以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るスロットマシンSは、筐体1、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3を主として備えている。
上扉2には、光演出を実行するランプ4、音演出を実行する一対のスピーカ5、画像演出を実行するサブモニタ6、クレジットされたメダル(遊技媒体)の枚数を表示するクレジット表示器7、遊技者に払い出されるメダル枚数を表示する払出枚数表示器8、スロットマシンSに投入(ベット)されたメダル枚数を表示するベットランプ9a〜c、後述のストップボタン16〜18の操作順序に係る情報を表示するメインモニタ10が設けられている。
下扉3には、メダルをスロットマシンSに投入するためのメダル投入口11、クレジットされたメダルをスロットマシンSに投入するためのMAXベットボタン12および1枚ベットボタン13、スロットマシンSに投入されたメダルおよびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタン14、後述の各リール34〜36を回転させるためのスタートレバー15、各リール34〜36の回転をそれぞれ停止させるための左ストップボタン16,中ストップボタン17,右ストップボタン18、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出口19、メダル払出口19から払出されたメダルを収容する受皿20が設けられている。
スロットマシンSは、筐体1の内部に、ホッパーユニット21(図3参照)、リールユニット30、電源ユニット(図示省略)等を備えている。
ホッパーユニット21は、スロットマシンSに投入されたメダルを貯留する貯留タンク(図示省略)、この貯留タンクに貯留されたメダルをメダル払出口19より払い出すためのホッパー駆動モータ(図示省略)を有している。
リールユニット30は、左リール34、中リール35および右リール36を有しており、各リール34〜36は、図示せぬステッピングモータの駆動によりそれぞれ回転する。
図2に示すように、左リール34の外周面に左図柄列34a、中リール35の外周面に中図柄列35a、右リール36の外周面に右図柄列36aがそれぞれ付されており、各図柄列34a〜36aは均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されている。図柄列の各領域に1個の図柄が配置され、各図柄に図柄番号0〜19がそれぞれ対応付けられている。
各図柄列34a〜36aは、上扉2が閉鎖状態にあるときに、上扉2の下部中央に透明材料で形成された表示窓50を通して視認可能になる。各リール34〜36が停止した状態では、各図柄列を構成する20個の図柄のうち連続する3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示窓50に表示されて、3行3列に配置された合計9個の図柄を目視できる。
表示窓50には、各リール34〜36の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段、中段および下段の停止位置が設けられており、各リールの停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、図1に示すように、有効ラインLは左リール34の中段、中リール35の上段、右リール36の中段の各停止位置の組み合わせからなる。
各図柄列34a〜36aには、赤7、黒7、リプレイ、ベル、チェリー、星1、星2、スイカ、BAR1およびBAR2の合計10種類の図柄が配置されており、これら図柄の組合せが予め対応付けられた役が設けられている。
役は、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役(REP1〜REP16)、所定枚数のメダルを遊技者に払い出し可能な小役(NML1〜NML23)、後述のCB作動への移行契機となるCB役に大別される。
遊技状態は、小役の当選確率が通常の通常状態、内部抽選の結果に拘わらず小役(NML1〜NML23)の全てが当選している状態のCB作動に大別され、各遊技状態は、再遊技役の当選確率に応じて非RT、RT1、RT2およびRT3に分別される。再遊技役の当選確率は、非RT、RT1およびRT2で約1/7.3、RT3で約1/2に設定される。
演出モードは、通常の遊技が行われる非ARTモード、通常の遊技よりも遊技者に有利なART遊技が行われるARTモードに大別され、ARTモードは、通常ARTモード、ART特化モード、特別ARTモードに分別される。ART遊技とは、ストップボタンの操作順序をメインモニタ10およびサブモニタ6に表示してメダルの獲得を容易とさせるAT遊技と、内部抽選で再遊技役が高確率で当選するRT遊技とを兼ねた遊技のことをいう。
ART特化モードは、全ての演出モードの中で遊技者に最も有利な演出モードであって、ART遊技の回数を大幅に増加させることが可能な演出モードである。ART特化モードでは、ART遊技の回数を加算すること(以下、ART遊技の上乗せと言う。)に特化した遊技(以下、「ST遊技」または「ST」と言う。)が行われる。
電源ユニットは、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キー(図示省略)および設定変更ボタン(図示省略)を有している。
本実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定キーや設定変更ボタン等を操作することにより設定値1〜6の間で設定値を変更可能になっている。
次に、図3を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口11から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ11a、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、精算ボタン14、スタートレバー15、各ストップボタン16〜18、その他の装置が接続されている。メインCPUは、これら各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ4、一対のスピーカ5、サブモニタ6等の演出装置を制御する。サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入によりスタートレバー15の操作(遊技開始操作)を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー15の操作に基づいて役の対応付けられた当選エリアを複数種類の中から一つ内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役の当選フラグを成立させる当選フラグ制御手段103、各リール34〜36の回転および停止を制御するリール制御手段110、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されて入賞した場合に、当該小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出すメダル払出手段105、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、主制御処理部100の作動状態である遊技状態を制御する遊技状態制御手段107、メインモニタ10の表示を制御するメインモニタ制御手段108、副制御処理部200の作動状態である演出モードを制御する演出モード制御手段120、が構築されている。
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて、演出モードを複数種類の演出モードの間で移行させる演出モード移行手段201、演出装置(ランプ4、一対のスピーカ5、サブモニタ6)で演出を実行する演出実行手段202が構築されている。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
スタートレバー有効化手段101は、通常状態において3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させ、CB作動において2枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー15の操作を有効化させる。
内部抽選手段102は、スタートレバー15の遊技開始操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。なお、役の対応付けられた当選エリアについては詳しく後述する。
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役の当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
また、当選フラグ制御手段103は、遊技状態がCB作動に滞在している場合には、内部抽選の結果に拘わらず、遊技の開始時に小役の当選フラグを全てONにセットし、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
リール制御手段110は、遊技開始操作に基づいて各リール34〜36の回転を開始させる回転開始手段111、各リール34〜36が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リールが定常回転に到達すると回転速度を維持する回転速度制御手段112、各リールの回転速度が定常回転に到達すると、全てのストップボタン16〜18の操作を有効化させるストップボタン有効化手段113、有効化されたストップボタン16〜18の操作態様に応じて対応するリールの回転を停止させる回転停止手段114、遊技の進行を一時的に中断するフリーズとして回胴演出を実行する回胴演出制御手段115を有している。
回転停止手段114は、各ストップボタン16〜18の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。なお、各リールの定速回転数は約80回/分であるため、定速回転数の下で各リールが一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/20図柄=37.5msとなる。このため、リールは対応するストップボタンの押下タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/37.5ms)−1図柄≒4図柄)。
また、回転停止手段114は、当選フラグの成立状態に応じて、メダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する枚数優先制御、図柄組合せの個数が最も多くなる役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する個数優先制御、CB作動で再遊技役よりも小役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを制御する役付け優先制御、により最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を有効ラインLに表示するように引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
回胴演出制御手段(可動体制御手段)115は、ART遊技の回数を加算することに特化したART特化モードにおいて、所定条件の成立に基づいて回胴演出を実行するようにリール(可動体)を制御する。なお、本実施形態例では、2種類の回胴演出(通常回胴演出,特別回胴演出)が設けられ、詳細は後述するが、各回胴演出はART特化モードで加算されるART遊技の回数(以下、単に「上乗せ数」と言う。)等に応じて実行されるように構成されている。
遊技状態制御手段107は、通常状態およびCB作動の間で遊技状態の移行を制御する(図8)。以下に、役、当選エリア、遊技状態の遷移について図2、図4〜図8を用いて説明する。
CB作動への移行契機となるCB役は、当選エリア「CB」(以下、単にCBと言う。)に対応付けられている。CBは、通常状態およびCB作動で内部抽選の対象となっている(図7)。
CB役には、ストップボタンの押下から4コマの範囲内で各リール34〜36の停止制御が行われる通常状態において、ストップボタンの操作態様に拘わらず有効ラインLに表示可能な「リプレイ図柄」−「スイカ図柄」−「ベル図柄」の図柄組合せが対応付けられている(図2,図4)。
図8に示すように、例えば、通常状態のRT3でCBに当選すると共に、CBの図柄組合せが有効ラインLに表示されると、遊技状態をCB作動のRT3に移行させる。CB作動では、内部抽選の結果に拘わらず小役の当選フラグを全て成立させると共に、再遊技役よりも小役を優先させる役付け優先制御によりリールを停止させる。そして、CB作動で1回の遊技(1ゲーム)が行われると遊技状態を通常状態のRT3に移行させる。なお、通常状態のRT3以外の通常状態でCBに当選した場合も、通常状態のRT3でCBに当選した場合の遊技状態の遷移と同様であるため、その説明を省略する。
再遊技役は、遊技状態の維持機能を有する再遊技役(REP1等)、ART特化モードにおいてART遊技の上乗せ機能を有する再遊技役(REP7〜9等)、通常状態のRT1(以下、単に「通常RT1」と言う。)への移行機能を有する再遊技役(REP10)、通常状態のRT2(以下、単に「通常RT2」と言う。)への移行機能を有する再遊技役(REP11)、通常状態のRT3(以下、単に「通常RT3」と言う。)への移行機能を有する再遊技役(REP12〜16)に大別される。
REP11は、通常RT2への移行機能を有しており、当選エリア「RT2リプ1」〜「RT2リプ6」(以下、単に「RT2リプ」と言う。)に対応付けられている(図6)。RT2リプは、通常RT1で内部抽選の対象となっており、RT2リプにはREP11の他にも遊技状態の維持機能を有するREP1やREP2等が重複して対応付けられている。
例えば、当選エリア「RT2リプ1」(以下、単に「RT2リプ1」と言う。)にREP1,2,11が対応付けられている。図6および図8に示すように、通常RT1でRT2リプ1に当選した場合において、打順1でストップボタンが操作された場合にREP11に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT2へ移行させ(図8のB)、打順2〜6でストップボタンが操作された場合にREP1またはREP2に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT1で維持する。
REP12〜16は、通常RT3への移行機能を有しており、当選エリア「RT3リプ1」〜「RT3リプ6」(以下、単に「RT3リプ」と言う。)に対応付けられている。RT3リプは通常RT2で内部抽選の対象となっており、RT3リプには、REP12〜16の他にも、遊技状態の維持機能を有するREP1やREP2や通常RT1への移行機能を有するREP10が重複して対応付けられている。
例えば、当選エリア「RT3リプ1」(以下、単に「RT3リプ1」と言う。)に、遊技状態の維持機能を有するREP1、通常RT1への移行機能を有するREP10、通常RT3への移行機能を有するREP12が対応付けられている。図6,図8に示すように、通常RT2でRT3リプ1に当選した場合において、打順1でストップボタンが操作された場合にREP12に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT3へ移行させ(図8のC)、打順2でストップボタンが操作された場合にREP1に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT2で維持し、打順3〜6でストップボタンが操作された場合にREP10に対応する図柄組合せを有効ラインLに表示して遊技状態を通常RT1へ移行させる(図8のD)。
