JP5950889B2 - 電線接続方法 - Google Patents

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この発明は、例えば、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線において、絶縁被覆の先端側を剥いで導体を露出させた導体露出部同士を導電可能に接続するような電線接続構造体及び電線接続方法に関する。
近年、自動車には様々な電気回路を備えた電気機器が装備されており、このような電気機器は、自動車に配索されるワイヤハーネスによって互いに接続され、信号の送受信や電力の供給を行っている。
上述のワイヤハーネスを構成する複数の被覆電線の中には、該被覆電線の導体露出部同士をジョイント端子によって導電可能に接続されるものがある。導体露出部同士をジョイント端子で接続する場合において、各電気機器が信号の送受信や電力の供給を行うために、導体露出部同士をジョイント端子で確実に導電させる必要があり、そのために様々な電線接続構造体が提案されている。
特許文献1に開示されているジョイント構造もそのひとつである。
特許文献1に記載のジョイント端子は、オープンバレル型の端子であり、圧着接続する圧着部に加締め片を有している。そして、この加締め片は、導体露出部の方向へ折り返して、複数の被覆電線における導体露出部を加締めることで、導体露出部同士を導電可能に接続するとされている。
このジョイント端子は、導体を銅、または銅合金で構成した複数の被覆電線を加締めたり、導体をアルミニウム合金で構成した複数の被覆電線を加締めたり、さらには、導体を銅、または銅合金で構成した被覆電線と、導体をアルミニウム合金で構成した被覆電線とを同時に加締めたりすることができると考えられる。
しかしながら、導体を構成する多くの金属は、空気中の酸素と結合することによって、導体の表面に酸化被膜(酸化皮膜)を形成する。
この酸化被膜は、導体露出部同士の間に介在することによって、導体露出部同士の伝導性を低下させるおそれがある。
特に、アルミニウムは、化学親和力(イオン化傾向)が大きい特性であるため、導体をアルミニウム合金で構成した被覆電線の場合、導体露出部の表面には、空気中の酸素によって酸化した酸化被膜が形成される。
導体露出部の表面に形成された酸化被膜を除去するためには、例えば、ジョイント端子と導体露出部同士とを、圧縮率が約50%以上になるように圧着して酸化被膜を破壊するなどの対策をとる必要があるが、特許文献1に記載するようなオープンバレル型のジョイント端子の場合は、導体露出部の方向へ加締め片を折り返して圧着するため、加締め片の折返し具合によっては、所望する形状を確保できずに、導体露出部同士の導電性を確保することができないおそれがある。
特開平9−129275号公報
そこで本発明は、導体露出部同士とジョイント端子との接続において、導体露出部の表面に形成された酸化被膜による導電性低下を低減することができる電線接続構造体及び電線接続方法を提供することを目的とする。
この発明は、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端側を所定長さ分剥いで前記導体を露出させるとともに、外周に酸化被膜が形成された複数の導体露出部を管状のジョイント端子に配置する導体露出部配置工程と、前記ジョイント端子に配置された前記導体露出部における前記酸化被膜による導電性低下を抑制して、前記導体露出部同士と管状の前記ジョイント端子とを導電可能に接続する接続工程とをこの順に行い、前記接続工程において、軸方向に沿った断面において、径方向内側に突出する凸部と径方向外側に凹んだ凹部とが連続する曲線波状を形成するように軸方向に沿って交互に配置されるとともに、前記軸方向の両端に凸部の先端より径方向外側に軸方向に沿って配置された平坦部を有する圧着面を備えた端子圧着型により、軸方向に沿った断面において前記軸方向に連続する曲線波状となる断面波状且つ軸方向に交差する断面において管状の圧着形状で前記導体露出部同士と前記ジョイント端子とを圧着するとともに、少なくとも前記導体露出部に振動を付与しながら、前記導体露出部と前記ジョイント端子とを圧着接続する電線接続方法であることを特徴とする。
この発明により、導体露出部の表面に形成された酸化被膜による導電性低下を抑制し、導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
詳述すると、導体を構成する多くの金属は、空気中の酸素と結合し、酸化することによって、導体の表面に酸化被膜を形成する。
この酸化被膜は、導体露出部同士の間に介在することによって、導体露出部同士の導電性を低下させるおそれがある。
しかし、本発明は、酸化被膜による導電性低下を抑制した状態で導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
また、前記接続工程において、少なくとも前記導体露出部に振動を付与しながら、前記導体露出部と前記ジョイント端子とを圧着接続することにより、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を確実に除去し、導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
詳述すると、導体露出部同士は、振動を付与しながら圧着することによって、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を、より容易に破壊することができるため、導体露出部同士を、より確実に導電可能に接続することができる。
また、導体露出部は、振動を付与しながら圧着することによって、互いの隙間を埋めるように配置を微調整した状態で圧着されるため、導体露出部同士は、互いに接触する接触面積が増大し、確実に導電することができる。
一方、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着することで、圧着状態のジョイント端子の形状を一様にすることが困難であるオープンバレル型のジョイント端子と比較して、管状のジョイント端子は、全周から一様に圧着することができる。
これにより、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を偏りなく破壊し、さらには、導体露出部同士の接触面積を増大させたりすることができるため、導体露出部同士は導電性を確保することができる。
なお、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着する場合において、圧縮率を約50%以上に設定することが好ましい。
これにより、導体露出部の表面に形成された酸化被膜は、圧着によって容易に破壊されるためである。
また、前記導体露出部同士と、該導体露出部を内部に配置した前記ジョイント端子とが、軸方向に沿った断面において波状となる断面波状の圧着形状で導電可能に圧着接続されているため、導体露出部が破損することなく、導体露出部同士とジョイント端子とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、軸方向に沿った断面において波状となる断面波状とは、ジョイント端子の中心側に突出する突出部分と突出しない非突出部分とが、軸方向または周方向において交互に配置された形状のことであって、導体露出部とジョイント端子との圧着形状を、上述のように、断面波状に形成することにより、導体露出部同士は、突出部分において、非突出部分よりも強い圧力で圧着される。
これにより、導体露出部同士は、突出部分において、非突出部分よりも強い圧力で圧着されるため、突出部分は、酸化被膜による導電性低下を抑制する手段として、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を破壊し、導体露出部同士を導電可能に接続させることができる。
さらに、導体露出部同士は、突出部分により、導体露出部同士の間に生じた隙間を圧着によって押し潰すため、導体露出部同士は、互いに接触する接触面積が増大し、導電性を確保することができる。
一方、非突出部分は、突出部分よりも弱い圧力で圧着されるため、被覆電線の導体露出部を圧着する際に、導体露出部が破損することなく、導体露出部同士を圧着状態で確実に保持することができる。
つまり、突出部分は、いわゆる強圧着部として、導体露出部同士とジョイント端子との導電を確実に行い、非突出部は、いわゆる弱圧着部として、導体露出部同士とジョイント端子との圧着状態を保持する。
なお、被覆電線を構成する導体は、銅や銅合金、アルミニウム合金などの導電性を有する様々な金属で構成することができる。
さらに、導電可能に接続するとは、溶着や圧着によって導体露出部同士をジョイント端子で導電可能に接続することや、例えば、導電性を有する金属や樹脂を溶融した状態でジョイント端子の内部に流し込んで導体露出部同士を導電可能に接続することを含む概念である。
