出力を得て、インピーダンスの不整合を解消する。
【構成】伝送線路型共振器を用いて逆相発振させて中点部から出力を得ることによって、基本波及び奇数次高調波を抑制して偶数次高調波を出力とした高調波発振器において、前記伝送線路型共振器には、前記2倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記偶数次高調波のうちの2倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられた構成とする。前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記4倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられ、前記2倍波を主成分とした出力を得た構成とする。
【選択図】図1
【構成】伝送線路型共振器を用いて逆相発振させて中点部から出力を得ることによって、基本波及び奇数次高調波を抑制して偶数次高調波を出力とした高調波発振器において、前記伝送線路型共振器には、前記2倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記偶数次高調波のうちの2倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられた構成とする。前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記4倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられ、前記2倍波を主成分とした出力を得た構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、伝送線路型共振器を用いたマイクロ波やミリ波帯の高周波用の高調波発振器を産業上の技術分野とし、特に発振周波数の基本波に対する高調波(倍調波)のうちの4倍波さらには2倍波を得る高調波発振器に関する。
(発明の背景)
高周波発振器は例えば光通信システムやその周辺機器に採用され、高性能化と経済化が求められている。このようなものの一つに、特許文献1及び2で示されるように伝送路型共振器を用いた本出願人による高調波発振器がある。これによれば、構成を簡易にして基本波に対して2倍波及び4倍波以上の偶数次高調波とした高周波を得ることができる。
高周波発振器は例えば光通信システムやその周辺機器に採用され、高性能化と経済化が求められている。このようなものの一つに、特許文献1及び2で示されるように伝送路型共振器を用いた本出願人による高調波発振器がある。これによれば、構成を簡易にして基本波に対して2倍波及び4倍波以上の偶数次高調波とした高周波を得ることができる。
(従来技術の一例)
第13図及び第14図は一従来例を説明する高調波発振器の図で、第13図は2倍波の高調波発振器(2倍波発振器)、第14図は4倍波の高周波波発振器(4倍波発振器)の例である。なお、各図の(a)は平面配置図、同図(b)は作用を説明する定在波の電圧変位分布図である。
第13図及び第14図は一従来例を説明する高調波発振器の図で、第13図は2倍波の高調波発振器(2倍波発振器)、第14図は4倍波の高周波波発振器(4倍波発振器)の例である。なお、各図の(a)は平面配置図、同図(b)は作用を説明する定在波の電圧変位分布図である。
2倍波及び4倍波発振器は、両端側を電気的開放端とした伝送線路共振器1と負性抵抗としての発振用能動素子2とからなる。伝送線路型共振器1は例えばマイクロストリップライン型(以下、MSL共振器1Aとする)とする。MSL共振器1Aは誘電体基板3の一主面に信号線を、他主面に接地導体を有する。そして、発振周波数(基本波fo)の波長λoに対してλo/2分の長さとし、両端側を電気的開放端とした直線状とする。発振用能動素子2はMSL共振器1Aの両端側に疎結合とするコンデンサ4を介在させて接続し、MSL共振器1Aの独立性を高める。
このようなものでは、MSL共振器1Aは両端側を電気的開放端とするので、MSL共振器1Aを共通として、両端側の発振用能動素子2との間で互いに逆相とする2つの発振系を得る。そして、MSL共振器1Aは両端側を逆相関係の電圧最大変位部とし、中点部を電圧最小変位部(0電位点)とした定在波による基本波fo生じる。また、基本波foに基づいた定在波による高調波(偶数次及び奇数次)を生じる。
この場合、奇数次高調波は、基本波と同様にMSL共振器1Aの中点部を0電位点として奇対称とした電圧変位分布となり、両端側を同様に逆相関係の電圧最大変位部とする。また、偶数次高調波は、MSL共振器1Aの中点部を電圧最大変位部として対称な電圧変位分布となり、両端側を中点部と同相関係のあるいは逆相関係の電圧最大変位部とする「第13図(b)及び第14図(b)参照」。なお、図では、基本波fo、2倍波2fo、3倍波3fo、4倍波4foを示している。
ここでは、MSL共振器1Aの中点部に基本波foに対する概ねλo/4のMSLからなるスタブ(MSLスタブ)5を設けて電気的な短絡端とする。これにより、MSL共振器1Aの電圧最小変位部である中点部を強制的に基本波foでの0電位点とし、電圧変位分布の電気的な対称性をさらに確実にする。
そして、2倍波発振器(第13図)では、疎結合用のコンデンサ4を介在して出力線6をMSL共振器1Aの中点部に接続する。この場合、MSL共振器1Aの中点部は基本波foでの0電位点なので、基本的(論理的)に出力は生じない。又、基本波foのみならず、奇数次高調波でも中点部は0電位点なので、これらの出力も同様に生じない。
これに対し、2倍波を含む偶数次高調波の場合は、前述のようにMSL共振器1Aの中点部は電圧最大変位部となる。したがって、中点部に出力線6を接続すると、これらの偶数次の高調波が出力される。この場合、次数が高くなる程、出力レベル(振幅レベル)は小さくなることから、結局は2倍波を主成分として出力される。
また、4倍波発振器(第14図)では、MSL共振器1Aの両端側からλo/8分離間した点に出力線6(ab)を接続して共通接続する。この場合、基本波fo及び図示しない3次以上とした奇数次の高調波は、両端からλo/8離間した点では○印を示したようにそれぞれ異符号となる電圧となる。したがって、共通接続された出力線6では、各電圧が相殺されて出力されない。
これに対して、偶数次の場合は、例えば2倍波及び図示しない6倍波は、両端側からλo/8離間した点(中点部と両端側との間の中央部)では0電位点となるので、これも出力されない。一方、4倍波は電圧最大変位部となるので出力される。この場合、8倍波等の4n高調波も出力されるが、前述のように次数が高いので、結局は4倍波を主成分として出力される。
なお、発振用能動素子2の出力波形を歪ませることにより、基本波foに対する高調波のレベルを相対的に高め、例えば2倍波2foや4倍波4foを取り出しやすくすることもできる。また、MSL共振器1Aは直線状としたが、例えば蛇行した曲線状であっても、さらには環状としても形成できる。さらに、伝送線路共振器はMSL共振器のみならず、例えばスロットライン型(以下、SL共振器とする)としても形成できる。