本実施形態例では、再遊技役の当選確率は、通常状態の非RT、通常RT1および通常RT2で約1/7.3に設定され、通常RT3で約1/2に設定されている。そして、演出モードがARTモードに滞在している場合には、通常状態内における再遊技役の当選確率が約1/2となるように、ストップボタンの打順に係る打順演出をサブモニタ6等で実行し、演出モードが非ARTモードに滞在している場合には、サブモニタ6等で打順演出を実行しないように制御する。このため、通常RT1でARTモードに滞在している場合において、RT2リプに当選した場合には遊技状態を通常RT2に移行させる打順の演出をサブモニタ6等で実行し、同様に、通常RT2でARTモードに滞在している場合において、RT3リプに当選した場合には遊技状態を通常RT3に移行させる打順の演出をサブモニタ6等で実行する。これら打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、ARTモードでは、遊技状態を通常RT3で維持または通常RT3に移行させることができる。
小役であるNML1〜23は、入賞によりメダルを払い出す役として機能し、当選エリア「左ベル1」〜「強チェリー2」に対応付けられている。
図7に示すように、小役の対応付けられた当選エリア「左ベル1」〜「強ベル」(以下、単に「ベル」と言う。)、当選エリア「スイカ」(以下、単に「スイカ」と言う。)、当選エリア「弱チェリー」〜「強チェリー2」(以下、単に「チェリー」と言う。)の各当選エリアは、全ての遊技状態において内部抽選の対象となっている。
図示は省略するが、通常状態において、ベルの当選確率は約1/7、スイカの当選確率は約1/250、チェリーの当選確率は約1/260に設定されており、ベルの当選確率はスイカおよびチェリーの当選確率よりも高確率に設定されている。
ベルには、規定数が3枚の通常状態においてメダルの払出枚数が1枚の小役(例えばNML7)および9枚の小役(例えばNML22)の双方が対応付けられている。本実施形態例では、ARTモードで通常状態に滞在している場合には、ベルの当選時に9枚のメダルを払い出し可能な小役の入賞を補助する打順に係る打順演出をサブモニタ6等で実行し、同様に、ARTモードで規定数2枚のCB作動に滞在している場合には、ベルの当選時に15枚のメダルを払い出し可能な小役の入賞を補助する打順に係る打順演出をサブモニタ6等で実行する。一方、演出モードが非ARTモードに滞在している場合には、サブモニタ6等で打順演出を実行しないように制御する。
例えば、ARTモードの通常RT3において、当選エリア「左ベル1」(以下、単に「左ベル1」と言う。)に当選した場合には、メダル払出枚数9枚のNML22の入賞を補助する打順1,2に係る打順演出を実行する。この打順演出に従ってストップボタンが操作された場合には、NML22を入賞させて9枚のメダルを払い出す。一方、左ベル1に当選した場合に打順3〜6でストップボタンが操作された場合には、ストップボタンの操作タイミングに応じて、1/4の確率でNML7またはNML9を入賞させて1枚のメダルを払い出し、3/4の確率でNML7およびNML9の何れの小役も非入賞とさせる。このとき、NML7およびNML9の何れの小役も非入賞となった場合には、図4に示すBLK1またはBLK2に対応する図柄組合せ(以下、単に「BLK図柄組合せ」と言う。)の一方を有効ラインLに表示するよう各リールを停止させ、これに基づいて、遊技状態を通常RT3から通常RT1へ移行させる(図8のD)。これにより、通常状態内において再遊技役の当選確率が約1/2から約1/7.3に変動する。
このように、本実施形態例では、遊技状態を通常RT3で維持する打順演出およびメダル払出枚数が9枚の小役の入賞を補助する打順演出をサブモニタ等で行うことによりARTモードでART遊技を実行する構成になっている。なお、通常状態の非RTでBLK図柄組合せが表示された場合には遊技状態を通常状態の非RTから通常RT1へ移行させる(図8のA)。
そして、本実施形態例では、ART特化モードにおいてART遊技の上乗せ機能を有する再遊技役(REP7〜9)が当選エリア「S揃い1」〜「T揃い」(以下、単に「BAR揃い」と言う。)に対応付けられており、このART特化モードでBAR揃いに当選したことに基づいて、100回以上のART遊技を上乗せするように構成されている。また、ART特化モードにおいてベル、スイカおよびチェリーの何れかに当選したことに基づいて、BAR揃いに当選した場合よりも少ない回数のART遊技を上乗せするように構成されている。なお、BAR揃い、ベル、スイカ、チェリーについては詳しく後述する。
図3に説明を戻し、メインモニタ制御手段108は、サブモニタ6等で打順演出が実行される場合に、打順演出に対応するストップボタンの打順に係る情報をメインモニタ10に表示するよう制御する。
次に、演出モード制御手段120によって制御される演出モードの概要について図9を参照しながら説明する。
一般的に、遊技者がスロットマシンSの前に着席して遊技を開始させたとき、演出モードは非ARTモードに滞在している。非ARTモードでは、ARTモードへの移行の可否を抽選(以下、ART抽選と言う。)により決定しており、ART抽選に当選した場合には、演出モードを非ARTモードからART準備モード(図示省略)へ移行させる。
ART準備モードでは、内部抽選の結果に応じて遊技状態を通常RT3に移行させることを目的とした打順演出をサブモニタ6等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンが操作されることにより、再遊技役の当選確率が約1/2の通常RT3に移行すると、演出モードを通常ARTモードに移行させる。
本実施形態例では、ART準備モードから通常ARTモードへの移行の際に、ARTモードで行われる遊技の回数(パラメータ値,以下、ART遊技の回数と言う。)を所定回数(例えば50回)に決定すると共に、決定したART遊技の回数を主制御処理部100のメインRAMに構築されたART遊技回数記憶領域141に記憶する。なお、本実施形態例において、ART遊技の回数を抽選により決定する構成であっても良い。
通常ARTモードでは、所定条件の成立(例えば当選エリア「Cリプ」等の当選)に基づいてART遊技の回数を上乗せするか否かを抽選(以下、通常上乗せ抽選と言う。)により決定する。通常上乗せ抽選に当選した場合には、ART遊技の上乗せ数を決定すると共に、決定した上乗せ数をART遊技回数記憶領域141に加算する。なお、通常ARTモードは、ART特化モードよりもART遊技の上乗せが行われ難い演出モードである。
また、通常ARTモードでは、遊技毎にART遊技回数記憶領域141から「1」を減算するART遊技回数の減算処理を行い、ART遊技回数記憶領域141に記憶されているART遊技回数が「0」になると、ARTモードを終了させて演出モードを非ARTモードに移行させる。つまり、ARTモード(特定遊技区間)において、初期値(例えば50回)として設定されたART遊技の回数(パラメータ値)を遊技毎(特定条件の成立毎)に「1」減算し、ART遊技の回数が「0」(最終値)となったことに基づいてARTモードを終了させて非ARTモード(他の遊技区間)に移行させる構成になっている。
本実施形態例では、非ARTモードにおいて、通常ARTモードへの移行の可否を決定するART抽選のみならず、ART遊技の上乗せに特化したART特化モードへの移行の可否を抽選(以下、単に「特化モード抽選」と言う。)により決定している。この特化モード抽選は、非ARTモードにおける遊技毎に内部抽選の結果に拘わらず所定の当選確率(例えば1/8000)で行われ、特化モード抽選に当選した場合には通常ARTモードを経由させてART特化準備モード(図示省略)へ移行させる。
なお、本実施形態例において、ART特化モードへの移行の可否を決定する特化モード抽選をART準備モードや通常ARTモードあるいは後述の特別ARTモードで行う構成であっても良いし、また、特化モード抽選に当選した場合には、演出モードを通常ARTモードに移行させることなくART特化準備モードに直接的に移行させる構成であっても良い。また、本実施形態例では、特化モード抽選の当選により演出モードをART特化モードへ移行させる構成になっているが、この構成に限られず、所定の当選エリア(例えば当選エリア「黒7揃い1」,「黒7揃い2」)に当選した場合にART特化モードへ移行させる構成であっても良い。この場合、ストップボタンの操作態様に応じて例えば黒7図柄のみで構成された図柄組合せを有効ラインLに表示させてART特化モードへの移行を報知する構成としても良い。
ART特化準備モードは、ART特化モードへの移行の準備を行う演出モードである。このART特化準備モードではART遊技回数の減算処理を中断する。
一般的に、ART特化準備モードでは遊技状態が通常RT3に滞在しており、この通常RT3において、ART遊技の上乗せ機能を有する再遊技役の対応付けられたBAR揃い(特殊エリア,当選エリア「S揃い1」〜「T揃い」)が内部抽選の対象となっている。本実施形態例では、ART特化準備モードでBAR揃いに当選した遊技においてストップボタンが操作されて全てのリールが停止したタイミング、すなわち、各ストップボタン16〜18に対する操作のうち最後の操作(以下、単に第3停止操作と言う。)が行われたタイミングで演出モードをART特化準備モードからART特化モードへ移行させる構成になっている。
なお、本実施形態例では、非ARTモードにおける特化モード抽選の当選に基づいて演出モードをART特化準備モードへ移行させる構成になっているが、ART特化準備モードを経由させることなくART特化モードへ直接的に移行させる構成であっても良い。また、本実施形態例では、BAR揃いに当選した遊技において第3停止操作が行われたタイミングで演出モードをART特化モードに移行させる構成になっているが、BAR揃いに当選したタイミングで演出モードをART特化準備モードからART特化モードへ移行させる構成であっても良い。
本実施形態例では、ART特化準備モードからART特化モードへの移行の際に、ART特化モードにおけるST遊技の回数(以下、ST回数と言う。)を予め「5」に決定すると共に、主制御処理部100のメインRAMに構築されたST回数記憶領域142に「5」をST回数の初期値として記憶する。
なお、本実施形態例において、ART特化モードにおけるST回数の初期値を抽選で決定する構成であっても良いし、遊技状況に応じてST回数の初期値を例えば3〜10の範囲内で決定する構成であっても良い。
ART特化モードは、ART遊技の上乗せに特化した演出モードである。ART特化モードでは、ART特化準備モードと同様に、ART遊技回数の減算処理を中断する。
本実施形態例では、ART特化モードへの移行契機となったBAR揃いの当選に基づいて、ART遊技の上乗せ(特典の付与)を決定すると共に、ART遊技の上乗せ数である第1上乗値(特典の内容)を決定する。
また、本実施形態例では、第1上乗値を上乗せループ抽選(所定抽選)の結果およびBAR揃いの種類(S揃い、D揃い、T揃い)の双方に基づいて決定しており、この決定した第1上乗値(増加値)に応じて回胴演出(以下、通常回胴演出と言う。)を実行する構成になっている。
そして、ART特化モードでは、ART遊技の回数をどの程度獲得しているかを遊技者が認識し易いように、ART遊技回数記憶領域141に記憶されているART遊技の回数(以下、単に「ART遊技の累計値」と言う。)を常にサブモニタ6に拡大して表示するように構成されている。
本実施形態例では、ART特化準備モードおよびART特化モードにおいてART遊技回数の減算処理を中断する構成になっているため、ART特化モード開始時のART遊技の累計値は、通常ARTモードからART特化準備モードに移行したときのART遊技の累計値で変動することなく維持されていることになる。つまり、通常ARTモードで未実行のART遊技の回数がそのまま引き継がれてART特化モードの開始時にサブモニタ6に拡大表示されていることになる。
例えば、通常ARTモードで未実行のART遊技の回数が「50」であったときにART特化準備モードに移行してBAR揃いに当選したとする。この場合には、ART特化モードの開始時にサブモニタ6に「50」が拡大表示されていることになるが、ART特化モードへの移行契機となったBAR揃いの当選に基づいて第1上乗値が300回に決定されたとすると、ART遊技の累計値は350(50+300)に増加する。このとき、BAR揃い当選時におけるストップボタンの操作により全てのリールを停止させたタイミングと略同期して通常回胴演出の実行を開始し、この通常回胴演出を開始させてから終了するまでの間に、サブモニタ6に拡大表示しているART遊技の累計値を「50」から1ずつカウントアップして「350」まで変動表示させ、この変動表示を「350」で停止してART遊技の累計値を遊技者に報知するように構成されている。
ART特化モードでは、遊技の実行毎にST回数記憶領域142から「1」を減算するST回数減算処理を行う。そして、ART特化モードでST回数記憶領域142に記憶されているST回数が「0」になった場合には、ART特化モードを終了させるか否かを抽選(以下、特化モード終了抽選と言う。)により決定し、この抽選に当選した場合にはART特化モードを終了させて演出モードを特別ARTモードに移行させる。つまり、ART特化モード(特定遊技区間)において、初期値(例えば5回)として設定されたSTの回数(パラメータ値)を遊技毎(特定条件の成立毎)に「1」減算し、ST回数が「0」(最終値)となった場合に特化モード終了抽選を実行し、当該抽選の当選に基づいてART特化モードを終了させて特別ARTモード(他の遊技区間)に移行させる構成になっている。
一方、ART特化モードでST回数が「0」になったことにより行われた特化モード終了抽選に当選しなかった場合には、ST回数記憶領域142に「1」を加算するST回数加算処理を行い、次回の遊技においてもART特化モードを継続する構成になっている。なお、本実施形態例において、ART特化モードでST回数が「0」になった場合には、即座にART特化モードを終了させる構成であっても良い。
また、ART特化モードでは、BAR揃いの当選以外にも、ベル、スイカおよびチェリーの何れかの当選に基づいて、ART遊技の上乗せ数である第2上乗値を決定するよう構成されている。この第2上乗値は、BAR揃いの当選に基づいて決定される第1上乗値よりも小さな値に設定されており、スイカおよびチェリーに当選した場合には、第2上乗値が5〜30の範囲内の変動値に決定されるのに対し、ベルに当選した場合には、第2上乗値が必ず最小値でかつ固定値の「1」に必ず決定されるようになっている。これについては詳しく後述する。
本実施形態例では、ART特化モードでBAR揃いに当選した場合には、ST回数記憶領域142に記憶されているST回数を初期値である「5」に書き換える処理(以下、ST回数初期値化処理と言う。)を行っている。さらに、ART特化モードで通常回胴演出と異なる特別回胴演出が実行された場合にも、BAR揃いに当選した場合と同様に、ST回数初期値化処理を行うようになっている。この特別回胴演出は、ART特化モードにおいてART遊技の累計値が特定値(例えば444等の偶数ゾロ目)になったことに基づいて行われ、本実施形態例では、特別回胴演出が行われたことによりST回数を初期値化するのみならず、ART遊技の上乗せ数として第3上乗値を決定し、決定した第3上乗値をART遊技回数記憶領域141に加算するように構成されている。つまり、ART特化モード(特定遊技区間)でART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値になったことに基づいて第3上乗値(特典)が付与される構成になっている。なお、第3上乗値は、ベル、スイカまたはチェリーの当選に基づいて決定される第2上乗値よりも大きな値(100〜200)に設定されている。
