JP2011195496A - 義歯用抗菌剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】解決しようとする課題点は、義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症の原因となる細菌及び真菌に十分な抗菌活性を有し、人体に対し安全で、かつ安価で提供することを可能とする義歯用抗菌剤を新規に見いだすことである。
【解決手段】(A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩を15〜45重量%、(B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルを20〜50重量%、(C)スルホコハク酸エステルを10〜30重量%、(D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを0〜10重量%、(E)水が0〜55重量%、を少なくとも含む溶液1重量部に対し、水性基剤を1〜500重量部の比率で混合してなる義歯用抗菌剤を創成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は、義歯用抗菌剤に関するものである。
義歯の使用者は、義歯と口腔粘膜や健全歯との間、又は義歯自体が有する空隙に汚れが滞留しやすく、健常人に比べて口腔内微生物が繁殖し易い環境におかれている。ここでいう汚れとは、食物残渣、デンチャーバイオフィルム、歯石様沈着物、色素などが挙げられる。デンチャーバイオフィルムとは、口腔内微生物が義歯表面に定着し、粘着性多糖類等の産生物、唾液や血清成分等と共に凝集したバイオフィルムである。このデンチャーバイオフィルムには様々な微生物が存在するために、義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生が起こる、あるいは残存歯において虫歯や歯周病が発症し易くなる。特にこのデンチャーバイオフィルムの微生物学的特徴としてカンジダ菌の比率が高く、義歯性口内炎の主たる原因であることが知られている。
そのため、義歯の装着による義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症促進を予防するために、義歯用洗浄剤や抗菌剤が使用されている。例えば、義歯使用者が義歯を装着したまま口腔内を清潔に保ち、義歯性口内炎の発症を防止するのに有効なソルビン酸又はその塩を含有する口腔用組成物(特許文献1)や、デンチャープラーク(デンチャーバイオフィルム)の洗浄効果を有するキシリトール等の賦形剤を用いて賦形されたプラーク分解酵素と、活性酸素発生物質と、縮合リン酸塩又は無水硫酸ナトリウムとを含有してなる義歯洗浄剤(特許文献2)や、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムとドデシルベンゼン硫酸ナトリウムと酸素系漂白剤とを含有する義歯洗浄用組成物(特許文献3)、イミダゾール系抗真菌剤であるミコナゾールを義歯に長期的に付着させて保持でき、口腔内の義歯カンジタ症などの真菌への真菌活性の抑制率を高めるともに真菌の増殖を抑制することができる抗真菌剤用組成物(特許文献4)、希釈した状態でもデンチャーバイオフィルムに対し優れた除去及び殺菌効果を発揮し、義歯浸漬液が高い防腐力を有し、かつ組成物の高温保存及び低温保存時の保存安定性に優れ、化学的方法により義歯のデンチャーバイオフィルムを効果的に除去して殺菌することができるポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロテアーゼ、カチオン性殺菌剤及び水を含有する義歯洗浄用液体組成物(特許文献5)、バイオフィルムの形成を阻害し、かつすでに成熟したバイオフィルムにおいてもバイオフィルム内部構造を変化させることでバイオフィルムの除去を促進することができる糖アルコール及び/又はアミノ酸を配合した口腔用組成物(特許文献6)等が先行技術として挙げられる。
義歯の装着による義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症促進を予防するために最も重要なポイントとしては、義歯の樹脂部分や付着したデンチャーバイオフィルムからの、原因となる細菌や真菌の感染並びに増殖の防止であり、その予防方法としては抗菌剤を用いて義歯を殺菌することが最も簡便かつ効果的である。一方、義歯用洗浄剤を用いて義歯に付着したデンチャーバイオフィルムを除去することで、バイオフィルムとその中で生存する細菌や真菌を除菌する方法も汎用的ではあるが、バイオフィルムは非常に強固な汚れであり、界面活性剤や気泡剤を使用するだけで完全に除去することが難しく、ブラッシングといった物理的処置も併せて日常的なケアを必要とする。そのため、抗菌剤を用いず、義歯の洗浄という処理だけでは細菌や真菌の感染並びに増殖を十分に予防することが困難である。しかしながら、義歯の洗浄のために配合されるノニオン性界面活性剤等の界面活性剤が抗菌剤をミセル中に取り込み、その抗菌力を低下させるという問題点や、抗菌剤がカチオン性やアニオン性を有する場合、界面活性剤とコンプレックが形成された結果、期待する抗菌力が消失してしまうという問題点がある。更には、抗菌剤自体の対象とする細菌や真菌に対する抗菌力が未だ十分とはいえないこと、また義歯は常時口腔内で装着されて使用されるものであることから、殊更人体への安全性は高いものである必要があること、並びに使用者の経済的負担の面から安価に入手可能なものである必要があることから、これらの問題点や課題点を解消する義歯用抗菌剤の開発が望まれている。
