JP5951157B2 - 点検結果確認装置、点検結果確認方法、およびエレベーター - Google Patents
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Description
例えば、保守員が保持する携帯端末で保守作業の開始と終了を入力し、その間の作業履歴及び動作履歴と作業予定動作から作業の妥当性を検証することで、保全作業が適切に実施されたかを評価する昇降機の保全作業評価手段がある(特許文献1)。
この発明の実施の形態1では、例えば点検の機器がエレベーターであって、エレベーター制御装置の運転情報から、保守作業員によるエレベーターの点検作業が終了したことを判定し、保守作業が終了した点検項目を自動的に抽出する。そして、抽出した項目に対応してエレベーターを自動的に操作させる指示をエレベーター制御装置に送信し、エレベーター制御装置から取得した点検項目に対応する情報と、点検項目の基準値に基づいて点検作業の結果の良否を判定する点検結果確認装置である。このような点検結果確認装置について以下説明する。
図1において、エレベーターの点検結果確認装置1は、点検作業判定部2、点検結果判定部3、点検状態記憶部4から構成される。そして、点検結果確認装置1は、エレベーター制御装置5に接続されている。
点検結果確認装置1には、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置を搭載し、点検作業判定部2と点検結果判定部3は演算装置上のプログラムとして起動する。また、点検結果確認装置1の点検状態記憶部4としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、またはハードディスクなどを搭載する。
かご室6は、エレベーター制御装置5と巻上機9に接続されている。かご室6は、エレベーター制御装置5が巻上機9を制御することによって、エレベーターの昇降路11を上下方向に移動し、エレベーター制御装置5から指示された階床の乗場12で停止する。
着床プレート7は、各階に設置されている。かご室6が各階で停止した際に、着床プレート7がかご室6と接触することで、エレベーター制御装置5によってかご室6の停止が判断される。
巻上機9は、エレベーター制御装置5とかご室6に接続され、エレベーター制御装置5からの指示に従い、ロープ13の巻上を行うことでかご室6の移動を行う。
乗場表示装置10は、エレベーターの乗場12に設置された表示装置であり、エレベーター制御装置5と接続され、エレベーター制御装置5から入力された情報を表示する。
尚、点検結果確認装置1はエレベーターの外部に設置されてもよく、エレベーターに組み込まれていてもよい。
点検作業判定部2は、エレベーター制御装置5からエレベーターの運転情報を取得し、取得した運転情報から点検作業の開始と終了を判定する。点検作業の終了を判定すると、取得した運転情報から点検項目と点検終了日時を抽出する。そして、点検作業の終了の情報と点検項目、点検終了日時を点検結果判定部3に出力する。また、点検作業判定部2は、抽出した点検項目と点検終了日時を点検状態記憶部4に出力して記憶させる。
図2は、この発明の実施の形態1に係る点検結果確認装置1の点検状態記憶部4に記憶されている保守履歴記録テーブル4aと点検項目基準情報テーブル4bを示す。
点検項目基準情報テーブル4bには、予め設定された点検項目と点検項目の基準値(例えば、国ごとに定められている法定基準値、安全基準値、またはメーカーごとに定められた基準値)が記憶されている。
以上が、点検結果確認装置1に関する構成の説明である。
図3は、この発明の実施の形態1に係る点検結果確認装置1のフローチャートである。
はじめに、点検作業判定部2が点検状態記憶部4の保守履歴記録テーブル4aの初期設定を行う(S1)。点検結果判定部2は、図2に示す保守履歴記録テーブル4aの点検項目、点検箇所の階床名、点検箇所の点検終了日時、点検箇所の計測値、点検結果の良否のデータを初期化する。
点検作業判定部2が点検作業の開始を判定するには、エレベーター制御装置5から取得したエレベーターの運転情報から運転状態が特定の条件となるか否かによって判定する。例えば、エレベーターのかご室6が各階床に順番に停止している場合、または一定時間エレベーターの運行が停止している場合、または自動運転から手動運転に移行した場合などに点検作業が開始されたと判定する。
点検作業判定部2が点検作業の終了を判定するには、エレベーター制御装置5から取得したエレベーターの運行情報から運行状態が特定の条件となるか否かによって判定する。例えば、エレベーターのかご室6が各階床に順番に停止する状態が終了した場合、または一定時間停止していたエレベーターの運行が再開した場合、または手動運転から自動運転に移行した場合などに点検作業が終了したと判定する。
S3で点検作業判定部2が点検作業の終了を判定すると、エレベーター制御装置5から取得した運転情報から点検箇所と点検箇所の点検終了日時の情報を抽出し、これらの情報を点検結果判定部3に出力する。また、点検作業判定部2は、点検状態記憶部4の保守履歴記録テーブル4aに、抽出した点検箇所の保守履歴があるか否かを判定する(S4)。