特開2003−152455号公報
特開2005−217752号公報
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の高調波発振器では、電圧最大変位部であるMSL共振器1Aの両端側に発振用能動素子2を接続することに起因し、基本波foの振幅レベルを最大として高調波の次数が高くなるほど、振幅レベルは小さくなる。したがって、2倍波及び4倍波発振器のいずれの場合でも、これらより低次数で振幅レベルが大きくなる基本波及び高調波の振幅レベルを抑圧することが優先的に求められる。
しかしながら、上記構成の高調波発振器では、電圧最大変位部であるMSL共振器1Aの両端側に発振用能動素子2を接続することに起因し、基本波foの振幅レベルを最大として高調波の次数が高くなるほど、振幅レベルは小さくなる。したがって、2倍波及び4倍波発振器のいずれの場合でも、これらより低次数で振幅レベルが大きくなる基本波及び高調波の振幅レベルを抑圧することが優先的に求められる。
これらのうち、2倍波発振器の場合は、MSL共振器1Aの中点部のみに単一の出力線6を接続すするので、位置決精度は比較的に高くて、特に出力レベルの最も大きい基本波foの抑制(抑圧)を容易にする。しかし、4倍波発振器の場合は、MSL共振器1Aの両端側からλo/8分離間した2個所に出力線6を接続するので、主に回路のアンバランス性等に起因して4倍波4foよりも振幅レベルの大きい基本波fo、2倍波2fo及び3倍波3foを充分に抑制できない問題があった。
また、前述のように、発振用能動素子2をMSL共振器1Aの最大電圧変位部(インピーダンスが無限大)である両端側に接続する。したがって、両端部のMSL共振器1Aの入力インピーダンスは最大であるために、高調波発振器の設計を複雑にし、位相雑音特性も劣化させる等の問題があった。
(発明の目的)
本発明は基本波及び奇数次高調波を抑制した高調波発振器を前提とし、偶数次高調波のうちの2倍波を抑制して特に4倍波を主成分とし、さらには4倍波を抑制して特に2倍波を主成分とした良質な発振出力を簡易に得ることを目的とする。
本発明は基本波及び奇数次高調波を抑制した高調波発振器を前提とし、偶数次高調波のうちの2倍波を抑制して特に4倍波を主成分とし、さらには4倍波を抑制して特に2倍波を主成分とした良質な発振出力を簡易に得ることを目的とする。
(着目点及び想到)
本発明は、前述した2倍波発振器での伝送線路共振器の中点部のみに単一の出力線を接続すれば位置精度による基本波及び不要な高調波(特に奇数次)の抑制効果が高い点に着目し、これを例えば4倍波発振器に適用して特に2倍波を抑制する、さらには2倍波発振器に適用して4倍波を抑制する構成を想到した。
本発明は、前述した2倍波発振器での伝送線路共振器の中点部のみに単一の出力線を接続すれば位置精度による基本波及び不要な高調波(特に奇数次)の抑制効果が高い点に着目し、これを例えば4倍波発振器に適用して特に2倍波を抑制する、さらには2倍波発振器に適用して4倍波を抑制する構成を想到した。
(第1解決手段)
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、伝送線路の電気長に発振周波数が依存して両端側を電気的開放端とする伝送線路型共振器と、前記伝送線路型共振器に接続する負性抵抗としての発振用能動素子とを備え、前記発振周波数の基本波及び前記基本波に対する奇数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を電圧最小変位部として両端側を互いに逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として奇対称の電圧変位分布とし、前記基本波に対する偶数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を最大電圧変位部として両端側を前記中点部とは同相又は逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として対称な電圧変位分布とし、前記伝送線路型共振器の中点部に出力線を接続して、前記基本波及び奇数次高調波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波を前記出力線に得た伝送線路型共振器を用いた高調波発振器であって、前記伝送線路型共振器には、前記偶数次高調波のうちの2倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けた構成とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、伝送線路の電気長に発振周波数が依存して両端側を電気的開放端とする伝送線路型共振器と、前記伝送線路型共振器に接続する負性抵抗としての発振用能動素子とを備え、前記発振周波数の基本波及び前記基本波に対する奇数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を電圧最小変位部として両端側を互いに逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として奇対称の電圧変位分布とし、前記基本波に対する偶数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を最大電圧変位部として両端側を前記中点部とは同相又は逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として対称な電圧変位分布とし、前記伝送線路型共振器の中点部に出力線を接続して、前記基本波及び奇数次高調波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波を前記出力線に得た伝送線路型共振器を用いた高調波発振器であって、前記伝送線路型共振器には、前記偶数次高調波のうちの2倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けた構成とする。
(第2解決手段)
また、同請求項13では、前記伝送線路型共振器には、前記偶数次高調波のうちの4倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記4倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられ、前記2倍波を主成分とした出力を得た高調波発振器。
また、同請求項13では、前記伝送線路型共振器には、前記偶数次高調波のうちの4倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記4倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられ、前記2倍波を主成分とした出力を得た高調波発振器。
(第1解決手段の効果)
