以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るスロットマシンSは、筐体1と、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2と、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3と、上扉2の下部中央に形成された透明材料からなる表示窓4と、表示窓4に対応した筐体1の内部に配設されたリール5〜7と、下扉3の右上部に設けられたメダル投入口8と、各リール5〜7の回転を開始させると共に、役の当否を決定するためのスタートレバー9と、各リール5〜7の回転をそれぞれ停止させるためのストップボタン10〜12と、ストップボタン10〜12の操作順序に係る情報を表示するメインモニタ13と、遊技の進行に応じて演出を実行するランプ14、一対のスピーカ15およびサブモニタ16と、下扉3の下部中央に設けられたメダル払出口17と、メダル払出口17から払い出されたメダルを収容する受皿18と、を主に備えて構成されている。
各リール5〜7は、1つのリールユニットとして構成されており、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転する。リール5〜7が停止している状態では、各リール5〜7の外周面に配列されている連続する3つの図柄(以下、それぞれ上段図柄、中段図柄、下段図柄と言う。)が表示窓4にそれぞれ表示されて、遊技者は3行3列に配置された合計9個の図柄を目視することができる。
表示窓4には、各リール5〜7の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段停止位置、中段停止位置および下段停止位置が設けられており、各リール5〜7の停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。本実施形態例では、有効ラインLは、各リール5〜7の中段停止位置で構成されている。
図示を省略するが、左リール5の外周面に左図柄列、中リール6の外周面に中図柄列、右リール7の外周面に右図柄列がそれぞれ付されている。これら各図柄列は均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されており、図柄列の各領域に1個の図柄が配置されている。各図柄列には、7図柄、ベル図柄、リプレイ図柄等を含む複数種類の図柄が配置されており、これら図柄の組合せが予め対応付けられた役が設けられている。
役は、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役、所定枚数のメダルを遊技者に払い出し可能な小役、後述のRBB作動への移行契機となるRBB役に大別される(図3参照)。役については詳しく後述する。
次に、図2を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口8から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ8a、リール5〜7、スタートレバー9、各ストップボタン10〜12、メインモニタ13、その他の装置(図示省略)が接続されている。
メインCPUは、主制御処理部100に接続された各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。なお、メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入によりスタートレバー9の操作を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー9の操作に基づいて役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された役の当選フラグを成立させる当選フラグ制御手段103、各リール5〜7の回転および停止を制御するリール制御手段104、内部抽選の結果およびリールの停止態様に応じてメダルを払い出すメダル払出手段105、内部抽選の結果およびリールの停止態様に応じて規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を開始可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、主制御処理部100の作動状態である遊技状態を制御する遊技状態制御手段107、メインモニタ13の表示を制御するメインモニタ制御手段108、副制御処理部200の作動状態である演出モードを制御する演出モード制御手段110が構築されている。
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ14、一対のスピーカ15、サブモニタ16等の演出装置を制御する。なお、サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて演出モードを移行させる演出モード移行手段201、演出を決定する演出決定手段202、決定した演出をサブモニタ16等の演出装置で実行する演出実行手段203が構築されている。
遊技状態は、図4に示すように、小役の当選確率に応じて、通常状態、RBB内部、RBB作動に大別されている。小役の当選確率は、通常状態およびRBB内部で約1/7に設定され、RBB作動で約1/1.1に設定されている。
通常状態は、再遊技役の当選確率に応じて、非RT、RT1、RT2に分別されている。再遊技役の当選確率は、非RTおよびRT1で約1/7.3に設定され、RT2で約1/2に設定されている。
演出モードは、図5に示すように、通常の遊技が行われる非ATモードと、通常の遊技よりも遊技者に有利なAT遊技が行われるATモードとに大別されている。AT遊技とは、ストップボタンの操作順序をメインモニタ13およびサブモニタ16に表示してメダルの獲得を容易にさせる遊技のことをいう。なお、再遊技役の当選確率が高確率(約1/2)となるRT2で行われるAT遊技のことをART遊技ともいう。
非ATモードは、通常モード、CZ1潜伏モード、CZ1モード、前兆モード、CZ2モードの5種類に分別されている。一般的に、遊技者がスロットマシンSの前に着席して遊技を開始させたとき、演出モードは一般状態の通常モードに滞在している。
通常モードでは、演出モードの移行契機となる後述のCZ1抽選を実行しており、このCZ1抽選に当選したことに基づいて、演出モードは、通常モードからCZ1潜伏モードを経由してCZ1モードに移行する。なお、以下の説明では、適宜、通常モードからCZ1モードへの移行の際にCZ1潜伏モードを経由していることについての記載を省略することにする。
スロットマシンSは、ATモードで多くのメダルを獲得することを目的としたゲーム性を有している。演出モードを非ATモードからATモードへ移行させるためには、非ATモードでATモードへの移行の権利(特典)を獲得する必要がある。具体的には、非ATモードのうちCZ1モードおよびCZ2モードでATモードへの移行の権利を獲得する機会が設けられており、通常モードではATモードへの移行の権利を獲得する機会が設けられていない。このため、演出モードを非ATモードからATモードへ移行させるためには、まず、一般状態の通常モードでCZ1抽選に当選して演出モードをCZ1モードに移行させる必要がある。なお、演出モードの遷移等については詳しく後述する。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
スタートレバー有効化手段101は、通常状態、RBB内部およびRBB作動において3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー9の操作を有効化させる。
内部抽選手段102は、有効化されたスタートレバー9の操作(以下、遊技開始操作と言う。)タイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、図3に示す複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。なお、当選エリアについては詳しく後述する。
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役の当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットし、RBB役に係る当選フラグである場合には、RBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されるまで当該当選フラグを持ち越す。
リール制御手段104は、遊技開始操作に基づいて各リール5〜7の回転を一斉に開始させ、各リール5〜7が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リールが定常回転に到達すると回転速度を維持すると共に、全てのストップボタン10〜12の操作を有効化させる。
また、リール制御手段104は、有効化されたストップボタン10〜12の操作態様に応じて対応するリールの回転を停止させる。具体的には、各ストップボタン10〜12の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。なお、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は37.5msであるため、各リール5〜7は、対応するストップボタンの停止操作タイミングから最大で4コマ分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる。
リール制御手段104は、当選フラグの成立状態に応じて、メダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようにリールを停止させる枚数優先制御、図柄組合せの個数が最も多くなる役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを停止させる個数優先制御、RBB役よりも再遊技役および小役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようにリールを停止する役付け優先制御の何れかの制御により、最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を有効ラインLに表示するように引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
