JP5953608B2 - バイオフィルム抑制剤 - Google Patents

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本発明は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドを含むことを特徴とする、バイオフィルム抑制剤及び当該バイオフィルム抑制剤を含む、バイオフィルムを抑制するための口腔用組成物に関する。
バイオフィルム(biofilm)は、菌膜とも呼ばれ、細菌などの微生物により形成される構造体である。バイオフィルムとは、一般に、菌体外多糖からなるグリコカリックスに覆われた細菌の凝集塊が物質表面にフィルム上に付着したものである(日本歯周病学会編(2007)『歯周病専門用語集』医歯薬出版株式会社)。台所のヌメリや歯垢(プラーク、Dental plaque)はバイオフィルムの代表的なものである。バイオフィルム中の細菌は、グリコカリックスと共生・共存し、表面にバリア機能を有する。従って、バイオフィルム中の細菌は、好中球などによる食作用から自己を保護することができる。さらに、抗菌剤がバイオフィルムの深部に浸透しづらくなるので、従来の抗菌剤だけではバイオフィルム及びバイオフィルム中の細菌を破壊、死滅及び抑制することが困難であった。このようにバイオフィルムは免疫や抗菌剤に抵抗性を示し、様々な疾患の原因となるため、バイオフィルムに対して殺菌剤を有効に作用させる研究が多数行われてきた。
従来、ポリグリセリン脂肪酸エステルやモノグリセリン脂肪酸エステルを義歯洗浄用組成物や口腔用組成物に使用する例は知られているが(特許文献1〜4)、特定のモノグリセリン脂肪酸エステルや、モノグリセリン脂肪酸エステルと抗菌成分との混合物がバイオフィルム抑制剤として使用できる開示は存在しない。また、特許文献5は特定のモノグリセリン脂肪酸エステルを含む抗菌性組成物を開示するものの、特定のモノグリセリン脂肪酸エステルや、モノグリセリン脂肪酸エステルと抗菌成分との混合物をバイオフィルム抑制剤として使用できることを開示するものではない。
特開2010−6720号公報 特開2011−241167号公報 特開2011−195496号公報 国際公開WO2011/077847号パンフレット 特開2010−163397号公報 特開2008−303188号公報
本発明の第1の目的は、従来の抗菌剤では効きにくいバイオフィルムを抑制できるバイオフィルム抑制剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記バイオフィルム抑制剤を含むバイオフィルムを抑制するための口腔用組成物、洗浄用組成物又は化粧料を提供することにある。
本発明の第3の目的は、バイオフィルムが形成された表面に、上記バイオフィルム抑制剤を適用することを特徴とする、バイオフィルムの抑制方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライド単独又は当該中鎖脂肪酸のモノグリセライドと抗菌成分とを併用することにより、バイオフィルムを有意に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明が取り得る態様としては、以下を挙げることができる。
[1]
炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドを含むことを特徴とする、バイオフィルム抑制剤。
[2]
フェノール系抗菌剤、テルペノイド系精油、フェニルプロパノイド系精油及びこれらの混合物から選ばれる抗菌成分をさらに含む、[1]に記載のバイオフィルム抑制剤。
[3]
前記中鎖脂肪酸のモノグリセライドの含有量が、前記バイオフィルム抑制剤の質量に対して0.01〜10質量%である、[1]又は[2]に記載のバイオフィルム抑制剤。
[4]
前記抗菌成分の含有量が、前記バイオフィルム抑制剤の質量に対して0.005〜5質量%である、[2]又は[3]に記載のバイオフィルム抑制剤。
[5]
前記中鎖脂肪酸のモノグリセライドが、モノカプロン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤。
[6]
前記中鎖脂肪酸のモノグリセライドが、モノカプリル酸グリセリルである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤。
[7]
前記抗菌成分が、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン及びヒノキチオールからなる群から選ばれる、[2]〜[6]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤。
[8]
前記抗菌成分が、ユーカリ油、ハッカ油、チョウジ油、ケイヒ油及びこれらの混合物からなる群から選ばれるテルペノイド系又はフェニルプロパノイド系精油である、[2]〜[6]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤。
[9]
[1]〜[8]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤を含む、バイオフィルムを抑制するための口腔用組成物。
[10]
[1]〜[8]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤を含む、バイオフィルムを抑制するための洗浄用組成物。
[11]
[1]〜[8]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤を含む、バイオフィルムを抑制するための化粧料。
[12]
バイオフィルムが形成された表面に、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のバイオフィルム抑制剤を適用することを特徴とする、バイオフィルムの抑制方法。
本発明のバイオフィルム抑制剤は、従来の抗菌剤では効きにくいバイオフィルムの形態をとる歯垢やデンチャープラーク、バイオフィルムに由来する皮膚疾患等に対しても高い殺菌効果を発揮するもので、バイオフィルムの抑制剤として有効である。
