JP5950220B1 - 熱硬化性樹脂成形品の製造方法及び熱硬化性樹脂成形品 - Google Patents

熱硬化性樹脂成形品の製造方法及び熱硬化性樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造コストの低減を図り、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方の成形面に濃淡を有するグレーズコーティング層を成形する熱硬化性樹脂成形品の製造方法及び熱硬化性樹脂成形品を提供する。【解決手段】上下キャビティ面の少なくともいずれか一方に凹凸部が刻設される金型で素地を圧縮成形し、成形面に肉厚差を生じさせて厚肉部と薄肉部とを形成し凹凸面を成形し、厚肉部の凹凸面と対向する側に溜まり部を形成する工程と、凹凸面と対向する側にグレーズコーティング層を成形する工程を含む熱硬化性樹脂成形品の製造方法、内外側面の少なくともいずれか一方面側に一方から他方へ漸深する溜まり部を有する成形面と、溜まり部が形成される一方面側にグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、厚膜部より薄い薄膜部から構成されるグレーズコーティング層と、成形面の少なくともいずれか一方に厚膜部と薄膜部からなる表示部を備える熱硬化性樹脂成形品。【選択図】 図1

Description

本発明は、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方に濃淡を有する成形面が成形される熱硬化性樹脂成形品の製造方法及び熱硬化性樹脂成形品に関するものである。
従来より、成形材料色と半透明のグレーズ材料色との組み合わせにより、被膜表面に色彩の濃淡を生じさせて、成形面を立体的に成形する熱硬化性樹脂成形品の製造方法が公知である。
このような製造方法として、例えば、一対の金型の少なくとも一方に凹凸成形面を成形し、当該金型内部に合成樹脂材料を投入して半固形状態を成形するとともに、当該半固形状態の成形材料の表面に異なる色彩を有する半透明のグレーズ材料を投入し、グレーズコーティング層の厚みが部分的に薄く又は厚くなるように、成形材料の凹凸成形面の凹凸部にそのグレーズ材料を融着させ、不均一な厚みのグレーズコーティング層を有する食器を成形する熱硬化性樹脂成形品の製造方法が公知である(特許文献1参照)。
特許昭53−46216号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、成形材料の凹凸成形面に不均一な厚みのグレーズコーティング層用隙間を形成する変位可能な金型又は置換可能な平滑成形面を有する金型が必要であるため、金型に要する費用が増大するとともに、生産性の低下に伴う製造コストの増大が懸念されるものであった。
また、成形材料の凹凸成形面の凹凸部にグレーズ材料を融着させて成形することから、凹凸部を構成する窪溝と突起によって、比較的明瞭な模様が形成されるものであるが、色彩を連続的に緩やかに変化させる、いわゆるグラデーション模様を形成するためには、当該凹凸部の微調整に困難性を有するものであった。
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、製造コストの低減を図り、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方の成形面に濃淡を有するグレーズコーティング層を成形する熱硬化性樹脂成形品の製造方法及び熱硬化性樹脂成形品を提供することを課題とする。
前記問題点を解決するために、本発明の請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法は、上下のキャビティ面の少なくともいずれか一方に所定模様を形成する凹凸部が刻設される金型にて素地を圧縮成形し、前記凹凸部によって成形面に肉厚差を生じさせて厚肉部と薄肉部とを形成するとともに前記凹凸部に対応する凹凸面を成形し、前記厚肉部の前記凹凸面と対向する側の表面に溜まり部を形成する工程と、前記凹凸面と対向する側の表面にグレーズコーティング層を成形する工程とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法は、請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法において、上下のキャビティ面の少なくともいずれか一方に表示凹凸部が刻設される前記金型にて、前記表示凹凸部によって成形面に肉厚差を生じさせて表示厚肉部と表示薄肉部とを形成するとともに前記表示凹凸部に対応する表示凹凸面を成形し、前記表示厚肉部の前記表示凹凸面と対向する側の表面に表示溜まり部を形成する工程とを含むものである。