本実施形態例では、ART特化モード(特定遊技区間)でART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値になったことに基づいてART遊技の上乗せ(特典の付与)を行う構成になっているが、この構成に限られず、ART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、ART特化モードにおけるART遊技の上乗せの確率を高確率に変動させたり、このART特化モードよりも遊技者に有利な演出モードに移行させたりして、ART遊技の上乗せと異なる特典を付与する構成であっても良い。
ART特化モードの終了により移行する特別ARTモードは、通常ARTモードからの移行が不可能な演出モードであり、ART特化モードに滞在した場合に限り移行可能な演出モードである。特別ARTモードでは、通常ARTモードにおいてサブモニタ6に表示される画像とは異なる専用の画像を表示して、ART遊技の上乗せに特化したART特化モードに滞在していたことを遊技者に示している。なお、特別ARTモードでは、通常ARTモードと同様に、所定条件の成立に基づいて通常上乗せ抽選を行うと共に、遊技毎にART遊技回数の減算処理を行う。つまり、ART特化モードで中断されていたART遊技回数の減算処理は特別ARTモードへの移行を契機に再開され、特別ARTモードでART遊技回数が「0」になると、特別ARTモードを終了させて演出モードを非ARTモードに移行させる。
このように、ART特化モードでは、BAR揃いの当選で第1上乗値を、ベル、スイカおよびチェリーの何れかの当選で第2上乗値を、特別回胴演出の実行で第3上乗値をそれぞれ決定することによりART遊技の累計値を増加可能になっており、さらには、BAR揃いの当選および特別回胴演出の実行の何れかによりST回数を初期値である「5」に書き換えることにより、ART特化モードの滞在期間を長期化させてART遊技の累計値を大幅に増加させることが可能になっている。以下に、ART特化モードを含む各演出モードを制御する演出モード制御手段120について説明する。
演出モード制御手段120は、通常ARTモードへの移行の可否をART抽選により決定するART抽選手段121、通常ARTモードおよび特別ARTモードでART遊技の上乗せの可否を通常上乗せ抽選により決定する通常上乗せ抽選手段122、ART遊技回数記憶領域141を管理するART管理手段123、ART特化モードへの移行の可否を特化モード抽選により決定する特化モード抽選手段124、演出モードの移行を決定する演出モード移行制御手段125、演出モードの移行の情報やストップボタンの打順に関する情報およびART遊技の上乗せ数の情報等を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する演出コマンド送信手段126、ART特化モードを制御する特化モード制御手段130を備えている。
ART抽選手段121は、非ARTモードで所定の当選エリアに当選したことや、非ARTモードで所定回数(例えば120回)の遊技が連続して行われる一定の周期毎、あるいは、非ARTモードで特定の連続演出が実行されること等を契機にART抽選を行う。
通常上乗せ抽選手段122は、非ARTモードおよび特別ARTモードで所定の当選エリア(例えば当選エリア「Cリプ」等)に当選したことや、所定回数(例えば50回)のART遊技が連続して行われる一定の周期毎、あるいは、ARTモードで特定の連続演出が実行されること等を契機に通常上乗せ抽選を行う。
ART管理手段123は、通常ARTモードおよび特別ARTモードで遊技の実行毎にART遊技の回数を「1」減算するART遊技回数の減算処理を実行し、ART特化準備モードおよびART特化モードでART遊技回数の減算処理を中断する。また、ART管理手段123は、通常ARTモードおよび特別ARTモードで行われた通常上乗せ抽選に当選した場合にART遊技回数記憶領域141に所定回数のART遊技を加算し、ART特化モードで上記した第1〜第3上乗値が決定された場合に、決定された上乗値をART遊技回数記憶領域141に加算する。
特化モード抽選手段124は、非ARTモードで内部抽選の結果に拘わらず遊技毎に所定の当選確率(例えば約1/8000)で特化モード抽選を行う。なお、本実施形態例において、例えば、非ARTモードで所定の当選エリアに当選したことや、非ARTモードで所定回数(例えば1000回)の遊技が連続して行われる一定の周期毎に特化モード抽選を行う構成としても良い。また、本実施形態例において、例えば、非ARTモードで所定の当選エリア(例えば当選エリア「黒7揃い1」等)に当選したことや、非ARTモードでART抽選に連続して所定回数(例えば20回)ハズレとなったこと、非ARTモードで所定回数(例えば1500回)の遊技が連続して行われたこと、あるいは、非ARTモードにおける所定の当選エリア(例えば当選エリア「Cリプ」等)の当選を契機に行われるポイント抽選に当選して得られるポイント数が所定値に到達したこと等に基づいて、演出モードを必ずART特化モードへ移行させる構成としても良い。
演出モード移行制御手段125は、非ARTモードでART抽選に当選したことに基づいて演出モードをART準備モードへ移行させた後に通常ARTモードへ移行させ、非ARTモードで特化モード抽選に当選したことに基づいて演出モードを通常ARTモード、ART特化準備モード、ART特化モードの順番で移行させ、ART特化モードで特化モード終了抽選に当選したことに基づいて演出モードを特別ARTモードに移行させ、ARTモードでART遊技回数記憶領域141に記憶されているART遊技の回数が「0」になったことに基づいて演出モードを非ARTモードへ移行させる。
演出コマンド送信手段126は、ART特化モードでART遊技回数記憶領域141に上乗値(第1〜第3上乗値)が加算された場合には、加算後のART遊技の累計値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する。
本実施形態例では、BAR揃いの当選に基づいて第1上乗値がART遊技回数記憶領域141に加算され、加算後のART遊技の累計値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200が受信した場合には、演出実行手段202は、加算前のART遊技の累計値(例えば50)を加算後のART遊技の累計値(例えば150)となるまで1ずつカウントアップ(50、51、52・・・)させるように、サブモニタ6に拡大表示しているART遊技の累計値を変動表示させる。
特化モード制御手段130は、BAR揃い(特殊エリア)の当選に基づいて第1上乗値を決定する第1上乗値決定手段131、ベル、スイカおよびチェリーの何れかの当選に基づいて第2上乗値を決定する第2上乗値決定手段132、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値を決定する第3上乗値決定手段133、回胴演出(通常回胴演出,特別回胴演出)の実行を決定する回胴演出実行決定手段134、ST回数記憶領域142を管理するST管理手段135、特化モード終了抽選を実行する終了抽選手段136を備えている。
第1上乗値決定手段(特典内容決定手段)131は、後述の上乗せループ抽選の結果およびBAR揃いの種類の双方に基づいて第1上乗値(特典内容)を決定する手段であって、上乗値「1」を第1上乗値記憶領域143に加算するか否かを上乗せループ抽選(所定抽選)により決定する上乗せループ抽選手段131a、上乗せループ抽選の結果が当り(他の結果)となる毎に第1上乗値記憶領域143に「1」を加算する加算手段131b、上乗せループ抽選の結果がハズレ(一の結果)となった場合に上乗せループ抽選の実行を中止する中止手段131cを有している。なお、第1上乗値記憶領域143は主制御処理部100のメインRAMに構築されている。
上乗せループ抽選手段131aは、BAR揃い当選時におけるスタートレバー15の操作を契機に所定の当選確率(例えば約98%)で上乗せループ抽選を実行する。なお、上乗せループ抽選手段131aは、上乗せループ抽選の結果がハズレとなるまで上乗せループ抽選を繰り返し実行する。
第1上乗値決定手段131は、中止手段131cにより上乗せループ抽選の実行が中止されたときに第1上乗値記憶領域143に記憶されている数値を「数値U1」に仮決定し、この仮決定した数値U1が100未満であるか否かに応じて数値U1を変更または維持し、変更または維持した当該数値を「数値U2」として決定する。具体的には、仮決定した数値U1が100未満であった場合には数値U1を切り上げて100に変更して数値U2を100とし、仮決定した数値U1が100以上であった場合には数値U1を変更することなく維持して数値U2を仮決定した数値U1にする。例えば仮決定した数値U1が92であった場合には92を100に切り上げて数値U2を100に決定し、例えば数値U1が125であった場合には125を変更することなく数値U2を125に決定する。
そして、第1上乗値決定手段131は、BAR揃いの種類が当選エリア「S揃い1」〜「S揃い3」(以下、単に「S揃い」と言う。)の場合には、数値U2を第1上乗値に決定し、BAR揃いの種類が当選エリア「D揃い1」〜「D揃い3」(以下、単に「D揃い」と言う。)の場合には、数値U2に100を加算した数値を1上乗値に決定し、BAR揃いの種類が当選エリア「T揃い」(以下、単に「T揃い」と言う。)の場合には、数値U2に200を加算した数値を第1上乗値に決定する。
例えば、数値U2が125に決定されている場合において、S揃いに当選した場合には第1上乗値を125に決定し、D揃いに当選した場合には1上乗値を225(125+100)に決定し、T揃いに当選した場合には1上乗値を325(125+200)に決定する。また、例えば、数値U2が95に決定されている場合には95を100に切り上げて、S揃いに当選した場合には第1上乗値を100に決定し、D揃いに当選した場合には1上乗値を200(100+100)に決定し、T揃いに当選した場合には1上乗値を300(100+200)に決定する。
このように、ART特化モードでBAR揃いに当選した場合には、上乗せループ抽選の結果およびBAR揃いの種類の双方に応じてART遊技の上乗せ数である第1上乗値を決定する構成になっており、上乗せループ抽選の結果(数値U1)が100未満の場合には当該数値を切り上げて数値U2を100に決定し、さらには、D揃いの場合には数値U2に100を加算し、T揃いの場合には数値U2に200を加算する構成になっている。このため、ART特化モードにおける内部抽選でS揃いに当選した場合には第1上乗値が必ず100以上となり、D揃いに当選した場合には第1上乗値が必ず200以上となり、T揃いに当選した場合には第1上乗値が必ず300以上となる。
本実施形態例では、図6および図10に示すように、当選エリア「S揃い1」(図10に示すS1)に当選したとき、打順5または打順6の操作順序および各図柄列34a〜36aに配置されているBAR図柄(BAR1図柄,BAR2図柄)を有効ラインLに表示させる操作タイミング(以下、BAR揃い操作態様と言う。)でストップボタンが操作された場合には、BAR図柄が右下がりに一列だけ直線状に揃う態様でリールを停止させる。
同様に、当選エリア「S揃い2」(図10に示すS2)に当選したときBAR揃い操作態様でストップボタンが操作された場合には、BAR図柄が上段に一列だけ直線状に揃う態様でリールを停止させ、当選エリア「S揃い3」(図10に示すS3)に当選したときBAR揃い操作態様でストップボタンが操作された場合には、BAR図柄が右上がりに一列だけ直線状に揃う態様でリールを停止させる。
このように、S揃い(S1〜S3)に当選したときBAR揃い操作態様でストップボタンが操作された場合には、BAR図柄が直線状に一列揃う態様(以下、S停止態様と言う。)でリールを停止させる。なお、S揃いに当選したときBAR揃い操作態様以外の態様(例えば打順1〜打順4)でストップボタンが操作された場合には、S停止態様以外の態様でリールを停止させる。
また、詳細な説明は省略するが、図6および図10に示すように、D揃い(図10に示すD1〜D3)に当選したときBAR揃い操作態様でストップボタンが操作された場合には、BAR図柄が直線状に二列揃う態様(以下、D停止態様と言う。)でリールを停止させ、BAR揃い操作態様以外の態様でストップボタンが操作された場合にはD停止態様以外の態様でリールを停止させる。同様に、T揃いに当選したときBAR揃い操作態様でストップボタンが操作された場合には、BAR図柄が直線状に三列揃う態様(以下、T停止態様と言う。)でリールを停止させ、BAR揃い操作態様以外の態様でストップボタンが操作された場合には、T停止態様以外の態様でリールを停止させる。
このように、本実施形態例では、BAR揃い操作態様でストップボタンが操作される場合において、ART特化モードでS揃いに当選した場合には、BAR図柄が直線状に一列揃うS停止態様でリールを停止させると共に第1上乗値を100以上に決定し、D揃いに当選した場合には、BAR図柄が直線状に二列揃うD停止態様でリールを停止させると共に第1上乗値を200以上に決定し、T揃いに当選した場合には、BAR図柄が直線状に三列揃うT停止態様でリールを停止させると共に第1上乗値を300以上に決定する。このため、ART特化モードにおけるリールの停止態様は、遊技者に第1上乗値を示唆することができる。
なお、本実施形態例では、BAR揃いの当選に基づいて上乗せループ抽選を実行し、上乗せループ抽選で得られた数値U1に基づいて処理された数値U2にBAR図柄の列数に応じた数値を加算することにより第1上乗値を決定する構成になっているが、この構成に限られず、例えば、黒BAR図柄と白BAR図柄を設け、黒BAR図柄が一列に揃う態様でリールが停止した場合に100を加算し、白BAR図柄が一列に揃う態様でリールが停止した場合に200を加算するなど、同種図柄の色違いに応じて加算する数値を変更するような構成であっても良い。また、本実施形態例において、BAR図柄の列数に応じた数値を加算することなく、上乗せループ抽選で得られた数値(数値U1)のみに基づいて第1上乗値を決定する構成、すなわち、上乗せループ抽選で当たりとなった回数に基づいて第1上乗値を決定する構成であっても良い。
第2上乗値決定手段132は、NML19の対応付けられたスイカに当選した場合に「5〜10」の範囲内で第2上乗値を決定し、NML13〜18の何れかの小役が対応付けられたチェリーに当選した場合に「10〜30」の範囲内で第2上乗値を決定し、ベルに当選した場合に第2上乗値を必ず「1」に決定する。
本実施形態例では、図10に示すように、スイカに当選した場合には、ストップボタンの操作態様に応じて、スイカ図柄が右下がりに直線状に揃う態様でリールを停止させ、チェリー(例えば当選エリア「弱チェリー」)に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に応じて、左図柄列34aのチェリー図柄が表示窓50に表示される態様(例えば左図柄列34aのチェリー図柄が下段に表示される態様)でリールを停止させ、ベル(例えば当選エリア「左ベル1」)に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらず、ベル図柄が直線状に揃う態様(例えば同図に示すように右上がりに直線状に揃う態様)でリールを停止させる。このため、ART特化モードでBAR揃いに当選した場合と同様に、ART特化モードにおけるリールの停止態様は、遊技者に第2上乗値を示唆することが可能であり、特に、ベル図柄が直線状に揃うリールの停止態様は固定値である「1」の上乗せを遊技者に報知することができる。