メダル払出手段105は、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、「小役が入賞した」と言う。)場合に、小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出す。
再遊技設定手段106は、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、適宜、「再遊技役が入賞した」と言う。)場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する。
遊技状態制御手段107は、通常状態、RBB内部およびRBB作動の間で遊技状態の移行を制御する。以下に、役、当選エリア、遊技状態の遷移について図3,4を用いて説明する。なお、図3中に示す打順とは、各ストップボタン10〜12の操作順序のことであり、打順1は左ストップボタン10→中ストップボタン11→右ストップボタン12の順序、これと同様に、打順2は左→右→中の順序、打順3は中→左→右の順序、打順4は中→右→左の順序、打順5は右→左→中の順序、打順6は右→中→左の順序を意味する。
当選エリアには、図3に示すように、何れの役も対応付けられていない「不当選」(0番)、再遊技役の対応付けられた「リプレイ」(1番〜14番)、小役の対応付けられた「ベル」(15番〜22番)、RBB役の対応付けられた「RBB」(23番)が含まれている。
当選エリア「リプレイ」(以下、リプレイと言う。)は、遊技状態の移行機能を有さない「通常リプ」、遊技状態の移行機能を有する「RT1リプ」および「RT2リプ」、CZ1モードへの移行機能を有する「レアリプ」に大別される。
RT1リプ(2番〜7番)は、RT1で内部抽選の対象となっており(図示省略)、RT1リプに再遊技役であるREP1、REP2およびその他の再遊技役がそれぞれ対応付けられている。REP1は、遊技状態をRT2に移行させる機能を有しており、REP2は、遊技状態をRT1に移行させる機能を有している。
図4に示すように、RT1でRT1リプに当選した場合に、図3に示すRT2移行の打順(例えばRT1リプ1の場合は打順1)でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP1を優先的に入賞させて遊技状態をRT2に移行させ(図4のE)、図3に示すRT1維持の打順(例えばRT1リプ1の場合は打順2〜6)でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP2を優先的に入賞させて遊技状態をRT1で維持させる。
RT2リプは、RT2で内部抽選の対象となっており(図示省略)、RT2リプに再遊技役であるREP1、REP2およびその他の再遊技役がそれぞれ対応付けられている。RT2でRT2リプに当選した場合に、図3に示すRT2維持の打順(例えばRT2リプ1の場合は打順1)でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP1を優先的に入賞させて遊技状態をRT2で維持させ、図3に示すRT1移行の打順(例えばRT2リプ1の場合は打順2〜6)でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP2を優先的に入賞させて遊技状態をRT1に移行させる(図4のF)。
レアリプは、通常状態で内部抽選の対象となっており(図示省略)、レアリプに再遊技役であるREP3およびその他の再遊技役が対応付けられている。レアリプに当選した場合に、特定の操作態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP3を優先的に入賞させる。そして、通常モードでレアリプに当選したとき、ストップボタンの操作態様により、何れの再遊技役が入賞したかに拘わらずCZ1抽選を実行し、このCZ1抽選に当選した場合に、演出モードを通常モードからCZ1モードに移行させる。
なお、本実施形態例では、演出モードがATモードに滞在している場合には、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されているRT1に遊技状態を移行させないようなストップボタンの操作に係る打順演出をサブモニタ16等で実行し、演出モードが非ATモードに滞在している場合には、遊技状態の移行に係る打順演出をサブモニタ16等で実行しないように制御する。このため、ATモードでは打順演出に従ってストップボタンが操作されることにより遊技状態をRT2で維持可能であるが、非ATモードでは打順演出の未実行により遊技状態をRT2で維持することが困難となり、RT1の滞在期間が長くなる。
当選エリア「ベル」(以下、ベルと言う。)は、ストップボタンの操作態様に拘わらず7枚のメダルを払い出す「7枚ベル」、ストップボタンの操作態様に応じてメダルを払い出し可能な「打順ベル」、CZ1モードへの移行機能を有する「レアベル」に大別される。
打順ベル(16番〜21番)は、通常状態およびRBB内部状態で内部抽選の対象となっており(図示省略)、打順ベルに小役であるNML2、NML3、その他の再遊技役がそれぞれ対応付けられている。NML2は、入賞により9枚のメダルを払い出し、NML3は、入賞により1枚のメダルを払い出す。
図3に示すように、打順ベルに当選した場合に、9枚入賞の打順(例えば打順ベル1の場合は打順1)でストップボタンが操作されたことに基づいて、NML2を優先的に入賞させて9枚のメダルを払い出し、1枚入賞打順でストップボタンが操作されたことに基づいて、NML3を優先的に入賞させて1枚のメダルを払い出し、1枚入賞可能打順でストップボタンが操作されたことに基づいて、NML2の入賞を否定すると共に、ストップボタンの操作態様に応じてNML3を入賞させて1枚のメダルを払い出し、何れの小役も入賞しなかったことに基づいて、所定の図柄組合せ(ブランク図柄組合せとも言う。)を有効ラインLに表示するよう各リールを停止させ、これに基づいて、遊技状態を非RTからRT1(図4のD)、RT2からRT1(図4のF)へそれぞれ移行させる。
レアベル(22番)は、通常状態で内部抽選の対象となっており(図示省略)、レアベルに小役であるNML4が対応付けられている。レアベルに当選した場合に、特定の操作態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、NML4を入賞させる。そして、レアベルの当選時にNML4が入賞したかに拘わらず、通常モードにおけるレアベルの当選を契機にCZ1抽選を実行し、このCZ1抽選に当選した場合に、演出モードを通常モードからCZ1モードに移行させる。
当選エリア「RBB」(以下、RBBと言う。)は、通常状態で内部抽選の対象となっており(図示省略)、RBBにRBB役が対応付けられている。RBBに当選した場合に、特定の操作態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、RBB役に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示させる。図4に示すように、通常状態でRBBに当選したことに基づいて遊技状態をRBB内部に移行させ(図4のA)、RBB内部でRBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことに基づいてRBB作動に移行させ(図4のB)、RBB作動でメダル払出枚数が所定枚数(例えば、216枚)を超過したことに基づいて非RTに移行させる(図4のC)。
なお、本実施形態例において、レアリプおよびレアベル(以下、特殊エリアと言う。)を全ての遊技状態で内部抽選の対象とする構成であっても良く、RBB内部中やRBB作動中に特殊エリアに当選してCZ1抽選に当選した場合には、RBB作動の終了後に演出モードをCZ1モードに移行させるようにする。
図2に説明を戻し、メインモニタ制御手段108は、サブモニタ16等で打順演出が実行される場合に、打順演出に対応するストップボタンの打順に係る情報をメインモニタ13に表示するよう制御する。
次に、演出モード制御手段110によって制御される演出モードの概要について図5を参照しながら説明する。
一般状態の通常モードでは、特殊エリア(レアリプおよびレアベル)の何れかに当選したことに基づいて、CZ1モードへの移行の可否をCZ1抽選により決定し、CZ1抽選の当選に基づいて、演出モードをCZ1潜伏モードに移行させる(図5のA)。
CZ1潜伏モードは、CZ1モードへの移行の前提となる演出モードであって、CZ1モードへの移行を示唆する示唆演出がサブモニタ16等で行われる。そして、CZ1潜伏モードで予め定められた例えば5回の遊技が行われると、演出モードをCZ1潜伏モードからCZ1モードに移行させる(図5のB)。
CZ1モードは、ATモードへの移行の権利を獲得可能な特典処理が行われる演出モードである。この特典処理で獲得可能な特典には、ATモードへの移行の権利(以下、適宜、「AT」と省略する。)、CZ1モードへの移行の権利(以下、適宜、「CZ1」と省略する。)、CZ2モードへの移行の権利(以下、適宜、「CZ2」と省略する。)、演出モードの移行に関する演出ポイントが含まれている。なお、特典処理で付与した特典は、主制御処理部100のメインRAMに構築された遊技情報記憶領域140に累積的に加算記憶される。
本実施形態例では、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントの累計値が所定値(例えば10000)に到達すると、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントを所定値だけ抽出(減算)し、この抽出に基づいて、CZ1モードへの移行の権利(CZ1)を付与するように構成されている。なお、演出ポイントには、遊技情報記憶領域140に「200」を加算する通常ポイント(以下、通常PTと言う。)と、遊技情報記憶領域140に「1000」を加算する特殊ポイント(以下、特殊PTと言う。)が含まれている。
