JP2007284412A - 殺菌消毒クリーム - Google Patents

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【課題】 外傷性傷及び手指の消毒効果と手荒れ防止効果を兼ね備えた新規な殺菌消毒クリーム、乳剤性軟膏を提供すること。
【解決手段】 カチオン殺菌消毒剤クロロヘキシジン又はその塩、ベンザルコニウム、ベンゼトニウムの塩化物の1種と従来品に比して極めて低濃度の約3〜9質量%のアルコール(エタノール等)、油性基剤、高級脂肪族アルコール、親油性と親水性の非イオン界面活性剤、水溶性多価アルコール、及び水を含み、前記薬剤が殺菌消毒剤全質量あたり0.05−1質量%であり、かつ、手あれがなく、手指・皮膚の殺菌消毒効果が手指評価法において3時間以上持続し、また、手荒れ改善・防止のために市販のハンドクリームの必要がなく経済的であることを特徴とする殺菌消毒クリーム、乳剤性軟膏。
【選択図】図1

Description

本発明は、カチオン殺菌消毒剤の優れた残留性による持続効果を併せ持ち、かつ既存のエタノール含有消毒剤に比べて10分の1と極めて低濃度のエタノール及び又はイソプロパノールを含有し、同時にクリームによる油分補給により手荒れがない、ヒト手指および皮膚、外傷性の傷の殺菌・消毒剤に関する。前記殺菌消毒クリームは、エタノール等の低級アルコールを約3〜9質量%含有するクリーム、乳剤性軟膏として提供される。
現在、グルコン酸クロルヘキシジンまたは塩化ベンザルコニウム等は多くの手指衛生製品に処方されており、手指・皮膚の消毒、手術部位の皮膚消毒、医療用具の消毒等に水溶液或いは高濃度エタノール溶液で使用されている(非特許文献1)。
また、CDC(米国疾病管理予防センター)から発表された「保健医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン 2002」において、グルコン酸クロロヘキシジン等は皮膚上の細菌数を有効に減少させ、活性の強い手指消毒剤として紹介されている(非特許文献2)。
また、従来からグルコン酸クロルヘキシジン等は、殺菌消毒剤としてはその持続時間が長いことから世界の医学界で推奨されてきた。また、その製剤としては、高濃度エタノール(70〜80%)を含有する速乾性手指消毒剤として液剤、ゲル剤が医療従事者等に利用されてきた。しかし、高濃度エタノールの蛋白変性による殺菌直接効果は強いものの、高濃度エタノールによる手指の皮脂流失・皮脂量減少により医療従事者に手あれを生じさせ、荒れた角質は病原菌を付着させる原因になるとともに、アルコールによる刺激が手指の消毒義務が怠りがちになり二次感染を引き起こす原因の一つとされてきた。未だ医療従事者の50%が手荒れに悩んでいるのが現状である。
さらに看護士の約25%が手指に皮膚炎の兆候を持ち、85%もの人が皮膚に問題を持った経験があると報告されている(非特許文献3)。手指衛生剤や洗浄剤を繰り返し使用すると、医療従事者の慢性刺激性接触皮膚炎を引き起こす重要な原因となる。すなわち、角層タンパクの変性を引き起こし、細胞内脂質、角化細胞を減少させ、角層の保湿性を消失し、皮膚にダメージを与える。皮膚障害を受けた手指には肌荒れ、落屑、亀裂が生じ皮膚細菌叢の変化を起こし、ブドウ球菌やグラム陰性桿菌の定着を増加させ、人から人へ伝播の結果、院内感染拡大等の危険性がある。
この解決策としてハンドクリームの使用が推奨されているが、介護者及び医療現場では頻繁に消毒行為が行う必要性があるため、効果は不十分である。解決策として湿潤剤等が配合された製剤の特許文献に開示され、手指消毒剤として製品化されているものがあるが、既存製品ではいずれも、手あれの予防効果が期待できるには程遠い実情である(特許文献1〜4)。
同時に、液剤は効果持続時間が長いものの高濃度エタノールによる手あれを誘発し、ゲル剤は増粘剤により手荒れの誘発は多少抑えられるものの塗布直後効果が弱いこと、ローション剤は持続時間が短いことなど、殺菌直後効果、持続効果、手荒れの抑制と全てを満足させる製剤はこれまで得られていなかった。
院内感染は大きな問題であるが、近年は高齢化に伴い介護問題も深刻でこれによって介護従事者の手指の消毒も重要な課題である。
