図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、平成16年1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」(以下、遊技機規則という)に適合するスロットマシンである。以下、用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準ずる。
遊技機筐体8Bは、リアキャビネット8R及びキャビネット枠8W、扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、動画やAT作動中の押し順ナビ等の情報をフルカラーで映し出す演出表示装置7を構成する液晶表示装置70、リールパネル8、上装飾ランプ81,左装飾ランプ82,右装飾ランプ83,液晶表示装置70の角に臨む4つのアクセント装飾ランプ84,リールパネル8の上・左・右に臨むパネル装飾ランプ85を備える。AT(アシストタイム)とは、液晶表示装置等の演出表示装置上にストップボタンの押し順や狙うべき図柄を表示し、内部抽せんで決定した作動に係る条件装置すなわち当せんフラグに対応した図柄の組合せを表示させることを意図する演出を行うことをいう。下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、腰部パネル8P、左下装飾ランプ86、右下装飾ランプ87を備える。81〜87の総称として、装飾ランプ88という。91〜94はBGMや各種効果音等を出音するスピーカ、8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿、8Tは灰皿である。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。以下、同様である。
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に全部で21コマ配した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。各リール1L,1C,1Rの定速回転数は約80回転/分であり、約750msで一回転する。通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールし、図柄が一コマ移動するのに要する時間は約35.7msである。よって、通常のステッピングモータ制御下、遊技機規則において通常時のリール停止操作から停止までの時間が「190ms以内」というのは、((190÷35.7)−1)の整数解=4コマが許容される最大滑りコマ数となり、同じく第二種特別役物の作動時の少なくとも一つのリール停止操作から停止までの時間が「75ms以内」というのは、((75÷35.7)−1)の整数解=1コマが許容される最大滑りコマ数となる。
表示窓80には、遊技結果を判定する有効ラインを表示する線画や模様、ライン電飾等は意図的に付していない。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、上段ライン(左上−中上−右上)のみを有効ラインとしている。もっとも、中段ライン(左中−中中−右中)、下段ライン(左下−中下−右下)、右下がりライン(左上−中中−右下)、右上がりライン(左下−中中−右上)等、同一段又は一段違いで隣接する図柄表示位置同士を1本の直線又は折れ線で結んだ他のラインを有効ラインとしてもよいし、上段ラインを含めた2本以上のラインを有効ラインとしてもよい。
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2、遊技者操作を演出に関与させるプッシュボタンPBとダイヤルDAをもつジョグダイヤルJD、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な規定数(通常は3枚(3BET)、第二種特別役物CBの作動中は2枚(2BET))の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジットに残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示(回転)を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2下流のメダル詰り時に押すメダル返却ボタン20、ドアキー穴8Kを備える。
リールパネル8には、現時のクレジット数を表示させるクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させるペイアウト表示器DL2、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されたとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。また、AT中に点灯させるラッシュランプ71、AT中の特定チャンスゾーンへの突入時に点灯させるチャンスランプ72、左リール1Lを第一番目に止める通常の順押しに代えて右リール1Rを第一番目に止める逆押しナビを発動させてチャンス役の出現率を上昇させるプレミアムモード突入時に点灯させるプレミアムランプ73を含む演出表示装置70を構成する遊技演出ランプ類700を備える。
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2からメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、第二種特別役物CB作動中の規定数となる。第二種特別役物CB作動中を除く通常時は、さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、通常の規定数に達する。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能となる。この状態からメダル投入口2にさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
図2に示すように、各リール1L,1C,1Rのリール帯10L,10C,10Rの外周面には、赤7、バー、特殊H、スイカ1、スイカ2、スイカ3、スイカ4、ベル、リプレイの全9種類の図柄を、図柄番号0,1〜20に対応させ且つ独特の縦の並びに従って印刷等により描いている。リール帯10L,10C,10の上端と下端は輪状に結ばれ、エンドレスに図柄をスクロールさせる。特殊Hは、ATの作動と関連するチャンス目等の構成図柄に用い、例えばピンク色とした目立つ色調と後方のリールバックランプからの照明効果とによりいわゆる目押しを容易にしている。通常、各リール1L,1C,1Rについて特殊Hを表示窓80内に停止させるように、特殊Hを目押しする停止操作が推奨される。