例えば、導体露出部同士とジョイント端子とを溶着することで、導体露出部を溶融状態に状態変化させることで酸化被膜を除去し、導体露出部同士の接触面積を増大させるように一体化するため、導体露出部同士は導電性を確保することができる。
なお、溶着とは、超音波振動溶接によって、中心側被覆電線と外側被覆電線との導体露出部同士を接続することはもちろん、該導体露出部とジョイント端子とを接続する概念を含む。
したがって、導体露出部を構成する材質の融点よりも、高い融点の材質で構成したジョイント端子の場合は、導体露出部同士を溶着によって導電可能に接続することができる。
この発明の態様として、前記被覆電線を、中心側被覆電線と複数の外側被覆電線とで構成し、前記導体露出部配置工程において、前記中心側被覆電線を、前記ジョイント端子の径方向における中心側に配置し、前記外側被覆電線を、前記中心側被覆電線の周囲であるとともに、該中心側被覆電線の軸に沿って配置することができる。
この発明により、上述のように、酸化被膜による導電性低下を抑制した状態で接続したため、ジョイント端子と直に接触する外側被覆電線の導体露出部同士はもちろん、ジョイント端子と直に接触しない中心側被覆電線の導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
また、この発明の態様として、前記ジョイント端子を、導電可能に接続する状態で、先端側に向けて細くなる先細り形状で形成するとともに、前記中心側被覆電線の前記導体露出部を、前記外側被覆電線の前記導体露出部より長く形成し、前記導体露出部配置工程を、前記外側被覆電線の前記導体露出部より先端側に前記中心側被覆電線の前記導体露出部が突出するように行うことができる。
この発明により、中心側被覆電線の導体露出部と外側被覆電線とは、ジョイント端子を介して、確実に導電可能に接続することができる。
また、この発明の態様として、前記導体露出部配置工程において、帯状導電部材に、前記被覆電線の前記導体露出部を並列配置し、前記導体露出部とともに前記帯状導電部材を巻き回して前記ジョイント端子を構成する巻き付け工程を前記導体露出部配置工程と接続工程の間に行うことができる。
この発明により、すべての導体露出部を、ジョイント端子を介して確実に導電可能に接続することができる。
また、導体露出部を帯状導電部材に並列配置し、導体露出部とともに帯状導電部材を巻き回してジョイント端子を構成するため、帯状導電部材に対して、導体露出部を任意の配置位置に配置し易くなり、さらには、ジョイント端子の内部に導体露出部を挿入するよりも、該導体露出部が曲がるなどして破損することなく、ジョイント端子の内部に導体露出部をスムーズに配置することができる。
また、この発明の態様として、前記接続工程において、少なくとも前記導体露出部を加熱しながら、前記導体露出部と前記ジョイント端子とを圧着接続することができる。
この発明により、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を確実に除去し、導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
詳述すると、導体露出部同士は、加熱しながら圧着することによって、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を、より容易に破壊することができるため、導体露出部同士を、より確実に導電可能に接続することができる。
また、仮に、導体露出部同士の接触面積が小さくても、導体露出部を加熱しながら圧着することによって、圧着される導体露出部の変形性が向上するため、導体露出部同士を圧着する際の圧力によって、導体露出部同士は、該導体露出部同士の接触面積が増大するように変形し、導電性を向上することができる。
なお、導体露出部同士とジョイント端子とのうち少なくとも導体露出部同士を加熱することができればよいが、導体露出部同士とともにジョイント端子を加熱してもよい。
なお、前記被覆電線を、前記ジョイント端子の径方向における中心側に配置する中心側被覆電線と、該中心側被覆電線の周囲であるとともに、該中心側被覆電線の軸に沿って配置する複数の外側被覆電線とで構成することにより、上述のように、酸化被膜による導電性低下を抑制した状態で接続したため、ジョイント端子と直に接触する外側被覆電線の導体露出部同士はもちろん、ジョイント端子と直に接触しない中心側被覆電線の導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
詳述すると、外側被覆電線の導体露出部は、ジョイント端子と直に接触するため、導体露出部同士の接触による導電するに加えて、ジョイント端子を介して導体露出部同士が導電することができる。
これに対して、中心側被覆電線の導体露出部は、ジョイント端子と直に接触せず、導体露出部のみと接触する。
さらに、導体露出部の表面には、酸化被膜が形成されているため、ジョイント端子と直に接触しない中心側被覆電線の導体露出部は、ジョイント端子を含めて他の被覆電線の導体露出部と接触する外側被覆電線の導体露出部と比較して、電気抵抗値が上昇する傾向があり、十分な導電性を確保することができないおそれがある。
しかし、導体露出部同士を、上述したように、導体露出部の表面に形成された酸化被膜による導電性低下を抑制した状態で導電可能に接続することで、中心側被覆電線の導体露出部が、ジョイント端子を介さずに他の被覆電線における導体露出部と接触しても、導体露出部同士を導電可能に接続することができる。
なお、中心側被覆電線は、導体露出部がジョイント端子と直に接触しない被覆電線のことであって、1本のみならず複数本でもよい。
さらに、外側被覆電線は、導体露出部がジョイント端子と直に接触する被覆電線のことである。
さらにまた、中心側被覆電線の軸に沿って配置するとは、中心側被覆電線の軸に沿って外側被覆電線を配置していれば、中心側被覆電線と外側被覆電線を、同方向に配置してもよいし、互いの導体露出部の先端側が対向するように配置してもよい。
た、前記中心側被覆電線と前記ジョイント端子とを導電可能に接続する導電補助部材を前記ジョイント端子の内部に備えることにより、中心側被覆電線の導体露出部は、直に外側被覆電線の導体露出部と接触するに加えて、導電補助部材を介して外側被覆電線の導体露出部と接触するため、導体露出部同士を確実に導電可能に接続することができる。
詳述すると、中心側被覆電線の導体露出部は、上述したように、ジョイント端子と直に接触する外側被覆電線の導体露出部とは異なり、ジョイント端子と直に接触することがない。
しかし、本発明は、ジョイント端子の内部に導電補助部材を備えたことで、該導電補助部材を、酸化被膜による導電性低下を抑制する手段として、中心側被覆電線と導電補助部材とを導電可能に接続し、ジョイント端子と導電補助部材とを導電可能に接続することができる。
したがって、中心側被覆電線の導体露出部と外側被覆電線の導体露出部とは、導電補助部材とジョイント端子とを介して、導電可能に接続することができる。
なお、導電補助部材は、被覆電線の導体露出部とジョイント端子とを導電させることができれば、ジョイント端子と別体で構成してもよいし、一体で構成してもよい。
さらに、導電補助部材は、導電性を有する薄肉で板状、或いは箔で構成してもよく、この場合は、導電補助部材の面上に中心側被覆電線の導体露出部及び外側被覆電線の導体露出部を並列配置し、該導体露出部とともに導電補助部材を巻き回して、管状のジョイント端子の内部に挿入してもよい。
た、前記ジョイント端子を、導電可能に接続した状態で、先端側に向けて細くなる先細り形状で形成することにより、導体露出部が破損することなく、導体露出部同士とジョイント端子とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、例えば、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着によって導電可能に接続する場合、ジョイント端子は、先端側に向けて細くなる先細り形状で形成することにより、導体露出部同士は、ジョイント端子の先端側において、基端側よりも強い圧力で圧着される。
導体露出部は、ジョイント端子の先端側において、基端側よりも強い圧力で圧着されるため、導体露出部の表面に形成された酸化被膜を破壊し、導体露出部同士を導電可能に接続させることができる。
さらに、導体露出部同士は、ジョイント端子の先端側において、導体露出部同士の間に生じた隙間を圧着によって押し潰すため、導体露出部同士は、互いに接触する接触面積が増大し、導電性を確保することができる。
一方、ジョイント端子の基端側は、先端側よりも弱い圧力で圧着されるため、被覆電線の導体露出部を圧着する際に、導体露出部が破損することなく、導体露出部同士を圧着状態で確実に保持することができる。
つまり、ジョイント端子の先端側は、いわゆる強圧着部として、導体露出部同士及びジョイント端子の導電を確実に行い、基端側は、いわゆる弱圧着部として、導体露出部同士とジョイント端子との圧着状態を保持する。
た、前記ジョイント端子に、先端側に向かって段階的に縮径する縮径部を備え、該縮径部の内面側に、中心に向かって突出する角を設けることにより、導体露出部同士とジョイント端子とを、該ジョイント端子の角で確実に導電可能に接続することができる。
