JP2010193271A - 差動出力発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】位相雑音を良好にする。
【解決手段】共振回路11として、第1のトランジスタ2aのコレクタにそれぞれ一端が接続された共振周波数f1の第1の直列共振器5aおよび共振周波数f2(f2≠f1)の第2の直列共振器8aと、第2のトランジスタ2bのコレクタにそれぞれ一端が接続された共振周波数f1の第3の直列共振器5bおよび共振周波数f2の第4の直列共振器8bを用い、第1の直列共振器5aの他端と第3の直列共振器5bの他端を互いに接続するか接地し、また第2の直列共振器8aの他端と第4の直列共振器8bの他端を互いに接続するか接地したものである。
【選択図】図1
【解決手段】共振回路11として、第1のトランジスタ2aのコレクタにそれぞれ一端が接続された共振周波数f1の第1の直列共振器5aおよび共振周波数f2(f2≠f1)の第2の直列共振器8aと、第2のトランジスタ2bのコレクタにそれぞれ一端が接続された共振周波数f1の第3の直列共振器5bおよび共振周波数f2の第4の直列共振器8bを用い、第1の直列共振器5aの他端と第3の直列共振器5bの他端を互いに接続するか接地し、また第2の直列共振器8aの他端と第4の直列共振器8bの他端を互いに接続するか接地したものである。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば通信装置やレーダ装置の信号源として用いられる差動出力発振器に関するものである。
差動出力発振器の構成として、LC共振回路を用いたクロスカップル型発振器が一般的に知られている(例えば非特許文献1参照)。LC共振回路はインダクタとキャパシタを並列接続したものを対称に接続したもので、共振回路としては最も単純な構成である。
J. J. Rael and A. A. Abidi, "Physical Processes of Phase Noise in Differential LC Oscillators," in Custom IC Conf., Orlando, FL, pp. 569-572, 2000. (Figure 2.)
通信装置やレーダ装置の性能を評価する指標の1つに、発振器の位相雑音がある。発振器の位相雑音は用いる共振回路のQ値が高いほど良好になる。近年の通信装置やレーダ装置への要求性能の高まりに伴い発振器の位相雑音の改善が求められており、共振回路を高Q化する技術が要求されている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、位相雑音を良好にする差動出力発振器を得ることを目的とする。
この発明の差動出力発振器は、それぞれのエミッタを接地し、それぞれのコレクタの出力を互いに相手方のベースに入力するように接続した第1、第2のトランジスタと、当該第1、第2のトランジスタの各コレクタに接続した共振回路と、直流電源に接続したそれぞれのトランジスタのチョークコイルを含むバイアス回路を備え、各コレクタからそれぞれ発振出力を得るようにした差動出力発振器であって、共振回路は、第1のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f1の第1の直列共振器と第1のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f2(f2≠f1)の第2の直列共振器と、第2のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f1の第3の直列共振器と、第2のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f2の第4の直列共振器とを有し、第1の直列共振器の他端と第3の直列共振器の他端は互いに接続されるか接地され、また第2の直列共振器の他端と第4の直列共振器の他端は互いに接続されるか接地されてなるものである。
