JP5955046B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに係り、特に、樹脂材料からなる樹脂成形部を備えるクッションフレームの樹脂成形部に、金属部を備える被組み付け部材を組み付けて構成される車両用シートに関する。
軽量化等の目的から車両用シートのクッションフレームの一部または全部を樹脂材料により成形することがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ガラス長繊維強化ポリプロピレン成形樹脂により一体成形されたシートクッションフレーム(特許文献1ではシートパッド支持体と表記)が開示されている。このように樹脂材料によってシートクッションフレームを一体成形した場合には、部品コストを削減することができ、さらにシートクッション各部を接合する等の作業工程も不要となり、より簡易にシートクッションフレームを製造することが可能となる。
特開平11−75984号公報
ところで、車両用シートを完成する過程において、シートアジャスタ機構や高さ調整機構等の被組み付け部材をシートクッションフレームに組み付けることがある。被組み付け部材をシートクッションフレームに組み付ける際、被組み付け部材側の接合部分が金属からなり、シートクッションフレーム側の接合部分が樹脂材料からなる場合、接合部分同士を溶接にて接合することは困難である。
一方、特許文献1に記載のシートクッションフレームの場合、被組み付け部材としてのスライドレールをボルトによりシートクッションに組み付けている。ここで、シートクッションフレーム中、スライドレールとの接合部分が樹脂材料からなると、当該接合部分がボルト締め付け時に変形してしまう(具体的には、ボルト頭部に押し付けられた部分が凹む)虞がある。
また、シートクッションフレーム中の樹脂成形部に対して被組み付け部材を組み付ける作業については、より容易に行えることが望ましい。また、被組み付け部材がシートクッションフレーム中の樹脂成形部に対して相対的に動く可動体である場合、被組み付け部材と樹脂成形部との間の接触抵抗が大きいと、被組み付け部材としての可動体が動作し難くなってしまう虞がある。さらに、可動体が樹脂成形部と接触しながら動作することに起因して樹脂成形部の摩耗が生じてしまう可能性もある。
また、シートクッションフレーム中の樹脂成形部の剛性を確保するために、樹脂成形部の外表面から外側に延出してから更に外表面と対向するように折れ曲った折れ曲がり部が形成されることがある。かかる構成の樹脂成形部に対して被組み付け部材を組み付ける際に折れ曲がり部と干渉してしまうと、作業性が低下することとなる。
さらに、被組み付け部材をより安定的に保持しておく観点から、樹脂成形部のうち、被組み付け部材が組み付けられる部分周辺については、より剛性が高くなっていることが求めてられている。
さらにまた、乗員の臀部を支持する臀部支持部をシートクッションフレームに設けた場合、当該臀部支持部上に臀部を載せた際の着座感を向上させるためにシートクッションフレームの樹脂成形部近くに穴部を設けることがあるが、この穴部により樹脂成形部、特に被組み付け部材が組み付けられる部分周辺の剛性が低下してしまう可能性もある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造過程において、シートクッションフレーム中、樹脂材料からなる樹脂成形部に対して被組み付け部材を金属部が設けられている部分で組み付けたときに樹脂成形部の変形を抑制することが可能な車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、製造過程において、シートクッションフレーム中の樹脂成形部に対して被組み付け部材を組み付ける作業をより容易に行うことが可能な車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、被組み付け部材がシートクッションフレーム中の樹脂成形部に対して相対的に動く可動体である場合、当該可動体がスムーズに動作できるように樹脂成形部に組み付けられた車両用シートを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、被組み付け部材としての可動体が樹脂成形部と接触しながら動作することに起因して樹脂成形部の摩耗が生じてしまうのを抑制することが可能な車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、シートクッションフレームに、樹脂成形部の外表面から外側に延出してから更に外表面と対向するように折れ曲った折れ曲がり部が設けられている場合、樹脂成形部に対して被組み付け部材を組み付ける際に折れ曲がり部と干渉してしまうのを抑制することが可能な車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、被組み付け部材をより安定的に保持しておく観点から樹脂成形部のうち、被組み付け部材が組み付けられる部分周辺の剛性が向上した車両用シートを提供することである。
また、本発明の他の目的は、乗員の臀部を支持する臀部支持部をシートクッションフレームに設けた場合、当該臀部支持部上に臀部を載せた際の着座感を向上させるためにシートクッションフレームの樹脂成形部近くに穴部を設けたとしても樹脂成形部中、被組み付け部材が組み付けられる部分周辺の剛性が低下するのを抑制することが可能な車両用シートを提供することである。
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、樹脂材料からなる樹脂成形部、及び、該樹脂成形部に形成された第1貫通穴を備えたシートクッションフレームと、第2貫通穴が形成された金属部を備え、該第2貫通穴が前記第1貫通穴と連通する位置で前記樹脂成形部に組み付けられる被組み付け部材と、前記樹脂成形部に前記被組み付け部材を組み付けるために、互いに連通した状態の前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴の双方に挿入される金属製の軸部材と、を備え、該軸部材は、該軸部材が前記双方に挿入された際に前記樹脂成形部に係止される鍔部を有し、該鍔部が前記樹脂成形部に係止された状態で前記軸部材が前記金属部に溶接にて固定されていることにより解決される。
上記の車両用シートであれば、シートクッションフレーム中、樹脂材料からなる樹脂成形部に対して被組み付け部材を金属部が設けられている部分で組み付ける際、ボルト等の締結部材を用いないので、当該締結部材からの力によって樹脂成形部が変形するのを抑制することが可能である。
また、上記の車両用シートにおいて、前記軸部材は、前記金属部に溶接されることで固定されており、前記軸部材の頂部は、前記鍔部と、前記鍔部の内側に位置する非鍔部とを有し、該非鍔部は、前記軸部材が前記双方に挿入された状態において前記第1貫通穴に沿って窪んでおり、前記金属部に対する前記軸部材の溶接箇所は、前記非鍔部中、前記金属部と隣り合う部分に位置することとしてもよい。
レーザー溶接を行う上で、レーザーの照射位置と溶接位置との間の間隔が短くなっていることが望ましい。上記の構成であれば、軸部材のうち、第1貫通穴に沿って窪んだ非鍔部にレーザーを照射して溶接するので、照射位置と溶接位置との間の間隔がより短くなるため、レーザー溶接が良好に行われる。また、レーザー溶接の場合、レーザー照射位置を確認することで溶接位置を確認することができるため、溶接作業がより容易になる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記被組み付け部材は、前記金属部としてのギアを備え、該ギアに伝達された駆動力により前記樹脂成形部に対して相対回動する回動体であり、前記樹脂成形部は、前記鍔部を係止する係止部と、該係止部と隣接する隣接部とを有し、前記係止部は、前記鍔部を係止した状態において前記回動体と前記鍔部とに挟まれており、かつ、前記隣接部よりも前記回動体側に突き出ていることとしてもよい。
かかる構成であれば、樹脂成形部において係止部が隣接部より肉厚となっているので、係止部が鍔部を係止した状態を安定的に保持しておくことが可能になる。また、係止部が隣接部よりも回動体側に突き出ているので、係止部及び隣接部のうち、係止部のみが回動体と接触することになり、係止部及び隣接部の双方が接触する場合と比較して、回動体と樹脂成形部との間に生じる接触抵抗が小さくなる。これにより、回動体は、樹脂成形部に対して相対回動する際、よりスムーズに動作することが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記回動体は、前記ギアが埋め込まれた樹脂材料からなる回動体本体を更に有し、該回動体本体は、前記ギアの側面中、前記軸部材に対して前記第2貫通穴の外周部を露出させるために形成された露出穴と、該露出穴を囲んだ囲み部とを有し、該囲み部は、前記係止部が前記鍔部を係止した状態において前記ギアと前記係止部とに挟まれていることとしてもよい。
かかる構成であれば、樹脂成形部に回動体を組み付けた状態において、係止部は、回動体中の回動体本体、より具体的には囲み部と接触する。そして、この囲み部が樹脂材料により成形されていることにより、係止部の摩耗を低減することが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記シートクッションフレームは、前記車両用シートの幅方向の一端部に位置した前記樹脂成形部としての一端側フレームと、該一端側フレームと対向した状態で前記幅方向の他端部に位置した他端側フレームと、を有し、前記回動体本体は、前記ギアが埋め込められた第1回動アームと、前記幅方向において該第1回動アームと対向する位置に配置された第2回動アームと、前記第1回動アームと第2回動アームとの間を連結する中空状の連結パイプと、を備え、前記第1回動アームは、前記一端側フレームに組み付けられ、前記第2回動アームは、前記他端側フレームに組み付けられ、前記双方に挿入された状態の前記軸部材の先端部は、前記第2貫通穴から突き出ており、かつ、前記幅方向において前記連結パイプと重なる位置に位置していることとしてもよい。
かかる構成であれば、幅方向において軸部材の先端部を連結パイプの空間に近づけることが可能となり、その分、車両用シートを小型化することが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記一端側フレームには、前記一端側フレームの前記幅方向の外側に位置する外表面から前記幅方向に沿って延出してから前記外表面と対向するように折れ曲った折れ曲がり部が形成され、前記第1貫通穴は、前記幅方向から見て、前記一端側フレーム中、前記折れ曲がり部が設けられた位置から外れた位置に形成されていることとしてもよい。