医療現場での手指消毒剤は、これまでエタノールを高濃度(約70〜80容量%)含有するカチオン殺菌消毒剤グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム等は0.1〜1%配合の液剤、ローション剤及びゲル剤が汎用されている。さらに、高濃度エタノール含有液剤は、手荒れの原因であるとともに、使用時の液垂れによる床の汚染、損傷等も問題であった。この解決策として湿潤剤の組あわせ、またはカーボポール等の増粘剤を利用した液垂れのない高濃度エタノール含有ゲル剤も開発されている。しかし、病院従事者、介護従事者らはこれらの高濃度エタノール含有製剤を感染防止の徹底から頻回に使用せざるを得ないため、手あれ防止の問題は未だ解決せず、市販のハンドクリームを多用しているのが現状である。
市販のハンドクリームはべたつき感が強く、特有の臭いや製品によっては患者に注射する際に手がすべる等の問題があり、実際には業務の合間に使用せざるをえない制限があった。また、ハンドクリーム含有成分は成分表示されている場合が多いが、クロルヘキシジン等は陽イオン性分子であるためその活性は天然石鹸、種々の無機イオン、陰イオン性乳化剤等によりその効果は減弱されると報告されているが、表示成分を見分けるのは容易ではない(非特許文献4)。
医療従事者及び介護者らは、手あれ改善を目的として市販のハンドクリームを多用している。海外では消毒剤販売会社にハンドクリームを無償で提供する義務があるとまで指摘されている。更に、手術執刀医は、長時間手術する場合、術中頻繁にゴム手袋の交換を求められる。そのため、手指消毒評価法で3時間から6時間の持続効果を有し、手あれがより少なく持続効果のある手指消毒剤が望まれていた。
日本薬局方解説書編集委員会編、第十四改正日本薬局方解説書、東京、広川書店、2001年、P.1225−1229 保健医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン 2002−保健医療感染制御対策諮問委員会およびHICPAC/SHEA/APIC/IDSA手指衛生特別委員会の推奨−訳:鳥取県立厚生病院 藤井 昭 Heart Lung(1997);26:404−412:Prevalence and correlates of skin damage on the hands of nurses. J.of Hospital Infection(1987)9.30−33:The effect of handcream on the antibacteriaactivity of chlorhexidine gluconate 特開2002−193706号公報 特許3592080号公報 特開平10−265408号公報 特開平10−265391号公報 特許3515821号公報
本発明の課題は、皮膚、手指及び外傷性傷の持続的な消毒効果と手荒れ防止効果を兼ね備えた新規な殺菌消毒クリーム剤を提供することにある。
本発明者らは、市販ハンドクリーム処方内容(添加物)を検討し、グルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン殺菌消毒剤の安定性、効果に悪影響を及ぼす添加物をスクリーングした。同時に乳化物の可能なエタノール含有率と殺菌・消毒効果、持続時間を検討した。そして、カチオン殺菌消毒剤が外傷性の傷の消毒においては0.05質量%、手指の殺菌消毒においては0.1〜1質量%、低級アルコール、油分、湿潤剤を含有するクリームであり、手指消毒評価法で是認される殺菌効果において少なくとも3時間以上の殺菌効果を持続し、手荒れ防止効果も示し、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム等のカチオン殺菌消毒剤、エタノール及び又はイソプロパノール、油性基剤、高級脂肪族アルコール、特定の親油性と親水性の非イオン界面活性剤、水溶性多価アルコール、及び水を含み、前記カチオン消毒剤の濃度は殺菌消毒剤全質量あたり0.05〜1質量%であり、かつ、手指消毒評価による殺菌効果が直後効果はもとより3時間以上の持続性を有することを特徴とする殺菌消毒クリームである。
本発明は、クリーム剤、乳剤性軟膏として提供される。
前記殺菌消毒クリームにおいて、エタノール及び又はイソプロパノールの低級アルコール濃度は、約3質量%以上で十分な塗布直後の殺菌効果が得られる。
本発明のクリームには、さらに以下の成分が含有されていても良いが、この成分と分量選択が乳化物に重要な要素で、かつ配合バランスが殺菌消毒効果に大きな影響を及ぼす:
乳化安定剤としてC12〜22の高級飽和・不飽和脂肪族アルコールを殺菌消毒剤全重量あたり2〜6質量%;
