JP5950760B2 - 干渉形状測定機構の校正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物を走査して面形状を精度良く求める干渉形状測定機構の校正技術に関する。
大型加工物の加工精度向上に対する要求の高まりと共に、工作機械の移動真直度や加工面の真直形状を精密に測定したいという要請がある。このような精密形状測定を行うものとして、干渉形状測定装置が知られている。しかるに、干渉形状測定装置自体が、駆動機構等の誤差に由来する系統的誤差を本来的に有するため、高精度な測定にはその校正が不可欠である。
従来から行われている干渉形状測定装置の校正は、基準円板の直径の真直形状を、3面合わせ法(非特許文献1参照)を用いて定めることを基本とする。また、回転シフトによって同心円の円周に沿う真直形状を求めて直径に沿う真直形状と組み合わせて面を構成する。この他、干渉形状測定機の被測定試料をCCDカメラのピクセルの並ぶ方向にシフトしてオートコリメータでシフトの際の傾斜を補正して真直形状データ群を得る方法も知られている。
URL:www.nmij.jp/~nmijclub/kika/docimgs/bito_20080715.pdf (「フィゾー干渉計による絶対平面度測定装置」、産業技術総合研究所、尾藤洋一)
しかし、3面合わせ法は基本的には反転法と同じであり、干渉形状測定装置の校正に用いる場合、重力によるたわみの影響を除去することが出来ないという問題がある。最近では有限要素法を用いて試料のたわみ形状を推定して補正を加える方法が採用されているが、十分な校正ができるとは言い難い。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、3面合わせ法を使わない新規な干渉形状測定機の校正方法を提供し、もって干渉形状測定機によって高精度に真直形状を測定し、その結果を用いて高精度な面形状を測定できるようにするものである。
本発明は、少なくともM行N列(M、Nは2以上の整数)の画素を持つ撮像素子を有する干渉計と、各画素の出力を処理することで被測定物体の干渉画像を形成し、それにより前記被測定物体の形状を求めるデータ処理部を備えた干渉形状測定機構であって、被測定物体と前記干渉計を少なくとも1方向に相対移動できる可動ステージと、前記可動ステージにより相対移動させられた被測定物体に対する前記干渉計の移動前後の姿勢変化を検出する傾斜測定装置とを具備している干渉形状測定機構の校正方法において、
原点で前記干渉計を用いて前記被測定物体の原点形状を測定する工程と、
前記被測定物体又は前記干渉計を、前記撮像素子の画素の列方向に対応する第1方向に沿って前記原点から小シフト間隔で相対移動させながら、前記干渉計を用いて前記被測定物体の形状を測定して、前記原点形状との第1差分を得る工程と、
被測定物体又は前記干渉計を、前記撮像素子の画素の列方向に対応する前記第1方向に、前記原点から前記小シフト間隔より大きな大シフト間隔で相対移動させ、前記傾斜測定装置により、前記大シフト前後における前記被測定物体に対する前記干渉計姿勢変化を検出する工程と、
測定した前記姿勢変化に基づいて傾斜誤差を補正しつつ前記第1方向に沿った前記大シフト間隔での複数の位置で、前記干渉計を用いて前記被測定物体の形状を測定して、前記原点形状との第2差分を得る工程と、
前記第1差分から計算で得る大シフト間隔に相当する差分と、直接測定から得た前記第2差分とを比較することにより、前記第1差分における前記被測定物体と前記干渉計と傾斜誤差を排除して、被測定物体と前記干渉計の前記第1方向におけ第1真直形状データ群を求めると共に、前記第1方向における前記干渉計の系統的誤差を求める工程とを有し、求めた前記系統的誤差に基づいて前記干渉計を校正することを特徴とする。
本発明は、被測定物と干渉計とを、(x、y軸方向の)一方向に相対移動して、その差分を採ると一方の真直形状の差分になるという性質を用いる、いわゆるシフト法を利用したものである。シフト法については、特開2010−256107号公報に記載されている。従来このシフト法では、相対シフトの際の傾斜が放物線誤差につながるため使われることがなかった。また、傾斜補正のシフト法を採用しても、シフト量が小さいと傾斜センサの誤差が大きくなり、シフト量を大きくすると得られる校正結果の密度が粗くなってしまう。この相反する弱点を克服する方法は知られていなかった。
