JP5951747B2 - 電力系統制御装置 - Google Patents

電力系統制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5951747B2
JP5951747B2 JP2014260750A JP2014260750A JP5951747B2 JP 5951747 B2 JP5951747 B2 JP 5951747B2 JP 2014260750 A JP2014260750 A JP 2014260750A JP 2014260750 A JP2014260750 A JP 2014260750A JP 5951747 B2 JP5951747 B2 JP 5951747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
distribution line
amount
unit time
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014260750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016123171A (ja
Inventor
祐志 谷
祐志 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2014260750A priority Critical patent/JP5951747B2/ja
Publication of JP2016123171A publication Critical patent/JP2016123171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5951747B2 publication Critical patent/JP5951747B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

本発明は、電力系統制御装置に関する。
近年、太陽光発電や風力発電の普及に伴い、複数の事業者が同一の電力系統に対して電力供給を行うケースが増加している。電力系統の運用にあたっては、瞬時、瞬時で電力の需要量と供給量を一致させる必要があるため、複数の事業者で電力系統を運用する際には、各事業者が誤差の少ない電力供給計画を立案することが要請される。
このような背景にあって、各事業者に対して、30分毎に、電力供給量の計画値と、実際に供給した電力供給量の実績値を一致させることが要請されるようになっており、これを達成するためのマネージメントシステムも、種々検討がなされている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2013−246481号公報
しかし、電力系統の運用にあたっては、電力の需要量と供給量をバランスさせることのみならず、下位系統の配電線における電圧変動等も考慮する必要があり、画一的に、電力系統の上位系統における発電機の発電量を増減させるという制御を行うだけでは、電力品質の悪化を招くこととなる。又、単位時間ごとに電力の供給量の増減を行うため、一定の制御応答性が求められる。
そこで、本発明は、上記の問題点を解消するとともに、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差を調整可能とする電力系統制御装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本発明は、配電線に供給する電力供給量を監視し、各単位時間が経過する前の第1のタイミングで、当該単位時間において前記配電線に供給している電力供給量の実績値と、当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値と、に基づいて、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する計画誤差算出部と、前記配電線の各地点の電圧を監視する電圧監視部と、各単位時間あたりの前記配電線に供給する電力供給量の実績値が、対応する単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値に近づくように、前記第1のタイミング後、当該単位時間内に、前記計画誤差となり得る電力供給量を補うように複数の蓄電池を充放電させる調整指示部と、を備え、前記調整指示部は、前記複数の蓄電池夫々の充放電可能量及び前記配電線への接続位置と、前記配電線の各地点の電圧と、前記計画誤差となり得る電力供給量と、に基づいて、前記複数の蓄電池を充放電させたときの前記配電線の各地点の電圧が所定の許容範囲に収まるように、当該単位時間内に前記計画誤差となり得る電力供給量を補うための調整計画を算出し、当該調整計画に従って前記複数の蓄電池を充放電させることを特徴とする電力系統制御装置である。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明に係る電力系統制御装置によれば、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差をなくす、又は少量に低減することができる。特に、配電線に接続された複数の蓄電池を利用して当該計画誤差の調整を行うことから、配電線の電圧の許容範囲からの逸脱を確実に防止するとともに、迅速な調整を行うことができる。
本発明の第1実施形態における電力系統の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における電力系統の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における電力系統制御装置の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における電力系統制御装置のデータ構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における電力系統制御装置のデータ構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における電力系統制御装置のデータ構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における単位時間あたりの電力供給量の計画誤差について説明する図である。 本発明の第1実施形態における単位時間あたりの電力供給量の計画誤差について説明する図である。 本発明の第1実施形態における電力系統制御装置の動作フローを示す図である。 本発明の第1実施形態における電力系統制御装置の動作フローを示す図である。 本発明の第2実施形態における単位時間あたりの電力供給量の計画誤差について説明する図である。 本発明の第2実施形態における単位時間あたりの電力供給量の計画誤差について説明する図である。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
<第1実施形態>
本実施形態に係る電力系統制御装置は、各単位時間(例えば、30分間隔)あたりの配電線に供給する電力供給量の計画値と配電線に供給した電力供給量の実績値とを一致させるため、各単位時間の経過前(例えば、30分間うちの20分経過後)に、その単位時間における発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出し、当該計画誤差となり得る電力供給量を、配電線に接続された複数の蓄電池を充放電させることにより補うものである。特に、本実施形態に係る電力系統制御装置は、登録システムにより、電力系統内の各地点に設置された顧客の保有する電気自動車の充放電の制御を可能として、これらを用いて上記した計画誤差となり得る電力供給量を補うことにより、配電線の電圧の許容範囲からの逸脱を確実に防止することができる(詳細は後述する)。
尚、単位時間は、一の事業者が電力供給量に発電計画に対して計画誤差を発生させた場合に、他の事業者がその計画誤差を補うことができる時間が設定され、具体的には、一時間以内の時間(例えば、30分間)が設定される。但し、当該単位時間は、適宜変更可能である。
===電力系統の構成===
以下、図1を参照して本実施形態に係る電力系統の構成の一例について説明する。
本実施形態に係る電力系統は、発電機100、電圧調整用変圧器200、需要家群300A、300B、300C、300D、電力系統制御装置400、高圧配電線L1、L2、計測装置T1、T2、T3、T4、T5を備えて構成される。そして、上位系統の発電機100で発電された電力が、電圧調整用変圧器200、高圧配電線L1、L2等を介して各地点の需要家群300A、300B、300C、300Dに供給される。又、本実施形態に係る電力系統においては、電力系統制御装置400が、電力系統における電力供給量、及び各地点の電圧を監視し、顧客の有する電気自動車に積載された蓄電池を利用して、計画誤差となり得る電力供給量を調整する。
