JP5953699B2 - ラジアルころ軸受用保持器 - Google Patents
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Description
かかる軸受は、内周面に円筒状の外方軌道を有する外方部材(例えば、常時非回転状態に維持される外輪やハウジング、あるいは、使用時に回転可能な歯車やローラなど)と、当該外方部材の内径側に配された内方部材(例えば、使用時に回転可能な内輪やシャフトなど)の外周面(内方軌道)と前記外方軌道との間へ転動可能に組み込まれる複数のころ(例えば、複数本のニードルなど)と、これらのころを周方向へ所定間隔(一例として、等間隔)で配して保持するとともに、前記外方部材及び前記内方部材へ組み付けられる保持器を備えている。そして、保持器は、所定間隔を空けて同心上に対向する一対の円環部と、これらを連結するとともに当該円環部間の領域を当該円環部の周方向に隔て、ころを挿入して回転自在に保持するためのポケットを形成する複数の柱部を備えて構成される。
しかしながら、相手側部材における軸受を回転案内するための部位が前記軸受の軸方向端面の全領域(軸受側の案内面)をカバーしないような構成となっている場合(例えば、DCT(Dual Clutch Transmission:デュアルクラッチトランスミッション)の入れ子部位など)、次のような問題を招く虞がある。
すなわち、保持器の軸方向両端面において、面積の小さい不連続部(上記軸方向一端側の円環部の外径側、もしくは、軸方向他端側の円環部の内径側)で、回転する軸受を軸方向案内した場合、ころスキューなどによる押し付け力によって前記不連続部を有する保持器端面が前記相手側部材の保持器端面支持部との間の摩擦により摩耗してしまう可能性がある。この場合、軸受の相手側部材に対する組み付け方向を制約(限定)することにより、かかる摩耗防止を図ることは可能となるが、ユニットアセンブリ(外方部材、内方部材、ころおよび保持器の組付体)における効率性が損なわれてしまう虞がある。
その際、前記複数の縮径部は、各縮径部が周方向に対して一定間隔で配するとともに、前記複数の拡径部は、各拡径部が周方向に対して一定間隔で配すればよい。また、前記複数の縮径部および前記複数の拡径部は、周方向に対して異なる間隔で配しても構わない。
この場合、前記一対のリム部には、一方のリム部においてその欠損部を挟んで対向する周方向両端部のうちの一端部と、他方のリム部においてその欠損部を挟んで対向する周方向両端部のうち、前記一端部と周方向に対して反対側の端部とを相互に連結する伸縮自在な弾性連結部を設けてもよい。また、前記一対のリム部には、一方のリム部においてその欠損部を挟んで対向する周方向両端部のうちの一端部と、他方のリム部においてその欠損部を挟んで対向する周方向両端部のうち、前記一端部と周方向に対して同一側の端部とを相互に連結する伸縮自在な弾性連結部を設けても構わない。
なお、前記弾性連結部は、径方向に対して重畳する構造をなしていることが好ましい。
なお、前記係止機構は、径方向に対して重畳する構造をなしていることが好ましい。
その際、前記係止機構としては、相互に嵌合可能な凸部および凹部を備えることが可能である。
また、前記一対のリム部は、いずれも複数の略円弧状の分割体を略円環状に組み付けた構成とすることも可能である。
かかる軸受は、内周面に円筒状の外方軌道を有する外方部材(例えば、常時非回転状態に維持される外輪やハウジング、あるいは、使用時に回転可能な歯車やローラなど)と、当該外方部材の内径側に配された内方部材(例えば、使用時に回転可能な内輪やシャフトなど)の外周面(内方軌道)と前記外方軌道との間へ転動可能に組み込まれる複数のラジアルころ(一例として、複数本のニードル)を備えている。なお、軸受のサイズ、内輪の有無、ころのサイズ(径や長さ)及び個数などは、軸受の使用条件や使用目的などに応じて任意に設定することが可能であるため、ここでは特に限定しない。
そして、これらのころは、軌道間(外方軌道及び内方軌道)での転動時において、各ころが相互に接触して摩擦が生じることによる回転抵抗の増大や焼付きなどを防止すべく、軸受用保持器によってそのポケット内で回転自在に保持される。なお、このような回転抵抗の増大や焼付きなどをさらに効果的に防止すべく、軸受潤滑(油潤滑やグリース潤滑)を行っても構わない。また、軸受用保持器は、転動体案内(ころ案内)、外輪案内、及び内輪案内のいずれの案内方式としても構成可能である。