この発明によれば、差動増幅器として動作する一対のトランジスタのコレクタに共振回路を接続し、共振回路としてはそれぞれのコレクタに対して周波数の異なる2つの直列共振器が並列接続されるようにし、さらに共振回路と直流電源の間にチョークコイルを含むトランジスタのバイアス回路を接続したものである。したがって、共振回路のQ値を高めることができるため、差動出力発振器の位相雑音を改善することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による差動出力発振器の構成を示す回路図である。
差動出力発振器は、大きく分けて能動回路1、共振回路11、チョークコイル12a,12bから構成されている。能動回路1は、それぞれのエミッタを接地し、それぞれのコレクタの出力を相手方のベースに互いに入力するように接続した同じ特性を有する一対のトランジスタ(第1、第2のトランジスタ)2a,2bから構成されている。トランジスタ2a,2bの各コレクタには、バイアス電流が流れるのを防ぐための直流阻止キャパシタ4a,4bを介して出力端子3a,3bが設けられている。
図1は、この発明の実施の形態1による差動出力発振器の構成を示す回路図である。
差動出力発振器は、大きく分けて能動回路1、共振回路11、チョークコイル12a,12bから構成されている。能動回路1は、それぞれのエミッタを接地し、それぞれのコレクタの出力を相手方のベースに互いに入力するように接続した同じ特性を有する一対のトランジスタ(第1、第2のトランジスタ)2a,2bから構成されている。トランジスタ2a,2bの各コレクタには、バイアス電流が流れるのを防ぐための直流阻止キャパシタ4a,4bを介して出力端子3a,3bが設けられている。
共振回路11は、トランジスタ2a,2bの各コレクタに対して接続された次のような構成を持つ。トランジスタ2aのコレクタには、インダクタ6aとキャパシタ7aからなる順序で、共振周波数がf1の直列共振器(第1の直列共振器)5aが接続されている。同様に、トランジスタ2bのコレクタにもインダクタ6bとキャパシタ7bからなる順序で、共振周波数がf1の直列共振器(第3の直列共振器)5bが接続されている。ここで、インダクタ6a,6bはインダクタンスL1を有し、キャパシタ7a,7bはキャパシタンスC1を有する。また、直列共振器5a,5bは、キャパシタ7a,7bにより接続されている。
さらに、トランジスタ2aのコレクタには、インダクタ9aとキャパシタ10aからなる順序で、共振周波数がf2(f2≠f1)の直列共振器(第2の直列共振器)8aが接続されている。同様に、トランジスタ2bのコレクタにもインダクタ9bとキャパシタ10bからなる順序で、共振周波数がf2の直列共振器(第4の直列共振器)8bが接続されている。ここで、インダクタ9a,9bはインダクタンスL2を有し、また、キャパシタ10a,10bはキャパシタンスC2を有する。また、直列共振器8a,8bは、キャパシタ10a,10bにより接続されている。チョークコイル12a,12bは、DC電流を通し、RF信号を遮断する。チョークコイル12a,12bとしては、高インダクタンスのコイルの他に、所望の周波数f0で1/4波長の長さを有する伝送線路でも良い。13は電源端子である。
次に動作について説明する。
共振回路11は所望の周波数f0で共振し、また能動回路1は共振現象を維持して出力端子3a,3bに接続される負荷へ電力を供給し続ける働きがある。能動回路1のトランジスタ2a,2bは、一方のトランジスタのコレクタと他方のトランジスタのベースがそれぞれ接続されており、差動で動作する発振器を形成している。共振回路11は左右対称な回路であるので、共振回路11に差動の信号が入力されると、点A、点B、点Cは高周波的に仮想接地点となる。この状態における共振回路11の右半分の直列共振器5a,8aの等価回路は図2に示すようになる。すなわち、直列共振器5a,8aが並列に接続された構成となる。共振回路11の左半分についても同様であるので、右半分についてのみ説明する。直列共振器5aの共振周波数f1は、インダクタ6aのインダクタンスL1およびキャパシタ7aのキャパシタンスC1とすると(1)式で表される。
同様に、直列共振器8aの共振周波数f2は、インダクタ9aのインダクタンスL2およびキャパシタ10aのキャパシタンスC2とすると(2)式で表される。