一方、従来から知られている抗菌成分として、多価アルコール系抗菌物質としてグリセリン脂肪酸エステルが記載され、緑膿菌に対し殺菌効果を有することが示されている他(特許文献7)、グリセリン脂肪酸エステルの類似化合物であるポリグリセリン脂肪酸エステルが食品用抗菌剤として用いられることが示されている(特許文献8)。また、炭素数6〜10の中鎖脂肪酸がペニシリウム属、アスペルギルス属、フザリウム属、セファロスポリウム属、サッカロミケス属、カンジダ属並びに他の不完全菌類及び半子嚢菌類(酵母)、大腸菌、サルモネラ種、シゲラ種のようなグラム陰性菌、並びに他のグラム陰性菌(バシルス属、スタフィロコッカス属、エンテロコッカス属、シュードモナス属、ラクトバシルス属)に対して抗菌活性を有することが示されている(特許文献9)。また、動物用抗菌液剤に溶解補助剤としてジオクチルスルホコハク酸塩を使用することが示される他(特許文献10)、有機酸とスルホコハク酸アルキル類を含む抗菌組成物が開示されている(特許文献11)。しかしながら、義歯の装着による義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症の原因となる細菌及び真菌に対する効果については全く検討されておらず、義歯用抗菌剤への使用に関する記載あるいは示唆はない。
従って、解決しようとする課題点は、義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症の原因となる細菌及び真菌に十分な抗菌活性を有し、人体に対し安全で、かつ安価で提供することを可能とする義歯用抗菌剤を新規に見いだすことである。
本発明者らは、(A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩を15〜45重量%、(B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルを20〜50重量%、(C)スルホコハク酸エステルを10〜30重量%、(D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを0〜10重量%、(E)水が0〜55重量%、を少なくとも含む溶液1重量部に対し、水性基剤を1〜500重量部の比率で混合してなる組成物が義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症の原因となる細菌及び真菌に対して優れた抗菌活性を有することを見いだし、本発明である義歯用抗菌剤を創成するに至った。
本発明の義歯用抗菌剤は、カンジダ菌、虫歯菌及び歯周病菌に対して優れた抗菌活性を有することから、義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生や、虫歯や歯周病の発症の原因となる細菌及び真菌の殺菌や消毒に効果的である。また、本発明の義歯用抗菌剤は、全て医薬品や化粧品、食品並びに日常雑貨品等で従来から汎用されてきた成分で構成されるものであって、人体への安全性に関しては殊更優れるものである。更に、これらの成分は、非常に安価でかつ大量に入手が可能な化合物ばかりであり、日常的に使用するにあたって消費者の経済的負担が軽減されているものである。また付随的効果として、本発明の義歯用抗菌剤で使用される成分の一部は界面活性能を有することから、義歯に付着した汚れを殺菌又は消毒と同時に除去することが可能である。
特開平5−339135号公報 特開平7−17842号公報 特開平10−17452号公報 特開2005−97271号公報 特開2008−179615号公報 特開2005−29484号公報 特開2009−161518号公報 特開平10−225281号公報 特表2003−535894号公報 特開平6−263642号公報 特表2005−530857号公報
本発明の義歯用抗菌剤は、第一に、少なくとも(A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩を15〜45重量%、(B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルを20〜50重量%、(C)スルホコハク酸エステルを10〜30重量%、(D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを0〜10重量%、及び(E)水が0〜55重量%を含む溶液を必須とする。
(A)の炭素数8〜22の脂肪酸は、置換基を有していてもよい炭素数8〜22の直鎖状又は分岐状の飽和あるいは不飽和脂肪酸であれば特に限定はされないが、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸、ベヘニン酸から選択される。脂肪酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩から選択される。特に、融点が低い脂肪酸が性状の安定性や製造の簡便性から好ましく、カプリル酸、カプリン酸、パルミトレイン酸及びオレイン酸とそれらの塩から選択される。
当該溶液中における脂肪酸の含有量は、15〜45重量%の範囲であれば任意に設定することができる。
(B)の炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルは、特に限定はされないが、具体的にはモノカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ジパルミチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、モノイソパルミチン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、モノオキシステアリン酸グリセリル、トリオキシステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリルから選択される。特に、水に対する溶解性並びに固有の限界ミセル濃度の点から、モノカプリル酸グリセリル、ジカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル及びモノオレイン酸グリセリルから選択される。
