マルチグループ通信用に構成されたユーザ機器(UE)が開示される。UEは、プロセッサ、およびプロセッサと電子通信状態にあるメモリに記憶された命令を含む。UEは、複数のセルを検出する。UEは、さらに、1つ以上のセルの複数のグループを使用することを判定する。UEは、さらにUE固有の無線リソース管理(RRC:radio resource control)シグナリングに基づいて、非プライマリセル(非PCell)グループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell:primary secondary cell)を決定する。加えて、UEは、複数のグループを使用して情報を受信する。RRCシグナリングに基づいてPSCellを決定することは、PSCellを明示的に識別するメッセージを受信することを含みうる。RRCシグナリングに基づいてPSCellを決定することは、ランダムアクセスチャネル(RACH:random access channel)をもつSCell(secondary cell:セカンダリセル)、グループ構成における最下位のSCellまたは上りリンク・タイミングのための基準セルに基づいて、PSCellを決定することを含みうる。
UEは、1つ以上の非PCellグループのための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)を構成することもできる。加えて、UEは、非PCellグループのためのタイミングを調整すべきかどうかを判定できて、非PCellグループのためのタイミングを調整すると判定した場合、非PCellグループのためのタイミングを調整するためにタイミングアドバンスコマンドを使用できる。
UEは、さらに非PCellグループにおける基準セルを指定するパス・ロス・パラメータが受信されたかどうかを判定できる。そのうえ、UEは、非PCellグループにおける基準セルを指定するパス・ロス・パラメータが受信された場合、基準セルに基づいてパス・ロスを決定でき、非PCellグループにおける基準セルを指定するパス・ロス・パラメータが受信された場合、非PCellグループに関するパス・ロス・インジケータを送信できる。
UEは、複数の上りリンク・タイムアラインメントの能力を指示する情報を送信することもできる。加えて、UEは、各グループのための共通検索空間をモニターできる。UEは、さらに、非PCellグループに対する肯定応答または否定応答(ACK/NACK:acknowledgement/negative acknowledgement)を送信できる。
マルチグループ通信用に構成されたevolved Node B(eNB)も開示される。eNBは、プロセッサ、およびプロセッサと電子通信状態にあるメモリに記憶された命令を含む。eNBは、非プライマリセル(PCell)グループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を指示する無線リソース管理(RRC)シグナリングを送信する。eNBは、さらに、非PCellグループを使用して情報を送信する。
eNBは、1つ以上の非PCellグループのために物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)を割り当てることもできる。加えて、eNBは、ユーザ機器(UE)の複数の上りリンク・タイムアラインメントの能力を指示する情報を受信できる。eNBは、非PCellグループのためのタイミングを調節すべきかどうかを判定することもでき、非PCellグループのためのタイミングを調節すると判定した場合、非PCellグループのためのタイミングアドバンスコマンドを送信できる。eNBは、1つ以上の非PCellグループのためのパス・ロス・パラメータを送信し、かつパス・ロス・インジケータを受信することもできる。加えて、eNBは、1つ以上の肯定応答または否定応答(ACK/NACK)をPSCell上で受信できる。
PSCellを指示するRRCシグナリングは、PSCellを明示的に識別するメッセージを含むことができる。RRCシグナリングは、ランダムアクセスチャネル(RACH)をもつSCell、グループ構成における最下位のSCellおよび上りリンク・タイミングのための基準セルであるSCellからなるグループから選択された1つに基づいて、PSCellを指示できる。
ユーザ機器(UE)上のマルチグループ通信のための方法も開示される。本方法は、複数のセルを検出することを含む。本方法は、1つ以上のセルの複数のグループを使用すると判定することも含む。加えて、本方法は、UE固有の無線リソース管理(RRC)シグナリングに基づいて、非プライマリセル(非PCell)グループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を決定することを含む。本方法は、複数のグループを使用して情報を受信することをさらに含む。
evolved Node B(eNB)上のマルチグループ通信のための方法も開示される。本方法は、非プライマリセル(PCell)グループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を指示する無線リソース管理(RRC)シグナリングを送信することを含む。本方法は、非PCellグループを使用して情報を送信することも含む。
「3GPP」とも呼ばれる第3世代パートナーシップ・プロジェクトは、第3および第4世代ワイヤレス通信システムのための世界的に適用可能な技術仕様および技術レポートを定義することを目指した連携合意である。3GPPは、次世代モバイルネットワーク、システムおよびデバイスのための仕様を定義できる。
3GPPロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)は、将来の要求に対処するために、ユニバーサル・モバイル通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)のモバイルフォンまたはデバイス規格を改善するためのプロジェクトに与えられた名称である。一様態において、進化型ユニバーサル地上無線アクセス(E−UTRA:Evolved Universal Terrestrial Radio Access)および進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)のためのサポートおよび仕様を規定するために、UMTSが修正された。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の少なくともいくつかの様態は、3GPP LTEおよびLTE−Advanced(LTE−A)規格(例えば、リリース8およびリリース10)に関して記載されうる。しかしながら、この点について本開示の範囲は限定されない。本明細書に開示されるシステムおよび方法の少なくともいくつかの様態は、他のタイプのワイヤレス通信システムに利用できる。
ワイヤレス通信デバイスは、音声および/またはデータを基地局へ通信するために使用され、次には基地局がデバイスのネットワーク(例えば、公衆交換電話網(PSTN:public switched telephone network)、インターネットなど)と通信できる、電子デバイスとすることができる。本明細書にシステムおよび方法を記載する際に、ワイヤレス通信デバイスは、代わりに移動局、ユーザ機器(UE)、アクセス端末、加入者局、移動端末、遠隔局、ユーザ端末、端末、加入者ユニット、モバイルデバイスなどと呼ぶこともできる。ワイヤレス通信デバイスの例は、セルラーフォン、スマートフォン、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA:personal digital assistant)、ラップトップコンピュータ、ネットブック、電子書籍リーダ、ワイヤレス・モデムなどを含む。3GPP仕様ではワイヤレス通信デバイスが典型的にユーザ機器(UE)と呼ばれる。しかしながら、本開示の範囲は、3GPP規格に限定されるべきではないので、本明細書では、より一般的な用語「ワイヤレス通信デバイス」を意味するために用語「UE」および「ワイヤレス通信デバイス」が同義で使用されうる。
3GPP仕様書では、基地局は、典型的にNode B、evolvedまたはenhanced Node B(eNB)、home enhancedまたはevolved Node B(HeNB)、あるいはいくつかの他の同様の用語法で呼ばれる。本開示の範囲は、3GPP規格に限定されるべきではないので、本明細書では、より一般的な用語「基地局」を意味するために、用語「基地局」、「Node B」、「eNB」、および「HeNB」が同義で使用されうる。そのうえ、用語「基地局」は、アクセスポイントを示すために使用されうる。アクセスポイントは、ワイヤレス通信デバイスのためにネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、インターネットなど)へのアクセスを提供する電子デバイスとすることができる。用語「通信デバイス」は、ワイヤレス通信デバイスおよび/または基地局の両方を示すために使用されうる。
用語「同期された」およびその変形は、本明細書では、2つ以上の事象が、重なったタイムフレーム内に生じる状況を示すために使用できる。言い換えれば、2つの「同期された」事象は、時間がある程度重なりうるが、必ずしも同じ持続時間ではない。そのうえ、同期された事象は、同時に開始または終了しても、あるいはしなくてもよい。
本明細書では「セル」は、インターナショナルモバイルテレコミュニケーションアドバンスト(IMT−Advanced:International Mobile Telecommunications−Advanced)に使用すべく、規格化または規制団体によって特定された任意の通信チャネルとすることができ、Node B(例えば、eNodeB)とUEとの間の通信に使用すべく認可された帯域として、そのすべてまたはそのサブセットが3GPPによって採用されうることに留意すべきである。「構成されたセル」は、UEがそれを関知し、情報を送信または受信することがNode B(例えば、eNB)によって許可されたセルである。「構成されたセル(単数または複数)」は、サービングセル(単数または複数)とすることができる。UEは、すべての構成されたセル上でシステム情報を受信し、かつ必要とされる測定を行うことができる。「アクティブ化されたセル」は、UEが送信および受信を行う、構成されたセルである。すなわち、アクティブ化されたセルは、UEがそれに対してPDCCH(physical downlink control channel:物理下りリンク制御チャネル)をモニターする対象のセルであり、下りリンク送信の場合に、UEがそれに対して物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)をデコードする対象のセルである。「非アクティブ化されたセル」は、UEが送信PDCCHをモニターしていない、構成されたセルである。
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ユーザ機器(UE)が複数のタイミングアラインメント・グループまたは複数のランダムアクセスチャネル用に構成された場合に、UEがいかに振る舞うかに関連しうる。3GPP LTEリリース10(例えば、LTE−AまたはAdvanced E−UTRAN)では、キャリアアグリゲーションが導入される。そのうえ、プライマリセル(PCell)と1つ以上のセカンダリセル(SCell)とを使用できる。
キャリアアグリゲーションが構成された場合、ユーザ機器(UE)は、複数のサービングセル、すなわちプライマリセル(PCell)と1つ以上のセカンダリセル(SCell)とを有することができる。ネットワークの視点からは、同じサービングセルが、プライマリセル(PCell)として1つのユーザ機器(UE)によって使用され、セカンダリセル(SCell)として別のユーザ機器(UE)によって使用されてもよい。リリース8またはリリース9に従って動作するプライマリセル(PCell)は、リリース8またはリリース9のサービングセルに相当しうる。リリース10に従って動作しているときに、キャリアアグリゲーションが構成された場合、プライマリセル(PCell)に加えて、1つ以上のセカンダリセル(SCell)が存在しうる。
キャリアアグリゲーションが構成されたときに、ユーザ機器(UE)は、ネットワークとの1つだけの無線リソース管理(RRC)接続を有することができる。RRC接続確立、再確立および/またはハンドオーバーに際して、1つのサービングセル(例えば、プライマリセル(PCell))が、非アクセス層(NAS:non−access stratum)モビリティ情報(例えば、トラッキングエリア識別子(TAI:Tracking Area Identity)とセキュリティ入力とを提供できる。
下りリンクにおいて、プライマリセル(PCell)に対応するキャリアが下りリンク・プライマリコンポーネントキャリア(DL PCC:downlink primary component carrier)である。上りリンクにおいて、プライマリセル(PCell)に対応するキャリアが上りリンク・プライマリコンポーネントキャリア(UL PCC:uplink primary component carrier)である。ユーザ機器(UE)の能力に依存して、プライマリセル(PCell)と共にサービングセルのセットを形成するために、1つ以上のセカンダリコンポーネントキャリア(SCC)またはセカンダリセル(SCell)を構成できる。下りリンクにおいて、セカンダリセル(SCell)に対応するキャリアが下りリンク・セカンダリコンポーネントキャリア(DL SCC:downlink secondary component carrier)である。上りリンクにおいて、セカンダリセル(SCell)に対応するキャリアが上りリンク・セカンダリコンポーネントキャリア(UL SCC:uplink secondary component carrier)である。1つの上りリンク・コンポーネントキャリアを複数のセルが共有できるので、下りリンク・コンポーネントキャリアの数は、上りリンク・コンポーネントキャリアの数と異なってもよい。
UEは、タイミングアドバンスコマンドに基づいて、プライマリセルの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)および/またはサウンディング基準信号(SRS:sounding reference signal)のためのその上りリンク送信タイミングを調整できる。ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UEがランダムアクセスプリアンブルを送った後に、eNBからUEへ送信できる。eNBがUEの上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、(タイミングアドバンスコマンド媒体アクセス制御(MAC)制御要素を参照する)タイミングアドバンスコマンドがeNBからUEへ同様に送信される。UEの相対位置が、対応するeNBに対して変化するにつれて、無線周波数(RF:radio frequency)遅延の変化に対処するために、上りリンク送信タイミングを時々調整する必要がありうる。このようにして、eNBは、任意のUEからeNBへのすべての信号が、同時に、あるいは直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)シンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内にeNBに到達するように規定できる。
ランダムアクセスレスポンスの場合には、11ビットのタイミングアドバンスコマンドTAが、TA=0、1、2、...、1282のインデックス値によってNTA値を指示できて、タイムアラインメントの量は、NTA=TA×16によって与えられる。
他の場合には、6ビットのタイミングアドバンスコマンドTAが、TA=0、1、2、...、63のインデックス値によって、現在のNTA値(NTA,oldと示される)の新しいNTA値(NTA,newと示される)への調整を指示できて、NTA,new=NTA,old+(TA−31)×16である。この場合、正または負の量によるNTA値の調整が指示するのは、それぞれ与えられた量、上りリンク送信タイミングを進めるか、または遅らせることである。
上りリンク無線フレーム番号iのUEからの送信は、対応する下りリンク無線フレームのUEでの開始のNTA×TS秒前に始まり、但し、0≦NTA≦20512およびTs=1/(15000×2048)秒である。言い換えれば、UEは、対応する下りリンク無線フレームiを受信するNTA×TS秒前に、上りリンク無線フレームiを送信し始めるとよい。
典型的には、セカンダリセルの物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のための上りリンク(UL)送信タイミングは、プライマリセルのものと同じにすることができる。しかしながら、異なった送信および/または受信サイトを用いて、セル間のアグリゲーションが導入されることがありうる。この場合に、UEは、各セルのために異なった上りリンク送信タイミングを有する必要がありうる。
リリース11では、この複数の上りリンク送信タイミング調整が検討される。配備シナリオの一例は、異なったコンポーネントキャリアが、異なった周波数選択性リピータゆえに、実質的に異なった伝搬環境、したがって異なった伝搬時間を経験しうるであろうということである。配備シナリオの別の例は、UEが、2つのキャリア上で2つのノンコロケーテッド(non−collocated)サイトと通信できるということである。かかるシナリオは、リモート・アンテナまたはリモート・レディオ・ヘッドによって生じうるであろう。
いくつかのアプローチは、複数のタイムアラインメント・グループを有することによってこの問題を解決できることを示すが、複数のタイムアラインメント・グループのオペレーションの詳細は記載されなかった。しかしながら、UEが複数の送信タイミング調整を有し、しかも時間差が比較的大きい場合、サブフレームのタイミングおよびクロスキャリア・スケジューリングなどに問題が生じる可能性がある。例えば、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)の送信あるいは物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の送信が、データ送信を準備するために時間内に生じないことがありうる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、次の様態の1つ以上を使用できる。(プライマリセル(PCell)を含む)1つ以上のサービングセルのグループに加えて、少なくとも1つのセカンダリセル(SCell)を含む1つ以上のグループが導入される。各グループにおける1つ以上のサービングセルに対応する上りリンクの送信は、同じ上りリンク送信タイミングを有することができる。
各グループは、上りリンク・タイミング基準として使用される、1つの特定のセルを有することができる。PCellを含むグループでは、この特定のセルは、PCellとすることができる。PCellを含まないグループでは、この特定のセルは、プライマリSCell(PSCell)またはセカンダリPCell(SPCell)と呼ばれる、特定のSCellとすることができる。本発明の明細書および特許請求の範囲において、プライマリSCell(PSCell)、セカンダリPCell(SPCell)または両方を指すために、用語「PSCell」が使用される。PSCellは、PCellとSCellとの中間の特徴を有することができる。
PCellの特徴は、以下を含むことができる。PCellは、セキュリティおよびモビリティのアンカーセルとして使用できる。UEは、無線リンク・モニタリングをPCellで行うことが必要とされうる。PCellは、他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス基準として使用できる。PCellは、他のセル(単数または複数)に対する上りリンク・タイミング基準として使用できる。PCell上りリンク・タイミングは、PCell下りリンク・タイミングを参照できる。PCellは、常にアクティブ化され、決して非アクティブ化されることができない。PCellをクロスキャリア・スケジューリングすることはできない。UEは、eNBから送信されたシステム情報および/またはページング情報をPCellで取得できる。UEは、ランダムアクセスのためのランダムアクセスレスポンスおよび/または物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)指令ランダムアクセスチャネル(RACH)および/または競合解決をPCellでモニターできる。UEには、eNBによってPCellにおけるセミパーシステント・スケジューリング(Semi−Persistent Scheduling)リソースを割り当てることができる。UEは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)リソースをPCellで使用できる。UEは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)リソースをPCellで使用できる。
SCellの特徴は、以下を含むことができる。SCellは、セキュリティおよびモビリティのアンカーセルとして使用できない。UEは、無線リンク・モニタリングをSCellで行う必要はないであろう。SCellは、他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス基準として使用できない。SCellは、他のセル(単数または複数)に対する上りリンク・タイミング基準として使用できない。SCellは、アクティブ化または非アクティブ化できる。SCellは、クロスキャリア・スケジューリングできる。UEは、eNBから送信されたシステム情報および/またはページング情報をSCellで取得できない。UEは、ランダムアクセスのためのランダムアクセスレスポンスおよび/またはPDCCH指令RACHおよび/または競合解決をSCellでモニターできない。UEには、eNBによってSCellにおけるセミパーシステント・スケジューリング・リソースを割り当てることができない。UEには、SCellのPRACHリソースを割り当てることができない。UEには、SCellのPUCCHリソースを割り当てることができない。
PSCellの特徴は、例えば、以下の1つ以上を含むことができる。PSCellは、セキュリティおよびモビリティのアンカーセルとして使用できない。UEは、無線リンク・モニタリングをPSCellで行うことが必要とされうる。PSCellは、それ自体のグループ内の他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス基準として使用できる。PSCellは、それ自体のグループ内の他のセル(単数または複数)に対する上りリンク・タイミング基準として使用できる。PSCell上りリンク・タイミングは、PSCell下りリンク・タイミングを参照できる。PSCellは、常にアクティブ化され、決して非アクティブ化できない。PSCellをクロスキャリア・スケジューリングすることはできない。UEは、eNBから送信されたシステム情報および/またはページング情報をPSCellで取得できない。UEは、ランダムアクセスのためのランダムアクセスレスポンスおよび/またはPDCCH指令RACHおよび/または競合解決をPSCellでモニターできる。UEには、eNBによってPSCellにおけるセミパーシステント・スケジューリング・リソースを割り当てることができない。UEは、PRACHリソースをPSCellで使用できる。UEは、PUCCHリソースをPSCellで使用できる。
各グループにおけるSCellのPUSCHおよび/またはSRSのための上りリンク送信タイミングは、同じグループにおけるPCellと同じか、または同じグループにおけるPSCellの上りリンク送信タイミングにすることができる。PCellの共通検索空間に加えて、PSCellが共通検索空間を有することができる。
