JP5953036B2 - 形材の接合構造および建具 - Google Patents
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Description
このため、特許文献1の第2図に示すように、下枠の板部(内外のレール基端間に形成された平板部分)において、ビスホール部の基端部にはシール材を配置できない。
そして、縦枠の接合面および下枠の端面が直接接触するメタルタッチ部分は、シール材が介在していないために止水性能を確保できない。従って、特許文献1においても、シール材を配置できないビスホールの基端部分は、止水性能を確保できない。このため、縦枠および下枠の接合部において、前記シール材によって形成される止水ラインを室外側から室内側に連続させることができず、止水性能が低下する。よって、止水ラインが途切れる前記ビスホール基端部から躯体側に水が浸入してしまうという課題があった。
また、建具として、一対の縦枠間に横枠(上枠や下枠)を配置する場合には、横枠の左右の端面が縦枠の側面(接合面)に接合されるため、横枠が第1形材となり、縦枠が第2形材となる。一方、建具として、一対の横枠(上枠、下枠)間に縦枠を配置する場合には、縦枠の上下の端面が横枠の下面や上面(接合面)に接合されるため、縦枠が第1形材となり、横枠が第2形材となる。
そして、前記第1形材および第2形材の一方には、接合面に沿った平面位置が、前記ビスホール部端面における前記止水ライン形成部と異なる位置、つまり止水ラインに重ならない位置において、前記第1形材および第2形材の他方に当接する隙間形成手段を設けている。たとえば、第2形材に隙間形成手段を設ける場合、第1形材のビスホール部端面において止水ライン形成部と異なる位置に、前記隙間形成手段を当接させている。逆に、第1形材に隙間形成手段を設ける場合、第1形材のビスホール部端面において止水ライン形成部と異なる位置に隙間形成手段を設け、この隙間形成手段を第2形材の接合面に当接させている。
従って、ビスホール部が止水ライン形成部から連続して形成され、ビスホール部の一部が止水ラインに重なる場合でも、隙間形成手段はビスホール部において止水ラインと重ならない部分に当接する。
このため、止水ライン部分においては第1形材および第2形材間に所定寸法の隙間を形成することができ、止水ラインに配置されるシール材を所定寸法に圧縮して止水性を確保できる。
さらに、第1形材および第2形材を接合して組み立てた建具を、施工現場などに運搬して施工する際に、前記形材の接合部分に応力が加わった場合も、隙間形成手段で前記止水ラインにおける各形材間の隙間寸法が維持されるため、シール材が潰されてダメージを受けることがない。このため、運搬・施工時において各形材接合部のシール性能を低下させることがない。
その上、建具を施工した後、第1形材の熱膨張が繰り返し発生してもシール材の劣化を防止できる。たとえば、第1形材に直射日光が当たると第1形材の表面温度が上昇し、その熱によって第1形材は膨張する。一方、夜になって第1形材の温度が低下すると、第1形材は元の長さに戻る。このため、第1形材は1日毎に熱膨張を繰り返す。第1形材および第2形材間にシール材のみが介在されている場合に第1形材が熱膨張すると、シール材に応力が加わって潰されてしまう。このため、形材の熱膨張が長年繰り返されると、シール材に繰り返し応力が加わり、シール材が劣化して止水性能が低下するため、短期間でメンテナンスする必要がある。
一方、本発明によれば、隙間形成手段が設けられているので、第1形材が熱膨張を繰り返しても第1形材および第2形材間の隙間は一定に維持され、シール材が押し潰されることがなく、シール材が劣化して止水性能が低下することも防止できる。
一方、本発明のシール材は、隙間形成手段を挿通する挿通穴部が形成されているので、隙間形成手段およびビスホール部を直接接触させて隙間寸法を設定できる。また、ホットメルトシールを用いる必要が無いため、一般的なゴム製のシール材を利用でき、組立作業性も向上できる。
さらに、前記シール材の前記穴部と前記挿通穴部とは連通して形成されているので、シール材における穴部および連通穴部の打ち抜き加工を容易に行うことができる。
また、ねじ穴に隣接する位置に形成した突起部を、ビスホール部の端面に当接させて各形材間の隙間寸法を設定しているので、第2形材のねじ穴から第1形材のビスホール部にねじをねじ込むことで、前記突起部を確実にビスホール部に当接させて隙間寸法を設定できる。さらに、突起部がビスホール部に当接するため、ねじの締め付け量も適切に管理できる。