また、本発明の請求項3に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法は、請求項2に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法において、前記表示溜まり部は、容量の目安として利用可能な表示とされるものである。
また、本発明の請求項4に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法において、前記凹凸面の表面に素地を圧縮成形し、前記凹凸面を覆設する工程とを含むものである。
また、本発明の請求項5に記載の熱硬化性樹脂成形品は、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方面側に、一方から他方へ向けて漸深する溜まり部を有する成形面と、前記溜まり部が形成される一方面側に、前記溜まり部によりグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、前記厚膜部より厚さの薄い薄膜部とから構成されるグレーズコーティング層と、前記成形面の少なくともいずれか一方の所定位置に前記厚膜部と前記薄膜部とから形成される表示部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載の熱硬化性樹脂成形品は、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方面側に、一方から他方へ向けて漸深する溜まり部を有する成形面と、前記溜まり部が形成される一方面側に、前記溜まり部によりグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、前記厚膜部より厚さの薄い薄膜部とから構成されるグレーズコーティング層と、前記グレーズコーティング層と対向する側の表面に形成される覆設部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に記載の熱硬化性樹脂成形品は、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方面側に、一方から他方へ向けて漸深する溜まり部を有する成形面と、前記溜まり部が形成される一方面側に、前記溜まり部によりグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、前記厚膜部より厚さの薄い薄膜部とから構成されるグレーズコーティング層と、前記成形面の少なくともいずれか一方の所定位置に前記厚膜部と前記薄膜部とから形成される表示部と、前記グレーズコーティング層と対向する側の表面に形成される覆設部とを備えることを特徴とするものである。
本発明の熱硬化性樹脂成形品の製造方法及び熱硬化性樹脂成形品では、製造コストの低減を図り、内側面又は外側面の少なくともいずれか一方の成形面に濃淡を有するグレーズコーティング層を成形することができる。
本発明の実施例における熱硬化性樹脂成形品の斜視図である。 本発明の実施例における熱硬化性樹脂成形品の製造方法の工程図である。 本発明の実施例における図2(b)とその一部拡大図である。 本発明の実施例における図2(d)とその一部拡大図である。 本発明の実施例における図1の成形品に追加成形を行う際の工程図である。
以下、本発明の実施の形態における熱硬化性樹脂成形品の製造方法を図面に基づいて説明する。当該製造方法は、上下のキャビティ面の少なくともいずれか一方に所定模様を形成する凹凸部が刻設される金型にて、圧縮成形法により半成形品を成形し、当該凹凸部によって半成形品の成形面に肉厚差を生じさせて厚肉部と薄肉部とを形成するとともに凹凸部に対応する凹凸面を成形し、厚肉部の凹凸面と対向する側の表面に溜まり部を形成する工程と、凹凸面と対向する側の表面にグレーズコーティング層を成形する工程とを含んで熱硬化性樹脂成形品を成形するものである。これにより、図1に示すように、熱硬化性樹脂成形品の少なくともいずれか一方の成形面に濃淡を有するグレーズコーティング層を成形することができる。当該熱硬化性樹脂成形品は、お皿、お盆、コップ、湯呑み、小鉢、お椀等の各種食器とされる。
本発明の実施例に係る圧縮成形機に使用される金型は、図2に示すように、下金型10と、これに対応する上金型20とからなる。具体的には、圧縮成形機に設けられた上側の盤体に上金型20が設置されており、この上側の盤体を可動させることで下金型10に対して型開閉可能となるよう構成される。また、圧縮成形機は、これに限られることなく、下金型10が設置される下側の盤体を可動させることで、上金型20に対して型開閉可能となるよう構成することができるのは、勿論である。
また、下金型10と上金型20の少なくともいずれか一方のキャビティ面11、21には、グレーズコーティング層Gの濃淡を形成するための凹凸部15が刻設される。当該凹凸部15は、キャビティ面11、21に対して所定模様となるよう形成されており、所定深さを有する線状溝、湾曲面等から構成される。当該凹凸部15は、例えば、円形、楕円、四角形、多角形、波形、渦巻き、植物、花等の模様を適宜選択し、又はこれらを組み合わせて形成することができる。