親油性非イオン界面活性剤としてHLB値8以下のグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルと皮膚安全性の高い親水性(HLB値12以上)の非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等から選ばれる親油性及び親水性の各1種以上を組み合わせて全質量あたり2〜8質量%;
湿潤剤として水溶性多価アルコール(グリコール)のジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等を殺菌消毒剤全質量あたり5〜30質量%;
pH調整・安定化剤としてグルコン酸を殺菌消毒剤全重量あたり0.2〜2質量%;
油性基剤としてワセリンの他、トリオクタン酸グリセリン、スクワラン、流動パラフィン、シリコン油の流動性油分を消毒剤全重量あたり5〜30質量%および所望により高級脂肪酸としてC14〜22の一価の高級飽和・不飽和脂肪酸を全重量あたり0.5〜3重量%。
以上のとおり、本発明は、有効成分として殺菌効果の持続性が期待できるグルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン殺菌消毒剤と従来品に比較して極めて低濃度アルコールを含防止効果を兼ね備えた新規な殺菌消毒クリーム、乳剤性軟膏である。
本発明は、従来手指消毒のために多用されてきた速乾性の高濃度エタノール液剤、ゲルの欠点を解消するとともに、手あれ改善を目的に使用されてきた市販のハンドクリームの利点を応用し、持続効果を減弱することなく両者を最適条件で組み合わせることに成功した。本発明によれば、殺菌効果への悪影響が懸念される市販のハンドクリームの使用も必要がなく、同時に高価なアルコール量が約10分の1で、かつ市販のハンドクリームの必要もなく経済性が確保される。
本発明の殺菌消毒クリームは、表の実施例に示すとおり、3時間の持続効果はもとより医療行為の妨げにならない使用感の良いクリームである。主剤であるグルコン酸クロルヘキシジン等の含有クリームは、極めて低濃度のアルコールによる直後効果はもとよりミクロン単位の乳化物の粒子径で構成される殺菌消毒クリームでるため、薬物が持続的に放出されることにより、既存品を上回る6時間の持続効果が得られる。
表に示すとおり、乳化安定剤としてラウリルアルコール(C12)、ミリスチルアルコール(C14),パルミチルアルコール(C16)、ステアリルアルコール(C18),ベヘニルアルコール(C22)の飽和・不飽和脂肪族高級アルコールが配合可能である。その配合量は、全質量の2〜6質量%がより好ましい。
表に示すとおり、本発明で用いられる非イオン界面活性剤は、HLB値8以下の親油性界面活性剤およびHLB値12以上の特定の親水性非イオン界面活性剤の組み合わせで使用する。具体的には、クリーム剤では皮膚安全性の高い親油性界面活性剤としてモノステアリン酸グリセリンと付加モル数の多いPOE硬化ヒマシ油の組み合わせが好ましい。更にPOE20以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル等をHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)を考慮して2種以上で使用することがより好ましく、その質量総和は全質量の2〜6質量%で十分な乳化物が得られる。
表に示すとおり、湿潤剤として多用される水溶性多価アルコールとしては、グリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及び1,3ブチレングリコール等は薬効に影響せず、皮膚湿潤剤として有用である。配合量は10〜20質量%が好ましい。
特にクロルヘキシジンは水に不溶であるがグルコン酸とイオン結合し水溶性となるカチオン性の殺菌消毒剤である。そのため無機イオン、イオン性界面活性剤等、イオンの存在でその活性が減弱することは公知の事実である。そのpH安定領域は高濃度アルコール溶液では3〜4.5とされるが(特許文献5)、その調整として過量のグルコン酸を主剤量(0.1〜1%)の約1〜2倍量、0.1〜2%配合することで安定性が確保される。
油性基剤は、使用感に大きな影響を及ぼす。基剤としては表の実施例に見られるとおり、トリオクタン酸グリセリン、流動パラフィン、シリコン油、ワセリン、スクワラン、及びホホバ油等の植物油、マクロゴール等を殺菌消毒剤全質量%に対して各1〜5%の範囲で適当に配合することで使用感が調整できる。また、付加的に高級脂肪酸は乳化安定剤として全重量%に対して0.5〜3%配合することができる。