さらに、干渉計で得たシフト法で得た真直形状データ群から平面形状を効率的に求める方法は知られていない。また、走査型測定におけるシフト法では走査運動の繰返し誤差を取り除くために、補助基準とそれを走査測定するセンサの追加を必要とした。この繰返し誤差は、干渉形状測定機を採用することで、走査運動誤差が無くデータ収録時の偶然誤差だけの問題になる。この偶然誤差は問題の系統的誤差よりに比べ、無視できるほど小さい。本発明では、撮像素子の列方向に並んだ各画素の出力に基づく干渉画像より、前記被測定物体上で最小で画素ピッチに相当する間隔(小シフトという)での第1差分を得るとともに、被測定物体又は前記干渉計を、前記撮像素子の画素の行方向に対応する第1方向に、最大で画素数N個分の間隔(大シフトという)で相対移動させ、前記傾斜測定装置により、被測定物体又は前記干渉計の相対移動の際の姿勢変化を測定し、測定した前記姿勢変化に基づいて補正した複数の位置での干渉画像から、前記被測定物体上で前記第1方向における相対移動間隔での第2差分を得て、第1差分と第2差分とより被測定物体と前記干渉計とのオフセットの影響と傾斜の影響とを排除するものである。
以下、本発明の原理を説明する。図1に、被測定物の被測定面と干渉計とを相対移動させて測定を行う直進シフト法の原理を示す。図2は、フィゾー干渉計IFを用いた干渉計状測定機構の構成を示す概略図である。ただし、図2(b)では、干渉計の開口、基準円板の円ではなく、画像を取り込むCCD(M行N列でピクセルが並ぶものとする)表の面積とそれを構成するピクセルで模式的に示している。ここで、フィゾー干渉計IFは、光源OSと、光源OSからのレンズを透過する対物レンズOLと、ハーフプリズムPSと、基準平面Reと、撮像素子CCDと、処理部Pとからなる。尚、フィゾー干渉計IFは、可動ステージSTに保持されており、被測定面Msに対して相対移動可能となっている。但し、被測定面Ms側を移動させても良い。
図2(a)において、光源OSから出射された光束は、対物レンズOLに入射して平行光束に変換され、ハーフプリズムPSに入射し、ハーフプリズムPS内で反射されて被測定面Ms側に向かう。このとき、光束の一部は、透明な平行平板である基準平面Re(下面に半透過膜を形成)を透過し、残りの光束は下面で反射して更にプリズムPSを通過して撮像素子CCDに入射する。基準平面Reを透過した光束は、被測定面Msで反射し、その反射光が基準平面Re透過して、更にプリズムPSを通過して撮像素子CCDに入射する。従って、光束の波長と、基準平面Reの下面と被測定面Ms間の距離δの2倍だけ差が生じる光路長とに基づいて基準平面Re上で干渉が発生する。尚、実際にはハーフプリズムPSの後におかれた結像系(不図示)で、基準平面Re上の干渉像を撮像素子CCD上に結像させるようになっている。データ処理部Pは、撮像素子CCDからの出力信号を入力して画像処理する。フィゾー干渉計IFと被測定面Msとをx方向(列方向)に相対移動することで、走査測定を行うことができる。以下、データ処理Pで行われる処理内容を詳述する。
ここで、図1(a)のように、実線で示した被測定面がx方向に長さDの長方形とし、この被測定面の形状をf(x、y)で表すものとする。一度の画像測定で、干渉画像をx=0〜Dの範囲で得た(小シフトにより第1差分を得た:第1工程)後、被測定面を原点からx方向にDだけシフトして、もう一度x=D〜2Dの範囲で干渉画像を採る(大シフトにより第2差分を得る:第2、第3工程)。ここで、重要な点は、大シフトによる第2差分には、第1差分では避けられないオフセットや傾斜の誤差の累積が生じない点である。なお、図2(b)に概略図示したように、CCDのピクセルで言えば、x方向にN列、y方向にM列あるとする。図1(b)に示すように、大シフトにおいて、被測定面をシフトする際に高さ方向にZdだけオフセットした場合、f(D,y)の測定部分に段差がつくことになる。また、シフトの際にx軸回りの回転、すなわちローリングΔρが生じると、この段差がyの関数となり、次式のように直線的に変化する。
Zd=Zd0+yΔρ (7−5)