図3に、内部抽せんにおける各当選エリアすなわち各条件装置と対応づける有効ライン上の図柄の組合せ要素を示す。入賞を容易にするための特別の装置である役物として、第二種特別役物CB(以下、単にCBという)に係る役物連続作動装置CBB(以下、単にCBBという)を定義しており、上段に「バー」−「スイカ1」−「バー」が表示されると、次ゲームから内部抽せんの結果にかかわらず入賞に係る条件装置を作動させ、所定獲得枚数例えば24枚を超えるメダルが払出されたゲーム限りでCBB及びCBを終了させる。CBB作動中は常にCB作動中となる。CB作動中の規定数は2枚、一回の入賞による払出メダルは1枚又は2枚に限定している。非役物である再遊技役についてはREP1〜15を、同非役物である入賞役すなわち小役についてはNML1〜13を定義している。一つの欄に複数の図柄を列挙しているものがあるが、例えばREP2について言うと、中リール1C及び右リール1Rの図柄は赤7又は特殊H又はベル又はバーという意味である。
例えば、再遊技役REP1は、上段にリプレイが並ぶ通常リプの他、ベルのはずれ目のようなチャンスリプ1を表示できる。また、REP2は中段にスイカが並ぶスイカを、REP5は右上がりにスイカが並ぶ確定スイカを、REP6は中段に赤7が並ぶシングル揃いを、REP9はスイカのはずれ目のようなチャンスリプ2を、REP10は中段及び右下がりに赤7が並ぶダブル揃いを、REP12は右上がりに特殊Hが並ぶ確定チャンスリプ1を、REP13は中段に特殊Hが並ぶ確定チャンスリプ2を各表示できる。小役NML1〜6は、下段にベルが並ぶ1枚払出しの1枚ベルを、NML7は中段にベルが並ぶ8枚払出しの8枚ベルを、NML10は右上がりにベルが並ぶ3枚払出しの強ベルを、NML11は右下がりにベルが並ぶ3枚払出しの共通ベルを、NML12は小V字形に特殊Hが並ぶ1枚払出しのチャンス目を各表示できる。
共通ベル<スイカ<強ベル<チャンスリプ1<チャンスリプ2<チャンス目の順で、ATの作動及び上乗せに対する期待値を高めており、確定スイカ、確定チャンスリプ1及び確定チャンスリプ2は、ATの作動及び上乗せがほぼ確定する。これらを総称してチャンス役といい、共通ベル〜チャンス目についての前記順位をチャンス役順位といい、確定スイカ〜確定チャンスリプ2を確定チャンス役という。赤7のシングル揃い又はダブル揃いは、役物のボーナスとは異なるいわゆる擬似ボーナスの演出等に用いる。例示の他、もっとたくさんの出目があるのは言うまでもない。なお、擬似ボーナスとは、遊技機規則で定義する役物又は役物連続作動装置とは異なり、AT作動中の優遇的上乗せや、より有利な演出状態へのランクアップ等を可能にする、主に演出上の制御において遊技者に有利に働く特典的な遊技又は遊技区間をいう。
図4に、不当せんを含め、通常リプ以下の、内部抽せんにおける各当せんエリアとその当せん時に表示が許可される図柄の組合せを示す。例えば、当せんエリア中の番号26の押し順ベル1がNML1+7+8というのは、小役NML1と小役NML7と小役NML8が重複当せんすることを意味する。内部抽せんは、スタートレバー5の操作時、後記主制御装置MCのRAM上で高速更新する例えば2バイトカウンタから抽出する乱数値が、その取り得る0〜65535の範囲内に予め区分した何れの当せんエリアに属するかで当該ゲームでの条件装置の作動の可否すなわち当せんフラグの成否を決定する。当せんエリアは、いわゆる設定変更後の初期遊技状態に相当する一般遊技中(以下、一般中という)、CBBの当せんフラグが持ち越されたCBB内部当せん中(以下、内部中という)、CBB作動時のCB作動中(以下、CB中という)の遊技状態に応じて異なる。
一般中は、CBBの抽せんをし、その当せんエリアの数値幅は例えば19737と比較的広く、当せん確率は19737/65536≒1/3.32と高くしている。また、不当せんはなく、再遊技に関する当せんエリアは通常リプ(REP1+15)のみで、例えば、その数値幅は8987とし、再遊技確率は8987/65536≒1/7.3としている。チャンス目(NML12+13)〜押し順ベル12(NML6+7+9)の各入賞に関する当せんエリアの数値幅は、例えばチャンス目は512、強ベルは400、共通ベルは800、押し順ベル1〜12は各々2925とし、押し順ベル1〜12の何れかが当たる確率は35100/65536≒1/1.87と高くしている。
一般中は、数ゲームの間に早期にCBBに当せんさせるが、特殊Hを目押しする推奨停止操作をしている限り「バー」を表示させることはできない。このため、ほとんどの場合、CBBに当せんした次ゲームから内部中に移行する。なお、通常リプの当せんエリアの数値幅は8980とし、逆スイカ1〜逆確定チャンスリプ2の7つのエリアに各1を割り当ててもよい。一般中は、抽出した乱数値の属する当せんエリア番号0〜38又はこの番号に一対一に対応する表示許可となる図柄の組合せ情報(不当せんはオール0、通常リプ以下は図柄の組合せ(REP1〜NML13)毎に割付けた各ビットに表示許可の1又は表示不可の0をセットした数バイト長のフラグデータ等)が、当該ゲームでの作動に係る条件装置すなわち内部抽せんにより成立したフラグ情報となる。
内部中は、CBBの抽せんをせず、一般中におけるCBBの当せんエリアの数値幅に相当する19737のうち、極少ない例えば1を不当せんに割り当て、残りを通常リプ(REP1+15)〜確定チャンスリプ2(REP1+8〜10+12〜15)の再遊技に関する当せんエリアに加算又はシフトし、例えば、通常リプの当せんエリアの数値幅は一般中の8987に370を加えて9357に、残り19366は逆スイカ1〜確定チャンスリプ2に適宜分散してシフトし、再遊技確率は28723/65536≒1/2.28と高くしている。内部中も、チャンス目(NML12+13)〜押し順ベル12(NML6+7+9)の各入賞に関する当せんエリアの数値幅は一般中と同一である。
内部中にCBB作動図柄を表示できるのは、ボーナスよりも優先引き込みすなわち有効ラインに停止表示させる図柄の優先順位を高くしている再遊技又は入賞に係る当せんがなく、1/65536で不当せんとなった極めて稀なケースで、かつ、不当せんゲームにおいて各リール1L,1C,1Rについて「バー」を狙う停止操作をした場合に限られるが、事実上、CBB作動図柄が表示されてCB中に移行することはほぼない。内部中は、番号0〜37に38を加えた38〜75番又は表示許可となる図柄の組合せにCBBを加えた情報(不当せんはCBB、通常リプはCBB+REP1+15等と、CBBを含めて表示が許可される図柄の組合せに対応するビットに1を立てたフラグデータ等)が、当該ゲームでの作動に係る条件装置のフラグ情報となる。