本実施形態例では、ベル(特別エリア)は、スイカおよびチェリー(通常エリア)よりもART遊技の上乗せ数である第2上乗値が小さな「1」に設定されているが、ベルの当選確率(約1/7)は、スイカの当選確率(約1/250)およびチェリーの当選確率(約1/260)よりも高確率に設定されている。また、スイカは「5〜10」の範囲内で、チェリーは「10〜30」の範囲内でそれぞれART遊技の回数を上乗せする当選エリアであり、それらの上乗せ数は変動する値であるが、ベルは必ず固定値である「1」を上乗せする当選エリアである。このように、ベルは高確率で当選して固定値「1」を必ず上乗せする当選エリアとして機能する。詳しくは後述するが、ベルは、前記機能を有することにより、ST回数の初期値化とART遊技の上乗せ数である第3上乗値の加算とを実現させる特別回胴演出の実行確率を高める役割を担っている。
なお、本実施形態例では、ART特化モードにおいてBAR揃いの当選時にBAR図柄が直線状に揃う態様でリールが停止しなかった場合であっても、上乗せループ抽選およびBAR揃いの種類の双方に応じて決定されたART遊技の回数(第1上乗値)を加算する構成になっているが、この構成に限られず、BAR揃い当選時にBAR図柄が直線状に揃う態様でリールが停止した場合に限りART遊技の回数を加算する構成であっても良いし、BAR揃い当選時にBAR図柄が直線状に揃う態様でリールが停止しなかった場合には、BAR図柄が直線状に揃う態様でリールが停止した場合よりもART遊技の加算回数を少ない回数とする構成であっても良い。
また、本実施形態例において、スイカやチェリーの当選時にはストップボタンの操作態様に応じてスイカやチェリーに対応付けられた小役の図柄組合せを有効ラインLに表示させるが、スイカやチェリーの当選時に対応する小役の図柄組合せが有効ラインLに表示されることなく非入賞となって小役を取りこぼした場合であっても、ART遊技の回数を加算する構成になっているが、この構成に限られず、スイカやチェリーの当選時に小役を取りこぼした場合にはART遊技の回数を加算しない構成であっても良い。なお、ベルの当選時にはストップボタンの操作態様に拘わらずベルに対応付けられた小役の図柄組合せを必ず有効ラインLに表示して固定値「1」を上乗せする。つまり、ベル(特別エリア)は当選により必ず入賞となって固定値である「1」を上乗せする当選エリアとして機能する。
第3上乗値決定手段133は、特別回胴演出の実行に基づいて「100〜200」の範囲内で第3上乗値を決定する。
回胴演出実行決定手段134は、第1上乗値決定手段131により決定された第1上乗値に応じた通常回胴演出を実行する。具体的には、決定された第1上乗値に0.1を乗じて得られた数値に相当する時間に亘り通常回胴演出を実行するよう構成され、例えば、決定された第1上乗値が320回の場合には通常回胴演出を32秒(320×0.1)実行する。なお、本実施形態例において、第1上乗値に拘わらず通常回胴演出を実行する構成としても良いし、第1上乗値に応じて通常回胴演出におけるリールの回転速度や回転方向を変化させる構成であっても良い。
また、回胴演出実行決定手段(動作決定手段)134は、ART特化モードで行われる遊技の終了毎(ST毎)にART遊技回数記憶領域141に記憶されているART遊技の回数、すなわち、ART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値になっているか否かに応じて、特別回胴演出を実行するか否かを抽選(以下、特別回胴演出抽選と言う。)により決定する。具体的には、ART遊技の累計値が特定値になった場合に、ART遊技の累計値に応じた当選確率で特別回胴演出抽選を実行し、特別回胴演出抽選の結果が当選の場合に特別回胴演出の実行を決定し、特別回胴演出抽選の結果が不当選の場合に特別回胴演出を実行しないことを決定する。なお、特別回胴演出は、特別回胴演出の実行を決定した次の遊技の開始時に行われる。
図11に示すように、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目(例えば444)である場合に100%の当選確率で特別回胴演出抽選を実行し、ART遊技の累計値が奇数ゾロ目(例えば777)である場合に50%の当選確率で特別回胴演出抽選を実行し、ART遊技の累計値がテンパイ目(例えば151)である場合に10%の当選確率で特別回胴演出抽選を実行し、ART遊技の累計値が順目(例えば123)である場合に5%の当選確率で特別回胴演出抽選を実行する。
本実施形態例では、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目、奇数ゾロ目、テンパイ目、順目である特定値となった場合に、特別回胴演出抽選を実行する構成になっているが、この構成に限られず、本実施形態例に係るスロットマシンSの機体に関するデザインやサブモニタ6等で表示される映像や画像のコンテンツに関連の深い数字(語呂合わせ等の数字)を特定値として採用し、ART遊技の累計値が当該特定値となった場合に、特別回胴演出抽選を実行する構成であっても良い。
本実施形態例では、特別回胴演出抽選の結果が当選の場合に特別回胴演出を実行し、この特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値を決定してART遊技の上乗せを行うように構成されているが、この構成に加えて、特別回胴演出抽選の結果が不当選の場合に特別回胴演出と異なる煽り回胴演出を実行し、この煽り回胴演出の実行によりART遊技を上乗せしないように構成しても良い。このようにすると、煽り回胴演出の実行によりART遊技の上乗せに対する遊技者の期待を煽ることができる。
また、本実施形態例では、ART特化モードでART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、まず、特別回胴演出の実行の可否を決定し、特別回胴演出の実行が決定された場合に第3上乗値を決定する構成になっているが、この構成に限られず、ART特化モードでART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、まず、第3上乗値を加算するか否かを決定し、第3上乗値を加算することが決定された場合に、特別回胴演出の実行の可否を決定する構成であっても良い。
ST管理手段135は、ART特化モードにおけるBAR揃いの当選および特別回胴演出の実行の何れかに基づいてST回数記憶領域142に記憶されているST回数を初期値である「5」に書き換えるST回数初期値化処理を行う。
なお、本実施形態例において、BAR揃いの当選および特別回胴演出の実行の少なくとも何れか一方により、ST回数記憶領域142に所定数(例えば1や2)を加算する構成であっても良い。例えば、BAR揃いに当選した場合に限りST回数を初期値化し、特別回胴演出を実行した場合には「1」をST回数記憶領域142に加算する。
また、ST管理手段135は、ART特化モードにおける遊技の実行毎にST回数記憶領域142から「1」を減算するST回数減算処理を実行する。本実施形態例では、ART特化モードで遊技状態がCB作動に滞在している場合にはST回数減算処理を中断し、遊技状態がCB作動から通常状態に移行するとST回数減算処理を再開する構成になっている。なお、本実施形態例において、ART特化モードにおけるCB作動中にST回数減算処理を実行する構成であっても良い。
このように、本実施形態例では、ART特化モード(特定遊技区間)でART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値となると、特別回胴演出の実行の可否が決定され、特別回胴演出の実行が決定された場合には、ST回数の初期値化および第3上乗値の加算を行うことにより、ART特化モードの滞在期間を長期化(特典付与)する構成になっている。そして、ART特化モードでは、ART遊技の累計値を常にサブモニタ6に拡大表示することにより、内部抽選の結果等に応じて上乗値(第1〜第3上乗値)をどの程度獲得すればART遊技の累計値が特定値となって特別回胴演出の実行機会を得ることができるかを遊技者に認識させて、大量上乗せのチャンスを遊技者に喚起しているのである。
そして、本実施形態例では、ART特化モードにおける内部抽選の結果等に応じてART遊技の上乗値(第1〜第3上乗値)が決定され、これら上乗値の加算に応じてART特化モードにおけるART遊技の累計値が変動する。このとき、ART遊技の累計値が特定値(偶数ゾロ目、奇数ゾロ目、テンパイ目、順目)となった場合には特別回胴演出の実行のチャンスとなり、特別回胴演出の実行でST回数が初期値化されると、ART遊技の累計値を大幅に増加可能となる。このため、ART遊技の累計値を変動させる上乗値は遊技の展開を左右する重要な要素となる。
先述のように(図10参照)、第1上乗値は上乗せループ抽選の結果およびBAR揃いの種類の双方に応じて100以上となる変動値であり、第2上乗値はスイカおよびチェリーの何れかに当選したことにより「5〜30」の範囲内となる変動値であり、第3上乗値は特別回胴演出の実行により「100〜200」の範囲内となる変動値である。このため、BAR揃いやスイカまたはチェリーに当選したときや、特別回胴演出の実行が決定されたときに、遊技者が第1上乗値などのART遊技の上乗せ数を予測して変動後のART遊技の累計値を把握することは不可能である。
これに対し、第2上乗値を決めるベルは、BAR揃いやスイカ等と異なり、必ず固定値である「1」を上乗せする当選エリアであるため、遊技者はベルの当選で変動後のART遊技の累計値を確実に把握することができる。さらに、ベルの当選確率はスイカおよびチェリーのそれに比べて高確率に設定されていることから、ART遊技の累計値が特定値に「1」不足している状況(例えば偶数ゾロ目「444」に1不足している「443」の状況)では、高確率で当選するベルの当選によりART遊技の累計値を特定値に変動させて特別回胴演出の実行機会を得てST回数を初期値化する絶好のチャンスとなる。このため、ベルは、ART遊技の累計値に「1」を確実に加算してART遊技の累計値を特定値に変動させる調整機能を有しており、この調整機能を有することにより、特別回胴演出の実行確率を高めることができる。
なお、本実施形態例において、ART遊技の累計値が特定値となって特別回胴演出の実行が決定された場合には、「100〜200」の範囲内で第3上乗値を決定する構成になっているが、この構成に限られず、第3上乗値をART遊技の累計値と同数に決定する構成であっても良い。例えば、ART遊技の累計値が奇数ゾロ目「333」となったことによって特別回胴演出の実行が決定された場合には、第3上乗値をART遊技の累計値と同数の「333」に決定し、第3上乗値加算後のART遊技の累計値を「666(333×2)」とする。このようにすると、ART遊技の累計値が特定値となった場合には、ART遊技の累計値が2倍になるチャンスとなるため、遊技意欲を向上させることができる。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図12〜図17のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S5)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー15が有効化され(S2)、この後にスタートレバー15が操作されると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
本実施形態例では、ステップS5において、ONにセットされている当選フラグの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、副制御処理部200が当該演出コマンドを受信すると、演出モードの種類に応じて内部抽選で決定された役に対応する様々な演出(例えば、打順演出等)をサブモニタ6等で実行する。
(ステップS100)
次に、演出モードがART特化モードに滞在している場合には、ステップS3の遊技開始操作を契機にART遊技の上乗せ数(上乗値)を決定する第1特化モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS6に処理を移す。なお、第1特化モード制御処理については後述する。
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール34〜36の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール34〜36の回転を一斉に開始し(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作を有効化する(S7)。そして、有効化された各ストップボタン16〜18の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
(ステップS200)
次に、演出モードがART特化モードに滞在している場合には、ステップS8のリールの停止操作を契機に通常回胴演出等を実行する第2特化モード制御処理を実行する。なお、第2特化モード制御処理については後述する。
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理を行い(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる再遊技設定処理(S11)、遊技状態を通常状態内で移行させる役として機能する再遊技役やCB役に係る図柄柄組合せが有効ラインLに表示されたこと等による遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)を行う。
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー15の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール34〜36の回転を開始させ、有効化されたストップボタン16〜18の操作および内部抽選の結果に基づいて各リール34〜36の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に、演出コマンドに代表される複数種類のコマンドを所定のタイミングで副制御処理部200に送信し、これら複数種類のコマンドに基づいて演出モード移行手段201が演出モードを移行し、演出実行手段202が各演出装置で打順演出等の様々な演出を実行する構成になっている。
次に、第1特化モード制御処理(S100)について図13〜15を用いて以下に説明する。
(ステップS101)
まず、ART特化モードにおいて、ST回数記憶領域142から「1」を減算し(S101)、ステップS102に処理を移す。なお、遊技状態がCB作動に滞在している場合にはSTの減算処理が中断される。
(ステップS102〜S103)
次に、特別回胴演出の実行が待ち状態であることを示す特別回胴演出待機フラグがONにセットされているか否かを判断する(S102)。このとき、特別回胴演出待機フラグがONの場合(S102でYes)には特別回胴演出を実行し(S103)、特別回胴演出待機フラグがOFFの場合(S102でNo)には特別回胴演出を実行することなくステップS105に処理を移す。なお、特別回胴演出におけるリールの動作態様については後述する。
(ステップS120,S104)
次に、ステップS103で特別回胴演出を実行した場合には、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値を決定する第3上乗せ特化処理を行い(S120)、第3上乗せ特化処理の終了後に特別回胴演出待機フラグをOFFにセットして(S104)ステップS105に処理を移す。
図示を省略するが、第3上乗せ特化処理において、第3上乗値を「100〜200」の範囲内で決定し、この決定した第3上乗値をART遊技回数記憶領域141に加算する。これによりART遊技の累計値が増加する。