また、シフトの際に被測定面が剛体的にΔαだけ傾斜した場合、図1(c)に示すようにf(D,y)を境に被測定面が折れ曲がることになる。
ここで、干渉計IFの基準面Reの誤差をR(x、y)とすると(ただし、x=0〜D)、干渉形状測定結果の1回目と2回目の出力関係はそれぞれ次式で与えられる。厳密にはR(x、y)の中には、基準面以外の光学系のひずみも含まれるが、いずれにしろ、系統的誤差で特に区別する必要はない。
1(x、y)=f(x、y)+R(x、y) (1)
m2(x、y)=f(x+D、y)+R(x、y)+(Zd0+yΔρ)+xΔα (2)
シフト前の後端とシフト後の前端が重なることを考慮すると、(1)、(2)式より以下の式が得られる。
0=m2(0、y)−m1(D、y)=R(0、y)−R(D、y)+(Zd0+yΔρ) (3)
ただし、式(3)の右辺第3項内のyΔρはx方向の真直形状を得る際には無関係なので、以下では省略する。その結果、式(1)、(2)の差から、次式を得る。
Δm12(x、y)=m2(x、y)−m1(x、y)=f(x+D、y)−f(x、y)+Zd0+xΔα (4)
このΔαは、被測定面の傾斜(図1の点線)を測定する傾斜センサSを用いることで、その大きさを傾斜センサSの分解能のレベルまで低減できる。
(シフト前後の差分の取得)
図1(a)の一点鎖線のように被測定面のシフト量をDmとして、シフト前後の干渉画像の差分Δm13(x、y)を求める。ただし添字mはシフト量Dm=D/Kにおけるシフトの際のオフセットと傾斜などであることを示す。
小シフトによる差分から逐次2点法で形状を求めて、その結果から間隔Dでの差分を求めると、同一のxの位置における間隔Dでの、小シフトによる第1差分と、大シフトによる第2差分とが比較できる。図3には、大小シフトにおけるオフセットと傾斜の影響を分けて示している。シフト前後の画像データの差分には、オフセットと傾斜誤差が加わる。それをもとに逐次積分によって形状を復元すると、オフセットは形状の傾きになり、傾斜誤差は放物線となる。この復元形状の差分にはオフセットの一定値と、傾斜誤差に比例し、シフト量に反比例する形状の傾斜が含まれる。復元形状の2回差分では、オフセットの影響はゼロとなり、傾斜誤差に比例しシフト量に反比例した定数が残る。
図3(a)の被測定面形状では、シフトの違いによる間隔Dでの差分は同じになる。これはシフトDmでの差分から逐次2点法で算出した形状には偶然誤差以外が含まれないことを考慮している。高さ方向のオフセットの影響は、図3(b)に示すように、差分に現れる影響が位相にかかわらず同じなので、小シフトでの差分を加えた逐次2点法の結果でも傾斜は変わらない。その結果、差分の差(一種の2階差分)からはオフセットの影響が除かれる。傾斜の影響は図3(c)に示したように、逐次2点法の結果には放物線として現れるが、間隔Dでの差分で見ると、位相がDmだけ異なる2つの差分の差は、KDmΔαmとなる。ただし、シフト量Dの場合はK=1で、DΔαとなる。
図3の丸印は大小のシフト(実線の丸印から点線の丸印への間隔Dmの移動が小シフト、実線の丸印から実線の丸印への間隔Dの移動が大シフト)で同じ間隔Dでの差分が採れる点を示している。大シフトの場合は、シフト間隔での差分をx=Dmだけ位相のずれた2点での差をとると一種の2回差分となる。小シフトによる差分から逐次積分によって得た形状は、シフトによって加わるオフセットと傾斜の影響を除けば正しい形状と考えてよい。
以上を式で表わせば、次の手順でZd0の影響を除いてf(x、y)の差分を求める。大シフトDの第2差分に関しては、以下の通りである。
Δm12(x、y)=m2(x、y)−m1(x、y)={f(x+D、y)−f(x、y)}+Zd0+(x−D)Δα (5)
一方、小シフトDmの第1差分に関しては、以下の通りである
Δm13(x、y)=m3(x、y)−m1(x、y)={f(x+Dm、y)−f(x、y)}+Zdm+(x−Dm)Δαm (6)
間隔Dmでの離散点に直して考えると、k=0〜K、x0<Dm、fm(x-Dm、y)=0、fm (x、y)=0として、以下の式を得る。
Δm13(x0+kDm、y)=m3(x0+kDm、y)−m1(x0、y)
=f(x0+kDm +Dm、y)−f(x0+kDm、y) +(Zdm+yΔρm)+(x0+kDm)Δαm (7)