PSCellをクロスキャリア・スケジューリングすることはできない。これは、他のセルがPSCellをスケジューリングできないことを意味する。それに対して、PSCellは、他のセルをスケジューリングできる。
PSCellは、UE固有の明示的または暗黙的な無線リソース管理(RRC)シグナリングによって指示できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネルを用いて構成されたSCellが、PSCellであってもよい。
SCellが、PCellを含まないグループに属する場合には、pathlossReference−r10(pCell,sCell)パラメータをpathlossReference−r11(psCell,sCell)パラメータによって置き換えることができる。PCellに対応するPUCCHに加えて、PSCellがPUCCHを有することができる。グループにおけるセルに対応するハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ−ACK:hybrid automatic repeat request acknowledgement)をこのグループにおけるPSCell上で送信できる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の様々な様態に関するさらなる詳細が以下に与えられる。プライマリセル(PCell)を含む1つ以上のサービングセルのグループに加えて、少なくとも1つのセカンダリセル(SCell)を含む1つ以上のグループが導入される。各グループにおける1つ以上のサービングセルに対応する上りリンク送信は、同じ上りリンク送信タイミングを有することができる。
各グループは、上りリンク・タイミング基準として使用される1つの特定のセルを有することができる。PCellを含むグループでは、この特定のセルは、PCellとすることができる。PCellを含まないグループでは、この特定のセルは、プライマリSCellまたはPSCellと呼ばれる、特定のSCellとすることができる。
各グループにおけるSCellのPUSCHおよび/またはSRSのための上りリンク送信タイミングは、(例えば、同じグループにある)対応するPCellのための上りリンク送信タイミングと同じにすることができ、あるいは(例えば、同じグループにある)対応するPSCellのための上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。これは、各サービングセルが下りリンクを有し、随意的に上りリンクを有することができるという複数サービングセルのコンセプトと整合しうる。そのうえ、各サービング下りリンク・キャリアと上りリンク・キャリアとは、1つのサービングセルに属することができる。
1つ以上のUEからのすべての信号は、同時に、あるいはOFDMシンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内にeNBに到達する必要がありうるので、上りリンク送信タイミングを調整することが必要であろう。3GPPリリース10では、UEは、すべてのサービングセルに対して同じ送信タイミングを使用する。その場合には、上りリンク送信タイミングを整合させるべきグループが1つしかないので、タイミングアドバンスコマンドがどのセルまたはセルのグループに対応するかを区別する必要はない。
ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UEがランダムアクセスプリアンブルをPCellまたはPSCellで送った後に、そのPCellまたはPSCellでeNBからUEへ送信できる。このランダムアクセスレスポンスは、ランダムアクセスレスポンスを含むPDSCHをスケジューリングするために使用される識別子である、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI:random access radio network temporary identifier)を含むPDCCHによってスケジューリングできる。
受信されたランダムアクセスレスポンスがどのPCellまたはSCellに対するかは、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセルにスケジューリングされたかによって区別できる。例えば、UEは、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセルにスケジューリングされたかを判定することによって、どのセル(例えば、PCell、SCellなど)が受信されたランダムアクセスレスポンスに対応するかを判定できる。ランダムアクセスレスポンスがスケジューリングされたサービングセルは、ランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルを識別することによって判定できる。PCell下りリンク(DL)にスケジューリングされたランダムアクセスレスポンスは、PCell上りリンクのための上りリンク(UL)送信タイミング調整に使用できる。PSCell下りリンク(DL)にスケジューリングされたランダムアクセレスポンスは、PSCell上りリンクのための上りリンク(UL)送信タイミング調整に使用できる。eNBからUEへのPSCellでのランダムアクセスを指令するためのPDCCH検出が、PSCell中であってもよく、PSCellでのランダムアクセスのための競合解決が、PSCell中であってもよいことにも留意すべきである。
eNBがUEの上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、別のタイミングアドバンスコマンド(例えば、タイミングアドバンスコマンド媒体アクセス制御(MAC)制御要素)をeNBからUEへ送信することもできる。受信されたタイミングアドバンスコマンドがPCellに対するものか、あるいはPSCellに対するものかは、タイミングアドバンスコマンドがどのサービングセルにスケジューリングされたかに基づいて区別できる。タイミングアドバンスコマンドがスケジューリングされたサービングセルは、タイミングアドバンスコマンドのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルを識別することによって判定できる。留意すべきは、(eNBからいつでも送信できる)タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素がランダムアクセスレスポンスと異なることである。PCell下りリンクを含むグループにおける任意のサービングセルにスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドは、PCell上りリンクのための上りリンク送信タイミング調整に使用できる。PSCell下りリンクを含むグループにおける任意のサービングセル(単数または複数)にスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドは、PSCell上りリンクのための上りリンク送信タイミング調整に使用できる。
別の構成では、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素、またはタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素のMACヘッダーが、コマンドがどのグループに対応するかを指示できる。グループ指示は、対応するグループに含まれるPSCellのセルインデックスであってもよい。
典型的には、PCellに1つだけの共通検索空間があり、SCellには共通検索空間がない。UEは、上位層のシグナリングによって構成されるような、1つ以上のアクティブ化されたサービングセルに関する制御情報を求めてPDCCH候補のセットをモニターできる。1つより多いサービングセルをRRCシグナリングによって構成できて、MACシグナリングによってサービングセルをアクティブ化または非アクティブ化できる。
検索空間の観点から、モニターすべきPDCCH候補のセットを定義できる。プライマリセル上には共通検索空間があり、プライマリセルおよび/またはセカンダリセル上にはUE固有の検索空間がある。共通検索空間は、セル固有であり、かつプライマルセル上にだけありうる。UE固有の検索空間は、セル無線ネットワーク一時識別子、すなわちC−RNTI(Cell RNTI)(例えば、ユーザ機器識別子(UEID:user equipment identifier))によって定義できて、各サービングセルのために用意できる。
共通検索空間では、様々な種類の情報またはデータを送信できる。例えば、共通検索空間では、システム情報またはページング情報、ランダムアクセス関連情報あるいは通常のUEデータをスケジューリングするためのPDCCHを送信できる。UEの物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成できる。UEは、RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)をもつPDCCHをデコードできる。PDCCHによって伝えられる下りリンク制御情報は、添付されたCRCを有しうる。CRCは、RNTIによってスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。無線ネットワーク一時識別子(RNTI)のいくつかの例は、システム情報RNTI(SI−RNTI:system information RNTI)、ページングRNTI(P−RNTI:paging RNTI)、セルRNTI(C−RNTI)、ランダムアクセスRNTI(RA−RNTI)、セミパーシステント・スケジューリングC−RNTI(SPS C−RNTI)、一時C−RNTI、送信電力制御物理上りリンク制御チャネルRNTI(TPC−PUCCH−RNTI:transmit power control physical uplink control channel RNTI)および送信電力制御物理上りリンク共有チャネルRNTI(TPC−PUSCH−RNTI:transmit power control physical uplink shared channel RNTI)を含む。いくつかの場合に、UEは、RNTIを(例えば、それがモニターされるように構成されている場合)モニターできる。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
しかしながら、複数のタイムアラインメントを有するためには、UEがランダムアクセス手順をPSCellで行う必要がありうる。かくして、PCellにおける共有検索空間に加えて、PSCellにおける共通検索空間でPDCCHをモニターするために、ランダムアクセスチャネルをもつSCellを用いて構成されたUEが必要とされうる。SI−RNTI、P−RNTIおよびSPS C−RNTIは、PCellにおける共通検索空間でモニターすれば十分でありうるので、これらをPSCellでモニターする必要はないであろう。それゆえに、PSCellにおける共通検索空間では、UEによってC−RNTI、RA−RNTI、一時C−RNTI、TPC−PUCCH−RNTIおよびTPC−PUSCH−RNTIがモニターされるとよい。
現在、PCellをクロスキャリア・スケジューリングすることはできない。これは、SCellのPDCCHがPCellのPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングできないことを意味する。それに対して、PCellは、他のセルをスケジューリングできる。この理由は、PCellが常に接続状態にありえて、いずれにしてもPCellの共通検索空間をUEによってモニターする必要がありうるということである。PSCellについても、同様のコンセプトを用いることが有益でありうる。さらに、グループ間のタイミング差がクロスキャリア・スケジューリングを複雑にしうる。それゆえに、PSCellをクロスキャリア・スケジューリングすることができない。言い換えれば、SCellのPDCCHは、PSCellのPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングできない。それに対して、PSCellは、他のセルをスケジューリングできる。
UE固有の明示的または暗黙的なRRCシグナリングによって、PSCellをeNBからUEへ指示できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネルを用いて構成されたSCellがPSCellである。別の例では、PSCellは、グループ構成における最下位のSCellであってもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとして、セルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1がSCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
リリース10では、RRCシグナリングによって構成可能でありうるパス・ロス基準セルとして、各SCellは、PCellまたはそのSCell自体を使用できる。SCellがPCellをパス・ロス基準セルとして使用する場合、これは、クロスキャリア・パス・ロス基準を示す。SCellがSCellをパス・ロス基準セルとして使用する場合、これは、非クロスキャリア・パス・ロス基準を示す。言い換えれば、PCellは、他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス基準セルとして使用できるが、SCellは、他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス基準セルとして使用できない。SCellのパス・ロス測定用の基準としてどのPCellまたはSCellが使用されるかを指示するRRCパラメータ「pathlossReference−r10」を使用できる。(eNBからUEへ送信できる)このRRCパラメータ「pathlossReference−r10」を各SCell構成に含むことができる。
グループ間で異なった上りリンク送信タイミングを使用することは、各グループが異なったパス・ロスを有してもよいことを意味しうる。SCellが属するグループがPCellを含まない場合、PCellとSCellとの間で選択することは有用ではありえない。UEが複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、各SCell構成におけるSCellのパス・ロス測定用の基準として、どのPSCellまたはSCellが使用されるかを指示する「pathlossReference−r11」パラメータを使用できる。言い換えれば、PSCellは、それ自体のグループ内の他のセル(単数または複数)のためのパス・ロス基準セルとして使用できる。それゆえに、SCellがPCellを含まないグループに属する場合には、パラメータ「pathlossReference−r10(pCell,sCell)」を「pathlossReference−r11(psCell,sCell)」パラメータによって置き換えることができる。別の構成では、PCell、PSCellおよびSCellからの選択を利用できる(例えば、「pathlossReference−r11(pCell,psCell,sCell)」パラメータを使用できる)。pathlossReference−r11パラメータは、eNBからUEへ送られることができる。
複数の上りリンク・タイミング調整を行うために、UEは、1つより多い送信機を有する必要がありうる。リリース10では、キャリアアグリゲーションがUE送信機の実装に依存しないように構築される。しかしながら、eNBは、複数の上りリンク・タイムアラインメントをサポートすることが、UEにとって可能かどうかを知る必要がありうる。UEは、ある帯域の組み合わせにおいて複数の上りリンク・タイミング調整をサポートするその能力をeNBに知らせること、および/または上りリンク・タイミング調整グループの最大サポート可能数をeNBに知らせることができる。このようにして、eNBは、UEの送信機実装に関するいくつかの情報を有することができる。典型的には、PUCCHは、上りリンク送信電力の軽減のために、PCellにだけ割り当てることが可能である。しかしながら、UEが複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNBは、PUCCHをPSCellに割り当てることができる。PUCCH上の周期的チャネル品質インジケータ、プリコーディング・マトリックス・インジケータおよび/またはランク・インジケータ(CQI/PMI/RI:channel quality indicator/precoding matrix indicator/rank indicator)レポートは、RRCメッセージを使用してそれらのリソースを準静的に割り当てることができるので、PSCellにおけるPUCCHへマッピングされるように修正できる。留意すべきは、本明細書に開示されるシステムおよび方法が、周波数分割複信(FDD:frequency−division duplexing)システムにも時分割複信(TDD:time−division duplexing)システムにも適用できることである。特にTDDシステムでは、各グループが下りリンクのためのサブフレームと上りリンクのためのサブフレームとを定義する、異なった上りリンク−下りリンク構成を有することができる。少なくともTDDシステムでは、各グループにとってPUCCHを有することが有益でありうる。
ハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ−ACK)(例えば、肯定応答または否定応答(ACK/NACK))は、PSCellにおけるPUCCHへマッピングすることもできる。HARQ−ACKは、1つ以上のサービングセルの各グループに基づいて発生できる。言い換えれば、グループにおけるセルに対応するHARQ−ACK(単数または複数)は、グループにおけるPCellまたはPSCell上で送信できる。このアプローチは、HARQプロセスを各グループに分割できることから、グループ間のタイミング差に起因するバッファーリング問題の取り扱いを容易にできるので有益でありうる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法のいくつかの他の利点は、複数の上りリンク・タイムアラインメントを必要とするシナリオにおいて、eNBおよびUEが良好に動作しうることである。本明細書に開示されるシステムおよび方法の別の利点は、異なった物理タイミングをもつ複数のキャリアのために、eNBが、UEにリソースを割り当てることができることである。本明細書に開示されたシステムおよび方法のさらに別の利点は、UEおよびeNBを簡単に実装できることである。留意すべきは、本明細書に開示されるシステムおよび方法が、周波数分割複信(FDD)システム間、または時分割複信(TDD)システム間、あるいはさらにFDDシステムとTDDシステムとの間のキャリアアグリゲーションに適用されうることである。
本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、上りリンク(UL)および/または下りリンク(DL)送信のために、(複数のセル上の送信、キャリアアグリゲーション、プライマリセル(PCell)および1つ以上のセカンダリセル(SCell)上の送信とも呼ばれる)複数のキャリアコンポーネント上の送信を使用できる。
次に、同様の参照番号が機能的に同様の要素を示す図を参照して、様々な構成が記載される。本明細書に一般的に記載され、図に示されるシステムおよび方法は、多種多様に異なった構成に配置され、かつ設計されうるであろう。かくして、図に表現されるような、いくつかの構成に関する以下のより詳細な記載は、請求される範囲を限定することは意図されず、単にシステムおよび方法を代表するに過ぎない。本明細書では、用語「複数」は、2つまたはそれ以上を示しうる。例えば、複数の要素は、2つまたはそれ以上の要素を指す。
図1は、マルチグループ通信のためのシステムおよび方法を実装できるユーザ機器(UE)102および1つ以上のevolved Node B(eNB)160の一構成を示すブロックダイアグラムである。UE102は、1つ以上のアンテナ122a〜nを使用してevolved Node B(eNB)160と通信する。例えば、UE102は、1つ以上のアンテナ122a〜nを使用してeNB160へ電磁信号を送信し、かつeNB160から電磁信号を受信する。eNB160は、1つ以上のアンテナ180a〜nを使用してUE102と通信する。留意すべきは、いくつかの構成においては、eNB160が、Node B、home evolved Node B(HeNB)あるいは他の種類の基地局であってもよいことである。
UE102およびeNB160は、相互に通信するために1つ以上のセル(例えば、チャネル、キャリアコンポーネントなど)119、121を使用できる。例えば、UE102およびeNB160は、1つ以上のチャネル(例えば、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)など)を送るためにセル119、121を使用できる。PUCCHは、3GPP仕様書に準拠した制御チャネルの一例である。他の種類のチャネルも使用できる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、通信のためにセル119、121の複数の種類、およびセル119、121の複数のグループを使用できる。本明細書では、用語「グループ」は、1つ以上のエンティティのグループを示すことができる。プライマリセル(PCell)は、3GPP仕様書に従ったプライマリセルとすることができる。セカンダリセル(SCell)は、3GPP仕様書に従ったセカンダリセルとすることができる。PCellを含む1つ以上のセルのグループをPCellグループとすることができる。PCellグループのセルは、PCellグループ・セル119と呼ぶことができる。かくして、PCellグループは、少なくともPCellを含む。PCellグループは、追加的に1つ以上のSCellを含んでもよい。
PCellを含まない、セルの1つ以上の他のグループは、それぞれ「非PCell」グループとすることができる。非PCellグループは、1つ以上のSCellを含むことができる。非PCellグループにおける1つ以上のセルは、非PCellグループ・セル(単数または複数)121と呼ぶことができる。
一構成において、セル119、121は、サイトに従ってグループに分けることができる。より具体的には、特定のサイト(例えば、eNB160、リピータなど)から送信されるすべてのセル119、121を1つのグループにすることができる。例えば、PCellグループは、第1のサイト(例えば、eNB160またはリピータ)から送信できて、一方で非PCellグループは、第2サイト(例えば、別個のリモート・レディオ・ヘッド(RRH:remote radio head)または別個のリピータなど)から送信できる。例として、PCellグループは、第1の位置における第1のeNB160から送信できて、一方で非PCellグループは、第2の位置における第2のリモート・レディオ・ヘッドから送信できる。リモート・レディオ・ヘッド(RRH)またはリピータが別個の送信機117および/または受信機178であっても、単一のeNB160によってなお複数のセルを提供できる。別の例では、PCellグループは、第1の位置における第1のリピータから送信できて、一方で非PCellグループは、第2の位置における第2のリピータから送信できる。この場合に、PCellグループおよび非PCellグループは、同じサイトから、あるいは別個のサイトから送信されうる。
UE102は、1つ以上のトランシーバ118、1つ以上の復調器114、1つ以上のデコーダ108、1つ以上のエンコーダ150、1つ以上の変調器154およびUEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124を含むことができる。例えば、UE102では1つ以上の受信および/または送信経路を使用できる。構成に依存して複数の並列要素118、108、114、150、154を使用できるが、便宜上、単一のトランシーバ118、デコーダ108、復調器114、エンコーダ150、および変調器154だけが示される。