詳述すると、ジョイント端子は、中心に向かって突出する角を備えたことにより、中心側被覆電線と外側被覆電線の導体露出部をジョイント端子の角に食い込ませるように接触させることができるため、中心側被覆電線と外側被覆電線との導体露出部同士は、ジョイント端子を介して確実に導電することができる。
また、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着する場合、ジョイント端子は、縮径部を有しており、該縮径部を他の部位よりも強い圧力で圧着するため、中心側被覆電線と外側被覆電線との導体露出部の表面に形成された酸化被膜を破壊し、導体露出部同士の間に生じた隙間を圧着によって押し潰すことができる。
したがって、中心側被覆電線と外側被覆電線との導体露出部同士は、表面に形成された酸化被膜を破壊した状態で、互いに接触する接触面積が増大し、導電することができる。
た、前記中心側被覆電線の前記導体露出部を、前記外側被覆電線の前記導体露出部より長く形成するとともに、前記外側被覆電線の前記導体露出部より先端側に前記中心側被覆電線の前記導体露出部が突出するように配置することにより、中心側被覆電線の導体露出部と外側被覆電線の導体露出部とは、ジョイント端子を介して確実に導電可能に接続することができる。
詳述すると、中心側被覆電線の導体露出部は、外側被覆電線の導体露出部より先端側に突出するように配置したことにより、ジョイント端子の先端側で、該ジョイント端子と直に接触して導電することができる。
これにより、中心側被覆電線の導体露出部は、ジョイント端子の先端側で、該ジョイント端子と直に導電可能に接続し、外側被覆電線の導体露出部は、先端側以外の箇所でジョイント端子と直に接触することができる。
したがって、中心側被覆電線と外側被覆電線との導体露出部同士は、ジョイント端子を介して確実に導電することができる。
た、前記ジョイント端子を、帯状導電部材を巻き回して形成し、前記帯状導電部材の隙間に複数の前記導体露出部を配置することにより、すべての導体露出部を、ジョイント端子を介して確実に導電可能に接続することができる。
詳述すると、例えば、帯状導電部材に導体露出部を並列配置した状態で、該導体露出部ごと帯状導電部材を巻き回して、該帯状導電部材を管状のジョイント端子に形成することにより、帯状導電部材を、酸化被膜による導電性低下を抑制する手段として、帯状導電部材に並列配置した導体露出部同士は、それぞれが直に接触する帯状導電部材を介して導体露出部同士の導電性を確保することができる。
お、帯状導電部材に導体露出部を配置した状態で、帯状導電部材ごと導体露出部を巻き回してもよく、或いは、帯状導電部材を巻き回して形成したジョイント端子において、帯状導電部材の隙間に導体露出部を挿入して配置してもよい。
さらに、中心側被覆電線の導体露出部及び外側被覆電線の導体露出部と帯状導電部材とを巻き付けて構成したジョイント端子の断面において、帯状導電部材の外形の管状部分はジョイント端子と同様の機能を有し、帯状導電部材の渦を巻く部分は導電補助部材と同様の機能を有する。
また、前記複数の被覆電線のうち少なくとも1本の前記被覆電線における前記導体をアルミニウム合金で形成することにより、複数の被覆電線に、化学親和力が大きい特性であるアルミニウム合金で構成した導体を有する被覆電線を含んだ場合であっても、導体露出部同士とジョイント端子とを、上述したように、酸化被膜による導電性低下を抑制したため、導体露出部同士とジョイント端子とを導電可能に接続することができる。
た、前記被覆電線と前記ジョイント端子とを、前記被覆電線の先端側と前記ジョイント端子の基端側との間が所定間隔隔たるように配置することにより、被覆電線の導体露出部が破損することなく、導体露出部同士とジョイント端子とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、例えば、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着する場合、ジョイント端子の内部に位置する導体露出部は、ジョイント端子の圧縮変形に伴ってジョイント端子の径方向内側に変位される。
これにより、ジョイント端子の圧縮変形により被覆電線が変形する部分と変形しない部分との境界部分において、導体が絶縁被覆で被覆されている場合、境界部分における導体露出部は、圧着によるジョイント端子の変位に追従して柔軟に変形することができないため、応力が集中し易く、破損するおそれがあった。
しかし、被覆電線とジョイント端子とを、被覆電線の先端とジョイント端子の基端との間が所定間隔隔たるように配置するため、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着して、ジョイント端子の内部に位置する導体露出部がジョイント端子の径方向に急激に変位しても、境界部分に位置する導体露出部は、ジョイント端子の内部における導体露出部の圧着に伴う変位に対して柔軟に追従して変形し、応力を分散することができる。
これにより、絶縁被覆の先端側とジョイント端子の基端側との間に位置する導体露出部が破損することなく、導体露出部同士とジョイント端子とを導電可能に接続することができる。
なお、上記の所定間隔とは、導体露出部同士とジョイント端子とを圧着しても、少なくとも導体露出部が破損しない間隔を有していれば、特に限定しない。
この発明によれば、導体露出部同士とジョイント端子との接続において、導体露出部の表面に形成された酸化被膜による導電性低下を低減することができる電線接続構造体及び電線接続方法を提供することができる。
第1実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との分解斜視図。 第1実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との圧着工程の様子をあらわす断面図。 第2実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との圧着工程の様子をあらわす断面図。 第3実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との分解斜視図。 第3実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との圧着工程の様子をあらわす断面図。 第4実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との斜視図。 第4実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との圧着工程の様子をあらわす断面図。 第5実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との分解斜視図。 第5実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との圧着工程の様子をあらわす断面図。 第6実施形態におけるジョイント端子と被覆電線との圧着工程の様子をあらわす断面図。
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態における端子付き電線100P1について、図1及び図2を用いて説明する。
なお、図1は、ジョイント端子200P1と被覆電線300との斜視図を示し、図2(a1)は、ジョイント端子200P1と被覆電線300とを導電接続する電線接続工程開始直前の断面図を示し、図2(a2)は、図2(a1)中におけるジョイント端子200P1と被覆電線300とのA−A線断面図を示し、図2(a3)は、図2(a1)中における端子付き電線100P1のB−B線断面図を示している。
図2(b1)は、電線接続工程完了直後の端子付き電線100P1の断面図を示し、図2(b2)は、図2(b1)中におけるジョイント端子200P1と被覆電線300とのC−C線断面図を示し、図2(b3)は、図2(a1)中における端子付き電線100P1のD−D線断面図を示している。
端子付き電線100P1は、ジョイント端子200P1と被覆電線300とを圧着することによって導電可能に接続している。
ここで、端子付き電線100P1の軸方向Xにおいて、ジョイント端子200P1側を先端側Xaとし、反対側を基端側Wbとする。
ジョイント端子200P1は、図1に示すように、基端側Xbから先端側Xaに向けて徐々に細くなるテーパ状に形成されるとともに、先端側Xaから基端側Xbまで連通する電線挿通路210P1を有する断面中空状に形成された管状の端子である。
電線挿通路210P1は、ジョイント端子200P1の先端側Xa及び基端側Xbで開口しており、基端側Xbの開口部分に、被覆電線300を挿入する電線挿入口220P1を有している。
なお、ジョイント端子200P1は、該ジョイント端子200P1の板厚が均一になるように、基端側Xbから先端側Xaに向けて徐々に狭くなるように形成している。