本発明のバイオフィルム抑制剤は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライド単独又は当該中鎖脂肪酸のモノグリセライドと抗菌成分とを併用することにより、バイオフィルム中の細菌を好適に抑制(減少、死滅、除去、予防することを含む)することができる。
本発明のバイオフィルム抑制剤は、練歯磨剤、口腔湿潤剤、マウスウォッシュ等の口腔用組成物に添加することにより、口腔内のバイオフィルムに関連する歯垢等を好適に除去することができる。
また、本発明は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドと、特定の抗菌成分とを併用することにより、当該中鎖脂肪酸のモノグリセライド又は当該抗菌成分単独の場合と比較して、バイオフィルムを有意に抑制できるという相乗効果を奏するものである。
発明のバイオフィルム抑制剤は、化粧料に用いることにより、皮膚疾患の原因となるバイオフィルムを好適に除去することができる。
発明のバイオフィルム抑制剤は、洗浄剤に添加することにより、バイオフィルムに由来するヌメリや粘りけを好適に除去することができる。
発明のバイオフィルム抑制剤は、義歯洗浄剤等に添加することにより、カンジダ菌由来デンチャープラーク等を好適に除去することができる。
[バイオフィルム抑制剤]
本発明のバイオフィルム抑制剤は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライド及び抗菌成分を含むことができる。
ここで、バイオフィルムとは、上述したとおり、菌膜とも呼ばれ、細菌などの微生物により形成される構造体である。微生物としては、例えば、ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)、黄色ブドウ球菌(Streptococcus aureus)等の通性嫌気性グラム陽性球菌、歯周病菌(Porphyromonas gingivalis)等の偏性嫌気性グラム陰性細菌、カンジダ菌(Candida albicans)等の真菌等が挙げられる。特に、虫歯の原因菌であるストレプトコッカス ミュータンスは、各種糖分を分解して乳酸をはじめとする多数の有機酸を産生し、例えば、歯では、ショ糖から産生した不溶性グルカンにより菌体が歯牙と粘着し、バイオフィルムを形成する。
また、ここで言うバイオフィルム抑制剤は、バイオフィルムの増殖を制限する他、バイオフィルムの付着予防、堆積防止、付着したバイオフィルムの分解・除去、バイオフィルム中の細菌を抑制、死滅、除去等、バイオフィルムを抑制・除去する剤を含む意味である。特に、プラーク(歯垢)は、嫌気性菌の集合した典型的なバイオフィルムである。歯垢は、まず歯のエナメル質表面に唾液由来の糖タンパク質を主体とした有機質であるペリクルが吸着して歯を被覆し、さらに当該ペリクルに細菌が付着し、細菌が代謝反応を起こして産生した不溶性グルカンが歯面に強固に付着したものである。
[中鎖脂肪酸のモノグリセライド]
本発明で使用され得る中鎖脂肪酸のモノグリセライドは、炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数7〜9の中鎖脂肪酸の、モノグリセライドである。本発明で好ましく使用され得る中鎖脂肪酸のモノグリセライドには、例えば、モノカプロン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル及びモノラウリン酸グリセリルが挙げられ、より好ましくはモノカプリル酸グリセリルである。
当該中鎖脂肪酸のモノグリセライドは、好ましくは後述する抗菌成分と共に使用されるが、当該中鎖脂肪酸のモノグリセライドを含み、抗菌成分を含まないバイオフィルム抑制剤も、本発明の所望の作用効果を十分に発揮することができる。
当該中鎖脂肪酸のモノグリセライドの含有量は、バイオフィルム抑制剤の全体の質量に対して、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%であることが適当である。
また、当該中鎖脂肪酸のモノグリセライドを含むバイオフィルム抑制剤を口腔用組成物等の組成物に使用する場合、組成物中の中鎖脂肪酸のモノグリセライドの含有量は、組成物の全体の質量に対して、例えば0.01〜25質量%、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%であることが適当である。
[抗菌成分]
本発明は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドと、特定の抗菌成分とを併用することにより、当該中鎖脂肪酸のモノグリセライド又は当該抗菌成分単独の場合と比較して、バイオフィルムを有意に抑制できるという相乗効果を奏することを見出したものである。本発明で使用され得る抗菌成分は、例えば、フェノール系抗菌剤、テルペノイド系精油、フェニルプロパノイド系精油、これらの類似物及びこれらの混合物から選択される。
当該フェノール系抗菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、チモール等が挙げられる。
当該フェニルプロパノイド系精油としては、チョウジ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、オイゲノール、アネトール、ケイヒアルデヒド、シンナムアルデヒド等を挙げることができる。
当該テルペノイド系精油としては、例えば、ハッカ油、ユーカリ油、オレンジ油、テレビン油、ペパーミント油、スペアミント油、樟脳油、サイム油、シソ油、ティートリー油、レモン油、セージ油、ローズマリー油、l−リモネン、l−メントール、メントン、α−ピネン、シトラール、シネオール、カンフル等を挙げることができる。
当該フェノール系抗菌剤、テルペノイド系精油、フェニルプロパノイド系精油の混合物としては、2種類以上の抗菌成分のいかなる組み合わせであってもよいが、例えば、フェノール系抗菌剤とフェニルプロパノイド系精油又はテルペノイド系精油との組み合わせ、フェノール系抗菌剤、フェニルプロパノイド系精油及びテルペノイド系精油から各1種類の抗菌成分の組み合わせが好ましい。より具体的に、本発明で使用できる抗菌成分としては、イソプロピルメチルフェノールとユーカリ油及び/又はハッカ油との組み合わせ、ヒノキチオールとチョウジ油及び/又はハッカ油との組み合わせ等が好適である。