本実施形態例では、第3上乗せ特化処理の終了後に、第3上乗値の加算により増加したART遊技の累計値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信しており、この演出コマンドを副制御処理部200が受信すると、サブモニタ6において第3上乗せ特化処理前のART遊技の累計値を第3上乗せ特化処理後のART遊技の累計値に変更して表示する。
(ステップS105)
次に、BAR揃いに当選しているか否かを判断し、BAR揃いに当選している場合(S105でYes)にはステップS150に処理を移し、BAR揃いに当選していない場合(S105でNo)にはステップS107に処理を移す。
(ステップS107)
次に、スイカ、チェリーおよびベルの何れかに当選しているか否かを判断し(S107)、スイカ、チェリーおよびベルの何れかに当選している場合(S107でYes)にはステップS180に処理を移し、何れにも当選していない場合(S107でNo)にはステップS109に処理を移す。
(ステップS150,S106)
ステップS105でYesの場合、すなわち、BAR揃いに当選している場合には、BAR揃いの当選に基づいて第1上乗値を決定する第1上乗せ特化処理を実行し(S150)、決定された第1上乗値(M1)をART遊技回数記憶領域141に加算する(S106)。これにより、ART遊技の累計値が増加するが、本実施形態例では、第1上乗値の加算により増加したART遊技の累計値の情報を含む演出コマンドは、当該遊技で全てのリールが停止したときに副制御処理部200に送信される。なお、第1上乗せ特化処理については後述する。
(ステップS180,S108)
ステップS107でYesの場合、すなわち、スイカ、チェリーおよびベルの何れかに当選している場合には、この当選に基づいて第2上乗値を決定する第2上乗せ特化処理を実行し(S180)、第2上乗せ特化処理で決定された第2上乗値(M2)をART遊技回数記憶領域141に加算する(S108)。これにより、ART遊技の累計値が増加するが、本実施形態例では、第2上乗値の加算により増加したART遊技の累計値の情報を含む演出コマンドは、当該遊技で全てのリールが停止したときに副制御処理部200に送信される。なお、第2上乗せ特化処理については後述する。
(ステップS109〜S111)
次に、ART遊技の累計値(N)が特定値になっているか否かを判断し(S109)、ART遊技の累計値が特定値である場合(S109でYes)には、特別回胴演出抽選を実行し(S110)、この抽選に当選したか否かを判断する(S111)。具体的には、ART遊技の累計値が、偶数ゾロ目、奇数ゾロ目、テンパイ目、順目の何れかの特定値になっているか否かを判断し、偶数ゾロ目の場合に100%の当選確率、奇数ゾロ目の場合に50%の当選確率、テンパイ目の場合に10%の当選確率、順目の場合に5%の当選確率で特別回胴演出抽選を実行する。
(ステップS112〜S113)
ステップS109でNoおよびステップS111でNoの何れかの場合、すなわち、ART遊技の累計値が特定値ではない場合および特別回胴演出抽選に当選しなかった場合の何れかの場合には、ステップS112に処理を移し、ST回数記憶領域142に「0」が記憶されているか否かを判断する(S112)。このとき、ST回数記憶領域142に「0」が記憶されている場合(S112でYes)には特化モード終了抽選を実行し(S113)、ST回数記憶領域142に「0」が記憶されていない場合(S112でNo)には、演出モードをART特化モードで維持して第1特化モード制御処理を終了させる。
(ステップS114〜S115)
次に、特化モード終了抽選に当選しているか否かを判断し(S114)、特化モード終了抽選に当選している場合(S114でYes)には、ART特化モードを終了させて演出モードを特別ARTモードへ移行させることを決定して(S115)第1特化モード制御処理を終了させる。一方、ART特化モード終了抽選に当選していない場合(S114でNo)には、図示を省略するが、ST回数記憶領域142に「1」を加算し、演出モードをART特化モードで維持して第1特化モード制御処理を終了させる。
(ステップS116,S117)
次に、ステップS111でYesの場合、すなわち、特別回胴演出抽選に当選した場合には、特別回胴演出待機フラグをONにセットすると共に(S116)、ST回数記憶領域142を初期値である「5」に書き換えて(S117)、第1特化モード制御処理を終了させる。
本実施形態例では、特別回胴演出の実行時に第3上乗値を決定する構成になっているが(S103,S120参照)、この構成に限られず、特別回胴演出抽選の当選時、すなわち、特別回胴演出の実行を決定したタイミング、すなわち、ステップS116と略同期して第3上乗値を決定する構成であっても良い。
また、本実施形態例では、特別回胴演出抽選の当選時にST回数記憶領域142を初期値化する構成になっているが、この構成に限られず、特別回胴演出実行時にST回数記憶領域142を初期値化する構成であっても良い。
次に、BAR揃いの当選に基づいて第1上乗値を決定する第1上乗せ特化処理(S150)について図14を用いて説明する。
(ステップS151〜S153)
まず、上乗値「1」を第1上乗値記憶領域143に加算するか否かの上乗せループ抽選を行い(S151)、上乗せループ抽選に当選したか否かを判断する(S152)。上乗せループ抽選に当選した場合(S152でYes)には、第1上乗値記憶領域143に「1」を加算すると共に、ステップS151の手前に戻り、再び上乗せループ抽選を行う(S151)。
本実施形態例では、上乗せループ抽選はBAR揃い当選時におけるスタートレバー15の操作を契機に行われる構成になっているが、この構成に限られず、BAR揃い当選時における全てのストップボタン16〜18の操作のうち三番目(最後)のストップボタンを押下して当該押下を解除したことを契機に上乗せループ抽選を行う構成であっても良い。
(ステップS154)
ステップS152でNoの場合、すなわち、上乗せループ抽選に当選しなかった場合にはステップS154に処理を移し、第1上乗値記憶領域143に記憶されている数値を数値U1に決定する。
(ステップS155〜S157)
次に、数値U1が100未満であるか否かを判断し(S155)、数値U1が100未満である場合(S155でYes)には、数値U1を切り上げて数値U2を100に決定する(S156)。一方、数値U1が100以上である場合(S155でNo)には、数値U1を数値U2に決定する(S157)。
(ステップS158〜S159)
次に、ステップS4の内部抽選で当選したBAR揃いの種類がS揃いであるか否かを判断し(S158)、S揃いである場合(S158でYes)には第1上乗値(M1)を数値U2に決定して(S159)ステップS163に処理を移し、S揃いでない場合(S158でYes)にはステップS160に処理を移す。
(ステップS160〜S161)
次に、ステップS4の内部抽選で当選したBAR揃いの種類がD揃いであるか否かを判断し(S160)、D揃いである場合には数値U2に100を加算した数値を第1上乗値(M1)に決定して(S161)ステップS163に処理を移し、D揃いでない場合にはステップS162に処理を移す。
(ステップS162)
ステップS160でNoの場合、すなわち、BAR揃いの種類がT揃いである場合には、数値U2に200を加算した数値を第1上乗値(M1)に決定しステップS163に処理を移す。
(ステップS163,164)
次に、ST回数記憶領域142を初期値である「5」に書き換えると共に(S163)、第1上乗せ特化処理が行われたことを示す第1上乗せ特化処理フラグをONにセットして(S164)第1上乗せ特化処理を終了する。なお、先述のステップS106において、第1上乗せ特化処理で決定された第1上乗値はART遊技回数記憶領域141に加算される。
続いて、スイカ、チェリーおよびベルのうち何れかの当選に基づいて第2上乗値を決定する第2上乗せ特化処理(S180)について図15を用いて説明する。
(ステップS181〜S186)
ステップS4の内部抽選でスイカに当選した場合(S181でYes)には、第2上乗値(M2)を「5〜10」の範囲内で決定し(S182)、チェリーに当選した場合(S183でYes)には、第2上乗値(M2)を「10〜30」の範囲内で決定し(S184)、内部抽選でベルに当選した場合(S185でYes)には、第2上乗値(M2)を固定値である「1」に決定する(S186)。
(ステップS187)
次に、第2上乗せ特化処理が行われたことを示す第2上乗せ特化処理フラグをONにセットして第2上乗せ特化処理を終了する。なお、先述のステップS108において、第2上乗せ特化処理で決定された第2上乗値はART遊技回数記憶領域141に加算される。
次に、ステップS8のリールの停止操作を契機に行われる第2特化モード制御処理(S200)について図16を用いて説明する。
(ステップS201)
まず、第1上乗せ特化処理が行われたことを示す第1上乗せ特化処理フラグがONであるか否かを判断する(S201)。第1上乗せ特化処理フラグがONの場合(S201でYes)には、ステップS202に処理を移し、第1上乗せ特化処理フラグがOFFの場合(S201でNo)には、ステップS205に処理を移す。
(ステップS202〜S204)
次に、第1上乗せ特化処理フラグがONの場合には、第1上乗せ特化処理(S150)で決定された第1上乗値(M1)に応じて通常回胴演出を実行すると共に(S202)、第1上乗値(M1)の加算により増加したART遊技の累計値(N)の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する(S203)。かかる後に、第1上乗せ特化処理フラグをOFFにして(S204)、第2特化モード制御処理を終了させる。
本実施形態例では、副制御処理部200がステップS203で送信された演出コマンドを受信した場合には、BAR揃い当選時におけるストップボタンの操作により全てのリールが停止したときに通常回胴演出の実行を開始し、この通常回胴演出が開始してから終了するまでの間に、当該演出コマンドに含まれている加算後のART遊技の累計値の情報に従って、サブモニタ6に拡大表示している加算前のART遊技の累計値を1ずつカウントアップして加算後のART遊技の累計値まで変動表示させる。
(ステップS205)
ステップS201でNoの場合、すなわち、第1上乗せ特化処理フラグがOFFの場合には、第2上乗せ特化処理が行われたことを示す第2上乗せ特化処理フラグがONであるか否かを判断する(S205)。このとき、第2上乗せ特化処理フラグがONの場合にはステップS206に処理を移し、第2上乗せ特化処理フラグがOFFの場合には第2特化モード制御処理を終了させる。
(ステップS206〜S207)
次に、第2上乗せ特化処理フラグがONの場合には、第2上乗せ特化処理(S180)で決定された第2上乗値(M2)の加算により増加したART遊技の累計値(N)の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信すると共に(S206)、第2上乗せ特化処理フラグをOFFにして(S207)第2特化モード制御処理を終了させる。
本実施形態例では、副制御処理部200がステップS206で送信された演出コマンドを受信した場合には、当該演出コマンドに含まれているART遊技の累計値の情報に従って、サブモニタ6に拡大表示しているART遊技の累計値を変更表示する。
このように、本実施形態例では、ART特化モードでBAR揃い、スイカ、チェリー、ベルの当選に基づいてART遊技の累計値を増加させ、ART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、特定値に応じた当選確率で特別回胴演出抽選を実行する。そして、特別回胴演出抽選に当選して特別回胴演出の実行が決定された場合には、ST回数の初期値化およびART遊技の上乗せ(第3上乗値の加算)の双方を特典として遊技者に付与する構成になっている。
特に、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目に1不足している状況下でベルに当選した場合には、サブモニタ6に拡大表示されている加算前のART遊技の累計値に「1」が加算表示されて、ART遊技の累計値が特別回胴演出の実行契機となる特定値になる。このように、ベルはART遊技の累計値を特定値に変化させる調整機能を有しているが、ベル以外にも調整機能を有する当選エリアを設ける構成であっても良い。例えば、調整機能を有する当選エリアをCリプやCBとし、CリプおよびCBの何れかの当選に基づいて、固定値「1」を上乗せする構成とする。このようにすると、ART遊技の累計値に固定値「1」を確実に加算してART遊技の累計値を特定値に変化させる機会を増加させることが可能になり、特別回胴演出の実行確率を高めることができる。
また、調整機能を有する当選エリア(以下、調整エリアと言う。)の当選を契機にST回数を所定回数(例えば1回)加算するか否かのST回数追加抽選を実行するように構成しても良いし、調整エリアの当選を契機にST回数を必ず所定回数(例えば1回)加算するように構成しても良い。調整エリアの当選を契機にST回数を必ず1回加算する構成とした場合には、ART特化モードで遊技が行われたことによりST回数記憶領域142から「1」を減算し、この遊技で調整エリアに当選したことにより、ST回数記憶領域142に「1」を加算することになるため、あたかもST回数が減算していないかのような印象を遊技者に与えることができる。
次に、ART特化モードにおけるST遊技の具体例について図17を用いて説明する。なお、図17に示す具体例は、ART遊技回数記憶領域141に50回のART遊技が記憶されている状態でBAR揃いに当選したことにより演出モードがART特化準備モードからART特化モードに移行した場合を示す具体例である。
図17(a)に示すように、ART累計値が50回であるため、サブモニタ6に「50」が拡大表示されている。このとき演出モードはART特化準備モードに滞在している。
図17(b)に示すように、ART特化準備モードでスタートレバー15が操作されたことにより当選エリア「T揃い」(T揃い)に当選したとする。そうすると、図17(b)において、T揃いに当選したことに基づいて第1上乗せ特化処理が行われ、当該処理で行われた上乗せループ抽選の結果およびBAR揃いの種類の双方に基づいて第1上乗値が300以上の「505」に決定された。これにより、ART遊技の累計値は555(50+505)となる。このとき、図示を省略するが、サブモニタ6には未だ「50」が拡大表示されて、ART遊技の累計値がT揃いの当選に基づいて増加したことを遊技者に秘匿にしている。
さらに、図17(b)において、ART遊技の累計値が内部的に奇数ゾロ目である「555」となったことに基づいて50%の当選確率で特別回胴演出抽選が行われ、当該抽選に当選して特別回胴演出の実行が決定された。このとき、遊技者は、BAR揃いの当選および特別回胴演出の実行を未だ認識することができない。
図17(c)に示すように、BAR図柄を有効ラインLに狙う態様で各ストップボタン16〜18のうち最初に右ストップボタン18が操作された(BAR揃い操作態様)。なお、図示を省略するが、サブモニタ6等の演出装置で最初に右ストップボタン18を操作する旨およびBAR図柄を有効ラインLに狙う態様でストップボタンを操作する旨の指示(演出)が行われる。
図17(d)に示すように、T揃いの当選およびストップボタンのBAR揃い操作態様に応じて、右図柄列36aの図柄番号17〜19に配置されているBAR図柄の全てが表示窓50に表示された。なお、本実施形態例では、右図柄列36aに配置された3つのBAR図柄が表示窓50に全て表示された場合には、BAR図柄が一列以上必ず直線状に揃うことが確定的となるように構成されている。これにより、遊技者は、内部抽選でT揃いに当選したことを未だ確認することはできないが、S揃い、D揃いおよびT揃いのうち何れかの当選エリアに当選したことを認識し、さらには、ART遊技の回数が少なくとも100以上加算されることを知ることになり、遊技意欲を向上させる。