被覆電線300は、アルミニウム合金で構成した導体301を絶縁被覆302で被覆している。そして、被覆電線300は、先端側Xaの絶縁被覆302を所定長さ分剥いで、導体301が露出した導体露出部303を有している。
そして、アルミニウム合金で構成した導体露出部303の表面には、図示しない酸化被膜が形成されている。
なお、導体301は、アルミニウム合金で構成した導体301に限ることなく、例えば、銅、または銅合金で構成した導体であってもよく、端子付き電線の使用環境に応じて適宜設定することができる。
端子付き電線100P1は、複数の被覆電線300における導体露出部303を、ジョイント端子200P1の電線挿通路210P1に挿入し、被覆電線300とジョイント端子200P1とを導電可能に接続して形成している。
ジョイント端子200P1の内部に挿入される複数の被覆電線300は、ジョイント端子200P1と直に接触する外側被覆電線310と、該外側被覆電線310のみと接触し、ジョイント端子200P1と直に接触しない中心側被覆電線320とで構成している。
換言すると、中心側被覆電線320は、ジョイント端子200P1とが接触しないように、外側被覆電線310よりも内側に配置されている。
第1実施形態では、図1に示すように、軸方向Xに沿って配置された1本の中心側被覆電線320に対して、外側被覆電線310を軸方向Xに沿って、中心側被覆電線320回りに6本配置しており、外側被覆電線310の導体露出部313及び中心側被覆電線320の導体露出部323を、ジョイント端子200P1の電線挿入口220P1に向けて配置している。
続いて、端子付き電線100P1の製造工程は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、ジョイント端子200P1の電線挿通路210P1に挿入する電線挿入工程と、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを導電接続する電線接続工程とをこの順で行う。
電線挿入工程は、図1に示すように、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、ジョイント端子200P1の電線挿入口220P1に向けた状態で、導体露出部313,323を、電線挿入口220P1を通過させて、図2(a1)に示す状態まで、電線挿通路210P1に挿入する工程である。
電線接続工程は、電線挿通路210P1に挿通された外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、図2(b1)から図2(b3)に示すように、ジョイント端子200P1とともに端子圧着型400P1で圧着し、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを導電接続する工程である。
端子圧着型400P1は、図2(a1)に示すように、クリンパ410P1とアンビル420P1とで構成しており、軸方向Xに直交し、導体露出部313,323とジョイント端子200P1を圧着する圧着方向Yにおいて、クリンパ410P1とアンビル420P1とを対向配置している。
クリンパ410P1とアンビル420P1とは、図2(b1)に示すように、互いを組み合わせた状態において、基端側Xbから先端側Xaに向けて内径が徐々に狭くなるテーパ状に形成した圧着面411P1,421P1をそれぞれ有している。
外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P1とは、上述のように構成した端子圧着型400P1によって圧着して一体に形成されるため、図2(b1)に示すように、外形がテーパ状のまま全体を縮径するように圧着する。
このため、端子圧着型400P1は、ジョイント端子200P1の先端側Xaを基端側Xbよりも強い圧力で圧着し、一方、基端側Xbを先端側Xaよりも弱い圧力で圧着する。
なお、以下の説明において、上述した端子圧着型400P1の基端側Xbよりも強い圧力で圧着する端子圧着型400P1の先端側Xaを、強圧着部分412P1,422P1とするとともに、端子圧着型400P1の先端側Xaよりも弱い圧力で圧着する端子圧着型400P1の基端側Xbを、弱圧着部分413P1,423P1とする。
そして、電線接続工程で形成された端子付き電線100P1は、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを圧着することによって、導体露出部313,323とジョイント端子200P1との導電を許容する導電接続箇所110P1を形成する。
第1実施形態における端子付き電線100P1は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323と、先端側Xaに向けて徐々に細くなるテーパ状に形成したジョイント端子200P1とを、クリンパ410P1とアンビル420P1とで圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを導電可能な電線接続箇所110P1を形成したことにより、ジョイント端子200P1の電線挿通路210P1に挿入した外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323はもちろん、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、中心側被覆電線320の導体露出部323は、ジョイント端子200P1と直に接触することなく、他の被覆電線300の導体露出部303のみと接触する。一方、外側被覆電線310の導体露出部313は、他の被覆電線300の導体露出部303と接触するだけでなく、ジョイント端子200P1とも直に接触する。
このため、従来の端子付き電線は、ジョイント端子200P1や隣り合う他の被覆電線300の導体露出部303と接触する外側被覆電線310の導体露出部313と比較して、隣り合う他の被覆電線300の導体露出部303のみと接触する中心側被覆電線320の導体露出部323の方が、電気抵抗値が上昇する傾向があった。
したがって、ジョイント端子200P1を介して導電しない中心側被覆電線320と外側被覆電線310との導体露出部313,323の間の導電性を、十分に確保することができないおそれがあった。
このように電気抵抗値が上昇する要因として、被覆電線300の導体露出部303に酸化被膜が形成され、中心側被覆電線320の導体露出部323は、酸化被膜を介して隣り合う他の被覆電線300の導体露出部303のみと接触しているからであると考えられる。
或いは、外側被覆電線310の導体露出部313とジョイント端子200P1との接触面と比較して、外側被覆電線310の導体露出部313と中心側被覆電線320の導体露出部323との接触面の方が、接触面積が小さいなどが考えられる。
これに対して、第1実施形態の端子付き電線100P1は、図2(b1)に示すように、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを、圧着面411P1,421P1をテーパ状に形成した端子圧着型400P1で圧着して一体に形成される。
端子圧着型400P1は、上述するように、該端子圧着型400P1の先端側Xaに強圧着部分412P1,422P1を有するとともに、基端側Xbに弱圧着部部分413P1,423P1を有する圧着面411P1,421P1を備えている。
強圧着部分412P1,422p1で圧着された導体露出部313,323及びジョイント端子200P1は、弱圧着部分413P1,423P1よりも強い圧力で圧着される。
このため、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323の表面に形成された酸化被膜を容易に破壊して、図2(b2)に示すように、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを導電可能に接続する電導接続箇所110P1を形成することができる。
したがって、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とを、確実に導電させることができる。
一方、弱圧着部分413P1,423P1で圧着された導体露出部313,323及びジョイント端子200P1は、強圧着部分412P1,422p1よりも弱い圧力で圧着される。
このため、導体露出部313,323を破損することなく、確実に導体露出部313,323とジョイント端子200P1との圧着状態を保持することができる。
すなわち、強圧着部分412P1,422P1は、導体露出部313,323とジョイント端子200P1との導電性を確実に確保させることができ、一方、弱圧着部分413P1,423P1は、導体露出部313,323とジョイント端子200P1との圧着状態を保持させることができる。
なお、本発明は、中心側被覆電線320の導体露出部323がジョイント端子200P1に接触しなければ、軸方向Xに沿って配置された1本の中心側被覆電線320に対して、外側被覆電線310を軸方向Xに沿って、中心側被覆電線320回りに6本配置するに限らず、複数本の中心側被覆電線310を備えてもよいし、外側被覆電線310の本数も適宜設定することができる。