当該抗菌成分の含有量は、バイオフィルム抑制剤の全体の質量に対して、例えば0.005〜5質量%、好ましくは0.008〜2質量%、より好ましくは0.01〜1質量%であることが適当である。
また、バイオフィルム抑制剤に含まれる炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドと当該抗菌成分との質量比は、例えば、100:1〜1:100、好ましくは50:1〜1:50、より好ましくは10:1〜1:20であることが適当である。
さらに、当該抗菌成分を含むバイオフィルム抑制剤を口腔用組成物等の組成物に使用する場合、組成物中の抗菌成分の含有量は、組成物の全体の質量に対して、例えば0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜5質量%、より好ましくは0.01〜2質量%であることが適当である。
[その他の成分]
本発明のバイオフィルム抑制剤には、上記有効成分の他、研磨剤、湿潤剤、溶剤、粘結剤、香料、賦形剤、甘味剤、pH調整剤、防腐剤、乳化剤、可溶化剤、発泡剤、滑沢剤、界面活性剤、油、色素、酸化防止剤、その他の薬剤などを適宜配合することができる。これらの添加剤は、医薬品組成物、口腔用組成物または食品処方設計に通常用いられ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができ、また、適当な配合量で配合することができる。このような添加剤の例として、下記のものが挙げられる。
研磨剤としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸カルシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、二酸化チタン、非晶質シリカ、結晶質シリカ、アルミノシリケケート、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、レジン、ハイドロキシアパタイトなどを、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量はバイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に3〜60質量%である。
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトールなどの多価アルコールを、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量はバイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.1〜50質量%である。
溶剤としてはアルコール等の有機溶剤や水が好ましく、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、特にエタノールが好ましい。これらアルコールは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量はバイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に99.9質量%以下、好ましくは0.1〜30質量%である。
粘結剤として、例えば、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ金属アルギネート、キサンタンガム、トラガカントガム、アラビアガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムなどの合成粘結剤、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガムなどの無機粘結剤などが挙げられる。その配合量はバイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.5〜10質量%である。
香料としては、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。その配合量はバイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.0001〜1.0質量%である。
賦形剤としては、例えばショ糖、乳糖、デンプン、ブドウ糖、結晶性セルロース、マンニット、ソルビット、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、パラチノース、マルチトール、トレハロース、ラクチトール、ラクチュロース、還元澱粉糖、還元イソマルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ガムベース、アラビアガム、ゼラチン、セチルメチルセルロース、軽質無水ケイ酸、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウムなどが挙げられる。その配合量はバイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.01〜30質量%である。
甘味剤としては、例えば、パラチニット、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルミン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、ρ−メトキシシンナミックアルデヒドなどが挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、バイオフィルム抑制剤全体に対して0.01〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%である。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、パントテン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、または、リン酸水素二ナトリウム等のこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウムなどが挙げられ、これらは、組成物のpHが適切な範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、バイオフィルム抑制剤に対して0.01〜2質量%である。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。その配合量は、バイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.005〜5質量%である。