このような構成であれば、先ず、伝送線路共振器の中点部に出力線を設ける。したがって、前述したように出力線を複数とした場合よりも位置精度を高めて、特に基本波を含む奇数次高調波の抑制を確実にする。したがって、中点部の出力線には、2倍波の出力レベルを最大として順次に小さくなる2n倍波(但し、nは正の整数)とした偶数次高調波が得られる。
このような構成であれば、先ず、伝送線路共振器の中点部に出力線を設ける。したがって、前述したように出力線を複数とした場合よりも位置精度を高めて、特に基本波を含む奇数次高調波の抑制を確実にする。したがって、中点部の出力線には、2倍波の出力レベルを最大として順次に小さくなる2n倍波(但し、nは正の整数)とした偶数次高調波が得られる。
次に、ここでは、伝送線路共振器における2倍波の電圧最小変位部に2倍波に対する電気的又は物理的な抑制手段を設ける。したがって、特に4倍波よりも振幅レベルの大きい2倍波を抑制するとともに、2倍波の電圧最小変位部は(4n−2)倍波の電圧変位最小点でもあるので、(4n−2)倍波をも抑制する。これにより、偶数次高調波のうちの4倍波よりも低次数の2倍波に接近した2倍波のみならず、4倍波よりも高次数で接近した6倍波をもさらに抑制する。
これらにより、4倍波よりも振幅レベルの大きい基本波、2倍波、3倍波を抑制するのみならず、4倍波に近接した高次波の5倍波、6倍波、7倍波を抑制できる。したがって、これらの低次波及び高次波を抑制した4倍波を得ることができる。なお、4倍波以外に8倍波や12倍等の4n倍波の偶数次高調波が得られるが、4倍波に対する次数が高くて出力レベルが小さくなるので、ここでは4倍波の振幅レベルを主成分とした出力が得られる。但し、フィルタ等を設けることによって8倍波以上とした4n倍波を得ることもできる。
(第2解決手段の効果)
このような構成であれば、先ず、前述同様に、伝送線路共振器の中点部に出力線を設けるので、特に基本波を含む奇数次高調波の抑制を確実にする。したがって、中点部の出力線には、2倍波の出力レベルを最大とした偶数次高調波が得られる。次に、ここでは、伝送線路共振器における4倍波の電圧最小変位部に4倍波に対する電気的又は物理的な抑制手段を設けるので、特に2倍波に接近した4倍波の出力レベルをさらに小さくできる。したがって、2倍波を主成分とした発振出力を得られる。
このような構成であれば、先ず、前述同様に、伝送線路共振器の中点部に出力線を設けるので、特に基本波を含む奇数次高調波の抑制を確実にする。したがって、中点部の出力線には、2倍波の出力レベルを最大とした偶数次高調波が得られる。次に、ここでは、伝送線路共振器における4倍波の電圧最小変位部に4倍波に対する電気的又は物理的な抑制手段を設けるので、特に2倍波に接近した4倍波の出力レベルをさらに小さくできる。したがって、2倍波を主成分とした発振出力を得られる。
(請求項1の実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記基本波及び奇数次高調波さらには前記2倍波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波のうちの4倍波の出力レベルを最大として前記4倍波を主成分とした出力を得る。これにより、出力周波数(発振出力)を明確にするとともに、例えばフィルタを用いることなく構成を簡易にした4倍波発振器が得られる。但し、4倍波のフィルタを設けることもできる。
本発明の請求項2では、請求項1において、前記基本波及び奇数次高調波さらには前記2倍波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波のうちの4倍波の出力レベルを最大として前記4倍波を主成分とした出力を得る。これにより、出力周波数(発振出力)を明確にするとともに、例えばフィルタを用いることなく構成を簡易にした4倍波発振器が得られる。但し、4倍波のフィルタを設けることもできる。
同請求項3では、請求項1において、前記発振用能動素子2は少なくとも2個であって、前記伝送線路型共振器を共通として互いに逆相発振とする2つの発振系を有する。これによれば、2つの発振系によって逆相発振とするので、伝送線路共振器の中点部を基準として対称になる電圧変位分布を安定にする。但し、発振用能動素子は1個であったとしても、伝送線路共振器は両端側が電気的開放端なので、伝送線路型共振器には、必然的に、両端側を逆相関係の最大変位部として中点部を電圧最小変位部とした基本波の定在波を生じる。
同請求項4では、請求項1において、前記電気的な抑制手段は、前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の電圧最小変位部に前記発振用能動素子を接続して前記2倍波の生起を抑制する。これによれば、2倍波の電圧変位最小部(0電位点)であって、2倍波に対しては電圧変位を生じない部位なので、発振用能動素子からの増幅電圧を印加(注入)しても、基本波に重畳する2倍波は生起されにくい。したがって、2倍波の電圧変位分布及びこれに伴う出力レベルが抑制される。
この場合、2倍波の電圧変位最小部は6倍波等の(4n−2)倍波の電圧最小変位部でもあるので、2倍波のみならず4倍波に接近した6倍波も生起されにくい。但し、6倍波以上の(4n−2)倍波は4箇所以上の最小電位変部を有するので、最小電位変部を2箇所とした2倍波が最も抑制される。これに対し、増幅電圧の印加される2倍波の電圧最小変位部は、基本波及び奇数次高調波の電圧変位部であるので、基本波及び奇数次高調波は生起される。
同請求項5では、請求項4において、前記伝送線路共振器の両端側は無負荷とする。これにより、伝送線路共振器の両端側には発振用能動素子が接続されず、独立した(完全な)電気的開放端となるので、両端側を逆相関係とした基本波の定在波を確立し易くし、例えば伝送線路型共振器の発振周波数に応じた線路長の決定を容易にする。
同請求項6では、前記物理的な抑制手段は、前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の電圧最小変位部即ち電流最大変位部に、前記2倍波を抑制するスタブが設けられる。これにより、前記2倍波の共振エネルギーの注入が抑制される。
これに対し、2倍波の電圧変位最小部(電流変位最大部)は4倍波の電圧変位最大部であって電流が存在しない電流変位最小部なので、4倍波(4n倍波)は効率よく注入できる。したがって、4倍波(4n倍波)の電圧変位分布はそのまま維持される。これにより、特に2倍波が抑制されて4倍波の出力レベルが相対的に大きくなる。
同請求項7では、請求項6において、前記伝送線路型共振器の両端側には前記発振用能動素子が接続する。これにより、伝送線路型共振器の両端側を互いに逆相関係として中点部を電圧変位最小部とした基本波を生じる。
同請求項8では、請求項1において、前記物理的な抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部となる前記2倍波の電圧最大変位部に設けられ、前記2倍波の電圧を降下するスタブとする。これによれば、伝送線路型共振器の中点部は2倍波の電圧最大変位部なので、このスタブによって最大電圧値が小さくなって電圧変位分布が減衰する。