なお、金型の開閉装置、金型の加熱及び加圧装置等については、従来の圧縮成形機に使用されるものと同様である。
本実施例においては、金型は、図2に示すように、下方に凹む略凹状の下金型キャビティ面11を有する下金型10と、下方に突出する略凸状の上金型キャビティ面21を有する上金型20とから構成される。具体的には、下金型10は、下方に凹む略凹状の下金型キャビティ面11と、金型断面におけるキャビティの最も外側に位置する部分、又はその近傍から外側に向けて略水平に延びる下金型パーティング面12と、これに連設して外側上方に向けて傾斜する下金型テーパー面13と、さらに外側に向けて略水平に延びる下金型基面14とを有してなる。
また、下金型キャビティ面11には、図2及び図3に示すように、上金型20との1次成形により得られる半成形品S1の成形面に肉厚差を生じさせて凹凸面S2を成形するための凹凸部15が刻設される。これにより、半成形品S1の一方に凹凸面S2を成形することで、成形面に対して厚肉部S3と薄肉部S4を形成することができる。そして、これらの収縮量を相違させることで厚肉部S3に溜まり部S5を形成して、後述するグレーズコーティング層Gの濃淡を形成することができる。当該凹凸部15は、下金型キャビティ面11の略中央部から縁部にかけて同心円状の円形模様が所定間隔を有して刻設される。また、夫々の凹凸部15は、角部が形成されないよう、湾曲面から形成される。
また、上金型20は、図2に示すように、下方に突出する略凸状の上金型キャビティ面21と、金型断面におけるキャビティの最も外側に位置する部分、又はその近傍から外側に向けて略水平に延びる上金型パーティング面22と、これに連設して外側上方に向けて傾斜する上金型テーパー面23と、さらに外側に向けて略水平に延びる上金型基面24とを有してなる。
そして、下金型10と上金型20とを型閉した場合、図2(a)に示すように、対向する下金型キャビティ面11と上金型キャビティ面21とに囲まれるキャビティ30が形成される。また、対向する下金型パーティング面12と上金型パーティング面22との微小な間隔はバリ形成部31とされ、対向する下金型基面14と上金型基面24との間隔は、型開閉時の遊びとして設けられる。
このようにして構成される圧縮成形機において、内側面の表面にグレーズコーティング層Gが成形される成形品Sの製造方法について、図1から図4に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示すように、下金型10と上金型20との間に熱硬化性樹脂材料40を供給する。当該熱硬化性樹脂材料40には、補強材としてパルプ材等が充填されている。本実施例においては、メラミン樹脂を使用しているが、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂材料を使用することもできる。また、熱硬化性樹脂材料40は、光反射性の色彩とすることが望ましく、本実施例においては、乳白色とされるがこれに限られることはない。
そして、同図(b)に示すように、下金型10と上金型20とを型閉し、素地41(半成形品S1)を圧縮成形する。当該素地41(半成形品S1)においては、図3に示すように、下金型10の凹凸部15側に凹凸面S2が成形され、凹凸面S2の形状に伴って、素地41(半成形品S1)に厚肉部S3と薄肉部S4が形成される。そして、これらの収縮量を相違させることで、厚肉部S3において、凹凸面S2と対向する側の表面に溜まり部S5が形成される。
そして、図2(c)に示すように、下金型10と上金型20とを型開して、グレーズ材料42を投入する。当該グレーズ材料42とは、パルプ材を取り除いた純粋に近いメラミン樹脂であり、このグレーズ材料42によって半成形品S1がコーティングされることで、汚れの付着等を防止することができる。また、グレーズ材料42は、有色の色彩とすることが望ましく、本実施例においては、オレンジ色又はピンク色とされるがこれに限られることはない。
そして、同図(d)に示すように、下金型10と上金型20とを型閉して、グレーズコーティング層Gを成形する。より詳細には、図4に示すように、溜まり部S5が形成されない他の内側面には薄膜部G1が形成され、これと比較して、溜まり部S5にはグレーズ材料42が多く流れ込んだ状態となり厚膜部G2が形成される。これにより、凹凸部15の形状に伴って、グレーズコーティング層Gの濃淡を形成することができる。
そして、図2(e)に示すように、下金型10と上金型20とを型開して、下金型10に保持されている半成形品S1を取り出す。具体的には、キャビティ30から溢れ出したグレーズ材料42によって成形されるバリ50にエアーダスター等を用いてエアーを吹きかける等して、下金型10から半成形品S1を取り出す。そして、最後に、下金型10から取り出した半成形品S1のバリ50を取り除き(図示しない)、図1に示すような成形品Sとする。