各リム部4a,4bにおいて、複数の縮径部42a,42bおよび複数の拡径部44a,44bの配設間隔は特に限定されず、任意に設定することが可能である。例えば、これらの縮径部42a,42bおよび拡径部44a,44bは、周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の一つおき(一つとび)もしくは複数おき(複数とび)に配すればよいが、その際、周方向に対して柱部6と同一の位相で配することや、ポケット10および柱部6の境界部分と同一の位相で配することも可能である。いずれの場合であっても、保持器2の軸方向端面の外径側および内径側の連続面域ができるだけ均等となるように、各リム部4a,4bに対して縮径部42a,42bおよび拡径部44a,44bを配すればよい。
また、図3には、各リム部4a,4bにおいて、複数の縮径部42a,42bをそれぞれ周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の二つおきに縮径部42a,42bが二つずつ並ぶように一定間隔で配するとともに、複数の拡径部44a,44bをそれぞれ周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の二つおきに拡径部44a,44bが二つずつ並ぶように一定間隔で配した構成の一例を本発明の第2実施形態として示している。この場合、周方向にそれぞれ二つずつ並ぶ縮径部42a,42bの間、および拡径部44a,44bの間(別のとらえ方をすれば、周方向に隣り合う二つのポケット10の間)には、1本の柱部6(その外周部もしくは内周部)が介在されている。
すなわち、これらは、保持器2,20におけるポケット10の数(つまり保持可能なころの個数)に応じて任意に設定すればよい。
図1および図3には、周方向に対して同一位相となるポケット10と略同一の周方向幅で、各リム部4a,4bが径方向に対して略半分の肉厚となるように、これらのリム部4a,4bを略矩形の箱状に窪ませた縮径部42a,42bおよび拡径部44a,44bの構成を一例として示している。
図4から図8には、一対のリム部をそれぞれ一箇所ずつ欠損部を有する非連続の欠円環状(略C字状)とした保持器の構成例をそれぞれ示している。
以下、図4および図5に示す保持器構成を第3実施形態、図6および図7に示す保持器構成を第4実施形態、そして、図8に示す保持器構成を第5実施形態としてそれぞれ説明する。なお、これら第3実施形態(図4および図5)、第4実施形態(図6および図7)、そして第5実施形態(図8)に係る保持器は、一対のリム部がそれぞれ一箇所ずつ欠損部を有する非連続の欠円環状(略C字状)となっているが、いずれも一対のリム部に対してほぼ均等に縮径部および拡径部を配するとともに、各リム部の外径側および内径側に対してもほぼ均等に縮径部および拡径部を配した構成となっており、その基本的な保持器構成は、上述した第1実施形態(図1および図2)に係る保持器2と共通している。したがって、これと同一もしくは類似する部材については図面上で同一符号を付して説明を省略もしくは簡略化し、各実施形態(図4から図8)に特有の構成についてのみ詳述する。
また、複数の縮径部42a,42bを各縮径部42a,42bの周方向に対する位相が一対のリム部34a,34bの一方(一例として、リム部34a)と他方(同、リム部34b)で異なるように、双方のリム部34a,34bに対してそれぞれ所定間隔で配し、複数の拡径部44a,44bを各拡径部44a,44bの周方向に対する位相が一対のリム部34a,34bの一方(一例として、リム部34a)と他方(同、リム部34b)で異なるように、双方のリム部34a,34bに対してそれぞれ所定間隔で配していることも、上述した第1実施形態(図1および図2)および第2実施形態(図3)と同様である。一例として、本実施形態においては、図4および図5に示すように、これらの縮径部42a,42bおよび拡径部44a,44bを上述した第1実施形態(図1および図2)と同様となるように、一対のリム部34a,34bに対して配した構成としている。すなわち、各リム部34a,34bにおいて、複数の縮径部42a,42bをそれぞれ周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の一つおきに縮径部42a,42bが一つずつ並ぶように一定間隔で配するとともに、複数の拡径部44a,44bをそれぞれ周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の一つおきに拡径部44a,44bが一つずつ並ぶように一定間隔で配している。