CB中は、内部抽せんの結果にかかわらず入賞に係る条件装置を作動させるか或は内部抽せんをするとしても全ての入賞に係る条件装置を作動させることから、また、本実施形態ではCB中の再遊技確率は0としていることから、当せんエリアはすべて不当せんに対応させ、事実上内部抽せんをしないのと同じ仕様にしており、毎ゲーム、チャンス目(NML12+13)〜押し順ベル12(NML6+7+9)の全ての入賞に関する当せんフラグを成立させ、最大滑りコマ数を1コマとする左リール1Lの上段にも何れかの小役を構成する図柄を表示可能としており、全小役の何れかが入賞し得る小役ALL状態にしている。CB中は、24枚を超えるメダルが払出されたゲーム限りで終了し、次ゲームから一般中に戻ることになる。CB中は、小役ALLを識別する番号(例えば76)又は全ての小役の表示を許可する図柄の組合せ情報(全小役NML1+2+・・・+13に対応するビットに1を立てたフラグデータ等)が、当該ゲームでの作動に係る条件装置のフラグ情報となる。
主にATの機能強化を目的として、当せんエリアによっては、ストップボタン6L,6C,6Rの押し順に応じて、重複当せんに係る役の何れを表示させるかを変えている。通常リプ〜逆確定チャンスリプ2は、左リール1Lを第一番目に止める順押しの場合、REP1を上段に表示させて通常リプを表示させるが、AT中のプレミアムモードでの逆押しナビに従って右リール1Rを第一番目に止める逆押しをした場合、本来ならスイカ1〜確定チャンスリプ2の当せん時に表示させるスイカ〜確定チャンスリプ2と同様なチャンス役として機能する逆スイカ〜逆確定チャンスリプ2を表示させ、全体としてチャンス役の出現率を高めている。また、AT中の前置ミッションの成功によりストックすることとしている擬似ボーナスへの突入時の中第一停止の赤7狙いナビに従って、中押しにより赤7の目押しに成功した場合、赤7のシングル揃い又はダブル揃いを表示させ、擬似ボーナスへの突入を効果的に演出するようにしている。
セブン煽りは、逆押し以外の場合に通常リプを表示させるが、逆押しで赤7を目押しした場合に赤7が揃うかもと見せ掛けて揃わせない。シングル揃い、ダブル揃いは、順押しの場合に通常リプを表示させるが、順押し以外の場合、擬似ボーナスへの突入時の中第一停止の赤7狙いナビに従って、中押しにより赤7の目押しに成功した場合、赤7のシングル揃い又はダブル揃いを表示し、擬似ボーナスへの突入を効果的に演出すると共に、擬似ボーナス中の右第一停止の赤7狙いナビに従って、逆押しにより赤7の目押しに成功した場合、赤7のシングル揃い又はダブル揃いを表示し、比較的多い上乗せ数が期待できる優遇的上乗せを可能にしている。ダブル揃いが可能になる当せんエリアは例えば合計でも150前後と狭く設定しているが、ダブル揃いが可能となるゲームで赤7狙いのナビが出されて、これに応じて中押し等をした場合、次ゲームからプレミアムモードに昇格させている。なお、プレミアムモードへの昇格は、現にダブル揃いが得られた場合に限定してもよい。
バー煽りは、逆押し以外の場合に通常リプを表示させるが、逆押しでバーを目押しした場合にバーが揃うかもと見せ掛けて揃わせない。バー煽り逆転は、逆押し以外の場合に通常リプを表示させるが、逆押しでバーを目押しした場合にバーが揃うかもと見せ掛けて揃わせず、次ゲームのスタートレバー5の操作直後のフリーズ実行中にリール逆転によりバーを揃わせる。バー揃い通常は、順押しの場合に通常リプを表示させるが、順押し以外でバーを目押しした場合に斜めにバーを揃わせる。バー揃い1確は、順押しの場合に通常リプを表示させるが、順押し以外でバーを目押しした場合に中段にバーを揃わせる。バー揃いが可能となる各当せんエリアは例えば合計でも500前後と狭く設定しているが、バー揃いが可能となるゲームであって、しかも、次ゲームのスタートレバー5の操作直後のフリーズの実行が予約され且つ逆押しバー狙いナビも出され、そのナビに応じて逆押しをした場合、次ゲームのスタートレバー5の操作直後のフリーズ実行中に、連続的に上乗せが行えるいわゆる0ゲーム連の特別な上乗せが行える。なお、この0ゲーム連の上乗せの実行は、現にバー揃いが得られた場合に限定してもよい。なお、0ゲーム連とは、ゲームを消化することなく連続的に特典等を付与することをいう。
通常リプ〜確定チャンスリプ2までの再遊技の場合、該当する重複当せんに係る再遊技役の何れを有効ラインに表示させても主制御装置MCで管理する遊技結果は再遊技ということで変りはないことから、リールを停止させる制御において、停止操作時点から0コマ滑り(即止め)、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑りで上段に停止させることができる計5コマのうちどの再遊技役の図柄を引き込むかの優先度は同一となり、優先度の最も高い図柄を引き込むロジック演算のみでは停止図柄を決定できないことから、どの図柄を引き込むかを予めデータ上に定めた該当する停止制御テーブルを参照して停止図柄を決定することにしている。
チャンス目、強ベルは、押し順に依存しない。共通ベルは、順押しの場合に共通ベルを表示させるが、逆押し又は中押しの場合、強ベルを表示させて、より強いチャンス役を表示させる。右上がりにベルが並ぶ強ベルも、右下がりにベルが並ぶ共通ベルも主制御装置MCで管理する遊技結果は3枚払出しの入賞ということで変りはないことから、共通ベルの場合も、該当する停止制御テーブルを参照して停止図柄を決定することにしている。
押し順ベル1〜3は第一番目に中リール1C、第二番目に左リール1L、第三番目に右リール1Rを止める「中左右」の順番が正解の押し順となり、押し順ベル4〜6は「中右左」の順番が正解の押し順となり、押し順ベル7〜8は「右左中」の順番が正解の押し順となり、押し順ベル9〜12は「右中左」の順番が正解の押し順となる。それぞれ押し順に正解した場合、上段にNML7を表示して中段にベルを揃え、メダルの払出しが8枚となる。正解の押し順以外は不正解の押し順となり、左第一停止の順押しをした場合、NML1〜6を上段に表示できてメダルの払出しが1枚となることもあれば、取りこぼして払出し無しとなることもあり、その他の押し順ではNML7以外を上段に表示させてメダルの払出しが1枚となる。
押し順ベル1〜12では、正解の押し順の場合、払出しが多い8枚小役NML7に係る図柄の優先度を最も高くするロジック演算を行うが、同一優先度の停止候補が複数になる場合もあることから、該当する停止制御テーブルを参照して停止図柄を決定することにしている。例えば押し順ベル1の当せんエリアでは、不正解の押し順の場合、1枚小役はNML1とNML8の2つあり、8枚小役NML7の1つよりも多いことから、1枚小役に係る図柄の優先度を最も高くするロジック演算を行うが、同一優先度の停止候補が複数になる場合もあることから、該当する停止制御テーブルを参照して停止図柄を決定することにしている。