更に、式(10)を逐次積分した結果は、以下のようになる。
fm(x0+kDm、y)=fm(x0+kDm−Dm、y)+Δm13(x0+kDm、y)
=f(x0+kDm、y)+k(Zdm)+x0 Δαm +k(k−1) DmΔαm/2 (8)
ここで、KDm=Dであることを考慮して、x0=0と置いて、f(x)の一種の2階差分は以下のように表せる。
Δfm 2=Δm13(Dm+kDm、y)-Δm13(0+kDm、y)
={f(KDm+Dm、y)−f (Dm、y)}−{f(KDm、y)−f(0、y)}+KDmΔαm (9)
一方、式(5)から、シフトDの場合に、式(7)と同じ点での2階差分をとると、以下のようになる。
Δf2=Δm12(Dm、y)- Δm12(0、y)
={f(D+Dm、y)−f(Dm、y)}−{fm(D、y)−fm(0、y)}+DmΔα (10)
ここで、Δfm 2、Δf2がシフトの際の被測定面の剛体的傾斜が無ければ等しいはずなので、以下の式を得る。
Δαm=(Δfm 2−Δf2)/K Dm+Δα/K=Δα/K (11)
(干渉形状測定機構の系統的誤差の分離)
以下、系統的誤差の分離について述べる。Δαが傾斜センサによる計測値で補正した後のものとすると、その値は傾斜センサの分解能レベルであり、シフトDmの傾斜はその1/Kの確からしさで評価できることになる。なお、この式(11)はyに関係なく成立するので、y方向に並ぶ、M列のCCDピクセルの結果を平均することで、干渉計出力に含まれる偶然誤差の影響が低減し、より確かな傾斜の評価が出来る。得られた傾斜Δαmを用いて、シフト量Dmでの差分を補正して、形状を求めると、間隔Dmでの被測定面の形状がx=0〜D+Dmの範囲で得られる。これより、式(1)を用いれば、干渉計の基準面の形状を含む系統的誤差も得られる。それを用いれば、シフトDでの画像より、被測定面のx=D〜2Dでの形状が分かる。
シフトの際に被測定面がピッチング方向(y軸回り)に傾斜すると、放物線誤差が生じる。そこで、シフト前後の被測定面の傾斜を測定するために、水準器や、オートコリメータなどの傾斜センサSを用いてこれを測定し補正する。この傾斜センサSの読みの誤差が未知の傾斜Δαとして残り、放物線誤差につながる。
その大きさHmaxは、式(8)の右辺第4項と式(11)より、Δαを傾斜の不確かさσαに置き換えて、次式で与えられる。ただし、最大値を与える点をx=(D+Dm)/2、k=(K+1)/2においている。
Hmax=(K2/8)Dmσα=(KD/8)σα (12)
以上述べたように、第1差分と第2差分とから第1真直形状データを得ることができる(第4工程)から、これに基づいて第1方向(x方向)における干渉計の真直形状を校正することができる(第5工程)。以上はx方向のシフトだけを述べた。これによりx方向の第1真直形状データを得ることができる。
ところで、x方向に直交するy方向の任意の点についても、それからx方向の真直形状は全て求められるが、それらの相互関係を決めないと平面の構成は出来ない。それぞれの真直形状が剛体項的な高さ方向オフセットと傾斜の自由度を有するためである。x=0とx=Dの位置でのy軸に沿う真直形状が判った場合を考えると、図4(a)のようにx方向のそれぞれの真直形状を変えずに、x=Dでの真直形状をローリング方向に回転することが出来るので、面の構成には不十分であることが分かる。さらに対角線方向のシフトを実施して、図4(b)のように2つの対角線の真直形状を確定すると、この問題が解決され、平面が構成され、面としての校正ができる。
このように、方向を変えての直進的シフト法を繰返すのはやや面倒である。そこで、図5のように回転シフトを併用して、第1真直形状データ群と第2真直形状データ群を求めて、面形状として校正することを考える。より具体的には、干渉計が、第1真直形状データ群により前記第1方向に沿って校正されていれば、干渉計に対して被測定物体を回転させることで、被測定物体上の任意の方向の形状を精度よく測定できることを利用する。