CZ1モードでは、特典処理で付与した特典の種類等を示唆する示唆演出を実行する。なお、特典処理で演出ポイントが付与された場合には、通常PTおよび特殊PTの何れが付与されたかをサブモニタ16で報知するように構成されているが、通常PTと特殊PTとでは、報知タイミングが互いに相違する。
具体的には、通常PTの付与の報知は、CZ1モードの終了後に演出モードを即時に通常モードに移行させて通常モードで行われる(図5のD)。これに対し、特殊PTの付与の報知は、CZ1モードの終了後に演出モードを前兆モードに移行させ(図5のC)、この前兆モードの終了の際、または、前兆モードの終了後に演出モードを通常モードに移行させて通常モードで行われる(図5のH)。つまり、特典処理で特殊PTを付与した場合には、演出モードをCZ1モードから前兆モードに移行させるが、通常PTを付与した場合には、演出モードを前兆モードに移行させることなく通常モードに移行させる。なお、特典処理で特殊PTを付与した場合には、遊技情報記憶領域140に演出ポイント「1000」を累積的に加算すると共に、前兆モードへの移行の権利(以下、適宜、「特殊PT前兆」と言う。)を加算記憶する。
CZ1モードで予め定められた2回の遊技が行われるとCZ1モードを終了させる。そして、CZ1モード終了時に遊技情報記憶領域140にAT、CZ1、CZ2、特殊PT前兆のうち何れかの特典が記憶されている場合には、演出モードをCZ1モードから前兆モードに移行させ(図5のC)、AT、CZ1、CZ2、特殊PT前兆のうち何れの特典も記憶されていない場合には、演出モードをCZ1モードから通常モードに移行させる(図5のD)。
前兆モードには、ATモードへの移行を前提としたAT前兆モード、CZ1モードへの移行を前提としたCZ1前兆モード、CZ2モードへの移行を前提としたCZ2前兆モード、通常モードへの移行を前提とした特殊PT前兆モードが含まれている。各前兆モードでは、前兆モードの種別を識別困難な態様で演出を行う。
前兆モードで予め定められた例えば10回の遊技が行われると前兆モードを終了させて、遊技情報記憶領域140に記憶されている特典の種類に基づいて、ATモード、CZ1モード、CZ2モードまたは通常モードに移行させる(図5のG,E,F,H)。
ここで、各演出モードには互いに異なる識別値(変数とも言う。)が対応付けられており、これら識別値に基づいて演出モードの移行を制御している。識別値は遊技情報記憶領域140に更新記憶されるようになっており、演出モードの移行の決定に基づいて遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を移行先の演出モードに対応する識別値に更新し、この識別値の更新に応じて対応する演出モードに移行させるように構成されている。
識別値について具体的に説明すると、図5に示すように、通常モードに「0」、CZ1潜伏モードに「1」、CZ1モードに「2」、前兆モードに「3」、CZ2モードに「4」、ATモードに「5」の識別値がそれぞれ対応付けられている。例えば、識別値「0」に対応する通常モードでCZ1抽選に当選した場合には、CZ1潜伏モードへの移行を決定すると共に、識別値をCZ1潜伏モードに対応する「1」に更新し、識別値「1」の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する。これにより、副制御処理部200が識別値「1」の情報を含む演出コマンドを受信すると、演出モードが通常モードからCZ1潜伏モードへ切り替わるように構成されている。
本実施形態例では、前兆モードとして、AT前兆モード、CZ1前兆モード、CZ2前兆モード、特殊PT前兆モードの4種類の前兆モードが設けられているにも拘わらず、前兆モードには同一の識別値「3」が対応付けられていると共に、CZ1モードで行われる特典処理で複数の特典を付与可能に構成されている。このため、遊技情報記憶領域140に前兆モードへの移行を伴うAT、CZ1、CZ2および特殊PT前兆の特典(以下、前兆有特典と言う。)のうち2種類以上の特典が記憶されることがある。よって、遊技情報記憶領域140に異なる複数の前兆有特典が記憶されている場合には、識別値「3」の情報のみでは、CZ1モードの終了後に何れの種別の前兆モードに移行させればよいかを判別することができない。そこで、本実施形態例では、遊技情報記憶領域140に異なる複数の前兆有特典が記憶されている場合には、特殊PT前兆モードよりもCZ1前兆モードへの移行を優先し、CZ1前兆モードよりもCZ2前兆モードへの移行を優先し、CZ2前兆モードよりもAT前兆モードへの移行を優先するように、演出モードの移行に係る優先順序が予め定められている。これにより、全ての前兆モードに同一の識別値「3」を対応付けたとしても、CZ1モード終了後に何れの種別の前兆モードに移行させればよいかを判別することが可能になっている。
具体的には、CZ1モードの終了時に遊技情報記憶領域140にATが記憶されている場合には、演出モードをAT前兆モードに移行させた後にATモードへ移行させ(図5のC,G)、CZ2が記憶されてATが記憶されていない場合にはCZ2前兆モードに移行させた後にCZ2モードへ移行させ(図5のC,F)、CZ1が記憶されてATおよびCZ2が記憶されていない場合にはCZ1前兆モードに移行させた後にCZ1モードへ移行させ(図5のC,E)、特殊PT前兆が記憶されてAT、CZ1およびCZ2が記憶されていない場合には特殊PT前兆モードに移行させた後に通常モードへ移行させる(図5のC,H)。一方、遊技情報記憶領域140にAT、CZ1、CZ2および特殊PT前兆の何れの前兆有特典も記憶されていない場合には、CZ1モードの終了後に演出モードを即時に通常モードに移行させる(図5のD)。
CZ2モードは、ATモードへの移行のチャンスとなる演出モードであり、CZ2モードにおける最初の遊技において、ATモードへの移行の権利を付与するか否かをAT抽選で決定する。このとき、AT抽選に当選した場合には、CZ2モードで予め定めされた例えば10回の遊技が行われた後に演出モードをCZ2モードからATモードに移行させる(図5のJ)。つまり、CZ2モードにおけるAT抽選の当選でATモードへの移行の権利を付与する。
このように、本実施形態例では、CZ1モードで特典処理が行われ、この特典処理で複数の特典を遊技者に付与することがある。このため、演出モードがCZ1モード、前兆モード、CZ2モードの順番で移行し、このCZ2モードでAT抽選に当選しなかったとしても、CZ2モードの終了の際に遊技情報記憶領域140にCZ1等の前兆有特典が記憶されていることがある。このため、CZ2でAT抽選に当選しなかった場合には、CZ2モードの終了の際に遊技情報記憶領域140に前兆有特典(AT,CZ2,CZ1,特殊PT前兆)が記憶されているか否かを判断し、前兆有特典が記憶されている場合には、CZ2モードの終了後に演出モードを再び前兆モードに移行させ(図5のK)、この前兆モードの終了後に、遊技情報記憶領域140に記憶されている前兆有特典に応じて、ATモード、CZ2モード、CZ1モードまたは通常モードへそれぞれ移行させるように構成されているのである。
なお、本実施形態例において、CZ2モードの終了の際に遊技情報記憶領域140にCZ2やCZ1が記憶されている場合に、CZ2モードの終了後に前兆モードに移行させることなく、直接的に、CZ2モードやCZ1モードに移行させるように構成されていても良い。
次に、演出モードを制御する演出モード制御手段110について図2等を用いて説明する。
演出モード制御手段110は、演出モードの移行を決定する演出モード移行決定手段111と、演出モードの移行の決定に基づいて識別値を更新する識別値更新手段112と、識別値の情報やストップボタンの打順に関する情報を含む演出コマンドや特典の情報を含む特典コマンド等を副制御処理部200に送信する演出コマンド送信手段113と、特典の処理を制御する特典処理手段120と、を備えている。
演出モード移行決定手段111は、所定条件の成立に基づいて演出モードの移行を決定する。演出モードの移行の決定については、詳しく後述するが、例えば、通常モードでCZ1抽選に当選したことに基づいてCZ1潜伏モードへの移行を決定する。
識別値更新手段112は、通常モードへの移行の決定に基づいて識別値を「0」に更新し、CZ1潜伏モードへの移行の決定に基づいて識別値を「1」に更新し、CZ1モードへの移行の決定に基づいて識別値を「2」に更新し、前兆モードへの移行の決定に基づいて識別値を「3」に更新し、CZ2モードへの移行の決定に基づいて識別値を「4」に更新し、ATモードへの移行の決定に基づいて識別値を「5」に更新する。
演出コマンド送信手段113は、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値の情報を含む識別値コマンドを1回の遊技の終了の際に副制御処理部200に送信し、CZ1モードで付与された特典の情報を含む特典コマンドを副制御処理部200に送信する。なお、副制御処理部200は受信した識別値コマンドに含まれている識別値の情報に応じて演出モードを移行させる。
特典処理手段120は、CZ1モードへの移行の可否をCZ1抽選で決定するCZ1抽選手段121と、CZ1モードへの移行回数(以下、CZ1移行回数と言う。)をカウントするCZ1移行回数カウント手段122と、CZ1移行回数カウント手段122のカウントしたCZ1移行回数を所定時にクリアするCZ1移行回数クリア手段123と、CZ1モードで行われる特典抽選の実行回数を決定する特典抽選回数決定手段124と、特典抽選回数決定手段124により決定された実行回数の分だけ特典抽選を実行する特典抽選手段125と、特典を管理する特典管理手段126と、CZ2モードでAT抽選を実行するAT抽選手段127と、AT遊技の管理を行うAT管理手段128と、を備えている。
CZ1抽選手段121は、通常モードにおける特殊エリア(レアリプ,レアベル)の当選に基づいてCZ1抽選を実行する。なお、演出モード移行決定手段111は、CZ1抽選の当選に基づいて、CZ1潜伏モードへの移行を決定する。
CZ1移行回数カウント手段(カウント手段)122は、CZ1モードへの移行毎に遊技情報記憶領域140にCZ1移行回数「1」を加算する。