フレームの剛性を向上させるために折れ曲がり部を形成した場合であっても、第1貫通穴が、折れ曲がり部が設けられた位置から外れた位置に形成されるので、第1貫通穴に軸部材を挿入する際には、折れ曲がり部と干渉することがなく、以て、作業性が向上することとなる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記シートクッションフレームは、前記一端側フレームの後端部と前記他端側フレームの後端部とを連結する後端側連結部を有し、前記一端側フレーム及び前記他端側フレームの各々の後端部のうち、前記後端側連結部よりも後端側に位置する部分に組み付けられるシートバックフレームを備え、前記第1貫通穴は、前記一端側フレームの後端部に形成されており、前記後端側連結部の後端部は、前記一端側フレーム及び前記他端側フレームの各々の後端部に組み付けられた状態の前記シートバックフレームに向かって延出していることとしてもよい。
かかる構成であれば、第1貫通穴を形成したとしても、シートバックフレームに向かって延出している形状の後端側連結部を設けることで、一端側フレームの後端部、特に、シートバックフレームが組み付けられる部位周辺の剛性を補うことが可能となる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記樹脂成形部は、前記車両用シートの幅方向において前記シートクッションフレームの一端部に位置した一端側フレーム、及び、該一端側フレームと対向した状態で前記幅方向において前記シートクッションフレームの他端部に位置した他端側フレームであり、前記シートクッションフレームは、前記一端側フレームと、前記他端側フレームと、前記一端側フレームの前端部と前記他端側フレームの前端部とを連結する前端側連結部とを有し、該前端側連結部には、下方に窪んで形成された凹部が設けられており、前記第1貫通穴は、前記一端側フレーム中、前記車両用シートの前後方向において前記凹部が設けられている範囲内に形成されていることとしてもよい。
上記の前端側連結部のうち、凹部が設けられている部分では剛性が高くなっている。そして、第1貫通穴が一端側フレーム中、車両用シートの前後方向において凹部が設けられている範囲内に形成されていることにより、一端側フレーム中の第1貫通穴が形成されている部分が、前端側連結部中の剛性が高くなった部分によって支えられるようになる。すなわち、一端側フレーム中の第1貫通穴が形成されている部分についての支持剛性が向上することになる。
また、上記の車両用シートにおいて、前記シートクッションフレームは、前記車両用シートの幅方向の一端部に位置した前記樹脂成形部としての一端側フレームと、該一端側フレームと対向した状態で前記幅方向の他端部に位置した他端側フレームと、前記幅方向において前記一端側フレームと前記他端側フレームとの間に位置して乗員の臀部を支持する臀部支持部とを有し、該臀部支持部は、前記車両用シートの前後方向に沿って延出した板状部分であり、前記幅方向において前記一端側フレームと前記臀部支持部との間には穴が形成されており、前記第1貫通穴は、前記一端側フレーム中、前記前後方向において前記穴が形成されている範囲内に形成されており、前記一端側フレームには、前記一端側フレームの前記幅方向の外側に位置する外表面から前記幅方向に沿って延出してから前記外表面と対向するように折れ曲った折れ曲がり部が形成され、該折れ曲がり部は、前記前後方向における前記第1貫通穴の形成位置に掛かるように前記一端側フレームに形成されていることとしてもよい。
かかる構成であれば、一端側フレームと臀部支持部との間に穴が設けられていることで、臀部支持部上に臀部を載せた際の着座感が向上する。一方で、上記の穴部が設けられていることにより、一端側フレーム中の第1貫通穴が形成されている部分の剛性が低下するものの、前後方向において第1貫通穴の形成位置に掛かるように形成された折れ曲がり部によって、当該剛性低下を抑えることが可能となる。
請求項1の車両用シートによれば、シートクッションフレーム中、樹脂材料からなる樹脂成形部に対して被組み付け部材を組み付ける際に、樹脂成形部が変形するのを抑制することが可能である。
請求項2の車両用シートによれば、レーザー溶接が良好に行われ、また、溶接作業がより容易になる。
請求項3の車両用シートによれば、係止部が鍔部を係止した状態を安定的に保持しておくことが可能になる。また、回動体と樹脂成形部との間に生じる接触抵抗を小さくし、これにより、回動体が樹脂成形部に対して相対回動する際、よりスムーズに動作することが可能となる。
請求項4の車両用シートによれば、係止部の摩耗を低減することが可能となる。
請求項5の車両用シートによれば、幅方向において軸部材の先端部を連結パイプの空間に近づけることが可能となり、その分、車両用シートを小型化することが可能となる。
請求項6の車両用シートによれば、フレームの剛性を向上させるために折れ曲がり部を形成した場合であっても、第1貫通穴に軸部材を挿入する際に折れ曲がり部と干渉することがなく、以て、作業性が向上する。
請求項7の車両用シートによれば、第1貫通穴を形成したとしても、一端側フレームの後端部、特に、シートバックフレームが組み付けられる部位周辺の剛性を補うことが可能となる。
請求項8の車両用シートによれば、一端側フレーム中の第1貫通穴が形成されている部分についての支持剛性が向上する。
請求項9の車両用シートによれば、臀部支持部上に臀部を載せた際の着座感が向上するとともに、穴部を設けることによって一端側フレーム中の第1貫通穴が形成されている部分の剛性が低下するのを抑えることが可能となる。
本実施形態に係る車両用シートの概略斜視図である。 本実施形態に係る車両用シートのフレームを示す概略斜視図である。 本実施形態に係る車両用シートのフレームを示す概略側面図である。 本実施形態に係るシートクッションフレームの模式斜視図である。 図4中のA−A断面図である。 高さ調整機構を示す図であり、車両用シートSが通常位置にあるときの状態を示す。 高さ調整機構を示す図であり、車両用シートSが上昇位置にあるときの状態を示す。 一方側から見たリア側リンクの模式斜視図である。 図8の場合とは反対側から見たリア側リンクの模式斜視図である。 第1回動アームに埋め込まれた状態のギアを示す図である。 フロント側リンクの模式斜視図である。 第1回動アームの組み付け構造を示す模式断面図である。 第2回動アームの組み付け構造を示す模式断面図である。 フロント側リンクの回動部の組み付け構造を示す模式断面図である。 本実施形態に係るシートクッションフレームの模式平面図である。 変形例に係るシートクッションフレームの模式斜視図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る車両用シートについて、図を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用シートの概略斜視図である。図2及び3は、本実施形態に係る車両用シートのフレームを示す概略図であり、図2は概略斜視図を、図3は概略側面図をそれぞれ示している。図4は、本実施形態に係るシートクッションフレームの模式斜視図である。図5は、図4中のA−A断面図である。図6及び7は、高さ調整機構を示す図であり、図6は、車両用シートSが通常位置にあるときの状態を示し、図7は、車両用シートSが上昇位置にあるときの状態を示す。図8及び9は、リア側リンクの模式斜視図であり、図8は、一方側から見た図であり、図9は、図8の場合とは反対側から見た図である。図10は、第1回動アームに埋め込まれた状態のギアを示す図である。図11は、フロント側リンクの模式斜視図である。図12は、第1回動アームの組み付け構造を示す模式断面図である。図13は、第2回動アームの組み付け構造を示す模式断面図である。図14は、後述するフロント側リンクの回動部の組み付け構造を示す模式断面図である。図15は、本実施形態に係るシートクッションフレームの模式平面図である。図16は、変形例に係るシートクッションフレームの模式斜視図である。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明において、前後方向とは、車両の進行方向に一致する方向のことであり、幅方向とは、車両の横幅に沿う方向のことであり本発明の車両用シートの幅方向に相当し、上下方向とは、車両の上下方向のことである。そして、以下で説明する各部材や各部の位置については、完成状態の車両用シートが車両の正規位置に取り付けられたときの位置である。
本実施形態に係る車両用シートSは、図1に示すように、シートバックS1、シートクッションS2及びヘッドレストS3により構成されており、シートバックS1及びシートクッションS2は、それぞれ、フレーム1,2にクッションパッド1a,2aを配して表皮材1b,2bで被覆された構成となっている。ヘッドレストS3は、不図示の心材にクッションパッド3aを配して表皮材3bで被覆された構成となっており、シートバックフレーム1に取り付けられたヘッドレストピラーHPによって支持される。
本実施形態に係る車両用シートSのフレームは、図2及び3に示すように、シートバックS1を構成するシートバックフレーム1、シートクッションS2を構成するシートクッションフレーム2を主たる構成要素として有する。
シートクッションフレーム2は、平面視で略ロの字形状となっており、本実施形態では、樹脂材料としての炭素繊維強化プラスチック(CFRP)にて一体成形されている。そして、シートクッションフレーム2の下部には、車両用シートSを前後方向にスライド移動させるためのスライドレール機構4が車体フロアに取り付けられており、シートクッションフレーム2及びスライドレール機構4の間には、車両用シートSを上下方向に移動させるための高さ調整機構5が介在する。
シートバックフレーム1は、平面視で略ロの字形状となっており、本実施形態では、シートクッションフレーム2と同様、CFRPにより一体成形されている。シートバックフレーム1は、その下端部がリクライニング機構10を介してシートクッションフレーム2の後端部に連結されることで支持される。かかる状態においてシートバックフレーム1は、シートクッションフレーム2に対して図3中、矢印にて示す方向に相対回動することが可能となっている。
前述したシートクッションフレーム2について、より詳しく説明すると、図4に示すように、シートクッションフレーム2の幅方向両端に位置する一対の側部フレーム6a,6bと、側部フレーム6a,6bの後端部同士を連結する後端側連結部7と、側部フレーム6a,6bの前端部同士を連結する前端側連結部8とを備える。