このようにして成形される成形品Sにおいて、薄膜部G1では、グレーズコーティング層Gの厚さが薄く、入射光の透過損失も少ないため、素地41での反射光量が多くなり、成形品Sの内側面からは、グレーズコーティング層Gが淡く、明るく見える。そして、薄膜部G1から厚膜部G2へ向かうにつれて、収縮により形成される溜まり部S5によってグレーズコーティング層Gの厚さが増加するのに伴って、入射光の透過損失が多くなるとともに、内側面における素地41の表面の法線方向が徐々に傾斜していくことから、素地41での正反射率が減少する。すなわち、成形品Sの内側面から外側面へ向けて漸深する溜まり部S5によって入射方向から逸れて反射する光量が増加し、徐々にグレーズコーティング層Gが濃く、暗く見えるようになる。
このようにして、成形面における厚肉部S3と薄肉部S4との収縮量の差を利用することで、グレーズコーティング層Gの厚さを曲線的に変化させ、その裏側に光反射性の素地41を設けることにより、図1に示すように、色彩を連続的に変化させた立体的な視覚効果を奏するグラデーション模様を形成することができる。
以上、説明した本発明に係る熱硬化性樹脂成形品の製造方法によれば、上下のキャビティ面11、21の少なくともいずれか一方に所定模様を形成する凹凸部15が刻設される金型によって、成形面に厚肉部S3と薄肉部S4とを形成し、収縮により形成される厚肉部S3の溜まり部S5にてグレーズコーティング層Gの厚さを増加させることができる。これにより、成形面に濃淡を連続的に緩やかに変化させたグレーズコーティング層Gを成形することができる。また、従来のように、変位可能な金型又は置換可能な平滑成形面を有する金型が不要となり、金型に要する費用を削減することができるとともに、生産性を向上させ、製造コストを削減することができる。
次に、上述した実施例において成形された熱硬化性樹脂成形品に追加成形を行う製造方法及びその製造方法に用いられる圧縮成形機について説明する。当該追加成形においては、上述で成形した成形品Sの底部に脚部S6を設ける例について説明するが、これに限られないのは勿論である。追加成形における製造方法は、グレーズコーティング層Gの濃淡が形成された成形品Sについて、凹凸面S2の表面に素地41を圧縮成形し、凹凸面S2を覆設する工程とを含んで熱硬化性樹脂成形品を成形するものである。
本発明の実施例の追加成形に係る圧縮成形機に使用される金型は、下金型60と、これに対応する上金型70とからなる。具体的には、圧縮成形機に設けられた上側の盤体に上金型70が設置されており、この上側の盤体を可動させることで下金型60に対して型開閉可能となるよう構成される。また、圧縮成形機は、これに限られることなく、下金型60が設置される下側の盤体を可動させることで、上金型70に対して型開閉可能となるよう構成することができるのは、同様である。また、金型の開閉装置、金型の加熱及び加圧装置等については、従来の圧縮成形機に使用されるものと同様である。
追加成形における金型は、図5に示すように、上方に突出する略凸状の下金型キャビティ面61を有する下金型60と、上方に凹む略凹状の上金型キャビティ面71を有する上金型70とから構成される。具体的には、下金型60は、上方に突出する略凸状の下金型キャビティ面61と、金型断面におけるキャビティの最も外側に位置する部分、又はその近傍から外側に向けて略水平に延びる下金型パーティング面62と、これに連設して外側下方に向けて傾斜する下金型テーパー面63と、さらに外側に向けて略水平に延びる下金型基面64とを有してなる。
また、上金型70は、上方に凹む略凹状の上金型キャビティ面71と、金型断面におけるキャビティの最も外側に位置する部分、又はその近傍から外側に向けて略水平に延びる上金型パーティング面72と、これに連設して外側下方に向けて傾斜する上金型テーパー面73と、さらに外側に向けて略水平に延びる上金型基面74とを有してなる。また、上金型キャビティ面71には、所定箇所に脚部S6を成形するための溝部75が刻設される。
このようにして構成される圧縮成形機において、内側面にグレーズコーティング層Gの濃淡が形成された成形品Sの外側面に脚部S6を追加成形する製造方法について、図5に基づいて説明する。
まず、図5(a)に示すように、成形品Sにおける外側面の凹凸面S2を上方に向けた状態で下金型60にて内側面を保持し、成形品Sと上金型70との間に熱硬化性樹脂材料40を供給する。そして、同図(b)に示すように、下金型60と上金型70とを型閉し圧縮成形する。これにより、凹凸面S2に覆設部が成形され、凹凸面S2を覆設することで脚部S6が成形される。