これらは、保持器30におけるポケット10の数(つまり保持可能なころの個数)に応じて任意に設定すればよく、同数の縮径部42a,42を同数ずつ異なる間隔で配した構成、同数の縮径部42a,42を異なる数ずつ一定間隔で配した構成、異なる数の縮径部42a,42を同数もしくは異なる数ずつ一定間隔もしくは異なる間隔で配した構成とすることも想定可能であり(拡径部44a,44bについても同様)、一方のリム部34aの縮径部42aの数と他方のリム部34bの縮径部42bの数、および一方のリム部34aの拡径部44aの数と他方のリム部34bの拡径部44bの数をそれぞれ相違させることも可能であることは、上述した第1実施形態(図1および図2)および第2実施形態(図3)と同様である。
なお、柱部6により形成するポケット10の大きさは、ころの径寸法及び長さに応じ、ポケット10において当該ころを回転自在に保持可能となるように設定すればよく、ポケット10の数(別の捉え方をすれば、柱部6の数)は、保持器30の容量(保持させるころの個数)に合わせて任意に設定すればよい(上述した第1実施形態(図1および図2)、第2実施形態(図3)と同様)。
保持器30を前記のような回転シャフトへ組み付けた後は、保持器30の割れ部32(欠損部38a,38b)が再度拡張され、当該保持器30の脱落や位置ずれなどが生ずることを防止する必要があり、保持器30にはかかる事態を防止するための係止機構が備えられている。すなわち、係止機構は、欠損部38a,38bの拡張(端的には再拡張)を防止することで、一対のリム部34a,34bを一定の径寸法に維持し、保持器30を定常径寸法に保つことを可能とする。
この場合、凸部12および凹部14は、一対のリム部34a,34bおよびこれらリム部34a,34bの欠損部38a,38bに近接して周方向に対向する二つの柱部6(欠損部近接柱部62,64)に配設されており、凸部12は、第1の凸部12aと第2の凸部12bからなるとともに、凹部14は、第1の凸部と嵌合可能な第1の凹部と第2の凸部と嵌合可能な第2の凹部からなっている。
なお、本実施形態においては、凸部12と凹部14からなる係止機構が径方向に対して重畳する構造をなしているため、保持器30の外径側および内径側の双方にそれぞれ凸部12(第1の凸部および第2の凸部)と凹部14(第1の凹部および第2の凹部)が配設されている。
また、第2の凸部12bは、一対のリム部34a,34bのうちの他方のリム部(一例として、リム部34b)、および欠損部近接柱部64の軸方向に対してリム部34b側の端部から第2の凹部14bへ向けて突出し、当該第2の凹部14bは、リム部34b、および欠損部近接柱部62の軸方向に対してリム部34b側の端部に形成されている。
また、第2の凸部12dは、一対のリム部34a,34bのうちの他方のリム部(一例として、リム部34b)、および欠損部近接柱部62の軸方向に対してリム部34b側の端部から第2の凹部14dへ向けて突出し、当該第2の凹部14dは、リム部34b、および欠損部近接柱部64の軸方向に対してリム部34b側の端部に形成されている。
すなわち、係止機構は、保持器30の外径側では割れ部32(欠損部38a,38b)を挟んで周方向の一方側から第1の凸部12aが突出し、他方側の第1の凹部14aと嵌合されるとともに、当該割れ部32(欠損部38a,38b)を挟んで周方向の他方側から第2の凸部12bが突出し、一方側の第2の凹部14bと嵌合される構造をなす。また、保持器30の内径側においては、割れ部32(欠損部38a,38b)を挟んで周方向の他方側から第1の凸部12cが突出し、一方側の第1の凹部14cと嵌合されるとともに、当該割れ部32(欠損部38a,38b)を挟んで周方向の一方側から第2の凸部12dが突出し、他方側の第2の凹部14dと嵌合される構造をなす。
さらに、外径側の凸部12(第1の凸部12a、第2の凸部12b)および凹部14(第1の凹部14a、第2の凹部14b)と、内径側の凸部12(第1の凸部12c、第2の凸部12d)および凹部14(第1の凹部14c、第2の凹部14d)も周方向に対して凹凸方向が互い違い(別の捉え方をすれば、割れ部32(欠損部38a,38b)を挟んで周方向に対する凹凸が逆向き)となるように配設されている。
以上のように、係止機構は、保持器30の外径側および内径側の双方で、かつ軸方向の一方側および他方側の双方で、いずれもその凹凸構造が互い違い(非対称)となるように構成される。