上記のシートクッションフレーム2各部については、前述したように、CFRPにより一体成形されている。特に、本実施形態に係るシートクッションフレーム2は金型成形によって製造されるものであるが、これに限定されるものではなく、金型成形以外の成形方法、例えば、樹脂材料からなるシートをフレーム形状に合わせて積層させることで成形することとしてもよい。また、シートクッションフレーム2の材質についても、CFRPに限定されるものではなく、他の樹脂材料であってもよい。
さらに、本実施形態では、シートバックフレーム1全体が樹脂材料としてのCFRPにより成形されているが、これに限定されるものではなく、シートバックフレーム1のうち、少なくとも、後述する被組み付け部材が組み付けられる側部フレーム6a,6bが樹脂材料からなるものであればよい。
一対の側部フレーム6a,6bの各々は、車両用シートSの前後方向に沿って長くなっており、図5に示すように、前後方向を法線方向とする断面(すなわち、図4中のA−A断面)が逆さU字形状となっている。本実施形態では、以上のような断面形状にすることにより、例えば、略I字状の断面となっている場合に比して側部フレーム6a,6bの剛性が向上している。
そして、側部フレーム6a,6bの後端部の内側には、シートバックフレーム1、より具体的には、シートバックフレーム1のサイドフレーム22がリクライニング機構10を介して取り付けられる。
また、側部フレーム6a,6bの後端部のうち、サイドフレーム22が取り付けられる部位よりも下方に位置する部位には、後述するリア側リンク30が組み付けられる。具体的に説明すると、側部フレーム6a,6bの後端部には、それぞれ、リア側リンク30を組み付けるために形成されたリンク組み付け用穴51,52が形成されている。
さらに、側部フレーム6a,6bの前端部には、後述するフロント側リンク40が組み付けられる。具体的に説明すると、側部フレーム6a,6bの前端部には、それぞれ、フロント側リンク40を組み付けるために形成されたリンク組み付け用穴53,54が形成されている。
なお、以降の説明では、一対の側部フレーム6a,6bのうち、シートクッションフレーム2の幅方向一端側に位置する側部フレーム6aを一端側フレーム6aと呼び、一端側フレーム6aと対向した状態でシートクッションフレーム2の幅方向他端側に位置する側部フレーム6bを他端側フレームと呼ぶこととする。
後端側連結部7は、前後方向に沿って幾分幅広に成形されており、特に本実施形態では、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部において、シートバックフレーム1が取り付けられる部位よりも前方に設けられている。また、本実施形態では、後端側連結部7の後端部が、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部に組み付けられた状態のシートバックフレーム1に向かって延出している。
より分かり易く説明すると、図2に示すように、シートバックフレーム1が取り付けられる部位は、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部の中で最も上方に位置しており、後端側連結部7は、シートバックフレーム1が取り付けられる部位よりも下方位置に設けられている。一方、後端側連結部7については、図2に示すように、その前端位置よりも後端位置が上方にある。つまり、後端側連結部7は、前後方向に対して傾斜した状態で形成されており、その後端部は、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部に組み付けられた状態のシートバックフレーム1に向かって延出している。
なお、傾斜状態で形成された後端側連結部7のうち、前方に位置する面は、車両用シートSに着座した乗員の腰部廻りを支える面であり、その中央部が後方に膨らむように湾曲している湾曲面となっている。これにより、乗員が車両用シートSに着座した際の着座感(フィーリング)が向上することとなる。
前端側連結部8は、所謂パンフレームに相当する部分であり、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の前端から後方に向かって展開されている。本実施形態では、図4に示すように、剛性向上の目的から、前端側連結部8の複数箇所に凹部8a,8b,8cが形成されている。各凹部8a,8b,8cは、前端側連結部8中、当該凹部8a,8b,8cが設けられる部位が下方に窪むことにより形成されている。かかる凹部8a,8b,8cの中で最も後方に位置する凹部8cは、前端側連結部8の後端部の幅方向中央に形成された平面視略正方形状の窪みである。
また、前端側連結部8の中で最も前方に位置する凹部8aは、シートクッションフレーム2の前端部の外縁に沿って形成された平面視略コの字状の窪みである。前端側連結部8において凹部8a,8cの中間位置にある凹部8bは、車両用シートSの幅方向に沿って形成された平面視略長方形状の窪みである。
そして、シートクッションフレーム2において、後端側連結部7と前端側連結部8との間には平面視矩形状の開口2Xが形成されており、この開口2Xの上方に敷設されたSバネ等の支持部材が、車両用シートSに着座した乗員の臀部を支持するようになる。また、前端側連結部8のうち、平面視略正方形状に窪んで形成された凹部8cと一端側フレーム6a、あるいは他端側フレーム6bとの間に位置する部分は、車両用シートSに着座した乗員の脚部を支える脚支え部8dとして機能する。そして、本実施形態では脚支え部8dが、前端側連結部8中、平面視略正方形状の凹部8cと一端側フレーム6a、あるいは他端側フレーム6bとの間に位置することによって剛性が高くなった部分に設けられているため、乗員の脚部を安定して支えることが可能である。
さらに、本実施形態に係るシートクッションフレーム2には、剛性確保の目的から、後端を除く外周面の全周に亘って折れ曲がり部9が設けられている。この折れ曲がり部9は、シートクッションフレーム2の外周面、具体的には、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bにおいて幅方向外側に位置する外表面、ならびに前端側連結部8の前端面の各々の下端位置から延出した部分であり、例えばプレス成形によって形成される。
折れ曲がり部9は、外周面から外側に向かって延出してから上方に向かって略垂直に(L字状に)折れ曲がった形状となっている。つまり、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの外表面下端部に設けられている折れ曲がり部9は、図5に示すように、幅方向に沿って延出してから上記外表面と対向するように上方に向かって略垂直に折れ曲がっている。一方で、前端側連結部8の前端面下端部に設けられている折れ曲がり部9は、前方に向かって延出してから上記前端面と対向するように上方に向かって略垂直に折れ曲っている。
なお、折れ曲がり部9については、シートクッションフレーム2の外周面下端部に設けられているケースに限定されず、例えば、シートクッションフレーム2の外周面上端部に設けられていることとしてもよく、あるいは、シートクッションフレーム2の外周面の上端部及び下端部のいずれにも設けられていることとしてもよい。
また、本実施形態では、一端側フレーム6aや他端側フレーム6bを含むシートクッションフレーム2全体が樹脂材料としてのCFRPにより成形されているが、これに限定されるものではなく、シートクッションフレーム2のうち、少なくともリア側リンク30やフロント側リンク40が組み付けられる部分が樹脂材料からなるものであればよい。
次に、高さ調整機構5について説明する。高さ調整機構5は、上下方向においてシートクッションフレーム2とスライドレール機構4との間に配置され、不図示の操作レバーが操作されることにより動作する。
高さ調整機構5の構成例について説明すると、高さ調整機構5は、図6及び7に示すように、回動体の一例としてのリア側リンク30と、フロント側リンク40とを主たる構成要素として有する。
リア側リンク30は、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部に対して取り付けられるとともに、スライドレール機構4の可動レール4aに設けられたリンク支持突起4bに対して回動自在に支持されるものである。このリア側リンク30は、ギアの一例としてのセクターギア31を備え、上記の操作レバーに連動するピニオンギア25から駆動力がセクターギア31に伝達されると、当該駆動力により図6に示した位置と図7に示した位置との間を移動するように回動する。
リア側リンク30の構造について説明すると、図8及び9に示すように、上記のセクターギア31と、セクターギア31が埋め込まれたリンク本体32とを有する。リンク本体32は、樹脂材料としてのCFRPからなる回動体本体に相当し、第1回動アーム33と、第2回動アーム34と、第1回動アーム33と第2回動アーム34との間を連結する連結パイプ35とを有する。本実施形態において、リア側リンク30は、セクターギア31を不図示のモールドにインサートした状態でCFRPを注入して行われるインサート成形により一体成形される。
リア側リンク30各部について詳しく説明すると、セクターギア31は、略扇形状の金属体であり、その外周部にはピニオンギア25と係合するギア部31aが形成され、その頂部には後述する第1軸ピン61を嵌め入れるためのピン穴31bが形成されている。また、本実施形態に係るセクターギア31では、図10に示すように、ギア部31aが形成された外周部のうち、下側に位置する端部が切り欠かれている。
第1回動アーム33は、リンク本体32中、セクターギア31が埋め込まれた部分であり、シートクッションフレーム2に高さ調整機構5が取り付けられる際、一端側フレーム6aに組み付けられる。また、第1回動アーム33は、可動レール4aのリンク支持突起4bに組み付けられる。
換言すると、第1回動アーム33は、図8に示すように、一端側フレーム6aに組み付けられる部分で側面視略扇形状のフレーム側端部33aと、可動レール4aに組み付けられる部分で平面視略半楕円状のレール側端部33bとを有する。
フレーム側端部33aは、ギア部31aが露出するようにセクターギア31が埋め込まれており、中心角部には、セクターギア31の側面中、ピン穴31b及びその外周部を第1軸ピン61に対して露出するための円状の露出穴33cが形成されている。また、フレーム側端部33aには、露出穴33cを囲んだ囲み部33dが備えられている。