トランシーバ118は、1つ以上の受信機120および1つ以上の送信機158を含むことができる。1つ以上の受信機120は、1つ以上のアンテナ122a〜nを使用してeNB160から信号を受信できる。例えば、受信機120は、1つ以上の受信信号116を生成するために、信号を受信してダウンコンバートできる。1つ以上の受信信号116を復調器114に提供できる。1つ以上の送信機158は、1つ以上のアンテナ122a〜nを使用して信号をeNB160へ送信できる。例えば、1つ以上の送信機158は、1つ以上の変調信号156をアップコンバートして送信できる。
復調器114は、1つ以上の復調信号112を生成するために、1つ以上の受信信号116を復調できる。1つ以上の復調信号112をデコーダ108に提供できる。UE102は、信号をデコードするためにデコーダ108を使用できる。デコーダ108は、1つ以上のデコード信号106、110を生成できる。例えば、第1のUEデコード信号106は、受信されたペイロード・データ104を備えることができる。第2のUEデコード信号110は、オーバーヘッド・データおよび/または制御データを備えることができる。例えば、第2のUEデコード信号110は、1つ以上のオペレーションを行うためにUEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124によって使用されうるデータを提供できる。
本明細書では、用語「モジュール」は、特定の要素またはコンポーネントが、ソフトウェアあるいはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装できることを意味しうる。しかしながら、留意すべきは、本明細書に「モジュール」として示されるいずれの要素も、代わりにハードウェアで実装できることである。例えば、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、ハードウェア、ソフトウェアまたは両方の組み合わせで実装できる。
一般に、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、UE102が1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用して1つ以上のeNB160と通信することを可能にする。UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、マルチグループ判定モジュール126、PSCell決定モジュール128、マルチグループ・タイミング・モジュール130、マルチグループ・モニタリング・モジュール132、マルチグループ・パス・ロス・モジュール134、マルチグループPUCCHモジュール136およびマルチグループ・ハイブリッド自動再送要求(HARQ)モジュール138の1つ以上を含むことができる。
マルチグループ判定モジュール126は、UE102が1つ以上のeNB160と通信するために1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用できるかどうかを判定するために、(例えば、第2のUEデコード信号110からの)受信信号情報を使用できる。例えば、この判定は、1つ以上のeNB160から受信されたシグナリングに基づくことができて、このシグナリングは、一方向に、あるいはUE102から送られた信号に応答して送られたものである。
一構成において、UE102は、複数のセル119、121を検出できる。例えば、UE102は、1つ以上のeNB160がセル119、121へのアクセスを提供できるかどうかを検出するために、1つ以上の周波数帯をモニターできる。例として、UE102は、1つ以上のeNB160が通信のためにセル(単数または複数)119、121を提供できることを指示するブロードキャスト、タイミングまたはビーコン信号を1つ以上のeNB160から受信できる。別の例では、UE102が、信号またはメッセージ(例えば、検索信号またはメッセージ)を1つ以上のeNB160へ送信できる。そのときには1つ以上のeNB160が、UE102に応答して1つ以上のセル119、121を通信に使用できることを指示する信号を送ることができる。
マルチグループ判定モジュール126は、1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用すべきかどうかを判定するために、追加または代わりの情報を使用できる。例えば、UE102は、チャネルまたはセル119、121の品質、UE102の能力、電池寿命、用途のタイプ(例えば、ストリーミング・メディア、音声通話、緊急事態など)および/または他の要因に基づいて、セル(単数または複数)119、121の複数のグループを使用すべきかどうかを判定できる。
マルチグループ判定モジュール126は、UE102のマルチグループ通信能力を1つ以上のeNB160に通知することもできる。例えば、UE102は、複数の上りリンク・タイミング調整を行うために、1つより多い送信機158を有する必要がありうる。リリース10では、キャリアアグリゲーションがUE送信機の実装に依存しないように構築される。しかしながら、eNB160は、複数の上りリンク・タイムアラインメントをサポートすることがUE102にとって可能かどうかを知る必要がありうる。UE102は、ある帯域の組み合わせにおいて複数の上りリンク・タイミング調整をサポートするその能力をeNB160に知らせる(例えば、メッセージまたは信号をeNB(単数または複数)160へ送る)ことができる、および/または上りリンク・タイミング調整グループの最大サポート可能数をeNBに知らせることができる。このようにして、eNB160は、UE102の送信機158実装に関するいくつかの情報を有することができる。
プライマリ・セカンダリセル(PSCell)決定モジュール128は、非PCellグループ・セル(単数または複数)121の1つ以上のグループのためのPSCellを決定できる。例えば、UE102は、1つ以上の非PCellグループ・セル121(例えば、非PCellグループ・セル(単数または複数)121のグループ)を使用して、1つ以上のeNB160と通信できる。非PCellグループ・セル(単数または複数)121は、1つ以上のSCellを含むことができる。いくつかの構成では、各非PCellグループを、異なったサイト(例えば、eNB160、リピータなど)を経由して送信することができる。PSCell決定モジュール128は、各非PCellグループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を決定できる。
例えば、PSCell決定モジュール128は、UE固有の(明示的または暗黙的な)無線リソース管理(RRC)シグナリングに基づいて、1つ以上のPSCellを決定できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネル(RACH)を用いて構成された(非PCellグループにおける)SCellが、対応する非PCellグループのためのPSCellであってもよい。別の例では、PSCellは、(非PCellグループの)グループ構成における最下位のSCellであってもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1がSCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
代わりに、PSCell決定モジュール128は、UE固有の明示的なRRCシグナリングに基づいて、1つ以上のPSCellを決定できる。例えば、1つ以上のeNB160は、(1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCellを明示的に識別するメッセージをUE102へ送ることができる。
マルチグループ・タイミング・モジュール130は、1つ以上のグループのための送信タイミングを制御(例えば、調整)できる。例えば、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整できる。例として、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、UE102から1つ以上のeNB160へ送信される非PCellグループ信号のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。送信タイミングは、PCellグループと1つ以上の非PCellグループとの間で異なってもよい。加えて、または代わりに、送信タイミングは、別個の非PCellグループの間で異なってもよい。
一構成において、UE102は、タイミングアドバンスコマンドに基づいて、プライマリセル(PCell)の物理上りリンク制御チャンル(PUCCH)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のためのその上りリンク送信タイミングを調整できる。ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルを送った後に、eNB160からUE102へ送信できる。eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、(タイミングアドバンスコマンドMAC要素を参照する)別のタイミングアドバンスコマンドをeNB160からUE102へ送信することもできる。UE102の相対位置が、対応するeNB160に対して変化するにつれて、RF遅延の変化に対処するために、上りリンク送信タイミングを時々調整する必要がありうる。このようにして、eNB160は、UEからeNB160へのすべての信号が、同時に、あるいは直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内にeNB160に到達するように規定できる。
ランダムアクセスレスポンスの場合には、上記のように11ビットのタイミングアドバンスコマンドTAを使用できる。他の場合には、上記のように6ビットのタイミングアドバンスコマンドTAが現在のNTA値の調整を指示できる。
典型的には、セカンダリセル(SCell)の物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のための上りリンク送信タイミングは、プライマリセル(PCell)の上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。しかしながら、異なった送信および/または受信サイト(例えば、異なったeNB160、RRHまたはリピータなど)を用いて、セル間のアグリゲーションが導入されることがありうる。この場合に、UE102は、各セルまたは1つ以上のセルのグループのために異なった上りリンク送信タイミングを有する必要がありうる。マルチグループ・タイミング・モジュール130は、1つ以上のグループ(例えば、PCellグループおよび/または1つ以上の非PCellグループ)のための送信タイミングを制御または調整できる。
一構成において、PCellグループにおける各SCell119のPUSCHおよび/またはSRSのための上りリンク送信タイミングは、対応するPCellのための上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、非PCellグループにおける各SCell121のPUSCHおよび/またはSRSのための上りリンク送信タイミングは、対応するPSCellのための上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。留意すべきは、各サービングセル119、121が下りリンクを有し、随意的に上りリンクを有しうることである。そのうえ、各サービング下りリンク・キャリアおよび上りリンク・キャリアは、1つのサービングセル119、121に属することができる。
UE102からの信号は、1つ以上の特定された時間に1つ以上のeNB160へ到達する必要がありうるので、上りリンク送信タイミングを調整することが必要であろう。例えば、eNB160へ送信されたすべての信号は、同時に、あるいはOFDMシンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内にeNB160に到達する必要がありうる。3GPPリリース10では、UEは、すべてのサービングセルのために同じ送信タイミングを使用する。その場合には、上りリンク送信タイミングを整合させるべきグループが1つしかないので、タイミングアドバンスコマンドがどのセルまたはセルのグループに対応するかを区別する必要はない。
ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルをPCellまたはPSCellで送った後に、そのPCellまたはPSCellでeNB160から送信され、UE102によって受信されることができる。このランダムアクセスレスポンスは、ランダムアクセスレスポンスを含むPDSCHをスケジューリングするために使用される識別子である、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI)を含むPDCCHによってスケジューリングできる。
受信されたランダムアクセスレスポンスの対象であるPCellまたはSCellは、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセル119、121にスケジューリングされたかによって区別できる。例えば、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセルにスケジューリングされたかを判定することによって、どのセル119、121(例えば、PCell、SCellなど)が、受信されたランダムアクセスレスポンスに対応するかを判定できる。ランダムアクセスレスポンスがスケジューリングされたサービングセルは、ランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセル119、121を識別することによって判定できる。
一構成において、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、かくしてランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセル119、121を識別することによって、どのセル119、121が、受信されたランダムアクセスレスポンスに対応するかを判定できる。PCell下りリンク(DL)にスケジューリングされたランダムアクセスレスポンスは、PCell上りリンクのための上りリンク(UL)送信タイミング調整に使用できる。PSCell下りリンク(DL)にスケジューリングされたランダムアクセスレスポンスは、PSCell上りリンクのための上りリンク(UL)送信タイミング調整に使用できる。例えば、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、対応するタイミングアドバンスコマンドに基づいて、(1つ以上の非PCellグループにおける)1つ以上の非PCellグループ・セル121のための送信のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。一構成において、非PCellグループにおけるSCell121の上りリンク送信タイミングは、そのグループにおけるPSCellの送信タイミングと一致するように調整できる。eNBからUEへのPSCellでのランダムアクセスを指令するためのPDCCH検出が、PSCell中であってもよく、PSCellでのランダムアクセスのための競合解決が、PSCell中であってもよいことにも留意すべきである。
eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、別のタイミングアドバンスコマンド(例えば、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素)をeNB160からUE102へ送信できる。受信されたタイミングアドバンスコマンドがPCellに対するものか、あるいはPSCellに対するものかは、タイミングアドバンスコマンドがどのサービングセル119、121にスケジューリングされたかに基づいて区別できる。タイミングアドバンスコマンドがスケジューリングされたサービングセル119、121は、タイミングアドバンスコマンドのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルを識別することによって判定できる。例えば、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、タイミングアドバンスコマンドのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルを識別することによって、タイミングアドバンスコマンドがどのセル119、121(例えば、PCell、PSCellなど)に対するものかを判定できる。
PCell下りリンクを含むグループ(例えば、PCellグループ)における任意のサービングセルにスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドは、PCell上りリンクのための上りリンク送信タイミング調整に使用できる。PCellグループにおける任意のSCellの送信タイミングは、PCellの送信タイミングと一致させることができる。
PSCell下りリンクを含むグループ(例えば、非PCellグループ)における任意のサービングセル(単数または複数)にスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドは、PSCell上りリンクのための上りリンク送信タイミング調整に使用できる。例えば、マルチグループ・タイミング・モジュール130は、対応するタイミングアドバンスコマンドに基づいて、(1つ以上の非PCellグループにおける)1つ以上の非PCellグループ・セル121のための送信のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。非PCellグループにおける任意のSCell121の送信タイミングは、対応するPSCellのものと一致するように調整できる。
別の構成では、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素、またはタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素のMACヘッダーが、コマンドがどのグループに対応するかを指示できる。グループ指示は、対応するグループに含まれるPSCellのセルインデックスであってもよい。
マルチグループ・モニタリング・モジュール132は、複数のグループのための共通検索空間をモニターするために使用できる。典型的には、PCellに1つだけの共通検索空間があり、SCellには共通検索空間がない。しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、1つ以上の追加的な共通検索空間を1つ以上の対応するPSCell(単数または複数)で使用できる。UE102は、上位層のシグナリングによって構成されるような、1つ以上のアクティブ化されたサービングセル119、121に関する制御情報を求めてPDCCH候補のセットをモニターできる。1つより多いサービングセルをRRCシグナリングによって構成することができて、MACシグナリングによってサービングセルをアクティブ化または非アクティブ化できる。
検索空間の観点から、モニターすべきPDCCH候補のセットを定義できる。典型的には、プライマリセル(PCell)119上に共通検索空間があり、PCell119および/または1つ以上のSCell上にUE固有の検索空間がある。この場合に、共通検索空間は、セル固有であってPCell上にだけありうる。UE固有の検索空間は、セル無線ネットワーク一時識別子またはC−RNTI(例えば、ユーザ機器識別子(UEID))によって定義できて、各サービングセル119、121のために用意できる。
典型的に、共通検索空間では、様々な種類の情報またはデータを送信できる。例えば、共通検索空間では、システム情報またはページング情報、ランダムアクセス関連情報または通常のUE102送信データ146をスケジューリングするためのPDCCHを送信できる。UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって定義することができる。UE102は、RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)をもつPDCCHをデコードできる。PDCCHによって伝えられる下りリンク制御情報は、添付されたCRCを有しうる。CRCは、RNTIによってスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。無線ネットワーク一時識別子(RNTI)のいくつかの例は、システム情報RNTI(SI−RNTI)、ページングRNTI(P−RNTI)、セルRNTI(C−RNTI)、ランダムアクセスRNTI(RA−RNTI)、セミパーシステント・スケジューリングC−RNTI(SPS C−RNTI)、一時C−RNTI、送信電力制御物理上りリンク制御チャネルRNTI(TPC−PUCCH−RNTI)および送信電力制御物理上りリンク共有チャネルRNTI(TPC−PUSCH−RNTI)を含む。いくつかの場合には、UE102は、RNTIを(例えば、それがモニターされるように構成されている場合)モニターできる。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従い、かつ複数のタイムアラインメントを有するためには、UE102がランダムアクセス手順をPSCell121で行う必要がありうる。かくして、PCell119における共通検索空間に加えて、PSCell121における共通検索空間でPDCCHをモニターするために、ランダムアクセスチャネル(RACH)をもつSCellを用いて構成されたUE102が必要とされうる。SI−RNTI、P−RNTIおよびSPS C−RNTIは、PCell119における共通検索空間でモニターすれば十分でありうるので、これらをPSCell121でモニターする必要はないであろう。それゆえに、PSCell121における共通探索空間では、マルチグループ・モニタリング・モジュール132によってC−RNTI、RA−RNTI、一時C−RNTI、TPC−PUCCH−RNTIおよびTPC−PUSCH−RNTIがモニターされるとよい。
マルチグループ・パス・ロス・モジュール134は、1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のパス・ロス・インジケータを生成するために使用できる。一構成において、マルチグループ・パス・ロス・モジュール134は、PCellに対するパス・ロス・インジケータを生成するために追加的に使用できる。例えば、SCell121が非PCellグループに属する場合に、マルチグループ・パス・ロス・モジュール134は、指定されたセル121に対応するパス・ロス・インジケータを生成できる。パス・ロスを測定するために使用されるセル121は、典型的なパス・ロス・パラメータ「pathlossReference−r10(pCell,sCell)」ではなく、「pathlossReference−r11(psCell,sCell)パラメータによって指定できる。