これに対し、2倍波の電圧最大変位部は4倍波の電圧変位が存在しない電圧最小変位部なので、4倍波の電圧降下は基本的に避けられる。したがって、4倍波の電圧変位分布はそのまま維持されて2倍波が抑制され、4倍波の出力が相対的に大きくなる。
同請求項9では、請求項8において、前記伝送線路型共振器の両端側は無負荷又は前記発振用能動素子が接続する。この場合、発振用能動素子を中点と両端部との中間である2倍波の電圧最小変位点部に設けて両端側を無負荷としても、請求項8では伝送線路共振器の中点部に電圧を降下するスタブを設けられる。
同請求項10、11及び12は、請求項1において、前記伝送線路型共振器は前記基本波の波長λoに対してλo/2分の長さとした直線状とし、前記直線状の両端側を電気的開放端とする。また、前記伝送線路型共振器は前記基本波の波長に対してλo/2分の長さとした半周を有する環状とし、前記半周の両端側は前記基本波の最大電圧変位部として実質的な電気的開放端とする。さらに、前記伝送線路共振器はマイクロストリップライン型又はスロットライン型とする。これらにより、請求項1の構成をさらに明確にする。
以下、本発明による4倍波発振器は第1〜第4実施形態で、2倍波発振器は第5実施形態で説明する。そして、特に、4倍波発振器の第1及び第2実施形態は伝送線路型共振器を直線状とし、第3及び第4実施形態は環状とし、第1〜第4各実施形態の(A)は伝送線路型共振器をMSL共振器とし、同(B)はSL共振器(スロットライン共振器)として集約的に説明する。
<第1実施形態(A)>
第1図及び第2図は本発明の第1実施形態(A)を説明する図で、第1図は4倍波発振器の平面配置図、第2図(a)は模式的な4倍波発振器の図、同図(b)は基本波及び高調波の電圧変位分布図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
<第1実施形態(A)>
第1図及び第2図は本発明の第1実施形態(A)を説明する図で、第1図は4倍波発振器の平面配置図、第2図(a)は模式的な4倍波発振器の図、同図(b)は基本波及び高調波の電圧変位分布図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
4倍波発振器は、前述したように、基本波fo(波長λo)に対してλo/2分の長さとした直線状のMSL共振器1Aに、互いに逆相発振とする発振用能動素子2及び出力線6を接続してなる。発振用能動素子2及び出力線6は疎結合用のコンデンサ4を介在させて接続する。ここで、発振用能動素子2は2倍波の電気的な抑制手段として、MSL共振器1Aの電気的開放端である両端側からλo/8分離間した位置(即ち、中点部と両端側との中央)に接続する。そして、出力線6は本発明の着目点である中点部(λo/4の点)に接続する。
このようなものでは、第2図に示すように、発振用能動素子2の接続するMSL共振器1Aの両端側からλo/8分離間した位置は、即ち中点部と両端側との間の中央部は、基本波foの電圧最小変位部と逆相関係の電圧変位最大部との間となる基本波foの電圧変位部となる。但し、両端側からλo/8分離間した基本波foの電圧変位部は、3倍波3fo及び5倍波5fo等の奇数次高調波の電圧変位部ともなる。さらには、偶数次高調波のうちの2倍波2fo及び6倍波6fo等の(4n−2)倍波の電圧最小変位部(0電位点)、4倍波等の4n倍波の電圧最大変位部になる。
したがって、発振用能動素子2からの増幅出力が両端からλo/8離間した基本波foの電圧変位部に注入(印加)されるので、MSL共振器1Aの両端側を電気的な開放として基本波foが前術同様に生起(励起)する。この場合、発振用能動素子2は両端側からλo/8分離間した位置に接続するものの、MSL共振器1Aの両端側は無負荷とした独立的な電気的開放端なので、両端側が基本波の逆相関係とした電圧変位最大点となる。これにより、従来例のようにMSL共振器1Aの中点部にλo/4分のスタブを設けなくても、中点部が電圧変位最小部(0電位点)になる。但し、λo/4分のスタブを設けたとしてもよい。
これらにより、MSL共振器1Aには、従来同様に、基本波foとともにこれによる高調波(奇数次及び偶数次高調波)が生起される。そして、基本波及び奇数次高調波は、MSL共振器1Aの中点部を電圧変位最小点の基準点として奇対称とし、両端側を逆相関係の電圧最大変位部とする。また、偶数次高調波は中点部を電圧最大変位部の基準として対称とし、両端側を中点部とは逆相関係「2倍波、6倍波等の(4n−2)倍波」あるいは同相関係「4倍波等の4n倍波」の電圧最大変位部とする。
ここでは、本発明の着目点であるMSL共振器1Aの中点部に出力線6を接続する。したがって、従来例で述べたように、MSL共振器1Aの中点部は基本波及び奇数次高調波の電圧変位分布を奇対称とする0電位点なので、これらの基本波及び奇数次高調波は出力線6には理論的に現れない。したがって、基本波及び奇数次高調波を基本的に抑制できる。これに対し、基本波foに対する偶数次高調波はMSL共振器1Aの中点部を電圧変位最大部となるので、これらの偶数次高調波は出力線6にそのまま現れる。
この場合、本発明を想到するに至った、MSL共振器1Aの両端側からλo/8分離間して基本波を生起する電圧変位部は、2倍波の0電位点、さらには4倍波の電圧最大変位部となる。したがって、MSL共振器1Aの両端側を電気的開放端とするものの、電圧変位が最小部(0電位点)に増幅出力を注入しても2倍波は生起されにくくなる。これにより、2倍波の電圧変位分布及びこれによる出力レベルは抑制される。
この場合、2倍波の電圧最小変位部は、6倍波、10倍波等の(4n−2)倍波の電圧変位最小部でもあるので、6倍波以上の(4n−2)倍波も抑制される。但し、6倍波以上の(4n−2)倍波は、2倍波の電圧最小変位部以外にも次数が高くなるほど多くの電圧変位最小部を有するので、ここでは2倍波の電圧変位分布が最も抑制される。
これに対し、電圧最大変位部に増幅出力が注入される4倍波は電圧変位が最大である電圧変位最大部であるので、これより次数の低い2倍波よりも生起されやすい条件となる。したがって、4倍波は2倍波の電圧変位分布よりも例えば大きくなって、2倍波の出力レベルを抑制する。この場合、4倍波の電圧最大変位点は8倍波、16倍は等の4n倍波の電圧最大変位点であるので、8倍波以上の4n倍波も生起されやすい条件となる。
但し、8倍以上の4n倍波は、4倍波の電圧最大変位部以外にも次数が高くなるほど多くの電圧最大変位部を有するので、ここでは4倍波が最も生起されやすくなる。さらに、低次数なほど、電圧変位分布及び出力レベルが小さいので、4n倍波の中でも最も次数の低い4倍波の出力レベルが強勢になる。
これらのことから、本実施形態での4倍波発振器では、先ず、MSL共振器1Aの中点部から出力を得るので、基本波及び奇数次高調波の出力レベルは抑制される。次に、MSL共振器1Aの両端側からλo/8分離間した点「即ち、基本波の電圧変位部、2倍波の0電位点、4倍波の電圧最大変位部に発振用能動素子2を配置するので、2倍波が抑圧されて、4倍波が強勢的に生起される。したがって、基本波、2倍波及び3倍波を抑圧した4倍波発振器を得ることができる。