当該溶液中におけるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルの含有量は、20〜50重量%の範囲であれば任意に設定することができる。
(C)のスルホコハク酸エステルは、特に限定はされないが、具体的にはスルホコハク酸ジエチルヘキシル、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オレイン酸アミドエトキシエタノールスルホコハク酸エステル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸β−シトステリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレングリコールジメチコンスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミドスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、スルホコハク酸ヤシ油アルキルグルコシド、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムから選択される。特に、水に対する溶解性並びに製造におけるコストの面から、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム及びスルホコハク酸ジエチルヘキシル又はその塩から選択される。
当該溶液中におけるスルホコハク酸エステルの含有量は、10〜30重量%の範囲であれば任意に設定することができる。
本発明の義歯用抗菌剤で用いられる少なくとも(A)〜(E)を含む溶液には、脂肪酸の酸化を防止するために、更に酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は医薬品、医薬部外品、化粧品及び食品に通常添加されている成分であれば特に限定はされないが、具体的には、アスコルビン酸類、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。溶液への配合量としては、0.001〜5重量%の範囲であれば十分である。
本発明の義歯用抗菌剤で用いられる(A)〜(E)を含む溶液の製造方法としては、公知な処方製剤の製造方法より得られる。例えば、(A)〜(C)を必要ならば(A)の融点以上に加温しながら溶解及び混合した後、これにあらかじめ混合した(D)及び(E)の混合物を、例えば攪拌機を備えた乳化装置やホモミキサー、ディスパーミキサー、高剪断力の高圧ホモジナイザーや高圧及び/又は真空ホモミキサー、超音波乳化機、SPG膜乳化機、スタティック型ラインミキサー、コロイドミル等といった混合装置を用いて徐々に添加しながら撹拌混合することで当該溶液が製造される。
本発明の義歯用抗菌剤は、第二に前記(A)〜(E)を含む溶液を水性基剤に混合して分散させてなることを必須とする。混合する比率は、溶液1重量部に対し、水性基剤が1〜500重量部の範囲で設定される。混合するにあたって、特に混合装置等は必須ではないが、本発明の義歯用抗菌剤を大量に製造する場合には撹拌装置を備えた設備であることが好ましい。
本発明で用いられる水性基剤は、水又はエタノールを0〜10重量%含む水溶液である。また、当該水性基剤には、義歯用抗菌剤のハンドリング性を向上させることを目的に、更に増粘剤を添加することができる。増粘剤は医薬品、医薬部外品、化粧品及び食品に通常添加されている成分であれば特に限定はされないが、具体的には、アクリル酸重合体、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アミド重合体、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アルギン酸又はその塩、加水分解コラーゲン又はその誘導体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、加水分解コムギタンパク質又はその誘導体、加水分解シルク又はその塩又はその誘導体、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、スチレン・ビニルピロリドン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、加水分解エラスチン又はその塩、加水分解カゼイン又はその塩、アラビアゴム、カラギーナン、カラヤガム、ゼラチン、キチン又はその誘導体又はそれらの塩、キトサン又はその誘導体又はそれらの塩、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、流動パラフィン、ヒアルロン酸又はその塩、ソルビトール、トレハロース、デキストラン、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアスパラギン酸又はその塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグルタミン酸又はその塩、ユーグレナ多糖体、イソブチレン・マレイン酸塩共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、β−グルカン又はその塩等が挙げられる。水性基剤への配合量としては、0.0001〜20重量%の範囲で設定することができる。
本発明の義歯用抗菌剤は、義歯の除菌、殺菌、消毒の目的で使用される。使用方法は、本発明の義歯用抗菌剤に一定時間浸漬した後、流水等ですすぐという簡便な操作で、その目的を達成することができる。義歯用抗菌剤の剤型としては、基本的に液状であるが、ゲル状あるいは気泡剤やガス噴射によるフォーム状であってもよい。特に、剤型がフォーム状である場合は、義歯用抗菌剤を直接義歯に噴射し、手やブラシ等を使用して義歯に付着した汚れを除去すると同時に殺菌又は消毒することができる。しかしながら、本発明はこれらの使用方法及び剤型のみに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