リリース10では、例えば、RRCシグナリングによって構成可能でありうるパス・ロス基準セルとして、各SCellは、PCellまたはSCell自体を使用できる。SCellが、PCellをパス・ロス基準セルとして使用する場合、これは、クロスキャリア・パス・ロス基準を示す。SCellが、SCellをパス・ロス基準セルとして使用する場合、これは、非クロスキャリア・パス・ロス基準を示す。言い換えれば、PCellは、他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス参照として使用できるが、SCellは、他のセル(単数または複数)に対するパス・ロス参照として使用できない。各SCell構成におけるSCellのパス・ロス測定用の基準としてどのPCellまたはSCellが使用されるかを指示するRRCパラメータ「pathlossReference−r10」を使用できる。(eNBからUEへ送信できる)このRRCパラメータ「pathlossReference−r10」を各SCell構成に含むことができる。しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、グループ間で異なった上りリンク送信タイミングを使用することは、各グループが異なったパス・ロスを有してもよいことを意味しうる。SCell121が属するグループがPCell119を含まない場合、PCell119とSCell121との間で選択することは、有用ではありえない。UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、各SCell構成におけるSCell121のパス・ロス測定用の基準としてどのPSCell121またはSCell121が使用されるかを指示する「pathlossReference−r11」パラメータを使用できる。それゆえに、SCell121が非PCellグループに属する場合には、典型的なパラメータ「pathlossReference−r10(pCell、sCell)」を「pathlossReference−r11(psCell、sCell)」によって置き換えることができる。別の構成では、PCell、PSCellおよびSCellからの選択を利用できる(例えば、「pathlossReference−r11(pCell、psCell、sCell」パラメータを使用できる)。pathlossReference−r11パラメータは、eNBからUEへ送られることができる。
マルチグループPUCCHモジュール136は、1つ以上の非PCellグループに対応する1つ以上のPUCCHを構成できる。例えば、PCell119に対応するPUCCHに加えて、PSCell121がPUCCHを有することができる。典型的には、PUCCHは、上りリンク送信電力の軽減のためにPCell119にだけ割り当てることが可能である。しかしながら、UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNB160は、PUCCHをPSCellに割り当てることができる。PUCCH上の周期的チャネル品質インジケータ、プリコーディング・マトリックス・インジケータおよび/またはランク・インジケータ(CQI/PMI/RI)リポートは、RRCメッセージを使用してそれらのリソースを準静的に割り当てることができるので、PSCell121におけるPUCCHへマッピングされるように修正できる。
マルチグループHARQモジュール138は、1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のACK/NACKを発生できる。例えば、グループにおける非PCellグループ・セル121に対応するハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ−ACK)をグループにおけるPSCell121上で送信できる。
ハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ−ACK)は、PSCell121におけるPUCCHへ随意的にマッピングできる。HARQ−ACKは、1つ以上のサービングセル121の各グループに基づいて発生できる。いくつかの構成では、グループにおけるセル119、121に対応するHARQ−ACK(単数または複数)をグループにおけるPCell119またはPSCell121上で送信できる。このアプローチは、HARQプロセスを各グループに分割できるので、グループ間のタイミング差に起因するバッファーリング問題の取り扱いが容易になりうる。
UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、情報142をエンコーダ150に提供できる。この情報142は、エンコーダ150に対する命令および/またはコード化すべきデータを含むことができる。例えば、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、送信タイミングをシフトするようにエンコーダ150に命令する、1つ以上の非PCellグループのためのコード化速度および/またはタイプに関してエンコーダ150に命令する、ならびに/または1つ以上の非PCell PUCCHへの送信データ146のマッピングに関してエンコーダ150に命令することができる。加えて、または代わりに、情報142は、コード化すべきデータ、例えば、UE102のマルチグループ能力、1つ以上の非PCellグループに対するACK/NACK、および/または1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のパス・ロス・インジケータを指示するメッセージを含むことができる。
エンコーダ150は、送信データ146および/またはUEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124によって提供された他の情報142をコード化できる。例えば、データ146および/または他の情報142をコード化することは、誤り検出および/または訂正コーディング、送信のための空間、時間および/または周波数リソースへのデータのマッピング(例えば、時空間ブロック・コーディング(STBC:space−time block coding))などを伴うことができる。エンコーダ150は、コード化されたデータ152を変調器154に提供できる。
UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、情報144を変調器154に提供できる。この情報144は、変調器154に対する命令を含むことができる。例えば、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、送信タイミングをシフトするように変調器154に命令する、および/または1つ以上の非PCellグループのための変調型(例えば、コンステレーション・マッピング)に関して変調器154に命令することができる。変調器154は、1つ以上の変調信号156を1つ以上の送信機158に提供するために、コード化されたデータ152を変調できる。
UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、情報140を1つ以上の送信機158に提供できる。この情報140は、1つ以上の送信機158に対する命令を含むことができる。例えば、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール124は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングをシフトするように、1つ以上の送信機158に命令できる。1つ以上の送信機158は、1つ以上のeNB160へ変調信号(単数または複数)156をアップコンバートして送信できる。留意すべきは、複数の上りリンク・タイミング調整を行うために、UE102が1つより多い送信機158を有する必要がありうることである。
1つ以上のeNB160のそれぞれは、1つ以上のトランシーバ176、1つ以上の復調器172、1つ以上のデコーダ166、1つ以上のエンコーダ109、1つ以上の変調器113およびeNBグループ・オペレーションズ・モジュール182を含むことができる。例えば、eNB160では1つ以上の受信および/または送信経路を使用できる。便宜上、単一のトランシーバ176、デコーダ166、復調器172、エンコーダ109および変調器113だけが示されるが、構成に依存して複数の並列要素176、166、172、109、113を使用できる。
トランシーバ176は、1つ以上の受信機178および1つ以上の送信機117を含むことができる。1つ以上の受信機178は、1つ以上のアンテナ180a〜nを使用して信号をUE102から受信できる。例えば、受信機178は、1つ以上の受信信号174を生成するために、信号を受信してダウンコンバートできる。1つ以上の受信信号174は、復調器172に提供されることができる。1つ以上の送信機117は、1つ以上のアンテナ180a〜nを使用して信号をUE102へ送信できる。例えば、1つ以上の送信機117は、1つ以上の変調信号115をアップコンバートして送信できる。
復調器172は、1つ以上の復調信号170を生成するために、1つ以上の受信信号174を復調できる。1つ以上の復調信号170は、デコーダ166に提供されることができる。eNB160は、信号をデコードするためにデコーダ166を使用できる。デコーダ166は、1つ以上のデコード信号164、168を生成できる。例えば、第1のeNBデコード信号164は、受信されたペイロード・データ162を備えることができる。第2のeNBデコード信号168は、オーバーヘッド・データおよび/または制御データを備えることができる。例えば、第2のUEデコード信号168は、1つ以上のオペレーションを行うために、eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182によって使用されうるデータを提供できる。
一般に、eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、eNB160が、1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用しているUE102と通信することを可能にする。eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、グループ送信モジュール196、PSCell指定モジュール194、グループ・タイミング・モジュール186、グループ・スケジューリング・モジュール192、グループ・パス・ロス・モジュール190、グループPUCCHモジュール184およびマルチグループ・ハイブリッド自動再送要求(HARQ)モジュール188の1つ以上を含むことができる。
グループ送信モジュール196は、UE102のグループ送信能力を判定できる。例えば、グループ送信モジュール196は、UE102が1つ以上のeNB160と通信するために1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用できるかどうかを判定するために、(例えば、第2のUEデコード信号168からの)受信信号情報を使用できる。上記のように、UE102は、複数の送信タイミングアラインメントを使用するために、複数の送信機158を有する必要がありうる。例として、受信信号情報は、(ある帯域の組み合わせにおいて)複数のタイミング調整を行うことがUE102にとって可能かどうかを指示できる、および/または上りリンク・タイミング調整グループの最大サポート可能数を指示できる。この判定は、UE102から受信されたシグナリングに基づくことができて、このシグナリングは、一方向に、あるいはeNB160から送られた信号に応答して送られたものである。
プライマリ・セカンダリセル(PSCell)指定モジュール194は、非PCellグループ・セル(単数または複数)121の1つ以上のグループのためのPSCellを指定できる。例えば、eNB160は、1つ以上の非PCellグループ・セル(単数または複数)121を使用してUE102と通信できる。非PCellグループ・セル(単数または複数)121は、1つ以上のSCellを含むことができる。eNB160は、1つ以上の非PCellグループ(例えば、非PCellグループ・セル(単数または複数)121のグループ)を使用して通信できる。いくつかの構成では、各非PCellグループは、異なったサイト(例えば、RRH、リピータなど)を経由して送信できる。PSCell指定モジュール194は、1つ以上の非PCellグループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を指定するUEへのメッセージを発生させる、および/または送ることができる。
例えば、PSCell指定モジュール194は、UE固有の(明示的または暗黙的な)無線リソース管理(RRC)シグナリングを使用して1つ以上のPSCellを指定できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネル(RACH)を用いて構成された(非PCellグループにおける)SCellが、対応する非PCellグループのためのPSCellであってもよい。別の例では、PSCellは、(非PCellグループの)グループ構成における最下位のSCellであってもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1がSCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
代わりに、PSCell指定モジュール194は、UE固有の明示的なRRCシグナリングを使用して1つ以上のPSCellを指定できる。例えば、eNB160は、(1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCellを明示的に識別するメッセージをUE102へ送ることができる。
グループ・タイミング・モジュール186は、1つ以上のグループのための送信タイミングを管理できる。例えば、グループ・タイミング・モジュール186は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整するために、タイミング調整メッセージ(例えば、タイミングアドバンスコマンド)をUE102へ送ることができる。例として、UE102は、eNB160から送られた1つ以上のタイミングアドバンスコマンドに基づいて、eNB160に対応するUE102から送信される非PCellグループ信号のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。送信タイミングは、PCellグループと1つ以上の非PCellグループとの間で異なってもよい。加えて、または代わりに、送信タイミングは、別個の非PCellグループ間で異なってもよい。
一構成において、UE102は、eNB160からのタイミングアドバンスコマンド(例えば、メッセージ)に基づいて、プライマリセル(PCell)の物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のためのその上りリンク送信タイミングを調整できる。ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルを(eNB160へ)送った後に、eNB160からUE102へ送信できる。eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、(タイミングアドバンスコマンドMAC要素を参照する)別のタイミングアドバンスコマンドもeNB160からUE102へ送信される。UE102の相対位置が、対応するeNB160に対して変化するにつれて、RF遅延の変化に対処するために、上りリンク送信タイミングを時々調整する必要がありうる。このようにして、eNB160は、UEからeNB160へのすべての信号が、同時に、あるいは直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内にeNB160に到達するように規定できる。
ランダムアクセスレスポンスの場合には、上記のように11ビットのタイミングアドバンスコマンドTAをeNB160から送信できる。他の場合には、上記のように6ビットのタイミングアドバンスコマンドTAをeNB160から送信できて、現在のNTA値の調整を指示できる。
典型的には、セカンダリセル(SCell)の物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のための上りリンク送信タイミングは、プライマリセル(PCell)の上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。しかしながら、異なった送信および/または受信サイト(例えば、異なったeNB、RRHまたはリピータなど)を用いて、セル間のアグリゲーションが導入されることがありうる。この場合には、eNB160は、各セルまたは1つ以上のセルのグループのために異なった上りリンク送信タイミングを有する必要がありうる。グループ・タイミング・モジュール186は、1つ以上のグループ(例えば、PCellグループおよび/または1つ以上の非PCellグループ)のための送信タイミングを制御または調整するために、コマンドを発生して送ることができる。
ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルをPCellまたはPSCellで送った後に、そのPCellまたはPSCellでeNB160から送信され、UE102によって受信されることができる。このランダムアクセスレスポンスは、ランダムアクセスレスポンスを含むPDSCHをスケジューリングするために使用される識別子である、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI)を含むPDCCHによってスケジューリングできる。ランダムアクセスレスポンスに対するPCellまたはSCellは、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセル119,121にスケジューリングされたかによって指示できる。ランダムアクセスレスポンスがスケジューリングされたサービングセルは、ランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセル119、121によって指示できる。
eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、別のタイミングアドバンスコマンド(例えば、タイミングアドバンスコマンドMAC要素)をeNB160からUE102へ送信できる。受信されたタイミングアドバンスコマンドがPCellに対するものか、あるいはPSCellに対するものかは、タイミングアドバンスコマンドがどのサービングセル119、121にスケジューリングされたかに基づいて指示できる。例えば、タイミングアドバンスコマンドがどのセル119、121(例えば、PCell、PSCellなど)に対するものかは、タイミングアドバンスコマンドのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルによって指示できる。
いくつかの構成では、eNB160は、コマンドがどのグループに対応するかを指示できるタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素、またはタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素のMACヘッダーを使用できる。グループ指示は、対応するグループに含まれるPSCellのセルインデックスであってもよい。
グループ・スケジューリング・モジュール192は、セル119、121の1つ以上のグループのための通信をスケジューリングするために使用できる。例えば、グループ・スケジューリング・ブロック/モジュール192は、ランダムアクセスレスポンスをUE102へ送ることによって、通信リソースをUE102に割り当てることができる。上述の通り、ランダムアクセスレスポンスは、グループ・タイミング・モジュール186によって発生されるような、タイミングアドバンスコマンドも含むことができる。いくつかの事例では、PDCCHを使用してスケジューリング情報をUE102へ送ることができる。
例えば、システム情報またはページング情報をスケジューリングするためのPDCCHをeNB160によって送信できる。UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成されることができる。PDCCHによって伝えられる下りリンク制御情報は、添付されたCRCを有しうる。eNB160は、RNTIを使用してCRCをスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTを使用できる。上記のように、PSCellをクロスキャリア・スケジューリングすることはできないが、1つ以上のSCellをスケジューリングできる。
1つ以上の非PCellグループに対して1つ以上のパス・ロス・パラメータを管理するために、グループ・パス・ロス・モジュール190を使用できる。例えば、SCell121が非PCellグループに属する場合に、グループ・パス・ロス・モジュール190は、パス・ロス基準として非PCellグループ・セル121を指定するために、典型的なパス・ロス・パラメータ(例えば、pathlossReference−r10(pCell,sCell))ではなく、パス・ロス・パラメータ(例えば、pathlossReference−r11(psCell,sCell)を発生できる。パス・ロス・パラメータは、パス・ロスを測定するためにUE102によって使用されるセルを指定できる。
グループPUCCHモジュール184は、1つ以上の非PCellグループに対応する1つ以上のPUCCHを割り当てるために使用できる。例えば、PCell119に対応するPUCCHに加えて、PSCell121がPUCCHを有することができる。典型的には、PUCCHは、上りリンク送信電力の軽減のためにPCell119にだけ割り当てることが可能である。しかしながら、UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNB160は、PUCCHをPSCell121に割り当てることができる。
グループHARQモジュール188は、1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のACK/NACKを受信できる。eNB160は、1つ以上のACK/NACKを使用して、UE102によって正しく受信されなかった情報を再送信できる。グループにおける非PCellグループ・セル121に対応するACK/NACKは、グループにおけるPSCell121上でeNB160によって受信できる。ACK/NACK(単数または複数)は、PSCell121におけるPUCCHへ随意的にマッピングできる。いくつかの構成では、グループにおけるセル119、121に対応するHARQ−ACK(単数または複数)をグループにおけるPCell119またはPSCell121上で受信できる。このアプローチは、HARQプロセスを各グループに分割できて、グループ間のタイミング差に起因するバッファーリング問題の取り扱いを容易にできるので、有益でありうる。
eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、情報101をエンコーダ109に提供できる。この情報101は、エンコーダ109に対する命令および/またはコード化すべきデータを含むことができる。例えば、eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、1つ以上の非PCellのためのコード化速度および/またはタイプに関してエンコーダ109に命令できる、および/または1つ以上の非PCell PUCCHへの送信データ105のマッピングに関してエンコーダ109に命令できる。加えて、または代わりに、情報101は、コード化すべきデータ、例えば、タイミングアドバンスコマンド、スケジューリング情報、チャネル割り当ておよび/または他の制御情報を指示するメッセージを含むことができる。
エンコーダ109は、送信データ105、および/またはeNBグループ・オペレーションズ・モジュール182によって提供された他の情報101をコード化できる。例えば、データ105および/または他の情報101をコード化することは、誤り検出および/または訂正コーディング、送信のための空間、時間および/または周波数リソースへのデータのマッピング(例えば、時空間ブロック・コーディング(STBC))などを伴うことができる。エンコーダ109は、コード化されたデータ111を変調器113に提供できる。送信データ105は、UE102へ中継されるべきネットワークデータを含むことができる。
eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、情報103を変調器113に提供できる。この情報103は、変調器113に対する命令を含むことができる。例えば、eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、1つ以上の非PCellグループのための変調型(例えば、コンステレーション・マッピング)に関して変調器113に命令できる。変調器113は、1つ以上の変調信号115を1つ以上の送信器117に提供するために、コード化されたデータ111を変調できる。
eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、情報198を1つ以上の送信機117に提供できる。この情報198は、1つ以上の送信機117に対する命令を含むことができる。例えば、eNBグループ・オペレーションズ・モジュール182は、1つ以上の非PCellグループ・セル(単数または複数)121を形成するように1つ以上の送信機117に命令できる。1つ以上の送信器117は、UE102への変調信号(単数または複数)115をアップコンバートして送信できる。
図2は、UE102上でマルチグループ通信を行うための方法200の一構成を示すフローダイアグラムである。UE102は、複数のセル119、121を検出202できる。例えば、UE102は、1つ以上のセル119、121の複数のグループを通信のために使用できることを指示する同調信号、ビーコン、メッセージなどを1つ以上のeNB160から受信できる。加えて、または代わりに、UE102は、1つ以上のeNB160と通信するのをUE102が求めていることを指示する信号またはメッセージ(例えば、アクセス要求、認証情報など)を1つ以上のeNB160へ送ることができる。この場合に、1つ以上のeNB160は、UE102が1つ以上のeNB160と通信するのを許可する信号を送ることによって応答できる。
UE102は、通信するためにセル119、121の複数のグループを使用すべきかどうかを判定204できる。UE102がセル119、121の複数のグループを使用して通信しないと判定204した場合、UE102は、セル119の単一のグループを使用して通信206できる。いくつかの構成では、UE102がセル119、121の複数のグループを使用して通信することが可能でない場合、あるいは他の理由(例えば、低電池電力、非PCellグループでの低チャネル品質など)から、UE102は、セル119、121の複数のグループを使用して通信しないと判定204してもよい。
UE102が、セル119、121の複数のグループを使用して通信すると判定204した場合、UE102は、各非PCellグループのためのPSCellを決定208できる。例えば、UE102は、1つ以上の非PCellグループ・セル121(例えば、非PCellグループ・セル(単数または複数)121のグループ)を使用して、1つ以上のeNB160と通信できる。非PCellグループ・セル(単数または複数)121は、1つ以上のSCellを含むことができる。いくつかの構成では、各非PCellグループは、異なったサイト(例えば、eNB160、RRH,リピータなど)から送信できる。PSCell決定モジュール128は、各非PCellグループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を決定できる。
例えば、UE102は、UE固有の(明示的または暗黙的な)無線リソース管理(RRC)シグナリングに基づいて1つ以上のPSCellを決定208できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネル(RACH)を用いて構成された(非PCellグループにおける)SCellが、対応する非PCellグループのためのPSCellとして決定208されてもよい。別の例では、PSCellは、(非PCellグループの)グループ構成における最下位のSCellとして決定208されてもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1がSCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
代わりに、UE102は、UE固有の明示的なRRCシグナリングに基づいて、1つ以上のPSCellを決定208できる。例えば、UE102は、(1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCellを明示的に識別するメッセージを1つ以上のeNB160から受信できる。
UE102は、送信タイミングを調整すべきかどうかを判定210できる。例えば、UE102が1つ以上のタイミングアドバンスコマンドを1つ以上のeNB160から受信した場合、UE102は、上りリンク送信タイミングを調整すると判定210できる。しかしながら、UE102がタイミングアドバンスコマンドを受信しなかった場合、UE102は、上りリンク送信タイミングを調整しないと判定210できる。
UE102が上りリンク送信タイミングを調整すると判定210した場合、次にUE102は、セル119、121のグループのための上りリンク・タイミングを調整するために、タイミングアドバンスコマンドを使用212できる。例えば、UE102は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整できる。例として、UE102は、時間遅延または前進の量を特定するタイミングアドバンスコマンドを使用212することによって、UE102から1つ以上のeNB160へ送信される非PCellグループ信号のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。送信タイミングは、PCellグループと1つ以上の非PCellグループとの間で異なってもよい。加えて、または代わりに、送信タイミングは、別個の非PCellグループ間で異なってもよい。
一構成において、UE102は、受信されたタイミングアドバンスコマンドを使用212することによって、プライマリセル(PCell)の物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のためのその上りリンク送信タイミングを調整できる。ランダムアクセスレスポンス中で受信されるタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルを送った後に、eNB 106からUE102へ送信できる。eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、(タイミングアドバンスコマンドMAC要素を参照する)別に受信されるタイミングアドバンスコマンドをeNB160からUE102へ送信できる。
ランダムアクセスレスポンスの場合には、上記のように11ビットのタイミングアドバンスコマンドTAを使用できる。他の場合には、上記のように6ビットのタイミングアドバンスコマンドTAが現在のNTA値の調整を指示できる。
典型的には、セカンダリセル(SCell)の物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)および/またはサウンディング基準信号(SRS)のための上りリンク送信タイミングは、プライマリセル(PCell)のものと同じにすることができる。しかしながら、異なった送信および/または受信サイト(例えば、異なったeNB、RRHまたはリピータなど)を用いて、セル間のアグリゲーションが導入されることがありうる。この場合には、UE102は、各セルまたは1つ以上のセルのグループのための異なった上りリンク送信タイミングを有する必要がありうる。UE102は、1つ以上のグループ(例えば、PCellグループおよび/または1つ以上の非PCellグループ)のための送信タイミングを制御または調整できる。
一構成において、PCellグループにおける各SCell119のPUSCHおよび/またはSRSのための上りリンク送信タイミングは、対応するPCellのための上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、非PCellグループにおける各SCell121のPUSCHおよび/またはSRSのための上りリンク送信タイミングは、対応するPSCellのための上りリンク送信タイミングと同じにすることができる。
UE102がランダムアクセスプリアンブルをPCellまたはPSCellで送った後に、そのPCellまたはPSCellでeNB160から送信されてUE102によって受信される、ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドを使用212できる。このランダムアクセスレスポンスは、ランダムアクセスレスポンスを含むPDSCHをスケジューリングするために使用される識別子である、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI)を含むPDCCHによってスケジューリングできる。
受信されたランダムアクセスレスポンスに対するPCellまたはSCellは、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセル119、121にスケジューリングされたかによって区別できる。例えば、UE102は、ランダムアクセスレスポンスがどのサービングセルにスケジューリングされたかを判定することによって、どのセル119、121(例えば、PCell、SCellなど)が、受信されたランダムアクセスレスポンスに対応するかを判定できる。ランダムアクセスレスポンスがスケジューリングされたサービングセルは、ランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセル119、121を識別することによって判定できる。
一構成において、UE102は、かくしてランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセル119,121を識別することによって、どのセル119、121が受信されたランダムアクセスレスポンスに対応するかを判定できる。PCell下りリンク(DL)にスケジューリングされたランダムアクセスレスポンスは、PCell上りリンクのための上りリンク(UL)送信タイミング調整に使用できる。PSCell下りリンク(DL)にスケジューリングされたランダムアクセスレスポンスは、PSCell上りリンクのための上りリンク(UL)送信タイミング調整に使用できる。例えば、UE102は、対応するタイミングアドバンスコマンドに基づいて、(1つ以上の非PCellグループにおける)1つ以上の非PCellグループ・セル121のための送信のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。一構成において、非PCellグループにおけるSCell121の送信タイミングは、そのグループにおけるPSCellの送信タイミングと一致するように調整できる。
eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、別に受信されるタイミングアドバンスコマンド(例えば、タイミングアドバンスコマンドMAC要素)をeNB160からUE102へ送信できる。受信されたタイミングアドバンスコマンドがPCellに対するものか、あるいはPSCellに対するものかは、タイミングアドバンスコマンドがどのサービングセル119、121にスケジューリングされたかに基づいて区別できる。タイミングアドバンスコマンドがスケジューリングされたサービングセル119,121は、タイミングアドバンスコマンドのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルを識別することによって決定できる。例えば、UE102は、タイミングアドバンスコマンドのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセルを識別することによって、タイミングアドバンスコマンドがどのセル119、121(例えば、PCell、PSCellなど)に対するものかを判定できる。
PCell下りリンク(例えば、PCellグループ)を含むグループにおける任意のサービングセルにスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドは、PCell上りリンクのための上りリンク送信タイミング調整に使用212できる。PCellグループにおける任意のSCellの送信タイミングは、PCellの送信タイミングに一致するとよい。
PSCell下りリンク(例えば、非PCellグループ)を含むグループにおける任意のサービングセル(単数または複数)にスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドは、PSCell上りリンクのための上りリンク送信タイミング調整に使用212できる。例えば、UE102は、対応するタイミングアドバンスコマンドに基づいて、(1つ以上の非PCellグループにおける)1つ以上の非PCellグループ・セル121のための送信のタイミングを進めるか、または遅らせることができる。非PCellグループにおける任意のSCell121の送信タイミングは、対応するPSCellの送信タイミングと一致するように調整できる。
別の構成では、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素、またはタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素のMACヘッダーが、コマンドがどのグループに対応するかを指示できる。グループ指示は、対応するグループに含まれるPSCellセルのセルインデックスであってもよい。
UE102が送信タイミングを調整すると判定210するかどうかにかかわらず、UE102は、非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたかどうかを判定214できる。例えば、UE102が「pathlossReference−r11(psCell、sCell)」パラメーラを受信した場合、次にUE102は、非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたと判定214できる。しかしながら、例えば、UE102がいかなるパス・ロス・パラメータも受信しない(あるいは例えば、「pathlossReference−r10(pCell、sCell)」を受信した)場合、次にUE102は、非PCellグループにおける基準セル121を指定するいかなるパス・ロス・パラメータも受信されないと判定214できる。
UE102が非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたと判定214した場合、次にUE102は、基準セル121に基づいてパス・ロスを決定216できる。例えば、UE102は、指定されたセル121に対して受信された信号強度を決定できて、受信された信号強度に基づいてパス・ロスを決定216できる。例として、UE102は、パス・ロスを決定216するために、(eNB160によって指示されるような)送信信号強度から受信信号強度を引くことができる。いくつかの構成では、UE102は、パス・ロスを指示すべくeNB160へ送信するためのパス・ロス・インジケータを発生できる。
UE102が非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたと判定214するかどうかにかかわらず、UE102は、複数のグループを使用して1つ以上のeNB160と通信218できる。例えば、UE102は、1つ以上のPCellグループ・セル119および1つ以上の非PCellグループ・セル121を使用して、1つ以上のeNB160へ情報を送信できる、および/またはそれから情報を受信できる。
図3は、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って使用できる、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール324の一構成を示すブロックダイアグラムである。一般に、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール324は、UE102が1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用して1つ以上のeNB160と通信することを可能にする。UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール324は、マルチグループ判定モジュール326、PSCell決定モジュール328、マルチグループ・タイミング・モジュール330およびマルチグループ・パス・ロス・モジュール334の1つ以上を含むことができる。
マルチグループ判定ブロック/モジュール326は、マルチグループ制御情報331を発生できる。マルチグループ通信を可能にするために、マルチグループ制御情報331のいくつか、またはすべてが、UE102によって提供され、使用される、および/または1つ以上のeNBへ送信されることができる。
マルチグループ判定モジュール326は、UE102が1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用できるかどうかを判定するために、受信信号情報323を使用できる。例えば、この判定は、1つ以上のeNB160から受信されたシグナリングに基づくことができて、このシグナリングは、一方向に、あるいはUE102から送られた信号に応答して送られたものである。
一構成において、UE102は、複数のセル119、121を検出できる。例えば、UE102は、1つ以上のeNB160がセル119、121へのアクセスを提供できるかどうかを検出するために、受信信号情報323(例えば、1つ以上の周波数帯域)をモニターできる。例として、UE102は、1つ以上のeNB160が通信のためにセル(単数または複数)119、121を提供できることを指示するブロードキャスト、タイミングまたはビーコン信号を1つ以上のeNB160から受信できる。別の例では、UE102は、信号またはメッセージ(例えば、検索信号またはメッセージ)を1つ以上のeNB160へ送信できる。1つ以上のeNB160は、次にUE102に応答して、通信のために1つ以上のセル119、121を使用できることを指示する信号を送ることができる。
マルチグループ判定モジュール326は、1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用すべきかどうかを判定するために、追加または代わりの情報を使用できる。例えば、UE102は、チャネルまたはセル119、121の品質、UE102の能力、電池寿命、用途のタイプ(例えば、ストリーミング・メディア、音声通話、緊急事態など)および/または他の要因に基づいて、セル(単数または複数)119、121の複数のグループを使用すべきかどうかを判定できる。マルチグループ制御情報331は、マルチグループ通信を使用すべきかどうかを指示できる。この指示は、UE102がセル119、121の複数のグループを使用できるようにするために、UE102に提供されうる。
マルチグループ判定モジュール326は、UE102のマルチグループ通信能力を1つ以上のeNB160に通知することもできる。例えば、UE102は、複数の上りリンク・タイミング調整を行うために、1つより多い送信機158を有する必要がありうる。マルチグループ制御情報331は、ある帯域の組み合わせにおいて複数の上りリンク・タイミング調整をサポートするUE 120の能力をeNB160に知らせるために送信されることができる、および/または上りリンク・タイミング調整グループの最大サポート可能数をeNB160に知らせることができる。
プライマリ・セカンダリセル(PSCell)決定モジュール328は、非PCellグループ・セル(単数または複数)121の1つ以上のグループのためのPSCellを決定できる。一構成において、PSCell決定ブロック/モジュール328は、PSCell情報333を生成するために、PSCell指定情報325を使用できる。PSCell情報333は、各非PCellグループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を指示できる。
例えば、PSCell決定モジュール328は、PSCell指定情報325に基づいてPSCell情報333を生成できる。一構成において、PSCell指定情報325は、UE固有の(明示的または暗黙的な)無線リソース管理(RRC)シグナリングであってもよい。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネル(RACH)を用いて構成された(非PCellグループにおける)SCellが、対応する非PCellグループのためのPSCellとして決定されてもよい。別の例では、PSCellは、(非PCellグループの)グループ構成における最下位のSCellであってもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1がSCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
代わりに、PSCell決定モジュール328は、明示的なPSCell指定情報325(例えば、UE固有の明示的なRRCシグナリング)に基づいて、1つ以上のPSCellを決定できる。例えば、1つ以上のeNB160は、(1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCellを明示的に識別するメッセージをUE102へ送ることができる。この場合に、PSCell決定モジュール328は、1つ以上の指定されたPSCellをPSCell情報333に指示できる。
マルチグループ・タイミング・モジュール330は、1つ以上のタイミングアドバンスコマンド327に基づいて、1つ以上のグループのための送信タイミングを制御(例えば、調整)できる。マルチグループ・タイミング・モジュール330は、1つ以上のタイミング調整335を生成できる。例えば、タイミング調整(単数または複数)335は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整できる。例として、タイミング調整335は、UE102から1つ以上のeNB160へ送信される非PCellグループ信号のタイミングを進めるか、または遅らせるために、タイミングアドバンスコマンド(単数または複数)327を使用できる。
マルチグループ・タイミング・モジュール330は、図1にマルチグループ・タイミング・モジュール130に関連して記載されたようにタイミングを調整できる。例えば、タイミングアドバンスコマンド327は、ランダムアクセスレスポンスに含まれてもよく、あるいはMAC要素であってもよい。上記のように、マルチグループ・タイミング・モジュール330は、タイミングアドバンスコマンド327がどのセル(単数または複数)119、121に対応するかを判定できる。
次にマルチグループ・タイミング・モジュール330は、タイミングアドバンスコマンド(単数または複数)327によって指示される量だけ1つ以上のセル119、121の送信タイミングを進めるか、または遅らせるために、1つ以上のタイミング調整(単数または複数)335を発生できる。例えば、タイミング調整(単数または複数)335は、PCell上りリンク無線フレーム(およびPCellグループにおける任意のSCell119に対応する任意の上りリンク無線フレーム)が、ある時間量だけPCell下りリンク無線フレームより先行するように調整されなければならないことを指示できる。加えて、または代わりに、タイミング調整(単数または複数)335は、PSCell上りリンク無線フレーム(および対応するPSCellグループにおける任意のSCell121に対応する任意の上りリンク無線フレーム)が、PSCell下りリンク無線フレームよりある時間量だけ先行するように調整されなければならないことを指示できる。