共振回路11は所望の周波数f0で共振し、また能動回路1は共振現象を維持して出力端子3a,3bに接続される負荷へ電力を供給し続ける働きがある。能動回路1のトランジスタ2a,2bは、一方のトランジスタのコレクタと他方のトランジスタのベースがそれぞれ接続されており、差動で動作する発振器を形成している。共振回路11は左右対称な回路であるので、共振回路11に差動の信号が入力されると、点A、点B、点Cは高周波的に仮想接地点となる。この状態における共振回路11の右半分の直列共振器5a,8aの等価回路は図2に示すようになる。すなわち、直列共振器5a,8aが並列に接続された構成となる。共振回路11の左半分についても同様であるので、右半分についてのみ説明する。直列共振器5aの共振周波数f1は、インダクタ6aのインダクタンスL1およびキャパシタ7aのキャパシタンスC1とすると(1)式で表される。
次に、図1の点Dから見た共振回路11の反射位相の周波数依存性を図3に示す。直列共振器5aは周波数f1で短絡となるため、点Dから直列共振器5aを見たときの反射位相は周波数f1で±180°となる。同様に、点Dから直列共振器8aを見たときの反射位相は周波数f2で±180°となる。ここで、直列共振器5aと直列共振器8aを並列に接続することにより、所望の周波数f0での反射位相が0°となり、並列共振周波数f0の並列共振器と同様の動作をする。
発振器の位相雑音は共振回路11のQ値が高いほど良好になるが、共振回路11のQ値は反射位相の周波数依存性の傾きと関係付けられ、反射位相の周波数依存性の傾きが急峻になるほど発振器の周波数選択性が高くなり、位相雑音が改善する。直列共振器5aおよび直列共振器8aの直列共振周波数f1、f2を所望の周波数f0に近づけるにつれて所望の周波数f0での反射位相の周波数依存性の傾きが急峻になり、発振器の位相雑音を改善する。
以上のように、この実施の形態1によれば、共振回路11として、第1のトランジスタ2aのコレクタにそれぞれ一端が接続された共振周波数f1の第1の直列共振器5aおよび共振周波数f2(f2≠f1)の第2の直列共振器8aと、第2のトランジスタ2bのコレクタにそれぞれ一端が接続された共振周波数f1の第3の直列共振器5bおよび共振周波数f2の第4の直列共振器8bを用い、第1の直列共振器5aの他端と前記第3の直列共振器5bの他端を互いに接続するか接地し、また第2の直列共振器8aの他端と第4の直列共振器8bの他端を互いに接続するか接地したものである。したがって、第1、第2のトランジスタ2a,2bが差動増幅器として動作する場合、直列共振周波数がf1とf2の直列共振器(5a,8aおよび5b,8b)が並列接続されることになり、その並列共振周波数f0にf1とf2を近づけるにつれて反射位相の周波数依存性の傾きが急峻にし、共振回路11のQ値を高めることができるため、差動出力発振器の位相雑音を改善する。
なお、図1の回路では、トランジスタ2aのエミッタとトランジスタ2bのエミッタがともにグランドに接続されている構成を示したが、図4に示すように、トランジスタ2aのエミッタとトランジスタ2bのエミッタとの接続点とグランドとの間にカレントミラー回路などで構成される定電流回路14を接続しても同様の効果が得られる。また、図5に示すように、トランジスタ2a,2bのエミッタの接続点とグランドとの間に抵抗15を接続しても同様の効果が得られる。
また、図1の回路では、チョークコイル(バイアス回路)12a,12bをそれぞれ点D、点Eに接続する構成を示したが、図6に示すように、チョークコイル(第1のトランジスタのバイアス回路)12aを直列共振器(第2の直列共振器)8aのインダクタ9aとキャパシタ10aとの接続点に、またチョークコイル(第2のトランジスタのバイアス回路)12bを直列共振器(第4の直列共振器)8bのインダクタ9bとキャパシタ10bとの接続点に接続した構成としても同様の効果が得られる。
また、図7に示すように、共振回路11において、キャパシタンスC1を有する図1のキャパシタ7a,7bの代わりに、キャパシタンスC1/2を有するキャパシタ16を用い、キャパシタンスC2を有する図1のキャパシタ10a,10bの代わりにキャパシタンスC2/2を有するキャパシタ17を用いても同様の効果が得られる。
また、図7に示すように、共振回路11において、キャパシタンスC1を有する図1のキャパシタ7a,7bの代わりに、キャパシタンスC1/2を有するキャパシタ16を用い、キャパシタンスC2を有する図1のキャパシタ10a,10bの代わりにキャパシタンスC2/2を有するキャパシタ17を用いても同様の効果が得られる。