また、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P1とは、端子圧着型400P1の強圧着部分412P1,422P1において、圧縮率を約50%以上で圧着することが好ましい。
これにより、導体露出部313,323の表面に形成された酸化被膜を容易に破壊することができる。
一方、導体露出部313,323とジョイント端子200P1とは、弱圧着部分413P1,423P1において、圧縮率を約50%以下で圧着することが好ましい。
これにより、導体露出部313,323を破損することなく、確実に導体露出部313,323とジョイント端子200P1との圧着状態を保持することができる。
以下では、他の実施形態における端子付き電線100P2〜100P6について説明する。
但し、以下で説明する端子付き電線100P2〜100P6の構成のうち、上述した第1実施形態における端子付き電線100P1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
(第2実施形態)
第2実施形態における端子付き電線100P2について、図3(a)及び図3(b)を用いて説明する。
なお、図3(a)は、ジョイント端子200P2と被覆電線300とを導電接続する電線接続工程開始直前の断面図を示し、図3(b)は、電線接続工程完了直後の端子付き電線100P2の断面図を示し、図3(b)中のE部は、図3(b)における端子付き電線100P2の部分拡大断面図を示している。
第2実施形態では、図3(a)に示すように、中心側被覆電線320の導体露出部323が、外側被覆電線310の導体露出部313より、先端側Xaに飛び出るように配置している。
続いて、端子付き電線100P2の製造工程は、電線挿入工程と電線接続工程とをこの順で行う。
電線接続工程で用いる端子圧着型400P2を構成するクリンパ410P2とアンビル420P2とは、図3(a)及び図3(b)に示すように、それぞれ圧着面411P2,421P2を有している。
クリンパ410P2とアンビル420P2とを組み合わせた状態において、圧着面411P2,421P2は、先端側Xaを中心側被覆電線320の導体露出部323を圧着する小径部414,424を形成し、基端側Xbにテーパ状の拡径部415,425を形成している。
そして、圧着面411P2,421P2は、小径部414,424の基端側Xbに、拡径する段差状の段差部416,426を形成し、該段差部416,426から拡径部415,425まで段階的に拡径する圧着部417,427を形成している。
電線接続工程は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、図3(b)に示すように、ジョイント端子200P2とともに、上述する端子圧着型400P2で圧着して導電接続する工程である。
外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部331,323とジョイント端子200P2とは、上述のように構成した端子圧着型400P2によって、第1実施形態と同様に形成されるため、図3(b)のE部に示すように、端子圧着型200P2の段差部416,426によって、径方向内側に突出する角部230を形成し、拡径部415,425によって、基端側Xbに向けて徐々に拡径するテーパ状のベルマウス部240を形成している。
角部230は、外側被覆電線310の導体露出部313に食い込むように圧着されている。
そして、電線接続工程で形成された端子付き電線100P2は、導体露出部313,323とジョイント端子200P2とを圧着することによって、導体露出部313,323とジョイント端子200P2との導電を許容する導電接続箇所110P2を形成する。
第2実施形態における端子付き電線100P2は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323と、先端側Xaに向けて段階的に細くなる先細り形状で形成したジョイント端子200P2とを、クリンパ410P2とアンビル420P2とで圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P2とを導電可能な導電接続箇所110P2を形成したことにより、ジョイント端子200P2の電線挿通路210P2に挿入した外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323はもちろん、導体露出部313,323とジョイント端子200P2とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、第2実施形態の端子付き電線100P2は、ジョイント端子200P2に、径方向内側に向かって突出する角部230を形成したことにより、外側被覆電線310の導体露出部313を、ジョイント端子200P2の角部230に食い込ませるように接触させて導電可能な導電接続箇所110P2を確実に形成することができる。
これにより、外側被覆電線310の導体露出部313とジョイント端子200P2との導電性を向上させることができる。
さらに、端子付き電線100P2は、中心側被覆電線320の導体露出部323とジョイント端子200P2の先端側Xaが、端子圧着型400P2の小径部414,424によって圧着されるため、中心側被覆電線320の導体露出部323とジョイント端子200P2とは、直に接触して導電性を向上させることができる。
したがって、端子付き電線100P2は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、ジョイント端子200P2を介して確実に導電させることができる。
また、第2実施形態の端子付き電線100P2は、テーパ状のベルマウス部240をジョイント端子200P2の基端側Xbに形成したことにより、導体露出部312,323とジョイント端子200P2とを圧着しても、ジョイント端子200P2の基端側Xbの導体露出部313,323及び絶縁被覆302を破損することなく圧着し、導電接続することができるため、端子付き電線100P2の品質を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態における端子付き電線100P3について、図4及び図5を用いて説明する。
なお、図4(a)は、ジョイント端子200P3と導電補助部材250と被覆電線300との斜視図を示し、図4(b)は、ジョイント端子200P3に導電補助部材250と被覆電線300とを挿通する様子を示す斜視図を示している。
図5(a1)は、電線接続工程開始直前の端子付き電線100P3の断面図を示し、図5(a2)は、図5(a1)中のジョイント端子300P3と被覆電線300とのF−F線断面図を示し、図5(b1)は、電線接続工程完了直後の端子付き電線100P3の断面図を示し、図5(b2)は、図5(b1)中の端子付き電線100P3のG−G線断面図を示している。
端子付き電線100P3は、ジョイント端子200P3と導電補助部材250と被覆電線300とを圧着することによって導電可能に接続している。
ジョイント端子200P3は、図4(a)に示すように、先端側Xaから基端側Xbまで同一径で形成されるとともに、先端側Xaから基端側Xbまで連通する電線挿通路210P3を有する断面中空状に形成された管状の端子である。
電線挿通路210P3は、ジョイント端子200P3の先端側Xa及び基端側Xbで開口しており、基端側Xbの開口部分に、被覆電線300を挿入する電線挿入口220P3を有しており、先端側Xaの開口部分に、導電補助部材250を挿入する治具挿入口221P3を有している。
なお、ジョイント端子200P3は、先端側Xaから基端側Xbまで、ジョイント端子200P3の板厚が均一になるように形成している。
導電補助部材250は、図4(a)及び図4(b)に示すように、円板状に形成された円形基板251の一方の平面上における中央部分から、円柱状の導電接続棒252P3が直立するように備えられている。
円形基板251の直径は、電線挿通路210P3の直径と略一致するように形成している。
導電接続棒252P3は、軸方向Xに沿ったジョイント端子200P3の長さより、やや短くなるように、円形基板251の面上から直立するように備えられている。
そして、導電接続棒252P3が軸方向Xに沿った状態で、該導電接続棒252P3をジョイント端子200P3の治具挿入口221P3に向けて、ジョイント端子200P3の先端側Xaに導電補助部材250を配置している。
第3実施形態では、図4(a)及び図4(b)に示すように、軸方向Xに沿ってジョイント端子200P3の中心側に4本の中心側被覆電線320を配置するとともに、軸方向Xに沿って中心側被覆電線320の径方向外側に8本の外側被覆電線310配置する。
続いて、端子付き電線100P3の製造工程は、電線挿入工程と電線接続工程とをこの順で行う。