そして、セクターギア31のピン穴31b、及び、一端側フレーム6aの後端部に設けられたリンク組み付け用穴51の双方に第1軸ピン61が挿入されて一端側フレーム6aに組み付けられると、第1回動アーム33は、一端側フレーム6aに対して第1軸ピン61周りに相対回動することが可能な状態となる。
以上のように、本実施形態に係るリア側リンク30では、回転状態のピニオンギア25と噛み合うセクターギア31を備えてピニオンギア25からの駆動力がセクターギア31に伝達されることにより回動する部分が、セクターギア31を除き、CFRPからなる。これにより、リア側リンク30の軽量化が図られている。
なお、本実施形態に係るセクターギア31では、前述したように、ギア部31aが形成された外周部のうち、下側に位置する端部が切り欠かれている。したがって、リア側リンク30をインサート成形する際には、セクターギア31の切り欠き部分にCFRPが潜り込むようになる。この結果、第1回動アーム33のフレーム側端部33a内には、図10に示すように、上記の切り欠き部分に係合してセクターギア31が第1回動アーム33から抜け出るのを規制する抜け止め部33gが形成されることになる。
一方、レール側端部33bの先端部、すなわち、フレーム側端部33aとは反対側の端部には後述する第2軸ピン62を嵌め入れるためのピン穴33eが形成されている。このピン穴33e、及び、可動レール4aのリンク支持突起4bに形成されたリンク支持穴(不図示)の双方に第2軸ピン62が挿入されて可動レール4aに組み付けられると、第1回動アーム33は、可動レール4aに対して第2軸ピン62周りに相対回動することが可能な状態で支持されるようになる。
なお、第1回動アーム33を可動レール4aに対して相対回動可能な状態で支持するためには、例えば、レール側端部33bの先端部に金属製のブッシュやスリーブをピン穴33e内に位置するように埋め込んでおき、ピン穴33eとリンク支持穴(不図示)の双方に挿入された状態の第2軸ピン62を上記のブッシュやスリーブにレーザー溶接すればよい。
第2回動アーム34は、連結パイプ35を介して第1回動アーム33と連結しているため、第1回動アーム33と一体的に回動する部分であり、シートクッションフレーム2に高さ調整機構5が取り付けられた状態では、幅方向において第1回動アーム33と対向する位置に配置されている。この第2回動アーム34は、シートクッションフレーム2に高さ調整機構5が取り付けられる際、その一端部にて他端側フレーム6bに組み付けられる。また、第2回動アーム34は、その他端部にて可動レール4aのリンク支持突起4bに組み付けられる。
より具体的に説明すると、第2回動アーム34は、図9に示すように、側面視略V字状に屈曲した形状となっており、他端側フレーム6bに組み付けられるフレーム側端部34aと、可動レール4aに組み付けられるレール側端部34bとを備えている。
フレーム側端部34aの先端部、すなわち、レール側端部34bとは反対側の端部には後述する第3軸ピン63を嵌め入れるためのピン穴34cが形成されており、金属製のリング体であるメタルブッシュ71が、このピン穴34c内に位置するように第2回動アーム34に埋め込まれている。つまり、本実施形態では、リア側リンク30をインサート成形する際、セクターギア31とともにメタルブッシュ71をモールドにインサートした状態でCFRPを注入してインサート成形を行うこととしている。
なお、ピン穴34cの外径は、メタルブッシュ71の貫通穴71aの径よりも幾分大きくなっている。すなわち、第2回動アーム34のフレーム側端部34aでは、メタルブッシュ71の側面中、貫通穴71a及びその外周部(具体的には、ブッシュ側鍔部71b)が第3軸ピン63に対して露出するようになる。一方、フレーム側端部34aには、ピン穴34cを囲んだ囲み部34eが形成されている。
そして、第2回動アーム34のフレーム側端部34aに形成されたピン穴34c、及び、他端側フレーム6bの後端部に設けられたリンク組み付け用穴52の双方に第3軸ピン63が挿入されて一端側フレーム6aに組み付けられると、第2回動アーム34は、他端側フレーム6bに対して第3軸ピン63周りに相対回動することが可能な状態となる。なお、厳密に言うと、第3軸ピン63は、他端側フレーム6bの後端部に設けられたリンク組み付け用穴52と、メタルブッシュ71の貫通穴71aに挿入されることになる。
一方、レール側端部34bの先端部、すなわち、フレーム側端部34aが位置する側とは反対側の端部には後述する第4軸ピン64を嵌め入れるためのピン穴34dが形成されている。このピン穴34d、及び、可動レール4aのリンク支持突起4bに形成されたリンク支持穴(不図示)の双方に第4軸ピン64が挿入されて可動レール4aに組み付けられると、第2回動アーム34は、可動レール4aに対して第4軸ピン64周りに相対回動することが可能な状態で支持されるようになる。
なお、第2回動アーム34を可動レール4aに対して相対回動可能な状態で支持するためには、例えば、レール側端部34bの先端部に金属製のブッシュやスリーブをピン穴34d内に位置するように埋め込んでおき、ピン穴34dとリンク支持穴(不図示)の双方に挿入された状態の第4軸ピン64を上記のブッシュやスリーブにレーザー溶接すればよい。
連結パイプ35は、第1回動アーム33のフレーム側端部33aと第2回動アーム34のフレーム側端部34aとを連結する中空状の部分であり、本実施形態では連結パイプ35の内空間が、セクターギア31のピン穴31b、及び、第2回動アーム34のフレーム側端部34aに設けられたピン穴34cと連通している。
フロント側リンク40は、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の前端部に対して取り付けられるとともに、スライドレール機構4の可動レール4aに設けられたリンク支持突起4dに対して回動自在に支持されるものである。このフロント側リンク40は、リア側リンク30が回動した際に連動し、図6に示した位置と図7に示した位置との間を移動するように回動する。
フロント側リンク40は、図11に示すように、互いに対向した状態で設けられた一対の回動部41,41と、一対の回動部41,41の各々に埋め込まれたメタルブッシュ72と、回動部41,41間を連結する中空状の連結パイプ42とを有する。本実施形態において、フロント側リンク40は、メタルブッシュ72を不図示のモールドにインサートした状態でCFRPを注入して行われるインサート成形により一体成形される。
フロント側リンク40は、図11に示すように、左右対称の構造となっているため、以下では左右方向、すなわち、幅方向の一端側の構造のみを説明する。
幅方向一端側の回動部41は、フロント側リンク40の幅方向一端部に位置した部分であり、シートクッションフレーム2に高さ調整機構5が取り付けられる際に一端側フレーム6aに組み付けられ、さらに可動レール4aのリンク支持突起4dに組み付けられる。
換言すると、幅方向一端側の回動部41は、図11に示すように側面視略V字状に屈曲しており、一端側フレーム6aに組み付けられるフレーム側端部41aと、可動レール4aに組み付けられるレール側端部41bを有している。
フレーム側端部41aの先端部、すなわち、レール側端部41bとは反対側の端部には後述する第5軸ピン65を嵌め入れるためのピン穴41cが形成されており、金属製のリング体であるメタルブッシュ72が、このピン穴41c内に位置するように回動部41のフレーム側端部41aに埋め込まれている。
そして、回動部41のフレーム側端部41aに形成されたピン穴41c、及び、一端側フレーム6aの前端部に設けられたリンク組み付け用穴53の双方に第5軸ピン65が挿入されて一端側フレーム6aに組み付けられると、回動部41は、一端側フレーム6aに対して第5軸ピン65周りに相対回動することが可能な状態となる。より厳密に言うと、第5軸ピン65は、リンク組み付け用穴53と、メタルブッシュ72の貫通穴72aに挿入されることになる。
なお、ピン穴41cの外径は、メタルブッシュ72の貫通穴72aの径よりも幾分大きくなっている。すなわち、回動部41のフレーム側端部41aでは、メタルブッシュ72の側面中、貫通穴72a及びその外周部(具体的には、ブッシュ側鍔部72b)が第5軸ピン65に対して露出するようになる。一方、フレーム側端部41aには、ピン穴41cを囲んだ囲み部41fが形成されている。
一方、レール側端部41bの先端部、すなわち、フレーム側端部41aが位置する側とは反対側の端部には後述する第6軸ピン66を嵌め入れるためのピン穴41dが形成されている。このピン穴41d、及び、可動レール4aのリンク支持突起4dに形成されたリンク支持穴(不図示)の双方に第6軸ピン66が挿入されて可動レール4aに組み付けられると、回動部41は、可動レール4aに対して第6軸ピン66周りに相対回動することが可能な状態で支持されるようになる。
なお、各回動部41を可動レール4aに対して相対回動可能な状態で支持するためには、レール側端部41bの先端部に、金属製のブッシュやスリーブをピン穴41d内に位置するように埋め込んでおき、ピン穴41dとリンク支持穴(不図示)の双方に挿入された状態の第6軸ピン66を上記のブッシュやスリーブにレーザー溶接すればよい。
以上のように構成された一対の回動部41,41は、連結パイプ42によって連結されているため、回動する際には一対の回動部41,41の双方が一体的に回動することとなる。なお、本実施形態において、各回動部41の屈曲部分には円状の貫通穴41eが形成されており、連結パイプ42は、その内空間が上記の貫通穴41eに連通するように配置されている。
以上のように構成された高さ調整機構5の作動より、車両用シートSの上下位置を図6に示す通常位置から図7に示す上昇位置まで移動したり、反対に、上昇位置から通常位置に戻したりすることが可能である。
より具体的に説明すると、車両用シートSの所定位置に回転自在に支持されたピニオンギア25が不図示の操作レバーの操作によって回転すると、ピニオンギア25と噛み合っているセクターギア31のギア部31aに駆動力が伝達される。この駆動力により、セクターギア31は、ピニオンギア25に対して第1軸ピン61周りに相対回転するようになる。これにより、第1回動アーム33が可動レール4aに対して第2軸ピン62周りに相対回動するようになり、これに連動して、第2回動アーム34が可動レール4aに対して第4軸ピン64周りに相対回動するようになる。すなわち、リア側リンク30全体が可動レール4aに対して上下方向及び前後方向に回動するようになる。
そして、リア側リンク30の回動により、ピニオンギア25を含む車両用シートSが揺動しながら上下動するようになる。換言すると、第1回動アーム33がシートクッションフレーム2に対して第1軸ピン61周りに相対回動し、第2回動アーム34がシートクッションフレーム2に対して第3軸ピン63周りに相対回動するようになる。