図5に、遊技機筐体8Bの内部に組込む遊技機の制御装置CNのブロック図を示す。制御装置CNは、遊技機規則でいう主基板に対応する主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報を受信する遊技機規則でいう「周辺基板」に対応する周辺制御装置SCとを備える。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。現行の遊技機規則で定義する「副基板」は主基板の概念に含まれ、古くから業界内で区別してきた、遊技の結果に影響を及ぼし又は及ぼすおそれがある機能を有するメイン側とこのような機能のないサブ側との関係は、メイン側が「主基板」すなわち「主制御装置」、サブ側が「周辺基板」すなわち「周辺制御装置」となる。
主制御装置MCは、メインCPU、ROM、RAMを備える。入力ポートI1に、各リール1L,1C,1Rの回転基準位置を検出するインデックスセンサ11L,11C,11R、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、メダル投入口2の下流に設ける投入メダルセンサ21、遊技機筐体8Bに内蔵するメダル払出装置HPの出口に設ける払出メダルセンサ23の各信号を入力している。出力ポートO1から、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を、モータドライバ回路Dr1を介して各リール1L,1C,1Rを駆動するステッピングモータ12L,12C,12R(SM)を、LEDドライバ回路Dr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバ回路Dr3を介してリール始動後に追投入されるメダルをメダル受皿8Gに落すメダルブロッカー22を、モータドライバ回路Dr4を介してメダル払出装置HPのメダル払出モータ24を各制御している。インデックスセンサ11L,11C,11Rは、ステッピングモータ12L,12C,12Rに組み込んでもよい。
各ステッピングモータSM(12L,12C,12R)は、鉄芯外周に多数のロータ小歯をもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、磁極内周に複数のステータ小歯をもつ複数組の磁極にA相、B相、C相(Aバー相(Aの反転相))、D相(Bバー相(Bの反転相))の巻線を巻回したステータSwとを有し、一の巻線に対する1相励磁のステップと、一の巻線及び隣接する他の巻線に対する2相励磁のステップとを交互に繰返す1−2相励磁により、2ステップで1ステップ角変位させる。本実施形態のものでは、1ステップ角が約1.43度、504ステップで一回転する仕様のものを用いている。よって、一コマの移動は504/21=24ステップでされる。
主制御装置MCのROM上には、規定数の掛けメダルの投入下、スタートレバー5の操作により上記内部抽せんを実行する内部抽せん手段K、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から最低遊技間隔の4.1秒経過後に各リール1L,1C,1Rを正転させ、内部抽せんの結果とストップボタン6L,6C,6Rの操作とに基づいて、ロジック演算及び停止制御テーブルにより、許容される最大滑りコマ数の範囲内で当せん役に係る図柄を引き込み且つ当せんしていない役に係る図柄の組合せの完成を阻止する蹴飛ばしを行い、対応するリール1L,1C,1Rを各停止させる可変表示制御手段を構成するリール制御手段S、遊技結果が入賞なら所定枚数のメダルを払出すメダル払出手段M、一般中のCBB当せんゲームでCBB非作動なら次ゲームから内部中に移行させ、一般中のCBB当せんゲーム又は内部中にCBB作動なら次ゲームからCB中に移行させ、CB中の払出しが24枚を超えたなら次ゲームから一般中に移行させる遊技状態移行手段J、遊技結果が再遊技の作動なら次ゲームの掛けメダルを自動投入するメダル自動投入手段Eを構築している。
図6に示すように、主制御装置MCでは、本来の遊技進行を一時中断させるフリーズの実行下、主制御装置MCから提供可能な遊技者利益に係る遊技結果を生じさせないで、すなわち、メダルの払出し、再遊技の作動、役物の作動、遊技状態への移行という何れの遊技結果も生じさせないで、スタートレバー5の操作を契機としてされたリール1L,1C,1Rの回転を対応するストップボタン6L,6C,6Rの操作に基づいて各停止させる擬似遊技を可能にしており、先ず、フリーズの非実行下、掛けメダルの投入(ステップS1)状態でのスタートレバー5の操作(S2)を契機とした内部抽せん処理(S3)の後、バー揃い可能な当せん時に次ゲームのスタートレバー5の操作直後に開始させる予約フリーズの抽せん処理(S4)に続き、今回ゲームでは予約フリーズを実行しないとき(S5)、ストップボタン6L,6C,6Rの操作が擬似遊技を開始させる条件に合致するか否かを判定するための開始条件判定情報を抽せんにより決定する(S6=擬似遊技開始条件決定手段G1)。
擬似遊技の開始条件判定情報として、第1番目に停止操作すべきが左ストップボタン6Lとなる左第1停止、同中ストップボタン6Cとなる中第1停止、同右ストップボタン6Rとなる右第1停止を決定しており、例えば、左第1停止の場合は0番、中第1停止の場合は1番、右第1停止の場合は2番という識別情報を割当てている。開始条件判定情報抽せん用乱数による均等又は不均等な確率により0,1,2番の3種類の何れかを振分けてもよいが、本実施形態では、擬似遊技の実行頻度が過剰に多くならないように調整用としてダミー番号3〜9を組み入れ、0〜9の10個の数字を均等に振分けている。よって、0番の左第1停止、1番の中第1停止、2番の右第1停止は、それぞれ1/10の確率で選ばれる。組み入れるダミー番号の数、及び又は、各番号に対応させる乱数の数(幅)に応じて、簡単に開始条件を変更できるようにしている。
開始条件判定情報抽せん(S6)の後、又は、今回ゲームで予約フリーズを実行するときは予約フリーズを実行してこれが終了した後(スタートレバー5等の操作に基づくフリーズ解除後)(S7)、全リール1L,1C,1Rを正転側に定常回転させ(S8)、ストップボタン6L,6C,6Rによる停止操作を受付ける(S9)。第1停止において、左ストップボタン6Lを受付たときは0番、中ストップボタン6Cを受付たときは1番、右ストップボタン6Rを受付たときは2番とし、この番号0又は1又は2が、開始条件判定情報として0〜9の中で決定した一つの数字と合致したとき、擬似遊技開始条件の具備を判定し、この操作をした遊技を、フリーズの実行下でする擬似遊技として実行させる(S10でY以降の処理=擬似遊技実行手段G2)。