ただし、これらの外径側および内径側の凸部12および凹部14は、図6および図7に示す本発明の第4実施形態に係る保持器40のように、軸方向に対して異なる幅でオフセット配設することも可能である。かかる第4実施形態においては、図6および図7に示すように、これらの外径側および内径側の凸部12および凹部14の軸方向に対する配設位置をそれぞれオフセットさせた係止機構、つまり、第1の凸部12a,12cと第1の凹部14a,14c、および第2の凸部12b,12dと第2の凹部14b,14dのいずれか一方が他方よりも軸方向に対して幅広となるように、これらをオフセットさせた(ずらした)係止機構としている。
このように係止機構をオフセットさせることで、外径側において軸方向に対して幅広となる第1の凸部12aをマーキングスペースとすることができる。
なお、第4実施形態(図6および図7)においては、外径側の凸部12および凹部14、あるいは内径側の凸部12および凹部14のいずれか一方を他方よりも軸方向に対して幅広となるようにオフセットさせているが、それ以外の部材は、上述した第3実施形態(図4および図5)と同様の構成としている(これと同一もしくは類似する構成部材については、図面上で同一符号を付する)。
このように、本実施形態においては、二つの欠損部近接柱部62,64のみに凸部12および凹部14を配設し、一対のリム部34a,34bには凸部12および凹部14を配設していないため、これらリム部34a,34bの欠損部38a,38bを挟んで対向する周方向両端部の対向間隔を拡張させることができるとともに、当該欠損部38a,38bを径方向内側へ窪ませた(凹ませた)構成とすることができる。
また、欠損部38a,38bをこのような構成とすることで、これら欠損部38a,38bの分だけ、上述した第3実施形態(図4および図5)や第4実施形態(図6および図7)よりも保持器50の軽量化を図ることが可能となる。
このように、軸方向端面38tをテーパ状とすることで、保持器30,40,50と前記軸受回転案内部位との接触位置によらず、軸方向ずれに対する当該保持器30,40,50の回転拘束を回避することができる。
図9から図16には、このような弾性連結部を設けた保持器の構成例を示しており、図9から図12に示す構成例を本発明の第6実施形態、図13から図16に示す構成例を本発明の第7実施形態として、以下それぞれ説明する。なお、これらの第6実施形態(図9から図12)、および第7実施形態(図13から図16)においては、係止機構に代えて弾性連結部が設けられているが、それ以外の部材は、上述した第3実施形態(図4および図5)と同様の構成としている(これと同一もしくは類似する構成部材については、図面上で同一符号を付する)。
一方、保持器60の内径側においては、リム部34aの欠損部38aを挟んで対向する周方向両端部のうちの一端部(図11において、欠損部38aに対して下側の周方向端部)とリム部34bの欠損部38bを挟んで対向する周方向両端部のうちの他端部(同図において、欠損部38bに対して上側の周方向端部)とを弾性連結部16bが相互に連結している(図10参照)。すなわち、弾性連結部16bは、欠損部近接柱部64とリム部34aとの連結部分(欠損部近接柱部64のリム部34a側の根元部分)から、欠損部近接柱部62とリム部34bとの連結部分(欠損部近接柱部62のリム部34b側の根元部分)までに亘って、割れ部32へたすき状に架け渡され(図11においては、左上がり(右下がり))、当該割れ部32を二分している(図10参照)。
なお、図9から図12には、外径側の弾性連結部16aおよび内径側の弾性連結部16bを保持器60の肉厚(外内径寸法差)のそれぞれ略半分の肉厚で等分するように重畳させた構成を一例として示している。ただし、外径側の弾性連結部16aおよび内径側の弾性連結部16bのいずれか一方が他方よりも厚肉となるように、保持器60の肉厚を二分して重畳させた構成とすることも可能である。
例えば、図13から図16に示す第7実施形態においては、一対のリム部34a,34bには、一方のリム部(一例として、リム部34a)においてその欠損部38aを挟んで対向する周方向両端部のうちの一端部と、他方のリム部(同、リム部34b)においてその欠損部38bを挟んで対向する周方向両端部のうちの一端部(前記一端部と周方向に対して同一側の端部)とを相互に連結する伸縮自在な弾性連結部16c,16dが設けられている。