マルチグループ・パス・ロス・モジュール334は、1つ以上の非PCellグループのためのパス・ロス情報329に基づいて、1つ以上のパス・ロス・インジケータ337を生成するために使用できる。一構成において、マルチグループ・パス・ロス・モジュール334は、PCellグループのためのパス・ロス情報329に基づいて、パス・ロス・インジケータ337を生成するために追加的に使用できる。例えば、SCell121が非PCellグループに属する場合に、マルチグループ・パス・ロス・モジュール334は、指定されたセル121に対応するパス・ロス・インジケータ337を生成できる。パス・ロスを測定するために使用されるセル121は、パス・ロス情報329(例えば、典型的なパス・ロス・パラメータ「pathlossReference−r10(pCell,sCell)」ではなく、「pathlossReference−r11(psCell,sCell)」パラメータ)によって指定できる。
UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、各SCell構成におけるSCell121に対するパス・ロス測定用の基準として、どのPSCell121またはSCell121が使用されるかを指示する「pathlossReference−r11」パラメータをパス・ロス情報329に含めることができる。それゆえに、SCell121が非PCellグループに属する場合には、典型的なパラメータ「pathlossReference−r10(pCell、sCell)」を「pathlossReference−r11(psCell、sCell)」パラメータによって置き換えることができる。別の構成では、(例えば、パス・ロス情報329によって指示されるように)PCell、PSCellおよびSCellからの選択を利用できる。より具体的には、PCell、PSCellおよびSCellからの選択が利用できる(例えば、「pathlossReference−r11(pCell、psCell、sCell」パラメータを使用できる)。pathlossReference−r11パラメータは、eNBからUEへ送られることができる。
図4は、UE102上でマルチグループ通信を行うための方法400のより具体的な構成を示すフローダイアグラムである。UE102は、複数のセル119、121を検出402できる。例えば、UE102は、上掲の図2のステップ202に関連して記載されたように複数のセル119、121を検出402できる。
UE102は、複数の上りリンク・タイムアラインメントの能力を指示する情報を1つ以上のeNB160へ送信404できる。例えば、UE102は、複数タイムアラインメントを使用することがUE102にとって可能なことを指示するメッセージまたは信号を1つ以上のeNB160へ送信404できる。例として、これは、UE102が複数の送信機158を有することを指示できる。
UE102は、通信するためにセル119、121の複数のグループを使用すべきかどうかを判定406できる。例えば、これは、上掲の図2のステップ204に関連して記載されたように行うことができる。UE102が、セル119、121の複数のグループを使用して通信しないと判定406した場合、UE102は、セル119の単一のグループを使用して通信408できる。
UE102が、セル119、121の複数のグループを使用して通信すると判定406した場合、UE102は、各非PCellグループのためのPSCell121を決定410できる。これは、上掲の図2のステップ208に関連して記載されたように行うことができる。
UE102は、1つ以上のグループのそれぞれに対して共通検索空間をモニター412できる。典型的には、PCellに1つだけの共通検索空間があり、SCellには共通検索空間がない。しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、1つ以上の追加的な共通検索空間を1つ以上の対応するPSCell(単数または複数)で使用できる。UE102は、上位層のシグナリングによって構成されるような、1つ以上のアクティブ化されたサービングセル119、121に関する制御情報を求めてPDCCH候補のセットをモニター412できる。1つより多いサービングセル119、121が、RRCシグナリングによって構成できて、MACシグナリングによってサービングセルをアクティブ化または非アクティブ化できる。
検索空間の観点から、モニター412すべきPDCCH候補のセットを定義できる。典型的には、プライマリセル(PCell)119上に共通検索空間があり、PCell119および/または1つ以上のSCell上にUE固有の検索空間がある。この場合には、共通検索空間は、セル固有であってPCell上にだけありうる。UE固有の検索空間は、セル無線ネットワーク一時識別子またはC−RNTI(例えば、ユーザ機器識別子(UEID)によって定義できて、各サービングセル119、121のために用意できる。
典型的に、共通検索空間では、様々な種類の情報またはデータを送信できる。例えば、共通検索空間では、システム情報またはページング情報、ランダムアクセス関連情報あるいは通常のUE102送信データ146をスケジューリングするためのPDCCHを送信できる。UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成されることができる。UE102は、RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)をもつPDCCHをデコードできる。PDCCHによって伝えられる下りリンク制御情報は、添付されたCRCを有しうる。CRCは、RNTIによってスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。いくつかの場合には、UE102は、RNTIを(例えば、それがモニターされるように構成されている場合)モニター412できる。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、かつ複数のタイムアラインメントを有するためには、UE102がランダムアクセス手順をPSCell121で行う必要がありうる。かくして、ランダムアクセスチャネル(RACH)をもつSCellを用いて構成されたUE102は、PCell119における共通検索空間に加えて、PSCell121における共通検索空間でPDCCHをモニター412することが必要とされうる。SI−RNTI、P−RNTIおよびSPS C−RNTIは、PCell119における共通検索空間でモニター412すれば十分でありうるので、これらをPSCell121でモニターする必要はないであろう。それゆえに、PSCell121における共通検索空間では、マルチグループ・モニタリング・モジュール132によってC−RNTI、RA−RNTI、一時C−RNTI、TPC−PUCCH−RNTIおよびTPC−PUSCH−RNTIがモニター412されるとよい。
UE102は、eNB160によって割り当てられた場合、1つ以上の非PCellグループのためのPUCCHを随意的に構成414できる。例えば、PCell119に対応するPUCCHに加えて、PSCell121がPUCCHを有することができる。典型的には、PUCCHは、上りリンク送信電力の軽減のためにPCell119にだけ割り当てることが可能である。しかしながら、UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNB160は、PUCCHをPSCell121に割り当てることができる。例えば、UE102は、1つ以上の非PCellグループのためのPUCCHを割り当てるメッセージまたはコマンドを1つ以上のeNB160から受信できる。UE102は、それに応じて、1つ以上のeNB160によって指示されるような、1つ以上の非PCellグループのためのPUCCHを構成414すること(例えば、確立する、そこで制御信号を送ることなど)ができる。留意すべきは、PUCCH上の周期的チャネル品質インジケータ、プリコーディング・マトリックス・インジケータおよび/またはランク・インジケータ(CQI/PMI/RI)レポートは、RRCメッセージを使用してそれらのリソースを準静的に割り当てることができるので、PSCell121におけるPUCCHへマッピングされるように修正できることである。
UE102は、送信タイミングを調節すべきかどうかを判定416できる。例えば、UE102が1つ以上のタイミングアドバンスコマンドを1つ以上のeNB160から受信した場合、UE102は、送信タイミングを調整すると判定416できる。しかしながら、UE102がいかなる送信タイミングコマンドも受信しなかった場合、UE102は、送信タイミングを調整しないと判定416できる。
UE102が送信タイミングを調整すると判定416した場合、次にUE102は、セル119、121のグループのための上りリンク・タイミングを調整するために、タイミングアドバンスコマンドを使用418できる。例えば、これは、上掲の図2のステップ212に関連して記載されたように行うことができる。
UE102が送信タイミングを調整すると判定416するかどうかにかかわらず、UE102は、非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたかどうかを判定420できる。例えば、これは、上掲の図2のステップ214に関連して記載されたように行うことができる。
UE102が非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたと判定420した場合、次にUE102は、基準セル121に基づいてパス・ロスを決定422できる。例えば、これは、上掲の図2のステップ216に関連して記載されたように行うことができる。UE102は、パス・ロス・インジケータを送信424できる。例えば、UE102は、決定422されたパス・ロスに基づいて、パス・ロス・インジケータを発生できる。パス・ロス・インジケータは、基準セルに対してUE102によって測定されるようなパス・ロスを特定できる。UE102は、このパス・ロス・インジケータをeNB160へ送信424できる。
UE102が非PCellグループにおける基準セル121を指定するパス・ロス・パラメータが受信されたと判定420するかどうかにかかわらず、UE102は、各非PCellグループのためのPSCell上で、1つ以上のHARQ−ACK(単数または複数)(例えば、ACK/NACK)を随意的に送信426できる。例えば、1つ以上のサービングセル121の各グループに基づいてHARQ−ACKメッセージ(例えば、1つ以上のACK/NACK)を発生できる。例として、規定量のデータ(例えば、パケット)が誤って受信された(そして例えば、回復できない)ときに、UE102は、否定応答(NACK)を発生させて、送信426できる。加えて、または代わりに、UE102は、正しく受信された指定量のデータ(例えば、パケット)に対して肯定応答(ACK)を発生させて、送信426できる。いくつかの構成では、グループにおけるPSCell上で、グループにおけるセル121に対応するHARQ−ACK(単数または複数)を送信426できる。随意的に、PCell119上で、PCellグループにおけるセル119に対応するHARQ−ACK(単数または複数)を送信できる。少なくとも1つの非PCellグループに対してPUCCHが構成414された場合には、PSCell121におけるPUCCHへHARQ−ACKメッセージ(例えば、1つ以上のACK/NACK)を随意的にマッピングできる。
UE102は、複数のグループを使用して1つ以上のeNB160と通信428できる。例えば、UE102は、1つ以上のPCellグループ・セル119および1つ以上の非PCellグループ・セル121を使用して、1つ以上のeNB160へ情報を送信できる、および/またはそれらから情報を受信できる。
図5は、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って使用できる、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール524の別の構成を示すブロックダイアグラムである。一般に、UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール524は、UE102が1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用して1つ以上のeNB160と通信することを可能にしうる。UEマルチグループ・オペレーションズ・モジュール524は、マルチグループ判定モジュール526、PSCell決定モジュール528、マルチグループ・タイミング・モジュール530、マルチグループ・モニタリング・モジュール532、マルチグループ・パス・ロス・モジュール534、マルチグループPUCCHモジュール536およびマルチグループHARQモジュール538の1つ以上を含むことができる。
マルチグループ判定ブロック/モジュール526は、マルチグループ制御情報531を発生できる。マルチグループ制御情報531のいくつかは、マルチグループ通信を可能にするためにUE102によって使用される、および/または1つ以上のeNB160へ送信されることができる。マルチグループ判定モジュール526は、受信信号情報523を使用することもできる。例えば、マルチグループ判定モジュール526は、上掲の図3に関連して記載されたマルチグループ判定モジュール326と同様に動作できる。
プライマリ・セカンダリセル(PSCell)決定モジュール528は、非PCellグループ・セル(単数または複数)121の1つ以上のグループのためのPSCellを決定できる。一構成において、PSCell決定ブロック/モジュール528は、PSCell情報533を生成するために、PSCell指定情報525を使用できる。PSCell情報533は、各非PCellグループのためのプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を指示できる。例えば、PSCell決定モジュール528は、上掲の図3に関連して記載されたPSCell決定モジュール328と同様に動作できる。
マルチグループ・タイミング・モジュール530は、1つ以上のタイミングアドバンスコマンド527に基づいて、1つ以上のグループのための上りリンク送信タイミングを制御(例えば、調整)できる。マルチグループ・タイミング・モジュール530は、1つ以上のタイミング調整535を生成できる。例えば、タイミング調整(単数または複数)535は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整できる。例えば、タイミング調整535は、UE102から1つ以上のeNB160へ送信される非PCellグループ信号のタイミングを進めるか、または遅らせるために、タイミングアドバンスコマンド(単数または複数)527を使用できる。マルチグループ・タイミング・モジュール530は、上掲の図3に関連して記載されたマルチグループ・タイミング・モジュール330と同様にタイミングを調整できる。
マルチグループ・モニタリング・モジュール532は、複数のグループに対して共通検索空間をモニターするために使用できる。例えば、マルチグループ・モニタリング・モジュール532は、マルチグループ制御情報545を生成するために、下りリンク情報539(例えば、1つ以上のPDCCH候補)を使用できる。本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、1つ以上の追加的な共通検索空間を1つ以上の対応するPSCell(単数または複数)で使用できる。UE102は、上位層のシグナリングによって構成されるような、1つ以上のアクティブ化されたサービングセル119、121に関する制御情報を求めてPDCCH候補のセットをモニターできる。1つより多いサービングセル119、121が、RRCシグナリングによって構成できて、MACシグナリングによってサービングセルをアクティブ化または非アクティブ化できる。
検索空間の観点から、モニターすべきPDCCH候補のセット(例えば、下りリンク情報539)を定義できる。典型的には、プライマリセル(PCell)119上に共通検索空間があり、PCell119および/または1つ以上のSCell上にUE固有の検索空間がある。この場合には、共通検索空間は、セル固有であってPCell119上にだけありうる。UE固有の検索空間は、セル無線ネットワーク一時識別子またはC−RNTI(例えば、ユーザ機器識別子(UEID))によって定義できて、各サービングセル119、121のために用意できる。
共通検索空間では、様々な種類の情報またはデータを送信できる。例えば、共通検索空間では、システム情報またはページング情報、ランダムアクセス関連情報あるいは通常のUE102送信データ146をスケジューリングするためのPDCCHを送信できる。マルチグループ・モニタリング・モジュール532によって発生したマルチグループ制御情報545は、かかる情報(例えば、システム情報またはページング情報のスケジューリング、ランダムアクセス関連情報など)を識別するか、または含むことができる。1つ以上のグループ(例えば、非PCellグループ)に対して通信を制御するために、このマルチグループ制御情報545を使用できる。
UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成することができる。UE102は、RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)をもつPDCCHをデコードできる。PDCCHによって伝えられる下りリンク(制御)情報539は、添付されたCRCを有しうる。CRCは、RNTIによってスクランブルできる(かつUE102によってスクランブルを解除できる)。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。いくつかの場合には、UE102は、RNTIを(例えば、それがモニターされるように構成されている場合)モニターできる。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
本明細書に開示されるシステムおよび方法に従い、かつ複数のタイムアラインメントを有するためには、UE102がランダムアクセス手順をPSCell121で行う必要がありうる。かくして、ランダムアクセスチャネル(RACH)をもつSCellを用いて構成されたUE102は、PCell119における共通探索空間に加えて、PSCell121における共通探索空間でPDCCHをモニターすることが必要とされうる。SI−RNTI、P−RNTIおよびSPS C−RNTIは、PCell119における共通検索空間でモニターすれば十分でありうるので、これらをPSCell121でモニターする必要はないであろう。それゆえに、PSCell121における共通探索空間では、マルチグループ・モニタリング・モジュール532によって、(下りリンク情報539に生じうる)C−RNTI、RA−RNTI、一時C−RNTI、TPC−PUCCH−RNTIおよびTPC−PUSCH−RNTIがモニターされるとよい。
マルチグループ・パス・ロス・モジュール534は、1つ以上の非PCellグループのためのパス・ロス情報529に基づいて、1つ以上のパス・ロス・インジケータ537を生成するために使用できる。一構成において、マルチグループ・パス・ロス・モジュール534は、PCellグループのためのパス・ロス情報529に基づいて、パス・ロス・インジケータ537を生成するために追加的に使用できる。例えば、マルチグループ・パス・ロス・モジュール534は、上掲の図3に関連して記載されたマルチグループ・パス・ロス・モジュール334と同様に動作できる。
マルチグループPUCCHモジュール536は、1つ以上の非PCellグループに対応する1つ以上のPUCCHを構成できる。例えば、マルチグループPUCCHモジュール536は、割り当て情報541に基づいて、PUCCH構成情報547を発生できる。例として、PCell119に対応するPUCCHに加えて、PSCell121がPUCCHを有することができる。典型的に、PUCCHは、上りリンク送信電力の軽減のためにPCell119にだけ割り当てることが可能である。しかしながら、UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNB160は、PUCCHをPSCell121に割り当てることができる。より具体的に、UE102は、1つ以上のPUCCHを確立するためのコマンドまたは要求を指示する割り当て情報541を1つ以上のeNB160から受信できる。マルチグループPUCCHモジュール536は、割り当て情報541に基づいて、UE102が1つ以上のeNB160との1つ以上のPUCCHを確立することを可能にするPUCCH構成情報547(例えば、チャネル情報、タイミング情報など)を提供できる。PUCCH上の周期的チャネル品質インジケータ、プリコーディング・マトリックス・インジケータおよび/またはランク・インジケータ(CQI/PMI/RI)レポートは、RRCメッセージを使用してそれらのリソースを準静的に割り当てることができるので、PSCell121におけるPUCCHへマッピングされるように修正できる。
マルチグループHARQモジュール538は、誤り情報543に基づいて、1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のグループACK/NACK 549を発生できる。誤り情報543は、1つ以上のeNB160から正しく受信されなかった、および/または復元できなかった情報を特定できる。マルチグループHARQモジュール538は、誤って受信されたか、または復元できない情報に対応する1つ以上のグループACK/NACK 549を発生できる。グループACK/NACK 549は、1つ以上の特定のセルに対応しうる(例えば、マッピングされることができる)。例えば、グループにおける非PCellグループ・セル121に対応するハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ−ACK)をグループにおけるPSCell121上で送信できる。
ハイブリッド自動再送要求肯定応答(HARQ−ACK)は、PSCell121におけるPUCCHへ随意的にマッピングできる。HARQ−ACKは、1つ以上のサービングセル121の各グループに基づいて発生できる。いくつかの構成では、グループにおけるセル119、121に対応するHARQ−ACK(単数または複数)(例えば、ACK/NACK)をグループにおけるPCell119またはPSCell121上で送信できる。
図6は、eNB160上でマルチグループ通信を行うための方法600の一構成を示すフローダイアグラムである。eNB160は、UE102の複数の上りリンク・タイムアラインメントの能力を指示する情報を随意的に受信602できる。例えば、eNB160は、複数の上りリンク送信タイミングアラインメントを使用することがUE102にとって可能なことを指示する情報またはメッセージをUE102から受信できる。より具体的には、この情報またはメッセージは、ある帯域の組み合わせにおいて複数の上りリンク・タイミング調整をサポートするUE102の能力をeNB160に知らせることができる、および/または上りリンク・タイミング調整グループの最大サポート可能数をeNB160に知らせることができる。いくつかの構成では、eNB160は、複数の上りリンク・タイミング調整をサポートすることがUE102にとって可能かどうかをUE102に最初に問い合わせる(例えば、UE102へメッセージを送る)ことができる。
eNB160は、1つ以上のPSCellを指示する無線リソース管理(RRC)シグナリングを送信604できる。例えば、eNB160は、UE固有の(明示的または暗黙的な)無線リソース管理(RRC)シグナリングを送ることによって、1つ以上のPSCellを指定できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネル(RACH)を用いて構成された(非PCellグループにおける)SCellが、対応する非PCellグループのためのPSCellであってもよい。この例では、RACHを指示または指定するシグナリングが、UE102へのPSCell指定を指示できる。別の例では、PSCellは、(非PCellグループの)グループ構成における最下位のSCellであってもよい。かくして、例として、SCell順位を設定するために使用できるeNB160からのシグナリングが、PSCellを指示してもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1がSCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