さらに、パラベン類の防腐剤、トコフェロール等の酸化防止剤、カルボキシビニールポリマー等の増粘剤等は、乳化物の安定性確保に必要な成分であり配合が可能であることは言うまでもない。また、外傷性傷の殺菌消毒クリーム、乳剤性軟膏においては、所麻酔剤であるリドカイン等、抗ヒスタミン剤であるジフェンヒドラミン等が配合できる。
粒子径で約50mμ以下の粒子が均一に散見されない乳化物では薬効が弱く、、乳化粒子径は偏光顕微鏡観察で約50μmの大きさであって、その結晶性または球状粒子が均一に分散している製剤が好ましい。
乳化法は、実施例全てにおいて油相と水相を加熱溶解後70℃前後で通常のホモミキサーで8000rpm、2分間攪拌後、冷却する他、その他、非水乳化法、2段乳化法など乳化法によって制限されるものではなく、何れの方法でも調整可能である。また、水相に油相を添加してO/W型、水相を油相に添加してW/O型の何れでも薬効に影響を及ぼすものではない。なお、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムは界面活性剤でもあるので油相に添加しても良い。
手指殺菌消毒効果の評価法として、グローブジュース法、パームスタンプ法等が知られるが、今回、本製剤の手指消毒効果の評価法として用いたグローブ・パームスタンプ法は、グローブジュース法の簡便法で、通常の石鹸で手洗い後、本発明品であるクリームまたは乳状液殺菌剤による両手消毒直後、3時間後に手形培地(SCDLP培地等)に片方の手掌全体を押し付けスタンプ(ハンドペたんチェック;栄研器材社の登録商標)する。スタンプ採取した手形培地を約35℃で16時間培養し、培養後に出現する菌数を測定する消毒評価法である。消毒前の手掌の菌数も前記と同様に測定しベースラインとする。
手指消毒効果は、消毒前菌数に対する消毒後の菌数の減少率等で行なうことができる。減少率は下記式によって求められ、菌数減少率が直後〔約3−5分〕、及び3時間後とも90%以上の場合に殺菌効果を有効とした(表中、最下段)。使用方法は、クリームにおいては1回、約2.5gを手掌全体に擦り込みした。比較薬剤1:0.2W/V%塩化ベンザルコニウムアルコール液(ビオシライング:シオエ新薬製)、比較薬剤2:0.2V/W%グルコン酸クロルヘキシジンアルコール液(ヒビスコール:サラヤ製)では、その用法・用量の一部に従い、比較薬剤1では1回3ml、比較薬剤2では3mlを3回を手掌全体に擦り込みした。
数式1
Figure 2007284412
手あれ防止効果は、10例の主婦および医療従事者にエタノール7質量%配合のクリーム剤を1回約1.5g、1日数回、2週間実際に使用して手あれの発生を検討した。その結果、手荒れの発生及びアルコールによる沁みを感じることは見られなかった。
本発明の殺菌用クリーム、乳剤性軟膏の使用法は、外傷性の傷口等では皮膚面積にもよるが、通常は約0.5g〜2gを広く伸ばして塗布、手掌消毒においては約1.5〜3gを擦り込む(ラビング法)ように使用する。
本発明は、従来品に比して極めて低濃度のエタノールを含有させたハンドクリームタイプであり、クリーム組成の濃度調整、粒子径、粘度調整も容易であるため、気候(温度、湿度)に応じてさっぱりしたクリーム、乳状液またはしっとりした皮膚保護作用を重視した厚めのクリーム、乳剤性軟膏タイプが提供できる。
以下の処方でクリームを調製しパームスタンプ法による消毒評価を行った。クリーム調整法は成分(1)〜(8)の油相と(9)〜(17)の水相を70℃前後で加熱溶解後、水相中に油相を投入しホモミキサーで8000rpm、2分間攪拌、冷却してクリームが得られるが、一部成分の投入法は上記に限定されるものではない。なお、塩化ベンザルコニウム0.2質量%配合クリームにおいては、実施例3で調整した。
Figure 2007284412
Figure 2007284412
エタノールは蛋白変性作用を有し菌に対して直接作用を有するので、殺菌消毒剤には有用であるが、通常の乳化物においてはエタノールの刺激性等から主剤の溶解目的等以外で使用されることは少ない。また、エタノール等のアルコールは乳化物の長期安定性に影響を及ぼすことが経験的に知られているので、アルコール含有は出来るだけ低濃度が望ましい。主剤、高級アルコール、皮膚安全性の高い親油性、親水性非イオン界面活性剤、油性基剤の組み合わせでアルコール含有率と効果を検討した結果、エタノール濃度は約3〜4質量%以上から直後効果及び持続性のある効果があることが判明した。