発電機100は、例えば、火力発電所に設置された発電機であり、ボイラーで発生させた蒸気により、タービンを回転させて発電を行い、発電した電力を、送電線を介して電圧調整用変圧器200に送電する。発電機100は、燃料の量を変更することで発電量が変更される。又、発電機100は、ガバナフリー運転、負荷周波数制御(Load Frequency Control:LFC)、経済負荷配分制御(Economic load Dispatching Control:EDC)により、電力需要量の変動に応じて電力系統の周波数が基準値(例えば、60Hz)になるようにフィードバック制御を行っている。尚、図1中では、本実施形態に係る電力系統においては、発電機100は、一の発電機として表しているが、電力系統に電力を供給する発電機は、原子力発電や水力発電によって発電を行う発電機を複数組み合わせたものであってもよい。
電圧調整用変圧器200は、例えば、負荷時タップ切換器付変圧器であり、発電機100からの特別高圧の電力(例えば、110kV)を受電し、高電圧(例えば、6600V)の電力に変圧して、高圧母線LLを介して高圧配電線L1、L2に送電する。尚、図1中では、高圧配電線としてL1、L2のみを示しているが、電圧調整用変圧器200からは、下位系統に向けて、2本に限らず複数の高圧配電線が延設される構成となっている。電圧調整用変圧器200は、需要電力量等に基づいて、時間帯ごとに二次側に出力する目標電圧が設定され、当該目標電圧となるようにタップ切換により変圧比を変更して、下位系統の高圧配電線L1、L2の電圧を調整する。
高圧配電線L1、L2は、夫々、電圧調整用変圧器200の下位系統の配電線で、電圧調整用変圧器200の二次側の高圧母線LLから分岐して、各地域に電柱により延設されている。高圧配電線L1は、A地点、B地点、C地点に接続された需要家群300A、300B、300Cに変電所から受電した高電圧を送電する。又、同様に、高圧配電線L2は、D地点に接続された需要家群300Dに変電所から受電した高電圧を送電する。尚、高圧配電線L1、L2は、三相交流の電力が送電される3本の線路を省略したものである。図中では、高圧配電線L1、L2のみを表しているが、電力系統内にはこれら以外にも複数の高圧配電線が延設されている。
計測装置T1、T2、T3、T4、T5は、夫々、高圧母線LL、高圧配電線L1、L2のA地点、B地点、C地点、D地点付近に設置され、各地点における電圧を計測する。そして、計測装置T1、T2、T3、T4、T5は、その計測データを、LAN等の通信回線を通じて、電力系統制御装置400に送信する(以下では、計測装置T1、T2、T3、T4、T5、及びその他の地点に設置された計測装置を総称して、「計測装置T」と言う。)。尚、計測装置Tは、高圧配電線Lの電圧をv相とw相の線間に接続した計器用変圧器を介して、低電圧に変換し、A/D変換回路を介してデジタル情報として取得して、当該地点の電圧を計測している。
需要家群300A、300B、300C、300Dは、夫々、高圧配電線L1、L2のA地点、B地点、C地点、D地点から分岐し、送電された電力を使用する、電力会社と契約した顧客群である。需要家群300A、300B、300C、300Dは、夫々、柱上変圧器301A、301B、301C、301D、低圧配電線302A、302B、302C、302D、需要家303A、303B、303C、303D、蓄電装置304A、304B、304C、304D、太陽光発電装置305A、305B、305C、305Dを備えて構成される(以下では、需要家群300A、300B、300C、300D、及びその他の電圧調整用変圧器200の下位系統の需要家群を総称して、「需要家群300」と言う。又、需要家群の各構成についても総称して、「柱上変圧器301」、「低圧配電線302」、「需要家303」、「蓄電装置304」、「太陽光発電装置305」と言う。)。
柱上変圧器301は、高圧側に高圧配電線L1(又はL2)が接続され、低圧側に低圧配電線302が接続され、高圧配電線L1(又はL2)から受電した高圧(6600V)の電力を、低圧(100V)の電力に変圧して低圧配電線302に送電する。
需要家303は、例えば、家電製品、誘導型電動機を電力負荷として有するとともに、蓄電装置304を有している。そして、需要家303は、低圧配電線302に接続され、低電圧の電力を電力負荷又は蓄電装置304に使用する構成となっている。尚、蓄電装置304は、例えば、顧客が有する電気自動車により構成される。
又、太陽光発電装置305は、太陽光を受けて発電を行う装置であり、低圧配電線302に接続され、インバータ装置(図示せず)を介して、発電した電力を低圧配電線302に供給する構成となっている。太陽光発電装置305は、電力事業者の管理下にあるもの、他の事業者が保有するもの、顧客が保有するもの等がある。尚、柱上変圧器301の変圧比は固定されており、太陽光発電装置305からの電力の供給により、低圧配電線302又は高圧配電線L1、L2に電圧の上昇が生じた場合、需要家303の使用する電圧も上昇し、使用する家電製品に電気的に悪影響を及ぼすことになる。
電力系統制御装置400は、電力系統に供給する電力供給量を、例えば、発電機100から取得した電力の周波数の偏差(調整量)等に基づいて監視し、高圧配電線L1、L2又は低圧配電線302に接続された複数の蓄電池(例えば、顧客の有する電気自動車)を充放電させることにより、電力系統における単位時間あたりの(例えば、30分間隔)電力供給量の計画誤差を調整する(以下では、高圧配電線L1、L2、低圧配電線302、及び電力系統内のその他の配電線を総称して「配電線」とも言う)。尚、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差を調整するとは、当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値、即ち発電計画と、当該単位時間において実際に供給した電力供給量の実績値を略一致させることを意味する。
そして、本実施形態に係る電力系統制御装置400は、顧客の有する電気自動車に積載される蓄電池等の蓄電装置304を有効活用するため、それらの充放電を電力系統制御装置400に委ねる旨の登録を顧客に行わせ、当該登録内容に則して、電力系統制御装置400がそれらの充放電を自由に行うことが可能となるように構成している。
又、本実施形態に係る電力系統制御装置400は、これらの複数の蓄電装置304に充放電させる際、計測装置T1、T2、T3、T4、T5から取得した各地点の電圧に基づいて、各地点の電圧が許容範囲(低圧配電線302における電圧が101V±6Vを表す。以下同じ。)を超えないように制御する。尚、電力系統制御装置400の構成及び動作の詳細は後述する。
===蓄電装置の構成===
以下、図2を参照して、本実施形態に係る蓄電装置304の構成の一例について説明する。
本実施形態に係る蓄電装置304は、顧客宅に設置され、顧客の保有する電気自動車Bに積載された蓄電池を充放電する装置であり、充放電制御装置P、電気自動車B、配電装置Mにより構成される。尚、図2の実線LLは、電力線を表し、低圧配電線302と電気自動車Bの間の電力の経路を表す。又、破線Sは、信号の経路を表し、充放電制御装置Pと電気自動車B及び配電装置Mがデータ通信することを表す。
電気自動車Bに対する電力の充電及び放電は、充放電制御装置P、配電装置Mを介して行われ、配電装置Mにより、低圧配電線302から供給される電力を任意の割合で、充放電制御装置Pに配電したり、家電製品R1〜R3へと配電したりする。そして、充放電制御装置Pが中心となって、例えばLANからなる通信回線を介して、無線通信により電気自動車B、配電装置Mとデータ通信し、それらの制御を行うことで、電気自動車Bへの充電及び放電が制御される。
具体的には、充放電制御装置P、電気自動車B、配電装置Mは、夫々、CPU(Central Processing Unit)を有し、夫々の装置の記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従って装置を制御する(以下、「制御部」と言う)。そして、電気自動車B、配電装置Mは、充放電制御装置Pからの制御信号に応じて、制御部を充電モード、放電モード、又は停止モードへと切り替えられる構成となっている。尚、蓄電装置304は、配電装置Mから充放電制御装置Pに供給する電力に基づいて充電速度を調整し、電気自動車Bから放電するセルの数により放電速度を調整することができる。
=電気自動車=
電気自動車Bは、例えば、複数のセルから構成される蓄電池、複数のセルの電圧を監視する電圧検知回路、蓄電池と電力線LLの間の電気的接続を入切するスイッチ回路を備え、制御部により、バス(図示せず)を介して、それらが制御される。蓄電池は、例えば、リチウムイオン二次電池であり、複数のセルにより合計20kWhの電力量を充電することができる。尚、充放電制御装置Pと電気自動車Bは、着脱式プラグ(図示せず)により、低圧配電線302から配電装置M及び充放電制御装置Pに延設する電力線LLが接続され、電力の充電及び放電が可能となる。
このとき、電気自動車Bの制御部は、電圧検知回路を介して複数のセル夫々の電圧を監視し、複数のセル夫々の電圧に基づいて、スイッチ回路を制御し、充放電するセルを選択するとともに、その充放電の度合を制御する。又、電気自動車Bは、複数のセル夫々の電圧に基づいて、現在の残蓄電量を計測して、充放電制御装置Pに当該データを送信可能な構成となっている。
=配電装置=