ここで覆設とは、凹凸面S2が平滑となるように熱硬化性樹脂材料40で覆うものに限られることなく、凹凸面S2に対して微小に凹凸が残留するよう覆うものをも含む趣旨である。また、凹凸面S2の全面を熱硬化性樹脂材料40で覆うものに限られることなく、その一部のみを覆うものをも含む趣旨である。さらに、覆設部においては、脚部S6を成形するものに限られることなく、例えば、持ち手、取っ手等を成形することができるのは勿論である。
そして、同図(c)に示すように、下金型60と上金型70とを型開して、絵付け用ホイル43を新たな半成形品S1´の外側面に沿うように挿入する。当該絵付け用ホイル43は、半成形品S1´に絵付けをするための材料である。具体的には、絵付け用ホイル43は、食品衛生法に適合する耐熱インクで絵柄、模様、文字を印刷したうえ、メラミン樹脂材料を含浸させ、乾燥させた印刷紙等であって、半成形品S1´に沿うように環状帯に形成される。絵付け用ホイル43は環状帯に限られることなく、例えば、外側面の全面に沿う形状とすることもできるし、部分的に沿う形状であってもよいのは勿論である。
そして、同図(d)に示すように、下金型60と上金型70とを型閉して、半成形品S1´の外側面に絵付け用ホイル43を融着させる。なお、半成形品S1´の外側面に絵付けを施さない場合には、上述した同図(c)及び(d)の工程は不要である。
そして、同図(e)に示すように、下金型60と上金型70とを型開して、半成形品S1´と上金型70との間にグレーズ材料42を投入し、同図(f)に示すように、下金型60と上金型70とを型閉し、グレーズコーティング層Gを成形する。絵付け用ホイル43が融着されている場合には、グレーズコーティング層Gによって絵柄等の剥離を防止することができる。
そして、同図(g)に示すように、下金型60と上金型70とを型開して、下金型60に保持されている半成形品S1´を取り出す。具体的には、キャビティから溢れ出したグレーズ材料42によって成形されるバリ50にエアーダスター等を用いてエアーを吹きかける等して、下金型60から半成形品S1´を取り出す。そして、最後に、下金型60から取り出した半成形品S1´のバリ50を取り除き(図示しない)、成形品とする。このようにして、内側面にグレーズコーティング層Gの濃淡が形成された成形品Sの外側面に脚部S6を追加成形することができる。
上述した実施例において、下金型10、60、上金型20、70の形状、寸法等を適宜変更して実施することが可能である。例えば、グレーズコーティング層Gの濃淡を形成するために刻設される凹凸部15と共通あるいは別に、当該濃淡を用いて所定模様を形成するための表示凹凸部(図示しない)を上下のキャビティ面の少なくともいずれか一方に刻設することもできる。当該表示凹凸部による際には、成形面の対応する所定箇所に溜まり部S5と略同様の表示溜まり部(図示しない)を形成し、薄膜部G1と厚膜部G2によるグレーズコーティング層Gの濃淡によって表示部を成形することができる。
例えば、当該表示凹凸部は、図2において、下金型10の下金型キャビティ面11に凸状に刻設され、これにより、上金型20との1次成形により得られる半成形品S1における成形面の内側面に容量を示す目安線となる表示部を成形することができる。より詳細には、表示凹凸部の形状に伴って、半成形品S1に表示厚肉部と表示薄肉部を形成し、表示凹凸部に対応する表示凹凸面を成形する。そして、表示厚肉部と表示薄肉部の収縮量を相違させることで、表示厚肉部において、表示凹凸面と対向する側の表面に表示溜まり部を形成する。後に、上述と同様にして、同図(c)、(d)に示すように、薄膜部G1と厚膜部G2よるグレーズコーティング層Gの濃淡を形成し、表示部とする。当該表示部は、目安線に限られることなく、容量等の目安として利用することができる模様、目盛り、マーク等の表示とすることができるのは勿論であるし、表示凹凸部による表示部は、凹凸部15と同様にして、各種模様等を適宜選択し、又はこれらを組み合わせて形成することができるのは勿論である。
また、上記実施例においては、成形品Sにおける一方面側とされる内側面の表面に濃淡を有するグレーズコーティング層Gを成形するものであったが、成形品Sにおける外側面の表面に当該グレーズコーティング層Gを成形するものであってもよい。係る際には、例えば、図2に示す下金型10に凹凸部15を刻設することなく、上金型20の上金型キャビティ面21に凹凸部15を刻設するものとし、同図(c)にて下金型10と上金型20とを型開する際に、素地41(半成形品S1)を上金型20に保持した状態で離型できるよう金型を構成する。そして、保持された素地41(半成形品S1)と下金型10との間にグレーズ材料42を投入し、グレーズコーティング層Gを成形する。これにより、成形品Sにおける外側面の表面に濃淡を有するグレーズコーティング層Gが成形された熱硬化性樹脂成形品とすることができる。