電線挿入工程は、図4(b)に示すように、外側被覆電線310及び中心側被覆電線32の導体露出部313,323を、ジョイント端子200P3の基端側Xbから電線挿入口220P3に向けて、導体露出部313,323を電線挿入口220P3に通過させて電線挿通路210P3に挿入するとともに、導電接続棒252P3をジョイント端子200P3の先端側Xaから治具挿入口221P3に向けて配置し、図5(a1)に示す状態まで、円形基板251を治具挿入口221P3に嵌め込むように導電補助部材250を挿入する工程である。
電線接続工程は、図5(b1)に示すように、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、ジョイント端子200P1及び導電補助部材250とともに端子圧着型400P1で圧着して導電接続する工程である。
電線接続工程で用いる端子圧着型400P3を構成するクリンパ410P3とアンビル420P3とは、図5(a1)及び図5(b1)に示すように、互いを組み合わせた状態において、電線挿入工程で円形基板251が配置される箇所を大径に形成するとともに、円形基板251が配置される箇所以外を小径に形成した圧着面411P3,421P3をそれぞれ有している。
外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323と導電補助部材250とジョイント端子200P3とは、上述のように構成した端子圧着型400P3によって圧着して一体に形成されるため、図5(b)に示すように、円形基板251が配置される箇所以外を縮径するように圧着する。
そして、電線接続工程で形成された端子付き電線100P3は、導体露出部313,323と導電補助部材250とジョイント端子200P3とを圧着することによって、導体露出部313,323と導電補助部材250とジョイント端子200P3との導電を許容する導電接続箇所110P3を形成する。
第3実施形態における端子付き電線100P3は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323と導電補助部材250とジョイント端子200P3とを、クリンパ410P3とアンビル420P3とで圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P3とを導電可能な導電接続箇所110P2を形成したことにより、導体露出部313,323と導電補助部材250とジョイント端子200P3とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、第3実施形態の端子付き電線100P3は、図5(b1)に示すように、中心側被覆電線320とジョイント端子300P3とを導電させることができる導電補助部材250を設けている。
このため、被覆電線300の導体露出部303の表面に酸化被膜が形成されていても、中心側被覆電線320の導体露出部323は、導電補助部材250を介してジョイント端子200P3と導電することができる。
したがって、端子付き電線100P3は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、導電補助部材250及びジョイント端子200P3を介して確実に導電させることができる。
なお、本発明は、中心側被覆電線320の導体露出部323とジョイント端子200P3とを導電させることができれば、導電補助部材をジョイント端子200P3と別体で構成するに限らず、一体で構成してもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態における端子付き電線100P4について、図6(a)から図7(b)を用いて説明する。
なお、図6(a)は、帯状導電部材260と被覆電線300との斜視図を示し、図6(b)は、帯状導電部材260を導体露出部303ごと巻き付けて、管状に形成したジョイント端子200P4の斜視図を示し、図7(a)は、ジョイント端子200P4と被覆電線300とを導電接続する電線接続工程開始直前の断面図を示し、図7(b)は、電線接続工程完了直後の端子付き電線100P4の断面図を示している。
帯状導電部材260は、略長方形状の薄板状に形成されており、ジョイント端子200P4の長手方向における長さは、6本の外側被覆電線310及び1本の中心側被覆電線320の導体露出部312,323をジョイント端子200P4ごと巻き付けることができる長さに設定し、ジョイント端子200P4の短手方向における長さは、導体露出部312,323の長さよりも長く設定している。
続いて、端子付き電線100P4の製造工程は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、帯状導電部材260に並列配置する電線配置工程と、帯状導電部材260を並列配置された導体露出部313,323ごと巻き付けてジョイント端子200P4を形成する電線巻付工程と、電線接続工程とをこの順で行う。
電線配置工程は、図6(a)に示すように、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、帯状導電部材260の面上に、被覆電線300の中心軸と帯状導電部材260の短手方向とが一致するように配置するとともに、帯状導電部材260長手方向に所定間隔を隔てて導体露出部313,323を配置する工程である。
なお、中心側被覆電線320の導体露出部323は、帯状導電部材260の長手方向における両側の一方に配置する。
電線巻付工程は、図6(b)に示すように、帯状導電部材260の長手方向において、中心側被覆電線320の導体露出部323を配置した側から、導体露出部312,323ごと巻き付けてジョイント端子200P4を形成する工程である。
巻き付けられたジョイント端子200P4は、図7(a)に示すように、断面略円形の外形に形成され、中心側被覆電線320の導体露出部323を配置した側の帯状導電部材260は、ジョイント端子200P4の内部で渦巻状の導電補助部270を形成する。
導電補助部270を備えたジョイント端子200P4は、巻き付けたすべての導体露出部200P4と直に接触している。
なお、帯状導電部材260を、導体露出部312,323ごと巻き付けると、巻き付けて形成されたジョイント端子200P4の中心側に、中心側被覆電線320の導体露出部323が位置する。
電線接続工程は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323ごと帯状導電部材260を巻き付けて形成したジョイント端子200P4を導体露出部313,323とともに端子圧着型400P4で圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P4とを導電接続する工程である。
電線接続工程で用いる端子圧着型400P4を構成するクリンパ410P4とアンビル420P4とは、図7(a)及び図7(b)に示すように、互いを組み合わせた状態において、先端側Xaから基端側Xbまで同一径となるような圧着面411P4,421P4をそれぞれ有している。
外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P4は、上述のように構成した端子圧着型400P4で形成されるため、ジョイント端子200P4は、先端側Xaから基端側Xbまで同一の外径となるように形成され、図7(b)に示すように、外形が断面略円形となるように圧縮される。
そして、電線接続工程で形成された端子付き電線100P4は、導体露出部313,323とジョイント端子200P4とを圧着することによって、導体露出部313,323と導電補助部270とジョイント端子200P4との導電を許容する導電接続箇所110P4を形成する。
第4実施形態における端子付き電線100P4は、略長方形状の薄板状に形成した帯状導電部材260を、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323ごと巻き付けてジョイント端子200P4を形成し、該ジョイント端子200P4を、クリンパ410P4とアンビル420P4とで圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P4とを導電可能な導電接続箇所110P4を形成したことにより、ジョイント端子200P4を介して、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323を導電可能に接続することができる。
詳述すると、第4実施形態の端子付き電線100P4は、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323を、帯状導電部材260の面上に並列配置し、導体露出部312,323ごと帯状導電部材260を巻き付けてジョイント端子200P4を形成し、該ジョイント端子200P4をクリンパ410P4とアンビル420P4とで圧着した。
これにより、巻き付けたすべての導体露出部313,323は、ジョイント端子200P4、或いは導電補助部270と直に接触して導電接続することができる導電接続箇所110P4を形成したため、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323は、ジョイント端子200P4を介して導電することができる。