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアロイル乳酸ナトリウム、大豆リン脂質、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。その配合量は、バイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.05〜30質量%である。
可溶化剤としては、例えば、エステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類などが挙げられる。その配合量は、バイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0.05〜30質量%である。
発泡剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルグルタメート等のN−アシルアミノ酸塩、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、硬化油などが挙げられる。
油としては、抗菌成分として使用される上記精油や上記香料として使用される油以外の油、例えば、ココナッツ油、オリーブ油、ごま油、落花生油、パセリ油、パセリ種子オイル、紅花油などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アルキルグリコシド類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルエタノールアマイド、ココイルサルコシン酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム液などが挙げられる。その配合量は、バイオフィルム抑制剤全量に対して一般的に0〜30質量%である。
また、上述した成分の他にも、例えば、青色1号等の色素、二酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、エデト酸塩等のキレート剤、チャエキス、チャ乾留液、グルタミン酸ナトリウム等の矯味剤等を含んでいてもよい。
本発明の口腔用組成物にはまた、保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、フッ化物、ビタミン剤、生薬エキスなどの薬効成分を配合することができる。これらの薬効成分は、医薬品・食品・化粧品に使用し得るものから、適宜選択することができる。
保湿剤の例として、アミノ酸又はその塩、ピロリドンカルボン酸、ムチン、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖類、乳酸ナトリウム、尿素、パンテノール、アロエエキス、ローズマリーエキス、タイムエキス、チャエキス(チャ乾留エキス)などの天然エキス成分、コラーゲン、エラスチンなどのいわゆる細胞外マトリックスなどを挙げることができる。これらの1種又は2種以上の組み合わせを適宜選択すればよい。
抗菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルヘキシジングルコン酸ナトリウム、ビサボロールクロルヘキシジン、ラクトフェリン、パラベン、ブチルパラベンなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
抗炎症剤としては、例えば、塩化リゾチーム、ε−アミノカプロン酸、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、グァイアズレンスルホン酸、酢酸dl−α−トコフェロールなどが挙げられる。
また、フッ化物としてはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第1スズなどが挙げられる。
ビタミン剤の例として、レチノイン酸、β-カロテンなどのビタミンA類、パントテン酸又はその塩類、ナイアシン、ビオチンなどのビタミンB類、アスコルビン酸又はその塩類、誘導体などのビタミンC類、α-トコフェロールなどのビタミンE類、葉酸などが挙げられる。
生薬エキスの例として、カミツレエキス、カノコソウエキス、ナツメエキス、ホップエキス、ラメンダーエキス、リンデンエキス、カリンエキス、キンギンカエキス、クマザサエキス、グミエキス、チョウジエキス、デンシチニンジンエキス、サルビアエキス、ムクロジエキスなどが挙げられる。
上記保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、フッ化物、ビタミン剤、生薬エキスなどの薬効成分への配合濃度は、一般的に0.001〜5.0質量%の範囲が適当であり、より好ましくは、0.01〜1.0質量%の範囲である。
本発明の本発明のバイオフィルム抑制剤は、種々の形状とすることができ、例えば、液体(乳化形、可溶化形)、液状、ゲル状、ペースト状、錠剤、発泡錠、粉末状、顆粒状などとすることができる。
[バイオフィルム抑制剤を含む組成物]
本発明は、当該バイオフィルム抑制剤を含む組成物であり得る。組成物としては、口腔用組成物、化粧料組成物、洗剤組成物、皮膚用組成物等が挙げられる。