CZ1移行回数クリア手段123は、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数が「10」に到達し、この「10」に到達したときのCZ1モードが終了したことに基づいて、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数をクリア(「0」にリセット)する。
特典抽選回数決定手段124は、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数に応じて、特典抽選の実行回数を1回、5回、10回の中から決定する。つまり、CZ1モードへの移行回数に応じて、CZ1モードで行われる特典抽選の実行回数を決定するように構成されている。具体的には、特典抽選回数決定手段124は、図6に示す実行回数決定テーブルを参照して、特典抽選の実行回数を決定する。
図6に示すように、実行回数決定テーブルは、特典抽選の実行回数に所定の選択確率が予め対応付けられたテーブル構成を成している。実行回数決定テーブルには、CZ1移行回数が1回〜4回の場合に参照される実行回数決定テーブルA(図6(a))と、CZ1移行回数が5回の場合に参照される実行回数決定テーブルB(図6(b))と、CZ1移行回数が6回〜9回の場合に参照される実行回数決定テーブルB(図6(c))と、CZ1移行回数が10回の場合に参照される実行回数決定テーブルD(図6(d))と、が含まれている。
実行回数決定テーブルAでは、特典抽選の実行回数「1回」に90%、「5回」に9%、「10回」に1%の選択確率がそれぞれ対応付けられ、実行回数決定テーブルBでは、特典抽選の実行回数「1回」に10%、「5回」に70%、「10回」に20%の選択確率がそれぞれ対応付けられ、実行回数決定テーブルCでは、特典抽選の実行回数「1回」に80%、5回に19%、10回に1%の選択確率がそれぞれ対応付けられ、実行回数決定テーブルDでは、特典抽選の実行回数「1回」に0%、「5回」に60%、「10回」に40%の選択確率がそれぞれ対応付けられている。
図6から明らかなように、特典抽選の実行回数「1回」は、CZ1移行回数が「1回〜4回」(図6(a))の場合に最も選択されやすく、次に選択されやすいのはCZ1移行回数が「6回〜9回」(図6(c))の場合であり、CZ1移行回数が「10回」(図6(d))の場合には選択される可能性が無い。これに対し、特典抽選の実行回数「5回」は、CZ1移行回数が「5回」(図6(b))の場合に最も選択されやすく、CZ1移行回数が「1回〜4回」(図6(a))の場合に選択される可能性が最も低い。そして、特典抽選の実行回数「10回」は、CZ1移行回数が「10回」(図6(d))の場合に最も選択されやすく、CZ1移行回数が「1回〜4回」および「6回〜9回」の場合に選択される可能性が極めて低い(図6(a),(c))。よって、特典抽選の実行回数を決定する処理において、CZ1移行回数「1回〜10回」の中で最も有利な回数は「10回」であり、また、CZ1移行回数「1回〜4回」および「6回〜9回」よりも、CZ1移行回数「5回」の方が有利な回数であるといえる。
図2に説明を戻し、特典抽選手段125は、CZ1モードにおける1回目の遊技の開始時に、複数種類の特典(通常PT、特殊PT、CZ1、CZ2、AT)の中から1つの特典を決定する特典抽選を、図7に示す特典抽選テーブルを参照して、特典抽選回数決定手段124により決定された実行回数の分だけ実行する。
図7に示すように、特典抽選テーブルには、各特典の選択確率(付与率)が互いに異なる3種類のテーブルA〜Cが含まれている。図7(a)に示す特典抽選テーブルAでは、通常PTに62%、特殊PTに20%、CZ1に10%、CZ2に5%、ATに3%の選択確率がそれぞれ対応付けられ、図7(b)に示す特典抽選テーブルBでは、通常PTに0%、特殊PTに60%、CZ1に20%、CZ2に15%、ATに5%の選択確率がそれぞれ対応付けられ、図7(c)に示す特典抽選テーブルCでは、通常PTおよび特殊PTに0%、CZ1に68%、CZ2に25%、ATに7%の選択確率がそれぞれ対応付けられている。
図7から明らかなように、通常PT、特殊PT、CZ1、CZ2、ATの各特典の中で最も遊技利益の低い通常PT(演出ポイント200)は、特典抽選テーブルAが参照されて特典抽選が行われる場合に最も高い確率で選択され、特典抽選テーブルB,Cが参照されて特典抽選が行われる場合には選択されることがない。また、通常PTよりも遊技利益の高い特殊PT(演出ポイント1000)は、特典抽選テーブルBが参照されて特典抽選が行われる場合に最も高い確率で選択され、特典抽選テーブルCが参照されて特典抽選が行われる場合には選択されることがない。さらに、演出ポイント(通常PTおよび特殊PT)よりも遊技利益の高いCZ1、CZ2、ATは、特典抽選テーブルCが参照されて特典抽選が行われる場合に最も高い確率で選択される。このように、特典抽選テーブルBが参照されて特典抽選が行われる場合には、遊技利益の最も低い通常PTが選択される可能性がなく特殊PT以上の特典の付与が確定し、特典抽選テーブルCが参照されて特典抽選が行われる場合には、CZ1以上の特典の付与が確定することになる。よって、遊技者に付与する特典の種別を決定する特典抽選において、特典抽選テーブルAが遊技者に最も不利なテーブルであり、特典抽選テーブルCが遊技者に最も有利なテーブルであるといえる。
そして、本実施形態例では、特典抽選で参照する特典抽選テーブルの種別を、CZ1モードへの移行回数が何回目であるかと、CZ1モード(特典処理)で行われる特典抽選が何回目であるかとによって、決定するように構成されている。すなわち、特典抽選手段125は、CZ1移行回数と特典抽選の実行回数とに応じて、特典抽選テーブルA〜Cの中から、今回の特典抽選で参照する特典抽選テーブルを1つ決定し、該決定したテーブルを参照して特典抽選を実行するように構成されている。これについては、図8を参照しながら以下に説明する。
図8に示すように、CZ1移行回数が「1回〜4回」および「6回〜9回」の場合には、特典抽選が何回目であるかに拘わらず、特典抽選で参照する特典抽選テーブルの種別を特典抽選テーブルAに決定する。これに対し、CZ1移行回数が「5回」の場合において、特典抽選の実行回数が「1回目」の場合に、特典抽選で参照する特典抽選テーブルの種別を特典抽選テーブルBに決定し、特典抽選の実行回数が「2回目以降」の場合に、特典抽選で参照する特典抽選テーブルの種別を特典抽選テーブルAに決定する。同様に、CZ1移行回数が「10回」の場合において、特典抽選の実行回数が「1回目」および「2回目」の場合に、特典抽選で参照する特典抽選テーブルを特典抽選テーブルCに決定し、特典抽選の実行回数が「3回目以降」の場合に、特典抽選で参照する特典抽選テーブルを特典抽選テーブルAに決定する。
図8から明らかなように、CZ1移行回数が「5回」の場合には、遊技者に付与する特典として通常PTが選択されることのない特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を必ず1回実行し、CZ1移行回数が「10回」の場合には、遊技者に付与する特典として通常PTおよび特殊PTが選択されることのない特典抽選テーブルCを参照して特典抽選を必ず2回実行する。このため、CZ1モードへの移行回数が「5回」に到達したときに行われる特典処理、すなわち、CZ1移行回数が5回目のCZ1モード(以下、5回目のCZ1モードと言う。)では、特殊PT以上の特典を必ず付与し、CZ1モードへの移行回数が「10回」に到達したときに行われる特典処理、すなわち、CZ1移行回数が10回目のCZ1モード(以下、10回目のCZ1モードと言う。)では、CZ1以上の特典を必ず付与する。つまり、5回目および10回目のCZ1モードは、1回目〜4回目、6回目〜9回目のCZ1モードよりも遊技利益の高い特典が付与される可能性の高い演出モードである。
図2に説明を戻し、特典管理手段(付与手段)126は、特典処理で決定した特典を遊技情報記憶領域140に記憶(付与)する。また、特典管理手段126は、前兆モードの終了時に当該前兆モードへの移行契機となった前兆有特典(AT、CZ1、CZ2、特殊PT)を遊技情報記憶領域140から抽出(減算)する。
具体的には、前兆モードの種別がAT前兆モードである場合に、前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140からATを抽出し、前兆モードの種別がCZ2前兆モードである場合にCZ2を、前兆モードの種別がCZ1前兆モードである場合にCZ1を、前兆モードの種別が特殊PT前兆モードである場合に特殊PTをそれぞれ遊技情報記憶領域140から抽出する。なお、演出モード移行決定手段111は、遊技情報記憶領域140からATを抽出した場合にATモードへの移行を決定し、CZ2を抽出した場合にCZ2モードへの移行を決定し、CZ1を抽出した場合にCZ1モードへの移行を決定し、特殊PTを抽出した場合に通常モードへの移行を決定する。つまり、演出モード移行決定手段111は、前兆モードの終了時に抽出した特典の種別に応じて、移行先の演出モードを決定する。そして、識別値更新手段112は、移行先の演出モードの種別に基づいて識別値を更新する。
AT抽選手段127は、遊技情報記憶領域140に記憶されているAT抽選の当選確率(以下、AT当選確率と言う。)に基づいてCZ2モードでAT抽選を実行する。なお、本実施形態例では、CZ2モードへの移行毎に、遊技情報記憶領域140に記憶されているAT当選確率を変動可能に構成されている。具体的には、前回のCZ2モードよりも今回のCZ2モードの方が、AT抽選の当選確率が低くならないように、AT当選確率を変動させる。
AT管理手段128は、ATモードへの移行の際に遊技情報記憶領域140に所定回数のAT遊技を記憶し、ATモードで遊技が行われる毎に遊技情報記憶領域140に記憶されているAT遊技の回数を「1」減算する。なお、演出モード移行決定手段111は、遊技情報記憶領域140に記憶されているAT遊技の回数が「0」になったことに基づいて非ATモードへの移行を決定する。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図9のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S5)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー9が有効化され(S2)、この後にスタートレバー9が操作されると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