その上、前記ビスホール部に対応するねじ穴に隣接する位置に突起部を形成する突き出し加工を追加するだけで本発明を実現できる。従って、ねじ穴形成だけでなく突き出し加工も同時に行える金型を用意すれば、加工工数は従来と変わらないため、第1形材の断面形状に依存することなく、コストアップ無しで隙間形成手段を容易に形成できる。
また、ビスホール部は、第1形材において、止水ライン形成部に連続して形成することもできるため、止水ラインの近くで隙間寸法を設定することもできる。このため、止水ライン部分の各形材間の隙間寸法、つまりシール材の圧縮率を容易にかつ正確に設定できる。
これに対し、本発明によれば、2つの突起部を設けているので、第1形材にビスホール部が1つのみ形成されている場合でも、第1形材に対する第2形材の向きを容易に正しく設定でき、治具などを用いることなく、接合作業を安定して行うことができる。
なお、第1形材に複数のビスホール部が設けられている場合には、各ビスホール部に1つの突起部のみを当接させても、第2形材全体としては複数の突起部が第1形材のビスホール部に当接するため、本発明と同様に安定して接合作業を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る建具を構成する窓枠1の要部を示す斜視図である。図2は、前記窓枠1の要部の分解斜視図である。
図1、図2において、枠体としての窓枠1は、建物の外壁などに設けられ、その内部に図示しない障子や固定パネル材等を支持してサッシ窓を構成するものであり、それぞれアルミ形材製の上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして構成されている。
なお、図1、図2には、上枠、下枠および左右の縦枠のうち、第1形材としての下枠2における一方の端部と、第2形材としての縦枠3における下端部との接合構造を一例として示している。
下枠2は、引違いサッシ用の下枠であり、押出成形されたアルミ形材である。
下枠2は、図1に示すように、外レール部21と、内レール部22と、網戸レール部23と、表面部24と、裏面部25と、躯体固定部26と、取付部27と、第1ビスホール部28と、第2ビスホール部29を備えている。
なお、外レール部21、内レール部22、網戸レール部23の端部は、排水や掃除のために下枠2の端縁まで延長されておらず、切り欠かれている。
第3立上部247は、第2立上部246の上端から内レール部22の下端間に形成されている。すなわち、第3立上部247は、第2立上部246に連続する湾曲部と、湾曲部から見付け方向に略沿って形成される連結部と、連結部から水平方向に折曲された折曲部とを備えている。
取付部27は、第3表面部243の室内側端部から見付け方向(上方向)に向かって立ち上がって形成されている。取付部27の室内面には、樹脂製のアングル材20が取り付けられている。アングル材20は、建物の窓の額縁(窓台)や床材上に配置され、建物側の部材と下枠2との隙間を被覆している。
水切り片部251は、網戸レール部23の下端部から下方に延長されており、その下端には室内側に折曲された水返し部2511を備えている。
連結部253は、第2表面部242の下面から下方に延長されて形成され、第1下面部252の室内側端縁に連結されている。
従って、第1ビスホール部28は、第1表面部241、第1立上部245、第2表面部242、水切り片部251、第1下面部252、連結部253で区画された第1中空部250A内に形成されている。
連結部255は、第2下面部254の室内側端部と第3表面部243の室内側端部間に、見付け方向に沿って形成されている。
従って、第2ビスホール部29は、第2立上部246、第3立上部247、第3表面部243、第2下面部254、連結部255で区画された第2中空部250B内に形成されている。
そして、これらの円領域281,291の一部が重なり、かつ、円領域281,291に止水ラインが含まれるように、ビスホール部28,29の形成位置を設計している。なお、本実施形態では、釘ヒレ部261,561の先端は止水ラインではないため、円領域281,291から外れている。
釘ヒレ部261は、連結部253の下端から下方に連続して形成されている。この釘ヒレ部261は、躯体の室外側に沿って配置され、室外側から図示略のビスを、釘ヒレ部261を介して躯体までねじ込むことで下枠2は躯体の室外面に固定される。