なお、本発明における薄板状に形成した帯状導電部材とは、箔状に形成した帯状導電部材も含む概念であり、帯状導電部材の板厚は、ジョイント端子を使用する環境などに応じて適宜設定することができる。
また、第4実施形態における端子付き電線100P4は、帯状導電部材260を、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323ごと巻き付けてジョイント端子200P4を形成したが、本発明はこれに限らず、例えば、導体露出部312,323ごと巻き付けた帯状導電部材を、第3実施形態における導電補助部材として、ジョイント端子200P3の内部に挿入し、圧着することで導電接続してもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態における端子付き電線100P5について、図8及び図9を用いて説明する。
なお、図8は、ジョイント端子200P5と被覆電線300との斜視図を示し、図9(a1)は、ジョイント端子200P5と被覆電線300とを導電接続する電線接続工程開始直前の断面図を示し、図9(a2)は、図9(a1)中のジョイント端子200P5と被覆電線300とのH−H線断面図を示し、図9(b1)は、電線接続工程完了直後の端子付き電線100P5の断面図を示し、図9(b2)は、図9(b1)中の端子付き電線100P5のI−I線断面図を示している。
端子付き電線100P5は、ジョイント端子200P5と被覆電線300とを、振動を付与しながら圧着することによって導電可能に接続している。
ジョイント端子200P5は、図8に示すように、先端側Xaから基端側Xbまで同一径に形成されるとともに、先端側Xaから基端側Xbまで連通する電線挿通路210P5を有する断面中空状に形成された管状の端子である。
なお、ジョイント端子200P5は、先端側Xaから基端側Xbまで、ジョイント端子200P5の板厚が均一になるように形成している。
続いて、端子付き電線100P5の製造工程は、電線挿入工程と電線接続工程とをこの順で行う。
電線接続工程は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを、図9(b)に示すように、振動発生装置430で振動を付与しながら、端子圧着型400P5で圧着して導電接続する工程である。
電線接続工程で用いる振動発生装置430は、端子圧着型400P5に組み付けられており、ジョイント端子200P5を圧着する際に、ジョイント端子200P5に振動を付与し、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323及びジョイント端子200P5は、振動することで発熱する。
また、端子圧着型400P5を構成するクリンパ510P5とアンビル520P5とは、図9(a1)及び図9(b1)に示すように、互いを組み合わせた状態において、先端側Xaから基端側Xbまで同一径となるような圧着面411P5,421P5をそれぞれ有している。
外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P5は、上述のように構成した端子圧着型400P5で形成されるため、ジョイント端子200P5は、先端側Xaから基端側Xbまで同一の外径に形成され、図9(b2)に示すように、外形が断面略円形となるように圧縮される。
そして、電線接続工程で形成された端子付き電線100P5は、導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを圧着することによって、導体露出部313,323とジョイント端子200P5との導電を許容する導電接続箇所110P5を形成する。
第5実施形態における端子付き電線100P5は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを、振動発生装置430によって振動を付与しながら、クリンパ410P5とアンビル420P5とで圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを導電可能な導電接続箇所110P5を形成したことにより、ジョイント端子200P5の電線挿通路210P5に挿入した外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323はもちろん、導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、第5実施形態の端子付き電線100P5は、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを、振動発生装置430で発生させた振動を付与しながら、クリンパ410P5とアンビル420P5とで圧着した。
これにより、導体露出部313,323の表面に酸化被膜が形成されていても、振動を付与しながら端子圧着型400P5で圧着することで、導体露出部313,323の表面に形成された酸化被膜を容易に破壊することができるため、導体露出部313,323とジョイント端子200P5とを、導電可能に接続する電導接続箇所110P5を形成して導電させることができる。
さらに、仮に、導体露出部313,323の間に隙間が生じても、導体露出部313,323とジョイント端子200P5とに振動を付与しながら圧着することで、導体露出部313,323の間に生じた隙間を埋めるように、導体露出部313,323の位置を微調整することができる。
これにより、位置を微調整されながら圧着された導体露出部313,323は、接触面積が増大し、導体露出部313,323とジョイント端子と200P5とを導電接続することができる導電接続箇所110P5を形成するため、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323の導電性を確保することができる。
なお、本発明は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P5とに振動を付与しながら圧着するだけに限らず、例えば、ヒーターなどで加熱しながら圧着してもよく、さらには、導体露出部に、超音波振動を与えて加熱したり、電気抵抗によって加熱したりしてもよい。
導体露出部とジョイント端子200P5とを、上述のように、ヒーターなどで加熱しながら圧着する場合は、振動を付与しながら圧着した場合と同様に、酸化被膜を容易に破壊することができるため、導体露出部とジョイント端子200P5とを導電可能に接続することができる。
一方、超音波振動や電気抵抗によって導体露出部を加熱する場合は、ヒーターなどで加熱した場合の導体露出部の温度に比べて高温となり、導体露出部を溶融状態、或いは半溶融状態まで状態変化させて、導体露出部同士とジョイント端子200P5とを溶着させることができるため、必ずしも端子圧着型による圧着を行う必要はない。
このように、導体露出部を溶融状態、或いは半溶融状態まで加熱すると、導体露出部の表面に形成された酸化被膜は消滅し、導体露出部同士とジョイント端子200P5との導電性を確保することができる。
なお、溶着によって導体露出部同士を導電可能に接続する場合は、導体を構成する材質の融点よりもジョイント端子を構成する材質の融点が高い方が望ましい。
これにより、導体露出部を溶融状態まで加熱しても、導体露出部同士とジョイント端子とを、該ジョイント端子が融解することなく確実に溶着させることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態における端子付き電線100P6について、図10を用いて説明する。
なお、図10(a)は、ジョイント端子200P6と被覆電線300とを導電接続する電線接続工程開始直前の断面図を示し、図10(b)は、電線接続工程完了直後の端子付き電線100P6の断面図を示している。
ジョイント端子200P6は、先端側Xaから基端側Xbまで同一径の管状であるとともに、先端側Xaから基端側Xbまで連通する電線挿通路210P6を有する断面中空状の管状の端子である。
なお、ジョイント端子200P6は、先端側Xaから基端側Xbまで、ジョイント端子200P6の板厚が均一になるように形成している。
続いて、端子付き電線100P6の製造工程は、電線挿入工程と電線接続工程とを、この順で行う。
電線接続工程は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323を、ジョイント端子200P6とともに端子圧着型400P6で圧着して導電接続する。
電線接続工程で用いる端子圧着型400P6を構成するクリンパ510P6とアンビル520P6とは、図10(a)及び図10(b)に示すように、互いに組み合わせた状態の軸方向Xに沿った断面において、径方向内側に突出する凸部412P6,422P6と径方向外側に凹んだ凹部413P6,423P6とを、軸方向Xに沿って交互に配置した圧着面411P6,421P6をそれぞれ有している。