本実施形態例では、ステップS5において、ONにセットされている当選フラグの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、副制御処理部200が当該演出コマンドを受信すると、演出モードの種類に応じて内部抽選で決定された役に対応する様々な演出(例えば、打順演出等)をサブモニタ16等で実行する。
(ステップS100)
次に、演出モードの種別に応じて第1演出モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS6に処理を移す。
図示を省略するが、第1演出モード制御処理(S100)では、滞在している演出モードの種別に応じて、異なる処理を行う。具体的には、通常モードでは、特殊エリア(レアリプ,レアベル)の当選に基づいてCZ1抽選を実行し、CZ1抽選に当選した場合に、演出モードの種別を示す識別値を「1」に更新すると共に、CZ1潜伏モードへの移行を決定する。CZ1潜伏モードでは、予め定められた所定回数の遊技が行われた場合に、識別値を「2」に更新すると共に、CZ1モードへの移行を決定する。CZ1モードでは、1回、5回または10回の特典抽選が行われる特典処理を実行した後に、この特典処理の結果を示唆する示唆演出を実行する。そして、CZ1モードの終了時には、遊技情報記憶領域140に記憶されている特典の種別を確認し、この特典の種別に応じて、前兆モードまたは通常モードへの移行を決定する。このとき、前兆モードへの移行を決定した場合には、識別値を「3」に更新し、通常モードへの移行を決定した場合には、識別値を「0」に更新する。前兆モードでは、前兆モードの種別を秘匿とする演出または前兆モードの種別を遊技者に推測させる演出を実行し、前兆モードで予め定められた所定回数の遊技が行われた場合には、該前兆モードの種別に応じて、ATモード、CZ1モード、CZ2モードまたは通常モードへの移行を決定する。このとき、ATモードへの移行を決定した場合には、識別値を「5」に更新し、CZ1モードへの移行を決定した場合には、識別値を「2」に更新し、CZ2モードへの移行を決定した場合には、識別値を「4」に更新し、通常モードへの移行を決定した場合には、識別値を「0」に更新する。なお、CZ1モードで行われる特典処理については図10を用いて後ほど詳しく説明する。
本実施形態例では、識別値を「2」に更新した場合には、更新フラグAをONにセットし、識別値を「2」から他の識別値に更新した場合には、更新フラグBをONにセットする。なお、更新フラグAのON・OFFにより、CZ1モードへの移行が決定されたか否かを判断し、更新フラグBのON・OFFにより、CZ1モードから他の演出モードへの移行が決定されたか否かを判断している。
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール5〜7の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール5〜7の回転を一斉に開始し(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作を有効化する(S7)。そして、有効化された各ストップボタン10〜12の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
(ステップS200)
次に、演出モードの種別に応じて第2演出モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS9に処理を移す。
図示を省略するが、第2演出モード制御処理(S200)では、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値を確認し、識別値「0」が記憶されている場合には、通常モードの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、識別値「1」が記憶されている場合には、CZ1潜伏モードの情報を含む演出コマンドを送信し、識別値「2」が記憶されている場合には、CZ1モードの情報を含む演出コマンドを送信し、識別値「4」が記憶されている場合には、CZ2モードの情報を含む演出コマンドを送信し、識別値「5」が記憶されている場合には、ATモードの情報を含む演出コマンドを送信する。そして、遊技情報記憶領域140にAT前兆モード、CZ2前兆モード、CZ1前兆モードおよび特殊PT前兆モードの全ての前兆モードに対応付けられた識別値「3」が記憶されている場合には、前兆モード種別決定処理を実行する。この前兆モード種別決定処理の図示を省略するが、前兆モード種別決定処理において、遊技情報記憶領域140にATが1以上記憶(ストック)されている場合には、AT前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信し、遊技情報記憶領域140にCZ2が1以上記憶されているがATが記憶されていない場合には、CZ2前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信し、遊技情報記憶領域140にCZ1が1以上記憶されているがATおよびCZ2が記憶されていない場合には、CZ1前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信し、遊技情報記憶領域140に特殊PT前兆が1以上記憶されているがAT、CZ2およびCZ1が記憶されていない場合には、特殊PT前兆モードの情報を含む演出コマンドを送信する。つまり、識別値が「3」に更新されて演出モードがCZ1モードから前兆モードに移行する際には、特殊PT前兆モードよりもCZ1前兆モードの移行、CZ1前兆モードよりもCZ2前兆モードの移行、CZ2前兆モードよりもAT前兆モードへの移行をそれぞれ優先する。また、第2演出モード制御処理(S200)では、CZ1モードへの移行回数を管理するCZ1移行回数管理処理が行われるが、当該処理については図11を用いて後述する。
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理を行い(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる再遊技設定処理(S11)、遊技状態を通常状態内で移行させる役として機能する再遊技役やRBB役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されたこと等による遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)を行う。
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー9の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール10〜12の回転を開始させ、有効化されたストップボタン5〜7の操作および内部抽選の結果に基づいて各リール10〜12の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に、演出コマンドや特典コマンドに代表される複数種類のコマンドを所定のタイミングで副制御処理部200に送信し、これら複数種類のコマンドに基づいて演出モード移行手段(移行手段)201が演出モードを移行し、演出決定手段202が演出の態様を決定するように構成されている。
次に、CZ1モードで行われる特典処理について図10を用いて以下に説明する。この、特典処理は、遊技の開始の際に行われる第1演出モード制御処理(S100)で行われるものである。なお、本実施形態例では、CZ1モードは2回の遊技で構成され、CZ1モードにおける1回目の遊技(最初の遊技)で特典処理が行われ、CZ1モードにおける2回目の遊技(最後の遊技)で特典処理の結果を示唆する演出が行われる。
(ステップS111,S112)
まず、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数を確認し(S111)、次に、CZ1移行回数に対応した実行回数決定テーブルを選択する(S112)。具体的には、CZ1移行回数が1回〜4回の場合に実行回数決定テーブルA(図6(a))、CZ1移行回数が5回の場合に実行回数決定テーブルB(図6(b))、CZ1移行回数が6回〜9回の場合に実行回数決定テーブルB(図6(c))、CZ1移行回数が10回の場合に実行回数決定テーブルD(図6(d))を選択する。
(ステップS113,S114)
次に、ステップS112で選択した実行回数決定テーブル(図6)を使用(参照)して、特典抽選の実行回数を決める実行回数抽選を行い(S113)、この抽選で決定した実行回数を遊技情報記憶領域140に記憶する(S114)。
(ステップS115)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数と特典抽選の実行回数とに応じて、これから行われる特典抽選で使用する特典抽選テーブルをセットする。
例えば、遊技情報記憶領域140にCZ1移行回数「5」と特典抽選の実行回数「5」とが記憶されている場合には、5回目のCZ1モードで特典抽選を合計で5回行うことになるが、この場合、図8に示すように、1回目の特典抽選で使用するテーブルとして特典抽選テーブルBをセットすると共に、2回目〜5回目の特典抽選で使用するテーブルとして特典抽選テーブルAをセットする。また、例えば、遊技情報記憶領域140にCZ1移行回数「10」と特典抽選の実行回数「10」とが記憶されている場合には、10回目のCZ1モードで特典抽選を合計で10回行うことになるが、この場合、図8に示すように、1回目,2回目の特典抽選で使用するテーブルとして特典抽選テーブルCをセットすると共に、3回目〜10回目の特典抽選で使用するテーブルとして特典抽選テーブルAをセットする。
(ステップS116)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されている特典抽選の実行回数が「0」であるか否か、すなわち、今回の特典処理で実行予定の特典抽選を全て実行し終えたか否かを判断し(S116)、この実行回数が「0」でない場合(S116でNo)、ステップS117に処理を移し、実行回数が「0」の場合(S116でYes)、特典処理を終了させる。