一方で、シートクッションフレーム2の動きに追従して、フロント側リンク40が可動レール4aに対して上下方向及び前後方向に回動するようになる。すなわち、フロント側リンク40の回動部41が可動レール4aに対して第6軸ピン66周りに相対回動するようになる。この際、回動部41は、シートクッションフレーム2に対して第5軸ピン65周りに相対回動するようになる。
<<被組み付け部材を組み付けるための構造>>
以上までに説明してきた車両用シートSでは、リア側リンク30及びフロント側リンク40が、シートクッションフレーム2中、CFRPからなる一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bに組み付けられている。すなわち、リア側リンク30及びフロント側リンク40は、本発明の被組み付け部材に相当し、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bは、本発明の樹脂成形部に相当する。
また、本実施形態では、リア側リンク30は、一端側フレーム6aに埋め込まれた金属製のセクターギア31、及び、他端側フレーム6bに埋め込まれた金属部としてのメタルブッシュ71を備えており、セクターギア31やメタルブッシュ71が備えられている部分でシートクッションフレーム2に組み付けられている。同様に、フロント側リンク40は、回動部41に埋め込まれた金属部としてのメタルブッシュ72を備えており、メタルブッシュ72が備えられている部分でシートクッションフレーム2に組み付けられている。
つまり、本実施形態では、被組み付け部材側の接合部分が金属からなり、シートクッションフレーム2側の接合部分が樹脂材料、具体的にはCFRPからなるため、接合部分同士を溶接にて接合することは困難である。一方、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、被組み付け部材をボルトによってシートクッションフレーム2に組み付ける場合には、シートクッションフレーム2側の接合部分が樹脂材料からなると、当該接合部分が、ボルト頭部に押し付けられた部分が凹むように変形してしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、シートクッションフレーム2中、CFRPからなる一端側フレーム6aや他端側フレーム6bに対して被組み付け部材の金属部を組み付けたときに、一端側フレーム6aや他端側フレーム6bの変形を抑制することが組み付け構造を採用している。以下、当該組み付け構造について詳細に説明する。
先ず、シートクッションフレーム2に対するリア側リンク30の組み付け構造について図12及び13を参照しながら説明する。
リア側リンク30のうち、第1回動アーム33は、図12に示すように、シートクッションフレーム2の一端側フレーム6aの前端部に組み付けられている。具体的に説明すると、一端側フレーム6aは、前述したように逆U字形状となっており、外壁81と、内壁82と、両壁81,82の上端部同士を連結する天井壁83を有し、これらの壁81,82,83によって囲まれた空間内にフレーム側端部33aが位置するように第1回動アーム33が配置されている。
より詳しく説明すると、一端側フレーム6aの外壁81には、外壁81を貫通する第1貫通穴としてのリンク組み付け用穴51が形成されている。一方、第1回動アーム33のフレーム側端部33aには露出穴33cが形成されており、この露出穴33cによって、第1回動アーム33に埋め込まれたセクターギア31の側面中、ピン穴31b及びその外周部が露出している。ここで、ピン穴31bは、本発明の第2貫通穴に相当する。
そして、第1回動アーム33は、第2貫通穴としてのピン穴31bが一端側フレーム6aのリンク組み付け用穴51に連通する位置に配置されている。換言すると、リア側リンク30の第1回動アーム33は、セクターギア31のピン穴31bがリンク組み付け用穴51と連通する位置でシートクッションフレーム2の一端側フレーム6aに組み付けられている。
本実施形態では、以上のような組み付け位置にて第1回動アーム33を組み付けるために、金属製の第1軸ピン61が、互いに連通した状態のリンク組み付け用穴51及びピン穴31bの双方に挿入されている。上記の第1軸ピン61は、本発明の軸部材の一例に相当し、頂部61aの外周部に、鍔部としてのフランジ部61bを備えており、このフランジ部61bは、リンク組み付け用穴51の径よりも幾分大きな外径を有している。したがって、一端側フレーム6aの幅方向外側からリンク組み付け用穴51及びピン穴31bの双方に挿入されると、フランジ部61bが、一端側フレーム6aのリンク組み付け用穴51周りに形成された係止部6cに係止されることとなる。
フランジ部61bが係止部6cに係止された状態では、図12に示すように、一端側フレーム6aの係止部6c、及び、第1回動アーム33中の露出穴33cを囲んでいる囲み部33dが、幅方向においてセクターギア31とフランジ部61bとの間に挟まれている。換言すると、一端側フレーム6aの係止部6cは、フランジ部61bを係止した状態において、リア側リンク30の第1回動アーム33に設けられた囲み部33dとフランジ部61bに挟まれている。他方、囲み部33dは、係止部6cがフランジ部61bを係止した状態においてセクターギア31と係止部6cとに挟まれている。
そして、本実施形態では、フランジ部61bが係止部6cに係止された状態で第1軸ピン61が、セクターギア31のピン穴31bの外周部にレーザー溶接にて固定されている。このように本実施形態では、第1軸ピン61をセクターギア31に対してレーザー溶接することによって第1回動アーム33を一端側フレーム6aに組み付けている。これにより、シートクッションフレーム2中、CFRPからなる一端側フレーム6aに対してリア側リンク30をセクターギア31が備えられている部分で組み付ける際、ボルト等の締結部材を用いないので、当該締結部材からの力によって一端側フレーム6aが変形するのを抑制することが可能である。
セクターギア31に対して第1軸ピン61を溶接するための構造について詳しく説明すると、第1軸ピン61の頂部61aは、図12に示すように、フランジ部61bと、フランジ部61bの内側に位置する非鍔部としての窪み部61cとを有している。この窪み部61cは、第1軸ピン61がリンク組み付け用穴51及びピン穴31bの双方に挿入された状態において、リンク組み付け用穴51に沿って略円柱状に窪んだ部分である。また、窪み部61cは、第1軸ピン61において頂部61aとは反対側に位置するピン本体61dの外径よりも幾分大きい外径を有している。
そして、フランジ部61bが係止部6cによって係止された状態では、窪み部61cの底面がセクターギア31、具体的にはピン穴31bの外周部に当接するようになり、第1軸ピン61は、窪み部61c中のセクターギア31と当接している部分(図12中、三角印が付された箇所)にてレーザー溶接されている。すなわち、本実施形態において、セクターギア31に対する第1軸ピン61の溶接箇所は、窪み部61c中、セクターギア31と隣り合う部分に位置している。これにより、本実施形態では、セクターギア31に対する第1軸ピン61のレーザー溶接を良好に行うことが可能となる。
より具体的に説明すると、レーザー溶接を行う上で、レーザーの照射位置と溶接位置との間の間隔が短くなっていることが望ましい。上記の構成であれば、第1軸ピン61のうち、リンク組み付け用穴51に沿って窪んだ窪み部61cの底部にレーザーを照射して溶接するので、窪んでいる分、照射位置と溶接位置との間の間隔がより短くなるため、レーザー溶接が良好に行われる。また、レーザー溶接の場合、レーザー照射位置を確認することで溶接位置を確認することができるため、溶接作業がより容易になる。さらに、窪んでいる分、第1軸ピン61の頂部61a中央部の肉厚を小さくすることができるため、車両用シートSの軽量化を図ることも可能となる。
以上のようにして第1回動アーム33が一端側フレーム6aに組み付けられている。組み付け完了後の状態では、第1軸ピン61のフランジ部61bが一端側フレーム6aに設けられた係止部6cに係止されており、また、当該係止部6c、及び第1回動アーム33中の露出穴33cを囲んでいる囲み部33dが、幅方向においてセクターギア31とフランジ部61bとの間に挟まれている。ここで、一端側フレーム6aの係止部6cは、係止部6cと隣接する隣接部6dよりも肉厚に形成されており、幅方向において隣接部6dよりも第1回動アーム33側、換言すると、セクターギア31側に突き出ている。
つまり、本実施形態では、一端側フレーム6aのうち、フランジ部61bを係止する係止部6cが、非係止部としての隣接部6dよりも肉厚に形成されている。このように係止部6cが隣接部6dに比して肉厚となっていることで、係止部6cがフランジ部61bを係止した状態を安定的に保持しておくことが可能になる。
また、第1回動アーム33が一端側フレーム6aに組み付けられた状態において、一端側フレーム6aの係止部6cが幅方向において隣接部6dよりも第1回動アーム33側に突き出ているので、係止部6c及び隣接部6dのうち、係止部6cのみが第1回動アーム33と接触することになる。これにより、本実施形態では、係止部6c及び隣接部6dの双方が接触する場合と比較して、第1回動アーム33と一端側フレーム6aとの間に生じる接触抵抗が小さくなる結果、第1回動アーム33は、一端側フレーム6aに対して相対回動する際、よりスムーズに動作することが可能となる。
一方で、第1回動アーム33が一端側フレーム6aに組み付けられた状態において、係止部6cは、第1回動アーム33のうち、前述したCFRP製の囲み部33dと接触する。換言すると、係止部6cがフランジ部61bを係止した状態において、第1回動アーム33の囲み部33dは、セクターギア31と係止部6cとに挟まれた位置に位置している。このように係止部6cとの当接部分がCFRPからなれば、係止部6cの摩耗を低減することが可能となる。
ただし、これに限定されるものではなく、セクターギア31の外側面全体が露出しており、露出した当該外側面、すなわち、金属の表面に係止部6cが当接していることとしてもよい。
また、第1軸ピン61がリンク組み付け用穴51及びピン穴31bの双方に挿入された状態において、第1軸ピン61の窪み部61cの外周面と、リンク組み付け用穴51及びピン穴31bの各々のとの間には、若干のクリアランス(遊び)が設けられている。このクリアランスが設けられていることで、第1回動アーム33は、一端側フレーム6aに対して相対回動する際、より一層スムーズに動作することが可能となる。