まず、第1真直形状データ群により前記第1方向に沿って校正された干渉計を用いて、不図示の回転ステージに載置され回転可能な被測定物体を測定することにより、前記第1方向における前記被測定物体の形状を測定し、校正する(第6工程)。さらに前記干渉計に対して前記被測定物体を回転ステージとともに相対的に90°回転させた後、前記第1方向に沿って校正された前記干渉計を用いて、前記被測定物体の形状を測定して、前記被測定物体上で前記第1方向に直交する第2方向(ただし、固定された前記干渉計基準では前記第1方向)に沿って前記被測定物体の形状を得る(第7工程)。また、前記干渉計基準で前記第2方向(前記被測定物体基準では前記第1方向)における前記被測定物体の形状は上述の測定で既知となっているから、かかる既知形状に基づいて、前記干渉計基準で前記第2方向における第2真直形状データ群を得る(第8工程)。そして、前記第2真直形状データ群に基づいて、前記干渉計基準で前記第2方向における前記干渉計の真直形状を校正する(第9工程)。前記被測定物体の第1方向が、前記干渉計の前記第1、第2の方向の中間の方向に向くように前記被測定物体を回転させた後、前記干渉計を用いて測定した結果から、前記干渉計の校正された第1、第2真直形状データ群の相互の関係を決めて平面を構成し、前記干渉計を面として校正する(第10工程)のである。
具体的手順として、上に述べた方法で、x方向の真直形状が全面で干渉計Aを校正しておく。ついで、CCDの面の対角線方向(正方形なら45度、一般にはG方向とする)と、y方向(90度)で正確に角度位置を決められる回転可能な被測定面Bを用意する。まず図5(a)のように0度の位置で形状を得て、干渉計Aの既知の第1真直形状データ群を基に、被測定面Bの真直形状データ群を求める。次に図5(c)のように被測定面Bを90度の位置に回転して、干渉計基準でx方向(被測定物体初期基準でy方向)における干渉画像を得る。これにより被測定物体初期基準でx方向とy方向における、被測定物体の形状が精度よく求まることとなる。すなわち90度の位置での干渉画像で被測定面Bの既知の真直形状データ群を基に、干渉計Aのy方向の第2真直形状データ群を全面で得ることができる。この結果を用いて、最初の干渉画像から被測定面Bのy方向の真直形状データ群を得る。さらに図5(e)のように、被測定面Bを45度の位置に回転し、既知である被測定面Bのx、y方向の真直形状を基に、干渉計Aの対角線方向の真直形状を校正する。
得られた対角線方向の真直形状は、CCDの全ピクセルで形成する4角形の対角線より短い範囲になる。そこで図5(f)のように、対角線に合わせた小4角形で面を構成する。これで小4角形を通るx、y方向の真直形状データ群が関連付けられる。その関連付けられた真直形状データ群を使えば、大きな4角形の4つの外辺が関連付けられ、その外辺に載せる形で残りの真直形状データ群を関連付けて面が構成される。
次に、小4角形で相互関係の決まったx方向、y方向の真直形状を基に図5(e)のように外挿して全CCD画面での面の構成を行う。小4角形で決めた真直形状の相互の傾斜の不確かさは、全画面の外周で決めた場合の2倍になる。そこで、被測定面の同じ配置状態で測定を繰返し平均値を用いることも大切になる。また、不確かさの低減のために対角線近傍の数本の直線形状群を束ねて平均し一つの対角線にする方法もある。また、対角線と平行な方向の直線群の内2辺間の距離が比較的長い物を最小自乗法的にすべて使って関連付けを行うことで不確かさを低減するのに役立てる。
本発明によれば、3面合わせ法を使わない新規な干渉形状測定機の校正方法を提供し、もって干渉形状測定機によって高精度に真直形状を測定し、その結果を用いて高精度な面形状を測定できる。
被測定物の被測定面と干渉計とを相対移動させて測定を行う直進シフト法の原理を示す図である。 (a)は測定に用いる干渉計状測定機構の構成を示す概略図であり、(b)は撮像素子のピクセルの並びを示す概略拡大図である。 大小シフトによる真直形状の合成原理を示す図である。 複数の真直形状群による面の構成とねじれの影響を示す図である。 直進シフトの結果に回転シフトを適用し面の構成を示す図である。
本実施の形態にかかる干渉形状測定機構は、図2に示すように、干渉計IFとその出力のデータ処理部Pと、被測定物をxy方向に相対移動できる可動ステージSTと、可動ステージSTにより相対移動させられた被測定物の移動前後の姿勢変化を検出する傾斜センサS(傾斜測定装置)とを具備している。尚、被測定物は不図示の回転ステージ上に載置されている。本機構の校正及び動作は、上述した通りである。