(ステップS117〜S120)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されている特典抽選の実行回数から「1」を減算し(S117)、ステップS115で予めセットした特典抽選テーブルの中から今回の特典抽選で使用する特典抽選テーブルを選択する(S118)。そして、ステップS118で選択した特典抽選テーブルを参照して特典抽選を実行し(S119)、この特典抽選で決定した特典を遊技情報記憶領域140に記憶して(S120)、ステップS121に処理を移す。
例えば、遊技情報記憶領域140にCZ1移行回数「5」と特典抽選の実行回数「5」とが記憶されていることにより、5回目のCZ1モードにおける1回目の特典抽選で使用するテーブルとして特典抽選テーブルB、2回目〜5回目の特典抽選で使用するテーブルとして特典抽選テーブルAがセットされている場合において、今回の特典抽選が1回目の場合には、特殊PT以上の特典の付与が確定する特典抽選テーブルBを1回目の特典抽選で使用するテーブルとして選択し、今回の特典抽選が5回目の場合には、通常PT、特殊PT、CZ1、CZ2およびATのうち何れの特典も付与される可能性のある特典抽選テーブルAを5回目の特典抽選で使用するテーブルとして選択する。
(ステップS121)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントの累計値が「10000」に到達しているか否かを判断する(S121)。このとき、演出ポイントの累計値が「10000」に到達している場合(S121でYes)にはステップS122に処理を移す。一方、演出ポイントの累計値が「10000」に到達していない場合(S121でNo)には、再びステップS116に処理を移し、遊技情報記憶領域140に記憶されている特典抽選の実行回数が「0」となるまでステップS116〜S122の処理を繰り返し実行する。つまり、CZ1モードで行われる特典処理では、実行回数抽選で決定した実行回数の分だけ特典抽選を実行する。
(ステップS122)
次に、演出ポイントの累計値が「10000」に到達した場合には、遊技情報記憶領域140から演出ポイント「10000」を抽出(減算)すると共に、この抽出に基づいて遊技情報記憶領域140に1つのCZ1を記憶(加算)する。かかる後に、再びステップS116に処理を移し、ステップS116〜S122の処理を繰り返し実行する。
なお、本実施形態例では、特典抽選を実行する前に、今回の特典抽選で使用する特典抽選テーブルを予めセットする構成になっているが(S115)、この構成に限られず、特典抽選を実行する毎に、該特典抽選で使用する特典抽選テーブルをセットする構成であっても良い。
次に、CZ1モードへの移行回数を管理するCZ1移行回数管理処理(S210)について図11を用いて説明する。なお、先述のように、CZ1移行回数管理処理は、遊技の終了の際に行われる第2演出モード制御処理(S200)で行われる処理である。
(ステップS211,S215)
まず、第2演出モード制御処理においてCZ1モードへの移行が決定されたか否か、すなわち、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値が「2」に更新されたことを示す先述の更新フラグAがONにセットされているか否かを判断し(S211)、CZ1モードへの移行が決定された場合(S211でYes)には、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数に「1」を加算し(S215)CZ1移行回数管理処理を終了させる。一方、CZ1モードへの移行が決定されていない場合(S211でNo)には、ステップS212に処理を移す。なお、図示を省略するが、CZ1モードへの移行が決定されて(S211でYes)、ステップS215でCZ1移行回数に「1」を加算する処理が行われると、更新フラグAをOFFにする。
(ステップS212)
次に、第2演出モード制御処理においてCZ1モードから他の演出モードへの移行が決定されたか否か、すなわち、遊技情報記憶領域140に記憶されている識別値が「2」から他の識別値に更新されたことを示す先述の更新フラグBがONにセットされているか否かを判断し(S212)、CZ1モードから他の演出モードへの移行が決定された場合(S212でYes)には、ステップS213に処理を移し、CZ1モードから他の演出モードへの移行が決定されていない場合(S212でNo)には、CZ1移行回数管理処理を終了させる。
(ステップS213,S214)
次に、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数が「10」であるか否かを判断し(S213)、CZ1移行回数が「10」でない場合には(S213でNo)、CZ1移行回数管理処理を終了させる。一方、CZ1移行回数が「10」である場合(S213でYes)、すなわち、10回目のCZ1モードが終了して演出モードがCZ1モードから他の演出モードに移行した場合には、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数をクリアして(S214)、CZ1移行回数管理処理を終了させる。なお、図示を省略するが、CZ1モードから他の演出モードへの移行が決定されて(S212でYes)、ステップS213およびS214の処理が終了すると、更新フラグBをOFFにする。
以上のように、本実施形態例では、CZ1モード(特殊状態)を含む複数種類の演出モード(状態)が設けられ、CZ1モードへの移行回数に応じて実行回数決定テーブル(図6)を複数の中から1つ決定し、この決定したテーブルを参照して、CZ1モードで行われる特典抽選の実行回数を決定するように構成されている。これにより、CZ1モードへの移行回数に応じて特典抽選の実行回数を変動させることが可能となり、CZ1モードの遊技性を向上させることができる。
本実施形態例では、遊技利益の異なる複数種類の特典(AT,CZ1,CZ2,通常PT,特殊PT)が設けられ、1回の特典抽選で何れか1つの特典を必ず付与するように構成されているため、特典抽選は遊技者の遊技意欲を向上させることができる。そして、本実施形態例では、1回の特典抽選で必ず1つの特典を付与するように構成されているのみならず、特典抽選の実行回数を1回、5回、10回の中から実行回数抽選で決定するように構成されているため、CZ1モードにおける特典処理で必ず特典を付与することができる。これにより、CZ1抽選の当選でCZ1モードに移行したにも拘わらず、特典が付与されずに遊技者の遊技意欲が低下することを防止することができる。
さらに、CZ1移行回数が「1回〜4回」や「6回〜9回」のCZ1モードでは、特典抽選の実行回数が「1回」となる可能性が高く、特典抽選の実行回数が複数回(5回、10回)となる可能性が低い。これに対し、CZ1移行回数が「5回」のCZ1モード(5回目のCZ1モード)では、特典抽選の実行回数が複数回(5回、10回)となる可能性が高くなり、CZ1移行回数が「10回」のCZ1モード(10回目のCZ1モード)では、必ず、特典抽選の実行回数が複数回(5回、10回)となる。このように、本実施形態例では、CZ1移行回数が5回(所定回数)に到達したことに基づいて、特典抽選の実行回数が複数回となる確率を高確率に変動させ、CZ1移行回数が10回(特定回数)に到達したことに基づいて、特典抽選の実行回数が必ず複数回となるように、CZ1移行回数に応じて付与する特典の数を変動可能に構成しているため、CZ1移行回数に遊技者の興味を強く惹きつけることができる。
特に、本実施形態例では、1回の特典抽選につき1個の特典を必ず付与するように特典抽選を実行するため、5回目のCZ1モードにおける特典抽選の実行回数が複数回となる確率を高確率に変動させることにより、5回目のCZ1モードでは複数の特典を付与する確率を高確率に変動させ、10回目のCZ1モードにおける特典抽選の実行回数を必ず複数回とすることにより、10回目のCZ1モードでは複数の特典を必ず付与するようにして、5回目と10回目のCZ1モードの遊技性を向上させることができる。
なお、本実施形態例では、CZ1モードへの移行回数が「5回」や「10回」の場合に、特典抽選の実行回数が複数回となる確率を高確率とすることにより、複数個の特典を付与する確率を高確率とする構成になっているが、この構成に限られず、単に、CZ1モード(特殊状態)への移行回数が5回(所定回数)に到達するまでは、CZ1モードで複数の特典を付与する確率を低確率(以下、第1の確率と言う。)とし、CZ1モードへの移行回数が5回に到達すると、複数の特典を付与する確率を第1の確率よりも高確率(以下、第2の確率と言う。)に変動させ、CZ1モードへの移行回数が10回(特定回数)に到達した場合には、複数の特典を付与する確率を第2の確率よりも高確率(例えば100%)に変動させる構成としても良い。
本実施形態例では、5回目のCZ1モードでは、特殊PT以上の特典の付与が確定する特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行し、10回目のCZ1モードでは、CZ1以上の特典の付与が確定する特典抽選テーブルCを参照して特典抽選を実行する構成になっているため、5回目および10回目のCZ1モードで遊技利益の高い特典を付与して遊技意欲を向上させることができる。
なお、本実施形態例では、5回目のCZ1モードでは、特殊PT以上の特典の付与が確定し、10回目のCZ1モードでは、特殊PTよりも遊技利益の高いCZ1以上の特典の付与が確定する構成になっているが、この構成に限られず、10回目のCZ1モードでは、5回目のCZ1モードで付与される特典よりも遊技利益の低い特典を付与しないように、付与する特典の種別を決定する構成、すなわち、CZ1モード(特殊状態)への移行回数が10回(特定回数)に到達した場合には、CZ1モードへの移行回数が5回(所定回数)に到達したことによって付与可能とする特典よりも遊技利益の低い(不利)な特典を付与しないように、特典を付与可能とする構成であっても良い。