図17(e)に示すように、次に中図柄列35aに配置されているBAR図柄を狙う態様で中ストップボタン17が操作されたとする。そうすると、図17(f)に示すように、中図柄列35aの図柄番号19に配置されているBAR図柄が表示窓50に表示された。
図17(g)に示すように、最後に左図柄列35aに配置されているBAR図柄を狙う態様で左ストップボタン16の操作(第3停止操作)が行われたとすると、図17(h)に示すように、左図柄列35aの図柄番号13〜15に配置されている全てのBAR図柄が表示窓50に表示されて、BAR図柄が直線状に三列揃うT停止態様でリールが停止した。これを見た遊技者は、演出モードがART特化準備モードからART特化モードに移行したことを認識すると共に、内部抽選でT揃いに当選したことによりART遊技の回数が少なくとも300以上加算されることを認識し、上乗せ数に対する期待感を向上させる。なお、図示を省略するが、演出モードがART特化準備モードからART特化モードに移行する際に、サブモニタ6にART特化モードに移行した旨を示す画像や映像が表示される。
図17(j)に示すように、BAR図柄が直線状に三列揃うT停止態様でリールが停止したタイミングと略同期して、サブモニタ6の画面があたかも割れるような態様の演出が行われると共に、図17(k)に示すように、通常回胴演出の実行が開始される。なお、T揃いの当選に基づいて第1上乗値が「505」に決定されているため、本実施形態例では、505に0.1を乗じて得られた50.5秒間に亘り通常回胴演出が行われる。このため、通常回胴演出の実行期間は遊技者に第1上乗値を示唆することができる。
そして、図示を省略するが、通常回胴演出の実行開始と略同期して、サブモニタ6に拡大表示されている「50」の変動表示が開始され、図17(m)に示すように、T揃いの当選に基づいて行われた第1上乗せ特化処理後のART遊技の累計値「555」でその変動表示が停止する。これを見た遊技者は、T揃いの当選に基づいて505回のART遊技の上乗せが行われたことを知ると共に、ART遊技の累計値が奇数ゾロ目である「555」となったことに基づいて、特別回胴演出の実行に期待を抱くことになる。なお、図17(m)において、図示を省略するが、サブモニタ6にはST回数記憶領域142に記憶されているST回数が表示されており、BAR揃いに当選した場合には、ST回数記憶領域142に記憶されているST回数が初期値である「5」に書き換えられる。
図17(n)に示すように、ART遊技の累計値が奇数ゾロ目「555」となった状態でスタートレバー15が操作されて次のSTが開始されると、図17(p)に示すように、当該遊技開始操作と略同期して遊技が一時的に中断されて、全てのリールが通常と異なる逆方向に回転して特別回胴演出の実行が開始された。これを見た遊技者は、特別回胴演出の実行により第3上乗値が更に上乗せされることを知り遊技に対する高揚感を得る。
図17(p)における特別回胴演出の実行により第3上乗値が100に決定されたとする。この場合には、ART遊技の累計値が655(555+100)となって、図17(q)に示すように、特別回胴演出の実行終了後にサブモニタ6にART遊技の累計値「655」が表示される。
このように、図17に示す具体例は、BAR揃いの当選に基づいて得られた第1上乗値の加算によりART遊技の累計値が奇数ゾロ目となって特別回胴演出が実行され、さらに第3上乗値が追加的に加算された場合の具体例である。
次に、ART特化モードで調整機能を有するベル(調整エリア)に当選した場合の具体例について図18を用いて説明する。
図18(a),(b)に示すように、ART累計値が「435」の状態でスタートレバー15が操作されたことによりスイカに当選したとする。そうすると、ST回数が例えば「2」から「1」減算されて残り1回となった。
図18(b)において、スイカに当選したことに基づいて第2上乗せ特化処理が行われ、当該処理で第2上乗値が「8」に決定された。これにより、図18(c),(d)に示すように、ストップボタンの操作態様に応じてスイカ図柄が直線状に揃う態様でリールが停止し、ART遊技の累計値は443(435+8)となった。このとき、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目に「1」不足している状態となる。
図18(e)に示すように、ART累計値が「443」の状態でスタートレバー15が操作されたことにより、内部抽選における当選確率がスイカやチェリーよりも高確率のベルに当選した。そうすると、図18(f),(g)に示すように、ストップボタンの操作態様に拘わらずベル図柄が直線状に揃う態様でリールが停止し、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目である「444」となった。これにより、100%の当選確率で特別回胴演出抽選が行われて特別回胴演出の実行が決定された。その結果、ST回数の初期値化が行われてST回数記憶領域142に記憶されているST回数が「1」から初期値である「5」に書き換えられた。このとき、遊技者は、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目「444」となったことに基づいて、特別回胴演出の実行、ST回数の初期値化および第3上乗せ特化処理の実行の全てを認識し、ART遊技の上乗せに大いに期待することになる。
図18(h)に示すように、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目「444」となった状態でスタートレバー15が操作されて次のSTが開始されると、図18(j),(k)に示すように、特別回胴演出の実行が開始されると共に、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値が「100〜200」の範囲内である101に決定されてART遊技の累計値が「545」となった。このとき、ART遊技の累計値が「545」のテンパイ目となったことに基づいて10%の当選確率で特別回胴演出抽選が行われる。このとき、遊技者は、ART遊技の累計値がテンパイ目となったことにより、特別回胴演出抽選の当選に期待することになる。
図18(m)に示すように、ART遊技の累計値がテンパイ目「545」となった状態でスタートレバー15が操作されて次のSTが開始されると、図18(j),(g)に示すように、特別回胴演出の実行が開始されると共に、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値が100に決定されてART遊技の累計値が645(545+100)となった。これを見た遊技者は、ART特化モードにおける上乗せの連鎖により大きな満足感を得る。
このように、図18に示す具体例は、ART遊技の累計値が偶数ゾロ目に1不足している状況下(図18(d))で、高確率で当選して固定値「1」を上乗せするベルの当選に基づいて、特別回胴演出の実行が確定的となる偶数ゾロ目「444」にART遊技の累計値が変動し、これを契機に特別回胴演出が行われ(図18(j))、この特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値「101」がART遊技の累計値に加算された具体例である。さらに、当該具体例では、第3上乗値の加算によりART遊技の累計値が再びテンパイ目である「545」の特定値となって(図18(k))、再び特別回胴演出が行われて第3上乗値「100」がART遊技の累計値に追加加算され、ART特化モーで大量の上乗せが行われた具体例である。
以上のように、第1実施形態例に係るスロットマシンSでは、上乗せループ抽選(所定抽選)の結果およびBAR揃い(特殊エリア)の種類の双方に基づいて第1上乗値(特典の内容)を決定する構成、すなわち、BAR揃いの当選を契機に、BAR揃いに対する上乗せ数を上乗せループ抽選に基づいて決定する構成になっているので、第1上乗値を状況に応じて変化させることが可能になり、遊技者が第1上乗値を予測困難となる。これにより、BAR揃いの当選に基づいて決定されるART遊技の上乗せ数(第1上乗値)に遊技者の興味を惹き付けることができる。
そして、本実施形態例では、ART特化準備モードにおけるBAR揃いの当選に基づいて、演出モードをART特化モードに移行させると共に、ART遊技の上乗せ数(第1上乗値)を決定する第1上乗せ特化処理を行う構成になっている。このため、ART特化モードで100回以上のART遊技を確実に上乗せすることが可能であり、ART特化モードでART遊技が上乗せされないような事態を回避できる。
なお、本実施形態例において、ART特化モードでBAR揃いに所定回数当選するまでART特化モードを終了させない構成、すなわち、ART特化モードにおけるBAR揃いの補償回数を設ける構成であっても良い。
また、本実施形態例では、BAR揃いの当選に基づいて演出モードをART特化モードに移行させる構成、すなわち、ART特化モードにおけるST回数を減算することなく100回以上のART遊技を上乗せする構成になっているため、ART特化モードにおけるST遊技の機会を十分に確保してART特化モードにおける遊技性を高めることができる。
さらに、本実施形態例では、ART特化モードで、BAR図柄が直線状に一列揃うS停止態様でリールが停止した場合には100以上、BAR図柄が直線状に二列揃うD停止態様でリールが停止した場合には200以上、BAR図柄が直線状に三列揃うT停止態様でリールが停止した場合には300以上のART遊技の回数が上乗せされる構成になっているため、リールの停止態様により最低上乗せ数を報知して遊技者に安心感を与えることができると共に、これに反してBAR揃いの当選に基づいて行われる上乗せループ抽選により第1上乗値を遊技者に予測困難として上乗せ数に対する遊技者の興味を高めることができる。
また、本実施形態例では、ART特化モードでART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値となると特別回胴演出の実行の可否が決定され、特別回胴演出が実行された場合には第3上乗値が加算されてART遊技の累計値が増加する構成になっている。このように、本実施形態例では、ART遊技の累計値が上乗せの実行契機となっているため、ART遊技の上乗せが更なる上乗せのチャンスとなり、ART特化モードにおいて上乗せの連鎖を実現することができる。これにより、遊技者の遊技意欲を飛躍的に向上させることができる。
特に、本実施形態例では、ART特化モード(特定遊技区間)でART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値(偶数ゾロ目等)となったことに基づいてART遊技の累計値の増加(更新)を決定し、ART特化モードでスイカ(通常エリア)よりも当選確率が高確率のベル(特別エリア)に当選した場合には、ART遊技の累計値の増加を決定すると共に、この決定時におけるART遊技の累計値と特定値との差分の範囲内にある固定値「1」を必ず増加(更新)させる構成になっている。つまり、ART特化モード(特定遊技区間)におけるベルの当選に基づいて、ベル当選時におけるART遊技の累計値を特定値に近づけるようにART遊技の累計値を更新するように構成されている。このため、ART遊技の累計値が特定値に1不足している状況下でベルに当選することにより、ART遊技の累計値を特定値に変動させて第3上乗値の上乗せおよびST回数の初期値化を実現する特別回胴演出の実行機会を得ることができると共に、ART特化モードにおけるベルの当選によりART遊技の累計値が特定値を超えてしまうことを防止することができる。これにより、ART特化モードで特別回胴演出の実行確率を高めることが可能になり、ART特化モードの趣向性を向上させることができる。そして、ART遊技の累計値が特定値に1不足している状況下では、自らのスタートレバー15の操作で複数の当選エリアの中からベルに当選した場合にART遊技の累計値を特定値に変化させることが可能であるため、遊技者自らの操作によりベルを引き当ててART遊技の上乗せおよびST回数の初期値化の双方の特典を自力で獲得したような自力感を遊技者に与えることができる。また、従来の遊技機では、単にレア役等の所定役の当選によりST回数を初期値化することがART特化モードにおけるゲームの主たる目的となっていたが、本実施形態例では、ART遊技の累計値が特定値に変動したことによりST回数を初期値化するゲーム性となっているので遊技のバリエーションを豊富なものとして興趣のある遊技機を提供することができる。
なお、本実施形態例では、遊技者に最も有利なART特化モード(特定遊技区間)において、初期値として設定された5回のST(パラメータ値)を遊技の実行毎(特定条件の成立毎)に1減算し、STが0回(最終値)となったことに基づいてART特化モードを終了させ、BAR揃いの当選および特別回胴演出の実行の何れかに応じてSTを5回に初期値化する構成になっているが、この構成に限られず、例えばBAR揃いの当選時(所定条件の成立時)におけるST回数(パラメータ値)が偶数であることに応じてST回数を所定回数だけ増加させ(特典の付与)、ST回数が奇数であることに応じてST回数を増加させないような構成としても良いし、また、例えば特別回胴演出の実行時(所定条件の成立時)におけるST回数(パラメータ値)が1であることに応じてST回数を所定回数だけ増加させ(特典の付与)、ST回数が1以外の数値であることに応じてST回数を増加させないような構成としても良い。
さらに、本実施形態例では、遊技状態として内部抽選の結果に拘わらず小役のフラグを全て成立させるCB作動が設けられており、ART特化モードでCBに当選して遊技状態がCB作動に移行した場合には、再遊技役よりも小役の入賞を優先させる役付け優先制御等により、調整機能を有するベルに対応付けられている小役を入賞させるようにリールを停止させて、固定値「1」を必ず上乗せするように制御している。このため、ART遊技の累計値が特定値に1不足している状況下でCB作動に滞在している場合には、ART遊技の累計値を確実に特定値に変動させることができ、また、CB作動ではST回数の減算処理が中断されるため、ART特化モードにおけるCB作動の優位性を向上させることができる。
また、本実施形態例では、ART特化モードにおいて、BAR揃いやベルの当選等の内部抽選の結果に応じてART遊技の上乗せを行うのみならず、ART遊技の累計値に応じてもART遊技の上乗せを行う構成になっているため、様々なタイミングで上乗せを行うことができると共に、内部抽選の結果およびサブモニタ6に拡大表示されているART遊技の累計値の双方に遊技者の関心を惹き付けて、遊技性を向上させることができる。
また、本実施形態例では、ART遊技の累計値が特定値に変動したことに基づいて決定される第3上乗値の加算は、特別回胴演出と連動して行われる構成になっているため、演出効果を向上させることができると共に、遊技者の期待感を高めることができる。そして、特別回胴演出の実行は、ART遊技の上乗せのみならず、ST回数の初期値化をも遊技者に報知することができるため、特別回胴演出による演出効果を更に高めることができる。
また、本実施形態例では、ART特化モードに移行した場合に限り特別ARTモードに移行可能になっており、特別ARTモードでは通常ARTモードでサブモニタ6に表示される画像とは異なる専用の画像を表示するため、ART遊技の上乗せに特化したART特化モードに滞在していたことを当該遊技機の遊技者のみならず遊技場にいる他の遊技者にも示すことが可能であり、当該遊技機を遊技している遊技者に優越感を与えることができる。