さらに、第1軸ピン61がリンク組み付け用穴51及びピン穴31bの双方に挿入された状態において、図12に示すように、第1軸ピン61のピン本体61dのうち、先端部が、ピン穴31bから突き出て連結パイプ35の内空間に位置している。このように本実施形態では、第1軸ピン61のうち、ピン穴31bから突き出た部分を連結パイプ35の内空間に収めておくことができるため、その分、車両用シートSを小型化することが可能である。
なお、第1軸ピン61のピン本体61dのうち、ピン穴31bから突き出た先端部については、連結パイプ35の内空間に位置している場合に限定されず、幅方向において連結パイプ35と重なる位置に配置されていればよい。かかる構成であれば、幅方向において第1軸ピン61を連結パイプ35の内空間と近づけることが可能になるので、第1軸ピン61の先端部が幅方向において連結パイプ35と重ならない位置に配置されている場合と比較して、車両用シートSを小型化することが可能となる。ただし、車両用シートSをより小型化する点では、ピン穴31bから突き出た第1軸ピン61の先端部が連結パイプ35の内空間に位置している構成の方が望ましい。
ちなみに、本実施形態において、第1軸ピン61のピン本体61dの断面形状(幅方向を法線方向とする断面の形状)は円状であるが、これに限定されるものではなく、上記の断面形状については、他の形状、例えば、矩形状であることとしてもよい。
また、前述したように、シートクッションフレーム2の外周面の下端部には、剛性確保の目的から、外周面全周(厳密には、後端側を除く全周)に亘って折れ曲がり部9が設けられている。つまり、一端側フレーム6aの前端から後端に亘って折れ曲がり部9が形成されている。
一方、一端側フレーム6aを側方から、換言すると幅方向から見たときに、リンク組み付け用穴51は、折れ曲がり部9とは重ならない位置に形成されている。つまり、本実施形態において、第1貫通穴に相当するリンク組み付け用穴51は、幅方向から見て、一端側フレーム6a中、折れ曲がり部9が設けられた位置から外れた位置に形成されている。これにより、一端側フレーム6aに折れ曲がり部9を形成した場合であっても、折れ曲がり部9が設けられた位置から外れた位置にリンク組み付け用穴51が形成されるので、リンク組み付け用穴51に第1軸ピン61を挿入する際には、折れ曲がり部9と干渉することがなく、以て、作業性が向上することとなる。
なお、本実施形態では、図12に示すように、幅方向において、一端側フレーム6aの外表面と折れ曲がり部9の折り返し部分との間に、第1軸ピン61の頂部61a、より具体的に説明するとフランジ部61bが配置されている。このように一端側フレーム6aの外表面と折れ曲がり部9との間に第1軸ピン61の頂部61aが収まることにより、その分、車両用シートSが小型化されていることになる。
さらに、本実施形態では、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの後端部同士が後端側連結部7によって連結されており、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部のうち、後端側連結部7よりも後端側に位置する部分にシートバックフレーム1のサイドフレーム22が組み付けられている。
一方、リンク組み付け用穴51は、一端側フレーム6aの後端部に形成されている。そして、本実施形態では、前述したように、後端側連結部7の後端部が、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部に組み付けられた状態のシートバックフレーム1のサイドフレーム22に向かって延出している。このような構成により、リンク組み付け用穴51を形成したとしても、サイドフレーム22に向かって延出している形状の後端側連結部7が設けられていることで、一端側フレーム6aの後端部、特に、シートバックフレーム1のサイドフレーム22が組み付けられる部位周辺の剛性を補うことが可能となる。
以上までに説明してきた構成により、リア側リンク30の第1回動アーム33がシートクッションフレーム2の一端側フレーム6aに組み付けられている。そして、上記の構成と略同様の構成により、第2回動アーム34が他端側フレーム6bの前端部に組み付けられている。
具体的に説明すると、逆U字状形状の他端側フレーム6bの外壁81、内壁82及び天井壁83によって囲まれた空間内にフレーム側端部34aが位置するように第2回動アーム34が配置されている。かかる配置位置にある第2回動アーム34では、そのフレーム側端部34aに形成されたピン穴34c、より具体的にはメタルブッシュ71の貫通穴71aが、他端側フレーム6bに形成されたリンク組み付け用穴52と連通している。つまり、第2回動アーム34は、ピン穴34cがリンク組み付け用穴52と連通する位置で他端側フレーム6bに組み付けられている。ここで、リンク組み付け用穴52は、本発明の第1貫通穴に相当し、ピン穴34cは、本発明の第2貫通穴に相当する。
そして、上記の組み付け位置に第2回動アーム34を組み付ける上で、互いに連通した状態のリンク組み付け用穴52及びピン穴34cの双方に金属製の第3軸ピン63が挿入されている。第3軸ピン63は、本発明の軸部材の他例であり、第1軸ピン61と同様、頂部63aの外周部に、鍔部としてのフランジ部63bを備えており、他端側フレーム6bの幅方向外側からリンク組み付け用穴52及びピン穴34cの双方に挿入されると、フランジ部63bが、他端側フレーム6bのリンク組み付け用穴52周りに形成された係止部6eに係止されることとなる。
フランジ部63bが係止部6eに係止された状態では、図13に示すように、他端側フレーム6bの係止部6e、及び、第2回動アーム34中のピン穴34cを囲んでいる囲み部34eが、幅方向においてメタルブッシュ71の鍔部(以下、ブッシュ側鍔部)71bと第3軸ピン63のフランジ部63bとの間に挟まれている。また、第3軸ピン63の頂部63aは、フランジ部63bの内側に窪み部63cを有している。この窪み部63cは、第3軸ピン63がリンク組み付け用穴52及びピン穴34cの双方に挿入された状態においてリンク組み付け用穴52に沿って略円柱状に窪んだ部分であり、フランジ部63bが係止部6eによって係止された状態では、露出しているメタルブッシュ71のブッシュ側鍔部71bに窪み部63cの底面が当接している。
そして、第3軸ピン63は、窪み部63c中のブッシュ側鍔部71bとの当接部分(図13中、三角印が付された箇所)にてレーザー溶接されることにより、メタルブッシュ71に固定されている。すなわち、メタルブッシュ71に対する第3軸ピン63の溶接箇所は、窪み部63c中、メタルブッシュ71のブッシュ側鍔部71bと隣り合う部分に位置している。これにより、第1軸ピン61の場合と同様に、メタルブッシュ71に対する第3軸ピン63のレーザー溶接を良好に行うことが可能となる。
以上のように第2回動アーム34が他端側フレーム6bに組み付けられ、組み付け完了後の状態では、第3軸ピン63のフランジ部63bが他端側フレーム6bに設けられた係止部6eに係止されている。ここで、他端側フレーム6bの係止部6eは、係止部6eと隣接する隣接部6fよりも肉厚に形成されており、幅方向において隣接部6fよりも第2回動アーム34側、換言すると、メタルブッシュ71側に突き出ている。このように係止部6eが隣接部6fに比して肉厚となっていることで、係止部6eがフランジ部63bを係止した状態を安定的に保持しておくことができる。
さらに、係止部6eが幅方向において隣接部6fよりも第2回動アーム34側に突き出ていることにより、係止部6e及び隣接部6fのうち、係止部6eのみが第2回動アーム34と接触することになる結果、第2回動アーム34と他端側フレーム6bとの間の接触抵抗が小さくなり、第2回動アーム34が他端側フレーム6bに対してスムーズに相対回動するようになる。
一方、第2回動アーム34が他端側フレーム6bに組み付けられた状態において、係止部6eは、第2回動アーム34のうち、ピン穴34cの外周部、すなわち、囲み部34eと接触する。ここで、囲み部34eはCFRPからなるため、第2回動アーム34の回動動作による係止部6eの摩耗を低減することが可能となる。
また、第3軸ピン63がリンク組み付け用穴52及びピン穴34cの双方に挿入された状態において、図13に示すように、第3軸ピン63のピン本体63d中、先端部が、ピン穴34cから突き出て連結パイプ35の内空間に位置している。これにより、第3軸ピン63のうち、ピン穴34cから突き出た部分を連結パイプ35の内空間に収めておくことができるため、その分、車両用シートSを小型化することが可能である。
また、一端側フレーム6aと同様に、他端側フレーム6bには、その前端から後端に亘って折れ曲がり部9が形成されており、他端側フレーム6bを幅方向から見たときに、リンク組み付け用穴52は、他端側フレーム6b中、折れ曲がり部9が設けられた位置から外れた位置に形成されている。これにより、リンク組み付け用穴52に第3軸ピン63を挿入する際には、折れ曲がり部9と干渉することがなく、以て、作業性が向上することとなる。
さらに、本実施形態では、図13に示すように、幅方向において、他端側フレーム6bの外表面と折れ曲がり部9の折り返し部分との間に第3軸ピン63のフランジ部61bが配置されている。このように他端側フレーム6bの外表面と折れ曲がり部9との間に第3軸ピン63の頂部63aが収められる結果、その分、車両用シートSが小型化されている。
また、リンク組み付け用穴52は、他端側フレーム6bの後端部に形成されている。一方で、前述したように、他端側フレーム6bの後端部には後端側連結部7が設けられ、後端側連結部7の後端部は、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の後端部に組み付けられた状態のシートバックフレーム1のサイドフレーム22に向かって延出している。このような構成により、リンク組み付け用穴52を形成したとしても上記形状の後端側連結部7が設けられていることで、他端側フレーム6bの後端部、特に、シートバックフレーム1のサイドフレーム22が組み付けられる部位周辺の剛性を補うことが可能となる。
次に、シートクッションフレーム2に対するフロント側リンク40の組み付け構造について図14及び15を参照しながら説明する。
フロント側リンク40の両端に設けられた一対の回動部41のうち、幅方向一端側に位置する回動部41は、シートクッションフレーム2の一端側フレーム6aの前端部に組み付けられており、幅方向他端側に位置する回動部41は、他端側フレーム6bの前端部に組み付けられている。ここで、一端側の回動部41についての組み付け構造と、他端側の回動部41についての組み付け構造とは、左右対称で略同様であるため、以下では、一端側の回動部41の組み付け構造のみ説明する。