一方、第1停止の番号0又は1又は2が、開始条件判定情報として0〜9の中で決定した一つの数字と合致しなかったとき、擬似遊技開始条件の不具備を判定し、この操作をした遊技を、フリーズの非実行下のステップS2でしたスタートレバー5の操作を契機としたステップS3の内部抽せんに従った遊技結果を生じさせる本来遊技として実行させる(S10でN以降の処理=本来遊技実行手段G3)。
本来遊技を実行する場合、ステップS3の内部抽せんにより図4の仕様に従って決定した当せんエリアすなわち当せん役と、ステップS9で受付けた第1停止を含めたストップボタン6L,6C,6Rの操作タイミングとに基づいて、回転中のリール1L,1C,1Rを各停止させ(S11)、有効ライン上に表示された図柄の組合せを判定して所定の遊技結果を生じさせ、一回の遊技を終える(S12)。遊技結果が、入賞の場合は所定枚数のメダルを払出し、再遊技の場合は新たなメダルの投入なしで次ゲームを行う再遊技を作動させ、一般中のCBB当せんゲームでCBB非作動なら内部中に、一般中のCBB当せんゲーム又は内部中にCBB作動ならCB中に、CB中の払出しが24枚を超えたなら一般中に各移行させることになる。
擬似遊技を実行する場合、主制御装置MC上で管理するメダルの払出し、再遊技の作動、役物の作動、遊技状態への移行という何れの遊技結果も生じさせないフリーズ開始処理、擬似遊技の開始直前にステップS3でした内部抽せんで決定した当せん役が再遊技役以外の場合は例えば通常リプの当せんとみなす処理を含む擬似遊技移行処理(S13)の後、ステップS9で受付けた第1停止を含めたストップボタン6L,6C,6Rの操作タイミングに基づいて、回転中のリール1L,1C,1Rを各停止させる(S14)。こうして、第1回目の擬似遊技を終える。
なお、第1回目の擬似遊技では、擬似遊技の開始直前のステップS3の内部抽せんで決定した当せん役に応じた図柄の組合せを遊技結果を生じさせないで表示させるようにしてもよい。また、内部抽せんで決定済の当せん役に代え、例えば、図4の通常リプ(REP1+15)を75%、スイカ1(REP1〜3+6)を15%、チャンスリプ1(REP1+5+7〜10+13〜15)を10%の確率で振分ける擬似遊技当せんエリア抽せんを行い、通常リプ又はスイカ若しくはチャンスリプ1の何れかを表示させてもよい。また、内部抽せんで決定済の当せん役が再遊技役である場合も含めて、一律に通常リプを表示させてもよい。
第1回目の擬似遊技の終了後、スタートレバー5の操作を契機に(S15)、ストップボタン6L,6C,6Rの操作が擬似遊技を継続させる条件に合致するか否かを判定するための継続条件判定情報を抽せんにより決定する(S16=擬似遊技継続条件決定手段G4)。継続条件判定情報は、開始条件判定情報と同様に、第1番目に停止操作すべきが左ストップボタン6Lとなる左第1停止、同中ストップボタン6Cとなる中第1停止、同右ストップボタン6Rとなる右第1停止を決定しており、例えば、左第1停止の場合は0番、中第1停止の場合は1番、右第1停止の場合は2番という識別情報を割当てている。
ただし、継続条件判定情報の場合は、開始条件判定情報の場合と異なり、継続条件判定情報抽せん用乱数による均等な確率により0,1,2番の3種類の何れかを振分けている。一旦擬似遊技が開始されると、3択により擬似遊技の継続性が決まるものとしており、ナビなし時はその継続率を1/3に、ナビあり時は3種類の第1停止ナビにより継続確定としている。もっとも、3択ではあるが、例えば、左第1停止は20%で中第1停止及び右第1停止は各40%に振分けて左第1停止を不利にしたり、逆に左第1停止は50%で中第1停止及び右第1停止は各25%に振分けて左第1停止を有利にしたりする等、不均等な確率により振分けを行ってもよいし、開始条件判定情報の場合と同様に適宜調整用のダミー番号を組み入れる等して継続率を調整してもよい。
継続条件判定情報抽せん(S16)の後、内部抽せんで決定済の当せん役に代え、例えば、図4の通常リプ(REP1+15)が75%、スイカ1(REP1〜3+6)が15%、チャンスリプ1(REP1+5+7〜10+13〜15)が10%の確率で振分ける擬似遊技当せんエリア抽せんを実行する(S17)。
第2回目以降の擬似遊技では、スイカとチャンスリプ1というチャンス役が(15+10)/100=1/4と比較的高い出現率で表示されることになる。擬似遊技では、主制御装置MCでは何の遊技結果も生じさせないが、周辺制御装置SCでは、擬似遊技当せんエリア抽せんによるチャンス役であるスイカ1又はチャンスリプ1の当せんにより、ATの作動抽せん及び上乗せ抽せんを実行することとしており、ATの作動及び上乗せに対する期待値が高まることとなる。なお、擬似遊技当せんエリア抽せんの仕様は、他の役で構成してもよいのは言うまでもない。
擬似遊技当せんエリア抽せん(S17)の後、全リール1L,1C,1Rを正転側に定常回転させ(S18)、ストップボタン6L,6C,6Rによる停止操作を受付ける(S19)。第1停止において、左ストップボタン6Lを受付たときは0番、中ストップボタン6Cを受付たときは1番、右ストップボタン6Rを受付たときは2番とし、この番号0又は1又は2が、継続条件判定情報として0〜2の中で決定した一つの数字と合致したとき、擬似遊技継続条件の具備を判定し(S20でY)、合致しなかったときは擬似遊技継続条件の不具備を判定して(S20でN)、擬似遊技終了フラグをオンにすると共に本来遊技に復帰直後に擬似遊技の再開とならないように開始条件判定で不具備となる数字例えば9を代入することにより擬似遊技の継続を断つ処理(S21)をした後、この停止操作をした遊技を、フリーズの継続的な実行下でする擬似遊技として、ステップS19で受付けた第1停止を含めたストップボタン6L,6C,6Rの操作タイミングに基づいて、通常リプなら本来遊技で通常リプが当せんした時のロジック演算と停止制御テーブルを用い、スイカ1なら本来遊技でスイカ1が当せんした時のロジック演算と停止制御テーブルを用い、チャンスリプ1なら本来遊技でチャンスリプ1が当せんした時のロジック演算と停止制御テーブルを用い、回転中のリール1L,1C,1Rを各停止(S22)させる(S20でY以降の処理=擬似遊技継続手段G5)。
第2回目以降の擬似遊技の終了後、スタートレバー5の操作を契機に(S23)、ステップS20で擬似遊技継続条件の不具備によりステップS21で擬似遊技終了フラグがオンとされない限り(S24でN)、ステップS16の継続条件判定情報抽せんから繰り返し、ステップS20で擬似遊技継続条件が不具備となりステップS21で擬似遊技終了フラグがオンされると(S24でY)、直前にステップS23でしたスタートレバー5の操作を契機にフリーズを解除し、ステップS8に戻して本来遊技での停止処理が行われるよう復帰させ、第1回目の擬似遊技開始直前にステップS3でした内部抽せんに従った遊技結果を生じさせる本来遊技を実行させる(S20でN以降の処理=本来遊技復帰手段G6)。なお、擬似遊技終了フラグは、本来遊技に復帰後にクリアすることとしている。