そして、この例では、MSL共振器1Aの両端側からλo/8分離れた電圧変位部に発振用能動素子2を接続する。この場合、MSL共振器1Aの開放端とする両端側の電圧最大変位部即ちインピーダンスが無限大に比較し、電圧変位部であるのでインピーダンスは小さくなる。したがって、発振用能動素子2とのインピーダンス整合性を向上し、設計性も大きく改善できる。
さらには、MSL共振器1Aの両端側を無負荷として完全な電気的開放端とするので、中点部を0電位点とすることができる。したがって、従来例で示すλo/4としてスタブを不要にする。また、出力線6は中点部に設けて単一とするので、複数本を要しない。これらから、4倍波発振器の構成をさらに単純化できる。
なお、この実施形態では、MSL共振器の中点部は基本波foの電圧最小変位部(即ち2倍波の電圧最大変位部)としてそのままにしたが、例えば第3図に示したように、2倍波2foに対してλ2/4分の長さ(基本波foに対するλo/8分の長さ)としたMSLスタブ5aを設けてもよい。この場合、λ2/4分としたMSLスタブは2倍波2foに対して電気的短絡端となるので、2倍波2foの最大電圧変位部の電圧が降下する。
したがって、2倍波の電圧変位分布を減衰して抑制する。要するに、λ2/4分としたMSLスタブは、2倍波2foの電圧最大変位部対して電圧降下スタブとして機能する。したがって、2倍波をさらに抑圧した4倍波を得ることができる。
<第1実施形態(B)>
第4図は本発明の第2実施形態を説明する4倍波発振器の平面配置図である。なお、これ以降の実施形態では、第1実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第4図は本発明の第2実施形態を説明する4倍波発振器の平面配置図である。なお、これ以降の実施形態では、第1実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第1実施形態(A)では伝送線路型共振器1をMSL共振器1Aとしたが、同(B)はMSL共振器1Aに代えてSL共振器(スロットライン共振器)1Bとした例である。すなわち、第2実施形態(B)では、誘電体基板3の接地導体(裏面)に開口部を設けてSL共振器1Bを形成し、発振用能動素子2及び出力線6を接続してなる。
SL共振器1Bは同様に基本波foに対してλo/2の直線状とし、ここでは例えば矩形状の開放部7を設けて両端側を電気的開放端とする。開放部7は矩形状のみならず円形状等であってもよく、要は、SLの開口幅が広くなって両側での電界結合が小さくなって高調波の進行が遮断され、結果として電気的開放端となればよい。
発振用能動素子2は、ここでもSL共振器1Bの両端側からλo/8分離間した中点部との中間(中央部)に接続する。この場合は、発振用能動素子からのコンデンサを介在させての給電MSL8が、SL共振器の両端側からλo/8離間した中央部を横断して電磁結合し、SL共振器1Bに増幅出力を給電する。そして、給電MSL8を突出させて電磁結合させ、逆相発振による基本波foを生起する。
出力線6はMSLとしてここでもSL共振器1Bの中点に接続する。この場合は、出力線6としてのMSLは、SL共振器1Bを横断する突出長を4倍波4foの波長λ4に対して電気的短絡端となるλ4/4分の長さとする。これにより、4倍波との電磁結合を密にする。
このような構成であれば、SL共振器1Bには第1実施形態と同様の基本波、偶数次及び奇数次高調波を生じる(前第2図参照)。そして、SL共振器1Bの中点部を出力とするので、基本波及び奇数次高調波の出力は抑制される。また、両端側からλo/8分離間した中点部との間(即ち、2倍波の電圧変位最小部であって、4倍波の電圧変位最大部)に発振用能動素子2の増幅出力を注入する。
したがって、2倍波は生起されにくく、4倍波が生起されやすくなる。また、ここでは、SL共振器1Bからの出力線(MSL)6の突出長をλ4/2分として4倍波との電磁結合を密にするので、4倍波の出力を高める。これらのことから、第1実施形態で述べたように、基本波、2倍波及び3倍波の出力が抑制された4倍波を主成分とした出力が得られる。
<第2施形態(A)>
第5図は本発明の第2実施形態(A)を説明する4倍波発振器の平面配置図である。第2施形態(A)では、従来例で示したように、MSL共振器1Aの両端側に発振用能動素子2を接続し、中点部に出力線6を接続する。そして、2倍波の物理的抑制手段として、MSL共振器1Aの両端側からλ/8分離間した2倍波の電圧最小変位部にスロットラインからなるSLスタブ5bを設ける。
第5図は本発明の第2実施形態(A)を説明する4倍波発振器の平面配置図である。第2施形態(A)では、従来例で示したように、MSL共振器1Aの両端側に発振用能動素子2を接続し、中点部に出力線6を接続する。そして、2倍波の物理的抑制手段として、MSL共振器1Aの両端側からλ/8分離間した2倍波の電圧最小変位部にスロットラインからなるSLスタブ5bを設ける。
SLスタブ5bは誘電体基板3の裏面の接地導体に開口部を設けてなり、MSL共振器1Aと直交する。また、MSL共振器1Aの中点部には、第1実施形態において、なお書きで述べたように2倍波に対して電気的短絡端とするλ2/4となるMSLスタブ5aを設ける。
このようなものでは、従来例と同様に、MSL共振器1Aには基本波とともに偶数次及び奇数次高調波が生起される(前第2図参照)。そして、出力線6が接続されるMSL共振器1Aの中点部は、基本波及び奇数次高調波の電圧最小変位部(0電位点)なので、これらの基本波及び奇数次高調波は出力が抑制される。
そして、MSL共振器1Aの両端側からλ2/4分離間した2倍波の電圧変位最小点(即ち電流最大変位点)には、2倍波に対して電気的開放端とするSLスタブ5bを設ける。したがって、SLスタブ5bによって、2倍波の電流最大変位点からの電流が抑制される。要するに、2倍波の共振エネルギーの注入が抑制される。
また、ここでは、MSL共振器1Aの中点部には2倍波に対する電気的短絡端とする電圧を降下するスタブとして機能するMSLスタブ5aを設ける。したがって、2倍波の電圧最大変位部からの電圧が減衰するので、さらに2倍波の電圧変位分布が劣勢になって抑制される。したがって、本来は、4倍波よりも振幅レベルの高い2倍波が抑制される。
これらにより、本来は、4倍波よりも低次数であって、振幅レベルの大きい基本波及び3倍波は出力線6を中点部とすることによって、2倍波は抑制手段としての2倍波の電圧最小変位部に設けたSLスタブ5b、さらには電圧最大変位部に設けたMSLスタブ5aによって抑制される。したがって、4倍波の振幅レベルが例えば2倍波よりも大きくなる。したがって、この実施形態でも、4倍波を強勢とした4倍波発振器を得ることができる。
<第2実施形態(B)>
第6図は第2実施形態(b)を説明する4倍波発振器の平面配置図で、MSL共振器をSL共振器とした場合の例である。すなわち、第2実施形態(B)では、SL共振器1Bの電気的開放端とした両端側に、給電用MSL8を突出させて発振用能動素子2を接続する。そして、両端側からλo/8分離間した中点部との間にSLスタブ5bを設けてなる。そして、4倍波4foに対してλ4/4分突出したMSLを、SL共振器1B中点部に設けて出力線6とする。なお、ここでの開放部7は順次に幅が広がる矩形状とし、給電用MSL8との電磁気的結合を防止する。