躯体保持部262は、連結部255の下端よりも上部の位置から室内側に連続して形成されている。躯体保持部262は、連結部255から水平に突出され、さらに斜め下方に延長されている。この躯体保持部262は、躯体の上面に載置され、上面側から図示略のビスを躯体保持部262から躯体までねじ込むことで下枠2は躯体上面に固定される。
縦枠3は、引違いサッシ用の縦枠であり、押出成形されたアルミ押出形材である。
縦枠3は、図1,2に示すように、レール引寄部31と、網戸係止部33と、側面部34と、躯体固定部36と、取付部37とを備えている。
網戸係止部33は、側面部34の室外側端部から下枠2側つまり窓枠1の内周側に向かって延出されている。網戸係止部33の下端は第1表面部241に干渉しないように切り欠かれている。
なお、図示しないが、室内側から見て左側の縦枠では、レール引寄部31は外レール部21の位置に合わせて形成され、その下端は第2表面部242に干渉しないように切り欠かれている。
躯体当接部362は、側面部34の室内側端部から窓枠1の外側に向かって突出して形成されている。この躯体当接部362の先端は、躯体の側面に当接される。
そして、見込み方向の位置がレール引寄部31および躯体当接部362間で、図示略のビスを側面部34の内面から躯体までねじ込むことで、縦枠3は躯体側面に固定される。
また、側面部34の接合面には、前記ねじ穴341、342に隣接して突起部343、344が形成されている。突起部343、344は、ねじ穴341、342を挟んでそれぞれ一対設けられている。具体的には、図4にも示すように、ねじ穴341、342の高さ方向の中間位置であり、かつ、ねじ穴341、342の室外側および室内側に隣接する位置に形成されている。
シール材4は、シート状のブチルゴムなどで構成されたシール材(シーラー)である。シール材4は、図2、4に示すように、下枠2の端面形状に合わせた形状に形成されている。
すなわち、シール材4の上面側は、下枠2の上面形状、具体的には第1表面部241、第1立上部245、第2表面部242、第2立上部246、第3立上部247、第3表面部243、取付部27に沿った形状とされている。
また、シール材4の下面側は、下枠2の下面形状、具体的には第1下面部252、釘ヒレ部261、連結部253、第2下面部254、連結部255に沿った形状とされている。このため、第1中空部250A、第2中空部250Bの開口端面は、ビスホール部28,29部分を除いてシール材4で塞がれている。
なお、止水ライン形成部240を構成する第1ビスホール部28の基端部とは、第1表面部241および第1立上部245を連結する部分であり、この連結部から円弧状に突出する2つの円弧部は止水ライン形成部240には含まれない。同様に、止水ライン形成部240を構成する第2ビスホール部29の基端部とは、第3表面部243の部分であり、第3表面部243から円弧状に突出する2つの円弧部は止水ライン形成部240には含まれない。
従って、前記突起部343、344およびビスホール部28,29の当接部分(メタルタッチ部分)は、止水ライン形成部240と異なる位置、具体的には止水ラインの下側にずれた位置に形成されている。このため、前記メタルタッチ部分は止水ラインに重なることがなく、止水ラインは下枠2および縦枠3の接合部において、見込み方向の室外側から室内側まで連続して形成される。さらに、ビスホール部28,29を挟んで設けられる一対の突起部343、344は、ほぼ水平方向に沿って形成されており、前記止水ラインとほぼ平行に形成されている。
この止水ラインが設けられるため、下枠2の上面や縦枠3の側面部34から止水ラインに雨水が流れてきても、止水ラインの下側、たとえばビスホール部28,29や中空部250A,250Bに雨水が浸入することは無い。
縦枠3と上枠5との接合構造も前記下枠2および縦枠3の接合構造と同じであるため、簡略して説明する。
上枠5は、図3に示すように、外レール部51、内レール部52、網戸レール部53、表面部54、裏面部55、躯体固定部56、取付部57、第1ビスホール部58、第2ビスホール部59を備えている。各ビスホール部58,59の形成位置は、下枠2のビスホール部28,29と同様に、ビスホール部58,59の中心と同軸の円領域581,591に後述する上枠5における止水ラインが含まれるように設定されている。