なお、本実施形態例では、ART遊技の累計値に応じて特別回胴演出抽選を行い、この抽選に当選した場合に特別回胴演出を実行し、特別回胴演出の実行に基づいてART遊技の上乗せ数(第3上乗値)を決定する構成になっているが、この構成に限られず、ART遊技の累計値に応じて、まず上乗せの実行の可否(特典付与の可否)を決定し、上乗せ(特典の付与)を決定した場合に上乗せ数(特典の内容)を例えば「50〜300」の範囲内で決定し、上乗せ数が例えば100以上の場合に特別回胴演出の実行(可動体を所定態様で動作させること)を決定し、99以下の場合に特別回胴演出を実行しないことを決定する構成であっても良いし、上乗せを決定した場合には必ず特別回胴演出を実行するような構成であっても良い。すなわち、上乗せの可否(パラメータ値の増加の可否)および上乗せ数(パラメータ値の増加値)のうち少なくとも一方に応じて特別回胴演出の実行を決定する構成とする。そして、当該構成において、特別回胴演出の態様を複数種類設け、ART遊技の上乗せ数に応じて異なる種類の特別回胴演出を実行することにより、特別回胴演出による演出効果を高めることができる。
なお、本実施形態例では、ART遊技の累計値に応じてリールの動作態様を用いた回胴演出を実行するように構成されているが、この構成に限られず、演出専用の可動体を設け、ART遊技の累計値に応じて可動体を動作させる可動体動作演出を実行するように構成しても良いし、ランプ4や一対のスピーカ5等の演出装置で通常と異なる特別な演出を実行するように構成されていても良い。
また、本実施形態例では、ARTモード(特定遊技区間)における滞在期間を遊技の回数(ART遊技の回数)で規定し、BAR揃いの当選等に基づいてART遊技の回数を加算してARTモードにおける滞在期間を長期化させる構成になっているが、この構成に限られず、ARTモードの滞在期間をメダル払出予定枚数で規定する構成であっても良い。具体的には、ARTモードにおいて、初期値として設定されたメダル払出予定枚数200枚(パラメータ値)をメダルが払い出される毎(特定条件の成立毎)に減算し、メダル払出予定枚数が0枚(最終値)となるとARTモードを終了させる構成とする。そして、当該構成において、本実施形態例と同様に、ARTモードにおけるBAR揃いの当選に基づいて例えば「100枚」以上のメダル払出予定枚数を加算したり、ベルの当選に基づいて固定値である「1枚」のメダル払出予定枚数を加算したりすることにより、ARTモードにおけるメダル払出予定枚数の累計値が特定値(例えば888枚)となったことによりST回数の初期値化およびメダル払出予定枚数の追加加算を実現する特別回胴演出の実行の可否を決定するようにする。また、同様に、ARTモードの滞在期間をメダル獲得枚数で規定する構成であっても良く、この場合には、ARTモードにおいて、初期値として設定されたメダル獲得枚数100枚(パラメータ値)をメダル払出枚数からメダル投入枚数を減算する処理においてメダルが増加する毎(特定条件の成立毎)に当該増加枚数分を減算し、メダル獲得枚数が0枚(最終値)となるとARTモードを終了させる構成とする。また、同様に、ARTモードの滞在期間をメダル獲得可能な打順演出の実行回数(以下、ナビ回数と言う。)で規定する構成であっても良く、この場合には、ARTモードにおいて、初期値として設定されたナビ回数20回(パラメータ値)をメダル獲得可能な打順演出の実行が行われる毎(特定条件の成立毎)に減算し、ナビ回数が0回(最終値)となるとARTモードを終了させる構成とする。
また、本実施形態例では、ART特化モードにおける内部抽選でBAR揃い(特殊エリア)に当選したことを契機にART遊技の上乗せ数である第1上乗値(特典の内容)を決定する構成になっているが、この構成に限られず、例えば、ART特化モードにおける内部抽選でBAR揃い以外の当選エリアに当選したことに基づいて第1上乗値の上乗せを決定する構成であっても良いし、ART特化モードにおける内部抽選の結果に拘わらず第1上乗値の上乗せを抽選により決定する構成であっても良い。
また、本実施形態例では、ART特化モードにおける内部抽選でBAR揃いに当選したことを契機に、ハズレとなるまで繰り返し行われる上乗せループ抽選で当たりとなって得られた数値U1に基づいて数値U2を決定し、この決定した数値U2にBAR揃いの種類に対応付けられた数値を加算(更新)することにより、ART遊技の上乗せ数である第1上乗値を決定する構成になっているが、この構成に限られず、上乗せループ抽選で当たりとなった回数に基づいて得られる変動値である数値U1に予め定められた固定値(例えば100)を加算して得られた数値をART遊技の上乗せ数である第1上乗値に決定する構成であっても良い。すなわち、第1上乗値決定手段131は、BAR揃い(特殊エリア)の当選を契機に、ハズレ(一の結果)となるまで繰り返し行われる上乗せループ抽選(所定抽選)で当たり(他の結果)となった回数に基づいて得られる変動値に予め定められた固定値を加算して得られた数値を第1上乗値(パラメータ値の更新値)に決定することにより特典の内容を決定する構成であっても良い。このようにすると、本実施形態例のように、上乗せループ抽選で当たりとなって得られた数値U1が100未満である場合に数値U1を100に切り上げて第1上乗値を必ず100以上にする処理を実行しなくとも、第1上乗値を確実に固定値(例えば100)以上とすることができるため、主制御処理部100に対する処理負担を軽減することができる。また、当該構成では、上乗せループ抽選で得られた変動値(数値U1)に予め定められた固定値を加算して得られた数値を第1上乗値に決定する構成になっているが、この固定値に替えて、変動値(数値U1)に加算する数値を例えば「1〜100」の範囲内で抽選により決定する構成であっても良いし、上乗せループ抽選で決定する構成であっても良い。すなわち、第1上乗値決定手段131は、第1抽選(上乗せループ抽選)で得られる第1変動値に第2抽選(所定の範囲内にある数値の中から一の数値を選択する抽選,上乗せループ抽選)で得られる第2変動値を加算して得られた数値を第1上乗値(パラメータ値の増加値)に決定することにより特典の内容を決定する構成であっても良い。
続いて、本発明の第2実施形態例に係るスロットマシンについて説明する。第2実施形態例に係るスロットマシンは、第1実施形態例に係るスロットマシンSと比較して、特別回胴演出の実行に基づいて決定されたART遊技の上乗せ数(第3上乗値)に応じて、さらに追加的なART遊技の上乗せを行い得る点で異なる。そこで、第1実施形態例と相違する部分について説明をし、同じ部分については説明を省略する。
第2実施形態例に係る特化モード制御手段130は、図19に示すように、第3上乗値に応じてART遊技の上乗せ数である第4上乗値を決定する第4上乗値決定手段137と、第4上乗値に応じてART遊技の上乗せ数である第5上乗値を決定する第5上乗値決定手段138と、第5上乗値に応じてART遊技の上乗せ数である第6上乗値を決定する第6上乗値決定手段139と、をさらに備えている。
第2実施形態例に係る第3上乗値決定手段133は、特別回胴演出の実行に基づいて「10〜99」の範囲内で第3上乗値を決定する。
第4上乗値決定手段(特典付与決定手段,更新可否決定手段)137は、第3上乗値(特典の内容)に応じてART遊技(追加特典)を上乗せするか否かを抽選(以下、第4上乗値抽選と言う。)により決定する。具体的には、図20に示すように、第3上乗値(M3)が奇数ゾロ目(例えば33)である場合に100%の当選確率でART遊技の上乗せを決定し、同様に、第3上乗値が偶数ゾロ目(例えば22)である場合に50%の当選確率でART遊技の上乗せを決定する。
第4上乗値決定手段137は、第4上乗値抽選に当選した場合に、ART遊技の上乗せ数である第4上乗値を「11〜99」の範囲内で決定する。
第5上乗値決定手段138は、第4上乗値に応じてART遊技を上乗せするか否かを決定する。具体的には、第4上乗値が奇数である場合にART遊技の上乗せを決定し、第4上乗値が偶数である場合にART遊技を上乗せしないことを決定する。そして、第4上乗値に基づいてART遊技の上乗せを決定した場合には、ART遊技の上乗せ数である第5上乗値を「1〜99」の範囲内で決定する。
第6上乗値決定手段139は、第5上乗値に応じてART遊技を上乗せするか否かを決定する。具体的には、第5上乗値が奇数である場合にART遊技の上乗せを決定し、第5上乗値が偶数である場合にART遊技を上乗せしないことを決定する。そして、第5上乗値に基づいてART遊技の上乗せを決定した場合には、ART遊技の上乗せ数である第6上乗値を「1〜99」の範囲内で決定する。
次に、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値が決定された場合に、第3上乗値に応じてART遊技の上乗せを複数回に亘り連続して行う連続上乗せ特化処理について図21を用いて説明する。
(ステップS211)
まず、ストップボタン16〜18のうち最初のストップボタンが操作されたか否かを判断し、最初のストップボタンが操作された場合(S211でYes)には、ステップS212に処理を移し、最初のストップボタンが操作されていない場合(S211でNo)には、ステップS211の手前に戻る。
(ステップS212)
次に、最初のストップボタンの操作を契機に、第3上乗値に応じて第4上乗値抽選を実行する(S212)。具体的には、第3上乗値が奇数ゾロ目である場合に100%の当選確率で第4上乗値抽選を実行し、第3上乗値が偶数ゾロ目である場合に50%の当選確率で第4上乗値抽選を実行する(図20参照)。
(ステップS213〜215)
次に、第4上乗値抽選に当選したか否かを判断し(S213)、第4上乗値抽選に当選した場合(S213でYes)には、第4上乗値を「1〜99」の範囲で決定し(S214)、決定した第4上乗値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する(S215)。一方、第4上乗値抽選に当選しなかった場合(S213でNo)には、第4上乗値を決定することなくステップS216に処理を移す。なお、ステップS215で送信された第4上乗値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200が受信すると、ステップS211で行われた最初のストップボタンの操作に略同期させて第4上乗値に相当する画像をサブモニタ6に表示して、ART遊技の上乗せが行われたことを遊技者に報知する。
(ステップS216)
次に、最初のストップボタンの操作に続いて二番目のストップボタンが操作されたか否かを判断し、二番目のストップボタンが操作された場合(S216でYes)には、ステップS217に処理を移し、二番目のストップボタンが操作されていない場合(S216でNo)には、ステップS216の手前に戻る。
(ステップS217)
次に、二番目のストップボタンの操作を契機に、最初のストップボタンの操作に基づいて第4上乗値を決定したか否かを判断し(S217)、第4上乗値を決定した(S217でYes)場合にはステップS218に処理を移し、第4上乗値を決定していない(S217でNo)場合にはステップS221に処理を移す。
(ステップS218〜220)
次に、決定された第4上乗値が奇数であったか否かを判断し(S218)、奇数である場合(S218でYes)には、第5上乗値を「1〜99」の範囲で決定し(S219)、決定した第5上乗値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する(S220)。一方、第4上乗値が偶数であった場合(S218でNo)には、第5上乗値を決定することなくステップS221に処理を移す。なお、ステップS220で送信された第5上乗値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200が受信すると、ステップS216で行われた二番目のストップボタンの操作に略同期させて第5上乗値に相当する画像をサブモニタ6に表示して、ART遊技の上乗せが行われたことを遊技者に報知する。
(ステップS221)
次に、最後のストップボタンが操作されたか否かを判断し(S221)、最後のストップボタンが操作された場合(S221でYes)には、ステップS222に処理を移し、最後のストップボタンが操作されていない場合(S221でNo)には、ステップS221の手前に戻る。
(ステップS222)
次に、最後のストップボタンの操作を契機に、二番目のストップボタンの操作に基づいて第5上乗値を決定したか否かを判断し(S222)、第5上乗値を決定した(S222でYes)場合にはステップS223に処理を移し、第5上乗値を決定していない(S222でNo)場合にはステップS226に処理を移す。
(ステップS223〜225)
次に、決定された第5上乗値が奇数であったか否かを判断し(S223)、奇数である場合(S223でYes)には、第6上乗値を「1〜99」の範囲で決定し(S224)、決定した第6上乗値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する(S224)。一方、第5上乗値が偶数であった場合(S223でNo)には、第6上乗値を決定することなくステップS226に処理を移す。なお、ステップS224で送信された第6上乗値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200が受信すると、ステップS221で行われた最後のストップボタンの操作に略同期させて第6上乗値に相当する画像をサブモニタ6に表示して、ART遊技の上乗せが行われたことを遊技者に報知する。
(ステップS226)
次に、連続上乗せ特化処理後のART遊技の累計値の情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信して連続上乗せ特化処理を終了させる。当該演出コマンドを副制御処理部200が受信したことに基づいて、連続上乗せ特化処理後のART遊技の累計値がサブモニタ6に表示される。なお、連続上乗せ特化処理後のART遊技の累計値が特定値となった場合には、第1実施形態例と同様に、特別回胴演出抽選を行い、この抽選に当選した場合に特別回胴演出を実行してART遊技の上乗せ数(第3上乗値)を決定する。
以上のように、第2実施形態例に係るスロットマシンSでは、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値(特典)を付与するか否かを決定し、第3上乗値の付与が決定されたことに基づいて第3上乗値(特典の内容)を決定する第3上乗値決定手段(特典内容決定手段)133と、第3上乗値に追加して第4上乗値(追加特典)を付与するか否かを決定する第4上乗値決定手段(特典付与決定手段)137とを備えており、第4上乗値決定手段137は、第3上乗値に応じて第4上乗値を上乗せするか否か決定するように構成されている。このため、ART遊技の上乗せ態様をバリエーション豊かなものにすることができる。
そして、第2実施形態例では、特別回胴演出の実行に基づいて決定された第3上乗値に応じてART遊技の上乗せが最大で3回に亘り行われる構成になっているので、ART特化モードにおける上乗せの機会を増加させて遊技性を向上させることができる。
また、第2実施形態例では、特別回胴演出の実行に基づいて決定された第3上乗値に応じて第4上乗値を上乗せするか否かを決定し、第4上乗値の上乗せを決定したことを契機に第4上乗値に応じて第5上乗値を上乗せするか否かを決定し、さらには、第5上乗値の上乗せを決定したことを契機に第5上乗値に応じて第6上乗値を上乗せするか否かを決定する構成になっており、ストップボタンの操作毎に上乗せの可否を決定し、決定の都度、上乗値をサブモニタ6に表示する構成になっているため、サブモニタ6に表示される上乗値に遊技者の関心を強く惹きつけることができる。
また、第2実施形態例では、第3上乗値に応じて第4上乗値抽選の当選確率を100%または50%に変動させる構成になっているので、第3上乗値に対する遊技者の関心を更に高めることができる。
なお、第2実施形態例では、特別回胴演出の実行に基づいて決定される第3上乗値に応じて最大でART遊技の上乗せが3回行われる構成になっているが、この構成に限られず、特別回胴演出の実行に基づいて決定される第3上乗値に応じてART遊技の上乗せ数(上乗値)を決定し、この決定した上乗値が奇数である場合には、ART遊技の上乗値を決定し、この決定した上乗値が奇数である場合には、再びART遊技の上乗値を決定するというように、特別回胴演出の実行に基づいて決定される上乗値が偶数となるまで繰り返し上乗せを行う構成であっても良い。すなわち、所定条件の成立(特別回胴演出の実行)に基づいて決定されるART遊技の上乗値が所定値(例えば偶数)となるまでART遊技の加算を繰り返し行う連続上乗せ処理を実行する構成であっても良い。このように構成すると、ART特化モードにおいて上乗せの無限連鎖を実現することができるため、遊技の趣向性を高めることができる。