また、図8に示すように、共振回路11において、インダクタンスL1を有する図1のインダクタ6a,6bの代わりに、インダクタンス2×L1を有するインダクタ18を用い、インダクタンスL2を有する図1のインダクタ9a,9bの代わりにインダクタンス2×L1を有するインダクタ19を用いても同様の効果が得られる。
また、図9に示すように、共振回路11を、キャパシタンスC1/2を有するキャパシタ16、キャパシタンスC2/2を有するキャパシタ17、インダクタンス2×L1を有するインダクタ18、インダクタンス2×L1を有するインダクタ19で構成しても同様の効果が得られる。
また、図9に示すように、共振回路11を、キャパシタンスC1/2を有するキャパシタ16、キャパシタンスC2/2を有するキャパシタ17、インダクタンス2×L1を有するインダクタ18、インダクタンス2×L1を有するインダクタ19で構成しても同様の効果が得られる。
また、図10に示すように、図1の直列共振器5a,5bとして周波数f1で半波長の長さを有するマイクロストリップ線路や導波管などの伝送線路20a,20bを用い、図1の直列共振器8a,8bとして周波数f2で半波長の長さを有するマイクロストリップ線路や導波管などの伝送線路21a,21bを用いても同様の効果が得られる。
また、図11に示すように、電源端子13に、高周波信号を接地する大きい容量値を有するキャパシタ22を接続しても同様の効果が得られる。
また、図11に示すように、電源端子13に、高周波信号を接地する大きい容量値を有するキャパシタ22を接続しても同様の効果が得られる。
また、図12に示すように、直列共振器5a,5b,8a,8bを図1で説明した高周波的な仮想接地点B,Cに接続する代わりに、直接グランドに接続している。さらに、チョークコイル12a,12bを図1での高周波的な仮想接地点Aに接続して一つの電源端子13から両トランジスタ2a,2bにバイアスを印加する代わりに、チョークコイル12aと大きい容量値を有するキャパシタ22aを電源端子13aに接続し、一方、チョークコイル12bと大きい容量値を有するキャパシタ22bを別の電源端子13bに接続しても同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図13は、この発明の実施の形態2による差動出力発振器の構成を示す回路図である。図1の構成との違いは、インダクタ6a,6b,9a,9bとしてコプレーナ線路23a,23b,24a,24bを用いていることである。コプレーナ線路23aと23b同士は同じ長さであり、またコプレーナ線路24aと24b同士も同じ長さである。
次に動作について説明する。
例えば、インダクタ6a,6b,9a,9bとしてマイクロストリップ線路を用いる場合、信号を伝達する表面導体とグランドとして用いる裏面導体との間の誘電体層の厚さが薄いと損失が大きくなり、所望の周波数f0における共振回路11の反射振幅が小さくなり、その結果発振器のループ利得が小さくなり発振動作が起こらない可能性がある。
図13は、この発明の実施の形態2による差動出力発振器の構成を示す回路図である。図1の構成との違いは、インダクタ6a,6b,9a,9bとしてコプレーナ線路23a,23b,24a,24bを用いていることである。コプレーナ線路23aと23b同士は同じ長さであり、またコプレーナ線路24aと24b同士も同じ長さである。
次に動作について説明する。
例えば、インダクタ6a,6b,9a,9bとしてマイクロストリップ線路を用いる場合、信号を伝達する表面導体とグランドとして用いる裏面導体との間の誘電体層の厚さが薄いと損失が大きくなり、所望の周波数f0における共振回路11の反射振幅が小さくなり、その結果発振器のループ利得が小さくなり発振動作が起こらない可能性がある。