口腔用組成物は、口腔内のバイオフィルムを抑制することを目的とした組成物である。口腔用組成物としては、例えば、練歯磨剤、液体歯磨剤、口腔湿潤剤、マウスウォッシュ等が挙げられる。化粧料組成物としては、例えば、ローション、洗顔フォーム、メイク落とし、乳液、クリーム、アイライナー、美容液、軟膏、オイル、パック等が挙げられる。洗剤組成物しては、例えば、義歯洗浄剤(液剤、散剤、錠剤等)等の歯に関連する洗浄剤、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、コンディショナー等の毛髪に関連する洗浄剤、石けん、ハンドソープ、液体洗剤、台所用洗剤、食器洗い用洗剤、浴室用洗剤、トイレ用洗剤、パイプ用洗剤等の一般家庭用洗浄剤等を挙げることができる。
以下、本発明のバイオフィルム抑制剤及び当該バイオフィルム抑制剤を含む組成物の具体的な実施例について説明するが、当該実施例は本発明の範囲を限定する意図ではないことを確認的に明記しておく。なお、以下の実施例において、特に断りがない限り、配合量の単位は質量%である。
[バイオフィルム抑制方法]
本発明は、所定の場所に上記バイオフィルム抑制剤を適用することにより、バイオフィルムを抑制する方法にも関する。具体的には、上記バイオフィルム抑制剤をバイオフィルムがすでに形成された表面に塗布等により適用することにより、当該表面に形成されたバイオフィルムを抑制、減少、除去することができる。当該表面としては、例えば口腔内、歯、毛髪、皮膚等の人体表面、及び、義歯、食器、台所、台所用品、トイレ、トイレ用品、浴室、浴室用品、パイプ、家具、壁等の人体以外の表面が挙げられる。当該表面に適用されるバイオフィルム抑制剤の量は、例えば、当該表面1cm2あたり、0.01〜2g、好ましくは0.05〜1.5g、より好ましくは0.1〜1gであることが適当である。
[バイオフィルムの作製]
ストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans JCM5705)をSCD培地(和光純薬工業(株))にて、24時間32.5℃で前培養し、前培養菌液を得た。得られた前培養菌液を、細胞濃度が107CFU/mLとなるように1%スクロース含有SCD培地に添加して培養菌液を得、当該培養菌液を24ウェルプレートに2mLずつ播種した。播種した培養菌液を48時間37℃で嫌気培養し、バイオフィルムを得た。
[バイオフィルム抑制剤の製造]
下記表1A及びB、表2A及びBに示す実施例及び比較例の各成分を、12.5質量%エタノール(EtOH)に溶解し、試験溶液とした。
[バイオフィルム抑制試験]
作製したストレプトコッカス ミュータンスバイオフィルムを0.01ml/lリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(和光純薬工業(株))で2回洗浄し、浮遊菌を取り除いた。上記試験溶液2mlを24ウェルプレート中のバイオフィルムに添加後、30分間(表1A及びB)又は10分間(表2A及びB)放置し、上清液をすべて吸い取って除去した後、残渣にLP希釈液(精製水1リットルあたり、カゼインペプトン1g、レシチン0.7g、ポリソルベート80を20g、精製水8.3g含有するレクチン及びポリソルベート80の希釈液)(ダイゴ、和光純薬工業(株))を2mL添加し、超音波ホモジナイザー(BRANSON SONIFIER)にかけてウェルプレートからバイオフィルムを剥離した。剥離したバイオフィルムを含む菌液1mLをLP希釈液(上述と同じ)9mlにて段階希釈し、得られた菌液の希釈液1mlをSCDLP寒天培地(和光純薬工業(株))に塗抹し、混釈培養法にて生菌数を求めた。ここで、混釈培養法は、試料液と寒天培地とをシャーレの中で混和凝固させ、32.5℃、好気条件下で培養し、培養後発生したコロニー数を目視により測定し、乗数をかけて生菌数とした。
表1A
Figure 0005953608
表1B
Figure 0005953608
表2A
Figure 0005953608
表2B
Figure 0005953608
上述の実施例1と比較例1、並びに実施例6、11と比較例6との対比から理解できるように、本発明の炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドを含むバイオフィルム抑制剤は、バイオフィルム中の細菌(ストレプトコッカス ミュータンス)を有意に抑制している。また、本発明の炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドと、フェノール系殺菌剤、テルペノイド系又はフェニルプロパノイド系精油とを含むバイオフィルム抑制剤では(実施例2〜5及び実施例7〜10、実施例12〜15)、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライド単独(実施例1又及び6及び11)や抗菌成分単独(比較例2〜5及び7〜10)の場合と比べて、細菌を飛躍的に抑制することができた。
[処方例]
以下に、本発明の中鎖脂肪酸のモノグリセライドとしてカプリル酸グリセリルを用い、さらに本発明で使用され得る抗菌成分を併用し、その他の成分と共に混合して調製した本発明の組成物の処方例を示す。配合量の単位は質量%である。
<実施例16>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
リン酸水素カルシウム 40.0
無水ケイ酸 5.0
グリセリン 15.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
ソルビット液 10.0
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 0.2
フッ化ナトリウム 0.2
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例17>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
トリクロサン 0.02
水酸化アルミニウム 35.0
グリセリン 15.0
結晶セルロース 10.0
ポリエチレングリコール 10.0
ヒドロキシプロピルセルロース 2.0
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
ブチルパラベン 0.2
サッカリンナトリウム 0.1