第6図は第2実施形態(b)を説明する4倍波発振器の平面配置図で、MSL共振器をSL共振器とした場合の例である。すなわち、第2実施形態(B)では、SL共振器1Bの電気的開放端とした両端側に、給電用MSL8を突出させて発振用能動素子2を接続する。そして、両端側からλo/8分離間した中点部との間にSLスタブ5bを設けてなる。そして、4倍波4foに対してλ4/4分突出したMSLを、SL共振器1B中点部に設けて出力線6とする。なお、ここでの開放部7は順次に幅が広がる矩形状とし、給電用MSL8との電磁気的結合を防止する。
これによれば、前実施形態と同様に、SL共振器1Bの中点部から出力を得るので、基本波及び奇数次高調波を抑圧する。そして、両端側からλo/4分離間した2倍波の電圧最小変位部(電流最大変位部)に設けられたSLスタブ5bが2倍波を抑制する物理的手段として機能するので、2倍波の電圧変位分布が減衰する。
これらにより、基本波、2倍波及び3倍波を抑圧して、これらより出力レベルを高めた4倍波を得ることができる。また、ここでは、第2実施形態Aでも述べたように、中点部には4倍波との電磁結合を密にする突出長をλ4/4とした出力線(MSL)6を設けるので、4倍波の出力レベルをさらに高める。
なお、第2実施形態形態(B)においても、第1実施形態Bと同様に、SL共振器1Bの2倍波の電圧最大変位点となる中点部に2倍波のλ2/4分とした電気的短絡端となるSLスタブ5を設ければ、電圧降下スタブとして機能し、2倍波をさらに抑圧できる。
<第3実施形態(A)>
第7図は(ab)本発明の第3実施形態(A)を説明する4倍波発振器の図で、同図(a)は平面配置図、同図(b)は電圧変位分布図である。第3実施形態以降では伝送線路型共振器1を前述の直線状から円環状とし、第3実施形態(A)は第1実施形態(A)に対応した円環状のMSL型共振器(以下、MSL円環共振器1Cとする)を適用した例である。
第7図は(ab)本発明の第3実施形態(A)を説明する4倍波発振器の図で、同図(a)は平面配置図、同図(b)は電圧変位分布図である。第3実施形態以降では伝送線路型共振器1を前述の直線状から円環状とし、第3実施形態(A)は第1実施形態(A)に対応した円環状のMSL型共振器(以下、MSL円環共振器1Cとする)を適用した例である。
MSL円環共振器1Cは基本波foの波長λoに対してλo/2分の長さを半周とし、波長λo分の長さを一周とする。そして、例えば図での下端側に基本波foに対するλo/4分の長さとして電気的短絡端とするMSLスタブ5aを設ける。これにより、MSL円環共振器1Cは下端側の電気的短絡端を電圧最小変位部(0電位点)として、基本波foの定在波がMSL円環共振器1C一周に生ずる。
これに伴い、基本波の定在波はMSL円環共振器1Cの上下端を電圧変位最小部とし、左右端側を互いに逆相関係の電圧最大変位部となる。換言すると、MSL円環共振器1Cの両端側(図の左右端側A、B)を互いに逆相関係の電圧最大変位部として、左右端側の間となる各半周の中点部(同上下端側C1、C2)の電圧最小変位部とした基本波foの定在波を各半周に得る。言わば、両端側を電気的開放端とする前述した直線状のMSL共振器1Aを並列接続したことになる。
ここでは、第1実施形態と同様に、2倍波の電気的な抑制手段として、電圧最大電圧点となる左右端側からλo/8分離間した位置(上下左右端間の中央)に発振用能動素子2を接続する。そして、MSL円環共振器1Cの一方の半周の中点部となら下端部に出力線6を接続する。また、MSL円環共振器1Cの他方の半周の中点部となる上端側には2倍波2foに対して電気的短絡端となるλ2/4分の長さとし、電圧を降下するMSLスタブ5aを設ける。
このようなものでは「第8図(b)参照」、第1実施形態と同様にして、発振用能動素子2が接続して増幅電圧が注入される点、即ち左右端側の電圧変位最大点からλo/8分離間した点は、基本波foの電圧変位点になる。したがって、前述のように、MSL円環共振器1Cの左右端側(AB)を逆相関係となる電圧最大変位部として上下端を0電位点とした基本波foが生起され、これに伴い高調波(偶数次、奇数次)も生起される。
要するに、MSL円環共振器1Cの各半周を言わば第1実施形態でのMSL共振器1Aとして、各半周の中点部(上下端側C1、C2)を電圧最小変位点として、両端側(左右端側AB)に基本波及び高調波が生起される。そして、この場合でも、MSL円環共振器1Cの一方の半周の中点部C1から出力を取り出すので、基本波及び奇数次高調波は抑制される。
また、発振用能動素子2が接続して増幅電圧が注入される点(左右端側の電圧変位最大点からλo/8分離間した点)は、基本波の電圧変位点であるとともに、2倍波の電圧最小変位部(0電位点)及び4倍波の電圧変位最大点となる。したがって、偶数次高調波のうちの2倍波が抑圧されて、4倍波が強勢される。この場合、(4n−2)倍波の電圧最小変位部、4n倍波の電圧最大変位点ともなるが、前述のように2倍波及び4倍波に対する作用が最も大きい。
これらのことから、第3実施形態でも、出力線6によって特に基本波及び3倍波が抑制され、発振用能動素子2による電気的な抑制手段によって2倍波が抑制される。したがって、4倍波の振幅レベルを最大とした4倍波発振器を得ることができる。この場合でも、基本波の電圧最大変位部からλo/8分離間した電圧変位部に発振用能動素子2を接続するのでインピーダンス整合も向上できるとともに、多素子化による位相雑音特性を改善できる。
<第3実施形態(B)>
第8図は本発明の第3実施形態(B)を説明する4倍波発振器の平面配置図である。第3実施形態(B)は第1実施形態(B)に対応した、伝送線路型共振器1をSL(スロットライン)環状共振器1Dとした例である。すなわち、第3実施形態(B)では、電気的開放端とするSLスタブ5bをSL環状共振器の左右端側に設ける。これにより、第3実施形態(A)のMSL円環共振器1Cと同様に、SL円環共振器1Dの左右端側を逆相関係の電圧最大変位部とし、上下端側を電圧最小変位部とする基本波foの定在波を生ずる。
第8図は本発明の第3実施形態(B)を説明する4倍波発振器の平面配置図である。第3実施形態(B)は第1実施形態(B)に対応した、伝送線路型共振器1をSL(スロットライン)環状共振器1Dとした例である。すなわち、第3実施形態(B)では、電気的開放端とするSLスタブ5bをSL環状共振器の左右端側に設ける。これにより、第3実施形態(A)のMSL円環共振器1Cと同様に、SL円環共振器1Dの左右端側を逆相関係の電圧最大変位部とし、上下端側を電圧最小変位部とする基本波foの定在波を生ずる。
そして、第1実施形態(B)と同様に、SL円環共振器1Dの左右端側からλo/8分離間し、基本波の電圧変位点であって2倍波の電圧最小変位点及び4倍波の電圧最大変位点に、発振用能動素子2を接続する。SL円環共振器1Dに対しては給電スタブ8を突出して電磁結合させ、基本波foを生起する。この場合でも、前述同様の基本波及び高調波の電圧変位分布を得る「前第7図(b)参照」。