視野の大きさの2倍の被測定物を用いて、口径の直径Aに相当する長さDだけシフトすると図1のようになる。このとき、シフト量は干渉形状測定機構にとって最大になり、被測定面の形状の間隔Aでの差分を得ることができる。シフト量を変えて、口径と放物線誤差の関係を計算すると、以下の表1のようになる。ただし、Lは被測定面または干渉計の後継の大きいほうの長さで、L=2Dとなる。また、σαはオートコリメータの最高精度0.01秒=0.048μradを例として用いた。水準器の最高精度0.1秒を適用するときは表1の値を10倍すればよい。
表1(干渉計のシフト法による放物線誤差Hmax (nm))
L=A L=2A L=2A
A(mm) A 当り
200 1.2 2.4 0.6
300 1.8 3.6 0.9
400 2.4 4.8 1.2
500 3.0 6.0 1.5
本発明により、反転を伴う3面合わせ法を用いない校正が可能になるので、傾斜計測システムの精度の限界まで干渉計が校正可能になる。
Ms 被測定面
Re 基準平面
S 傾斜センサ
ST 可動ステージ
IF 干渉変位計

Claims (2)

  1. 少なくともM行N列(M、Nは2以上の整数)の画素を持つ撮像素子を有する干渉計と、各画素の出力を処理することで被測定物体の干渉画像を形成し、それにより前記被測定物体の形状を求めるデータ処理部を備えた干渉形状測定機構であって、被測定物体と前記干渉計を少なくとも1方向に相対移動できる可動ステージと、前記可動ステージにより相対移動させられた被測定物体に対する前記干渉計の移動前後の姿勢変化を検出する傾斜測定装置とを具備している干渉形状測定機構の校正方法において、
    原点で前記干渉計を用いて前記被測定物体の原点形状を測定する工程と、
    前記被測定物体又は前記干渉計を、前記撮像素子の画素の列方向に対応する第1方向に沿って前記原点から小シフト間隔で相対移動させながら、前記干渉計を用いて前記被測定物体の形状を測定して、前記原点形状との第1差分を得る工程と、
    被測定物体又は前記干渉計を、前記撮像素子の画素の列方向に対応する前記第1方向に、前記原点から前記小シフト間隔より大きな大シフト間隔で相対移動させ、前記傾斜測定装置により、前記大シフト前後における前記被測定物体に対する前記干渉計姿勢変化を検出する工程と、
    測定した前記姿勢変化に基づいて傾斜誤差を補正しつつ前記第1方向に沿った前記大シフト間隔での複数の位置で、前記干渉計を用いて前記被測定物体の形状を測定して、前記原点形状との第2差分を得る工程と、
    前記第1差分から計算で得る大シフト間隔に相当する差分と、直接測定から得た前記第2差分とを比較することにより、前記第1差分における前記被測定物体と前記干渉計と傾斜誤差を排除して、被測定物体と前記干渉計の前記第1方向におけ第1真直形状データ群を求めると共に、前記第1方向における前記干渉計の系統的誤差を求める工程とを有し、求めた前記系統的誤差に基づいて前記干渉計を校正することを特徴とする干渉形状測定機構の校正方法。
  2. 記第1方向に沿って前記系統的誤差を校正された前記干渉計に対して前記被測定物体を相対回転させ、前記干渉計基準で前記第1方向(前記被測定物体基準で前記第1方向とは異なる第2方向)に沿って前記被測定物体の形状を測定して、前記原点形状との差分から第2真直形状データ群を求め、
    更に、前記干渉計基準で前記第2方向(前記被測定物体基準で前記第1方向)に沿って前記被測定物体の形状を測定して、前記原点形状との差分から第3真直形状データ群を求め、
    前記被測定物体基準で共通の前記第1方向における前記第1真直形状データ群と前記第3真直形状データ群とを比較することで、前記干渉計基準で前記第2方向における前記干渉計の系統的誤差を求め、
    求めた前記第1真直形状データ群と前記第2真直形状データ群とにより前記被測定物体の面形状を求める共に、求めた前記干渉計基準で前記第1方向及び前記第2方向における前記系統的誤差に基づいて前記干渉計を面で校正することを特徴とする請求項1に記載の干渉形状測定機構の校正方法。
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