なお、本実施形態例において、スロットマシンSに演出用の操作部を設け、この操作部を操作することにより、遊技情報記憶領域140に記憶されているCZ1移行回数をサブモニタ16に表示するように構成しても良い。これにより、遊技者は、現在のCZ1移行回数を把握して遊技を行うことが可能になり、CZ1移行回数が5回や10回に近い回数である場合には、スロットマシンSの前に配置された座席に着席して遊技を行う動機付けとなり、遊技の促進を図ることができる。
本実施形態例では、5回目のCZ1モードで特典抽選の実行回数が1回となる場合もあるが(図6(b))、この1回目の特典抽選では、特殊PT以上の特典の付与が確定する特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行するように構成されている。仮に、5回目のCZ1モードにおいて、例えば3回目の特典抽選で特典抽選テーブルBを参照することにより特典抽選を実行するように構成されているとすると、5回目のCZ1モードで特典抽選の実行回数が1回に決定された場合には、特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行する機会が失われて、特殊PT以上の特典を付与することができない場合がある。そこで、本実施形態例では、5回目のCZ1モードにおける1回目の特典抽選で必ず特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行することにより、5回目のCZ1モードにおいて、特殊PT以上の特典を確実に付与することができる。なお、本実施形態例において、5回目のCZ1モードの場合に、1回目以外の特典抽選で特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行するように構成されていたとしても、1回目〜4回目や6回目〜9回目のCZ1モードよりも5回目のCZ1モードを遊技者に有利なCZ1モードに成すことが可能であることは言うまでもない。
また、本実施形態例において、5回目のCZ1モードの場合に、何回目の特典抽選で特典抽選テーブルBを参照するかを抽選(以下、特別抽選と言う。)により決定する構成であっても良い。より詳細に説明すると、5回目のCZ1モードでは、図6(b)に示す実行回数決定テーブルBを参照して特典抽選の実行回数を決定した後に(S113)、特別抽選を実行し、この特別抽選に従って特典抽選を実行する。例えば、5回目のCZ1モードにおいて、特典抽選の実行回数を「5回」に決定し、5回目の特典抽選で特典抽選テーブルBを参照することを特別抽選で決定した場合には、1回目〜4回目の特典抽選では、特典抽選テーブルAを参照して特典抽選を実行し、5回目の特典抽選では、特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行する。このように構成した場合に、例えば、特典抽選の実行回数を「1回」に決定し、3回目の特典抽選で特典抽選テーブルBを参照することを決定した場合には、特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行する機会を失うが、このように構成したとしても、先述したように、1回目〜4回目や6回目〜9回目のCZ1モードよりも5回目のCZ1モードを遊技者に有利なCZ1モードに成すことが可能である。なお、上記のように構成した場合に、5回目のCZ1モードにおいて有利な特典抽選テーブルBを参照する機会が失われないようにするために、まず、5回目のCZ1モードにおける特典抽選の回数を決定し、次に、この特典抽選の回数内で特典抽選テーブルBを必ず参照するように、何回目の特典抽選で特典抽選テーブルBを参照するかを決定するように構成しても良い。
なお、本実施形態例では、5回目のCZ1モードの場合に、特典抽選テーブルBを1度だけ参照して特典抽選を行い、10回目のCZ1モードの場合に、特典抽選テーブルCを2度参照して特典抽選を行う構成になっているが、この構成に限られず、5回目のCZ1モードの場合に、特典抽選テーブルAを参照して特典抽選を実行する確率を70%、特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行する確率を20%、特典抽選テーブルCを参照して特典抽選を実行する確率を10%とし、10回目のCZ1モードの場合に、特典抽選テーブルAを参照して特典抽選を実行する確率を20%、特典抽選テーブルBを参照して特典抽選を実行する確率を50%、特典抽選テーブルCを参照して特典抽選を実行する確率を30%、とする構成であっても良い。このように構成したとしても、CZ1モードへの移行回数が5回(所定回数)に到達した場合よりも、10回(特定回数)に到達した場合の方が、遊技利益の高い特典を付与することができる。つまり、CZ1モードの移行回数に応じて、CZ1モードで行われる特典抽選の実行回数を変動可能とすると共に、特典抽選で参照する特典抽選テーブルを変更可能とすることにより、遊技利益の高い特典の付与率(恩恵の獲得確率)と、付与する特典の数(恩恵の内容)とを調整することが可能となる。
また、本実施形態例では、CZ1移行回数が「10回」に到達すると、CZ1移行回数をクリアする(CZ1移行回数を初期値である「0回」にセットする)構成になっているため、CZ1移行回数が「10回」を超えてもなお遊技者に有利なCZ1モードが連続してしまい、過度に特典が付与されることを防止することができる。
なお、本実施形態例において、例えば、CZ1移行回数が「10回」に到達したことや、CZ1移行回数が「10回」に到達し、かつ、該CZ1モードで特定条件が成立したこと(内部抽選で特定役に当選したことや、内部抽選で特定役に1度も当選しなかったこと等)に基づいて、CZ1移行回数を「0回」〜「10回」の中から抽選により決定する構成であっても良い。このようにすると、10回目のCZ1モードの終了後に再び10回目のCZ1モードに滞在可能となり、遊技者に有利なCZ1モードに連続して滞在させることができる。これにより、遊技の趣向性を高めることができる。
また、本実施形態例では、1回の特典抽選で1個の特典を付与するように特典抽選を実行する構成になっているが、この構成に限られず、1回の特典抽選で複数個の特典を付与する構成であっても良い。なお、本実施形態例では、5回目のCZ1モードよりも10回目のCZ1モードの方が特典抽選の実行回数が少なくならないように、図6に示す実行回数決定テーブルを参照して特典抽選の実行回数を決定し、かつ、1回の特典抽選で1個の特典を付与するように特典抽選を実行することにより、5回目のCZ1モードで付与される特典の数よりも10回目のCZ1モードで付与される特典の数が少なくならないように、付与する特典の数を調整している。このため、上記のように、1回の特典抽選で複数個の特典を付与可能な構成とすると、10回目のCZ1モードで付与される特典の数よりも5回目のCZ1モードで付与される特典の数が多くなる場合がある。そこで、当該変形例において、10回目のCZ1モードに限り、特典抽選回数決定手段124は、特典抽選の実行回数を決定しないようにすると共に、特典抽選手段125は、5回目のCZ1モードで付与した特典の数よりも多くの特典を付与するまで特典抽選を実行するように構成しても良い。これにより、5回目のCZ1モードで付与される特典の数よりも10回目のCZ1モードで付与される特典の数が少なくならないように、付与する特典の数を調整することができる。
また、本実施形態例では、複数種類の演出モードに互いに異なる識別値「0〜5」がそれぞれ対応付けられており、CZ1モードで前兆モードへの移行を伴う前兆有特典(AT、CZ2、CZ1、特殊PT前兆)が付与された場合には、前兆モードへの移行を決定し、前兆モードへの移行の決定により識別値を「3」に更新し、識別値を「3」に更新したことに基づいて演出モードを前兆モードに移行させる。このとき、遊技情報記憶領域140に異なる種類の前兆有特典が記憶されている場合には、AT前兆モードへの移行をCZ2前兆モードへの移行より優先し、CZ2前兆モードへの移行をCZ1前兆モードへの移行より優先し、CZ1前兆モードへの移行を特殊PT前兆モードへの移行より優先させる構成になっている。すなわち、特定状態(前兆モード)を含む複数種類の演出状態に互いに異なる識別値がそれぞれ対応付けられ、所定条件の成立に基づいて特定状態への移行を決定する決定手段と、特定状態への移行の決定により識別値を特定識別値(3)に更新する更新手段と、識別値が特定識別値に更新されたことに基づいて演出状態を特定状態に移行させる移行手段と、を備え、特定状態に複数種類の特定状態(AT前兆モード、CZ2前兆モード、CZ1前兆モード、特殊PT前兆モード)が含まれており、移行手段は、特定状態への移行が決定されたことに基づいて識別値が特定識別値に更新されたときに、複数種類の特定状態のうち一の特定状態(例えばAT前兆モード)と他の特定状態(例えばCZ2前兆モード)との移行が重複している場合には、他の特定状態よりも一の特定状態を優先させて、一の特定状態に移行させる構成になっている。このように、識別値が「3」に更新された場合には、予め定められた優先順位に従って演出モードを所定の前兆モードに移行させる構成になっているため、AT前兆モード、CZ2前兆モード、CZ1前兆モード、特殊PT前兆モードの全ての前兆モードに同一の識別値「3」を対応付けたとしても、演出モードの移行を制御(管理)することができる。
仮に、AT前兆モード、CZ2前兆モード、CZ1前兆モード、特殊PT前兆モードのそれぞれに異なる識別値を対応付けたとすると、前兆モードの種別ごとに前兆モードで行われる処理や遊技の進行を管理するための個別のプログラムが必要となり、主制御処理部100のメインROM等の容量を圧迫してしまうことになる。本実施形態例では、種別の異なる前兆モードを1つの識別値で管理することにより、前兆モードの種別ごとに個別のプログラムが不要となりプログラムの圧縮を実現することができる。
なお、本実施形態例では、前兆モード(特定状態)が複数種類設けられ、前兆モードへの移行の決定により識別値を「3」(特定識別値)に更新したときに、複数種類の前兆モードのうち一の前兆モード(例えばAT前兆モード)と他の前兆モード(例えばCZ2前兆モード)との移行が重複している場合には、他の前兆モードよりも一の前兆モードを優先させて、一の前兆モードに移行させるように構成されているが、これに限られず、前兆モード以外の演出モード(例えばCZ2モード)を複数種類設け、これら複数種類の演出モードの全てに同一の特定識別値を対応付けて、識別値が特定識別値に更新された場合には、予め定められた優先順位に従って演出モードを移行させるような構成であっても良い。