外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323とジョイント端子200P6は、上述のように構成した端子圧着型400P6で形成されるため、ジョイント端子200P6は、図10(b)に示すように、軸方向Xに沿った断面における外形が波状となるように圧縮される。
なお、凸部412P6,422P6と凹部413P6,423P6とを有するクリンパ510P6及びアンビル520P6で、導体露出部313,323とジョイント端子200P6とを圧着すると、凹部413P6,423P6で圧着された箇所よりも、凸部412P6,422P6で圧着された箇所の方が、強い圧力で圧着されるため、凸部412P6,422P6が、いわゆる強圧着部分となり、凹部413P6,423P6が、いわゆる弱圧着部分となる。
そして、電線接続工程で形成された端子付き電線100P6は、導体露出部313,323とジョイント端子200P6とを圧着することによって、導体露出部313,323とジョイント端子200P6との導電を許容する導電接続箇所110P6を形成する。
第6実施形態における端子付き電線100P6は、外側被覆電線310及び中心側被覆電線320の導体露出部313,323と、先端側Xaに向けて徐々に細くなるテーパ状に形成したジョイント端子200P6とを、クリンパ410P6とアンビル420P6とで圧着して、導体露出部313,323とジョイント端子200P6とを導電可能な電線接続箇所110P6を形成したことにより、ジョイント端子200P6の電線挿通路210P6に挿入した外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323はもちろん、導体露出部313,323とジョイント端子200P6とを導電可能に接続することができる。
詳述すると、外側被覆電線310の導体露出部313のみと導電する中心側被覆電線320の導体露出部323は、ジョイント端子200P6を含めて他の外側被覆電線310における導体露出部313と導電する外側被覆電線310の導体露出部313と比較して、電気抵抗値が上昇する傾向があるため、ジョイント端子200P6を介して導電しない外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323は、十分な導電性を確保できないおそれがある。
このように電気抵抗値が上昇する要因として、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323が、該導体露出部313,323の表面に形成した酸化被膜を介して互いに接触する、或いは外側被覆電線310の導体露出部313とジョイント端子200P6との接触する面と比較して、外側被覆電線310の導体露出部313が中心側被覆電線320の導体露出部323と接触する面の方が、接触面積が小さいなどが考えられる。
しかし、第6実施形態の端子付き電線100P6は、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323を、ジョイント端子200P6とともにクリンパ410P6とアンビル420P6とで圧着したことによって、導体露出部313,323の表面に形成された酸化被膜を破壊する、或いは導体露出部313,323の間に生じた隙間を埋めて接触面積を増大させ、導体露出部313,323とジョイント端子と200P6とを導電接続することができる導電接続箇所110P6を形成したため、外側被覆電線310と中心側被覆電線320との導体露出部313,323は、接触面積が増大し、導電性を確保することができる。
さらに、端子圧着型400P6の凸部412P6,422P6は、導体露出部313,323とジョイント端子とを、凹部413P6,423P6よりも強い圧力で圧着することにより、導体露出部313,323の表面に形成された酸化被膜を容易に破壊して、導体露出部313,323とジョイント端子200P6とを導電可能に接続する電導接続箇所110P6を形成することができ、導体露出部313,323とジョイント端子200P6とを、確実に導電させることができる。
一方、凹部413P6,423P6は、凸部412P6,422P6よりも弱い圧力で圧着されるため、導体露出部313,323は破損することなく、確実に導体露出部313,323とジョイント端子200P6との圧着状態を保持することができる。
詳述すると、凸部412P6,422P6は、導体露出部313,323とジョイント端子200P6との導電を確実に行うことができ、凹部413P6,423P6は、導体露出部313,323とジョイント端子200P6との圧着状態を保持することができる。
なお、本発明は、軸方向Xに沿った断面において、圧着面411P6,421P6に、径方向内側に突出する凸部412P6,422P6と径方向外側に凹んだ凹部413P6,423P6とを、軸方向Xに沿って交互に配置するに限らず、例えば、径方向に沿って交互に配置してもよい。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の電線接続構造体は、実施形態の端子付き電線100P1〜100P6に対応し、
以下同様に、
角は、角部230に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
100P1〜100P6…端子付き電線
101…圧着前端子付き電線
110P〜110P6…導電接続箇所
200P〜200P6…ジョイント端子
210P〜210P6…電線挿通路
220P〜220P6…電線挿入口
221…治具挿入口
230…角部
240…ベルマウス部
250…電線補助治具
251…円形基板
252…導電接続棒
260…帯状導電部材
270…導電補助部
300…被覆電線
301…導体
302…絶縁被覆
303,313,323…導体露出部
310…外側被覆電線
320…中心側被覆電線
400P1〜400P6…端子圧着型
410P1〜410P6…クリンパ
420P1〜420P6…アンビル
110P〜110P6,421P〜421P6…圧着面
強圧着部分412P1,412P6,422P1,422P6
弱圧着部分413P1,413P6,423P1,423P6
414,424…小径部
415,425…拡径部
416,426…段差部
417,427…圧着部
430…振動発生装置
X…軸方向
Xa…先端側
Xb…基端側
Y…圧着方向

Claims (5)

  1. 導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端側を所定長さ分剥いで前記導体を露出させるとともに、外周に酸化被膜が形成された複数の導体露出部を管状のジョイント端子に配置する導体露出部配置工程と
    前記ジョイント端子に配置された前記導体露出部における前記酸化被膜による導電性低下を抑制して、前記導体露出部同士と管状の前記ジョイント端子とを導電可能に接続する接続工程とをこの順に行い、
    前記接続工程において、
    軸方向に沿った断面において、径方向内側に突出する凸部と径方向外側に凹んだ凹部とが連続する曲線波状を形成するように軸方向に沿って交互に配置されるとともに、前記軸方向の両端に凸部の先端より径方向外側に軸方向に沿って配置された平坦部を有する圧着面を備えた端子圧着型により、
    軸方向に沿った断面において前記軸方向に連続する曲線波状となる断面波状且つ軸方向に交差する断面において管状の圧着形状で前記導体露出部同士と前記ジョイント端子とを圧着するとともに、
    少なくとも前記導体露出部に振動を付与しながら、前記導体露出部と前記ジョイント端子とを圧着接続する
    電線接続方法。
  2. 前記被覆電線を、中心側被覆電線と複数の外側被覆電線とで構成し、
    前記導体露出部配置工程において、
    前記中心側被覆電線を、前記ジョイント端子の径方向における中心側に配置し、前記外側被覆電線を、前記中心側被覆電線の周囲であるとともに、該中心側被覆電線の軸に沿って配置する
    請求項に記載の電線接続方法。
  3. 前記ジョイント端子を、導電可能に接続する状態で、先端側に向けて細くなる先細り形状で形成するとともに、
    前記中心側被覆電線の前記導体露出部を、前記外側被覆電線の前記導体露出部より長く形成し、
    前記導体露出部配置工程を、前記外側被覆電線の前記導体露出部より先端側に前記中心側被覆電線の前記導体露出部が突出するように行う
    請求項に記載の電線接続方法。
  4. 前記導体露出部配置工程において、帯状導電部材に、前記被覆電線の前記導体露出部を並列配置し、
    前記導体露出部とともに前記帯状導電部材を巻き回して前記ジョイント端子を構成する巻き付け工程を前記導体露出部配置工程と接続工程の間に行う
    請求項1または2に記載の電線接続方法。
  5. 前記接続工程において、少なくとも前記導体露出部を加熱しながら、前記導体露出部と前記ジョイント端子とを圧着接続する
    請求項1乃至4に記載の電線接続方法。
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