第2表面部542は、第2立上部546の上端と、第3立上部547の上端間に形成されている。第3立上部547は、内レール部52よりも室外側の位置に形成され、その下端には部品取付用ヒレ548が室外側に向かって突設されている。
取付部57は、第3表面部543の室内側端部から見付け方向(下方向)に向かって形成されている。取付部57の室内面には、樹脂製のアングル材50が取り付けられている。
第1上面部552は、第1表面部541の第1ビスホール部58が形成された位置から室内側に向かって形成されている。
連結部553は、第1上面部552の下面から下方に延長されて形成され、第2表面部542に連結されている。
釘ヒレ部561は、第1上面部552の室内側端部から上方に形成されている。この釘ヒレ部561は、躯体の室外側に沿って配置され、室外側から図示略のビスを、釘ヒレ部561を介して躯体までねじ込むことで上枠5は躯体の室外面に固定される。
躯体当接部562は、第3表面部543の室内側端部から上方に向かって形成されている。この躯体当接部562の先端は、躯体の下面に当接される。
そして、見込み方向の位置が内レール部52および躯体当接部562間で、図示略のビスを第3表面部543から躯体までねじ込むことで、上枠5は躯体下面に固定される。
また、側面部34には、前記ねじ穴351、352に隣接して突起部353、354が形成されている。突起部353は、ねじ穴351を挟んで一対設けられている。具体的には、図3にも示すように、ねじ穴351の高さ方向の中間位置であり、かつ、ねじ穴351の室外側および室内側に隣接する位置に形成されている。
一方、突起部354は、第2立上部546や第3表面部543とずれた位置に形成されている。すなわち、ねじ穴352の室外側に設けられる突起部354は、ねじ穴352の中心軸に対して斜め上方に形成され、ねじ穴352の室内側に設けられる突起部354はねじ穴352の中心軸に対して室内側に形成されている。
また、縦枠3および上枠5間に配置される図示略のシール材は、前記シール材4と同じく、接合用のねじが挿通される穴部と、突起部353、354が配置される挿通穴部とを備える穴が形成される。
さらに、ビスホール部58を挟んで設けられる一対の突起部353は、ほぼ水平方向に沿って形成されており、前記止水ラインとほぼ平行に形成されている。
なお、止水ライン形成部を構成する第1ビスホール部58の基端部とは、第1表面部541および第1上面部552を連結する部分であり、この連結部から円弧状に突出する円弧部および第1立上部545に連続する部分は止水ライン形成部には含まれない。同様に、止水ライン形成部を構成する第2ビスホール部59の基端部とは、第3立上部547および第3表面部543の一部であり、第3表面部543から円弧状に突出する円弧部および第3立上部547から円弧状に突出する部分は止水ライン形成部には含まれない。
この止水ラインによって、上枠5の上面に降った雨水が縦枠3および上枠5の接合部に浸入することが防止される。
(1)窓枠1の縦枠3に、隙間形成手段としての突起部343,344,353,354を設けたので、下枠2や上枠5と、縦枠3とをねじ45で接合する際に、突起部343,344,353,354をビスホール部28,29,58,59に当接(メタルタッチ)させて下枠2や上枠5と、縦枠3との隙間寸法を所定寸法に設定できる。従って、第1形材である下枠2や上枠5と、第2形材である縦枠3とをシール材4を挟んで接合する際に、シール材4の圧縮寸法、つまり圧縮率を所定値に設定でき、必要な止水性能を確実に得ることができる。
また、縦枠3および下枠2、上枠5を接合して窓枠1を組み立てる際に、前記突起部343,344,353,354をビスホール部28,29,58,59の端面に当接させているので、シール材4を必要以上に押し潰してシール切れ部分を発生させてしまうことや、逆に十分に圧縮しないためにシール材4のシール性能を低下させてしまうことがない。このため、窓枠1の組立時の作業性を向上できる。
さらに、窓枠1を組み立てた後、現場などに運搬して施工する際に、縦枠3と、下枠2や上枠5の接合部分に応力が加わった場合も、突起部343,344,353,354で前記止水ラインにおける縦枠3、下枠2、上枠5間の隙間寸法を維持できる。このため、シール材4が潰されてダメージを受けることがなく、運搬・施工時において形材接合部のシール性能を低下させることがない。