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例18>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
ヒノキチオール 0.02
炭酸カルシウム 25.0
ソルビット液 15.0
グリセリン 10.0
無水ケイ酸 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.05
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例19>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
チョウジ油 0.2
グリセリン 25.0
ピロリン酸カルシウム 25.0
無水ケイ酸 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
香料 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.05
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例20>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ユーカリ油 0.2
無水ケイ酸 20.0
70%ソルビット液 20.0
グリセリン 20.0
プロピレングリコール 3.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.7
ポリエチレングリコール 1.0
カラギーナン 1.0
香料 1.0
二酸化チタン 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例21>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
ヒノキチオール 0.02
ハッカ油 0.5
水酸化アルミニウム 30.0
グリセリン 20.0
塩化ナトリウム 10.0
無水ケイ酸 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.8
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
ポリエチレングリコール 1.0
香料 1.0
パラオキシ安息香酸エステル 0.2
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1
精製水 残
合計 100%
<実施例22>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ユーカリ油 0.2
ハッカ油 0.5
ピロリン酸カルシウム 32.0
グリセリン 20.0
無水ケイ酸 6.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
グリチルレチン酸 1.0
ポリエチレングリコール 1.0
香料 0.1
ε-アミノカプロン酸 0.1
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1
精製水 残
合計 100%
<実施例23>
<練歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
ヒノキチオール 0.02
チョウジ油 0.2
ハッカ油 0.5
グリセリン 20.0
ピロリン酸カルシウム 16.0
無水ケイ酸 7.0
香料 1.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8
ラウリル硫酸ナトリウム 0.6
カラギーナン 0.6
塩化リゾチーム 0.4
ステビアエキス 0.1
グルコン酸クロルヘキシジン 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例24>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
カプリル酸グリセリル 0.2
ユーカリ油 0.2
カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.5
グリセリン 15.0
プロピレングリコール 5.0
安息香酸ナトリウム 0.3
塩化セチルピリジニウム 0.01
クエン酸 0.23
クエン酸ナトリウム 1.1
精製水 残
合計 100%
<実施例25>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ハッカ油 0.5
グリセリン 25.0
カラギーナン 0.6
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.4
安息香酸ナトリウム 0.3
クエン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.3
トリメチルグリシン 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
ラクトフェリン 0.01
ムチン 0.01
ヒアルロン酸 0.005
精製水 残
合計 100%
<実施例26>
<口腔湿潤剤(ジェルタイプ)>
カプリル酸グリセリル 0.2
ヒノキチオール 0.02
チョウジ油 0.2
グリセリン 15.0
カラギーナン 0.8
アルギン酸ナトリウム 1.8
プロピレングリコール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0
安息香酸ナトリウム 0.5
クエン酸 0.04
リン酸水素二ナトリウム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.2
エタノール 2.0
キシリトール 5.0
メントール 0.01
香料 0.1
ヒアルロン酸 0.005
グリチルリチン酸ジカリウム 0.015
精製水 残
合計 100%
以下実施例27〜38の液体歯磨剤、マウスウォッシュは、スプレー容器に収容して口腔内へスプレーして使用することもできる。