配電装置Mは、低圧配電線302から供給される電力、及び電気自動車Bから供給される電力を任意の割合で配電する分電盤である。配電装置Mは、通常時(停止モードのとき)、配電線302から供給される電力を家電製品R1〜R3へと送電する。そして、配電装置Mは、制御部に制御されるスイッチ回路を備え、配電装置Mの制御部は、充放電制御装置Pからの充電制御信号を受信するのに応じて、充電モードに切り替え、スイッチ回路を制御して、低圧配電線302から供給される電力を任意の割合で、充放電制御装置Pに配電する。又、配電装置Mの制御部は、充放電制御装置Pから放電制御信号を受信するのに応じて、放電モードに切り替え、スイッチ回路を制御して、充放電制御装置Pから供給される電力を任意の割合で、低圧配電線302に送電したり、家電製品R1〜R3へ配電する。
=充放電制御装置=
充放電制御装置Pは、電気自動車B、配電装置Mを制御することで、電気自動車Bの充放電を制御するパワーコンディショナーである。充放電制御装置Pは、交流電力と直流電力を双方向に変換する双方向AC/DC変換回路を有するインバータを備え、制御部の制御により、充電モードでは、配電装置Mから供給される交流電力を直流電力に変換して、電気自動車Bに供給し、放電モードでは、電気自動車Bから供給される直流電力を交流電力に変換して、配電装置Mに送電する。そして、充放電制御装置Pは、通信回線(例えば、LAN回線)を介して、配電装置M、電気自動車Bとデータ通信し、配電装置M及び電気自動車Bに対して制御信号を送信し、これらの装置を制御する。
又、充放電制御装置Pは、通信回線(例えば、LAN回線)を介して、電力系統制御装置400とデータ通信し、電気自動車Bに積載された蓄電池の充放電の制御を電力系統制御装置400に委ねる旨の登録処理(以下、「登録部P1」と言う)、及び、電力系統制御装置400からの充放電指示に対する受付処理(以下、「指示受付部P2」と言う)を可能とする。尚、登録部P1、指示受付部P2は、コンピュータプログラムに従って行う制御部の機能の一部である。
具体的には、登録部P1は、蓄電装置304の充放電の制御を電力系統制御装置400へ委ねる充放電可能日時と充放電可能量を、電力系統制御装置400に登録する機能である。登録部P1は、顧客から充放電可能日時及び充放電可能量に係る内容の入力を受け付け、電力系統制御装置400に対して、当該内容を送信することにより、電力系統制御装置400に蓄電装置304の充放電の制御を委ねる充放電可能日時及び充放電可能量を記憶させる(登録内容の一例については、後述する図4Cを参照)。尚、充放電制御装置Pは、当該機能を実現するため、蓄電装置304の基本特性、例えば、最大充電可能量(kWh)、充電速度(kWh/h)、放電速度(kWh/h)、電力系統内における蓄電池の接続位置に関するデータを有するとともに、蓄電装置304の現状、例えば、現在の蓄電池の残蓄電量、現在充放電が可能か否か(着脱式プラグが接続されているか)に関するデータを有し、登録部P1は、これらのデータを、所定のタイミングで電力系統制御装置400に送信する。
又、指示受付部P2は、顧客及び電力系統制御装置400から、蓄電装置304(電気自動車B)の充放電の指示を受け付け、当該内容に基づいて、電気自動車Bを充放電させる機能である。指示受付部P2は、例えば、充放電の指示画面を表示させ、顧客に、蓄電装置304の充放電の指示内容を入力させることにより顧客からの充放電の指示を受け付ける。又、指示受付部P2は、電力系統制御装置400からの充放電の制御信号を待ち受け、電力系統制御装置400からの充放電の制御信号があった場合に、当該内容に基づいて、制御部に充放電させる。尚、指示受付部P2は、電力系統制御装置400からの指示に基づいて充放電を行った場合と、顧客からの指示に基づいて充放電を行った場合とで識別し得るように、充放電履歴データを記憶するようにしてもよい。そして、例えば、電力系統制御装置400からの指示に基づいて充放電を行った対価は、顧客からの指示に基づいて充放電を行った対価よりも、顧客にとって優位となるよう設定して、顧客に電力系統制御装置400への登録を誘引するものとしてもよい。
===電力系統制御装置の構成===
以下、図3、図4A〜図4C、図5A〜図5B、図6を参照して、本実施形態における電力系統制御装置400の構成の一例について説明する。
図3に、本実施形態に係る電力系統制御装置400の構成の一例を示す。本実施形態に係る電力系統制御装置400は、電力系統における単位時間あたりの電力供給量の計画誤差を調整する装置である。そして、電力系統制御装置400は、制御部410、記憶部420、通信部430、入力部440、表示部450を備えるコンピュータである。
制御部410は、バス(図示せず)を介して、記憶部420、通信部430、入力部440、表示部450を構成するハードウェアとデータ通信を行うとともに、それらの動作を制御する。又、制御部410は、登録受付部411、供給電力監視部412、電圧監視部413、計画誤差算出部414、調整指示部415の機能を有する(詳細は後述する)。制御部410は、例えば、CPUが記憶部420に記憶されたコンピュータプログラム425を実行することにより実現される。
記憶部420は、発電計画データ421、供給電力データ422、蓄電装置データ423、電力系統データ424、電力系統制御装置400を制御するコンピュータプログラム425、及び演算処理の中間データを記憶する領域(図示せず)を有する(詳細は後述する)。
通信部430は、通信回線500を介して、計測装置T1、T2、T3、T4、T5、蓄電装置304(充放電制御装置P)、発電機100とデータ通信する。通信部430は、例えば、通信コントローラによって構成され、LAN(通信回線500)を介して、これらの装置とデータ通信する。尚、通信部430は、電力系統制御装置400が外部機器とデータ通信するためのインターフェイスであり、PLC、RS232C、USB、NIC(Network Interface Card)等、任意の通信方式で、外部機器とデータ通信する装置であってよく、複数の通信装置を用いて外部機器に応じて異なる通信方式を用いてもよい。尚、電力系統制御装置400は、LAN(通信回線500)等を介して、計測装置T1、T2、T3、T4、T5、蓄電装置304(充放電制御装置P)、発電機100とデータ通信するため、記憶部420に、これらの装置の通信アドレスを記憶しておく。
入力部440は、電力系統制御装置400の使用者がデータを入力した場合、記憶部420に当該入力内容を記憶させる。入力部440は、例えば、キーボードによって構成される。
表示部450は、制御部410により演算処理された結果(例えば、充放電させている蓄電装置304等)を電力系統制御装置400の使用者に識別可能に表示する。表示部450は、例えば、液晶ディスプレイによって構成される。
=データ構成=
ここで、図4A〜図4Cを参照して、記憶部420が有する発電計画データ421、供給電力データ422、蓄電装置データ423、電力系統データ424について説明する。
発電計画データ421は、発電機100等で発電を行って配電線に供給する予定の電力供給量の計画値に関するデータにより構成される。図4Aに、発電計画データ421の一例をグラフ化して示す。発電計画データ421は、例えば、計画日時と対応付けて、10分間隔で、発電機100等から配電線に供給する電力供給量の計画値としてテーブル形式で記憶されている。
発電機100等から配電線に供給する電力供給量の計画値とは、各日時における発電機100の発電量等、発電機100が配電線に供給する予定である電力供給量を示す値である。発電計画データ421の電力供給量の計画値は、電力需要量の予測値に応じて発電機を稼働させるための準備として、予め(例えば、1日前に)算出される。尚、当該配電線に供給する発電装置が発電機100以外にない場合は、電力供給量の計画値は、電力需要量の予測値を用いてもよい。尚、電力系統における電力需要量の予測値は、過去の電力需要量のデータ(例えば、昨年の同月同日における電力需要量)、気温等の気象予測データ、曜日等に基づいて、周知の方法で算出することができる。
尚、電力供給量の計画値は、複数の電力供給事業者で電力系統を安定的に運用するために、一又は複数の電力供給事業者が、自らが電力供給する予定であるとして他の電力供給事業者等に対して告知するものでもある。そのため、電力系統内に太陽光発電装置等の複数の発電機を設置している場合には、電力供給量の計画値は、自らの管理下にある複数の発電機夫々で発電して配電線に電力供給する計画値を加算した値として算出及び設定される。このとき、太陽光発電装置等、自然エネルギーを利用して発電を行う発電機の場合、当該発電機による電力供給量の計画値は、当該発電機が発電する発電量の予測値として算出する。
供給電力データ422は、日時と対応付けて記憶された、配電線に供給した電力供給量の実績値に関するデータにより構成される。図4Bに、供給電力データ422の一例をグラフ化して示す。供給電力データ422は、例えば、日時と対応付けて、1分間隔で、発電機100が配電線に供給した電力供給量の実績値がテーブル形式で記憶されている。
配電線に供給した電力供給量の実績値とは、各日時における発電機100の発電量(W・s)等、発電機100が実際に配電線に供給した電力供給量を示す値である。又、電力系統内に太陽光発電装置等、複数の発電機が設置されている場合には、当該電力供給量の実績値は、複数の発電機が配電線に供給した電力供給量の実績値を加算した値として算出される。尚、当該配電線に供給する発電装置が発電機100以外にない場合は、電力供給量の実績値は、電力需要量の実績値に関するデータを用いてもよい。