図5に示すように、周辺制御装置SCは、サブCPU、ROM、RAMを備える。入力ポートI2に、主制御装置MCからの送信情報、ジョグダイヤルJDの信号を入力している。出力ポートO2から、ランプドライバ回路Dr5を介して表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯10L,10C,10Rの背面から照明するリールバックランプBL1〜9を、LEDドライバ回路Dr6を介して装飾ランプ88を、LCDドライバ回路Dr7を介して液晶表示装置70を、ランプドライバ回路Dr8を介して遊技演出ランプ類700を、パワーアンプ回路Dr9を介してスピーカ91〜94を各制御している。主制御装置MCから周辺制御装置SCへの送信情報には、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズの実行予約を含むフリーズ実行情報、擬似遊技の開始条件判定情報及び継続条件判定情報を含む開始及び継続並びに終了情報、擬似遊技当せんエリア抽せんでの当選フラグ情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は実行する各種情報が含まれる。
周辺制御装置SCのROM上には、所定条件下、ストップボタン6L,6C,6Rの押し順や狙うべき図柄等の停止操作情報を遊技者に報知する停止操作情報報知手段Xを構築している。この停止操作情報報知手段Xは、所定のAT作動契機により例えば5ゲーム又は10ゲーム等の初期ゲーム数について内部抽せんで決定した作動に係る条件装置に対応した図柄の組合せ等を表示させることを意図するATを作動させるAT作動手段Y1、所定のAT上乗せ契機により例えばAT終了までのメダル純増枚数やゲーム数等を上乗せするAT上乗せ手段Y2、AT中に押し順ベル1〜12の正解の押し順等を液晶表示装置70上の表示ナビ及び又はスピーカ91〜94からの音声ナビにより知らせるATナビ情報出力手段Z1、所定条件下で、擬似遊技の開始条件判定情報及び又は継続条件判定情報を液晶表示装置70上の表示ナビ及び又はスピーカ91〜94からの音声ナビにより知らせる特定ナビ情報出力手段Z2、ゲームの進行に伴いATの作動が継続し得るゲーム数又はメダル純増枚数が0若しくは0以下になったことを契機にATの作動を終了させるAT終了手段Wを含む。
また、周辺制御装置SCのROM上には、非AT下において左リール1Lを第一番目に停止させる順押し以外で停止操作をした場合、AT下においてナビに従わない停止操作をした場合に、例えばAT作動までの天井ゲーム数の減算を所定ゲーム期間ストップしたり、チャンス役等を契機としたATの作動や上乗せについての抽せんを所定ゲーム期間留保したり、押し順ベル1〜12の正解の押し順報知を所定ゲーム期間ストップする等の遊技者に不利となる所定ペナルティを課すペナルティ手段Pと、非AT下ではATの作動抽せん仕様を低確、通常、高確、超高確、天国(超々高確)の何れかとし、AT下では上乗せ抽せん仕様をノーマル(通常)、スペシャル(特定チャンスゾーンへの突入について優遇)、プレミアム(特定チャンスゾーンへの突入を含む全ての上乗せ契機について優遇)の何れかとするモード移行手段Qを構築している。
図7に示すように、主制御装置MCの遊技状態は、一般中、内部中、CB中の3つあるが、設定変更後又は電源オン時のオールリセット処理後は、一般中から早期に内部中に移行し、ほぼ全営業時間を通じて内部中に止まることになる。周辺制御装置SCにおける非AT下での低確〜天国の5つのモードは、設定変更時やAT終了時等にする初期選択抽せんにより何れかが選ばれた後、チャンス役等を契機としたモード移行抽せんにより高確側にランクアップできる。また、AT下でのノーマル〜プレミアムの3つのモードは、非AT下でのモードに応じて、ATの作動時、その作動つまりAT当せんを演出するために液晶表示装置70上でパチンコ機の図柄変動に似せて実行することとしているAT当否導出用図柄の図柄種別に対応させて何れかが振分けられる。AT中、ノーマルからスペシャルへはチャンス役等を契機としたランクアップ抽せんにより移行でき、ノーマル又はスペシャルからプレミアムへは特定ミッションの成功等により移行できる。
AT作動契機は、例えば、次の1)〜4)の4とおり設けている。
1)チャンスゾーン自力当せん
主制御装置MCから受信する当せんフラグ情報が主にチャンス役に係る場合に、周辺制御装置SCで非AT下のモードに応じてする突入抽せんにより突入する所定ゲーム期間(例えば7ゲーム)のチャンスゾーンにおいて、主制御装置MCから受信する当せんフラグ情報に基づいて、当せんフラグ情報及び非AT下のモード別に当せん範囲を設定した、周辺制御装置SCでする自力抽せんに当せんしたとき、ATを作動させる。チャンスゾーンへの突入率は、チャンス役順位が高いほど高く、確定チャンス役では100%にしている。また、チャンスゾーンでのAT当せん率は、チャンス役順位が高いほど高く、確定チャンス役では100%としており、また、チャンス役でない再遊技役又は押し順ベル役でも多少は期待できる値にしている。
チャンスゾーンに突入してもチャンス役等を引けずにAT作動に至らない場合、次回のチャンスゾーン突入又は他の契機を待つことになる。チャンスゾーンでの自力当せんに失敗した場合、非AT下のモードの昇格抽せんをし、高確側への移行を可能にしていると共に、チャンスゾーンでの自力当せんに複数回例えば2回以上連続して失敗すると、3回目以降のチャンスゾーンで特定ナビ情報出力手段Z2を作動させ、3回目のチャンスゾーンでは擬似遊技の開始条件判定情報を、4回目以降のチャンスゾーンでは擬似遊技の開始条件判定情報及び最大3回までの継続条件判定情報を各報知し、スイカやチャンスリプ1等によるAT当せんに対する期待値を高めている。
2)直撃当せん
主制御装置MCから受信する当せんフラグ情報に基づいて、当せんフラグ情報及び非AT下のモード別に当せん範囲を設定した、周辺制御装置SCでするAT直撃抽せんに当せんしたとき、ATを作動させる。その当せん確率は、チャンスゾーンへの突入率よりも総じて低いが、チャンス役順位が高いほど高く、確定チャンス役では100%にしている。
3)天井到達
天井は例えば固定の750ゲームとしており、周辺制御装置SCで前回のAT終了後からカウントするゲーム数がATの作動がないまま750ゲームに達したとき、ATを作動させる。天井到達後、所定の前兆演出ゲーム期間(例えば5〜16ゲーム)後にATを作動させてもよい。天井は固定ゲーム数とする他、前回のAT終了時に周辺制御装置SCでする天井ゲーム数抽せんにより例えば1〜1200ゲームの間で決定してもよい。