さらに、下枠2や上枠5が直射日光などで熱膨張しても、隙間形成手段である突起部343,344,353,354が設けられているので、シール材4が過大に圧縮されることがない。このため、窓枠1の施工後、下枠2等の熱膨張が繰り返されても、シール材の劣化を抑制でき、シール材4をメンテナンスするまでの期間を長くすることができる。特に、直射日光で熱膨張するのは、下枠2や上枠5において釘ヒレ部261,561よりも室外側の部分である。この釘ヒレ部261,561の室外側に位置するビスホール部28,58に当接する突起部343,353を形成しているので、下枠2や上枠5の室外側の部分が熱膨張しても、前記突起部343,353がビスホール部28,58に当接することで、その応力を効果的に支持できる。従って、下枠2や上枠5の熱膨張によってシール材に過剰な応力が加わることを防止できる。
また、突起部343,344,354は、止水ラインに対して下枠2や上枠5の建物躯体側に形成されるため、突起部343,344,354が窓枠1の表面(内周面)に露出することがない。このため、窓枠1の意匠性の低下を防止できる。
なお、突起部353は、止水ラインに対して建物躯体側とは反対側に形成されるが、上枠5の外レール部51および網戸レール部53間の視認し難い場所に形成されているので、窓枠1の意匠性を低下させることはない。
さらに、突起部343,344,353,354は、ビスホール部28,29,58,59に当接する位置に形成しているので、縦枠3や、下枠2、上枠5の枠形状に依存せずに確実に形成できる。すなわち、ビスホール部28,29,58,59は、接合のために下枠2や上枠5に設けられ、縦枠3の接合面にはビスホール部28,29,58,59に対応する部分が必ず設けられる。このため、窓枠1の各枠材の形状に依存することなく、隙間形成手段を設けることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図6を参照して説明する。なお、前記第1実施形態と同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態の下枠2Bは、見込み方向の途中に樹脂製の断熱材70が注入された断熱形材である。この断熱材70の室外側の第1中空部250Aには、この空間を上下に区画する連結部71が形成されている。そして、連結部71と第2表面部242との間の空間が排水経路700とされている。すなわち、連結部71は排水経路700の下面であり、第2表面部242は排水経路700の上面である。
従って、縦枠3には、ビスホール部28,29に当接する突起部343、344を形成してもいる。さらに、第3のビスホール部72に当接する突起部347も形成されている。なお、本実施形態では、各ビスホール部28,29,72に当接する各突起部343,344,347は1つずつ形成されている。
なお、下枠2Bの上面には、上面にフィルムがラミネートされた樹脂製カバー部材75,76が取り付けられている。
さらに、下枠2Bには複数のビスホール部28,29,72が設けられているため、各ビスホール部28,29,72に1つの突起部343,344,347のみを当接させても、縦枠としては複数の突起部343,344,347が下枠2Bのビスホール部28,29,72に当接するため、安定して接合作業を行うことができる。
従って、縦枠と、下枠2Bや上枠の接合面において、突起部347の見込み方向の形成位置が釘ヒレ部261に近いほど、熱膨張時にシール材や縦枠に加わる力を前記突起部347で効果的に支持できる。従って、本実施形態によれば、突起部343,344をビスホール部28,29に当接させるだけでなく、釘ヒレ部261に近いビスホール部72に当接する突起部347も設けているので、下枠2B等の熱膨張が繰り返された場合も、シール材が過剰に潰れることを効果的に防止できる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、建具としてのサッシ窓に用いる窓枠1(枠体)を例示して説明したが、本発明における接合構造は、このようなサッシ窓に適用するものに限られない。すなわち、形材を接合した際にその接合部に止水ラインを形成して止水性能を確保する必要がある建具であれば利用できる。たとえば、建物の出入り口に設けられるドア枠や、浴室および脱衣室間に設けられる浴室ドアのドア枠等の各種の建材等に適用してもよい。また、本発明の接合構造は、窓枠1やドア枠に限らず、窓枠やドア枠に支持される障子の框材(上框、下框、縦框)同士を接合するものでもよい。