一方、保持器70の内径側においては、リム部34aの欠損部38aを挟んで対向する周方向両端部のうちの一端部(図15において、欠損部38aに対して上側の周方向端部)とリム部34aの欠損部38aを挟んで対向する周方向両端部のうちの他端部(同図において、欠損部38aに対して下側の周方向端部)とを弾性連結部16dが相互に連結している(図14参照)。すなわち、弾性連結部16dは、欠損部近接柱部62とリム部34aとの連結部分(欠損部近接柱部62のリム部34a側の根元部分)から欠損部38b(リム部34b側)へ向けて延出した後に折り返し、欠損部近接柱部64とリム部34aとの連結部分(欠損部近接柱部64のリム部34a側の根元部分)までに亘って、割れ部32へ略V字状に架け渡され(図15においては、左側に90度倒れたV字状)、当該割れ部32を二分している(図14参照)。
なお、図13から図16には、外径側の弾性連結部16cおよび内径側の弾性連結部16dを保持器70の肉厚(外内径寸法差)のそれぞれ略半分の肉厚で等分するように重畳させた構成を一例として示している。ただし、外径側の弾性連結部16cおよび内径側の弾性連結部16dのいずれか一方が他方よりも厚肉となるように、保持器70の肉厚を二分して重畳させた構成とすることも可能である。
そして、保持器60,70に対して作用させていた所定の力(割れ部32(欠損部38a,38b)の拡張方向もしくは縮小方向への力)を解除すると、弾性連結部16a,16b,16c,16dが弾性復元力によりもとの状態まで戻され、保持器60,70の割れ部32(欠損部38a,38b)、換言すれば、保持器60,70の径寸法をもとの状態まで戻すことが可能となる。なお、保持器60,70は、弾性連結部16a,16b,16c,16dの伸長量の限度内において拡径され、その限度を超えて過度に拡径されることはなく、一対のリム部34a,34bの欠損部38a,38bを挟んで対向する周方向両端部が接触されるまでの範囲内において縮径され、その接触範囲を超えて過度に縮径されることはない。
また、第7実施形態(図13から図16)においては、弾性連結部16c,16dを外径側と内径側で交差して重なる二重構造(すなわち、交差する略V字状の二重バネ構造)としているため、バネ弾性力によるモーメントを相殺させることができ、V字状の単一バネ構造とした場合のように、バネ弾性力によるモーメントにより保持器70の軸方向端面同士が傾くことを有効に抑制させることができ、安定した軸方向端面姿勢を確保することができる。また、保持器70の成形時における冷えムラによる軸方向端面の傾きも併せて抑制することができる。
図17には、本発明の第8実施形態に係る保持器80の構成を示しており、この場合、一対のリム部80a,80bを、いずれも2つの略円弧状の分割体82a,84a,82b,84bからなる二分割構造としている。なお、本実施形態に係る保持器80は、一対のリム部80a,80b、より具体的には、その分割体82a,84a,82b,84bに対してほぼ均等に縮径部および拡径部を配するとともに、各リム部80a,80b(各分割体82a,84a,82b,84b)の外径側および内径側に対してもほぼ均等に縮径部および拡径部を配した構成となっており、その基本的な保持器構成は、上述した第1実施形態(図1および図2)および第3実施形態(図4および図5)に係る保持器2,30と共通している(これらと同一もしくは類似する部材については図面上で同一符号を付する)。
図17に示すように、一対のリム部82,84は、いずれも2つの略円弧状の分割体82a,84a,82b,84bからなる二分割構造をなし、各リム部80a,80b(各分割体82a,84a,82b,84b)の欠損部86a,88a,86b,88bが周方向に対して同一の位相をなした状態(周方向に対する欠損部86a,86bおよび欠損部88a,88bの位置が一致している状態)で、軸方向に対して同心上に所定間隔を空けて対向配置されている。すなわち、保持器80は、周方向に対して二つの割れ部32m,32nを有する外観形状が略円筒状をなす(いわゆる二つ割れの保持器構造)。その際、リム部80a(分割体82a,84a)とリム部80b(分割体82b,84b)の径寸法や軸方向に対する対向間隔は、軸受のサイズなどに応じて任意に設定すればよい。