4)ポイントによる当せん
再遊技の連続やチャンス役により、周辺制御装置SCにおいて一回10〜5000ポイントを加算した結果の累計ポイントが所定数(例えば10000ポイント)となったことを条件に、周辺制御装置SCでするポイント達成時抽せんで当せんしたとき、ATを作動させる。ポイント達成時抽せんでの当せん確率は例えば1/2としている。もっとも、抽せんを経ずに、或は、抽せんは単なる演出上の見せ掛けとし、ポイントが貯まったことのみを条件にATを作動させてもよい。
上乗せ契機は、例えば、次の1.〜6.の6とおり設けている。
1.初期上乗せ
ATの作動開始時に決定した5又は10ゲームの初期ゲーム数の間は、毎ゲーム、例えば20〜300枚のメダル純増枚数を上乗せする1ゲーム連の上乗せ特化ゾーンにしており、連続的な上乗せを行う。
この初期上乗せから始まるATの作動中は、ATナビ情報出力手段Z1により、液晶表示装置70上に、何れかの押し順ベル1〜12の当せん時は、中第1停止で始まる中左右(「2」「1」「3」)か中右左(「3」「1」「2」)或は右第1停止で始まる右左中(「2」「3」「1」)か右中左(「3」「2」「1」)の押し順が報知され、通常リプ〜確定チャンスリプ2の再遊技の当せん時等は、原則として左第1停止で始まる左中右(「1」「2」「3」)か左右中(「1」「3」「2」)の押し順が報知される。AT作動中も原則として擬似遊技の開始条件判定情報の報知はしないが、ATナビ情報出力手段Z1により報知される押し順と擬似遊技の開始条件とが一致する場合もあり、この場合、擬似遊技が開始される。そして、一旦擬似遊技が開始されると、特定ナビ情報出力手段Z2を作動させ、例えば、液晶表示装置70上に、継続条件判定情報が左第1停止の場合は「1」「−」「−」、中第1停止の場合は「−」「1」「−」、右第1停止の場合は「−」「−」「1」を所定回数例えば1回について表示し、以後、「?」「?」「?」の3択ナビを表示するようにしており、擬似遊技の開始後、スイカやチャンスリプ1等のチャンス役による上乗せ等も期待できるようにしている。
2.チャンス役上乗せ
AT中、チャンス役順位が高いほど当せん確率を高くし且つ確定チャンス役では100%としたチャンス役上乗せ抽せんに当せんしたとき、上乗せ契機とし、単発的な上乗せを行う。
3.ストック擬似ボーナス中上乗せ
AT中、チャンス役等を契機とした突入抽せんにより突入する所定ゲーム期間(例えば7ゲーム)の前置チャンスゾーンにおいて前置ミッション(例えば逆押しで特殊Hを停止させる等)の成功によりストックすることとしている1以上の擬似ボーナスを順次放出するとき、一ボーナスにつき例えば30ゲームの間、上乗せ確率を総じて高めた高確率上乗せゾーンとし、この間、チャンス役等に基づく当せん又は赤7のシングル揃い又はダブル揃いにより上乗せ契機とし、集中的な上乗せを行う。また、この擬似ボーナスの全部又は一部のゲーム期間例えばラスト1ゲームにおいて、特定ナビ情報出力手段Z2を作動させ、開始条件判定情報の報知により擬似遊技を意図的に開始させた後、所定回数例えば最大3回まで継続条件判定情報を報知し、連続的な擬似遊技による上乗せも可能にしている。なお、この高確率上乗せゾーンの30ゲームの間は、上乗せのみ行い、残メダル純増枚数の減算はしない減算停止期間としている。
4.特別擬似ボーナス中上乗せ
ATの作動時に液晶表示装置70上にAT当否導出用図柄のうち極稀にしか停止させないレア図柄種別と対応づけて極低い確率でプレミアムモードに振分けられた場合、又は、AT中のバトル演出で全対戦相手に勝利した場合、上乗せ確率を顕著に高めた特別な高確率上乗せゾーンとした特別擬似ボーナスに移行させ、この間(例えば30ゲームの間)、チャンス役等に基づく当せん又は赤7のシングル揃い又はダブル揃いにより上乗せ契機とし、集中的な上乗せを行う。また、この特別擬似ボーナスの全部又は一部のゲーム期間例えばラスト3ゲームにおいて、特定ナビ情報出力手段Z2を作動させ、開始条件判定情報の報知により擬似遊技を意図的に開始させた後、所定回数例えば最大3回まで継続条件判定情報を報知し、連続的な擬似遊技の連続による上乗せも可能にしている。なお、この特別擬似ボーナスの30ゲームの間は、上乗せのみ行い、残メダル純増枚数の減算はしない減算停止期間としている。
5.ミッション成功時上乗せ
AT中、モード(ノーマル、スペシャル、プレミアム)に応じて、チャンス役等を契機とした突入抽せんにより突入する所定ゲーム期間(例えば4ゲーム)の特定チャンスゾーンにおいて特定ミッションに成功したとき(例えば頂上バトルでの勝利等)、液晶表示装置70上のルーレットゲーム等の振分演出後、直乗せが選ばれた場合は次の1ゲーム、4ゲーム保証付の1ゲーム連が選ばれた場合は少なくとも4ゲームの連続したゲームについて、上乗せ契機とし、単発又は連続的な上乗せを行う。
6.0ゲーム連上乗せ
主制御装置MCで内部抽せんによりバー揃いが可能となる当せんフラグが成立し且つフリーズ抽せんにより次ゲームのスタートレバー5の操作直後のフリーズの実行が予約され、周辺制御装置SCで逆押しバー狙いナビが液晶表示装置70上に真正に表示され、現に逆押しがされたことを主制御装置MCで検出した場合、全リール1L,1C,1Rの停止後、バー揃いした場合及びバー揃いしなかった場合を含めて、次ゲームのスタートレバー5の操作直後のフリーズ実行中に、全リールをスロー逆転等させて各特殊Hを上段に揃えて一旦停止させ、続いて、ナビに従うベットボタン3の操作により全リールをスロー正転等させて特殊Hを下段に揃えて一旦停止させ、引き続いて、ナビに従うベットボタン3の操作により全リールをスロー逆転等させて特殊Hを中段に揃えて一旦停止させ、以後、スタートレバー5の操作に基づくフリーズ継続抽せんでフリーズの継続が途絶えるまでこれらの動作を繰返し、特殊H揃いの一旦停止毎に、例えば50〜1000枚の純増メダル枚数を上乗せする0ゲーム連の特別な上乗せ契機としている。
図8に示すように、本来遊技の内部抽せんで「通常リプ」に当選し、第1番目に停止操作した第1停止が擬似遊技の開始条件を具備した場合、フリーズ実行下での擬似遊技が開始され、擬似遊技により「通常リプ」が表示される。次のスタートレバー5の操作を契機に、擬似遊技下で「スイカ1」に当選し、擬似遊技の継続条件に右第1停止が選ばれたとする。AT作動中の場合、液晶表示装置70に右第1停止をすべき旨の「−」「−」「1」が表示され、このナビに従って右第1停止をすると継続条件の具備が判定され、擬似擬似により「スイカ」が表示される。次のスタートレバー5の操作を契機に、擬似遊技下で「チャンスリプ1」に当選し、擬似遊技の継続条件に中第1停止が選ばれたとする。液晶表示装置70には「?」「?」「?」の3択ナビが表示され、運に任せて左第1停止をした場合、継続条件の不具備が判定されて擬似遊技終了フラグがオンとなる。ただし、第1停止の操作時点からの限られた時間内で停止制御の切換えができない場合もあり得るため、ここで本来遊技に戻すことはせず、擬似遊技のまま維持し、「チャンスリプ1」が表示される。次のスタートレバー5の操作を契機に、フリーズが解除され、本来遊技に復帰して、内部抽せんで決定済の「通常リプ」が表示される。こうして、1遊技が終了し、次ゲームは再遊技となる。