また、SL円環共振器1Dの一方の半周の下端部(中点部)には、出力線6としてのMSLを4倍波に対して概ねλ4/4分突出して横断させる。さらに、他方の半周の2倍波の電圧最大変位部となる上端部(中点部)には、2倍波に対して電気的短絡端となって電圧降下スタブとして機能する概ねλ2/4分のMSLスタブ5aを設ける。
このような構成であれば、SL円環共振器1Dの中点から出力を得ることによって基本波及び奇数次高調波が抑制され、2倍波の電圧最小変位部に発振用能動素子を接続する電気的な抑制手段によって基本的に2倍波が抑制される。そして、2倍波の電圧最大変位部に設けた物理的な抑制手段としての電圧降下スタブ(MSLスタブによる5a)によって2倍波を抑制する。さらには、出力線路6を4倍波に結合させるので、4倍波の出力を効率的に得られる。
<第4実施形態(A)>
第9図は本発明の第4実施形態を説明する4倍波発振器の平面配置図である。第4実施形態(A)は第2実施形態(A)に対応して、伝送線路共振器1をMSL円環共振器1Cとした例である。すなわち、ここでのMSL円環共振器1Cは、第3実施形態例(A)と同様に、一方の半周の中点部(下端側C1)に電気的短絡とするλo/4分のMSLスタブ5aを設けて、上下端側を基本波foの電圧最小変位点として左右端側を逆相関係の電圧最大変位部とする。
第9図は本発明の第4実施形態を説明する4倍波発振器の平面配置図である。第4実施形態(A)は第2実施形態(A)に対応して、伝送線路共振器1をMSL円環共振器1Cとした例である。すなわち、ここでのMSL円環共振器1Cは、第3実施形態例(A)と同様に、一方の半周の中点部(下端側C1)に電気的短絡とするλo/4分のMSLスタブ5aを設けて、上下端側を基本波foの電圧最小変位点として左右端側を逆相関係の電圧最大変位部とする。
そして、MSL円環共振器1Cの左右端側に発振用増幅器2を接続し、2つの発振系として逆相発振する。これにより、前第8図(b)で示した基本波及び高調波の電圧変位分布を得る。また、基本波の最大電圧変位部である左右端側からλo/8分離間した位置には、2倍波に対して電気的開放端とするλ2/4分以下の物理的抑制手段(不要波抑制手段)してのSLスタブ5bを設ける。また、上下端側の基本波の電圧変位最小点であって2倍波の電圧最大変位部に、2倍波に対して電気的短絡端とするλ2/4分の長さのMSLスタブ5aを設ける。
このようなものでは、第3実施形態(A)と同様に、MSL円環共振器1Cの左右端側を電圧最大変位として各半周の中点部を電圧変位最小点とした基本波とともに偶数次及び奇数図高調波の定在波(電圧変位分布)を生じる(前第3図(b)参照)。そして、MSL円環共振器1Cの一方の半周の中点部(C1)から出力を得るので、基本波、3倍波及び奇数次高調波を抑制する。
また、第2実施形態と同様に、物理的抑制手段としての、2倍波の電圧最小変位部(即ち電流最大変位部)に設けられたはλ2/4以下としたSLスタブ5bは2倍波を抑制するスタブとして機能する。そして、2倍波の電圧最大変位部に設けた電気的短絡端とするMSLスタブ5aは、2倍波の電圧変位分布自体を減衰する。これらのことから、4倍波の発振出力が効率よく得られる。
<第4実施形態(B)>
第10図は本発明の第4実施形態(B)説明する4倍波発振器の平面配置図である。第4実施形態(B)は第2実施形態(B)に対応して、伝送線路共振器1をSL円環共振器1Dとした例である。すなわち、ここでのSL円環共振器1Dは、第3実施形態例(B)と同様に、両端側(左右端側AB)に電気的開放端とするλo/4分のSLスタブ5bを設けて、左右端側を逆相関係の電圧最大変位部とし、上下端側を基本波foの電圧最小変位点とする。
第10図は本発明の第4実施形態(B)説明する4倍波発振器の平面配置図である。第4実施形態(B)は第2実施形態(B)に対応して、伝送線路共振器1をSL円環共振器1Dとした例である。すなわち、ここでのSL円環共振器1Dは、第3実施形態例(B)と同様に、両端側(左右端側AB)に電気的開放端とするλo/4分のSLスタブ5bを設けて、左右端側を逆相関係の電圧最大変位部とし、上下端側を基本波foの電圧最小変位点とする。
そして、SL円環共振器1Dの左右端側に発振用増幅器2を接続し、2つの発振系として逆相発振する。これにより、前第8図(b)で示した基本波及び高調波の電圧変位分布を得る。また、基本波の最大電圧変位部である左右端側からλo/8分離間した位置には、2倍波に対して電気的開放端とするλ2/4分の長さ以下の物理的抑制手段してのSLスタブ5bを設ける。また、上下端側の基本波の電圧変位最小点であって2倍波の電圧最大変位部に、2倍波に対して電気的短絡端とするλ2/4分の長さのMSLスタブ5aを設ける。
このようなものでは、第3実施形態(B)と同様に、SL円環共振器1Dの左右端側を電圧最大変位部として各半周の中点部を電圧変位最小点(0電位点)とした基本波とともに偶数次及び奇数次高調波を生じる(前第3図(b)参照)。そして、SL円環共振器1Dの一方の半周の中点部(C1)から出力を得るので、基本波、3倍波及び奇数次高調波を抑制する。
また、第2実施形態と同様に、物理的抑制手段としての、2倍波の電圧最小変位部(即ち電流最大変位部)に設けられたSLスタブ5bは2倍波を抑制するスタブとして機能し、2倍波の電圧最大変位部に設けた電気的短絡端とするMSLスタブ5aは2倍波の電圧変位分布自体を抑制する。これらのことから、4倍波の発振出力が効率よく得られる。
<第5実施形態>
第11図及び12図は本発明の第5実施形態を説明する図で、第11図は2倍波発振器の平面配置図、第12図(a)は模式的なMSL共振器の図、同図(b)は電圧変位分布図である。第1〜第4実施形態では高周波発振器を4倍波発振器として説明したが、第5実施形態では第1実施形態に対応して、伝送線路型共振器を直線状としたMSL共振器を用いた2倍波発振器の例である。
第11図及び12図は本発明の第5実施形態を説明する図で、第11図は2倍波発振器の平面配置図、第12図(a)は模式的なMSL共振器の図、同図(b)は電圧変位分布図である。第1〜第4実施形態では高周波発振器を4倍波発振器として説明したが、第5実施形態では第1実施形態に対応して、伝送線路型共振器を直線状としたMSL共振器を用いた2倍波発振器の例である。
すなわち、第1実施形態では2倍波を抑制する電気的抑制手段として、MSL共振器1Aの両端側からλo/8分離間した2倍波の電圧変位最小点に発振用能動素子2を設けたが、第5実施形態ではMSL共振器1Aの両端側からλo/16分の長さ離間した点、及び中点部からλo/16分の長さ離間した位置(4箇所)に発振用能動素子2をそれぞれ設ける。
このような構成であれば、第1実施形態と同様に、MSL共振器1Aの中点部から出力を得るので、基本波及び奇数次高調波が抑制され、偶数次高調波が出力される。そして、ここでは、MSL共振器1Aの両端側及び中点部からλo/16分の長さ離間した点、即ち4倍波の電圧最小変位点(4箇所)に発振用能動素子2を設ける。したがって、前述下と同様の理由によって、偶数次高調波のうちの4倍波が抑制される。