また、複数の縮径部42a,42bを各縮径部42a,42bの周方向に対する位相が一対のリム部80a,80bの一方(一例として、リム部80a(分割体82a,84a))と他方(同、リム部80b(分割体82b,84b))で異なるように、双方のリム部80a,80bに対してそれぞれ所定間隔で配し、複数の拡径部44a,44bを各拡径部44a,44bの周方向に対する位相が一対のリム部80a,80bの一方(一例として、リム部80a(分割体82a,84a))と他方(同、リム部80b(分割体82b,84b))で異なるように、双方のリム部80a,80bに対してそれぞれ所定間隔で配していることも、上述した第1実施形態(図1および図2)および第3実施形態(図4および図5)と同様である。一例として、本実施形態においては、図17に示すように、これらの縮径部42a,42bおよび拡径部44a,44bを上述した第1実施形態(図1および図2)と同様となるように、一対のリム部80a,80b(分割体82a,84a,82b,84b)に対して配した構成としている。すなわち、各リム部80a,80bにおいて、複数の縮径部42a,42bをそれぞれ周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の一つおきに縮径部42a,42bが一つずつ並ぶように一定間隔で配するとともに、複数の拡径部44a,44bをそれぞれ周方向に対してポケット10と同一の位相で、かつ、当該ポケット10の一つおきに拡径部44a,44bが一つずつ並ぶように一定間隔で配している。
これらは、保持器80におけるポケット10の数(つまり保持可能なころの個数)に応じて任意に設定すればよく、同数の縮径部42a,42を同数ずつ異なる間隔で配した構成、同数の縮径部42a,42を異なる数ずつ一定間隔で配した構成、異なる数の縮径部42a,42を同数もしくは異なる数ずつ一定間隔もしくは異なる間隔で配した構成とすることも想定可能であり(拡径部44a,44bについても同様)、一方のリム部80a(分割体82a,84a)の縮径部42aの数と他方のリム部80b(分割体82b,84b)の縮径部42bの数、および一方のリム部80a(分割体82a,84a)の拡径部44aの数と他方のリム部80b(分割体82b,84b)の拡径部44bの数をそれぞれ相違させることも可能であることは、上述した第1実施形態(図1および図2)および第2実施形態(図3)と同様である。
なお、柱部6により形成するポケット10の大きさは、ころの径寸法及び長さに応じ、ポケット10において当該ころを回転自在に保持可能となるように設定すればよく、ポケット10の数(別の捉え方をすれば、柱部6の数)は、保持器80の容量(保持させるころの個数)に合わせて任意に設定すればよい(上述した第1実施形態(図1および図2)、第3実施形態(図4および図5)と同様)。
6 柱部
10 ポケット
42a,42b 縮径部
44a,44b 拡径部
Claims (4)
- 樹脂製で、
単一部材より成り、
軸方向に対して同心上に所定間隔を空けて対向する一対の略円環状のリム部と、これらのリム部を連結するとともに、当該リム部間の空間領域を周方向に隔て、転動体であるころを挿入して回転自在に保持するためのポケットを形成する複数の柱部とを備え、
前記一対のリム部は、その外径側に前記柱部の外周部よりも径方向に対して凹状に窪み、軸方向に開放された複数の縮径部を有するとともに、その内径側に前記柱部の内周部よりも径方向に対して凹状に窪み、軸方向に開放された複数の拡径部を前記複数の縮径部とは周方向に対して異なる位相で有し、
前記複数の縮径部は、各縮径部の周方向に対する位相が前記一対のリム部の一方と他方で異なるように、双方のリム部に対してそれぞれ所定間隔で配され、
前記複数の拡径部は、各拡径部の周方向に対する位相が前記一対のリム部の一方と他方で異なるように、双方のリム部に対してそれぞれ所定間隔で配されていることを特徴とするラジアルころ軸受用保持器。 - 各リム部において、前記複数の縮径部および前記複数の拡径部は、周方向に対して前記ポケットと同一の位相で、かつ、当該ポケットの一つおきもしくは複数おきに配されていることを特徴とする請求項1に記載のラジアルころ軸受用保持器。
- 前記複数の縮径部は、各縮径部が周方向に対して一定間隔で配されているとともに、
前記複数の拡径部は、各拡径部が周方向に対して一定間隔で配されていることを特徴とする請求項2に記載のラジアルころ軸受用保持器。 - 前記複数の縮径部および前記複数の拡径部は、周方向に対して異なる間隔で配されていることを特徴とする請求項2に記載のラジアルころ軸受用。
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