一端側の回動部41は、逆U字形状となった一端側フレーム6aの外壁81、内壁82及び天井壁83によって囲まれた空間内にフレーム側端部41aが位置するように配置されている。かかる配置位置にある回動部41では、そのフレーム側端部41aに形成されたピン穴41c、より具体的にはメタルブッシュ72の貫通穴72aが、一端側フレーム6aに形成されたリンク組み付け用穴53と連通している。つまり、一端側の回動部41は、ピン穴41cがリンク組み付け用穴53と連通する位置で一端側フレーム6aに組み付けられている。ここで、リンク組み付け用穴53は、本発明の第1貫通穴に相当し、ピン穴41cは、本発明の第2貫通穴に相当する。
そして、上記の組み付け位置に回動部41を組み付ける上で、互いに連通した状態のリンク組み付け用穴53及びピン穴41cの双方に金属製の第5軸ピン65が挿入されている。第5軸ピン65は、本発明の軸部材の他例であり、第1軸ピン61や第3軸ピン63と同様、頂部65aの外周部に、鍔部としてのフランジ部65bを備え、一端側フレーム6aの幅方向外側からリンク組み付け用穴53及びピン穴41cの双方に挿入されると、フランジ部65bが、一端側フレーム6aのリンク組み付け用穴53周りに形成された係止部6gに係止されることとなる。
フランジ部65bが係止部6gに係止された状態では、図14に示すように、一端側フレーム6aの係止部6g、及び、回動部41中のピン穴41cを囲んだ囲み部41fが、幅方向においてメタルブッシュ72の鍔部(以下、ブッシュ側鍔部)72と第5軸ピン65のフランジ部65bとの間に挟まれている。また、第5軸ピン65の頂部65aは、フランジ部65bの内側に窪み部65cを有している。この窪み部65cは、第5軸ピン65がリンク組み付け用穴53及びピン穴41cの双方に挿入された状態においてリンク組み付け用穴53に沿って略円柱状に窪んだ部分であり、フランジ部65bが係止部6gによって係止された状態では、露出したメタルブッシュ72のブッシュ側鍔部72bに窪み部65cの底面が当接している。
そして、第5軸ピン65は、窪み部65c中のブッシュ側鍔部72bとの当接部分(図14中、三角印が付された箇所)にてレーザー溶接されることにより、メタルブッシュ72に固定されている。すなわち、メタルブッシュ72に対する第5軸ピン65の溶接箇所は、窪み部65c中、メタルブッシュ72のブッシュ側鍔部72bと隣り合う部分に位置している。これにより、メタルブッシュ72に対する第5軸ピン65のレーザー溶接を良好に行うことが可能となる。
以上のように一端側の回動部41が一端側フレーム6aに組み付けられ、組み付け完了後の状態では、第5軸ピン65のフランジ部65bが一端側フレーム6aに設けられた係止部6gに係止されている。当該係止部6gは、係止部6gと隣接する隣接部6hよりも肉厚に形成されており、幅方向において隣接部6hよりも回動部41側、換言するとメタルブッシュ72側に突き出ている。これにより、係止部6gがフランジ部65bを係止した状態を安定的に保持しておくことができ、さらに、係止部6g及び隣接部6hのうち、係止部6gのみが回動部41と接触することになるので、回動部41と一端側フレーム6aとの間の接触抵抗が小さくなり、回動部41が一端側フレーム6aに対してスムーズに相対回動するようになる。
一方、一端側の回動部41が一端側フレーム6aに組み付けられた状態において、係止部6gは、回動部41のうち、ピン穴41cの外周部、すなわち、囲み部41fと接触し、囲み部41fはCFRPからなるため、回動部41の回動動作による係止部6gの摩耗を低減することが可能となる。
また、前述したように、一端側フレーム6aには、その前端から後端に亘って折れ曲がり部9が形成されており、一端側フレーム6aを幅方向から見たときに、リンク組み付け用穴53は、折れ曲がり部9が設けられた位置から外れた位置に形成されている。これにより、リンク組み付け用穴53に第5軸ピン65を挿入する際には、折れ曲がり部9と干渉することがなく、以て、作業性が向上することとなる。
ところで、シートクッションフレーム2は、前述したように、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの前端部同士を連結する前端側連結部8を有しており、前端側連結部8の後端部には、下方に窪んで形成された平面視略正方形状の凹部8cが設けられている。そして、本実施形態では、図15に示すように、一端側フレーム6aに形成されたリンク組み付け用穴53が、車両用シートSの前後方向において上記の凹部8cが設けられている範囲内に形成されている。このようにシートクッションフレーム2においてリンク組み付け用穴53が前後方向において凹部8cと同じ位置に形成されていることにより、一端側フレーム6a中のリンク組み付け用穴53が形成されている部分が、前端側連結部8中の剛性が高くなった部分、具体的には、凹部8cが設けられた後端部によって支えられるようになる。すなわち、一端側フレーム6a中のリンク組み付け用穴53が形成されている部分についての支持剛性が向上することになる。
<<シートクッションフレームの変形例>>
上記の実施形態(以下、本件例)では、平面視略ロの字形状のシートクッションフレーム2について説明した。すなわち、本件例に係るシートクッションフレーム2は、内側に平面視矩形状の開口2Xを有し、この開口2Xの上方に敷設されたSバネ等によって車両用シートSに着座した乗員の臀部を支持するものである。ただし、これに限定されるものではなく、図16に示すように、乗員の臀部を支持する臀部支持部104を備えたシートクッションフレーム102についても本発明は適用可能である。
以下、変形例に係るシートクッションフレーム102の構成について図16を参照しながら説明する。なお、図16中、図2から図15中の符号と同じ符号が付された部分については、本件例と同じ構成となっており、以下では説明を省略することとする。
変形例に係るシートクッションフレーム102は、前述したように、臀部支持部104を備えている点で、本件例に係るシートクッションフレーム2と相違する。この臀部支持部104は、後端側連結部7及び前端側連結部8の幅方向中央部同士を前後方向に沿って連結している平面視略矩形状の部分であり、シートクッションフレーム102各部とともにCFRPによって一体成形されている。
臀部支持部104についてより詳細に説明すると、シートクッションフレーム102のうち、幅方向において一端側フレーム6aと他端側フレーム6bとの間に位置し、前後方向に沿って延出した板状部分である。臀部支持部104の上面は、車両用シートSに着座する乗員の臀部を支持する支持面となっており、支持時に乗員の臀部とフィットするように湾曲している。また、図16に示すように、臀部支持部104の後端部には、方形穴104aが幅方向中央部に形成されている。
さらに、臀部支持部104の幅(幅方向における長さ)は、後端側連結部7や前端側連結部8の幅よりも幾分短くなっている。このため、臀部支持部104の両脇位置には、前後方向に沿ったスリット105,105が形成されている。換言すると、本変形例では、臀部支持部104と一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bとの間に、穴としてのスリット105,105が設けられている。
そして、臀部支持部104と一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bとの間にスリット105,105が設けられていることで、臀部支持部104は、車両用シートSに着座した乗員の臀部を支持する際に適宜撓むことが可能となる。この結果、臀部支持部104上に臀部を載せた際の着座感が向上することとなる。
なお、図16に示すケースでは、シートクッションフレーム102の幅方向一端側及び他端側にそれぞれスリット105,105が1つずつ設けられているが、これに限定されるものではない。幅方向一端側及び他端側にそれぞれ複数のスリット105が形成されていることとしてもよい。この複数のスリット105の各々が幅方向において重なるように配置されていれば、臀部支持部104をより撓み易くさせることが可能となり、着座感がさらに向上することとなる。
また、上記のスリット105,105は、幅方向において一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの間に設けられている。ここで、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bについては、逆U字状に形成されていることで剛性が高まっており、この剛性が高まった部分の間にスリット105,105を設ける結果、スリット105,105が設けられた部位周辺の剛性が低下してしまうのを抑制することが可能となる。
なお、変形例では、各スリット105,105が前後方向、すなわち、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の長手方向に沿って形成されている。これにより、スリット105,105を設けた部位周囲の剛性が低下してしまうのを、より効果的に抑制することが可能となる。
一方、変形例に係るシートクッションフレーム102についても、本件例と同様に、剛性確保の目的から、後端を除く外周面の全周に亘って折れ曲がり部9が設けられている。この折れ曲がり部9は、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の前端から後端に亘って形成されているため、各スリット105,105は、折れ曲がり部9に沿って形成されていることとなる。これにより、スリット105,105を設けた部位周囲の剛性が低下してしまうのを、より一層効果的に抑制することが可能となる。
さらに、一端側フレーム6a及び他端側フレーム6bの各々の前端から後端に亘って折れ曲がり部9が形成されているので、前後方向においてスリット105,105が形成されている範囲に折れ曲がり部9が設けられていることになる。これにより、スリット105,105を設けた部位周囲の剛性が低下してしまうのを、さらに効果的に抑制することが可能となる。
なお、折れ曲がり部9は、上方に向かってL字状に折り返されており、一端側フレーム6aや他端側フレーム6bの外表面と対向する部分を有し、上下方向において当該対向部分と重なる位置にスリット105,105が形成されていれば、スリット105,105を設けた部位周囲の剛性が低下してしまうのを、一段と効果的に抑制することが可能となる。