これらのことから、第5実施形態では出力線の位置(中点部)によって基本波及び奇数次高調波を抑制し、電気的抑制手段によって4倍波を抑制するので、不要波を抑制した2倍波の発振出力を高められる。なお、第5実施形態では伝送線路型共振器はMSL共振器1Aとして説明したが、第1〜第4実施形態で示したようにSL共振器1B、又は環状としたMSL円環共振器1CやSL環状共振器1Dとしても同様に構成できる。また、4倍波の最小変位点のすべてに発振用能動素子2を設けたが、例えば中点部に対して対称となる2箇所であったとしてもよい。
<他の事項>
上記各実施形態では、基本波、2倍波及び3倍波よりも4倍波の振幅レベルが大きくなるとしたが、これらが同程度あるいは大きくなったとしても本来よりも抑制される。したがって、フィルタ等を用いることによって4倍波を主とした発振出力を得ることができる。また、3次元MMIC技術等によってモノリシックIC化が可能であり、さらに基本的には、4倍波以上の4n倍波を得るので、同様にして例えば8倍波や16倍波主成分とした発振出力を得ることもできる。
上記各実施形態では、基本波、2倍波及び3倍波よりも4倍波の振幅レベルが大きくなるとしたが、これらが同程度あるいは大きくなったとしても本来よりも抑制される。したがって、フィルタ等を用いることによって4倍波を主とした発振出力を得ることができる。また、3次元MMIC技術等によってモノリシックIC化が可能であり、さらに基本的には、4倍波以上の4n倍波を得るので、同様にして例えば8倍波や16倍波主成分とした発振出力を得ることもできる。
また、伝送線路型共振器はMSL型又はSL型として説明したが、これら以外の例えばコプレーナライン型としても適用できる。そして、発振用能動素子2は少なくとも2個以上とした基本例を示したが、例えば1個であったしても伝送線路型共振器に逆相とした基本波のλo/2とした定在波が生ずれば、本発明を適用できることは勿論である。
1A MSL共振器、1B SL共振器、1C MSL円環共振器、1D SL環状共振器、2 発振用能動素子、3 誘電体基板、4 コンデンサ、5a MSLスタブ、5b SLスタブ、6 出力線(MSL)、7 開放部、8 給電MSL
Claims (13)
- 伝送線路の電気長に発振周波数が依存して両端側を電気的開放端とする伝送線路型共振器と、前記伝送線路型共振器に接続する負性抵抗としての発振用能動素子とを備え、
前記発振周波数の基本波及び前記基本波に対する奇数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を電圧最小変位部として両端側を互いに逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として奇対称の電圧変位分布とし、
前記基本波に対する偶数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を最大電圧変位部として両端側を前記中点部とは同相又は逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として対称な電圧変位分布とし、
前記伝送線路型共振器の中点部に出力線を接続して、前記基本波及び奇数次高調波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波を前記出力線に得た伝送線路型共振器を用いた高調波発振器であって、
前記伝送線路型共振器には、前記偶数次高調波のうちの2倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられた高調波発振器。 - 請求項1において、前記基本波及び奇数次高調波さらには前記2倍波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波のうちの4倍波の出力レベルを最大として前記4倍波を主成分とした出力を得た高調波発振器。
- 請求項1において、前記発振用能動素子2は少なくとも2個であって、前記伝送線路型共振器を共通として互いに逆相発振とする2つの発振系を有する高調波発振器。
- 請求項1において、前記電気的な抑制手段は、前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の電圧最小変位部に前記発振用能動素子を接続して前記2倍波の生起を抑制する高調波発振器。
- 請求項4において、前記伝送線路共振器の両端側は無負荷とした高周波発振器。
- 請求項1において、前記物理的な抑制手段は、前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記2倍波の電圧最小変位部即ち電流最大変位部に設けられて、前記2倍波を抑制するスタブである高調波発振器。
- 請求項6において、前記伝送線路型共振器の両端側には前記発振用能動素子が接続した高周波発振器。
- 請求項1において、前記物理的な抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部となる前記2倍波の電圧最大変位部に設けられ、前記2倍波の電圧を降下するスタブである高調波発振器。
- 請求項8において、前記伝送線路型共振器の両端側は無負荷又は前記発振用能動素子が接続した高周波発振器。
- 請求項1において、前記伝送線路型共振器は前記基本波の波長λoに対してλo/2分の長さとした直線状とし、前記直線状の両端側を電気的開放端とした高調波発振器。
- 請求項1において、前記伝送線路型共振器は前記基本波の波長λoに対してλo/2分の長さとした半周を有する環状とし、前記半周の両端側は前記基本波の最大電圧変位部として実質的な電気的開放端とした高調波発振器。
- 請求項1において、前記伝送線路共振器はマイクロストリップライン型又はスロットライン型である高調波発振器。
- 伝送線路の電気長に発振周波数が依存して両端側を電気的開放端とする伝送線路型共振器と、前記伝送線路型共振器に接続する負性抵抗としての発振用能動素子とを備え、
前記発振周波数の基本波及び前記基本波に対する奇数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を電圧最小変位部として両端側を互いに逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として奇対称の電圧変位分布とし、
前記基本波に対する偶数次高調波の定在波は、前記伝送線路型共振器の中点部を最大電圧変位部として両端側を前記中点部とは同相又は逆相関係の電圧最大変位部とするとともに、前記中点部を基準として対称な電圧変位分布とし、
前記伝送線路型共振器の中点部に出力線を接続して、前記基本波及び奇数次高調波の出力レベルを抑制し、前記偶数次高調波を前記出力線に得た伝送線路型共振器を用いた高調波発振器であって、
前記伝送線路型共振器には、前記偶数次高調波のうちの4倍波の電圧変位分布を抑制する電気的又は及び物理的な抑制手段が設けられ、前記抑制手段は前記伝送線路型共振器の中点部と両端側との間となる前記4倍波の少なくとも電圧最小変位部に設けられ、前記2倍波を主成分とした出力を得た高調波発振器。
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