一方、コプレーナ線路は信号を伝達する導体とその両側の間隙を挟んでグランドとして用いる導体面とで構成され、いずれも表面のみに存在し裏面に導体面が存在しないため、誘電体層の厚さの影響が小さい。また、間隙の幅を広くすることにより、マイクロストリップ線路における誘電体層の厚さに相当する部分を大きくすることができるため、所望の周波数f0における共振回路11の反射振幅の低下を抑制することが可能となる。その結果、発振器のループ利得の減少を抑制できるため、所望の周波数f0で発振動作を起こすことが可能となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、第1乃至第4の直列共振器5a,5b,8a,8bのインダクタにコプレーナ線路を用いる構成としたので、誘電体層の厚さが薄い場合でも所望の周波数f0で発振動作を起こすことが可能になるという利点を有する。なお、一部の組み合わせの直列共振器、例えば第1、第3の直列共振器5a,8aまたは第2、第4の直列共振器5b,8bにのみコプレーナ線路を適用してもよい。
また、直列共振周波数f1およびf2を所望の周波数f0に近づけることにより、発振器の位相雑音が改善するが、その一方で所望の周波数f0における共振回路11の反射振幅が小さくなり、その結果、発振器のループ利得が小さくなり、発振動作が起こらない可能性がある。インダクタ6a,6b,9a,9bとしてコプレーナ線路23a,23b,24a,24bを用いることにより、所望の周波数f0における共振回路11の反射振幅の低下を抑制することが可能となるため、マイクロストリップ線路を用いる場合よりも、直列共振周波数f1およびf2を所望の周波数f0に近づけることができるため、発振器の位相雑音をさらに改善できるという利点を有する。
実施の形態3.
図14は、この発明の実施の形態3による差動出力発振器の構成を示す回路図である。図1の構成との違いは、共振回路11において、点Dとトランジスタ2aのコレクタとの間、点Eとトランジスタ2bのコレクタとの間にそれぞれ同じ値の抵抗25a,25bを接続していることである。
次に動作について説明する。
この実施の形態3における共振回路11の反射振幅の周波数依存性を図15に示す。共振回路11の共振周波数f0では、もともと点D,Eから見たインピーダンスが開放点となっているため、抵抗25a,25bを接続しても反射振幅は変化しない。共振回路11の共振周波数f0から離れるにしたがって、点D,Eから見たインピーダンスが開放点からずれるため、抵抗25a,25bを接続すると、損失が生じ、反射振幅が小さくなる。
また、能動回路1の反射振幅の周波数依存性を図16に示す。能動回路1は所望の周波数f0を含む広い帯域で利得を有する。
図14は、この発明の実施の形態3による差動出力発振器の構成を示す回路図である。図1の構成との違いは、共振回路11において、点Dとトランジスタ2aのコレクタとの間、点Eとトランジスタ2bのコレクタとの間にそれぞれ同じ値の抵抗25a,25bを接続していることである。
次に動作について説明する。
この実施の形態3における共振回路11の反射振幅の周波数依存性を図15に示す。共振回路11の共振周波数f0では、もともと点D,Eから見たインピーダンスが開放点となっているため、抵抗25a,25bを接続しても反射振幅は変化しない。共振回路11の共振周波数f0から離れるにしたがって、点D,Eから見たインピーダンスが開放点からずれるため、抵抗25a,25bを接続すると、損失が生じ、反射振幅が小さくなる。
また、能動回路1の反射振幅の周波数依存性を図16に示す。能動回路1は所望の周波数f0を含む広い帯域で利得を有する。
さらに、図17に発振器のループ利得の周波数依存性について示す。発振器のループ利得は、上記共振回路11の反射振幅と能動回路1の反射振幅を掛け合わせたもので、発振器が所望の周波数f0で発振動作をするためには周波数f0におけるループ利得が利得を有する(1を超える)必要がある。抵抗未接続の場合は、所望の周波数f0を含む広い帯域でループ利得が利得を有するため、所望の周波数f0以外の不要周波数で発振動作を起こす可能性がある。これに対して、抵抗25a,25bを接続することにより、f0以外の不要周波数でのループ利得が小さくなるため、不要周波数での発振の可能性がなくなり、所望の周波数f0で発振することが可能となる。
以上のように、この実施の形態3によれば、第1、第2のトランジスタの各コレクタと共振回路11との間に同じ値の抵抗を接続するように構成したので、不要周波数での発振の可能性をなくし、所望の並列共振周波数f0での発振が可能になる。
実施の形態4.
