JP5949065B2 - 工程用フィルムおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、例えばフリップチップの製造工程は、半導体ウエハの回路形成後、バンプを形成し、バックグラインドにより所定の厚みまで半導体ウエハを薄くして、その後ダイシングにより半導体ウエハを個片化する工程が主に採用されていた。
しかし、バンプ形成をバックグラインド前に行うと、バンプの厚みがあるために、均一の厚みにウエハを加工することが困難であった。
(1)半導体装置を製造する際に用いる工程用フィルムであって、前記工程用フィルムは、該工程用フィルムに半導体部材を固定した状態でバンプを形成した後、該半導体部材を剥離するために用いるものであり、80℃で4時間熱処理した前記工程用フィルムの粘着力が、60cN/25mm以上、1000cN/25mm以下であることを特徴とする工程用フィルム。
(2)前記工程用フィルムは、粘着層と、基材層とを有する(1)に記載の工程用フィルム。
(3)前記粘着層が、光硬化性樹脂を含む(2)に記載の工程用フィルム。
(4)前記粘着層が、ウレタンアクリレートを含む(2)または(3)のいずれかに記載の工程用フィルム。
(5)前記工程用フィルムを、365nm波長の紫外線を200mJ/cm照射する光照射処理後の粘着力が、5以上、50cN/25mm以下である(1)〜(4)のいずれかに記載の工程用フィルム。
(6)前記粘着層のDSCでの発熱ピークの現れる温度が120℃以上である請求項1〜5のいずれかに記載の工程用フィルム。
(7)前記工程用フィルムの80℃における弾性率が、1000Pa以上である(1)〜(6)のいずれかに記載の工程用フィルム。
(7)前記工程用フィルムに半導体部材を貼りつける工程、前記半導体部材にバンプをマウントする工程、前記半導体部材を前記工程用フィルムから剥がす工程、をこの順で含む半導体装置の製造方法。
本発明の工程用フィルムは、半導体装置を製造する際に用いる工程用フィルムであって、 前記工程用フィルムは、該工程用フィルムに半導体部材を固定した状態でバンプを形成した後、該半導体部材を剥離するために用いるものであり、80℃で4時間熱処理した前記工程用フィルムの粘着力が、60cN/25mm以上、1000cN/25mm以下であることを特徴とする。
具体的には、テープをミラー(鏡面)ウエハ等の半導体部材に貼り付けた後、30min放置し、剥離速度300mm/minで引っ張り試験機にて180°ピールを行うことにより求めることができる。
例えばDSCでのピークは例えば5℃/minの速度で昇温させた際に各温度での発熱吸熱ピークを測定する。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記工程用フィルムに半導体部材を貼りつける工程、前記半導体部材にバンプをマウントする工程、前記半導体部材を前記工程用フィルムから剥がす工程、をこの順で含む。
<工程用フィルムの作製>
基材層を構成する材料として、ポリプロピレン60重量部、一般式(1)で示されるポリスチレンセグメントと一般式(2)で示されるビニルポリイソプレンセグメントとから成るブロック共重合体40重量部を準備した。
作製後23℃で7日間以上が経過した工程用フィルムを、被着体である半導体ウエハの鏡面に貼着した。貼着後20分後、および100℃のホットプレートで4時間加熱後において、工程用フィルムの半導体ウエハ鏡面に対する粘着力をそれぞれ180°剥離試験により測定した。180°剥離試験は、万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、品名:テンシロン)を用いて、環境温度:23℃、環境圧力:常圧、引張速度:300mm/minの条件下で行われた。そして、得られた粘着力チャートの平均値を工程用フィルムの粘着力(cN/25mm)とした。結果、初期の粘着力が350cN/25mmであり、熱処理後の粘着力が450cN/25mmであった。
先ず、200μm厚の6インチ半導体ウエハの裏面を工程用フィルムの粘着剤層側に貼り付けて固定した。併せて、この工程用フィルムの縁部分を、リング形状のウエハリングに固定した。ここで、半導体ウエハの表側の電気回路面には、複数の10cm×10cmサイズの半導体チップの領域が形成され、各半導体チップの領域にそれぞれ電気回路(回路パターン)を形成されている。また、これら各電気回路の周囲には、外部との電気的な接続を行うための電極も形成してされている。
バンプボンディングされた半導体ウエハを、ダイシングソーを用いて10mm×10mmのサイズにダイシングした。ダイシング条件を、以下に示す。ダイシング性評価は、ダイシング時において、周辺の△チップが飛んだものを×として、△チップが残っているものを○とした。結果を表1に示す。
(ダイシング条件)
ダイサー :ディスコ製DAD3350
カット速度 :60mm/sec
ブレードハイト: 0.07mm
ブレード回転数: 50000rpm
ブレード : ZBC−XH 2050 27HEDD(ディスコ製)
切削水量(ブレード) : 1L/min
切削水量(シャワー): 1L/min