代わりに、eNB160は、UE固有の明示的なRRCシグナリングを使用して1つ以上のPSCellを指定できる。例えば、eNB160は、(1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCellを明示的に識別するメッセージをUE102へ送ることができる。
eNB160は、タイミングを調整すべきかどうかを判定606できる。一構成において、eNB160は、上りリンク・タイミングを調整すべきかどうかを判定するために、UE102から送られた信号またはメッセージ(例えば、ランダムアクセス要求など)を使用できる。例えば、eNB160は、UE102からの1つ以上の上りリンク送信が、ある時間フレームまたはスケジュール以内に到着するかどうかを判定できる。UE102からの上りリンク送信がある時間フレーム以内にあるように整合または同期されない場合、eNB160は、タイミングを調整すると判定606できる。しかしながら、UE102からの上りリンク送信がタイムフレーム以内にある場合、eNB160は、タイミングを調整しないと判定606できる。いくつかの構成において、タイムフレームは、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおけるサイクリックプレフィックスの観点から定義できる。加えて、または代わりに、タイムフレームは、下りリンク無線フレームと上りリンク線無線フレームとの間の時間差の観点から特定できる。用語「同期させる」およびその変形は、時間の正確なアラインメントを示しても、あるいは示さなくてもよいが、複数事象または相互からある時間の範囲内に生じる複数事象の重なりを示しうることに留意すべきである。
eNB160がタイミングを調整すると判定606した場合、eNB160は、1つ以上のタイミングアドバンスコマンドを送信608できる。例えば、eNB160は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整するために、タイミングアドバンスコマンドをUE102へ送信できる。これによって、UE 120では、eNB160に対応するUE102から送信される非PCellグループ信号のタイミングを、eNB160から送られた1つ以上のタイミングアドバンスコマンドに基づいて、進めるか、または遅らせることができる。
ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルを(eNB160へ)送った後に、eNB160からUE102へ送信608できる。eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、(タイミングアドバンスコマンドMAC要素を参照する)別のタイミングアドバンスコマンドをeNB160からUE102へ送信608できる。UE102の相対位置が、対応するeNB160に対して変化するにつれて、RF遅延の変化に対処するために、上りリンク送信タイミングを時々調整する必要がありうる。このようにして、eNB160は、UEからeNB160へのすべての信号が、ほぼ同時に、あるいは直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内にeNB160に到達するように規定できる。タイミングアドバンスコマンドの一構成は、以下のように与えられる。
ランダムアクセスレスポンスの場合には、11ビットのタイミングアドバンスコマンドTAが、TA=0、1、2、...、1282のインデックス値によってNTA値を指示できて、タイムアラインメントの量は、NTA=TA×16によって与えられる。
他の場合には、6ビットのタイミングアドバンスコマンドTAが、TA=0、1、2、...、63のインデックス値によって、現在のNTA値(NTA,oldと示される)から新しいNTA値(NTA,newと示される)への調整を指示できて、NTA,new=NTA,old+(TA−31)×16である。この場合、正または負の量によるNTA値の調整が指示するのは、それぞれ与えられた量、上りリンク送信タイミングを進めるか、または遅らせることである。
eNB160がタイミングを調整すると判定606するかどうかにかかわらず、eNB160は、1つ以上のセル・グループを使用して制御情報を随意的に送信610できる。例えば、eNB160は、セル119,121の1つ以上のグループのために通信をスケジューリングできる。例として、eNB160は、ランダムアクセスレスポンスをUE102へ送ることによって、通信リソースをUE102に割り当てることができる。いくつかの事例では、PDCCHを使用してスケジューリング情報をUE102へ送ることができる。
例えば、システム情報またはページング情報をスケジューリングするためのPDCCHをeNB160によって送信できる。UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成することができる。PDCCHによって伝えられる下りリンク制御情報は、添付されたCRCを有しうる。eNB160は、RNTIを使用してCRCをスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
一構成では、PSCellをクロスキャリア・スケジューリングすることができない。これは、他のセルがPSCellをスケジューリングできないことを意味する。それに対して、PSCellは、他のセルをスケジューリングできる。かくして、例えば、eNB160は、PSCellを使用して1つ以上のSCellおよび/またはPSCellをスケジューリングできる。しかしながら、eNB160は、別個のSCellを使用してPSCellをスケジューリングすることはできない。
eNB160は、1つ以上のパス・ロス・パラメータを随意的に送信612できる。これは、例えば、1つ以上の非PCellグループに対して行うことができる。一構成において、eNB160は、1つ以上の非PCellグループに対して1つ以上のパス・ロス・パラメータを管理できる。例えば、SCell121が非PCellグループに属する場合に、eNB160は、パス・ロス基準として非PCellグループ・セル121を指定するために、典型的なパス・ロス・パラメータ(例えば、pathlossReference−r10(pCell,sCell))ではなく、パス・ロス・パラメータ(例えば、pathlossReference−r11(psCell,sCell)を発生できる。eNB160は、このパス・ロス・パラメータをUE102へ送信612できる。パス・ロス・パラメータは、パス・ロスを測定するためにUE102によって使用されるセルを指定できる。
eNB160は、1つ以上のパス・ロス・インジケータを随意的に受信614できる。例えば、eNB160は、送信612されたパス・ロス・パラメータによって指定された基準セルに対応しUE102によって測定されるようなパス・ロスを指示するパス・ロス・インジケータを(UE102から)受信できる。eNB160は、パス・ロス・インジケータを使用して、UE102への送信を調整する(例えば、信号に対する増幅を増加または減少させる)ことができる。
eNB160は、PSCellのためのPUCCHを随意的に割り当てる616ことができる。例えば、eNB160は、1つ以上の非PCellグループに対応する1つ以上のPUCCHを割り当てる616ことができる。例えば、PCell119に対応するPUCCHに加えて、PSCell121がPUCCHを有することができる。例として、UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNB160は、PSCell121にPUCCHを割り当てることができる。一構成において、eNB160は、(PSCell121に)PUCCHを確立することをUE102に命じるかまたは要求する構成メッセージまたは要求をUE102へ送る。
eNB160は、1つ以上のACK/NACKを(例えば、1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCell上で随意的に受信618できる。グループにおける非PCellグループ・セル121に対応するACK/NACKは、グループにおけるPSCell121上でeNB160によって受信618できる。ACK/NACK(単数または複数)は、PSCell121におけるPUCCHへ随意的にマッピングできる。いくつかの構成では、グループにおけるセル119、121に対応するHARQ−ACK(単数または複数)をグループにおけるPCell119またはPSCell121上で受信できる。eNB160は、UE102によって正しく受信されなかった情報を再送信するために、1つ以上のACK/NACKを使用できる。
eNB160は、1つ以上のセル・グループを使用してUE102と通信620できる。例えば、eNB160は、1つ以上のPCellグループ・セル119および1つ以上の非PCellグループ・セル121を使用して、UE102に対して情報を送信および/または受信できる。
図7は、eNB160上でマルチグループ通信を可能にするために使用できるeNBグループ・オペレーションズ・モジュール782の一構成を示すブロックダイアグラムである。一般に、eNBグループ・オペレーションズ・モジュール782は、eNB160が、1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用しているUE102と通信することを可能にできる。eNBグループ・オペレーションズ・モジュール782は、グループ送信モジュール796、PSCell指定モジュール794、グループ・タイミング・モジュール786、グループ・スケジューリング・モジュール792、グループ・パス・ロス・モジュール790、グループPUCCHモジュール784およびグループ・ハイブリッド自動再送要求(HARQ)モジュール788の1つ以上を含むことができる。
グループ送信モジュール796は、UE102のグループ送信能力を判定できる。例えば、グループ送信モジュール796は、1つ以上のeNB160と通信するためにUE102が1つ以上のセル119、121の複数のグループを使用できるかどうかを判定するために、受信信号情報707を使用できる。上記のように、UE102は、複数の送信タイミングアラインメントを使用するために、複数の送信機を有する必要がありうる。例として、受信信号情報707は、(ある帯域の組み合わせにおいて)複数のタイミング調整がUE102にとって可能かどうかを指示できる、および/または上りリンク・タイミング調整グループの最大サポート可能数を指示できる。この判定は、UE102から受信されたシグナリングに基づくことができて、このシグナリングは、一方向に、あるいはeNB160から送られた信号に応答して送られたものである。
グループ送信モジュール796は、マルチグループ通信をサポートすることがUE102にとって可能かどうかのその判定に基づいて、グループ構成情報757を発生できる。グループ構成情報757は、UE102との通信を構成するために使用できる。例として、グループ構成情報757は、UE102との追加の情報チャネル(単数または複数)(例えば、セル121)を確立すべきかどうか、PSCell指定情報を送るべきかどうかなどを判定するために使用できる。
プライマリ・セカンダリセル(PSCell)指定モジュール794は、非PCellグループ・セル(単数または複数)121の1つ以上のグループのためのPSCellを指定できる。例えば、eNB160は、PSCellとして特定のSCellを指定するPSCell指定情報759を発生できる。いくつかの場合および/または構成において、PSCell指定情報759は、UE102から受信されたグループ通信要求751に基づいて発生できる。例えば、ランダムアクセス要求に応答してPSCell指定情報759をUE102へ送ることができる。代わりに、eNB160は、UE102へのPSCell指定情報759を一方向に発生させて送ることができる。
例えば、PSCell指定モジュール794は、UE固有の(明示的または暗黙的な)無線リソース管理(RRC)シグナリングを使用して、1つ以上のPSCellを指定できる。暗黙的なシグナリングの一例では、ランダムアクセスチャネル(RACH)を用いて構成された(非PCellグループにおける)SCellが、対応する非PCellグループのためのPSCellとして暗黙的に指定されてもよい。別の例では、PSCellは、(非PCellグループの)グループ構成における最下位のSCellとして指定されてもよい。さらに別の例では、SCell構成が上りリンク・タイミングのための基準セルを有し、この基準セルがPSCellである。例えば、セルインデックス#0、#1、#2、#3、#4をもつセルをそれぞれPCell、SCell#1、SCell#2、SCell#3およびSCell#4とすることができる。例を続けると、SCell#2は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#1を有することができて、これは、SCell#1が、SCell#2のためのPSCellであることを意味する。SCell#3は、上りリンク・タイミングのための基準セルとしてセルインデックス#0を有しても、あるいは上りリンク・タイミングのための基準セル・パラメータを有さなくてもよく、これは、SCell#3がPCellを含むグループに属することを意味する。
代わりに、PSCell指定モジュール794は、UE固有の明示的なRRCシグナリングを使用して、1つ以上のPSCellを指定できる。例えば、eNB160は、(1つ以上の非PCellグループのための)1つ以上のPSCellを明示的に識別するPSCell指定情報759をUE102へ送ることができる。
グループ・タイミング・モジュール786は、1つ以上のグループのために送信タイミングを管理できる。例えば、グループ・タイミング・モジュール786は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整するために、タイミングアドバンスコマンド761をUE102へ送ることができる。例として、eNB102は、与えられた時間と受信された上りリンク無線フレームとの間の時間差を指示するタイミング情報753をUE102から得ることができる。この差に基づいて、eNB102は、1つ以上のタイミングアドバンスコマンド761を発生できる。eNB160は、1つ以上のタイミングアドバンスコマンド761を送信できる。例えば、グループ・タイミング・モジュール786は、1つ以上の非PCellグループのための送信タイミングを調整するために、タイミングアドバンスコマンド761をUE102へ送信できる。これによって、UE 102は、eNB160に対応するUE102から送信される非PCellグループ信号のタイミングを、eNB160から送られた1つ以上のタイミングアドバンスコマンド761に基づいて、進めるか、または遅らせることができる。
ランダムアクセスレスポンス中のタイミングアドバンスコマンド761は、UE102がランダムアクセスプリアンブル(例えば、グループ通信要求751)をeNB 160へ送った後に、eNB 160からUE102へ送信できる。eNB160がUE102の上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、(タイミングアドバンスコマンドMAC要素を参照する)別のタイミングアドバンスコマンド761をeNB160からUE102へ送信できる。UE102の相対位置が、対応するeNB160に対して変化するにつれて、RF遅延の変化に対処するために、上りリンク送信タイミングを時々調整することがありうる。このようにして、eNB160は、UEからeNB160へのすべての信号が、ほぼ同時に、あるいは直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおけるサイクリックプレフィックス以内に、eNB160に到達するように規定できる。タイミングアドバンスコマンド761の一構成は、以下のように与えられる。
ランダムアクセスレスポンスの場合には、11ビットのタイミングアドバンスコマンドTA761が、TA=0、1、2、...、1282のインデックス値によってNTA値を指示できて、タイムアラインメントの量は、NTA=TA×16によって与えられる。
他の場合には、6ビットのタイミングアドバンスコマンドTA761が、TA=0、1、2、...、63のインデックス値によって現在のNTA値(NTA,oldと示される)から新しいNTA値(NTA,newと示される)への調整を指示できて、NTA,new=NTA,old+(TA−31)×16である。この場合、正または負の量によるNTA値の調整が指示するのは、それぞれ与えられた量だけ上りリンク送信タイミングを進めるか、または遅らせることである。
グループ・スケジューリング・モジュール792は、セル119、121の1つ以上のグループのための通信をスケジューリングするために使用できる。例えば、グループ・スケジューリング・ブロック/モジュール792は、ランダムアクセスレスポンスをUE102へ送ることによって通信リソースをUE102へ割り当てる、マルチグループ制御情報763を発生できる。これは、グループ通信要求751(例えば、ランダムアクセス要求)に応答して行うことができる。いくつかの事例では、PDCCHを使用してスケジューリング情報(例えば、マルチグループ制御情報763)をUE102へ送ることができる。
例えば、システム情報またはページング情報をスケジューリングするための(例として、マルチグループ制御情報763を含む)PDCCHをeNB160によって送信できる。UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成することができる。PDCCHによって伝えられるマルチグループ(下りリンク)制御情報763は、添付されたCRCを有しうる。eNB160は、RNTIを使用してCRCをスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORをとられてもよい。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
一構成では、PSCellをクロスキャリア・スケジューリングすることはできない。これは、他のセルがPSCellをスケジューリングできないことを意味する。それに対して、PSCellは、他のセルをスケジューリングできる。かくして、例えば、eNB160は、PSCellを使用して1つ以上のSCellおよび/またはPSCellをスケジューリングするために、マルチグループ構成情報763を使用できる。しかしながら、eNB160は、別個のSCellを使用してPSCellをスケジューリングすることはできない。
1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のパス・ロス・パラメータを管理するために、グループ・パス・ロス・モジュール790を使用できる。例えば、SCell121が非PCellグループに属する場合に、グループ・パス・ロス・モジュール790は、パス・ロス基準として非PCellグループ・セル121を指定するために、典型的なパス・ロス・パラメータ(例えば、pathlossReference−r10(pCell,sCell))ではなく、1つ以上のパス・ロス・パラメータ765(例えば、pathlossReference−r11(psCell,sCell)を発生できる。1つ以上のパス・ロス・パラメータ765は、UE102へ送信できる。パス・ロス・パラメータ765は、パス・ロスを測定するためにUE102によって使用されるセルを指定できる。
グループPUCCHモジュール784は、1つ以上の非PCellグループに対応する1つ以上のPUCCHを割り当てる、PUCCH構成情報767を発生させるために使用できる。例えば、PCell119に対応するPUCCHに加えて、PSCell121がPUCCHを有することができる。典型的には、PUCCHは、上りリンク送信電力の軽減のためにPCell119にだけ割り当てることが可能である。しかしながら、UE102が複数の上りリンク・タイムアラインメントを用いて構成された場合、eNB160は、PUCCH構成情報767をUE102へ送ることによって、PUCCHをPSCell121に割り当てることができる。
グループHARQモジュール788は、1つ以上の非PCellグループに対する1つ以上のACK/NACK755を受信できる。eNB160は、UE102によって正しく受信されなかった情報を再送信するために、1つ以上のACK/NACK755を使用できる。例えば、グループHARQモジュール788は、再送信情報769を発生できる。再送信情報769は、UE102へ再送信されるべきデータを特定できる。
グループにおける非PCellグループ・セル121に対応するACK/NACK755は、eNB160によってグループにおけるPSCell121上で受信できる。ACK/NACK(単数または複数)755は、PSCell121におけるPUCCHへ随意的にマッピングできる。いくつかの構成では、グループにおけるセル119、121に対応するHARQ−ACK(単数または複数)755をグループにおけるPCell119またはPSCell121上で受信できる。
図8は、上りリンク送信タイミングの一例を示すダイアグラムである。UE102からの上りリンク無線フレーム番号i875の送信は、対応する下りリンク無線フレームi871のUE102での開始のNTA×TS秒873前に開始できる。但し、0≦NTA≦20512およびTS=1/(15000×2048)秒である。言い換えれば、UE102は、対応する下りリンク無線フレームi871を受信するNTA×TS秒873前に上りリンク無線フレームi875を送信し始めるとよい。
図9は、上りリンク送信タイミングの別の例を示すダイアグラムである。1つ以上のSCellの(例えば、PUSCHおよび/またはSRSのための)上りリンク送信タイミングは、PCellと同じである。図9に示されるように、UE102からのPCell上りリンク無線フレーム番号i979の送信は、対応するPCell下りリンク無線フレームi977のUE102での開始のNTA×TS秒981前に開始できる。UE102からの1つ以上のSCell上りリンク無線フレーム番号i985a〜cの送信は、PCell下りリンク無線フレームi977のUE102での開始のNTA×TS秒981前に開始できる。図9に見られるように、下りリンク無線フレーム番号i983a〜cは、タイミングが変動してもよい。
図10は、配備シナリオの一例を示すブロックダイアグラムである。この例では、2つのeNB1060a〜bがいずれもUE1002と通信できる。eNB A1060aは、UE1002と通信するための1つ以上のアンテナ1080a〜mを含むことができる。eNB B1060bは、UE1002と通信するための1つ以上のアンテナ1080n〜zを含むことができる。UE1002は、eNB A1060aおよびeNB B1060bと通信するためのアンテナ1022a〜nを含むことができる。この例では、UE1002は、2つのノンコロケーテッド・サイト(例えば、eNB1060a〜b)と複数のキャリア上で通信できる。図示されるように、各通信経路1087a〜bは、異なった伝搬環境にありうる。これは、経路A1087aおよび経路B1087b上の通信フレームに対して上りリンク送信タイミングに差をもたらしうる。一構成において、セルまたはチャネルの1つのグループを経路A1087a上に確立できる一方で、セルまたはチャネルの別のグループを経路B1087b上に確立できる。図10に示されるシナリオは、リモート・アンテナまたはリモート・レディオ・ヘッドで同様に生じうるであろう。