図18は、この発明の実施の形態4による差動出力発振器の構成を示す回路図である。図1の構成との違いは、キャパシタ7a,7b,10a,10bの代わりに、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bを用いており、さらに、バラクタダイオード26aと26bの接続点、また27aと27bの接続点に、それぞれ電圧を印加するための同調電圧端子28,29を設けていることである。
次に動作について説明する。
周知のように、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bは、両端に印加される電圧に応じてキャパシタンスが変化する可変容量素子である。同調電圧端子28,29に印加する電圧を変化させると、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bのキャパシタンスが変化し、直列共振器5a,5bの直列共振周波数f1、および直列共振器8a,8bの直列共振周波数f2が変化する。その結果、共振回路11の共振周波数f0が変化するため、発振器の発振周波数を変化させる。
図18は、この発明の実施の形態4による差動出力発振器の構成を示す回路図である。図1の構成との違いは、キャパシタ7a,7b,10a,10bの代わりに、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bを用いており、さらに、バラクタダイオード26aと26bの接続点、また27aと27bの接続点に、それぞれ電圧を印加するための同調電圧端子28,29を設けていることである。
次に動作について説明する。
周知のように、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bは、両端に印加される電圧に応じてキャパシタンスが変化する可変容量素子である。同調電圧端子28,29に印加する電圧を変化させると、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bのキャパシタンスが変化し、直列共振器5a,5bの直列共振周波数f1、および直列共振器8a,8bの直列共振周波数f2が変化する。その結果、共振回路11の共振周波数f0が変化するため、発振器の発振周波数を変化させる。
以上のように、この実施の形態4によれば、直列共振器5a,5bおよび直列共振器8a,8bのキャパシタに、バラクタダイオード26a,26b,27a,27bを用い、同調電圧端子28,29を設けて電圧を印加して直列共振器の直列共振周波数f1および/もしくはf2を変化させるように構成しているので、外部から印加する電圧に応じて発振周波数が変化する電圧制御発振器として動作させることができる。
1 能動回路、2a,2b トランジスタ、3a,3b 出力端子、4a,4b 直流阻止キャパシタ、5a,5b 直列共振器(共振周波数f1)、6a,6b インダクタ(インダクタンスL1)、7a,7b キャパシタ(キャパシタンスC1)、8a,8b 直列共振器(共振周波数f2)、9a,9b インダクタ(インダクタンスL2)、10a,10b キャパシタ(キャパシタンスC2)、
11 共振回路、12a,12b チョークコイル、13 電源端子、14 定電流回路、15,25a,25b 抵抗、16 キャパシタ(キャパシタンスC1/2)、17 キャパシタ(キャパシタンスC2/2)、18 インダクタ(インダクタンス2×L1)、19 インダクタ(インダクタンス2×L2)、
20a,20b 伝送線路(周波数f1で半波長)、21a,21b 伝送線路(周波数f2で半波長)、22,22a,22b キャパシタ、23a,23b,24a,24b コプレーナ線路、26a,26b,27a,27b バラクタダイオード、28,29 同調電圧端子。
11 共振回路、12a,12b チョークコイル、13 電源端子、14 定電流回路、15,25a,25b 抵抗、16 キャパシタ(キャパシタンスC1/2)、17 キャパシタ(キャパシタンスC2/2)、18 インダクタ(インダクタンス2×L1)、19 インダクタ(インダクタンス2×L2)、
20a,20b 伝送線路(周波数f1で半波長)、21a,21b 伝送線路(周波数f2で半波長)、22,22a,22b キャパシタ、23a,23b,24a,24b コプレーナ線路、26a,26b,27a,27b バラクタダイオード、28,29 同調電圧端子。
Claims (13)