電力供給量の実績値は、例えば、供給電力監視部413が発電機100から電力の周波数の偏差(調整量)等を取得することにより、逐次(例えば、1分間隔)更新される。又、電力系統内に太陽光発電装置等の分散型電源が接続されている場合には、供給電力監視部413がこれらの太陽光発電装置等から発電量の実績値を取得して、発電機100が発電した電力量の実績値と加算することにより、全体としての電力供給量の実績値が算出される。
蓄電装置データ423は、「蓄電装置304の基本特性に関するデータ」、及び、「顧客の登録内容に関するデータ」により構成される。図4Cに、蓄電装置データ423の一例を示す。蓄電装置データ423は、配電線に接続された蓄電池を制御する蓄電装置304ごとに、蓄電装置IDと関連付けられて、その基本特性に関するデータ、及び顧客の登録内容に関するデータがテーブル形式で記憶されている。尚、蓄電装置304は、顧客から登録されたものに加えて、事業者が保有する蓄電装置等も含んでよく、その場合、当該蓄電装置は、任意の充放電可能日時に充放電の制御が可能なものとして格納する。
「蓄電装置304の基本特性に関するデータ」は、例えば、通信アドレス情報、接続位置、限界充電量、充放電速度に関するデータである。ここで、通信アドレス情報は、配電線に接続された蓄電池を制御する蓄電装置304(充放電制御装置P)の通信アドレスを表し、蓄電装置304(充放電制御装置P)と通信接続するために用いられる。又、接続位置は、制御対象の蓄電池の配電線における接続位置を表す。限界充電量は、蓄電池が充電し得る容量を表し、蓄電装置304から残蓄電量が送信されてきたとき、充放電可能な容量を算出するために用いられる。充放電速度は、蓄電装置304の蓄電池を充放電する際の速度を表し、調整指示部415が調整計画を算出する際に用いられる。尚、蓄電装置304の充放電速度は、可変のものと一定値に固定されているものがあり、可変のものについては、電力系統制御装置400から当該充放電速度を変更し得る構成となっている。
又、「顧客の登録内容に関するデータ」は、例えば、充放電可能日時、残蓄電量、充放電可能量に関するデータである。ここで、充放電可能日時とは、電力系統制御装置400に、蓄電装置304の充放電の制御を委ねる日時を表す。即ち、当該日時においては、充放電制御装置Pの指示受付部P2が、電力系統制御装置400からの制御信号に応じて、蓄電装置304が充放電の制御を行うことを表し、これにより、電力系統制御装置400は、当該蓄電装置304を調整可能な対象として識別する。又、充放電可能量とは、電力系統制御装置400が充放電の制御が可能な電力量を表す。本実施形態では、登録部P1が残蓄電量を送信することにより、限界充電量との差分により充放電可能量が算出される構成としている。尚、登録部P1から送信する登録内容は、電力系統制御装置400が蓄電装置304を調整する際に、充放電制御ができる充放電可能日時及び充放電可能量を認識できればよく、その登録態様は任意である。例えば、予め、曜日ごとに、充放電可能日時、充放電可能量を登録しておく態様であってもよいし、充放電可能量(電気自動車Bの残蓄電量)だけを、毎日、別途、自動送信して、一日の所定の時間帯だけを充放電可能日時として登録してもよい。
電力系統データ424は、「電力系統」、「各地点における配電線の目標電圧」、「各地点における配電線の現在の電圧」に関するデータにより構成される。より詳細には、「電力系統」に関するデータは、最上流の発電機100から各地点の需要家303に電力を送電する現在の電力系統に関するデータ、当該電力系統における配電線の線路インピーダンスに関するデータ、太陽光発電装置305の設置位置や発電能力、柱上変圧器302の配電線における設置位置及び変圧比等に関するデータを備える。又、「各地点における配電線の目標電圧」に関するデータは、配電線の各地点(A地点、B地点、C地点、D地点等)から分岐する低圧配電線302における電圧が許容範囲(101V±6V)を超えないようにするため、計測装置Tの設置位置等で計測される電圧について、基準とする電圧の範囲を意味する。又、「各地点における配電線の現在の電圧」に関するデータは、電圧監視部413が配電線の各地点に設置された計測装置Tから取得した現在の電圧に関するデータである。
=機能構成=
ここで、制御部410が有する登録受付部411、供給電力監視部412、電圧監視部413、計画誤差算出部414、調整指示部415の機能について説明する。
制御部410は、配電線に供給する電力供給量を監視し、各単位時間が経過する前に、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値と、当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値と、に基づいて、各単位時間あたりの配電線に供給する電力供給量の実績値が、対応する単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値に近づくように、配電線に接続された複数の蓄電池を充放電させる。制御部410は、登録受付部411、供給電力監視部412、電圧監視部413、計画誤差算出部414、調整指示部415の構成により、当該制御を可能とする。尚、これらの機能を用いた一連の動作フローについては、図7を参照して後述する。
登録受付部411は、充放電制御装置Pの登録部P1からの登録要求を受け付けて、登録要求があった場合には、当該登録要求をした充放電制御装置Pに対応する蓄電装置IDと関連付けて蓄電装置データ423に登録内容として記憶する機能である。尚、登録内容については上記した通りであるから、ここでの説明は省略する。
供給電力監視部412は、配電線に供給している電力供給量を監視する機能である。
具体的には、供給電力監視部412は、例えば、発電機100から電力の周波数の偏差(又は、発電機の周波数調整量)等を逐次(例えば、1分間隔)取得して、これに基づいて配電線に供給している電力供給量を算出する。そして、供給電力監視部412は、当該電力供給量を、配電線に供給している電力供給量の実績値として記憶部420に格納する。
発電機100から配電線に供給する電力供給量は、電力系統内において所定の周波数及び電圧(例えば、60Hz、低圧配電線302における電圧が101±6V)が維持されるように、瞬時、瞬時の電力需要量に応じて設定されるため、その実績値は、発電計画データ423の配電線に供給する電力供給量の計画値とは計画誤差が生じ得る。そこで、本実施形態に係る電力系統制御装置400は、供給電力監視部412により、逐次、配電線に供給している電力供給量を監視して、計画誤差算出部414、調整指示部415により、単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値と実績値の計画誤差を調整する構成とする。
尚、供給電力監視部412が、発電機から配電線に供給している電力供給量を監視する方法は任意であり、発電機100から出力する電流及び電圧を計測する計測装置から取得して、その電流及び電圧の積により算出してもよいし、各需要家宅303に設置された電力量計から使用している電力量を逐次取得して、その電力量を加算することにより算出してもよい。又、太陽光発電装置等、複数の発電機により配電線に供給している場合は、供給電力監視部412は、夫々の発電機の発電量を加算することにより、配電線に供給している電力供給量を算出してもよい。又、他の計測装置が、配電線に供給している電力供給量を計測している場合、計画誤差算出部414が演算処理する際に、当該電力供給量の測定データを取得する構成としてもよい。
電圧監視部413は、配電線の各地点の電圧を監視する機能である。
具体的には、電圧監視部413は、配電線の各地点に設置された計測装置Tから、所定のタイミング(例えば、1分間隔)で、配電線の各地点の電圧を取得し、記憶部420に格納する。配電線の各地点の電圧は、後述する調整指示部415が、蓄電装置304の充放電を制御する際に、当該充放電により、配電線の各地点の電圧が許容範囲を超えないようにするために参照される。尚、太陽光発電装置305等の分散型電源が電力系統内に設置されていない場合は、配電線の各地点の電圧は、電圧調整用変圧器200から出力する電流の変動量等から推定することによって監視してもよい。
計画誤差算出部414は、各単位時間が経過する前に、当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値と、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値と、に基づいて、当該単位時間において、発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する機能である。