さらに、ビスホール部に対して止水ライン以外で当接させることができれば、1つのビスホール部に当接する突起部は3つ以上設けてもよい。
また、突起部の形状は、前記実施形態の突起部343,344,353,354のように、止水ラインに略平行な方向に延長された形状に限定されない。たとえば、ビスホール部の2つの円弧部に跨って当接する円弧形状の突起部を用いてもよい。
ただし、前記実施形態のように、突起部を突き出し加工で形成したほうが、加工コストが低い利点がある。
さらに、下枠のビスホール部端面に溶接などで肉盛りを施して突起部としてもよい。
一方、各形材が浴室などの直射日光があたらない位置に配置される場合には、ビスホール部および隙間形成手段の見込み方向の配置位置は、釘ヒレ部から形材の室外側の端面までの間に限定されず、釘ヒレ部よりも室内側の位置でもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 第1形材の長手方向の端面を、第2形材の接合面に接合する形材の接合構造であって、
前記第1形材にはビスホール部が形成され、
前記第2形材の接合面には前記第1形材のビスホール部にねじ込まれるねじが挿通されるねじ穴が形成され、
前記第1形材の端面および第2形材の接合面間にはシート状のシール材が介在され、
前記第1形材の端面には止水ライン形成部が形成され、この止水ライン形成部と前記第2形材の接合面とで前記シール材を挟持することで、見込み方向に連続する止水ラインが形成され、
前記第1形材および第2形材の一方には、前記ビスホール部の端面の前記止水ライン形成部と異なる位置で前記第1形材および第2形材の他方に当接して第1形材および第2形材間の隙間寸法を所定寸法に設定する隙間形成手段が、前記止水ラインと重ならない位置に設けられ、
前記シール材は、前記ねじが挿通される穴部と、前記隙間形成手段を挿通する挿通穴部とが形成され、前記シール材の前記穴部と前記挿通穴部とは連通して形成されている
ことを特徴とする形材の接合構造。 - 請求項1に記載の形材の接合構造において、
前記隙間形成手段は、前記第2形材のねじ穴に隣接する位置に突き出し加工によって形成されて前記ビスホール部に当接する突起部によって構成されている
ことを特徴とする形材の接合構造。 - 請求項2に記載の形材の接合構造において、
前記第2形材は、前記第1形材の1つのビスホール部に対して異なる位置で当接する2つの突起部を備えて構成され、
前記シール材は、前記2つの突起部を挿通する2つの挿通穴部を備える
ことを特徴とする形材の接合構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の形材の接合構造において、
前記ビスホール部の数および形成位置は、第1形材の端面において、前記ビスホール部の中心軸を中心とする直径が所定寸法の円を設定した際に、前記止水ライン全体が前記円
の領域内に含まれる条件で設定されている
ことを特徴とする形材の接合構造。 - 枠体と、この枠体に支持される面材とを備えた建具であって、
前記枠体および面材の少なくとも一方を構成する第1形材および第2形材が請求項1から請求項4のいずれかに記載の形材の接合構造で接合されている建具。 - 第1形材の長手方向の端面を、第2形材の接合面に接合して構成される建具であって、
前記第1形材にはビスホール部が形成され、
前記第2形材の接合面には前記第1形材のビスホール部にねじ込まれるねじが挿通されるねじ穴が形成され、
前記第1形材の端面および第2形材の接合面間にはシート状のシール材が介在され、
前記第1形材の端面には止水ライン形成部が形成され、この止水ライン形成部と前記第2形材の接合面とで前記シール材を挟持することで、見込み方向に連続する止水ラインが形成され、
前記第1形材および第2形材の一方には、前記ビスホール部の端面の前記止水ライン形成部と異なる位置で前記第1形材および第2形材の他方に当接して第1形材および第2形材間の隙間寸法を所定寸法に設定する隙間形成手段が、前記止水ラインと重ならない位置に設けられ、
前記シール材は、前記ねじが挿通される穴部と、前記隙間形成手段を挿通する挿通穴部とが形成され、前記シール材の前記穴部と前記挿通穴部とは連通して形成されている
ことを特徴とする建具。
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