図11は、配備シナリオの別の例を示すブロックダイアグラムである。この例では、eNB 1160は、複数の信号を使用してUE 1102と通信できる。eNB 1160は、リピータAおよびB 1189a〜bを経由してUE1102と通信するために、1つ以上のアンテナ1180a〜nを含むことができる。リピータA 1189aは、eNB 1160および/またはUE 1102と通信するために1つ以上のアンテナ1191a〜mを含むことができる。リピータB 1189bは、eNB 1160および/またはUE 1102と通信するために1つ以上のアンテナ1191n〜zを含むことができる。UE 1102は、リピータAおよびB 1189a〜bを経由してeNB 1160と通信するためにアンテナ1122a〜nを含むことができる。この例では、UE 1102は、経路AおよびB1187a〜bを通してeNB 1160と通信できる。図示されるように、各通信経路1187a〜bは、異なった伝搬環境にありうる。これは、経路A 1187aおよび経路B 1187b上の通信フレームに対して上りリンク送信タイミングに差をもたらしうる。例えば、異なったコンポーネントキャリアは、リピータ1189a〜bの異なった周波数選択性ゆえに、経路A 1187aと経路B 1187bとの間で実質的に異なった伝搬環境になりえ、それゆえに異なった飛行時間になりうるであろう。一構成において、セルまたはチャネルの1つのグループを経路A1187a上に確立できる一方で、セルまたはチャネルの別のグループを経路B1187b上に確立できる。
図12は、複数のセル・グループ1293a〜bでの上りリンク送信タイミングの一例を示すダイアグラムである。この例では、グループA 1293aがPCell1295およびSCell1 1297aを含むことが分かる。さらに、グループB1293bは、PSCell(例えば、SCell2)1297b、SCell3 1297cおよびSCell4 1297dを含む。グループA1293aでは、SCell1 1297aの(例えば、PUSCHおよび/またはSRSのための)上りリンク送信タイミング1299aは、グループA1293aにおける対応するPCell1295のための上りリンク送信タイミング1299aと同じにすることができる。より具体的には、SCell1上りリンク無線フレームi1285のための上りリンク送信タイミング1299aは、PCell上りリンク無線フレームi1279の上りリンク送信タイミング1299aに整合できる(例えば、ほぼ一致するように調整できる)。図12に示されるように、PCell上りリンク無線フレームi1279の送信タイミング1299aは、PCell下りリンク無線フレームi1277に基づく。SCell1下りリンク無線フレームi1283のタイミングは、変動してもよい。
グループB 1293bでは、SCell3 1297cの(例えば、PUSCHおよび/またはSRSのための)上りリンク送信タイミング1299bは、グループB1293bにおける対応するPSCell(SCell2)1297bのための上りリンク送信タイミング1299bと同じにすることができる。より具体的には、SCell3上りリンク無線フレームi1204bのための上りリンク送信タイミング1299bは、PSCell(SCell2)上りリンク無線フレームi1204aの上りリンク送信タイミング1299bに整合できる(例えば、ほぼ一致するように調整できる)。図12に示されるように、PSCell(SCell2)上りリンク無線フレームi1204aの送信タイミング1299bは、PSCell(SCell2)下りリンク無線フレームi1202aに基づく。SCell3下りリンク無線フレームi1202b、およびSCell4下りリンク無線フレームi1202cのためのタイミングは、変動してもよい。図12に示されるように、複数のサービングセルのコンセプトは、各サービングセル1295、1297a〜dが、それぞれの下りリンク1277、1283、1202a〜cを有し、随意的にそれぞれの上りリンク1279、1285、1204a〜bを有してもよいとすることができる。各サービング下りリンク・キャリアおよび上りリンク・キャリアは、1つのサービングセル1295、1297a〜dに属することができる。
図13は、ランダムアクセスレスポンス1314、1316における上りリンク送信タイミング調整1318、1320の一例を示すダイアグラムである。この例では、2つのグループ1393a〜bが示される。グループA1393aは、PCell下りリンク1306、PCell上りリンク1308、SCell1下りリンク1310aおよびSCell1上りリンク1312aを含む。PCell下りリンク1306は、PCell上りリンク1308およびSCell上りリンク1312a上のタイミング調整1318に使用されるランダムアクセスレスポンス1314を含む。
この例では、グループB1393bは、PSCell(SCell2)下りリンク1310b、PSCell(SCell2)上りリンク1312b、SCell3下りリンク1310c、SCell3上りリンク1312cおよびSCell4下りリンク1310dを含む。PSCell(SCell2)下りリンク1310bは、PSCell(SCell2)上りリンク1312bおよびSCell3上りリンク1312c上のタイミング調整1320に使用されるランダムアクセスレスポンス1316を含む。
ランダムアクセスレスポンス1314、1316中のタイミングアドバンスコマンドは、UE102がランダムアクセスプリアンブルをPCell下りリンク1306またはPSCell下りリンク1310bで送った後に、PCell下りリンク1306またはPSCell下りリンク1310bでeNB160からUE102へ送信できる。ランダムアクセスレスポンス1314、1316は、ランダムアクセスレスポンス1314、1316を含むPDSCHをスケジューリングするために使用される識別子である、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI)を含むPDCCHによってスケジューリングできる。
受信されたランダムアクセスレスポンス1314、1316が対応する、PCell上りリンク1308またはSCell上りリンク1312a〜cは、ランダムアクセスレスポンス1314、1316が、どのサービングまたは下りリンク・セル1306、1310a〜dにスケジューリングされたかに従って区別できる。例えば、UEは、ランダムアクセスレスポンス1314、1316がどのサービングセル下りリンク1306、1310bにスケジューリングされたかを判定することによって、どのセル上りリンク1308、1312a〜cが、受信されたランダムアクセスレスポンス1314、1316に対応するかを判定できる。ランダムアクセスレスポンス1314、1316がスケジューリングされたサービングセル下りリンク1306、1310bは、ランダムアクセスレスポンスのためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有するセル下りリンク1306、1310bを識別することによって判定できる。PCell下りリンク1306にスケジューリングされたランダムアクセスレスポンス1314は、同じグループ1393aにおけるPCell上りリンク1308のため、および任意の他のSCell(単数または複数)1312aのための上りリンク送信タイミング調整1318に使用できる。PSCell下りリンク1310bにスケジューリングされたランダムアクセスレスポンス1316は、同じグループ1393bにおけるPSCell上りリンク1312bおよび任意の他のSCell(単数または複数)1312cのための上りリンク送信タイミング調整1320に使用できる。
図14は、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422、1424、1426、1428、1430からの上りリンク送信タイミング調整1432、1434、1436、1438、1440の一例を示すダイアグラムである。この例では、2つのグループ1493a〜bが示される。グループA 1493aは、PCell下りリンク1406、PCell上りリンク1408、SCell1下りリンク1410aおよびSCell1上りリンク1412aを含む。PCell下りリンク1406は、PCell上りリンク1408およびSCell1上りリンク1412a上のタイミング調整1432に使用できるタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422を含む。SCell1下りリンク1410aは、PCell上りリンク1408およびSCell1上りリンク1412a上のタイミング調整1434に使用できるタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1424を含む。
この例では、グループB1493bは、PSCell(SCell2)下りリンク1410b、PSCell(SCell2)上りリンク1412b、SCell3下りリンク1410c、SCell3上りリンク1412cおよびSCell4下りリンク1410dを含む。PSCell(SCell2)下りリンク1410bは、PSCell(SCell2)上りリンク1412bおよびSCell3上りリンク1412c上のタイミング調整1436に使用できるタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1426を含む。SCell3下りリンク1410cは、PSCell(SCell2)上りリンク1412bおよびSCell3上りリンク1412c上のタイミング調整1438に使用できるタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1428を含む。SCell4下りリンク1410dは、PSCell(SCell2)上りリンク1412bおよびSCell3上りリンク1412c上のタイミング調整1440に使用できるタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1430を含む。
eNB160がUEの102上りリンク送信タイミングを変更したいときにいつでも、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422、1424、1426、1428、1430をeNB160からUE102へ送信できる。受信されたタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422、1424、1426、1428、1430が、PCell1408に対するものか、あるいはPSCell1412bに対するものかは、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素がどのサービングセル下りリンク1406、1410a〜dにスケジューリングされたかに基づいて区別できる。タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素がスケジューリングされたサービングセル下りリンク1406、1410a〜dは、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422、1424、1426、1428、1430のためのHARQエンティティ、PDCCHまたはPDSCHを有する、セル下りリンク1406、1410a〜dを識別することによって判定できる。PCell下りリンク1406を含むグループ1493aにおける任意のサービングセル下りリンク1406、1410aにスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422、1424は、同じグループ1493aにおけるPCell上りリンク1408のため、および任意のSCell上りリンク(単数または複数)1412aのための上りリンク送信タイミング調整1432、1434に使用できる。PSCell下りリンク1410bを含むグループ1493bにおける任意のサービングセル下りリンク1410b〜dにスケジューリングされたタイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1426、1428、1430は、同じグループ1493bにおけるPSCell上りリンク1412bのため、および任意の他のSCell上りリンク(単数または複数)1412cのための上りリンク送信タイミング調整1436、1438、1440に使用できる。別の構成では、タイミングアドバンスコマンドMAC制御要素1422、1424、1426、1428、1430のMACヘッダーが、コマンドがどのグループ1493a〜bに対応するかを指示できる。
図15は、複数のグループ1593a〜bにおける共通空間モニタリングの一例を示すダイアグラムである。この例では、2つのグループ1593a〜bが示される。グループ A 1593aは、PCell下りリンク1506、PCell上りリンク1508、SCell1下りリンク1510aおよびSCell1上りリンク1512aを含む。PCell下りリンク1506は、共通検索空間1542を含む。PCell上りリンク1508は、ランダムアクセスチャネル(RACH)1546および/または物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)1548を含む。
この例では、グループB 1593bは、PSCell(SCell2)下りリンク1510b、PSCell(SCell2)上りリンク1512b、SCell3下りリンク1510c、SCell3上りリンク1512cおよびSCell4下りリンク1510dを含む。PSCell(SCell2)下りリンク1510bは、共通検索空間1544を含む。PSCell(SCell2)上りリンク1512bは、RACH 1550および/またはPUCCH 1552を含む。
典型的には、PCellに一つだけの共通検索空間があり、SCellには共通検索空間がない。しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、複数の共通検索空間1542、1544を使用できる。UE102は、上位層のシグナリングによって構成されるような、1つ以上のアクティブ化されたサービングセル下りリンク1506、1510a〜dに関する制御情報を求めてPDCCH候補のセットをモニターできる。1つより多いサービングセルが、RRCシグナリングによって構成できて、MACシグナリングによってサービングセルをアクティブ化または非アクティブ化できる。
検索空間の観点から、モニターすべきPDCCH候補のセットを定義できる。PCell下りリンク1506上に共通検索空間1542があり、PCell下りリンク1506および/または1つ以上のSCell下りリンク1510a〜d上にUE固有の検索空間がある。共通検索空間1542は、典型的にはセルに固有であってPCell下りリンク1506上にだけありうるが、本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、複数の共通検索空間1542、1544を使用できて、PSCell1510b(例えば、SCell2)上に共通探索空間1544を定義できる。UE固有の検索空間は、セル無線ネットワーク一時識別子またはC−RNTI(例えば、ユーザ機器識別子(UEID)によって定義できて、各サービングセル下りリンク1506、1510a〜dのために用意できる。
共通検索空間1542、1544では、様々な種類の情報またはデータを送信できる。例えば、共通検索空間1542、1544では、システム情報またはページング情報、ランダムアクセス関連情報あるいは通常のUEデータをスケジューリングするためのPDCCHを送信できる。UE102の物理層は、RNTIを用いて上位層によって構成することができる。UE102は、RNTIによってスクランブルされた巡回冗長検査(CRC)をもつPDCCHをデコードできる。PDCCHによって伝えられる下りリンク制御情報は、添付されたCRCを有しうる。CRCは、RNTIによってスクランブルできる。例えば、CRCは、RNTIとのXORがとられてもよい。無線ネットワーク一時識別子(RNTI)のいくつかの例は、システム情報RNTI(SI−RNTI)、ページングRNTI(P−RNTI)、セルRNTI(C−RNTI)、ランダムアクセスRNTI(RA−RNTI)、セミパーシステント・スケジューリングC−RNTI(SPS C−RNTI)、一時C−RNTI、送信電力制御物理上りリンク制御チャネルRNTI(TPC−PUCCH−RNTI)および送信電力制御物理上りリンク共有チャネルRNTI(TPC−PUSCH−RNTI)を含む。いくつかの場合には、UE102は、RNTIを(例えば、それがモニターされるように構成されている場合)モニターできる。PDCCHランダムアクセス関連スケジューリング情報にはRA−RNTIおよび一時C−RNTIを使用できる。
複数のタイムアラインメントを有するためには、UE102がランダムアクセス手順をPSCell上りリンク1512bで行う必要がありうる。かくして、PCell下りリンク1506における共通検索空間1542に加えて、PSCell下りリンク1510bにおける共通検索空間1544でPDCCHをモニターするために、RACH1550をもつSCell1512bを用いて構成されたUE102が必要とされうる。SI−RNTI、P−RNTIおよびSPS C−RNTIは、PCell下りリンク1506における共通検索空間1542でモニターすれば十分でありうるので、これらをPSCellでモニターする必要はないであろう。それゆえに、PSCell下りリンク1510bにおける共通検索空間では、UE102によってC−RNTI、RA−RNTI、一時C−RNTI、TPC−PUCCH−RNTIおよびTPC−PUSCH−RNTIがモニターされるとよい。
本明細書に開示されるシステムおよび方法に従って、複数のPUCCH1548、1552を使用できる。(例えば、eNB160によって割り当てられるように)例えば、PUCCH1548がPCell上りリンク1508に構成されてもよく、PUCCH1552がPSCll上りリンク1512bに構成されてもよい。
図16は、ユーザ機器(UE)1602に利用できる様々なコンポーネントを示す。上記のように、UE1602をUE102、1002、1102として利用できる。UE1602は、UE1602のオペレーションを制御するプロセッサ1654を含む。プロセッサ1654は、CPUと呼ばれてもよい。メモリ1660は、リードオンリーメモリ(ROM:read−only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、これら2つの組み合わせ、あるいは情報を記憶できてプロセッサ1654に命令1656aおよびデータ1658aを与える、任意のタイプのデバイスを含むことができる。メモリ1660の一部分は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM:non−volatile random access memory)を含むこともできる。プロセッサ1654にも命令1656bおよびデータ1658bが存在しうる。プロセッサ1654に読み込まれた命令1656bおよび/またはデータ1658bは、プロセッサ1654による実行または処理のために読み込まれるメモリ1660からの命令1656aおよび/またはデータ1658aも含むことができる。本明細書に開示されるシステムおよび方法を実装するために、プロセッサ1654によって命令1656bを実行できる。
UE1602は、データの送信および受信を可能にするために1つ以上の送信機1658および1つ以上の受信機1620の入った筺体も含むことができる。送信機(単数または複数)1658および受信機(単数または複数)1620は、1つ以上のトランシーバに組み合わされてもよい。1つ以上のアンテナ1622a〜nを筺体に取り付けて、トランシーバ1618に電気的に結合できる。
UE1602の様々なコンポーネントは、データバスに加えて、電力バス、制御信号バス、およびステータス信号バスを含むことができるバスシステム1666によって一緒で結合される。しかしながら、明確さのために、図16では様々なバスがバスシステム1666として図示される。UE1602は、信号の処理に使用するためのデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)1662も含むことができる。UE1602は、UE1602の機能へのユーザ・アクセスを提供する通信インターフェース1664も含むことができる。図16に示されるUE1602は、具体的なコンポーネントのリストではなく、機能ブロックダイアグラムである。
図17は、evolved Node B(eNB)1760に利用できる様々なコンポーネントを示す。eNB1760は、先に説明されたeNB160、1060、1160の1つ以上として利用できる。eNB1760は、UE1602に関して上記に議論されたコンポーネントと同様のコンポーネントを含むことができて、これらのコンポーネントは、プロセッサ1768、プロセッサ1768に命令1770aおよびデータ1772aを与えるメモリ1774、プロセッサ1768に存在できるか、またはそれに読み込むことができる命令1770bおよびデータ1772b、(1つの以上のトランシーバ1776に組み合わされうる)1つ以上の送信機1717および1つ以上の受信機1778が入った筺体、トランシーバ(単数または複数)1776に電気的に結合された1つ以上のアンテナ1780a〜n、バスシステム1782、信号の処理に使用するためのDSP 1776、通信インターフェース1778などを含む。
用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスできる任意の利用可能な媒体を指す。用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書では、非一時的かつ有形のコンピュータおよび/またはプロセッサ可読媒体を示すことができる。限定ではなく、例として、コンピュータ可読またはプロセッサ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令の形態の所望のプログラムコードまたはデータ構造を載せるか、または記憶するために使用できて、コンピュータまたはプロセッサによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書では、コンパクトディスク(CD:compact disc)、レーザディスク(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタルバーサタイルディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピーディスク(floppy disk)およびBlu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、一方でディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。
留意すべきは、本明細書に記載される方法の1つ以上が、ハードウェアに実装されうる、および/またはハードウェアを使用して行われうることである。例えば、本明細書に記載される方法の1つ以上は、チップセット、特定用途向け集積回路(ASIC:application−specific integrated circuit)、大規模集積回路(LSI:large scale integrated circuit)または集積回路などに実装されうる、および/またはそれらを使用して実現されうる。
本明細書に開示される方法のそれぞれは、記載される方法を達成するための1つ以上のステップまたは実施を含む。本方法のステップおよび/または実施は、特許請求の範囲から逸脱することなく、相互に交換されても、および/または単一のステップに組み合わされてもよい。言い換えれば、記載される方法の適切なオペレーションのためにステップまたは実施の特定の順序が必要とされない限り、特許請求の範囲から逸脱することなく、特定のステップおよび/または実施の順序および/または使用が修正されてもよい。
当然のことながら、特許請求の範囲は、上記に説明されたまさにその構成およびコンポーネントには限定されない。本明細書に記載される配置、オペレーション、ならびにシステム、方法、および装置の詳細に、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正、変更および変形がなされてもよい。