S3で、点検作業判定部2が点検作業の終了を判定しなければ、再度S3の処理に戻り、エレベーター制御装置5から取得した次の運転情報で点検作業が終了したか否かを判定する。
S4で保守履歴記録テーブル4aに点検作業判定部2が抽出した点検箇所の点検履歴がないと判定すると、抽出した点検箇所の階床名(点検箇所)を新規作成して、点検終了日時を出力して記憶する(S6)。
そして、取得した計測値が点検状態記憶部4に予め記憶されている基準値の範囲内か否かを判定する(S8)。
計測値が基準値の範囲内でなければ、点検結果を否と判定し、エレベーター制御装置5を介して、点検結果が否という点検結果を乗場表示装置10に表示する(S9)。また、点検結果判定部3は、点検結果を点検状態記憶部4に記憶する。
点検結果判定部3がエレベーター制御装置5に指示する点検箇所に対応した機器の操作は、例えば、かごのドアの開閉、乗場ドアの開閉、かごの操作盤の表示、ブレーキの制動、乗場操作盤の表示がある。
図2の点検項目基準値テーブル4bに示すように、着床状態の基準値が75であるとする。
点検作業判定部2により、点検箇所の点検終了日時が2013年8月23日9:30に点検作業が終了したと判定したとすると、S8の基準値との比較で、点検結果が否と判定される。すると、点検結果判定部3は、エレベーター制御装置5を介して点検結果が否という点検結果を乗場表示装置10に表示して保守作業員に示す。
エレベーターのかご室6の着床状態について、保守作業が正確に行われたか否かを保守員が認識できずに、点検箇所の処置が未完了のまま点検作業を終えた場合、エレベーターに乗り込む乗客の転倒、またはエレベーターに積み込む貨物の転落が生じる。
図4は、点検作業判定部2が、例えば、エレベーターの保守作業が完了し、手動運転から自動運転に切り替わったことにより、かご室6の着床状態の点検作業が終了したことを判定したとして、図2のS5またはS6以降の処理を示す。
点検結果判定部3は、点検作業判定部2から点検項目として、着床状態の情報が入力されると、エレベーター制御装置5に着床状態を確認する点検箇所の階床とかご室6の移動を指示する。ここでは、まず点検箇所の階床として最下階を指示したとする(S701)。
床合せ補正装置は、かご室6と乗場12との段差(計測値)が基準値の範囲内であれば動作せず、基準値の範囲内でなければ動作する。
床合せ補正装置が動作した場合、かご室6と乗場12との段差(計測値)が基準値の範囲内ではないことになる。そこで、点検結果判定部3は、床合せ補正装置の動作情報から床合せ補正装置が動作したという情報が入力されたと判定すると、エレベーター制御装置8を介して、現在の階床と点検結果が否であるという情報を乗場表示装置10に出力して表示する(S703)。また、現在の階床と床合せ補正装置動作結果を点検状態記憶部4に出力して記憶させる。
最上階でなければ、点検結果判定部3は、かご室6を1階床上に移動する指示をエレベーター制御装置5に送信し、エレベーター制御装置5がかご室6を1階床上に移動させるように制御する(S706)。そして、S702の処理に戻り床合せ補正装置の動作結果を取得して、床合せ補正装置が動作したか否かを判定する。
最上階であれば、点検箇所の動作結果の取得を終了する。
また、点検結果の良否の判定結果を表示するとして説明したが、例えば着床状態の点検結果であれば、点検が不良の階床名を表示するようにしてもよい。これにより、エレベーターの着床状態の点検が完了していない階床を通知して、保守員に再点検を促すことができる。
例として、例えばビル設備、FA(Factory Automation)の生産ライン、化学・金属プラント、また列車などがある。
この発明の実施の形態2では、点検に関する点検文書の情報から点検項目と点検項目の基準値を解析する点検項目解析部が更に追加された構成について説明する。
点検項目解析部14は、例えば国ごとに定められている法定基準値、安全基準値、またはメーカーごとに定められた基準値の情報を含む点検文書のデータから点検項目と基準値を解析する。そして解析した点検項目と基準値を点検情報記憶部4に出力して記憶する。
点検文書記憶部15には、上記点検文書の電子データが記憶され、点検項目解析部14から点検文書のデータが参照される。
実施の形態1の構成と同様のものは、同様の番号を付し説明を省略する。
この発明の実施の形態3では、エレベーター制御装置から取得した計測値が基準値の範囲であるか否かを判定した後、更に過去の計測値との乖離が複数回生じれば点検結果が否と判定する例について説明する。
図6は、この発明の実施の形態3に係る点検結果確認装置1のフローチャートである。
S8までは、図3と同様であるため説明を省略する。
S8で、点検結果判定部3は、エレベーター制御装置5から取得した点検箇所の計測値が基準値の範囲内か否かを判定する。
基準値の範囲内であれば、点検結果判定部3は、点検結果が良であると判定し(S9)、エレベーター制御装置5を介して点検結果を乗場表示装置10に表示する。また、点検状態記憶部4に点検結果を出力して記憶する。