<実施例27>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
エタノール 2.0
寒天 1.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
香料 0.4
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
サッカリンナトリウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例28>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
トリクロサン 0.02
水酸化アルミニウム 10.0
グリセリン 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
カラギーナン 0.5
エタノール 0.5
香料 0.4
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
サッカリンナトリウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例29>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
ヒノキチオール 0.02
グリセリン 15.0
ポリエチレングリコール 10.0
無水ケイ酸 3.0
リン酸水素カルシウム 2.0
カルボキシルメチルセルロースナトリウム 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
アルミノケイ酸塩 0.5
香料 0.5
パラベン 0.1
精製水 残
合計 100%
<実施例30>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.1
トリクロサン 0.02
グリセリン 10.0
水酸化アルミニウム 10.0
寒天 1.0
エタノール 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
カラギーナン 0.5
香料 0.4
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例31>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
ユーカリ油 0.2
グリセリン 20.0
ソルビット液 25.0
キサンタンガム 1.0
カルボキシルメチルセルロースナトリウム 0.5
香料 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
精製水 残
合計 100%
<実施例32>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ユーカリ油 0.2
70%ソルビット液 25.0
無水ケイ酸 10.0
グリセリン 10.0
キサンタンガム 1.0
キシリトール 1.0
香料 0.5
パラオキシ安息香酸エチル 0.1
パラオキシ安息香酸ブチル 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例33>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ハッカ油 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0
エタノール 5.0
キシリトール 5.0
クエン酸ナトリウム 0.15
クエン酸 0.1
サッカリンナトリウム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
香料 0.1
アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン 0.01
精製水 残
合計 100%
<実施例34>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ヒノキチオール 0.02
チョウジ油 0.2
エタノール 10.0
ポリエチレングリコール 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0
安息香酸ナトリウム 1.0
香料 0.4
アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.2
チャ乾留液 0.1
ステビアエキス 0.05
乳酸アルミニウム 0.01
塩化セチルピリジニウム 0.05
精製水 残
合計 100%
<実施例35>
<液体歯磨剤>
カプリル酸グリセリル 0.2
ユーカリ油 0.2
ハッカ油 0.5
含水ケイ酸 1.0
無水ケイ酸 10.0
グリセリン 25.0
香料 1.0
カルボキシルメチルセルロース 1.0
ソルビトール 50.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
パラオキシ安息香酸エステル 0.1
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
精製水 残
合計 100%
<実施例36>
<マウスウォッシュ>
カプリル酸グリセリル 0.5
ユーカリ油 0.2
ハッカ油 0.2
エタノール 20.0
香料 1.0
サッカリンナトリウム 0.05
クロルヘキシジン塩酸塩 0.01
ラウリルエタノールアマイド 0.3
精製水 残
合計 100%
<実施例37>
<マウスウォッシュ>
カプリル酸グリセリル 0.5
ハッカ油 0.2
キシリトール 2.5
変性アルコール56号 5.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
クエン酸ナトリウム 0.12
クエン酸 0.03
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
パラオキシ安息香酸プロピル 0.05
香料 0.1
精製水 残
合計 100%
<実施例38>
<義歯洗浄剤(液剤)>
カプリル酸グリセリル 5
ヒノキチオール 0.02
チョウジ油 0.5