図5A、図5Bに、単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量について説明する図を示す。図5A、図5B中の横軸は単位時間中(図中では30分間を単位時間として表す)における経過時間、縦軸は各時刻(例えば、1分間隔)における電力供給量の計画値P1と実績値P2の差分値を表す。即ち、図5A、図5B中の斜線領域は、単位時間において、電力供給量の計画値P1と実績値P2の差分値の累計であり、図5Aでは、発電計画に対して実際の電力供給量の方が多く、単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量は不足電力量Qとして算出され、図5Bでは、発電計画に対して実際の電力供給量の方が少なく、単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量は余剰電力量Qとして算出されていることを表す。
本実施形態に係る電力系統制御装置400の計画誤差算出部414は、30分間における電力供給量の計画値と実績値とが略同一となるようにするべく、30分間のうちの20分経過時(調整開始タイミングt1)における30分間のうちの20分間における電力供給量の計画値P1と実績値P2の差分値の累計(不足電力量Q、又は余剰電力量Q)を、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量として算出する。そして、不足電力量Qが算出された場合、当該不足電力量Qと同量の放電量Q’が蓄電池により調整する対象の電力量となり、余剰電力量Qが算出された場合、当該余剰電力量Qと同量の充電量Q’が蓄電池により調整する対象の電力量となる。
調整指示部415は、単位時間内に、計画誤差算出部414が算出した計画誤差となり得る電力供給量を補うように複数の蓄電池を充放電させる機能である。
より詳細には、調整指示部415は、計画誤差算出部414が算出した、単位時間内に計画誤差となり得る電力供給量Qを当該単位時間中に(調整終了タイミングt2までに)補うべく、各地点の配電線に接続された複数の蓄電池を充放電させる。尚、「計画誤差となり得る電力供給量を補う」とは、計画誤差算出部414が不足電力量Qを算出した場合、当該不足電力量Qと同量の電力量Q’を複数の蓄電池に放電させることを意味し、余剰電力量Qを算出した場合、当該余剰電力量Qと同量の電力量Q’ を複数の蓄電池に充電させることを意味する。但し、制御可能な蓄電装置304の充放電可能量の合計が不足電力量Q又は余剰電力量Qよりも少ない場合等においては、単位時間経過後に、できるだけ当該不足電力量Q又は余剰電力量Qが小さくなるように、即ち、各単位時間あたりの配電線に供給する電力供給量の実績値が対応する単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値に近づくように、蓄電装置304を充放電させるものであってよい。
ここで、調整指示部415は、顧客の登録状況や、配電線の電圧分布の状況を踏まえて最適な調整計画を算出するべく、蓄電装置データ424に基づいて、いくつかの条件を設定して、当該単位時間内に、それらを充放電させる調整計画を算出し、当該調整計画に従って蓄電装置304を充放電させることができる。
具体的には、調整指示部415は、第一に、蓄電装置304のうち顧客が保有するものについては、当該単位時間が、当該顧客から充放電の制御を当該電力系統制御装置に委ねる旨の登録がなされた充放電可能日時であるか否かにより、制御可能か否かを判断する。これにより、顧客の都合に応じた充放電を可能としている。
又、調整指示部415は、第二に、配電線に供給する電力の周波数変動や電圧変動を抑えるため、蓄電装置データ424に基づいて、充放電量Q’を充放電するための電力の合計が、調整時間内(当該単位時間内の充放電を開始する時刻から終了する時刻の間の時間を意味する。以下同じ。)で平均化するように、複数の蓄電装置304のうちから充放電対象を選出するとともに、夫々の充放電速度、充放電開始時間及び終了時間を算出して調整計画とする。又、制御可能な蓄電装置304の充放電可能量の合計が、単位時間内に計画誤差となり得る電力供給量Qよりも小さい場合は、調整指示部415は、当該充放電可能量の合計分が、調整時間内で平均化するように調整計画を算出する。尚、ここで、「平均化」するとは、調整時間内での充放電電力にバラつきがないよう調整計画を算出することを意味し、必ずしも調整時間内で充放電電力が完全に同一になることを意味するものでなくともよい。又、充放電速度の関係から、単位時間内においては、蓄電装置データ423に登録された蓄電池の充放電可能量のすべてを充放電できない場合は、調整指示部415は、当該充放電速度を考慮して、単位時間内において充放電し得る量を蓄電池の充放電可能量として設定して、調整計画を算出する。
又、調整指示部415は、第三に、複数の蓄電池の充放電可能量及びそれらの配電線への接続位置と、当該単位時間における配電線の各地点の電圧と、に基づいて、配電線の各地点の電圧が許容範囲を逸脱しないように調整計画を算出する。
図6に、高圧配電線L1の各地点における電圧の分布の一例を示す。尚、図6の縦軸は、高圧配電線L1の電圧(線間電圧)を表し、かっこ内の数値は、柱上変圧器301で変圧された後の低圧配電線302の電圧(需要家に供給される電力の電圧)を表す。高圧配電線L1の電圧は、図6に示すように、電圧調整用変圧器200から下流側に向かう従って需要家303の使用する電力負荷と配電線の線路インピーダンスにより電圧降下が生じている。又、高圧配電線L1の各地点には、太陽光発電装置305が設置されていることから、高圧配電線L1の電圧は、当該太陽光発電装置305からの電力供給により気象状況に応じて、電圧上昇又は電圧降下が生じる。そして、大量の充放電量Q’を同一の配電線に接続された蓄電装置304に充放電させた場合、地点によっては配電線の電圧が許容範囲を逸脱してしまうおそれがある。図6の下図は、その一例であり、B地点とC地点の蓄電装置304を充電させたため、C地点の電圧が許容範囲を逸脱してしまった場合を表す。
そこで、調整指示部415は、例えば、配電線の各地点の電圧及び蓄電装置304の接続位置に基づいて、各蓄電装置304を充放電させた場合の配電線の各地点の電圧変動を算出して、配電線の電圧が許容範囲を逸脱してしまう場合は、当該地点又はその上流側の地点に接続された蓄電装置304の充放電を行わず、他の配電線に接続された蓄電装置304の充放電により代替可能か、再度、調整計画を算出する。蓄電装置304を充放電した時の配電線の各地点の電圧変動は、例えば、以下の式3(C地点の電圧変動を一例として示す)を用いて算出することができる。尚、式3は、オームの法則に基づいて導かれる式1及び式2を式変換したものである。
電圧の変動量=線路インピーダンス×高圧配線電L1を流れる電流の変動量…(式1)
(但し、線路インピーダンスは前の地点(B地点)から蓄電池が接続された地点(C地点)までの線路インピーダンス、高圧配線電L1を流れる電流の変動量は蓄電池が接続された地点(C地点)での電流の変動量を表す。)
充放電電力(W)=接続地点の電圧×高圧配電線L1を流れる電流の変動量…(式2)
(但し、接続地点の電圧は蓄電池が接続された地点(C地点)で測定された電圧、又は暫定調整計画で当該電圧から前の地点(B地点)の変動分を加えた電圧を表す。)
電圧の変動量=線路インピーダンス×充放電電力/接続地点の電圧…(式3)
尚、当該計算式は一例であって、配電線の各地点の電圧変動は他の周知の潮流計算によっても算出することができる。又、電力系統内に分散型電源が設置されていない場合は、配電線の各地点の電圧は、電圧調整用変圧器200が出力する電流を計測した値により推定するものであってもよい。又、このとき、調整指示部415は、配電線の各地点の電圧を最適値に設定するため、蓄電装置304を充放電させる場合の優先度を設定し、単位時間ごとの計画誤差の調整と同時に、局所的な電圧調整を行うこととしてもよい。
そして、調整指示部415は、当該算出した調整計画に基づいて調整指示データを生成するとともに、対応する複数の蓄電装置304に対して送信することによって、複数の蓄電装置304に当該調整計画に従って蓄電池(電気自動車B)を充放電させる。尚、調整指示データは、例えば、充放電開始時刻、充放電終了時刻、充放電量、充放電速度等により構成される。
===電力系統制御装置の動作===
以下、図7を参照して、電力系統制御システム全体の動作について説明する。尚、上記した構成の説明は、省略する。
図7は、電力系統制御システムにおいて、電力系統制御装置400が、蓄電装置304の蓄電池の充放電を制御する処理を示すフローチャートである。尚、本実施形態では、電力系統制御装置400が、充放電制御装置Pを制御することにより、蓄電装置304を構成する電気自動車Bに搭載される蓄電池を充放電させる。図7のS1、S7〜S8は、充放電制御装置Pの制御部がコンピュータプログラムに従って実行する工程であり、S2〜S6は、電力系統制御装置400の制御部410がコンピュータプログラムに従って実行する工程を表す。
S1は、充放電制御装置Pの登録部P1が、電力系統制御装置400に対して、蓄電池の制御を委ねる充放電可能日時、蓄電池の現在の充放電可能量を登録する工程である。本工程で、登録部P1は、例えば、電気自動車Bから取得した現在の残蓄電量を表示した登録画面(図示せず)を表示して、顧客の入力を待ち受ける。そして、顧客が、例えば、次の日の電気自動車Bの使用予定に応じて、蓄電池の制御を委ねる充放電可能日時を入力して登録を行うに応じて、登録部P1は、電力系統制御装置400に対して当該登録内容を送信する。