- それぞれのエミッタを接地し、それぞれのコレクタの出力を互いに相手方のベースに入力するように接続した第1、第2のトランジスタと、当該第1、第2のトランジスタの各コレクタに接続した共振回路と、直流電源に接続したそれぞれのトランジスタのチョークコイルを含むバイアス回路を備え、前記各コレクタからそれぞれ発振出力を得るようにした差動出力発振器であって、
前記共振回路は、
前記第1のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f1の第1の直列共振器と、
前記第1のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f2(f2≠f1)の第2の直列共振器と、
前記第2のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f1の第3の直列共振器と、
前記第2のトランジスタのコレクタに一端が接続された共振周波数f2の第4の直列共振器とを有し、
前記第1の直列共振器の他端と前記第3の直列共振器の他端は互いに接続されるか接地され、また前記第2の直列共振器の他端と前記第4の直列共振器の他端は互いに接続されるか接地されてなることを特徴とする差動出力発振器。 - 第1、第2のトランジスタのエミッタが定電流回路に接続されていることを特徴とする請求項1記載の差動出力発振器。
- 第1、第2のトランジスタのエミッタが抵抗を介して接地されていることを特徴とする請求項1記載の差動出力発振器。
- 第1の直列共振器は、第1のインダクタと第1のキャパシタの直列接続からなり、
第2の直列共振器は、第2のインダクタと第2のキャパシタの直列接続からなり、
第3の直列共振器は、第3のインダクタと第3のキャパシタの直列接続からなり、
第4の直列共振器は、第4のインダクタと第4のキャパシタの直列接続からなることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の差動出力発振器。 - 第2のキャパシタと第4のキャパシタとが直接接続され、
第1のトランジスタのバイアス回路が第2のインダクタと前記第2のキャパシタの接続点に接続され、
第2のトランジスタのバイアス回路が第4のインダクタと前記第4のキャパシタの接続点に接続されてなることを特徴とする請求項4記載の差動出力発振器。 - 第1のキャパシタと第3のキャパシタ同士が直接接続され、第2のキャパシタと第4のキャパシタ同士が直接接続されてなることを特徴とする請求項4記載の差動出力発振器。
- 第1および第3のキャパシタおよび/もしくは第2および第4のキャパシタを、それぞれ1つのキャパシタで置き換えたことを特徴とする請求項4または請求項6記載の差動出力発振器。
- 第1、第3のインダクタおよび/もしくは第2、第4のインダクタを、それぞれ1つのインダクタンスで置き換えたことを特徴とする請求項4、請求項6または請求項7記載の差動出力発振器。
- 第1の直列共振器および第3の直列共振器の代わりに、それぞれ周波数f1で半波長の長さを有する伝送線路を用い、
第2の直列共振器および第4の直列共振器の代わりに、それぞれ周波数周波数f2(f2≠f1)で半波長の長さを有する伝送線路を用いたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の差動出力発振器。 - 第1乃至第4のキャパシタがそれぞれ直接接地され、それぞれのトランジスタのバイアス回路が別々の直流電源端子に接続されてなることを特徴とする請求項4記載の差動出力発振器。
- 第1、第3の直列共振器および/もしくは第2、第4の直列共振器がインダクタとして、コプレーナ線路を用いたことを特徴とする請求項1または請求項4記載の差動出力発振器。
- 第1、第3の直列共振器の組および/もしくは第2、第4の直列共振器の組がキャパシタに可変容量素子を用いたことを特徴とする請求項1、請求項4または請求項11記載の差動出力発振器。
- 第1、第2のトランジスタの各コレクタは共振回路との間に同じ値の抵抗を接続したことを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の差動出力発振器。
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- 2009-02-19 JP JP2009036591A patent/JP2010193271A/ja active Pending
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