ダイシング後、工程用フィルムの半導体ウエハが貼り付けられている面と反対側の面から、365nm波長の紫外線を200mJ/cm2照射し、真空吸着するコレットを用いてダイシングされた半導体ウエハの表面を吸着し、4mm間隔の4本のニードルを工程用フィルムの下から500μm突上げて、半導体チップを工程用フィルムからピックアップした。ピックアップ条件を、以下に示す。ピックアップ性の評価は、ダイシングされた半導体ウエハのうち、99%以上ピックアップできたものを◎、90%以上99%未満ピックアップできたものを○、それ以外のものを×で評価した。また、糊残りの評価は、半導体チップの裏面を×50の光学顕微鏡で観察し、粘着剤がチップ裏面に残っているか確認した。裏面に粘着剤が付いているものを×、付いていないものを○とした。結果を表1に示す。
(ピックアップ条件)
ピックアップ装置 : ヒューグルエレクトロニクス社製 DE−35i−8タイプ
ピン形状 : R150μm
<半導体チップの載せ換え作業>
実施例1と同様にして工程用フィルムを作製し、実施例1と同様の200μm厚の6インチ半導体ウエハの裏面を工程用フィルムの粘着剤層側に貼り付けて固定した。次に、半導体ウエハを、ダイシングソーを用いて10mm×10mmのサイズにダイシングした。ダイシング条件は、実施例1と同様にした。ダイシング後、工程用フィルムの半導体ウエハが貼り付けられている面と反対側の面から、365nm波長の紫外線を200mJ/cm2照射した。次に、工程用フィルムをもう一枚用意し、真空吸着するコレットを用いてダイシングされた半導体ウエハの表面を吸着し、4mm間隔の4本のニードルを工程用フィルムの下から500μm突上げて、半導体チップを工程用フィルムからピックアップし、もう一枚の工程用フィルムにチップを載せた。
次に、工程用フィルムに乗せ換えた半導体チップに、実施例1と同様にしてバンプボンディングを行った。
工程用フィルムの半導体ウエハが貼り付けられている面と反対側の面から、365nm波長の紫外線を200mJ/cm2照射し、実施例1と同様にピックアップを行い、ピックアップ性および糊残りの評価を行った。結果を表1に示す。
粘着層のベース樹脂として、KP−382(日本カーバイド工業製)を準備した。
また、粘着層の架橋剤として、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を、ベース樹脂100重量部に対して6重量部準備した。
実施例1と同様に、工程用フィルムを半導体ウエハの鏡面に貼着し、初期の粘着力と熱処理後の粘着力を確認した。結果、初期の粘着力が1200cN/25mmであり、熱処理後の粘着力が1500cN/25mmであった。
実施例1と同様にして、得られた工程用フィルムに半導体ウエハを貼り付けて、バンプボンディングを行った。
バンプボンディングされた半導体ウエハを、実施例1と同様にして、ダイシングソーを用いて10mm×10mmのサイズにダイシングを行い、ダイシング性の評価を行った。結果を表1に示す。
工程用フィルムの半導体ウエハが貼り付けられている面と反対側の面から、365nm波長の紫外線を200mJ/cm2照射し、実施例1と同様にピックアップを行い、ピックアップ性および糊残りの評価を行った。結果を表1に示す。
粘着層のベース樹脂として、KP−2341(日本カーバイド工業製)を準備した。
また、粘着層の架橋剤として、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)を、ベース樹脂100重量部に対して6重量部準備した。
実施例1と同様に、工程用フィルムを半導体ウエハの鏡面に貼着し、初期の粘着力と熱処理後の粘着力を確認した。結果、初期の粘着力が10cN/25mmであり、熱処理後の粘着力が15cN/25mmであった。
実施例1と同様にして、得られた工程用フィルムに半導体ウエハを貼り付けて、バンプボンディングを行った。
バンプボンディングされた半導体ウエハを、実施例1と同様にして、ダイシングソーを用いて10mm×10mmのサイズにダイシングを行い、ダイシング性の評価を行った。結果を表1に示す。
工程用フィルムの半導体ウエハが貼り付けられている面と反対側の面から、365nm波長の紫外線を200mJ/cm2照射し、実施例1と同様にピックアップを行い、ピックアップ性および糊残りの評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (6)
- 半導体装置を製造する際に用いる工程用フィルムであって、
前記工程用フィルムは、該工程用フィルムに半導体部材を固定した状態でバンプを形成した後、該半導体部材を剥離するために用いるものであり、
前記工程用フィルムの粘着力をAとして
前記工程用フィルムを80℃で4時間の熱処理後の粘着力をBとしたとき、
0.8≦B/A≦2を満たし、
Bが、60cN/25mm以上、1000cN/25mm以下であり、
前記工程用フィルムの80℃における弾性率が、1000Pa以上であることを特徴とする工程用フィルム。 - 前記工程用フィルムは、粘着層と、基材層とを有する請求項1に記載の工程用フィルム。
- 前記粘着層が、光硬化性樹脂を含む請求項2に記載の工程用フィルム。
- 前記粘着層が、ウレタンアクリレートを含む請求項2または3のいずれかに記載の工程用フィルム。
- 前記工程用フィルムを、365nm波長の紫外線を200mJ/cm照射する光照射処理後の粘着力が、5以上、50cN/25mm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の工程用フィルム。
- 前記粘着層のDSCでの発熱ピークの現れる温度が120℃以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の工程用フィルム。
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