S2は、電力系統制御装置400の登録受付部411が、S1で送信された充放電制御装置Pからの登録内容を受け付ける工程である。本工程で、登録受付部411は、充放電制御装置Pから登録内容を受信して、即ち、蓄電池の制御を委ねる充放電可能日時、蓄電池の現在の残蓄電量(充放電可能量)を蓄電装置データ423として記憶する。
S3は、電力系統制御装置400の供給電力監視部412が、配電線に対して発電機100等が電力供給している電力供給量を監視する工程である。本工程で、供給電力監視部412は、例えば、発電機100から電力の周波数の偏差(調整量)等を逐次(例えば、1分間隔)取得して、これに基づいて配電線に供給している電力供給量を監視する。
S4は、電力系統制御装置400の計画誤差算出部414が、各単位時間が経過する前に、当該単位時間において、発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する工程である。本工程で、計画誤差算出部414は、例えば、30分間を単位時間として、20分経過時に、当該30分間における配電線に供給する電力供給量の計画値と、当該30分間のうちの20分間で配電線に供給している電力供給量の実績値と、に基づいて、当該30分間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する。
S5は、電力系統制御装置400の調整指示部415が、複数の蓄電池夫々の充放電可能量に基づいて、複数の蓄電池の充放電により、当該単位時間内に発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を補う調整計画を算出する工程である。本工程で、調整指示部415は、例えば、計画誤差算出部414が、20分経過時に算出した、当該30分間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を、当該30分間の残りの10分間を調整時間として、複数の蓄電池の充放電により補うための調整計画を算出する。このとき、調整指示部415は、調整計画を、充放電する充放電量が調整時間内で平均化するように算出したり、配電線の各地点の電圧が許容電圧範囲内となるように算出してもよい。尚、配電線の各地点の電圧が許容電圧範囲内となるように調整計画を算出する場合、S5の演算処理の前に、電圧監視部413が配電線の各地点に設置された計測装置Tから電圧の測定データを取得する。
S6は、電力系統制御装置400の調整指示部415が、S5の工程で算出した調整計画に従って、充放電制御装置Pに調整指示データを送信する工程である。調整指示データは、例えば、充放電開始時刻、充放電終了時刻、充放電量、充放電速度等により構成される。
S7は、充放電制御装置Pの指示受付部P2が、電力系統制御装置400から調整指示データを受信して、当該内容に従って、充放電を開始する工程である。指示受付部P2は、電力系統制御装置400からの調整指示データを受信して、当該調整指示データを充放電制御装置Pの有する記憶部に格納する。そして、指示受付部P2は、当該調整指示データの充放電開始時刻となったときに、当該調整指示データの内容に従って、蓄電池への充放電を開始する。尚、このとき、発電機100は、通常どおり、電力系統の周波数が基準値(例えば、60Hz)になるようにフィードバック制御を行っている。
S8は、充放電制御装置Pの指示受付部P2が、電力系統制御装置400から取得した調整指示データの内容に従って、充放電を終了する工程である。指示受付部P2は、充放電開始と同様に、調整指示データの充放電終了時刻となったときに、当該調整指示データの内容に従って、蓄電池への充放電を終了する。
以上のS1〜S8の工程により、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差を調整することができる。そして、これらの工程を繰り返し行うことにより、各単位時間について電力供給量の計画誤差を調整する。
以上、本実施形態に係る電力系統制御装置400によれば、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差をなくす、又は少量に低減することができる。特に、本実施形態に係る電力系統制御装置400は、配電線に接続された複数の蓄電池を利用して、当該計画誤差の調整を行うことから、局所的にも配電線の電圧の逸脱が生じないようにすることができる。又、電気自動車に積載された蓄電池等は、火力発電に用いられるディーゼル発電機等に比して制御応答性が良好であるため、各単位時間で迅速な電力供給量の計画誤差の調整を行うことができる。
加えて、顧客が、蓄電装置304の充放電の制御を電力系統制御装置400に委ねる登録を行って、当該登録内容に基づいて、電力系統制御装置400が、これらの蓄電装置304の充放電の制御を行うことから、顧客の都合に応じた蓄電装置304の充放電制御を可能としながら、一元的に複数の蓄電装置304の充放電制御が可能となり、電力系統の効率的な運用を図ることができる。
<第2実施形態>
本実施形態に係る電力系統制御装置400’は、計画誤差算出部414’が、単位時間における配電線に供給する電力供給量の予測値を算出して、単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量をより低減する点で、第1実施形態と相違する。
図8A、図8Bに、発電計画に対する計画誤差について説明する図を示す。尚、図8A、図8Bの横軸は単位時間中(図中では30分間を単位時間として表す)における経過時間、縦軸は各時刻(例えば、1分間隔)における電力供給量の計画値P1と実績値P2の差分値、及び各時刻(例えば、1分間隔)における電力供給量の計画値P1と予測値P3の差分値を表す。即ち、図8A、図8B中の斜線領域は、単位時間において、電力供給量の計画値P1と実績値P2の差分値、及び電力供給量の計画値P1と予測値P3の差分値の累計であり、当該電力量Qが、単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量となる。
本実施形態に係る計画誤差算出部414’は、各単位時間が経過する前に(例えば、調整開始タイミングt1時)、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値に基づいて、当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の予測値を算出し、当該電力供給量の予測値と、当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値との差分値を、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量として算出する。
即ち、配電線に供給する電力供給量は、単位時間内では大きく変化することはないと考えられるため、単位時間における配電線に供給する電力供給量の予測値は、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値と同様の時間的変化を示すとして、概ね算出することができる。そのため、例えば、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値から換算される電力の平均値を1分間における電力供給量の予測値P3として、単位時間の残り時間を積算することにより、単位時間における配電線に供給する電力供給量の予測値を算出することができる。
そして、調整指示部415は、計画誤差算出部414’により算出された、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を補うように、第1実施形態と同様に、蓄電装置314を充放電させることにより計画誤差を調整する。
以上のように、本実施形態に係る電力系統制御装置400’によれば、調整開始タイミングt1から調整終了タイミングt2までの時間帯についての計画誤差も勘案して、蓄電装置314を充放電させることが可能となるため、第1実施形態と比して、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差をより少量に低減することができる。尚、計画誤差算出部414’は、各単位時間が経過する前に(例えば、調整開始タイミングt1時)、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値に加えて、その時間的変化に基づいて、単位時間における配電線に供給する電力供給量の予測値を算出してもよい。
<その他の実施形態>
上記各実施形態では、電力系統制御装置400の計画誤差算出部414は、各単位時間が経過する前の所定の調整開始タイミングt1においてのみ、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する構成とした。しかし、当該算出工程は、当該単位時間において一回に限る必要はなく、常時監視してもよいし、複数回に分けて行ってもよい。その場合、調整指示部415は、蓄電装置データ423の充放電可能量や充放電速度を考慮して定めた、一定値を超えたことを契機として、当該単位時間内に、計画誤差となり得る電力供給量を補うように複数の蓄電池を充放電させる構成としてもよい。これによって、配電線に供給する電力供給量に伴う急激な電圧変動の低減、及び計画誤差となり得る電力供給量の確実な低減を図ることができる。