また、第2実施形態例では、特別回胴演出の実行に基づいて決定された第3上乗値に応じて第4上乗値を決定する構成になっているが、この構成に限られず、上乗せループ抽選およびBAR揃いの種類の双方に基づいて決定される第1上乗値に応じて第4上乗値を決定する構成であっても良い。
また、第2実施形態例では、特別回胴演出の実行に基づいて決定された第3上乗値に応じて第4上乗値抽選を実行し、当該抽選に当選した場合には第4上乗値を決定する構成になっているが、この構成に限られず、第3上乗値(特典の内容)に応じて、リール(可動体)の動作態様を利用した回胴演出を実行するか否かを決定し、この回胴演出の実行を決定した場合に第4上乗値を決定し、第4上乗値をART遊技回数記憶領域141に加算すると共に、回胴演出を実行するように構成しても良い。このようにすると、回胴演出と連動させて第4上乗値の上乗せを行うことができるため、演出効果を高めることができる。
また、第2実施形態例において、特別回胴演出の実行に基づいて第3上乗値を決定し、この第3上乗値に応じて第4上乗値抽選を実行し、当該抽選に当選したことに基づいて第4上乗値を決定すると共に、第4上乗値抽選の当否および決定された第4上乗値の少なくとも一方に応じて回胴演出(以下、特殊回胴演出と言う。)を実行する構成であっても良い。
例えば、第4上乗値抽選の当否および決定された第4上乗値の双方に応じて特殊回胴演出を実行するようにすると、第4上乗値抽選に当選して、第4上乗値が例えば偶数ゾロ目(例えば22)となった場合に限り特殊回胴演出を実行することができるため、特殊回胴演出の実行は第4上乗値を示唆することができる。なお、当該構成において、特殊回胴演出の実行を契機にさらにART遊技を上乗せするように構成すると、特殊回胴演出による演出効果を更に高めることができるため好適である。また、例えば、第4上乗値抽選の当選のみに応じて特殊回胴演出を実行するようにすると、第4上乗値に拘わらず特殊回胴演出を実行することができるため、特殊回胴演出の実行機会を増加させることができる。
第1,第2実施形態例では、ART特化モードにおけるART遊技の累計値や上乗せ数あるいは特別回胴演出の実行によりART遊技の上乗せを行う構成になっているが、この構成に限られず、ART特化モード以外のARTモード(通常ARTモードや特別ARTモード等)でART遊技の累計値や上乗せ数あるいは特別回胴演出の実行に基づいてART遊技の上乗せを行う構成であっても良い。
第1,第2実施形態例では、ART特化モードにおける上乗せの連鎖によりART遊技の累計値が無制限に増加する可能性があり、遊技者の射幸心を過度にそそる不適合な遊技機となる虞がある。そこで、第1,第2実施形態例において、ART遊技の累計値を例えば「1500」を上限に設定し、ART遊技の上乗せによりART遊技の累計値が1500を超過した場合には、上限値1500を超えて上乗せされたART遊技の回数を無効とすると共に、ARTモードでART遊技の累計値が0となって演出モードが非ARTモードに移行するまで、ART遊技の上乗せを中止するという構成が考えられる。つまり、ARTモード(特定遊技区間)でART遊技の累計値(パラメータ値)が1500(所定値)以上になったことに基づいて、ART遊技の累計値が0(最終値)となるまでART遊技の累計値を増加(更新)させない構成、換言すると、特定遊技区間でパラメータ値が所定値に到達したことに基づいて、特定遊技区間における内部抽選の結果に基づいてパラメータ値を更新しない構成が考えられる。このように構成した場合、例えばART遊技の累計値が1500に僅かに満たない状況下でART遊技の累計値が1500を超えてしまうような上乗せが行われて1500を超えてART遊技が上乗せされた場合に、1500を超えた分を無効とすると、遊技者に損失感を与えてしまい遊技の興趣を低下させる原因となる。仮に、ART遊技の累計値が1500に僅かに満たない状況下において、BAR揃いに当選してART遊技の上乗せ数(第1上乗値)が300となったとき、ART遊技の累計値が1500を超えないようにするために、BAR揃いの当選で得られる上乗せ数300を減じてART遊技の累計値が1500を超えない上乗せ数に変更する方法も考えられる。しかし、予め当選エリアに対応付けられている上乗せ数や特別回胴演出の実行に対応付けられている上乗せ数をART遊技の累計値が1500を超えないようにするために変更すると、例えばBAR揃いの当選や特別回胴演出の実行により大量の上乗せを実現することができる本遊技機の特徴を破壊することになり妥当ではない。ここで、第1,第2実施形態例では、高確率で当選して上乗せ数として固定値でかつ最小の「1」を上乗せすることによりART遊技の累計値を特定値に変動可能な当選エリア「ベル」が設けられている。このため、ART遊技の累計値が1500に僅かに満たない状況下において、当選確率が高確率の当選エリア「ベル」に当選することにより、ART遊技の累計値を上限値である1500に調整可能である。これにより、ART遊技の累計値が1500を超えないような上乗せを実現可能であり、上限値を超えて上乗せ数が無効となることによる損失感を遊技者に極力与えないようにして、遊技性の低下を防止することができる。
第1,第2実施形態例では、ART特化モードにおける当選エリア「BAR揃い」の当選時に上乗せループ抽選(所定抽選)が行われ、この上乗せループ抽選で当たり(他の結果)となった回数に基づいて、ART遊技の上乗せ数である第1上乗値(特典内容)を決定する構成、すなわち、BAR揃い当選時に特典の内容を決定する構成になっているが、この構成に限られず、BAR揃いの当選から複数回の遊技が行われるまでの期間内に特典の内容をループ抽選で決定する構成であっても良い。例えば、BAR揃いの当選から3回の遊技が行われるまでの期間内において、1回目の遊技の開始時に特別ループ抽選(所定抽選)を行い、この1回目の特別ループ抽選で当たり(他の結果)となった場合には、2回目の遊技の開始時に2回目の特別ループ抽選を実行し、この2回目の特別ループ抽選で当たりとなった場合には、3回目の遊技の開始時に3回目の特別ループ抽選を実行する一方、特別期間内における特別ループ抽選でハズレ(一の結果)となった場合には特別ループ抽選の実行を中止するというように、BAR揃いの当選から複数回の遊技が行われるまでの期間内でハズレ(一の結果)となるまで遊技毎に特別ループ抽選を行い、この期間内で得られた当たりの回数に基づいて、ART遊技の上乗せ数を決定するようにする。このようにすると、複数回の遊技に亘り行われる特別抽選の結果に遊技者の興味を惹き付けることができる。
また、上記変形例では、ART特化モードでBAR揃いに当選したことに基づいて上乗せループ抽選を行う構成になっているが、この構成に限られず、ART特化モードで所定演出の実行が開始されたこと、ART特化モードでART遊技の累計値が特定値に変動したこと、ART特化モードで遊技状態が所定の遊技状態に移行したこと等に基づいて上乗せループ抽選を行う構成であっても良い。例えば、ART特化モードで所定演出の実行が開始されたことに基づいて上乗せループ抽選を行う場合には、所定演出が行われている期間内に特別ループ抽選を行うようにする。
第1,第2実施形態例に係る遊技機では、ベル(特別エリア)の当選でART遊技の回数を必ず固定値である「1」増加(更新)させる構成になっているが、この構成に限られず、ベルの当選でART遊技の回数を必ず固定値である「1」減少(更新)させる構成であっても良いし、ベルの当選でART遊技の累計値を特定値に近づけるようにART遊技の回数を増加または減少させる構成であっても良い。このように構成した場合、ART特化モードにおけるベルの当選によりART遊技の累計値を「334」から特定値である「333」に変動させてART遊技の上乗せを実行可能となる。これにより、ART特化モードにおけるART遊技の上乗せの機会を十分に確保してART特化モードにおける遊技性を高めることができる。
また、第1,第2実施形態例に係る遊技機では、ARTモードにおいて、初期値として設定されたART遊技の回数(パラメータ値)を遊技の実行毎に「1」減算(更新)し、ART遊技の回数が「0」(最終値)となったことに基づいてARTモードを終了させる構成、すなわち、「50」や「100」といった正の数値を初期値とし、最終値である「0」に向けて減算していく構成であり、上乗せとしては正の数を増やして最終値「0」から正の方向に離れる構成になっているが、この構成に限られず、「−50」や「−100」といった負の数を初期値とし、この初期値を最終値の「0」に向けて増加していく構成であっても良い。この場合、上乗せとしては負の数を増やして最終値「0」から負の方向に離れる構成となる。具体的には、ARTモードにおいて、初期値として設定されたART遊技の回数を例えば「−50」とし、遊技の実行毎に「1」増加(更新)し、ART遊技の回数が「0」(最終値)となったことに基づいてARTモードを終了させる構成であっても良い。この場合、第1,第2実施形態例と同様に、ART特化モードにおいてART遊技の累計値が特定値(例えば、負の奇数ゾロ目である「−111」や負の順目である「−123」等)となったことに基づいて、特典の付与としてART遊技の累計値の更なる減算(更新)を実行可能とする。そして、ART特化モードにおけるスイカ等(通常エリア)の当選でART遊技の累計値を「5〜30」の範囲内で減少(更新)させ、ベル(特別エリア)の当選でART遊技の累計値を必ず固定値である「1」を減少または増加させることによりART遊技の累計値を特定値に近づけるように更新する。また、上述の変形例においては、初期値が正の数のパターンあるいは負の数のパターンのいずれにしても、最終値は「0」であったが、これに限定されずに、初期値が正の数のパターンの場合は最終値を例えば「−50」とし、「0」を超えても負の方向に減算していくようにしても良い一方、初期値が負の数のパターンでは最終値を例えば「50」とし「0」を超えて正の方向に加算していくようにしても良い。つまり、初期値として定められたパラメータ値を更新することで、予め定められた最終値に近づいたり(換言すれば終了値に向けた更新)、あるいは離れたり(換言すれば、上乗せとして最終値から離れるように更新)するようにすればよい。
また、第1,第2実施形態例では、ART特化モード(特定遊技区間)でスイカ(通常エリア)に当選した場合には、スイカ当選時のART遊技の累計値(パラメータ値)に拘わらず、ART遊技の回数を「5〜10」の範囲内で上乗せする構成になっているが、この構成に限られず、ART遊技の累計値を偶数ゾロ目や順目等の特定値に近づけるように、ART遊技の上乗せ数(更新値)を決定する構成であっても良い。つまり、当該変形例におけるスイカは、第1,第2実施形態例のベル同様に、ART遊技の累計値を特定値に近づける調整役(調整エリア)として機能する。当該構成の変形例について以下に説明する。
上記構成の変形例では、第1、第2実施形態例と異なり、ART遊技の特定値が一つのみ設けられ(例えば「777」)、ART特化モードでスイカに当選したときのART遊技の累計値と特定値との差分を算出する算出手段と、算出手段によって算出された差分の範囲内で上乗値を決定する上乗値決定手段と、上乗値決定手段により決定された上乗値をART遊技回数記憶領域141に加算する加算手段と、を備えている。例えば、現在のART遊技の累計値(パラメータ値)が「774」であったときに、ART特化モードにおける内部抽選でスイカに当選したとする。この場合、算出手段(更新値決定手段とも言う。)は特定値「777」から「774」を減算して差分「3」を算出し、上乗値決定手段(更新値決定手段とも言う。)は算出された差分「3」の範囲内である「1〜3」の間で上乗値(第2上乗値)を決定する。これにより、ART遊技の累計値が特定値「777」を超えないように、ART遊技の累計値を特定値「777」に近づけることができるため、ART特化モードにおけるスイカの当選は上乗せの連鎖に対する期待感を向上させることができる。
また、上記構成の変形例において、第1、第2実施形態例と同様に、ART遊技の特定値が複数設けられていてもよく、当該変形例では、ART特化モードにおけるスイカの当選に基づいて、現在のART遊技の累計値に最も近い特定値を判定する判定手段を備える構成とする。例えば、現在のART遊技の累計値(パラメータ値)が「115」であったときに、ART特化モードにおける内部抽選でスイカに当選したとする。この場合、判定手段は「115」に最も近いART遊技の特定値を順目である「123」であると判定し、算出手段(更新値決定手段)は「123」から「115」を減算して差分「8」を算出し、上乗値決定手段(更新値決定手段)は算出された差分「8」の範囲内である「1〜8」の間で上乗値(第2上乗値)を決定する。これにより、ART遊技の累計値が特定値「123」を超えないように、ART遊技の累計値を特定値「123」に近づけることができる。同様に、例えば、現在のART遊技の累計値(パラメータ値)が「125」であったときに、ART特化モードにおける内部抽選でスイカに当選したとする。この場合、判定手段は「125」に最も近いART遊技の特定値を「123」であると判定し、算出手段は「123」から「125」を減算して差分「2」を算出し、上乗値決定手段は算出された差分「2」の範囲内である「1〜2」の間で上乗値(第2上乗値)を決定する。
また、上記構成の変形例として、算出手段により算出された差分に応じて上乗値を決定する上乗値決定手段は、算出手段によって算出された差分に相当する数値を上乗値に決定する構成であっても良い。例えば、現在のART遊技の累計値(パラメータ値)が「310」であったときに、ART特化モードにおける内部抽選でスイカに当選したとする。この場合、判定手段は「310」に最も近いART遊技の特定値をテンパイ目である「313」であると判定し、算出手段は「313」から「310」を減算して差分「3」を算出し、上乗値決定手段は算出された差分「3」を上乗値に決定する。このようにすると、ART特化モードでスイカに当選した場合には、必ずART遊技の累計値を特定値に変動させて更なる上乗せを実現可能になる。また、上記構成において、スイカに替えて調整役をチェリー等とする構成であっても良いことは言うまでもない。
また、第1,第2実施形態例では、ART特化モード(特定遊技区間)でART遊技の累計値(パラメータ値)が特定値になったことに基づいて、ART遊技の上乗せの可否を特別回胴演出抽選で決定する構成、すなわち、ART遊技の累計値を増加(更新)させるか否かを決定する構成になっているが、この構成に限られず、ART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、ART遊技の累計値を減少(更新)させる構成であっても良い。例えば、ARTモードでART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、累計値の増加(例えば+300)、累計値の減少(例えば−50)、累計値の維持の中から一を抽選(以下、更新抽選と言う。)により累計値の更新内容を決定する。この場合、累計値の増加値や減少値を考慮して、例えば、累計値の増加の当選確率を累計値の減少の当選確率よりも高確率に設定したり、累計値の増加の当選確率を累計値の減少の当選確率よりも低確率に設定したりすると好適である。また、例えば、ART特化モードでART遊技の累計値が特定値になったことに基づいて、前記更新抽選を実行するかしないかを遊技者の意思で決定できるような構成であっても良い。このようにすると、第1,第2実施形態例と異なる趣向性の遊技機を提供することができる。