同時にグルコン酸を過剰に配合することとカチオン性のグルコン酸クロルヘキシジンの安定性が確保され、また薬効に影響を及ぼさないものとして非イオン界面活性剤の組み合わせであれば殺菌作用に影響がないことが判明した。
従来品との比較では、比較薬剤1,2は、医療従事者の手指消毒の用法・用量に従って1回3mlを擦り込みした場合は3時間で約5%程度の菌が発生した。手術現場の用法・用量である3mlを3回(計9ml)擦り込んだ場合は6時間目では約15〜20%の菌数の発生が見られるのに対し、本発明品は塗布量2.5gで直後効果はもとより、3時間目で菌数はほぼ零である。また、6時間目でも菌数が数個と5%以下の出現程度であり、従来品と同等以上の効果持続型殺菌消毒クリーム剤であることが判明した(図)。
本発明の医薬組成物は、従来品に比して極めて低濃度のアルコールとカチオン性の殺菌消毒剤を乳化物(クリーム又は乳剤性軟膏)にすることで、塗布直後効果はもとより持続的な皮膚・手指の消毒効果と手荒れ防止効果及び傷口の殺菌消毒効果を兼ね備えている。したがって、皮膚消毒はもとより手荒れがより少なく持続効果のある手指消毒剤が望まれている医療従事者及び一般福祉・介護従事者にとって、市販のハンドクリームの購入も必要なく、かつ製造上も高価なアルコール量が従来品の約10分の1と非常に経済的である。
図1は.パームスタンプ法による殺菌消毒効果を実施例1〜3と比較製剤1及び2の菌数減少効果(%)をみたものである.縦軸は菌数減少率(%),横軸は、時間の経過(hr)を示す.

Claims (8)

  1. カチオン殺菌消毒剤、低級アルコール、油性基剤、高級脂肪族アルコール、親油性と親水性の非イオン界面活性剤、水溶性多価アルコール及び精製水を含み、かつ効果持続型の殺菌消毒クリーム。
  2. カチオン殺菌消毒剤として、クロルヘキシジン又はその塩、ベンザルコニウムまたはベンゼトニウムの塩化物のいずれか1種を殺菌消毒剤全質量あたり0.05〜1質量%を含有する請求項1に記載の殺菌消毒クリーム
  3. 低級アルコールは、エタノール及び又はイソプロパノールを殺菌消毒剤全質量あたり約3〜9質量%含有する請求項1又は2に記載の殺菌消毒クリーム。
  4. 乳化安定剤としてC12〜22の高級飽和・不飽和脂肪族アルコールを殺菌消毒剤質量あたり2〜6質量%含有する請求項1〜3に記載の殺菌消毒クリーム。
  5. 親油性非イオン界面活性剤としてHLB値8以下のモノ及びポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、親水性非イオン界面活性剤としてHLB値10以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる親油性及び親水性の各1種以上を組み合わせて、全質量あたり2−8質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺菌消毒クリーム。
  6. 湿潤剤として水溶性多価アルコールのグリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及び1,3−ブチレングリコール等から選ばれる少なくとも1種以上を殺菌消毒剤全質量あたり5〜30質量%含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の殺菌消毒クリーム。
  7. 油性基剤としてワセリン及びスクワラン、流動パラフィン等の炭化水素、トリオクタン酸グリセリン等の脂肪酸エステル、及びシリコン油類、植物油の液性油分等から選ばれるいずれか1種以上を消毒剤全質量あたり5〜30重量%含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌消毒クリーム。
  8. さらに、乳化安定剤としてC14〜22の一価の高級飽和・不飽和脂肪酸を全質量あたり0.5〜3質量%の他、pH調整剤、酸化防止剤、増粘剤を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の殺菌消毒クリーム。
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