以上のような構成のシートクッションフレーム102において、図16に示すように、リンク組み付け用穴51(第1回動アーム33を組み付けるために形成された第1貫通穴)が一端側フレーム6a中、前後方向においてスリット105が形成されている範囲内に形成されており、一端側フレーム6aの外表面に設けられた折れ曲がり部9が、前後方向におけるリンク組み付け用穴51の形成位置に掛かるように形成されていると好適である。同様に、リンク組み付け用穴52(第2回動アーム34を組み付けるために形成された第1貫通穴)が他端側フレーム6b中、前後方向においてスリット105が形成されている範囲内に形成されており、他端側フレーム6bの外表面に設けられた折れ曲がり部9が、前後方向におけるリンク組み付け用穴51の形成位置に掛かるように形成されていると好適である。
上記の構成であれば、スリット105が設けられていることでリンク組み付け用穴51,52が形成されている部分の剛性が低下するものの、前後方向において同穴51,52の形成位置に掛かるように折れ曲がり部9が形成されていることにより、当該剛性低下を抑えることが可能である。
なお、上述した変形例では、臀部支持部104を含むシートクッションフレーム102各部が一体成形されていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、シートクッションフレーム102の上側部分(上側シェル)と下側部分(下側シェル)を個別に成形した後に、両セルを組み合わせてシートクッションフレーム102を構成することとしてもよい。この際、シェル間に空洞が形成されるような構造、すなわち、シートクッションフレーム102の断面が閉断面となるような構造にするとシートクッションフレーム102各部の剛性を向上させることが可能となる。その上で、臀部支持部104を例えば上側シェルに設けることにすれば、スリット105,105を設けた部位周囲の剛性が低下してしまうのを抑制することが可能となる。
S 車両用シート
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
HP ヘッドレストピラー
1 シートバックフレーム
2 シートクッションフレーム
2X 開口
1a,2a,3a クッションパッド
1b,2b,3b 表皮材
4 スライドレール機構
4a 可動レール
4b,4d リンク支持突起
5 高さ調整機構
6a 側部フレーム(一端側フレーム)
6b 側部フレーム(他端側フレーム)
6c,6e,6g 係止部
6d,6f,6h 隣接部
7 後端側連結部
8 前端側連結部
8a,8b,8c 凹部
8d 脚支え部
9 折れ曲がり部
10 リクライニング機構
22 サイドフレーム
25 ピニオンギア
30 リア側リンク
31 セクターギア
31a ギア部
31b ピン穴
32 リンク本体
33 第1回動アーム
33a フレーム側端部
33b レール側端部
33c 露出穴
33d 囲み部
33e ピン穴
33g 抜け止め部
34 第2回動アーム
34a フレーム側端部
34b レール側端部
34c,34d ピン穴
34e 囲み部
35 連結パイプ
40 フロント側リンク
41 回動部
41a フレーム側端部
41b レール側端部
41c,41d ピン穴
41e 貫通穴
41f 囲み部
42 連結パイプ
51,52,53,54 リンク組み付け用穴
61 第1軸ピン
61a 頂部
61b フランジ部
61c 窪み部
61d ピン本体
62 第2軸ピン
63 第3軸ピン
63a 頂部
63b フランジ部
63c 窪み部
63d ピン本体
64 第4軸ピン
65 第5軸ピン
65a 頂部
65b フランジ部
65c 窪み部
66 第6軸ピン
71,72 メタルブッシュ
71a,72a 貫通穴
71b,72b ブッシュ側鍔部
81 外壁
82 内壁
83 天井壁
102 シートクッションフレーム
104 臀部支持部
104a 方形穴
105 スリット

Claims (9)

  1. 樹脂材料からなる樹脂成形部、及び、該樹脂成形部に形成された第1貫通穴を備えたシートクッションフレームと、
    第2貫通穴が形成された金属部を備え、該第2貫通穴が前記第1貫通穴と連通する位置で前記樹脂成形部に組み付けられる被組み付け部材と、
    前記樹脂成形部に前記被組み付け部材を組み付けるために、互いに連通した状態の前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴の双方に挿入される金属製の軸部材と、を備え、
    該軸部材は、該軸部材が前記双方に挿入された際に前記樹脂成形部に係止される鍔部を有し、
    該鍔部が前記樹脂成形部に係止された状態で前記軸部材が前記金属部に溶接にて固定されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記軸部材は、前記金属部に溶接されることで固定されており、
    前記軸部材の頂部は、前記鍔部と、前記鍔部の内側に位置する非鍔部とを有し、
    該非鍔部は、前記軸部材が前記双方に挿入された状態において前記第1貫通穴に沿って窪んでおり、
    前記金属部に対する前記軸部材の溶接箇所は、前記非鍔部中、前記金属部と隣り合う部分に位置することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記被組み付け部材は、前記金属部としてのギアを備え、該ギアに伝達された駆動力により前記樹脂成形部に対して相対回動する回動体であり、
    前記樹脂成形部は、前記鍔部を係止する係止部と、該係止部と隣接する隣接部とを有し、
    前記係止部は、前記鍔部を係止した状態において前記回動体と前記鍔部とに挟まれており、かつ、前記隣接部よりも前記回動体側に突き出ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
  4. 前記回動体は、前記ギアが埋め込まれた樹脂材料からなる回動体本体を更に有し、
    該回動体本体は、前記ギアの側面中、前記軸部材に対して前記第2貫通穴の外周部を露出させるために形成された露出穴と、該露出穴を囲んだ囲み部とを有し、
    該囲み部は、前記係止部が前記鍔部を係止した状態において前記ギアと前記係止部とに挟まれていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
  5. 前記シートクッションフレームは、前記車両用シートの幅方向の一端部に位置した前記樹脂成形部としての一端側フレームと、該一端側フレームと対向した状態で前記幅方向の他端部に位置した他端側フレームと、を有し、
    前記回動体本体は、前記ギアが埋め込められた第1回動アームと、前記幅方向において該第1回動アームと対向する位置に配置された第2回動アームと、前記第1回動アームと第2回動アームとの間を連結する中空状の連結パイプと、を備え、
    前記第1回動アームは、前記一端側フレームに組み付けられ、
    前記第2回動アームは、前記他端側フレームに組み付けられ、
    前記双方に挿入された状態の前記軸部材の先端部は、前記第2貫通穴から突き出ており、かつ、前記幅方向において前記連結パイプと重なる位置に位置していることを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。
  6. 前記一端側フレームには、前記一端側フレームの前記幅方向の外側に位置する外表面から前記幅方向に沿って延出してから前記外表面と対向するように折れ曲った折れ曲がり部が形成され、
    前記第1貫通穴は、前記幅方向から見て、前記一端側フレーム中、前記折れ曲がり部が設けられた位置から外れた位置に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。
  7. 前記シートクッションフレームは、前記一端側フレームの後端部と前記他端側フレームの後端部とを連結する後端側連結部を有し、
    前記一端側フレーム及び前記他端側フレームの各々の後端部のうち、前記後端側連結部よりも後端側に位置する部分に組み付けられるシートバックフレームを備え、
    前記第1貫通穴は、前記一端側フレームの後端部に形成されており、
    前記後端側連結部の後端部は、前記一端側フレーム及び前記他端側フレームの各々の後端部に組み付けられた状態の前記シートバックフレームに向かって延出していることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用シート。
  8. 前記樹脂成形部は、前記車両用シートの幅方向において前記シートクッションフレームの一端部に位置した一端側フレーム、及び、該一端側フレームと対向した状態で前記幅方向において前記シートクッションフレームの他端部に位置した他端側フレームであり、
    前記シートクッションフレームは、前記一端側フレームと、前記他端側フレームと、前記一端側フレームの前端部と前記他端側フレームの前端部とを連結する前端側連結部とを有し、
    該前端側連結部には、下方に窪んで形成された凹部が設けられており、
    前記第1貫通穴は、前記一端側フレーム中、前記車両用シートの前後方向において前記凹部が設けられている範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
  9. 前記シートクッションフレームは、前記車両用シートの幅方向の一端部に位置した前記樹脂成形部としての一端側フレームと、該一端側フレームと対向した状態で前記幅方向の他端部に位置した他端側フレームと、前記幅方向において前記一端側フレームと前記他端側フレームとの間に位置して乗員の臀部を支持する臀部支持部とを有し、
    該臀部支持部は、前記車両用シートの前後方向に沿って延出した板状部分であり、
    前記幅方向において前記一端側フレームと前記臀部支持部との間には穴が形成されており、
    前記第1貫通穴は、前記一端側フレーム中、前記前後方向において前記穴が形成されている範囲内に形成されており、
    前記一端側フレームには、前記一端側フレームの前記幅方向の外側に位置する外表面から前記幅方向に沿って延出してから前記外表面と対向するように折れ曲った折れ曲がり部が形成され、
    該折れ曲がり部は、前記前後方向における前記第1貫通穴の形成位置に掛かるように前記一端側フレームに形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用シート。
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