表1〜2に本発明の義歯用抗菌剤の製造に用いる溶液の製造例と比較例を示した。表中の各成分の数値は重量%を示す。
(実施例1)製造例1〜8及び比較例1〜3の抗菌性試験
製造例1〜8並びに比較例1〜3を用いて製造した義歯用抗菌剤に対し、抗菌性試験を実施した。製造例1〜8及び比較例1〜3を水に1:1の比率で混合したものを供試した。対象とする微生物は、Candida albicans(カンジダ菌)、Streptococcus mutans ATCC25175(虫歯菌)、Porphyromonas gingivalis ATCC33277(歯周病菌)、Prevotella intermedia ATCC49046(歯周病菌) の4種を設定した。試験方法は日本薬局方の保存効力試験に準拠し、試験に使用する培地は、Candida albicansではGP培地、Streptococcus mutansではSCD培地、Porphyromonas gingivalis及びPrevotella intermediaではGAM培地をそれぞれ使用した。結果を表3〜6に示した。
(実施例1の結果)
製造例1〜8及び比較例1〜3の抗菌性を試験した結果、表3〜6で示されたとおり、供試した4種の供試菌種全てに対して、本発明の義歯用抗菌剤を構成しない比較例と比べて、優れた抗菌活性を示した。特に製造例1の組成物は、培養7日間で全ての供試菌種が死滅していることが確認され、本発明の中でも特に優れた義歯用抗菌剤であることが判明した。
(実施例2)義歯用抗菌剤の製造における(A)〜(E)を含む溶液と水性基剤の混合比の検討
本発明の義歯用抗菌剤を製造するにあたり、(A)〜(E)を含む溶液と水性基剤の混合比率について、以下に記載の混合比率で製造した組成物の抗菌活性を調べた。供試する溶液として、実施例1において最も抗菌活性に優れる製造例1を採択した。試験方法は実施例1の方法に準拠し、更に義歯用抗菌剤自体の防腐性を確認する目的で、Escherichia coli ATCC8739、Bacillus subtilis NBRC3134、Aspergillus niger NBRC6341の3種の細菌及び真菌を追加した。培養14日目おける各微生物の生菌数を測定した。結果を表7に示した。
製造例9:製造例1の溶液1重量部に対し、水100重量部の比率で混合して得られた義歯用抗菌剤。
製造例10:製造例1の溶液1重量部に対し、水200重量部の比率で混合して得られた義歯用抗菌剤。
製造例11:製造例1の溶液1重量部に対し、水500重量部の比率で混合して得られた義歯用抗菌剤。
製造例12:製造例1の溶液1重量部に対し、水1000重量部の比率で混合して得られた義歯用抗菌剤。
製造例13:製造例1の溶液1重量部に対し、5%エタノール水溶液200重量部の比率で混合して得られた義歯用抗菌剤。
製造例14:製造例1の溶液1重量部に対し、10%エタノール水溶液200重量部の比率で混合して得られた義歯用抗菌剤。
(実施例2の結果)
前記の製造例9〜14の義歯用抗菌剤について抗菌活性を測定した結果、溶液1重量部に対し、水性基剤1000重量部の混合比率まで、実施例1で得られた抗菌活性が維持されるものであった。しかしながら、水性基剤が1000重量部となると防腐性の確認を目的として試験された菌種において抗菌活性の低下が認められた。また製造例9〜11及び13〜14の結果から、水性基剤として水のみでもエタノールを含む水溶液でも同様に抗菌活性を示すことが判明し、更には、製造例9〜14は全ての組成物において本発明の義歯用抗菌剤中に含まれる成分の乖離や沈殿、層分離等の発生もなく、安定な製剤であることが確認された。

Claims (4)

  1. 少なくとも下記の(A)〜(E)を含む溶液の1重量部に対し、水性基剤を1〜500重量部の比率で混合してなることを特徴とする義歯用抗菌剤。
    (A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩が15〜45重量%、
    (B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルが20〜50重量%、
    (C)スルホコハク酸エステルが10〜30重量%、
    (D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールが0〜10重量%、
    (E)水が0〜55重量%
  2. 炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩が、カプリル酸、カプリン酸、パルミトレイン酸及びオレイン酸又はそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の義歯用抗菌剤。
  3. 炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルが、モノカプリル酸グリセリル、ジカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル及びモノオレイン酸グリセリルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜2記載の義歯用抗菌剤。
  4. スルホコハク酸エステルが、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム及びスルホコハク酸ジエチルヘキシル又はその塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3記載の義歯用抗菌剤。
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