また、本実施形態例では、CZ1モードにおける特典処理において、演出ポイントの累計値が「10000」に到達したことによりCZ1モードへの移行の権利を付与する構成になっているが(S122)、CZ1モードへの移行の権利は、一旦、CZ1として遊技情報記憶領域140に記憶され、遊技情報記憶領域140にATモードへの移行の権利(AT)およびCZ2モードへの移行の権利(CZ2)の双方が記憶されていないことを前提に、遊技情報記憶領域140に記憶(ストック)されているCZ1を抽出し、抽出したCZ1に基づいて演出モードをCZ1モードへ移行させるように構成されている。つまり、本実施形態例では、演出ポイント「10000」の到達によるCZ1モードへの移行の権利とATモードへの移行の権利とが略同期して付与されたとしても、CZ1モードへの移行の権利を破棄することなく、CZ1モードへの移行の権利をストックし、所定のタイミングで当該権利を抽出して、演出モードをCZ1モードへ移行させて特典処理を実行するように構成されているため、遊技者に不利益が被ることを防止することができる。
なお、本実施形態例において、ATモードへの移行を確定させる確定役を設け、この確定役の当選で即座にATを付与する構成としたとすると、確定役の当選によるAT付与と演出ポイント「10000」の到達によるCZ1の付与とが同時に行われる可能性があるが、本実施形態例では、ATおよびCZ1の双方をストックし、まず、ATを抽出して演出モードを移行させ、かかる後に、ストックされているCZ1を抽出してCZ1モードへの移行を実現させるため、AT付与とCZ1付与とが同時に行われたとしても、CZ1がAT付与により消滅するような遊技者に不測の不利益をもたらさないようにすることができる。
続いて、本発明の第2実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第1実施形態例では、演出ポイントの累計値が「10000」に到達したことによりCZ1モードへの移行を実現する構成になっているが、第2実施形態例では、演出ポイントの累計値が「10000」に到達したことによりATモードへの移行を実現するように構成されている。また、第1実施形態例では、CZ1モードにおける特典処理において、ATモードへの移行の権利を付与することによりATモードへの移行を決定し、また、CZ2モードで行われるAT抽選の当選によりATモードへの移行を決定するように構成されているが、第2実施形態例では、CZ1モードにおける特典処理において、ATモードへの移行の権利を付与する替わりに演出ポイント「10000」を付与し、この演出ポイント「10000」の付与に基づいてATモードへの移行を決定するように構成され、同様に、CZ2モードで行われるAT抽選の当選により演出ポイント「10000」を付与し、この演出ポイント「10000」の付与に基づいてATモードへの移行を決定するように構成されている。以下に、第1実施形態例と相違する部分について説明をし、同じ部分については説明を省略する。
第2実施形態例に係る特典処理手段120は、遊技情報記憶領域140に累積的に記憶されている演出ポイントを前兆モードで更新可能に制御する更新手段(図示省略)と、前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントに応じて追加的に特典を付与する追加特典付与手段(図示省略)と、をさらに備えて構成されている。
更新手段は、前兆モードで所定条件が成立したこと(例えば内部抽選で特定の結果となったことやリールの停止態様が特定の停止態様となったこと等)に基づいて、演出ポイントを付与可能とする。例えば、更新手段は、前兆モードで所定条件が成立したことに基づいて、80%の確率で演出ポイント「100」の付与を、15%の確率で演出ポイント「200」の付与を、5%の確率で演出ポイントを付与しないことを、それぞれ決定することにより、前兆モードで演出ポイントの更新を可能としている。
なお、第2実施形態例において、所定条件の成立に基づいて必ず演出ポイントを付与するように構成しても良いし、所定条件と異なる特定条件の成立に基づいて演出ポイントを減算させるように構成しても良い。ただし、特定条件の成立に基づいて演出ポイントを減算させる場合には、遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントの累計値が「10000」よりも小さな値にならないように、すなわち、ATモードへの移行条件が満たされた後に、ATモードへの移行条件が解除されないように構成すると好適である。
また、第2実施形態例では、前兆モード等で演出ポイントを付与する構成になっているが、この構成に限られず、例えば通常モードで所定回数(例えば999回)の遊技が行われたことに基づいて演出ポイントを付与しても良いし、例えば、レア役の連続不当選回数やCZ1抽選の連続不当選回数が所定回数(例えば200回や10回)に到達したことに基づいて演出ポイントを付与しても良いし、また、例えば、RBBの不当選により遊技状態が通常状態に滞在し続けた場合に、この滞在期間に応じて演出ポイントを付与しても良い。
追加特典付与手段は、前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントが「10500〜11000」の場合に、ATモードで実行可能なAT遊技の回数を「20」付与し、演出ポイントが「11001〜11500」の場合に、ATモードで実行可能なAT遊技の回数を「50」付与し、演出ポイントが「11501」以上の場合に、ATモードで実行可能なAT遊技の回数を「100」付与することにより、追加的に特典を付与可能とする。
なお、第2実施形態例において、ATモードを、AT遊技の回数を通常の確率で加算可能とする通常ATモードと、AT遊技の回数を通常ATモードよりも高確率で加算可能とする特化ATモードと、に分別し、非ATモードにおける前兆モードの終了時に遊技情報記憶領域140に記憶されている演出ポイントに応じて、追加特典として、特化ATモードへの移行の権利を付与可能とする構成であっても良い。
このように、第2実施形態例では、前兆モードで所定条件が成立したことに基づいて演出ポイントを付与可能に構成され、この前兆モードの終了時に演出ポイントがATモードへの移行条件である「10000」を超えて「10500」以上に更新されている場合には、ATモードへの移行の権利を付与するのみならず、追加特典を付与する構成になっているため、前兆モードにおける遊技性を向上させることができる。
特に、第2実施形態例では、ATモードへの移行を演出ポイントで管理する構成、すなわち、ATモードへの移行に関する演出ポイントの初期値(第2実施形態例では「10000」)を設定する初期値設定抽選(第2実施形態例ではCZ1モードにおける特典抽選とCZ2モードにおけるAT抽選)を実行する設定手段(特典抽選手段125、AT抽選手段127)を備えている構成となっているため、CZ1モードにおける特典処理でATを付与し、CZ2モードにおけるAT抽選でATを付与するように、CZ1モードとCZ2モードとで個別の処理を行う必要がない。つまり、ATモードへの移行を演出ポイントで一元管理することができるため、主制御処理部100の処理負担を軽減することができる。
また、第2実施形態例では、ATモードへの移行を演出ポイントで管理するのみならず、前兆モードにおける追加的な特典付与の管理をも演出ポイントで管理する構成になっているため、追加特典の管理を演出ポイント以外の方法で管理する場合よりも、主制御処理部100の処理負担を軽減することができる。
なお、第2実施形態例では、CZ1モードで演出ポイント「10000」を付与したことに基づいて、演出モードをATモードへの移行の前提となる前兆モード(AT前兆モード)に移行させ、このAT前兆モードで演出ポイントを更新可能(付与可能)とし、AT前兆モード終了時の演出ポイントの累計値に応じて追加特典を付与する構成、すなわち、CZ1モードにおける演出ポイント「10000」の付与に基づいてCZ1モードの終了後にAT前兆モードへ移行させる構成になっているが、この構成に限られず、CZ1モードでATモードへの移行条件である演出ポイント「10000」が付与されたか否かに拘わらず、CZ1モードの終了後に前兆モードへ移行させ、前兆モードの終了時に演出ポイントの累計値が「10000」に到達しているか否かを判断し、演出ポイントの累計値が「10000」に到達している場合に、ATモードへの移行を決定すると共に、追加特典を付与するか否かを決定し、追加特典の付与を決定した場合に、追加特典を付与し、かかる後に前兆モードを終了させて演出モードをATモードへ移行させる構成であっても良い。つまり、当該変形例では、演出ポイント「10000」を付与する第1タイミングと、演出ポイントがATモードへの移行条件を満たしているか否かを判断する第2タイミングとを互いに異なるタイミングにして、第1タイミングから第2タイミングまでの期間(前兆モード)において、演出ポイントを更新可能に構成している。このように構成した場合、前兆モードの終了時に追加特典の付与を演出装置で報知しても良いし、前兆モード終了後のATモードで追加特典の付与を報知しても良い。
なお、第1,第2実施形態例では、非ATモード内で遷移可能な演出モードとして、CZ1モードやCZ2モード等を設ける構成としたが、この構成に限られず、CZ1モードやCZ2モード等をATモード内で遷移可能な演出モードとしても良い。具体的には、ATモードを、通常ATモード、CZ1潜伏モード、CZ1モード、前兆モード、CZ2モードの5種類に分け、第1,第2実施形態例と同様に、通常ATモードでCZ1モードへの移行の可否をCZ1抽選で決定し、CZ1抽選の当選に基づいてCZ1モードに移行させ、CZ1モードで、特典として、ATモードで実行可能な遊技(AT遊技)、CZ1、CZ2、演出ポイントの中から何れかの特典を付与し、CZ1モードでCZ2を付与したことに基づいてCZ2モードに移行させ、CZ2モードでAT遊技の付与の可否を決定する上乗せ抽選を実行するようにする。このようにすると、ATモードにおける演出モードの遷移を多様化させて、ATモードにおける遊技性を向上させることができる。