又、上記各実施形態では、電力系統制御装置400の調整指示部415は、各単位時間が経過する前の所定の調整開始タイミングt1において、調整計画を算出して、調整計画に従って調整指示データを生成し、蓄電装置304を充放電させる構成とした。しかし、調整指示部415が、蓄電装置304に充放電指示する態様は任意であり、配電線の電圧の許容範囲が、蓄電装置304の充放電により変動する電圧に比して余裕がある場合等においては、上記のように調整計画を算出する必要はなく、できるだけ不足電力量Q又は余剰電力量Qが小さくなるように、複数の蓄電装置304を一括して充放電させる制御を行ってもよい。又、配電線に供給している電力供給量を参照しながら、逐次、蓄電装置304に充放電指示を行ってもよい。
又、上記各実施形態では、電力系統制御装置400の記憶部420が有するデータを一の装置に蓄積し、又、制御部410が有する機能を一の装置で実現する構成とした。しかし、電力系統制御装置400は、複数の装置により実現されてもよく、各機能構成を、複数の装置が分散して有していてもよい。又、これらのデータの記憶領域を複数の場所に分散して記憶してもよく、例えば、複数のコンピュータから構成されるクラウドシステム上に分散して記憶される構成であってもよい。
上記各実施形態は、以下の記載により特定される発明を開示するものである。
前述した課題を解決する主たる本発明は、配電線(L1、L2、302等に対応する)に供給する電力供給量を監視し、各単位時間が経過する前に、当該単位時間においてその配電線に供給している電力供給量の実績値と、当該単位時間におけるその配電線に供給する電力供給量の計画値と、に基づいて、各単位時間あたりのその配電線に供給する電力供給量の実績値が、対応する単位時間におけるその配電線に供給する電力供給量の計画値に近づくように、その配電線に接続された複数の蓄電池Bを充放電させる制御部410を備えることを特徴とする電力系統制御装置400である。これによって、単位時間あたりの電力供給量の計画誤差をなくす、又は少量に低減することができる。特に、配電線に接続された複数の蓄電池を利用して、当該計画誤差の調整を行うことから、局所的な電圧調整を行うことが可能となるとともに、迅速な調整を行うことができる。
ここで、制御部410は、各単位時間が経過する前の第1のタイミング(t1)で、当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値(発電計画データ421の一部に対応する)と、当該単位時間においてその配電線に供給している電力供給量の実績値(供給電力データ422の一部に対応する)と、に基づいて、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する計画誤差算出部414と、第1のタイミング(t1)後、当該単位時間内に、その計画誤差となり得る電力供給量Qを補うように複数の蓄電池Bを充放電させる調整指示部415と、を有するものであってもよい。
又、調整指示部415は、複数の蓄電池B夫々の充放電可能量(蓄電装置データ423)と、計画誤差となり得る電力供給量Qと、に基づいて、複数の蓄電池Bに充放電させる電力の合計が、当該単位時間における充放電する時間内で平均的になるように、当該単位時間内に計画誤差となり得る電力供給量Qを補うための調整計画を算出し、当該調整計画に従って複数の蓄電池Bを充放電させるものであってもよい。これによって、供給する電力の急激な周波数変動や電圧変動を防止することができる。
又、制御部410は、更に、配電線の各地点の電圧を監視する電圧監視部413を備え、調整指示部415は、複数の蓄電池B夫々の充放電可能量及びその配電線への接続位置と、配電線の各地点の電圧と、計画誤差となり得る電力供給量Qと、に基づいて、複数の蓄電池Bを充放電させたときの配電線の各地点の電圧が所定の許容範囲に収まるように、当該単位時間内に計画誤差となり得る電力供給量Qを補うための調整計画を算出し、当該調整計画に従って複数の蓄電池Bを充放電させるものであってもよい。これによって、供給する電力の電圧が許容範囲を逸脱することを防止することができる。
又、配電線には、少なくとも一の太陽光発電装置305が接続されるものであってもよい。
又、複数の蓄電池Bの少なくとも一部は、顧客が保有するものであって、調整指示部415は、複数の蓄電池Bのうち顧客が保有するものについては、当該顧客が、蓄電池Bの充放電の制御を当該電力系統制御装置400に委ねる旨を登録することにより定められる、複数の蓄電池B夫々の充放電可能量及び充放電可能日時に基づいて、上記の調整計画を算出し、複数の蓄電池Bを充放電させるものであってもよい。これによって、顧客の都合に応じた蓄電装置304の充放電制御を可能としながら、一元的に複数の蓄電装置304の充放電制御が可能となり、電力系統の効率的な運用を図ることができる。
又、複数の蓄電池Bの少なくとも一部は、顧客が保有する電気自動車に積載された蓄電池であってもよい。
又、計画誤差算出部414は、各単位時間が経過する前の第1のタイミング(t1)で、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値に基づいて、当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の予測値を算出し、当該電力供給量の予測値と当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値との差分値を、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量Qとして算出するものであってもよい。これによって、計画誤差となり得る電力供給量Qをより低減することができる。
又、計画誤差算出部414は、各単位時間が経過する前の複数のタイミングで、当該単位時間における配電線に供給する電力供給量の計画値と、当該単位時間において配電線に供給している電力供給量の実績値と、に基づいて、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量Qを算出し、調整指示部415は、該計画誤差となり得る電力供給量Qが一定値を超えたときを第1のタイミング(t1)として、当該第1のタイミング後、当該単位時間内に、計画誤差となり得る電力供給量Qを補うように複数の蓄電池Bを充放電させるものであってもよい。これによって、配電線に供給する電力供給量に伴う急激な電圧変動の低減、及び計画誤差となり得る電力供給量の確実な低減を図ることができる。
又、単位時間は、一時間以内の時間であってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
100 発電機
200 電圧調整用変圧器
300 需要家群
301 柱上変圧器
302 低圧配電線
303 需要家
304 蓄電装置
305 太陽光発電装置
400 電力系統制御装置
LL 高圧母線
L1、L2 高圧配電線
T1、T2、T3、T4、T5 計測装置
t1 調整開始タイミング
t2 調整終了タイミング

Claims (8)

  1. 配電線に供給する電力供給量を監視し、各単位時間が経過する前の第1のタイミングで、当該単位時間において前記配電線に供給している電力供給量の実績値と、当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値と、に基づいて、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出する計画誤差算出部と、
    前記配電線の各地点の電圧を監視する電圧監視部と、
    各単位時間あたりの前記配電線に供給する電力供給量の実績値が、対応する単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値に近づくように、前記第1のタイミング後、当該単位時間内に、前記計画誤差となり得る電力供給量を補うように複数の蓄電池を充放電させる調整指示部と、
    を備え、
    前記調整指示部は、前記複数の蓄電池夫々の充放電可能量及び前記配電線への接続位置と、前記配電線の各地点の電圧と、前記計画誤差となり得る電力供給量と、に基づいて、前記複数の蓄電池を充放電させたときの前記配電線の各地点の電圧が所定の許容範囲に収まるように、当該単位時間内に前記計画誤差となり得る電力供給量を補うための調整計画を算出し、当該調整計画に従って前記複数の蓄電池を充放電させる
    ことを特徴とする電力系統制御装置。
  2. 前記調整指示部は、前記複数の蓄電池夫々の充放電可能量と、前記計画誤差となり得る電力供給量と、に基づいて、前記複数の蓄電池に充放電させる電力の合計が、当該単位時間における充放電する時間内で平均的になるように、当該単位時間内に前記計画誤差となり得る電力供給量を補うための調整計画を算出し、当該調整計画に従って前記複数の蓄電池を充放電させる
    ことを特徴とする請求項に記載の電力系統制御装置。
  3. 前記配電線には、少なくとも一の太陽光発電装置が接続される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力系統制御装置。
  4. 前記複数の蓄電池の少なくとも一部は、顧客が保有するものであって、