エタノール 60.0
ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 20.0
EDTAナトリウム 6.0
クロルヘキシジングルコン酸ナトリウム 2.0
香料 1.0
精製水 残
合計 100%
上記成分をよく混合し液剤した。その0.5〜1.5gを100〜150mLの水に溶解して使用した。
<実施例39>
<義歯洗浄剤(散剤)>
カプリル酸グリセリル 5
ユーカリ油 0.5
ハッカ油 0.5
炭酸水素ナトリウム 31.0
クエン酸 25.0
ラウリル硫酸ナトリウム 6.0
ポリエチレングリコール 2.0
香料 1.0
精製水 残
合計 100%
上記成分をよく混合し散剤とした。その1.0〜2.5gを100〜150mLの水に溶解して使用した。
<実施例40>
<義歯洗浄剤(錠剤)>
カプリル酸グリセリル 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
炭酸水素ナトリウム 30.0
酒石酸 27.0
ココイルサルコシン酸ナトリウム 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 5.0
塩化ベンザルコニウム 2.0
EDTAナトリウム 5.0
ポリエチレングリコール 2.0
香料 1.0
精製水 残
合計 100%
上記成分をよく混合し、その2〜3gを打錠機で打錠した。その1錠を100〜150mLの水に溶解して使用した。
<実施例41>
<洗顔フォーム>
カプリル酸グリセリル 1
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ハッカ油 0.1
ミリスチン酸 20.0
パルミチン酸 5.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.5
ジステアリン酸ポリエチレングリコール(140) 1.0
ポリエチレングリコール400 5.0
N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム液 8.0
グリセリン 20.0
ソルビット液 3.0
エデト酸二ナトリウム 0.05
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化カリウム 5.3
香料 0.1
精製水 残
100%
<実施例42>
<液体洗剤>
カプリル酸グリセリル 5
イソプロピルメチルフェノール 0.1
ユーカリ油 0.5
ラウリルグルコシド 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 10.0
エタノール 5.0
ポリプロピレングリコール 2.0
香料 0.1
精製水 残
100%
上述した実施例16〜40の本発明の組成物を、プラークやバイオフィルムが形成された義歯表面に適用することにより、バイオフィルムを良好に抑制(除去)することができた。また、バイオフィルム生菌数は、いずれも<10〜1.0×107CFU/ml程度であった。さらに、実施例41及び42の組成物も、バイオフィルムが形成された表面に適用することにより、バイオフィルムを良好に抑制(除去)することができた。また、バイオフィルム生菌数は、いずれも<10〜1.0×107CFU/ml程度であった。実施例16〜40の本発明の組成物は、いずれもバイオフィルム生菌数を50%以上抑制していたことがわかった。

Claims (12)

  1. 炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のモノグリセライドと、抗菌成分とを含み、ポリグルタミン酸塩を含まず、前記抗菌成分が、フェノール系抗菌剤、テルペノイド系精油、フェニルプロパノイド系精油及びこれらの混合物から選ばれることを特徴とする、バイオフィルムの除去剤。
  2. 前記抗菌成分が、フェノール系抗菌剤である、請求項1に記載のバイオフィルムの除去剤。
  3. 前記中鎖脂肪酸のモノグリセライドの含有量が、前記バイオフィルム抑制剤の質量に対して0.01〜10質量%である、請求項1又は2に記載のバイオフィルムの除去剤。
  4. 前記抗菌成分の含有量が、前記バイオフィルムの除去剤の質量に対して0.005〜5質量%である、請求項1〜のいずれかに記載のバイオフィルムの除去剤。
  5. 前記中鎖脂肪酸のモノグリセライドが、モノカプロン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤。
  6. 前記中鎖脂肪酸のモノグリセライドが、モノカプリル酸グリセリルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤。
  7. 前記抗菌成分が、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン及びヒノキチオールからなる群から選ばれるフェノール系抗菌剤である、請求項〜6のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤。
  8. 前記抗菌成分が、ユーカリ油、チョウジ油、ケイヒ油及びこれらの混合物からなる群から選ばれるテルペノイド系又はフェニルプロパノイド系精油である、請求項1及び3〜6のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤を含む、バイオフィルムを除去するための口腔用組成物。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤を含む、バイオフィルムを除去するための洗浄用組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤を含む、バイオフィルムを除去するための化粧料。
  12. バイオフィルムが形成された表面に、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイオフィルムの除去剤を適用することを特徴とする、バイオフィルムの除去方法。
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