図9に示すように、各リール1L,1C,1Rに直結したステッピングモータSM(12L,12C,12R)は、ステータSwの各巻線A,B,C,Dに供給する励磁パルスのステップ更新方向を変更することにより正転と逆転を可能にしており、本来遊技において正転から停止する時は、ステップ更新のタイミングが一割込時間t=1.496ms間隔でされる定常回転状態から、ストップボタンによる停止操作時点からの所定の滑りコマ数のカウント処理等を経て、例えば2相励磁のタイミングの次タイミングで、例えば全相励磁による通常停止パターンを所定時間例えば135割込に相当する201.96msについて供給する。
これに対し、擬似遊技において正転から停止する時は、停止直前の数ステップにおいて、例えば、二割込時間2t=2.992msの2相励磁、一割込時間t=1.496msの1相励磁、三割込時間3t=4.448msの2相励磁、四割込時間4t=5.984msの1相励磁、一割込時間t=1.496msの励磁開放及び二十割込時間20t=29.92msの励磁開放を順に行う所定の減速ステップを挿入して、慣性で回ってしまうのを防止し、続いて、例えば、最後の1相励磁と同一相に対する二十割込時間20t=29.92msの1相励磁と二十割込時間20t=29.92msの励磁開放とを繰り返す繰返しパターンを供給する。擬似遊技の停止時は、本来遊技の停止時に全相励磁による通常の停止パターンを所定時間について固定的に供給するとは異なり、絶えず励磁パルスの更新をし続けており、これによっても、見かけ上、本来遊技の停止と区別できないほど安定した停止が維持される。
これにより、擬似遊技を実行するとき、擬似遊技である旨を特別に報知したり、擬似遊技により停止表示される図柄を上下に揺れ変動等して仮の停止であることを殊更明示したりする必要もなく、本来の遊技が1ゲームされたのとほぼ同じ状況にでき、ゲームの自然な進行を維持できる。しかも、擬似遊技が実行される場合、開始から終了まで複数回の擬似遊技がされるとしても、全て毎回、再遊技役を表示するようにしたため、たとえ遊技者が擬似遊技と認識することなく本来遊技と誤認しても、再遊技であると誤認するだけであり、擬似遊技の終了後、後続する本来遊技をすることなく遊技を止めてしまうのを効果的に防止でき、本来遊技により内部抽せんで決定された当せん役に応じた遊技結果を遊技者に適切に還元することができる。もっとも、擬似遊技において毎回再遊技役を表示させる趣旨は、擬似遊技での停止を本来遊技での停止と区別できないほど違和感のない自然なものとした利点の反面で懸念される遊技中止の防止にあることから、擬似遊技中であることを液晶表示装置70等に直接表示したり、擬似遊技での停止時の励磁パターンに正転側と逆転側に小刻みな振動パターンを供給したり図柄がゆっくり上下に揺れるスローな正逆ステップ更新パターンを供給し、揺れ変動等により擬似遊技中であることを間接報知したりすることにより、擬似遊技で必ずしも再遊技役を表示させず、入賞役や押し順ベルのこぼし目やハズレ図柄等を表示させてもよい。また、擬似遊技開始直後の第1回目の擬似遊技では、液晶表示装置70に擬似遊技の開始を直接表示するか、揺れ変動により間接報知し、遊技結果を生じさせないで内部当せん役(再遊技役でない場合もある)を表示し、第2回目以降の擬似遊技では、擬似遊技の直接表示又は間接報知はせずに1相励磁と励磁開放の繰返しによる自然な停止を実行しつつ、何れかの再遊技役を必ず表示させるようにしてもよい。このように、擬似遊技の非明示又は明示と、表示させる再遊技役の限定又は非限定とは、有機的な関連付けにより組合せて適用可能である。
以上の実施形態では、擬似遊技の開始条件判定情報及び継続条件判定情報を第1停止に係る押し順で規定したが、第2停止までの押し順で規定してもよい。例えば、開始条件判定情報抽せん又は継続条件判定情報抽せんにおいて、「左中右」「左右中」「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の6通り、あるいは、順押しは除外した「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」の4通りの押し順から一つの判定情報を決定し、第1停止は本来遊技と同じ通常の停止制御をし、第2停止を受付けたときに条件の具備・不具備を判定して、擬似遊技の開始又は継続或は終了(本来遊技への復帰)かを切換えるようにしてもよい。
以上の実施形態では、擬似遊技当せんエリアとして通常リプとスイカ1とチャンスリプ1を抽せんする仕様にしたが、他の役による抽せん仕様にしてもよいし、本来遊技と同様に図4の抽せん仕様にしてもよい。また、ATの作動が開始された序盤ゲームで、特定ナビ情報出力手段Z2を作動させ、意図的に擬似遊技を開始させると共に、擬似遊技中に8枚払出しに対応するNML7が少なくとも2回表示される程度に擬似遊技を継続させ、NML7の2回目の表示により、主制御装置MCから外部端子盤を介して遊技機を設置する島設備に設けるナンバーランプを兼ねるデータ表示機に大当り信号を送信し、擬似遊技による外部信号管理を行うようにしてもよい。この場合、ゲームを消化することなく迅速に大当りの発生を集計できる。
以上の実施形態では、AT機を例示したが、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる押し順リプレイ役を移行契機役とし、その押し順をATの作動下でナビし、内部抽せんでの再遊技確率が例えば1/7.3と相対的に低い一又は複数の遊技状態と、再遊技確率が例えば1/3と相対的に高い一又は複数のリプレイタイム遊技状態との間で昇格移行及び転落移行させるアシストリプレイタイムART機にも同様に適用できる。
回胴式遊技機は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第7号のぱちんこ屋の営業に供されるのが本来であるが、本発明に係る遊技機はこれに限らず、同法律第2条第1項第8号の店舗等の営業に供されるスロットマシンや、同法律の規制が及ばないアーケードゲーム機や、リールを映像等で表現したシュミレーションゲーム機等にも適用できる。なお、以上の説明中、確率や数字、図柄の組合せ等は一例示に過ぎないのは言うまでも無い。