取得した計測値が履歴値と予め設定された範囲で乖離していなければ、点検結果が良と判定し(S9)、エレベーター制御装置5を介して点検結果を乗場表示装置10に表示する。また、点検状態記憶部4に点検結果を出力して記憶する。
取得した計測値が、履歴値と予め設定された範囲で乖離していれば、再度点検箇所に対応する操作をエレベーター制御装置5に指示し、点検箇所の計測値を取得する(S11)。
乖離していなければ点検結果が良と判定し(S12)、エレベーター制御装置5を介して点検結果を乗場表示装置10に表示する。また、点検状態記憶部4に点検結果を出力して記憶する。
乖離していれば点検結果が不良と判定し(S13)、エレベーター制御装置5を介して点検結果を乗場表示装置10に表示する。また、点検状態記憶部4に点検結果を出力して記憶する。
点検状態記憶部4に記憶されている点検項目基準値テーブル4bの着床状態の基準値は75であるとする。
点検箇所の点検終了日時が2013年8月23日9:30に点検を実施した際、S8の基準値との比較で、点検結果が不良と判定される。すると、点検結果判定部3は、エレベーター制御装置5に点検箇所に対応する操作の指示を送信し、エレベーター制御装置5から点検箇所の計測値を再度取得する。
2013年8月23日9:30の点検箇所の計測値と過去3世代分の点検箇所の計測値とが予め設定された例えば20という範囲で乖離していたとする。
Claims (7)
- 機器を制御する機器制御装置から機器の運転情報を取得して点検作業の終了を判定し、前記運転情報から点検項目を抽出して出力する点検作業判定部と、
該点検作業判定部から入力された点検項目に対応して、前記機器を操作する指示を前記機器制御装置に送信し、前記機器制御装置から取得した前記機器の点検項目に対応する情報と、設定された点検基準の情報に基づいて前記点検作業の結果を判定し、前記機器制御装置を介して前記機器に接続された表示装置に判定結果を出力する点検結果判定手段と
を備えたことを特徴とする点検結果確認装置。 - 前記点検結果判定手段は、前記点検作業判定部から入力された点検項目に対応して、前記機器を操作する指示を前記機器制御装置に送信し、前記機器の点検項目に対応して前記点検基準に基づいて動作する前記機器の動作情報を前記機器制御装置から取得し、当該動作情報に基づいて前記点検作業の結果を判定することを特徴とする請求項1に記載の点検結果確認装置。
- 前記点検作業判定部は、前記運転情報から点検終了日時を更に抽出し、
前記点検作業判定部から前記点検項目と前記点検終了日時が入力され、前記点検結果判定手段から前記点検項目に対応する計測値が入力されて記憶する点検情報記憶部を更に備え、
前記点検結果判定手段は、前記点検作業の結果が不良と判定すると、再度前記点検項目に対応して前記機器を操作する指示を前記機器制御装置に送信し、前記機器制御装置から取得した前記点検項目に対応する計測値と過去の前記点検項目に対応する計測値が設定された範囲で乖離していれば、前記点検作業の結果が不良であるという判定結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の点検結果確認装置。 - 前記点検基準の情報を含む点検情報から前記点検項目と前記点検基準の情報を解析し、解析した前記点検項目と前記点検基準の情報を点検情報記憶部に記憶する点検項目解析手段を更に備え、
前記点検結果判定手段は、前記点検情報記憶部に記憶された前記点検基準の情報に基づいて前記点検作業の結果を判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の点検結果確認装置。 - 前記機器はエレベーター、前記機器制御装置はエレベーター制御装置であり、
前記点検結果判定手段は、エレベーターのかご室の着床状態を確認する操作を前記機器制御装置に送信し、エレベーターのかご室の着床位置を補正する床合せ補正装置の動作情報を前記エレベーター制御装置から取得して、当該動作情報に基づいて判定した点検作業の判定結果を出力することを特徴とする請求項2に記載の点検結果確認装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の点検結果確認装置を備えたことを特徴とするエレベーター。
- 機器を制御する機器制御装置を介して、前記機器の点検作業の結果を確認する点検結果確認装置の点検結果確認方法であって、
前記機器制御装置から前記機器の運転情報を取得して点検終了を判定し、前記運転情報から点検項目を抽出して出力する点検作業判定ステップと、
該点検作業判定ステップで抽出した点検項目に対応して前記機器を操作する指示を前記機器制御装置に送信し、前記機器制御装置から取得した前記機器の点検項目に対応する情報と、設定された点検基準の情報に基づいて点検作業の結果を判定し、前記機器制御装置を介して前記機器に接続された表示装置に判定結果を出力する点検結果判定ステップと
を備えたことを特徴とする点検結果確認方法。
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