    前記調整指示部は、前記複数の蓄電池のうち顧客が保有するものについては、当該顧客が、蓄電池の充放電の制御を当該電力系統制御装置に委ねる旨を登録することにより設定される、前記複数の蓄電池夫々の充放電可能量及び充放電可能日時に基づいて、前記調整計画を算出する
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の電力系統制御装置。
  5. 前記複数の蓄電池の少なくとも一部は、顧客が保有する電気自動車に積載された蓄電池である
    ことを特徴とする請求項に記載の電力系統制御装置。
  6. 前記計画誤差算出部は、各単位時間が経過する前の前記第1のタイミングで、当該単位時間において前記配電線に供給している電力供給量の実績値に基づいて、当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の予測値を算出し、当該電力供給量の予測値と当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値との差分値を、前記計画誤差となり得る電力供給量として算出する
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の電力系統制御装置。
  7. 前記計画誤差算出部は、各単位時間が経過する前の複数のタイミングで、当該単位時間における前記配電線に供給する電力供給量の計画値と、当該単位時間において前記配電線に供給している電力供給量の実績値と、に基づいて、当該単位時間において発電計画に対して計画誤差となり得る電力供給量を算出し、
    前記調整指示部は、前記計画誤差となり得る電力供給量が一定値を超えたときを前記第1のタイミングとして、前記第1のタイミング後、当該単位時間内に、前記計画誤差となり得る電力供給量を補うように前記複数の蓄電池を充放電させる
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の電力系統制御装置。
  8. 前記単位時間は、一時間以内の時間である
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電力系統制御装置。
JP2014260750A 2014-12-24 2014-12-24 電力系統制御装置 Active JP5951747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014260750A JP5951747B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 電力系統制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014260750A JP5951747B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 電力系統制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016123171A JP2016123171A (ja) 2016-07-07
JP5951747B2 true JP5951747B2 (ja) 2016-07-13

Family

ID=56327642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014260750A Active JP5951747B2 (ja) 2014-12-24 2014-12-24 電力系統制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5951747B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6798160B2 (ja) * 2016-06-30 2020-12-09 東京電力ホールディングス株式会社 充放電指示装置及び充放電指示プログラム
ES2874544T3 (es) * 2016-10-14 2021-11-05 Toshiba Mitsubishi Elec Ind Sistema de conversión de potencia, sistema de suministro de potencia, y aparato de conversión de potencia
JP6835666B2 (ja) * 2017-05-31 2021-02-24 三菱重工業株式会社 調整方法、制御装置、電力調整システム及びプログラム
JP7328803B2 (ja) * 2018-12-13 2023-08-17 積水化学工業株式会社 電力管理システム及び電力管理方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003250221A (ja) * 2002-02-21 2003-09-05 Sumitomo Electric Ind Ltd 給電方法及び給電システム
JP2004040956A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Osaka Gas Co Ltd 電力供給管理方法
JP4546389B2 (ja) * 2005-11-30 2010-09-15 日本電信電話株式会社 系統協調型変動抑制システムおよび出力変動抑制方法
JP2013118725A (ja) * 2011-12-01 2013-06-13 Osaka Gas Co Ltd 電力託送支援装置
JP2015139322A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 国立大学法人 東京大学 電力ネットワークシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016123171A (ja) 2016-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3469685B1 (en) Method and apparatus for controlling power flow in a hybrid power system
JP6025197B2 (ja) 電力制御システム及び方法
JP6081125B2 (ja) 太陽光発電装置および電力管理システム、並びに、そのための電力負荷と計測装置
WO2015200931A1 (en) Versatile site energy router
US11811234B2 (en) Techniques for electric power distribution and a system implementing the same
JPWO2014080599A1 (ja) 電力供給システム、電力変換装置、計測点切替装置
Choi Practical coordination between day-ahead and real-time optimization for economic and stable operation of distribution systems
JP5756903B2 (ja) 配電システム
JP2011254617A (ja) 充電制御システムおよび充電制御方法
JP5951747B2 (ja) 電力系統制御装置
JP6358530B2 (ja) コージェネレーション装置の制御装置、およびコージェネレーション装置の制御方法
JP2012249500A (ja) 電力系統管理システム及び電力系統の管理方法
JP2013198177A (ja) 電力系統制御装置及び電力系統制御方法
US20230145630A1 (en) Aggregating capacity for depot charging
JP2012253851A (ja) ホームエネルギーマネジメントシステム
JP6075348B2 (ja) 電圧調整装置
JP6296910B2 (ja) 電力需給システム
JP2015139322A (ja) 電力ネットワークシステム
JP2017118610A (ja) 制御システム、制御方法及びプログラム
JP2018098951A (ja) 電力制御システム、電力制御方法および管理制御センター装置
JPWO2013145205A1 (ja) 電力変換システム
El-Taweel et al. Multi-agent coordination of distributed energy storage systems for mitigating renewable energy resources high ramp-rate issues
JP5502112B2 (ja) 負荷管理システムおよび負荷管理方法
JP6936071B2 (ja) 発電設備の制御方法および発電設備の制御装置
JP2016025676A (ja) 蓄電池の充放電制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160608

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5951747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150