また、例えば、追加成形する際には、図5に示すように、上下の金型を変更することなく、いずれか一方のみを交換可能な構成とする圧縮成形機を用いることで追加成形を行ってもよい。係る際には、例えば、図2(e)にて下金型10と上金型20とを型開する際に、バリ50を利用して半成形品S1を上金型20に保持した状態で離型できるよう金型を構成し、上金型20に半成形品S1を保持した状態で下金型10を交換し、半成形品S1における外側面の凹凸面S2に対して追加成形を行うものとすることもできる。
さらに、絵付け用ホイル43においては、上記追加成形時にて、グレーズコーティング層Gの濃淡が形成されない半成形品S1´の外側面に融着されるものであったが、図2に示すグレーズコーティング層Gが成形される半成形品S1の内側面に融着することもできる。係る際には、例えば、図2(c)にてグレーズ材料42を投入する前に、絵付け用ホイル43を半成形品S1の内側面に挿入し、下金型10と上金型20とを型閉して半成形品S1の内側面に絵付け用ホイル43を融着させればよい。また、成形品Sにおける外側面の表面にグレーズコーティング層Gが成形される場合において、当該外側面に絵付け用ホイル43を融着することができるのは勿論である。
さらに、一部構成を省略することができるし、一部抽出した構成とすることができるのは勿論である。
10 下金型
11 下金型キャビティ面
15 凹凸部
20 上金型
21 上金型キャビティ面
40 熱硬化性樹脂材料
41 素地
42 グレーズ材料
S 成形品
S1 半成形品
S2 凹凸面
S3 厚肉部
S4 薄肉部
S5 溜まり部
G グレーズコーティング層
G1 薄膜部
G2 厚膜部

Claims (7)

  1. 上下のキャビティ面の少なくともいずれか一方に所定模様を形成する凹凸部が刻設される金型にて素地を圧縮成形し、前記凹凸部によって成形面に肉厚差を生じさせて厚肉部と薄肉部とを形成するとともに前記凹凸部に対応する凹凸面を成形し、前記厚肉部の前記凹凸面と対向する側の表面に溜まり部を形成する工程と、
    前記凹凸面と対向する側の表面にグレーズコーティング層を成形する工程と、
    を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
  2. 上下のキャビティ面の少なくともいずれか一方に表示凹凸部が刻設される前記金型にて、前記表示凹凸部によって成形面に肉厚差を生じさせて表示厚肉部と表示薄肉部とを形成するとともに前記表示凹凸部に対応する表示凹凸面を成形し、前記表示厚肉部の前記表示凹凸面と対向する側の表面に表示溜まり部を形成する工程と、
    を含む請求項1に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記表示溜まり部は、容量の目安として利用可能な表示とされる請求項2に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記凹凸面の表面に素地を圧縮成形し、前記凹凸面を覆設する工程と、
    を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
  5. 内側面又は外側面の少なくともいずれか一方面側に、一方から他方へ向けて漸深する溜まり部を有する成形面と、
    前記溜まり部が形成される一方面側に、前記溜まり部によりグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、前記厚膜部より厚さの薄い薄膜部とから構成されるグレーズコーティング層と、
    前記成形面の少なくともいずれか一方の所定位置に前記厚膜部と前記薄膜部とから形成される表示部と、
    を備えることを特徴とする熱硬化性樹脂成形品。
  6. 内側面又は外側面の少なくともいずれか一方面側に、一方から他方へ向けて漸深する溜まり部を有する成形面と、
    前記溜まり部が形成される一方面側に、前記溜まり部によりグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、前記厚膜部より厚さの薄い薄膜部とから構成されるグレーズコーティング層と、
    前記グレーズコーティング層と対向する側の表面に形成される覆設部と、
    を備えることを特徴とする熱硬化性樹脂成形品。
  7. 内側面又は外側面の少なくともいずれか一方面側に、一方から他方へ向けて漸深する溜まり部を有する成形面と、
    前記溜まり部が形成される一方面側に、前記溜まり部によりグレーズ材料が多く流れ込む厚膜部と、前記厚膜部より厚さの薄い薄膜部とから構成されるグレーズコーティング層と、
    前記成形面の少なくともいずれか一方の所定位置に前記厚膜部と前記薄膜部とから形成される表示部と、
    前記グレーズコーティング層と対向する側の表面に形成される覆設部と、
    を備えることを特徴とする熱硬化性樹脂成形品。
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